...

広島市病院事業中期経営計画(PDF文書)

by user

on
Category: Documents
30

views

Report

Comments

Transcript

広島市病院事業中期経営計画(PDF文書)
広島市病院事業中期経営計画
平成18年度(2006年度)~平成23年度(2011年度)
平成21年(2009年)3月
広 島 市 病 院 事 業 局
目 次
ページ
Ⅰ
基本的事項
1
1 計画策定の目的
1
2 計画の位置付け
1
3 計画期間
1
4 計画対象施設
1
5 目標・指標の設定
2
6 達成状況の公表
2
7 計画の推進・管理
2
Ⅱ 事業運営の基本的な考え方
3
1 医療を取り巻く環境
3
2 市立病院の役割
4
3 経営の基本理念と基本方針
6
(1)
基本理念(使命)
6
(2)
基本方針(ビジョン)
6
Ⅲ 基本方針達成のための取組
7
1 「患者中心の医療」の推進
(1)
インフォームド・コンセントの充実
7
7
ア.電子カルテの導入
7
イ.クリニカルパスの活用
7
(2)
外部評価の推進
8
ア.病院機能評価の認定
8
(3)
安全な医療の確保
9
ア.職員の危機管理意識の高揚
9
イ.危機管理体制の強化
9
ウ.事故防止マニュアルの励行
9
エ.研修医に対する指導・教育の強化
9
(4)
情報提供の推進
10
ア.医療情報提供の推進
10
イ.診療情報提供の促進
10
(5)
意見等の反映
11
ア.アンケート調査等の実施
11
イ.対応結果の公表
11
(6)
職員の意識改革の推進
ア.接遇研修の充実
12
12
イ.医療事故防止研修の充実
12
2 政策的医療・高度医療等の推進
13
(1)
救急医療体制の見直し
13
ア.内科・眼科救急医療体制の見直し
13
イ.ICU(集中治療室)の増床
13
(2)
小児医療の推進
ア.小児医療提供体制の充実
(3)
がん医療の推進
14
14
15
ア.地域がん診療連携拠点病院の指定
15
イ.緩和ケアの充実強化
16
ウ.医療情報の提供及び家族間での情報交換の推進
16
(4)
情報化(ICT化)の推進
17
ア.病院総合情報システムの構築
17
(5)
人材の育成
18
ア.医師の育成
18
イ.看護師の育成
18
(6)
新医師臨床研修制度への対応
ア.優秀な医師の育成
(7)
地域医療の推進
ア.地域医療機関への支援体制の充実
(8)
診療科の増設等
19
19
20
20
21
ア.新たに表示する診療科
21
イ.名称を変更する診療科
21
3 総合的なリハビリテーションの推進
22
ア.総合相談機能の充実
22
イ.医学的リハビリテーション機能の充実
22
ウ.社会的・職業的リハビリテーション機能の充実
22
4 経営改善の推進
(1)
優秀な職員の確保・配置
23
23
ア.医師の公募制
23
イ.看護師採用の見直し
23
ウ.人事交流の推進
23
エ.看護師の副院長への登用
23
オ.医療クラーク(医師事務作業補助者)の配置
24
カ.育児短時間勤務の実施
24
(2)
職員の意識改革の推進
ア.病院事業管理者による院内アナウンスの実施
24
24
イ.経営改善研修の実施
(3)
収益の確保
24
25
ア.病床利用率の向上
25
イ.医療連携の推進
25
ウ.7対1看護の実施
25
エ.請求漏れ・査定率の縮減
25
オ.医療費個人負担分の収納率向上
26
(4)
費用の削減
ア.定数管理及び給与の見直し
27
27
(ア) 定数管理の見直し
27
(イ) 給与の見直し
27
イ.アウトソーシングの推進
27
(ア) 医事事務の委託
27
(イ) SPDシステムの導入
28
ウ.薬品・診療材料の効率的な管理・購入
28
エ.その他
28
(ア) 事務的経費の節減
28
(イ) 時間外勤務手当の節減
28
(ウ) 光熱水費等の節減
28
Ⅳ 各市立病院の取組
29
1 広島市民病院
29
(1)
運営の基本方針
29
ア.基本理念
29
イ.基本方針
29
(2)
医療機能
29
ア.地域がん診療連携拠点病院の指定
29
イ.総合周産期母子医療センターの指定
29
ウ.高度救急医療の充実
30
エ.老人性認知症センターの充実
30
オ.人工腎臓センターの充実
30
カ.エイズ治療の充実
30
キ.災害医療の充実
30
ク.女性外来の充実
30
(3)
医療安全対策
31
ア.事故発生防止策
31
イ.東棟及び西棟の構造面での医療安全対策
31
ウ.電子カルテの導入による医療安全対策
(4)
患者サービスの向上
31
32
ア.音楽鑑賞会の開催
32
イ.ボランティアの活動支援
32
ウ.医療情報の提供
32
エ.相談業務の充実
32
オ.職員研修の実施
32
カ.障害者への対応
32
キ.療養環境の向上
33
ク.患者意見の反映
33
(5)
経営改善の取組
34
ア.地域医療支援病院の承認
34
イ.病床利用率の向上
34
ウ.平均在院日数の短縮
34
エ.診療報酬審査における査定減の縮小
34
オ.医療費個人負担分の収納率向上
34
カ.手術件数の増加
34
キ.後発医療品への切り替え
34
ク.医療クラーク(医師事務作業補助者)の配置
35
ケ.小児の受け入れ体制の充実
35
コ.外部評価の推進
35
サ.7対1看護の実施
35
(6)
環境への配慮
36
ア.環境対策
36
イ.職員による取組
36
(7)
(ア) 光熱水費の節減
36
(イ) 資源のリサイクルとゴミの減量化
36
(ウ) ごみの排出量の削減
36
(エ) 環境負荷の低減に役立つ物品等の購入
36
中期経営計画の目標(病院全体のマネジメントシート)
37
ア.マネジメントシート(診療部)
39
イ.マネジメントシート(看護科)
41
ウ.マネジメントシート(その他の部門)
43
2 舟入病院
(1)
運営の基本方針
45
45
ア.基本理念
45
イ.基本方針
45
(2)
医療機能
45
ア.診療体制の見直し
45
イ.開放型病床の設置等
46
ウ.小児医療の充実
46
エ.外科及び小児外科の充実
46
オ.緩和ケアチームの編成
47
カ.新型インフルエンザ対策
47
キ.服薬指導等の充実
47
ク.チーム医療の推進
47
ケ.病床の見直し
47
コ.情報化(ICT化)の推進
47
(3)
医療安全対策
ア.医療安全対策委員会の定期的な開催
(4)
広報の充実
ア.広報委員会の定期的な開催
(5)
患者サービスの向上
48
48
48
48
48
ア.患者サービス委員会での取組
48
イ.患者アンケートの実施
48
ウ.快適な療養環境の提供
48
(6)
経営改善の取組
49
ア.患者数増による収入増加
49
イ.医療費個人負担分の収納率向上
49
ウ.費用の削減
49
エ.職員のコスト意識の向上
50
オ.外部評価の推進
50
カ.職員満足度の向上
50
(7)
環境への配慮
50
ア.電気、ガスの使用量の削減
50
イ.ごみの排出量の削減
50
ウ.環境負荷の低減に資する物品等の使用
50
(8)
中期経営計画の目標(病院全体のマネジメントシート)
51
ア.マネジメントシート(診療部)
53
イ.マネジメントシート(看護科)
55
ウ.マネジメントシート(その他の部門)
57
3 総合リハビリテーションセンター
(1)
運営の基本方針
ア.基本理念
59
59
59
イ.基本方針
(2)
相談・医療・訓練機能の充実
59
59
ア.総合相談機能の充実
59
イ.医学的リハビリテーションサービス機能の充実
60
ウ.社会的・職業的リハビリテーションサービスの充実
61
(3)
医療安全対策
61
ア.リスクマネジメント委員会の開催
61
イ.医療情報システムを活用した医療安全対策
61
ウ.院内感染防止策の強化
61
(4)
利用者サービスの向上
62
ア.地域医療機関との連携強化
62
イ.職員研修等の実施
62
ウ.利用者サービス向上委員会の開催
62
エ.利用者満足度の向上
62
オ.外部評価の推進
62
(5)
経営改善の取組
63
ア.病床利用率の向上
63
イ.医療費個人負担分の滞納予防
63
ウ.経費の削減
63
エ.経営管理体制の充実と職員の意識改革の推進
63
オ.職員満足度の向上
63
(6)
環境への配慮
64
ア.エネルギーの効率的利用
64
イ.水質源の有効利用
64
ウ.資源のリサイクルの推進
64
エ.ごみの排出量の削減
64
(7)
中期経営計画の目標(センター全体のマネジメントシート)
65
ア.マネジメントシート(診療部門)
67
イ.マネジメントシート(看護部門)
69
ウ.マネジメントシート(リハビリテーション部門)
71
エ.マネジメントシート(その他の部門)
73
4 安佐市民病院
(1)
運営の基本方針
75
75
ア.基本理念
75
イ.基本方針
75
(2)
医療機能
ア.地域医療支援機能の充実
75
75
イ.救急医療機能の充実
75
ウ.がん医療機能の充実
76
(3)
医療安全対策
77
ア.危機管理体制の強化
77
イ.事故発生防止策の強化
77
ウ.院内感染防止策の強化
77
エ.クリニカルパスの充実
77
オ.施設老朽化への対応
77
(4)
患者サービスの向上
78
ア.7対1看護の実施
78
イ.患者意見の反映
78
ウ.医療の質の向上
78
エ.医療クラーク(医師事務作業補助者)の配置
78
(5)
経営改善の取組
79
ア.病床利用率の向上
79
イ.適正な平均在院日数の維持
79
ウ.医療費個人負担分の収納率向上
79
エ.経営管理体制の充実と意識改革の推進
79
オ.病院機能評価の更新
79
(6)
環境への配慮
80
ア.電気使用量の削減
80
イ.資源のリサイクルの推進
80
ウ.環境負荷の低減に役立つ物品等の購入
80
エ.省エネルギー化の推進
80
(7)
中期経営計画の目標(病院全体のマネジメントシート)
81
ア.マネジメントシート(診療部)
83
イ.マネジメントシート(看護部)
85
ウ.マネジメントシート(その他の部門)
87
Ⅴ 中期収支計画
1 概要
89
89
(1)
広島市民病院
89
(2)
舟入病院
89
(3)
リハビリテーション病院
90
(4)
安佐市民病院
90
2 各病院の収支計画
(1)
広島市民病院
91
91
ア.収益的収支
91
イ.将来需要予測
92
ウ.資本的収支
92
エ.一般会計からの繰入金の見通し
92
オ.内部留保資金の状況
92
(2)
舟入病院
93
ア.収益的収支
93
イ.将来需要予測
94
ウ.資本的収支
94
エ.一般会計からの繰入金の見通し
94
オ.内部留保資金の状況
94
(3) リハビリテーション病院
95
ア.収益的収支
95
イ.将来需要予測
96
ウ.資本的収支
96
エ.一般会計からの繰入金の見通し
96
(4)
安佐市民病院
97
ア.収益的収支
97
イ.将来需要予測
98
ウ.資本的収支
98
エ.一般会計からの繰入金の見通し
98
オ.内部留保資金の状況
98
Ⅰ
基本的事項
1
計画策定の目的
本計画は、平成16年度(2004年度)に取りまとめた「公営企業のあり方に
係る最終報告」、広島市民病院及び安佐市民病院の「経営改善計画(平成14年度
(2002 年度)∼16年度(2004 年度)
)」
、舟入病院の「経営健全化計画(平成15年度(2003
)
」等を踏まえ、病院事業の経営方針、市立病院の果たす
年度)∼17年度(2005 年度)
役割を明確化し、それを実現するための具体的な取組項目や数値目標を定め、今後
の病院経営の指針とするものです。
2
計画の位置付け
本計画は、広島市基本計画の部門計画として位置付けます。
3
計画期間
本計画は、平成18年度(2006年度)から平成23年度(2011年度)ま
での6年間を計画期間とします。
ただし、計画期間中に著しい社会経済情勢の変動等があった場合には、必要に応
じて計画を見直します。
4
計画対象施設
広島市民病院、舟入病院、安佐市民病院の3つの市立病院及び総合リハビリテー
ションセンターを計画の対象とします。
安芸市民病院については、指定管理者制度を導入しており、指定管理者である広
島市医師会が、本計画に準じた取組を自主的に行います。
*
指定管理者制度
指定管理者制度は、公の施設の設置目的を効果的に達成するため、地方公共団体が指定
するもの(指定管理者)に公の施設の管理を行わせるもので、安芸市民病院については、
管理・経営について安定した能力と十分な知識と経験を有し、良質な医療を提供できる広
島市医師会を指定管理者として指定しました。
1
5
目標・指標の設定
計画の策定にあたっては、以下の目的から経営評価が行えるよう目標及び業績評
価指標(目標の達成度を測定する指標)を設定します。
(1) 目標を指向する事業活動の促進
事業活動の実績が目標に照らしてどの程度達成されたのかを明確にすることに
より、目標を指向する事業活動を促進し、サービスの質の向上や経営の効率化を
図ります。
(2) アカウンタビリティ(説明責任)の確保
目標及び業績評価指標を示すことにより、市民や利用者に対して一層のアカウ
ンタビリティ(説明責任)の確保を図ります。
また、設定にあたっては、財務的な視点だけでなく非財務的な視点にも着目しま
す。
具体的には、病院の使命、組織ごとの役割を明示し、それを達成するために、①
顧客、②財務、③内部プロセス、④学習と成長の4つの視点から目標・指標の設定
及び評価を行います。
6
達成状況の公表
計画の達成状況については、毎年度、実施結果を取りまとめ、自主的に評価を行
い、市のホームページ等で公表します。
7
計画の推進・管理
本計画を効果的に推進し、確実な実現を図るため、病院事業局内の既存会議を活
用し、本計画の進行管理、計画を確実に実施していくための方策の検討、取組の成
果についての点検・評価を行います。
(1) 病院事業全体
病院事業管理者、各病院長、事務局長等で構成する「経営会議」
(2) 各病院
病院長、事務長、各部門長等で構成する「経営改善委員会」
2
Ⅱ
1
事業運営の基本的な考え方
医療を取り巻く環境
