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シスコ IT による仮想デスクトップ インフラストラクチャの構築 導入

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シスコ IT による仮想デスクトップ インフラストラクチャの構築 導入
シスコ IT 導入事例 – 2012 年 5 月
仮想デスクトップ インフラストラクチャ(VDI)
シスコ IT による仮想デスクトップ インフラストラクチャ
の構築
Cisco Virtualization Experience Infrastructure(VXI)は、任意のサービスに任意の場所か
ら任意のデバイスでセキュアにアクセスできるようにするシスコ戦略の中核要素です。
要旨
課題
● デスクトップの総所有コスト(TCO)の削減
● デスクトップに格納されている知的財産の保護
● 新しい従業員とパートナーへの PC 配布を短縮
ソリューション
● シスコ ユニファイド ワークスペース戦略を導入
し、最初に 2000 ユーザの Cisco Virtualization
Experience Infrastructure(VXI)ポッドを構築し
た
● 海外のエクストラネット パートナーのサイトにある
老朽化したラップトップ群を Cisco Virtualization
Experience Client(VXC)端末に刷新した
● 会社所有のデバイスを 2 台使用している従業員
が、そのうちの 1 台を個人用デバイスに置き換え
ることができるようにした
効果
● デスクトップ コストの減少
● 新しい従業員への PC 配布にかかる時間が 5 ~
10 日から 1 日未満(最短で 15 分)に短縮された
● 試験運用で従業員の作業時間が週に平均 69 分
短縮された
得られた教訓
● 対象ユーザが使用するオペレーティング システ
ムとアプリケーションをすべて把握する
● アプリケーションとデスクトップ仮想化ソフトウェア
の互換性をテストする
● データセンターとデスクトップ チームのコラボレー
ションを準備する
次のステップ
● 別のユース ケースのユーザをさらに追加
● ステートレス デスクトップを導入
● コンテンツ、アプリケーション、ユーザ プロファイ
ルを仮想化して TCO をさらに削減
背景説明
シスコ IT は、多くの IT 組織と同様に、ワークスタイルの変化、特に従業員
所有のデバイスを業務に使用することをサポートする必要があります。この
ニーズに対応するため、シスコ IT は、柔軟性に対する従業員の要求を満
足させると同時にシスコ IT のコストおよびセキュリティ要件を満たすことを
目的とした複数年にわたる「Any Device」イニシアチブを開始しました。Any
Device は、従業員の生産性およびコラボレーション ツール(ワークスペー
ス)をどこからでもどんなデバイスでも使用できるようにする シスコ ユニファ
イド ワークスペース戦略の一部です。
Any Device イニシアチブの柱の 1 つは仮想デスクトップ インフラストラク
チャ(VDI)です。これはデスクトップ仮想化とも呼ばれます。VDI とは、従業
員が選択したクライアント デバイス(シン クライアントやゼロ クライアント、
会社所有のラップトップやウルトラブックなど)と個人用デバイス(タブレット
など)から完全なデスクトップ エクスペリエンスを得られるようにするために、
集約されたストレージとサーバで仮想デスクトップをホストすることを指しま
す。
この事例研究では、Cisco VXI スマート ソリューションに基づくシスコ IT の
VDI 導入について説明します。
課題
シスコ IT は、デスクトップの総所有コスト(TCO)の削減に継続的に取り組
んでいます。ネットワーク サービス デリバリ担当シスコ IT マネージャのリ
チャード・ホイットマーシュは次のように述べています。「私たちは、ブランチ
オフィスに対する IT サポートを集中化することで TCO を大幅に削減しまし
た。次の目標は、デスクトップ ハードウェアとサポートのコストでした。」
シスコ IT は、TCO の削減に加えて、知的財産の保護を強化することを望
んでいました。「多くの企業では、知的財産の大部分がラップトップ上にあり
ます」とホイットマーシュは述べています。シスコでは、ほぼすべてのオンサイト ワーカー(常勤と臨時の両方)に主要なコン
