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(平成25年9月)3(PDF:2135KB)

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(平成25年9月)3(PDF:2135KB)
1
建築物
8
視覚障害者が円滑に利用することができる経路
【基本的な考え方】
・視覚障害者が施設を利用しやすいよう、施設利用に関する情報が得られる場所まで道路から連続し
て誘導します。
・誘導経路、特に視覚障害者誘導用ブロック等の敷設経路については、あらかじめ動線を設定し、遠
回りになったり複雑になったりしないよう配慮します。
整備基準
解説
(1) 次に掲げる場合には、それぞれ次に掲げる経路(不特定
かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用する
ものに限る。)のうち1以上を、視覚障害者が円滑に利用す
ることができる経路にすること。ただし、主として自動車の
駐車の用に供する施設については、この限りでない。
ア 建築物又はその敷地に当該建築物の案内設備を設ける
場合 道等から当該案内設備までの経路
イ 案内設備を設けない場合 道等から当該建築物の主要
な出入口までの経路
・案内設備とは、視覚障害者が施設
全体の利用に関する情報を得るこ
とができる場所を言い、受付や点
字案内板、インターホン等を指し
ます。
(2) 当該経路は、次に掲げるものとすること。
下記以外の建築物
ア 当該経路に、視覚障害者誘導用ブロック等を敷設し、又
は音声その他の方法により視覚障害者を誘導する設備を設
けること。ただし、進行方向を変更する必要がない風除室
内においては、この限りでない。
イ 当該経路を構成する敷地内の通路の次に掲げる部分に
は、点状ブロック等を敷設すること。
(ア) 車路に近接する部分
(イ) 段がある部分の上端に近接する部分
70
・「視覚障害者誘導用ブロック」と
は、視覚障害者に対する誘導又は段
差の存在等の警告若しくは注意喚
起を行うために路面に敷設される
ブロックをいう。(条例第26条第3
号)
・「点状ブロック等」とは、視覚障
害者に対し段差又は傾斜の存在の
警告を行うために、床面に敷設され
るブロックその他これに類するも
のであって、点状の突起が設けられ
ており、かつ、周囲の床面との色の
明度、色相又は彩度の差が大きいこ
とにより容易に識別できるものを
いう。(令第11条第2号)
・「線状ブロック等」とは、視覚障
害者の誘導を行うために、床面に敷
設されるブロックその他これに類
するものであって、線状の突起が設
けられており、かつ、周囲の床面と
の色の明度、色相又は彩度の差が大
きいことにより容易に識別できる
ものをいう。(令第21条第2項第1
号)
1
整備例
●:整備基準(
は条例第6章の適用対象建築物にのみ適用される整備基準)
○:整備が望ましい項目
71
建築物
1
建築物
<バリアフリー法施行令>
第二十一条 道等から前条第二項の規定による設備又は同条第 ・条例により、屋外に案内設備を設
ける場合でも、原則として道等か
三項の規定による案内所までの経路(不特定かつ多数の者が
ら建築物の主要な出入口までを整
利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)
備するよう求めています。
は、そのうち一以上を、視覚障害者が円滑に利用できる経路 ・
「国土交通大臣が定める場合」とは、
次のいずれかの場合を言います。
(以下この条において「視覚障害者移動等円滑化経路」とい
( 平 成 18 年 国土 交 通 省 告示 第
う。)にしなければならない。ただし、視覚障害者の利用上支
1497 号第四)
障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限り
①主として自動車の駐車の用に供
でない。
する施設に設けるもの
②建築物の内にある当該建築物を
管理する者等が常時勤務する案
内所から直接地上へ通ずる出入
口を容易に視認でき、かつ、道
等から当該出入口までの経路が
令第 21 条第2項に定める基準に
適合するものである場合
条例第6章の適用対象建築物
2 視覚障害者移動等円滑化経路は、次に掲げるものでなけれ
ばならない。
一 当該視覚障害者移動等円滑化経路に、視覚障害者の誘導
