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目 次
1. シンボルマークについて ·····················································································2
2. 安全上のご注意 ································································································2
3. 仕様・各部の名称 ······························································································3
4. 取り扱い手順·····································································································4
4.1 疲労センサ貼付位置の決定 ·········································································4
4.2 疲労センサ貼付手順 ····················································································6
4.2.1 表面処理·······························································································6
4.2.2 疲労センサの貼付 ·················································································8
4.2.3 貼付後の確認······················································································ 11
4.2.4 防湿処理····························································································· 11
4.2.5 初期スリットの確認 ·············································································· 11
4.2.6 疲労センサの保護 ··············································································· 11
4.3 疲労センサ点検手順 ··················································································· 12
4.3.1 レプリカの採取 ···················································································· 13
4.3.2 き裂長さ測定 ······················································································· 15
5. お問合わせ先·································································································· 15
このたびは疲労センサをお買い上げいただき、まことにありがとうございました。お求めの製品を安全かつ適正
にお使いいただくために、ご使用前に取り扱い手順書をよくお読み下さい。この取り扱い手順書はお手元に大切に
保管して下さい。
2
1. シンボルマークについて
ご使用上の注意事項は
と
、
に区分していますが、それぞれ次
の意味を表します。
:誤った取り扱いをしたときに、使用者が死亡または重傷を負う可能性が想定さ
れる内容のご注意。
:誤った取り扱いをしたときに、使用者が傷害を負う可能性が想定される内容お
よび物的損害のみの発生が想定される内容のご注意。
なお、
に記載した事項でも、状況によっては重大な結果に結び付く
可能性があります。いずれも安全に関する重要な内容を記載していますので、
必ず守って下さい。
:製品および付属品の取り扱い等に関する重要なご注意。
2. 安全上のご注意
・ 引火、火災、けがなどの事故を少なくするために、次に述べる「安全上のご注意」を必ず守っ
て下さい。
・ ご使用前に、この「安全上のご注意」すべてをよくお読みの上、指示に従って正しく使用して
下さい。
・ お読みになった後は、お使いになる方がいつでも見られる所に必ず保管して下さい。
① ご使用前に取扱手順書を必ずよくお読み下さい。
・疲労センサの取り扱い知識が不十分な場合、けがの原因となります。
② 使用状況に応じて保護めがね、防じん・防毒マスク、ヘルメット等の保護具を着用して
下さい。
・けがの原因となります。
③ アセトンは有害です。屋内などの通気の悪い場所で使用しないで下さい。
・通気の悪い場所で使用すると有機溶剤中毒の原因になります。
④ 引火・火災の恐れがあります。
・アセトンは引火性液体のため、通気の良い場所で使用し、タバコを吸ったり、火気を近
づけないで下さい。
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3. 仕様・各部の名称