ピューティング デバイスとしてラップトップが支給されます。これはシスコの海外開発パートナーの 18,000 人の従業員につ
いても同様です。これらの従業員にはラップトップまたはデスクトップが支給されます。
シスコ IT はまた、買収した企業からの新しい従業員への PC の配布にかかる時間を短縮することも望んでいました。買収
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が迅速に終了した場合、最初の勤務日に新しいラップトップの支給が間に合わず、その結果、生産性の低下や買収した企
業の統合の遅れが生じることがあります。
シスコ IT は次の 2 つを最優先事項として選択しました。
オポチュニティ 1:2 台目の会社所有デバイスを個人用デバイスに置き換える
シスコ従業員の約 10 人に 1 人、合計で 7000 人の従業員が複数台の会社所有デバイスを使用しています。そのうちの 1
台を仮想デスクトップに置き換えると、導入コストが大幅に減少します。従業員は個人用タブレットから仮想デスクトップに接
続できます。ホイットマーシュは次のように述べています。「多くのシスコ従業員は、実際に個人用デバイスを仕事に使用し
たいと考えています。BYOD(個人所有デバイスの持ち込み)ポリシーをサポートするために、従業員があらゆる場所からあ
らゆるデバイスでアクセスできる永続的なデスクトップを提供する必要がありました。」
「BYOD ポリシーをサポートするために、従業員があらゆる場所からあらゆ
るデバイスでアクセスできる永続的なデスクトップを提供する必要がありまし
た。」
—リチャード・ホイットマーシュ、ネットワーク サービス デリバリ担当シスコ IT マネージャ
オポチュニティ 2:エクストラネット パートナー サイトのラップトップ コストを排除する
シスコには約 18,000 人のエクストラネット ユーザがいます。主にシスコ専用の施設を保有するグローバル パートナーです。
シスコ IT は、ラップトップとデスクトップ、ネットワーク機器、Cisco® Unified Communications などのコラボレーション サー
ビスを提供します。エクストラネット パートナー向けラップトップの TCO は比較的高額です。これは、シスコ IT が 3 年ごと
にラップトップを交換し、さらに新しい従業員がすぐに仕事を始められるように予備の在庫を抱えているからです。シスコ IT
プログラム マネージャのプロセンジット・バッタチャルジは次のように述べています。「私たちが変更を行わなかったとしたら、
インドのパートナー サイトの 1 つでは、2012 年 7 月までに交換用に 2800 台、新しい従業員用に 1200 台、合計 4000 台
の新しいラップトップが必要になっていたはずです。」
ソリューション
シスコ IT は、Cisco VXI スマート ソリューション(図 1)を導入することで、両方のオポチュニティ(シスコ従業員向けの 2 台
目の会社所有ラップトップの排除と海外開発パートナー向けのラップトップ コストの排除)を活用しました。これら 2 つのプ
ログラムに参加する従業員は、Cisco Virtualization Experience Client(VXC)やタブレットなどのあらゆるデバイスを使用
して仮想デスクトップにアクセスできます。パイロット バージョンの Cisco VXC を使用する従業員は、仮想デスクトップに加
えて音声およびビデオ サービスにアクセスできます。
シスコ IT のバイス プレジデント兼グローバル化担当 CIO の VC ゴパルラトナムは次のように述べています。「VDI は、シ
スコ社内およびパートナー エコシステムとの間でグローバルな仕事のやり方を変革するのに役立ちます。VDI を導入する
と、知的財産とアクセス権限をより適切に管理できるようになり、運用効率が向上します。」
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「VDI は、シスコ社内およびパートナー エコシステムとの間でグローバルな
仕事のやり方を変革するのに役立ちます。VDI を導入すると、知的財産とア
クセス権限をより適切に管理できるようになり、運用効率が向上します。」
—VC ゴパルラトナム、IT バイス プレジデント兼グローバル化担当 CIO、シスコ
図 1 Cisco VXI スマート ソリューション
シスコ IT は、Cisco VXI アーキテクチャの基盤を Citrix 向け Cisco Validated Design for Citrix に置きました(表 1)。
