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メキシコベリーズ
México Newsletter 在日メキシコ大使館刊行物 創刊 9 年目 117 号 2013 年 12月- 2014 年 1月 イントロダクション メキシコは、いま変身プ ロセスの中にある国で す。México Newsletter今 号(No.117)では、連邦議 会で可決されたばかりの 重要法案3件を中心にご 報告させていただきま す。これらの憲法改正法 案は、民主的政治環境の 中で存在する様々な主義 主張の相違を超えて、メ キシコのさらなる発展強 化に資する諸改革を実施 するという命題の下に、 あらゆる政治勢力の意志 が統一された証(あかし) です。他のニュースも同 じニュアンスが含まれて います。文化芸術特別プ ログラムの記事も同様で す。CONACULTA(国立 文化芸術審議会)創設25 周年祝賀式典で、同プロ グラムの重点項目が強調 されました。21世紀の文 化大国たる地位の確立を めざして、人材及びイン フラの増強が実施されま す。 メキシコは、国内の構造 改革に加えて、国際社会 での大活躍をめざしてい ます。グローバルな責務 を担っての貢献をめざす 中で、政治経済の分野で 最も重要性な国際会議の 数々に積極手な参画を続 けています。毎年スイス のダボスで開催される WEF(世界経済フォーラ ム)の本年会期中にペ ニャ・ニエト大統領がお こなった講演は特筆に値 します。ジュネーブで催 された「シリア情勢に関 する第2回国際会議(ジュ ネーブ2)」、「世界健康 安全保障イニシアティ ブ(GHSI)」第14回閣僚 会合、「国連安全保障 理事会改革に関する準 閣僚会合」への出席の 報告が続きます。最後 に、プエルト・バジャ ルタで開催された APPF(アジア太平洋議 員フォーラム)第22回 会合、アリアンサ・デ ル・パシフィコ(太平 洋同盟)閣僚グループ のメキシコ訪問、第12 回全国観光会議/ムン ド・マヤ・フォーラム 2014などの成果も紹介 します。 こうした世界の檜舞台 におけるメキシコの活 躍は高い評価を受けて いますが、今回はその 一例として、メキシコ 最高裁判所の国連人権 賞受賞とウリセス・サ ンチェスの日本造幣局 主催国際コイン・デザ イン・コンペティショ ン2013一般部門最優秀 賞受賞をとりあげま す。後半では、教育や 科学技術の分野におけ る協力事例、文化芸術 のイベント予告などを 取り揃えました。 イントロダクション 1 CONACULTA 創設 25 周年 祝賀式典 2 エネルギー改革法の公布 2 財政改革法の公布 3 3 政治制度/選挙制度改革法 の公布 世界経済フォーラムに出席 したペニャ・ニエト大統領 4 「ジュネーブ 2(シリア情勢 に関する第 2 回国際会 議)」への参加 4 第 14 回世界健康安全保障 イニシアティブ閣僚級会合 に参加 5 太平洋同盟加盟国外相がメ キシコを訪問 5 国連安保理改革に関する副 大臣会合 6 APPF 第 22 回総会、プエル ト・バジャルタで開催 6 メキシコ最高裁、国連人権 賞受賞 7 墨日経済関係 7 ヘレル大使がマツダ・デ・ メヒコの社長と会談 8 ヘレル大使がミツイ・デ・ メヒコの社長と会談 8 ジェイテクト社幹部との懇 談 8 セミナー「メキシコの製造 業」 9 第 7 回観光フォーラム/ム ンド・マヤ フォーラム 2014 9 JICA-Conacyt 研修計画の募 10 集説明会 メキシコ人学生、日本でロ 10 ボットコンクールに参加 造幣局国際コイン・デザイ 11 ン・コンペティション 2013 文化活動 11 2 México Newsletter CONACULTA創設25周年祝賀式典:「文化芸術特別プログラム」の 1月17日、CONACULTA(国立文 化芸術審議会)の創立25周年祝 賀式典が挙行され、エンリケ・ ペニャ・ニエト大統領が開会の 辞を述べた。