を行うために、線状ブロック等(床面に敷設されるブロック ・線状ブロック等、点状ブロック等:
形状については原則として、JIS T
その他これに類するものであって、線状の突起が設けられ
9251 に合致するものとします。
ており、かつ、周囲の床面との色の明度、色相又は彩度の
差が大きいことにより容易に識別できるものをいう。)及び
点状ブロック等を適切に組み合わせて敷設し、又は音声そ
の他の方法により視覚障害者を誘導する設備を設けるこ
と。ただし、進行方向を変更する必要がない風除室内にお
いては、この限りでない。
二 当該視覚障害者移動等円滑化経路を構成する敷地内の通
路の次に掲げる部分には、視覚障害者に対し警告を行うた
めに、点状ブロック等を敷設すること。
イ 車路に近接する部分
ロ 段がある部分又は傾斜がある部分の上端に近接する部 ・条例により、「国土交通大臣が定め
る部分」を「知事が定める部分」
分(視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通
と読み替えています。
大臣が定める部分を除く。)
<条例>
第69条 道等から建築物の主要な出入口(所管行政庁(法第2 ・「知事が別に定める部分」とは、段
がある部分又は傾斜がある部分の
条第1項第20号に規定する所管行政庁をいう。以下同じ。
)が
上端に近接する部分が次のいずれ
敷地の状況等によりやむを得ないと認める場合にあっては、
かに該当するものを言います。
(平
当該敷地内の当該建築物の案内設備)までの経路のうち1以
成 16 年京都府告示第 570 号)
上は、令第21条第2項各号に掲げるものでなければならない。 ①勾配が 1/20 を超えない傾斜があ
る部分の上端に近接するもの
この場合において、同項第2号ロ中「国土交通大臣が定める
②高さが 16 ㎝を超えず、かつ、勾
部分」とあるのは、
「知事が別に定める部分」とする。
配が 1/12 を超えない傾斜がある
部分の上端に近接するもの
72
1
整備例
●:整備基準(
は条例第6章の適用対象建築物にのみ適用される整備基準)
○:整備が望ましい項目
◇屋 外 や 駅 構 内 等
の広 い場 所 での
敷設例
階段幅に合わせて敷設する
73
建築物
1
建築物
9
浴室等
【基本的な考え方】
・浴室やシャワー室は、転倒等の危険性が高い場所であることから、滑りにくい仕上げ、出入口や洗
い場内の段差解消等、安全対策を重視します。
・誰もが利用しやすいよう、空間の確保、手すりの設置等について考慮します。
整備基準
解説
(1) 多数の者が利用する浴室等を設ける場合には、その床の
表面は、滑りにくい材料で仕上げること。
・p.138(「床(路面)仕上げの考え
方」
)参照
下記以外の建築物
(2) (1)の浴室等のうち1以上(男子用及び女子用の区別のあ
る場合にあっては、それぞれ1以上)は、次に掲げるものと
すること。
ア 浴槽、シャワー、手すり等が適切に配置されていること。 ・浴槽への出入りや洗い場における
イ 車椅子使用者が円滑に利用することができるよう十分
な空間が確保されていること。
ウ 出入口は、次に掲げるものとすること。
(ア) 幅は、80センチメートル以上とすること。
(イ) 戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その
他の車椅子使用者が容易に開閉して通過することができ
る構造とし、かつ、その前後に高低差がないこと。
立ち座り動作の補助のために、適
切な位置に手すりを設けます。
・浴槽への出入りのために、可動式
のものも含め腰掛け台の設置が望
ましいです。
・浴室内、脱衣室内に設置の便所に
ついては、車椅子用便房とするこ
とが望ましいです。
条例第6章の適用対象建築物
<条例>
第66条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、 ・p.138(「床(路面)仕上げの考え
方」
)参照
障害者等が利用する浴室又はシャワー室(以下「浴室等」と
いう。
)を設ける場合には、それらの床の表面は、滑りにくい
材料で仕上げなければならない。
2 前項の浴室等のうち1以上(男子用及び女子用の区別があ
る場合にあっては、それぞれ1以上)は、次に掲げるもので
なければならない。
(1) 浴槽、シャワー、手すり等が適切に配置されているこ ・浴槽への出入りや洗い場における
立ち座り動作の補助のために、適