表 1 疲労センサの仕様
感度
タイプ
ベース箔
サイズ
(mm)
ひずみ範囲 Δε
応力範囲 Δσ
(鋼材の場合)
KFS025F
200×10-6 ~ 1000×10-6
40MPa ~ 200MPa
12.0 × 7.0
KFS040F
120×10-6 ~ 500×10-6
25MPa ~ 100MPa
19.0 × 9.5
スポット溶接部
スリット
センサ箔
ベース箔
図 1 各部の名称
4
4. 取り扱い手順
4.1 疲労センサ貼付位置の決定
疲労寿命評価の対象となる溶接部に対する疲労センサの貼付位置は図 2 に示すフローチ
ャートにしたがって決定します。疲労センサはホットスポット応力*1)の代表位置に貼付するの
が最も信頼性の高い疲労寿命診断となります。
【用語の説明】
*1)ホットスポット応力:疲労損傷が生じる位置に
おける、構造的応力集中を含み、溶接ビードによ
る応力集中を含まない局部応力。
*2)公称応力:はり理論や骨組解析等によって求
められる断面力に基づく応力。
START
溶接継手のホットスポット応力の
*1)
代表位置 を定義できる。
*2)
溶接継手の公称応力 の代表
位置を定義できる(図3 )。
No
一般的なすみ肉溶接継手の場合、
溶接止端から板厚の0.3倍離れた
位置( 0.3t法、図3)とされる。
実構造で応力分布が複雑になると
公称応力を定義するのが困難な場
合がある。
Yes
Yes
No
貼付スペースを確保できる。
貼付スペースを確保できる。
Yes
No
Yes
ホットスポット応力の代表位置へ
貼付する(図3のA部)。
寿命診断の
信頼性
No
公称応力の代表位置へ貼付
する(図3 のB部)。
>
最高
損傷が生じると想定される溶接部に
極力接近して貼付する(図4)。
>
高い
普通
図 2 フローチャート
止端部
疲労センサ
ホットスポット応力位置(A )
付加板
溶接部
疲労センサ
公称応力位置(B)
主板
主板長手方向の応力分布
0.3t
x
負荷
ビードによる応力集中
ホットスポット
応力
0
板厚t
構造的応力集中
公称応力
0.3t
*溶接部から離れた位置が
公称応力位置とは限りません。
溶接止端からの距離 X
図 3 疲労センサ貼付位置(ホットスポット応力位置(A)、公称応力位置(B))
5
想定される損傷
疲労センサ
想定される損傷
疲労センサ
想定される損傷
疲労センサ
*注)想定される損傷のき裂進展方向と
疲労センサのき裂進展方向を一致させる。
図 4 疲労センサの貼付位置(溶接部に接近させて貼付した場合)
また、疲労センサの間違った利用を避けるため、誤った貼付例を図 5 に示します。誤った
使用をすると正しく寿命診断できません。
想定される損傷と疲労
センサのき裂進展方向
が一致していない。
溶接ビードの上に
疲労センサを貼っている。
想定される損傷
疲労センサ
疲労センサが全面的に部材
へ接着されていない。
疲労センサが折り曲げられて
いる。
図 5 疲労センサの誤った貼付例
曲面に疲労センサを
貼っている。
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4.2 疲労センサ貼付手順
4.2.1 表面処理
(1) さび、塗装などの除去
疲労センサ貼付位置のさび、塗装を母材の金属光沢面が現れるまで除去します。また状
況に応じて電動工具などを用いて除去を行っても構いません。ただし、母材の金属面がすで
に現れている場合はこの手順は省きます。
:研磨は表面が凹凸にならないように平滑に仕上げて下さい。
:適切な保護具を着用し、作業を行って下さい。
:電動工具の取り扱いには十分ご注意下さい。
(2) 表面研磨
貼付する疲労センサより少し大きめの範囲をサンドペーパーなどで一様に研磨します。使
用するサンドペーパーは、鋼材の場合は#100~180、アルミニウムの場合であれば#100~
240 が適当です。
:研磨傷が一方向にならないように、円を描くように研磨を行って下さい。
(3) 脱脂
脱脂綿に溶剤を少量しみ込ませ、ピンセットを用いて研磨面を脱脂します。脱脂綿はきれ
いなものを一方向に一回のみの使用とします。これを脱脂綿に汚れが付着しなくなるまで数
回繰り返して行います。溶剤はアセトンを推奨します。
:使用済の脱脂綿を用いることや、拭き返し・二度拭きなどはしないで下さい。汚れ
が再付着して貼付した疲労センサがはがれる原因となります。
:アセトンなどの有機溶剤は換気の良い、火気のない場所で取り扱って下さい。
有機溶剤は手に触れないようにし、特に目や鼻等から体内に入れないようにし
て下さい。
:けがの原因となりますので、ピンセットの先端部には十分ご注意下さい。
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(4) けがき
図 6 に示すように、疲労センサ貼付位置を鉛筆でけがきます。
図 6 疲労センサ貼付位置のけがき
(5) 再脱脂
図 7 に示すように、疲労センサを貼付する領域を再脱脂します。この時、貼付する疲労セ
ンサとけがき線が重ならないように、貼付領域のけがき線が消えるまで脱脂を繰り返し、貼
付時の目安となる周囲のけがき線だけを残します。
図 7 再脱脂後のけがき線
8
4.2.2 疲労センサの貼付
(1) 疲労センサの取り出し
疲労センサをケースから取り出します。この時、疲労センサの受感部に余分な外力を加え
ないようにするため、図 8 に示すように、固定してある疲労センサの持手部をピンセットでつ
かみ、取り出して下さい。
図 8 疲労センサの取り出し
:けがの原因となりますので、ピンセットの先端部には十分ご注意下さい。
(2) 疲労センサの仮留め
図 9 に示すように、疲労センサの中心がけがき線に合うように仮留めします。
図 9 疲労センサの仮留め
9
(3) 貼付面の脱脂
図 10 に示すように、疲労センサを軽く持ち上げ、疲労センサと母材両側の貼付面を接着
作業直前も再度脱脂します。