急速な少子高齢化、医療技術の進歩、国民の意識の変化など医療を取り巻く環境
は大きく変化してきています。
これらの環境変化に対応するため、国は、保健医療システム、診療報酬体系、医
療保険制度といった医療制度を構成する各システムについて大きな転換を図ってい
ます。
保健医療システムのうち医療提供体制の改革については、今後の医療の方向性と
して「患者の選択の尊重と情報提供」、「質の高い効率的な医療提供体制」、「国民の
安心のための基盤づくり」を掲げ、当面進めるべきものとして次の施策を推進して
います。
・ 「根拠に基づく医療(EBM)
」の推進
・ 医療のIT化の推進(電子カルテ)
・ 臨床研修必修化への対応
・ 広告規制の緩和
・ 医療経営の近代化・効率化
・ 医療安全対策の総合的推進
・ 小児救急医療等の充実確保
一方、高齢化に伴う医療費の増大に対応するため、政府は、医療保険制度の一元
化、新しい高齢者医療制度の創設、診療報酬体系の見直し等を柱とする「医療制度
改革大綱」を平成13年(2001年)11月に示し、その具体的措置として診療
報酬が平成14年(2002年)
、平成16年(2004年)と引き下げられるとと
もに、平成15年(2003年)には、被用者の医療費自己負担が2割から3割に
引き上げられるなどの医療費抑制策が実施されました。
また、高齢化を背景に膨らむ医療給付費を抑えるため、高齢者等の患者負担の引
上げ、後期高齢者医療制度の創設等が行われるとともに、診療報酬は改定の都度、
引下げが行われており、今後も病院を取り巻く経営環境は一段と厳しくなると考え
られます。
このように経営環境が厳しい状況の中で、地域の基幹的、中核的な役割を担い、
地域医療の確保に重要な役割を果たしてきた市立病院が、今後とも市民に対して良
質で安全な医療を提供し、その期待に応えていくためには、市立病院が果たすべき
役割を明確化するとともに経営基盤を強化し、経営の健全化を図ることが必要不可
欠であり、経営改善に向けたより一層の効率化が求められています。
3
2
市立病院の役割
各市立病院は、これまでそれぞれの役割を担いながら市民に必要な医療を確保し
てきました。
しかし、近年、地方自治体が経営する病院の経営状況は大変厳しいものになって
います。
また、民間医療機関等の整備が進み、医療供給体制が確保されてきた中で、市立
病院が今後どのような機能を果たしていくべきか、そのあり方等を改めて明らかに
し、その機能の実現・充実を図っていくことが必要となっています。
医療の現状を機能面から見ると次のような課題等があります。
(1) 地震や台風等の自然災害、航空機・鉄道災害や大規模火災等の都市災害におけ
る負傷者等に対する迅速かつ適切な医療提供や新型インフルエンザなど新たな感
染症への的確な対応が求められています。
(2) 小児科医や産婦人科医が全国的に減少していることに伴い、小児医療、特にニ
ーズの高い小児救急医療や専門医療、また、妊娠期・分娩期の異常、胎児・新生
児の異常に適切に対処する周産期医療の確保が求められています。
(3) 入院治療を必要としない初期救急医療や入院治療を必要とする重症患者の診療
を行う二次救急医療については、民間医療機関でも対応が可能ですが、量的に不
足していること、また、心筋梗塞、脳卒中等の重篤患者の救命を行う三次救急医
療に対する市民ニーズは高く、その充実が求められています。
(4) がんや脳血管疾患などの高度な医療は、最新のEBM(根拠に基づいた医療)
に基づいて各診療科や多くの技術スタッフが連携して治療を行う必要があるため、
一般の医療機関では対応が困難であり、一般の医療機関を補完する総合的な医療
機能を持つ病院の役割が重要になっています。
(5) 脳血管障害等による中途障害者の社会復帰等を促進するためには、急性期医療
を経過した患者に相談・評価から医療・訓練、就労支援までの総合的なリハビリ
テーションサービスの提供が求められています。
これらの医療は、市民ニーズが高く、市民の健康を守るために不可欠な医療です
が、採算性の確保等が困難で、民間の医療機関では積極的・継続的な提供が難しい
ことから、行政が今後とも積極的に担う必要があります。
(これらの医療は「政策的
医療」と呼ばれています。
)
4
このため、市立病院は、地域に必要とされる政策的医療の中心的な担い手として、
また、地域における基幹病院、中核病院として高度・特殊な医療を行うことにより、
医療水準の向上を図ることを基本的な役割とします。
具体的には、主として以下の医療機能を担います。
なお、これらの機能は、普遍的なものではなく、今後の社会的ニーズや他の医療
機関が提供する医療の内容を踏まえて対応していく必要があります。
(1) 法令上又は行政が担うのが適切な医療
感染症医療、災害時医療
(2) 不採算性や特殊性により民間医療機関では対応が困難又は不足している医療
救急医療(小児救急医療を含む。)、周産期医療、小児医療、リハビリテーショ
ン医療
(3) 各診療科が連携して行う必要のある高度な医療
がん医療、心臓病医療、脳血管疾患医療、三次救急医療
(4) 新たな医療課題に対応する医療
小児精神・皮膚医療、緩和ケア医療、女性専門外来、臨床研修
また、これらの医療機能をより効果的・効率的に提供するためには、各市立病院
がそれぞれの役割を担いながら病院間で適切な連携を図ることが必要であることか
ら、救急医療(小児救急医療を含む。
)などの政策的医療に関する連携、医療に関す
る情報共有などを行うことにより、病院間の連携のより一層の強化に努めます。
さらに、広島大学病院をはじめとする市内の他の基幹病院との機能分担の推進や
連携の強化に取り組みます。
5
3
経営の基本理念と基本方針
市立病院を経営していく基本理念(使命)と基本方針(ビジョン)は次のとおり
です。
(1) 基本理念(使命)
地域に必要とされる政策的医療の中心的な担い手として、また、地域における
基幹病院、中核病院として高度又は特殊な医療を行うことにより、医療水準を向
上させます。
(2) 基本方針(ビジョン)
ア. 患者さま中心の、信頼され満足される医療を提供し、市民に愛される病院づ
くりをめざします。
イ. 地域医療機関との連携のもと、高度医療、地域医療、政策的医療(救急医療
など)を中心に市民のニーズに合った医療を提供します。
ウ. 相談・評価から医療・訓練、就労援助までの総合的なリハビリテーションサ
ービスを提供するとともに、地域におけるリハビリテーションを支援します。
エ. 良質で信頼される医療を提供するためには、効率的な経営を行い、経営基盤
を強化する必要があることから、職員一人ひとりが経営に参画するという意識
を持って、経営改善に取り組みます。
6
Ⅲ
基本方針達成のための取組
基本方針(ビジョン)の達成に向け、主なものとして、以下の取組を行います。
なお、ここに掲げている取組は、各病院の取組を踏まえ、病院事業全体として行う
共通的な取組等をとりまとめています。
1
「患者中心の医療」の推進(基本方針 ア.の実現に向けて)
市民に真に愛される病院となるためには、単に病気を治療するだけでなく、
「患者
さまの幸福と満足を追求する」という医療の本質を踏まえ、常に患者の立場に立っ
て医療を実践していかなければなりません。
また、より良い医療を実現するためには、患者にも積極的に医療に参加・協力し
ていただき、患者と医療提供者が力を合わせて取り組むことが必要です。
各市立病院では、こうしたことを踏まえ「患者さまの権利に関する方針」を定め
ています。この方針に基づき、患者の権利を尊重し、患者中心の医療を推進します。
(1) インフォームド・コンセントの充実
患者に満足していただく医療を提供するには、的確な診断と治療はもとより、
診断内容・治療計画さらには副作用やリスク等も含めて十分に説明し、患者自身
の自己決定権を尊重しながら、同意を得たうえで治療を開始する「インフォーム
ド・コンセント」を十分に行うことが重要であるため、その充実を図ります。
【取組】
ア. 電子カルテの導入
これまで、医師が手書きで紙に書いていた診療録、検査データ、看護記録等
を電子的に記入・保存する電子カルテの導入により、検査画像等を画面上に表
示して、診察結果を患者に分かりやすく説明します。
*
電子カルテの導入スケジュールは、P17「情報化(ICT化)の推進」に記載
しています。
イ. クリニカルパスの活用
検査・手術・点滴・内服・食事・退院指導等の疾病ごとの入院中の医療スケ
ジュールを示したクリニカルパス(入院治療計画書)を活用し、患者に、いつ、
どのような治療等が行われるかを分かりやすく説明します。
7
(2) 外部評価の推進
医療の質の向上と信頼の確立を目的として、
(財)日本医療機能評価機構が中立
的な立場から医療機関の機能を評価・審査する「病院機能評価」を受け、認定を
取得します。
*
病院機能評価では、
「患者の権利と安全の確保」、
「療養環境と患者サービス」
、
「診療
の質の確保」、「看護の適切な確保」などの観点から、病院の運営が適切に行われてい
るかについて審査が行われ、認定基準を達成していれば認定証が交付されます。
【取組】
ア. 病院機能評価の認定
広島市民病院、舟入病院、安佐市民病院は、平成17年(2005年)2月
に病院機能評価を受けました。
安佐市民病院は、平成17年(2005年)4月に認定を受けており、広島・
舟入の両病院は、安佐市民病院に続いて、平成18年度(2006年度)中に
認定を受けるとともに、この認定は、5年毎に更新の審査を受ける必要がある
ため、安佐市民病院は平成22年度(2010年度)に、広島市民病院、舟入
病院は平成23年度(2011年度)に更新の認定が受けられるよう取り組み
ます。
また、平成20年(2008年)4月に開設したリハビリテーション病院に
ついては、平成22年度(2010年度)の認定取得に向けて取り組みます。
病院機能評価の認定取得
安佐市民病院
19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
17年度
18年度
(2005年度) (2006年度) (2007年度) (2008年度) (2009年度) (2010年度) (2011年度)
(受審)
取得
広島市民病院
取得
舟 入 病 院
取得
リハビリテーション病院
8
更新
(受審)
更新
(受審)
更新
取得
(3) 安全な医療の確保
患者に信頼され満足される医療を提供するためには、安全な医療を確保するこ
とが何より重要です。
このため、各病院においては、医療事故の発生防止対策や発生時の対応方法に
ついてのマニュアル整備や、各部門のリスクマネージャーで構成する医療安全管
理委員会を設置し、医療事故の発生防止策を検討するなどの取組を行ってきまし
た。
今後においても、これらの取組の一層の充実を図り、安全な医療の確保に万全
を期します。
【取組】
ア. 職員の危機管理意識の高揚
病院の「基本理念」
、
「病院倫理綱領」
、
「医療従事者の心構え」、
「患者の権利」
などについて、職員の採用面接時や院内会議、研修等あらゆる機会を捉えて周
知徹底に努めます。
イ.危機管理体制の強化
各部門のリスク責任者で構成する「医療安全管理に関する委員会・部会」を
毎月開催し、医療事故等の原因究明や再発防止策を検討し、院内に周知します。
また、広島市民病院、安佐市民病院については、専任のリスクマネージャー
(医療事故防止等の計画・管理・実行責任者)を設置し、医療の質を確保します。
ウ.事故防止マニュアルの励行
事故防止の要点・対策等をまとめたマニュアルの職員への周知・実施の徹底
を図ります。
また、過失の有無にかかわらず患者に有害な身体的影響を与えた場合は「ア
クシデントレポート」を、ヒヤリとしたとかハッとしたなどの事例が生じた場
合は「インシデントレポート」の提出を全職員に義務付け、その評価や分析を
通して、具体的な事故防止策や注意事項を検討し、全職員に周知徹底します。
エ.研修医に対する指導・教育の強化
研修医に対して、基本的臨床能力の効果的な習得を図るとともに、医学知識
と技術を確実かつ計画的に取得させます。また、指導医や指導責任者による指
導・管理体制の強化を図ります。
9
(4) 情報提供の推進
患者が自ら医療機関を選択できるよう、医療機関が診療実績や治療方法などの
様々な情報を提供することが重要となっています。
このため、市立病院では患者が病院を選択するうえで必要な病院情報や診療情
報等の充実を図り、これらの情報を積極的に提供することにより、
「患者さまに選
ばれる病院」を目指します。
【取組】
ア.医療情報提供の推進
専門医の有無、治療方法、手術件数、分娩件数、平均在院日数、診療実績等
に関するデータや医療機器、検査機器等に関する情報を市のホームページ等で
積極的に提供します。
イ.診療情報提供の促進
患者等が疾病や診療内容を十分理解し、医療従事者とのより良い信頼関係を
構築することを目的に、平成17年(2005年)7月に「広島市病院事業局
診療記録開示に関する要綱」を制定しました。
今後は、この要綱に基づき診療記録の開示を適切に行います。
また、電子カルテの導入により患者に分かりやすい診療記録の作成に取り組
みます。
10
(5) 意見等の反映
患者からの意見等を積極的に病院運営に取り入れ、医療の質やサービスの向上
に努めます。
【取組】
ア.アンケート調査等の実施
意見箱を設置するとともに、定期的に患者満足度調査等を実施し、意見や調
査結果を病院運営に反映させ、患者満足度の向上に努めます。
患者満足度
18年度
19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
(2006年度) (2007年度) (2008年度) (2009年度) (2010年度) (2011年度)
広島市民病院
80%以上
安佐市民病院
80%以上
舟 入 病 院
80%以上
80%以上
総合リハビリテーションセンター
イ.対応結果の公表
患者等から寄せられた意見・要望については、病院の対応結果を院内の掲示
板等でお知らせします。
