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¼º 序
0. 0.1 0.1.1 序 表 章 記 法 入力と出力の表し方 本書では˛ˇ のノートブックへの入力と,その出力をコンピュータ 上における表現と同じように示す。入力はプロンプト In[n]:=で始まるクー リエ書体の太字で表し,その出力は Out[n]=で始まる。ここに,番号 n は章 毎の通し番号とした。オンラインヘルプの?で始まる入力に対する出力セルで (入力セルを は Out[n]=が現れない。本書に書かれた入力コマンドを入力し, アクティブにした後に + により)実行することをすすめる。 0.1.2 諸 記 号 説明の途上にある種々の記号は次のような意味を持たせてある。 : ヒント : ˛ˇ の文法の簡単な説明 : ノートブックで定義した変数などの説明 : 注意 ☞ : ˛ˇ による演習の指示 ✍ : ˛ˇ によらない学習の指示 2 0. 序 章 0.2 コンピュータの環境調査 ˛ˇ の性能をフルに活かすには,インターネットを利用して他の ユーザが作成したノートブック(拡張子 nb)やパッケージ(拡張子 m)を利用 するのがよい。そのためには˛ˇ がインストールされた自分のコン ピュータの構成を知っておかねばならない。 本書は MS-Windows 上で˛ˇ を利用する筆者の環境を例に説明し て行く。˛ˇ を起動し,カレントディレクトリーと,パスの通ってい るディレクトリーを調べておく。こうすることによって,˛ˇ のし くみと使い方の理解がすこしづづ深まっていくであろう。 0.2.1 ディレクトリー まず, 「ディレクトリー (Directory) 」に関して用意されている関数と大域変数 を知ろう。 In[1]:= ? Directory System‘ CopyDirectory RenameDirectory CreateDirectory ResetDirectory DeleteDirectory SetDirectory Directory $HomeDirectory DirectoryName $InitialDirectory DirectoryStack $LaunchDirectory HomeDirectory $PreferencesDirectory NotebookDirectory $RootDirectory ParentDirectory $TopDirectory 0.2 コンピュータの環境調査 3 In[1] で用いたように,知りたい記号の前に “?”を書くと必要な情報が 得られる。 メニュー:ヘルプをクリックしてヘルプブラウザを開き,組み込み関数 などに関する詳細な情報が得られる。˛ˇ ブックの膨大な内 容も検索することができる。 “*”はワイルドカード(キャラクタ)であり,任意の文字列を意味する “‘”はコンテキストの文字列の終わりを表す。˛ˇ ではコンテキスト はパッケージに対応させている。たとえば,?System‘CopyDirectory と CopyDirectory とは,System‘が使える状態では同じである。 “$” で始まる変数は大域変数であり,デフォルト値が割り当てられている。 ☞ この方法で In[1] の出力のいくつかを調べてみよ。 ☞ In[1] の働きを知るために,このセルをクリックしてアクティブにし, メニュー: “セル/形式変換/標準形”を選んでみよ。 ☞ “$Packages” を入力し,現在使われているパッケージを調べてみよ。 ☞ 知りたい記号の前に??と書くとどうなるか。試みてみよ。 バージョン 4.1 以降では,In[1] に対する出力の各項目が選択してクリッ クできるようになっていて,?によるものと同じ情報が得られる。また, ?の機能が拡充されている。項目がそれぞれのヘルプブラウザにハイ パーリンクされ,出力の右下に現れる 詳細をクリックすると,関連のヘ ルプブラウザが開く。 各自の環境は˛ˇ のインストールのしかたによって異なる。以下は ˛ˇ コマンドにより筆者のコンピュータの環境を調査した結果であ 4 0. 序 章 る。各自が同様の調査をして,今後の作業でディレクトリー名の読み替えがで きるように準備しておく。 In[2]:= Directory Out[2]= C Program FilesWolfram ResearchMathematica4.1 In[3]:= ?Directory Directory[ ] は,現行のディレクトリを返す. 詳細 関数は大文字で始まり,大括弧 [ ] で引数をくくって用いる。 Unix ではディレクトリーの区切りを表す\が/となっている。 0.2.2 ファイルとパス 同様に「ファイル(File)」に関して調べてみよう。begindocument In[4]:= ? File System‘ ContextToFilename FileName ContextToFileName FileNameDialogSettings CopyFile FileNames DeleteFile FileType EndOfFile GetFileName File IncludeFileExtension FileBrowse RenameFile FileByteCount SetFileDate FileDate SetFileLoadingContext 0.3 対 話 的 な 利 用 5 FileFormat ToFileName FileInformation $PasswordFile 大域変数$Path はファイルの管理をする上で把握しておくべき重要な大域 変数である。大域変数$Path に含まれるディレクトリーはつぎの例のように 増やすことができる。 In[5]:= ?$Path $Path は,外部ファイルを検索するディレクトリのデフォルトリストを与える. 詳細 In[6]:= AppendTo$Path, "C Program FilesWolfram Research Mathematica4.1inagaki" 0.3 対話的な利用 ˛ˇ には多くの関数が用意されているので,C や Fortran では数十 行以上の入力を要したものが,一行だけの入力で出力が得られることが多い。 数行以下の入力毎に実行させ,期待通りの結果が得られるまで入力を改良し て,前に進むことができる。新しくプログラムを書くときは,このように1コ マンドごとに実行し,対話的に使用するのがよい。用意されている関数の数は 次のようにして知ることができる。 In[7]:= Names"System‘ " Length% Out[7]= 1861 行末にセミコロン; をつけると結果の表示を抑圧できる。また,複数の式をセ ミコロンでつないで 1 行に書くことができる(複合式)。 6 0. 序 章 便利さには常に不便利さもつきまとう。対話的利用で,以前に実行した結果 は残っているので,困ることもある。このような場合は次のコマンドを先頭に 書いておくとよい。この意味はオンラインヘルプで調べておこう In[8]:= ClearGlobal‘ 0.4 パレットの作成 ˛ˇ の入力を援助する機能として,パレットがある。バージョン 2.x はコンソール入力しかできなかったが,バージョン 3.x 以上ではパレットが いくつか用意されていて,StandardForm( 標準形) の入力がマウスとキーボード を使ってできる。また,ユーザが自分の使用目的にあったパレットをつくるこ ともできる。筆者がつくったパレットの例を次に示す。FieldLines.nb は 0.8.1 に説明するベクトルの力線を描くためのコマンド用のパレットである。 図 0.1 : MyPalettes.nb 図 0.2 : FieldLines.nb 各自の好みにあったパレットをつくって使用しよう。つくり方は以下の通り である。 0.5 グラフィックスの基礎知識 7 1. メニュー: “入力/表・行列・パレットの作成”をクリックして現れて入力ウィ ンドーでパレットを選び,行,列数を適当に記入する。筆者の上の例ではそれ ぞれ 5,1 とした。 2. 新しいセルに現れた空のパレットに各自の好みの入力を書き入れる。 3. 上のセルをアクティブにし,メニュー: “ファイル/パレットの作成”をクリッ クすると,パレットが使えるようになる。 4. このパレットを保存し,次回の˛ˇ の使用時にも使えるようにする には, C:/Program Files/Wolfram Research/Mathematica /4.1/SystemFiles/Frontend/Palettes/ ディレクトリーに,たとえば MyPalettes.nb の名前で保存しておく。次回には, “ファイル/パレット: “メニューを開くと MyPalettes の名が現れるので,これ をクリックすると使えるようになる。なお,前回の終了時に開かれていたパ レットは,˛ˇ 開始時に (バージョン 4.0 以降では同じ位置に) 現れ て便利である。 0.5 グラフィックスの基礎知識 本書は˛ˇ のグラフィックス機能を活用するので,その基本用語を まとめておく。 点,線,面などの図形の基本要素を表す関数をグラフィックス・プリミティ ブという。グラフィックス・プリミティブには Point,Line,Polygon,Rectangle, Circle, Disk, Cuboid,Text,Raster がある。更に,パッケージ Graphics‘Shapes‘ をロードするとつぎのもの が使える。 Cone,Cylinder,DoubleHelix,Helix,MoebiusStrip, Sphere,Torus このパッケージには,図形基本要素を変換するつぎの関数も用意されている。 8 0. 序 章 AffineShape,RotateShape,TranslateShapem ,WireFrame これらをディスプレイに表示するにはグラフィックス・プリミティブを関数 Graphics,Graphics3D,GraphicsArray のいずれかの関数によりグラフィックス・オブジェクトに変換し,関数 Show を用いる。このとき、関数のオプションを用いることができる。以下の例では 3次元グラフィックスでトーラスを描いている。オプションの位置、種類を 知っておこう。 In[9]:= << Graphics‘Shapes‘ ShowGraphics3DTorus1, 0.5, 20, 10, Boxed False Out[9]= -Graphics3D <<は関数 Get の省略形である。ファイルが既に呼び出されているときも,読み 直す. これを避けるには関数 Needs を使い,Needs["Graphics‘Shapes‘"] のようにすれば良い。 数学関数をプロットするための,数学関数からグラフィックスオブジェクト を作成し, 表示するまでの一連の手続きを自動的に行なう関数としてつぎのも 0.6 データファイルの作成 9 のがある。 Plot,ParametricPlot ,ListPlot, ContourPlot, DensityPlot,Plot3D,ListPlot3D, ListContourPlot ,ListDensityPlot 更に,パッケージ Graphics‘Graphics‘ には両対数グラフにプロットす るための関数,LogLogPlot,など多数の関数が用意されている。その他,グ ラフィックス関係のパッケージには Graphics‘Graphics3D‘ , Graphics‘ImplicitPlot‘ , Graphics‘Legend‘ ,Graphics‘MultipleListPlot‘ , Graphics‘ParametricPlot3D‘ ,Graphics‘PlotField‘ , Graphics‘PlotField3D‘ ,Graphics‘Polyhedra‘, Graphics‘Spline‘ ,Graphics‘SurfaceOfRevolution‘ , Graphics‘ThreeScript‘ がある。 本書でこれら全てを用いるのではないが,興味があったらオンラインヘルプ で意味と使用法を調べてみるとよい。 0.6 データファイルの作成 原点から3次元的に等しい角度間隔で出る 12 本及び 20 本のベクトルのリ ストを作成,保存する。 ☞ ˛ˇ 上で以下のコマンドを実行しよう。 In[10]:= << Graphics‘Polyhedra‘ NVerticesIcosahedron >> "vt12.dat" NVerticesDodecahedron >> "vt20.dat" ShowGraphicsArray Graphics3DIcosahedron, Graphics3DDodecahedron 10 0. 序 章 Out[10]= -GraphicsArray ˛ˇ はリストを多用する。リスト fa,bg に関数 f を作用させたと き,ff(a),f(b)g が出力されるとき,関数 f は Listable であるという。 Listable でない関数のまま同様に使う方法として,関数 Map あるいはその 省略形/@による方法がある。調べてみるとよい。 ☞ ?? Sin を入力し,関数 Sin の属性を調べてみよ。 0.7 パッケージの作成 パッケージを作れるようになれば˛ˇ のユーザとして一人前であ る.3 次元の座標軸を描く簡単なパッケージを作ることによって,その一端に 触れてみよう。˛ˇ のディレクトリーの中にパッケージを作るため のテンプレートがあるので,これをもとに作るのが良い。筆者の環境では, C:/Program Files/Wolfram Research/Mathematica /4.1/AddOns/ExtraPackages/ProgrammingInMathematica /Template.nb である。これを開き,その記述例に倣って書き込めばできあがる。以下は,そ の一例である。 0.7 パッケ ー ジ の 作 成 11 BeginPackage["MyPackages‘axes‘"] axes::usage = "axes.m is a package to create 3D Cartesian coordinate axes by calling the function coord." coord::usage = "coord[a,b,c] returns the 3D graphics primitive representing the Cartesian coordinate axes with the lengths a,b,c, in bpth x,y,z and -x,-y,-z directions" Begin["‘Private‘"] arrow3d[p1_,p2_,p3_,p4_]:= Line[{p1,p2,p2,p3,p4,p2}]; coord[a_,b_,c_]:=Module[ {d,d2,d3,xl,yl,zl,xx,yy,zz,oo}, d=0.025*Min[a,b,c];d3=3*d; xl=arrow3d[{-a,0,0},{a,0,0},{a-d3,d,0}, {a-d3,-d,0}]; yl=arrow3d[{0,-b,0},{0,b,0},{d,b-d3,0}, {-d,b-d3,0}]; zl=arrow3d[{0,0,-c},{0,0,c},{d,0,c-d3}, {-d,0,c-d3}]; xx=Text["x",{a+d3,0,0}]; yy=Text["y",{0,b+d3,0}]; zz=Text["z",{0,0,c+d3}]; oo=Text["O",{-d,-d,-d}]; coord={oo,xl,xx,yl,yy,zl,zz} ] End[] EndPackage[ ] 用法:”usage:: ” を日本語で書く場合には適当なエディターを用いるのが無難 である。 ˛ˇ で書く場合には,保存の方法に注意する必要がある。メニュー : “ファイル/特別な形式で保存/パッケージ形式” を選び,保存するディレクト リーとファイル名を記入する。念のため,保存されたファイルをエディターで 読んでみよう。全体が (* と *) により囲まれてコメントアウトされていることが ある。このときは,(* と *) を消して保存し直しておく。 なお,本書ではこの方法でプログラム中にコメントを書くことがある。“ 書式/ 12 0. 序 章 スタイル/Input” のスタイルで書いているが,読者が同様にコメントを書く必要 があるときは “ 書式/スタイル/Text”のスタイルのコメント用のセルをつくり, プログラムと分離した方が実行が早いと言われている。 ☞ 保存するディレクトリとして,パスの通ったディレクトリー C:/Program Files/Worfram Research/Mathematica/4.1 /AddOns/ExtraPackages の中に,MyPackages ディレクトリーをつくっておき,ここに axes.m の名前 で保存しておくことにする。 ☞ Unix では,このディレクトリーは/usr/local/mathematica/AddOns/ExtraPackages/ となる。多人数が共用する場合には,管理者に依頼して,一つだけ保存してお くと良い。利用者個々にファイルを保存したいときは自分の適当なディレクト リーに保存し,パスを通しておく。 0.8 MathSource の利用 本書では目に見えない電磁界の理解を深めるために,電界や磁界の力線を 多用する。この目的のためには˛ˇ に組み込まれているパッケージ のみでは満足できない。このようなとき,Wolfram Research Inc. の無料アー カイブサービス MathSource を検索することを薦める。MathSource は世界の ˛ˇ ユーザが作成したパッケージやノートブックが分野別に分類し て,登録されている。本書では下記の二つを使うので,ダウンロードして使え るように準備しておこう。ダウンロードできるインターネットの URL は時々 変更がある。現時点(平成15年5月)では http://library.wolfram.com/infocenter を開く。˛ˇ に関する諸々の情報源への案内がある。Main Collection の中の MATHSOURCE: PACKAGES AND PROGRAMS をダブルクリッ クし,MathSource のページを開く。探索(Search) のボックスが上部に現れる 0.8 MathSource の 利 用 13 ので,ここに欲しいパッケージ名を入力するとダウンロードできるページに案 内される。 0.8.1 ExtendGraphics これは,˛ˇ の開発者の一人である Tom Wickham-Jones 氏が作成 したパッケージである。内容は,同氏の著書: Mathematica Graphics: Techniques and Applications. Tom Wickham-Jones, TELOS/Springer-Verlag 1994. に詳述されているが,グラフィックスの機能を大幅に拡張するもので,我々は 特に,その中の fieldlns.m を多用する。これは 2 次元,および 3 次元のベクト ルの力線を描くためのパッケージである。これを使えるようにするために, ExtendGraphics30.zip(156.7Kb) をダウンロードし,解凍する。すると,ディレクトリー ExtendGraphics がつ くられ,その中に 38 個のパッケージとノートブック,実行ファイルなどが現 れる。その中の FieldLines.m を適当なエディターで開き,次の修正を行う。第 64,90,118,144 行目の t2 = Part[ sol, 1, 0, 1, 2] ; を t2 = Part[ sol, 1, 0, 1, 1, 2] ; に修正する。そして,38 個の パッケージファイルを一括して C:/Program Files/Wolfram Research/Mathematica/4.1 /AddOns/ExtraPackages/ExtendGraphics に保存しておこう1 。この FieldLines.m の使用例を下に示す。この例は,正 六角形の頂点に等しい大きさの点電荷があるときの電気力線を求めたもので 1 Unix では/usr/local/mathematica/AddOns/ExtraPackages/ExtendGraphics/となる。 14 0. 序 章 ある。 In[11]:= << ExtendGraphics‘FieldLines‘ xnn Cos2 Π n 1/6 ynn Sin2 Π n 1/6 rx , y , n Sqrtx xnnˆ2 y ynnˆ2 ex Sumx xnn/rx, y, nˆ3, n, 1, 6 ey Sumy ynn/rx, y, nˆ3, n, 1, 6 eline Table FieldLinex, ex, xnn 0.03 Cosi Π/12, y, ey, ynn 0.03 Sini Π/12., t, 1, i, 24, n, 6 ShowGraphics eline, PlotRange 1.5, 1.5, 1.5, 1.5, AspectRatio Automatic Out[11]= -Graphics (xn[n],yn[n]) は正六角形の n 番目の頂点の座標 0.9 LiveGraphics3D 15 r[x,y,n] は点 (x,y) と n 番目の頂点の間の距離 ex,ey は電界の x 成分と y 成分 ? FieldLines と入力すると FieldLine::usage = ”FieldLine[ x, ex, x0, y, ey, y0, t, t1] will calculate the field line from the field ex, ey, starting at x0,y0, of length t1. x and y are the variables of the field and t is the variable of length down the trajectory.” と 使 用 法 の 説 明 が 帰って く る 。こ の 場 合 ,力 線 の 始 点 (x0,y0) と し て , (xn[n],yn[n]) から 0.03 の距離をおく 15 度の角度間隔の点としている。力 線を描くアルゴリズムは媒介変数 t を用いる ParametricPlot によってい る。t の最大値 t1 は試行錯誤で選択する.ここでは 1 としている。 eline は力線に沿う点の座標のリストである。関数 Show[Graphics[*]] により表示させる。オプション PlotRange は描く範囲を指定するために用い ている。 0.9 LiveGraphics3D こ れ は ド イ ツ の Martin Kraus 氏 が 作 成 し た Java ア プ レット で あ る 。 ˛ˇ により作成した 3 次元グラフィックスを Web 上に表示し,イン タラクティブに縮小,拡大,回転,視点の移動,ステレオ表示を可能とする。 この Java アプレットは非商用に公開されたフリーソフトウエアである。この class を用いることで,Java アプレットの知識を持たなくても引数を指定する だけでアプレットを実行することができ,操作が簡単である。 MS-Windows 版と Macintosh 版の˛ˇ 4.x には RealTime3D パッ ケージが試験的に導入されていて,3 次元グラフィックスを回転させることが できる2 。同様な機能を持ったソフトウェアに VRML や JavaView があるが, 本書では筆者が経験上,最も使い勝手の良いと思う LiveGraphics3D を利 用しよう。 2 Unix 版にはバージョン 4.1 から導入された。 16 0. 序 章 このために,Martin Kraus 氏によるホームページ: http;//wwwvis.informatik.uni-stuttgart.de/ kraus/LiveGraphics3D/index.html を開く。このページには前述の,MathSource から辿ることもできる。 download LiveGraphics3D 1.30 をクリックして live.jar(79Kb) をダウン ロードする。 次に,read the documentation をクリックしてドキュメントを開き,Producing Graphics with Mathematica の節にリンクされた LiveGraphics3D.m(28Kb) をダウンロードする。また,このドキュメンテーション自体を保存(完全)し ておくとマニュアルとして使用できるので便利である。 live.jar は Java1.1 applet であり,必須のファイルである。これをパス の通ったディレクトリーに置く。筆者は˛ˇ の作業ディレクトリー: C:/Program Files/Wolfram Research/Mathematica/4.1 に置いている。 LiveGraphics3D.m は˛ˇ により得る Graphics3D オブジェク トを操作し,変換する関数を含むパッケージである。これを axes.m と同じ ディレクトリーに保存しておく。 使用方法 0.9.1 0.9.1.1 Graphics3D オブジェクトの InputForm ファイルの作成 ˛ˇ 上 で ま ず、”LiveGraphics3D.m” を ロ ー ド す る 。す な わ ち <<MyPackages‘LiveGraphics3D‘ を書いておく。次に、Graphic3D オブジェクトを作成する。例えば g=Plot3D[Sin[x y],fx,-Pi,Pig,fy,-Pi,Pig]; として、Graphic3D オブジェクト”g”を作成する。次に g から、次の命令によ り適切な InputForm からなるファイル”x.g3d” を作業中のディレクトリーに作 成する。 WriteLiveForm["x.g3d",g]; 0.9 0.9.1.2 LiveGraphics3D 17 HTML ぺーじの作成 documentation.html の Quick Start の節に書かれている例を参考に HTML ファイ ル を 作 成 す る 。例 え ば 、下 記 の よ う な lg3d.html を 作 成 し , ˛ˇ の作業ディレクトリーに置く。 <HTML> <APPLET ARCHIVE="live.jar" CODE="Live.class" WIDTH=600 HEIGHT=600 ALIGN=ABSMIDDLE> <PARAM NAME=BGCOLOR VALUE=#FFFFFF> <PARAM NAME=MAGNIFICATION VALUE=1.> <PARAM NAME=INPUT_FILE VALUE= "x.g3d"> </APPLET> </HTML> ファイル名”x.g3d” は上で作成した適当な InputForm のファイルである。な お,何回も上の方法でファイルをつくるとき,新しいファイルで上書きされ る。永久保存したいときは,別に保存用のディレクトリーを用意し,”x.g3d” と ”lg3d.html” を各グラフィックスに適切な名前をつけて保存しておくとよい。 0.9.1.3 Web browser で HTML ファイルを開き、3 次元画像を視る。 左マウスドラッグ:画像内の軸のまわりの回転 左マウスをドラッグしながら離す:画像内の軸のまわりのスピン (回転を続 ける) SHIFT キー + 垂直ドラッグ:ズーム SHIFT キー + 水平ドラッグ:画像に垂直な軸の周りの回転 CONTROL キー + 垂直ドラッグ:焦点距離の変化 CONTROL キー + 水平ドラッグ:ステレオ効果の長さの変化 右マウス垂直ドラッグ:グラフィックスの部分分解 ”o”キー:Java コンソールへのパラメータ表示 ”s”キー:単一画像とステレオ画像のトグル HOME キー:元画像の復元 (スピンしていない) 18 0. 0.9.1.4 序 章 Java コンソールの開き方 Netscape の場合 「Communicator 」メニュ−の「 ツール」を開き、その最下にある「Java Console」 を選択する Internet Explorer の場合 「表示」メニュ−から「Java コンソ−ル」を選択する 以 下 は LiveGraphics3D の 使 用 例 で あ る 。0.8.1 で 用 意 し た パッケ ー ジ: “FieldGraphics” を用いて,正負の二つの点電荷のつくる電気力線を 3 次元的に描いたものである。また,0.6 で用意したファイル vt20.dat と, 0.7 で作ったパッケージ axes.m を利用している。Gaphics3D を用いると, 電気力線の世界に入り込む仮想体験をすることができる。図 0.3 は次のノート ブックにより作成した x.g3d を,lg3d.html を介してブラウザ上で見ていると ころである。 図 0.3 : LiveGraphics3D の表示例 0.9 LiveGraphics3D In[12]:= << ExtendGraphics‘FieldLines‘ ex x 1/Sqrtx 1ˆ2 yˆ2 zˆ2ˆ3 x 1/Sqrtx 1ˆ2 yˆ2 zˆ2ˆ3 ey y/Sqrtx 1ˆ2 yˆ2 zˆ2ˆ3 y/Sqrtx 1ˆ2 yˆ2 zˆ2ˆ3 ez z/Sqrtx 1ˆ2 yˆ2 zˆ2ˆ3 z/Sqrtx 1ˆ2 yˆ2 zˆ2ˆ3 dir Get"vt20.dat" eline1 TableFieldLine3D x, ex, 1 0.05 diri, 1, y, ey, 0.05 diri, 2, z, ez, 0.05 diri, 3, t, 4, i, 1, 20 eline2 TableFieldLine3D x, ex, 1 0.05 diri, 1, y, ey, 0.05 diri, 2, z, ez, 0.05 diri, 3, t, 4, i, 1, 20 << MyPackages‘axes‘ xyzaxes coord3, 3, 3 g3d ShowGraphics3Dxyzaxes, eline1, eline2, AspectRatio Automatic, Boxed False Out[12]= -Graphics3DIn[13]:= << MyPackages‘LiveGraphics3D‘ WriteLiveForm"x.g3d", g3d 19 1. ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ ˇ˛ 電荷と静電界 電荷と電流の正体と両者の関係(連続の方程式) 座標系とベクトル解析の復習 真空中の点電荷のつくる電界(クーロン電場) ガウスの定理 分布電荷のつくる電界の求め方 問題演習 1.1 電荷と電流 電磁気学の対象は電界と磁界である.これらをつくり出す源は電荷と電流で ある.静止した電荷は静電界をつくる.電荷が動くと電流が流れる.時間的に 定常的な電流は静磁界をつくる.連続的に分布する電流密度ベクトル i と電荷 密度 Ρ は次の連続の方程式で結ばれる. div i Ρ 0 t (1.1) 連続の方程式は電気回路におけるキルヒホッフの電流則 (キルヒホッフの第一 法則) に相当する。 演習問題 1.1 x 軸に平行な導線上の電流が次式で表されている。 I x̂I0 exp x2 t 2 Τ 2a (1.2) 1.1 電 荷 と 電 流 21 1. 電荷線密度 Λ を求めよ。ただし, x および t < 0 で Λ は 0 と する。 2. x < 0 の領域にある電荷の総量 Q を t の関数として求めよ。そして, x 0 における電流 x̂ It に対して次式を証明せよ。 dQ I 0 dt ☞ (1.3) 以下の要領で˛ˇ によりこの問題を解こう。 In[14]:= (* ベクトル解析のパッケージを読み込む。*) << Calculus‘VectorAnalysis‘ In[15]:= (* 座標系を直角座標系(デカルト座標系)に設定する。*) SetCoordinatesCartesianx, y, z In[16]:= (* 電流ベクトルを定義する。*) ix , y , z , t i0 2 t x 2 t0 2a , 0, 0 In[17]:= (* 電流の発散を計算する。*) fx , y , z , t Divix, y, z, t, Cartesian Out[17]= t x2 t0 2 a2 a i0 x 2 In[18]:= (* 連続の方程式から,線電荷密度を計算する。*) t Λx , t fx, y, z, t t 0 i0 2 x2 2a t0 Out[18]= a t x2 t0 2 a2 t0 x 2 In[19]:= (* x < 0 の領域の総電荷量を求める。*) 0 qt Λx , t/.a 1x Out[19]= 1 t0 i0 t0 t 22 1. 電 荷 と 静 電 界 In[20]:= (* x 0 において,キルヒホッフの電流則を確かめる。*) t qt i0, 0, 0, t.1, 0, 0 Out[20]= 0 In[21]:= (* x < 0 にある電荷量と x 0 での電流の時間変化を図示する。*) a 1 i0 1 t0 1 Plotqt, i0, 0, 0, t.1, 0, 0, t, 3, 3, PlotStyle Thickness0.005, Thickness0.01 20 15 10 5 -3 -2 -1 1 2 3 Out[21]= -Graphics (*と*) で囲むと,コメントと解され,˛ˇ のコマンドから切り離され る。すなわち,コメントアウトされる。 積分の過程でエラーメッセージが出たら,ここでは参考にするだけで構わず進 んでよい。バージョン 4.1 以降ではこのエラーメッセージは出ない。 1.2 座標系とベクトル解析 電界と磁界は,それぞれ電場,磁場と表現することもある.これはらは文 字通り,電気的な場と磁気的な場であり,空間に連続的に分布する物理量であ る.電磁気学を学ぶ上で空間を扱う座標系の理解が不可欠である.直角座標 (Cartesian Coordinates) :x, y, z,円筒座標 (Cylindrical Coordinate) :Ρ, , z, 球座標 (Spherical Coordinate) :r, Θ, について演習する. 