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すだち通信第 13 号 - 東京都 手をつなぐ親の会

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すだち通信第 13 号 - 東京都 手をつなぐ親の会
すだち通信第 13 号
目次
発行日 平成 25 年 9 月
近況報告-1、らいむ松庵特集!!-2・3・4・5
東京都杉並区今川 2-14-12
新人職員紹介、宿泊旅行報告-4
杉並育成園すだちの里すぎなみ
~地域に暮らして一年、大きな一歩~
ケアホームらいむ松庵が開所し、1 年が経過しました。私はすだちの里の開所から勤務をしてきました。当時は支
援員として採用されたばかりで仕事を覚えることや社会人としての基本を学ぶ事に必死でした。すだちの里で勤務を
始めてから、数名の利用者さんの地域移行に関わり、様々な地域のケアホーム・グループホームを見させて頂ける
機会がありました。そんな中で昨年、らいむ松庵の開所準備に携わることになりました。あっという間の準備期間で
したが、すだちの里での経験を生かし安全に安心して生活が送れる様に準備してきました。そして、平成 24 年 6 月
にらいむ松庵が開所し、すだちの里での集団生活を経験した方、在宅から初めて集団での生活を経験する方、他の
ケアホームでの生活を経験し在宅に戻った経緯のある方など、様々な方が集まり生活をスタートしました。
在宅からの入居者の中には、環境の変化から食事面で課題が見られました。献立に沿った食事を一切摂ろうとし
なくなり、体重が落ちる方、入院された方もいました。入居前に面談や会議等で充分にご本人を理解して受け入れ
たつもりでしたが、生活場面での拘りに対して、どう受け止めたら良いのかわからないこともありました。すだちの里
から移行した方の中にも環境の変化を不安に思っていた方も居たと思います。また、私たち世話人は入所施設とは
違う業務や勤務に慣れるまでに時間がかかりました。ご本人はもちろん、保護者の方に不安や心配をおかけしまし
た。らいむ松庵に入居して良かったと思ってもらえているか不安に思っていました。
入居者・家族・世話人が新しい環境に慣れ、らいむ松庵での生活に安心し始めた頃、献立に沿った食事を摂らな
かった方が、徐々に完食する機会が増えたり、他の入居者も笑顔が増えたり、保護者の方からも「らいむに入居して
良かった」と言って頂ける事が増えました。今では、らいむ松庵での生活を入居者・世話人全員が落ち着いて、穏や
かに過ごすことが出来ています。ようやく本来のらいむ松庵での生活がスタートしたと思います。これからも、入居者
の高齢化や新しい疾病など新しい課題は必ず出て来ると思います。その都度、課題と向き合うことで、入居者が安
心・安全にらいむ松庵で生活が送れる様に支援していきたいと思います。
最後に、らいむ松庵が開所前に地域の方に向けて説明会をしました。私は説明会には実際に参加していません
が、当初開設に不安な意見があったと聞いていました。最近では、入居者をバスポイントまで送っている時に近隣の
方と挨拶を交わしたり、通学途中の小学生が挨拶してくれたり、らいむ松庵で生活している私たちが徐々にではあり
ますが、「松庵」という地域に溶け込み始めたと感じています。些細な事かもしれませんが、私にとってはとても大き
な一歩だと思いました。
らいむ松庵 世話人 藤井光夫
1
らいむ松庵特集!!
