...

Environmental Policy Research 2010 – Canada

by user

on
Category: Documents
14

views

Report

Comments

Transcript

Environmental Policy Research 2010 – Canada
カナダの環境に対する市民意識と環境関連政策
日本貿易振興機構
海外調査部
地球温暖化問題への関心を受け、各国では環境関連政策の整備が進み、政府の啓発活動に
伴い市民の環境に対する意識が高まりつつある。
環境意識の高まりは地球温暖化問題だけに向けられているものではなく、健康、安心・安
全、居心地の快適さ、バリアフリーなどへの関心と相まっており、意識の高まりに伴い、市
場が大きく変化する兆しを見せている。こうした動きは先進国だけでなく新興国でも見られ、
特に台湾や ASEAN ではビジネス環境の急転が見込まれている。サッカー・ワールド・カッ
プとオリンピックを控えているブラジルでも、政府や自治体は市民に対する環境教育にいっ
そう力を入れるようになった。
こうした世界的なトレンドを受け、ジェトロでは、主要 30 カ国・地域を選び、市民の環境
への意識および環境関連政策について、概要を取りまとめることとした。
環境関連政策としては、(1)電力・エネルギー、(2)廃棄物処理、(3)交通、(4)住宅・建築をと
りあげた。また、ビジネスの参考として、環境関連の経済指標および当該国・地域の気候関
連情報についても盛り込むこととした。
本レポートは、この一連の調査のカナダ版である。
なお本レポートは、 環境政策関連のデータベースを運用する民間のシンクタンク、Enhesa,
Inc.1に委託した調査の報告書「Environmental Policy Research 2010 」を基に、ジェトロが
編集・改訂を行ったものである。
なお、このレポートの監修中に、調査委託先の Enhesa, Inc.から、3 月 11 日に発生した東北
地方太平洋沖地震へのお悔やみと募金活動に入った旨の連絡をいただいた。この場を借りて
感謝の意を表する次第である。
2011 年 3 月
海外調査部
「環境に対する市民意識と環境関連政策」レポート掲載国・地域一覧
EU、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、ハンガリー、ポーラ
ンド、デンマーク、チェコ、サウジアラビア、UAE、インド、シンガポール、マレーシア、
インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、カンボジア、台湾、中国、韓国、オーストラ
リア、カナダ、米国、メキシコ、ブラジル、チリ。
1
www.enhesa.com
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
1
1. 位置・気候
カナダは、北米大陸の北に位置し、大西洋、北極海、太平洋に面する。面積は 998 万
4,670 平方キロメートルで、世界 2 位。 国土は北緯 42 度以北に位置し、最北端のエルズミ
ーア島コロンビア岬は北緯 83 度近辺になる。人口が比較的多い都市は、北緯 55 度以南(エ
ドモントンとカルガリーを除くと北緯 50 度以南)にある。市民の約 90%は、米国との国境か
ら 160 キロメートル以内に居住している2。
広大な国土をもつカナダはさまざまな地形にも富み、それは気候にも影響している。北部
では降水量が尐なく気温は低く、永久凍土のため植生の生育は妨げられ、結果として樹木の
存在しないツンドラとなっている。
ツンドラの南にはカナダ盾状地が広がり、短い夏はツンドラ地帯よりは暖かいが、冬は長
く寒い。年間降水量は比較的多く、針葉樹林が形成されている。
太平洋岸は降水量が多く、年間を通じて温暖な気候であり、温帯雨林が生育している。プ
レーリー(主としてアルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州)と呼ばれる草原地帯で
は晴れの日が多く、農場が広がる。
東岸は、大西洋の暖流が過ごしやすい気候をもたらしており、冬は長いが温暖で、夏は短
く涼しい。この地域の地勢的な特徴は森林である。
五大湖周辺およびセントローレンス川流域では、水域の影響により温暖な気候がもたらさ
れ、夏は気温があまり上がらず、冬はさほど寒くない3。
カナダは英連邦に所属する連邦国家で、連邦およびそれぞれの州に総督が任命されている。
環境政策については連邦法が優先されるが、州政府および各自治体も立法措置が行える。
2. 環境に対する市民意識
市民の自然環境の保全に対する意識は高い。主な環境の課題としては、気候変動、動植物
の生息環境、野生生物、大気汚染と廃棄物、水などがあげられる。
特に、北極海の氷結面積の縮小による白熊など北極に生息する哺乳類などへの影響や、五
大湖の生態と水位の低下は、市民の関心が高い。
また石炭燃焼施設や自動車の排気ガスによる大気汚染、大気汚染が元で湖や森林に深刻な
悪影響を与える酸性雨、金属溶練による土壌・水質汚染、農業・鉱工業・林業排水による湖
水や海水の汚染には、市民が敏感になっている。特に、国内の原油・ガス採掘業に関連する
環境問題は、しばしば大きな議論をよんでいる4。
一方で、石炭、原油、天然ガスを産出することから、再生可能エネルギー開発や省エネル
ギーへの意識には希薄な傾向がある。例外的に、こうした資源が不足しているオンタリオ州
は、再生可能エネルギー開発に関心が強い。
2
CIA, World Factbook
https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/ca.html
3
Natural Resources Canada, The Atlas of Canada
http://atlas.nrcan.gc.ca/site/english/index.html
4
Environment Canada, Environmental Issues
http://www.ec.gc.ca/education/default.asp?lang=En&n=3AD65317-1
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
2
環境省(Environment Canada5は、市民の環境認識を高めるための情報発信を行っている。
例えば、大気環境の保護については、燃費のよい車の購入を推奨している。気候変動にかか
わる目標が確実に達成されるよう、環境省は公共交通機関の定期券購入による税額控除を活
用するよう呼びかけている。
環 境 省 は ま た 、 法 案 策 定 の プ ロ セ ス に 一 般 市 民 を 参 画 さ せ て い る 。 Canadian
Environmental Protection Act 1999 (CEPA6)の第 17 項には、「カナダ在住の 18 才以上の者
は、本法の適用下で発生したと考えられるいかなる違反や違法行為の調査を大臣に申請する
ことができる」とある。
また、CEPA に基づいて策定中の新法または法律改正について、企業を含む一般市民から
のパブリックコメントの募集も行われている7。
環境省は、環境関連の活動に対して特に若年層をとりこむことに努力している。例えば、
10 年 4 月、環境大臣は、カナダの青年層が 27 の国立公園と 68 の国定史跡に 1 年間無料で入
場できるプログラムを発表した。若い世代によるカナダ探訪を促進することによって、自然
や天然資源の保護や保全に対する彼らの興味を高めることがねらいである。8
カナダ統計局(Statistics Canada)が発表する年報(Canada Year Book 2010)は、07 年に
調査したカナダの一般家庭における環境関連への取り組み状況を次のようにまとめている。
1)リサイクルに取り組む世帯比率(母数はリサイクル制度を利用できる全世帯):97%
2)電球型蛍光灯(CFL)使用比率: 69%
3)低流(節水)シャワーヘッド使用比率: 62%
4)暖房温度の低め設定励行比率(暖房使用時期の就寝時間中。サーモスタットを装備して
いる全家庭に対する割合): 55%
5)トイレの節水比率: 39%
6)生ごみの堆肥化比率9: 27%
Canada Year Book 2010 には、消費者による「環境に優しい購入選択」に関する 07 年デー
タも記載されている。これによると、全家庭の 45%が「しばしば」または「時々」自然食品を購
入し、5%は「常に」購入していると答えている。また 30%の家庭が食料品を入れるために再利
用可能なまたはリサイクルのバッグやケースを「常に」使用し、41%は「常に」ではないが
「時々」またはそれ以上の頻度で使用したと答えている。
5
6
Environment Canada
