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チュニジア共和国 概況 (Republic of Tunisia)
チュニジア共和国 概況 (Republic of Tunisia) 一般的事項 面積:16万3,610平方キロ(日本の約5分の2) 人口:1,111万人(2015年) 出所:IMF 首都:チュニス 民族:アラブ人(98%),その他(2%) 言語:アラビア語(公用語),フランス語(国民の間で広く用いられている) 宗教:イスラム教スンニ派(ごく少数だがユダヤ教,イスラム教シーア派,キ リスト教も信仰されている) 基礎的経済指標 主要産業:()内は2014年名目GDPに占める割合 出所:世銀 サービス業(62%):観光業、情報通信産業等 鉱工業(29%):繊維、機械部品、電機部品、りん鉱石、食品加 工等 農業(9%):小麦・大麦・柑橘類・オリーブ・なつめやし等 GDP(名目):435.8億ドル(2015年) 出所:IMF 1人当たりGDP(名目):3,923ドル(2015年) 出所:IMF 経済成長率:0.8%(2015年) 出所:IMF インフレ率:4.9%(2015年) 出所:IMF 失業率:15.2%(2015年) 出所:IMF 貿易総額:輸出140.7億ドル/輸入202.2億ドル(2015年) 出所:GTA 主要貿易品目:(2015年) 出所:GTA 輸出:電気・電子機器(26%)、衣類・同附属品(15%)、オリーブ油 (8%)、原油・石油(7%) 輸入:石油・石油ガス(14%)、電気・電子機器(13%)、機械類・部品 (9%)、自動車(8%)、プラスチック・同製品(6%)、小麦・トウモロコシ(5%) 主要貿易相手国:2015年 出所:GTA 輸出:フランス(29%)、イタリア(18%)、ドイツ(10%)、スペイン(5%) 輸入:フランス(18%)、イタリア(15%)、中国(8%)、ドイツ(7%) 通貨:チュニジア・ディナール(TND) 為替レート:1ドル=1.9616TND(2015年期中平均) 出所:IMF 政治体制 政体:共和制 元首(大統領):ベジ・カイド・エセブシ(2014年12月就任) 首相:ユスフ・シャヘド(2016年8月新内閣発足) 議会:国民代表議会 議席数:217(国内選挙区:199,海外選挙区:18) 政府(主要閣僚):(2016年8月発足) 出所:チュニジア政府ウェブサイト 外相Khmaiyes JHINAOUI、財相Lamia ZRIBI、エネルギー・鉱山・再生可能エ ネルギー相Hela CHEIKHROUHOU、商工相Zied LADHARI、投資・国際協 力相Fadhel ABDELKEFI 政治動向 (1)1956年3月、フランスより独立。1957年7月、共和制に移行、ブルギ バ大統領就任。1987年11月ベン・アリ大統領就任以降、近代化・西欧 化を推進する一方で、社会主義運動やイスラム過激主義運動を弾圧 し、政治的安定を維持。これにより、経済は安定成長を遂げたが、政治 的自由や複数政党制の導入等の民主化が課題となった。 (2)2010年12月、同国中南部で貧困・雇用対策を求める大規模抗議 デモを機に、反政府デモが各地で発生。住民と治安部隊間の衝 突も頻発。2011年1月14日、23年間国家元首の座にあったベン・アリ大 統領は国外に退去。<チュニジア革命> (3)2011年10月、新憲法制定のための議会(制憲国民議会)議員を選 出するための選挙を実施。同年12月、穏健イスラム主義政党アンナハ ダが第1 党となり、中道政党「共和国会議」(CPR)と中道左派「エッタカ トル」と連立政権を結成、CPR党首のマルズキ氏を大統領に選出。しか し、地方では賃上げ要求のストやデモが頻発、13年に野党幹部の暗殺 事件が2件発生し、政治・社会的混乱が続いた。 (4)2013年11月、チュニジアの労働同盟(UGTT)、商工・手工業連盟 (UTICA)、人権連盟(LTDH)および全国弁護士会の4団体が与野党 間協議を仲介し、国民対話会議を開始(15年ノーベル平和賞受賞)。 14年1月制憲国民議会で新憲法を可決。新憲法下で同年10月に議会 選挙を実施、アンナハダを抑えて野党社会民主派「ニダ・トゥーネス」が 第1党となった。続く11月~12月の大統領選挙でもニダ・トゥーネスのエ セブシ党首がマルズキ大統領に勝利。