らいむ松庵には女性 5 名・男性 7 名の計 12 名の入居者が生活されています。世話人の勤務体制は宿直者 1 名・
夜勤者 1 名の夜間は 2 名体制で、男女 1 名ずつが必ず勤務しています。日中は早番者と遅番者と宿直明け者が勤
務する為 3 名体制です。平日の早番者はすだちの里の日中活動を利用するメンバーと一緒に通所して作業にも参加
します。休日の早番者は外出予定のない入居者と買い物に出かけたりしています。遅番者は主に入居者・世話人合
わせて 15 名分の夕食作りを 1 名で行います。
すだちの里の職員が夜勤や早番をすることもあり、すだちの里・らいむ松庵が 1 つのグループとして支援をしてい
ます。
らいむ松庵 日課表
★…世話人の業務
●…月一回
平日
「複数の施設との
連携」 ※3 ページ
休日
7:00
★朝食準備
7:30
朝食
「大 人 数 の 食 事 づ
★朝食準備
8:00
8:30 頃 ~
~ 9:00
朝食
くりと献立の工夫」
※3 ページ
通所開始
10:00
移動支援
★昼食準備
「日々の健康管
理と今後の課
題」
※4 ページ
12:00
昼食
「休日の過ごし方、
13:30
移動支援
広がるネットワー
14:00
★夕食準備
16:00
帰寮
16:30
●往診歯科
ク」※4 ページ
18:00
夕 食 ・入 浴
20:00
お や つ ・歯 磨 き
21:00
薬 ・就 寝
毎月の
一年を通して、楽しいイベントもたくさん
楽しいイベント
<みんなで花
火大会>
<たこやきパーティー>
2
<誕生日会>
複数の通所施設との連携
平日は皆さんそれぞれ、区内の 5 か所の事業所に通所しています。ケアホームの前まで通所車で迎えに来てく
れる所やバスポイントまで送り迎えが必要な所、徒歩で事業所まで送迎する所があります。朝の送り出しは、送迎
時間の間隔が短いので、慌ただしい時もあります。
どの通所先も連絡ノートを作成しています。書式は通所先により異なりますが、体調面・
情緒面などを中心に情報を共有しています。また、可能な限り各通所先の保護者連絡会に
世話人が参加しています。保護者連絡会とは別に通所先を訪問し、各通所先の支援員さん
と面談し情報を得て、個別支援計画や日々の支援に取り入れています。
世話人 田中莉沙
大人数の食事づくりと献立の工夫
夕食は世話人が交代で調理を担当しています。様々な季節の食材を使用し、和食や洋食、中華とメニューに合
わせ、入居者 12 名、世話人 3 名、計 15 名分の食事を作ります。開所当初は材料の多さや調味料の量などに戸惑
っていた世話人達でしたが、今ではすっかり調理に慣れ、それぞれ得意料理がメニューに組み込まれ腕を振るって
います。皆さん、残さず「おいしい」と言って食べてくれるので、さらにおいしい食事を提供できるよう毎食頑張ってい
ます。キッチンは、リビングに面したカウンターキッチンになっています。通所先から帰ると夕食までの時間をカウン
ター越しに調理を見ながら過ごす方がいたり、メニューの確認や味見をしながら楽しみに待つ方もいます。食事は、
1 階のリビングで一緒にとります。賑やかな食卓です。 朝食は夜勤明けの女性世話人が調理します。入居者が起きる前から調理を始めますが、同時に起床の支援も
行うため、手が離れても大丈夫なあまり手のかからない料理にしています。食材の下準備は前日の調理担当者が
行い、あとは煮るだけ、炒めるだけ、といった調理です。そのため品数が少ないこともありますが、汁ものを具だくさ
んにしたり、炒め物の野菜の種類を多く入れたり栄養面での偏りを防いでいます。休日の昼食を調理することもあり
ます。朝食からあまり時間がないので、レトルト食品や冷凍食品も組み合わせて作っています。その分汁物やちょっ
としたサラダ・和え物で野菜をしっかりとれるよう配慮しています。
私は栄養士と世話人を兼務しています。献立を作成する際には、栄養士
の視点として、栄養バランスや食材との組み合わせ、味の組み合わせ、
そしていかに季節感を持せるかを大切にしています。なおかつ、支援に
入った際に感じた視点として食材の調理方法や大きさ、柔らかさ、個々人による食事の食べやすさも考慮し作成し
ています。1 年間、献立作成や食事作りに携わる中で、一人一人の味の好みや食材の好みがわかってきました。
機能低下がみられる方への食べやすい食形態を探ったり、食べこぼしの多い方へより使いやすい食具の検討な
ど、課題に取り組みを始めています。今後も味や食事の形態、雰囲気も合わせて食べることが楽しいと思える食事
を目指していきたいと思っています。生活の中で 3 食ある食事
が美味しく安全で楽しいものになるよう、献立作成の
時点から検討し続ける必要があると強く思います。
3
栄養士兼世話人 甲斐梢
3
