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2016年 1月10日号 [vol.5]
診療報酬・薬価から臨床・創薬まで 高度情報化医療の明日を伝える 医療 NEWS FILE No. 2016.1.10 株式会社じほう 〒101-8421 東京都千代田区猿楽町1-5-15 猿楽町SSビル TEL 03-3233-6351 2 医療分野の代理機関制度 具体化で WG 始動へ 次世代医療 ICT 基盤協議会 4 「ゲノムデータの取り扱い」案におおむね合意 実用化推進 TF 7 健康経営のモデル事業「3 月までに案内出す」 日医・今村副会長 INFRASTRUCTURE 4 臨床研究の推進に57億円 医政局16年度予算案 5 厚労省、革新的医薬品創出に825億円 16年度政府予算案、AMEDに3省で1265億円 5 NDB利用でリサーチセンター試行、12月24日から東京大で 京都大でも年度内に 6 医療ベンチャー振興へ懇談会 厚労省、12月24日に初会合 6 地域包括ケア構築に向けて科学技術的課題を検討 政府・WGが初会合 CONTENTS 7 個人情報取り扱いに問題、理事長らが減給 協会けんぽ 8 健康経営普及へ、PICCと共同宣言 日医 8 【コラム】病院も電子お薬手帳の普及に期待 8 AZ、今後2年でMSL100人体制へ 2新薬の発売見据え 厳格な社内ルール運用 9 AMEDの創薬コンソーシアム始動、内資22社が参加、化合物は約20万 10 総合メディカル 電子お薬手帳、iPhoneの「ヘルスケア」アプリと連係 005 禁無断複写 医療 <<< INFRASTRUCTURE 医療分野の代理機関制度 具体化で WG 始動へ 次世代医療 ICT 基盤協議会 内閣官房の「次世代医療 ICT 基盤協議会」 (議長=和泉洋人・内閣官房健康・医療戦略室長、 首相補佐官)は 12 月 25 日、医療分野の代理機関(仮称)制度創設に向けた課題などを検討す るためのワーキンググループ(WG)を始動させることを決めた。WG のメンバーは調整中で、 日本医師会や日本薬剤師会からの委員に加え、医療分野の情報利活用での代理機関を念頭に おいた事業等に取り組む関係者らで構成する方針。 医療分野の代理機関制度では、同じく内閣官 安全対策を最重要課題に位置付ける。 房の「情報通信技術(IT)の利活用に関する制度 同日の会合では、「代理機関を念頭においた 整備検討会」が 12 月 10 日にまとめた中間整理 データ利活用事業等の組成及び医療情報利活用 で言及している。国が認定する代理機関が、複 の課題について」と題し、吉原博幸構成員(宮崎 数の医療機関から患者の実名データを収集・匿 大医学部付属病院長)、山本隆一構成員(医療情 名化し、 「匿名加工情報」として研究機関や製薬 報システム開発センター理事長)、矢作尚久構 企業などの第三者への提供を可能にする制度創 成員(国立成育医療研究センター臨床研究開発 設の必要性を指摘。各医療機関は患者の実名 センターデータ科学室長代理)の 3 人が取り組 データをオプトアウト(本人の請求に基づき利 み状況などを報告した。このほか、医薬品医療 用解除・無効にする権利を認める)で代理機関 機器総合機構(PMDA)が医療情報データベー に提供することなども柱だ。 ス基盤整備事業「MID - NET」での品質管理に WG では、代理機関の情報管理における具体 関する課題を説明し、厚生労働省は、医療など 的な安全対策などを議論する。複数の医療機関 の分野のデータ利活用に向けた取り組み状況を などにまたがる診療関連の個人情報が代理機関 報告した。 2015 年 12 月25日【MEDIFAX】 規制・GL に集約されるため、代理機関制度の創設では、 医療 ICT NEWS FILE 2016.1.10 2 <<< INFRASTRUCTURE 次世代医療ICT基盤協議会 議 長 構成メンバー 和泉 洋人 内閣官房健康・医療戦略室長[総理補佐官] 飯塚 悦功 [東京大学名誉教授] 大江 和彦 [東京大学医療情報経済学教授] 金子 郁容 [慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授] 菊地 眞 [医療機器センター理事長] 喜連川 優 [国立情報学研究所所長、東京大学生産技術研究所教授] 