...

「香港での日本産農産物等の輸出戦略」 (PDF:172KB)

by user

on
Category: Documents
5

views

Report

Comments

Transcript

「香港での日本産農産物等の輸出戦略」 (PDF:172KB)
農林水産物・食品輸出オリエンテーションの会(東京)
-農林水産物・食品輸出セミナーの部-
■ 講演2「香港での日本産農産物等の輸出戦略」
講
師 チャン・トミー・コーコン 氏(大昌貿易行有限公司)
ルイ・チョイ・ハー 氏((株)大昌貿易行東京支店)
トミー氏
(英語によるご挨拶)
ルイ氏
みなさんこんにちは。今、トミーがお話したことを簡単に通訳したいと思います。弊社、大昌貿易行
は、本社は香港にあります。東京支社は、東京港区六本木にあります。1951年に設立、現在57年
になります。わたしは日本の食品を輸出して14年になります。お手持ちにある資料に全部書いてあり
ます。時間の都合で全部は説明できませんが、簡単にご説明します。弊社DCH香港フットマートは、
主に冷凍食品を販売しています。魚介類、柿、冷凍肉、加工食品、その他の雑貨類なのです。日本のほ
たて、今から3年前に本社に紹介しました。本社ではオーストラリアの方から、たくさんほたてを輸入
していました。とても安いので、なかなかうけてくれませんでした。少し時間がかかって、やっと最近
コンテナ単位で輸出することができました。
わたしが輸出するメインの商品は、日本人が食べないものをターゲットとして香港に輸出しています。
商品は鳥の足です。日本人はほとんど食べません。弊社は、20年前から鳥の足、もみじを輸出してき
ました。最近は、廃鶏、水産関係もたくさん輸出しています。香港では、和牛、鹿児島の黒豚が大変人
気があって、今、たくさん販売しています。弊社のスーパーで、今年の四月から、弊社のスーパー48
店舗の中で、4店舗だけ、ショップとして日本産のくだものを輸出しています。今は、毎週1コンテナ、
果物、野菜を輸出しています。果物では、メロン、桃、巨峰、りんごなど。野菜では、カボチャ、さつ
まいも、たまねぎをたくさん輸出しています。最初は、たまねぎが、すごくおいしいと思って、サンプ
ルを香港に送ったのですが、香港から、たまねぎは香港にもたくさんあるので、どうしてたまねぎを持
って来たのかなと言われましたが、実際に食べてみると、日本のたまねぎは大変おいしいと言われまし
た。昔から北海道産の干し貝柱、東北の乾燥あわび、大分県の干椎茸もたくさん輸出しています。
これから、香港の概要をご説明します。香港の人口は、約690万人います。原語は主に広東語、英語。
北京語は最近よく勉強しています。香港の人は結構せっかちで、なんでも早いので、スピードがすごく
求められます。夫婦共稼ぎです。香港では、食品の安全・安心、健康志向が高まっています。丁度、わ
たし達は、今、おいしい、安全・安心の日本の食品を輸出するチャンスだと思っています。香港は中国
と比べて、検疫や通関手続きがとっても簡単です。だいたいほとんど関税がいりません。しかし、わた
しの考えでは、8項目の注意点があります。牛肉の場合は、今年から2工場だけ認定されて、サンキョ
ウミートと南九州畜産工業の2工場だけです。あと鶏肉ですね。例えば鳥の足。それは、地方の保険所
1
の検査が必要です。動物検疫証明書と official inspection certificate(公的検査証明書)が必要です。
関税はいりませんが、その書類がないと香港に輸入することはできません。豚肉の方もそうですが、そ
れも鶏肉と一緒で、動物検疫証明書が必要です。あと小さい骨がついていないと、検査するためについ
ていないと輸入することができません。少し検査する時間がかかります。約3週間前後かかります。4
番目に水産関係ですね、それも、衛生証明書が必要です。関税はほとんどないんですが、お酒、化粧品、
煙草だけは関税がかかります。原材料は、ステビアは前から禁止ですが、最近香港では原材料がうるさ
いので、輸出する時によく調べてしないと輸入できないことがあります。例えば、くちなしの着色色素
は、絶対だめです。
あと、たくさんのイングレーザがはいっているものは販売できないので気をつけてください。例えば、
最近日本の野菜をたくさん輸出しています。それじゃあ、儲かっているかというと、ぜんぜん儲かって
いません。どうしてかと言うと、香港でも、日系商品がたくさん売れています。わたしは、どうしても、
