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事 業 報 告 書 - 貿易研修センター

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事 業 報 告 書 - 貿易研修センター
平 成 25 年 度
事
業
報
告
書
一般財団法人 貿易研修センター
目
Ⅰ
本部事業
次
ページ
1.国際交流事業
1
(1)招聘事業
1
(2)特定テーマ等交流事業
9
(3)医師・政府関係者等招聘事業
2.人材育成事業
15
20
(1)日本ケースセンター(CCJ)
20
(2)アジア太平洋経営人材育成事業
25
3.調査研究及び情報提供事業
27
(1)調査研究事業
27
(2)情報提供事業等
36
Ⅱ
日欧産業協力センター事業
ページ
1.日・EUビジネス・ラウンドテーブル(BRT)
40
2.情報提供事業
42
(1)セミナー
42
(2)ビジネス・科学技術パートナーシップ支援
45
(3)政府調達関連情報
46
3.研修事業
47
(1)受入研修事業
47
(2)テーマ別研修事業
47
(3)ヴルカヌス・プログラム
47
(4)クラスターミッション
51
4.科学・技術・イノベーション協力事業
(1)日欧の産業イノベーション連携促進に向けた活動
52
52
(2)衛星測位システムの利用における日欧連携:
GNSS.asia プロジェクト
53
(3)「ICT分野における日欧国際共同研究に関する講演会2013」
の運営及び管理等に係る事務の請負
54
(4)「イノベーション・科学・技術における日欧協力関係構築」
(JEUPISTE)プロジェクト
5.欧州事務所の活動
55
58
(1)広報活動
58
(2)情報提供
59
(3)国際教育者招聘(IEJ)
62
Ⅲ
Ⅳ
業務管理運営体制
ページ
(1)理事会・評議員会の開催
63
(2)平成25年度事務局体制・組織図
64
附属明細書について
6
平成25年度事業報告
一般財団法人貿易研修センターが平成25年度において実施した事業は、次
のとおりである。
Ⅰ 本部事業
1.国際交流事業
(1)招聘事業
1)第41回「リーダーシップ・プログラム」
海外における対日理解促進を目的として、海外のオピニオンリーダーに、日
本の最新情報を紹介する「リーダーシップ・プログラム」の第41回目を、平
成25年4月14日(日)から20日(土)にかけて実施した。本年度は震災
後の東北地域の産業復興に対する理解を深めてもらうため、経済産業省東北経
済産業局の協力を得て、宮城県内の企業の訪問等を実施し、被災企業の経営再
建への歩みや新たな産業基盤の創生に向けた取組を紹介した。参加者として、
8か国の行政官、研究機関幹部、ジャーナリストの合計8名を招聘した。
参加者は本プログラムを通じ、自動車、再生エネルギー、次世代農業の分野
で、地域を牽引するリーディング企業を訪問し、地域経済・産業の復興と再生
を図る東北地域の取組を実地に学んだ。また、震災による被害を乗り越えた被
災企業を訪問し、操業再開の過程や、職員の被災体験について話を聞くことに
より、震災の教訓を直接共有することができた。
第41回「リーダーシップ・プログラム」<日程>
平成25年
参加者来日(成田国際空港着)
4月14日(日)
(都内泊)
4月15日(月) プログラム・オリエンテーション
移動(東京→仙台)
宮城県副知事表敬
東北経済産業局長によるプレゼンテーション
歓迎レセプション
(仙台泊)
1
4月16日(火) 岩機ダイカスト工業(株)訪問
東北電力(株)仙台太陽光発電所訪問
(株)舞台ファーム訪問
(仙台泊)
4月17日(水) (株)白謙蒲鉾店訪問
日本製紙(株)石巻工場訪問
石巻専修大学訪問
(仙台泊)
4月18日(木) 松島視察
トヨタ自動車東日本(株)本社・宮城大衡工場訪問
(仙台泊)
4月19日(金) ラップアップミーティング
移動(仙台→東京)
送別会
(都内泊)
4月20日(土) 参加者帰国(成田国際空港発)
第41回「リーダーシップ・プログラム」<参加者>
(国名アルファベット順)
(Australia)
Ms. Frances BEVAN(フランシス・ベヴァン)
Desk Officer, Japan Section
Department of Foreign Affairs and Trade
Australian Government
(オーストラリア・外務貿易省 日本課事務官)
Mr. José Rigoberto GARCIA G.(ホセ・リゴベルト・ガルシア・ゴンザレス) (Chile)
International Coordinator
Ministry of Public Works
(チリ・公共事業省 国際関係調整役)
Ms. Katerina DUROVE(カテジナ・デュロヴェ)
(Czech Republic)
Specialist of the Department of Africa, Asia and Australia
Ministry of Industry and Trade of the Czech Republic
(チェコ・産業貿易省 通商政策局
アフリカ・アジア・オーストラリア部専門官(北西アジア諸国担当))
2
Dr. François MOISAN(フランソワ・モワザン)
(France)
Executive Director of Strategy, Research and International Affairs
Scientific Director
ADEME (Agence de l’Environnement et de la Maîtrise de l’Energie)
(フランス・ADEME(環境・エネルギー管理庁) 研究・国際部門
担当エグゼクティブ・ディレクター)
Ms. Tekla DÖMÖTÖR(テクラ・ドゥムトゥール)
(Hungary)
Councellor
Asia Department
Ministry for National Economy
(ハンガリー・国家経済省 アジア局 二国間経済関係担当官)
Ms. Yasmin MASOOD(ヤスミン・マスード)
Joint Secretary (Investment &Facilitation)
Ministry of Industries
(パキスタン産業省 局長(投資促進担当))
(Pakistan)
Ms. Clara BARATA(クララ・バラータ)
Journalist
Newspaper PÚBLICO
(ポルトガル・日刊紙「プブリコ」
(Portugal)
国際担当記者)
Dr. Patrick ZILTENER(パトリック・ツィルトナー)
(Switzerland)
Senior Researcher/Lecturer in Sociology/Economics
University of Zurich
(スイス・チューリッヒ大学 シニア・リサーチャー/レクチャラー
(社会学/経済学))
2)アジア有望指導者招聘
アジア諸国の行政機関、経済団体等の幹部職員で、経済分野において次世代
を担うことが有望視される指導者を日本に招聘し、わが国各界要人との交流や
企業訪問などを通じて、対日理解の促進と人脈形成を目的とする事業で、18
年度から実施している。
25年度は、「経済発展のための中小企業振興策」をテーマに、カンボジア、
ラオス、ミャンマー、ベトナム(CLMV諸国)を対象に実施した。招聘対象
者は各国3名だが、カンボジアからの参加予定者1名が直前に公務により参加
を取止めたため、実際の参加者は11名となった。
参加者は経済産業省、(独)中小企業基盤整備機構からわが国における中小企
業育成・振興施策についての説明を受け、理解を深めた。その後、こうした政
策が現場、特に地方でどう活かされているかを学ぶため中小企業の集積地の1
つである浜松市を訪問し、浜松商工会議所メンバーと意見交換を行った。また、
3
浜松や都内近郊で中小企業を含めた企業を訪問し、企業による振興施策の活用
事例、及び各社が実践している人材育成や技術開発への取組を学んだ。
第7回「CLMV有望指導者招聘」<日程>
10月21日(月) 参加者来日(成田着)
プログラム・オリエンテーション
経済産業省・中小企業庁訪問
(都内泊)
10月22日(火) (独)中小企業基盤整備機構訪問
(株)メトラン訪問
歓迎レセプション
(都内泊)
10月23日(水) 都内から浜松市へ移動
浜松商工会議所訪問・意見交換会
(株)ソミック石川訪問
(株)鈴木楽器製作所訪問
(浜松泊)
10月24日(木) (有)春華堂うなぎパイファクトリー訪問
浜松市から都内へ移動
(都内泊)
10月25日(金) 墨田区役所訪問
大松染工場訪問
修了式/送別式
(都内泊)
10月26日(土) 参加者離日(関西国際空港発)
第7回「CLMV有望指導者招聘」<参加者>
(国別アルファベット順)
<カンボジア王国>
Dr. KONG Putheara(コン・プテラ)
カンボジア商業省 貿易統計情報部部長
Mr. KONG Ratha(コン・ラタ)
カンボジア経済財政省 経済統合部次長
<ラオス人民民主共和国>
Ms. Phoutthahack PHOLSENA(プータハック・ポルセナ)
ラオス開発銀行 副社長
4
Dr. Keomorakoth SIDLAKONE(ケオモラコット・シラコン)
ラオス商工省 中小企業振興局副局長
Ms. Singeun SOUKHAPHONH(シンゲン・スーカポン)
ラオス商工省 中小企業振興局国際協力課長
<ミャンマー連邦>
Ms. San San Mya(サン・サン・ミャー)
ミャンマー国家計画経済開発省 計画部次長
Mr. Than Soe(タン・ソー)
ミャンマー連邦共和国商工会議所連合会
若手起業家協会中央執行委員会 兼 7HR Business Group
最高経営責任者
Mr. Thit Lwin Lay(ティト・ルウィン・レイ)
ミャンマー工業省 工業局政策部長
<ベトナム社会主義共和国>
Ms. LE Mai Huong(レー・マイ・フオン)
ベトナム商工省 工業振興局計画課長
Mr. NGUYEN Hai Trung(グエン・ハイ・チュン)
ベトナム商工省 計画局次長
Ms. NGUYEN Thi Hoang Thuy(グエン・ティ・ホアン・トゥイ)
ベトナム商工省 局長級
3)アジアとの交流促進
今後急速な成長が期待できるミャンマー、カンボジア等のアジア新興市場国
の若手人材を毎年国別に5名程度招聘し、日本の産業界等との交流を行うこと
により、中長期的な観点からこれら諸国とのネットワーク強化を図る事業。初
年度となる25年度は、ミャンマー経済界から若手の有望リーダー5名を招聘
した。
本プログラムでは、参加者に日本に対する理解を深めてもらうと同時に、自
国の現状について説明してもらい、相互理解を促す内容とした。訪問先には「高
品質」、
「ハイテク」、
「安全」といった点に強みを持つ東京、愛知、京都の企業・
団体等を選び、それぞれの事業活動について説明してもらった。また、歴史的
な施設も訪問し、日本の歴史、文化、伝統に対する理解を深めてもらった。
なお、本事業は、(公財)JKAの補助金を受けて実施した。
5
「ミャンマー若手リーダー招聘事業」<日程>
12月2日(月) 成田空港到着
プログラム・オリエンテーション、講義
JICA訪問
(東京泊)
12月3日(火) (株)大林組訪問
スカイツリー視察
総合商社訪問
(東京泊)
12月4日(水) 東海道・山陽新幹線総合指令所訪問
キユーピー(株)挙母工場訪問
(名古屋泊)
12月5日(木) トヨタ産業技術記念館訪問
朝日新聞京都工場訪問
京都市内視察
(京都泊)
12月6日(金) 堀木エリ子&アソシエイツ訪問
京都市内視察
ラップアップミーティング/フェアウエルディナー
(京都泊)
12月7日(土) 参加者帰国
「ミャンマー若手リーダー招聘事業」<参加者>
(アルファベット順)
Ms. Ei Kay Thwe Khine(イー ケイ トゥエ カイン)
ジェイサットコンサルティング社 常務取締役シニアコンサルタント
Ms. Hanefa Dawood(ハネファ ダウッド)
NTTデータミャンマー社 財務部シニアアカウンタント
Mr. Kyaw Dewa(キャウ デワ)
ミャンマー商工会議所連合会 中央執行委員会メンバー/ UKDワ
ールドクラスインターナショナル社 社長
Ms. Lai Lai Aye(ライ ライ エイ)
ミャンマー若手企業 家協 会 執行委員会 メンバー/マンダラー ミン
エクスプレス社 会長
Mr. Pyi Soe Maw(ピイ ソー モウ)
DIR-ACEテ ク ノ ロ ジ ー 社 オ フ シ ョ ア セ ン タ ー プ ロ ジ ェ ク ト
マネージャー
6
4)国際教育者招聘(IEJ)
わが国企業の海外進出が活発化した1970年代から、進出日系企業をメン
バーとする現地日本人会などが中心となって、駐在員子女を温かく受け入れて
いる現地公立学校等の教師や教育関係者を、感謝と対日理解促進の目的で日本
に招聘するプログラムが企画され、今日まで40年近く継続されている。当初、
わが国における受け皿は(独)日本貿易振興機構だったが、平成20年度から
は当センターが業務を引き継ぎ実施している。
25年度は、欧米から24名(米国19名、カナダ2名、ベルギー3名)を
招聘し、6月23日(日)から7月4日(木)にかけて実施した。参加者は、
日本に関する講義や学校訪問、企業訪問、地方視察やホームステイ等を通して、
日本の文化や社会、教育制度について学び、帰国後は、その経験を日本人子女
教育の現場で活かしている。
第38回「国際教育者招聘(IEJ)プログラム」<日程>
平成25年
参加者来日(成田着)
6月23日(日)
6月24日(月) 午前
午後
(都内泊)
オリエンテーション、教育セミナー
都内視察
(都内泊)
6月25日(火) 終日
学校訪問
品川区立立会小学校
千代田区立九段中等教育学校
(都内泊)
6月26日(水) 午前
セイコきもの文化財団(鈴乃屋)訪問
(都内泊)
6月27日(木) 午前
午後
東京から各ホームステイ先の都市へ移動
東大寺特別拝観(奈良グループ、斑鳩グループ)
トヨタ自動車(株)訪問・懇談(豊田グループ)
(ホームステイ)
6月28日(金) 終日
学校訪問
奈良女子大附属小学校(奈良グループ)
斑鳩町立斑鳩東小学校(斑鳩グループ)
豊田市立崇化館中学校、豊田市立梅坪台中学校
(豊田グループ)
(ホームステイ)
6月29日(土) 午後
各ホームステイ先から広島へ移動
(広島泊)
7
6月30日(日) 午前
午後
広島平和記念資料館見学
カルビー(株)松尾康二相談役講演
宮島訪問
(広島泊)
7月 1日(月) 午前
午後
カルビー(株)広島工場見学
広島から京都へ移動
(京都泊)
7月 2日(火) 終日
京都市内見学
(京都泊)
7月 3日(水) 午前
夕刻
ラップアップ会議
修了式
(京都泊)
7月 4日(木)
参加者離日(関西国際空港、または伊丹空港)
第38回「国際教育者招聘(IEJ)プログラム」<参加者>
<米国>
Mr. Ricardo Rosales(リカルド・ロサレス)
(ロサンゼルス)
Ms. Amanda Leyland(アマンダ・リーランド
(ロサンゼルス)
Ms. Katherine Castleberry(キャサリン・キャッスルベリー) (ロサンゼルス)
Dr. Ronald Richardson(ロナルド・リチャードソン)
(ロサンゼルス)
Ms. Alejandra Valencia(アレハンドラ・ヴァレンシア) (ロサンゼルス)