桐野 髙明 [国立病院機構理事長] 近藤 達也 [医薬品医療機器総合機構理事長] 堺 常雄 [日本病院会会長] 神成 淳司 [慶應義塾大学環境情報学部兼医学部准教授] 末松 誠 [日本医療研究開発機構(AMED)理事長] 田中 紘一 [神戸国際フロンティアメディカルセンター理事長] 永井 良三 [自治医科大学長] 樋口 範雄 [東京大学大学院法学政治学研究科教授] 福井 次矢 [聖路加国際大学理事長] 堀田 知光 [国立がん研究センター理事長] 松本 純夫 [国立病院機構東京医療センター名誉院長] 矢作 尚久 [国立成育医療研究センター臨床研究開発センターデータ科学室室長代理] 山崎 學 [日本精神科病院協会会長] 山科 透 [日本歯科医師会会長] 山本 修一 [国立大学附属病院長会議常置委員長] 山本 信夫 [日本薬剤師会会長] 山本 隆一 [医療情報システム開発センター理事長] 横倉 義武 [日本医師会会長] 吉原 博幸 [宮崎大学医学部附属病院長] 関係府省 内閣官房内閣審議官 [内閣官房副長官補付] 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室長代理 [副政府 CIO] 総務省政策統括官 [情報通信担当] 文部科学省研究振興局長 厚生労働省大臣官房技術総括審議官 厚生労働省保険局長 厚生労働省政策統括官 [社会保障担当] 農林水産省食料産業局長 経済産業省商務情報政策局長 財務省主計局 [オブザーバ] M E J [オブザーバ] (第2回 次世代医療 ICT 基盤協議会議論用資料より) 医療 ICT NEWS FILE 2016.1.10 3 <<< INFRASTRUCTURE 「ゲノムデータの取り扱い」案におおむね合意 実用化推進 TF 厚生労働省など関係府省が連携して進める「ゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タス クフォース(TF)」 (座長=福井次矢・聖路加国際病院長)の 3 回目の会合が 12 月 25 日、厚労省 で開かれた。この日は「改正個人情報保護法におけるゲノムデータ等の取り扱い」について、事 務局が作成した取りまとめ案を基に議論が行われ、おおむね合意した。 2015 年 12 月25日【MEDIFAX】 規制・GL 2015 年 9 月に改正された個人情報保護法では、 ことから、配慮を要する情報に該当するとした。ゲ 「個人識別符号」と「要配慮個人情報」が新たに規定 ノム情報については、今後、要配慮個人情報に関わ された。個人識別符号について、事務局案は「ゲノ る事項が政令で示された際、法律上明示された病歴 ムデータは、個人識別符号に位置付けられるもので 等の解釈と整合を図ることを求めた。 ある」とした上で、個人識別符号に該当するゲノム さらに 16 年には厚労省、文部科学省、経済産業省 データの範囲は 16 年 1 月に発足する個人情報保護 の 3 省で「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理 委員会が、科学的観点などから政令で定められた事 指針」の見直しに入ることから、個人情報の保護を 項について解釈を示すことを求めた。 図りながら、研究の推進に向けて課題と対応につい 要配慮個人情報については、ゲノムデータは塩基 て検討すべきとした。 配列を文字列で表記したものであり、これ単体では 次回は 1 月 27 日に開催し、「ゲノム医療等の質の 医学的意味合いを持つものではないと指摘。また、 確保」に向けた議論に入る。 ゲノム情報は塩基配列に解釈を加えて意味を有する 臨床研究の推進に 57 億円 医政局 16 年度予算案 2015 年 12 月25日【日刊薬業】 事 業 厚生労働省医政局の 2016 年度予算案は、前年度 象患者の迅速な把握により効率的な治験実施につな 比 7.3%増(約 126 億円増)の 1862 億 6500 万円と げる。ゲノム医療の実用化に向けた取り組みの推進 なった。質の高い臨床研究の推進には 56 億 8300 万 には新規に 35 億 8800 万円を計上。ゲノム情報を活 円を計上。臨床研究中核病院の研究実施体制と支援 用した難病・がん等の個別化医療の実用化を図る。 体制を充実させることで、医薬品創出を狙う。