1.2 ☞ 座標系とベクトル解析 23 基本座標系の直角座標系,円筒座標系と球座標系について,各座標系の座標が 取る値の範囲と相互の関係を,次のように˛ˇ を用いて調べよ In[22]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" CoordinateRangesCartesian Out[22]= < Xx < , < Yy < , < Zz < In[23]:= CoordinateRangesCylindrical Out[23]= 0 Rr < , Π < Ttheta Π, < Zz < In[24]:= CoordinateRangesSpherical Out[24]= 0 Rr < , 0 Ttheta Π, Π < Pphi Π In[25]:= CoordinatesToCartesianΡ, , z, Cylindrical Out[25]= Ρ Cos, Ρ Sin, z In[26]:= CoordinatesToCartesianr, Θ, , Spherical Out[26]= r Cos SinΘ, r SinΘ Sin, r CosΘ In[27]:= CoordinatesFromCartesianx, y, z, Cylindrical Out[27]= x2 y2 , ArcTanx, y, z In[28]:= CoordinatesFromCartesianx, y, z, Spherical Out[28]= x2 y2 z2 , ArcCos ☞ z x2 y 2 z 2 , ArcTanx, y ベクトル解析の基本を,次のように˛ˇ を用いて復習しておこう。 24 1. 電 荷 と 静 電 界 In[29]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesCylindrical Π Π Π3 a1 1, , 2 a2 2, , 2 a3 3, , 1 6 2 2 DotProducta1, a2 CrossProducta1, a2 ScalarTripleProducta1, a2, a3 ScalarTripleProducta1, a3, a2 Out[29]= 3 3 Out[29]= 2 7, Π ArcTan , 3 5 Out[29]= 2 3 Out[29]= 2 3 In[30]:= SetCoordinatesCartesianx, y, z v x y 2 z3 gv Gradv dgv Divgv cgv Curlgv lv Laplacianv Out[30]= y2 z3 , 2 x y z3 , 3 x y2 z2 Out[30]= 6 x y2 z 2 x z3 Out[30]= 0, 0, 0 Out[30]= 6 x y2 z 2 x z3 1.2.1 動く座標系 座標系を楽しく理解するために,三枚の座標面が順次移動するアニメーショ ンを作成してみよう。 ☞ 次のように,˛ˇ により動く直角座標系(デカルト座標系)を作成 せよ。 1.2 座標系とベクトル解析 25 In[31]:= OffGeneral spell1 << Graphics‘Animation‘ << Graphics‘Shapes‘ << MyPackages‘axes‘ cxyz coord1, 1, 1 gxyz Graphics3Dcxyz a 0.8 gr xpln Graphics3D Polygon0, a, a, 0, a, a, 0, a, a, 0, a, a ypln Graphics3DPolygon a, 0, a, a, 0, a, a, 0, a, a, 0, a zpln Graphics3DPolygon a, a, 0, a, a, 0, a, a, 0, a, a, 0 iΠ , 0, 0 Doxg TranslateShapexpln, a Sin 8 AppendTogr, xg, gxyz, ypln, zpln, i, 0, 16 iΠ , 0 Doyg TranslateShapeypln, 0, a Sin 8 AppendTogr, yg, gxyz, zpln, xpln, i, 0, 16 iΠ Dozg TranslateShapezpln, 0, 0, a Sin 8 AppendTogr, zg, gxyz, xpln, ypln, i, 0, 16 ShowAnimationgr, Boxed False, ViewPoint 1, 2, 1 OnGeneral spell1 z O x y Out[31]= -Graphics スペースの関係で 1 枚の図のみを示したが, 実際には 3 17 51 枚の図が描か れる。 ˛ˇ は作図しながらアニメートしている。作図が終わってから, アニ メーションを見るには,すべてのグラフィックを含むセルをアクティブにし, メ ニュー:“セル/グラフィックのアニメーション化”を選ぶとアニメーションが始 まる。 26 ☞ 1. 電 荷 と 静 電 界 点の座標 x , y , z を指定すると,まず x 面が x 0 x に移動し,その 1 秒後 に y 面が y 0 y に移動し,そのまた 1 秒後に z 面が z 0 z に移動する 関数を作成せよ。ただし, x < 1, y < 1, z < 1 とする。 In[18] に引き続いて以下を実行すればよい。 In[32]:= showgrgr Showgr, Boxed False, ViewPoint 1, 2, 1 fxp , yp , zp Modulexplnp, yplnp, zplnp, showgrgxyz, xpln, ypln, zpln Pause1 xplnp TranslateShapexpln, xp, 0, 0 showgrgxyz, xplnp, ypln, zpln Pause1 yplnp TranslateShapeypln, 0, yp, 0 showgrgxyz, xplnp, yplnp, zpln Pause1 zplnp TranslateShapezpln, 0, 0, zp showgrgxyz, xplnp, yplnp, zplnp In[33]:= f0.2, 0.3, 0.5 z O x y Out[33]= -Graphics3D- 合計4枚の図が現れるが,最終の図のみを載せた。三つの座標面の交点が与 えた点 x , y , z である。 1.2 座標系とベクトル解析 27 この4枚の図だけでも,アニメーション化ができる。図の切り替わる速度を遅 くして試してみよ。また, 「一時停止」ボタンを押し, 「進む」ボタンによって1 枚づつ進めるのもよいであろう。 ☞ 次のように,˛ˇ により動く円筒座標系のアニメーションを作成せよ。 In[34]:= OffGeneral spell1 << MyPackages‘axes‘ << Graphics‘Animation‘ << Graphics‘Shapes‘ gxyz Graphics3Dcoord1, 1, 1 a 0.8 rpln Graphics3DCylinder0.5, a, 20, AspectRatio > Automatic ppln Graphics3DPolygon0, 0, a, a, 0, a, a, 0, a, 0, 0, a zpln Graphics3DPolygona, a, 0, a, a, 0, a, a, 0, a, a, 0 grpz Dorg Graphics3D Cylinder0.5 0.3 SinΠ/12 i, a, 20, AspectRatio > Automatic AppendTogrpz, rg, gxyz, ppln, zpln, i, 0, 12 Dopg RotateShapeppln, Π/12 i, 0, 0 AppendTogrpz, pg, gxyz, rpln, zpln, i, 0, 24 Dozg TranslateShapezpln, 0, 0, 0.6 SinΠ/8 i AppendTogrpz, zg, gxyz, rpln, ppln, i, 0, 16 ShowAnimationgrpz, Boxed False, ViewPoint 1, 1.5, 1 OnGeneral spell1 28 1. 電 荷 と 静 電 界 z O x y Out[34]= -Graphics- ☞ 次のように,˛ˇ により動く球座標系のアニメーションを作成せよ。 In[35]:= (*円筒座標のノートブックに引き続いて起動する場合には不要。*) OffGeneral spell1 << Graphics‘Animation‘ << Graphics‘Shapes‘ << MyPackages‘Axes‘ 1.3 クーロンの法則 29 In[36]:= << Graphics‘Graphics3D‘ gxyz Graphics3Dcoord1, 1, 1 a 0.8 rpln Graphics3DSphere0.5, 20, 10 conet ListSurfacePlot3D Table0, 0, 0, iΠ iΠ a Sint Cos , a Sint Sin , a Cost, 12 12 1 1 a Sint Cos i 1 Π, a Sint Sin i 1 Π, 12 12 a Cost, i, 0, 23, DisplayFunction Identity Π tpln cone 4 ppln Graphics3DPolygon 0, 0, a, a, 0, a, a, 0, a, 0, 0, a grtp Πi , 20, 10 Dorg Graphics3DSphere0.4 0.3 Sin 16 AppendTogrtp, rg, gxyz, tpln, ppln, i, 0, 16 1 1 jj 11 Π Dotg cone Π 1 Sin 2 12 AppendTogrtp, tg, gxyz, rpln, ppln, jj, 25 1 Π i, 0, 0 Dopg RotateShapeppln, 12 AppendTogrtp, pg, gxyz, rpln, tpln, i, 24 ShowAnimationgrtp, Boxed False, ViewPoint 1, 1.5, 1 OnGeneral spell1 z O x y Out[36]= -Graphics- 30 1. 電 荷 と 静 電 界 クーロンの法則 1.3 電磁気学の中核であるクーロンの法則を多角的に取扱い,理解を深める.た とえば,点電荷による電場に入り込んだら,電界はどのように感じられるのだ ろう.この逆二乗の法則を LiveGraphics3D により仮想現実の世界を体験 する.また,二点電荷による電界の力線が電荷の比の変化とともにどのように 変わるかをアニメーション化する。 演習問題 1.2 クーロンの法則を三座標系で表せ。 点電荷 Q〔C〕が座標原点にあるとき,電界は E Q 4Π0 r2 に等しい。0 は真 空の誘電率,r は電界を観測する点の原点からのきょりであり,球座標の r に 一致する。電界の向きは r の増大する方向であるので, E ☞ Q r̂ 4Π0 r2 Qx̂x ŷy ẑz 4Π0 x y z 2 2 2 3 2 QΡ̂Ρ ẑz 4Π0 Ρ2 z2 クーロン電場の模様を理解するために,つぎを入力して実行してみよ。 In[37]:= << "Graphics‘PlotField3D‘" << "MyPackages‘LiveGraphics3D‘" << "MyPackages‘axes‘" gxyz Graphics3Dcoord1, 1, 1 rx , y , z Max 0.1, x2 y2 z2 x, y, z e PlotVectorField3D , rx, y, z3 x, 1, 1, y, 1, 1, z, 1, 1, Boxed False, VectorHeads True, DisplayFunction Identity graph Showe, gxyz, DisplayFunction $DisplayFunction WriteLiveForm"x.g3d", graph (1.4) 1.3 クーロンの法則 31 z y O x 0.9.1 で準備した lg3d.html によってクーロン電場の世界を探訪してみよう。 1.3.1 ランダム分布電荷 自然界は電気からできていると言っても誤りではない.我々の体もそうだ. しかし,正負の電荷がバランスしているために,その影響が外に現れないの だ.正負同数の電荷がランダムに分布する場合の電界分布を計算して,どのよ うになるかを調べてみよう. ☞ 正負 500 個づつの素電荷が 0 < x < 1, 0 < y < 1, z 0 の面上に不規則に位置し ているとしよう。まず,その位置を乱数によって定め,正電荷を黒丸, 負電荷を 白丸で図示しよう。 32 1. 電 荷 と 静 電 界 In[38]:= n=1000; b=Table[{Random[],Random[]},{n}]; c=Table[Graphics[Circle[b[[i]],0.01]],\ {i,1 ,n-1,2}]; d=Table[Graphics[Disk[b[[i]],0.01]],{i,2,n,2}]; Show[{c,d},AspectRatio->Automatic] Out[38]= -Graphics- ☞ 観測点の座標を 0.5, 0.5, z とし,電界の三成分の z 依存性を計算して図示しよ う。一つの正電荷の z 依存性と比較せよ。この結果から,それぞれが zn に比例 すると考えられる。それぞれに対して,n を求めて,なぜこのようになるかを考 えよう。 1.3 クーロンの法則 In[39]:= OffGeneral "spell1" fxxp , yp , z xp 0.5 3/2 0.5 xp2 yp2 z2 yp 0.5 fyxp , yp , z 3/2 2 xp 0.5 yp2 z2 z fzxp , yp , z 3/2 xp2 yp2 z2 n fxsumz 1i fxbi, 1, bi, 2, z i1 n fysumz 1i fybi, 1, bi, 2, z i1 n fzsumz 1i fzbi, 1, bi, 2, z i1 In[40]:= << "Graphics‘Graphics‘" LogLogPlotAbsfxsumz, Absfysumz, 1 Absfzsumz, 2 , z, 1, 105 , z PlotStyle Dashing0.05, 0.02, Dashing0.02, 0.05, RGBColor0, 0, 0, Thickness0.015, PlotRange All, AxesLabel "z", "Fx, Fy, Fz, Fone" Fx,Fy,Fz,Fone 1 0.0001 1. 108 1. 1012 1. 1016 1 Out[40]= -Graphics- 10 z 100 1000 10000 100000. 33 34 1. 1.3.2 電 荷 と 静 電 界 分布電荷による静電界 線上に分布する線電荷,面上に分布する面電荷による電界は点電荷による電 界を,順次,積分することによって求められる。以下の結果を記憶しておこう。 z 軸上の無限長線電荷による電界:線密度 Λ,直線からの距離 Ρ に対して, E Ρ̂ Λ 2Π0 Ρ xy 面上の無限に拡がった面電荷による電界:面密度 Σ ,xy 面からの距離 d に 対して, E ẑ Σ 20 d 演習問題 1.3 図 1.1 に示すように,z軸上 h/ 2 z h/ 2 の範囲に密度 Λ の 線電荷がある。 1. xy 平面上にあり,原点からの距離が Ρ の点 P における電界 EΡ を求 めよ 2. EΡ は h Ρ と h Ρ のそれぞれの場合にどのように近似できる か。近似式を予想し,それが数学的に導けるかどうか試みよ。 z h2 Λ O PΡ,0,0 x h2 y 図 1.1 : 有限長線電荷 In[41]:= eΡ h 2 h2 Out[41]= 4ΠΡ hΛ 2 h 4 ΛΡ 4 Π Ε0 Ρ2 z2 Ρ 2 Ε0 z 2 Ρ z2 1.3 クーロンの法則 35 In[42]:= (* Ρ が微小であるとして,Ρ 0 の周りで展開する。 無限長線電荷による電界に一致する筈である。*) SerieseΡ, Ρ, 0, 2 ΛΡ hΛ Out[42]= OΡ3 2 h2 Π Ε 0 Ρ h h2 Π Ε 0 In[43]:= (* h が微小であるとして,h 0 の周りで展開する。 点電荷 hΛ による電界に一致する筈である。*) SerieseΡ, h, 0, 2 Λh Out[43]= Oh3 4 Π Ρ Ρ2 Ε0 1.3.3 ガウスの定理と立体角 対称性のある分布電荷による電界は,クーロンの法則を直接積分するのでは なく, ガウスの定理を用いると容易に求められることがある。ガウスの定理を 理解するために,まず立体角を理解する必要がある。 立体角はある物体を一点から見たときの,立体的な広がりの程度を表す量で あり,xy 面上にある面 S をz軸上の点 0, 0, d から見たときの立体角 Ω は次 式で計算される。 Ω S d dx dy x y2 d 2 3/ 2 2 (1.5) 記憶すべき例の一つに円板を中心に垂直な線上の点から見たときの立体角があ る。円板の周に至る線分と中心に至る線分がなす角を Θ とすると, Ω 2Π 1 cos Θ (1.6) 演習問題 1.4 x < 1, z 0 の方形領域を垂直距離 d の点 0, 0, d から 1, y < 見込む立体角を˛ˇ により求めよ。次に,d 1 と d 1 に対する 近似式を求め,その意味を考えよ。 1 In[44]:= fd 1 1 1 d x y2 d2 2 1 Out[44]= 4 ArcTan d 2 d2 3 yx 36 1. 電 荷 と 静 電 界 In[45]:= << "Graphics‘Graphics‘" fd LogLogPlot , d, 0.01, 100, Π PlotRange All, AxesLabel "d", "Solid Angle/Π" Solid AngleΠ 1 0.1 0.01 0.001 0.01 0.1 1 10 d 100 Out[45]= -GraphicsIn[46]:= (* d が微小であるときの近似式を求める。 全立体角の半分,すなわち 2Π に近い筈である。*) Seriesfd, d, 0, 5 5 2 d3 Out[46]= 2 Π 4 2 d 3 21 4 2 2 d5 Od6 5 16 2 In[47]:= (* d が大きいときの近似式を求めるために d の逆数について展開する。 面積 / 距離の自乗に近い筈である。 *) 1 Seriesf , di, 0, 5 di Out[47]= 4 di2 4 di4 Odi6 点電荷 Q による電界 Er は, 4Πr 2 r̂ 0 E Q を満たす。つまり,点電荷を囲む球面の面積を 0 E にかけると,点電荷の大き さに等しい。これは,クーロン電場が r2 に反比例し,面積が r2 に比例するこ とによる。この関係は,領域 V 内の任意の電荷分布 Ρ に対して成り立ち,次 式のように表される。S は V を囲む任意の閉曲面である。この関係をガウスの 定理という。 1.4 問 題 を 解 こ う 0 E dS Ρ dV S 1.4 37 (1.7) V 問題を解こう 演習問題 1.5 幅 w,面密度 Σ のリボン状の面電荷が x 軸を中心軸として xy 面上にある。z 軸上の点 0, 0, z の電界を求め,z w と z w の場合に対し て近似式を求めよ。 In[48]:= ezz , w Integratez/yˆ2 zˆ2, y, w/2, w/2 w Out[48]= 2 ArcTan 2z In[49]:= ezzw, 1 Out[49]= 2 ArcTan 1 2 zw In[50]:= Seriesezzw, 1, zw, 0, 5 16 zw3 64 zw5 Ozw6 Out[50]= Π 4 zw 3 5 In[51]:= Seriesez1, wz, wz, 0, 5 wz3 wz5 Out[51]= wz Owz6 12 80 演習問題 1.6 xy 面上に,半径 a の円板上に,面密度 Σ の面電荷がある。円板 の中心を座標原点として z 軸上で電界を求め,z a と z a の場合に対して 近似式を求めよ。 In[52]:= eza , z z 1 2 Out[52]= z a Σ zr r 2 0 r2 z2 3/2 1 a2 z2 Σ 2 In[53]:= Seriesez1, za, za, 0, 5 Σ Σ za Σ za3 3 Σ za5 Out[53]= Oza6 2 2 4 16 In[54]:= Seriesezaz, 1, az, 0, 5 38 1. Out[54]= 電 荷 と 静 電 界 Σ az2 3 Σ az4 Oaz6 4 16 演習問題 1.7 電界が次のように表せるとき, 電荷分布を求めよ。 r r̂E1 a 2 Er, Θ, r̂E1 a r r a r a (1.8) In[55]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesSphericalr, t, p e r e1 1 , 0, 0 a rho1 Ε0 Dive1 3 Ε 0 e1 Out[55]= a e1 a2 , 0, 0 r2 rho2 Ε0 Dive2 Out[56]= 0 In[56]:= e2 演習問題 1.8 真空中の電界が円筒座標 (r, , z) により次のように表せるとき, 電荷分布を求めよ。 E r̂ Ρ0 2 1 er 20 r In[57]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesCylindricalr, Φ, z 2 1 r , 0, 0 e Ρ0 2 0 r 0 Dive // Simplify Out[57]= r Ρ0 2 (1.9) 渦なしの場と電位 2. ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ ˇ˛ 点電荷による電位と電界 ポアソンの方程式とラプラスの方程式 等電位線と電気力線 より一般的な電荷分布による電位と電界 電気力線の作図(簡便な作図と詳細な作図) 問題演習 2.1 点電荷による電位と電界 静電界の最も簡単な場合として,座標原点に点電荷がある場合を考える。単 位電荷を無限遠からある点まで運ぶに要する仕事がその点の電位である。静電 界を重力の場に比較すると,無限遠点が海抜ゼロメートルの地平線,点電荷の ある原点が無限に高い山にたとえられ,電位はその中間地点の電気的な高さ (くらい:位)を表す。 電荷を単位電荷 Q 1 とすると,電位は単位電荷に働く力:電界を無限遠か ら積分することによって次式となる。 V 1 4Π0 r (2.1) 静電界は重力の場と同様に保存力の場である。電場が保存力の場であること と,電界の回転がゼロであることは同義である。すなわち、静電界は渦なしの 場である。渦なしの場は式 (2.1) が積分の途に依存せず,その点の関数として 40 2. 渦なしの場と電位 電位が定義できる。重力の場が保存力の場であるので,ジェットコースターが 摩擦のない理想的な構造でできているとすると,ジェットコースターの車はエ ネルギーを補給しなくても永久に周回を続けられる。これは電界を任意の途に そって周回積分したとき,値がゼロになることに相当する。電位はスカラーポ テンシャルともいう。電位から電界は次式により表せる。 E V ☞ (2.2) 電界を積分することによって式 (2.1) を導け。また,逆に式 (2.1) から電界を求 めよ。さらに,この回転と発散を計算せよ。三座標系により行え。 Q 4 Π Ε 0 r2 In[1]:= er Vr eRR r Out[1]= Q 4 Π r Ε0 In[2]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesSphericalr, Θ, GradVr Q Out[2]= , 0, 0 4 Π r 2 Ε0 In[3]:= Curl% Out[3]= 0, 0, 0 In[4]:= Div%% Out[4]= 0 In[5]:= SetCoordinatesCartesianx, y, z r x2 y 2 z 2 GradVr Curl% Div%%//Simplify 2.2 Out[5]= ポアソンの方程式とラプラスの方程式 Qx 4 Π x y2 z2 Qy 2 3/2 2 3/2 4 Π x y z Out[5]= 0, 0, 0 2 2 Ε0 41 , Ε0 , Qz 3/2 4 Π x y2 z2 2 Ε0 Out[5]= 0 In[6]:= SetCoordinatesCylindricalΡ, , z r Ρ2 z 2 GradVr Curl% Div%%//Simplify Qz QΡ Out[6]= , 0, 3/2 2 2 3/2 2 4 Π z Ρ Ε0 4 Π z Ρ2 Ε0 Out[6]= 0, 0, 0 Out[6]= 0 %は直前の出力を表す。In[3] の Curl[%] は Curl[Out[2]] と同じで ある。%%はさらに一つ前の出力を表す。%% (k 回)は k 回遡った 出力を表す。また,%n は Out[n] と同じ意味を表す。 2.2 ポアソンの方程式とラプラスの方程式 式 (2.2) ガウスの定理 (1.7) に代入すると、次のポアソンの方程式が得ら れる。 2V Ρ 0 (2.3) ここに,Ρ は電荷密度である。電荷が存在しない点では次の方程式が成り立つ。 これは,ラプラスの方程式と呼ばれる。 2V 0 (2.4) 42 2. 渦なしの場と電位 演習問題 2.1 電荷密度が球座標系で er に等しい。電界を求め,電荷分布と 2 共に図示せよ。また、電界と電荷分布が積分形のガウスの定理を満たすことを 確かめよ。 In[7]:= Ρr r 2 2 er Ρr , er, r r 0 2 2 r r Π Erfr 40 r2 er DSolver er Out[7]= er C1 r r2 2 In[8]:= er er1, 1, 2/.C1 0 PlotΡr, er, r, 0, 3, PlotStyle Thickness0.005, Thickness0.01 2 2 r r Π Erfr Out[8]= 4 0 r2 r2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0.5 1 1.5 2 2.5 3 Out[8]= -Graphicsr In[9]:= qr 4 Π s2 Ρss 2 Π 2 r r Π Erfr 0 Out[9]= r 2 In[10]:= 4 Π 0 r2 er qr Out[10]= 0 2.3 2.3 等電位線と電気力線 43 等電位線と電気力線 静電界の空間的分布をグラフで表現し,視覚的に理解を助ける手段として等 電位面(線)と電気力線がある。電位の等しい点の集合である面(線)を等電 位面(線)と呼び,接線方向が電界の向きに一致するように描いた曲線を電気 力線と呼ぶ。電気力線の方程式を三座標系で表すと, dx dy dz Ex Ey Ez (2.5) dΡ Ρd dz EΡ E Ez (2.6) dr rdΘ r sin Θd Er EΘ E (2.7) 演習問題 2.2 電気ダイポールモーメント p の電気ダイポールによる電位は V p cos Θ 4Π0 r2 (2.8) と表される。電界を求め,電気力線の方程式を解け。 In[11]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesSphericalr, Θ, CosΘ v r2 e Gradv 2 CosΘ SinΘ Out[11]= , , 0 r3 r3 2 rΘ CosΘ , rΘ, Θ SinΘ Out[12]= rΘ C1 SinΘ 2 In[12]:= DSolveΘ rΘ ☞ 電気ダイポールによる静電界の,等電位線と電気力線を,y 0 の zx 面上で 描け。 44 2. 渦なしの場と電位 CosΘ r2 a ContourPlot vv Max x2 z2 , 0.1, ArcTanz, x, x, 1, 1, z, 1, 1, ContourShading False, PlotPoints 30, Frame False, ContourStyle Dashing0.02, 0.02, ContourStyle Thickness0.005, DisplayFunction Identity << "Graphics‘Graphics‘" b PolarPlot0.3 CosΘ2 , 0.6 CosΘ2 , 0.9 CosΘ2 , Θ, 0, 2 Π, Axes False, PlotStyle Thickness0.01, DisplayFunction Identity Showa, b, DisplayFunction $DisplayFunction, AspectRatio Automatic In[13]:= vvr2 , Θ Out[13]= -Graphics- x は二次元のラプラスの方程式を満た x y2 y 一定 となることを証明せよ。 すこと,この静電界の電気力線は 2 x y2 演習問題 2.3 x と y の関数 : V 2 2.4 直線状点電荷列の電気力線 45 In[14]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCartesianx, y, z x Vx , y , z 2 x y2 LaplacianVx, y, z//Simplify e GradVx, y, z//Simplify Out[14]= 0 2xy x2 y 2 Out[14]= 2 2, 2,0 x y2 x2 y2 2 x yx , yx, x x2 yx2 1 Out[15]= yx C1 2 C1 4 x2 , 2 1 yx C1 2 C1 4 x2 2 In[15]:= DSolvey x In[16]:= Solvey %1, 1, 2, C1 Solve :: ifun : 逆関数が Solve により使用されているので,求められな い解のある可能性があります. Out[16]= C1 Log x2 y 2 y In[17]:= Solvey %%2, 1, 2, C1 Solve :: ifun : 逆関数が Solve により使用されているので,求められな い解のある可能性があります. Out[17]= C1 Log 2.4 x2 y 2 y 直線状点電荷列の電気力線 電気力線が簡単な式で表せ,応用性の高い場合に直線上に点電荷が並んだ場 合がある。z 軸上に並んだ点電荷 Qi , i 1, 2, , n に対して,電気力線は次 式で表せる。 n Qi cos Θi 一定 (2.9) i1 ここに,Θ は観測点と点電荷を結ぶ直線が z 軸となす角である。式 (2.9) と ˛ˇ のコマンド ContourPlot を用いると,電気力線を容易に描く ことができる。 46 2.4.1 2. 渦なしの場と電位 二点電荷による電界 演習問題 2.4 二つの点電荷による電界は,その大きさの比によって様々に変 化する.電気力線の変化を式 (2.9) によって描き,アニメーションによって見 てみよう. In[18]:= << Graphics‘Animation‘ x1 r x 1 MovieContourPlot , 2 2 x 1 y x 12 y2 x, 3, 3, y, 3, 3, r, 2, 2, 0.1, ContourShading False, PlotPoints 30, Frame False r は点電荷の大きさの比。 2.4.2 パッケージ FieldLines.m による精密な力線の描画 演習問題 2.5 直角座標で,1, 0, 0 に点電荷 4Q が,1, 0, 0 に点電荷 Q があ る。x 軸と角 Θ0 をなして正電荷から発する電気力線の,無限遠方で x 軸となす 角 Θ は式 (2.9) から, Θ cos 1 4 cos Θ0 1 3 (2.10) 2.4 式 (2.10) において,Θ0 直線状点電荷列の電気力線 47 Π のとき Θ 0 となる。したがって,負電荷に終端 3 Π の角で正電荷を発する力線である。これを確認するには, 3 式 (2.9) と ContourPlot による方法では難しい。0.8.1 に用意したパッケー する力線は Θ0 > ジ FieldLines.m を用いて確認してみよう。 In[19]:= << ExtendGraphics‘FieldLines‘ r1x , y x 12 y2 r2x , y x 12 y2 4 x 1 x 1 ex r1x, y3 r2x, y3 4y y ey r1x, y3 r2x, y3 Πi , eline TableFieldLinex, ex, 1 0.1 Cos 36 Πi y, ey, 0.1 Sin , t, 20, i, 1, 71, 2 36 ShowGraphicseline, AspectRatio Automatic, Axes True, PlotRange 4, 4, 4, 4 4 3 2 1 -4 -3 -2 -1 -1 -2 -3 -4 Out[19]= -Graphics- 1 2 3 4 48 2. 渦なしの場と電位 In[20]:= eline Table 2Πi FieldLinex, ex, 1. 0.001 Cos , 360000 2Πi y, ey, 0.001 Sin , t, 80, 360000 i, 59999, 60001 ShowGraphicseline, AspectRatio Automatic, Axes True 1.75 1.5 1.25 1 0.75 0.5 0.25 -1 1 2 3 4 Out[20]= -Graphics- ☞ 正電荷から発し,負電荷に終端する力線と無限遠点に向かう力線の境目は前題 において,Θ Π/ 3 であることがわかったが,これは負電荷に終端する力線の割 合が 1/ 4 に等しいことを用いると,立体角の計算から次のようにして知ること ができる。この式の意味を考えてみよ。 2Π1 cos Θ0 4Π ☞ 1 4 cos Θ0 1 Π ! Θ0 2 3 電界がゼロとなる点は 3, 0, 0 である。これは,上の図から窺い知ることができ るが,理論的に証明してみよう。 2.5 平面内に分布する点電荷群による電気力線 前節の検討によって,パッケージ FieldLines は正確な力線を描くことが わかった。このパッケージは,電荷が三次元的に任意に分布している場合に適 用できる。本節では二次元分布する点電荷群による電気力線を描こう。 ☞ 正三角形の頂点に同大の点電荷がある場合の電気力線を描け。 