と。
切な位置に手すりを設けます。
(2)
車椅子使用者が円滑に利用することができるよう十分
な空間が確保されていること。
(3) 出入口は、次に掲げるものとすること。
ア 幅は、85センチメートル以上とすること。
イ 戸を設ける場合には、回転形式とせず、自動的に開閉
する構造その他の車椅子使用者が容易に開閉して通過す
ることができる構造とし、かつ、その前後に高低差がな
いこと。
整備が望ましい項目
解説
・水栓(洗い場の水栓及びシャワー)は、自動温度調節装置(サー
モスタット)付きとすること。
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1
整備例
●:整備基準(
は条例第6章の適用対象建築物にのみ適用される整備基準)
○:整備が望ましい項目
75
建築物
1
建築物
10
客席
【基本的な考え方】
・誰もが音楽鑑賞や観劇、スポーツ観戦、講演会への参加といった活動を楽しめるよう、様々な利用
者を想定して整備します。
・出入口から容易に到達でき、かつ、舞台やスクリーン等が見やすい位置に車椅子使用者用のスペー
スを設けるほか、聴覚障害者等の利用への対応を考慮します。
整備基準
解説
(1) 条例別表第2の1の項の(3)又は(4)に掲げる用途に供す (算定例)
・全客席数が 180 席の場合
る建築物の客席に固定式の座席を設ける場合には、車椅子使
180×1/200=0.9→2区画以上
用者用区画を、全客席数に200分の1を乗じて得た数(当該 ・全客席数が 750 席の場合
数が2未満の場合にあっては2、10を超える場合にあっては
750×1/200=3.75→4区画以上
10)以上設けること。
(2) 車椅子使用者用区画は、次に掲げるものとすること。
ア 幅は、85センチメートル以上とし、奥行きは、120セン
チメートル以上とすること。
・85 ㎝とは、車椅子使用者が通過で
きる幅である 80 ㎝に、隣の人との
余裕を見た寸法です。
・120 ㎝とは、手動車椅子及び電動車
いすの JIS 規格上の全長です。
イ 床面は、高低差がないものとすること。
下記以外の建築物
(3) 7の項の(2)の基準に適合する客席の出入口と車椅子使
用者用区画との間の経路を構成する通路は、次に掲げるもの
とすること。
ア 幅は、120センチメートル以上とすること。
・120 ㎝とは、車椅子で通行しやすい
幅、歩行者が横向きになれば車椅
子とすれ違える幅、二本杖使用者
が通行しやすい幅です。
イ 高低差がある場合には、次に定める構造の傾斜路を設け
ること。
(ア)手すりを設けること。
(イ)表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げる ・p.138(「床(路面)仕上げの考え
方」
)参照
こと。
(ウ)幅は、階段に代わるものにあっては120センチメート ・120 ㎝とは、車椅子で通行しやすい
幅、歩行者が横向きになれば車椅
ル以上、階段に併設するものにあっては90センチメー
子とすれ違える幅、二本杖使用者
トル以上とすること。
が通行しやすい幅です。
(エ)勾配は、12分の1を超えないこと。ただし、高さが1
6センチメートル以下のものにあっては、8分の1を超
えないこと。
(オ)高さが75センチメートルを超えるものにあっては、
高さ75センチメートル以内ごとに踏幅が150センチメ
ートル以上の踊場を設けること。
(カ)始点及び終点には、車椅子が安全に停止することが ・傾斜路の延長方向に長さ 150 ㎝以
上の水平部分を設けることを標準
できる平たんな部分を設けること。
とします。
76
1
整備例
●:整備基準(
は条例第6章の適用対象建築物にのみ適用される整備基準)
○:整備が望ましい項目
77
建築物
1
建築物
<規則別表第1の1>
(1) 条例別表第2の1の項の(3)又は(4)に掲げる用途に供す (算定例)
・全客席数が 180 席の場合
る建築物の客席に固定式の座席を設ける場合には、車椅子使
180×1/200=0.9→2区画以上
用者が円滑に利用することができる区画(以下「車椅子使用 ・全客席数が 750 席の場合
者用区画」という。)を、全客席数に200分の1を乗じて得
750×1/200=3.75→4区画以上
た数(当該数が2未満の場合にあっては2、10を超える場合
にあっては10)以上設けること。
(2) 車椅子使用者用区画は、次に掲げるものとすること。