生物 このほか、臨床研究データベースの整備など、再 統計家の育成支援も行う。 生医療の臨床研究・治験の推進等に向けた取り組み ク リ ニ カ ル・イ ノ ベ ー シ ョ ン・ネ ッ ト ワ ー ク に 4 億 4000 万円を充てるほか、後発医薬品の使用 (CIN)の構築には 18 億 8200 万円を充て、治験の対 医療 ICT NEWS FILE 2016.1.10 促進には 1 億 3400 万円を計上した。 4 <<< INFRASTRUCTURE 厚労省、革新的医薬品創出に 825 億円 16 年度政府予算案、AMEDに3 省で1265 億円 2015 年 12 月24日【日刊薬業】 事 業 政府は 12 月 24 日の臨時閣議で、2016 年度当初予 ナルセンターを中心とした拠点に「全ゲノム情報等 算案を決定した。厚生労働省は、9 月に策定した「医 の集積拠点」を整備し、難病やがんの個別化医療の 薬品産業強化総合戦略」を踏まえ、 「革新的医薬品の 実用化を図る。 創出」などで 825 億円を計上。ゲノム医療の実用化 AMED 予算は 3 省合計の 1265 億円のほか、国の に向けた取り組みなどを推進する。日本医療研究開 研究機関で行う研究開発関連予算である「インハウ 発機構(AMED)の対象経費は、厚生労働、文部科 ス研究機関経費」として、前年度比 1.5%増の 734 億 学、経済産業の 3 省で 1265 億円(前年度 1248 億円) 円(723 億円)を計上した。 と、1.3%増えた。そのうち厚労省予算は「医療分野 厚労省が 22 日に発表した「がん対策加速化プラ の 研 究 開 発 の 促 進 」と し て 盛 り 込 ん だ 478 億 円 ン」に基づき、がんの関連予算も強化する。 「総合的 (474 億円)で、総合戦略を踏まえた予算の中に入っ ながん対策の推進」で 356 億円(318 億円)と、10% ている。 超の増額となった。内訳は、がん検診の充実など「予 革新薬創出に関連する予算の内訳では、革新的医 防関連」で 187 億円、ゲノム医療や希少がんの研究 薬品・医療機器の国内開発環境整備で 4.2 億円(2.8 開発など「治療・研究」で 158 億円、緩和ケアの推進 億円)を計上した。新規予算では「人道的見地からの など「がんとの共生」で 11 億円。 治験実施の推進」の 700 万円などがある。開発企業 社会保障費は総計 32 兆円弱 が同治験を実施する際に必要な医薬品医療機器総合 機構への治験相談手数料を 9 割相当軽減する。医療 の国際展開の推進では、15 億円を盛り込んだ。 16 年度予算案の一般会計予算総額は 96 兆 7218 後発医薬品の使用促進・品質確保は 7.1 億円(5.8 億円(96 兆 3420 億円)、うち社会保障関係費は 31 億円)で、品質情報を体系的にまとめ、 「日本版オレ 兆 9738 億円(31 兆 5326 億円)だった。厚労省の一 ンジブック(医療用医薬品品質情報集)」を改良・向 般会計予算は 30 兆 3110 億円(29 兆 9146 億円)で、 上させた位置付けとなる「ブルーブック(仮称)」の 社 会 保 障 関 係 費 は 29 兆 8631 億 円(29 兆 4505 億 公表などを行う。 円)を占めている。厚労省の社会保障関係費のうち、 ゲノム医療は、新規予算で 36 億円を計上。ナショ 医療は 11 兆 5438 億円(11 兆 4901 億円)だった。 NDB 利用でリサーチセンター試行、12月24日から東京大で 京都大でも年度内に 2015 年 12 月22日【MEDIFAX】 事 業 厚生労働省保険局は 12 月 22 日、ナショナルデー がデータの提供を受ける場合は、十分なセキュリ タベース(NDB)を利活用できるレセプト情報等オ ティー環境を整える必要がある。このため厚労省は、 ンサイトリサーチセンターを東京大の本郷キャンパ セキュリティー環境を整備することが難しい研究者 ス(東京都文京区)に設置し、24 日から試行的利用 らでもデータを利用できるように、オンサイトリ を始めると発表した。年度内に京都大でも試行的利 サーチセンターを東日本と西日本に設置する方向で 用を始める予定。問題点などを洗い出し、いずれも 準備を進めてきた。 2016 年中の本格運用を目指す。 