大統領は、多元性 とデモクラシーを柱とする社会 にふさわしい文化政策を推進する との公約を強調した。また、既に 存在するメキシコの偉大なる人的 資本と物的資本を積極的に活用し つつ、その拡充をはかり、21世紀 の文化大国をめざすと発表した。 メキシコがおこなう創造的 表現や知的生産の活動に対 する国民全員のアクセスを 確保する趣旨で策定した 「文化芸術特別プログラム (2013-2018)」の 重 点 5 項 目 を再確認した。 「文化活動全般に平等・全 員 参 加 の 原 理 を 適 用」、 「文化遺産・インフラの集 中的な保全と活用」、「国 民全般の文化に対するアク セスの達成とデジタル・メ ディアの利用」、「創造の 奨励、生産的な文化の発展 促進」、「メキシコと世界 の間でおこなわれる文化の 交流と対話の拡大」 エネルギー改革法の公布 12月 20 日、同法を公布する政 令に署名を終えたエンリケ・ ペ ニ ャ・ニ エ ト 大 統 領 は、次 のように述べた。メキシコが 国民すべてに資する自己改革 を推進しているという明白な サインが、このエネルギー改 革法で示された。PEMEX(メキ シコ石油公社)、CFE(連邦電力 委員会)、炭化水素資源、石油 収入に対する国家の財産権を 維持しつつ、国にあらたな発 展の機会をもたらす改革だと 断 言 し た。PEMEX とCFE の 強 化と近代化が実行され、生産 的で効率的な機構となり、国 民全員に恩恵をもららす使命 を履行するに必要な能力と柔 軟性を備えた国営企業への変 身を実現する、と結んだ。 エネルギー部門の門戸を投資、テクノロジー、競争に向けて開 放した今回の憲法改正が、国内消費エネルギーのコスト削減を もたらし、メキシコの主権が強化され、そのエネルギー安全保 障が向上する、との結論を示した。 3 創刊 9 年目 117 号 財政改革法の公布 大統領は、2014年以降、 メキシコの財政システム で基盤強化が実現し、信 用供与が成長の原動力に なると強調した。財政制 度の改革と金融グループ への規制を内容とする法 律の公布令に署名した大 統領は、今回の改革が資 金貸付けの拡大を生み、 経済成長にポジティブな インパクトをもたらすと 断言した。 今回の議案審議で当初案 を上回る内容の改革が承 認されたことで、四つの 基本目標が確立された。 すなわち、「複数の戦略 的部門に機会拡大をもた らす開発金融を推進」、 「民間金融機関がより低 利の資金提供を増やす環 境を保証する法律の整 備」、「競争を促進する 法制を介した競争力の向 上」、「金融部門の基盤 強化」である。 政治制度/選挙制度改革法の公布 1月31におこなわれた「政治制度 選挙制度改革法公布式典」におい て、この改革によって各種選挙へ の信頼が高まり、結果発表の透明 性と国家を治める三権間のバラン スが確立され、国に必要な変身を 断行する 権限 を国家 に託すこと で、メキシコのデモクラシーが強 化される、と大統領が述べた。 特筆に値する事柄を以下に列挙す る。 連立政権 創設 の可能 性を規定し た。それが実施された場合には、 ほぼすべての閣僚の任命が上院の 承認を得ることが義務化された。 その選択肢をとらぬ場合には、外 相のみの任命が上院の、蔵相のみ の任命が下院の承認を得ねばなら ない。また、各政党には、上院、 下院それぞれへの候補者数配分に男女平等を義務づけた。連続 再選を可能とするが、上限を12年間とした。Instituto Nacional Electoral( 全 国 選 挙 庁 ) を 創 設 す る が、現 行 の Instituto Federal Electoral’(連邦選挙庁)の権能を保持する。Procuraduría General de la República (PGR:連邦検察庁)の名称をFiscalía Nacional de la República(FNR)に改変する。FNRとCNEPDS(国立社会開発政策 評価審議会)の自治権を設定する。 