表 1 ソリューションのコンポーネント
VXI コンポーネント
ソリューション
サーバ
Cisco UCS B230 M2 ブレード サーバ
ハイパーバイザ
VMware ESXi
デスクトップ仮想化ソフトウェア
Citrix XenDesktop バージョン 5.6
OS イメージ
Windows 7(現行)
Windows 8(予定)
ロード バランシング
Cisco ACE Application Control Engine
WAN 最適化
Cisco Wide Area Application Services(WAAS)4.5、現時点ではパイロット版
仮想スイッチ
Cisco Nexus 1000V
サイジング
シスコ IT は、2000 ユーザをサポートするように Cisco VXI ポッドを設計しました。このポットには、それぞれ 256 GB の
RAM を搭載した 20 台の Cisco B230 M2 ブレード サーバが含まれています。各サーバは、1 セッションあたり 2.5 GB の
RAM で 100 の仮想デスクトップ セッションをサポートできます。さらに別のサーバに障害が発生した場合には、10 の追加
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セッションをサポートできます。シスコ IT は、各サーバがサポートできるセッションの数を計算するために、Liquidware
Labs Stratusphere ソフトウェアを使用して、シスコにある物理デスクトップの処理、メモリ、1 秒あたりのディスク入出力操
作(IOPS)を測定しました。IT エンジニア兼 Cisco VXI 導入担当テクニカル リードのジェームズ・ターナーは次のように述
べています。「私たちは、25 IOPS をサポートするようにアーキテクチャを構成しました。業界平均は 15 ~ 18 IOPS で
す。」 シスコ IT は今後、セッションあたり 20 MB のメモリしか使用しないサードパーティ製アンチウイルス エージェント(従
来のアンチウイルス ソリューションは 100 ~ 120 MB 使用します)を使用することで、仮想マシン(VM)の処理およびメモリ
要件をさらに削減する予定です。
ストレージ
ストレージに関する検討は、Cisco VXI の設計の中心事項でした。ターナーによると、ストレージは最もスケーラビリティが
小さく最もコストが高いからです。NetApp FAS6280 Filer は、25 IOPS を消費する 2.5 GB の RAM と 40 GB のディスク
容量の仮想デスクトップ設定に基づいて、最初の 2000 ユーザをサポートします。シスコ IT は、業務関連のコンテンツのみ
についてストレージの規模を調整し、音楽や業務に関連しないビデオ ファイルはブロックします。各デスクトップ イメージの
約半分、つまり 20 GB がストレージに利用できます。シスコ IT は、より多くのストレージを提供するため、S-Cloud と呼ば
れるプライベート ストレージ クラウドと Cisco VXI の統合を進めています。
アクセス コントロール
シスコ IT は、以前はパートナー サイトにあるシスコ サービス統合型ルータ(ISR)のアクセス コントロール リストを使用して、
エクストラネット パートナーのシスコ ネットワークへのアクセスを制限していました。ACL の中にはコードが最大で 35,000
行にのぼるものがあり、管理に多大な時間がかかっていました。このような複雑さが生じた原因の一部は、ホワイトリストを
使用して多数の許可される URL を開発者に指定していたことです。
シスコ IT は、VDI の導入と合わせて、経営幹部のラップトップや中核の生産リソースなどの決して許可されない重要なリ
ソース ドメインをブロックするブラックリストの管理を開始しました。プロセンジットは次のように述べています。「ホワイトリス
トからブラックリストに移行したことで、ACL のサイズが約 75 % 減少しました。これにより、新しいパートナー サイトのリ
ソース要件とコストが 20 ~ 25 % 低下します。」
クライアントデバイス
海外の開発パートナーの従業員は、スタンドアロンのゼロ クライアントである Cisco VXC 2200 を使用してホスト型仮想デ
スクトップに接続します。シスコ オフィスの従業員は、業務要件に応じて次のようなさまざまなデバイスを使用して接続しま
す。
●
タブレットを含む個人用デバイス:個人用デバイスを使用する従業員は、仮想デスクトップを操作することはできます