本格運用が始まれば、NDBデータの提供を認めら 厚労省は NDB について、11 年 11 月から研究者や れた研究者らはオンサイトリサーチセンターで、デー 行政機関にデータを提供してきた。しかし研究者ら タの閲覧、加工、分析などができるようになる見通し。 医療 ICT NEWS FILE 2016.1.10 5 <<< INFRASTRUCTURE 医療ベンチャー振興へ懇談会 厚労省、12月24日に初会合 2015 年 12 月22日【日刊薬業】 事 業 厚生労働省は 12 月24日に「医療のイノベーション 厚労省は「医薬品産業強化総合戦略」で、 ベンチャー を担うベンチャー企業の振興に関する懇談会」の初 育成の重要性に言及していた。官民一体となり、医 会合を開く。 医薬品・医療機器分野のベンチャーを「医 療系ベンチャーを育てる好循環(エコシステム)を 療系ベンチャー」と位置付け、育成の好循環を確立す 確立するための取り組みを進め、アカデミアなどで るため意見交換する。 事務局は医政局の経済課と研究 発見された優れたシーズの実用化を促進する。 開発振興課が担う。経済課の担当者は「月に1回程度 懇談会は、厚生労働大臣の下に設置。非公開で開 のペースを目指して、会合を開きたい」としている。 催する。 地域包括ケア構築に向けて科学技術的課題を検討 政府・WG が初会合 2015 年 12 月21日【MEDIFAX】 事 業 政府の総合科学技術・イノベーション会議の重要 制となっている。同 WG では、総合戦略 2015 の課 課題専門調査会の下に設置された「地域における人 題と 16 年度アクションプラン対象施策の検証、総合 とくらしのワーキンググループ」 (WG)は 12 月21日、 戦略 2016 に基づき実施する 17 年度予算で取り組 初会合を開いた。地域包括ケアシステムの構築を目 むべき課題などを検討する。 指し、情報基盤整備などに関係する科学技術的課題 同日は、座長に日本医師会の今村聡副会長を選出 を検討する。3 月ごろまでに意見を取りまとめ、調 した。福井次矢構成員(聖路加国際大理事長/聖路 査会に報告する。調査会の意見は、2017 年度の科 加国際病院長)は、妊婦健診から企業での健診まで 学技術施策の指針となる科学技術イノベーション総 一人一人の住民の健康に関する情報の統一を縦軸、 合戦略 2016 に盛り込まれる見通し。 医療と介護の情報の統一を横軸として地域包括ケア 16 年度から 5 カ年計画の第 5 期科学技術基本計 を実現できれば、大きな効果が期待できると提言し 画 や 16 年 度 の 施 策 の 指 針 と な る「 科 学 技 術 イ ノ た。併せて、地域の医療資源とその利用率をリアル ベーション総合戦略 2015」では、超高齢化・人口減 タイムに把握できれば効率的に医療を提供できると 少社会などに対応する持続可能な社会の実現を目的 した。秋山ゆかり構成員(Leonessa 代表取締役)は として、地域包括ケアシステムの推進が取り上げら 「医療、介護、健康の情報がばらばらとなっている。 れている。同会議では重要課題などに対応するため、 総合的に見る政府の機関も必要」と意見を述べた。 詳細は調査会の下に WG などを設置して検討する体 医療 ICT NEWS FILE 2016.1.10 6 <<< CONTENTS 健康経営のモデル事業「3月までに案内出す」 日医・今村副会長 日本医師会の今村聡副会長は 12 月 24 日の会見で、公益資本主義推進協議会(PICC、大久保 秀夫会長)と取り組む健康経営普及に向けたモデル地区の選定に向けて、3月までに地域の医 師会に事業の案内を出す考えを示した。 2015 年 12 月24日【MEDIFAX】 医療・介護 健康経営とは従業員の健康に対する取り組みを企 案内した上で、モ 業成長の投資と捉える考え方で、日医は 20 日、健康 デル地区への手挙 経営に関する機運を高める目的で PICC とシンポジ げをしてもらう。 ウムを開催した。同日は共同宣言をまとめ、▽日医 シンポジウムに来 と PICC は地域ごとに具体的な健康経営普及のため られた医師会役員 のアクションプランを作成・実行する▽アクションプ の中にも、取り組 ランの実行に当たり、モデル地区を選定し、中小企業 みに興味を持って の健康経営の体制づくりなどについて検討し、 次回の いたところがあっ シンポジウムでモデル地区の健康経営普及の行動や た」とし、地域で 結果、全国への普及に向けた課題などについて整理 の健康経営に向け する▽今後毎年、健康経営普及のための重点方針を た体制づくりに意 決定し、共有・実行する―との 3 本柱を定めた。 