2.5 平面内に分布する点電荷群による電気力線 49 In[21]:= << ExtendGraphics‘FieldLines‘ d 0.01 r1x , y x 12 y2 2 r2x , y x2 y 3 r3x , y x 12 y2 x 1 x x1 ex 3 r1x, y3 r2x, y r3x , y3 y y 3 y ey r1x, y3 r2x, y3 r3x, y3 iΠ , eline1 TableFieldLinex, ex, 1 d Cos 6 iΠ y, ey, d Sin , t, 1, i, 12 6 iΠ , eline2 TableFieldLinex, ex, 1 d Cos 6 iΠ y, ey, d Sin , t, 1, i, 12 6 iΠ , eline3 TableFieldLinex, ex, d Cos 6 iΠ y, ey, 3 d Sin , t, 1, i, 12 6 g1 Graphicseline1, eline2, eline3 Showg1, AspectRatio > Automatic Out[21]= -Graphics- ☞ ˛ˇ に用意されている PlotVectorField による描画と比較してみ よう。同一面上に FieldLines と PlotVectorField による電気力線,お よび ContourPlot による等電位線を重ねて描け。 50 2. 渦なしの場と電位 In[22]:= << Graphics‘PlotField‘ g2 PlotVectorFieldex, ey, x, 2, 2, y, 1, 3 1, PlotPoints 10, DisplayFunction Identity 1 1 1 , g3 ContourPlot r1x, y r2x, y r3x, y x, 2, 2, y, 1, 1 3, ContourShading False, PlotPoints 200, DisplayFunction Identity Showg1, g2, g3, Axes False, DisplayFunction $DisplayFunction, AspectRatio Automatic Out[22]= -Graphics- 2.6 問題を解こう 演習問題 2.6 x 軸に平行に,幅 w,面密度 Σ のリボン状の面電荷が xy 面上 にあり,その中心軸は x 軸と一致する。z 軸上の電位を求めよ。また,電位か ら電界を計算せよ。そして z w の場合と,z w の場合の近似式を予想し, 数学的に正しく求められることを証明せよ。 2.6 問 題 を 解 こ う 51 In[23]:= (* 微小幅 y の部分による電位を重ね合わせる。*) w/2 Σ Log y2 z2 y 2 Π 0 w/2 1 Out[23]= 4 Π 0 w 2 z Σ 2 w 2 z Log 2 z Log 2z 1 w2z w Log w2 4 z2 2z 4 In[24]:= (*Log1 Ix LogSqrt1 x 2 IArcTanx の関係を 利用して,電位 vz を求める。*) 1 vz 4 Π 0 w 1 Σ 2 w 4 z ArcTan w Log w2 4 z2 2z 4 In[25]:= (*電界 ez を求める。*) ez z vz//Simplify Σ ArcTan 2wz Out[25]= Π 0 In[26]:= (* z w に対する近似式を求めるために,z に関して z 0 の周りに 展開する。平面電荷による電界に一致する。*) Seriesez, z, 0, 2 2Σz w2 Σ Out[26]= Oz3 2 w 0 Π w 0 In[27]:= (* z w に対する近似式を求めるために,1/z に関して 1/z 0 の 周りに展開する。線密度 wΣ の線電荷による電界に一致する。*) 1 Seriese , zi, 0, 2 zi w Σ zi Out[27]= Ozi3 2 Π 0 演習問題 2.7 xy 面上に,半径 a の円板上に,面密度 Σ の面電荷がある。円板 の中心を原点として,z 軸上の電位を求め,電位から電界を計算せよ。そして, z a の場合と,z a の場合の近似式を予想し,数学的に正しく求められる ことを証明せよ。 52 2. 渦なしの場と電位 In[28]:= (* Ρ, Ρ dΡ の区間の半径 Ρ,幅 dΡ の円ループがつくる電位を 重ね合わせる。*) Σ 2 Π Ρ, vz Integrate 2 4 Π 0 Ρ z2 Ρ, 0, a z2 a2 z 2 Σ Out[28]= 2 0 In[29]:= (* 電位の勾配により電界を計算する。*) ez z vz Out[29]= z z2 z a2 z2 Σ 2 0 In[30]:= (*z a に対する近似式を z 0 の周りに展開することにより求める。 平面電荷による電界に一致する。*) Seriesez, z, 0, 2 Σ Σz Oz3 Out[30]= 2 0 2 a2 0 In[31]:= (*z a に対する近似式を 1/z 0 の周りに展開することにより 求める。点電荷 Πa2 Σ による電界に一致する。*) 1 Seriese , zi, 0, 2 zi a2 Σ zi2 Out[31]= Ozi3 4 0 演習問題 2.8 原点付近の電位(スカラーポテンシャル)が V x, y xy と与 えられている。電界を求め,等電位線と電気力線の分布の概形を描け。 In[32]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ << Graphics‘ImplicitPlot‘ SetCoordinatesCartesianx, y, z vx , y x y Out[32]= y, x, 0 In[33]:= sol DSolvey x x/yx, yx, x x2 Out[33]= yx 2 C1, 2 x2 yx 2 C1 2 2.6 In[34]:= Solveyx Out[34]= C1 問 題 を 解 こ う 2 x2 C1, C1 2 1 x2 yx2 2 In[35]:= a ContourPlot vx, y, x, 3, 3, y, 3, 3, ContourStyle Dashing0.03, 0.03, ContourShading > False, DisplayFunction > Identity b ContourPlot xˆ2 yˆ2, x, 3, 3, y, 3, 3, ContourShading > False, DisplayFunction > Identity Showa, b, Frame > False, AspectRatio Automatic, DisplayFunction > $DisplayFunction 53 3. 導体と静電界 導体表面上の境界条件 ˇ 学習項目 電位係数と容量係数,誘導係数 影像法 – 平面導体と点電荷 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ – 導体コーナと点電荷 ˇ˛ – 導体球と点電荷 – 一様電界中に導体球が置けれた場合 3.1 導体表面上の境界条件 電気電子デバイスの材料である銅などの金属は,時間的な変化が早くないと き,すなわち周波数が高くないとき,近似的に導電率が無限大の完全導体とみ なせる。このような導体は全体が同電位であり,その勾配に等しい電界は導体 の内部でゼロである。導体と真空の境界面で,導体から外向きの法線単位ベク トルを n̂ とすると次式がなりたつ。これを導体表面上の境界条件という。 n̂ E 0 (3.1) Σ 0 (3.2) n̂ E ここに,Σ は面電荷密度である。 式 (3.1) は電界の導体表面に接する成分に関する境界条件であり,式 (3.2) は 電界の導体表面に垂直な成分に関する境界条件である。 3.1 導体表面上の境界条件 55 演習問題 3.1 非常に薄い半径 a の導体円板が電荷 Q を帯びているとき,円板 上で電荷は次式の密度で分布することが理論的にわかっている。 Σ Q 1 2Πa a2 r2 (3.3) ここに,r は円板の中心からの距離である。電荷密度の変化をグラフによって 理解し,式 (3.3) の積分が Q に等しいことを確かめよ。 Q 2 Π a a2 r 2 zx , y Ifxˆ2 yˆ2 < 1, Min Σ x2 y2 /.a 1, Q 1, 0.5, 0 g Plot3Dzx, y, x, 1, 1, y, 1, 1, PlotPoints 50 << MyPackages‘LiveGraphics3D‘ WriteLiveForm"x.g3d", g In[36]:= Σr 0.4 0.2 0 -1 1 -0.5 1 0.5 0 -0.5 0 0.5 Out[36]= -SurfaceGraphicsa In[37]:= 2 Π r Σrr 0 Out[37]= a Q Ifa > 0, a, 0 a r r a2 r2 1-1 56 3. 導 体 と 静 電 界 電荷密度の三次元グラフは上のように LiveGraphics3D によって,回転する とわかりやすくなる。 Out[2] は a > 0 であるので,Q に等しい。 ☞ 電荷密度は式 (??) と式 (5.12) から電界の大きさに比例している。したがって電 界は円板の周辺で無限大となる。円板の端からの距離の を確かめよ。この根拠は 4.4 で学ぶ。 3.2 1 乗に比例すること 2 電位係数と容量係数,誘導係数 真空中に複数の導体があるとき,導体の電位を与ると電荷分布が一意に定ま り,逆に電荷を与えると電位分布が一意に定まる。これを境界値問題と考えた とき,前者はディリクレー型の問題,後者はノイマン型の問題である。 電圧行列 V̄ と電荷行列 Q̄ を次式で関係づける。 V̄ "pi j # Q̄, Q̄ "qi j # V̄ (3.4) pi j を電位係数,qii を静電容量係数,qi j i $ j を静電誘導係数という。 この導体系に蓄えられた静電エネルギー W は, 1 1 1 1 W V̄ T Q̄ Q̄T V̄ V̄ T "qi j #V̄ Q̄T "pi j #Q̄ 2 2 2 2 (3.5) 演習問題 3.2 半径 a の導体球を導体#1 とし,それと同心的にある内半径 b, 外半径 c の導体球殻を導体#2 とする。ここに,a < b < c である。電位係数行 列は次式となる。 %& 1 && 4Π 0 p̄ &&&& && & ' 1 1 1 a b c 1 4Π0 c 1 4Π0 c 1 4Π0 c () )) )) )) )) ) * (3.6) q̄ "qi j # を p̄ "pi j # の逆行列から求め,物理的に求めた結果と一致すること を確かめよ。 3.2 電位係数と容量係数,誘導係数 57 1b 1c 1 , , 4 Π Ε0 4 Π Ε0 c 1 1 , 4 Π Ε0 c 4 Π Ε0 c MatrixFormp 1 1b 1c 1 a 4 Π Ε 4 c Π Ε0 0 Out[38]= 1 1 4 c Π Ε0 4 c Π Ε0 1 In[38]:= p a In[39]:= q Inversep//Simplify MatrixFormq 4 a b Π Ε0 4 a b Π Ε0 b ab Out[39]= 4 a a b Π Ε0 4 a b c b c Π Ε 0 ab ab In[40]:= ep Eigenvaluesp//Simplify 1 b c a 2 b c Out[40]= 8 a b c Π Ε0 2 a b c2 b2 c2 a2 4 b2 c2 , 1 2 a b a c b c 8 a b cΠ Ε0 2 a b c2 b2 c2 a2 4 b2 c2 In[41]:= Λp1 b , c ep1/.a 1 2 b c b c 4 b2 c2 2 b c2 b2 c2 Out[41]= 8 b c Π Ε0 In[42]:= Λp2 b , c ep2/.a 1 2 b c b c 4 b 2 c 2 2 b c 2 b 2 c2 Out[42]= 8 b c Π Ε0 In[43]:= Λp2 b, c Λp1 b, c//Simplify 2 c 2 b c2 b2 4 c2 Out[43]= 4 b c Π Ε0 In[44]:= 2 b c b c 2 4 b2 c2 2 b c2 b2 c2 // Simplify Out[44]= 4 1 b b c ☞ q̄ を教科書を参考にして物理的に求め, p̄ の逆行列に等しいことを確かめて おく。 58 3. 導 体 と 静 電 界 a 1 として,変数の数を減らしている。b と c は a で割ったことになる。固有 値は無次元数でありこのように規格化しても変わらない。 固有値がすべて正の行列は正定値であるという。 p̄ と q̄ が正定値のとき,式 (3.5) の蓄積静電エネルギーは任意の V̄ と Q̄ に対して正となる。 3.3 影 像 法 考察の対象外の空間に電荷を置いて,導体を取り除いたとき,導体表面上の 境界条件が満たされているとき,対象外空間に置く電荷を映像電荷といい,映 像電荷を用いて境界値問題を解く方法を映像電荷法という。 3.3.1 平面導体と点電荷の場合 演習問題 3.3 z 0 の面が導体であり,0, 0, d の点に点電荷があるとする。 導体面上の電荷密度を求め,図示せよ。そして,導体面上の全電荷は Q とな ることを積分により確かめよ。また,この物理的意味を考えよ。 0, 0, d に電荷 Q を置くと,z 0 における境界条件は満足される。この 映像電荷と実電荷とが無限空間内につくる電界を計算し,z 0 でその z 成分 を求め,0 をかけると,式 (??) により電荷密度が得られる。 2Qd 3/2 4 Π x2 y2 d2 Plot3D Σx, y/.Q 1, d 1, x, 2, 2, y, 2, 2, AxesLabel "x/d", "y/d", " Σ/Qd " In[45]:= Σx , y 3.3 0.15 ΣQd 0.1 0.05 0 -2 2 -1 0 xd 1 影 像 法 59 2 1 0 yd -1 2-2 Out[45]= -SurfaceGraphics Σx, yyx 1 Out[46]= Q Signd Signd2 In[46]:= In[47]:= %/.Signd 1 Out[47]= Q ガウスの定理 (1.7) により,ある閉曲面上の「電界の外向き法線成分の積分」 は「その面内の全電荷を 0 で割った値」に等しい。前者はその面を横切って 出入する電気力線の本数に等しい。したがって,正電荷からはその大きさに比 例する電気力線が発し負電荷に終端する。 点電荷 Q から出る電気力線はすべて映像電荷 Q に向かうが,その途中の 導体表面に終端する。導体平面上の電荷の密度の積分は映像電荷の大きさ Q に等しい。 3.3.2 導体コーナと点電荷の場合 演習問題 3.4 x 0 の面と y 0 の面が導体で,a, a, 0 に点電荷 Q が置か れ,x > 0, y > 0 の空間に電界を作っている。a, a, 0 に Q,a, a, 0 に Q,a, a, 0 に Q の映像電荷を置く。0 < x, , y 0, < z < の導体面上 Q の電荷密度を求め,この積分値が に等しいことを確かめよ。 2 60 3. 導 体 と 静 電 界 In[48]:= Σx , z 1 1 Qa 3/ 2 3/ 2 x a2 a2 z2 xa2 a2 z2 2Π g Plot3DΣx, z/.Q 1, a 1, x, 0, 4, z, 2, 2, AxesLabel "x/a", "z/a", "Σ/Qa", PlotRange All << MyPackages‘LiveGraphics3D‘ WriteLiveForm"x.g3d", g 0 ΣQa -0.05 -0.1 2 1 0 za -1 0 1 2 xa 3 4-2 Out[48]= -SurfaceGraphics In[49]:= Σx, zzx 0 Q Out[49]= 2 In[50]:= NIntegrateΣx, z/.Q 1, a 1, x, 0, , z, , , AccuracyGoal 4 Out[50]= 0.499997 Integrate では結果の符合が間違っている。NIntegrate は正しい答えを返 している。˛ˇ はこのように積分に関してはときに間違って答えを返 すので注意しよう。 導体面上の電荷密度の面積分は平面導体の場合と同様に考える。点電荷 Q から発する電気力線はすべて導体コーナに終端する。導体コーナが有する全電 3.3 影 像 法 61 荷は映像電荷の総量に等しい。映像電荷の総量は Q Q Q Q である。 これが二分されて,x 0 の面と y 0 の面に分布する。上で計算した積分は y 0 の面上の積分であるので, 3.3.3 3.3.3.1 Q に等しい。 2 導体球と点電荷の場合 接地導体球と点電荷 演習問題 3.5 半径 a の導体球の中心から d の距離に点電荷 Q がある。導体球 が接地されているとして,映像電荷法によって電界を求め,電気力線を描け。 点電荷と球内のある点からの距離の比が一定の点の軌跡は二つの点を含む面 内で円となる。平面幾何学がアポロニウスの円として教えるところである。 In[51]:= r1x , y x2 y2 r2x , y x 12 y2 r1x, y ContourPlot , x, 1, 2, r2x, y y, 1, 1, ContourShading False, PlotPoints 50, Contours 0.2, 0.25, 0.333, 0.5, 2, 3, 4, 5, AspectRatio Automatic 1 0.5 0 -0.5 -1 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 Out[51]= -ContourGraphics- これらの円を二点を結ぶ直線を中心軸として回転してできる球の表面の点に おいても点電荷と球内のある点からの距離の比が一定である。導体球がちょう どこの球に一致するように,球内のある点を選ぶ。そして,この点に映像電荷 を置く。映像電荷の大きさを適当に決めると,導体球の面上の電位をゼロにす ることができ,境界条件を満たすことができる。 62 3. 導 体 と 静 電 界 In[52]:= << "ExtendGraphics‘FieldLines‘" d 1.5 a 1 Qa a2 Q 1 Q b d d r1x , y x d2 y2 r2x , y x b2 y2 Q x d Q x b ex 3 r1x, y r2x, y3 Q y Qy ey r1x, y3 r2x, y3 eline Table FieldLine 2 i 1 Π x, ex, d 0.0001 Cos , 18. 2 i 1 Π y, ey, 0.0001 Sin , t, 3, 18. i, 18 sphr GraphicsRGBColor0.5, 0.5, 0.5, Disk0, 0, 1 ShowGraphicseline, sphr, AspectRatio Automatic Out[52]= -Graphics- 3.3 3.3.3.2 影 像 法 63 非接地導体球と点電荷 演習問題 3.6 半径 a の導体球の中心から d の距離に点電荷 Q がある。導体 球は接地されていないとして,映像電荷法によって電界を求め,電気力線を 描け。 この場合には,導体球のもつ全電荷は点電荷の存在によって変わることなく, ゼロである。表面の電位を等電位に保ちながら,全電荷をゼロとするために, 球の中心に第二の映像電荷を置く。 In[53]:= << "ExtendGraphics‘FieldLines‘" d 1.5 a 1 Qa a2 b Q 1 Q d d rx , y x2 y2 r1x , y x d2 y2 r2x , y x b2 y2 Q x d Q x b Q x ex 3 3 r1x, y r2x, y rx, y3 Q y Q y Qy ey r1x, y3 r2x, y3 rx, y3 eline Table FieldLine 2 i 1 Π x, ex, d 0.0001 Cos , 18. 2 i 1 Π y, ey, 0.0001 Sin , t, 3, 18. i, 18 sphr GraphicsRGBColor0.5, 0.5, 0.5, Disk0, 0, 1 ShowGraphicseline, sphr, AspectRatio Automatic 64 3. 導 体 と 静 電 界 Out[53]= -Graphics3.3.3.3 一様静電界中に導体球が置かれた場合 演習問題 3.7 一様な静電界 ẑE0 の中に半径 a の導体球を置いたとき,導体球 の近くの電界分布を映像電荷法により求めよ。 直角座標の 0, 0, d と 0, 0, d に点電荷 Q と Q がある場合を考える。こ の二点電荷のつくる静電界は,d が十分大きいとき,原点付近で一様な分布に なる。この大きさが E0 に等しいとき, 2 Q E0 , 4Π0 d 2 ... Q 2Π0 d 2 E0 導体球の影響は,接地導体球と点電荷の場合を参考にすると,0, 0, 0, 0, a2 と d a2 a a にそれぞれ Q と Q の映像電荷により正しく反映できる。d が大 d d d きくなるとき,両映像電荷は接近し,電気ダイポールを形成する。ダイポール モーメントを E0 を用いて表すと, p2 a2 a Q 4Π0 a3 E0 d d 電気ダイポールによる電界は演習 2.1 より球座標を用いて, , Ep 2 cos Θ a 3 1 sin Θ r̂ 3 Θ̂ 3 E0 r̂2 cos Θ Θ̂ sin Θ 4Π0 r r r また, ẑE0 r̂ cos Θ Θ̂ sin ΘE0 3.3 影 像 法 65 である。総合電界は, a 3 a 3 E r̂ 2 1 cos Θ Θ̂ 1 sin Θ E0 r r r a で EΘ 0 であることが確認できる。˛ˇ により,電気力線を 描こう。 In[54]:= << "ExtendGraphics‘FieldLines‘" rx , y x2 y2 a 1 a3 2 x2 y2 1, 0 ex Ifrx, y > 1, rx, y5 3 a 3xy , 0 ey Ifrx, y > 1, rx, y5 eline1 TableFieldLinex, ex, 3, y, ey, 3 0.5 i, t, 3.5, i, 11 eline2 TableFieldLinex, ex, 3, y, ey, 3 0.5 i, t, 3.5, i, 11 sphr GraphicsRGBColor0.5, 0.5, 0.5, Disk0, 0, 1 ShowGraphicseline1, eline2, sphr, AspectRatio Automatic, PlotRange All ラプラスの方程式の解 4. ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ ˇ˛ 変数分離の方法 調和関数 – 直角座標,円筒座標,球座標 調和関数によるディリクレー問題の解 複素関数論の応用 4.1 変数分離の方法 ラプラスの方程式を解く有力な方法に変数分離の方法がある。 まず,ラプラスの方程式: +2V x, y, z 0 (4.1) の解として V x, y, z Xx Y y Zz と,それぞれの座標のみに依存する三 つの関数の積を仮定する。次に +2V x, y, z/V x, y, z 0 を計算する。 In[55]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesCartesianx, y, z Vx , y , z Xx Yy Zz LaplacianVx, y, z/Vx, y, z// Expand X x Y y Z z Out[55]= Xx Yy Zz Ẍ Ÿ Z̈ 0 X Y Z (4.2) 4.1 変数分離の方法 67 ここに,¨ は二階微分を表す。式 (4.2) の左辺の三項は,それぞれ一つの変数の みの関数である。これらの和が恒等的にゼロであるためには,各項は一定でな ければならない。この論理により,次の三式が得られる。すなわち,変数分離 される。 Ẍ Γx 2 X 0 (4.3a) 2 Ÿ Γy Y 0 (4.3b) Z̈ Γz Z 0 (4.3c) 2 ここに,定数 Γx 2 , Γy 2 , Γz 2 は分離定数と呼ばれ,その和はゼロである。すなわち, Γx 2 Γy 2 Γz 2 0 (4.4) 式 (4.3a),(4.3b) ,(4.3c) は二階線形微分方程式である。 x,2 Xx Γx 2 , Xx, x Xx Out[56]= Xx x Γx C1 x Γx C2 In[56]:= DSolve 二種の独立な解:eΓx x , eΓx x が得られる。 ☞ 同様に,円筒座標 Ρ, , z と球座標 r, Θ, ではどのように変数分離が行えるか を˛ˇ を用いて検討せよ。 In[57]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinates CylindricalΡ, , z VΡ , , z RΡ P Zz R Ρ Z z P R Ρ Out[57]= 2 Ρ RΡ Ρ P RΡ Zz In[58]:= SetCoordinatesSphericalr, Θ, Vr , Θ , Rr Θ P LaplacianVr, Θ, /Vr, Θ, // Expand 2 R r CotΘ Theta Θ Out[58]= r Rr r2 Θ 2 Θ CscΘ P R r 2 2 Rr r P r Θ 68 4. ラプラスの方程式の解 変数分離が可能らしいことが伺えよう。変数分離の詳細と,得られる微分方 程式の解については次節にまとめる。 4.2 調 和 関 数 ラプラスの方程式の解を調和関数という。 4.2.1 直角調和関数 式 (4.3a),(4.3b),(4.3c) は二種の独立な解:fe-Γx x , e -Γy y , e-Γz z g を持つ。した がって,直角調和関数は次のように表される。 V C1 eΓx x C2 eΓx x C3 eΓy y C4 eΓy y C5 eΓz z C6 eΓz (4.5) 式 (4.3a),(4.3b) ,(4.3c) の二種の独立な解を次のような双曲線関数,あるいは 指数関数と双曲線関数の組み合わせとしても良い。応用の対象によって都合の 良い方を選んで用いる。 V C7 cosh Γx x C8 sinh Γx x C9 cosh Γy y C10 sinh Γy y C11 cosh Γz z C12 sinh Γz z (4.6) 分離定数は実数か純虚数であるとすると,自乗和がゼロであるので,少なくと も一つは実数,少なくとも一つは純虚数である。純虚数の分離定数に対して は,双曲線関数は三角関数となる。 4.2.2 円筒調和関数 以下,In[5] から In[13] は一つのノートブックで実行するものとする。 V が Ρ のみに依存するとしてのラプラスの方程式を解く。 In[59]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesCylindricalΡ, , z In[60]:= DSolve R Ρ R Ρ 0, RΡ, Ρ Ρ RΡ RΡ 4.2 調 和 関 数 69 Out[60]= RΡ C2 C1 LogΡ 次に,V が z に依存せず, に関しては周期的解:e- jn となるときのラプラ スの方程式を解く。 In[61]:= DSolve Ρ n2 R Ρ R Ρ 2 0, RΡ, Ρ RΡ Ρ RΡ Out[61]= RΡ C1 Coshn LogΡ C2 Sinhn LogΡ ✍ この解は Ρn , Ρn と簡単化できることを確かめよ。 次に, 方向に変化がないときのラプラスの方程式を変数分離して解く。 In[62]:= VΡ , , z RΡ Zz R Ρ Z z R Ρ Out[62]= Ρ RΡ RΡ Zz Z z hˆ2, Zz, z Zz R Ρ R Ρ DSolve h2 , RΡ, Ρ Ρ RΡ RΡ Out[63]= Zz h z C1 h z C2 In[63]:= DSolve Out[63]= RΡ BesselJ0, h Ρ C1 BesselY0, h Ρ C2 Z z Βˆ2, Zz, z Zz R Ρ R Ρ DSolve Β2 , RΡ, Ρ Ρ RΡ RΡ Out[64]= Zz C1 Cosz Β C2 Sinz Β In[64]:= DSolve Out[64]= RΡ BesselJ0, Β Ρ C1 BesselY0, Β Ρ C2 ここに,関数:BesselJ"0, hΡ#,BesselY "0, hΡ# はそれぞれ 0 次のベッセル関 数,0 次のノイマン関数である。通常,これらは J0 hΡ,Y0 hΡ と書く。純虚数 の変数に対しては,通常これらは実変数の変形ベッセル関数 I0 , K0 に置き換 えて表現される。また,BesselJ"0, jhΡ# Im"BesselY "0, jhΡ# の関係がある。 70 4. ラプラスの方程式の解 次に, に関しては cos n,z に関しては e jhz の変化をするとしてラプラス の方程式を解く。 In[65]:= VΡ , , z RΡ Cosn h z R n2 R Out[65]= h2 2 Ρ RΡ RΡ Ρ In[66]:= RΡ % // Simplify R Ρ n2 Out[66]= h2 2 RΡ R Ρ Ρ Ρ In[67]:= DSolveh2 RΡ, Ρ R Ρ n2 RΡ R Ρ 0, Ρ2 Ρ Out[67]= RΡ BesselJn, h Ρ C1 BesselYn, h Ρ C2 以上から,円筒調和関数は次のように表されることがわかった。 V C1 BesselJ"n, hΡ# C2 BesselY "n, hΡ# C3 cos n4 sin nΡ C5 ehz C6 ehz ☞ 0 次のベッセル関数とノイマン関数のグラフを描け。 In[68]:= PlotBesselJ0, x, BesselY0, x, x, 0, 10, PlotStyle Dashing0.01, 0., Dashing0.02, 0.01 1 0.5 2 -0.5 -1 -1.5 4 6 8 10 (4.7) 4.2 調 和 関 数 71 Out[68]= -GraphicsIn[69]:= PlotBesselJ0, I x, ReBesselY0, I x, x, 0., 1., PlotStyle Dashing0.01, 0., Dashing0.02, 0.01 0.2 0.4 0.6 0.8 1 -2 -4 -6 Out[69]= -Graphics- 4.2.3 球面調和関数 ここでも,In[16] から In[23] までは同一のノートブックで実行するも のとする。まず,V R"r# ."Θ# cos m に対してラプラスの方程式の変数分離 を行う。 In[70]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesSphericalr, Θ, Vr , Θ , Rr Θ Cosm LaplacianVr, Θ, Expand Vr, Θ, m2 CscΘ2 2 R r Out[70]= r Rr r2 CotΘ Θ R r Θ 2 Rr r2 Θ r Θ に関して cos m の変化を考えたが,sin m, e-m 等に置き換えても変わら ない。一般解はこれらの重ねあわせである。 72 4. ラプラスの方程式の解 分離定数を nn 1 とおいて,R"r# に関する微分方程式を解く。n は任意で あり,このようにおいてよい。 2 r R r r2 R r n n 1, Rr Rr Rr, r Out[71]= Rr r 1n C1 rn C2 In[71]:= DSolve 分離定数を nn 1 としてために R"r# の解は簡単な形で表せている。同じ分 離定数に対して,."Θ# に対する微分方程式を解く。 In[72]:= DSolve n n 1 m2 CscΘ2 Θ CotΘ Θ Θ 0, Θ, Θ Out[72]= DSolven 1 n m 2 CscΘ2 Θ CotΘ Θ Θ 0, Θ, Θ このままでは,˛ˇ は答えを返さない。そこで,t cos Θ の変数 変換を行うことにする。 . "Θ# と . "Θ# を t による微分に変換する。 In[73]:= Θ CosΘ Out[73]= SinΘ CosΘ In[74]:= Θ,2 CosΘ Out[74]= CosΘ CosΘ SinΘ2 CosΘ In[75]:= n n 1 m2 CscΘ2 Θ CotΘ SinΘ CosΘ CosΘ CosΘ SinΘ2 CosΘ/. CosΘ t, SinΘ 1 t2 , 1 CscΘ 1 t2 m2 Θ Out[75]= n 1 n 1 t2 2 t t 1 t2 t ."t# に関する微分方程式を解く。 4.2 調 和 関 数 73 In[76]:= DSolve m2 t 2 t t 1 t2 2 1 t t 0, t, t n 1 n Out[76]= t C1 LegendrePn, m, t C2 LegendreQn, m, t In[77]:= Θ %1, 1, 2/.t CosΘ Out[77]= C1 LegendrePn, m, CosΘ C2 LegendreQn, m, CosΘ LegendreP[n,0,t] と LegendreQ[n,0,t] は 通 常 ,Pn t#,Qn t と 表 し ,第 一 種 お よ び 第 二 種 の ル ジャン ド ル 関 数 と 呼 ぶ 。n は 複 素 数 で よ い 。n が 整 数 のとき,ルジャンドル関数はルジャンドルの多項式とも呼ばれる。Legen- dreP[n,m,t] と LegendreQ[n,m,t] は通常,Pn m t#,Qn m t と表し,Pn t# と Qn t の陪関数と呼ぶ。 以上から,球座標による調和関数,球面調和関数は次のように表現される。 V C1 rn1 C2 rn C3 Pn m cos Θ C4 Qn m cos Θ C5 cos m C6 sin m ☞ (4.8) ルジャンドルの多項式 fPn cos Θ, Qn cos Θ/ m 0, 1, 2, 3g のグラフを描け。た だし,LegendreP[n,0,t] は LegendreP[n,t] と書いてよい。Q 関数についても同じ である。 In[78]:= PlotLegendreP0, CosΘ, LegendreP1, CosΘ, LegendreP2, CosΘ, LegendreP3, CosΘ, Θ, 0, Π, PlotStyle Dashing0.03, 0., Dashing0.03, 0.01, Dashing0.01, 0.01, Dashing0.01, 0.03 74 4. ラプラスの方程式の解 1 0.5 0.5 1 1.5 2 2.5 3 -0.5 -1 Out[78]= -GraphicsIn[79]:= PlotLegendreQ0, CosΘ, LegendreQ1, CosΘ, LegendreQ2, CosΘ, LegendreQ3, CosΘ, Θ, 0, Π, PlotStyle Dashing0.03, 0., Dashing0.03, 0.01, Dashing0.01, 0.01, Dashing0.01, 0.03 6 4 2 0.5 1 1.5 2 2.5 3 -2 -4 Out[79]= -Graphics- 4.3 4.3.1 調和関数によるディリクレー問題の解 直角調和関数とディリクレー問題 4.3 75 調和関数によるディリクレー問題の解 演習問題 4.1 図 4.1 に示すような,6枚の導体板で囲まれた a b c の直方 体領域がある。