11
(6) 職員の意識改革の推進
患者に信頼され満足される医療を提供するため、常に患者の立場を考えて行動
することができる、意欲的で使命感に満ちた職員を育成します。
【取組】
ア.接遇研修の充実
患者に対する言葉遣いや態度など、職員の接遇能力の一層の向上を図るため、
接遇研修を実施します。
イ.医療事故防止研修の充実
医療安全の確保のため、職員一人ひとりの医療事故防止に向けた一層の意識
啓発と病院全体の危機管理の充実を図るため、医療事故防止に関する研修を実
施します。
12
2
政策的医療・高度医療等の推進(基本方針 イ.の実現に向けて)
広島市民病院、舟入病院、リハビリテーション病院及び安佐市民病院の各市立病
院は市域のみならず広島二次保健医療圏(広島県保健医療計画で定める広島市及び
周辺市町を含む圏域)の中心的な医療機関として一般医療機関では満たせない救急
医療、高度な医療、特殊な医療を行うとともに、医療従事者の研修等を行うなど、
これまで地域医療水準の向上に寄与してきました。
市立病院は、今後とも地域の中核病院等として、地域医療機関との連携・支援の
中心的な役割を担い、地域医療をリードします。
(1) 救急医療体制の見直し
市立病院における救急医療は、初期救急は舟入病院で、手術や入院が必要な二
次救急医療は広島市民病院、舟入病院及び安佐市民病院で、一刻を争う重篤患者
に対する三次救急医療は24時間体制の救命救急センターがある広島市民病院で
対応する体制をとってきました。
そうした中、舟入病院では、初期救急患者が増加し、患者の集中が大きな課題
となり、また、内科については、心臓や脳血管の疾病など舟入病院では対応が難
しい重篤患者の受診があることや医師不足で救急業務に従事する医師の確保が困
難な状況が続いてきました。
一方、広島市民病院及び安佐市民病院では、重篤で全身管理が必要な患者の治
療を行うICU(集中治療室)の病床利用率が高く、救急患者の受入れが難しい
等の状況が生じています。
このような状況を踏まえ、市立病院における効率的、効果的な救急医療の提供
を目指し、救急医療体制の見直しを行います。
【取組】
ア.内科・眼科救急医療体制の見直し
舟入病院の夜間救急患者を分散し、混雑緩和を図るとともに、舟入病院では
対応できない重症患者に対応するため、内科の夜間救急については、平成18年
(2006年)12月から舟入病院に変えて、救命救急センターを設置し三次救
急医療を実施している広島市民病院で実施(年末年始は舟入病院でも24時間体
制で実施します。
)するとともに、眼科の夜間救急医療(土曜日)については、
広島市医師会が平成21 年(2009年)3月に開設する広島市医師会千田町夜
間急病センター(内科・眼科)で年末年始を除く毎日実施することから、舟入病
院での救急診療は廃止します。
(年末年始については、引き続き舟入病院におい
て実施します。
)
イ.ICU(集中治療室)の増床
平成21年度(2009年度)に広島市民病院及び安佐市民病院のICU(集
中治療室)を増床し、救急医療機能を充実します。
13
(2) 小児医療の推進
小児医療を取り巻く環境は、急速な少子化や小児医療の不採算性などから、全
国的に見ると小児科を標榜する医療機関や小児科を志望する医師が減少し、小児
医療の確保が大きな課題となっています。
特に、小児人口が減少する中で、夜間・休日における「小児科医師による救急
医療」への需要は年々増加しており、小児を取り巻く環境は極めて厳しい状況に
あります。
また、近年、不登校に関する問題や乳幼児・児童への虐待に伴う心的外傷後ス
トレス症候群(PTSD)等こどものこころの問題やアレルギー疾患に対する対
応など、高度・専門的な医療の提供も課題となっています。
このため、市立病院では、各病院が連携して救急医療を確保するなど、小児医
療提供体制の一層の充実に努めます。
【取組】
ア.小児医療提供体制の充実
本市の小児医療は、平成14年(2002年)3月に小児医療の専門家が中
心となって取りまとめた「小児医療充実基本計画」に基づき小児医療充実のた
めの対応策を実施し、各市立病院が各々の役割を分担しつつ、互いに連携して
医療を提供することにより、充実を図ってきました。
広島市民病院は、平成18年(2006年)12月に、広島県から「総合周
産期母子医療センター」の指定を受け、本市の周産期医療・小児専門医療の拠
点として、リスクの高い妊娠に対する医療及び高度な新生児医療等の周産期医
療を行います。
舟入病院は、平成14年(2002年)10月から土曜日・日曜日・祝日の
昼間の小児救急外来診療を開始し、24時間365日の小児救急医療体制を整
備するとともに、平成16年(2004年)4月から土曜日準夜帯(午後7時
から午後11時まで)の耳鼻咽喉科・眼科救急診療を開始するなど、市民がい
つでも安心して受診できる小児救急医療拠点施設としての機能強化を図ってき
ました。また、平成16年(2004年)4月からこどものこころの問題を中
心に診療を行う小児心療科(精神科)やアトピー性皮膚炎を中心に診療を行う
皮膚科を開設するとともに、難病児等の短期入所事業を実施するなど、小児医
療の充実に取り組んでいます。引き続き、新たな専門外来の必要性について検
討するとともに、アレルギー外来、小児神経外来等の既設の専門外来の充実に
努めます。
安佐市民病院は、市北部及び県北部の小児医療拠点病院としての役割を担っ
ています。
平成15年(2003年)8月には、市北部の小児医療拠点としての機能強
化と舟入病院への患者集中を緩和するため、日曜日準夜帯(午後6時から午後
11時まで)の小児救急診療を開始しました。引き続き、土曜日及び祝日にお
ける小児救急診療の円滑な実施に取り組みます。
14
安芸市民病院は、平成13年(2001年)12月の開院時から小児科外来
を設置し、市東部の小児医療施設としての役割を担っています。診療時間は、
開設当時は午前8時30分から正午まででしたが、小児医療の充実の観点から
平成18年(2006年)4月以降は、診療時間を延長して午後1時から午後
5時30分までの間についても診療を行います。
(3) がん医療の推進
広島市民病院、安佐市民病院においては、これまで蓄積した豊富な知識・治療
経験を生かし、消化器がん、乳がん、肺がんなど多くのがん症例の治療を行って
います。
また、常に最新の医療技術を取り入れ、早期がんには内視鏡的な病変切除や内
視鏡補助下切除などの低侵襲手術を、進行がんには「根治と機能温存」の両立を
目指した治療を、さらに進行したがんや再発がんに対しては最新のEBM(根拠
に基づいた治療)に基づき化学療法(抗がん剤を全身的もしくは局所的に、点滴
などにより体内に投与する治療法)や放射線治療を組み合わせ、延命とQOL(生
活の質)の改善に努めます。
また、これらのがん治療を行うには、各診療科が互いに協力して行うチーム医
療が必要であることから、各診療科の連携強化に努めます。
【取組】
ア.地域がん診療連携拠点病院の指定
国は、がん医療を推進するため、地域の医療機関と連携を図り、継続的に質
の高いがん医療を提供し、地域におけるがん診療連携の拠点病院としての役割
を果たすことのできる専門的医療体制を有する医療機関を「地域がん診療連携
拠点病院」として、都道府県知事の推薦により厚生労働大臣が指定する制度を
設けています。
広島市民病院については、平成18年度(2006年度)に、安佐市民病院
については、次の指定時期である平成22年度(2010年度)に、この指定
を受けて、がんの診療機能のより一層の強化を図ります。
また、この指定は、4年毎に再度申請して更新の指定を受ける必要がありま
す。広島市民病院については、平成21年度(2009年度)に更新のための
申請を行う必要があります。引き続き、指定を受けることができるよう、地域
がん診療連携拠点病院としての機能の強化を図ります。
地域がん診療連携拠点病院の指定
広島市民病院
18年度
19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
(2006年度) (2007年度) (2008年度) (2009年度) (2010年度) (2011年度)
指定
指定 (更新)
安佐市民病院
指定
15
イ.緩和ケアの充実強化
病気からくる疼痛、倦怠感、呼吸困難などの身体症状や不安や抑うつなどの
精神症状を和らげるための治療(いわゆる「緩和ケア」といいます。)や援助を
疾患の早い時期から行うことが、重要となっています。
これらの治療等を行うため、広島市民病院、安佐市民病院では院内に専門の
医師や看護師等で構成する「緩和ケアチーム」を編成し、入院中のがん患者を
対象に活動を行っています。今後は、在宅のがん患者に痛みの緩和や心のケア
等を行うため、
「緩和ケア外来」を広島市民病院は平成21年(2009年)3
月に、安佐市民病院は平成21年度(2009年度)中に設置します。また、
舟入病院では個室の増床等や緩和ケアチームの編成を行い、がん患者の受入体
制を強化します。
ウ.医療情報の提供及び家族間での情報交換の推進
広島市民病院に平成20年(2008年)2月に医療情報サロンを設置して、
がん等に関する医療情報を患者、その家族が容易に入手できるようにするとと
もに、患者やその家族同士が気軽に情報交換等ができるよう、定期的に集いを
開催します。
16
(4) 情報化(ICT化)の推進
医療技術の向上や複雑化による医療情報の増大、チーム医療の進展による患者
情報の共有化の必要性、医療制度(特に診療報酬制度)の複雑化など、医療環境
の変化に対応するため、医療の情報化(ICT化)に取り組みます。
将来、地域の医療機関でも情報化が進めば、地域の医療機関とネットワークで
結び、医療情報を地域全体で活用することが可能となり、地域医療水準の向上に
大いに寄与することから、市立病院では早期に整備を行います。
【取組】
ア.病院総合情報システムの構築
電子カルテシステム(診療録、検査データ、看護記録等を電子保存し活用す
るシステム)を核として、医事会計システムや検査システムなどの各部門シス
テムとネットワークを結び、病院内の医療情報を電子化して総合的に活用する
「病院総合情報システム」を構築します。
このシステムを整備することにより、診療情報を正確・迅速に把握して、適
切な治療方法が選択できること、医師、看護師等の関係スタッフが患者情報を
共有し意思統一された質の高い「チーム医療」が提供できることなどから、よ
り一層の医療の質の向上を図ります。
また、検査結果等を診察室で画面上に表示して分かりやすい説明ができるな
どの「患者サービスの向上」や紙によるカルテ等の大幅な削減などにより「業
務の効率化」を図ります。
病院総合情報システムの構築
広島市民病院
18年度
19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
(2006年度) (2007年度) (2008年度) (2009年度) (2010年度) (2011年度)
実施
安佐市民病院 *1
舟 入 病 院
*2
検討
実施
総合リハビリテーションセンター
*1 安佐市民病院は、平成17年度(2005年度)に実施しています。
*2 舟入病院については、平成20年度(2008年度)導入に向けて、院内での
検討を行いましたが、費用対効果等の面で詳細な検討が必要となったため、平
成21年度(2009年度)から5年間は既存のシステムを更新することとし、
病院総合情報システムの導入は、平成26年度(2014年度)導入を目標と
して、引き続き検討を進めます。
17
(5) 人材の育成
治療方法や医療技術の急速な進歩に伴い、より適切で質の高い医療を提供する
ため、高度で専門的な知識と技能を持った医師や看護師などのコメディカルスタ
ッフを育成するなど、医療を担うマンパワーの資質の向上が重要となっています。
このため、研修体制の充実を図り、医療スタッフの育成に努めます。
【取組】
ア.医師の育成
最新の知識や技能を習得するため、医師が各種学会・研修等へ参加していま
すが、この参加機会を増やし、専門医の育成・配置に努めます。
また、育児短時間勤務制度の実施等、出産・育児後の職場復帰の環境作りに
取り組みます。
併せて、医師の負担軽減を図るため、医師の増員や時間外勤務、休日勤務の
削減等に取り組みます。
イ.看護師の育成
質の高い看護体制を確保するため、特定の看護分野での専門的な知識・技能
を有する認定看護師資格を持った看護師を育成します。
*
認定看護師制度
(社)日本看護協会が行っている認定制度であり、特定の看護分野において、熟練し
た技術と知識を用いて水準の高い看護を実践できる認定看護師を養成し、看護現場に
おける看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的に設立された制度です。
18
(6) 新医師臨床研修制度への対応
大学卒業後の医師に対する研修については、平成16年(2004年)4月か
ら新しい制度により実施されています。
新しい制度では、これまで任意であった臨床研修が必修化されるとともに、専
門の診療科に特化した研修からプライマリケアを中心に幅広く医師に必要な診療
能力を身につけ人格の涵養に重点を置いた研修(期間は2年間)に改められまし
た。
また、研修医の募集については、臨床研修指定病院が全国的に公募するよう見
直しが行われました。
医療に向けられている国民の意識やニーズの変容に的確に応えられる優秀な医
師を育成することは、自治体病院が主体的に担うべき役割であり、市立病院はこ
の制度の実施に積極的に協力していきます。
【取組】
ア.優秀な医師の育成
臨床研修指定病院に指定されている広島市民病院、安佐市民病院では、
平成16年度(2004年度)から新しい制度に基づき、広島市民病院が毎年
度10名(平成18年度(2006年度)は11名)、安佐市民病院が5名の研
修医の受入れを行っています。また、舟入病院では、広島大学の協力病院とし
て研修医を受け入れています。