4 México Newsletter 世界経済フォーラムに出席したペニャ・ニエト大統領 スイスのダボス市で毎年開催されるWEF(世界経 済 フ ォ ー ラ ム ) の 2014 年 会 期 中、1 月 23 日、ペ ニャ・ニエト大統領が「メキシコの変身:社会 と政治と経済」と題する講演をおこなった。 「メキシコは、21世紀が与える様々な課題に対 処する態勢、全国民の生活環境向上と雇用創出 をもたらす経済社会の発展を 達成する態勢を整えつ つあ る。」と述べた。 ◆ その文脈にそって、大統領は 現在のメキシコが備える特徴 を10項目に要約した。 ◆ 法治国家体制の確立 ◆ 民主主義国家 ◆ ラテンアメリカ第2 位、 世界第14位の経済規模 ◆ マクロ経済の大きな安定 性と健全な財政体質 ◆ 国内市場の門戸を世界に 開き、自由貿易を推進す る国 ◆ きわめて若い国:生産的 な労働力を持ち、経済成 長の潜在力を保持する国 ◆ ◆ ◆ 自 動 車、電 子、航 空 宇宙産業等のハイテ ク利用先進的製造業 を擁する主導的な国 グローバルな生産と 貿易に不可欠な戦略 的 地 点 で、北 米 及 び 中南米への扉(経由 地) 広大な領土を有する 国 一大変身プロセスに ある国 この講演会は、WEFの創設 者 会長の クラ ウス・シュ ワ ブ氏が 司会 を務 め、世 界各国の政財界トップが 聴衆席に顔を揃えた。 「ジュネーブ2(シリア情勢に関する第2回国際会議)」への参加 ホセ・アントニオ・ミード・クリブレーニャ外 相(対外関係大臣)が、スイスのモントルー市で 開催された同会議のハイレベル会合に参加し た。シリア紛争の当事者に加えて、世界からは 39カ国代表が出席した。2012年6月30日に採択 された「ジュネーブ1」最終コミュニケの全面 実施達成をめざす交渉プロセスを主導すること がこの会議の趣旨であった。同コミュニケは、 シリア暫定統治機関の設定に向けたルート・ マップを描いている。 ミード外相は、そのプレゼンテーションの中 で、この会合への参加を促す国連事務総長の招 きを受けたメキシコの関心は、国際法が機能す る新たな世界秩序構築への貢献をめざす中で、 紛争当事者間の対話を支援することであった、 と 述 べ た。そ の 意味に お い て、「ジ ュ ネー ブ 1」最終コミュニケの実施にめどがたった時点 で、メキシコは、シリアにおける民主的且つ多 元的体制の構築努力が始まる中で必要とされる テクニカル・アドバイザリーを提供する用意があ る、と強調した。 メキシコは常に、シリアにおける交渉を介した平和 的解決の必要性を繰り返し主張し、大量の人権蹂躙 を非難し、一般住民に対する化学兵器使用を否認し ている。 5 創刊 9 年目 117 号 第14回世界健康安全保障イニシアティブ閣僚級会合に参加 メルセデス・フアン保健 大臣は、G7とメキシコが 構成する世界健康安全保 障 イ ニ シ ア テ ィ ブ (Global Health Security Initiative:GHSI)の第14 回閣僚級会合に出席し た。同大臣は、パンデ ミック・ポテンシャルを 持つ疾病が発生した場合 の対処準備を強化するメ キシコのコミットメント を重ねて表明した。衛生 上のグローバルな脅威の 勃発に対応すべく同イニシ アティブを共有する各国が 連 携 す る 重 要 性を 強 調し た。 同 イ ニ シ ア テ ィブ の 活動 は、2001年11月に生物・化 学兵器や核・放射線源によ る汚染、広域流行病などの 発生に対する準備や対応能 力について検証することを 主 な 目 的 と し て始 め られ た。 太平洋同盟加盟国外相がメキシコを訪問 アルフレド・モレノ・チャルメ(チリ)、マリア・ア ンヘラ・オルギン・クエジャール(コロンビア)、エ ダ・リバス・フランチーニ(ペルー)、ホセ・アント ニオ・ミード(メキシコ)ら四カ国外相は、2014年2 月にコロンビアのカルタヘナ・デ・インディアスで開 催が予定されるサミット会合の準備状況を点検するべ く、メキシコで会合を催した。 