http://www.ec.gc.ca/default.asp?lang=En&n=FD9B0E51-1
Canadian Environmental Protection Act 1999, c.33
http://laws.justice.gc.ca/eng/C-15.31/FullText.html
7
Environment Canada, CEPA Environmental Registry, Public Consultation
http://www.ec.gc.ca/lcpe-cepa/eng/participation/default.cfm?n=CAE9F571-1
8
“Government youth project aimed at environmental awareness,”
http://www.canada.com/Government+youth+project+aimed+environmental+awareness/2935370/story.html
9
Statistics Canada, Canada Year Book 2010, Chapter 12: Environment
http://www.statcan.gc.ca/pub/11-402-x/2010000/pdf/environ-eng.pdf
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
3
3. 環境関連政策
環境政策の基本法となっている連邦法は、CEPA 1999 である。CEPA の基本的な考え方
は「未然防止」であり、環境のすべての側面(大気、水、土壌)を対象としている。CEPA は
国際的な大気汚染、海洋への廃棄物投棄、連邦法が適用される汚染源等、連邦政府の管轄下
にあるすべての環境問題をカバーする。
CEPA に従って定められた規則としては、
1) Contaminated Fuel Regulations
2) Disposal at Sea Regulations
3) Environmental Emergency Regulations
4) Federal Halocarbon Regulations
5) PCB Regulations
6) Prohibition of Certain Toxic Substances Regulations
等がある10。
CEPA に基づき、環境省は、次の責を負っている。
1)自然環境(水、大気、植物相、動物相を含む)の質の維持と向上
2)再生可能資源の保全
3)水資源の保全と保護
4)気候および環境変動の予測
5)境界水域に関する規則の実行
6)環境政策とプログラムの調整による連邦政府としての支援11
連邦政府は 02 年 12 月 17 日に京都議定書を批准した。京都議定書に基づき、カナダは温
室効果ガスを 08 年から 12 年の間に 1990 年の水準から 6%削減しなければならない。
連邦政府は 05 年 4 月に活動の枠組みを定めた「Moving forward on Climate Change: A
Plan for Honoring our Kyoto Commitment(気候変動に対する行動:京都議定書へのコミッ
トメント達成計画)」を策定し発表した。
この計画は、
1)カナダ都市部の大気汚染改善に大きく貢献すること
2)生物多様性の拡大
3)野生地の保護支援
4)市民の生活の質の一般的な改善
を目的としていた。
07 年 4 月、カナダは新たな気候変動計画「Turning the Corner12(危機を脱する)」を発表
した。この計画は、産業分野からの温室効果ガスと大気汚染物質を削減するための取り組み、
10
Canadian Environmental Protection Act (CEPA) Environmental Registry
http://www.ec.gc.ca/lcpe-cepa/default.asp?lang=En&n=D44ED61E-1
11
正式名称は「An Act respecting pollution prevention and the protection of the environment and human health in order to
contribute to sustainable development」。Environment Canada website
http://www.ec.gc.ca/default.asp?lang=En&n=BD3CE17D-1
12
Turning the Corner, Environment Canada
http://www.ec.gc.ca/default.asp?lang=En&n=4891B242-1
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
4
および輸送業界の排ガス削減のための規制措置、消費者および商用製品に関する活動、屋内
空気の質改善のための活動の概要計画を定めている。
現在、カナダが気候変動について掲げている目標は、20 年までに温室効果ガスの総排出量
を 05 年比 17%削減することである。これを実現するために、カナダはより効果的な排出規
制、エネルギー効率の向上、エネルギー全体に占める再生可能エネルギーの割合の向上、技
術開発と導入の推進および促進を実現するための方策の採用を試みている13。
連邦政府のコミットは次の通り。
1)環境省が提案するPassenger Automobile and Light Truck Greenhouse Gas Emission
Regulations、および将来制定される法律による自動車セクターからの温室効果ガス
排出を制限する厳格な新規則の導入。
2)米国とのClean Energy Dialogue(クリーンエネルギー会議)の継続。
3)環境に配慮したインフラ、エネルギー効率、クリーンエネルギー技術、クリーンエネ
ルギーやクリーン燃料製造への投資。
※06年以降、カナダ政府は100億カナダドル(1カナダドル=83.9円)近くをこの分野に
投資している。
4)10年度の予算への、よりクリーンで持続可能な環境の構築を支援するための総額1億
9,000万カナダドルの計上。
環境省は、Federal Sustainable Development Strategy(FSDS、持続可能な開発に関す
る連邦戦略)2007-2009 を発表している。これは、1997-2000 年版、2001-2003 年版、20042006 年版の 3 つのバージョンを基に策定されたものである。次回のバージョンについては、
10 年の秋に審議される予定である。
現在の FSDS は、Federal Sustainable Development Act, 2008 の第 33 章によってその履
行が義務づけられている。同法は、カナダが上記の戦略を策定する上で行った数多くの国際
的コミットメント(1992 年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで行われた地球サミットや
02 年に南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開催された持続可能な開発に関する世界首脳会
議等でのコミットメント等)に対応している。
同法の目的は「環境に関する意思決定をより透明なものとし、議会に対してより説明責任を
負う、持続可能な開発に関する連邦戦略の策定および実施のための法的な枠組みを提供」する
ことにある14。
環境省の Sustainable Development Strategy(SDS、持続可能な開発戦略)2007-2009 で
は、カナダ国民に対し、環境省は、戦略実現のための計画策定と実行に持続可能な開発を組
み込むことをここ 3 年間強化してきたという、重要なコミットメントを強調している。
戦略分野でのコミットメントは、持続可能な開発に対するカナダ環境省の取り組みにおけ
る二つの重要な側面に焦点をあてている。それは、「意思決定プロセスに社会的・経済的な考
察を組み込むために必要な同省の能力を強化すること」、そして「カナダがその意思決定に環
境が持つ真の価値をよりよい形で組み込むことができるよう、環境に関する情報、プログラ
ム、サービスの提供を続けること」である。
13
Eco Action Canada
http://www.ecoaction.gc.ca/climatechange-changementsclimatiques/index-eng.cfm
14
Federal Sustainable Development Act, 2008, Chapter 33
http://laws.justice.gc.ca/en/showtdm/cs/F-8.6
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