今後とも、可能な限り研修医の受入れ枠を増やし、優秀な医師の育成を積極
的に行います。
また、国が平成22年度(2010年度)実施に向けて検討を進めている新
医師臨床研修制度にも的確に対応できるよう、情報収集等に努めます。
19
(7) 地域医療の推進
初期診療は患者の身近な地域で提供されることが望ましいことから、地域のか
かりつけ医が担い、急性期医療・高度な専門医療は地域の中核病院等が担うとい
う機能分担を行い、自己完結型医療から地域完結型医療へと転換が図られていま
す。
これまで地域の中核病院等として、地域医療の中心的な役割を担ってきた市立
病院は、今後とも地域医療機関との連携を積極的に図ることにより地域医療を推
進します。
【取組】
ア.地域医療機関への支援体制の充実
地域のかかりつけ医を支援し、他の医療機関との適切な役割分担と連携を図
っていくことにより、地域医療の充実を図る病院を「地域医療支援病院」と位
置付け、必要な要件を満たしている病院を都道府県知事が承認します。
広島市民病院及び安佐市民病院は、地域の医療機関の紹介患者を積極的に受
け入れるなど地域の医療機関との連携を進めて、この要件を満たしているので
平成20年度(2008年度)に広島県知事から「地域医療支援病院」の承認
を受けるとともに、地域住民が両病院で引き続き安心して医療を受けることの
できるよう医療環境を整備します。
また、舟入病院においても、地域の医療機関の紹介患者の受入れ等を進める
ため、体制を整備します。
20
(8) 診療科の増設等
受診の利便性を図るため、表示する診療科の増設等を行います。
【取組】
ア.新たに表示する診療科
(ア) 広島市民病院
循環器小児科、乳腺外科、産科、婦人科、頭頸部外科
(イ) 安佐市民病院
呼吸器内科、血液内科、乳腺・内分泌外科、呼吸器外科、頭頸部外科
イ.名称を変更する診療科
(ア) 広島市民病院
呼吸器内科(呼吸器科)
、循環器内科(循環器科)
(イ) 舟入病院
呼吸器内科(呼吸器科)
、消化器内科(消化器科)、肛門外科(こう門科)
(ウ) 安佐市民病院
神経内科(神経科)
、循環器内科(循環器科)
21
3
総合的なリハビリテーションの推進(基本方針 ウ.の実現に向けて)
本市は、生活習慣病に起因する脳血管障害などの疾病や交通事故等に伴う脊髄損
傷などの障害を負われた中途障害者の社会復帰や社会参加を促進するため、総合相
談部門を受け持つ「身体障害者更生相談所」
、医学的リハビリテーション部門を受け
持つ「リハビリテーション病院」及び社会的・職業的リハビリテーション部門を受
け持つ「自立訓練施設」の3施設で構成する総合リハビリテーションセンターを平
成20年(2008年)4月に開設し、相談・評価から医療・訓練、就労援助まで
の総合的なリハビリテーションサービスを一貫した計画のもとに提供するとともに、
保健・医療・福祉の関係機関との連携を図り、地域におけるリハビリテーションを
支援します。
【取組】
ア.総合相談機能の充実
リハビリテーションに意欲的に取り組み、社会復帰や社会参加がスムーズに行
えるよう、専門スタッフが、地域の医療・保健・福祉機関と連携、協働して支
援します。
また、生活・職業・医療・補装具等についての相談や医学的・心理学的・職能
的判定などを行います。
イ.医学的リハビリテーション機能の充実
医師・看護師・療法士をはじめとするリハビリテーションに関わる全ての職
員が連携して、患者一人ひとりの状態や目標を踏まえ、高度で専門的なリハビ
リテーションサービスを提供します。
ウ.社会的・職業的リハビリテーション機能の充実
利用者が地域で充実した「自分らしい生活」を送ることができるよう家庭や
職場、地域での生活を再構築するための訓練やその他のサービスを提供します。
22
4
経営改善の推進(基本方針エ.の実現に向けて)
本市の病院事業を取り巻く経営環境は、国の医療制度改革による診療報酬の引下
げや、医療費の自己負担の増加などにより患者数が減少するなど、非常に厳しい状
況にあります。
こうした中、病院事業では、これまで全職員が一丸となって経営改善を進めてき
た結果、収支が大幅に改善するなど、一定の成果を出すことができました。
高度医療、地域医療、政策的医療(救急医療など)を中心に市民のニーズに合っ
た安全で良質な医療を提供していくために、効率的な経営を一層推進し、健全な経
営基盤の確立に努めます。
(1) 優秀な職員の確保・配置
安全で良質な医療を提供していくため、病院経営の向上に資する専門性の高い
知識・技術を有する優秀な職員の確保・育成を図ります。
【取組】
ア.医師の公募制
市立病院ではこれまで、主として関連大学からの医師派遣という方法で医師
の確保を行ってきましたが、全国的な医師不足により、今後、この方法での医
師確保が困難となることも予想されることから、関連大学からの派遣と並行し
て、有能で意欲旺盛な人材を広く求める公募制を平成18年度(2006年度)
から実施します。
イ.看護師採用の見直し
看護師の採用については、これまで若く将来有望な人材を確保し、優秀な職
員に育成することを基本としていましたが、即戦力となる専門性の高い知識・
技術を有する看護師を採用することは、他職員の士気や資質の向上に繋がるこ
とから、看護師採用試験の採用年齢の上限の引上げを行います。
ウ.人事交流の推進
人事異動は、職員の能力開発、士気の高揚を図る観点から有効であるため、
各病院の患者サービスや医療水準の維持向上が図られるよう配慮しながら、病
院間で人事交流に努めます。
エ.看護師の副院長への登用
医療を取り巻く環境が急速に変化している中で、最近は医療看護の質向上だ
けでなく、看護師が病院経営に積極的に参画することが求められています。
このため、適任者の育成に努め、看護師を副院長に登用します。
23
オ.医療クラーク(医師事務作業補助者)の配置
医師の事務作業を補助する職員(医療クラーク)を平成21年度(2009
年度)から広島市民病院及び安佐市民病院に配置します。
カ.育児短時間勤務の実施
職員の仕事と子育ての両立を支援するため、平成20年度(2008年度)
から育児短時間勤務制度を実施します。
*
育児短時間勤務
小学校入学前の子の育児のため、1回の勤務時間を8時間から4時間若しくは5時
間に短縮する又は1週間の勤務日数を少なくする制度
(2) 職員の意識改革の推進
経営改善を行うには、職員一人ひとりが地方公営企業職員として経営感覚を養
うとともに、あらゆる場面で常に危機感とコスト意識を持って業務を行うよう、
全職員の意識改革を図ります。
【取組】
ア.病院事業管理者による院内アナウンスの実施
本市病院事業の置かれている状況や経営状況等について、病院全職員を対象
に病院事業管理者が説明し、職員の意識改革を図ります。
イ.経営改善研修の実施
経営改善への取組を一層充実させるため、全職員を対象とした経営改善研修
を実施します。
24
(3) 収益の確保
健全な病院経営を行うため、医療機能の充実等により収益の増収を図るととも
に、請求漏れや査定率(診療報酬を支払い基金等に請求した際に、減額される率)
の縮減、未収金対策を強化し、収益の増収を図ります。
【取組】
ア.病床利用率の向上
病院収益のうち入院収益が大きなウエイトを占めているため、入院収益の増
収を図ることが病院を経営していくうえで重要な要素となっています。
このため、地域医療機関との医療連携を進めることなどにより患者数の増加
を図るとともに、患者動向を見ながら、定期的に診療科ごとの病床数を見直す
病床再編などを行うことにより、効率的な病床利用を進め、病床利用率の向上
を図ります。
*
病床利用率
病床数に対する入院患者数の割合で、病床が有効に活用されているかどうかを示す
指標です。
イ.医療連携の推進
広島市民病院、安佐市民病院では、高度で専門的な医療を多くの市民に提供
するため、地域の医療機関と機能を分担(初期医療は地域のかかりつけ医が、
専門的な検査や治療は病院が行う。
)する医療連携を積極的に進めています。
この医療連携を円滑に行うため、両病院では平均在院日数の短縮(入院期間
の短縮)
、病床利用率・患者紹介率の向上に取り組みます。
これらの取組により、患者にとっては、できるだけ多くの方が早く適切な医
療を受けることができ、また、医療費の抑制、早期の社会復帰などの効果が得
られます。
一方、病院にとっては効率的な医療が提供できることから収益増が図られる
という効果が期待できます。
ウ.7対1看護の実施
重篤な入院患者に対する看護を充実するため、看護師1人あたりの入院患者
を7人以下にする7対1看護を広島市民病院は平成18年度(2006年度)
から、安佐市民病院は平成21年度(2009年度)から実施します。
エ.請求漏れ・査定率の縮減
効率的で健全な経営を行うには、診療行為や薬品、診療材料等に見合う適正
な診療報酬を確実に算定し、収益を確保する必要があります。
診療報酬制度は、年々複雑になっているため、職員への制度の周知や適正な
事務処理を徹底します。
25
また、職員が行っている診療材料の供給・管理を委託方式で行うSPDシス
テムを導入し、管理をより的確に行うことや、病院総合情報システムを導入し、
検査・投薬・処置等の請求情報を迅速かつ正確に医事会計システムに反映させ
ることにより、請求漏れ、査定率の削減を図ります。
オ.医療費個人負担分の収納率向上
病院の経営環境がますます厳しくなる中、診療報酬の約14%を占める医療
費個人負担分を確実に収納することは、病院経営の健全化を図るうえで重要課
題であり、これまで以上に未収金の発生防止及び回収に取り組み収納率の向上
に努めます。
4病院の目標収納率
現年分
*
18年度
19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
(2006年度) (2007年度) (2008年度) (2009年度) (2010年度) (2011年度)
97.0%
滞納繰越分
60.1%
全体
94.0%
*
目標収納率
を設定
平成22年度(2010年度)以降の目標収納率については、平成21年度
(2009年度)までの実績を踏まえて、設定します。
*
平成19年度(2007年度)の実績
現年分
97.5%
滞納繰越分 50.9%
全体
92.9%
26
(4) 費用の削減
地方公営企業法では、経営の基本原則として「地方公営企業は、常に企業の経
済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するよう運営
されなければならない。
」と規定されています。
このため、常に経営の合理性と能率性を念頭に置き、最少の費用で最大の効果
を上げるよう費用の削減に取り組みます。
【取組】
ア.定数管理及び給与の見直し
円滑な業務執行体制を確保しながら人件費の削減を図り、経常的経費の支出
抑制に努めます。
(ア) 定数管理の見直し
事務の民間委託やICT化の推進などにより職員数の見直しを行い、効率
的に職員を配置し、引き続き職員数の削減に努めます。
(イ) 給与の見直し
給与の一時的削減措置(平成16年(2004年)1月から平成19年
(2007年)12月まで)や退職手当の引下げなどにより、人件費の削減
に努めます。
イ.アウトソーシングの推進
(ア) 医事事務の委託
費用対効果を踏まえ、広島市民病院の医事事務(入院部門)の委託を平成
18年(2006年)10月から実施します。また、リハビリテーション病
院は開設時(平成20年(2008年)4月)から実施します。
医事事務(入院部門)の委託
広島市民病院
18年度
19年度
20年度
23年度
21年度
22年度
(2006年度) (2007年度) (2008年度) (2009年度) (2010年度) (2011年度)
実施
安佐市民病院
舟 入 病 院
リハビリテーション病院
実施
* 舟入病院は、平成4年度(1992年度)から外来部門を含め実施しています。
* 安佐市民病院は、平成4年度(1992年度)から実施しています。
27
(イ) SPDシステムの導入
管理部門や診療部門における物品管理に要する業務負担の軽減、適正な在
庫管理を図るため、広島市民病院及び安佐市民病院は平成18年度(200
6年度)に、また、リハビリテーション病院は開設時(平成20年(200
8年)4月)からSPDシステムを導入します。
これにより、診療材料の過剰在庫の予防、使用期限切れによる死蔵材料の
予防、医療材料購入額の縮減等を図ります。
SPDの導入
22年度
18年度
19年度
20年度
21年度
23年度
(2006年度) (2007年度) (2008年度) (2009年度) (2010年度) (2011年度)
広島市民病院
実施
安佐市民病院
実施
リハビリテーション病院
*
実施
SPDシステム
SPD(Supply(供給管理)、Processing(仕分け)、Distribution(流通)の
頭文字を組み合わせたもの)システムは、病院職員が行っている診療材料の供
給・管理を委託方式で行うものです。
ウ.薬品・診療材料の効率的な管理・購入
薬品については、平成17年度(2005年度)、舟入病院の病院事業局への
統合を機に、広島市民病院、舟入病院、安佐市民病院の3病院について、さら
に平成20年(2008年)4月からはリハビリテーション病院を加えた4病
院の購入単価の統一を図るとともに、院外処方の推進により在庫管理業務の縮
減、採用品目の削減(同種同効薬品の集約化)、後発医薬品の採用拡大を図るな
ど、今後とも購入額の削減に努めます。
また、診療材料についても、平成18年度(2006年度)から、購入単価
を統一することにより、購入額の削減を図ります。
エ.その他
(ア) 事務的経費の節減
消耗品、印刷製本費等の事務的経費については、これまでも予算額を年々
削減するなど、徹底した節減を進めてきましたが、今後とも購入数量等を精
査し、より一層の削減に努めます。
(イ) 時間外勤務手当の節減
計画的な業務執行や事務処理の簡素化・効率化を図るとともに、適切な業
