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4快適な輸送サービスの提供

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4快適な輸送サービスの提供
4
快適な輸送サービスの提供
お客様に安全で快適な輸送サービスを
提供することにより、鉄道のご利用を促進し、
地球環境保全に貢献していきます。
JR 東海は、地球環境への負荷が少ない鉄道をより一層
ご利用いただけるよう、
安全・安定性の追求、利便性・快適性の向上など、
より魅力のある輸送システムの構築に努めています。
安全・安定輸送
JR 東海は、安全・安定輸送の確保を鉄道事業の原点と位置付け、システムの改善、車両・設備への最新技術の導入を
推進しています。また、運転業務や設備保守に従事する社員などの教育訓練に努めるほか、異常時に備え、各種の事故
や災害を想定した実践的訓練を実施するなど、即応体制の強化も図っています。
鉄道を安全かつ安定的に運行することは、地球環境保全の面で優れた鉄道をより多くのお客様に選択していただく
ための前提であると考え、そのための取り組みをさまざまな形で推進しています。
安全・安定輸送の推移
■ 鉄道運転事故
JR 東海では、安全・安定輸送を確保するため、社員の
の改良、防災設備の整備などを進めてきた結果、2006 年
教育・訓練、安全設備の整備など、ソフト・ハード両面
度の鉄道運転事故は会社発足以来最少の 17 件まで減少
にわたる各種の対策を推進してきました。特に、在来線
しました。
において ATS ※ 1 への速度照査機能の付加など保安装置
※ 1 ATS :自動列車停止装置 (Automatic Train Stop)
の改良、CTC ※ 2 化の推進、新型車両の投入、踏切設備
※ 2 CTC :列車集中制御装置 (Centralized Traffic Control)
(件)
80
(件)
1.5
60
60 60
66
1
列車衝突・脱線等の重大事故
57
踏切事故
8
17 24 15
1
40
鉄道人身障害事故
19 33 35 35
50
0.5
20
15
42 40 41
1987 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06
(年度)
34
31 30
15 18
28
12
26
17 13
20
13
22 21
8
17
22 24 21
1 17
14 15 10 1
9
14
21
10
17 19 16
15
14
10
14
11 7 6 10
11
7
6
2 3
2 1 1 1 1 1 1 1
1
1 3
0
1987 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06
(年度)
26
0
物損事故
46
※ 90、91、96、97 年度の重大事故 1 件は踏切事故によるもの
列車 100 万 km あたりの鉄道運転事故件数
鉄道運転事故の推移
19
■ 踏切事故
JR 東海では、会社発足当初から長期計画に基づき、踏
安全通行に関する PR 活動を行ってきた結果、踏切事故
切の高機能化、踏切障害物検知装置や踏切支障報知装置
件数は年々減少傾向にあり、2006 年度は 6 件と会社発足
などハード対策の整備を行うとともに、踏切数の減少に
時の 8 分の 1 以下となりました。
もつながる高架化事業を推進してきました。さらに踏切
(件)
1.5
(件)
60
※在来線の列車キロでカウント
50
3
1
自動車
二輪・軽車両
42
40 41
40 12
6 4 2
5 8
11
0.5
20
35
31 31
25
0
1987 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06(年度)
歩行者
26
2
4
21
19
17
17
4
4
4 14 15
3
8
1
3
5 4
11
5 3 10
20
1 5
3
14
10 9 8 9
6 3 9
3
14
3
11
7 4
3 2
5 2 5
2
0
1987 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02