5
SDS 2007-2009 はまた、セクター別の持続可能開発戦略の一貫性および説明責任を強化す
るために、政府全体のイニシアチブである、前回のセクター別持続可能開発戦略に対する環
境省主導の連邦としての取り組みをまとめた同省のコミットメントも強調している15。
コミットメントには次のようなものがある。
1)カナダ全土の主要セクターにおいて、大気汚染および温室効果ガス削減のための活動を
実施する。
2)有害物質の評価および管理を目的としたリスクベースの優先順位設定方法を開発する。
3)カナダ国民への情報提供、およびカナダ国民による意思決定の支援を目的として、汚染
物質排出情報および関連データのカナダ産業界からの収集について、より整合性と一貫
性のある方法を採用する。
4)イニシアチブの実践を通じて、持続可能な消費と生産を推進する。
5)ステークホルダーとの協議を通じて、現在入手している液体比重データおよび気象デー
タのギャップを特定し、より正確な知識に基づく意思決定を可能とする。
6)クリーンな空気、クリーンな水、クリーン土壌、エネルギー、健康と安全、経済的競争
力といった政府の主要課題を対象とした政策や意思決定をサポートするために、学際的
な環境予測能力を構築する。
7)カナダ国民が環境災害に際して適切な行動をとることができるよう、予測、精度改善、
事前警告を通じてすべての国民に安心と安全上のゆとりを与える。
8)カナダ国民がより適切な環境および経済上の判断が下せるよう、水量や気候情報に対す
るアクセスを拡大する。
9)パートナーの活動が環境に与える影響を減らしつつ、事業活動の安全性と経済効率を改
善するために、気象および氷河に関する情報をパートナーが十分に活用できるよう、サ
ービスの質を向上させる。
10)気候変動を理由とする脆弱性と機会をカナダ国民が理解および管理する上で必要となる
科学的情報やツールを、社会、経済、環境面でのニーズのバランスがとれた形で提供す
る。
11)持続可能な経済発展を促進しつつ、渡り鳥の個体数を効果的に維持するために、
Migratory Birds Convention Act, 1994 のもとで付随的な規制を制定する。
12)状況や動向の監視と報告の改善、環境保全計画、実行、報告に関するカナダ国民の参画
といった、よりよい連携活動を実現するために、州および準州政府との協力の下で全国
的な生物多様性保護活動の枠組みを実施する。
13)優先順位の高いエコシステムを対象とした新しいプログラムの開発および実行において、
社会的・経済的要素をよりよい形で確実に組み込む
(1)電力・エネルギー政策
エ ネ ル ギ ー 効 率 と 再 生 可 能 燃 料 に つ い て の 情 報 セ ン タ ー で あ る Office of Energy
Efficiency 16(OEE、エネルギー効率局)は、天然資源省に所属する機関として 1998 年 4 月
に設立された。
15
Environment Canada's Sustainable Development Strategy 2007-2009
http://www.ec.gc.ca/Publications/default.asp?lang=En&xml=240FBAC4-DFF8-425D-84FE-7EB7622C3F5D&OrderElectr
onic=F99C499A-4456-4B63-B535-989B8B1857B7 (an email address must be entered in this form to obtain a free copy of t
he strategy)
16
http://oee.nrcan.gc.ca/english/
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
6
OEE は、京都議定書の約束どおり 08 年から 12 年の間に温室効果ガスの排出量を 1990 年
比 6%削減するというコミットメントを達成するために、住宅、商業、工業、輸送関連セクタ
ーを対象としたエネルギー効率と再生可能燃料に関連するプログラムのいくつかを管理運営
している。
連邦政府は、OEE に種々のプログラムを統合し監督させることにより、エネルギー効率化
をより能動的に推進でき、個人消費者、教育委員会、病院、大企業といったクライアントの
情報ニーズにもより包括的に応えることができるとしている17。
また、同じ天然資源省の傘下機関である Canmet ENERGY も、次の分野を対象に連邦政
府の研究開発に関する情報を提供している。
1)バイオエネルギーシステム
2)風力発電
3)太陽熱発電
4)太陽光発電システム
5)小規模水力発電
6)海洋エネルギー
7)分散エネルギーの統合
8)国際協力18
連邦政府は 10 年 9 月に Renewable Fuels Regulations (SOR/2010-189)を採択し、12 月
15 日に施行した。
SOR は、ガソリン中の再生可能燃料の混合割合を平均 5%とすることを義務付けている。
また、ディーゼル油と加熱蒸留油についても、再生可能燃料の混合割合を年間数量の平均 2%
とすることを義務づける条項が存在する。
この規制はカナダ全体で年間 20 億リットルの再生可能燃料の使用を義務づけるものであり、
これにより年間 1 メガトンの温室効果ガスの削減を可能とすることが予想されている。
このうちディーゼル油については、カナダのさまざまな状況下で再生可能ディーゼル油利
用の技術的な実現可能性が実証されるまで留保するとしていたが、11 年内に発効するものと
予想されている。
これらの規制は、ガソリン、ディーゼル油、加熱蒸留油の第一次供給者(この種の燃料の
製造設備を所有、リース、運用、管理、監督する者、またはこの種の燃料を輸入する者)に
適用され、カナダの総合再生可能燃料戦略の上で重要な施策となっている。
温室効果ガスの削減の有力ツールであり、また産業界が新しい製造設備投資を行う上での
確実性を担保したものである19。
連邦政府は、エタノールやバイオディーゼルといったクリーンな再生可能バイオ燃料の生
産と使用を拡大するために、バイオ燃料に関する次のようなプログラムを実施している。
1)ecoENERGY for Biofuels Program(バイオ燃料を対象としたエコエネルギー・プログ
ラム)
OEE が運営するプログラムで、ガソリンやディーゼルに代わる再生可能燃料の製造を
支援し、再生可能燃料を扱う競争力のある国内産業の発展を推進している。プログラム
17
Office of Energy
http://oee.nrcan.gc.ca/english/
18
CanmetENERGY
http://canmetenergy-canmetenergie.nrcan-rncan.gc.ca/eng/
19
Renewable Fuels Regulations, SOR/2010-189
http://www.gazette.gc.ca/rp-pr/p2/2010/2010-09-01/html/sor-dors189-eng.html
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
7
は 08 年 4 月に開始された。カナダにおけるバイオ燃料の生産支援のために、9 年間で最
高 15 億カナダドルの投資が予定されている20。
2)Sustainable Development Technology Canada (カナダ持続可能開発テクノロジー)
次世代バイオ燃料と副産物を製造するため、今までに類を見ない大規模な実証設備の
構築について、民間セクターとの共同投資を行うことを目的とする。このため連邦政府
の出資による 5 億カナダドルの NextGen Biofuels Fund(次世代バイオ燃料ファンド)
を運営している21。
これらに加えて、カナダ歳入庁は、Canadian Renewable and Conservation Expenses
(CRCE; カナダ国内の再利用と保全に関する支出プログラム)を実施している。このプロ
グラムは、所得税法の分類 43.1 の下で適格なシステムの構築にかかった特定の費用に税額控
除を適用するもので、他の資源開発事業に対する支援と同じ方法で再生可能エネルギープロ
ジェクトの開発を推進しようとするものである22。
分類 43.1 は、化石燃料を効率的に用いた、または再生可能燃料源を用いた、工業プロセス
で利用される熱の生産または電力の生成を行うための投資について、加速償却(年 30%の定
率減価償却)を認めるものである。
この制度の適用を受けることのできるシステムは分類 43.1 に次の通り記載されている。
1) コジェネレーションおよび特定の廃棄物を燃料とする発電システム
2) アクティブソーラーシステム
3) 小規模水力発電装置
4) 熱回収システム