務配分や人員配置を行い、時間外勤務のより一層の縮減に努めます。
(ウ) 光熱水費等の節減
不要電灯の消灯や階段利用の促進、水道水の節減など、職員の身近なとこ
ろから取り組むようコスト意識の徹底に努めます。
28
Ⅳ
各市立病院の取組
1
広島市民病院
(1)
運営の基本方針
ア.基本理念
広島市の中核病院として、患者さまの立場を尊重し、質の高い医療を提供し
ます。
イ.基本方針
(ア) 患者さまの立場を尊重し、信頼され満足される医療を提供します。
(イ) 地域医療機関との連携のもとに、急性期医療を中心に高度な医療を提供し
ます。
(ウ) 健全な病院運営に努め、良質で安全な医療を提供します。
(2)
医療機能
広島市民病院は、広島市の中核病院として、がん、心臓疾患、脳血管疾患など
高度な技術と施設、設備を必要とする「高度先進医療」
「特殊医療」や重篤な救急
患者に対する「高度救急医療」を提供することにより、広島市の医療水準の向上
に貢献してきました。
今後もこうした医療機能を維持しながら、地域の医療機関と役割分担を図る一
方、地域医療連携を推進し、市民に質の高い医療を提供し、安心で信頼される効
率的な診療体制を構築します。
【取組】
ア.地域がん診療連携拠点病院の指定
がん医療を推進するため、平成18年(2006年)8月に、厚生労働省から
「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受け、地域の医療機関との連携のもと、
質の高いがん医療を提供するとともに、患者や地域の医師等を対象とした講座を
開催する等の取組を行います。また、在宅のがん患者の痛みの緩和や心のケア等
を行うため、緩和ケア外来を設置するとともに、患者やその家族にがんに関する
情報の提供等を行うため、医療情報サロンを設置します。
イ.総合周産期母子医療センターの指定
地域の周産期医療の中核病院として、広島県から総合周産期母子医療センター
の指定を平成18年(2006年)12月に受け、リスクの高い妊婦に対する
医療や極小低出生体重児等に対する高度新生児医療等を提供するなど、母体、
胎児、新生児を総合的に治療する周産期医療の充実に努めます。
29
ウ.高度救急医療の充実
主に心血管系・脳血管系の重症患者を受け入れている救命救急センター及び主
に薬物中毒、多発性外傷などの重症患者を受け入れているICU(Intensive
Care Unit:集中治療室)に加えて、平成18年(2006年)12月に主に内
科等の救急患者を24時間365日受け入れる救急診療部を新設し、救命救急
センターとICUとの連携のもと、救急医療の充実に努めます。
また、重篤な救急患者の受入能力の向上を図るため、平成21年度(2009
年度)にICUを2床増床します。
エ.老人性認知症センターの充実
老人性認知症センターは、中国地方で唯一のセンターとして、電話・面接相談、
診断・治療方針の選定及び初期治療を行っています。平成18年(2006年)
5月に認知症患者専用の診察室を設けるなど、今後の認知症患者の増加にも十
分対応できるよう、体制を整備し、同センターの円滑な運営に努めます。
オ.人工腎臓センターの充実
平成18年(2006年)2月から土曜日においても透析を開始するなど、
重症患者の受入体制を整備して、人工腎臓センターの円滑な運営に努めます。
カ.エイズ治療の充実
中四国ブロックのエイズ治療拠点病院として厚生労働省から指定されており、
平成18年(2006年)5月に専門の医療スタッフを配置した外来診療室を
設置するとともに内科にモデル病床を設置するなど、エイズに関する総合的か
つ高度な医療の提供に努めます。
キ.災害医療の充実
平成18年(2006年)5月オープンの東棟に、免震構造を採用するとともに、
ヘリポートを設置し、大規模災害が発生した際、広島市の中核病院及び災害拠点病
院として、被災患者に迅速かつ円滑に最大限の医療を提供します。また、毎年、集
団医療救護訓練に参加し、関係諸機関との連携体制を強化します。
ク.女性外来の充実
女性が女性の医師に女性特有の病気について気兼ねなく安心して相談・受診で
きるよう、平成18年(2006年)5月に専用診察室を設置するなど、受診
しやすい環境の整備を図るとともに、PRに努めます。
30
(3)
医療安全対策
現在、医療安全対策のための各種マニュアルの整備は整い、事故事例等の分析
をもとに今後の事故防止を図る取組としてのセーフティ・マネージメント・シス
テムの機能も軌道に乗ってきていると考えています。今後は、その機能をさらに
強化し、安全対策の立案件数を増やすとともに、現場への浸透・徹底を図ってい
きます。
また、施設面では、平成18年度(2006年度)の東棟整備時等、積極的に
機会をとらえて医療安全対策を推進します。
【取組】
ア.事故発生防止策
(ア) 専任リスクマネージャー及び医療安全管理委員会メンバーによる院内巡視
を実施します。
(イ) 医師、看護師、薬剤師等が参加している事例検討会を週 1 回行い、その検
討結果をもとに専門の医療従事職員で構成するワーキンググループ事例検
討を月3例程度は行うこととし、対策プラン実施状況について3ヵ月後の検
証を徹底します。
(ウ) セーフティマネージ定例報告会への職員の参加を促し、情報の共有・浸透
を図ります。年2回の講演会に加え、院内勉強会を実施します。
イ.東棟及び西棟の構造面での医療安全対策
平成18年度(2006年度)に東棟及び西棟において、次のとおり取り組む
など、施設面での医療安全対策を実施します。
(ア) 東棟及び西棟の病室にトイレを設置することにより、転倒・転落の防止に
努めます。
(イ) 医療行為の準備場面において、診療材料等の整理整頓ができていないこと
がミスを誘発する要因になっていることも多いため、壁面収納庫の増設など
により物品整理のための十分なスペースを確保するなど、医療ミスの防止に
努めます。
ウ.電子カルテの導入による医療安全対策
平成18年(2006年)5月の電子カルテの導入にあわせて、次のとおり
取り組むなど、ICTを活用した医療安全対策を実施します。
(ア) 医療行為を行う際、バーコード認証によって患者・実施者・施行物品の3
点チェックが可能となり、誤投薬などを防止します。
(イ) 注射薬剤の払い出し・配送システムを電子カルテと連動することによって、
調剤ミス・誤投薬を防ぎます。
(ウ) 実施記録がリアルタイムで自動的に記録されることによって、思い違いや
記憶の間違いによる医療ミスを防ぎます。
31
(4) 患者サービスの向上
自治体病院の機能として、高度の診療機能が求められることは当然ですが、そ
れのみで事足れりとする時代は終わりを告げ、近年は病院内の快適さが強く求め
られ患者サービス機能の重要性が高まっています。そうした流れに即応して、広
島市民病院においても、患者サービス活動を積極的に展開しています。
【取組】
ア.音楽鑑賞会の開催
入院患者の精神的ケアの充実を図るため音楽鑑賞会を実施していますが、今
後も継続していきます。また、アンケート調査を行い、患者のニーズ・要望に応
じた鑑賞会を開催します。
イ.ボランティアの活動支援
患者サービスの向上を図るボランティア活動支援のため、平成19年(20
07年)2月に案内ボランティアのボランティアコーナー(待機場所)を新設
します。
また、ホームページなどで募集を行いボランティア人数の拡大に努めます。
ウ.医療情報の提供
平成20年(2008年)2月に医療関係図書やインターネット検索のでき
るパソコンなどを備えた医療情報サロンを設置するなど、患者やその家族などが
手軽に医療情報を入手できるよう、取り組みます。
エ.相談業務の充実
相談業務については、平成18年(2006年)4月に総合相談室、地域医
療連携室、在宅支援室及び医療安全対策室を統括する「医療支援センター」を
設置して、各室が連携して患者の相談に対応できる体制を整備するなど、相談
体制の強化に取り組みます。
オ.職員研修の実施
接遇研修を継続して定期的に行うとともに、研修の指導者等に現場を視察し
てもらい、問題点を改善したり、また、実践的な学習方法の導入も検討します。
カ.障害者への対応
耳の不自由な患者に対しては、現場での情報が不十分で行き届かなかった面
があったため、新たな院内掲示や患者とより良いコミュニケーションをとるた
めのマニュアルを平成18年(2006年)1月に配布するとともに、定期的
に研修を行うなど、その徹底を図ります。また、平成18年(2006年)5
月に完成の東棟等については、階段にあらかじめ点字ラベルを貼付した手摺を
設置するなど、障害者が安心して受診できるよう、取り組みます。
32
キ.療養環境の向上
平成18年度(2006年度)の東棟の整備及び既存の西棟の整備において、
病床面積の拡大・各病棟へのデイルームの設置や病室内へのトイレの設置を行う
など、療養環境の改善に取り組みます。
ク.患者意見の反映
患者満足度調査を定期的に実施し、意見や要望を患者サービス向上のための
活動計画に反映していきます。
33
(5)
経営改善の取組
市立病院として果たすべき役割を担いつつ、自立した経営基盤を確立していく
ことを目指し、経営改善に取り組んできました。しかし、診療報酬のマイナス改
定が続いており、今後も厳しい経営環境が続くことが予想されることから、職員
一人ひとりが収益の向上に努めるとともに、しっかりとコスト意識を持ち、業務
効率の改善、経費の削減など経営の効率化に努めます。
【取組】
ア.地域医療支援病院の承認
他の医療機関との適切な役割分担と連携を図り、地域医療の充実を図るため、
平成20年(2008年)9月に広島県知事から「地域医療支援病院」の承認を
受け、地域医療機関からの紹介患者を積極的に受け入れるなどの取組を行います。
イ.病床利用率の向上
「地域医療連携室」及び「在宅支援室」などを通して入院患者への対応や、
退院患者の退院先の選定などを迅速かつ適切に行い、病床が有効に利用されるよ
うに努めます。
ウ.平均在院日数の短縮
クリニカルパスを活用し、医療の標準化を図るとともに、退院先の選定を迅
速・適切に行うことにより平均在院日数の短縮を図ります。
エ.診療報酬審査における査定減の縮小
院内の保険診療審議委員会において査定事例について分析し、その結果を各
診療科に反映することにより、査定減の縮小を図ります。
オ.医療費個人負担分の収納率向上
医療費個人負担分を確実に収納する必要があるため、新たに、入院患者が未
払いのままで退院することがないよう、手続きを変更するなど、引き続き未収金
の発生予防と回収に努めます。
カ.手術件数の増加
平成19年(2007年)6月に日帰り手術室を開設して、小手術を日帰り
手術に移行することにより、手術室の効率的運用を行い、手術件数の増加を図り
ます。
キ.後発医薬品への切り替え
血管造影剤等について後発医薬品への切り替えにより、薬品費の削減を図り
ます。
34
ク.医療クラーク(医師事務作業補助者)の配置
医師の事務作業を補助する職員(医療クラーク)を平成21年度(2009
年度)から配置します。
ケ.小児の受け入れ体制の充実
地域の小児医療の中核的役割を果たし、高度な専門医療が安定的に提供されるよ
う人員配置を強化します。
コ.外部評価の推進
平成18年(2006年)4月に、医療機関の機能を評価・審査する「病院
機能評価」の認定を取得するとともに、5年後の平成23年度(2011年度)
に更新認定が受けられるよう、医療の質の向上とサービスの改善に努めます。
サ.7対1看護の実施
重篤な入院患者に対する看護を充実するため、7対1看護を実施します。
35
(6)
環境への配慮
地球温暖化への対応など、全地球規模で環境に配慮する取組が始まっています。
今までより更にエネルギー消費を抑え、エネルギー利用効率を向上させることが
重要です。
【取組】
ア.環境対策
平成18年(2006年)5月に完成の東棟では、次のとおり取り組みます。
(ア) 東棟では、外壁に断熱材を使用する外断熱工法を採用し、高い断熱性能に
よる省エネと快適な室内環境の確保や建物構造体の高寿命化を図ります。
(イ) 病室の窓に2重ガラス窓内を経由して空調換気を行うエアフローウイン
ドウを採用し、窓際の空調負荷を低減し、空調環境の向上と省エネ効果によ
る光熱費の低減を図ります。
(ウ) 屋上緑化を行い、天井面からの輻射熱を低減することによる冷暖房負荷の
低減と都市部の気温が周辺部より高くなるヒートアイランド現象の抑制を
図ります。
(エ) ガスタービン発電による排熱を冷暖房の熱源に利用するコージェネレー
ションシステムを採用し、発電とその排熱利用によるエネルギーの効率的利
用を図ります。
(オ) 蓄熱空調システムを採用し、夜間の安い電力により蓄熱し、昼間の冷房に
利用することによって、昼間の電力負荷を低減します。
(カ) 雨水利用や排水の再利用により、水資源の有効利用を図ります。
イ.職員による取組
(ア) 光熱水費の節減
不要時における室内照明の消灯、パソコンやコピー機といった事務用機器
の電源を切ること、また、冷暖房の温度管理を適切に行うことにより、光熱
水費の節減を図ります。
(イ) 資源のリサイクルとごみの減量化
リサイクル可能な再生ごみを分別回収し、再利用することにより、廃棄処
分するごみの減量化を図ります。
(ウ) ごみの排出量の削減
作成文書のペーパーレス化や両面印刷の促進により、ごみの排出量の削減
を図ります。
(エ) 環境負荷の低減に役立つ物品等の購入
物品等の購入にあたっては、その原材料等が環境負荷の低減に役立つもの
を優先的に購入するように努めます。
36
(7)中期経営計画の目標(病院全体のマネジメントシート)
病院名
ビジョン
経営
方針
広島市立広島市民病院
広島市の中核病院として、患者さまの立場を尊重し、質の高い医療を提供します。
1 患者さまの立場を尊重し、信頼され満足される医療を提供します。
2 地域医療機関との連携のもとに、急性期医療を中心に高度な医療を提供します。
3 健全な病院運営に努め、良質で安全な医療を提供します。
戦略マップ