Mr. Julian Velarde(フリアン・ヴェラルデ)
(ロサンゼルス)
Ms. Stacy Yung(ステイシー・ヤン)
(ロサンゼルス)
Mr. Troy Eichenauer(トロイ・エクナワー)
(ロサンゼルス)
Ms. Cindy Hendrix(シンディー・ヘンドリックス)
(アトランタ)
Mr. Joel Duran(ジョエル・デュラン)
(ダラス)
Mr. Thomas Shelton(トーマス・シェルトン)
(デトロイト)
Mr. Robert Phelps(ロバート・フェルプス)
(デトロイト)
Ms. Jennifer Kerbra (ジェニファー・カーブラット)
(デトロイト)
Mr. Steven Barr(スティーブン・バー)
(デトロイト)
Ms. Laura Wayne(ローラ・ウエイン)
(デトロイト)
Mr. Jason Peterson(ジェイソン・ピターソン)
(ポートランド)
Ms. Leigh Church(リー・チャーチ)
(ポートランド)
Ms. Debora Ruhlman(デボラ・ルーマン)
(サンアントニオ)
Ms. Ginger Bound(ジンジャー・バウンド)
(デンバー)
8
<カナダ>
Ms. Mariko Yoshy(マリコ・ヨシー)
Mr. Matthew Bolen(マシュー・ボレン)
<ベルギー>
Ms. Eileen Rodgers(アイリーン・ロジャーズ)
Ms. Natalia Macicior(ナタリア・マシシオル)
Ms. Shirley Brown(シャリー・ブラウン)
(トロント)
(トロント)
(ブリュッセル)
(ブリュッセル)
(ブリュッセル)
以上、計24名
(2)特定テーマ等交流事業
1)地域経済活性化等交流
①中東湾岸諸国における道産品の販路開拓事業
北海道企業の中東展開支援のために北海道経済産業局等が組織したミッシ
ョンに、食や健康食品分野の専門家2名を派遣し、カタールとUAE(ドバ
イ)で市場調査を行った。帰国後には、製菓企業、食関連商社等が参加する
報告会を開催し、調査成果を周知した。
中東湾岸諸国における道産品の販路開拓事業
専門家派遣・報告会の開催<概要>
<カタール、UEA(ドバイ)への調査団派遣>
日 程:平成26年2月26日(水)~3月4日(火)
派遣専門家:
(一社)北海道食産業振興機構 企画総務部次長 稲垣 恭典氏
(一社)北海道バイオ工業会 事業企画・運営委員 村上 季隆氏
主な訪問先:
在ドバイ日本総領事館、Gulfood2014視察、JETROドバイ、
現地有力財閥シャラフグループ、カタール商工会議所、在カター
ル日本大使館、現地ショッピングモール、スーパーマーケットほか
<帰国後の調査報告会>
日 程:平成26年3月25日(火)
主な参加者:
北海道食産業総合振興機構、北海道バイオ工業会、JETRO地
域統括センター(北海道)、(株)道銀地域総合研究所、道内食関
連企業、バイオ関連企業ほか(約40名)
9
②日本酒の海外展開に向けた専門家招聘事業
東北経済産業局の要望に基づき、東北地域(福島県)の日本酒の海外展開を支
援するため、国外の酒業界向けに発信力を持つ専門家2名を福島県の蔵元に案
内して製造環境等への理解を深め、東北産日本酒の魅力発信に役立ててもらっ
た。専門家は輸出に際しての留意点等についてアドバイスをし、蔵元側の輸出
戦略策定を助け、また、酒造メーカー等を対象とする「海外の日本酒市場」に
関するセミナーで講演してもらい、輸出拡大への機運醸成を図った。
両専門家とも、輸出用には品質の高い酒又は特徴のある酒を選ぶべきとの意
見であった。また、酒だけではなく料理との組合せ(マリアージュ)の提案、蔵
元の歴史の紹介など、売り込みにストーリー性を持たせることを勧め、商談で
は現地で売る人の立場に立った情報の提供が必要だと指摘した。
日本酒の海外展開に向けた専門家招聘事業<概要>
日 程:平成25年11月12日(火)~14日(木)
招へい専門家:
フランス在住のソムリエ・日本酒輸入業者 宮川 圭一郎氏
日本在住の米国向け日本酒輸出業者・「日本酒伝道師」ジョン・ゴ
ントナー氏
主な活動:
11月12日(火)人気酒造訪問(二本松市)
11月13日(水)ほまれ酒造訪問(喜多方市)
末廣酒造訪問(会津若松市)
日本酒海外展開セミナー
(会津若松市)
(約40名参加)
11月14日(木)宮泉銘醸訪問(会津若松市)
③日越環境ビジネス交流事業
関西の企業が環境問題解決のために培ってきた技術・ノウハウを活用して、
急速な経済発展と人口増加により環境悪化に直面しているベトナムを支援する
ことを目的に、近畿経済産業局との協力の下、当センターが支援する2名の専
門家を含む調査ミッションをベトナムへ派遣した。調査成果を生かし、環境関
連の機器や部材をパッケージとして売り込み、地域経済を活性化させる効果が
期待されている。
調査団は、政府関係機関、大学等の研究機関及び業界団体等におけるヒアリ
ングや意見交換等を通して、環境問題の現状と各種の取組、日本企業が協力可
能なニーズを調査し、その結果を帰国後、セミナーで報告した。
10
日越環境ビジネス交流事業
調査ミッション派遣<概要>
日 程:平成25年7月15日(月)~7月20日(土)
派遣専門家:
大阪工業大学 工学部環境工学科准教授 古崎 康哲氏
京都大学大学院 地球環境学堂環境調和型産業論分野助教
原田 英典氏
主な訪問先:
ベトナム建設省技術基盤政策局給排水部
ベトナム商工省
ベトナム天然資源環境省環境総局
ベトナム石炭・鉱物鉱業グループ
ベトナム環境産業協会
ホーチミン国立大学環境資源研究所
ベトナム科学技術アカデミー環境技術研究所
日越環境ビジネス交流事業
国内セミナー<概要>
日
主
程:平成25年9月3日(火)14:00~18:00
催:大阪商工会議所、近畿経済産業局、Team E-Kansai、(一財)貿易
研修センター
報告者:大阪工業大学 工学部環境工学科准教授 古崎 康哲氏
京都大学大学院 地球環境学堂環境調和型産業論分野助教
原田 英典氏
参加者:110名
④東南アジアにおける環境技術ソリューション型ビジネス交流事業
中国地域には、公害防止対策で培った技術・ノウハウを有する企業が数多く
存在しており、経済の著しい発展に伴い環境問題が深刻化する東南アジア市場
展開への関心が高まっている。本事業では、ベトナム・カントー市から同市幹
部を招聘し、現地の具体的ニーズを紹介してもらい、中国地域の関連技術との
マッチングを図ることで、中国地域企業のアジア環境ビジネス市場への展開を
後押ししていくことを目的に実施した。
具体的プログラムとして、ソリューション型の環境改善プロジェクトの創出
を狙って、環境関連技術を持つ中国地域の代表的事業所を視察してもらうとと
もに、環境関連技術を持つ企業を集めて、現地のニーズ紹介と中国地域企業の
技術を紹介する交流会セミナーを開催した。
11
東南アジアにおける環境技術ソリューション型ビジネス交流事業<概要>
<専門家招聘>
日 程:平成26年2月17日(月)~21日(金)
招聘専門家:
ベトナム・カントー市人民委員会 副委員長 Dao Anh Dung 氏
ベトナム・カントー市資源環境局 副局長 Nguyen Minh The 氏
(ほかにカントー市水道供給排水公社会長、カントー市農村環境
衛生浄水センター長も随行して来日)
主な視察先:
(株)オガワエコノス、(公財)広島県下水道公社東部浄化セン
ター、広島県副知事表敬、久米肥料(株)、瀬野川浄水場、中外
テクノス(株)ほか
<企業との交流会セミナー>
日 時:平成26年2月19日(水)14:00~17:30
場 所:広島グランドインテリジェントホテル
主な参加者:
ベトナムからの招聘者ほか計5名、環境関連技術を持つ事業者
18社、行政支援機関等(約40名)
⑤九州内中小企業のASEAN展開支援事業
九州経済産業局などと協力し、ASEANへの入口として発展を続けるタイ
と九州地域企業等関係者とのネットワーク形成を目的としたビジネスセミナー
を福岡及び鹿児島で開催した。タイ側は投資委員会(BOI)の幹部が進出企
業に対する環境整備やサポート等の取組を紹介するとともに、今後の展望につ
いて説明した。日本側は、福岡セミナーでは「自動車、自動車部品、金型」、
鹿児島セミナーでは「食品、サービス、ものづくり」をテーマに、専門家及び
タイに進出している企業の経営者らが発表を行った。
また、九州の企業が今後の生産拠点として強い関心を持つベトナムに関して、
「日越投資及び科学技術協力フォーラム」を福岡で開催した。技術力のある日
本企業の誘致に熱心に取り組むベトナムは、計画投資省副大臣等を始めとする
講演者らが、ビジネス動向や投資環境について説明する一方、九州側はベトナ
ム進出企業等が講演し、ASEAN地域へのビジネス展開を検討する参加者の
関心に応えた。
12
九州内中小企業のASEAN展開支援事業
「九州・タイ(ASEAN)ビジネスセミナー」<概要>
日 程:平成25年7月31日(水)(福岡)、8月1日(木)(鹿児島)
派遣講師:
大阪産業大学 デザイン工学部情報システム学科教授 前川 佳徳氏
クロスロード・キャピタル(株) 取締役 辻 佳子氏
(独)日本貿易振興機構 農林水産・食品部農林水産・食品企画課長
花田 美香氏
九州内中小企業のASEAN展開支援事業
「日越投資及び科学技術協力フォーラム」<概要>
日 程:平成25年9月19日(木)(福岡)
主な講演者:
在福岡ベトナム総領事館 総領事 ブイ・クオック・タイン氏
ベトナム計画投資省 副大臣 ダオ・クアン・トゥー氏
ベトナム中央経済管理研究所 海外投資局経営環境・競争課長
グエン・ティー・トゥエ・アイン氏
⑥アジアITビジネスパートナーシップ事業
情報通信関連(ICT)産業の振興・国際化に力を入れている沖縄地域を支
援するため、沖縄総合事務局経済産業部の要望に基づき、ミャンマー国の同分
野で影響力を持つ専門家2名を同地域に招聘し、IT関連施設(研修・開発)
等を紹介し、関係者と交流するプログラムを実施した。
招聘期間中に、沖縄のアジアITビジネス振興施策についてのプレゼンテー
ション、OSS(Open Source Software)の活用や産学官連携の状況説明に加え、
IT関連研修施設・データセンターの視察、報告会等を実施し、沖縄地域とミ
ャンマーのIT分野における産業交流につき、具体的な方策に係る意見交換を
行った。
13
アジアITビジネスパートナーシップ事業<概要>
日 程:平成25年11月10日~16日
専門家(被招聘者):
Mr. Zaw Min Oo
Secretary General, Myanmar Computer Federation(MCF:ミャ
ン マ ー 情 報 産 業 協 会 ) 事 務 局 長 兼 Myanmar Technology
Gateway Co. Ltd. CEO)
Dr. Tun Thura Thet
Join Secretary , Myanmar Computer Federation(MCF 局長 兼
Myanmar Information Technology CEO)
2)市場協議会支援
センターは、16年度より、英国、オランダ、ベルギー・ルクセンブルグの
3つの市場協議会とともに、わが国とこれら諸国との経済交流強化促進を目的
とする事業の実施に協力している。
25年度も英国、オランダ両市場協議会との間に締結した経済交流促進事業
協力に関する契約に基づき、下記の3事業を実施した。
①英国市場協議会
a)テロ対策特殊装備展(SEECAT)支援事業
平成25年10月に東京ビッグサイトで開催された「対テロ対策特殊装備展」
(SEECAT)への英国大使館ブース出展を支援した。
同年7月に日英間で「防衛装備品及び関連物品の共同研究、開発、生産に関
する協定」が結ばれ、さらに東京オリンピック開催が決定したことを背景に日
本市場への期待から関心を示す企業数は増加、うち6社が同ブースに出展した。
3日間にわたるSEECATの総来場者数は昨年比約1割増で、英国大使館
ブースにも西村泰彦警視総監を始め多くの来訪者があり、代理店、製造委託先
などの有望なパートナーを見つけるという成果を得た出展企業もあった。
b)ライフ・サイエンス関係セミナー開催支援事業
英国大使館による「英国オンコロジー通商ミッションセミナー」開催に協力
した。
同セミナーは、ガン関連のバイオマーカー、創薬、治験サービスを提供する
企業14社から成る英国ライフサイエンス通商ミッションを受け入れ、平成2
6年2月4日に東京、6日に大阪において開催された。英国を代表する製薬会
社グラクソ・スミスクライン社の開発本部長による「日本におけるガン治療薬
開発の現状」と題する基調講演に続き、ミッション参加企業の代表者による各
社の最新技術・サービスについてプレゼンテーションが行われた。
14
日本企業等からの参加者は、東京セミナーが91名、大阪セミナーが66名
に上り、セミナーと同時に開催された個別面談会では両会場で合計55件の商
談が行われた。
②オランダ市場協議会
明治政府に招聘され、日本各地の河川改修や港湾建設などに大きな功績を残
したオランダ人技師ヨハニス・デ・レイケの没後100年を記念して、平成2
5年7月5日、
「持続可能なインフラストラクチャーへの提言」をテーマとする
シンポジウムを共催した。
基調講演ではデルフト工科大学のフランス・ファン・デ・フェン教授がデ・
レイケの功績を振り返りながら、治水・土木分野において今後「パラダイム・
シフト」が必要になると強調し、また、日本学術会議の大西隆会長が東日本大
震災の教訓として、防災から減災へ対策の軸を移していく必要があると訴え、
募集を上回る122名の参加を得た。
(3)医師・政府関係者等招聘事業
1)海外医療人材育成事業
本事業は、海外の医療水準の向上、わが国の医療機器の普及、ひいてはわが
国と関係国との相互理解の促進と経済社会面での友好関係の維持発展に資する
ため、アジアを中心とする諸外国の代表的な公的医療機関が推薦する医療従事
者を招聘し、わが国における最新医療・医療機器技術を習得させるともに、日
本文化・社会の理解、学会参加によるわが国医療関係者との交流の機会等を提
供するものである。
25年度は、インドネシア、ベトナム各2名、タイ、マレーシア各1名、計
6名の春季・秋季新規研修生、インドネシア、モンゴル各2名、ベトナム1名、
計5名の短期研修生を招聘した。
各種医療機器を使った高度診断技術の習得、外科手技や多職種協働チーム医
療現場の見学等の専門分野別実地研修の一方、学会参加、先端医療設備機器や
その製造工程の見学、また日本文化・歴史の学習やスタディツアーを通じて、
日本の先進的臨床技術、先端的医療機器・医療システムだけでなく、高度医療
を支える医療環境面の現況、さらには現在の日本社会や日本人、日本の歴史や
文化について各研修生の理解の促進、知識の深化を図ることができた。
また、以上の研修生招聘に加え、各国の医療事情の調査、派遣元である医療
機関との情報交換、あるいは研修のフォローアップ、各国の医療技術の向上を
目的とするわが国医療関係者の現地派遣も実施した。
インドネシア大学、同大学医学部付属チプトマングンクスモ病院、ペルサハ
バタン病院、国立がんセンター、国立循環器センターを表敬訪問し、院内視察
を実施する一方、研修生OBとの会合等の機会を通じて、同国における彼らの
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活躍状況や事業成果の確認、今後の同国からの研修生招聘に関わる情報収集を
行った。
さらには、インドネシア・ジャカルタのインドネシア大学チプトマングンク