ア 幅は、85センチメートル以上とし、奥行きは、120セン
チメートル以上とすること。
・85 ㎝とは、車椅子使用者が通過で
きる幅である 80 ㎝に、隣の人との
余裕を見た寸法です。
・120 ㎝とは、手動車椅子及び電動車
椅子の JIS 規格上の全長です。
イ 床面は、高低差がないものとすること。
条例第6章の適用対象建築物
(3) 建築物移動等円滑化基準に適合する客席の出入口と車椅
子使用者用区画との間の経路を構成する通路は、次に掲げる
ものとすること。
ア 幅は、120センチメートル以上とすること。
・120 ㎝とは、車椅子で通行しやすい
幅、歩行者が横向きになれば車椅
子とすれ違える幅、二本杖使用者
が通行しやすい幅です。
イ 高低差がある場合には、次に定める構造の傾斜路を設け
ること。
(ア)手すりを設けること。
(イ)表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げる ・p.138(「床(路面)仕上げの考え
方」
)参照
こと。
(ウ)幅は、階段に代わるものにあっては120センチメート ・120 ㎝とは、車椅子で通行しやすい
幅、歩行者が横向きになれば車椅
ル以上、階段に併設するものにあっては90センチメー
子とすれ違える幅、二本杖使用者
トル以上とすること。
が通行しやすい幅です。
(エ)勾配は、12分の1を超えないこと。ただし、高さが1
6センチメートル以下のものにあっては、8分の1を超
えないこと。
(オ)高さが75センチメートルを超えるものにあっては、
高さ75センチメートル以内ごとに踏幅が150センチメ
ートル以上の踊場を設けること。
(カ)始点及び終点には、車椅子が安全に停止することが ・傾斜路の延長方向に長さ 150 ㎝以
上の水平部分を設けることを標準
できる平たんな部分を設けること。
とします。
整備誘導基準
解説
条例別表第2の1の項の(3)又は(4)に掲げる用途に供する特定ま
ちづくり施設にあっては、磁気ループ等の集団補聴設備を設けた客
席を設けること。
整備が望ましい項目
・p.126(
「6 整備誘導基準」の「5
集団補聴設備」
)参照
解説
・スクリーン及びプロジェクター等、要約筆記の内容を会場に映し ・要約筆記とは、聴覚障害者に、話
の要点をその場で文字にして伝え
出すことができる設備を設けること。
る通訳のことです。
78
1
整備例
◎:整備誘導基準
○:整備が望ましい項目
79
建築物
1
建築物
11
標識
【基本的な考え方】
・標識は、一見してその表現内容を理解できる、日本語のわからない人にも情報を伝えられるなど、年
齢や国の違いを越えた情報手段として有効です。
・JIS規格等の標準化されたものを使用することが望ましく、その例としては次のものがあります。
①国際シンボルマーク(公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会)
身体障害者が使用可能な建物・施設であることを示す。(P.71参照)
②日本工業規格「案内用図記号」(JIS Z 8210:2002)
JISの案内用図記号には安全・禁止・注意及び指示図記号に用いる基本形状、色及び使い方につ
いて定めている。また、公共・一般施設を案内する図記号についても定めている。
なお、この中に定めていないものについては、次の③によることが望ましい。
③標準案内用図記号ガイドライン(公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団)
標準化された各種案内用図記号が定められている。(P.140参照)
整備基準
解説
条例第6章の適用対象建築物
<バリアフリー法施行令>
第十九条 移動等円滑化の措置がとられたエレベーターその他
の昇降機、便所又は駐車施設の付近には、国土交通省令で定 ・「国土交通省令で定めるところ」と
は、次のものを言います。
(国土交
めるところにより、それぞれ、当該エレベーターその他の昇
通省令第
113
号)
降機、便所又は駐車施設があることを表示する標識を設けな
①高齢者、障害者等の見やすい位
ければならない。
置に設けなければならない
②標識に表示すべき内容が容易に
識別できるもの(当該内容が日
本工業規格 Z8210 に定められて
いるときは、これに適合するも
の)でなければならない
・P.26・27(「4 便所」)
、P.35(「6
駐車場」
)参照