エセブシ新大統領が無所属の ハビブ・エシッド氏を首相に指名、15年2月にニダ・トゥーネスと無所属 の専門家を中心に、リベラル派2党やアンナハダ1名も加えた内閣が発 足した。しかし、相次ぐテロ事件発生で経済の柱である観光業が低迷。 16年1月に同国中央部やチュニスで2011年以来の大規模な反政府運 動が起こり、夜間外出禁止令が出された。同年7月にエシッド首相の不 信任決議案が可決、8月にシャヘド地方問題相が首相に就任し、新内 閣が発足。 経済動向 (1)1987年からのベン・アリ政権下で着実な経済発展を遂げ、年率5% 程度の経済成長を継続。同政権は外国企業の内陸部への誘致や観 光による地域開発を進めたが、政権内部の汚職等により外国からの投 資は伸び悩み、失業問題は高学歴層中心に高止まりのまま。 ジェトロ海外調査部(2016年12月9日作成) 二国間関係 日本の貿易額: 輸出 輸入 出所:財務省貿易統計 2013年 86.1億円 127.9億円 2014年 98.1億円 157.7億円 2015年 98.2億円 148.8億円 対チュニジア貿易の主要品目:(2015年) 出所:GTA 輸出:自動車(55%)、建機、遠心分離機等(15%)、光学・測定・検 査・医療用機器(9%)、ポリウレタン原料等(4%) 輸入:衣類・同附属品(22%)、水産物(21%)、石油(18%)、電気・ 電子機器(16%) 日本の援助:(2014年度までの累計)有償資金協力3,045.01億円 (E/Nベース)/無償資金協力60.38億円(E/Nベース)/技術協力 262.14億円(実績ベース) 政治関係: 1956年6月 チュニジア承認 1969年2月 在チュニジア日本大使館開設 1985年以降 「日・チュニジア合同委員会」を定期的に日本、チュニジアで交 互に開催 要人往来: (往) 2014年3月 岸信夫外務副大臣 2014年10月 中根一幸外務大臣政務官(国民議会選挙・日本監視団) 2015年2月 宇都隆史外務大臣政務官 2015年3月 中根一幸外務大臣政務官 (来) 2014年10月 ジュラーシ高等教育・科学技術・情報通信技術相(STSフォーラム) 2014年11月 ジャッラーイ教育相(持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世 界会議) 2015年3月デルイッシュ環境・持続可能な開発担当相(第3回国連防災世界会議) 2015年9月 シェイヘブ高等教育・科学研究大臣(STSフォーラム) 2016年10月 シェイフルーフー エネルギー・鉱山・再生可能エネルギー大臣 (2)2011年1月の革命により、待遇改善や雇用を求める労働争議や道 日系企業進出状況:16社(2015年10月現在) 出所:外務省 路封鎖が頻発し、企業の生産活動に支障をきたし、経済は停滞。外国 在留邦人数:127名(2015年10月現在) 出所:外務省 人観光客や新規投資も減少、リビアの混乱の波及等もあり、実質GDP 在日当該国人数:375名(2015年6月現在) 出所:入管当局 成長率は11年にマイナスとなったが、12年にプラスに転じる。 外交・国防 非同盟中立。米,仏等欧米諸国と緊密な関係を有し、穏健かつ現実的な (3)2015年、相次ぐテロ事件で観光客が大幅減。実質GDP成長率は 外交政策を標榜。 0.8%と低迷。地域間経済格差の解消、雇用創出が現在の課題。 ・北アフリカ5カ国が加盟するアラブ・マグレブ連合を通じ、域内経済交流の活 発化と治安協力を重視。 チュニジアの主要経済指標 ・パレスチナ独立国家建設と国連正式加盟を支持。 ・サハラ以南アフリカ諸国とは、アフリカ連合(AU)とアフリカ開発のための新パートナー シップ(NEPAD)を通じ、政治・経済的協力関係を築く。 ・チュニジアの輸出入の7~8割を欧州が占め、EU諸国企業約3,217社(2015 年)が進出。2012年11月、EUは同国に対し「特恵的パートナー」の地位を 付与し、政治的対話と協力関係を強化。EUとは、工業製品は2009年関税 撤廃。2016年に農業・サービス分野で関税撤廃の交渉開始。 【参考資料】 外務省 国・地域基礎データ(2016年11月21日付) 外務省 海外在留邦人数調査統計(2016年版) 財務省 貿易統計 貿易統計データベース Global Trade Atlas(GTA) IMF International Financial Statistics(IFS) IMF World Economic Outlook(WEO)(2016年10月) 世銀 経済に関するデータ