スモ病院において、研修生OBほか現地皮膚科医師に対して皮膚手術の手技デ
モンストレーション、症例診断指導、講演を、また研修生OBを含む同院脳神
経外科医師に対して、脳神経血管内治療に関する講演と手技指導、診断指導を
行った。
なお、本事業は、関係企業から寄附金を募り、専門医療機関(25年度は虎
の門病院)と協力して実施している。
海外医療人材育成事業<研修実施概要>
招聘期間:(春季新規研修) 平成25年5月27日(月)~7月20日(土)
(秋季新規研修) 平成25年9月9日(月)~11月2日(土)
(短期研修)
平成25年6月24日(月)~7月10日(水)
平成25年7月1日(月)~13日(土)
平成25年9月17日(火)~10月19日(土)
平成25年10月7日(月)~26日(土)
平成26年2月17日(月)~3月8日(土)
招 聘 者:(春季新規研修) ベトナム2名(ハノイ医科大学ヴェトドク病院)、
インドネシア1名(インドネシア大学ペルサハ
バタン病院)
(秋季新規研修) インドネシア1名(インドネシア大学チプトマ
ングンクスモ病院)、タイ1名(チョンブリ病
院)、マレーシア1名(マレーシア理科大学)
(短期研修)
インドネシア2名(インドネシア大学チプトマ
ングンクスモ病院)、モンゴル2名(国立がん
センター)、ベトナム1名(ハノイ医科大学ヴ
ェトドク病院)
2)インドネシア政府職員研修受託事業
(独)国際協力機構(JICA)の委託を受け、同機構がインドネシア国内
におけるIJEPA(日イ経済連携協定)特恵関税制度の理解増進、活用能力
強化を通じての同協定の利用促進を目指して平成23年から進める「日イ経済
連携協定活用強化プロジェクト」の一環として、24年度に続き、下記の2つ
の研修を実施した。
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①インドネシア共和国国別研修「FTA/EPA経済的効果評価測定能力向上」
FTA/EPAの経済効果分析の近況やIJEPA活用促進への課題理解と
GTAPを活用したFTA経済効果分析手法、とりわけ動学的分析手法につい
ての知識・技術習得を目的として、平成25年9月2日~13日、インドネシ
ア商業省の調査・分析担当職員等10名を対象に、講義、企業訪問等を内容と
する研修を実施した。
「FTA/EPA経済的効果評価測定能力向上」<日程>
9月 2日(月) 午前 研修に関するブリーフィング
プログラム・オリエンテーション
午後 講義:「日本の産業高度化施策」
早稲田大学 大学院アジア太平洋研究科教授
秀次郎氏
浦田
(都内泊)
9月 3日(火) 終日 講義:「GTAP等を活用したEPA経済効果分析」
~4日(水)
名古屋市立大学 大学院経済学研究科准教授 板倉 健氏
(都内泊)
9月 5日(木) 午前
講義:「FTA効果推計:グラビティモデルの適用」
和歌山大学 経済学部経済学科准教授 岡部 美砂氏
午後 第76回東京インターナショナル・ギフトショー見学
(都内泊)
9月 6日(金) 午前 京都に移動
パナソニック(株)アプライアンス社訪問
午後 神戸に移動
(神戸泊)
9月 7日(土) 終日 フリー
(神戸泊)
9月 8日(日) 終日 フリー
(神戸泊)
9月 9日(月) 午前 UCC上島珈琲(株)六甲アイランド工場訪問
午後 大阪商工会議所訪問
(大阪泊)
9月10日(火) 午前 大阪企業家ミュージアム訪問
関西EPA研究会メンバーとの意見交換
午後 ダイハツ工業(株)本社(池田)工場第二地区訪問
東京に移動
(都内泊)
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9月11日(水) 終日 講義:「GTAP等を活用したEPA経済効果分析」
~12日(木)
名古屋市立大学 大学院経済学研究科准教授 板倉 健氏
(都内泊)
9月13日(金) 午前 講義:「最近の我が国の経済連携協定等の取組」
経済産業省通商政策局経済連携課/アジア大洋州課
午後 評価会
閉講式
(都内泊)
②インドネシア共和国国別研修「IJEPA特恵関税利用促進」
日本の通関・輸入手続及び検査制度等に関する最新情報・知識の獲得、民間
企業のEPAへの取組状況等に関する理解、インドネシアの中小企業のIJE
PA活用による対日輸出促進への課題認識を目的に、平成25年11月18日
~29日、インドネシア商業省職員及び原産地証明書発給業務を担当する地方
政府職員14名を対象に、講義、意見交換、企業訪問を内容とする研修事業を
実施した。
「IJEPA特恵関税利用促進」<日程>
11月18日(月) 午前
午後
11月19日(火) 午前
午後
11月20日(水) 午前
午後
研修に関するブリーフィング
プログラム・オリエンテーション
経済産業省通商政策 局経済連携課及びア ジア大洋州
課並びに貿易経済協力局原産地室との意見交換
在日インドネシア大使館訪問
(都内泊)
講義:「貿易管理システムとNACCSとの統合
~貿易管理と通関手続の一体的な電子化の効果~」
経済産業省貿易経済協力局貿易管理課
東京税関原産地セン ターとの意見交換及 び広報展示
室見学
(都内泊)
大田市場訪問
講義:「植物検疫・食品衛生」
(一社)日本青果物輸入安全推進協会
「輸入青果に対する取組・考え方」
東京青果貿易(株)
味の素(株)川崎工場訪問
(都内泊)
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11月21日(木) 午前
午後
姫路に移動
日本水産(株)姫路総合工場訪問
(神戸泊)
11月22日(金) 午前
午後
UCCコーヒー博物館訪問
ダイヤモンド電機(株)訪問
(茨木泊)
11月23日(土) 午前
午後
西陣織会館訪問
(株)細尾訪問
(茨木泊)
11月24日(日)
奈良に移動
(奈良泊)
11月25日(月) 午前
午後
ハウス食品(株)奈良工場訪問
パナソニック(株)アプライアンス社訪問
名古屋に移動
(名古屋泊)
11月26日(火) 午前
午後
名古屋商工会議所訪問
名古屋税関訪問
(名古屋泊)
11月27日(水) 午前
午後
名港海運(株)訪問
(農)アグリコ訪問
(駒ケ根泊)
11月28日(木) 午後
丸仙青果(株)訪問
東京に移動
(都内泊)
11月29日(金) 午前
午後
日本商工会議所訪問
評価会及び閉講式
(都内泊)
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2.人材育成事業
(1)日本ケースセンター(CCJ)
貿易研修センターは、国内の経営大学院、専門職大学院、企業研修などの経
営者育成組織の共通課題である、実践的教育の質を高めるための教材を質・量・
種類ともに充実させるため、会員登録制のCCJ事業を行っている。本事業で
は、ウェブサイトによるケース教材の流通システムを運営し、討議型教育とし
てのケースメソッドの普及に向けた様々な企画を実施して、教育者同士の研鑽
の場を提供している。
1)会員制度と会員数の推移
25年度における新規会員登録は457名であった。昨年度に引き続き、専
門会員と学術会員の在籍確認を実施した結果、総会員数は1,976名と前年
比395名の純増となった。中でも、組織の人材開発・研修を担当する専門会
員の数が着実に伸びており、昨年度以降、会員数で学術会員を上回っている。
これは、企業や組織における人材育成研修にケースを活用する傾向が高まって
いることを示唆している。
会員数推移
23年度末
24年度末
25年度末
一般会員
830
904
1,196
専門会員
290
348
425
学術会員
293
329
355
2)ケース流通システムの運営・維持管理
CCJでは、国内外で開発されたケース教材の一元的な検索・流通システム
を確立し、会員のニーズに則した教材の選択を可能にするウェブサイトを目指
し、運営している。25年度も新たに40の日本語ケースを登録し、ケース種
類の拡充に努めた。
年度末ケース登録数
24年度
日本語ケース
英語ケース
25年度
増加率
419
461
10%
14,109
14,987
6.2%
また、ケース販売も25年度は前年度比18.2%と、堅調に売上が増加し、
ケース数量ベースでも約2万5千コピーに達した。このうち、英語ケースが
20
11%であり、安定した英語ケースの需要があることが伺える。ケース購入者
の内訳は、学術会員が全体の54%、専門会員が35%、一般会員が11%と
なっている。CCJのケース販売数のうち、ケース登録数が最も多いハーバー
ド・ビジネス・パブリッシングのケースが全体の75%以上を占めており、同
出版社の売上部数は前年比16.9%となっている。一方で、他の提供機関の
ケースや、国内で開発されたケースの販売部数も堅調に伸びており、会員が多
様な種類のケースを活用していることが伺える。
ケース販売数推移(部数)
販売数
24年度
25年度
21,110
24,952
増加率
18.2%
会員サービスの向上を目指し、ウェブサイトの内容充実と利便性向上を図る
ため、定期的にサイトシステムの改修を行っている。25年度は、ケース検索
画面などのシステム改良を行ったほか、ウェブサイトのトップページに、取り
扱いケースに関する情報やCCJの実施した研修企画報告を掲載し、会員にと
ってより有意義なコンテンツの提供に努めた。23年度に、ケースの狙い、メ
リット、留意事項などを掲載できるコメント欄を新設したところ、25年度に
はコメントの投稿数も大きく増え、ケースを教える講師が使用後の感想や意見
を共有できる場として活用されている。
3)ケース翻訳・改訂・収集
多様なケースを提供するために、6つの海外提携機関(ハーバード・ビジネ
ス・パブリッシング(HBP-米国)、アイビー・パブリッシング(Ivey-
カナダ)、IMD(スイス)、INSEAD(フランス・シンガポール)、ケースセン
ター(The Case Centre-英国)、ダーデン・ビジネス・パブリッシン
グ(Darden-米国))と提携している。25年度も、これら提供機関との協
力関係を強化することに努め、日本ではなかなか入手できないテーマや日本企
業に関連の深い分野を選択して翻訳を行い、質の高いケースを会員へ提供する
ことができた。
また、海外のケースを翻訳して使いたい会員からの依頼に応じた翻訳ケース
の登録・販売を行っている。ケース開発者からの国内ケース登録も受け付けて
おり、ケース登録を促進する目的で、ケース登録に関するガイドラインを改定
した。以上の活動をもって、翻訳ケースを中心に、新しいケースの増加を図っ
た。なお、登録する翻訳ケースは、全品翻訳チェックを行い、翻訳の質の確保
に努めた。
4)各種企画・セミナーの開催
CCJは、専門会員・学術会員を対象に、ケースメソッド教育への理解を深
めることのできる実践の場を提供することを目的に、各種研修やセミナーを企
21
画している。また、ケース研修を実施している他機関とも協力・連携して、ケ
ースを活用した教育の普及とその質の向上を目指している。
25年度は、上半期に北九州市立大学大学院マネジメント研究科から依頼を
受け、ファカルティ・デベロップメント(FD)交流会に参加したほか、下半
期にはケースメソッドを研修や授業に導入するための方法を3回にわたって学
ぶケースメソッド導入セミナーを実施した。
①北九州市立大学大学院マネジメント研究科FD交流会参加
FD(ファカルティ・ディベロップメント)とは、大学教員が授業内容・方
法を改善し、教育効果を向上させるために行われる様々な取組を指す。北九州
市立大学大学院マネジメント研究科から日本ケースセンターに依頼があり、同
校のFD交流会に参加する機会を得た。ケースを活用するにはどのような方法
があり、ケースメソッドによる授業はどう運営されるのかについて、人材育成
部シニアアドバイザー稲葉エツが講演を行った。意見交換会においては、ケー
スへの取組と現状について、同校の教員と自由闊達な議論が行われた。
「北九州市立大学大学院マネジメント研究科FD交流会」<概要>
日 時:平成25年8月3日(土)13:30~15:30
場 所:北九州市立大学 北方キャンパス 本館7階会議室
主 催:北九州市立大学大学院マネジメント研究科(専門職大学院)
参加者:北九州市立大学大学院 教員16名
講 師:
(一財)貿易研修センター 人材育成部シニアアドバイザー 稲葉
エツ
プログラム:
<講演>「ビジネススクールにおけるケースの活用と授業運営」
<意見交換会>
概 要:講演では、1)ケースの種類、2)ビジネススクールにおけるケ
ースメソッド、3)ケース作成、4)日本ケースセンターの活動、
について説明を行った。とりわけ、ビジネススクール全体でどの
ようにケースメソッドに取り組む方法があるのか理解を深めるた
め、
「ケース活用のカリキュラム開発」や「ケースメソッド運営の
ポイント」といった内容に、重点が置かれた。
「ケースの作成」というテーマに対しては、参加者から多くの関
心が寄せられた。
「討議用ケース作成の留意点」から「事例研究の
討議用ケースへの転用」といった実用的な内容とともに、コース
デザインを行うためのケース作成の例を取り上げて説明した。ケ
ース作成の過程から得られる新たな学びについて、参加者は認識
を新たにした様子であった。
22
②「ケースメソッド導入セミナー」開催(学術・専門会員対象)
ケースメソッドは、討議を通じた実践能力の向上という学習効果が注目され、
様々な教育の場で活用される機会が増えている。本セミナーは、全3回のシリ
ーズとして、ケースメソッドの仕組みや効果について理解を深め、ケースを研
修や授業に効果的に導入し、活用する方法を学習することを目的に企画された。
参加者は、
「ケースを使用した研修企画」、
「ケース授業の指導法」、
「教材として
のケース」という3つの視点を、実際のケース討議を通じて学んだ。
ケースメソッド導入セミナー
~ケースメソッドの舞台裏を学ぶ・企画編~<概要>
日 時:平成25年11月29日(金)13:30~17:00
場 所:ラーニングスクエア新橋
主 催:日本ケースセンター(貿易研修センター)
参加者:企業や公的機関の人事研修担当、コンサルティング会社の管理職、
大学教授など22名
講 師:国際大学大学院 国際経営学研究科特別招聘教授 横瀬 勉氏
使用ケース:
「EMIとCTスキャナー(A)」(HBS)
プログラム:
・講師によるオリエンテーション
・グループディスカッション
・クラスディスカッション
・質疑応答
概 要:第1回目の企画編では、ケースを導入した研修の企画方法につい
て学んだ。ケース討議では、英国の音楽企業が新しい医療技術を
開発し、これまで経験のない医療業界や海外市場へ新規参入しよ
うとする試みを描いているケースを使用した。参加者は、当時の
医療機器業界と競争環境を分析し、参入の是非について議論した。
次に、新規参入に係る多様な論点を抽出するとともに、参入方法
の選択肢について検討した。これを踏まえて、企業が事業の多角
化を行う目的とは何か、まとめの議論を行った。質疑応答では、
ケース研修を企画する際のポイントや、階層別の具体的な導入例
などについて、講師が解説した。参加者は、ケース学習の有効性
について実際に体験して考え、ケースメソッド研修・授業を企画
する上で必要な知識を学習した。
23
ケースメソッド導入セミナー
~ケースメソッドの舞台裏を学ぶ・指導編~<概要>
日 時:平成26年1月23日(木)13:30~17:00
場 所:ラーニングスクエア新橋
主 催:日本ケースセンター(貿易研修センター)