香港の人に、日本の安全、安心、おいしい食品を食べてもらうために頑張っています。何ヵ月に一回か
は、マネキンを使って、試食をしてもらったり、あと、料理のレシピを作ってみんなに配ったりしてい
ます。例えば、舞茸の場合、香港の人には匂いがあわないので、なかなかしめじとかえのきとくらべる
と評判が良くないのですが、でも、舞茸がいちばん身体に良いと思っているので、例えば、中華にも使
える舞茸をどうやって作っていけるのかを考えていきたいと思います。うち、ホクトの茸は、香港では
総代理店です。その他のホクトの商品も太田市場で、安く仕入れて香港でも販売しています。今、香港
では、韓国、台湾、中国製品でも日本語で書いてあるもののもあって、一般の消費者では良く解らない
ので、日本の食品だと思って、買ってしまうので、わたしにとっては辛いことです。日本のお米は香港
の政府から認められている免許がないと輸入することはできません。でも、大昌貿易行香港は、すでに
昔から免許を取得しています。これから、日本のお米の輸出をしたく思っています。わたしの夢は、香
港の富裕層の人たちだけに、日本の高級な食品を食べてもらうだけでなく、本当の一般庶民の人たちに
も食べてもらうために、どうやって、どんなものが、安く輸出できて食べてもらえるか考えています。
どうして、日本のかぼちゃ、なす、さつまいもがおいしいかというと、たぶん、気候、水、土の違いだ
ろうと思います。なすの場合、中国のなすと日本のなすを食べくらべるとぜんぜん味が違います。スナ
ック類も良く売れています。これはホクトの広告ですが、良くこういうことをやってキャンペーンをし
ています。
それで、これから、私からみなさんにお伝えしたいメッセージは、私の日本食との出逢いがあります。
私は、1983年11月に、日本語学校留学生として来日しました。よくお刺身を食べました。はじめ
てお刺身を食べた時、はじめてだったので、すごくおいしいと思ってびっくりしました。そして味噌汁
もすごくおいしいと思いました。その味はぜんぜん食べたことのない味で、それが良かったんです。わ
たしが日本の食品を担当して14年になりますが、日本の食品で、先ず、自分が好きなものを探して、
生産者と交渉して、輸出の手続き書類などを作成して最後までやっています。どうしてひとりでやるか
というと、儲かっていないから。日本の食品は高いので、なかなか利益をつけられない。頑張ってコス
トダウンしてやっていきたいと思います。やっと、最近、3年前くらいから、少し良くなって、本社は、
1年前からデラックスショップを作り、今、自分が仕入れたものは、香港の自分の本社に売っています。
今後、一般庶民にも、おいしい日本食をどうやって輸出していくのか、それを考えています。企業理念
として、安全、安心の食品を考えて行きたいと思います。でも、皆様のお手許の資料にもあると思いま
すが、11月26日に、中国で、政府とWTO主催で、食の安全の対応策を話合う国際フォーラムが2
日間おこなわれました。欧米や日本を含め、アジア、アフリカ、中東などの衛生通商担当者が参加し、
2
中国の副首相はこれから食の安全確保に儲けて努力していきたいと言っています。これから、安全・安
心な日本の食品を輸出したいと思っている時に、中国の政府が、頑張って有害農薬をいれないで中国の
おいしい食品を作られると困るなとは思います。どうしてかと言うと中国の食品はとても安いので、と
ても競争できないのではないかなと思います。どうやって、続けて、もっともっとたくさんの日本食品
を輸出できるようにしたいので、みなさん、色々教えてください。
今、うちのスーパーマーケットの方は、これからどうやって日本食品を考えていくのかの、いくつかの
例があります。
トミーは、昨日、来日してジャスコに行きました。たくさんの日本の食品が、輸出できると言われま
した。日本の食品はパッケージもきれいで、中国のものとは違います。これから、輸出したいのは、日
本のおいしい水、そして、調味料関係、インスタントラーメン、水産関係、お肉などをやっていきたい
と思います。以上です。
質問者1
先程、お話にあったジャスコやイトーヨーカドーも香港にお店を持っており、そちらでも日本の食品
が売られていると思います。このような日本の大きい会社、スーパーマーケットは、日本製品を購入す
るバイイングパワーがあると思いますが、御社は香港の企業ということで、日本における良い生産者、