在来線・列車 100 万 km あたりの踏切事故件数
6
10
7
2
1
4
6
3
1
2
03 04
5
4
1
05
6
2
1
3
06(年度)
踏切事故件数
踏切事故防止キャンペーン
JR 東海では、全国交通安全運動の一環として、踏切事故防止キ
ャンペーンを実施しています。キャンペーン期間中は、ポスターの
掲示、駅・車内での放送、主要踏切における踏切の安全通行の PR
や、警察、市町村、小学校などと連携した事故防止の啓発を行って
います。
2.7
■ 1 列車あたりの平均遅延時分(新幹線)
2.3
2.4
東海道新幹線では、安全性・安定性を確保するため、
ハード・ソフト両面でたゆまぬ努力を重ねてきました。
87年4月
JR東海発足
1.7
1.4
その結果、近年では 1 列車あたりの平均遅延時分は 1 分
1.2
1.0
以下と極めて低い値で安定しています。
0.8
0.8
0.7
0.6
0.4
0.6
0.9
0.7
0.8
0.7
0.6
0.6
0.3
0.4 0.4
0.3
0.4
0.6
0.3
0.1
1980 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06
(年度)
1 列車あたりの平均遅延時分の推移(分)
※降雨、強風などによる遅延を含む
東海道新幹線の運転規制見直し
東海道新幹線の雨に対する災害防止に関しては、設備の
による運転中止規制値を 50 ミリから 60 ミリに見直しまし
強度を向上させるハード対策とともに、雨量が一定の規制
た。これにより、安全を確保しつつ新幹線の定時性をより
値に達した場合には速やかに列車の運転を規制し、安全確
向上できました。
保に万全を期しています。2003 年 6 月には、土工区間の雨
※前 1 時間の雨量
対策強化がほぼ完了したことに伴い、土工区間の時雨量※
20
安全・安定輸送のためのシステム
■ 新 ATC システム(新幹線)
(km/h)
270
東海道新幹線では、2006 年 3 月より新 ATC ※システム
の使用を開始しました。
新しいATC
230
従来のATC
このシステムは、地上からの速度信号に従って多段階
でブレーキをかける従来の方式とは異なり、前方列車の
170
位置情報などを地上から車上に送り、車両性能や線路条
件に基づいた 1 段階の減速パターンを車上で作成し、目
標とする列車速度まで滑らかな 1 段階のブレーキ制御を
先行列車
30
行うものです。
この新 ATC システムの導入により、乗心地やダイヤ
0
の弾力性、システムの信頼性がさらに向上しました。
地上子
従来の ATC と新しい ATC
※ ATC :自動列車制御装置(Automatic Train Control)
■ ATS-PT(在来線)
ブレーキパターン
ATS(自動列車停止装置)とは、列車が停止信号を越
連続的に速度を照査
速度超過で非常ブレーキ
える恐れのある場合に、列車に自動的に非常ブレーキを
かける装置です。JR 東海では、列車が決められた速度を
超過して運転していると直ちに非常ブレーキをかける速
信号機手前に停車
度照査機能を付加した ATS-ST 形により、誤出発事故な
場内信号機
ど、重大事故の防止に大きな成果をあげてきました。
この ATS-ST 形が今後老朽取替時期を迎えるにあたり、
ATS-PT の仕組み(停止信号の例)
より一層安全対策を充実させるため、ATS-PT 形に取り
替えることとしました。東海道本線(熱海∼米原)、中
央本線(名古屋∼中津川)、関西本線(名古屋∼河原田)
、
高山本線(岐阜∼美濃太田)については 2010 年度内に
導入し、2011 年度内に在来線全線への導入を完了する
先行列車
地上子(パターン発生)
ATS-PT の概要
・地上からの情報をもとに、車上で信号機までの距離に応じたブレーキパ
ターンを発生させます。
・列車速度がこのパターンを超過した場合は、自動的に非常ブレーキが動
作し、信号機の手前までに停止します。
・現在の ATS-ST の点制御ではなく、ブレーキパターンによる連続制御を
行います。
予定です。
東海道新幹線早期地震警報システム(テラス)
新幹線総合指令所