参加者:企業や公的機関の人事研修担当、コンサルティング会社の管理職、
大学教授など23名
講 師:国際大学大学院 国際経営学研究科特別招聘教授 横瀬 勉氏
使用ケース:
「コロニアル・フード・サービス・カンパニー」と2つの関連ケース」
(HBS)
プログラム:
・講師によるオリエンテーション
・グループディスカッション
・ロールプレイ
・グループによるロールプレイ振り返り
・クラスディスカッション
・質疑応答
概 要:第2回目の指導編では、研修や授業で、ケースを使って教える方
法について学習した。討議で使用したケースには、ある企業の業
績面談に関する出来事とその背景が描かれており、実際の業績評
価の場面を想定した討議ができる。参加者は評価者と被評価者に
分かれてロールプレイを行い、評価や昇進に関する双方の意見の
すれ違いを体験した。また、オブザーバーは、評価者の態度や質
問、被評価者の意見などを考察した。クラスディスカッションで
は、ケースで描かれた業績評価法の問題点を分析し、業績評価の
本来の目的やアプローチについて意見を交換した。最後に、講師
によってケースリードの準備方法や留意点などが解説された。参
加者は、ケースで教える際のポイントや、ケース討議のバリエー
ションであるロールプレイの効果について理解を深めた。
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ケースメソッド導入セミナー
~ケースメソッドの舞台裏を学ぶ・教材編~<概要>
日 時:平成26年3月20日(木)13:30~17:00
場 所:ラーニングスクエア新橋
主 催:日本ケースセンター(貿易研修センター)
参加者:企業や公的機関の人事研修担当、コンサルティング会社の管理職、
大学教授など18名
講 師:国際大学大学院 国際経営学研究科特別招聘教授 横瀬 勉氏
使用ケース:
「3Mオプティカル・システムズ:企業内起業家精神の管理」
プログラム:
・講師によるオリエンテーション
・グループディスカッション
・クラスディスカッション
・ケース解説
・意見交換:「良いケースとは何か?」
概 要:第3回目の教材編では、優良とされるケースの特徴や学習効果に
ついて考えた。討議では、様々な組織の普遍的な要素を含み、異
なる階層におけるマネジメントの役割について議論ができるケー
スを選択。ある企業内で提出された、過去市場で失敗している新
製品の予算申請に対する判断について描かれており、参加者は、
ミドルマネージャーの立場から、予算申請承認の可否について議
論した。また、新製品を継続的に開発するため、社内に起業家精
神を育てるには何が必要か考えた。最後の意見交換では、多様な
視点や多くの気づきがあり、答えが一つではなくもう一度議論し
たいと思えるものが良いケースであるとの認識を共有した。参加
者は、他の参加者と様々な角度から議論を展開することにより、
自分の意見を再構築していくケース討議の醍醐味を体験した。
(2)アジア太平洋経営人材育成事業
貿易研修センターは、APEC人材養成作業部会(HRDWG)キャパシティ・
ビルディング・ネットワーク(CBN)において、APEC設立以来、日本代表
機関として参加し、APEC地域の経営人材育成の活動に携わってきた。
25年度は、インドネシアと中国で開催されたHRDWG及びCBN会合に参
加し、プロジェクトの完了報告や、26年に実施予定の新規プロジェクト申請の
ための準備を行った。
25
1)第35回APEC HRDWG及び第14回CBN会合(メダン)
平成25年6月、インドネシアのホストにより、第35回HRDWG及び第1
4回CBN会合がメダンで開催された。
HRDWGでは、この年のAPECのテーマである「強靭なアジア太平洋、世
界成長のエンジン」を踏まえて、アジア太平洋地域の持続的な経済成長に貢献す
るための人材養成について議論を実施した。
CBN会合には、日本を始め、豪州、中国、インドネシア、マレーシア、韓国、
フィリピン、チャイニーズ台北、タイ、ベトナムの10か国・地域が参加。日本
が務めてきたCBNコーディネーターの任期が終了し、チャイニーズ台北が新コ
ーディネーターに就任した。センターは、平成23年に実施した「中小企業人材
管理制度強化プロジェクト」の完了報告を行い、成果物のケースブックを配布し
た。会合では、「中小企業の管理職の能力開発」、「能力基準や訓練品質の保証シ
ステムの開発」、
「医療機関の管理職の能力開発」、
「スキル開発や職業訓練センタ
ーの連携促進」を、今後1年間に取り組む重点項目とすることで合意した。
2)第36回APEC HRDWG及び第15回CBN会合(寧波)
平成26年2月、中国のホストにより、第36回HRDWG及び第15回C
BN会合が寧波で開催された。
この年のAPECの指針として、「未来志向のアジア太平洋パートナーシッ
プ構築に向けて」をテーマに、新興国を巻き込んだ経済発展の更なる推進を目
指すことが表明された。HRDWGでは、この指針に人材育成の分野でどのよ
うに貢献するか議論を行った。また、9月にベトナムのダナンで開催される第
6回人材養成大臣会合について準備状況が報告され、主要テーマ等に関する議
論が行われた。
CBN会合には、日本を始め、豪州、ブルネイ、中国、インドネシア、韓国、
パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、チャイニーズ台北、タイ、 ベトナ
ムの12か国・地域が参加。引き続きチャイニーズ台北がコーディネーターを
務めた。センターは、26年度より実施予定の新プロジェクト「海外投資成功
のための戦略的人材マネジメント」の概要を説明し、多くのエコノミーから賛
同の意が表明された。
会合終了後、これらCBN参加エコノミーの支援の下、プロジェクトは9エ
コノミーの共同スポンサーを獲得し、センターは、平成26年のAPECプロ
ジェクト予算申請の第1期に、申請手続を提出した。
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3.調査研究及び情報提供事業
(1)調査研究事業
1)IIST国際情勢研究会
わが国対外経済政策の円滑な遂行を図っていくため、激変する国際政治・経
済情勢を的確に捉え、対応策を検討することを目的に、20年度より「IIS
T国際情勢研究会」を開催している。
米国、アジア、中国、北朝鮮等、主要国・地域の政治経済動向に精通した学
識経験者を委員に迎え、行政官を交えて国際情勢についての最新情報の収集・
分析・議論を行う非公開の研究会を全6回開催した。さらにはその成果を広く
一般に発表する公開シンポジウムを、
「日本外交の課題-アメリカ・中国・東南
アジアとの関係で」をテーマに開催した。研究会は延べ142名、公開シンポ
ジウムは106名の参加を得た。
なお、研究会及び公開シンポジウムの報告記録は、センターウェブサイト上
で公開し、広く情報提供を行っている。さらに議事録は、
「IIST国際情勢研
究会 報告書」として取りまとめ、経済産業省ほか関係機関に配布した。
公開シンポジウムは、(公財)JKAの補助金を受けて実施した。
IIST国際情勢研究会<メンバー>
<委員>
北岡 伸一氏
久保 文明氏
高原 明生氏
大橋 英夫氏
佐藤 考一氏
平岩 俊司氏
<ゲスト講師>
箱田 哲也氏
竹原 美佳氏
工藤
年博氏
立山
白井
良司氏
さゆり氏
国際大学 学長/政策研究大学院大学 教授
東京大学大学院 法学政治学研究科教授(座長)
東京大学大学院 法学政治学研究科教授
専修大学 経済学部教授
桜美林大学 リベラルアーツ学群教授
関西学院大学 国際学部教授
朝日新聞社 論説委員/前ソウル支局長
(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)
調査部エネルギー資源調査課主任研究員
(独)日本貿易振興機構 アジア経済研究所
研究企画部主任調査研究員
(一財)日本エネルギー経済研究所 客員研究員
日本銀行 政策委員会審議委員
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<オブザーバー>
経済産業省等関係者
<事務局>
(一財)貿易研修センター
塚本 弘
理事長
赤津 光一郎
専務理事
竹中 速雄
理事 総務・企画調査広報部長
IIST国際情勢研究会<開催状況>
開催回
開催年月日
第1回
平成25年
4月22日
(月)
テーマ
報告者
「金正恩政権 1 年の北朝鮮
-核、ミサイル、休戦協定
白紙化-」
「朴槿恵・韓国新政権の出
帆」
平岩 俊司氏(関西学院大学
国際学部教授)
参加者
数
24名
箱 田 哲 也 氏 ( 朝日新聞社
論説委員/前ソウル支局長)
第2回
5月10日
(金)
「尖閣諸島をめぐる諸問題」 佐 藤 考 一 氏 ( 桜 美 林 大 学
リベラルアーツ学群教授)
「 習 近 平 政 権 の 外 交 政 策 高原 明生氏(東京大学大学
と日中関係」
院 法学政治学研究科教授)
19名
第3回
6月7日
(金)
「中国のエネルギー事情」 竹原 美佳氏((独)石油天
然ガス・金属鉱物資源機構
調査部エネルギー資源調査
課主任研究員)
「 中 国 の 国 家 資 本 主 義 と 大橋 英夫氏(専修大学 経
エネルギー部門」
済学部教授)
18名
第4回
7月8日
(月)
コメント
「米中首脳会談の評価に
ついて」
26名
「ミャンマー改革:背景、
進捗、展望」
28
久保 文明氏(東京大学大学
院 法学政治学研究科教授)
高原 明生氏(東京大学大学
院 法学政治学研究科教授)
工藤 年博氏(
(独)日本貿
易 振 興 機 構 ア ジ ア 経 済研
究 所 研 究 企 画 部 主 任 調 査研
究員)
第5回
9月12日
(木)
「 最 近 の 中 東 情 勢 : イラ 立山 良司氏((一財)日本
ン・シリア、そしてエジプト」 エネルギー経済研究所 客員
研究員)
26名
第6回
10月7日
(月)
「 最 近 の 日 本 経 済 と 日 本 白 井 さ ゆ り 氏 ( 日 本 銀行
銀行の金融政策」
政策委員会審議委員)
29名
シンポジウム 「日本外交の課題-アメリ
106名
12月10日 カ・中国・東南アジアとの
(火)
関係で」
東海大学
校友会館 基調講演
「阿蘇の間」 「 日 本 の 安 全 保 障 と 集 団 北岡 伸一氏(国際大学 学長
的自衛権」
/政策研究大学院大学 教授)
発表
「オバマ外交と日米関係」 久保 文明氏(東京大学大学
院 法学政治学研究科教授)
「日本の対中政策-対米、 高原 明生氏(東京大学大学
対 東 南 ア ジ ア 政 策 と の 関 院 法学政治学研究科教授)
連において」
「 中 国 の 海 洋 進 出 と 日 佐藤 考一氏(桜美林大学
本・ASEAN」
リベラルアーツ学群教授)
討議・質疑応答
(※役職は開催当時)
2)IISTアジア研究会
アジア地域が直面するテーマ・問題など、時局に合った研究課題を選定し、
政府関係者や学識経験者、関係機関の参加を得て、わが国のアジア政策の在り
方について自由に議論をする「IISTアジア研究会」を18年度より運営し
ている。
研究会の成果は、広く関係者が共有できるよう公開形式でシンポジウムを開
催し、一般参加者を交えて討議することにより一層内容を深めるとともに、最
終的には議事録として取りまとめ、ウェブサイト上で公開している。
25年度は、「変貌するアジア(主要国の新しい動き)~2015年アセア
ン統合及び主要国指導者交代を見据えて~」をテーマに非公開の研究会を全5
回、さらにはその成果を広く発表するべく、公開シンポジウムを開催した。研
究会は延べ118名、公開シンポジウムは116名の参加を得た。
また、研究会及び公開シンポジウムの報告記録は、広く情報提供を行うため
29
センターウェブサイト上で公開し、さらに議事録は、「IISTアジア 研究会
報告書」として取りまとめ、経済産業省ほか関係機関に配布した。
公開シンポジウムは、(公財)JKAの補助金を受けて実施した。
IISTアジア研究会<メンバー>
<委員>
白石 隆氏
原 洋之介氏
佐藤 百合氏
瀬口
工藤
三重野
清之氏
年博氏
文晴氏
政策研究大学院大学 学長
政策研究大学院大学 特別教授(座長)
(独)日本貿易振興機構 アジア経済研究所
地域研究センター長
(一財)キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹
(独)日本貿易振興機構 アジア経済研究所
研究企画部主任調査研究員
京都大学 東南アジア研究所准教授
<ゲスト講師>
平賀 富一氏
ミン・ウェイ氏
(株)ニッセイ基礎研究所 上席研究員アジア部長
ミャンマー元日本留学生協会会長/Wa Minn グル
ープ 会長
スチャリット・クーンタナクンウォン氏
泰日経済技術振興会(TPA)会長
チュラロンコーン大学 工学部准教授
山下 純一氏
(株)ファミリーマート 執行役員海外事業本部
海外事業部長
<オブザーバー>
経済産業省等関係者
<事務局>
(一財)貿易研修センター
塚本 弘
理事長
赤津 光一郎
専務理事
竹中 速雄
理事 総務・企画調査広報部長
30
IISTアジア研究会<開催状況>
開催回
開催年月日
テーマ
報告者
第1回
「 2 0 0 0 年 代 以 降 の タ イ 三重野 文晴氏(京 都大学
平成25年 経済の構造変容について- 東南アジア研究所准教授)
6月14日 産業構造、国際収支、再分
(金)
配の観点から-」
第2回
7月18日
(木)
「東アジアの経済統合に向
けて」
「ASEANの企業動向
(外資サービス企業の展開
動向を含む)」
参加者
数
22名
春日原 大樹氏(経済産業省 20名
通商政策局アジア大洋州課長)
平賀 富一氏((株)ニッセ
イ基礎研究所 上席 研究員
アジア部長)
第3回
「ミャンマーから見た日本 ミン・ウェイ氏
(Mr.Myint Wai) 25名
10月18日 と、アジアの未来~元留学 (ミャンマー元日本 留学生
(金) 生の声」
協会会長/Wa Minn グルー
プ 会長)
「 泰 日 経 済 技 術 振 興 協 会 スチャリット・クー ンタナ
(TPA)の40年:日本 クンウォン氏( Dr. Sucharit
からタイへ、そしてアセア Koontanakulvong)(泰日経済
ン共同体にむかって」
技術振興会(TPA) 会長・
チェラロンコーン大 学 工 学
部准教授)
第4回
「 ア ジ ア 市 場 の 開 拓 と 今 後 山下 純一氏((株)ファミ
11月29日 の課題」
リーマート 執行役 員海外
(金)
事業本部海外事業部長)
第5回
「ミャンマーの2015年
平成26年 問題」
1月10日
(金)
「インドネシア経済の変調
をどうみるか」
31
25名
工藤 年博氏((独)日本貿 26名
易振興機構 アジア経済研究
所研究企画部主任調査研究員)
佐藤 百合氏((独)日本貿
易振興機構 アジア 経済研
究所地域研究センター長)
シンポジウム
2月7日
(木)
東海大学
校友会館
「阿蘇の間」
「変貌するアジア(主要国 モデレーター:原 洋之介 116名
の新しい動き)~2015 氏(政策研究大学院大学 特
年アセアン統合及び主要国 別教授/アジア研究会座長)
指導者交代を見据えて~」
発表
「 イ ン ド ネ シ ア 経 済 の 変 調 佐藤 百合氏((独)日本貿
をどうみるか」
易振興機構 アジア経済研究
所地域研究センター長)
「ミャンマー経済改革の現 三重野 文晴氏(京都大学
状と見通し」
東南アジア研究所 准教授)
「 日 本 企 業 か ら 見 た 中 国 と 瀬 口 清 之 氏 (( 一 財 ) キ ヤ