さらに、これら四カ国外相は、太平洋同盟域内の 自由な人的移動や協力活動、アジアや第三諸国と の連携、インフラ開発や中小企業支援 などの新しいテーマや将来的な課題も 検 討 し た。ア リ ア ン サ・デ ル・パ シ フィコ(太平洋同盟)は、2011年に加盟 国間の経済統合を促進する目的で創設 された。深くて開かれた包摂的な統合 のスキームであり、ラテンアメリカ全 体の貿易総額の50%を占め、域内GDP の35%に相当する。 6 México Newsletter 国連安保理改革に関する副大臣会合 ホセ・アントニオ・ミード・クリブレー ニャ外相は、1月16日、ハリスコ州プエル トバジャルタで開催された「国連安保理 改革に関するUfC(Uniting for Consensus:コ ン セ ン サ ス 連 合、ス ペイン語略称はMUC) 加盟国副大臣級会合 で、開 会 の 辞 を 述 べ た。そ の 中 で、同 外 相 は、コ ン セ ン サ ス 連 合 の メ ン バ ー に、 安全保障理事会が高 い代表性と透明性を 備 え た 効 率 的 で、国 連全加盟国に説明責 任を果たす機関への 変身をもたらす総合 的且つ現実的な改革の 実 施に 向 けて、連 携作 業を継続するように訴 えた。 開 会式 を 通 じて、参加 各 国か ら は、可 能 な限 り広範囲な一般的合意 を達成する妥協案の交 渉に扉を開いた柔軟な グループとして活動を 継続する旨の決意が重 ねて表明された。 APPF第22回総会、プエルト・バジャルタで開催 由 化 支 援 を 目 的 と し て い る。27 カ 国 が 加 盟 す る 同 フォーラムには、日本からは中曽根弘文参議院議員を 団長とする代表団が出席した。 開催期間中に、ミード外相と中曽根団長は会談を行 い、二国間関係の主要テーマを協議した。 メキシコは、1993年の創設時から同フォーラムに参加 しており、1995年にアカプルコで開催された第3回年次 会合の主催国を務めた。 1月12日から16日まで、プエルト・バ ジャルタで第22回APPF(アジア太平 洋議員フォーラム)が開催された。閉 会式の挨拶に立ったミード外相は、 加盟国間の協力促進と同地域の平 和・安定・繁栄に貢献をめざすメキ シコの決意を再確認した。APPFはア ジア太平洋地域における最も重要な 議員外交フォーラムであり、地域の 平和、民主主義、自由、繁栄を介し て実現する国際協力の推進、非軍事 的協力の強化、貿易と外国投資の自 7 創刊 9 年目 117 号 メキシコ最高裁、国連人権賞受賞 メキシコ最高裁判所は、国連総 会が1966年に創設し5年毎に人権 擁護に貢献した個人団体を顕彰 す る「国 連 人 権 賞」を、今 回 受 賞 し た。同 賞 の 授 与 は、2013 年 12 月 10 日 ( 世 界 人 権 宣 言 の 記 念 日)に、ニューヨークの国連 総会本会議において潘基文 国連事務総長がおこなっ た。 過去の同賞受賞者リストに は、エレノ ア・ル ーズベル ト、ネ ル ソ ン・マ ン デ ラ、マ ー テ ィ ン・ル ー サー・キング・Jr. の各氏 が名を連ねている。メキ シコ関係者では、弁護士 で上院議員、最高裁判事 を 務 め た マ リ ア・ラ バ ジェ・ウルビーナ女史が 1973年に受賞している。 過去数年にわたりメキシ コ最高裁の下した一連の 判決は、国際人権法と国 内法の規定融合をめざす メキシコ国家の決定的な 一歩を象徴している。 墨日経済関係 2013年1月~11月期の 二国間EPA(経済連携協定)の発効後8年間で、メキシコの対日輸 墨日貿易総額は196億 出額は69.2%、日本の対墨輸出額は34.4%の増大を記録してい ド ル に の ぼっ た。メ る。 キシコの対日輸出額 は39億180万ドル。日 本からの輸入額は157 億 6700 万 ド ル。メ キ シコの対日主要輸出 産 品 は、農 産 品、自 動 車 部 品、機 械、電 子 部 品、光 学 機 器、 化 学 品、原 材 料 等。 