土木構造物の耐震強化のほか、地震をいち早くキャッチ
変電所
中継所
き電停止
し、警報を発して列車を減速・停止することも地震対策と
非常ブレーキ
地震動早期検知
警報システム
(テラス)
しては有効な手段です。従来から東海道新幹線では、沿線
に地震計を配備するとともに、1992 年 3 月には世界に先駆
P波
年 8 月には、従来のシステムを改良し、東海道新幹線早期
shinkansen EaRthquake Rapid Alarm System)
」とし、新
しい地震諸元推定手法の導入による警報発信時間の短縮
(1 秒短縮)と警報精度の向上、情報伝送ネットワークの改
良による信頼性向上を図り、より一層地震対策を強化して
S波
検知点
遠方地震計
けて地震動早期検知警報システムを導入しました。2005
地震警報システム「略称:テラス= TERRA-S(Tokaido
沿線地震計
震源地
います。
また、より早期に地震動を検知して、地震発生後により
早く列車の速度を低下させることを目的に、2007 年 8 月ま
でにテラス検知点を 14 検知点から 21 検知点へ、沿線地震
計を 25 箇所から 50 箇所へそれぞれ増設しました。
21
■ 新幹線第 2 総合指令所
大規模災害などにより「新幹線総合指令所」の機能が
損なわれると、
新幹線の運行に多大な影響を及ぼします。
このため万一に備えて、運行管理を行う指令所の二重系
化を目的とした「新幹線第 2 総合指令所」を、JR 西日
本と共同で 1999 年 2 月に大阪に新設し、異常時に対する
危機管理体制を強化しました。
■ CTC 化(在来線)
猪谷
塩尻
CTC(列車集中制御装置)は、列車運行を効率良く
美濃赤坂
岐阜 美濃太田
管理するため、広範囲な区間の信号設備を集中して遠隔
甲府
中津川
制御すると同時に、列車の運行状況をリアルタイムに監
米原
大垣
多治見
名古屋
大府
富士
亀山
視する機能を持った装置です。
CTC 化により、列車・駅の情報が集中管理され、通
CTC化完了線区
辰野
松阪 武豊
伊勢奥津
豊橋
国府津
沼 津 熱海
新所原
多気
鳥羽
常の列車運行管理はもとより、異常時においても迅速な
新宮
指令・指示を行うことが可能になりました。
CTC 線区一覧
■ 教育訓練
JR 東海では、安全・安定輸送を確保するため、運転業
務や設備保守に従事する社員などに対し安全に関する教
育訓練を実施しています。特に運転業務に従事する社員
に対しては、シミュレータを使用して運転士・車掌の養
成並びに訓練を行うとともに、定期的に知識・技能を確
認し、安全の確保に万全を期しています。
また、実際の車両や地上設備を使った脱線復旧訓練や
線路・架線・信号設備などの復旧を含めた総合復旧訓練
を定期的に開催し、異常時における即応体制の充実や復
運転士訓練シミュレータ(新幹線)
旧技術の向上に努めています。
新幹線総合事故復旧訓練
22
運転士訓練シミュレータ(在来線)
N700 系 乗務員教育訓練シミュレータの新設
2007 年 3 月、東京地区に N700 系の教育訓練シミュレータを
新設しました。この教育訓練シミュレータは、車両故障などに
対する乗務員の迅速かつ的確な対応能力や、より実践的な状況
を想定した訓練ができるよう機能を加えたものです。また、
N700 系の車両先頭部と運転室を極めて実物に近く再現し、運転
操作と連動する映像画面を前面・側面に配置することで、立体
的な臨場感ある訓練環境を構築しました。2008 年 3 月までに、
名古屋、大阪地区など計 4 箇所に設置する予定です。
■ 総合試験車の活用(新幹線・在来線)
新幹線では、2001 年 9 月に 700 系をベースとした「新
幹線電気軌道総合試験車(ドクターイエロー)」に更新
「軌道試験車(ドクターⅡ)」を導入・増備し、2 編成体
制となりました。
しました。東海道・山陽新幹線の安全・安定性と快適な
乗心地を維持するため、車両に電気を供給している架線
(トロリ線)の摩耗状態、ATC 装置の動作状態、列車無
線電話の通信状態、レールのわずかな狂いなど、
270km/h で走行しながら軌道や電気設備の検測を行っ
ています。
また在来線でも、きめ細かな保守管理を効率良く行う