アセアン」
ノングローバル戦略 研究所
研究主幹)
「 ア セ ア ン に お け る 企 業 動 平賀 富一氏((株)ニッセ
向と変化」
イ基礎研究所 上席 研究員
アジア部長
討議・質疑応答
(※役職は開催当時)
3)IIST・中央ユーラシア調査会
「IIST・中央ユーラシア調査会」は、わが国において歴史的、地理的
な背景から情報量が限られている中央ユーラシア地域(朝鮮半島からトルコ
にかけて存在する国々)の政治、経済、産業等について調査・研究を行う非
公開の研究会である。学識経験者、現地駐在経験者(外交官、ビジネスマン)
など、専門家による意見交換を通じて、当該地域の最新の動きを正確に把握
し、関係者の認識を深めることにより、資源確保などわが国産業界の対外戦
略策定に貢献するものである。
25年度は、非公開の研究会を計7回開催し、さらにはその成果を広く一
般に発表する公開シンポジウムを、「中央アジアの地域発展と中露の新戦略」
をテーマとして開催した。研究会は延べ133名、公開シンポジウムは10
4名の参加を得た。
なお、計7回の研究会及び公開シンポジウムの報告記録は、センターウェ
ブサイト上で公開し広く情報提供を行う一方、
「中央ユーラシアへの多角的ア
プローチVol. 13報告集」として取りまとめ、関係機関に配布した。
公開シンポジウムは、(公財)JKAの補助金を受けて実施した。
32
IIST・中央ユーラシア調査会<メンバー>
<座長>
袴田 茂樹氏
新潟県立大学
<代表幹事>
田中 哲二氏
中央アジア・コーカサス研究所
<顧問>
渡辺 利夫氏
福川 伸次氏
拓殖大学 総長
(一財)地球産業文化研究所
<ゲスト講師>
柳沢 香枝氏
立山 良司氏
平野 公康氏
堀口 暢氏
竹原
美佳氏
教授/青山学院大学
名誉教授
所長
顧問
(独)国際協力機構(JICA) 東・中央アジア部長
(一財)日本エネルギー経済研究所 客員研究員
(株)三菱総合研究所 主任研究員
外務省 国際情報統括官組織第二国際情報官室
上席専門官/前駐トルクメニスタン臨時代理大使
(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構 調査部
エネルギー資源調査課主任研究員
IIST・中央ユーラシア調査会<開催状況>
開催回
開催年月日
テーマ
報告者
第126回 「最近の中東情勢」
平成25年
4月12日
(金)
参加者
数
塩尻 宏氏((公財)中東調査会 15名
副理事長・業務執行理事/元駐
リビア大使)
第127回 「中 国 とは い か なる 存 渡辺
5月24日 在か」
(金)
第128回 「中 国 の軍 事 力 強化 の
6月17日 動向と抱える課題」
(月)
「中 央 アジ ア ・ コー カ
サス 地 域に お け る J I
CAの取組」
利夫氏(拓殖大学
総長) 23名
茅原 郁生氏(拓殖大学 名誉 21名
教授/元陸将補)
柳沢 香枝氏((独)国際協力機
構(JICA) 東・中央アジア
部長)
33
第129回
7月24日
(水)
「“アラブの春”パート 立山 良司氏((一財)日本エネ 18名
2: シ リア 内 戦 とエ ジ ル ギ ー 経 済 研 究 所 客 員 研 究
プトの混乱」
員)
第130回
9月25日
(月)
「国 際 エネ ル ギ ー消 費
効率 化 等技 術 ・ シス テ
ム実 証 事業 基 礎事 業
石炭 高 効率 利 用 シス テ
ム案件等形成調査事業
中央 ア ジア 諸 国 (ウ ズ
ベキスタン・キルギ
ス・ タ ジキ ス タ ン) に
おけ る 石炭 高 効 率利 用
シス テ ムの 基 礎 調査 に
ついて」
「 タジ キ スタ ン 甘草 生
産BOPプロジェクト」
平野
究所
公康氏((株)三菱総合研 19名
主任研究員)
渡辺
ター
博氏((株)国際開発セン
任研究員)
第131回 「 アフ ガ ン撤 退 と南 ア 清水 学氏((有)ユーラシア・ 12名
10月29日 ジアの政治経済情勢
コンサルタント 代表取締役/
(火)
-バングラデシュ・イン 帝京大学 非常勤講師)
ド選挙と中印関係など」
第132回 「トルクメニスタン
11月19日 の政体と日本企業の
(火)
進出状況」
堀口 暢氏(外務省 国際情報 25名
統括官組織第二国際情報官室上
席専門官/前駐トルクメニスタ
ン臨時代理大使)
「I S AF 撤 退 を控 え 湯浅 剛氏(防衛省 防衛研究
たア フ ガニ ス タ ン・ パ 所主任研究官)
キスタン情勢-10
月、 イ スラ マ バ ード 出
張を踏まえて-」
34
「 中央アジアの地域
シンポジウム
発展と中露の新戦略」
第133回
12月18日
イントロダクション:
(水)
「上海協力機構の発
WTCコン
展と中・露」
ファレンス
センター
報告:
「フォンテーヌ」
「ロシアの中央アジ
ア政策―中国の台頭
を背景に」
「最近の中国の対中
央アジアアプローチ」
「中国の中央アジアに
対するエネルギーを中
心とする資源戦略」
104名
モデレーター兼コメンテーター:
田中 哲二氏(中央アジア・
コーカサス研究所 所長)
袴田 茂樹氏(新潟県立大学
教授)
柳沢 香枝氏((独)国際協
力機構 東・中央アジア部長)
竹原 美佳氏((独)石油天
然ガス・金属鉱物資源機構
調査部エネルギー資源調査
課主任研究員)
「2 0 14 年 後 のア フ 清 水 学 氏 ((有)ユーラシ
ガン 情 勢と 中 露 の南 ア ア・コンサルタント 代表取締
ジア ・ 中央 ア ジ ア・ 中 役/帝京大学 非常勤講師)
東戦略」
討議・質疑応答
4)特定テーマ調査研究
①台湾情勢調査研究
東アジアの安定・平和維持のためには安定的な日台関係の維持が不可欠であ
り、そのためにも台湾馬英九総統政権の性格及び動向を正確に把握することは、
わが国にとっても非常に重要であることから、2008年の新政権誕生から同
地域情勢の調査研究を実施している。
25年度は、
「同じ躓きを繰り返す馬英九総統-残り二年で-」と題して、低
支持率の泥沼から這い出すことができなくなってしまっている馬英九政権が、
低支持率の下で、あるいは憲法の規定により三選はない状況下、残り2年間の
任期の中で何を目指すのか、その可能性とリスクについて分析した。
35
(2)情報提供事業等
1)IIST国際情勢講演会
本講演会は、世界経済のグローバル化が進展する中で、ますます重要性を増す
各国・各地域における政治・経済、社会情勢等の動向と対日関係について、各界
有識者の最新情勢分析と見通しなどを、タイムリーに紹介してもらい、国際情勢
と日本の対応への理解促進を図る事業として実施している。
25年度は、最初に、「激動する世界と日本の安全保障問題」を取り上げ、我
が国としての立ち位置を再認識するとともに、不透明な北朝鮮情勢、中国の新体
制と日中関係の行方、あるいは注目を浴びるミャンマー情勢、さらには進展の見
えない中東情勢など国際情勢を考えるうえで重要な情報を提供することができ
た。
講演会要旨はホームページ等で広く公開するとともに、「IIST国際情勢講
演会報告書」として取りまとめ、関係機関に配布した。
IIST国際情勢講演会<開催状況>
開催年月日
テーマ
講師
参加者
数
平成25年
「 激 動 の 世 界 と 日 五百旗頭 真氏(公立大学法人
4月22日(月) 本の安全保障」
熊本県立大学 理事長/法学
博士)
74名
5月30日(木) 「 金正恩政権と国際 平岩 俊司氏(関西学院大学
社会−核、ミサイル、 国際学部国際学科教授
休戦協定白紙化−」
61名
7月9日(火) 中 国 新 体 制 と 日 中
関係
「習近平政権の外
交政策と日中関係」
「尖閣諸島をめぐる
諸問題」
144名
高原 明生氏(東京大学大学院
法学政治学研究科教授)
佐 藤 考 一 氏(桜 美 林 大 学 リ
ベラルアーツ学群教授)
9月10日(火) 「 減 速 す る 中 国 経 津上 俊哉氏(現代中国研究
済の課題と見通し」 家/津上工作室 代表)
95名
10月17日(木) 「 ミャンマーから見た ミン・ウェイ(Wa Minn グループ
日本と、アジアの未来 会長/ミャンマー元日本留学生
-元留学生の声-」
協会会長)
63名
36
11月20日(水) 「転換点を迎える『ア 田中 浩一郎氏((一財)日本エ
ラブの春』後の中東 ネルギー経 済 研 究 所 常 務 理
情勢」
事 兼 中東研究センター長)
平成26年
2月13日(木)
福岡開催
共催:九州経済
国際化推進機
構、九州経済産
業局、
(一財)九
州経済連合会
国際情勢シンポジウ
ム「日中韓関係の現
状と課題~環黄海
経済圏の交流発展
に向けて」
「日中韓経済連携の
取組について」
「習 近 平 政 権とその
近隣外交」
「尖閣諸島をめぐる
諸問題」
「日韓の現状と課題
―韓中関係 朝鮮半
島情勢を加味して」
58名
103名
飯田 圭哉氏(経済産業省 通
商交渉官)
高原 明生氏(東京大学大学
院 法学政治学研究科教授)
佐 藤 考 一 氏(桜 美 林 大 学 リ
ベラルアーツ学群教授)
平岩 俊司氏(関西学院大学
教授
2)IIST講演会の開催
センターは、富士宮研修所の卒業生、元教職員をセンターの貴重な人的資産
と位置づけ、講演会等、様々な方法で連携を保ってきている。約5,700人を
数えるセンターの卒業生は、今日においても様々な分野で活躍中であり、これ
ら卒業生とセンターの関係者及び卒業生同士の情報交換、相互交流、研鑽は、
設立時以来の伝統を継承する重要な要素となっている。
16年度からは、卒業生を対象にした生涯学習及び相互交流の場として、
「I
ISTプラザ」(平成25年度からはIIST講演会)事業を実施している。
25年度においては講演会を下記のとおり実施し、多数の卒業生、関係者の
参加を得た。講師の末廣昭氏からは、
「変容するアジア経済-そのポテンシャル
とリスク-」と題する講演会を開催し、アジア各国におけるグローバル化に伴
う変化の実態と付随して生じる社会問題など、示唆に富んだ講演が行われた。
IIST講演会<開催概要>
日 時:平成25年11月14日(木)17:00~19:00
場 所:世界貿易センタービル 東京會舘
講 師:東京大学 社会科学研究所教授 末廣 昭氏
テーマ:「変容するアジア経済-そのポテンシャルとリスク-」
参加者:70名
37
3)IISTワールドフォーラム
①メール・マガジンの発行
IIST e-Magazine は、各国のオピニオンリーダーを始めとする国内外の
読者を対象に、日本に対する正しい理解とその深化を目的に、わが国の経済・
産業・社会動向等の最新情報を提供するため、13年度より実施している。
25年度は、前年度に引き続き、被災地東北地方の地域経済、産業復興への
取組を連続して紹介したほか、日本の今後の成長を促す上でも重要な意味を持
つTPP交渉と日本の農業再生についてもシリーズで紹介した。このほか、情
報量が限られている中央アジアと日本との経済関係について専門家による現地
の最新情報を主体に紹介し、また、センター事業の一環で実施したミャンマー
若手リーダー招聘事業の参加者による日本訪問記なども紹介するなど、計12
号、43本に及ぶ記事を紹介した。
以上により一層の記事の多様性や充実を図り、国内外双方にとって有益な情
報を提供した。また、センターの事業参加者の寄稿等の掲載により事業広報に
努めるとともに、読者層・登録者数の拡大を目指した結果、登録者数は25年
度末の時点で2,441名となった。
なお、本事業で配信したすべての英文・和文記事を「IISTワールドフォ
ーラム・メールマガジン報告書」として取りまとめ、経済産業省、編集委員ほ
か関係機関に配布した。
②編集委員会、編集会議の運営
IISTワールドフォーラム事業の推進及び編集に関し、時宜に適った各号
のテーマ選定、編纂や、執筆者選定を効率的に行うため、内部において編集会
議を定期的に開催し、効率的な編集作業を実施している。
以上に加え、外部有識者からの意見を反映し、編集機能、記事内容の充実を
図ることを目的に「編集委員会」を設け、編集委員であるジャーナリスト、有
識者の意見を参考に、編集基本方針に関する意見交換や執筆陣選定他を行って
いる。25年度においても、編集委員会での意見を参考に、編集方針、記事構
成、執筆者等を検討し、記事の充実と読者の拡大に努めた。また、日英語配信
での翻訳については、日本経済、日本社会にも精通した翻訳者に依頼し、誌面
の質の向上と的確な情報提供を図った。
編集委員会<メンバー>
<編集委員7名>
井出 亜夫氏
北井 義久氏
杉本 新氏
根津 利三郎氏
日本大学大学院 グローバル・ビジネス研究科教授
日鉄住金総研(株) チーフエコノミスト
(一社)共同通信社 編集局文化部長
(株)富士通総 エグゼクティブ・フェロー
38
山川
山田
渡部
裕隆氏
恵資氏
道雄氏
(株)時事通信社 時事総合研究所客員研究員
(株)時事通信社 解説委員
(一社)共同通信社 論説委員
4)センター広報
センターが実施した国際交流、人材育成事業、講演会・シンポジウムなどは
事業終了後その結果概要を速やかにセンターホームページに掲載し、対外広報
に努めた。
39
Ⅱ 日欧産業協力センター
1.日・EUビジネス・ラウンドテーブル(BRT)
「日・EUビジネス・ラウンドテーブル」は、11年度に「日・EUビジネ
ス・ダイアログ・ラウンドテーブル」として発足した民間会議で、日欧のビジ
ネス界の相互信頼と相互理解を基に、日・EU政府に対して貿易・投資等の政
策立案に関し提言することを目的としている。
日欧産業協力センターは、毎年1回開かれる年次会合及びその事前準備会議
等の運営に当たり、その事務局としての機能を果たしている。
25年度は4月29日及び30日に、第15回年次会合をフランス・パリに
あるフランス外務省カンファレンスセンターで開催した。日本側は議長である
米倉弘昌氏(住友化学(株)会長)が経団連会長として急遽、安倍首相の中東・
トルコ訪問に同行することになったため、永山治氏(中外製薬(株)代表取締
役会長)が代理として日本側議長を務めた。EU側はジャン・イヴ・ルガル氏
(フランス国立宇宙研究センター理事長、前アリアンスペース会長兼CEO)
が議長を務め、日欧ビジネス界のリーダー約50名が一堂に会し、活発な意見
交換・討議を行った。
同会合では、平成25年3月の日・EU自由貿易協定(FTA)/経済連携
協定(EPA)交渉開始決定を受け、
「 Opening a New Chapter in EU-Japan Relations
~日・EU関係の新たな時代の幕開け~」をテーマに、日本とEU間のFTA
/EPA、並びに政治協力・分野別協力・グローバル協力を対象とする協定(政
治協定)、新興国ビジネスや資源問題における日・EUの協力について意見を交
わした。
AからEの5分野にわたるワーキング・パーティでは、A)貿易・投資・WTO、
B)バイオテクノロジー・健康・福祉、C)イノベーション・情報通信技術、
D)金融サービス・会計・税制、E)エネルギー・環境と持続可能な発展、な
どの優先的課題について共同提言を発表した。
同会合では、深く包括的な日・EU FTA/EPA及び政治協定を締結す
ることで、日・EU間の貿易・投資を拡大し、両経済圏における雇用の創出と
経済成長を後押しすることができるとの期待の下、FTA/EPA交渉をでき
る限り早期に妥結するとともに、双方の野心のレベルに見合った高い内容の協
定を実現することを要望する、との提言が採択された。
同提言書は、平成25年6月5日に米倉弘昌議長、永山議長代理から安倍首
相に手交され、同年6月21日には米倉弘昌とジャン・イヴ・ルガルの両議長