一 方、日 本 か らの主 要な対墨輸出製品 は、自 動 車 部 品、自 動 車、精 密 器 具、精 密 ツ ー ル、電 子パネ ル等。 8 México Newsletter ヘレル大使がマツダ・デ・メヒコの社長と会談 1月31日、クロ ド・ヘレル駐日 メキシコ大使 は、江川恵司マ ツダモトールマ ヌファクトゥリ ングデメヒコ S.A. de C.V. 社長 と小川潔中南米 事業準備室室長 の表敬訪問を受 けた。会談中、 江川社長は同月6 日、サラマンカ 工場でセダン Mazda 3の量産を 開始し、今年3月 末には毎時40 台、10月には第2 モデル(Mazda 2) の導入で毎時140 台まで生産を拡 大する予定だと 報告した。ま た、来年までに 年間生産台数を 最大で20万台の 水準に引上げる 見通しを述べ た。同工場の開 所式は2月27日 (木)に実施の 予定。 ヘレル大使がミツイ・デ・メヒコの社長と会談 12月13日、ヘレル大使は、 石松 康司メキシコ三井物 産社長、森やすのり経営企 画部海外室長及び山田武志 次長と会談した。石松社長 は、ペニャ・ニエト大統領 訪日の期間中、2013年4月9 ルギー改革の進展に大 日に三井物産がPEMEXと調 きな関心があり注目し 印した「覚書(天然ガス等エ ていると述べた。 ネルギー関連事業での協調 協議に関する合意)」に言及 し、同社がメキシコのエネ ジェイテクト社幹部との懇談 12月20日、株式会社ジェイ テクトの新美篤志取締役会 長と立原聡経営企画部自動 車部品事業本部理事は、ヘ レル大使と面談し、サン・ ルイス・ポトシでの子会社 設立に関わる大使館の支援へ の 謝 意 を 表 し た。同 社 は、 JTEKT Automotive México S.A. de C.V.(ジェイテクト・ オートモーティブ・メヒコ) の社名で、北米市場の増大す る需要に対応するべ く、自 動 車 部 品 の 生 産 及び販売に従事する。 9 創刊 9 年目 117 号 セミナー「メキシコの製造業」 12月2日、在日メ キシコ大使館にお い て 、 商 務 部 PROMEXICO主催 の投資セミナー 「メキシコの製造 業-今後の展望、 ビジネスチャン ス、ジョイントベ ンチャー、コスト モデル」が開催さ れた。クロド・ヘ レル大使は開会の 辞で、「メキシコ は、世界的レベル で最高の投資先で ある。その証左は 2013年初頭からの 9月間に280億ドル 以上の外資を獲得 した実績であり、 前年同期比116% 増に相当する。」 と述べた。このう ちの11億ドル強が 日本企業からの投 資であり、2013年 の数値によれば、 日本は第四位の直 接投資国であっ た。 第7回観光フォーラム/ムンド・マヤ フォーラム2014 ムンド・マヤは、米州大陸 では最も野心的な観光プロ ジェクトであり、ユカタン 州メリダで2014年2月23日~ 25日の三日間開催される第7 回観光フォーラム/ムンド・ マ ヤ フ ォ ー ラ ム 2014 で 検 証・議論の中核をなすテーマ である。 プ ロ ジ ェ ク ト「ム ン ド・マ ヤ」には、メキシコ国内でマ ヤ文明の勢力範囲に属した5 州(チアパス、タバスコ、カ ンペチェ、キンタナ・ロー、 ユカタン)が参加して、1980 年代に創設された。その後、 同プロジェクトは、マヤ文明 関連五カ国(グアテマラ、エ ル サ ル バ ド ル、ホ ン ド ゥ ラ ス、ベリーズ、メキシコ)の 参加による「ムンド・マヤ機 構」となり、複数の国家が関 わるプロジェクトに変貌を遂 げた。 同機構は、魅力的な観光地としての ム ン ド・マ ヤ を 紹 介 す る プ ロ モ ー ション活動を実施してており、プロ ジェクトは20年間にわたり高い成長 力を維持しつつ、訪問者数及び観光 インフラの量質両面の整備という点 で重要な発展を遂げてきた。 10 México Newsletter JICA-Conacyt 研修計画の募集説明会 1月17日 メキシコ大使館にお いて、日本政府外務省との共 催で、「日墨戦略的グローバ ルパートナーシップ研修計画 (JICA-CONACYT)」の募集説 明会が開催された。