5) 風力エネルギー転換システム
6) 光起電型発電システム
7) 地熱発電システム
8) 特定廃棄物を燃料とする熱産生システム
OEE はまた、1992 年に米国政府が民間と立ち上げたエネルギー・スターマーク23のカナダ
での展開を推進し、その使用について監督している。
エネルギー・スターマーク
20
ecoENERGY for Biofuels Program
http://oee.nrcan-rncan.gc.ca/transportation/alternative-fuels/programs/ecoenergy-biofuels/biofuels-intro.cfm?attr=16
21
NextGenBiofuels Fund
http://www.sdtc.ca/index.php?page=nextgen-funding-niche&hl=en_CA
22
Canadian Renewable and Conservation Expenses (CRCE) program,
http://oee.nrcan.gc.ca/corporate/statistics/neud/dpa/policy_e/details.cfm?searchType=default&sectoranditems=all|0max=10
&pageId=1&categoryID=1&regionalDeliveryId=all&programTypes=4,5&keywords=&ID=977&attr=0
23
http://www.energystar.jp/index.html
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
8
OEE は、「EnerGuide ラベル24」という独自ラベル制度も管掌している。EnerGuide は強制
ラベルで、運用は Energy Efficiency Regulations SOR/94-65125で定められている。
この制度に基づき、カナダで製造される、またはカナダに輸入される全ての電化製品は、
EnerGuide ラベルを貼付しなければならず、ラベルには当該製品の消費電力量、および類似
製品と比較したエネルギー効率が表示されなければならない。
EnerGuide ラベル
①Average annual energy consumption of the appliance in kilowatt hours (kWh)
②Energy efficiency of the appliance relative to similar models
③Annual energy consumption range for models of this type and size
④Type and size of the model
⑤Model number
記載情報(記載数値)は標準化された試験手順に沿って決定される。カナダで定めるエネル
ギー効率の最低値を製品が満たしているか否かは、独立した評価機関が検証する26。
オンタリオ州の電力・エネルギー政策
オンタリオ州は、現在までのところカナダで唯一、「固定価格買い取り制度(Feed in
Tariff)」を実施している地域である。オンタリオ州環境庁の管轄下にある Ontario Power
Authority (OPA、オンタリオ州電力局)が売電の引き受けてとなっている。OPA は Ontario
Electricity Restructuring Act 2004 に基づき設立され、Ontario Energy Board(オンタリオ
州電力委員会)から免許を受けた電力会社である。
この仕組みは、09 年 5 月にオンタリオ州エネルギー・基盤施設省(Ontario Ministry of
Energy and Infrastructure)主導で採択された Green Energy and Green Economy Act,
2009 に基づく。この法律の目標は、より厳格なエネルギー効率基準を通じて再生可能エネル
ギーの利用を促進しエネルギー使用の合理化を進めることである。また、この法律は、風力、
太陽エネルギー、水力、バイオマス、バイオガスといったクリーンな再生可能エネルギーの
24
25
26
http://oee.nrcan.gc.ca/energuide/home.cfm
Energy Efficiency Regulations SOR/94-651
http://laws.justice.gc.ca/eng/SOR-94-651/FullText.html .
Natural Resources Canada, EnerGuide,
http://www.oee.nrcan.gc.ca/energuide/home.cfm
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
9
開発促進により、オンタリオ州が再生可能エネルギー分野で北米大陸のリーダー的存在にな
ることも意図している。具体的には、次の方法でそれを実現するとしている。
1)再生可能エネルギー源によって発電された電力に対し特定の価格を保証する、固定買い
取り制度の創設。
2)技術、経済性、その他規制上の要件を満たす再生可能エネルギープロジェクトのための
配電網への接続権の付与。
3)規制要件を満たす再生可能エネルギープロジェクトの、承認プロセスの一元化27。
オンタリオ州の意図は、さらに多くの再生可能エネルギー源をオンタリオ州の電力システ
ムに組み込むことができるよう、発電、送電、配電への投資を促すことである。
この制度では、①バイオマス、②バイオガス、③埋立地ガス、④陸上・洋上風力、⑤太陽
光、⑥水力、などの再生可能エネルギー源によって生成された電力を、長期契約によって安
定価格で供給することを保証する28。
この制度は、FIT およびマイクロ FIT の二つの分野に分かれている。FIT 制度は、10 キロ
ワットを超える発電が可能な再生可能エネルギープロジェクトを対象としたものである。一
方、一般家庭や発電量が 10 キロワット以下の事業所の小規模プロジェクトはマイクロ FIT
制度の対象となる。
例えば、10 メガワット以上 50 メガワット以下の発電能力を有する水力発電設備によって
生成された電力の FIT 契約価格は、1 キロワット時あたり 12.2 セントである。また、陸地に
設置された風力発電設備によって生成された電力の FIT 契約価格は、1 キロワット時 19.0 セ
ントである29。
いずれかに該当する企業は、次の条件をすべて満たす限り、FIT 契約を申請することがで
きる。
1)再生可能エネルギープロジェクト(機器、設置、建設を含む)に必要な投資を積極的
に行ない、プロジェクトに関連するすべての運営ならびにメンテナンス費用を積極的
に負担する意思を有していること。
2)プロジェクトが、すべての準拠法、規制、規定を遵守していること。
3)プロジェクトは当該地域の配電システム、ホスト施設または IESO が管理する電力網
に接続していること。また、別メーターとなっておりデータ収集が可能であること。
3)OPA と FIT の 20 年契約を締結していること。
4)プロジェクトの登録および FIT 契約の締結に関連してインターネットの利用が可能で
あること30。
(2)廃棄物処理政策
一般廃棄物の管理については、連邦法上、廃棄物の輸出入に関する規制が存在するものの、
国内の管理は州および自治体の管轄に委ねられている。
27
Green Energy and Green Economy Act, S.O. 2009, c. 12
http://www.e-laws.gov.on.ca/html/source/statutes/english/2009/elaws_src_s09012_e.htm
28
Ontario Power Authority (OPA) Renewable Energy Feed-in Tariff Program
http://fit.powerauthority.on.ca/Page.asp?PageID=1226&SiteNodeID=1058&BL_ExpandID=260
29
Feed-in tariff prices for renewable energy projects in Ontario, OPA Renewable Energy Feed-in Tariff program
http://fit.powerauthority.on.ca/Storage/102/11128_FIT_Price_Schedule_August_13_2010.pdf
30
Ontario Power Authority (OPA) Renewable Energy Feed-in Tariff Program
http://fit.powerauthority.on.ca/Page.asp?PageID=1226&SiteNodeID=1058&BL_ExpandID=260