名でヘルマン・ファン・ロンパイ欧州理事会議長、バローゾ欧州委員会委員長
に提出された。
なお、平成25年11月19日に東京で開催された日・EU首脳協議に先立
ち、BRTは11月15日に共同声明「日本とEUの経済連携の強化に向けて
-包括的、野心的、ハイレベルかつ互恵的な日・EU FTA/EPAを早期
に締結し、日・EU経済関係の潜在力を引き出す-」を発表、日・EU両政府
に提出した。また、首脳協議当日にはBRT初の試みとして、日・EU合同シ
40
ェルパ会議を開催し、FTA/EPAの交渉状況について日・EU両政府担当
官からブリーフィングを受けるとともに、平成26年4月開催のBRT年次会
合や今後のBRTの在り方について意見を交わした。
こうしたBRTの活動を受け、日・EU首脳協議終了後の共同声明では、日・
EU経済関係の発展に対するBRTの貢献と提言について言及された(パラグ
ラフ39)。
41
2.情報提供事業
(1)セミナー
日・EU間の経済連携と産業協力を促進するため、様々なテーマで合計8回
のセミナーを開催し、産業界、政府関係機関、NGO、メディア等から合計約
1,050名の参加を得た。
25年度も前年度に引き続きエネルギー・環境、貿易投資、産業政策を主要
テーマとして取り上げた。中でも12月に実施した、建物における省エネルギ
ーについてのセミナーでは、日欧の官民それぞれから現行の規制やプロジェク
ト、成功事例が紹介され、参加者と講師との間で白熱した意見交換がなされた。
近年、重要性が高まっているテーマでもあり、多くの参加者の関心を集めた。
セミナーの企画に際しては、経済産業省及び駐日欧州連合(EU)代表部の
協力の下、日・EU双方の有力者を講師に立て、双方の最新動向を提供すると
ともに、日・EUの官民間の意見・情報交換の場を提供することに努めた。
なお、欧州側の講師に関しては訪日の機会を捉えて実施し、セミナー会場に
ついても原則として駐日EU代表部の会議場を借用することで、招聘費用や会
場費、同時通訳設備費などの経費削減を実現した。
25年度セミナー(東京)<概要>
平成25年7月2日
テーマ:日本とEUの食品安全評価における新たな課題~食品及び飼料添
加物の事例
講演者:在日欧州(連合)商工会議所(EBC) 食品・農業委員会 委員長
ブノワ・ショヴェル氏
食品安全委員会事務局 評価情報分析官 池田 三恵氏
欧州食品安全機関 食品原料・包装課 ジョルジュ・カス氏
厚生労働省 基準審査課課長補佐 竹内 大輔氏
農林水産省 畜水産安全管理課飼料安全基準班 石川 清康氏
欧州委員会 保健・消費者保護総局食品酵素担当 ラファエル・
ペレズ・ベルベジャル氏
欧州委員会 保健・消費者保護総局動物栄養課長 ジェームス・モイナー氏
東洋大学 食環境科学部学部長 林 清氏
ノボザイムズ 上級部長 アンドレ・バーグマン氏
バイオインダストリー協会 企画部長 清水 栄厚氏
DSM ニュートリショナルプロダクツ薬事法規部本部上級部長
ゲハルド・ガンス氏
味の素(株) 品質保証部製品評価グループ長 増山 剛氏
欧州食品安全機関 部長 ペル・バーグマン氏
42
会 場:駐日EU代表部
参加者:161名
平成25年9月11日
テーマ:電力産業の改革を考える日欧ワークショップ
講演者:欧州電気事業者連盟(EURELECTRIC)事務局長 ハンス・テン・
ベルヒ氏
欧州電気事業者連盟 リテール・カスタマーズ課長 ジュセッペ・
ロルビオ氏
欧州電気事業者連盟 エネルギー政策部長 スザンネ・ニース氏
資源エネルギー庁 審議官(エネルギー・環境担当)後藤 収氏
資源エネルギー庁 電力・ガス事業部電力改革推進室企画官 山崎
琢矢 氏
ギュンター・エッティンガー欧州委員(エネルギー担当) 官房長
ミハエル・ハガー氏
21世紀政策研究所 研究主幹 澤 昭裕 氏
欧 州 委 員 会 エ ネ ル ギ ー 総 局 域 内 市 場 ( Wholesale markets,
electricity, gas)課長 インゲ・ベルナーツ氏
自然エネルギー財団(JREF) 代表理事 理事長 トーマス・
コーベリエル氏
エリア・グループ ビジネス開発ディレクター ジュリアン・ドーランデール氏
国際エネルギー機関(IEA)ガス・石炭・電力市場課長 ラズロ・ヴァロ氏
マッキンゼー・アンド・カンパニー パートナー ジョルジオ・ブスネッリ氏
駐日EU代表部 科学技術部長 バーバラ・ローデ氏
新エネルギー産業技術開発機構(NEDO) 新エネルギー部長
橋本 道雄氏
会 場:駐日EU代表部
参 加者:122名
平成25年9月26日
テ ーマ:「日・EU関係1970-2012」刊行記念パネル討論
講 演者:ミュンヘン大学/筑波大学 教授 フランツ・ヴァルデンベルガー氏
慶應義塾大学 名誉教授 田中 俊郎氏
欧州委員会 企業・産業総局元審議官 ヨルン・ケック氏
日欧産業協力センター 事務局長 塚本 弘
欧州ビジネス協会 ポリシーディレクター ビョーン・コングスタード氏
日産自動車(株) 常務執行役員 川口 均氏
会 場:駐日EU代表部
参 加者:73名
43
平成25年9月27日
テ ーマ:第3回EUアジアトップエコノミスト円卓会議
講 演者:野村證券(株) 取締役会長 古賀 信行氏
経済産業省 経済産業政策局審議官(経済社会政策担当) 広瀬 直氏
(独)日本貿易振興機構(JETRO) 理事長 石毛 博行氏
駐日EU大使 ハンス・ディトマール・シュヴァイスグート氏
駐日リトアニア共和国大使 エギデゥユス・メイルーナス氏
日本経済研究センター 代表理事・理事長 岩田 一政氏
野村総合研究所 研究創発センター主席研究員・チーフエコノミスト
リチャード・クー氏
バークレイズ証券 チーフエコノミスト 森田 京平氏
会 場:津田ホール
参 加 者:200名
平成25年10月30日
テ ーマ:EUビジネス外交の第一歩~成長に向けた使命
講 演者:欧州委員会 企業・産業総局官房長 ディエゴ・カンガ -ファノ氏
会 場:青山学院大学
参 加者:150名
平成25年10月31日
テ ー マ:さらなる発展を求めて~EUの再産業化戦略
講 演 者:欧州委員会 企業・産業総局官房長 ディエゴ・カンガ-ファノ氏
会 場:慶応義塾大学
参 加 者:120名
平成25年12月13日
テ ーマ:省エネルギー建物~EUと日本の対策と展望
講 演者:資源エネルギー庁 省エネルギー対策課長補佐 中村 幹氏
国土交通省 住宅局住宅生産課長 伊藤 明子氏
東京都環境局都市地球環境部 西田 裕子氏
欧州委員会 企業・産業総局持続可能産業政策・建築課長 マルツェナ・
ロガルスカ氏
サンゴバン・グループ パブリックアフェアーズ・サステイナブル建築
ディレクター パスカル・エヴェイヤール氏
マグ・イゾベール(株) 代表取締役社長 フランソワ-ザビエル・
リエナール氏
インデックスコンサルティング 代表取締役社長 植村 公一氏
日本エネルギーパス協会 代表理事 今泉 太爾氏
パッシブハウス・ジャパン代表理事・建築士 森 みわ氏
ドイツ大使館 一等書記官 産業政策 アンスガルト・シケルト氏
44
会 場:駐日EU代表部
参加者:116名
平成26年2月12日
テーマ:“ワルシャワからリマそしてパリへ”
気候変動における国際合意へのさらなる一歩-日欧の取組-
講演者:欧州委員会 気候行動局アドバイザー COP19国際気候変動
交渉政策担当官 ジェイコブ・ワークスマン氏
環境省 地球環境局長 関 荘一郎氏
経済産業省 産業技術環境局大臣官房審議官(環境問題担当)
三田 紀之氏
会 場:駐日EU代表部
参 加 者:110名
(2)ビジネス・科学技術パートナーシップ支援
24年度に引き続き、25年度も欧州委員会企業・産業総局が実施する中小
企業向けサービス「エンタープライズ・ヨーロッパ・ネットワーク(Enterprise
Europe Network:EEN)」のパートナー機関として、欧州事務所と連携し積極
的に活動した。同ネットワークは、中小企業の国際化と競争力強化に役立つ公
的サービスを目指してEUが推進している枠組みで、EU域内外を含め、現在
54か国から600機関が加盟している。
具体的には、ビジネスの国際化に繋がるパートナーを探したい欧州と日本の
中小企業を対象に、同ネットワークのデータベースや情報ツールを活用して、
個別企業の製品や技術のプロフィールをメールニュースとして配信するととも
に、専用ウェブサイトに情報を掲載している。これにより、欧州市場へのビジ
ネス拡大や、欧州企業との研究開発パートナーシップの可能性を探りたい日本
の中小企業のパートナー探しに貢献した。
さらに、EEN紹介セミナーの定期開催や外部セミナーでの講演、自治体の
機関誌への記事寄稿など、EENに関するプロモーション活動も積極的に行っ
た。その一環として日本国内でEENの普及促進を図るEENパートナー制度
を立ち上げ、新たに東京都の大田区産業振興協会と業務提携契約を締結、セミ
ナーの共同開催やEEN利用者のフォローアップを行った。
25年度中にセミナー・個別面談・ミーティング・展示会などを通して実施
したEENのプロモーション活動は下表のとおり。参加者は約1,000名に
達した。
45
開催時期
セミナー
日本企業と
の個別面談
中小企業支援機関
展示会
とのミーティング
参加者
総計
平成25年 4月
55
4
9
平成25年 5月
4
19
43
平成25年 6月
24
3
10
37
平成25年 7月
82
3
2
87
2
3
5
15
平成25年 8月
68
60
126
平成25年 9月
2
9
4
平成25年10月
39
20
5
平成25年11月
75
7
33
115
平成25年12月
55
4
2
61
平成26年 1月
3
8
145
156
平成26年 2月
21
5
41
67
平成26年 3月
50
11
2
63
410
95
299
総計
134
194
198
998
上記のEENの枠組みによる情報サービスと並行して、従来から実施してい
る日欧の個別企業からのビジネス関連相談にも引き続き対応した。日本企業か
らの問い合わせは、EUへの製品輸出にかかわる法規制や規格に関するものが
中心で、一方、EU企業からは日本の特定の製品の市場規模や主要メーカーに
ついての情報提供依頼などがあった。これらの問い合わせに対しては、欧州委
員会や日本政府当局、ジェトロなどとコンタクトを取りながら、適切な情報提
供を行った。
(3)政府調達関連情報
日本政府による日・EU FTA/EPAへの取組を背景に、EUが大きな
関心を寄せているわが国地方自治体等の政府調達情報について、24年度に引
き続き、25年度も調達情報を英語で閲覧できるように加工して、日欧産業協
力センターのウェブサイト上で提供した。
URL:http://information1.gov-procurement .go.jp/
46
3.研修事業
25年度は、研修事業を6件実施した。
(1)受入研修事業
将来の日本とEU間の産業協力を担う人材の育成を図るため、EUの中堅幹
部ビジネスパーソン等を対象に、日本企業の競争力の源泉である生産管理の実
態等について、現場研修に力点を置き、講義と実務とを有機的に連携させた研
修を実施している。事業開始以来、25年度末までに49回の受入研修事業を
実施し、合計619名が参加した。
25年度は、5~6月に12名を対象に実施した。事業実施に当たっては研
修内容の精査を行い、短期間でより効果の高いプログラムを提供するよう努め
た。
(2)テーマ別研修事業
EU企業の中堅幹部ビジネスマンパーソンを対象に、EU企業にとって関心
の高い特定テーマ(生産管理や流通・マーケティング戦略等)に関する約1週
間の短期研修を実施している。研修は特定テーマに関する講義と工場・事業所
見学から成る。
25年度は、
「ワールドクラス・マニュファクチュアリングへの挑戦」をテー
マに、EU企業役員クラスを対象として1週間の集中研修コースを7月と11
月に実施した。
事業開始以来25年度末までに73回のテーマ別研修を実施し、計1,178
名が参加した。
(3)ヴルカヌス・プログラム
理工系の学部学生・大学院生を対象とした企業内研修プログラム(1年間)
で、日本人学生向け(ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ、8年度開始)とEU学
生向け(ヴルカヌス・イン・ジャパン、9年度開始)のプログラムから成る。
初年度は日本人学生10名、EU学生14名でスタートしたが、日・EU産業
協力を担う長期的人材育成の重要性が広く認知され始めるとともに参加者数を
増やし、25年度末までに日本人学生322名、EU学生430名、計752
名の派遣・受入れを行っている。
47
1)日本人学生のEUへの派遣(ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ)
25年度には15名の日本人学生を欧州7か国に派遣した。15名は4か月
の現地語研修と8か月の企業研修による計1年間の欧州滞在を経て、言語・欧
州ビジネス慣習などについての理解を深め帰国した。将来は日欧相互理解のさ
らなる推進のため、日欧を結ぶ懸け橋として貢献できる人材となることが期待
されている。
研修先企業への貢献ついては、以下のような報告が見られた。
<研修先企業への貢献>
・研修先企業では文書管理プログラムの日本語版を作成した。日本語版が完
成したことにより、日本向けのソフトウェアを販売することとなり、研修
先企業の日本進出が決定した。
・企業研修中に問題解決の新しい切り口を発見し、上司との議論の中で新し
いアルゴリズムの開発に至った。上司と私の問題に対する考え方の違いが
うまく統合された。
・研修先企業がメキシコ工場を立ち上げることとなり、工場周辺に拠点を持
つ日本企業との商談を行うため、研修中に日本出張をした。その結果、日
本企業を新規顧客として獲得することができた。
また、平成25年6月には当事業修了生を対象にアンケートを実施した(回
答率46.7%)。さらに修了生7名と受入企業3社に本事業が彼らに与えた影
響について執筆を依頼し、アンケート結果と併せて25年秋に電子版出版物を
発行した。
修了生へのアンケートの結果、約25%の修了生がヴルカヌス・イン・ヨー
ロッパプログラム終了後、仕事又は勉強のためにEUを再訪し、25年9月現
在、修了生の約10%が仕事又は勉学のためにEU内に滞在していることが判
明した。また、現在勤務している企業がEUと取引していると回答した修了生
は81%、うち44%の修了生は直接EUと関わる業務を担当していた。
受入企業側の参加理由として最も多かったのは、
「日本文化への理解を深める
ため」、「社内従業員への良い影響・職場の活性化」、「知的交流」、「人事採用」
で、満足度として高かったのは、
「日本文化・商習慣を知ることができた」、
「(研
修生が生み出した成果に比べてプログラム参加費が安いという)財政的な面」、
「ビジネスにおいて日本とのパイプが太くなった」という点であった。
ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ<25年度参加者>
大学
(性別)
法政大学大学院
(男)
東京大学大学院
(男)
学科
研修企業
研修国
機械工学専攻
LMS, A Siemens
Business
ベルギー
精密工学専攻
Materia Nova
ベルギー
48
岡山大学大学院
(男)
機械システム工学
専攻
TENNECO
ベルギー
京都大学大学院
(男)
分子工学専攻
UMICORE NV
ベルギー
千葉大学
(男)
機械工学科
IDIADA CZ a.s.