ため、同様の「軌道・電気総合試験車(ドクター東海)
」
を 1996 年から導入し、線路設備および電気設備の保守
ドクターイエロー
管理に大きな役割を果たしてきました。2006 年には
■ NBS(新方式道床更換用保守用車)の導入(新幹線)
2002 年から新幹線の道床※更換作業における作業の効
率性および安全性の向上を目的として、NBS(新方式道
床更換用保守用車)の導入を始め、良好な軌道状態を一
層確実に保てるようになりました。
※道床:線路を支えるまくらぎの下に用いられる砕石(バラスト)などのこと
NBS(新方式道床更換用保守用車)
23
利便性・快適性の向上
N700 系 快適な車内空間の提供
N700 系は、快適な車内空間の提供により、輸送サービスの魅力を一層向上します。
ホテルのロビーを思わせるグリーン車のエントランスデッキ
車内完全分煙化に伴い 6 箇所に新設された喫煙ルーム
最新の強制排煙装置や小牧研究施設で開発した光触媒脱臭
装置を設置。出入り口はタッチ式自動ドアにするなど、車
内での受動喫煙防止にも積極的に取り組んでいます。
1
高輝度 LED 読書灯
2
レッグウォーマー
3
フットレスト
■グリーン車
1 高輝度 LED 読書灯をシートに内蔵し、手元での操作性や
照度が大幅に向上しました。
グリーン車のシンクロナイズド・コンフォートシート
2
新開発のシンクロナイズド・コンフォートシートは、座面と背
3 さらにおくつろぎいただけるよう、使いやすい無段階固
もたれが連動してリクライニングすることで、長時間のご乗車
足元が寒く感じたとき、個別にご使用いただけます。
定式を採用しました。
にも快適な座り心地をご提供します。
シート幅を拡大した普通車のシート
A4 ノートパソコンサイズに対応した大型背面テーブル
3 人掛け中央席以外のシート幅を各 10mm 拡大。クッショ
全席の背面テーブルを A4 ノートパソコンサイズに大型化
ンはグリーン車同様、新開発の複合バネ構造を採用し、座
しました。さらに、グリーン車では、スライド機構を加え
り心地を一層向上させています。
ています。
マルチカラー車内テロップ
案内情報を分かりやすく迅速にお伝えするために、表示パ
ネル、文字のサイズを大型化しました。さらに、2 段のマ
ルチカラー表示とし、お客様への情報提供の充実を図って
います。
モバイル用コンセント
グリーン車は全座席(200 席)に、普通車も窓側、最前部、
最後部席(553 席)にコンセントを設置しています。
静粛性を一段と高めたデッキ
多目的室
全周ホロなどの効果によって、静粛性を一段と高めたデッ
乳幼児の授乳、着替えなど、周囲を気にすることなくご利
キは、快適に会話ができる、静かな携帯電話通話環境を実
用いただけるゆったりした多目的室をご用意しています。
現しています。
新製 313 系の投入
JR 東海では、在来線においてもさらなる利便性、快
転換式に変更することで、全座席が方向転換可能な配置
適性の向上を図るため、老朽取替に合わせ 313 系を 204
とし、すべての座席で進行方向に向けてゆったり着席い
両新製し、2006 年度中に名古屋地区と静岡地区に投入
ただけるようにしました。さらに在来線では初めて車体
しました。2006 年 10 月のダイヤ改正では、このうち 72
間ダンパ(各車両間)とセミアクティブダンパ(先頭車)
両を名古屋地区の東海道本線に投入し、朝夕の時間帯の
を導入し、高速域での乗心地の向上を図っています。
快速列車増発や、昼間時間帯の快速列車は 6 両編成で運
行するなど、抜本的な輸送力増強を実施しました。これ
に引き続き、2007 年 3 月までに完成した 313 系 103 両を、
静岡地区を中心に投入し、近距離列車を増発したほか、
新幹線との乗り換えをよりスムーズにするなど、お客様
のご利用状況にあわせた使いやすい運行パターンへの見
直しを行いました。
東海道本線名古屋地区の新快速列車として投入した新
しい 313 系 72 両では、従来の一部固定式であった腰掛を
新製の 313 系
25
ダイヤ改正
JR 東海では、輸送力の強化・拡充を図り、よりお客様
り「のぞみ」の増発、朝 8 時台に新横浜に停車する上り
のニーズにあったご利用しやすいダイヤを設定すること