が、現時点では許容できるユーザ エクスペリエンスで音声サービスおよびビデオ サービスにアクセスすることはで
きません。シスコ IT が Cisco VXC 4000 ソフトウェアを導入すると、個人用 Windows デバイスを使用する従業員
はシスコの音声サービスおよびビデオ サービスにもアクセスできるようになります。Cisco VXC 4000 のメディア エ
ンジンは、音声トラフィックを Cisco Unified Communications Manager にインテリジェントにルーティングします
(図 2)。シスコ IT プログラム マネージャのスチュアート・ホリンズワースは次のように述べています。「従来の VDI
の音声は、データセンターを経由するため、エンタープライズ品質ではありません。これに対して、Cisco VXC 4000
ソフトウェア アプライアンスと Cisco VXC 6215 シン クライアントの音声は、標準的な IP フォンと同様にポイント間
で伝送されるため、非常に高品質です。」
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「従来の VDI の音声は、データセンターを経由するため、エンタープライズ
品質ではありません。これに対して、Cisco VXC 4000 ソフトウェア アプライ
アンスと Cisco VXC 6215 シン クライアントの音声は、標準的な IP フォンと
同様にポイント間で伝送されるため、非常に高品質です。」
—スチュアート・ホリンズワース、シスコ IT プログラム マネージャ
図 2 音声トラフィックはデータセンター経由ではなくポイント間で伝送され、エンタープライズ品質を実現する
●
Cisco VXC 6215:パイロット プログラムのシフト ワーカーはこのクライアントを使用していました。このクライアント
は Cisco VXC 4000 と同様の方法で音声およびビデオ トラフィックを処理します(図 3)。新しい従業員がシフトに
入ると、ログオンして自分のデスクトップを受信します。
●
Cisco VXC 2100:パイロット プログラムの受付係はこのモデルを使用します。このモデルは、Cisco Unified IP
Phone 9950 または 9970 に接続し、従来の PC と IP フォンの機能を統合されたフォーム ファクタで一体化します。
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図 3 Cisco VXC 6215(左)と VXC 2100(右)
WAN 最適化
シスコ IT は、WAN 経由の Citrix XenDesktop に高品質のユーザ エクスペリエンスを提供するために、Cisco Wide Area
Application Services(WAAS)を導入しています。Cisco WAAS は、アプリケーションのパフォーマンスを向上させ、最大で
2 倍の Citrix ユーザを同時にサポートできます。シスコ IT が Cisco WAAS 5.0 をネットワーク全体に導入すると、メディア
トラフィックとディスプレイ プロトコル トラフィックの両方が最適化されます。現時点では、メディア トラフィックのみが最適化
されています。
設計上の決定
シスコ IT は、Cisco VXI の設計に関して次の決定を行いました。
●
ステートレスではなくステートフル デスクトップ:永続的なデスクトップとも呼ばれるステートフル デスクトップは、特
定の従業員向けに確保されます。一方、ステートレス デスクトップは、従業員がログオンしたときにのみデータセン
ター リソースを使用します。「ステートレス設計のほうがリソースの使用量が少なく低コストですが、VXI テクノロジー、
経済的要因、およびサポート モデルをよく理解するために完全に永続的なデスクトップから始めることにしました」と
ホイットマーシュは述べています。シスコ IT は現在、ステートレス デスクトップに必要なプロファイル管理、コンテン
ツ仮想化、およびアプリケーション仮想化を開発しています。
●
VDI トラフィックの他のデータセンター トラフィックからの分離:シスコ IT は、デスクトップ トラフィックによって
cisco.com やエンタープライズ リソース プランニング(ERP)ツールなどの重要なデータセンター アプリケーション
のパフォーマンスが低下しないようにする必要がありました。そのため、仮想デスクトップ セッション自体は、独自の
