公共・社会基盤事業推進部が持つ

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特集
公共・社会基盤分野のビジネスを支える
ＮＴＴデータ 公共・社会基盤事業推進部
インタビュー
公共・社会基盤事業推進部が
持つ“３つの顔”を駆使して
「グループプレミアム」の実現を
目指していきます
2015 年 7 月 1 日、NTT データは、
機構改革を実施しカンパニー制を廃止した。
同時に、さら
なる事業連携の促進を目的として、公共・社会基盤分野をはじめとした 4 つの事業分野に
基づいた事業本部の再編成を行った。これに伴い、公共・社会基盤分野のビジネスを横断
的に支える組織として誕生したのが公共・社会基盤事業推進部だ。公共・社会基盤分野で
株式会社 NTT データ
公共・社会基盤事業推進部長
の事業戦略と、公共・社会基盤事業推進部のミッションについて、同事業推進部長の臼井紳
臼井 紳一氏
一氏にうかがった。
社会インフラや地域活性化を担う
公共・社会基盤分野
たのが公共・社会基盤分野です。
ム更改を境に、売上減や規模縮小など
—公共・社会基盤分野の組織体制に
の傾向が続いています。そのような
ついて教えてください。
状況の中で、公共・社会基盤分野で事
—はじめに、機構改革と事業本部の
臼井 まず、官公庁や地方自治体、
再編に伴い創設された公共・社会基盤
業を拡大していくためには、
「新規ビ
PFI（Private Finance Initiative）に
ジネス」
、
「地域ビジネス」
、
「グローバ
関連した事業を展開する第一公共事
ルビジネス」などの取り組みを強化
臼井 国内市場は業界変化が著し
業本部、官公庁やヘルスケア、防災・
していくことが必要です。まず、こ
く、IT 技術の進化も加速していま
減災等に関連した事業を展開する第
の3つの領域に注力し、並行して、各
す。その中で、より多様化するお客
二公共事業本部、通信や電力・ガス
事業本部やグループ会社が持つノウ
様や社会の期待に応えるためには、
等に関連した事業を展開するテレコ
ハウやリソースを最大限に活用して
これまで以上に業界間の連携促進
ム・ユーティリティ事業本部があり
いく分野横断的な取り組みを加速し
や、迅速な意思決定が必要です。こ
ます。そして、分野全体の事業戦略
ます。それにより、
「新規ビジネス」
のような背景を踏まえ、NTT デー
を策定し、各事業本部の取り組みを
と「グローバルビジネス」では売上
タは本年 7 月 1 日付で機構改革を実
支援する公共・社会基盤事業推進部
拡大による利益「額」の確保・拡大を、
施しました。
同時に、中長期での経営
という構成になっています。
環境変化に対応するため事業本部を
分野についてご説明ください。
再編成し、これらの事業本部を「公
共・社会基盤」
、
「金融」
、
「法人・ソリ
ューション」
、
「グローバル」の 4 つ
の事業分野に区分しました。
「地域ビジネス」では分野別の事業拡
大による利益「額」の確保・拡大を
分野内のノウハウやリソースを
最大限に活用して事業領域を拡大
目指しています。
一方、既存領域にお
いては、事業の堅守・幅出しに取り組
—公共・社会基盤分野の課題と事業
展開についてお聞かせください。
止め策を推進します。
NTT データが長年にわたり事業を
臼井 今までNTTデータが取り組ん
展開してきた、行政、医療、テレコム、
できた官公庁や地方自治体に関連し
エネルギーといった公共性、地域性
た事業、また、通信キャリアをはじめ
が高い領域を 1 つのセグメントとし
としたテレコム事業などは、システ
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むことで減収減益基調に対する下げ
「３つの顔」を駆使して
事業拡大や新規事業創出を支援
—公共・社会基盤事業推進部の体制
ビジネスコミュニケーション　2015 Vol.52 No.10
エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
そして「企画調整室」は、政産官学
スペシャリスト集団として、様々な事
とのリレーションを通じて社会の新た
業の支援や課題に対応していきます。
をご紹介いただけますか。
臼井 公共・社会基盤事業推進部は、
「企画部」
、
「地域ビジネス戦略推進
な仕組みづくりに向けた政策提言やビ
そして 3 つ目が「事業運営主体」
部」
、
「海外ビジネス推進室」
、
「プロジ
ジネス提案などを行っています。
としての顔です。公共・社会事業推
ェクト推進統括部」、
「企画調整室」
—公共・社会基盤事業推進部は、ど
進部は、連結では分野の売上高の約
のような役割をお持ちですか。
35％、税引前利益では約 27％、要
「企画部」は分野の事業戦略を策定
臼井 公共・社会基盤事業推進部に
員数では約 57％を占め、分野にお
し、施策の実行を統括・推進する部
は“3 つの顔（役割）”があります。
ける４番目の事業本部としての役割
門です。
加えて、人事や人財育成、財
１つ目が分野の「指令塔」として
を有しており、連携責任組織となっ
務、広報・報道対応、Ｍ＆Ａなども担
の顔です。各事業本部の事業が孤立
ているグループ会社の事業運営を統
当しています。
しないよう、分野としての事業戦略
括・支援することで、公共・社会基
「地域ビジネス戦略推進部」は地
を立案します。それに基づいて、各々
盤事業分野のグループ事業の拡大を
域ビジネス戦略を策定し、NTT デー
の事業ドメインや位置付けを明確に
促進していきます。
タと地域会社やグループ会社との連
する「リ・コンセプト」や「リ・ポ
携を促進する役割を担っています。
ジショニング」に取り組み、分野横
「海外ビジネス推進室」は海外ビジ
断的な施策を推進することで事業を
の 5 つの部門で構成されています。
成功へと導いていきます。
ネス戦略を策定し、海外のグループ
2 つ目は「スペシャリスト」としての
会社との連携を図りながら各事業本
「WISH」を「WILL」へ
「WILL」を「SURE」へ
—最後に、抱負も含めた今後の展開
についてお聞かせください。
部のビジネス展開を支援しています。
顔です。最近ではグローバルビジネス
臼井 “3 つの顔”を持つ公共・社会
「プロジェクト推進統括部」は公
の進展に伴い、グローバル人事・人
基盤事業推進部のミッションは、分野
共・社会基盤分野の PMO（Project
財育成、グローバル財務・税務など
内のノウハウやリソースを掛け合わせ
Management Office）の役割を果た
の高度な知見が求められるようになっ
てシナジーを発揮する「グループプレ
している部門で、問題プロジェクト
てきています。私たちは、人事、財務、
ミアム」 の実現であり、それによる事
の予防・撲滅やトラブル対応なども
プロジェクト推進、政策提言などの
業拡大や新規事業創出の主導です。
行っています。
事業支援部隊を有しており、高度な
「グループプレミアム」は手法ではあり
ますが、それに実体を与えるのはクリ
エイティヴであり、変わろうとする強い
営業利益率
既存
減収減益基調に対する
下げ止め策の実行
地域
分野別の事業拡大による、
利益
「額」
の確保・拡大
新規 Global
意志です。言い換えれば、今私たちに
求められているのは、自分自身を変化
させることで変化をマネジメントするこ
とです。私たち公共・社会基盤事業推
進部は、「グループプレミアム」によっ
てその変化を助け、公共・社会基盤分
野の「WISH（願望）」を「WILL（意
売上拡大による利益
「額」
の確保・拡大
売上高
図 1 公共・社会基盤分野の事業戦略
ビジネスコミュニケーション　2015 Vol.52 No.10
志）」へ、
「WILL」を「SURE（確信）」
へと変えていきたいと思っています。
—本日は有り難うございました。
（聞き手・構成：編集長 菊地勝由）
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