区分
戦略目標
目標達成のための方策
地域医療支援機能の充実 地域医療機関との連携強化
患者満足度の向上
(医療連携の推進)
地域医療
支援機能の
充 実
高度先進医療の提供
治療実施件数の増加
災害医療の充実
職員の対応能力の向上
患者満足度の向上
患者ニーズにそった医療の提供
顧客の
視点
高 度 先 進医 療の 提供
高 度 救 急 医 療の 提供
医療連携の推進
災害医療の充実
情報提供の推進
収 支 改 善
収支の改善
財務の
視点
医療の質の向上
内部プロセス
の視点
医療の
標準化
・ボランティア
・ボランティア
の推進
の推進
・接遇の向上
・接遇の向上
医療の標準化
クリニカルパス活用の拡大
*1
医療の安全性の向上
医療事故の未然防止
患者サービスの向上
ボランティアの活動促進
接遇の向上
チーム医療
の推進
患者サービス
の向上
学習と
成長の
視点
医療の安全性
の向上
収入の確保、費用の削減
チーム医療の推進
カンファレンスの充実
職員のスキルアップ
専門技術の向上
職員満足度の向上
スキルアップ
働きやすい職場環境の実現 働きやすい職場環境の実現 職員満足度の向上
*1 クリニカルパス:特定の疾患や手術・検査ごとに治療のルーチンワークをチャート様式にし、必要な看護を適時に提供するためのツール
*2 カンファレンス:事例検討会
37
業績評価指標
H16
実績値
H21
目標値
H22
目標値
H23
目標値
アクションプラン
紹介率
50.4%
62%
62%
62%
逆紹介率
27.7%
60%
60%
60% により連携を強化する。
連携カンファレンスの回数 *2
16回/年
30回/年
30回/年
開放病床利用率
50.6%
60%
60%
・医療連携室のスタッフを充実し、地域医療機関を定期訪問する。
・病院と地域医療機関との治療方針を一元化したクリニカルパス
30回/年 ・連携医療機関とのカンファレンスを開催する診療科を増加させる。
・診療内容の充実、高度化とその広報による登録医数の増加及び共同指導件
60% 数の増加を図る。
・がん治療病棟を設置するとともに院内がん登録を実施し、地域がん登録事
がん手術件数
1,100件/年 2,300件/年
2,300件/年
2,300件/年 業に積極的に協力する。
外来がん化学療法実施数
6,000件/年
6,800件/年
6,800件/年
6,800件/年 ・多職種からなる化学療法チームを設置する。
インターベンシヨン治療例数 *3
1,300件/年
1,400件/年
1,400件/年
1,400件/年
1回/年
2回/年
2回/年
2回/年
災害訓練の実施
患者満足度
・インターベンション治療を効率的に行うための医師の配置や機器の増設を行う。
73.6%(外来)
80%
80%
8疾患/年
23疾患/年
24疾患/年
経常収支比率
−
99%
99%
99%
医業収支比率
職員給与費比率
*4
材料費の医業収益比率
薬品費の医業収益比率
−
−
−
−
94%
42%
33%
18%
94%
42%
33%
18%
95%
43%
33%
18%
病床利用率(入院ベース)
95.7%
97%
97%
97% ・ベッドコントロールを適切に行う。
医療費個人負担分の収納率
92.4%
94%
16日/人
13日/人
13日/人
−
1,000件/年
1,000件/年
24件
198件
199件
20件/年
42件/年
42件/年
診療成績開示疾患数
平均在院日数
日帰り手術件数
認定クリニカルパス数
セーフティマネジメントシ
ステム事例検討改善例
ボランティア人数
接遇研修数
合同カンファレンス開催件数
学会出席、研修会への参加回数(医師)
認定看護師数
職員満足度
院内教育研修会参加者数
80% ・アンケート調査を実施し、問題点を把握し改善に努める。
24疾患/年 ・診療実績をホームページ、病院の概況等で積極的に公開する。
H22に設定する。
・退院時請求の推進及び未収納への早期対応を行う。
13日/人 ・クリニカルパスを活用し、医療の標準化と効率化を図る。
・日帰り手術室を新設し、小手術を日帰り手術に移行することにより手術室
1,000件/年 の効率的運用を図る。
・クリニカルパス委員会の委員を中心に、各部署で疾患別クリニカルパスの
200件 作成を推進する。
・医療安全管理委員会で事例の検討及び分析を行い、改善策をマネジメント
42件/年 研修会で職員へ周知する。
12人
20人
21人
2回/年
9回/年
9回/年
9回/年
22人 ・ホームページ等での募集案内を充実する。
−
1回/週
1回/週
1回/週 の文献等の抄読会を開催するよう周知を図る。
267回/年
290回/年
290回/年
3人
13人
13人
13人 ・認定看護師養成研修会への参加を拡大する。
−
70%
75%
80% ・アンケート調査を実施し、問題点の改善を図る。
・医師、看護師等のスタッフが合同で定期的に症例カンファレンス、最先端
290回/年 ・高度医療を提供するために学会、研修会への参加を積極的に行う。
12,039人/年 13,000人/年 13,000人/年 13,000人/年 ・院内教育研修委員会を活性化し、各職種のニーズに応じた研修の場を提供
する。
*3 インターベンション治療:血液の流れを確保するためにカテーテルという細い管を血管の中に挿入して行う治療法
*4
経常収支比率等の算出方法は、国(地方公営企業決算状況調査)に合わせている。
38
ア.マネジメントシート(診療部)
部門名 広島市立広島市民病院 診療部
役割
広島市の中核病院として、高度医療と救急医療を中心に市民に信頼され満足される医療を提供するとともに、地域医療支援の一翼を
担い、また学術活動を通じ情報を広く各医学会に発信しオピニオンリーダーとしての地位を確立します。
運営
方針
病院の基本理念に基づいた医療を行い、患者満足度の向上に努めるとともに、地域医療機関との連携強化を図り、また院内各職種協
働の中心としてチーム医療を一層充実させ、健全な病院運営に努めます。
戦略マップ
区分
患者満足度の向上
戦略目標
目標達成のための方策
地域医療支援の充実
高度先進医療の提供
専門的医療の提供
市民病院でなければ出来ない
治療実施件数の増加
高度・専門的医療の提供
高度救急医療の提供
地域医療支援の充実
情報提供の推進
がん医療・循環器疾患医療
顧客の
視点
災害医療の提供
母子周産期医療・難病医療
小児医療・神経難病医療
診療情報の提供
血液浄化療法・高度救急医療
災害医療・エイズ医療等
信頼の医療
診療内容の情報公開
診療内容の情報公開
・診療実績の公開
・診療実績の公開
病院冊子・ホームページ
病院冊子・ホームページ
・セカンドオピニオンの推進 *
・セカンドオピニオンの推進
3
地域医療機関との
連携強化
財務の
視点
医業収支の改善
医業収支の改善
収入の増加、確保
チーム医療の推進
安全で信頼され満足される
医療の提供
内部プ
ロセス
の視点
医療スタッフの連携強化
専門医療の確立と高評価の獲得
医療の標準化
安全で信頼され満足される
医療の提供
安全性の向上
信頼の医療
専門医療の確立と
高評価の獲得
学習と
成長の
視点
チーム医療の推進
医療の質・専門性の向上
人材育成・確保
研修制度の充実
スキルアップ
専門性の向上・質の向上
働き甲斐の実感
職員満足度の向上
スキルアップ
満足度の向上
人材育成
働き甲斐の実感
研修制度の充実
*1 インターベンション治療:血液の流れを確保するためにカテーテルという細い管を血管の中に挿入して行う治療法
*2 カンファレンス:事例検討会
*3 セカンドオピニオン:一人の医師の意見だけで決めてしまわずに、別の医師の意見も聞いて患者が治療法などを決めること。
39
業績評価指標
H16
実績値
H21
目標値
H22
目標値
H23
目標値
アクションプラン
・がん治療病棟を設置するとともに院内がん登録を実施し、
地域がん登録事業に積極的に協力する。
がん手術件数
1,100件/年
2,300件/年
2,300件/年
2,300件/年
外来がん化学療法実施数
6,000件/年
6,800件/年
6,800件/年
6,800件/年 ・多職種からなる化学療法チームを設置する。
内視鏡的がん治療件数
115件/年
200件/年
200件/年
200件/年 ・内視鏡部門をセンター化し、医療の効率化を図る。
緊急手術例数
850件/年
900件/年
900件/年
900件/年 ・救急医療体制を見直し、各科の協力体制を構築しあらゆる
救急疾患に対応する。
1,300件/年
1,400件/年
1,400件/年
1,400件/年 ・インターベンション治療を効率的に行うための医師の配置
や機器の増設を行う。
紹介率
50.4%
62%
62%
62%
逆紹介率
27.7%
60%
60%
60%
16回/年
30回/年
30回/年
50.6%
60%
60%
8疾患/年
23疾患/年
24疾患/年
インターベンション治療例数
*1
(内科・循環器科・放射線
科・脳神経外科・泌尿器科)
連携カンファレンス回数 *2
開放病床利用率
診療成績開示疾患数
紹介患者数
手術件数(日帰り手術含む)
・連携医療機関とのカンファレンスを開催する診療科を増加させる。
・さらに、診療内容の充実、高度化とその広報による登録医の増
30回/年 加及び共同指導件数の増加を図る。
60%
25疾患/年 ・診療実績をホームページ、病院の概況等で積極的に公開する。
12,115人/年 15,500人/年 15,500人/年 15,500人/年
・各種研究会・講演会への積極的な参加を通じて、スタッフ
の医療情報公開を推進する。
7,000件/年
7,900件/年
7,900件/年
−
1000件/年
1000件/年
査定率の減少
0.39%
0.3%
0.3%
・日帰り手術室を新設し小手術を日帰り手術に移行すること
により、手術室の効率的運用を図る。
0.3% ・院内学習会を開催し、保険請求のノウハウを学ぶ。
医療チーム数
3チーム
5チーム
5チーム
5チーム 和ケアチーム(平成17年度稼動)、口腔ケア・嚥下チームを稼動す
日帰り手術
7,900件/年 ・積極的に日帰り手術を実施し、手術数の増加を図る。
1000件/年
・院内感染対策チーム、栄養サポートチーム、褥瘡チームに加え、緩
る。
認定クリニカルパス数 *4
24件
198件
199件
インシデント報告数 *5
11件/年
36件/年
36件/年
36件/年 ・インシデント報告を医師一人ひとりに徹底する。
新臨床研修医数
10人/年
10人/年
10人/年
10人/年
0人/年
10人/年
10人/年
10人/年
誌上発表・学会発表数
657件/年
750件/年
770件/年
800件/年
学会参加回数
267回/年
280回/年
280回/年
280回/年
98人
112人
112人
−
70%
75%
新しい後期研修制度の創設
指導医・専門医・認定医数(定数112人)
職員満足度
200件 ・クリニカルパス委員会の活性化を診療部としてバックアップする。
・高度医療等を提供するため、学会、研修会への
参加を積極的に行う。
112人 80% ・アンケート調査を実施し、問題点の改善を図る。
*4 クリニカルパス:特定の疾患や手術・検査ごとに治療のルーチンワークをチャート様式にし、必要な看護を適時に提供するためのツール
*5 インシデント:患者に被害はなかったが、医療現場でヒヤリとしたりハッとした事例
40
イ.マネジメントシート(看護部)
部門名 広島市立広島市民病院 看護部
役割 急性期病院としての役割を果たすために、人材育成を積極的に行い、安全で質の高い看護を提供します。
運営方針
患者さま、ご家族に安心していただける看護を提供します。
戦略マップ
区分
戦略目標
患者満足度の向上
顧
客
の
視
点
患者サービスの向上
人材育成
財
務
の
視
点
内
部
プ
ロ
セ
ス
の
視
点
学
習
と
成
長
の
視
点
目標達成のための方策
患者サービスの向上
接遇マナーの向上
地域医療との連携
継続看護の充実
収支の改善
病床の効率的な運用
医療安全の確保
医療安全対策の強化
外来看護サービスの向上
在宅療養患者の支援
チーム医療の推進
カンファレンスの充実
*1
医療の標準化
クリニカルパス活用の拡
大 *2
救急看護の強化
救急看護のレベルアップ
キャリアアップ
高い臨床実践能力を備え
た人材の育成
働きやすい職場環境の実現
職員のやる気・やりがい
感の向上
人材育成
専門性の向上
地域連携
収支の改善
安心な看護の提供
救急看護の強化
医療安全の確保
外来看護サービスの向上
チーム医療の推進
医療の標準化
職員満足度の向上
キャリアアップ
働きやすい
職場環境の実現
*1 カンファレンス:事例検討会
*2 クリニカルパス:特定の疾患や手術・検査ごとに治療のルーチンワークをチャート様式にし、必要な看護を適時に提供するためのツール
41
業績評価指標
H16
実績値
H21
目標値
H22
目標値
H23
目標値
研修回数
−
5回/年
5回/年
5回/年
マナー評価回数
−
3回/年
3回/年
3回/年
患者満足度(入院・外来)
−
80%
80%
アクションプラン
・退院時アンケート(毎月集計)を実施し、問題
80% 点の改善を図る。
・外来患者アンケート(1回/年)を実施し、問題
点の改善を図る。
看護退院要約の作成率
85.0%
100%
100%
100% ・退院時に師長・主任による監査を実施する。
逆紹介率
27.7%
60%
60%
60% ・訪問看護ステーションへの紹介を推進する。
16日/人
13日/人
13日/人
95.7%
97%
97%
平均在院日数
病床利用率(入院ベース)
13日/人
・クリニカルパスを活用し、医療の標準化と効率化を図る。
97% ・ベッドコントロールを適切に行う。
一人当たり一月平均超過勤務時間数 16時間/月 13時間/月 13時間/月 13時間/月 ・病院総合情報システムを導入する。(平成18年5月から)
転倒転落アセスメントシートの使用率 *3