チェコ
首都大学東京大学院 機械工学専攻
(男)
Rossignol Technology
フランス
東京大学大学院
(男)
航空宇宙工学専攻
Etudes et Productions
Schlumberger
フランス
京都大学大学院
(男)
数理工学専攻
DocuWare GmbH
ドイツ
東京工業大学
(男)
経営システム工学科 IFU Hamburg GmbH
ドイツ
慶應義塾大学
(男)
システムデザイン
工学科
ZF Friedrichshafen AG
ドイツ
日本大学大学院
(男)
航空宇宙工学専攻
ZF Friedrichshafen AG
ドイツ
東京理科大学
(女)
応用物理学科
COSYLAB D.D.
スロべニア
豊田工業大学大学院 先端工学専攻
(男)
CEIT
スペイン
金沢大学
(男)
機械工学科
Idiada Automotive
Technology S.A.
スペイン
北海道大学
(男)
応用生命科学科
Cultech Limited
イギリス
2)EU学生の日本企業による受入れ(ヴルカヌス・イン・ジャパン)
25年度は、25名の学生がEUから来日し、9月から4か月間の日本語研
修を終了、日本語研修最終日には、参加者が自分の専門分野や日本に関するプ
レゼンテーションを日本語で行った。25名は、平成26年1月から以下の在
日企業で研修中である。
ヴルカヌス・イン・ジャパン25年度受入れ実績
受入れ企業
NTTコミュニケーション
科学基礎研究所
受入れ部門 hu8
人数
出身国
守谷特別研究室
1
ベルギー
メディア情報研究部
信号処理研究グループ
1
ベルギー
メディア情報研究部コミュニ
ケーション環境グループ
1
スペイン
49
メディア情報研究部
メディア認識研究グループ
1
スペイン
低次元構造研究グループ
1
ポーランド
機能物質科学研究部
1
スペイン
量子光物性研究部フォトニッ
クナノ構造研究グループ
1
イタリア
量子光物性研究部
量子光制御研究グループ
1
ハンガリー
薄膜材料研究グループ
1
スペイン
(株)ヴィレッジアイランド R&Dセクション
1
スペイン
(株)NTTデータ
技術開発本部
1
ルーマニア
(株)安井建築設計事務所
設計部
1
スロバキア
(株)日立製作所
笠戸事業所
IEP統括プロジェクト
設計プロジェクト
1
スペイン
生産設計センター
1
スペイン
(株)日立製作所
中央研究所
情報システム研究センター
知能システム研究部
1
フランス
(株)日立製作所
日立研究所
材料研究センター
環境材料プロセス研究部
1
ベルギー
材料研究センター
有機材料研究部
1
スペイン
機械研究センター
構造信頼性研究部
1
スペイン
情報制御研究センター
モータシステム研究部
1
チェコ
(株)日立製作所
日立事業所
電機プラントシステム部
1
スウェーデン
(株)富士通研究所
ハードウェア技術研究所
デザインエンジニアリング研究部
1
英国
三菱化学(株)
四日市事業所
開発研究所
石化技術開発室
1
スロバキア
三菱化学(株)
水島事業所
開発研究所
先進技術開発室
1
スロバキア
日揮(株)
エンジニアリング本部
計装制御部
1
フィンランド
日本電気(株)
放送映像事業部
第三技術部
1
ポーランド
NTT物性科学基礎研究所
50
物性技術
(4)クラスターミッション
欧州委員会の新政策の下、クラスター組織とそのメンバーである欧州中小企
業と日本企業とのビジネスやバートナーシップ構築を目的とする、クラスター
のマッチメイキングミッション受入れを24年度から実施している。
2回目を迎えた25年度は、平成25年10月7日から10月11日までの
5日間の日程で、バイオテクノロジー産業をターゲットに、欧州4か国から9
名が来日した。
(一財)日本バイオインダストリー協会の協力の下、滞在期間前
半は産業や市場についての講義とバイオ産業をリードする4つの企業・研究所
への訪問を実施した。
後半の3日間は、パシフィコ横浜で開催されたアジア最大のパートナリング
イベント「バイオジャパン2013」へ日欧産業協力センターの共同出展者と
して参加し、それぞれの技術や製品、サービスを展示、発表した。ミッション
参加者は、事前のウェブ登録サービスや、イベント会場内のパートナリングエ
リアを利用し、3日間のイベント期間中、合計123件のBtoBミーティン
グを行った。
51
4.科学・技術・イノベーション協力事業
(1)日欧の産業イノベーション連携促進に向けた活動
共同公募の実施など日本とEUが研究開発の分野で一層の協力強化を図る中、
EUでは平成26年からの次期枠組Horizon2020の詳細が固まる一
方、日本もイノベーション促進のためにSIPやImPACTといった新たな
仕組みを発足させるなど、双方の動きが活発化している。
日欧の科学・技術・イノベーション連携の強化を目的として平成22年1月
から3年間活動したJ-BILATプロジェクトは24年末に終了したが、多
角的な情報発信とヘルプデスクに関する関心が高かったことも踏まえ、 25年
度はその成果に基づいたフォローアップ及び新規活動として以下を実施した。
1)J−BILATプロジェクトを通じて得られた知見のまとめ、成功事例、公
募情報など、連携強化に向けた情報発信
国内外の企業、大学、研究機関、助成機関他との会合参加に加え、以下の複
数の会議で招待講演などを実施した。
・HERMESプロジェクト国際ワークショップにおける基調講演「Challenges
in Transport and RTDI through International Cooperation」(平成25年4月25
〜26日、国際鉄道連合、パリ)
・ジェトロロンドン主催研究所長等会議における発表(平成25年6月24日、
ロンドン)
・CONCERT-JAPANプロジェクトWorkshop on Future Perspectives for
Europe-Japan Research and Innovation Cooperationにおける「Innovation Focus in
Cooperation」セッション座長及び報告(平成25年7月18日、ETHチュ
ーリッヒ、チューリッヒ)
2)日本の研究開発・イノベーションマネージャー向けに実務的なトレーニン
グコースを企画・実施
Horizon2020やCOSMEといった新しい欧州プログラムの開始
に合わせ、日本に合せた体系的なコースカリキュラムを作成し、産官学の幅広
い分野から23名の精鋭を集め、パイロットとしてトレーニングコースを開催
した(平成26年3月24〜25日、駐日EU代表部)。
コースは以下の内容から成り、特にHorizon2020に関しては、体
系的なトレーニングとして日本では他に例のないものとなった。
・コミュニケーション(LEGO® SERIOUS PLAY®を用いたトレーニング)
・Horizon2020の背景と欧州にとっての戦略的なパートナーとしての日本
・Horizon2020(情報収集から応募、プロジェクト実施まで含めた
プロジェクトのサイクルマネジメント)
・フレームワーク・プログラムの戦略的利用事例報告
・パートナーシップの形成と利用できるサービス
・知的財産権
52
コースの最後には参加者とともに1時間以上に及ぶ評価を実施。体系的な欧
州プロジェクトマネジメントや異なる分野のマネージャー・アドミニストレー
ターとの意見交換の非常に良い機会だったとの評価を得た。ケーススタディの
有効性など、次回以降のカリキュラム改善に繋がる意見も収集できた。
3)欧州プログラムに関する情報コンタクトポイントの組織や日欧連携に向け
た支援サービス
複雑な欧州プログラムに関し、1999年からニーズに応じた支援をFP7
参加各国で母国語で行うために、ナショナルコンタクトポイント(NCP)が
設置されてきた。NCPは、欧州委員会が定めるガイドラインに基づき、EU
加盟国とFP関連各国が独自に任命し、ECの承認を得る。各テーマに特化し
たコンタクトポイント(個人)と各国のコーディネーターが任命されている。
EU域外でもコンタクトポイントを置く国は多いが、日本でもようやく平成
25年11月、日欧産業協力センターが日本で初めてのFP7及びHoriz
on2020のNCPに指名され、同月に開催された日・EU定期首脳会議の
共同声明でも本件について歓迎する旨言及された。
平成26年1月には、欧州委員会のウェブサイト(Participant Portal)のNC
Pの項のデータベースに登録されて検索が可能になったほか、26年度からは
経済産業省による事業予算化措置もなされ、本格的に活動できる体制が整った。
JEUPISTEプロジェクト((4)参照)と互いに補完し、イノベーション・
科学・技術連携を促進するための下地が整ったといえる。
以下の活動は、産業イノベーション促進 及び 平成25年9 月から始まった
JEUPISTEプロジェクトの範囲内で行った。
4)政策分析・提言事業とも連携し、日・EUの科学・技術・イノベーション
連携の効果に関するセミナーの開催
5)EEN事業などとの連携による日欧パートナーシップ形成に向けた呼びか
けとマッチング支援
(2)衛星測位システムの利用における日欧連携:GNSS.asia プロジェクト
平成24年1月から30か月間のFP7プロジェクトで、センターは衛星測
位利用における、特にアプリケーションや受信機といった下流市場に焦点を当
てた日欧連携促進を担当している。
25年度は下記のイベントを主催した。
1)GNSS.Asia Japan ワークショップ: EU-Japan Cooperation on GNSS user
segmen(平成25年5月14日、東京)
欧州GNSS監督庁(GSA)から市場開拓部長やプロジェクト関係者が来
日し、日本で初めてのワークショップを開催した。70名を越える参加者があ
53
り、この分野での連携が相互に有益であることが確認された。
本ワークショップに続き、翌日には衛星測位利用推進センター(SPAC)
が主催する第11回衛星測位と地理空間情報フォーラムが開催され、講師の調
整等でセンターも大きく貢献した。
さらにサイドイベントとしてSPACと欧州関係者の個別会合、日産自動車
への訪問等を実施した。これらを通じ、日本でのカギとなる組織「SPAC」
との連携が大幅に強化された。
2)第2回 GNSS.Asia Japan ワークショップ:“European GNSS for automotive
applications: upcoming opportunities”(平成25年10月16日、東京)
ITS World Congress 2013 に合わせて来日したGSA担当官が、特にITS分野、
自動車や道路交通での日欧協力促進に向けた発表をし、議論を交わした。本ワ
ークショップには25名を越える専門家の参加があった。
このほか、高精度衛星測位サービス利用促進協議会QBICの海外展開ワー
キンググループの第6回会合で、Horizon2020及び特に衛星測位分
野での機会につき講演した(平成26年3月6日、東京)。
さ ら に GNSS.asia プ ロ ジ ェ ク ト で は 、 欧 州 衛 星 航 法 コ ン ペ テ ィ シ ョ ン
(European Satellite Navigation Competition:ESNC)の中に日本地域賞を創設
し、アイディアを募った。その結果、東京大学の海老沼拓史氏を中心とするグ
ループによるプロジェクトTRUSTSYNCが受賞し、5,000ユーロの
賞金が贈られるとともに、ミュンヘンでの本大会に招待された。
関連分野におけるセンターの他事業との連携例としては、25年度ヴルカヌ
ス・イン・ヨーロッパに参加する学生の1人はGNSS分野で研修を行った。
(3)
「ICT分野における日欧国際共同研究に関する講演会2013」
の運営及び管理等に係る事務の請負
平成25年6月、7月の2か月間、総務省からの受託事業として「ICT分
野における日欧国際共同研究に関する講演会2013」の運営及び管理等に係
る事務業務を請負った。主な内容は講演会の開催で、具体的には以下の業務を
実施した。
・広報の作成及び参加者登録事務
・実施要領の作成
・プログラム及び予稿集の作成
・アンケートの作成・実施
・会場の準備
・当日の司会進行
また、平成26年2月には総務省から、より長期間にわたる「平成26年度
戦略的情報通信研究開発推進事業(国際連携型)に係る業務の請負」
(調達番号
0042-0005)を受託した。
54
(4)「イノベーション・科学・技術における日欧協力関係構築 」
(JEUPISTE)プロジェクト
平成24年12月にセンターが中心となって提案したFP7プロジェクト案
件が採択され、平成25年9月から3年間の Japan-EU Partnership in Innovation,
Science and Technology(JEUPISTE)プロジェクト(FP7契約No.