休日の過ごし方、広がるネットワーク
休日は移動支援を利用してヘルパーさんと一緒に外出をしている方が多くいます。行先や外出の予定はそれぞ
れ入居者の方によって異なります。その方の体力や希望を取り入れながら世話人が移動支援事業所と相談しなが
ら決めています。休日が近づくと世話人に外出予定を確認する方やインターホンが鳴ると自分のヘルパーさんが来
たか確認する方もいて、皆さんとても楽しみにされています。
休日に必ず移動支援を利用した外出があるわけではありません。好きな音楽やテレビを観て過ごす方や昼寝をして
平日にはないゆっくりとした時間を過ごす方もいます。希望がある時には世話人と一緒に買い物に行き、おやつや
ジュースを購入したり、美容院や床屋に行ったり、洋服や靴を購入しに出かけたりと充実した休日になるようにして
います。
移動支援の送り出しの際には入居者の方のその日の様子や体調をノートと口頭でヘルパーさんに伝えます。金
銭・貴重品等を一緒に確認し、必ず手渡しで預けています。帰寮後の受け入れの際にも外出先での様子を細かく、
何を楽しんでいたか、食事や間食の内容等を聞いて次回の移動支援に活かすように心掛けています。また使用し
た金額・レシート・残金・貴重品を一緒に確認し、返却して頂いています。
12 名の方が生活しているらいむ松庵ですが、複数の事業所と契約している方が
多い事もあり、お付き合いしている移動支援事業所は 12 カ所になりました。これから
も増えていくことが予想されます。事業所も多いですが、ヘルパーさんの数も多い
です。多くのヘルパーさんの支援があって成り立っています。
世話人 田中莉沙
日々の健康管理と今後の課題
定期通院では、精神科・内科・歯科・皮膚科を利用しています。らいむ松庵の近隣にも良くして頂いている病院が
何カ所かあり、お世話になっています。入居前から精神科や歯科など保護者が付き添っていた通院先については、
入居後も継続をお願いしています。入居後に病院をらいむ松庵の近隣に変更したり、すだちの里の嘱託医への受
診や新たに通院を始めた方は世話人が付き添っています。また、急な体調不良については、世話人が通院に付き
添い受診しています。通所中に体調が悪くなる日もあり、通所先への迎えや受診に世話人が付き添えない時は、す
だちの里の職員に協力してもらい対応しています。歯科については月に 1 回らいむ松庵に往診に来て頂いていま
す。往診歯科は、希望を募り、口腔ケアや義歯の調整、虫歯の治療もお願いしています。
すだちの里すぎなみの看護師が月に 1~2 回程らいむ松庵の早番勤務を行い、その際に血圧の測定や健康状態
を診ています。その他に世話人との話し合いの場を定期的に持ち、入居者の健康面についての相談に乗ってもらっ
ています。具体的には、入居者の健康状態の変化や改善に向けてできること、受診する病院や診療科についてアド
バイスを受けています。
今後の課題としては、現在保護者にお願いしている通院をどの段階で世話人が引き継ぐのか。その際には世話
人が通院に対応しきれるのか。移動支援を利用して通院できるのか。加齢などにより新しい疾病が出てきた場合の
通院先をどこにするのか。など様々あります。健康で安全な地域生活を送る上で通院する事は必要になってくると
思います。様々な課題はありますが、毎日の健康と共に将来の健康にも目を向けて支援しています。
世話人 藤井光夫
4
すだちの里→らいむ松庵へ
私はすだちの里で働き始めてから 2 年目にらいむ松庵への異動が決まりました。初めはまだまだ支援員としても
未熟な私がケアホームの世話人として支援してけるのか戸惑いがありました。入居者の方の半数以上がすだちの
里から移行した方で顔と名前は一致していましたが、初めて勤務をした時はとても緊張したのを今でも覚えていま
す。
ケアホームでは日常の支援はもちろん、食事作りも世話人が行います。初めての事ばかりで不安もたくさんありま
したが、私が作った食事を「おいしい!」と言って食べてくれる入居者の方を見ると施設とはまた異なった嬉しさやや
りがいを感じる事ができます。また、すだちの里との違いとして通所先の保護者連絡会や個人面談に参加する事も
あります。日々、入居者の方と生活している世話人だからこそ見られる変化や日々の様子を
細かく伝えていけるよう心掛けています。入居者の方や保護者の方々が安心できるケアホーム
らいむ松庵の一員として頑張りたいと思います。
世話人 田中莉沙
一年を振り返って
私が働き始めたのは、人里離れた場所にある入所施設で、10 年以上も前のことです。「措置」と言う言葉が使わ
れていた時代で、施設の立ち上げから働かせてもらいました。入所される方の多くは 30 代後半から 50 代で、保護者
が高齢であったり、兄弟が保護者になり自宅での生活支援が限界にきている方が多かったのを記憶しています。利