導体板は5枚が接地され,z c に位置する1枚の導体板だけ が電位 V0 1 が与えられている。導体板で囲まれた直方体領域の電位分布を求 めよ。 z c y x b a O 図 4.1 : 直方体導体板で囲まれた領域 前節で求めた調和関数の組み合わせ(重ね合わせ)によって電位を表す。こ のとき,展開する係数を決定しなければならない。 式 (4.6) において x 0, a と y 0, b の4面で V 0 を満たすには,任意の整 jnΠ jmΠ , Γy と純虚数に選べばよい。そうすれば,x と a b y の関数は三角関数となる。このとき,Γz は式 (4.4) より, 数 n, m を用いて Γx Γz nΠ 2 mΠ 2 a b (4.9) となり,実数となる。したがって,z の関数は指数関数あるいは双曲線関数と なるが,となるが,その中で z 0 で V 0 z c で V 1 を満たす関数は sinh Γz z である。以上から,この問題に適する電位をつぎのように展開することがで きる。 mΠ nΠ y sinh V Cn m sin x sin a b n1 m1 nΠ 2 mΠ 2 z a b (4.10) 76 4. ラプラスの方程式の解 式 (4.10) において,z c とおくと,題意より V 1 となるから, mΠ nΠ y sinh Cnm sin x sin a b n1 m1 nΠ 2 mΠ 2 c 1 a b (4.11) 式 (4.11) は 0 < x< a, 0 < y< b のすべての x と y に対して成り立たねばなら ない。式 (4.11) をよく観察してみると,これはフーリエ級数である。フーリエ 級数の理論にしたがって係数 Cnm を決定すればよいことに気づく。結果はつぎ のようになる。 Cnm ☞ 16nΠ 2 mΠ 2 (n と m がともに奇数の場合), 2 nmΠ sinh a b c (4.12) 0 (その他の場合) 上で求めた電位分布の三次元グラフを描き,z 0.1c 0 0.9c の変化をアニメー ションで観察せよ。 In[80]:= << Graphics‘Animation‘ nm 5 a 1 b 1 c 1 an Table2 n 1Π/a, n, 1, nm bm Table2 m 1 Π/b, m, 1, nm gnm TableSqrtannˆ2 bmmˆ2, n, 1, nm, m, 1, nm cnm Table16/2 n 12 m 1Πˆ2 Sinhgnmn, m c, n, 1, nm, m, 1, nm vx , y , z Sumcnmn, m Sinann x Sinbmm y Sinhgnmn, m z, n, 1, nm, m, 1, nm MoviePlot3Dvx, y, 0.05 t, x, 0, 1, y, 0, 1, t, 1, 19, PlotRange 0, 1, ViewPoint 1.3, 2.4, 1 4.3 調和関数によるディリクレー問題の解 77 0.751 0.5 0.25 10 0.75 0.5 0.25 0 0 0.25 0.5 0.75 1 同じ問題を˛ˇ では数値的に解くことができる。これは,ラプラ シアンの次の性質を応用する方法である:ある関数にラプラシアンが働くと, 周囲の点の関数値の平均値と計算点の関数値の差に比例した値を与える。直方 体領域内の電位を一定間隔の格子点で求める。表面の格子点に境界条件として 電位を与え,内部の格子点の電位をラプラすの方程式の代えて上の関係で結 ぶ。以下は,a b c 1 とし,格子点間隔を 1/ 14 として解いた例である。 1 a 1 14 eqni , j , k vi d, j, k vi d, j, k vi, j d, k vi, j d, k vi, j, k d vi, j, k d 6 vi, j, k v0, j , k 0 va, j , k 0 vi , 0, k 0 vi , a, k 0 vi , j , 0 0 vi , j , a 1 eqns FlattenTableeqni, j, k//Simplify, i, d, a d, d, j, d, a d, d, k, d, a d, d vars FlattenTablevi, j, k, i, d, a d, d, j, d, a d, d, k, d, a d, d sol NSolveeqns, vars In[81]:= d General :: spell1 : ス ペ ル 間 違 い の 可 能 性 が あ り ま す.新 規 シ ン ボ ル"eqns"はすでにあるシンボル"eqn"に似ています. 78 4. ラプラスの方程式の解 In[82]:= Table ListPlot3D Tablevi, j, k, i, 0, a, d, j, 0, a, d/. Flattensol, PlotRange 0, 1, k, d, a d, d 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 15 10 5 5 10 15 4.3.2 円筒調和関数とディリクレー問題 演習問題 4.2 半径 1 の円筒面が 0 < < ΠとΠ < < 2Π の二部分に分かれ, それぞれ電位 1 と 1 が与えられている。z 方向に変化のない場合の円筒調和関 数は Out[7] から, V C1 Ρn C2 Ρn C3 cos n C4 sin n (4.13) これを応用して,円筒内部の電位分布を求めよ。 まず,Ρ 1 の電極上の電位関数を定義する。 In[83]:= BV If < Π, 1, 1 次に,これを等間隔の離散点で誤差が最小になるように近似する sin n の級 数を決定する。 In[84]:= num 31 m Rangenum Π 2 m 1 mv mp, BV/@mp mp num m1 Rangenum/2 ms Sinm1 f FitTransposemv, ms, 4.3 調和関数によるディリクレー問題の解 79 Out[84]= 1.27215 Sin 0.00656065 Sin2 0.421139 Sin3 0.0132584 Sin4 0.249176 Sin5 0.0202421 Sin6 0.174199 Sin7 0.0276861 Sin8 0.131525 Sin9 0.0358094 Sin10 0.103507 Sin11 0.0449046 Sin12 0.083348 Sin13 0.0553853 Sin14 0.0678709 Sin15 /@は関数 Map の短縮形で,左側の関数を右側のリストの第1レベルにある各要 素に作用させる。定義した関数がリスタブルでないときに便利に使われる。 与えた境界値と,有限正弦級数の与える値を比較してグラフ表示する。 In[85]:= Plotf, BV, , 0, 2 Π 1 0.5 1 2 3 4 5 6 -0.5 -1 Out[85]= -Graphics3D- 誤差が大きすぎると思ったら,近似する離散点の数 num を大きくして,や り直す。ここでは,満足して進むことにする。sin n の対になる Ρ の関数は, Ρn と Ρn であるが,Ρ 0 を含む内部領域全体で有効な関数は Ρn である。そこ で,内部の電位分布は次のようになる。 80 4. ラプラスの方程式の解 In[86]:= VΡ , IfΡ < 1, 1.2721 Ρ Sin 0.0065 Ρ 2 Sin2 0.4211 Ρ3 Sin3 0.0132 Ρ 4 Sin4 0.2491 Ρ5 Sin5 0.0202 Ρ 6 Sin6 0.1741 Ρ7 Sin7 0.0276 Ρ 8 Sin8 0.1315 Ρ9 Sin9 0.0358 Ρ 10 Sin10 0.1035 Ρ11 Sin11 0.0449 Ρ 12 Sin12 0.0833 Ρ13 Sin13 0.0553 Ρ 14 Sin14 0.0678 Ρ15 Sin15 , 0 ☞ num の値を変えて,結果がどのようになるかを調べてみよ。 内部領域の電位分布を三次元表示する。 In[87]:= << Graphics‘Graphics3D‘ g3d ShadowPlot3D V xˆ2 yˆ2, ArcTanx, y, x, 1, 1, y, 1, 1, PlotPoints 51, Axes True, ShadowPosition 1 1 0.5 0 -0.5 -1 1 2 1 0 -1 -1 -0.5 0 0.5 1 Out[87]= -Graphics3D- 4.4 複 素 関 数 81 In[88]:= << MyPackages‘LiveGraphics3D‘ WriteLiveForm"x.g3d", g3d 4.4 複 素 関 数 解析的な複素関数は二次元静電界の解析にしばしば応用される。それは,解 析関数の実部と虚部は共にラプラスの方程式を満たすからである。そして,実 部あるいは虚部の片方を電位関数であるとすると,他方は電束関数として有 用である。たとえば,実部 ux, y が電位関数であるとしよう。このとき,虚部 vx, y が一定の軌跡は電気力線に一致する。そして,電束関数:Ψ =2 0 v を定 義すると,電極表面に沿って一周するときの電束関数の変化量は,電極の軸方 向の単位長に分布する電荷量に一致する。 演習問題 4.3 w x jy17 の実部 u と虚部 v が共にラプラすの方程式を満た すこと,すなわち二次元調和関数であることを確かめよ。 In[89]:= wx , y x I yˆ17 rex , y ComplexExpandRewx, y imx , y ComplexExpandImwx, y Out[89]= x17 136 x15 y2 2380 x13 y4 12376 x11 y6 24310 x9 y8 19448 x7 y10 6188 x5 y12 680 x3 y14 17 x y16 Out[89]= 17 x16 y 680 x14 y3 6188 x12 y5 19448 x10 y7 24310 x8 y9 12376 x6 y11 2380 x4 y13 136 x2 y15 y17 In[90]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ Laplacianrex, y Out[90]= 0 In[91]:= Laplacianimx, y Out[91]= 0 解析関数の実部と虚部の等高線を描くと,二次元静電界の等電位線と電気力 線が得られる。電極構造と等電位線の形状が一致するような解析関数を見つか れば,その境界値問題は解けたも同然である。 82 4. ラプラスの方程式の解 ˛ˇ で 解 析 関 数 の 実 部 と 虚 部 の 等 高 線 を 描 く た め の 関 数 は CartesianMap である。 In[92]:= << Graphics‘ComplexMap‘ In[93]:= ?CartesianMap CartesianMap[f, fx0, x1, (dx)g, fy0, y1, (dy)g] plots the image of the cartesian coordinate lines under the function f. The default values of dx and dy are chosen so that the number of lines is equal to the value of the option Lines. 詳細 た と え ば ,解 析 関 数 w f z が あった と し よ う。CartesianMap[f, fx0, x1, (dx)g, fy0, y1, (dy)g] は z 面上の両座標軸に平行な格 子状の線を,指定された z 面上の範囲と間隔に対して写像し,w 面上にプロッ トする。われわれの場合には,w 面上の格子線の z 面上への写像が電気力線と 等電位線である。したがって,z f 1 w の関係にある関数: f 1 を用いなけ ればならない。 まず,教科書から z sin w, w arcsin z がリボン状電極に応用できそうであ るので,この関数に対する電気力線と等電位線を描こう。 In[94]:= CartesianMapSin, 0, 2 Π, 3, 3, PlotRange 3, 3, 3, 3, Lines 30, Axes False, Frame False 4.4 ☞ z cosh w と z 複 素 関 数 83 1 1 w に対して同様な図を得よ。そして,これらがどのよ 2 w うな静電界の問題に応用できるかを考えよ。 In[95]:= << Graphics‘ComplexMap‘ CartesianMapCosh, 2, 2, Π, Π, Lines 30, Axes False, PlotRange 1.5, 1.5, 1.5, 1.5 84 4. ラプラスの方程式の解 In[96]:= << "Graphics‘ComplexMap‘" 1 1 &, 5, 0, CartesianMap #1 2 #1 5, 5, Lines 30, Axes False, PlotRange 2, 2, 2, 2 Out[96]= -Graphics- 4.4 演習問題 4.4 平行円筒電極の問題は w K log 複 素 関 数 85 za の関数が応用できる。こ za こに,K は定数,a は電極中心間の距離の半分である。この関数を用いて,平 行円筒電極の付近の等電位線と電気力線の分布を描け。 In[97]:= << "Graphics‘ComplexMap‘" z 1 , z Solvew Log z 1 w 1 Out[97]= z 1 w In[98]:= CartesianMap 1 #1 &, 3, 3, 3, 3 1 #1 2 1 -4 -2 2 4 -1 -2 Out[98]= -Graphics- In[41] と In[42] では純関数を用いた。関数定義のコマンドと,関数 使用のコマンドを兼ねることができるので,便利なときがある。 86 4. ラプラスの方程式の解 演習問題 4.5 平行板電極の端における等電位線と電気力線の分布を求めるこ とは興味ある問題である。図 4.2 は2枚の電極の中央に接地板をおいた構造を 示している。古くは J. C. Maxwell により解かれ,等電位線と電気力線の図が Maxwell による名著の表紙を飾っている1 。幸いにして,この問題に対して次 の関数が応用できる2 。 z h Π Vw Πw jΠ e 0 1 Π V0 (4.14) ここに,h は平行電極板間の間隔の半分,V0 は図 4.2 における接地されていな い電極の電位である。この関数を用いて,平行板電極間の電気力線と等電位線 を描け。Maxwell の著書の図と同じ向きになるように,電極の位置を図 4.2 と は左右に反転して描こう。 y h O x 図 4.2 : 平行板電極間の半分の領域 1 James Clerk Maxwell:“A Treatise on Electricity & Magnetism”, Clarendon Press,1981,Dover Publications.,Inc.,1954(unabridged, sligntly altered, republication). 2 S.Ramo,J.R.Whinnery,T.V.DUZER:“Fields and Waves in Communication Electronics”, pp.342–343, John Wiley & Sons (1965,1984). 4.4 複 素 In[99]:= << Graphics‘ComplexMap‘ Πw h V0 1 ΠV w ! Π 0 fw Π gw fw h Π V0 1 gr1 CartesianMapg, 0, 2, 0, 2, Lines 25, Axes False, PlotRange 8, 14, 14, 14, DisplayFunction Identity gr2 CartesianMapg, 2, 0, 0, 2, Lines 25, Axes False, PlotRange 8, 14, 14, 14, DisplayFunction Identity gr3 CartesianMapg, 4, 2, 0, 2, Lines 25, Axes False, PlotRange 8, 14, 14, 14, DisplayFunction Identity Showgr1, gr2, gr3, DisplayFunction $DisplayFunction Out[99]= -Graphics- 関 数 87 誘 電 体 5. 分極電荷と電束密度 – 分極電荷,電束密度 ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ ˇ˛ 誘電体とコンデンサの静電容量 – 同心円筒コンデンサ,同心球状コンデンサ 誘電体境界と境界条件 – 電気力線の屈折 映像電荷法 – 平面境界,誘電体球 問題演習 5.1 5.1.1 分極電荷と電束密度 分極電荷 誘電体の中の電子は,金属の中の自由電子のように電界に加速されても電流 として流れることはない。そのかわりに,正負の電荷が微小距離だけ離れ,電 界の方向を向いた電気双極子が現れる。これを分極するという。この電気双極 子モーメントを単位体積あたりの大きさに平均化したベクトルを分極 P と定義 する。 ☞ 断面が x < 1, y < 1 で表せる柱状の誘電体の中に,密度が pm x2 y2 1 に 等しい正負の電荷が同居して打ち消しあっている。これに x 方向の外部電界を印 5.1 分極電荷と電束密度 89 加したら負の電荷だけが x 方向に 0.01 だけ移動した。このとき,正負の電荷は 打ち消さず,ある密度で分布するように見える。この密度を求め,Plot3D と ContourPlot により図示せよ。次に,分極 P を求め,これから作図したよう な見かけの電荷密度を求める方法を考えよ。 In[100]:= pmx , y IfAbsx < 1&&Absy < 1, x2 y2 1, 0 qx , y pmx, y pmx 0.01, y px , y 0.01 pmx 0.005, y gr1 Plot3Dqx, y, x, 1.1, 1.1, y, 0.999, 0.999, PlotPoints 30, DisplayFunction Identity gr2 ContourPlotqx, y, x, 1.1, 1.1, y, 0.999, 0.999, Contours 30, ContourLines False, PlotPoints 300, DisplayFunction Identity ShowGraphicsArraygr1, gr2, DisplayFunction $DisplayFunction 1 0.5 0.01 0 -0.01 0.5 -0.02 0 -1 1 -0.5 0.5 0 -0.5 0.5 1 0 -0.5 -1 -1-0.5 0 0.5 1 Out[100]= -GraphicsArray- ContourPlot の結果から,端面の x 1 に正の,x 1 に負の電荷が現れ ていることがわかるであろう。 ☞ 上の図で,Plot3D の図は端面の分布に正確さを欠いている。これは,計算短 縮のために,PlotPoints->30 としたためである。PlotPoints を大きく するとどうなるか,試してみよ。 90 5. 誘 電 体 分極 P があるとき,見かけの電荷密度は次のように求められる。これは真の 電荷(真電荷)ではなく,分極電荷と呼ばれる。分極電荷は,体積中に体積密 度で, ΡP div P (5.1) ΣP n̂ P (5.2) 誘電体の端に面密度で, ここに,n̂ は誘電体の端面から外側に向かう法線単位ベクトルである。 Out[1] が,分極から計算される分極電荷の密度の分布図と一致するかどう か,興味のあるところである。 ☞ 分極電荷の分布を描き,見かけの電荷密度と一致することを確かめよ。 式 (5.1) によれば, ΡP p 0.02x x x 1 0.01y2 2 ΣP 0.01y2 2 x 1 (5.3) (5.4) これらを˛ˇ で計算し,両者の和をプロットする。しかし,体積密 度と面密度を同列に扱い,足すことはできない。面密度を等高線の間隔で割っ ておき,体積密度に変えることにする。 5.1 分極電荷と電束密度 91 In[101]:= q1x , y x px, y q2x , y Ifx < 0.995&&x > 0.985"" x px, y 2. , 0 Absx 31 . gr3 Plot3Dq1x, y q2x, y, x, 1.1, 1.1, y, 0.999, 0.999, PlotPoints 30, DisplayFunction Identity gr4 ContourPlotq1x, y q2x, y, x, 1.1, 1.1, y, 0.999, 0.999, Contours 30, ContourLines False, PlotPoints 300, DisplayFunction Identity ShowGraphicsArraygr3, gr4, DisplayFunction $DisplayFunction x > 1.005&&x < 0.995, 1 0.5 0.01 0 -0.01 0.5 -0.02 0 -1 1 -0.5 0.5 0 -0.5 0.5 1 0 -0.5 -1 -1-0.5 0 0.5 1 Out[101]= -GraphicsArray- ☞ Out[2] はほとんど Out[1] と同じであることが認められよう。両者が 一致する理由を考えて,分極と分極電荷の意味を理解しておこう。 5.1.2 電束密度 真電荷密度を単に Ρ ,分極電荷密度を ΡP とすると,両者は電界をつくる源と 92 5. 誘 電 体 して同じ資格をもつ。したがって,ガウスの定理の微分形は次のようになる。 div E Ρ ΡP 0 (5.5) 式 (5.1) を代入して整理すると, div 0 E P Ρ (5.6) そこで,次式で電束密度 D を定義すると,電束密度は真電荷のみを源とする電 気的場となる。 D =2 0 E P (5.7) 電束密度と真電荷を結ぶガウスの定理は,式 (5.6) から微分形が次式となる。 div D Ρ (5.8) ガウスの発散定理を用いると,次の積分形が得られる。 D n̂dS ΡdV S 5.2 (5.9) V 誘電体とコンデンサ コンデンサの静電容量を大きくするために誘電体が使われる。電極上の電荷 は真電荷であり,この密度は電束密度に等しい。電界はそれを比誘電率で割っ た値になり,小さくなる。電極間の電圧は電界の積分値であり,したがって, 電荷と電圧の比に等しい静電容量は電極間に誘電体を入れることによって,比 誘電率に比例して大きくなる。 5.2 5.2.1 誘電体とコンデンサ 93 同心円筒コンデンサ 演習問題 5.1 半径 a の内導体と内半径 b b > a の外導体からなる同心円筒コ ンデンサを考える。内部は誘電体で満たされていて,誘電率 は円筒座標の径 座標 Ρ の関数であるとする。電界強度をコンデンサ内で一定値 e0 となるよう に,誘電率分布を決定し,このときの単位長あたりの静電容量 C を求めよ。 単位長あたりの電荷 q〔Cm1 〕に対して,電束密度,電界,電位差の順に求 め,最後に単位長あたりの静電容量を求める。 電束密度 DΡ は真電荷のみに関係するので,誘電率によらず,ガウスの定 理 (5.9) によって次のようになる。 q 2ΠΡ (5.10) q D Ρ 2ΠΡΡ (5.11) DΡ 電界は, EΡ In[102]:= (*電界のこの q, Ρ, による表現式において, Ρ a での電界が e0 に等しいじょうけんから電荷 q を定める。*) q eΡ 2 Π Ρ Ρ Solveea e0 , q Out[102]= q 2 a Π e 0 a In[103]:= q %1, 1, 2 Out[103]= 2 a Π e0 a In[104]:= (*求めた q を使って,電界の表現を簡単化する。*) eΡ//Simplify a e0 a Out[104]= Ρ Ρ In[105]:= (*電界が一定値 e0 になるとして,Ρ を求める。*) SolveeΡ e0 , Ρ a a Out[105]= Ρ Ρ In[106]:= Ρ %1, 1, 2/.a 1 a 1 Out[106]= Ρ 94 5. 誘 電 体 In[107]:= (*求めた Ρ を用いて,eΡ e0 と一定値になることを確かめる。*) eΡ eΡ/.Ρ % Out[107]= e0 In[108]:= (* 電位差 v を求め,単位長あたりの静電容量 C を求める。*) b v eΡΡ a Out[108]= a e0 b e0 q In[109]:= C //Simplify v 2 a Π 1 Out[109]= a b 5.2.2 同心球状コンデンサ 演習問題 5.2 半径 a の内導体と内半径 b b > a の同心球状コンデンサを考え る。内部は誘電体で満たされていて,誘電率 は球座標の径座標 r の関数であ るとする。電界強度をコンデンサ内で一定値 e0 となるように,誘電率分布を決 定し,このときの静電容量 C を求めよ。 同心円筒コンデンサの場合と同様に考えればよい。 In[110]:= Clear"Global‘ " q er 4 Π Εr r2 Solveea e0 , q Out[110]= q 4 a 2 Π e0 Εa In[111]:= q %1, 1, 2 Out[111]= 4 a2 Π e0 Εa In[112]:= er er//Simplify a2 e0 Εa Out[112]= r2 Εr In[113]:= Solveer e 0 , Εr a2 Εa Out[113]= Εr r2 In[114]:= Εr %1, 1, 2/.Εa Ε 1 5.3 Out[114]= 誘電体境界と境界条件 95 a2 Ε1 r2 In[115]:= er er/.Εr % Out[115]= e0 b In[116]:= v er r a Out[116]= a e0 b e0 q //Simplify v 2 4 a Π Ε1 Out[117]= a b In[117]:= C 5.3 誘電体境界と境界条件 誘電体を含む領域の電場は,導体を含む場合とは異なった境界値問題とな る。誘電体と真空の境界,あるいはさらに一般化して,二種の誘電体の境界で はどのような境界条件が成り立つであろうか。これは,次のようにまとめら れる。 n̂ E 1 E 2 0 (5.12) n̂ D1 D2 Σ (5.13) ここに,n̂ は誘電体#1 から誘電体#2 に向かう境界面の法線単位ベクトルで ある。また,E 1,2 ,D1,2 はそれぞれ誘電体#1, 2 の中の電界および電束密度を 表す。 式 (5.12) と式 (5.13) を言葉で表現すると, 「電界の接線成分と電束密度の垂 直成分は連続である」となる。 5.3.1 電気力線の屈折 誘電率が 1 と 2 の誘電体#1,#2 の境界面では電気力線は屈折する。法線方 向となす角を#1 側が Θ1 ,#2 側が Θ2 とすると,境界条件 (5.12) ,(5.13) により, tan Θ1 tan Θ2 1 2 (5.14) 96 5. 誘 電 体 演習問題 5.3 屈折率が z の連続的な関数:z であるとき,zx 面内で電気力 線がどのように屈折するかを考えよう。屈折率の変化する方向:z 方向と電気 力線がなす角を Θz とすると,屈折の法則 (5.14) から次式が導かれる。 dx dz z 一定 (5.15) z 3 2 sin z であると,式 (5.15) の右辺一定値を 1 として,電気力線の満 たす方程式を求め,電気力線を描け。 In[118]:= z 3 2 SinΠ z First x/.DSolvez xz z, x0 0, x, z Plotx1z, z, Π, Π 2 3 Π z 2 CosΠ z Out[118]= Functionz, Π 10 7.5 5 2.5 -3 -2 -1 -2.5 -5 -7.5 1 2 3 Out[118]= -Graphics- ☞ 式 (5.15) 右辺の一定値を変えると電気力線の傾きが変わる。この値と屈折率の 関数いろいろ変えて,電気力線の変化を図示してみよ。 5.4 映像電荷法 誘電体を含む領域の電界分布を求める問題は境界値問題の一種である。この 場合も,導体を含む領域の境界値問題と同様に映像電荷法が有効である。 5.4 5.4.1 映 像 電 荷 法 97 二種誘電体の平面境界と点電荷 図 5.1 に示すように,平面を境に,誘電率が 1 と 2 の誘電体#1 と#2 にわか れ,#1 の中に境界面から d の距離に点電荷 Q があるとする。点電荷から発す る電気力線は誘電体の境界面境界条件を満たすように決まり,屈折する。この 電気力線の分布を求める問題は次の映像電荷により解くことができる。 2 1 d Q 図 5.1 : 二種誘電体境界と点電荷 Q1 Q 2 映像電荷 1 2 1 2 Q 22 1 2 Q (#1 に対して) (#2 に対して) (5.16) 各領域の電界の計算において,他領域の誘電率は自領域の誘電率で置き換え て,全空間が均質な空間であるとして行う。なお,#1 に対しては自領域の電荷 と他領域の映像電荷から電界を計算するが,#2 に対しては他領域の映像電荷 のみから計算する。 98 5. 誘 電 演習問題 5.4 誘電率の比が 体 2 4 と 2 10 の場合に対して,映像電荷法に 1 1 よって電界を求め,電気力線を描け。 In[119]:= << "ExtendGraphics‘FieldLines‘" plnerer Moduled, q1, q2, r1, r2, ex, ey, eline, 2 er 1. er q2 bndry, d 1. q1 1. er 1. er r1x , y x d2 y2 r2x , y x d2 y2 q1 x d x d ex Ifx > 0, , 3 r1x, y r2x, y3 q2 x d er r1x, y3 q1 y y , ey Ifx > 0, r1x, y3 r2x, y3 q2 y er r1x, y3 eline TableFieldLine x, ex, d 0.01 d Cos y, ey, 0.01 d Sin iΠ , 10 iΠ , t, 30, 10 i, 20 bndry Line0., 2., 0., 2. ShowGraphicseline, bndry, PlotRange 1, 2, 2, 2, AspectRatio Automatic plner4 plner10 5.4 Out[119]= -Graphics- Out[119]= -Graphics- 映 像 電 荷 法 99 100 5.4.2 5. 誘 電 体 一様電界と誘電体球 誘電率 1 の空間#1 が 一様な電界(振幅 E1 と向きが一定の電界)に満たさ れている。その中に半径 a ,誘電率 1 の球誘電体#2 が置かれた場合も映像電 荷法が適用できる。 #1 に対しては,E1 と#2 の中心に電界 E1 と同じ向きに映像電気ダイポール をおき,全空間が自領域の誘電体で満たされた均質な空間として計算する。映 像電気ダイポールモーメントは, pE 4Πa3 1 2 1 E 21 2 1 (5.17) #2 に対しては,次の一定の電界が E1 と同じ向きにある。 E2 演習問題 5.5 誘電率の比が 31 21 2 (5.18) 2 1 4 と 2 10 の場合,および 2 と 2 1 1 1 4 1 1 の場合に対して,映像電荷法によって電界を求め,電気力線を描け。 10 5.4 映 像 電 荷 法 In[120]:= Clear"Global‘ " << "ExtendGraphics‘FieldLines‘" sphrder , t1 , txt Moduler, x, y, ex, ey, eline, rx , y x2 y2 3xy er 1 Ifrx, y > 1, rx , 0 ,y5 ex Abser 1 1 ey Abser 1 er 2 2 y2 x2 er 1 Ifrx, y > 1, , er 1 rx, y5 3 er 1 eline1 i 12 , TableFieldLinex, ex, 6 y, ey, 2., t, t1, i, 23 eline2 Ifer < 1, i 12 , TableFieldLinex, ex, 6 y, ey, 2., t, t1, i, 23, gr ShowGraphics eline1, eline2, Circle0, 0, 1, txt, PlotRange 2, 2, 2, 2, AspectRatio Automatic, TextStyle FontSlant "Italic", DisplayFunction Identity Returngr In[121]:= ertxt1 Text" 1 ", 0., 1.5 ertxt2 Text" 2 ", 0., 0.5 gr1 sphrd4, 20, ertxt1, ertxt2 gr2 sphrd10, 10, ShowGraphicsArraygr1, gr2 101 102 5. 誘 電 体 1 2 Out[121]= -GraphicsArrayIn[122]:= gr3 sphrd0.25, 1., Out[122]= -GraphicsArray- 5.5 問 題 を 解 こ う 103 問題を解こう 5.5 演習問題 5.6 z 0 がある誘電率分布 z をもつ非均質誘電体,z 0 が空気 であるとき,原点を通る電気力線の方程式が z 0 でつぎのように表せる。誘 電率 z を決定せよ。なお,0 1 とする。 z 1 2 x 1 a 4 a 2 誘電率一定の面は z 面である。この面に垂直な方向(z 方向)と電気力線が なす角を Θz とすると, tan Θz また,式 (5.14) から dx dz tan Θz 一定 z したがって,電気力線の方程式が陽に表されるとき,次式によって誘電率を決 定することができる。 