欲を見せた。 今村副会長は会見で「医師会として健康経営に関 今後の方針を説明する今村副会長=24 日、日医会館 する取り組みを進めていくことを、全国の医師会に 個人情報取り扱いに問題、理事長らが減給 協会けんぽ 2015 年 12 月25日【MEDIFAX】 医療・介護 全国健康保険協会(協会けんぽ)は 12 月 25 日の の常勤理事はそれぞれ 2 割カットすると報告した。 運営委員会で、6 月に 4 台のパソコンで外部との不 不審な通信が発覚したパソコンは、本部(東京都) 審な通信が発覚した問題について「外部への個人情 の 1 台、埼玉支部の 2 台、熊本支部の 1 台。このう 報の漏えいは確認されなかった」との結論を示し ち埼玉・熊本支部のパソコンで、パスワード設定や た。しかし、 これらのパソコンで加入者約 70 万 7000 暗号化をせずに、加入者の氏名、性別、生年月日、 人分の個人情報をパスワードなどを設定せずに保管 住所のほか、病名、診療報酬点数などを保管してい していたと説明。内規に照らして不適切であるほか、 たという。小林理事長は「これまで以上に情報セ パソコンを扱っていた職員だけの問題ではないとし キュリティー・個人情報保護の強化に取り組んでい て、小林剛理事長は 12 月の賞与を 3 割カット、5 人 く」と述べた。 医療 ICT NEWS FILE 2016.1.10 7 <<< CONTENTS 健康経営普及へ、PICC と共同宣言 日医 2015 年 12 月21日【MEDIFAX】 医療・介護 日本医師会(横倉義武会長)は12月20日、 公益資本 同日のシンポジウムは健康経営に関する機運を高 主義推進協議会(PICC、大久保秀夫会長)と開いた健 める目的で開かれた。共同宣言では▽日医と PICC 康経営シンポジウムで、 「健康経営の普及に努め、中 は地域ごとに具体的な健康経営普及のためのアク 小企業経営者から発信する国民の健康増進を世の中 ションプランを作成・実行する▽アクションプラン に拡大する」との共同宣言を採択し、中小・中堅企業 の実行に当たり、モデル地区を選定し、中小企業の の「健康経営」の推進に関して連携すると発表した。 健康経営の体制づくりなどについて検討し、次回の 健康経営とは従業員の健康に対する取り組みを企 シンポジウムでモデル地区の健康経営普及の行動や 業成長の投資と捉える考え方で、日医がこの分野の 結果、全国への普及に向けた課題などについて整理 普及・促進に関して特定の経済団体と連携を進める する▽今後毎年、健康経営普及のための重点方針を のは初めて。同協議会は 2014 年 1 月に設立され、企 決定し、共有・実行する―との 3 本柱を定めた。今 業を社会的存在として捉え、従業員や顧客、取引先、 後、具体的な検討が進む見通し。 地域社会などの全てのステークホルダーへの貢献を 当日は大阪府医師会副会長で大阪大医学部の澤芳 重視する「公益資本主義」を社会に浸透させる活動 樹医学部長が講演したほか、日医の横倉会長、今村 を進めている。11 月現在、中小・中堅企業を中心に 聡副会長、PICC の大久保会長によるシンポジウム 約 1000 社が加盟している。 が行われた。 コラム 病院も電子お薬手帳の普及に期待 2015 年 12 月28日【PHARMACY NEWSBREAK】 医薬品 「電子お薬手帳でも(紙のお薬手帳と同様に)薬剤 うになれば、負担も大幅に軽減されるというわけだ。 服用歴管理指導料の算定ができるようになれば、普 「今は電子版では点数が付かないというのが普及 及に弾みがつく」。期待も込めて、こう話すのは最 が遅れている理由、と調剤薬局の薬剤師さんから聞 近、電子お薬手帳システムを導入したある病院の薬 く。電子版では点数が付かないから、どうしても薬 剤部長だ。 局では紙のお薬手帳を持ってきてくださいというこ この病院では、お薬手帳の持参率が決して高いと とになってしまうのだろう」と薬剤部長。 は言えない上、持参する患者でも 2 冊、3 冊と複数 次期調剤報酬改定では、電子お薬手帳も紙媒体の の手帳を持っているケースが多い。