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
10
有害廃棄物については、環境関連の基本法である CEPA がすべての環境分野における有害
物質の放出を規制している(所定の有害物質の放出制限、規制に違反した排出が行われた場
合の通告規定、カナダで前例のない物質に関する開示情報、所定の有害物質・危険廃棄物の
輸入・輸出要件、カナダで禁止・制限されている物質の一覧公表等を含む)。CEPA の下、
次の規制が定められている。
1) Export and Import of Hazardous Waste and Hazardous Recyclable Material
Regulations
リサイクルや廃棄を目的とした危険廃棄物の輸出入について、事前通知および承認を
義務づけるものである。この規則は 05 年 11 月 1 日にこれまでの Federal Export and
Import of Hazardous Waste Regulations に代わり施行された。
2)Federal PCB Waste Export Regulations
Federal Export and Import of Hazardous Wastes Regulations の下で既に危険廃棄物
について定められていた類似の規制を拡充したもので、PCB(ポリ塩化ビフェニール)
を含む廃棄物の輸出について厳しいルールを定めている。輸出については、許可取得済
みかつ環境に配慮した米国の施設での、熱によるまたは化学的な廃棄が行われる場合に
のみ許可されている31。
汚染物質については、National Pollutant Release Inventory (NPRI、全国汚染物質排出
目録)に定義されている。NPRI に記載されている物質を単数および複数製造、加工、使用
する設備の所有者または運営者は、CEPA の第 46 項および NPRI の対象物質に関する年度
通知に基づき、NPRI に報告しなければならないと定められている。
NPRI は 1992 年の導入以来その役割を拡大しており、リサイクルされる NPRI 対象物質に
ついての情報収集や汚染防止活動までその領域を広げている。物質によっては、NPRI の当
初の基準とは異なる報告閾値や報告基準が適用されているものもある。10 年の年度通知では、
同年を対象とした情報について、提出期限を 11 年 6 月 1 日としている32。
カナダでは、電池や電気・電子機器(EEE)の回収やリサイクルについて連邦レベルの規
制はなく、ほとんどの州・準州で、EEE の回収やリサイクルについての規制やプログラムを
整えている。
例えば、Waste Diversion Act の下で採択された Ontario Regulation 393/04 on Waste
Electronic and Electrical Equipment (WEEE) 33では、電気電子機器廃棄物(WEEE)を埋
め立て処分せずに転用することを可能とするプログラムの開発を目的として、対象となる
WEEE を定めている。
WEEE 指定の結果を受けて、オンタリオ州環境大臣は 09 年 8 月に WEEE プログラムを承
認している。対象製品には、さまざまな IT 機器、通信機器、視聴機器が含まれている。プロ
グラムのコストおよび実施は、WEEE の管理者(ブランドネームを所有する企業(ブランド
オーナー)、第一次輸入者、組み立て業者)の間で公平に分担される。この意味で、WEEE
を発生させた者は、これらの管理者に WEEE の取り扱いをまかせることができる34。
31
CEPA Registry
http://www.ec.gc.ca/lcpe-cepa/default.asp?lang=En&n=D44ED61E-1
32
National Pollutant Release Inventory (NPRI)
http://www.ec.gc.ca/inrp-npri/default.asp?lang=en
33
Ontario Regulation 393/04 on Waste Electronic and Electrical Equipment
http://www.e-laws.gov.on.ca/html/regs/english/elaws_regs_040393_e.htm
34
Final Revised WEEE Program Plan
(footnote continued)
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
11
包装材のごみに関する規制も州レベルで採択されている。例えば、Ontario Regulation
104/94 – Packaging audits や Packaging Reduction Work Plans Regulations35 では、特定
の施設における包装材の監査と包装材削減作業計画の実施を義務づけている。
ここでいう「特定の施設」には、製紙工場や化学製品製造工場等がある。包装材監査には、
廃棄物管理のニーズ、管理活動、削減機会に包装材が与える影響等が含まれる。包装材削減
作業計画には、包装材から生じる廃棄物の量を削減するための廃棄物管理計画の策定が含ま
れる。
Canadian Council of Ministers of the Environment36 (CCME、カナダ環境関連閣僚会
議) は 09 年 10 月に、Canada-wide Action Plan for Extended Producer Responsibility 37
(拡大生産者責任全国活動計画)および Canada-wide Strategy for Sustainable Packaging38
(持続可能な包装のための全国戦略)を発表している。
拡大生産者責任 (EPR)は、製品に対する生産者の責任が、製品のライフサイクルにおいて
消費者の手に渡った後の段階にまで拡大するという環境政策面上の手法である。CCME では、
EPR およびに製品管理プログラムの開発と実行に関するガイダンスの提供、および包装材を
最優先課題として検討することを目的として、EPR 作業部会が設立されている39。
オンタリオ州の廃棄物管理政策
各州は、CEPA に則り、危険廃棄物を含む廃棄物の許可や処理にかかる規則を制定してい
る。中でも、カナダで産業集積が最も進んでいるオンタリオ州は、廃棄物規制について詳細
な法制度を備えている。
例えば、1990 年に制定された Ontario Environmental Protection Act (EPA), R.S.O. 1990,
Chapter E.19, (第 5 部)は、廃棄物の管理について定めている。同法によれば、廃棄物に
は、灰、不用品、家庭ごみ、産業廃棄物、都市廃棄物、その他規制で定められている物質が
含まれる。
同法は廃棄物の収集、取り扱い、輸送、保管、処理、処分を含む廃棄物管理全般に関連す
る施設、機器、運営といった廃棄物管理システムにも適用される。
オンタリオ州の EPA の下、それぞれの運営者や施設は、生成、収集、保管、または処分す
るすべての廃棄物に責任を負う。
廃棄物の所有権や管理責任が存在する場合は法的な義務も常に伴い、廃棄物の流出や不適
切な処分が行われた場合、運営者やその従業員は汚染除去費用や賠償金を支払う責任を負う。
契約上別段の合意が無い限り、廃棄物の所有者としての地位は、処分場所における廃棄物
の預け入れおよび受け入れがなされた時点で廃棄物処理施設の運営者に移転するが、これは
http://www.ene.gov.on.ca/envision/env_reg/er/documents/2009/010-7162%204.pdf
Ontario Regulation 104/94 - Packaging audits and Packaging Reduction Work Plans Regulations
http://www.e-laws.gov.on.ca/html/regs/english/elaws_regs_940104_e.htm
36
Canadian Council of Ministers of the Environment,
http://www.ccme.ca/index.html
37
Canada-wide Action Plan for Extended Producer Responsibility,
http://www.ccme.ca/assets/pdf/epr_cap.pdf
38
Canada-wide Strategy for Sustainable Packaging,
http://www.ccme.ca/assets/pdf/sp_strategy.pdf.