dx dz z 一定 x 1 z 1 2 , x a 4 a 2 1 1 z 2 Out[123]= x a 4 2 a In[123]:= Solve In[124]:= xz %1, 1, 2 1 1 z 2 Out[124]= a 4 2 a In[125]:= epsz C z xz 1 z Out[125]= 2 C 2 a In[126]:= Solveeps0 1, C Out[126]= C 1 In[127]:= z epsz/.%//Simplify 2z Out[127]= 1 a 104 5. 誘 電 体 演習問題 5.7 誘電率がそれぞれ 1 と 2 の二種誘電体が平面を境に半平面を 占めている。誘電率が 1 の方の誘電体の中にある点電荷から出る電束の中で 他方の誘電体に入る割合を求めよ。 ✍ 5.4.1 の結果を参考に考えると良い。図 5.1 の平面境界が xy 面であり,#2 から #1 に向かう向きが z 軸方向であるとしよう。 1. 映像電荷 Q2 を元に考える。 #2 に入る電束は Q2 から出る電束の半分である。Q と二つの映像電荷,Q1 と Q2 ,は共に真電荷であり,それらから出る電束の本数に比例する。したがって, 求める割合は Q2 2 Q 2 1 2 2. 電荷 Q と映像電荷 Q1 を元に考える。 直線状点電荷列の電気力線に関する式 (2.9) を用いる。電荷 Q から出る電束の 中で,z 軸と角 Θ をなすものが無限遠で xy 平面に沿うものとすると, Q cos Θ Q1 cos 0 Q cos Q Π Π Q1 cos 0 ! cos Θ 1 2 2 Q 電荷 Q からでる電束の中で,半頂角 Θ の円錐の中に含まれる電束が#1 から出 ない電束である。この割合は,つぎのように立体角の計算から求めることがで きる。 2Π1 cos Θ 1 Q 1 1 1 4Π 2 Q 1 2 したがって,求める割合は, 1 1 2 1 2 1 2 電気エネルギーと力 6. ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ ˇ˛ 電気エネルギー密度 ファラデー管とマックスウェルの応力 – 一様電界中の点電荷 コンデンサに働く力 問題演習 6.1 電気エネルギー 誘電率 の誘電体に電界 E ,電束密度 D E があるとき,その点には次の 密度で電気エネルギーが存在する。 we 1 2 1 2 1 E ED D 2 2 2 (6.1) 電気的エネルギーと力に関して,次の定理が成り立つ。 トムソンの定理 誘電体の中に静止する導体上の電荷は,静電界のエネルギーが最小になるよう に分布する。 アーンショーの定理 静電界中に置かれた導体は静電界の力のみではつり合って静止することができ ない。 106 6. 電気エネルギーと力 演習問題 6.1 電極面積 S,極間距離 d の平行板コンデンサの極板に電荷 -Q が与えられている。最初は空気であったコンデンサ内の空間に,面積 S1 の部 分に誘電率 1 の誘電体を挿入したら,電荷の分布はどのように変わるか。 ✍ 次の二方法で求めよ。 1. トムソンの定理を用いる方法 2. 誘電体と空気の境界における境界条件を用いる方法 1. 誘電体に接する面積 S1 の部分に電荷 -Q1 が,残りの部分に電荷 -Q Q1 が 分布するとすると,蓄積電気エネルギーは W Q1 2 Q Q1 2 2C2 , 2C1 C1 1 S 1 S S1 , C2 0 d d W 0 より, Q1 C1 Q Q1 Q Q1 0 ! Q1 Q SS C1 C2 C1 C2 1 0 S 1 1 1 2. 誘電体中の電束密度を D1 ,空気中の電束密度を D2 とすれば, D1 Q1 Q Q1 , D2 S1 S S1 境界を挟んで,電界の接線成分が等しいので, D1 D2 Q Q Q1 ! 1 1 0 1 S S1 ! Q1 C1 Q Q SS C1 C2 1 0 S 1 1 1 前章の誘電体球の問題では,電気力線は誘電率の大きな方に引き込まれてい たが,式 (6.1) で の大きな点に D が大きい,すなわち電気力線の密度が大き いとき総電気エネルギーは小さくなることと,トムソンの定理から理解でき 6.2 ファラデー管とマックスウェルの応力 107 る。この場合,誘電体球の外の電界は誘電体を挟む2枚の電極にある電荷に よって作られたものであると考えると,誘電体球がないときは一様な密度で電 荷は電極面上にぶんぷしていたものが,誘電体球があるとき,その誘電率が大 きいならは誘電体球に近寄り,誘電率が小さいなら遠ざかって,電極間にある 静電エネルギーを小さくする。 6.2 ファラデー管とマックスウェルの応力 ある断面積の電束(電束密度と断面積の積)のある長さをもった一部に対し て,仮想変位の方法を適用すると,隣り合う電束同士は応力を及ぼしあってい ることが導かれる。この応力をマックスウェルの応力という。マックスウェル の応力は次のようにあらわされる。 f { ft D2 2 (6.2) ここに, f{ は縦方向に働く引っ張り応力, ft は横方向に働く圧縮応力である。 電気力線はゴムひものように,縦方向に縮まろうと引っ張り合い,横方向には 膨れようと押し合うと解釈できる。空間に描いた電束の管をファラデー管とい い,力の働きかたを理解するのに用いることができる。 6.2.1 クーロン力のファラデー管による理解 点電荷が一様電界中におかれたとき,点電荷は電界からクーロン力を受け るが,この力をファラデー管を描いて,マックスウェルの応力によって理解し よう。 108 6. 電気エネルギーと力 In[128]:= << "ExtendGraphics‘Fieldlines‘" rx , y x2 y2 x ex rx, y3 y ey rx, y3 eline1 TableFieldLinex, ex 10, 5, y, ey, 3 i, t, 1, i, 0.4, 5.8, 0.4 eline2 TableFieldLinex, ex 10, 5, y, ey, 3 i, t, 1, i, 0.4, 5.8, 0.4 arrw1 GraphicsRGBColor1, 0, 0, AddArrow#1, 1&/@eline1 arrw2 GraphicsRGBColor1, 0, 0, AddArrow#1, 1&/@eline2 el1 Graphicseline1 el2 Graphicseline2 chrg GraphicsDisk0, 0, 0.1 Showarrw1, el1, chrg, AspectRatio Automatic Showarrw2, el2, chrg, AspectRatio Automatic (* 正電荷の場合,点電荷は電界の向きに押される。*) Out[128]= -Graphics- 6.3 コンデンサに働く力 109 (* 負電荷の場合,点電荷は電界により引っ張られる。*) Out[128]= -Graphics AddArrow はパッケージ<<"ExtendGraphics‘Fieldlines‘" に含まれ る関数で,力線の上にベクトルの向きを表す矢印をつくる。画面上では識別し やすいように赤色にしている。 6.3 コンデンサに働く力 演習問題 6.2 電極面積 S ,電極間隔 d の平行板コンデンサに電圧 V がかかっ ている。電極間に働く力を次の二通りの方法で求めよ。ただし,縁端効果は無 視するものとする。 1. Fd V 2 S の公式を用いる。 2 d d 2. 導体表面の電界(法線方向成分のみ存在する)を En ,面電荷密度 を Σ とすると,F En ΣS の関係を用いる。 In[129]:= Capacityd S d 1 2 V d Capacityd 2 2 SV Out[129]= 2 d2 f1 In[130]:= f2 S Out[130]= S V2 2 d2 Q Q S /.Q V S2S d 110 6. 電気エネルギーと力 問題を解こう 6.4 演習問題 6.3 平行円筒電極間の静電容量は次式で与えられる。ここに,2本 の電極の直径を d ,中心間の間隔を D,長さを { とする。 C Π0 { 〔F/m〕 arccos Dd この電極間に電圧 V をかけたとき,電極間に働く力を求めよ。特に,d 1〔cm〕,{ 10〔cm〕,V 12〔V〕のとき,間隔 D に対して力がどのように 変化するかをプロットせよ。 In[131]:= CapacitanceD , d , { { Π 0 ArcCosh Dd FD , d , { , V 1 2 V D CapacitanceD, d, { 2 Π V2 { 0 Out[131]= 2 2 d 1 Dd 1 Dd ArcCosh Dd In[132]:= 0 8.854 10 12 PlotFD, 0.01, 0.1, 12., D, 0.02, 0.1 0.02 0.04 0.06 0.08 -9 -110 -9 -210 -9 -310 -9 -410 -9 -510 -9 -610 Out[132]= -Graphics- 7. ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ ˇ˛ 7.1 電流と抵抗 物質中の電界と電流 – 導電率,固有抵抗,抵抗,オームの法則 興味深い抵抗回路 – 繰り返し回路,無限回路 電流の場と静電界のアナロジー 分布抵抗線路 電界に比例する電流密度と抵抗 誘電体に電界を印加しても電流は流れないので,誘電体はこの意味で絶縁体 であるという。物質は電流が非常に流れやすいもの,少しだけ流れるもの,な どに分類される。前者は導体といい,絶縁体と導体の中間に半導体がある。 電流の流れやすさを表す物質の特性に導電率 Σ〔S/m〕がある。これは物質中 の電流密度 J と電界 E の比を表す。すなわち, J ΣE (7.1) 導電率 Σ の逆数を固有抵抗 Ρ〔3m〕という。固有抵抗 Ρ の物質から,断面積 S, 長さ { の部分を取り出してつくった回路に電圧 V をかけたとき,流れる電流 I は次のように求められる。 V V I JS ΣES Σ S Ρ{ { S (7.2) このように,電流は電圧に比例する。この法則をオームの法則という。そして, 112 7. 電 流 と 抵 抗 電流の流れにくさを表す次の定数を,この回路の抵抗 R という。 R Ρ{ S (7.3) 演習問題 7.1 図 7.1 に示すようなブリッジ回路に流れる電流を次の法則と定 理により求めよ。 1. キルヒホッフの法則 2. 鳳テブナンの定理 i3 =i1 -i5 r1 r3 i1 i5 r5 i2 r2 r4 i4 =i2 +i5 V 図 7.1 : 抵抗ブリッジ回路 In[133]:= キルヒホッフの法則から得られる電流に関する連立方程式を解く eqns r1 i1 r3 i1 i5 v, r2 i2 r4 i2 i5 v, r1 i1 r5 i5 r2 i2 0 vars i1 , i2 , i5 Solveeqns, vars//Simplify 7.2 興味深い抵抗回路 113 Out[133]= i1 r4 r5 r2 r3 r4 r5 v/ r3 r4 r5 r2 r4 r5 r1 r4 r3 r5 r2 r3 r4 r5 , i2 r3 r5 r1 r3 r4 r5 v/ r3 r4 r5 r2 r4 r5 r1 r4 r3 r5 r2 r3 r4 r5 , i5 r2 r3 r1 r4 v/ r3 r4 r5 r2 r4 r5 r1 r4 r3 r5 r2 r3 r4 r5 In[134]:= 鳳・テブナンの定理により等価回路の定数を求めて解く Rin r1 r3 /r1 r3 r2 r4 /r2 r4 Vo vr3 /r1 r3 r4 /r2 r4 Vo /Rin r5 //Simplify Out[134]= r2 r3 r1 r4 v/r3 r4 r5 r2 r4 r5 r1 r4 r3 r5 r2 r3 r4 r5 7.2 7.2.1 図 興味深い抵抗回路 繰り返し回路 7.2 に示す直列抵抗 R1 と並列抵抗 R2 が繰り返し接続された回路を考え る。終端を短絡し,繰り返し回路の段数を順次増やしたとき,入力抵抗の変化 を求めよう。 In[135]:= Re 0 rlst 0, Re Rin Re R2 Rin DoRin R1 R2 Rin AppendTorlst, i, Rin, i, 20 ListPlotrlst, PlotJoined True 114 7. 電 流 と 抵 抗 1.61 5 10 15 20 1.59 1.58 段数が 5 を超えるとほぼ一定値になることがわかる。段数が無限に大きいと きの入力抵抗を一回の計算で求める方法を考えよう。繰り返し回路の入力抵抗 を Rin とすると,入力端子の一段右側から回路を見込む入力抵抗も Rin である ことを利用する。 R1 R2 図 7.2 : 繰り返し抵抗回路 R2 x In[136]:= R Solvex R1 , x R2 x 1 Out[136]= x R1 R1 R1 4 R2, 2 1 x R1 R1 R1 4 R2 2 In[137]:= Rin x/.R2 (* 1 周期の間に電圧と電流が減衰する割合を求める。*) Rin R1 r1 Simplify Rin 1 R1 R1 R1 4 R2 Out[137]= 2 R1 R1 4 R2 Out[137]= R1 R1 4 R2 回路の F 行列(Fundamental Matrix )を用いて,同じ結果を導くことができ る。F 行列は図 7.3 に示すように,四端子回路( 2 端子対回路)の入力端子の 7.2 115 興味深い抵抗回路 電圧・電流行列を出力端子の電圧・電圧行列と結びつける行列である。電流は 入力端子では入る向きに, ,出力端子では出る向きに定義している。そのため, 図 7.4 に示すような縦続回路の F 行列は要素回路の F 行列の積に等しい。一つ の R1 からなる回路の F 行列を F1 ,一つの R2 からなる回路の F 行列を F2 と する。 I1 I2 F V1 V1 = I1 F V2 = F V2 I2 図 7.3 : F 行列 F1 F2 F = F1 . F2 図 7.4 : 縦続回路の F 行列 F 行列の固有関数と固有値によって同じ結果を求める。固有ベクトルは繰り 返し抵抗回路の電圧と電流の組を与える。 In[138]:= F1 1, R1, 0, 1 1 F2 1, 0, , 1 R2 F F1.F2 evc EigenvectorsF R1 1 Out[138]= 1 , R1, , 1 R2 R2 1 Out[138]= R1 R1 R1 4 R2, 1, 2 1 R1 R1 R1 4 R2, 1 2 evc2, 1 evc2, 2 1 R1 R1 R1 4 R2 Out[139]= 2 In[139]:= Rin 固有値は減衰率の逆数を与える。 1 EigenvaluesF2 2 R2 Out[140]= R1 2 R2 R1 R1 4 R2 In[140]:= r2 116 7. 電 流 と 抵 抗 二つの方法で求めた減衰率が等しいことを確かめる。 In[141]:= r1 r2 R1 R1 4 R2 Out[141]= R1 R1 4 R2 2 R2 R1 2 R2 R1 R1 4 R2 In[142]:= Simplify% Out[142]= 0 7.3 電流の場と静電界のアナロジー 電流の場に成り立つ電界と電流密度の関係は,静電界における電界と電束密 度の関係に置き換えて考えることができる。このとき,導電率 Σ は誘電率 に 置き換えられる。この関係により,電流の場の電極と静電界の電極が同じ形状 のとき,前者における抵抗 R と後者における静電容量 C の間には次の関係式 が成り立つ。 RC Σ (7.4) 式 (7.4) を利用すると,導電率 Σ の大地に半径 a の球状電極が半球だけ埋め込 まれたとき,電極と無限遠の間の抵抗に対して次式が得られる。 1 2ΠaΣ (7.5) 演習問題 7.2 導電率 Σ の大地に半径 a の球状電極が半球だけ埋め込んだ電 極を2個, a に比較して十分大きな距離におき,両者の間の抵抗を測ると,両 者の距離には依存せず,式 (7.5) の2倍となる。なぜ,距離に依存しないのだ ろうか。電流の経路は距離が増すと距離に比例して大きく迂回し,電流の流れ る断面積が比例して大きくなるからだと考えられる。これを理解するために, 2電極を結ぶ地表に沿う直線上の電界を積分して電位差を求めて,抵抗を求 めよ。 7.4 分 布 抵 抗 線 路 117 In[143]:= (* 2電極の間の距離を 2{ とし,中心を x 軸の原点とする。*) i i J 2 Π { x2 2 Π { x2 J e Σ { a e x V {a V R //Simplify i SeriesR, a, 0, 1 2a2{ Out[143]= 2 a ΠΣ2aΠ{Σ 1 a 1 Out[143]= Oa2 Π Σ a 2 Π { Σ 4 Π {2 Σ 7.4 分布抵抗線路 電流が流れる線路が有損失である場合を考える。導線が裸にして大地に接し て置かれた場合はその一例である。単位長あたり r〔3m1 〕の抵抗があって電 圧が降下し,また電流も外界との間に単位長あたり g〔Sm〕のコンダクタンス を通して漏れて減衰するとする。電圧と電流は連続的に変化する。このように 回路定数が連続的に分布している回路を分布定数回路という。時間的な変化が ないこの場合は回路定数は抵抗とコンダクタンスのみである。 線路に沿う座標を x とすると,電圧と電流は x の関数:V x,Ix で表せる。 これらの間にはつぎの微分方程式が成り立つ。 dV rI dx (7.6) dI gV dx (7.7) 式 (7.6),(7.7) から I を消去すると, d 2V rgV dx2 ✍ 電流 Ix も同形の方程式を満たすことを確かめよ。 (7.8) 118 7. 電 流 と 抵 抗 演習問題 7.3 長さ { の有損失導線の先端が抵抗 RL によって大地につながれ ている。単位長あたりの抵抗 r と漏れ抵抗 1/ g を用いて入力抵抗を求めよ。ま た,RL のときの入力抵抗を求めよ。 In[144]:= v1 DSolvev x g r vx 0, vx, x Out[144]= vx g rx C1 g rx C2 In[145]:= vx v11, 1, 2/.C1 1 Out[145]= g rx g rx C2 vx In[146]:= ix Simplify x r g rx 2 g rx g C2 Out[146]= r v{ In[147]:= c2 FirstC2/.Solve RL , C2 i{ 2 g r { r g R L Out[147]= r g RL In[148]:= voltagex Simplifyvx/.C2 c2 g r x2 { r g RL Out[148]= g r x r g RL In[149]:= currentx Simplifyix/.C2 c2 1 Out[149]= g r x g r 2 g r { r g R L 2 g rx r g RL voltage0 current0 1 2 g r { r 1 2 g r { g r R L Out[150]= 1 2 g r { g r 1 2 g r { g R L In[150]:= Rin Simplify In[151]:= NRin/.g 1, r 1, R L 10, { 1 Out[151]= 1.24903 In[152]:= LimitRin, R L 7.4 分 布 抵 抗 線 路 119 r Out[152]= 1 2 g r { g 1 2 g r { In[153]:= Rg , r , { Simplify% 1 2 g r { r Out[153]= 1 2 g r { g In[154]:= R1, 1, 1 1 2 Out[154]= 1 2 In[155]:= ContourPlotRg, r, 1, g, 1, 10, r, 1, 10, ContourShading False 10 8 6 4 2 2 4 6 8 10 演習問題 7.4 終端を開放した長さ { の有損失導線の電圧と電流の分布を求め よ。また,この分布定数回路を n 個の小さい集中定数回路が縦続接続したもの で近似したとき電圧と電流の分布を求めて比較せよ, ΠZ Π g k r g { {Z vx Coshk{ x ix Sinhk{ x Plotvx, ix, x, 0, {, PlotStyle Thickness0.01, Thickness0.005 In[156]:= { 1 Z 1. r 120 7. 電 流 と 抵 抗 10 8 6 4 2 0.2 0.4 0.6 0.8 1 { R r dl G g dl lv li n v0 1. PrependTolv, {, v0 i0 0. PrependToli, {, i0 Dov1 1 R Gv0 R i0 n i , v1 PrependTolv, { n n i , i1 i1 G v0 i0 PrependToli, { n v0 v1 i0 i1, i, n gv ListPlotlv, PlotJoined > True, PlotStyle Thickness0.01, DisplayFunction Identity gi ListPlotli, PlotJoined > True, PlotStyle Thickness0.005, DisplayFunction Identity Showgv, gi, DisplayFunction $DisplayFunction In[157]:= n 20 dl 12 10 8 6 4 2 0.2 0.4 0.6 0.8 1 7.5 7.5 問 題 を 解 こ う 121 問題を解こう 演習問題 7.5 断面積が S,高さが h の容器に導電性の液体が入っている。そ の導電率は次のような高さの関数である。 Σz Σ0 1 z , 0 < z< h 2h z 0 の底面と z h のふたを同じ断面形状の電極とするとき,この容器の抵 抗を求めよ。 h 1 z //Simplify Σ0 1 2zh S h Log4 Out[158]= S Σ0 In[158]:= 0 磁気力の場 8. 電流のつくる磁界 – 電流に働く力と磁束密度 ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ アンペアの周回積分の法則 – 無限長線電流 ビオ・サバールの法則 ˇ˛ – 線分電流,円電流,ヘルムホルツコイル,微小円 電流 8.1 電流のつくる磁束密度 電流と電流は力を及ぼしあう。この力は第一の電流がまず磁場をつくり,こ の磁場が第二の電流に及ぼすものである。磁場はこの力をもとに定義され,磁 束密度という物理量がまず導入された。電流のつくる磁束密度はつぎの法則に より求められる。 8.1.1 アンペアの周回積分の法則 閉路 C に沿って,閉路に沿う磁束密度の成分を線積分すると,閉路と鎖交す る電流 I に定数 Μ0 をかけた値に等しくなる。このアンペアの周回積分の法則 はつぎのように表すことができる。Μ0 を真空の透磁率とよぶ。 B ds Μ0 I c (8.1) 8.1 電流のつくる磁束密度 123 アンペアの周回積分の法則は電流分布が対称性をもつ場合に磁束密度を求める ために便利に応用できる。 8.1.2 ビオ・サバールの法則 電流分布が任意の場合には,電流分布を短い線分の電流の組み合わせに分解 し,各線分電流のつくる磁束密度を合成する方法が用いられる。このための法 則がビオ・サバールの法則である。線素 ds が電流の方向つき線分であるとし, これからベクトル r の点に素電流 I ds がつくる磁束密度を d B とすると, dB Μ0 I ds r 4Πr 3 (8.2) ビオ・サバールの法則とアンペアの周回積分の法則は,静電界に対するクーロ ンの法則とガウスの定理にそれぞれ対応する。 8.1.3 無限直線電流のつくる磁界 z 軸上を流れる無限に長い直線電流 I を考える。これは軸対称であるのでア ンペアの周回積分の法則が便利に応用できる。 ✍ 円筒座標 Ρ, , z を用いて,結果は次のように表せることを確かめよ。 B ˆ Μ0 I 2ΠΡ 演習問題 8.1 式 (8.3) をビオ・サバールの法則を用いて導け。 In[159]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCartesian s 0, 0, 1 R Ρ, 0, z r SqrtR.R Μ i CrossProducts, R B 0 4 Π r3 i Ρ Μ0 Out[159]= 0, 3/2 , 0 4 Π z2 Ρ2 (8.3) 124 8. 磁 気 力 の 場 In[160]:= B z Out[160]= 0, 1 i Ρ IfArgΡ2 Π, 4Π 2 Ρ12 1 2 , z Μ0 , 0 2 2 3/2 Ρ z Ρ 線分の電流 8.2 演習問題 8.2 図 8.4 に示す線分 AB に流れる電流 I による点 P の磁束密度 B は次式で与えられることを示せ。 B Μ0 I cos Θ1 cos Θ2 4Πa (8.4) y B θ2 ds Q θ I θ1 R A O P a x 図 8.1 : 線分 AB の電流 I が線分から距離 a 離れた点 P につくる磁束密 度は角 cos Θ1 と cos Θ2 によって簡潔に表せる。 In[161]:= << "Calculus‘Vectoranalysis‘" (* y 軸上に線分電流があり,x 軸上の点 P で磁束密度を求める。 *) SetCoordinatesCartesian OP a, 0, 0 OQ 0, a CotΘ, 0 sΘ OQ RΘ OP OQ dsΘ Θ sΘ Μ i CrossProductdsΘ, RΘ B Θ 0 4 Π DotProductRΘ, RΘ 3/2 BΘ1 , Θ2 Simplify Θ2 Π Θ1 B ΘΘ 8.3 Out[161]= 0, 0, 1 i CotΘ 2 a CscΘ1 2 2 CotΘ 2 円 a CscΘ2 2 Μ0 4Π 電 流 125 ˛ˇ では関数 Simplify によっても簡単化しつくせない場合が多い。 この場合もそうであるので,結果が正しいことを確かめておこう。なお,xy 面 内で磁束密度を求めているので z 成分のみをもつが,y 軸に関して回転対称で あるので,円筒座標を用いると 成分がこの場合の z 成分と等しい磁束密度を もつ。 8.3 円 電 流 演習問題 8.3 ビオ・サバールの法則の応用例として,半径 a の円周上に電流 I が流れる円電流のつくる磁束密度を,円の中心軸上で求め,その分布を描け。 In[162]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" s a Cos, a Sin, 0 ds Ds, In[163]:= r , z 0, 0, z s Bz 2Π Μ0 i CrossProductds, r, z 4 Π r, z.r, z 3/2 0 2 a i Μ0 Out[163]= 0, 0, 3/2 2 a2 z2 In[164]:= Bt a a/ Μ 0 i//Simplify a3 Out[164]= 0, 0, 3/2 2 2 a 1 t2 1 3/2 2 1 t2 Plotft, t, 3, 3, AxesLabel "z/a", "a B z /( Μ0 i)" In[165]:= ft 126 8. 磁 気 力 の 場 a Bz Μ0 i 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 -3 -2 -1 1 2 3 za Out[165]= -Graphics- ヘルムホルツコイル 8.4 二つの同じ大きさのコイルを同軸状に,適当な間隔で平行に置き,同じ向き, 同じ大きさの電流を流すと,二つのコイルの中間で磁束密度の変化を小さくで きる。こうして均一な磁束密度を得るコイルをヘルムホルツコイルという。 演習問題 8.4 二つのコイルの間隔を d ,半径を a とする。ヘルムホルツコイ ルとなるように d を決定せよ。そして,そのときの中心軸上の磁束密度分布を 描け。 In[166]:= t1 z z d/2/a t2 z z d/2/a fz 1/2 1 t 1 zˆ2ˆ3/2 1/2 1 t2 zˆ2ˆ3/2 Seriesfz, z, 0, 2 1 Out[166]= 3/2 2 1 4da2 15 d2 4 a4 1 d2 4 a2 2 2 1 In[167]:= Solve 3 a2 1 d2 4 a2 4 a 1 d2 4 a2 d Out[167]= d a, d a z2 Oz3 3/2 15 d2 4 d2 4 a2 2 3 a2 1 d2 4 a2 0, 8.5 微 小 ル ー プ 127 In[168]:= (* ヘルムホルツコイルは d a のときであることがわかった。*) Bt fa t/.%2//Simplify 1 1 Out[168]= 4 3/2 2 3/2 5 4 t 4 t 5 4 t 4 t2 In[169]:= PlotBt, t, 1, 1, PlotRange All, AxesLabel "z/a", "B z *a/(Μ0 i)" BzaΜ0 i 0.7 0.65 0.6 0.55 -1 -0.5 0.5 1 za 0.45 Out[169]= -Graphics- 8.5 微小ループ 演習問題 8.5 観測点までの距離 r に比べて半径 a が十分に小さい円電流のつ くる磁束密度を求め,球座標で表せ。 In[170]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesSphericalr, t, p (* xy 面上に置いた微小ループ上の点の位置ベクトル *) Π Ρp a, , p 2 (* 微小ループ上の点から観測点に向かうベクトル (直角座標に変換)*) R CoordinatesToCartesianr, t, p CoordinatesToCartesianΡp Out[170]= a Cosp r Cosp Sint, r Sinp Sint a Sinp , r Cost 128 8. 磁 気 力 の 場 In[171]:= R2 SimplifyDotProductR, R, Cartesian Out[171]= a2 r2 2 a r Cosp Cosp Sint 2 a r Sinp Sint Sinp In[172]:= (* ビオ・サバールの法則の計算式にある 1 の近似 *) r3 ri3r , t , p , p SimplifyNormalSeriesR2 3/2 , a, 0, 1 1 Out[172]= 5 r2 r 3 a Cosp Cosp Sint r 3 a Sinp Sint Sinp In[173]:= ri3r , t , p , p %/. r2 r 1 Out[173]= 4 r 3 a Cosp Cosp Sint r 3 a Sinp Sint Sinp In[174]:= rhc CoordinatesToCartesianΡp dsp p rhc Out[174]= a Sinp, a Cosp, 0 In[175]:= dBr , t , p , p 1 4 Π r4 Μ0 i CrossProductdsp , R, Cartesian r 3 a Cosp Cosp Sint 3 a Sinp Sint Sinp In[176]:= B Simplify 0 Out[176]= 2Π dBr, t, p, p p 3 a2 i Cosp Cost Sint Μ 0 , 4 r3 3 a2 i Cost Sinp Sint Μ 0 , 4 r3 2 a i 1 3 Cos2 t Μ 0 8 r3 8.5 微 小 ル ー プ 129 In[177]:= (* ベクトルの直角座標表示を球座標表示に変える関数の定義 *) VecInSphericalVecInCartesian , r , t , p Modulerx, ry, rz, tx, ty, tz, px, py, vx, vy, vz, rx Sint Cosp ry Sint Sinp rz Cost tx Cost Cosp ty Cost Sinp tz Sint px Sinp py Cosp vx VecInCartesian1 vy VecInCartesian2 vz VecInCartesian3 Returnrx vx ry vy rz vz, tx vx ty vy tz vz, px vx py vy In[178]:= SimplifyVecInSphericalB, r, t, p a2 i Cost Μ0 a2 i Sint Μ0 Out[178]= , , 0 2 r3 4 r3 以上によって,半径 a の微小ループの電流 I のつくる磁束密度は,球座標に よりつぎのように表せることがわかった。 B Μ0 IΠa2 r̂2 cos Θ Θ̂ sin Θ 4Πr 3 (8.5) ここで,m Πa2 I とおくと, B Μ0 m r̂2 cos Θ Θ̂ sin Θ 4Πr 3 (8.6) m を磁気双極子モーメントとよぶ。電気双極子モーメントのつくる電界の式に 同形である。 130 8. 磁 気 力 の 場 演習問題 8.6 微小ループ電流(磁気双極子)のつくる磁束密度の力線を描け。 In[179]:= << "Graphics‘PlotField‘" << "ExtendGraphics‘FieldLines‘" rx , y Max 0.001, x2 y2 y x sx , y cx , y rx, y rx, y 2 cx, y sx, y btx , y brx , y rx, y3 rx, y3 bx brx, y sx, y btx, y cx, y by brx, y cx, y btx, y sx, y In[180]:= gr1 PlotVectorFieldbx, by, x, 0.5, 0.5, y, 0.5, 0.5, PlotPoints 10, DisplayFunction Identity hline1 iΠ , TableFieldLinex, bx, 0.01 Cos 11 iΠ y, by, 0.01 Sin , t, 1, 11 i, 5, 6 ShowGraphicshline1, gr1, AspectRatio Automatic, PlotRange All, DisplayFunction $DisplayFunction 8.6 8.6 問 題 を 解 こ う 131 問題を解こう 演習問題 8.7 半径 a の円筒と,その外に内半径 bb > a,外半径 cc > b の 同心円筒殻がある。円筒と円筒殻に大きさ等しく方向反対の電流 I〔A〕が一様 な密度で流れている。磁束密度の分布を求め,図示せよ。 In[181]:= (* 円筒内の電流密度 *) i i1Ρ Π a2 (* 円筒殻内の電流密度 *) i i2Ρ Π c2 b2 (* Ρ < a の円周との鎖交電流 *) mf1Ρ Μ0 Ρ 2 Π Ρ i1Ρ Ρ 0 (* アンペアの法則により磁束密度を求める。