用者の入所日、若かった私は、新しい出会いにウキウキし、とても楽しみにしていました。しかし、付き添いでいらし
ていた保護者は「入所できて安心した」と言いながらも別れを惜しみ、涙を流される方もいました。なかには「嫁に出
す想いです。本当によろしくお願いします」と手を握ってお願いされる方もいました。大切な命を預かるという使命感
に奮い立ったのと同時に入所させたくてさせている方ばかりではない保護者の複雑な胸の内を痛感したのを覚えて
います。利用者は新しい生活を楽しんでいらっしゃる方もいましたが、生まれ育った地域から離れ保護者や兄弟、作
業所での友達をとても大切に思って懐かしむ方が多くいいました。
らいむ松庵は重度の知的障害を持った方が、杉並区松庵という地域で生活するケアホームとして誕生しました。
杉並区松庵で育った方はいませんが、付き合いの長い移動支援事業所やヘルパーさん、通所先やそこの支援員さ
んとの付き合いは続いています。また、自宅から近いのでご家族の面会や帰宅がしやすい面もあります。在宅時代
から利用していた美容院へ毎月、移動支援を利用して外出している方もいて慣れ親しんだ地域で生活するケアホー
ムであると実感しています。
1 年が経ち、12 名の方の生活が安定してきました。入居者から「らいむに帰る」と言う言葉を聞くととてもうれしく思
います。らいむ松庵は 12 名の方の「家」という存在になりました。通所先に送り出す、食事を準備し食べる、入浴を
する、などの一つ一つの生活に一生懸命で余裕が持てなかった開所当時に比べて、入居者ひとりひとりの課題に
取り組めるようになってきました。まだまだスタートしたばかりです。
重度の知的障害を持った方が生活する地域のケアホームが増えていくためにも、らいむ松庵で充実した生活を送
れることを実践していきたいと思います。保護者、通所先のみなさん、移動
支援事業所のヘルパーさん、通院先の医師や看護師
さん、近隣の方々、今後もご協力を宜しくお願いします。
サービス管理責任者兼世話人
清水麻希
<一周年記念パーティーの様子>
5
すだちの里 職員紹介 ~ 今 年 度 は 新 た に 7 名 の 方 が 入 り ま し た ~
私は以前、高齢者の小規模多機能型居宅介護事業所で、5年間働いておりました。そこでは地域密着型サービス
をスローガンにデイサービスを中心とし、状況に応じて訪問介護やショートステイサービスを利用出来るといったもの
でした。すだちの里で働いてみて凄いと感じたのは、地域移行をスローガンに掲げていて、すだちの里に入所する皆
さんのゴールではなく、卒業をして、それぞれの道に向かっていくことを目標にしているところです。
私がイメージしていた入所施設は、「生活をする場所」というイメージでしたが、すだちの里は就労されていく方、グ
ループホーム・ケアホームに地域移行されていく方、ご自宅やグループホーム・ケアホームなどから通所される方もい
ます。地域で生活していく上で、その方一人一人に合った支援を日々試行錯誤しながら行っており、そこに魅力を感じ
ました。私は高齢者福祉も障害者福祉も経験させて頂き、その経験が自分の大きな武器だと
思っています。今までの経験を生かし、すだちの里の一員として、皆さんの力になれるよう
頑張りたいと思います。
生活支援員 栗原良修
宿泊旅行 in 山梨県
~世界文化遺産!富士山に行ってきました~
7 月 4 日(木)5 日(金)の一泊二日で宿泊旅行に行きました。すだちの里の利用者さん 57 名(通所の方も行きまし
た)、職員 35 名の 92 名で大型バス 2 台に乗り山梨県河口湖に行きました。
初日は富士急ハイランドでジェットコースターやお化け屋敷などを回り、目いっぱい遊んで河口湖畔のホテルに宿
泊しました。ホテルでは、ほうとうなど美味しい食事を食べ、ビンゴやカラオケ大会で盛り上がりました。温泉にもゆっ
たり浸かれ日頃の疲れも癒されました。
二日目は富士山五合目にバスで行きました。悪天候で富士山を眺めることはできなかったのですが、普段感じら
れない強風に喜んでいる方も多くいました。河口湖畔で陶板焼きを食べた後、八木崎公園のハーブフェスティバルに
行き、たくさんのラベンダーに囲まれてソフトクリームを食べながら各々のんびりと散策をしました。帰路は疲れてバ
スで寝ている方も多かったのですが、顔には二日間楽しんだ満足気な表情がありました。今年度も思い出に残る宿
泊旅行となりました。
宿泊旅行担当 藤田修司
K
<富士急ハイランド>
<富士急ハイランド> <宴会>
<
<富士山五合目>
<富士山五合目>
6
<ラベンダー畑>
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