609585)として発足した。センター(貿易研修センター)はコーディネ
ーターとして10機関から成るコンソーシアムを牽引している(全参加機関は
下記参照)。
1
組織
Organization
(一財)貿易研修センター(コーディネーター)
Institute for International Studies and Training
国名
日本
2
Agency for the Promotion of European Research
イタリア
3
German Aerospace Center
ドイツ
4
PRAXI Network/ Foundation for Research and Technology
ギリシャ
5
Regional Centre for Information and Scientific Development Ltd
ハンガリー
6
The Scientific and Technological Research Council of Turkey
トルコ
7
Agency for Management of Universities and Research Grant
スペイン
8
International Network for SMEs
イタリア
9
国立大学法人 神戸大学
National University Corporation Kobe University
日本
10 Centre for Social Innovation
オーストリア
同コンソーシアムは、経済産業省やスペインの経済競争力省等、6つの機関
から支援書を得ているほか、日本工学アカデミーや理化学研究所等、6つの団
体と協力合意書を結んでおり、官公庁、大学、研究機関、ビジネスよりの機関
まで、幅広くカバーしている。プロジェクトでは、特に以下のテーマに着目し、
活動している。
鍵となる技術(Key enabling technologies):
・情報通信
・先進材料
・バイオテクノロジー(ライフ/グリーン・イノベーション)
・中小企業におけるイノベーション
社会的課題
・医療、人口構成の変化、福祉
・安全、クリーンかつ効率の良いエネルギーの確保
55
・包括的、革新的かつ内省的な社会の実現
初年度に当たる25年度後半は、役割の明確化やアドバイザーの選定、共通
書類のひな形やウェブサイト作成といった、プロジェクトの体制作りを行うと
ともに、主に以下の5つの内容に分けて実際の支援・協力促進活動を行った。
1)日欧政策対話への貢献
FP7への日本もしくは日系企業の参加、政策の動き等、政策対話への貢献
に向けたデータの収集を行い、結果を電子冊子としてまとめつつある。
2)情報提供
平成25年9月9〜10日には神戸大学ブリュッセルヨーロッパセンターで
内部のキックオフ会合を開催。平成25年12月4〜6日には、プロジェクト
会合に加えてHorizon2020情報セミナー及びプロジェクト立上げセ
ミナーを開催した。
・日本・EUのイノベーション・科学・技術連携強化に向けて
—セミナー「Horizon2020と日欧の戦略的パートナーシップ構築」—
http://www.jeupiste.eu/events/project-launch-seminar-2013126-1400-1800
—情報セミナー「Info-day on Horizon2020 in Japan」—
http://www.jeupiste.eu/events/horizon-2020-information-day-2013126-0900-1145
(平成25年12月6日、東京)
どちらの催しも省庁等の共催や後援を得ず、プロジェクト単独の主催で開催
したにもかかわらず、公的研究機関や企業の研究者、研究開発担当マネージャ
ー、政策決定者、官公庁や助成団体関係者、メディア等から200名を越える
登録(参加率80%以上)があり、関心の高さが窺えたとともに、その後のコ
ンタクトにも繋がった。
このほかにも在欧日系企業等も含めた招待セミナー、個別会合、訪問等、5
0件以上を実施し、広く情報提供した。
<主な活動例>
・CSJ化学フェスタ2013世界に打ち勝つ化学産業のビジネス戦略(平成
25年10月22日、東京)における講演「ヨーロッパにおける化学工業
界の産学連携の現状:フレームワークプログラムと各国の取組」とパネルデ
ィスカッション
・Forth Bulgaria – Japan Economy Forum Innovations and Small and Medium
Enterprise
における講演「Transfer of innovations and knowledge EU-Japan for
SME’s」(平成25年11月5日、ソフィア)
・First Osaka University-EPFL International Symposium(平成25年12月2日、
大 阪 ) に お け る 助 成 機 会 に 関 す る 基 調 講 演 、「 Horizon2020 and Research
Collaboration」
・FIRSTシンポジウム パネルディスカッション「先端研究が花開く20
30年」(平成26年3月1日)での講演とディスカッション
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3)パートナーシップ形成支援
積極的なパートナーシップ形成を目的とした学術ワークショップやイノベー
ションワークショップ開催に向け、下準備を行った。
4)コンタクトポイントの形成とトレーニング
平成25年9月から平成26年3月の7か月間で受けた、Horizon2020
への参画方法やパートナー探しの依頼等を含む100件以上の問い合わせに対
し、ヘルプデスクとして機能した。また、平成26年3月12日には、ブリュ
ッセルで在欧日系企業を対象にHorizon2020に関するトレーニング
も行った。
さらに、欧州における日本プログラムのコンタクトポイントを特定し、その
ためのトレーニングコースの準備を始めた。これは、欧州から日本への一方的
な情報提供でなく、日本からも情報発信をする日本独自の試みである。
5)アウトリーチ、メディア等との連携
平成25年12月のプロジェクト立上げセミナー開催に合わせて報道発表を
行ったほか、ニュースレター発行に向けた準備を進めた。また、測位航法学会
のニュースレターに、
「欧州の新しいフレームワーク・プログラムHorizon
2020と衛星測位分野での日欧連携」と題した寄稿を行った。
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5.欧州事務所の活動
欧州事務所(平成8年5月開設、ベルギー・ブリュッセル)は、EU28加
盟国向けにセンター事業の広報活動等を行っている。各種事業に関心を示した
企業に対しては、問合わせ対応、参加申込受付、オリエンテーション等の実施、
研修参加後のフォローアップ等を実施している。研修事業に関し、募集人数を
上回る応募があった場合には、研修により得られる経済効果がより高いと思わ
れる参加者を選定するための選考委員会を開催している。
(1)広報活動
25年度の研修事業にかかる各研修プログラム別の応募・問い合わせ状況は、
以下のとおり。
研修事業別問い合わせ・応募状況
研修事業
問い合わせ
件数
ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ
25年度派遣日本人学生の受入れ
欧州企業
ヴルカヌス・イン・ジャパン
平成24年9月~平成25年8月/
欧州学生
ヴルカヌス・イン・ジャパン
平成25年9月~平成26年8月/
欧州学生
43
応募件数
研修
派遣者数
67
N.A.
15
(マッチング
件数)
680
20
N.A.
995
25
テーマ別研修事業(製造業-WCM)
-6月/11月/年2回開催
N.A. 27( 6月) 20( 6月)
22(11月) 19(11月)
受入研修事業(HRTP)第49回
N.A.
39
12
クラスターミッション
N.A.
14
9
日本派遣のプログラムについては、広報予算が限られる中で大々的な広報は
難しくなっているが、過去の参加者を通じて新たな参加者を開拓するといった、
事業で培ったネットワークの活用により、テーマ別研修事業・受入れ研修事業
の応募件数は安定している。
比較的新しい研修事業であるクラスターミッションについては、質の良い参
加者を効果的に募集するために広報活動を強化した。
日本の理工系学生受入れ欧州企業については、複数ポストを提示する企業も
あるなど、前年度と同水準の応募があった。
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(2)情報提供
日本と欧州の産業界に共通の各種課題に焦点を当て、双方の制度、政策、ベ
ストプラクティスの紹介や、政策提言に繋がる議論の場としてのセミナー・ワ
ークショップを開催した。
日・EU通商関係の重点課題である日EU FTA/EPAの交渉について
は、
「第16回EU―日本カンファレンス」の一環として、日欧当局の交渉担当
者から最新動向を聞く場をブリュッセルで設けた。
また、日・EU産業協力を推進する上で近年特に重要視されている科学・技
術・イノベーション分野の協力について、日欧間の共同研究やパートナーシッ
プ構築の推進を促すことを目的としたセミナーを開催した。さらに、情報通信
技術(ICT)について、平成25年12月にブリュッセルで開催された日本
政府と欧州委員会の政府間対話の機を捉え、
「ICTセキュリティ」や「高齢社
会とICT」といった共通の関心事項について、産業界・研究機関などを交え
たワークショップを開き、官民学の情報交換・対話に貢献した。
セミナー・ワークショップ開催状況
平成25年9月19日
テーマ:Regional Innovation Capability and Technology Transfer in
Biotechnology Clusters New Recipes in Japan and Europe(日本と欧州
のバイオテクノロジー産業クラスターにおける地域のイノベーシ
ョン力と技術移転)(備考:日欧産業協力センターが実施する日・
EU間の科学・技術・イノベーション推進を目指した支援枠組み・
サービスを紹介)
会 場:フランス・アルザス/CEEJA会議室
共催機関:
アルザス欧州日本学研究所、(Centre Europeen d’Etudes Japonaise
d’Alsace:CEEJA)、京都大学経営管理大学院ほか
スピーカー:
アルザス地域当局、フランス学術機関、京都大学、日欧産業協力
センターほか
参加者:16名
平成25年11月25日
テーマ:Japan and EU: Living Together in a Multipolar World(多極化する世
界における日本とEU)
会 場:ブリュッセル/Fondation Universitaire 大会議室
イベントの構成:
年1回ブリュッセルで開催される「EU-日本カンファレンス」
の第16回目として実施。第1部「日欧関係全般及び経済関係と
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FTA/EPA交渉」で日欧産業協力センターがスピーカーを調
整した。第2部は「人道支援、災害救助における日欧の戦略」が
テーマだった。
スピーカー(第1部):
在欧州連合日本政府代表部 特命全権大使 塩尻 孝二郎氏
欧州対外行動局 デイビッド・オサリバン氏
欧州委員会 貿易総局 マウロ・ペトリチオーネ氏
在欧州連合日本政府代表部 宮川 学氏ほか
参加者:186名
平成25年12月3日(午前)
テーマ:EU-Japan Policy Forum on Silver ICT(シルバーICTに関する日
EU政策フォーラム)
会 場:ブリュッセル/欧州委員会情報コミュニケーション総局会議室
共催機関:
欧州委員会
主なスピーカー:
早稲田大学 教授 小尾 敏男氏
欧州委員会 情報コミュニケーション総局 ポール・ティマーズ氏
総務省 情報流通業政局情報流通高度化推進室長 田邊 光男氏
経団連 インターネットエコノミー民間作業部会副主査 横澤 誠氏
早稲田大学、東京大学、エディンバラ大学
国際電気通信技術研究所ほか(日欧の研究開発機関)
参加者:40名
平成25年12月3日(午後)
テーマ:EU-Japan ICT Security Workshop(日EU ICTセキュリティワー
クショップ)
会 場:ブリュッセル/欧州委員会情報コミュニケーション総局会議室
共催機関:
欧州委員会、日本政府
スピーカー:
総務省 総務審議官 吉崎 正弘氏
経済産業省商務情報政策局情報セキュリティ政策室 上村 昌博氏
内閣官房情報セキュリティセンター 企画官 近藤 玲子氏
経団連 情報通信委員会企画部会長 武山 芳夫氏
欧州委員会情報コミュニケーション総局 副総局長 ゾラン・スタ
ンチッチ氏ほか
参加者:45名
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平成26年3月10日
テーマ:Globalisation of Higher Education from the Perspective of
EU-JapanCollaboration( 日欧連携の視点から見た高等教育のグロー
バル化)
(備考:第3部のテーマを「日欧の企業研修・インターン
シップ制度の成功事例」とし、日欧産業協力センターが実施する
ヴルカヌス研修の事例(学生・受入企業の声を含む。)を紹介)
会 場:ブリュッセル/欧州経済社会評議会 会議室
共催団体:
神戸大学、欧州経済社会評議会
主なスピーカー:
在欧州連合日本政府代表部 特命全権大使 塩尻 孝二郎氏
欧州連合日本政府代表部 参事官 仙波 秀志 氏
欧州委員会教育文化総局 政策担当官 ブライアン・トール氏
欧州経済社会評議会 Japan Follow Up Committee 委員長 ローラ・
バテュ氏
神戸大学、東北大学、仏HECほか
日欧産業協力センター
・ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ担当マネージャー
・ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ2013年度参加者
・ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ2013年度受入れ欧州企業
(シュルンベルジェ)
参加者:71名
平成26年3月12日
テーマ:Seminar and Training Course on Horizon 2020(EU研究枠組み計画
「ホライズン2020」に関するセミナー・実務者向けトレーニ
ングコース)
会 場:ブリュッセル/Thon Hotel EU
共催団体:
在欧日系ビジネス協議会(JBCE)
主なスピーカー:
欧州委員会研究イノベーション総局 日本担当課長 パトリック・
ヴィテ=フィリップ氏
日欧産業協力センター
欧州企業等(シーメンズ、IMEC、GEほか)
在欧日系企業(東芝ヨーロッパ、日立ケンブリッジ研究所)
参加者:60名
セミナー等開催のほか、年4回のニュースレター「EU-Japan News」発行や日・
EU産業協力推進に資する各種イベントへの広報協力を通じて、積極的に情報
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提供を行っている。
(3)国際教育者招聘(IEJ)
欧米の公立学校で日本人駐在員の子弟を担当する教師を日本へ派遣する国際
教育者招聘事業(IEJ)に関しては、18年度以降、欧州事務所がベルギー
における派遣団体となって実施している。
25年度は教師2名、窓口部門職員1名、計3名が参加した。職員の参加は
前年度に続き2回目であったが、その後の業務遂行において有益だったとの評
価が寄せられた。
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Ⅲ
業務管理運営体制
(1)理事会・評議員会の開催
当財団の運営に関する重要事項を議決するために、次のとおり理事会、評議
員会を開催した。
開催日
開催内容
平成25年
第9回理事会議題等
6月11日(火) (1)平成24年度事業報告について
(2)平成24年度決算報告について
(3)平成25年度補助金の受入について
(4)公益目的支出計画実施報告書等について
(5)評議員会の開催について
(6)最近の職務執行状況の報告(報告事項)
平成25年
6月25日(火)
第8回評議員会議題等
(1)平成24年度事業報告について(報告事項)
(2)平成24年度決算報告について
(3)平成25年度補助金の受入について
(4)公益目的支出計画実施報告書等について(報告事項)
(5)評議員の選任について
(6)役員の選任について
平成26年
3月12日(水)
第10回理事会議題等
(1)平成26年度事業計画書(案)について
(2)平成26年度収支予算書(案)について
(3)評議員会の開催について
(4)最近の職務執行状況の報告(報告事項)
平成26年
3月26日(水)
第9回評議員会議題
(1)平成26年度事業計画書(案)について
(2)平成26年度収支予算書(案)について
(3)常勤役員後任候補選出委員会委員の選任について
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(2)平成25年度事務局体制・組織図
本部、支部の事務局体制・組織図は次のとおりであった。
( 一般財団法人 貿易研修センター
組織図)
(本部)
専務理事
(本部担当)
総務・企画調査広報部
(8人)
国際交流部
(4人)
人材育成部
日本ケースセンター
(2人)
理事長
評議員会
会
理事会
(支部)
専務理事
(支部担当)
日欧産業協力センター
監事
64
(12人)
Ⅳ
附属明細書について
平成25年度事業報告には、
「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施
行規則」第34条第3項に規定する附属明細書「事業報告の内容を補足する重
要な事項」が存在しないので、作成しない。
平成26年6月
一般財団法人貿易研修センター
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