39
CCME, Extended Producer Responsibility, http://www.ccme.ca/ourwork/waste.html?category_id=128
35
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
12
廃棄物処理施設が有効なライセンスまたは承認証明書のもとで運営されていることを条件と
する。
オンタリオ州 EPA の第 86 項では一般的な注意義務も規定されており、それに基づき各施
設は、排気物質の拡散が合理的に考えられるような場所、方法、容器、包装でのいかなる材
料の廃棄も禁じられている40。
オンタリオ州の EPA は、廃棄物に対する項目を実施するための規制の制定を定めている。
例えば、Waste Audits and Waste Reduction Work Plans Regulations (Ontario Regulation
102/94)の第 31 項から第 35 項では、使途が事務所である床面積が 1 万平方メートル以上の建
物または建物群の所有者は、当該建物で発生する廃棄物を対象とした廃棄物監査を行わなけ
ればならないと規定している。
廃棄物監査の結果に基づき、各施設は監査結果の報告書を作成しなければならない。その
後、第 1 回目の廃棄物監査に引き続いて毎年、各施設は最新の状況に関する監査を行い、報
告書も更新しなければならない。また、廃棄物監査の結果に基づき、各施設は建物で発生し
た廃棄物の削減、再利用、リサイクルを行うことを目的とした廃棄物削減作業計画書を作成
する。この計画は毎年実施しなければならず、計画書も毎年更新を必要とする。
廃棄物削減作業計画には、建物内で働く施設従業員およびテナントとして建物の敷地を占
有している全ての人に計画を伝えるための方策が記載されていなければならない。その方策
として尐なくとも、ほとんどの従業員やテナントが目にする場所に当該計画やその概要が掲
示されなければならない。計画の閲覧を希望する従業員やテナントにはすべて閲覧許可を与
えなければならない41。
また、Waste Diversion Act 2002 の第 6 章には、オンタリオ州における廃棄物転用プログ
ラムの策定、実施、資金提供を行う常設機関(Waste Diversion Canada)の構築が規定され
ている。同法は次の分野に焦点をあてている
・ 廃 棄 物 転 用 プ ロ グ ラ ム の 策 定 、 実 施 、 運 用 を 目 的 と し た Industry Funding
Organizations (IFOs、産業出資のための機構)との連携をはかる非営利組織 Waste
Diversion Ontario (WDO、オンタリオ州廃棄物処理機構)の設立、および WDO の理事
会、定足要件、議決、監査、報告にかかる事項の定義と、WDO による業務にかかる付
属定款の作成の許可。
WDO は、特定の廃棄物や廃棄物を発生させる製品に関する豊富な知識を有する業界の代
表者から構成される IFO を設立する権限を与えられる。また WDO は IFO と協力して廃棄
物転用プログラムを策定する。
州の環境大臣は、WDO に IFO と協力して廃棄物転用プログラムを策定し大臣の承認を求
めるよう命じる権限を有する。
プログラムには、廃棄物のリデュース(削減)・リユース(再使用)・リサイクル(再資
源化)の活動、実行目標、実施戦略、プログラムコストの算出、コストをカバーするための
手数料一覧と手数料負担者の決定等が含まれる。
独自の Industry Stewardship Plan(産業管理計画)の実施を考えている企業またはグル
ープ企業は、その計画を WDO に提出し承認を得なければならない。このような計画は、対
象となる廃棄物について承認されている WDO の廃棄物転用計画の目標を達成するものでな
40
Environmental Protection Act, R.S.O. 1990, Chapter E.19
http://www.e-laws.gov.on.ca/html/statutes/english/elaws_statutes_90e19_e.htm
41
Ontario Regulation 102/94 – Waste Audits and Waste Reduction Work Plans
http://www.e-laws.gov.on.ca/html/regs/english/elaws_regs_940102_e.htm
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
13
ければならない。代替計画を実施する者は、承認済みの WDO プログラムに指定されている
手数料の支払を免除される42。
WDO が要件策定の決定権を持つ廃棄物の種類は今後も引き続き拡大する予定である。現
在、オンタリオ州には、ブルーボックス廃棄物(リサイクル対象物質)、中古タイヤ、電
気・電子機器廃棄物、都市圏から排出される有害廃棄物や特定有害廃棄物等について、WDO
が実施する転用プログラムが存在する。また、水銀含有サーモスタットについての Industry
Stewardship Plan(産業管理計画)もある。使用済み油も指定物質である。しかしながら、
転用プログラムまたは転用計画はまだ実施に移されておらず、実効性が課題となっている43。
(3)交通政策
カナダの主な輸送手段には、航空、道路交通、鉄道、内陸水路、パイプラインがある44。交
通政策は運輸省が管掌している。Transportation Safety Board of Canada(カナダ運輸安全
委員会)は、事故調査や安全に関する提案を実施することにより、カナダにおける交通安全
の維持に責任を負う。
カナダは Canadian Environmental Protection Act, 1999 (CEPA)に基づく権限によって、
温室効果ガスの排出を制限する厳格な規制要件の策定を行っている。これらの規制は、新車
が排出する温室効果ガス削減のプロセス全体におけるステップの一つということができる45。
環境に配慮した輸送手段について最近取られた措置としては、10 年 10 月に採択された
Passenger Automobile and Light Truck Greenhouse Gas Emissions Regulations
SOR/2010-201 が挙げられる。この規則は、11 年式以降の新規車両が排出する温室効果ガス
を制限すること、および 11 年式から 16 年式の車両が燃費改善と温室効果ガスの削減に関す
る米国の基準と並ぶことを意図したものである。
11 年式の車両については、本規制の下、すべての会社が乗用車・小型トラックについて各
社個別に設定された温室効果ガスの平均排出量(該当する米国の 11 年式燃費基準に沿ったも
の)を満たすことが義務づけられる。各社に個別に設定される平均排出量は、11 年式車両の
サイズおよび販売台数に基づいて決定される。12 年式以降については、米国の環境保護庁
(EPA)が Clean Air Act に基づき最終決定した温室効果ガス削減プログラムと足並みをそ
ろえる形で、包括的な温室効果ガス削減規制プログラムが構築される。各社車両に設定され
る平均温室効果ガス排出量は、12 年式から 16 年式にかけて毎年徐々に厳しいものとなって
いく。カナダにおける温室効果ガス排出基準が求める数値は米国の国家基準と肩を並べるも
のであり、16 年にはカリフォルニア州の基準に追いつくものとなっている。
この規則は排出枠システムを組み込んでいる。これは、対象産業が規則を遵守する上で最
大の柔軟性を持ちつつ全体的な環境目標を実現することに配慮したものである。
42
Ontario Waste Diversion Act 2002, Chapter 6
http://www.e-laws.gov.on.ca/html/source/statutes/english/2002/elaws_src_s02006_e.htm
43
Waste Diversion Ontario
http://www.wdo.ca/content/?path=page80
44
Transport Canada,
http://www.tc.gc.ca/eng/tc-main.htm
45