そのため、服用 お薬手帳と算定上、同じ扱いに位置付けられるかど 薬の管理が大きな負担になっているという。それが うかに薬局の関心が集まっているが、予想以上に病 1 つの電子お薬手帳で一元的に閲覧・管理できるよ 院でも電子お薬手帳への期待は大きいようだ。 (宏) AZ、今後 2 年で MSL100 人体制へ 2 新薬の発売見据え 厳格な社内ルール運用 2015 年 12 月25日【日刊薬業】 医薬品 アストラゼネカ(AZ)は、メディカル・サイエンス・ ら切り離した MSL 活動を通じて、影響力の強い外部 リエゾン(MSL)を現在の約 80 人から 100 人へ今後 専門家との高度な科学コミュニケーションを強化す 2 年で拡充する。販売促進を中心とする営業部門か る方針。診療ガイドラインや学会などに影響力を持 医療 ICT NEWS FILE 2016.1.10 8 <<< CONTENTS つ専門家との関係構築や、今後創出すべき科学デー 意識を高めるほか、メディカルニーズを明らかにす タに関するアドバイスを得ることなどが目的だ。 ることを目指す。 AZ は 2012 年、MSL を日本で導入。MSL 活動に メディカル本部長の松尾恭司氏(執行役員)は、 ついて、同社メディカル本部メディカルエクセレン MSL は「バランスの取れた活動」を行っていると説 スのシニアディレクター、ドーン・ディキャンディー 明。外部専門家との情報交換の中で承認外の問い合 ロ氏は「外部専門家との関係を構築し、双方向で情 わせに対応する場合もあることから、営業部門に所 報を交換するもの」と定義する。疾患などに関する 属する MR を同席させないなど、プロモーション活 情報提供のほか、薬剤の実際の使われ方や外部専門 動と混同されないための「厳格な(社内)ルール」を 家の疾患に対する興味・関心などの “ 洞察 ” も得ると 運用していると話す。 いう。 「認知度」 「人材確保」が課題 主な活動対象は、研究実績があり、治療や疾患に ついて高度な “ 洞察力 ” を持つ専門家。AZ が今後創 出すべき科学データに対するアドバイスを受けたり、 MSL をめぐっては課題も残る。例えば、国内での 同データの発表ができる専門家で、必ずしも薬剤を 低い認知度だ。このため AZ は、 15 年 5 月に日本製薬 直接処方する医師とは限らない。 医学会から国内第 1 号として取得した社内 MSL 認定 MSL の評価は特に質的評価では、社名を伏せた上 制度に対する認証を活用し、認知度を高めたい考え。 で、第三者機関が外部専門家に MSL の満足度などを 人材確保も課題だ。MSL 導入直後は MR 出身者も 調査する。MR と比べて訪問回数が絶対的に少なく MSL として研修を受けていたが、今後は博士号や医 なるため、量と質のバランスを重視する方針だ。 師免許の保有者、研究者などの “ 理系 ” 人材を中心に MSL100 人体制を目指す背景には、今後発売が見 採用する方針に転換した。 込まれる新薬 2 製品がある。15 年 10 月末に厚生労 ディキャンディーロ氏は、MSL 活動の成功には専 働省から優先審査品目に指定された非小細胞肺がん 門知識、高いコミュニケーションスキル、コンプラ 治療薬「AZD9291」と、急性冠症候群治療薬チカグ イアンス順守が必要と強調する。製薬産業がスペシャ レロルだ。特に AZD9291 は既存薬に耐性を示した リティー化へ向かう中で、より専門性の高い活動が求 場合に選択肢となるため、薬剤耐性に対する医師の められるとして、AZ では人材開発に注力する構えだ。 AMED の創薬コンソーシアム始動 内資 22 社が参加、化合物は約 20 万 2015 年 12 月22日【日刊薬業】 医薬品 日本医療研究開発機構(AMED)は 12 月 22 日、製 合物が見つかった場合は企業側にスクリーニング 薬企業の化合物ライブラリーを集めアカデミアの創 データを打ち返す。ライブラリーの提供企業は、 薬シーズとのマッチングを行う「産学協働スクリー HTS で選抜された「ヒット化合物」の優先的な開発 ニングコンソーシアム」 (DISC)の発足式を行った。 権を得られる。 DISC には武田薬品工業やアステラス製薬など内資 DISC に参加した企業は 22 社ですべて内資。