「のぞみ」「ひかり」を拡大するなど、関西・名古屋方面
で満足いただける輸送サービスの提供に努めています。
東海道新幹線では 2007 年 7 月にダイヤ改正を実施し、
から首都圏への利便性を向上させました。
一方、在来線では 313 系の新製・投入を着実に進める
N700 系の営業運転を開始しました。早朝と深夜の N700
とともに、2006 年 10 月に名古屋地区においてダイヤ改
系「のぞみ」で所要時間を最大 5 分短縮し、東京∼新大
正を実施し、東海道本線について快速列車の増発を含む
阪間で最速 2 時間 25 分としました。また、品川朝 6 時始
輸送体系の整備を行いました。また、2007 年 3 月には静
発の「のぞみ」を新設し、首都圏から関西・山陽各地へ
岡地区においても、ご利用状況にあわせて運行パターン
早く到着できるようにしたほか、朝の上りおよび夜の下
を見直すなどのダイヤ改正を実施しました。
「エクスプレス予約」の拡大
JR 東海では、東海道新幹線をよりご利用いただきやす
くするため、IT を活用した「エクスプレス予約」サービ
していただける「座席番号リクエスト」サービスを開始
しました。
スを展開しています。このサービスでは、携帯電話やパ
ソコンから指定席の予約とその変更・取消ができ、きっ
ぷはご乗車直前に駅の券売機などで受け取ることができ
ます。
2001 年 9 月のサービス開始からビジネスでご利用にな
るお客様を中心に大変ご好評をいただいています。2006
年 7 月には、東海道・山陽新幹線全線にサービスエリア
を拡大したほか、シートマップからお好きな座席を指定
携帯電話による予約画面
(イメージ)「エクスプレス予約」受取端末
在来線 IC サービス「TOICA(トイカ)」
JR 東海では、2006 年 11 月に名古屋エリアの在来線で
することで改札を通過でき、券売機などで入金(チャー
都市圏 IC カード「TOICA(トイカ)」を導入しました。
ジ)することで、繰り返しご利用いただけます。今後、
「 T O I C A 」 に は 、プ リ ペ イ ド タ イ プ の S F
※
カード
名古屋エリアに引き続き、2008 年 3 月には静岡エリアに
「TOICA」と、定期券機能と SF 機能が一体化した
も導入する予定です。
「TOICA 定期券」の 2 種類があり、自動改札機にタッチ
※ SF :
「Stored Fare」の略で、事前に入金された額により自動的に運賃を精算
する機能のこと
TOICA(トイカ: Tokai IC Card)
26
IC を活用した新しいサービスの展開
JR 東海では、2008 年 3 月に IC を活用した「エクスプレ
ス予約 IC サービス」を導入し、東海道新幹線(東京∼新大
阪間)と在来線相互間のシームレスな移動を実現します。
が可能となります。
さらに「TOICA」については、JR 東日本発行の「Suica」
および JR 西日本発行の「ICOCA」との相互利用を開始し
「エクスプレス予約 IC サービス」においては、携帯電話
ます。このため、「エクスプレス IC カード」と「TOICA」
やパソコンで予約したきっぷを駅の自動券売機などで受け
などいずれかの都市圏 IC カードをあわせてご利用になれば
取る手続きが不要となり、「エクスプレス IC カード」を新
東海道新幹線と首都圏・中部圏・関西圏の各エリアの在来
幹線自動改札機にタッチすることで東海道新幹線への乗車
線の乗り継ぎが大変便利になります。
■エクスプレス予約用のICカードとTOICAを組み合わせたご利用イメージ
TOICA+エクスプレス予約用のICカードで新幹線と在来線の乗り継ぎを
シームレス化
■都市圏ICカードの相互利用
首都圏、中部圏、関西圏で新幹線と在来線の乗り継ぎをシームレスに
東海道新幹線
①都市圏ICカード
②エクスプレス予約用ICカード
■都市圏ICカードで在来線に乗車
■エクスプレス予約用ICカードと2枚
重ねて乗換口の改札機にタッチし、
新幹線に乗車
■都市圏ICカードで在来線の駅で降車
エクスプレス予約
ICサービス
岐
阜 定期券機能
で乗車
名
古
屋
東
京
新
SF機能で 宿
乗車
相互利用で3大都市圏の
移動がスムースに
2枚重ねてタッチ!