−
100%
100%
セーフティマネジメントシステム事例検討改善例
20件/年
42件/年
42件/年
100% ・転倒転落アセスメントシートの使用を徹底する。
・医療安全管理委員会で事例の検討及び分析を行
42件/年 い、改善策をマネジメント研修会で職員へ周知す
る。
在宅療養患者に指導相談ができる看護師数
1人
5人
5人
各看護単位の合同カンファレンス回数
−
1回/週
1回/週
24件
198件
199件
2回/年
5回/年
5回/年
5回/年
1∼3年目
全員
全員
全員
認定クリニカルパス数
救急蘇生の研修会開催回数
臨床実践能力評価の拡大
院外研究業績発表数
5人 ・認定看護師の育成を図る。
1回/週 ・合同カンファレンスの開催を周知徹底する。
・クリニカルパス委員会の委員を中心に、各部署
200件 で疾患別クリニカルパスの作成を推進する。
論文 1/年 論文 5/年 論文 5/年 論文 5/年
・研究発表を促進する。(看護部研修委員会)
発表13/年 発表23/年 発表23/年 発表23/年
目標管理の達成度(5段階評価)
3.0
4.0
4.0
職員満足度「仕事にやりがいを感じていますか」
84%
70%
75%
4.0 ・師長がスタッフと面接し、目標達成の支援を行う。
・職員満足度調査(1回/年)を行い、問題点の改善を図
80% る。
・目標管理面接の実施と指導を行う。
認定看護師数
専門領域の資格取得者数
3人
13人
13人
13人 ・認定看護師養成研修会への参加を拡大する。
23人
32人
32人
32人 ・研修へ積極的に参加できる勤務調整を行う。
*3 転倒転落アセスメントシート:転倒・転落の危険性を予測し防止するため、転倒・転落に関連する患者の情報を記載したシート
42
ウ.マネジメントシート(その他の部門)
部門名 広島市立広島市民病院 その他の部門
役割
広島市の中核病院としての自覚をもち、患者さまの立場にたった医療の提供を行い、患者さまから選ばれる病院づくりに
寄与します。
運営
方針
市民から信頼され、愛される病院を目指し、専門的知識・技術の向上、保持に努め、安全、迅速かつ質の高い医療を提供
します。
区分
戦略マップ
戦略目標
安全な薬物療法の提供
指導入院患者数の増加
患者満足度の向上
顧客の
視点
目標達成のための方策
迅速、的確な放射線診療の提供 MDCT、MRI、放射線治療
装置の導入 *1・2
・安全な薬物療法の提供
・迅速、的確な放射線診療の提供
患者満足度の向上
患者ニーズに即した食事提供
職員の接遇に対する意識の向上
収支の改善
財務の
視点
費用の削減
収 支 の 改 善
患者満足度の向上
内部プ
ロセス
の視点
学習と
成長の
視点
収入の増加、確保
満足度の高い食の提供
配膳の迅速化
ボランティア推進
ボランティアの活動促進
職員のスキルアップ
研修等への参加
・満足度の高い食の提供
・ボランティア推進
専門資格等の取得
職員の
スキルアップ
*1 MDCT:多列検出器CT
*2 MRI:磁気共鳴画像
43
業績評価指標
服薬指導患者実施率
H16
実績値
H21
目標値
H22
目標値
H23
目標値
アクションプラン
50%
55%以上
55%以上
26,165件/年
42,000件/年
42,000件/年
42,000件/年 ・現有のCT、MRI、放射線治療装置を順次更新し、質の
向上と検査、治療までの待機期間を短縮する。【放射線
科】
80.5%
85%
85%
85% ・経腸栄養の普及指導,毎日の献立の工夫により、喫食
者を増加させる。【栄養室】
73.6%
(外来)
80%
80%
80% ・接遇研修を実施する。【事務室】
服薬指導件数
1,424件/月
18,000件/年
18,000件/年
特別食の提供
26.80%
30%
30%
60,186千円
5,000千円
4,500千円
4,500千円 ・病院総合情報システムの導入により、フィルムレス化
を図る。【放射線科】
2.5時間
2時間以内
2時間以内
2時間以内 ・ベルトコンベアーによる盛り付け方式により、盛り付
け時間を短縮する。【栄養室】
12人
20人
21人
22人 ・ホームページ等での募集案内を充実する。【事務室】
CT、MRI等の診療件数
喫食者/入院患者数の割合
患者満足度
フィルム購入費 調理から喫食までの時間
ボランティア人数
生涯研修認定薬剤師数 *3
専門資格の取得人数
各種学会、研修会への参
加件数
接遇研修開催数
55%以上 ・調剤業務等の機械化により、効率的に業務を推進す
る。【薬剤部】
18,000件/年 ・院外処方箋発行率の上昇(最低限70%以上)により指
導時間を確保する。【薬剤部】
30% ・医師等他部門との食種選択についての連携。献立工
夫、経腸栄養の良さをPRする。【栄養室】
3名
10名
10名
10名 【薬剤部】
12人
25人
26人
27人 【臨床検査部】
−
20回/人・年
20回/人・年
2回/年
4回/年
4回/年
20回/人・年 【放射線科】
4回/年 【事務室】【薬剤部】【臨床検査部】【放射線科】
*3 生涯研修認定薬剤師:日本病院薬剤師会所定単位履修(年間40単位以上で5年間の継続)した薬剤師
44
2
舟入病院
(1) 運営の基本方針
ア.基本理念
本病院は、市民のための病院であることを常に念頭におき、すべての患者さま
に心のこもった最善の医療サービスを提供することにより、地域の人々に信頼さ
れる病院づくりをめざします。
イ.基本方針
(ア) 病院内のすべての安全を第一に考えます。
(イ) 患者さま一人ひとりの尊厳と権利を守ります。
(ウ) 積極的に十分な情報を提供し、開かれた病院をめざします。
(エ) 病院運営に主体的に参画し、経営健全化に努めます。
(オ) 病院職員にとって働きがいのある病院をめざします。
(2) 医療機能
舟入病院は、広島二次保健医療圏において、他の市立病院との役割分担のもと、
内科・小児科の毎日夜間救急診療や内科・小児科・耳鼻咽喉科・眼科の年末年始救
急診療などを行う初期及び二次救急医療機関として、また、急性灰白髄炎や重症急
性呼吸器症候群(SARS)等の二類感染症及び新型インフルエンザ等を担当する
第二種感染症指定医療機関並びに原爆被爆者健康診断機関として政策的医療を担
うとともに、市民の健康保持に必要な医療を提供してきました。
急速な少子高齢化、医療技術の進歩、市民の意識の変化など医療を取り巻く環境
が大きく変化し、さらに、世界規模の感染症の流行が危惧される状況の中、舟入病
院は今後とも、政策的医療を担いつつ、これら環境の変化や課題に適切に対応して
いくため、他の市立病院等との連携のもとに医療の質やサービスの向上に努め、よ
り安全で信頼される医療を提供します。
【取組】
ア.診療体制の見直し
昭和52年
(1977年)
から開設された内科の夜間救急診療については、
年々
患者数が増加し、患者集中により待ち時間が長い時間帯があることや、また、舟
入病院では対応できない心臓や脳血管の疾病と思われる症例の患者が来院し、他
の病院に転送しなければならない事例もあるなど課題が生じてきています。
こうした問題の解決のため、内科の夜間救急診療体制の見直しを行い、平成1
8年(2006年)12月から広島市民病院へ移管するとともに、一般内科の診
療時間を午後9時まで延長して、通常の診療時間帯での受診が難しい勤労者・学
生等の利便の向上を図ります。
45
また、内科外来については、新患・急患を対象とする総合内科診療に加え、
喘息専門外来、高血圧専門外来、睡眠呼吸障害専門外来及び潰瘍・ピロリ外来
の設置を行うなど内科診療の充実を図り、市民に分かりやすい医療の提供を図
ります。
さらに、広島市医師会が平成21年(2009年)3月に開設する広島市医
師会千田町夜間急病センター(内科・眼科)の後方支援病院として紹介患者を
積極的に受け入れていきます。なお、同センターにおいては、眼科の夜間診療
も年末年始を除く毎日実施することから、舟入病院での眼科の土曜日夜間救急
診療は廃止します。
(年末年始については、引き続き舟入病院において実施しま
す。
)
イ.開放型病床の設置等
地域医療機関から患者を受け入れて、主治医と共同で診療を行う開放型病床
を、平成18年(2006年)5月に設置するとともに、コーディネーターを
配置して地域医療機関との連携のもと、地域の医療ニーズに応えていきます。
ウ.小児医療の充実
急速な少子化の進展に伴い子育て支援が国の重要課題としてあげられていま
す。
舟入病院では、小児救急医療拠点病院として小児科の24時間365日の診療
を行い、いつでも安心して受けられる小児医療の提供に努めてきています。
近年、不登校に関する問題や、災害、虐待及び犯罪被害などに伴う心的外傷後
ストレス症候群の問題等、こどものこころの問題がクローズアップされています。
摂食障害や不登校など、思春期のこころの問題について、健全な発達を医療の面
から支援するため、平成16年度(2004年度)に小児心療科(精神科)を開
設しました。また、小児のアトピー性皮膚炎を専門的に扱う皮膚科及び難病児等
の短期入所事業を開始して、小児医療の充実に努めてきました。
今後、小児科については、現在の喘息などのアレルギー外来、てんかんなどの
小児神経外来、川崎病児のフォローを中心とした循環器外来、肥満・低身長など
を対象にした内分泌代謝外来の充実を図るとともに、
小児を対象とした新たな診
療科の必要性について検討を行うなど、社会のニーズに的確に対応した小児医療
のより一層の充実に取り組みます。
また、地域唯一の小児救急医療拠点病院として、現在、前期研修医等の若手医
師の研修の場を提供しており、今後も指導体制を充実させ、小児プライマリーケ
ア研修の拠点として機能を充実します。
エ.外科及び小児外科の充実
外科及び小児外科については、虫垂炎、消化管穿孔、イレウス等の急性腹症や
そけいヘルニア等の短期滞在手術を2本の柱として取り組むとともに、消化管悪
性腫瘍の手術の増加を目指します。さらに、外来部門では、ヘルニア専門外来に
加え痔疾患外来及び胆のう外来を新設し、外来患者数の増加を目指します。
46
オ.緩和ケアチームの編成
生命を脅かす疾患に直面する患者とその家族のQOL(生活の質)の改善を
図るため緩和ケアチームを編成し、医療の質の向上に一層努めます。
カ.新型インフルエンザ対策
新型インフルエンザ患者の発生に的確に対応できるよう、感染病棟の受入体制
の整備や職員への研修等に取り組みます。
キ.服薬指導等の充実
入院医療の充実を図るため、薬剤師による入院患者に対する服薬指導を積極的
に行い、服薬指導件数の増加を図ります。
また、院外処方については、平成19年(2007年)9月から段階的に実
施して、院外処方率の向上を図り、外来患者の投薬待ち時間短縮と調剤業務の
軽減を図ります。
ク.チーム医療の推進
患者の病状、問題点を多面的・効率的に把握するため医師、看護師等関係職種
によるカンファレンスを積極的に実施して、チーム医療の推進に努め、より質
の高い医療を提供します
ケ.病床の見直し
感染症の疾患や術後の重症患者及び緩和ケアを必要とするがん患者の受入体
制の強化並びに病室の療養環境の向上を図るため、多床病室の見直しを行いま
す。
コ.情報化(ICT化)の推進
医療情報の増大やチーム医療の進展による患者情報の共有化の必要性などに
対応するため、平成21年度(2009年度)に現行の病院医療情報システム
に統計機能の充実やレセプトオンライン請求等の機能を加えた内容で更新する
とともに、電子カルテシステムを核とする病院総合情報システムを平成26年
度(2014年度)に導入する方向で、引き続き検討を進めます。
47
(3) 医療安全対策
患者の安全確保のため、問題事例に関して情報収集、調査分析のうえ改善策を
講じて、医療事故防止に病院全体で組織的に取り組みます。
【取組】
ア.医療安全対策委員会の定期的な開催
医療安全対策委員会を定期的に開催し、適宜、看護・薬剤等の業務手順を見直
すなど事故防止改善策を講じて、患者の安全確保に努めます。
(4) 広報の充実
病院の医療情報を市民により分かりやすく提供します。
【取組】
ア.広報委員会の定期的な開催
院内の広報委員会を定期的に開催し、ホームページの内容の充実、広報紙の
定期発行等により最新の病院情報を提供するよう努めます。
(5) 患者サービスの向上
患者のニーズを踏まえた医療の提供を行うため、患者アンケートの実施等によ
り問題点の把握とその改善に取り組み、患者サービスの向上を図ります。
【取組】
ア.患者サービス委員会での取組
患者サービス委員会を定期的に開催し、患者の意見・要望や職員からの提案を
参考にしながら接遇の改善、利便性の向上及び患者プライバシーの確保などにつ
いて検討し、患者サービスの向上を図ります。
また、定期的に研修会を開催し、職員に周知徹底します。
イ.患者アンケートの実施
定期的に患者アンケートを実施して、職員の対応・態度、施設環境、待ち時間
等について患者満足度を調査します。
調査結果をもとに、問題点を把握し改善策を講じて、患者満足度の向上を図
ります。
ウ.快適な療養環境の提供
ボランティアによる院内への絵画展示や花壇への植栽を行い、患者に快適な
療養環境を提供します。
48
(6) 経営改善の取組
舟入病院の経営状況は、平成10年度(1998年度)まで一般会計補助金に
より赤字補てんを受けていましたが、平成11年度(1999年度)以降はこの
一般会計補助金がなくなり、赤字決算を計上しています。
このため、平成15年度(2003年度)以降、経営健全化計画(平成15年
度(2003年度)∼平成17年度(2005年度))を策定するなど、継続的に
経営の健全化に取り組んでいます。
しかし、診療報酬のマイナス改定が続いていることや救急医療業務の再編(内
科夜間救急診療業務の広島市民病院への移管)の影響により、収益が減少し、今
後も厳しい経営環境が続くことが予想されます。
このため、引き続き経営改善に取り組み、経営の健全化に努めます。
【取組】
ア.患者数増による収入増加
