りそな銀行アジアニュース

りそな銀行アジアニュース
2014 年 3 月 26 日
りそな銀行 国際事業部
【シンガポール駐在員事務所】
「シンガポール 2014 年度予算案について（その 1）」
2 月 21 日、シンガポール政府は 2014 年度（2014 年 4 月～2015 年 3 月）政府予算案を国会に提出した。今回の予
算案では、S$80 億の基金を設立し、建国世代の医療支援を拡大するほか、建設業の非熟練外国人労働者の雇用規
制が一段と強化された。また、中央積立基金(CPF)の拠出率を来年 1 月 1 日から引き上げることが盛り込まれた。雇用
者の負担する拠出率は、全ての年齢を対象に 1 ポイントの引き上げとなるが、政府は 1 年間の時限措置で月収の 0.5
ポイント引き上げ分を助成援助するなど企業の負担軽減策も盛り込まれた。
企業活動に関する主な施策は下記の通り。
内
容
① 【生産性向上及び技術革新促進制度の更なる拡充】
地場中小企業の生産性向上の支援策として特定の事業分野における研究開発(R&D)や
知的財産権保護等にかかる支出について損金算入を認める生産性・技術革新控除(PIC)
スキームを 3 年間延長する。
PIC スキームは、該当する適格支出の損金算入（支出額の 400%、最高 S$400,000）もしくは、現金で
の助成金支給（最高支給額は支出額 S$100,000 について 60%）を選択することができる。
中小企業(SME)には新たに PIC プラス制度(PIC+)を導入する。PIC プラスは、該当する適
格支出の損金算入（支出額の 400%、最高 S$600,000）もしくは、現金での助成金支給（最
高支給額は支出額 S$100,000 について 60%）を選択することができる。
（SME の定義は、年間売上高が S$1 億以下、または従業員数が 200 人以下の法人である。その法
人が企業グループの一社である場合、当該グループ企業レベルでの売上高・従業員数で判断。）
② 【研究開発(R&D)の奨励】
政府(EDB)に承認されたシンガポール国内（自社、委託を含む）で行われた R&D 支出に
対する通常の 100%損金算入額に加え、追加で更に 100%損金算入できる措置を 5 年間延
長する。
シンガポール国内（自社、委託を含む）における研究開発活動に関連して発生した特定
の R＆D 支出に対する通常の損金算入額に加え、追加の損金算入（経費の最大 50%）を
10 年間延長する。
③ 【知的財産権の登録促進】
特許権、商標権、デザイン等の登録に関連した費用を 100%損金算入する優遇税制を 5 年
間延長する。
④ 【事務手続きの簡素化】
シンガポールの個人・法人が外国企業のシンガポール支店へ利息、ロイヤリティ等を支払
う際の源泉徴収手続きを撤廃する。ただし、シンガポール支店はこれらの所得を税務申告
で報告する義務がある。一方、支払側としては源泉徴収の事務作業が免除される。
⑤ 【中央積立基金(CPF)拠出率の引き上げ】
I. おおむね企業業績が好調でシンガポールの平均年齢が延びたことから、全てのシン
ガポール人従業員・永住権保有(PR)の従業員についての CPF の雇用者拠出率を 1%
引き上げる。
II. 上記の引き上げに加えて、高齢労働者（55～65 歳）については、定年退職資金を増や
すため、雇用者の CPF 拠出率をさらに 0.5～1%引き上げる。
新拠出率は下記の通りである。（括弧内は従来の拠出率､月収に対する%）
年齢
50 歳以下
50～55 歳
55～60 歳
60～65 歳
65 歳超～
雇用者
17.0 (16.0)
16.0 (14.0)
12.0 (10.5)
8.5 ( 7.0)
7.5 ( 6.5)
従業員
20.0 (20.0)
19.0 (18.5)
13.0 (13.0)
7.5 ( 7.5)
5.0 ( 5.0)
実 行 日
2016 賦課年度
～
2018 賦課年度
2015 賦課年度
～
2018 賦課年度
2015 年 4 月 1 日
～
2020 年 3 月 31 日
2016 賦課年度
～
2025 賦課年度
2016 賦課年度
～
2020 賦課年度
即日実施
2015 年 1 月 1 日
～
（その 2 に続く）
以上
【出 所： ”Budget Speech 2014” Ministry of Finance Singapore、新聞記事等】
照会先：国際事業部 （東京）電話 03‐6704‐2723
（大阪）電話 06‐6268‐6357
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