Passenger Automobile and Light Truck Greenhouse Gas Emissions Regulations SOR/2010-201
http://www.gazette.gc.ca/rp-pr/p2/2010/2010-10-13/html/sor-dors201-eng.html
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
14
排出クレジット(目標超過分)は、特定の年式について自社に設定された平均排出基準よ
りも良好な実績を達成した企業に付与される。一方、特定の年式について自社に設定された
平均排出基準を達成できなかった場合、排出デフィシット(目標不足分)が発生する。
天然資源省は、eco ENERGY for Fleets(商用車両エコエネルギー)プログラムの下、
Smart Way-Certified Technology Fund(スマートウェイ認証技術基金)を提供している。
これは走行中の商用車の燃料節約と温室効果ガス(GEG)排出削減を狙いとしたものであ
る。プログラムでは、ベストプラクティスやデモンストレーションを支援するための資金を
提供することや、FleetSmart を掲げて一連のトレーニングや意識向上活動を実施することで、
目標実現をめざしている。FleetSmart は、トレーニングやワークショップの提供、研究の推
進、ケーススタディの作成、情報商品の開発、そしてパートナーシップの構築によって全国
的に知られている46。
カナダ運輸省は、より排出汚染の尐ない移動手段を住民に利用してもらうよう地方自治体
を支援することによって、都市通勤者の移動による排出削減を目的とした、eco MOBILITY
(エコモービリティ)プログラムも実施している。 徒歩、自転車、公共交通機関、車の相乗
り(カー・プール)等、移動手段の選択肢を増やすことで、有害物質の排出を削減できるとと
もに、交通渋滞や個人の健康といった他の課題への対応も可能となる。このプログラムは、
自家用車から他の通勤手段へのシフト、自動車移動の回数と距離の削減、より渋滞の尐ない
時間や経路への変更によって排出を削減する交通需要管理(TDM)プロジェクトについて、
地方自治体や地域交通当局に金銭的支援を提供するものである。また、研究、トレーニング、
資源の開発を通じて TDM を実施する国家能力の構築も意図している47。
エドモントン市は公共交通機関として Edmonton Transit System(ETS)を運用している。
バスと全線専用軌道の LRT によるシステムで、運行は 1908 年の路面電車に遡る。バス、
LRT ともに時間などの制約があるものの自転車の持込を認めている。LRT の 4 つの駅では無
料駐車場によるパーク&ライドも可能である。LRT は現在 1 路線 15 駅だが、この路線の延
伸と、他の 2 路線の建設計画がある48。新路線には低床型の路面電車の導入を検討している49。
(4)住宅・建築政策
建物の基準である National Building Code of Canada (NBC) は 1941 年に初めて公告され、
その後 1953 年、1960 年、1965 年、1970 年、1975 年、1977 年、1980 年、1985 年、1990
年、1995 年、05 年に改正が行われている。05 年版 NBC は、新たな建築物および既存建築
物の大幅な修復の設計・建設を主題としている。NBC は模範規定であり、州、準州、または
市政府によって立法措置がとられるまで、なんら法的な位置づけを持たない。この意味で、
連邦レベルでの建築規定に関する具体的な法律は存在しない50。
46
Natural Resources Canada, SmartWay-Certified Technology Fund
http://fleetsmart.nrcan.gc.ca/index.cfm?fuseaction=sctf.index&attr=16
47
Transport Canada, ecoMOBILITY program
http://www.tc.gc.ca/eng/programs/environment-ecomobility-menu-eng-144.htm
48
http://www.edmonton.ca/transportation/ets/lrt_projects/lrt-network-plan.aspx
49
http://www.edmonton.ca/transportation/ets/lrt_projects/urban-lrt.aspx
50
National Building Code of Canada
http://www.nationalcodes.ca/eng/nbc/index.shtml
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
15
ブリティッシュ・コロンビア州は現在、次の取り組みを通じて建築物における電力および
水の利用の削減を試みている。
1)住宅のエネルギー効率が EnerGuide 80 と同水準になるよう、11 年内の建築規定改正。
EnerGuide のレーティングは、建築物のエネルギー効率を測る標準的な方法を提供する
ために天然資源省が作成したものである。
2)より大規模な複合建築物を対象としたエネルギー規定改正の全国的なプロセスへの参加。
3)太陽光発電による給湯利用住宅の建設(実現可能な場合 10 年から)。
4)新築建物における高効率トイレ(水流切り替え式を含む)および男性用便器に対する規
定の適用(10 年)。
5)水洗トイレ、灌漑、冷水洗濯に飲料水以外の利用拡大を支援する規定の適用(11 年)51 。
03 年には、カナダにおける環境に配慮した建築対策を推進するために、カナダグリーンビ
ルディング評議会(CaGBC)が設立された。CaGBC の主な役割は、任意のプログラムであ
る Leadership in Energy and Environmental Design (LEED) (建物環境対応評価システム)
の運営である。LEED 認定は、CaGBC を通じてのみ取得することができる。カナダ版
LEED には次のカテゴリーが存在する。
1)持続可能な施設
2)水効率
3)エネルギーと空気
4)原料と資源
5)屋内環境品質
6)設計の革新性52
10 年 5 月現在、カナダでは 2,000 を超えるプロジェクトが LEED 認証取得プロジェクト
として登録されている53。
CaGBC は、GREEN UP– Canada’s Building Performance Program(グリーンアップカナダ建築物性能プログラム)として知られるイニシアチブも実行している。このプログラ
ムでは、建物の所有者や運営者が、電力や水の使用量や温室効果ガスの排出量を削減するた
めの効率化策や改善策、その他環境・経済面でプラスとなるものを探す支援のため、ツール、
基準、リソースを提供するものである。このプログラムでは、電力や水の節約、排出物の削
減の最大化、すべての建物の電力や水の使用目標量の設定、CaGBC が実施する建物性能監
査を利用した改造やシステム改善の可能性特定を実現するために、企業に対して、オンライ
ンの「グリーンビルディング性能システム」の利用を含む情報提供支援も行っている54。
カナダ天然資源省傘下機関である OEE は、建物のエネルギー効率を高めるためのプログ
ラムを提供している。次にいくつかの例を示す。
1)ecoENERGY Retrofit Incentive(エコエネルギー改造インセンティブ)
51
British Columbia Ministry of Housing and Construction Standards,
http://www.housing.gov.bc.ca/index.htm.
52
Canada Green Building Council, LEED Canada,
http://www.cagbc.org/initiatives/leed_canada/index.php.
53
Canada Green Building Council, LEED certification
http://www.cagbc.org/leed/certification.php.