*) Solve2 Π Ρ B Ρ mf1Ρ, B Ρ, Ρ i Ρ Μ0 Out[181]= B Ρ 2 a2 Π In[182]:= (* a < Ρ < b に対して,アンペアの法則により磁束密度を求める。 *) Solve2 Π Ρ B Ρ mf1a, B Ρ, Ρ i Μ0 Out[182]= B Ρ 2ΠΡ In[183]:= (* b < Ρ < c の円周との鎖交電流 *) mf2Ρ mf1a Μ 0 Ρ 2 Π Ρ i2Ρ Ρ b (* アンペアの法則を適用 *) Solve2 Π Ρ B Ρ mf2Ρ, B Ρ, Ρ c2 i Μ0 i Ρ2 Μ0 Out[183]= B Ρ 2 b2 c2 Π Ρ In[184]:= (* c < Ρ にたいしてアンペールの法則を適用。 *) Solve2 Π Ρ B Ρ mf2c, B Ρ, Ρ Out[184]= B Ρ 0 132 8. 磁 気 力 の 場 In[185]:= (* 構造パラメータを定めて磁束密度の分布を描く。*) a 0.01 b 0.02 c 0.03 4Π i 1 Μ0 107 i Ρ Μ0 , BΡ IfΡ < a, 2 a2 Π i Μ0 IfΡ < b, , 2ΠΡ c2 i Μ0 i Ρ2 Μ0 IfΡ < c, , 0 2 b2 c2 Π Ρ PlotBΡ, Ρ, 0, 0.04 0.00002 0.000015 0.00001 510 -6 0.01 0.02 0.03 0.04 8.6 問 題 を 解 こ う 133 演習問題 8.8 半径 a の二つの円筒 C1 と C2 を考え,それらの内部にそれぞれ 一様な密度で電流 I が円筒軸方向(-z 方向)に流れているとする。C1 と C2 が x 方向に微小距離 d だけずれてあるとすると,二つの円筒が重なる部分は電流 が打ち消しあって存在しない。この領域の磁束密度を求め一様であることを証 明せよ。そして,d a/ 10 の場合の電流分布を描け。 x2 y 2 x cx , y Ρx, y y sx , y Ρx, y i Ρx, y Μ0 B x , y 2 a2 Π B0 x , y sx, y, cx, y B x, y d d Bx, y SimplifyB0 x , y B0 x , y 2 2 d i Μ0 Out[186]= 0, 2 a2 Π In[186]:= Ρx , y i In[187]:= ix , y Ifx2 y2 < a2 , , 0 Π a2 d d jx , y ix , y ix , y 2 2 a 1 d 0.1 i 1 ContourPlotjx, y, x, 1.5, 1.5, y, 1.5, 1.5, PlotPoints 200 1.5 1 0.5 0 -0.5 -1 -1.5 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 134 8. 磁 気 力 の 場 演習問題 8.9 直角に折れ曲がった導線に電流 I が流れている。導線を x 軸と y 軸の正の側とし,電流は y から x に向かって流れているとして,面 内の磁束密度を求め,図示せよ。式 (8.4) を利用するとよい。 In[188]:= Ρx, y x2 y 2 y cy1 1 cy2 x, y Ρx, y x cx2 1 cx1 x , y Ρx, y Bz x , y Μ0 i cy1 cy2 x, y 4Πx Μ0 i cx1 x, y cx2 //Simplify 4Πy 1 2x 2 x y y Out[188]= 1 2y 2 x y x Μ0 4Π 4 Π Bz x, y Μ0 i ContourPlotfx, y, x, 0.1, 4, y, 0.1, 4, PlotPoints 100, Contours 10, 5, 3, 2, 1, ContourShading False In[189]:= fx , y 4 3 2 1 1 2 3 4 9. ベクトル・ポテンシャル 分布電流の場と磁束密度 ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ ˇ˛ – 磁束密度の回転 – 磁束密度の発散 – ベクトルポテンシャル 磁力線 – 2本の平行線電流 – 一様磁束密度と直線電流 9.1 連続電流分布と磁界 導電率が Σ の媒質中では電界 E があると電流が連続的に流れる。その密度 は J ΣE 〔A/ m2 〕に等しい。連続分布電流と,それによりつくられる磁束密 度の間のアンペアの周回積分の法則は次のように表せる。 B ds Μ0 J dS C (9.1) S この積分形に表した法則はストークスの定理を用いると,次のような微分形に 書き直すことができる。 B Μ0 J (9.2) 演習問題 9.1 導電率が Σ の導電性媒質中の磁束密度が B x̂B0 cos ky と表せ るとき,電流密度 J を求めよ。 136 9. ベクトル・ポテンシャル In[190]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCartesianx, y, z By B0 Cosk y, 0, 0 CurlBy J Μ0 k Sink y B0 Out[190]= 0, 0, Μ0 9.2 ベクトルポテンシャル 電流によりつくられる磁束密度は,その発散がゼロであるという一般的な性 質をもっている。これを確かめるには,素電流のつくる磁束密度について調べ ればよい。発散がゼロのベクトルはわきだしなし,またはソレノイダルである という。磁束密度はソレノイダルベクトルである。すなわち, B 0 (9.3) 演習問題 9.2 ビオ・サバールの法則 (8.2) で与えられる磁束密度の発散はゼロ となることを確かめよ。 In[191]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" (* 原点に z 軸方向を向いた電流素を zx 面内で磁束密度を観測する。*) RΡ , z Ρ, 0, z dBΡ , z Μ0 CrossProduct0, 0, i dz, Ρ, 0, z, Cartesian DotProductRΡ, z, RΡ, zCartesian 3/2 DivdBΡ, z, Cartesian dz i Ρ Μ0 Out[191]= 0, 3/2 , 0 4 Π z2 Ρ2 Out[191]= 0 ソレノイダルベクトルにはベクトルポテンシャル A を導入し,ベクトルポテ ンシャル A の回転により表現することができる。すなわち, B +A (9.4) 9.2 ベクトルポテンシャル 137 これは,任意のベクトルの回転の発散はゼロであることと,式 (9.4) により与 えられる B がもう一つの要請される条件:式 (9.1) を満足できることに基づい ている。式 (9.4) を式 (9.1) に代入すると, + + A Μ0 J ! ++ A +2 A Μ0 J (9.5) ベクトルはその発散と回転を与えると一意に決定できる(ヘルムホルツの定 理)。磁束密度は発散がゼロ,回転が電流密度の Μ0 倍,と与えられるので一意 に決定される。ベクトルポテンシャルにとっても同じであり,回転を変えずに 発散を自由に選ぶことができる。簡単なのは + A 0 とすることである。こ のとき,A は次式を満足する。 +2 A Μ0 J ✍ (9.6) ベクトルポテンシャルの満たす方程式 (9.6) を直角座標で 3 成分に分解して書き 直すと次のようになる。 +2 Ax Μ0 Jx , +2 Ay Μ0 Jy , +2 Az Μ0 Jz (9.7) これらはスカラーポテンシャル V に関するポアソンの方程式に同形であり,ポ アソンの方程式で V を Ax などに,Ρ を Jx などに,0 を Μ0 に置き換えると式 (9.7) が得られる。したがって,Ρ から V を求める計算式も同様に置き換えると, 電流からベクトルポテンシャルを求める計算式が得られる。3 式をベクトルにま とめると次のようになる。 A Μ0 J dv 4Πr (9.8) 演習問題 9.3 原点を中心に半径 a の円形導線がが xy 面上に置かれ,電流 I が 流れている。原点から a より十分大きな距離でベクトルポテンシャルを求め, これから磁束密度を求めよ。前章でビオ・サバールの法則から求めた結果と一 致することを確かめよ。 138 9. ベクトル・ポテンシャル In[192]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesSphericalr, Ttheta, Φ sp a Cosp, a Sinp, 0 sdp Dsp, p P CoordinatesToCartesian r, Ttheta, Φ R2 P sp.P sp//Simplify Out[192]= a Sinp, a Cosp, 0 Out[192]= r CosΦ SinTtheta, r SinΦ SinTtheta, r CosTtheta Out[192]= a2 r2 2 a r Cosp CosΦ SinTtheta 2 a r Sinp SinΦ SinTtheta In[193]:= iR Series1/SqrtR2, a, 0, 1//Normal 1 1 Out[193]= 2 2 r 2r r2 a 2 r Cosp CosΦ SinTtheta 2 r Sinp SinΦ SinTtheta In[194]:= Rip Simplify%/. r2 r 1 Out[194]= 2 r a Cosp CosΦ SinTtheta r a Sinp SinΦ SinTtheta 2Π Μ0 i Rip sdp p 4Π 0 2 a i SinΦ SinTtheta Μ 0 Out[195]= , 4 r2 2 a i CosΦ SinTtheta Μ 0 , 0 4 r2 In[195]:= A In[196]:= B Curl0, 0, a2 i SinTtheta Μ0 , 4 r2 Spherical a2 i CosTtheta Μ0 a2 i SinTtheta Μ0 Out[196]= , , 0 2 r3 4 r3 9.3 9.3.1 平行直線電流 磁 力 線 9.3 ✍ 磁 力 線 139 電流が平行な直線上を流れる場合,ベクトルポテンシャルは電流の方向の成分 のみとなる。このとき,磁束密度の力線:磁力線の方程式は簡単に求められる。 たとえば,電流の向きが z 軸方向であるとすると,ベクトルポテンシャルは直 角座標系において x と y の関数となり,つぎのように表せる。 A ẑ f x, y (9.9) このとき,磁力線の方程式はつぎのようになる。 f x, y 一定 (9.10) ˛ˇ によれば,磁力線は f x, y の等高線を関数 ContourPlot によ り描くことにより得られる。 演習問題 9.4 2 本の平行な導線に同じ振幅の直線電流が流れている。電流の 向きが同方向,および逆方向の場合について磁力線の方程式を求め,xy 面内の 分布を描け。 In[197]:= r1x , y Max0.01, Sqrtx 1ˆ2 yˆ2 r2x , y Max0.01, Sqrtx 1ˆ2 yˆ2 g1 ContourPlotLogr1x, y/r2x, y, x, 2, 2, y, 2, 2, PlotPoints > 60, ContourShading > False, Frame > False, Contours > 20, Contours > 20, DisplayFunction Identity g2 ContourPlotLogr1x, y r2x, y, x, 2, 2, y, 2, 2, PlotPoints > 60, ContourShading > False, Frame > False, Contours > 20, DisplayFunction Identity ShowGraphicsArrayg1, g2 140 9.3.2 9. ベクトル・ポテンシャル 一様磁界と直線電流 演習問題 9.5 空間に一様な磁束密度 B x̂B0 が分布し,z 軸上を直線電流 fI が流れている。磁力線の方程式を求め,xy 面内の分布を描け。 In[198]:= ax , y y Logxˆ2 yˆ2 bx , y Ifxˆ2 yˆ2 < 0.01, a0.1, 0.1, ax, y ContourPlotbx, y, x, 4, 4, y, 4, 4, ContourShading False, Contours 20, PlotPoints 50, AspectRatio Automatic 4 2 0 -2 -4 -4 -2 0 2 4 9.4 9.4 問 題 を 解 こ う 141 問題を解こう 演習問題 9.6 真空中に分布電流があり,磁束密度 B が次式で与えられる。電 流密度 J を求めよ。そして,その分布の模様を描け。ただし,k,I は定数で ある。 B Μ0 kIx̂ sin ky ŷ cos kx In[199]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesCartesianx, y, z B Μ0 k iSink y, Cosk x, 0 CurlB J //Simplify Μ0 Out[199]= 0, 0, i k 2 Cosk y Sink x In[200]:= << "Graphics‘PlotField‘" PlotVectorFieldSiny, Cosx, x, Π, Π, y, Π, Π ContourPlot Cosy Sinx, x, Π, Π, y, Π, Π 142 9. ベクトル・ポテンシャル 3 2 1 0 -1 -2 -3 -3 -2 -1 0 1 2 3 演習問題 9.7 真空中に分布電流があり,磁束密度 B が円筒座標により次式で 与えられる。電流密度 J を求めよ。ただし,k,I は定数である。 ˆ 2 IΡ expk2 Ρ B Μ0 k In[201]:= SetCoordinatesCylindricalΡ, , z 2 2 B Μ0 k2 i Ρ 0, k Ρ , 0 CurlB J Simplify Μ0 k2 Ρ2 2 Out[201]= 0, 0, 2 i k 1 k2 Ρ2 演習問題 9.8 ベクトルポテンシャルがつぎのように書けるとき,磁束密度を 求めよ。ただし,K と k は定数である。次に,電流密度を求めよ。媒質は真空 とする。 A Kx̂ cos kx ŷ2 sin kx exp ky 2 In[202]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCartesianx, y, z ky A K 2 Cosk x, 2 Sink x, 0 B CurlA CurlB J Μ0 9.4 問 題 を 解 こ う 143 Out[202]= Cartesianx, y, z 3 ky Out[202]= 0, 0, 2 k K Cosk x 2 ky ky 3 2 k2 K Cosk x 3 2 k2 K Sink x Out[202]= , , 0 4 Μ0 2 Μ0 演習問題 9.9 ベクトルポテンシャルが円筒座標をつかってつぎのように書け るとき,磁束密度の表現を求めよ。ここに, f は微分可能な任意の関数である。 A1 ˆ f Ρ A2 ẑgΡ In[203]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCylindricalΡ, , z A1 0, fΡ, 0 B1 CurlA1 CurlB1 J1 Simplify Μ0 fΡ Ρ f Ρ Out[203]= 0, 0, Ρ fΡ Ρ f Ρ Ρ f Ρ Out[203]= 0, , 0 Ρ2 Μ0 In[204]:= A2 0, 0, gΡ B2 CurlA2 CurlB2 J2 Μ0 Out[204]= 0, g Ρ, 0 g Ρ Ρ g Ρ Out[204]= 0, 0, Ρ Μ0 10. ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ ˇ˛ 電磁誘導 ファラデーの法則と電磁誘導 連続系の電磁誘導の法則 インダクタンス ノイマンの公式 – 有限長ソレノイドと長岡係数 – 平行同軸コイル(円形,方形) 10.1 ファラデーの法則 電流は磁界をつくるが,逆に磁界は,それが時間的に変動すると電流の源に なる。これは 1831 年頃にファラデーにより実験的に見出され,ノイマンによ り定量化され,次の法則にまとめられた。回路に鎖交する磁束を 5 とすると, 回路には次式の起電力が発生する。 U d5 dt (10.1) この現象を電磁誘導といい,式 (10.1) をファラデーの法則,あるいはファラ デー・ノイマンの法則という。この法則によれば,二つの回路が空間を隔てて 存在するとき,各回路に流れる電流が磁界をつくり,変動すると互いの回路に 起電力を発生し,影響しあう。 10.2 10.1.1 鎖 連続系の電磁誘導の法則 145 交 ファラデーの法則を用いるとき,回路と鎖交する磁束があるかどうかをまず 判断しなければならない。また鎖交する磁束があると判断されるとき,その大 きさを求めなければならない。図 10.1 は回路 C と力線が三様に交わっている 場合を示している。鎖交するとは,回路と力線のループが交わっていて回路を 引き抜こうとしても絡まって抜けない状態にあることを意味する。図 10.1 の ように,回路を縁とする面 S を考え,力線がその面を破る回数を数える。その 回数が鎖交回数である。2 度破っていても,向きが逆向きの場合には打ち消し あってゼロと数える。実際の磁束密度 B は連続分布しているので,つぎの積分 によって鎖交磁束 5 を求める。 5 B n̂dS (10.2) S C n=1 n=0 n=2 図 10.1 : 回路 C と力線の鎖交 10.2 連続系の電磁誘導の法則 回路の鎖交磁束と起電力の関係から,連続媒質の電界 E と磁束密度 B の関 係に導くことができる。回路 C は導線からなる構造などがない空間内に,かっ てに描いた曲線でよく, E ds t B dS C (10.3) S ストークスの定理により,この積分形はつぎの微分形に書き直すことができる。 +E B 0 t (10.4) 146 10. 電 磁 10.3 誘 導 自己・相互インダクタンス 回路#1 と回路#2 があり,それぞれに電流 I1 と I2 が流れているとする。各回 路に鎖交する磁束 51 と 52 は各電流に比例するので,定数 L1 ,L2 ,M12 ,M21 を用いて次のように表せる。 51 L1 I1 M12 I2 , 52 M21 I1 L2 I2 (10.5) 比例定数 L1 ,L2 を自己インダクタンス,M12 ,M21 を相互インダクタンスとい う。単位は〔H:ヘンリー〕である。 回路の形状に対称性があり,電流と磁束密度の関係がアンペアの周回積分の 法則によって容易に求められる場合には,自己・相互インダクタンスは容易に 決定できる。無限長ソレノイド,無端ソレノイドはその例である。 10.4 ノイマンの公式 任意形状の回路に対して,自己・相互インダクタンスを計算するにはノイマ ンの公式を用いる。これは,回路 C1 と回路 C2 の間の相互インダクタンスを二 つの回路に沿う二重の線積分により与えるもので,次式で表される。 M12 C1 C2 Μ0 ds s 4Πr 1 2 (10.6) ここに,r は回路に沿う線素 ds1 と ds2 の間の距離である。自己インダクタン スは回路 C1 と回路 C2 を同じ回路と見なして式 (10.6) を計算すれば得られる。 演習問題 10.1 図 10.2 に示すような,2個の平行な同軸円形コイル間の相互 インダクタンスを求め,結果を図示せよ。 In[205]:= r1 a Cos1 , a Sin1 , 0 ds1 Dr1 , 1 r2 b Cos2 , b Sin2 , d ds2 Dr2 , 2 R2 r1 r2 .r1 r2 //Simplify Out[205]= a2 b2 d2 2 a b Cos1 2 10.4 ノイマンの公式 147 z d b 0 a x y 図 10.2 : 平行同軸コイル In[206]:= R1 , 2 SqrtR2 ds .ds2 //Simplify 1 Out[206]= a2 b2 d2 2 a b Cos1 2 Out[206]= a b Cos 1 2 In[207]:= Ma , b , d 2Π 0 0 2Π 4Π Μ0 a b d2 2 a b Cos2 2 2 a b Cos2 2 1 1 Out[207]= 4 a2 2 a b b2 d2 4 4ab EllipticE 2 a 2 a b b2 d24 a b 4 a2 b2 d2 EllipticK a2 2 a bb2 d2 Μ0 a2 2 a b b 2 d 2 EllipticK[m] は第 1 種完全楕円積分,EllipticE[m] は,第 2 種完全楕円積分であ る。文献によっては, ˛ˇ における定義と異なるので注意を要する。 ˛ˇ における定義はヘルプにより調べておこう。 148 ☞ 10. 電 磁 誘 導 a b 0.01 m のとき,間隔 d 対 相互インダクタンス M の特性を図示せよ。 In[208]:= Μ0 4 Π 10 7 g1 PlotM0.01, 0.01, d, d, 0.005, 0.05, AxesLabel StyleForm"dm", FontSize 12, StyleForm"MH", FontSize 12, DisplayFunction Identity g2 Graphics TextStyleForm"a b 0.01m", FontSize 12, 0.03, 6/10ˆ9 Showg1, g2, DisplayFunction $DisplayFunction MH 110 -8 810 -9 610 -9 410 -9 210 -9 ab0.01m 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05dm 10.4 ☞ ノイマンの公式 149 a d 0.01m のとき,一つのループの半径 b 対 相互インダクタンス M の特性 を図示せよ。 In[209]:= g3 PlotM0.01, b, 0.01, b, 0.005, 0.05, AxesLabel StyleForm"bm", FontSize 12, StyleForm"MH", FontSize 12, DisplayFunction Identity g4 Graphics TextStyleForm"a d 0.01m", FontSize 12, 0.04, 6/10ˆ9 Showg3, g4, DisplayFunction $DisplayFunction MH 710 -9 610 -9 510 -9 410 -9 310 -9 ad0.01m 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05bm 150 ☞ 10. 電 磁 誘 導 a 0.01m のとき,b と d に対する相互インダクタンス M の変化を等高線で図 示せよ。 In[210]:= g5 ContourPlotM0.011, b, d, b, 0.0001, 0.03, d, 0.0001, 0.03, Contours 20, ContourShading False, FrameLabel StyleForm"bm", FontSize 12, StyleForm"dm", FontSize 12, DisplayFunction Identity g6 Graphics TextStyleForm"a 0.01m", FontSize 12, 0.02, 0.025 Showg5, g6, DisplayFunction $DisplayFunction 0.03 0.025 a0.01m dm 0.02 0.015 0.01 0.005 0 0 0.005 0.01 0.015 0.02 0.025 0.03 bm 10.5 10.5 演習問題 10.2 図 平行線電流間の相互インダクタンス 151 平行線電流間の相互インダクタンス 2 本の平行線に電流が同じ向きに流れ 10.3 に示すような, ているときの相互インダクタンスを求めよ。 z d O y x a 図 10.3 : 平行な導線。長さ a,間隔 d 。 In[211]:= r1 x1 , 0, 0 r2 x2 , 0, d dx1 Dr1 , x1 dx2 Dr2 , x2 Rx1 , x2 , d r1 r2 .r1 r2 Out[211]= d2 x1 x2 2 Μ dx1.dx2 x2 x1 0 4 Π d2 x1 x2 2 1 2 d2 2 d2 a2 a Log a d2 a2 Out[212]= 4Π a Log a d2 a2 Μ0 a In[212]:= M1 d , a 0 a 0 演習問題 10.3 図 10.4 に示すような,一辺が a の方形ループ二つが間隔 d で 平行に置かれている。両者の間の相互インダクタンスを求めよ。 152 10. 電 磁 誘 導 4 M1 d, a M1 d2 a2 , a In[213]:= Ma , d Μ0 ContourPlotMa, d, a, 0.01, 0.1, d, 0.01, 0.1, FrameLabel "a", "d", Contours 0.0001, 0.001, 0.003, 0.01, 0.03, ContourShading False 0.1 0.08 d 0.06 0.04 0.02 0.02 0.04 0.06 a 0.08 0.1 Out[213]= -ContourGraphicsz d O x a y 図 10.4 : 一辺の長さ a の正方形ループが二つ,間隔 d で平行に置かれている。 10.6 10.6 長 岡 係 数 153 長 岡 係 数 半径 a,単位長あたりの巻き数 n のコイルのインダクタンスを求める。軸方 向の長さが無限に長い場合は,端の乱れがないので簡単に求めることができ る。このようなコイルを無限長ソレノイドといい,単位長あたりのインダクタ ンスは次式で与えられる。 L無限 Μ0 Πa2 n2 現実のコイルは有限長であり,端における乱れによってインダクタンスの計算 は簡単ではなくなる。図 10.5 に示すように,長さを {,巻き数を N とすると, n N であり,無限長の単位長あたりのインダクタンス L に長さ { を乗じて { 得られる近似式は, L有限 6 L無限 { Μ0 Πa2 N 2 { (10.7) ノイマンの公式によって厳密に有限長ソレノイドのインダクタンスを求める と,式 (10.7) に半径と軸長の比に依存する係数を乗じた結果となる。この係 数を長岡係数という。少し複雑な計算が必要であるが, ˛ˇ の助け を借りて長岡係数を求めてみよう。ノイマンの公式を図 10.5 の構造に適用す Ρ 2a { 0 z 図 10.5 : 有限長ソレノイド ると, L 2Π 0 2Π a d 0 R { { a d cos n dz n dz 0 z z 2 4a2 sin2 0 2 Μ0 4ΠR (10.8) (10.9) 154 10. 電 磁 誘 導 z v z z ' { 2{ u 2{ u { z u z z ' 図 10.6 : z と z に対する積分領域 被積分関数の性質に注意して,簡略化を行う。 (1) と について 二つの差の関数である。そして,両者に対して周期関数であるので,t とおくと, 2Π 0 2Π d d f 0 2Π 0 0 2Π 0 2Π 2Π f t dt 2Π 2Π f f t dt 0 ここに,t の関数 f t は偶関数であることを用いている。 (2) z と z について 被積分関数は u z z の(偶)関数である。積分領域を図 10.6 に示す。z と z に関する積分を u と zv に関する積分に変換する。 { 0 { dz 0 dz 2{ 1 { du dv f u 2 { 0 { 1 0 1 { 2{ u f u du 2{ u f u du 2 { u f u du 2 { 2 0 0 (1) によって, L 2Π { { Μ0 n2 a2 2Π 1 dt cos t dz dz 4Π R 0 0 0 (10.10) 10.6 長 岡 係 155 数 更に (2) によって, L { Μ0 n2 a2 2Π du dt cos t { u 2 0 0 u2 2a2 sin2 (10.11) t 2 次に,以下の変数変換を行う。 p =2 2a u , q =2 , du { dq { { こうすると,式 (10.11) は次のように変形できる。 2Π 1 N 2 { dq L Μ0 a2 dt cos t {1 q { 2 2 0 0 { q {2 p2 sin2 Μ0 1 Πa2 N 2 1 2Π 1 q dq dt cos t { Π 0 0 q2 p2 sin2 t 2 (10.12) t 2 (10.7) と (10.12) を比較すると,長岡係数は次の2重積分で表せることがわ かる。 1 1 2Π 1 q dq dt cos t Π 0 0 q2 p2 sin2 L t 2 (10.13) この計算を˛ˇ によって行い,長岡係数のグラフと数表を作成し よう。 1 q In[214]:= fq , t , p 2 2 q p2 Sin t2 1 gt , p fq, t, pq 0 1 2 p2 p2 Cost Out[214]= 2 2 2 p2 p2 Cost 2 Log 2 p2 p2 Cost 2 Log 2 2 2 p2 p2 Cost 2Π 0 Cost gt, pt In[215]:= Lp Π 1 2 3/2 4 p 1 p2 EllipticEp2 Out[215]= 3 p2 Π 1 p2 EllipticKp2 156 10. 電 磁 誘 導 In[216]:= << "Graphics‘Graphics‘" LogLinearPlotLp, p, 0.01, 100, PlotRange All, GridLines Automatic, 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5, 0.6, 0.7, 0.8, 0.9, Frame True, PlotPoints 50, FrameLabel "2a/{", "Nagaoka Coefficient", RotateLabel True Nagaoka Coefficient 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0.01 0.1 1 2a{ 10 In[217]:= x1 Table0.05 i, i, 1, 20 t1 L/@x1 x2 Table0.1 i, i, 11, 30 t2 L/@x2 x3 Table0.5 i, i, 7, 26 t3 L/@x3 TableForm Transposex1, t1, x2, t2, x3, t3, TableHeadings None, "2a/{", " L", "2a/{", " L", "2a/{", " L" Out[217]= 100 10.6 2a/ { 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5 0.55 0.6 0.65 0.7 0.75 0.8 0.85 0.9 0.95 1. L 0.979092 0.958807 0.939143 0.920093 0.901649 0.883803 0.866542 0.849853 0.833723 0.818136 0.803075 0.788525 0.774467 0.760885 0.747762 0.735079 0.72282 0.710969 0.699508 0.688423 2a/ { 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 2. 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3. L 0.667314 0.647527 0.628951 0.611488 0.595046 0.579543 0.564902 0.551057 0.537945 0.52551 0.513701 0.502472 0.491781 0.48159 0.471865 0.462573 0.453686 0.445177 0.437022 0.429199 長 2a/ { 3.5 4. 4.5 5. 5.5 6. 6.5 7. 7.5 8. 8.5 9. 9.5 10. 10.5 11. 11.5 12. 12.5 13. 岡 係 数 157 L 0.394402 0.365432 0.340899 0.319825 0.301504 0.28541 0.271146 0.258406 0.246949 0.236582 0.227152 0.218532 0.210618 0.203324 0.196575 0.190312 0.184481 0.179037 0.173942 0.169162 ここで,第1種および第2種の完全楕円積分は,˛ˇ においては 次のように定義されている。 158 10. 電 磁 誘 導 10.7 問題を解こう 演習問題 10.4 自己インダクタンスが L1 と L2 ,相互インダクタンスが M12 の 二つのコイルを直列に接続したとき,合成インダクタンスを求めよ。 In[218]:= $1 , $2 L1 , M12 , M12 , L2 .i1 , i2 $ $2 Simplify 1 /.i2 i1 i1 Out[218]= L1 L2 2 M12 演習問題 10.5 半径 1cm のボビンに間隔 dcm をおいて長さが 2cm,巻き数 1000 の二つのコイルが巻かれている。相互インダクタンス M を d の関数とし て求め,M d 曲線を描け。 ✍ 図 10.7 に示すように,第1のコイルが ab,第 2 のコイルが cd にあるとする。 bc にもコイルが巻かれているとすると, Lad Lab Lbd 2Mab,bd (10.14) 2Mab,bd 2Mab,bc 2Mab,cd (10.15) Lac Lab Lbc 2Mab,bc (10.16) 上の 3 式を辺々加えると, L Lbc Lac Lbd (10.17) Lad Lac Lbd 2Mab,cd Lbc ! Mab,cd ad 2 a b c d 図 10.7 : 同一ボビンに巻いた二つのコイル 10.7 問 題 を 解 こ う 159 ボビンの半径が 1cm であり,コイルは共に長さが 2cm,巻き数が 1000 である として,間隔に対する相互インダクタンスの変化を計算する。 