80
1
建築物
整備例
●:整備基準(
は条例第6章の適用対象建築物にのみ適用される整備基準)
○:整備が望ましい項目
■国際シンボルマーク
出典)
「国際シンボルマークについて」
(公益財団法人 日本障害
者リハビリテーション協
会)
■各種標識
車いす使用者用駐車施設
車いす使用者用便房
車いす使用者対応エレベーター
■表示方法
81
1
建築物
12
案内設備
【基本的な考え方】
・移動等円滑化の措置がとられたエレベーター等、便所又は駐車施設の配置を表示します。
条例第6章の適用対象建築物
<バリアフリー法施行令>
第二十条 建築物又はその敷地には、当該建築物又はその敷地
内の移動等円滑化の措置がとられたエレベーターその他の昇
降機、便所又は駐車施設の配置を表示した案内板その他の設 ・「その他の設備」とは、音声案内又
は第3項に規定する案内所を言い
備を設けなければならない。ただし、当該エレベーターその
ます。
他の昇降機、便所又は駐車施設の配置を容易に視認できる場
合は、この限りでない。
2 建築物又はその敷地には、当該建築物又はその敷地内の移
動等円滑化の措置がとられたエレベーターその他の昇降機又
「国土交通大臣が定める方法」とは、
は便所の配置を点字その他国土交通大臣が定める方法により ・
次のものを言います。(平成 18 年
視覚障害者に示すための設備を設けなければならない。
国土交通省告示第 1491 号)
① 文字等の浮き彫り
② 音による案内
③ 点字及び前二号に類するもの
3 案内所を設ける場合には、前二項の規定は適用しない。
82
1
整備例
●:整備基準(
は条例第6章の適用対象建築物にのみ適用される整備基準)
○:整備が望ましい項目
■案内板の整備例
83
建築物
1
建築物
13
客室
【基本的な考え方】
・ホテル又は旅館において、全客室数が 50 以上の場合は、1以上の車椅子使用者用客室の設置が義務
づけられます。
整備基準
解説
<バリアフリー法施行令>
第十五条 ホテル又は旅館には、客室の総数が50以上の場合は、 ・車椅子使用者用客室は、移動の
困難さを考慮してエレベーター
車いす使用者が円滑に利用できる客室(以下「車いす使用者用客
に近接した位置が望ましい。
室」という。)を1以上設けなければならない。
2 車いす使用者用客室は、次に掲げるものでなければならない。
条例第6章の適用対象建築物
一 便所は、次に掲げるものであること。ただし、当該客室が ・p.18(「1 建築物」の「4 便所」)
参照
設けられている階に不特定かつ多数の者が利用する便所(車
いす使用者用便房が設けられたものに限る。)が1以上(男子
用及び女子用の区別があるときは、それぞれ1以上)設けられ
ている場合は、この限りでない。
イ 便所内に車いす使用者用便房を設けること。
ロ 車いす使用者用便房及び当該便房が設けられている便所
の出入口は、次に掲げるものであること。
(1) 幅は、80cm以上とすること。
(2) 戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その他
の車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、
かつ、その前後に高低差がないこと。
二 浴室又はシャワー室(以下この号において「浴室等」とい ・p.74(「1 建築物」の「9 浴室
等」
)参照
う。)は、次に掲げるものであること。ただし、当該客室が設
けられている建築物に不特定かつ多数の者が利用する浴室等
(次に掲げるものに限る。)が1以上(男子用及び女子用の区別
があるときは、それぞれ1以上)設けられている場合は、この
限りでない。
イ 車いす使用者が円滑に利用することができるものとして ・「国土交通大臣が定める構造」と
は次のものをいいます。(平成
国土交通大臣が定める構造であること。
18 年国土交通省告示第 1495 号)
①浴槽、シャワー、手すり等が
適切に配置されていること。
②車いす使用者が円滑に利用す
ることができるよう十分な空
間が確保されていること。
ロ 出入口は、前号ロに掲げるものであること。
整備が望ましい項目
解説
・浴室や便所には、非常呼出ボタンを設置すること。
・客室の戸は、部屋番号等を点字により表示する等視覚障
害者が円滑に利用できるものとすること。
・避難経路を示す案内板等は、点字により表示すること。