スイッチの背後で専用のコンピューティング リソースおよびストレージ リソースで動作します。これらのセッションは、
シスコの標準仮想サーバ ファームの一部として導入された Cisco VXI アプリケーション サーバにアクセスします。
その後、これらのサーバのブローカ コネクション クライアントが VXI セッションを要求します。「Cisco VXI は、デー
タセンター内のキャンパス ネットワークとして効果的に動作し、キャンパス スイッチングと QoS ポリシーに従いつつ
もコア データセンター ネットワークからは切り離されます」とターナーは述べています。
●
有線およびワイヤレス アクセス:個人用デバイスと Cisco VXC エンドポイントは、シスコ IT のデスクトップ用の標
準である Cisco Catalyst® 6500 スイッチを介して仮想デスクトップに接続します。IT チームは、Cisco Nexus®
7000 をデスクトップ スイッチとして認定中です。
ユーザの選択
シスコ IT は、これまでに 2000 ユーザに対して仮想デスクトップをプロビジョニングしました。クリステンセンは次のように述
べています。「早期に導入したユーザからは自由さが好きだと言われました。デスクトップは常にオンで、あらゆるデバイス
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からいつでも利用できます。」
「早期に導入したユーザからは自由さが好きだと言われました。デスクトッ
プは常にオンで、あらゆるデバイスからいつでも利用できます。」
—ブライアン・クリステンセン、IT ネットワーク サービス シニア ディレクター、シスコ
シスコの最初のユーザは次のとおりです。
●
複数のラップトップを所有する従業員:多くはセールスおよびサポートのエンジニアと開発者です。「開発およびテス
トは、デスクトップ仮想化のよい使用例です。開発者とテスト エンジニアは、多数のソフトウェアをインストールしてか
らデスクトップを更新するのに時間を費やす必要がないからです」とターナーは述べています。
●
Mac ユーザ:シスコの従業員は Windows ラップトップまたは Mac ラップトップを選択できますが、シスコ IT は
Windows ラップトップしかサポートしません。パイロットに参加している従業員の 70 % が Mac を所有しています。
これらの従業員は、以前は VMware Fusion を使用して Windows アプリケーションを動かしていました。現在、
Fusion は必要ありません。Mac は Citrix Receiver クライアントを介して Windows 仮想デスクトップにアクセスで
きるからです。「Mac ユーザにとっての Cisco VXI の魅力は、好みのプラットフォームとシスコ標準の Windows
ラップトップの間の溝が埋まることです」とホイットマーシュは述べ、Microsoft Exchange の将来のリリースによって
このニーズが減る可能性を指摘しています。
●
インターン:シスコのグローバル インフラストラクチャ サービス担当バイス プレジデントのジョン・マンビルは次のよ
うに述べています。「IT 組織内では、20 人のサマー インターンに仮想デスクトップがセットアップされ、インターンの
生産性が数分で向上しました。さらに、コストのかかる 36 ヵ月のラップトップのリースを取りやめました。」
「IT 組織内では、20 人のサマー インターンに仮想デスクトップがセットアッ
プされ、インターンの生産性が数分で向上しました。さらに、コストのかかる
36 ヵ月のラップトップのリースを取りやめました。」
—ジョン・マンビル、グローバル インフラストラクチャ サービス担当バイス プレジデント、シスコ
●
コンタクト センターのエージェント
●
エクストラネット パートナー
●
シスコでの勤務日数が 6 ヵ月以下のベンダー
効果
エクストラネット パートナーのコストの低下と知的財産の保護の向上
シスコ IT は、インドにある総従業員数 6500 人のエクストラネット パートナーの 250 人の従業員とのデスクトップ仮想化パ
イロットに成功しました。2 つの施設のパイロット ユーザ(開発者、テスト エンジニア、サポート エンジニアなど)がラップトッ
プを Cisco VXC 2200(すぐに Cisco VXC 6225 に置き換えられました)に交換し、それを使って仮想デスクトップの操作と