武 系 22 社が参加し、トータルで約 20 万の化合物を提 田、アステラスのほか、エーザイ、大塚製薬、小野 供する。 薬品工業、協和発酵キリン、塩野義製薬、第一三共、 DISC では、企業が提供した約 20 万の低分子化合 大日本住友製薬、田辺三菱製薬なども加わっている。 物を対象に、ロボットを用いた大量・高速なハイス 発足式に出席した日本製薬工業協会の多田正世会 ループット・スクリーニング(HTS)を行い、アカデ 長は DISC について、 「研究開発投資のリスクを軽減 ミアの創薬シーズ・創薬ターゲットと企業が提供し し、研究効率を上げるための一つの答えだ」と期待 た化合物ライブラリーを照らし合わせる。有望な化 感を示した。 医療 ICT NEWS FILE 2016.1.10 9 <<< CONTENTS に抵触する化合物を除外しなければならない決まり 外資の参加はなし 国内規制への対応がネックか がある。今回、DISC に外資が参加しなかった理由 について、AMED 創薬支援戦略部西日本統括部創薬 コーディネーターの有馬賢治氏は「はっきりとした DISC への参加は内資・外資問わず呼び掛けてい 理由は聞いていない」とした上で、 「規制は日々変わ た。ただ、参加に当たっては、企業が化合物を提供 るが、 (外資系企業にとって)日本の規制に対応する する際に、毒物及び劇物取締法など日本の国内規制 のが難しかったのではないか」と考察した。 電子お薬手帳、iPhone の「ヘルスケア」アプリと連係 総合メディカル 2015 年 12 月22日【PHARMACY NEWSBREAK】 医薬品 総合メディカルは 12 月 22 日、パナソニックヘル 摂取カロリー、血糖値などさまざまなヘルスケア関 スケアと協力して導入した電子お薬手帳「ヘルスケ 連データを電子お薬手帳と共有する。まず、歩数デー ア手帳」で全国初の試みとして、iPhone に搭載され タからスタートし、体重や血圧などに広げていく予定。 ている「ヘルスケア」アプリケーションと連係し、18 同社は 2014 年 9 月にヘルスケア手帳を導入。現 日からサービスを開始したと発表した。 在、同社グループでは「そうごう薬局」を中心に約 アプリを使って、計測した歩数、体重、心拍数、 530 店舗で活用し、利用者は 2 万人を超えている。 医療 ICT NEWS FILE 2016.1.10 10 2週間 まずはお試しください 1 2 無料お試し キャンペーン 実施中 1 メールニュース 朝刊メール:前日のニュースを午前7時に 配信(月∼金) 特報メール:重要なニュースは随時配信 3 携帯電話やスマホでも受信できるので、 外出先でもニュースがチェックできます。 2 記事検索 過去20年分のニュース検索が可能。 3 E-ブック 4 前日までのニュースを取りまとめた紙面 (MEDIFAX FAX版) がweb上で閲覧でき ます。 また、 プリントも可能です。 ※ 「Adobe Flash Player(Ver.10以上)」 が必要です。 5 4 関連資料 資料 マークが付いた記事には、 厚労 省や中医協などの関連資料をPDFファ イルにして添付しています。 年間購読料金 408,000円 (1ID・税込) 利用者プロフィール ※年間でのご契約とさせていただきます。 2ID以上のご契約については、追加1ID につき年間120,000円(税別) の加算にな ります。複数ID契約をご希望の方は弊社 までお問い合わせください。 5 寄稿・時事解説・記者コラム 有識者による連載や、 記者による解説、 コラムはWEB版のみ。 は、日本医師会をはじめとする医療関連団体、日赤病院・国立病院・自 治体病院等の公的医療機関や医療法人、厚労省・内閣府・自治体等の官公庁、大学等教 育機関、医療関連サービス企業等、医療に関係する方々にご利用いただいています。 2週間無料お試し受付中! 裏面の「申込書」をご利用ください。 2週間 まずはお試しください 1 2 無料お試し キャンペーン 実施中 1 メールニュース 朝刊メール:前日のニュースを午前7時に 配信(月∼金) 特報メール:重要なニュースは随時配信 3 携帯電話やスマホでも受信できるので、 外出先でもニュースがチェックできます。 2 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