54
Canada Green Building Council, GREEN UP – Canada’s Building Performance Program
http://www.cagbc.org/initiatives/green_building_performance/index.php
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
16
工業設備、商業用建物、公共建築物、一般家庭のエネルギー効率を改善するための金
銭的支援を提供。
NRCan は、中小工業施設の省エネプロジェクト実施を支援するために、申請 1 件あ
たり 5 万カナダドル、かつ 1 企業あたり 25 万カナダドルを上限としてプロジェクト費用
の最大 25%を報奨金として支給する。このプログラムは、毎年省エネを実現し電力・
水・廃棄物処理といった公共料金支出の削減を通してコストをカバーできる改造プロジ
ェクト、将来の改善を比較する基準となる値の設定、エネルギー管理戦略の構築を行う
企業を支援するものである。エネルギー効率を高めることは、産業界の競争力向上、温
室効果ガス(GHG)の削減や大気汚染の改善を促進するものである55。
2) Model National Energy Code for Buildings (MNECB)
連邦政府が 1997 年に公布した模範基準で、州や準州政府がエネルギー効率の良い新
築建物設計に関する基準として準用されている。MNECB には、新しい商業用建物、公
共建物、政府の建物、それらの増築や大規模修復について、費用効果が高い最低要件が
記載されている。また建物外壁、照明、電気、暖房、排気空調システム等、高い省エネ
効果を発揮できる可能性のある要素について詳細な情報が記載されている。OEE の役割
は、MNECB を常に最新の状態に保ち、州や準州の政府との調整を行うことである56。
3)ecoENERGY Assessment Incentives(エコエネルギー評価インセンティブ)
エコエネルギー評価インセンティブは、業務の評価を実施する企業を支援するための
奨励金を提供する。これらの評価は、当該企業の事業費節減とエネルギーの効率的な使
用を実現する機会を提供するもので、事業プロセスの最適化、事業費の削減、エネルギ
ーのより効率的活用を行うために、事業運営について分析的評価やコンピュータモデル
による評価を事業会社が行うことを支援する。
天然資源省は、プロセス統合(PI)の研究について研究費用の 50%を上限として(最
高 5 万カナダドル)、また計算流体力学(CFD)の研究については 3 万カナダドルを上
限として報奨金を支給する。報奨金を受けるためには、企業は PI または CFD の研究を
開始する前に、研究技術提案について天然資源省の承認を受けなければならない。
PI 研究は、工業設備におけるエネルギー、水、原料の最も効率的な利用方法を分析し、
システム間の最適な相互作用を発見・特定する。プロセス統合で、資源利用を最小限に
するためのプロセスの選択や修正を支援する系統的な方法論を適用し、大規模な複合工
業施設のエネルギー効率を改善させるものである。
CFD 研究は、工業プロセスにおける流量と熱伝達を分析し、最も効率のよいシステム
設計と運用パラメーターを発見・特定するためのものである57。
民間産業と連邦政府の間のパートナーシップである Canadian Industry Program for
Energy Conservation(CIPEC, カナダ産業界省エネプログラム)は、産業界におけるエネ
ルギー効率の向上と改善、エネルギー利用により排出される温室効果ガスの削減を狙いとし
たものである。
製造単位あたりの産業用エネルギー使用量を削減する効果的な自主活動を促進することに
より、結果としてカナダの気候変動に関する目標達成に参画しつつ経済活動を改善する。パ
55
Natural Resources Canada, OEE ecoENERGY Retrofit Incentive
http://oee.nrcan.gc.ca/corporate/retrofit-summary.cfm?attr=0
56
Natural Resources Canada, OEE ecoENERGY for Buildings and Houses
http://ecoaction.gc.ca/ecoenergy-ecoenergie/buildingshouses-batimentshabitations-eng.cfm
57
Natural Resources Canada, OEE ecoENERGY for Industry Assessment Incentives,
http://oee.nrcan.gc.ca/industrial/financial-assistance/assessment/index.cfm?attr=0
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
17
ートナーシップのメンバーは、エネルギー関連の改造プロジェクト、エネルギー評価活動、
およびエネルギー管理のワークショップ開催やツールの使用といった目的で報奨金を活用す
ることができる58。
政府機関である Building Canada は、Green Infrastructure Fund(カナダ環境建設基金)
を管理している。この基金は、環境の質を高め持続可能な経済につながる対象プロジェクト
に対し、5 年間にわたって 10 億カナダドルを拠出するというものである。
基金の使途は、クリーンな水力発電のための送電線敷設や廃水処理システムのアップグレ
ード等、環境問題に焦点をおいている。よりクリーンな空気や水の促進、温室効果ガスの削
減、および特定のカテゴリーに当てはまる新規または再生プロジェクトは、基金の対象プロ
ジェクトとして認められる。特定のカテゴリーには、廃水処理インフラ、グリーンエネルギ
ー発電インフラ、グリーンエネルギー送電インフラ、炭素透過・貯留インフラ、固形廃棄物
インフラがある。州、準州、その他地方自治体だけでなく、公共団体、非営利団体、民間企
業は単体でまたは州、準州、その他の自治体と共同で、資金の提供を受けることができる。
資金提供を受けるための申請書には、提案プロジェクトの概要を書簡形式で記述する。プロ
ジェクトの概要には、プロジェクトの簡単な説明、環境便益、予想コスト(資金提供パート
ナー名も含む)を記載する。カナダ環境建設基金には具体的な締切日は設定されていないが、
プロジェクトは 14 年 3 月 31 日までに完了するものでなければならない59。
58
Natural Resources Canada, Canadian Industry Program for Energy Conservation
http://oee.nrcan.gc.ca/industrial/cipec.cfm
59
Canada’s Economic Action Plan, Green Infrastructure Fund
http://www.buildingcanada-chantierscanada.gc.ca/plandocs/booklet-livret/booklet-livret07-eng.html#theplan02
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
18
4.経済指標
①鉄道総延長
②鉄道旅客輸送キロ
③鉄道貨物輸送キロ
④高速道路・アウトバーン総延長
⑤国道総延長
⑥水路総延長
⑦住宅戸数
⑧住宅建築着工許可件数
⑨非住宅建築着工許可件数
⑩乗用車登録台数
⑪商用車登録台数
⑫乗用車普及率(1,000人あたり)
⑬商用車普及率(1,000人あたり)
⑭廃棄物量
⑮廃棄物埋め立て処理率
⑯廃棄物焼却処理率
⑰水資源使用量(地表水) ⑱一人当たり水使用量
⑲CO2排出量
⑳CO2一人当たり排出量
46,688
1,570.4
N/A
17,000
1,042,300
636
N/A
N/A
N/A
29,055,303
N/A
867
N/A
13,375
73.3
N/A
44.72
1386
550.9
16.53
km
(2008年)
(2008年)
km
km
(2008年)
(2004年)
(2008年)
台
(2009年。商用車含む)
台
(2009年)
千トン
%
(2004年)
(2004年)
k㎥
㎥
百万トン
トン
(1996年)
(2000年)
(2008年)
(2008年)
出所:①CIA、②カナダ運輸省、④~⑥CIA、⑩⑫カナダ統計局、 ⑭~⑯UNSD、⑰⑱
WWO、⑲⑳IEA
以上
添付資料:カナダの気象データ
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
19
気象データ
最高・最低気温、降雨量、降雪量、降水量合計が記載された包括的な気象データは、「カナ
ダイヤーブック 2010 第 15 章 – 地理」で閲覧可能60。
Average
Minimum
Temperatures
in Canada,
Canada (°C)
Average
Maximum
Temperature
in Canada,
Canada
(°C)
Canada
Average
Temperature
(°C)
Average
Rainfall/
Precipitation
(mm)
Wet
Days
(>0.1
mm)
Weather
in Canada
in
January
-16
-7
-11.5
62
13
3.0
75
Weather
in Canada
in
February
-15
-5
-10
58
13
3.9
74
Weather
in Canada
in March
-8
1
-4
67
12
4.5
67.0
Weather
in Canada
in April
0
11
6
69
11
5.6
56
Weather
in Canada
in May
7
19
13
70
11
7.4
53
Weather
in Canada
in June
12
24
18
78
11
8.3
56
Weather
in Canada
in July
14
27
21
82
11
9.1
53
Weather
in Canada
14
26
20
83
10
8.2
54
60
Average Relative
Sunlight Humidity
Hours/
(%)
Day
Canada Yearbook 2010, Chapter 15:
http://www.statcan.gc.ca/pub/11-402-x/2010000/chap/geo/tbl/tbl01-eng.htm (Table 15.1, p. 188).
より詳細な情報は、
http://www.climatetemp.info/canada/
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
20
in August
Weather
in Canada
in
September
9
20
15
82
11
5.8
59
Weather
in Canada
in
October
3
14
9
67
11
4.4
62
Weather
in Canada
in
November
-2
5
2
69
13
2.6
70
Weather
in Canada
in
December
-12
-4
-8
78
14
2.5
75
免責について
当レポートは執筆に当たりその正確性、妥当性に努めておりますが、提供している情報は、
利用者の判断・責任においてご利用ください。またご利用において不利益等の問題が生じて
も、ジェトロは一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved.
21
Fly UP