音声サービスおよび Cisco WebEx® サービスの利用を行いました。
エクストラネット パートナーにとっての Cisco VXI の主なメリットは次のとおりです。
●
知的財産の保護の向上:デスクトップ トラフィックがシスコ データセンターの外部に出ることは決してありません。シ
スコの IT ネットワークサービス担当シニア ディレクターのブライアン・クリステンセンは次のように述べています。
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「Cisco VXI を導入すると、制御レベルが大幅に向上するとともに、管理がより簡単になります。」
●
デスクトップ TCO の低下:Cisco VXC には可動パーツがないため、デスクトップ クライアントの寿命が 3 年から 5
~ 8 年に伸びます。オペレーティング システムとアプリケーションのアップグレードは人的介入なしにオンラインで
行われ、すべてのユーザが 1 つのイメージに基づいて作業します。「ラップトップを 3 年ごとに更新する代わりに、
3 ヵ月だけかけて VXI 環境での新しいアプリケーションをテストしています」とプロセンジットは述べています。シスコ
IT はすでに、ローカル サポート コストを排除することにより、デスクトップのサポート コストを大幅に削減しています。
Cisco VXI により、TCO がさらに 8 ~ 10 % 削減されます。
●
新しい従業員への PC 配布の迅速化:Cisco VXI の予想外のメリットは、開発者の生産性の向上が 4 ~ 5 週間早
まったことです。プロセンジットは次のように述べています。「私たちは開発者を雇うとすぐに開発者に給料を支払い
ますが、以前はラップトップが支給されるまで開発者の生産性が十分に高まることはありませんでした。ラップトップ
の支給は勤務開始日から何週間も後になることもありました。「現在は、仮想デスクトップが Active Directory ユー
ザ名とともに自動的に作成されます。」Cisco VXI スマート ソリューションは、在庫要件の削減にも役立ち、パート
ナーの所在地での資産管理を簡素化します。
●
どこからでも作業できる柔軟性:以前は、開発者とテスト エンジニアはオフィスからしかネットワークにアクセスでき
ず、自宅からはアクセスできませんでした。現在は、シスコ内に環境が維持されているため、シスコ IT は自信を
持ってパートナーの従業員がどこにいても作業を割り当てることができます。
●
アプリケーション パフォーマンスの向上:Cisco VXI は、ローカル デスクトップよりも高速で信頼性に優れています。
これは環境が集中管理されることが一因です。さらに、ラップトップとは異なり、オペレーティング システムのパッチ
の繰り返し、クッキーの増大などが原因で時間の経過とともに速度が遅くなることもありません。
生産性の向上
シスコ IT が Cisco VXI ユーザを対象に行った調査では、回答者の 61 % から平均で週に 69 分の生産性の向上が報告さ
れました。回答者は、VXI の主なメリットとして複数のデバイスから永続的なデスクトップに接続できることを挙げました。「ど
のデバイスからログインしても、作業中のスプレッドシートが最後に使ったときと同じ状態でそこにあります」とマンビルは述
べています。
さらに、買収した企業の従業員は、以前よりも最速で 1 週間早くデスクトップを受け取ります。そのため、生産性が以前より
も迅速に向上します。ホイットマーシュは次のように述べています。「現在の手動のプロセスでさえ、シスコ IT は仮想デスク
トップに対する要求に 24 時間以内に対応できます。また、緊急の要求には数分で対応できます。Cisco VXI を導入する前
は、5 ~ 10 日間かかっていました。」
得られた教訓
シスコ IT は、Cisco VXI プログラムの導入を計画している他の組織のために次の教訓を共有します。
●
対象の従業員が使用するすべてのアプリケーションを確実に把握する。特にタスク ワーカーは、最新バージョンの
アプリケーションを所有していないことがよくあります。パイロット期間中、シスコ IT は、一部のアプリケーションが
Windows 7 ではなく Windows XP を必要としていること、およびファイナンス チームが特定の古い Oracle アプリ
ケーションをまだ使用していることを突き止めました。ユーザ自身が報告したアプリケーションの使用状況は必ずし