良い商品等を購入する力は、日本の会社と比較していかがでしょうか。
ルイ氏
それはありますね。うちの本社は結構大手ですので、香港でみんなが知っている会社です。日本の生
産者、会社にそういうことを説明していくと、だいたいわかってくれると思いますので、同じ商品も手
に入ると思います。
質問者2
ステビアとか、くちなしの色素は日本ではかまわないのに、香港では輸入禁止だということだったん
ですけども、これは、何か毒性があるということが認められたとか、何かデータがあるのか、もう少し
詳しく教えてください。
ルイ氏
今年の7月から規制が変わりまして、本当にいろんな日本の食品に入っている。原材料を記入してお
かないと香港では売ることができなくなりました。例えば、色素の中でも、いくつかだけ認めていて、
あと番号を書かないといけないんです。わたしも、その関係で、去年、クリスマス用のお菓子、ギフト
として売れていたものをつい最近輸出してしまったのですが、その中の原材料がたくさん輸入してはい
けないものがありまして・・・。くわしく調べないとわたしも良くわかっていないので、本当にとても
大変です。
質問者2
それは、人体に対する毒性の問題ですか、それとも、表記の問題ですか。
ルイ氏
3
たぶんね、人体に対しての毒性というのが・・。例えば、ステビアは何年か前からいけないと・・、
何かガンに関係あるものというのがデータだったんですね。
質問者3
わたしは、千葉県からきました米作農家。そして、販売は会社をたてて米を販売しています。安心、
安全ということで、JAS有機米も生産しています。千葉県が指定した千葉エコ米も近所の人たちと協
力して生産しています。また、登録集荷の業者のあれもありまして、自主検査をし、タコ米のブランド
を県外にも販売しています。先程から、斉藤さんとルイさんも、安心、安全ということで、これから売
って行きたいということでありますし、国内でもだいぶん取りざたされているということで、わたしは、
自ら、その安心、安全を心掛けて環境にも優しい身体にも優しいものを作って販売をしておるわけです。
なかなか、輸出に興味があっても、我々生産者が輸出するということになると、いろいろ難しいことが
あるのではないかなと思います。今回はそれこそ何も解らない中で、話を聞いて、もしできれば輸出を
したいという気持ちで、今日はお伺いしました。カボチャとか、さつまいも、なす、成田空港からちょ
っと南へ下ったところで、純農村地帯ですばらしいものが生産されています。できればそういうものも
まとめて輸出に漕ぎ着けられればと考えているのですが、それは可能なのでしょうか。
ルイ氏
それは、可能です。生産者が美味しい、安全なものを作って、そして、私にパスして、今度はわたし
の仕事、輸出する仕事になります。国内仕入れになります。どこどこ渡しということで、私は荷物全部
で通関してもらって、香港本社に売ってもらうんですね。
今度、香港本社は、香港だけでなく、マカオにも店鋪を開設する予定です。皆さんが香港に行くチャ
ンスがあれば、是非、もう一歩伸ばしてマカオに行ってみてください。マカオのフェリー乗り場すぐの
ところにヤオハンというスーパーがあります。びっくりするくらい日本のお菓子が置いてあります。誰
が買うかと思うと、マカオにはたくさんのカジノがありますので、中国本土の人たちが、お土産に買っ
て行くのだと思います。日本のかぼちゃ、りんご、さつまいも、お菓子、お肉などがたくさん置いてあ
ります。
質問者3
今日は私どもで、JAS の無農薬米と千葉県のエコ米を持ってきて、炊いて用意しておりますので、食
べて欲しいです。
ルイ氏
日本の米はおいしいと思います。私は、小さい頃、毎日食べていたご飯があまりにも美味しくなくて、
イヤイヤ食べていましたが、日本に来て、日本の米を食べてびっくりしました。醤油だけちょっとつけ
て、あと、海苔だけでも美味しい。ただ、日本の水と香港の水は、ちょっと違うので、この前も新潟の
輸出オリエンテーションの会でも、たくさんの米を紹介されていましたが、米だけ売っても、そこの国
の水で洗っても、お米がおいしく炊けないので、お米を売るには、日本のミネラルウォーターも一緒に
セットしたらいいじゃないかなと思いました。米を研がないといけないのですが、中国の人は米を研ぐ
のではなくて洗うので、味が変わってしまうのです。そうすると無洗米の方が良いのかなと思います。
あと、真空パックのものがあれば、日本の寿司とセットして売れたらと思います。
4
Fly UP