(エクスプレス予約用ICカード
+ICOCA)
(エクスプレス予約用
ICカード+Suica)
※都市圏ICカードでTOICA・ICOCA・Suicaの各エリア同士をまたがっての
ご利用はできません。
バリアフリーへの対応
JR 東海では、お体の不自由なお客様や小さなお子様連
通バリアフリー法および関係する法令に基づき、国や地
れのお客様をはじめ、多くのお客様に安全に鉄道施設を
方自治体と協調して、駅のエレベーターやエスカレータ
ご利用いただくとともに、高齢化社会を迎えるなか、あ
ーなどの整備を進めています。
らゆるお客様に安心して鉄道をご利用いただくため、交
■ 車両のバリアフリー化
新幹線車両ではすべての列車に車いすスペース・車い
発足以降に新製した車両の全編成に対して、車いすスペ
す対応トイレ・車内での文字テロップによる情報提供装
ースの整備を完了し、ワイドビュー特急車両については、
置を整備しています。また、トイレ・デッキの手すりな
車いす対応トイレの設置も完了しています。また、ドア
どには点字案内を取り付けています。
チャイムの設置についても、JR 発足以降に新製した全
700 系には、2001 年 4 月以降の新製車両から、乗降ド
アの開閉を音で知らせるチャイムと座席手すりを設置し
車両について、順次進めています。
※オストメイト:人工肛門、人工膀胱保有者
ており、N700 系ではさらに、新幹線車両として初めて
オストメイト※対応設備を導入した多機能トイレを設置
しました。
在来線車両では、車両新製時にバリアフリー設備を整
備するとともに、既存の車両についても、2002 年度よ
り順次バリアフリー化を行っています。その結果、JR
N700 系多機能トイレ
27
駅の利便性の向上
JR 東海では、これまで東海道新幹線の駅のリニュー
ーアル計画を発表し、これにより、東海道新幹線の 17
アルを順次進めてきています。このリニューアルでは、
駅すべてについてリニューアル計画が出そろいました。
全駅とも改札口付近にきっぷうりばを配置するなど、お
新富士駅・三河安城駅においても、きっぷうりばと待合
客様がご利用しやすい駅の形を追求しています。2006
室の内装を改良するとともに、カウンターと電源を用意
年度には静岡、京都駅のリニューアルが完了しました。
したモバイルコーナーを新設するなど、お客様がよりご
また、2007 年 7 月には、新富士駅・三河安城駅のリニュ
利用しやすい駅を目指します。
京都駅八条東口
静岡駅新幹線待合室
■ 野田新町駅の開業
JR 東海では、在来線の駅においても地元自治体など
と協力しながら、既存駅のリニューアルをはじめとする
駅周辺の整備を進めるとともに、新駅を設置するなど鉄
道の利便性向上に努めています。
2007 年 3 月、在来線でのダイヤ改正に合わせ、東海道
本線東刈谷∼刈谷間に「野田新町」駅が会社発足後 15
番目の新駅として開業しました。
野田新町駅では、エレベーターおよび多目的トイレを
駅舎・自由通路にそれぞれ配置するなどバリアフリーに
も配慮しています。
日本騒音制御工学会「環境デザイン賞」の受賞
野田新町駅の駅舎外観
の改善を図っていることが評価されたものです。
JR 東海は、2006 年 5 月に社団法人日本騒音制御
当社では、これからもお客様の視点に立ったより
工学会の「環境デザイン賞」を受賞しました。この
良い環境デザインの施設を提供し続けていきます。
賞は、都市環境、住環境、作業環境などを対象とし
て音環境の快適性向上のための計画、実施例および
これらに関する研究・技術開発を対象に学術上およ
び技術上貢献があったと認められるものに贈られる
ものです。
今回の受賞は、東海道新幹線品川駅において、駅
のホームだけでなく、駅構内の大部分の天井に多孔
型の吸音板を設置することで、旅客を対象に音環境
28
「環境デザイン賞」表彰状
新横浜駅改良・ JR 東海新横浜駅ビル(仮称)計画
JR 東海は、横浜市と共同で新横浜駅・北口周辺地区総
合再整備事業を進めています。この整備計画において、当
社は「のぞみ」「ひかり」の増停車や乗降されるお客様の
増加に対応した駅舎の抜本的な改良を行います。あわせて
その上部に「JR 東海新横浜駅ビル(仮称・ 2008 年開業予
定)」を建設します。
改良される駅舎と新しい駅ビルが新横浜都心にふさわし
いにぎわいと活力をもたらし、地域の皆様に末永く愛され
るよう取り組んでいきます。
JR 東海新横浜駅ビル(仮称)
旅客案内情報設備の充実
JR 東海では、フルカラー LED ※やプラズマディスプレ
設・改良を進め、より豊富な情報をタイムリーに提供で
イなどを活用したホーム発車標や改札付近の情報ボー
きるよう努めています。
ド、新幹線車内の車内テロップなどの旅客案内設備の新
※ LED :発光ダイオード(Light Emitting Diode)
新幹線ホーム発車標
乗車口案内掲示器
在来線ホーム発車標
N700 系車内テロップ
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