図 10 疲労センサ貼付面の脱脂
:けがの原因となりますので、ピンセットの先端部には十分ご注意下さい。
(4) 接着剤の塗布
図 11 に示すように、貼付面に接着剤を塗ります。
図 11 接着剤の塗布
:接着剤が指に付いたり、目や鼻に入らないようにして下さい。
10
(5) 疲労センサの接着
図 12 に示すように、塗布した接着剤を押し出すように疲労センサの根元からポリエチレン
シートを介したシリコンゴムを滑らせ、そのまま 2 分間加圧します。
ポリエチレンシート
図 12 疲労センサの接着
(6) テフロンテープの剥離
図 13 に示すように、ポリシートを取り除いた後、疲労センサ受感部に力をかけないように
横に滑らすようにしてテフロンテープをはがします。
図 13 テフロンテープの剥離
:けがの原因となりますので、ピンセットの先端部には十分ご注意下さい。
11
4.2.3 貼付後の確認
貼付した疲労センサのベース箔が部分的に浮き上がってないか目視により確認を行ない
ます。もし、ベース箔に浮きが見られた場合には、貼付した疲労センサをはがし、「4.2.1 表面
処理」の項目から再度作業を行います。
4.2.4 防湿処理
図 14 に示すように、貼付した疲労センサのベース箔に掛かるようにテフロンテープではみ
出した接着剤を覆い、爪楊枝状のツールを用いて疲労センサのベース箔部分および母材に
テフロンテープをこすりつけ、粘着面との隙間をなくします。
あふれた接着剤を全て覆うようにします。
図 14 テフロンテープの密着
4.2.5 初期スリットの確認
本手順書「3.疲労センサ点検手順」に従い、貼付した疲労センサの初期スリットのレプリカ
を採取し、スリット先端状況を確認します。スリット先端にき裂が見られない場合は合格としま
すが、万が一スリット先端にき裂が発生していた場合は、貼付した疲労センサをはがし、
「4.2.1 表面処理」の項目から再度作業を行います。
4.2.6 疲労センサの保護
疲労センサは、4.2.5 項までの作業で貼付が完了しました。特別な場合を除き、貼付期間
中の保護は必要としませんが、貼付した疲労センサの使用状況や環境に応じて保護が必要
となります。保護方法は様々なので、必要な使用状況にある場合はご相談下さい。
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4.3 疲労センサ点検手順
図 15 に示すように、評価対象部位に繰り返し与えられたダメージの累積は、その位置に貼
付された疲労センサのスリット部から発生するき裂長さ a により判断することができます。このき
裂長さを測定するためにレプリカ法という方法を用います。レプリカ法とは、発生したき裂をフィ
ルムに転写し、その転写されたき裂長さを測定するという方法です。疲労センサのき裂を直接
測定するよりも、レプリカ法の方がき裂を明瞭に観察でき、精度の良い測定が可能となります。
スリット
き裂
疲労センサ
スリット部拡大
スリット
a
図 15 き裂長さの測定(スリット部拡大)
※ レプリカフィルム<推奨>
名称 : アセチルセルロースフィルム
メーカ : Bioden R.F.A.
フィルム厚さ : 0.034mm
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4.3.1 レプリカの採取
(1) レプリカフィルムを作業しやすい大きさにカットしておきます。
(2) アセトンを小さめの容器に少量入れます。
:アセトンなどの有機溶剤は換気の良い、火気のない場所で取り扱って下さい。
有機溶剤は手に触れないようにし、特に目や鼻等から体内に入れないようにし
て下さい。
(3) 図 16 に示すように、ピンセットを用いて、カットしたレプリカフィルムを容器に入れたアセト
ンに浸した後、疲労センサのスリット先端部分が覆われる様にすばやく張り付けます。
図 16 レプリカの採取
:アセトンなどの有機溶剤は換気の良い、火気のない場所で取り扱って下さい。
有機溶剤は手に触れないようにし、特に目や鼻等から体内に入れないようにし
て下さい。
:けがの原因となりますので、ピンセットの先端部には十分ご注意下さい。
(4) 図 17 に示すように、レプリカフィルムからアセトンが蒸発するまで放置します(約 5 分)。
図 17 アセトンの蒸発
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(5) 図 18 に示すように、アセトンが蒸発したらピンセットにてレプリカフィルムをはがします。
図 18 レプリカフィルムの剥離
:けがの原因となりますので、ピンセットの先端部には十分ご注意下さい。
(6) 図 19 に示すように、レプリカフィルムに転写された疲労センサのスリット部に対し、スリッ
ト先端およびき裂の状況が、気泡やごみも無くはっきりと観察できることを確認します。
図 19 スリット先端およびき裂の状況確認
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4.3.2 き裂長さ測定
レプリカフィルムに転写されたき裂の長さを目盛りのついた顕微鏡などで測定します。また、
き裂長さは 0.01mm 単位で読み取ります。
スリットからき裂が進展した疲労センサのレプリカを顕微鏡で観察すると、図 20 のようにな
ります。
き裂
図 20 き裂進展状況(レプリカ)
5. お問い合わせ先
疲労センサに関するお問い合わせは下記にお願いします。
TEL : 078-921-1633
FAX : 078-923-4458
URL : http://www.kawaju.co.jp/jigyo/keisoku/hirou_sensa.html
E-mail : [email protected]
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