・聴覚障害者に対応した設備を設置又は貸し出しするこ ・次のような設備を備えることが望まれます。
・屋内信号装置(目覚まし時計、ドアのノックやチャイ
と。
ム、火災報知器の警報音、電話やファックスの着信等
を感知し、振動やフラッシュライトの点滅等で知らせ
る装置)
・ファックス
・音量増幅装置付き電話機
・振動式目覚まし時計
・文字放送受信テレビ
84
1
建築物
整備例
●:整備基準(
は条例第6章の適用対象建築物にのみ適用される整備基準)
○:整備が望ましい項目
床の表面は滑りにくい材料で仕上げる
●車いす使用者が円滑に利用できる十分な空間
●出入口に高低差を設けない
の例
85
1
建築物
14
増築等の場合の適用範囲
【基本的な考え方】
・増築等の場合において、当該増築等に係る部分に至る経路が既存部分を経由する場合は、経路を構
成する既存部分についても、これまで述べてきた整備基準に基づいて整備する必要があります。
・便所や駐車場が既存のもののみの場合は、それらについても同様です。
整備基準
解説
条例第6章の適用対象建築物
<バリアフリー法施行令>
第二十二条 建築物の増築又は改築(用途の変更をして特別特
定建築物にすることを含む。第一号において「増築等」とい
う。)をする場合には、第十一条から前条までの規定は、次に
掲げる建築物の部分に限り、適用する。
一 当該増築等に係る部分
二 道等から前号に掲げる部分にある利用居室までの一以上
の経路を構成する出入口、廊下等、階段、傾斜路、エレベ
ーターその他の昇降機及び敷地内の通路
三 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障 ・条例第 61 条で追加した特定建築物
に対しては、
「不特定かつ多数の者
害者等が利用する便所
が利用し、又は主として高齢者、
四 第一号に掲げる部分にある利用居室(当該部分に利用居
身体障害者等が利用する」を「多
室が設けられていないときは、道等)から車いす使用者用便
数の者が利用する」と読み替えて
適用されます。
(バリアフリー法施
房(前号に掲げる便所に設けられるものに限る。)までの一
行令第 23 条、条例第 72 条)
以上の経路を構成する出入口、廊下等、階段、傾斜路、エ
レベーターその他の昇降機及び敷地内の通路
五 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障
害者等が利用する駐車場
六 車いす使用者用駐車施設(前号に掲げる駐車場に設けら
れるものに限る。)から第一号に掲げる部分にある利用居室
(当該部分に利用居室が設けられていないときは、道等)ま
での一以上の経路を構成する出入口、廊下等、階段、傾斜
路、エレベーターその他の昇降機及び敷地内の通路
86
1
整備基準
解説
条例第6章の適用対象建築物
<条例>
第71条 建築物の増築又は改築(用途の変更をして特別特定建
築物(第61条各号に掲げる特定建築物を含む。)にすることを
含む。以下「増築等」という。
)をする場合には、第64条から
前条までの規定は、次に掲げる建築物の部分に限り、適用す
る。
(1) 当該増築等に係る部分
(2) 道等から前号の部分にある利用居室、特定利用居室又
は住戸等(以下この条において「利用居室等」という。)
までの1以上の経路を構成する出入口、廊下等、階段、
傾斜路、エレベーターその他の昇降機及び敷地内の通路
(3) 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、
障害者等が利用する便所
(4) 第1号の部分にある利用居室等(当該部分に利用居室
等が設けられていないときは、道等。第6号において同
じ。
)から車椅子使用者用便房(前号の便所に設けられる
ものに限る。
)までの1以上の経路を構成する出入口、廊
下等、階段、傾斜路、エレベーターその他の昇降機及び
敷地内の通路
(5) 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、
障害者等が利用する駐車場
(6) 車椅子使用者用駐車施設(前号の駐車場に設けられる
ものに限る。
)から第1号の部分にある利用居室等までの
1以上の経路を構成する出入口、廊下等、階段、傾斜路、
エレベーターその他の昇降機及び敷地内の通路
87
建築物
88
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