In[219]:= Lp 1 3 p2 Π 3/2 4 p2 1 p2 EllipticE p2 1 p2 EllipticK p2 4Π Μ0 107 Μ Π a 2 n2 L{ , a , n 0 { 1000 r 0.01 h 0.02 m h 2r 2r pbcd pab h d 2r pcd pab pacd hd 2r pbdd pacd padd 2hd Lab Lh, r, m h Lpab Lbcd Ld, r, m d Lpbcd Lcd Lab Lacd Lh d, r, m h d Lpacd Lbdd Lacd Ladd L2 h d, r, m 2 h d Lpadd Md 1 Ladd Lbcd Lacd Lbdd 2 PlotMd, d, 0.0001, 0.01 0.0025 0.00225 0.002 0.00175 0.0015 0.00125 0.002 0.004 0.006 0.008 0.01 0.00075 Out[219]= -Graphics- 11. ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ 磁 性 体 磁化と磁化電流,真電流 磁界,透磁率 磁性体と境界値問題 ˇ˛ – 磁力線の屈折 – 映像電流法 11.1 磁化と磁界 物質内には様々な微小円電流が存在し,外部磁場が存在しないとランダムな 向きを向いているが,外部磁場が存在すると力を受けてその向きを変える。こ れを磁気誘導という。微小円電流は磁気ダイポールに置き換えられるので,向 きが揃った磁気ダイポールは外部に二次磁場をつくる。このとき物質は磁化さ れたといい,この作用が強い物質を磁性体という。 磁化の程度を,磁気モーメントの密度により表し,このベクトルを磁化 M と定義する。 11.1.1 磁化電流 磁性体の磁化に基づく二次磁場の源を,電流に置き換え磁化電流 J m を定義 する。磁化 M から次式により求められる。 Jm + M (11.1) 11.1 161 磁 化 と 磁 界 磁性体の境界面では磁化の微分は無限大となるが,無限に薄い断面に流れる面 電流密度 A として定義することができる。磁性体表面から外向きの法線単位 ベクトルを n̂ とすると, A M n̂ 11.1.2 磁 (11.2) 界 磁束密度は回路電流によっても,磁化電流によっても同じ法則にしたがって つくられる。回路電流を磁化電流と区別して真電流という。真電流の密度を J , 磁化電流の密度を Jm とすると, + B Μ0 J J m Μ0 J Μ0 + M (11.3) 上の式を真電流のがを右辺にあるように変形すると, + B M J Μ0 (11.4) 左辺の括弧の中は真電流のみによってつくられる物理量であると考えることが できる。これを磁界 H と定義する。すなわち, H 11.1.3 透 B M Μ0 (11.5) 磁 率 磁界は真電流に比例する。磁化は真電流によりつくられた磁界に比例する。 磁束密度は両者に適当な重みをかけて重ね合わせたものであるので磁界に比例 する。比例係数を透磁率と定義する。真空の透磁率を Μ0 とし,Μ0 4Π 107 と定める。磁性体の透磁率 Μ と真空の透磁率の比を比透磁率 Μr という。 B ΜH Μ0 Μr H (11.6) 強磁性体とよばれるものは例外であり,単純なスカラーで磁束密度と磁界を 結ぶことができない。横軸を磁界,縦軸を磁束密度として描いた曲線を磁化曲 162 11. 磁 性 体 線,あるいは BH 曲線とよぶ。磁化曲線は一意に定まらず,磁界をどのように 変化させたか,過去の履歴に依存する。この現象を履歴現象,あるいはヒステ リシス現象とよぶ。このように,強磁性体はスカラーの透磁率が定義できない ので,磁界と磁束密度の関係は磁化曲線により表す。 演習問題 11.1 半径 a の内部導体と内半径 b の外部導体からなる同軸線路の内 部の媒質の透磁率が以下のようであるとき,電流 I が流れるとき,磁界,磁束 密度,磁化,磁化電流を順次求めよ。つぎに,a 5 mm,b 2 cm, c 1 cm, I 100 A として,磁束密度の変化を図示せよ。 Μ1 a < Ρ < c Μ Μ c < Ρ < b 2 In[220]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesCylindricalΡ, , z ΜΡ Μ1 Μ2 Μ1 UnitStepΡ c Solve2 Π Ρ H i, H i Out[220]= H 2ΠΡ In[221]:= HΡ H/.%1 BΡ ΜΡ HΡ i Out[221]= 2ΠΡ i Μ1 Μ1 Μ2 UnitStepc Ρ Out[221]= 2ΠΡ BΡ HΡ Μ0 JΡ CurlMΡ i i Μ1 Μ1 Μ2 UnitStepc Ρ Out[222]= 2ΠΡ 2 Π Ρ Μ0 Out[222]= Curl i i Μ1 Μ1 Μ2 UnitStepc Ρ 2ΠΡ 2 Π Ρ Μ0 In[222]:= MΡ In[223]:= n 1, 0, 0 AΡ Cross0, MΡ, 0, n DiracDeltaΡ a// Simplify (11.7) 11.2 Out[223]= 0, 0, 磁性体境界面における境界条件 163 1 i DiracDeltaa Ρ 2 Π Ρ Μ0 Μ0 Μ1 1 UnitStepc Ρ Μ2 UnitStepc Ρ In[224]:= n 1, 0, 0 AΡ Cross0, MΡ, 0, n DiracDeltaΡ b// Simplify 1 Out[224]= 0, 0, i DiracDeltab Ρ 2 Π Ρ Μ0 Μ0 Μ1 1 UnitStepc Ρ Μ2 UnitStepc Ρ 4Π Μ1 Μ0 Μ2 10 Μ0 107 c 0.01 i 100 PlotBΡ, Ρ, 0.005, 0.02, AxesLabel "Ρ", "BΡ" In[225]:= Μ0 BΡ 0.02 0.015 0.01 0.005 0.006 0.008 Ρ 0.012 0.014 0.016 0.0180.02 Out[225]= -Graphics- 11.2 磁性体境界面における境界条件 磁束密度と磁界の関係は,数学的形式においては電束密度と電界の関係に等 価である。したがって,誘電体境界面における境界条件を 164 11. 磁 性 体 D B, E H, Μ と置き換えると,磁性体境界面における境界条件が得られる。境界面での法線 方向単位ベクトルを n̂ とすると,境界で n̂ H と n̂ B が連続である。 磁力線の屈折も電気力線の屈折と同じ法則に従う。境界面の法線と磁力線の なす角を,透磁率 Μ1 の媒質側で Θ1 ,透磁率 Μ2 の媒質側で Θ2 であるとすると, tan Θ1 tan Θ2 Μ1 Μ2 11.2.1 (11.8) 境界面近くの直線電流による磁界 この場合は映像電流法により磁界を求めることができる。原系を図??(a) に 示す。透磁率 Μ1 の媒質#1 の中に直線電流 I0 がある。#1 に対する磁界は全空 間を透磁率 Μ1 の媒質で埋め尽くし,そのかわり,映像点を通る映像直線電流 I1 により計算する。#2 に対する磁界は全空間を透磁率 Μ2 の媒質で埋め尽くし, 原系の電流の位置に映像直線電流 I2 があるとして計算する。境界条件を満た す映像電流は I1 Μ2 Μ1 2Μ1 I0 , I2 I Μ2 Μ1 Μ2 Μ1 0 µ2 (11.9) µ1 I0 図 11.1 : 二種磁性体境界近くの直線電流 演習問題 11.2 透磁率が異なる二種媒質の境界面近くにある直線電流による磁 界の力線を,透磁率の比が 3,5,10,100 の四つの場合に対して描き,違いを 11.2 磁性体境界面における境界条件 165 調べよ。 In[226]:= OffGeneral spell1 MbndryΜ1 , Μ2 Moduler1, r2, x, y, i0, i1, i2, Az, hline, bndry, lncrrnt, r1x , y x 1.2 y2 r2x , y x 1.2 y2 i0 1. 2 Μ1 Μ2 Μ1 i2 i1 Μ2 Μ1 Μ2 Μ1 Azx , y Μ1 Logr1x, yi0 r2x, yi1 Ifx > 0, , 2Π i2 Μ2 Logr1x, y 2Π hline ContourPlotAzx, y, x, 3, 3, y, 3, 3, ContourShading False, PlotPoints 100, Frame False, DisplayFunction Identity bndry GraphicsLine0, 3, 0, 3 lncrrnt GraphicsDisk1, 0, 0.1 gr Showhline, bndry, lncrrnt, DisplayFunction Identity Returngr OnGeneral spell1 In[227]:= gr13 Mbndry1, 3 gr15 Mbndry1, 5 gr110 Mbndry1, 10 gr1100 Mbndry1, 100 In[228]:= ShowGraphicsArray gr13, gr15, gr110, gr1100, DisplayFunction $DisplayFunction 166 11. 磁 性 体 Out[228]= -GraphicsArray- 11.3 問題を解こう 演習問題 11.3 w d の方形断面で,内半径 a,外半径 b a d のトロイダル 状鉄心に N 巻きのコイルを巻いた,環状ソレノイドについて 1. ソレノイドの中心軸からの径座標を Ρ として,磁界 HΡ を求めよ。 2. 磁束密度 BΡ を求めよ。 3. 磁化 MΡ を求めよ。 4. 磁化電流密度 Jm Ρ と,Ρ a における磁化電流面密度 A を求めよ。 5. 真電流と磁化電流を真空中のアンペアの法則に適用して,磁束密度を 求め,2 の結果と一致することを確かめよ。 11.3 問 題 を 解 こ う In[229]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesCylindricalΡ, , z Solve2 Π Ρ H N i, H iN Out[229]= H 2ΠΡ In[230]:= H Ρ H/.%1 B Ρ Μ H Ρ iNΜ Out[230]= 2ΠΡ B Ρ H Ρ Μ0 iN iNΜ Out[231]= 2 Π Ρ 2 Π Ρ Μ0 In[231]:= M Ρ In[232]:= Jm Curl0, M Ρ, 0//Simplify Out[232]= 0, 0, 0 In[233]:= n 1, 0, 0 A Cross0, M a, 0, n iN iNΜ Out[233]= 0, 0, 2 a Π 2 a Π Μ0 In[234]:= Solve2 Π Ρ B Μ 0 N i 2 Π a A3, B// Simplify iNΜ Out[234]= B 2ΠΡ 167 磁気エネルギーと力 12. ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ 磁気エネルギー密度 導体内の電流分布 – 表皮効果,渦電流 ローレンツ力 ˇ˛ 12.1 – 荷電粒子の運動,サイクロイド運動 空間の磁気エネルギー密度 インダクタンス L のコイルに電流 I を流すとコイルには磁気エネルギー Wm 12 LI 2 が蓄えられる。このエネルギーを物理的に考えると,コイルのまわ りの空間に分布していることがわかる。この密度は wm 1 BH 2 (12.1) これを空間で積分すると 12 LI 2 が得られるはずである。この積分は空間の三重 積分であるので,一般的に計算が難しい。この積分を幾分容易にする方法があ る。それは,ベクトルポテンシャルを電流の上で求め,つぎの積分を行う方法 である。 Wm 1 A J dV 2 (12.2) 電流が分布電流ではなく,導線に流れる線電流のとき,式 (12.2) の積分(三重 積分)は導線の中心軸に沿う線積分(一重積分)に近似できる。 ✍ 教科書によって,式 (12.1) と式 (12.2) について調べよ。 12.2 導体内の電流分布 169 演習問題 12.1 二本の円形断面の平行導線に往復の電流,-I が流れている。 軸方向の単位長あたりに蓄積されている磁気エネルギーを近似的に求めよ。そ して,単位長あたりのインダクタンス L を求め,同じ構造の単位長あたりの静 電容量 C と LC Μ0 0 の関係にあることを確かめよ。導線の直径 d を,間隔 を D とする。 Μ i In[235]:= AΡ 0 LogΡ 2Π d A A AD 2 i Log d2 Μ0 i LogD Μ0 Out[235]= 2Π 2Π 1 Ai 2 i Log d2 Μ0 i LogD Μ0 Out[236]= i 2Π 2Π In[236]:= Wm 2 In[237]:= L Wm 1 2 // Simplify i 2 Logd Log2 D Μ 0 Π Π 0 In[238]:= c Log 2dD Lc Logd Log2 D 0 Μ0 Out[238]= Log 2dD Out[237]= 12.2 導体内の電流分布 導電率 Σ ,透磁率 Μ の導体内に電流が密度 J で分布するとき,電磁界はつぎ の連立微分方程式を満たす1 。 +E B t +H J 1 時間変化がさらに早くなると,14 章に説明する変位電流の項が必要になる。 (12.3) (12.4) 170 ✍ 12. 磁気エネルギーと力 B ΜH (12.5) J ΣE (12.6) 電流密度 J はつぎの微分方程式を満たすことを証明せよ。 +2 J ΣΜ 12.2.1 J t (12.7) 表皮効果 演習問題 12.2 厚さが w,幅が十分に大きい導体板があり,長さ方向(z 方 向)に電流が流れている。時間変化は角周波数 Ω の正弦的変化であるとして, 厚さ方向(y 方向)に電流分布はどのように変化するかを調べよ。幅方向(x 方向)には変化しないとする。 電気回路で行うように,すべての電磁界成分を共通項 e jΩt を暗に含むフェー ザで表す。このとき, t jΩ として,微分方程式 (12.7) を解く。 In[239]:= Clear"Global‘ " << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesCartesianx, y, z DSolveLaplacianJ z y ! Ω Σ Μ Jz y, Jz y, y Out[239]= Jz y 1 y Μ Σ Ω C1 1/ 4 1 y Μ Σ Ω C2 1/ 4 w < y < w の区間で Jz y は偶関数であるとする。 In[240]:= Jz y %1, 1, 2 Jz y Jz y Jz y/2 //Simplify 1 11/4 y Μ Σ Ω Out[240]= 2 1/ 4 1 2 1 y Μ Σ Ω C1 C2 In[241]:= iz y %/.C1 C2 C 1 1/ 4 1/ 4 C 1 y Μ Σ Ω 1 2 1 y Μ Σ Ω Out[241]= 2 x 方向の単位長あたりの電流を i0 であるとする。 12.2 導体内の電流分布 171 w In[242]:= Solve w iz yy i0 , C czy iz y/.% Out[242]= 1 y Μ Σ Ω 1/ 4 i0 13/4 1 w Μ Σ Ω 2 11/4 w Μ Σ Ω 1/ 4 y Μ Σ Ω 1 2 1 1/ 4 1 Μ Σ Ω 1/ 4 13/4 1 w Μ Σ Ω 1/ 4 1 2 1 w Μ Σ Ω Μ Σ Ω w 1cm,Μ Μ0 ,Σ 0.45 108 S/m として, f 50 Hz に対する電流分 布を図示する。 In[243]:= w 0.01 i 0 1. Μ 4 Π 10 7 Σ 0.45 108 Ω 2 Π 50. PlotAbsczy, y, w, w, PlotRange All 60 58 56 54 52 -0.01 -0.005 0.005 0.01 Out[243]= -Graphics- f 10 kHz に対する電流分布を図示する。 In[244]:= Ω 2 Π 10 4 PlotAbsczy, y, w, w, PlotRange All 172 12. 磁気エネルギーと力 800 600 400 200 -0.01 -0.005 0.005 0.01 Out[244]= -Graphics- 高周波になると,電流は導体板の表面に集中するようになる。これを表皮効 果という。表面が最大で,内側に向かって指数関数的に減少する。表面の値の 1/ e となる深さを表皮の深さ(skin depth)という。表皮の深さは d に等しい。 In[245]:= d Sqrt2/Ω Μ Σ PlotAbsczy, y, w 3 d, w, PlotRange All Out[245]= 0.000750264 800 600 400 200 0.008 0.0085 0.009 0.0095 Out[245]= -Graphics- 表皮の深さの点で,表面の値の e1 に等しいことを確認する。 In[246]:= Abs czw d 1. czw 1 1 f ΠΣΜ 12.3 渦 電 173 流 Out[246]= 1.72746 10 11 渦 12.3 電 流 磁束密度と電流密度の間のつぎの関係を式 (12.6) から導くことができる。 + J Σ B t (12.8) この式は,磁束密度の時間変化があると,電流の回転があることを示してい る。局部的な磁束密度の時間変化により回転するように流れる電流を渦電流と いう。 演習問題 12.3 外部磁場が円筒座標 Ρ, , z により次式で与えられる。 Ρ 2 B ẑB0 exp cos Ωt a (12.9) この磁束密度の変化により電流が流れ,この電流はまた二次的な磁束密度をつ くる。外部磁束密度は二次磁束密度より十分大きいとして,渦電流を求めよ。 そして,磁束密度と渦電流の時間変化をムービープロットして観察せよ。 In[247]:= Remove"Global‘ " << "Graphics‘PlotField‘" 式 (12.8) を積分形に変形する。 B J ds Σ t dS C S (12.10) z 軸に関して軸対称であるので,電流は 方向成分のみとなり,次のようにし て決定できる。 Ρ In[248]:= BΡ , t B 0 a CosΩ t JΡ , t 0, JΡ, t, 0 Ρ 0 2 Π Ρ t BΡtΡ // JΡ , t 2ΠΡ Simplify 2 2 Out[248]= a2 1 Ρ2 a Ω Sint Ω B0 2Ρ 174 12. 磁気エネルギーと力 直角座標に変換する。 In[249]:= rx , y Max 0.001, JΡ , p a2 1 2 Ρ2 a x2 y 2 Ω Sinp B0 2Ρ Jrx, y, p y Jxx , y , p rx, y Jrx, y, p x Jyx , y , p rx, y p Bzx , y , p Brx, y, Ω 2 Out[249]= a2 1 Ρ2 a Ω Sinp B0 2Ρ グラフを描く前に,定数を適当に定める。 In[250]:= B0 1 Ω 2 Π 50 a 1 103 時間の 1 周期を 10 分割して,磁束密度は ContourPlot で,電流密度は PlotVectorField で描く。 In[251]:= << "Graphics‘Graphics‘" Do gr1 ContourPlotBzx, y, 2 Π i, 11 x, a, a, y, a, a, ContourLines False, Contours 30, Frame False, DisplayFunction Identity gr2 PlotVectorField 2 2 Jxx, y, Π i, Jyx, y, Π i, 11 11 x, a, a, y, a, a, DisplayFunction Identity ShowGraphicsArraygr1, gr2, DisplayFunction $DisplayFunction, i, 10 12.4 ロ ー レ ン ツ 力 175 (以下 9 枚は省略) 12.4 ローレンツ力 電流には磁界からの力が働く。電流は電荷の流れであるので,運動する電荷 には磁界からの力が働く。電荷には電界からの力が働くが,運動するとこれに 磁界からの力が加わることになる。点電荷 q が速度 v で動くとき,つぎの力を 受ける。これをローレンツ力という。 F qE v B 12.4.1 (12.11) サイクロイド運動 質量 m,電荷 q の粒子が静電界 x̂E0 と定常磁界 ẑB0 が共存する空間にある とき,運動方程式 eqn 0, 0, 0 がなりたつ。 In[252]:= Clear"Global‘ " OffGeneral spell1 r xt, yt, zt e Ex, 0, 0 b 0, 0, Bz eqn m t,t r qe Crosst r, b Out[252]= q Ex Bz y t m x t, Bz q x t m y t, m z t 176 12. 磁気エネルギーと力 初期条件:x"0# y"0# z"0# 0, x "0# vx0, y "0# vy0, z "0# 0 のもとに, 連立微分方程式を解く。 In[253]:= DSolveeqn1 0, eqn2 0, eqn3 0, x0 0, y0 0, z0 0, x 0 vx0, y 0 vy0, z 0 0, x, y, z, t Out[253]= x Functiont, Bz q t Bz q t 1 m 1 m m 2 Bz2 q Bz q t Bz q t Ex m Ex Bz vx0 Bz m Bz q t vx0 Bz vy0 Bz m vy0, 1 y Functiont, 2 Bz2 q Bz q t 2 Bz q t m Ex m m Ex m Bz q t 2 Bz m Ex q t Bz m vx0 Bz q t 2 Bz q t 2 Bz m m vx0 Bz m m vx0 2 Bz q t Bz m vy0 Bz m m vy0, z Functiont, 0 解の表現を見やすくする。使っている変数はすべて実数であることを用い, 関数 ComplexExpand を用いる。 In[254]:= solx 1 2 Bz2 q ! Bz q t ! Bz q t m 1 m m ! Bz q t Ex m Ex ! Bz vx0 ! Bz q t ! Bz m vx0 Bz vy0 ! Bz q t Bz m vy0 //ComplexExpand// Simplify 1 Out[254]= Bz2 q Bz q t m Ex Bz vy0 Ex Bz vy0 Cos m Bz q t Bz vx0 Sin m Ω qBz m , r mEx qB2z 角周波数とよぶ。 により書き換えて,x"t# を定義する。Ω はサイクロトロン 12.4 ロ ー レ ン ツ 力 177 vy0 1 CosΩ t In[255]:= xt r Ω vx0 SinΩ t Ω 同様に,y[t] を見やすく変形し,定義する。 In[256]:= soly 1 2 Bz2 q ! Bz q t m 2 ! Bz q t ! Ex m ! m Ex m ! Bz q t 2 Bz m Ex q t Bz m vx0 ! Bz q t 2 ! Bz q t 2 Bz m m vx0 Bz m m vx0 2 ! Bz q t ! Bz m vy0 ! Bz m m vy0 // ComplexExpand//Simplify 1 Out[256]= Bz2 q Bz q t Bz Ex q t m vx0 Bz m vx0 Cos m Bz q t m Ex Bz vy0 Sin m vx0 1 CosΩ t In[257]:= yt r Ω t Ω vy0 r SinΩ t Ω 荷電粒子の運動する様子を図示する。簡単のため,r Ω 1 とし,0 < Ωt < 4Π の範囲で図示する。まず,初速度:vx0 vy0 0 に対して, In[258]:= r 1 Ω 1 vx0 0 vy0 0 ParametricPlotxt, yt, t, 0, 4 Π 0.5 -2 -4 -6 -8 -10 -12 1 1.5 2 178 12. 磁気エネルギーと力 Out[258]= -Graphics- 荷電粒子は円運動をしながら y 方向に並進(ドリフト)する。この曲線を サイクロイド曲線といい,このような運動をサイクロイド運動という。並進す る速度は vd rΩ に等しく,ドリフト速度という。 つぎに,vx0 vy0 0.5vd に対して, In[259]:= vx0 0.5 vy0 0.5 ParametricPlotxt, yt, t, 0, 4 Π 0.5 1 1.5 2 2.5 3 -2 -4 -6 -8 -10 -12 Out[259]= -Graphics- つぎに,vx0 vy0 vd に対して, In[260]:= vx0 1 vy0 1 ParametricPlotxt, yt, t, 0, 4 Π 1 -2 -4 -6 -8 -10 -12 -14 Out[260]= -Graphics- 2 3 4 12.5 12.5 179 問 題 を 解 こ う 問題を解こう 演習問題 12.4 半径 1cm,長さ 2cm,巻き数 100 のコイルに 1A の電流を流 したとき,コイルに蓄えられる磁気エネルギーも計算せよ。 インダクタンスを 10.6 を参考にして求める。まず近似式 (10.7) から, L有限 6 L無限 { Μ0 Πa2 N 2 { (12.12) つぎに,これを補正する長岡係数を次式により計算する。 L"p # 4 p2 3/ 2 1 p2 EllipticE"p2 # 1 p2 EllipticK"p2 # 3 p2 Π 磁気エネルギーは Wm 12 LI 2 から計算する。 In[261]:= Lp 1 3 p2 Π 3/2 4 p2 1 p2 EllipticE p2 1 p2 EllipticK p2 Μ0 Π a 2 n2 { 2a Lexact a , { , n Lapp a, {, n L { 4Π Μ0 107 L Lexact 0.01, 0.02, 100 Out[262]= 0.000135889 In[262]:= Lapp a , { , n L i2 /.i 1 2 Out[263]= 0.0000679446 In[263]:= Wm 演習問題 12.5 原点にある磁気ダイポールモーメント ẑm のつくる磁場の中に 半径が a の円形回路が置かれ,電流 I が流れている。円形回路の中心の位置を 0, 0, z とし,円形の面は z 軸に垂直であるとする。この回路が受ける力を求 めよ。 180 12. 磁気エネルギーと力 磁気ダイポールのつくる磁束密度は球座標を用いて次のように与えられる。 B Μ0 m r̂2 cos Θ Θ̂ sin Θ 4Πr 3 (12.13) 円形回路に鎖交する磁束は, 5 Θ0 Br sin Θ dΘ 0 ここに,Θ0 arccos (12.14) z である。求める力は r Fz 5 I z (12.15) で与えられる。 z2 a 2 Μ0 m 2 CosΘ, SinΘ, 0 B 4 Π r3 $ In[264]:= r Θ0 B.1, 0, 0 2 Π r2 SinΘΘ/. z CosΘ0 r Fz Simplifyz $ i a2 m Μ 0 Simplify 0 Out[264]= 3/2 2 a2 z2 3 a2 i m z Μ 0 Out[264]= 5/2 2 a2 z2 力 Fz は負であるので引力が働いている。円形回路の半径も小さく,その円 電流を磁気ダイポールとみなすと,そのモーメントは Πa2 I に等しい。あらた めて m を m1 と,Πa2 I を m2 と置き,˛ˇ の最後の結果を書き直す と,引力は次式となる。 引力 3Μ0 m1 m2 2Πr 4 (12.16) 13. 電気学と磁気学の森 EH 対応 ˇ 学習項目 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ ˇ˛ – 磁荷 – 磁位 微小円電流,任意円電流,正方形ループ電流 – 境界値問題 永久磁石 – 球形磁石,板状磁石 これまで,電気と磁気をその歴史を比較的忠実に追うことにより説明し,演 習をしてきた。しかし,電磁気学の全体をまだ説明できていない。すべてを明 らかになるのは次章まで待つことにして,本章は電気と磁気を比較してもう一 度見直すことによって理解を深めようとするものである。登山でも,ひたすら 上に登るのみでなく,時には下界を見下ろしながら休憩することは英気を養い, より高い山に登るのに有効である。これまでは電気と磁気の木を個々に見てき た。これからは電気と磁気が一体となった森を見て行こうというものである。 13.1 BE 対応と HE 対応 電場に関しては,電荷に働く力を媒介に電界 E がまず定義され,つぎに誘電 体を扱う際に分極電荷を除いた真電荷と直結する物理量として電束密度 D が 定義された。磁場に関しては,電流に働く力を媒介に磁束密度 B がまず定義さ れ,つぎに磁性体を扱う際に分極電流を除いた真電流と直結する物理量として 182 13. 電気学と磁気学の森 磁界 H が定義された。この意味で,電界と磁束密度が対応する。このような 電場と磁場の対応付けを BE 対応という。 しかし,D E と B ΜH の関係を見るまでもなく,数学的には電界と磁 界を,電束密度と磁束密度を対応づけた方がよく似た関係式がなりたつことは 前章までの内容から理解できるであろう。このような,物理的ではなく数学的 な便利さを追求するための対応づけを HE 対応という。HE 対応によれば,電 場に関する解析の結果が磁場に利用でき,またその逆も可能である。 13.1.1 磁 荷 電束密度 D と電界 E の関係は分極 P を用いて次式で表された。 D 0 E P (13.1) 分極 P から次式でその密度が計算される分極電荷を用いると,媒質は真空であ るとして静電界のすべての量は計算できた。 ΡP + P (13.2) 静磁場も同様に考えて,磁気分極 Pm を定義し,これから磁荷密度 Ρm を定義 することができる。すなわち, B Μ0 H M Μ0 H Pm (13.3) Pm Μ0 M (13.4) Ρm + Pm Μ0 + M (13.5) このように定義した磁荷を用いると,真空中に磁荷があるとして静磁界の計算 ができる。磁化された物質の間に働く力は真空中にある磁荷の間のクーロン力 として計算することができる。 13.1.2 磁 位 電場に電位が導入された根拠は,電界 E が保存力の場であること,言い換 えると + E 0 が成り立つことである。これに対し,磁界の回転はゼロでは 13.1 BE 対 応 と HE 対 応 183 なく,電流密度に等しい。しかし,電流が存在しない部分空間では磁界の回転 はゼロである。そこで,磁位を定義して,電流が存在する領域を除いた部分空 間で利用することができる。そして,電位の勾配から電界が求まったように, 磁位の勾配から磁界を求めることができる。 13.1.2.1 微小電流ループによる磁位 電気ダイポールに対する電位を参考に磁気ダイポールに対する磁位を定義し よう。そして微小円電流は磁気ダイポールに置き換えられた。こうして,断面 積 2S の電流ループに電流 I が流れるとき,つぎのように磁位が求めることが できる。 U I2S cos Θ 4Πr 2 (13.6) ここに,r は微小電流ループから観測点までの距離,Θ はループ断面の法線と 観測点にいたる方向のなす角である。 ✍ 教科書によって,式 (13.6) を理解せよ。 式 (13.6) は観測点から電流ループ面を見込む立体角 23 を使ってつぎのよう に書き直すことができる。 U I 23 4Π 演習問題 13.1 微小電流ループによる磁界を磁位を用いて求めよ。 In[265]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesSphericalr, Θ, i &S CosΘ Ur , Θ 4 Π r2 H GradUr, Θ i "S CosΘ i "S SinΘ Out[265]= , , 0 2 Π r3 4 Π r3 13.1.2.2 任意電流ループによる磁位 (13.7) 184 13. 電気学と磁気学の森 式 (13.7) を重ね合わせることによって,任意電流ループに対する磁位の立体 角によるつぎの表現を求めることができる。 U I 3 4Π (13.8) ここに,3 は観測点から電流ループを見込む立体角である。 ✍ 式 (13.8) を教科書によって理解せよ。 演習問題 13.2 原点を中心に半径 a の円電流 I が xy 面上に置かれている。磁 界を求めよ。 In[266]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCylindricalΡ, , z i Π a2 z UΡ , z 3/2 4 Π Ρ2 z2 H GradUΡ, z//Simplify a2 i 2 z2 Ρ2 3 a2 i z Ρ Out[266]= , 0 , 5 / 2 5/2 4 z2 Ρ2 4 z2 Ρ2 13.1 13.1.3 185 BE 対 応 と HE 対 応 磁性体境界値問題 HE 対応が便利に適用される他の一つの例が,磁性体を含む境界値問題であ る。等価な誘電体を含む境界値問題の解を参考に解くことができる。 図 13.1 に示すような,一様磁界 H1 の中に透磁率 Μ2 の磁性体球がおかれ た場合を考えよう。この問題は磁性体球の外部と内部をそれぞれ図 13.2 と図 13.3 に置き換えて解くことができる。図 13.2 においては内部も外部と同じ媒 質(透磁率 Μ1 )に置き換え,磁性体球の中心に一様磁界 H1 と同じ向きの磁 気ダイポール Qm ∆ を置く。図 13.3 においては外部も内部と同じ媒質(透磁率 Μ2 )に置き換え,一様磁界 H2 があるとする。このとき,Qm ∆ と H2 を以下の ようにすると,磁性体球の表面(r a)における境界条件を満足させられる。 Qm ∆ Μ Μ1 a3 2 H 4ΠΜ1 2Μ1 Μ2 1 H2 H1 (13.9) 3Μ1 H 2Μ1 Μ2 1 (13.10) µ1 Η1 µ2 µ1 図 13.1 : 原問題 µ1 Η2 µ2 Qmδ 図 13.2 : 球外置換 µ2 図 13.3 : 球内置換 磁性体球外の磁界は,まず一様磁界の向きを z 軸とする球座標で求め,つぎ に˛ˇ で作図しやすいようにz軸を y 軸に変え,それと直交する向 きを x 軸として求めるとつぎのようになる。 H r̂ H1 cos Θ 2Qm ∆ cos Θ Qm ∆ sin Θ 3 Θ̂ H1 sin Θ 4ΠΜ1 r 4ΠΜ1 r3 H x̂ Hr sin Θ HΘ cos Θ ŷ Hr cos Θ HΘ sin Θ (13.11) (13.12) 186 13. 