同説明会 には国内各地の大学や日系企 業から約50名が参加した。当 日のセッションでは、両国の 連携下で長い間存続し成果を あげている稀有な計画である 点 に と ど ま ら ず、各 種 産 業 (自動車、電機・電子、再生 可能エネルギー、製薬、航空 宇宙、農産食品等)への日本 投 資 が 増 大 す る 状況 を 受 け て、重要性が高まりつつある計画だとして、その意義 が紹介された。この計画で渡航する留学生や研修生が 将来の墨日関係強化に貢献することが見込まれ、貴重 な留学機会が提供されている。 メキシコ人学生、日本でロボットコンクールに参加 の参加者数と並びもっとも多く、メキシコ人 チーム二組が準決勝まで勝ち進んだ。 同大会の参加チームは、中学、高校、大学の 学生及び研究者等で構成されている。すべて のメキシコ人参加者は、メキシコ国立工科大 学(IPN)によって今年メキシコで創設された メキシコ・ロボティカ国際カップとアメリカ で開かれたInternational Robot Gamesの優勝者 たちであった。 メキシコ国立工科大学(IPN)、バジェデメヒコ大学 ロ ー マ ス・ベ ル デ ス 校、モ ン テ レ イ 工 科 大 学 (ITESM)グアナフアト州レオン校に所属する計18人 のメキシコ人学生が、2013年12月15日に東京両国国技 館で実施された「全日本ロボット相撲大会」に参加し た。メ キ シコ か ら 参加 し た 代 表 者は、日本、ブ ラ ジ ル、リトアニア、トルコ、エストニア、モンゴルから 11 創刊 9 年目 117 号 造幣局国際コイン・デザイン・コンペティション2013 1月15日、 造幣局(Japan Mint) は、国際コイン・デザイン・コ ンペティション2013の入賞者を 発表した。一般部門では、メキ シコ人のウリセス・フェリペ・ デ・へスス・サンチェスがマヤ 文化をモチーフにしたデザイン で 最 優 秀 賞(Most Excellent Work)を 受 賞。コ イ ン の 表 は チ チ ェ ン・イ ツ ァ 遺 跡 の ピ ラ ミッド、裏にはマヤ人の球技が 描かれている。同部門では16ヶ 国から78名が参加した。授賞式 は5月に実施の予定。 ホセ・アダン・ペレスによるニューイヤー コンサート 1月4日、ホセ・アダン・ペレス(バリト ン)と森川実千代(ピアノ)によるニュー イヤーコンサート2014が、東京目黒区 のパーシモン・ホールで行なわれた。 同リサイタルは、2011年の東日本大震 災において被災した福島の子どもたち のためのチャリティーコンサートであ る。グラナダ(アグスティン・ララ作 曲)、ベサメ・ムーチョ(コンスエロ・ ベラスケス作曲)等が演奏された。 黒沼ユリ子 ラファエル・ゲーラ リサイタル 1月17日、紀尾井ホールにお いて、天皇皇后両陛下をお迎 えしてヴァイオリニスト 黒 沼ユリ子とピアニスト ラ ファエル・ゲーラのリサイタ ルが行なわれた。メキシコ大 使と夫人も同席。演奏された 曲目は、マヌエル・M・ポン セ「二重奏ソナタ」ほかであ る。今年は、黒沼氏が音楽活 動を始めて60年目となる。幼 少からヴァイオリンを学び、 1956年に日本音楽コンクール 第1位を受賞した。プラハで 学んだ後はメキシコシティに 活 動 の 場 を 移 し、ア カ デ ミ ア・ユ リ コ・ク ロ ヌ マ を 開 校、優れた演奏家を生み出し てきた。 特別展「独立と革命:メキシコ現代版画展」 1月4日から3月30日まで、メキシコ史 上の重要な出来事へのオマージュと して特別展「独立と革命:メキシコ 現代版画展」が名古屋市美術館にて 開催。2010年、メキシコ独立200年と 革命100年を記念し、現代版画の著名 な作家たち(デミアン・フローレ ス、ホセ・カストロ・レニェロ、エ ミリアノ・ヒロネージャ、イル マ・パラシオス、マリサ・ボウ ジョサ、マヌエル・フェルゲレ スほか)の52点を含む100点の 作品が日本に寄贈された。