も正確でないことに注意してください。たとえば、シスコでは、Cisco WebEx と Cisco Jabber™(旧 Cisco Unified
Personal Communicator)を使用していることを認識していない従業員がいました。これらのコラボレーション アプ
リケーションを許容可能なユーザ パフォーマンスで使用するには、Cisco VXC 4000 または VXC 6215 が必要で
す。
●
アプリケーションとデスクトップ仮想化ソフトウェアの互換性をテストする。テスト中、シスコ IT は、特定のクライアン
トサーバ アプリケーションが仮想デスクトップ環境で適切に動作しないことを突き止めました。
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●
データセンター チームとデスクトップ チームのどちらがプログラムを所有する必要があるかを判断する。ホイット
マーシュは次のように述べています。「当初は、デスクトップ チームが VXI の導入を先導し、データセンター チーム
の注意を引こうとしていました。データセンター チームに責任を移した後、進展が加速し、わずか 3 ヵ月後にはパイ
ロットが稼働していました。私たちの経験は、VDI は現在データセンター チームによって推進されているという
Gartner の見解を実証するものでした。」Gartner はまた、VDI は最終的にはデスクトップ チームに戻ると予測して
います。
「当初は、デスクトップ チームが VXI の導入を先導し、データセンター チー
ムの注意を引こうとしていました。データセンター チームに責任を移した後、
進展が加速し、わずか 3 ヵ月後にはパイロットが稼働していました。」
—リチャード・ホイットマーシュ、ネットワーク サービス デリバリ担当シスコ IT マネージャ
●
以前は連携していなかったさまざまな IT チーム間でのコラボレーションを準備する。Cisco VXI は、ネットワーキン
グ、データセンター、デスクトップ、セキュリティ、ユニファイド コミュニケーション、ビデオ サービスなど複数の IT
チームに影響します。これらのグループは、シスコでは比較的自立性が高く、Cisco VXI によって初めてコラボレー
ションが必要になります。
●
個人用ソフトウェアに関するポリシーを再検討する。シスコ IT は、従業員が自分のラップトップで使用できるソフト
ウェアを制限しません。そのため、一部のユーザは iTunes などの音楽プレイヤーを使用しています。ターナーは次
のように述べています。「Cisco VXI はデスクトップの拡張であるため、現在は同じソフトウェア使用ポリシーを使用
しています。ただし、従業員が VXI から iTunes を使用すると、状況によってはパフォーマンスが低下する可能性が
あるため、再検討を行っています。」
●
異なる場所に異なる規模のポッドが必要かを判断する。シスコ IT は、現在の 2000 ユーザ ポッドがコスト効果的で
ない小さな場所向けに 500 ユーザ ポッドを設計する可能性があります。
●
従業員が仮想デスクトップのメリットを理解していることを確認する。「非常にわくわくしていたユーザもいれば、ラッ
プトップを取り上げられる理由を知りたがっていたユーザもいました」とホリンズワースは述べています。シスコ IT は、
オンライン コミュニティでプログラムに関するブログに投稿し、設定に関する指示を E メールで伝えました。使用状
況をモニタし、従業員が初期にマネージャからの励ましを必要とするかどうかを判断します。
次のステップ
2012 年 7 月までに、インドのエクストラネット パートナーの約 4000 人の従業員が仮想デスクトップにアクセスします。エン
ジニアリング ユーザへの導入はそれより遅れる可能性があります。シスコ IT は Cisco VXI 環境での完全なエンジニアリン
グ スタックのテストを希望しているからです。
またシスコ IT は、2013 年 3 月までに 10,000 人の内部ユーザに仮想デスクトップを提供する予定です。大多数のユーザ
には、Cisco VXC エンドポイントまたは Cisco VXC 4000 ソフトウェア アプライアンスが提供されます。パイロットは現在、
人事、ヘルプデスク、トラベル デスク、および受付係に対して実施されています。仮想デスクトップの対象と見なされている
その他のユーザ グループは、短期コンサルタント、請負業者とベンダー、および買収した企業の従業員です。これらのユー
ザは、シスコ デバイスを受け取るまでの間、Cisco VXC 4000 ソフトウェアを搭載した既存のデバイスを使用できます。