電気学と磁気学の森 演習問題 13.3 教科書を参考にして,式 (13.9) と式 (13.10) を導け。そして, 式 (13.11) と式 (13.12) を用いて,˛ˇ により透磁率の比が 10, 1, 0.1 の場合の磁力線を描け。 In[267]:= << "ExtendGraphics‘FieldLines‘" spr Circle0, 0, 1 a 1 としている。 rx , y Max 0.001, x2 y2 x y sx , y cx , y rx, y rx, y htx , y nqmd , h2 sx, y Ifx2 y2 > 1, h1 rx, y3 2 nqmd hrx , y Ifx2 y2 > 1, h1 , h2 rx, y3 cx, y hx htx, y cx, y hrx, y sx, y hy htx, y sx, y hrx, y cx, y In[268]:= drawm Modulehline, h1 1 m は透磁率の比 m 1 h1 3 h1 nqmd h2 m2 2m hline TableFieldLinex, hx, 0.1 2 i 16, y, hy, 1.5, t, 10, i, 15 gr Graphicshline, spr, AspectRatio Automatic, PlotRange 1.5, 1.5, 1.5, 1.5, DisplayFunction Identity Returngr In[269]:= g10 draw10. g1 draw1. g01 draw0.1 ShowGraphicsArrayg10, g1, g01, DisplayFunction $DisplayFunction 13.2 永 久 磁 石 187 Out[269]= -GraphicsArray- 13.2 永 久 磁 石 永久磁石は自発磁化をもつ磁性体である。すなわち,外部の源による磁界に より磁化されるのではなく,外部磁界に独立な磁化をもつ。磁化は一様である と仮定して,磁化電流と磁荷を磁石表面で求め,これらから磁束密度と磁界を それぞれ求めてみよう。 13.2.1 球形磁石 演習問題 13.4 図 13.4 に示すような球形の磁石が,z 軸方向に向いた一様な磁 化をもつとき,磁石内外の磁界と磁束密度を求め,それぞれの力線を描け。 z M x 図 13.4 : 球形磁石 y 188 13. 電気学と磁気学の森 In[270]:= << "ExtendGraphics‘FieldLines‘" OffGeneral "spell1" rx , y x2 y2 xy bx Ifrx, y < 1, 0., rx, y5 2 2 2. 2y x , by Ifrx, y < 1, 3. 3 rx, y5 line1 TableFieldLinex, bx, 1 0.1 i, y, by, 0, t, 7, i, 1, 19, 2 line2 TableFieldLinex, bx, 1 0.1 i, y, by, 0, t, 7, i, 1, 19, 2 jshk GraphicsCircle0, 0, 1 AspectRatio Automatic Out[270]= -Graphics- 13.2.2 板状磁石 In[271]:= << ExtendGraphics‘FieldLines‘ << Graphics‘Graphics‘ 13.2 永 久 磁 y b -a 11 00 00 11 z M a x -b 図 13.5 : 板状磁石 In[272]:= jshk Graphics Line 1, 0.4, 1, 0.4, 1, 0.4, 1, 0.4, 1, 0.4 bx ArcTanx 1/y 0.4 ArcTanx 1/y 0.4 ArcTanx 1/y 0.4 ArcTanx 1/y 0.4 bhy Logx 1ˆ2 y 0.4ˆ2 Logx 1ˆ2 y 0.4ˆ2 Logx 1ˆ2 y 0.4ˆ2 Logx 1ˆ2 y 0.4ˆ2/2 hx Ifxˆ2 < 1 && yˆ2 < 0.16, 2 Π ArcTanx 1/y 0.4 ArcTanx 1/y 0.4 ArcTan x 1/y 0.4 ArcTanx 1/y 0.4, ArcTan x 1/y 0.4 ArcTanx 1/y 0.4 ArcTan x 1/y 0.4 ArcTanx 1/y 0.4 石 189 190 13. 電気学と磁気学の森 In[273]:= gr1 Graphics TableFieldLinex, hx, 0.99, y, bhy, 0.4/18 2 i 19, t, 1 Ifi 1, 1, 0, i, 18 gr2 Graphics TableFieldLinex, bx, 1., y, bhy, 0.4/18 2 i 19, t, 3, i, 18 gr3 Graphics TableFieldLinex, hx, 0.99, y, bhy, 0.4/18 2 i 19, t, 1 Ifi 18, 1, 0, i, 18 gr4 Graphics TableFieldLinex, bx, 1., y, bhy, 0.4/18 2 i 19, t, 3, i, 18 gh Showgr1, gr2, gr3, gr4, jshk, AspectRatio > Automatic, Axes > False, PlotRange 2, 2, 1.5, 1.5, DisplayFunction Identity 13.2 永 久 磁 石 In[274]:= gr5 Graphics TableFieldLinex, bx, 0.99, y, bhy, 0.4/18 2 i 19, t, 0.5, i, 18 gr6 Graphics TableFieldLinex, bx, 1, y, bhy, 0.4/18 2 i 19, t, 5, i, 18 gr7 Graphics TableFieldLinex, bx, 1, y, bhy, 0.4/18 2 i 19, t, 5, i, 18 xss 0.4, 0.65, 0.82, 0.92, 0.97 gr8 Graphics TableFieldLinex, bx, xssi, y, bhy, 0.41, t, 3., i, 5 gr9 Graphics TableFieldLinex, bx, xssi, y, bhy, 0.41, t, 3., i, 5 gb Showgr5, gr6, gr7, gr8, gr9, jshk, AspectRatio > Automatic, Axes > False, PlotRange 2, 2, 1.5, 1.5, DisplayFunction Identity In[275]:= ShowGraphicsArraygh, gb, DisplayFunction $DisplayFunction 191 192 13. 電気学と磁気学の森 Out[275]= -GraphicsArray- 14. 電 磁 波 変位電流とマックスウェルの方程式 自由空間中の電磁界 ˇ 学習項目 – 波動方程式と電磁波 – ヘルムホルツ方程式 ˛ ˇ ˛ ˛ˇ – 変数分離の方法 直角座標,円筒座標,球座標 ˇ˛ ポインティングベクトル 微小ダイポールからの放射 14.1 マクスウェルの方程式 電磁界を律する微分方程式のマクスウェルの方程式である。各周波数 Ω の調 和振動電磁界を複素表現すると,真空中でマクスウェルの方程式は次のように 表される。 E jΩΜ0 H 0 H jΩ0 E J (14.1) 演習問題 14.1 マクスウェルの方程式 (14.1) を電界について解き,磁界と電流 により表せ。次に,マクスウェルの方程式 (14.1) を磁界について解き,電界と 電流により表せ。 194 14. 電 磁 波 In[276]:= Clear"Global‘ " << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCartesianx, y, z e exx, y, z, eyx, y, z, ezx, y, z h hxx, y, z, hyx, y, z, hzx, y, z j jxx, y, z, jyx, y, z, jzx, y, z meqns Curle ! Ω Μ h j, Curlh ! Ω e 0 In[277]:= Solvemeqns, e, h Out[277]= exx, y, z hy0,0,1 x, y, z hz0,1,0 x, y, z , Ω eyx, y, z hx0,0,1 x, y, z hz1,0,0 x, y, z , Ω ezx, y, z hx0,1,0 x, y, z hy1,0,0 x, y, z Ω In[278]:= Solvemeqns, h, e Out[278]= hxx, y, z 1 jxx, y, z ey 0,0,1 x, y, z ΜΩ ez0,1,0 x, y, z, hyx, y, z 1 jyx, y, z ex 0,0,1 x, y, z ΜΩ ez1,0,0 x, y, z, hzx, y, z 1 jzx, y, z ex 0,1,0 x, y, z ΜΩ ey1,0,0 x, y, z 演習問題 14.2 In[279]:= << "calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCartesianx, y, z e exx, y, z, eyx, y, z, ezx, y, z CurlCurle Laplaciane GradDive Out[279]= 0, 0, 0 14.2 ヘルムホルツの方程式 195 In[280]:= SetCoordinatesCylindricalΡ, Φ, z e erΡ, Φ, z, epΡ, Φ, z, ezΡ, Φ, z CurlCurle Laplaciane GradDive Out[280]= 0, 0, 0 In[281]:= SetCoordinatesSphericalr, Θ, Φ e err, Θ, Φ, etr, Θ, Φ, epr, Θ, Φ CurlCurle Laplaciane GradDive General :: spell1 : ス ペ ル 間 違 い の 可 能 性 が あ り ま す.新 規 シ ン ボ ル"theta"はすでにあるシンボル"Ttheta"に似ています. Out[281]= 0, 0, 0 14.2 ヘルムホルツの方程式 In[282]:= Clear"Global‘ " << "calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCartesianx, y, z Ax , y , z Xx Yy Zz LaplacianAx, y, z Simplify k2 Ax, y, z X x Y y Z z Out[282]= k2 Xx Yy Zz X x {2 0, Xx, x Xx Y y DSolve m2 0, Yy, y Yy Z z n2 0, Zz, x DSolve Zz Out[283]= Xx C1 Cosx { C2 Sinx { In[283]:= DSolve Out[283]= Yy C1 Cosm y C2 Sinm y Out[283]= Zz C1 Cosn z C2 Sinn z In[284]:= k {, m, n rx , y , z x, y, z ax , y , z , Ωt ReeˆIΩt k.rx, y, z// ComplexExpand 196 14. 電 磁 波 Out[284]= Cosm y n z x { Ωt In[285]:= { SinΘ Cos m SinΘ Sin n CosΘ Θ Π/2 Π/6 ax, y, z, Ωt 3x y Out[285]= Cos Ωt 2 2 In[286]:= << Graphics‘ImplicitPlot‘ TableImplicitPlotax, y, 0, Ωt/10. 0, x, 10, 10, y, 10, 10, Ωt, 63 10 5 0 -5 -10 -10 -5 0 5 10 In[287]:= Θ Π/12 Π/6 ax, y, z, Ωt TableImplicitPlotax, y, 0, Ωt/10. 0, x, 10, 10, y, 10, 10, Ωt, 63 3 1 1 3 x Out[287]= Cos 4 2 1 3 y 1 3 z Ωt 4 2 2 2 14.3 平 面 5 10 10 5 0 -5 -10 -10 14.3 -5 0 平 平面波の時間的,空間的変化を調べよう 面 波 波 197 198 14. 電 磁 波 In[288]:= ax , y , t Cos2 Π t x gr1 Plot3Dax, y, 0, x, 0.2, 1.5, y, 1, 1, PlotPoints 50, Mesh False, ColorOutput GrayLevel, DisplayFunction Identity gr2 Plot3Dax, y, 0.1, x, 0.2, 1.5, y, 1, 1, PlotPoints 50, Mesh False, DisplayFunction Identity, ColorOutput GrayLevel pts1 Table 0.21 0.01 i, 1, a 0.21 0.01 i, 1, 0, i, 171 pts2 Table 0.21 0.01 i, 1, a 0.21 0.01 i, 1, 0.1, i, 171 ln1 Graphics3DLinepts1, ColorOutput None ln2 Graphics3DLinepts2, ColorOutput None Showgr1, gr2, ln1, ln2, AxesLabel "s/wavelength", "", "As, t", Boxed False, DisplayFunction $DisplayFunction 1 0.5 As,t 0 -0.5 -1 1 0.5 0 0 0.5 swavelength wavelength -0.5 1 1.5 -1 14.3 平 面 波 199 In[289]:= << "Graphics‘PlotField3D‘" OffGeneral "spell1" xaxis Graphics3DLine 4, 0, 0, 4, 0, 0 xlst Table0.1 Π i, i, 10, 10 tΠ Tableeyx Cos x 8 tΠ x ezx Sin 8 elstx x, 0, 0, 0, 1.5 eyx, 1.5 ezx hlstx x, 0, 0, 0, ezx, eyx alst elst/@xlst blst hlst/@xlst gr1 ListPlotVectorField3Dalst, Boxed False, DisplayFunction Identity gr2 ListPlotVectorField3Dblst, Boxed False, DisplayFunction Identity Showgr1, gr2, xaxis, DisplayFunction $DisplayFunction, t, 0, 15 OnGeneral "spell1" In[290]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinatesSphericalr, Θ, 200 14. 電 磁 波 In[291]:= V Rr TΘ $ LaplacianV k2 Expand V 2 R r CotΘ T Θ Out[291]= k2 r Rr r2 TΘ CscΘ2 # T Θ R r 2 Rr r TΘ r2 # In[292]:= Expandr2 % 2 r R r CotΘ T Θ Out[292]= k2 r2 Rr TΘ 2 2 r Rr T Θ CscΘ # Rr TΘ # In[293]:= DSolvek2 r2 2 r R r r2 R r nn 1, Rr Rr Rr, r BesselJ 12 1 2 n, k r C1 Out[293]= Rr r 1 BesselY 2 1 2 n, k r C2 r In[294]:= tRΘ CotΘ T Θ T Θ nn 1TΘ In[295]:= ?LegendreP LegendreP[n, x] は,x の第 n ルジャンドル多項式を与える.LegendreP[n, m, x] は,同伴ルジャンドル多項式を与える. 詳細 In[296]:= TΘ LegendrePn, CosΘ tRΘ//Simplify Out[296]= n CscΘ 2 1 n LegendreP2 n, CosΘ 1 2 n CosΘ LegendreP1 n, CosΘ n LegendrePn, CosΘ In[297]:= n 1 PlottRΘ, Θ, 0, Π 14.4 610 -16 410 -16 210 -16 -210 -16 -410 -16 -610 -16 0.5 1 微小ダイポールからの放射 1.5 2 2.5 3 In[298]:= V Simplify Π ! 2kr 1 1 BesselJ , k r ! BesselY , k r 2 2 SimplifyLaplacianV k 2 V 1 Cosk r Sink r kr Out[298]= kr Out[298]= 0 In[299]:= Ar , Θ A 0 V CosΘ, SinΘ, 0 h CurlAr, Θ//Simplify e Curlh//Simplify 1 1 3/2 1 k r k Out[299]= 0, 0, kr kr Cosk r Sink r SinΘ A 0 1 1 2 Out[299]= 2 k r k r r kr CosΘ Cosk r Sink r A 0 , 1 1 2 1 k r k2 r2 kr r kr Cosk r Sink r SinΘ A 0 , 0 201 202 14. 電 磁 14.4 波 微小ダイポールからの放射 In[300]:= rx , y x2 y2 TableContourPlot Abs Cos t24Π rx, y 2 Sin t24Π rx,y rx,y x2 rx, y x, 2 Π, 2 Π, y, 2 Π, 2 Π, AspectRatio Automatic, ContourShading False, Frame False, PlotPoints 90, t, 0, 23 14.5 14.5.1 , ダイポールアンテナの立体指向性 半波長ダイポールアンテナ 14.5 ダイポールアンテナの立体指向性 Cos 12 Π Cost Max0.001, Sint g1 ParametricPlot3D ft Sint Cosp, ft Sint Sinp, ft Cost, t, 0, Π, p, 0, Π, PlotPoints 37, 37, Boxed False, Axes False In[301]:= ft In[302]:= << MyPackages‘LiveGraphics3D‘ WriteLiveForm"x.g3d", g1 14.5.2 3/2 波長ダイポールアンテナ Abs Cos 32 Π Cost Max0.001, Sint g2 ParametricPlot3D ft Sint Cosp, ft Sint Sinp, ft Cost, t, 0, Π, p, 0, Π, PlotPoints 73, 19, Boxed False, Axes False In[303]:= ft 203 204 14. 電 磁 波 In[304]:= << MyPackages‘LiveGraphics3D‘ WriteLiveForm"x.g3d", g2 In[305]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCartesianx, y, z Jx , y , t J0 CosΑ x CosΒ y CosΩ t, 0, 0 Simplify DSolveDivJx, y, t t Ρx, y, t 0, Ρx, y, t, t Out[305]= Ρx, y, t Α Cosy Β Sinx Α Sint Ω J 0 C1 Ω In[306]:= << "Calculus‘VectorAnalysis‘" SetCoordinatesCartesianx, y, z k k1, k2, k3 r x, y, z fx , y , z , t ! Ω t k.r SimplifyGradV 0 fx, y, z, t ! k V0 fx, y, z, t Out[306]= 0, 0, 0 In[307]:= A0 A1 , A2 , A3 SimplifyDivA 0 fx, y, z, t DotProduct! k, A 0 fx, y, z, t 14.5 ダイポールアンテナの立体指向性 Out[307]= 0 In[308]:= CurlA 0 fx, y, z, t CrossProduct! k, A 0 fx, y, z, t Out[308]= 0, 0, 0 In[309]:= << Calculus‘VectorAnalysis‘ SetCoordinates CylindricalΡ, , z Out[309]= CylindricalΡ, , z In[310]:= VΡ , , z RΡ P Zz Expand LaplacianVΡ, , z k2 VΡ, , z R Ρ R Ρ Z z P Out[310]= k2 2 Ρ RΡ Ρ P RΡ Zz Z z h2 Zz R Ρ R Ρ P Out[311]= h2 2 Ρ RΡ Ρ P RΡ In[311]:= %/.k2 In[312]:= % Ρ2 //Expand Ρ R Ρ P Ρ2 R Ρ Out[312]= h2 Ρ2 RΡ P RΡ P n2 P Ρ R Ρ Ρ2 R Ρ Out[313]= n2 h2 Ρ2 RΡ RΡ In[313]:= %/. % RΡ Ρ2 2 n RΡ R Ρ R Ρ Out[314]= h2 RΡ Ρ Ρ2 In[314]:= Expand In[315]:= DSolve n2 RΡ R Ρ Ρ Ρ2 R Ρ 0, RΡ, Ρ h2 RΡ Out[315]= RΡ BesselJn, h Ρ C1 BesselYn, h Ρ C2 205 A15 15.1 15.1.1 axes.m 準 MyPackages 備 15.1 MyPackages 207 BeginPackage["MyPackages‘axes‘"] coord::usage = "coord[{xmini,xmax},{ymin,ymax},{zmin,zmax},xyzaxes] は座標軸の範囲、{xmin,xmax},{ymin,ymax},{zmin,zmax} を 入力とし、直角座標の座標軸と座標軸ラベル、及び原点 O を三次元グラフィックスオブジェクトとして含むリスト xyzaxes を出力として与える" Begin["‘Private‘"] protected = Unprotect[Graphics3D] coord[{xmin_,xmax_},{ymin_, ymax_},{zmin_, zmax_},axes_] := Module[{d,x1,x2,y1,y2,z1,z2,xx,yy,zz,oo}, d = Min[xmax, ymax, zmax]; x1 = Line[{{xmin, 0, 0}, {xmax, 0, 0}, {xmax - 0.08*d, 0.016*d, 0}}]; x2 = Line[{{xmax, 0, 0}, {xmax - 0.08*d, -0.016*d, 0}}]; y1 = Line[{{0, ymin, 0}, {0, ymax, 0}, {0.016*d, ymax - 0.08*d, 0}}]; y2 = Line[{{0, ymax, 0}, {-0.016*d, ymax - 0.08*d, 0}}]; z1 = Line[{{0, 0, zmin}, {0, 0, zmax}, {0.016*d, 0, zmax - 0.08*d}}]; z2 = Line[{{0, 0, zmax}, {-0.016*d, 0, zmax - 0.08*d}}]; xx = Text["x", {xmax+0.08*d, 0, 0}]; yy = Text["y", {0, ymax+0.08*d, 0}]; zz = Text["z", {0, 0, zmax+0.08*d}]; oo = Text["O", {-0.08, -0.08, -0.08}]; axes=Graphics3D[{x1, x2, y1, y2, z1, z2,xx,yy,zz,oo}]; ] Protect[ Evaluate[protected] ] End[] EndPackage[] 208 15.1.2 15. 準 備 lof.m lof::usage ="lof[{fx,fy},ps,pe, {xmin,xmax},{ymin,ymax},d,iter,graph] はベクトル{fx,fy}の力線を、リスト ps の点群を始点とし、 リスト pe の点群{{xe,ye}}を終点として、(xmin,xmax)x(ymin,ymax) の方形領域内に描く。領域内に終点があるときは終点座標を正しく 指定しておく。領域内に 終点がない場合には範囲外の任意の一点の 座標をリストとして書 いておく。リスト ps と pe はネストの深さが 2 であるので, 一点のみを指定するときには注意を要する. ベクトル関数の引数は関数記号(ヘッド)であり、予 め x と y による定義式を書いておく。パラメータ d は力線を近似す る折れ線の線分の長さ、iter は折れ線数の上限値である。 プロットのオプション PlotJoined -> True 、AspectRatio -> Automatic と DisplayFunction->Identity が設定されている。 graph は返すグラフィック オブジェクトである。 呼び出した後、関数 Show により表示させる。" lof[{fx_,fy_},ps_,pe_,{xl_,xr_},{yd_,yu_},d_,iter_,graph_]:= Module[{xx,yy,x0,y0,x1,y1,a,ampe,ex0,ey0,ex1,ey1, it,k,j,gi,eif,ejf,ns,ne,xj,yj}, gr={};ns=Length[ps];ne=Length[pe];opts={PlotJoined->True, AspectRatio->Automatic,DisplayFunction->Identity}; Do[xs=ps[[k,1]];ys=ps[[k,2]];a={{xs, ys}};x0=xs;y0=ys; xx=x0+d;yy=y0;it=0;eif=1; While[(xx-xs)ˆ2+(yy-ys)ˆ2>=0.9*dˆ2 && eif>0 && xl-d<=xx<=xr+d && yd-d<=yy<=yu+d && ++it<iter, ex0=fx[x0, y0];ey0=fy[x0, y0];ampe=Sqrt[ex0ˆ2+ey0ˆ2]; x1=x0+(d*ex0)/ampe;y1=y0+(d*ey0)/ampe;ex1=fx[x1,y1]; ey1=fy[x1, y1];ampe=Sqrt[(ex0+ex1)ˆ2+(ey0+ey1)ˆ2]; xx=x0+(d*(ex0+ex1))/ampe;yy=y0+(d*(ey0+ey1))/ampe; AppendTo[a, {xx, yy}]; x0 = xx; y0 = yy; Do[xj=pe[[j,1]];yj=pe[[j,2]];ejf= If[(xx-xj)ˆ2+(yy-yj)ˆ2>1.5*dˆ2, 1, 0]; eif=eif*ejf,{j,1,ne}];]; If[(xx-xs)ˆ2+(yy-ys)ˆ2<dˆ2,AppendTo[a,{xs, ys}]]; gi=ListPlot[a,opts];AppendTo[gr,gi];Clear[gi],{k,1,ns}]; graph=gr ] 15.1 15.1.3 MyPackages 209 lof3D.m BeginPackage["MyPackages‘lof3D‘","Graphics‘Graphics3D‘"] lof3D::usage = "lof3D[{fx,fy,fz},ps,pe, {xmin,xmax},{ymax,ymin},{zmax,zmin},d,iter,g3d] はベクトル{fx,fy,fz}の力線を、リスト ps の点群を始点とし、 リスト pe の点群を終点として,(xmin,xmax)x(ymin,ymax)x(zmin,zmax) の直方体領域内に描く.領域内に終点があるときは終点座標をすべて 正しく指定しておく。領域内に終点がない場合には領域外の任意の一点 の座標をリストとして書いておく。リスト ps と pe のネストの深さは 2 であるので,一点のみを指定するときは注意を要する. ベクトル関数の引数は関数記号(ヘッド)であり、予め x,y,z による 定義式を書いておく。パラメータ d は力線を近似する折れ線の線分の 長さ、iter は折れ線数の上限値である。 g3d は返すグラフィクスオブジェクトである。Show 関数により描画する。" 210 15. 準 備 lof3D[{fx_,fy_,fz_},pstart_,pend_, {xmin_,xmax_},{ymin_,ymax_},{zmin_,zmax_}, d_,iter_,g3d_]:= Module[{gr,ns,ne,opts,k,xs,ys,zs,pnts,x0,y0,z0,x1,y1,z1, xx,yy,zz,it,eif,ex0,ey0,ez0,ampe,ex1,ey1,ez1,j, xj,yj,zj,ejf,gk}, gr={};ns=Length[pstart];ne=Length[pend]; opts={PlotJoined->True,PlotStyle->Thickness[0.005], AspectRatio->Automatic,Boxed->False,Axes->False, DisplayFunction->Identity}; Do[xs=pstart[[k,1]];ys=pstart[[k,2]];zs=pstart[[k,3]]; pnts={{xs,ys,zs}};x0=xs;y0=ys;z0=zs;xx=x0+d;yy=y0;zz=z0; it=0;eif=1; While[(xx-xs)ˆ2+(yy-ys)ˆ2+(zz-zs)ˆ2>=0.9*dˆ2 && eif>0 && xmin-d<=xx<=xmax+d && ymin-d<=yy<=ymax+d && zmin-d<=zz<=zmax+d && ++it<iter, ex0=fx[x0, y0,z0];ey0=fy[x0, y0,z0];ez0=fz[x0,y0,z0]; ampe=Sqrt[ex0ˆ2+ey0ˆ2+ez0ˆ2]; x1=x0+(d*ex0)/ampe;y1=y0+(d*ey0)/ampe;z1=z0+(d*ez0)/ampe; ex1=fx[x1,y1,z1];ey1=fy[x1, y1,z1];ez1=fz[x1,y1,z1]; ampe=Sqrt[(ex0+ex1)ˆ2+(ey0+ey1)ˆ2+(ez0+ez1)ˆ2]; xx=x0+(d*(ex0+ex1))/ampe;yy=y0+(d*(ey0+ey1))/ampe; zz=z0+(d*(ez0+ez1))/ampe; AppendTo[pnts,{xx,yy,zz}];x0=xx;y0=yy;z0=zz; Do[xj=pend[[j,1]];yj=pend[[j,2]];zj=pend[[j,3]]; ejf=If[(xx-xj)ˆ2+(yy-yj)ˆ2+(zz-zj)ˆ2>1.5*dˆ2, 1, 0]; eif=eif*ejf,{j,ne}]; ]; gk=ScatterPlot3D[pnts,opts]; AppendTo[gr,gk];Clear[gk], {k,1,ns}];g3d=gr ] EndPackage[ ] 15.2 15.2 15.2.1 必 要 な ファイ ル 必要なファイル vt12.dat {{0., 0., 1.1756}, {1.0515, 0., 0.5257}, {0.3249, 1., 0.5257}, {-0.8507, 0.618, 0.5257}, {-0.8507, -0.618, 0.5257}, {0.3249, -1., 0.5257}, {0.8507, 0.618, -0.5257}, {-0.3249, 1., -0.5257}, {-1.0515, 0., -0.5257}, {-0.3249, -1., -0.5257}, {0.8507, -0.618, -0.5257}, {0., 0., -1.1756}} 15.2.2 vt20.dat {{0.5257, 0.382, 0.8507}, {-0.2008, 0.618, 0.8507}, {-0.6498, 0., 0.8507}, {-0.2008, -0.618, 0.8507}, {0.5257, -0.382, 0.8507}, {0.8507, 0.618, 0.2008}, {-0.3249, 1., 0.2008}, {-1.0515, 0., 0.2008}, {-0.3249, -1., 0.2008}, {0.8507, -0.618, 0.2008}, {0.3249, 1., -0.2008}, {-0.8507, 0.618, -0.2008}, {-0.8507, -0.618, -0.2008}, {0.3249, -1., -0.2008}, {1.0515, 0., -0.2008}, {0.2008, 0.618, -0.8507}, {-0.5257, 0.382, -0.8507}, {-0.5257, -0.382, -0.8507}, {0.2008, -0.618, -0.8507}, {0.6498, 0., -0.8507}} 211 212 15. 15.3 準 備 LiveGraphics3D 用 HTML ファイル <HTML> <APPLET ARCHIVE="live.jar" CODE="Live.class" WIDTH=600 HEIGHT=600 ALIGN=ABSMIDDLE> <PARAM NAME=BGCOLOR VALUE=#FFFFFF> <PARAM NAME=MAGNIFICATION VALUE=1.> <PARAM NAME=INPUT_FILE VALUE= "x.g3d"> </APPLET> </HTML>