世界 100箇所の名だたる施設で紹介 されてきたこれらの版画は、今 回がアジア初の展示となる。 12 México Newsletter オスカル・グットマン展覧会「夢の色」 1月7日から20日まで、オスカ ル・グットマン展覧会「夢の 色」が福岡市のギャラリー・ タジェールで行なわれた。そ れに先立ち、展覧会は在日メ キシコ大使館エスパシオ・メ ヒカーノにおいても開催され た。グットマンは、メキシコ シティ出身のアーティスト で、彫刻、版画、陶芸等の 分野で活躍している。木と 布に描かれた蠟画法や油彩 の技法を駆使した17点の作 品は、独特の織物のような 幾何学文様をイメージさ せ、見る人に自然の織り成 す有機物の構造を想起させ るものである。 講演会「メキシコ人類学・考古学の最新事情」 新発掘レポート:セルヒオ・ゴメス氏 (メキシコ国立人類学歴史学研究所研究 員)。場所:愛・地球博記念公園 地球市 民交流センター 1/21 メキシコ文化伝統が織りなす32の世 界遺産:杉山三郎特任教授。古代都市テ オティワカンと王墓最新発掘レポート: セルヒオ・ゴメス氏 場所:愛知県立 大学 1月10日から24日まで、「メキシコ人類学・考古学 の最新事情」関連の講演が以下の通り開催された。 1/10 グローバリゼーションとマヤ族: 先祖の石彫 に刻まれた道標:ミゲル・アギレラ准教授(アリゾ ナ州立大学)。イントロダクション:杉山三郎特任 教授(愛知県立大学)。場所:メキシコ大使館 1/14 マヤの十字架: 3千年続くメソアメリカ四分割 の図像:ミゲル・アギレラ准教授 。イントロダク ション:杉山三郎特任教授。場所:愛知県立大学 1/18 メキシコ文化伝統が織りなす32の世界遺産:杉 山三郎特任教授。古代都市テオティワカンと王墓最 1/24 「羽毛の蛇神殿」発掘最新情報とそ の保存問題:セルヒオ・ゴメス氏。イン トロダクション:杉山特任教授。場所: メキシコ大使館 13 創刊 9 年目 117 号 伊藤髙義回顧展 -瀬戸とメキシコへの愛- 2013年11月30日から2014年1月 26日まで瀬戸市美術館で伊藤 髙義回顧展 -瀬戸とメキシコ への 愛- が 開催 さ れた。同展 覧会 では、伊 藤氏 の 60 年以 上 の画家としての人生の中で創作 された、瀬戸やメキシコの生活 や人々を描い た油 彩、水彩、版 画の代表作80点が展示された。 文化掲示板 プロジェクト「Arrotilla」(アロティーヤ:Arroz(コメ)- Tortilla (トルティーヤ)) 支倉使節団訪墨400周年記念事業の一環として写真家・篠原誠二氏による、メキシ コ人と日本人の異文化結婚をしたカップルの写真集出版が企画されている。 Arrotillaとは、両国の主食であるコメとトルティーヤにちなんだ名前であり、同企 画は、自らの家庭の中に文化融合を経験している彼らの姿を後世に遺す目的を有 している。篠原氏はこれまで、「移民一世の肖像」、「日系二世の肖像」、「日 系三世の肖像」という三冊の書籍を出してきた。子どもや孫、近親者と共に被写 体となることも可能である(事前に要確認)。同写真集は、2014年12月に出版予 定。参加費用など詳細:[email protected] (企画責任者:滝本昇氏) メキシコ音楽の祭典(3月28日~30日) 東京オペラシティにおいて二つのメキシコ音楽のコンサートが行なわ れる。主催:東京オペラシティ文化財団、共演:東京フィルハーモ ニー交響楽団 2014年3月28日(19:00~) 出演:フアン・カルロス・ラグーナ、アドリアン・ユストゥス、ニエ ベス・ナバーロ、ゴンサロ・グティエレス 2014年3月30日(14:00~) 出演:アドリアン・ユストゥス、ゴンサロ・グティエレス 曲目:マヌエル・M・ポンセ、マリオ・ルイス・アルメンゴール、カ ルロス・アントニオ・デ・パドゥア・チャベス、シルベストレ・レブ エルタスらの作品 チケットご購入:03-5353-9999 もしくは www.operacity.jp