その他の計画は次のとおりです。
●
永続的な仮想デスクトップから非永続的な(ステートレス)仮想デスクトップへ移行する。
●
シスコ IT のストレージ クラウドである S-Cloud を使用して、ストレージの上限を増やすとともにコストを削減する。
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●
フォワードキャッシュ手法を使用するサードパーティ製アプリケーションを導入して、同じ数のアレイにより多くの仮想
デスクトップを格納する。
●
Citrix XenApp を使用して Windows XP アプリケーションを Windows 7 仮想デスクトップにストリーム配信する。
●
エクストラネット パートナーが Cisco AnyConnect モビリティ クライアントを使用してファイアウォールの外部から接
続できるようにする。
●
アプリケーションを仮想化する。シスコ IT は、アプリケーションをデスクトップ イメージに含める代わりに、アプリケー
ションを仮想デスクトップにストリーム配信することを計画しています。
●
Cisco Intelligent Automation for Cloud ポートフォリオの一部である Cisco Process Orchestrator を使用して、
Cisco VXC 4000 ソフトウェア アプライアンスのプロビジョニングを自動化する。従業員が会社所有のデバイスまた
は個人用デバイスのいずれかを使用して初めて仮想デスクトップに接続すると、Cisco ISE によってユーザが認証
され、インストール用のソフトウェアが配信されます。
シスコ IT は、シスコ ユニファイド ワークスペース戦略の一部であり、シスコの社内業務上および技術上の課題に関連する
他のスマート ソリューションの導入を継続します。
関連情報
Cisco Virtualization Experience Infrastructure の詳細については、www.cisco.com/go/vxi/ を参照してください。
その他さまざまなビジネス ソリューションに関するシスコ IT の導入事例については、「Cisco on Cisco: Inside Cisco IT」
(http://www.cisco.com/go/ciscoit/)を参照してください。
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メモ
本書は、シスコ製品の導入から得られた利点について記載したものです。説明された結果およびメリットには多くの要因が
影響しており、シスコは他の場合において同様の結果を保証するものではありません。
シスコは本文を現状のまま提供し、明示的または黙示的な商品性の保証、特定目的への適合性の保証を含む、明示また
は黙示の一切の保証もいたしません。
一部の法域では、明示または黙示保証の責任放棄を許可していないことがあり、その場合には本責任放棄声明は適用さ
れません。
©2013 Cisco Systems, Inc. All rights reserved.
Cisco、Cisco Systems、およびCisco Systemsロゴは、Cisco Systems, Inc.またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。
本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利者の財産です。
「パートナー」または「partner」という用語の使用はCiscoと他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。(0809R)
この資料に記載された仕様は予告なく変更する場合があります。
お問い合わせ先
シスコシステムズ合同会社
13.06
〒107-6227 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー
http://www.cisco.com/jp
お問い合わせ先:シスコ コンタクトセンター
0120-092-255(フリーコール、携帯・PHS含む)
電話受付時間 : 平日10:00~12:00、13:00~17:00
http://www.cisco.com/jp/go/contactcenter/
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