他の市立病院やその他の地域医療機関との一層の連携を図るため、
医療連携室
の強化を行い、紹介率の向上、開放型病床の登録医を増加させるとともに、専門
外来の充実、短期滞在手術の推進による手術件数の増加、救急車の積極的な受入
れ及び重症患者の治療に対応するための個室の整備、さらに、脳ドック・肺がん
ドックの実施など医療機能の充実と患者サービスの向上に努めることにより、一
般病床利用率は82%以上を目標とします。
また、一般外来患者数は、平成16年度(2004年度)の1日平均実績
227.7人から、平成23年度(2011年度)1日平均250人を目標とし
ます。
イ.医療費個人負担分の収納率向上
医療費の個人負担分を確実に収納することは、病院経営の健全化を推進する
うえで、重要な課題であり、これまで以上に収納対策に取り組みます。
また、クレジットカードによる収納を実施するなど、未収金の発生防止にも取
り組みます。
ウ.費用の削減
計画的な業務執行や、
業務分担の見直し等により時間外勤務手当の削減並びに
不要電灯の消灯、職員の階段利用の促進及び冷暖房の適切な温度の徹底等により、
光熱水費の節減に努めます。
また、これまで舟入病院単独で契約していた薬品については、平成17年度
(2005年度)に他の2病院と単価を統一しましたが、平成18年度
(2006年度)には、診療材料についても単価の統一を図り、購入額の削減
を図ります。
49
エ.職員のコスト意識の向上
定期的に経営改善委員会等を開催し、病院の経営状況を報告することにより、
職員の病院運営への主体的参加とコスト意識を促します。
オ.外部評価の推進
平成18年(2006年)4月に、医療機関の機能を評価・審査する「病院
機能評価」の認定を取得するとともに、5年後の平成23年度(2011年度)
に更新認定が受けられるよう、医療の質の向上とサービスの改善に努めます。
カ.職員満足度の向上
経営の健全化を図るためには、職員が病院運営に主体的に参加し、経営方針を
理解し、円滑なコミュニケーションのもと、働きがいを感じる良好な職場環境と
することが重要であるため、職員の満足度についてアンケート調査を実施して、
問題点の把握・改善を行い、職員のモチベーション向上に努めます。
(7) 環境への配慮
地球温暖化への対応など、全地球規模で環境に配慮する取組が始まっています。
今までより更にエネルギー消費を抑え、エネルギー利用効率を向上させることが
重要です。
【取組】
ア.電気、ガスの使用量の削減
エレベーター、照明器具等を効率的に使用して電気使用量の削減を図り、ま
た、冷暖房温度を適切に管理してガス使用量の削減を図ります。
イ.ごみの排出量の削減
ペーパーレス化、両面・裏紙コピーの推進等により、ごみの排出量の削減を
図ります。
ウ.環境負荷の低減に資する物品等の使用
物品等の購入にあたっては、その原材料、部品等が環境負荷の低減が可能な
ものを優先的に使用するとともに、購入数量をできるだけ抑制するよう合理的
な使用に努めます。
50
(8)中期経営計画の目標(病院全体のマネジメントシート)
病院名
広島市立舟入病院
ビジョン
市民のための病院であることを常に念頭におき、すべての患者さまに心のこもった最善の医療サービスを提供することにより、
地域の人々に信頼される病院づくりをめざします。
経営
方針
1 病院内のすべての安全を第一に考えます。 4 職員が病院運営に主体的に参加し、経営改善に努めます。
2 患者さま一人ひとりの尊厳と権利を守ります。 5 働きがいのある病院をめざします。
3 積極的に充分な情報を提供し、開かれた病院をめざします。
戦略マップ
区分
戦略目標
目的達成のための方策
病院の信頼度の向上 地域医療機関との連携強化
病院の信頼度の向上
患者満足度の向上
患者ニーズを踏まえた医療の提供
年末年始の小児救急の待ち時間短
縮
医療機能の充実
顧客の
視点
患者満足
度の向上
災害時へ
の対応
医療機能
の充実
外科・小児外科の充実
専門外来の充実
服薬指導の充実
災害時への対応
職員の対応能力の向上
経営の健全化
収入の確保、費用の削減
経営の健全化
財務の
視点
安全で快適な
環境の実現
診療体制の整備
開放型病床の新設
診療体制の整備
チーム医療の推進
内部プ
ロセス
の視点
安全な医療の確保
医療事故の未然防止
安全な医療の確保
安全で快適な環境の実 環境への配慮
現
職員のモチベーション向上 職員満足度の向上
学習と成
長の視点
職員の専門性向上
職員の専門性
向上
職員のモチベー
ション向上
*1 経常収支比率等の算出方法は、国(地方公営企業決算状況調査)に合わせている。
*2 カンファレンス:事例検討会
51
専門知識の習得
H16
実績値
業績評価指標
紹介率
H22
目標値
H23
目標値
アクションプラン
12.3%
23%
26%
30% ・医療連携室の機能充実を図り、地域医療機関に対する広報を行う。
-
80%
80%
80%
(H15)64分
45分
45分
患者満足度
平均待ち時間
H21
目標値
・アンケート調査を定期的に実施して、問題点を把握し改善に努め
る。
・年末年始に開院する協力病院を増やすよう関係機関へ要望するとと
45分 もに、待ち時間の説明や表示を行い患者の不安を少しでも和らげるよ
うに努める。
手術件数
560件/年
600件/年 650件/年
710件/年 ・ヘルニア、痔疾患、胆のう手術等の件数を増やす。
短期滞在手術件数
203件/年
310件/年 340件/年
350件/年 ・短期滞在手術を推進し専門医療機関として広報する。
専門外来数 内科
2科
4科
4科
4科 ・喘息、高血圧、睡眠呼吸障害、潰瘍・ピロリ専門外来を開設する。
小児科
3科
4科
4科
4科 ・アレルギー、神経、循環器、内分泌専門外来を開設する。
外科
1科
3科
3科
3科 ・そけいヘルニア、痔疾患、胆のう専門外来を開設する。
服薬指導件数
31件/年
600件/年 600件/年
600件/年 ・院外処方の実施率向上を図る。
災害訓練の実施
-
1回/年
1回/年
1回/年
経常収支比率
-
93%
95%
96%
医業収支比率
-
84%
87%
87%
-
60%
57%
58%
-
17%
17%
17%
-
14%
14%
14%
65.7%
76%
80%
82% ・地域医療機関との連携強化及び広報の充実
・療養環境の向上を図るため多床病室の見直し
職員給与費比率
材料費の医業収益比率
薬品費の医業収益比率
一般病床利用率
(入院ベース)
一般外来患者
医療費個人負担分の
収納率
*1
227.7人/日
240人/日 245人/日 250人/日
・地域医療機関連携強化、広報の充実、専門外来の充実及び一般内科
の診察受付時間の延長を図る。
・督促、催告の早期実施、法的措置等収納強化策のさらなる充実を図
る。また、クレジットカードでの支払いの導入を図る。
H22に設定する
93.5%
94%
-
10%
10%
6回/年
12回/年
12回/年
-
5床
5床
医療スタッフによるカン
ファレンス *2
2回/年
60回/年
60回/年
60回/年 ・NST、リハビリ等を対象に積極的に実施する。
事故防止改善事例件数
6件/年
10件/年
10件/年
10件/年
-
10%削減
10%削減
10%削減 ・ペーパーレス化、両面・裏面コピーの推進を行う。
-
55%
70%
71件/年
85件/年
85件/年
時間外勤務手当の削減率
(対16年度削減率)
経営改善委員会・診療体
制検討会議の開催
開放型病床数
ごみ排出量の削減
(対17年度削減率)
職員満足度
講演、発表、論文発表数
院内研修参加者数
認定看護師数
10% ・計画的な業務執行や、業務分担の見直し等を行う。
12回/年
5床 ・主治医と共同で診療を行う開放型病床を設置する。
80%
・毎月、医療安全対策委員会を開催して、情報を共有し改善に取り組
む。
・アンケート調査を定期的に実施して、問題点を把握し改善に努め
る。
85件/年 ・学会発表、論文発表等の奨励推進を図る。
845人/年 1,000人/年 1,000人/年 1,000人/年 ・院内教育研修委員会によるニーズに応じた研修会の開催及び参加促
進を図る。
-
2人
2人
3人
・認定看護師教育専門課程に看護師を派遣して、認定看護師を育成す
る。
52
ア.マネジメントシート(診療部)
部門名
広島市立舟入病院 診療部
役割
救急医療、感染症医療及び専門医療等について、すべての患者さまに心のこもった最善の医療サービスを提供しま
す。
運営
方針
地域医療機関と連携して、救急医療の充実、専門外来の充実、勤労者医療支援及び小児医療の拡充を図り、地域か
ら信頼される病院をめざします。
戦略マップ
区分
戦略目標
目的達成のための方策
地域医療の 地域医療機関から
支援・連携 患者受入れ
地域医療の支援・連携
小児心療の関係機関
との連携
専門医療の
専門外来の充実
提供
顧客の
視点
専門医療の提供
医療機能の充実
医療機能の
外科・小児外科の充実
充実
小児救急医療の向上
収支の改善 患者の増加
財務の
視点
収支の改善
診療体制の 開放型病床の新設
整備
診療体制の整備
チーム医療の推進
内部プロセス
の視点
診療情報の
管理向上
安全な医療
の確保
安全な医療
医療事故の未然防止
の確保
診療情報の
診療経過に関する記録の充実
管理向上
学習と
成長の
視点
職員のモチ
職員満足度の向上
ベーション
向上
診療技術、知識の
向上
職員のモチベーショ
ンの向上
診療技術、
知識の向上
*1 カンファレンス:事例検討会
*2 退院サマリー:退院患者の入院中における診療経過等を簡潔に要約し記録したもの
53
学会等に積極的に参加
専門医資格の取得、維持
業績評価指標
紹介率
H16
実績値
H21
目標値
H22
目標値
H23
目標値
・医療連携室の機能充実を図り、地域医療機関に対する広報を行
う。
12.3%
23%
26%
60人/年
84人/年
88人/年
専門外来数 内科
2科
4科
4科
4科
小児科
3科
4科
4科
4科 ・アレルギー、神経、循環器、内分泌専門外来を開設する。
外科
1科
3科
3科
3科 ・そけいヘルニア、痔疾患、胆のう専門外来を開設する。
関係機関との連携数・
紹介数
30%
アクションプラン
96人/年 ・地域医療機関、教育機関、行政機関とケースカンファレンス等を
実施する。
・喘息、高血圧、睡眠呼吸障害、潰瘍・ピロリ専門外来を開設す
る。
手術件数 560件/年 600件/年 650件/年 710件/年 ・ヘルニア、痔疾患、胆のう手術等の件数を増やす。
短期滞在手術件数
203件/年 310件/年 340件/年 350件/年 ・短期滞在手術を推進し専門医療機関として広報する。
小児HCUの管理患者数
・小児科、小児外科、麻酔科の医師及び看護師による集中治療
チーム体制を整備する。
10人/年
15人/年
15人/年
15人/年
65.7%
76%
80%
82%
入院患者 内科
41.5人/日
48人/日
48人/日
48人/日
・救急車による患者の受入れ、開業医等からの紹介入院患者数増を
図る。
外科
(小児外科・麻酔科含
む)
27.6人/日
26人/日
28人/日
30人/日
・ヘルニア手術、胆のう手術等の件数増を図る。
緩和ケアの必要な患者を受入れる。
小児科 30.8人/日
30人/日
31人/日
32人/日 ・小児重度慢性治療患者増を図る。
一般病床利用率
(入院ベース)
一般外来患者 内 科 107.8人/日 118人/日 118人/日 118人/日
・地域医療機関との連携強化及び広報の充実
・療養環境の向上を図るため多床病室の見直し
・救急者の積極的な受入れ、地域医療期間との連携強化、専門外来
の充実及び診療受付時間の延長を図る。
外 科
21.3人/日
(小児外科含む)
22人/日
23人/日
25人/日 ・地域医療機関との連携強化及び専門外来の充実を図る。
小児科
86.4人/日
81人/日
82人/日
83人/日 ・専門外来の充実を図る。
麻酔科
4.0人/日
5人/日
6人/日
小児心療科
7.7人/日
15人/日
15人/日
-
5床
5床
開放型病床数
小児慢性疾患通院患者
数
他職種とのカンファレ
ンス回数 *1
事故防止改善事例件数
(病院全体)
退院サマリーの1週間
以内作成率 *2
職員満足度
学会等参加回数
内科医師の専門医育成
6人/日 ・ペインクリニック外来の認知度を広報により上げる。
15人/日 ・地域医療機関、教育機関、行政機関との連携を強化する。
5床 ・主治医と共同で診療を行う開放型病床を設置する。
200人/月 300人/月 325人/月 350人/月 ・小児科医の専門分野を明確にしチームによる治療を行う。
2回/年
60回/年
60回/年
60回/年 ・NST、リハビリ等を対象に積極的に実施する。 6件/年
10件/年
10件/年
10件/年
60.0%
90%
90%
90% ・退院サマリーの早期作成を周知徹底する。
-
55%
70%
80% ・アンケート調査を定期的に実施して、問題点を把握し改善に努める。
48回/年
58回/年
58回/年
5名
6名
6名
・毎月、医療安全対策委員会を開催して、情報を共有し改善に取り
組む。
58回/年 ・学会、研修会への参加を積極的に行う。
6名 ・専門医の学会資格取得を促進するため、若手医師に対する指導を充実す
る。
54
イ.マネジメントシート(看護科)
部門名
広島市立舟入病院 看護科
役割
すべての患者さまに、安全な環境と心のこもった安心できる看護を提供します。
運営
方針
1 ひとり一人の患者さまの権利を尊重します。 4 病院の運営に参画し健全経営に努めます。
2 他部門と連携しチーム医療の充実に努めます。 5 地域医療に貢献します。
3 看護サービスの向上に向けて自己研鑽します。
戦略マップ
区分
戦略目標
目的達成のための方策
地域医療・看 在宅医療の推進
護の提供
地域医療・看護の提供
地域とのネットワーク構築
患者満足度の
患者が納得する治療
向上
顧客の
視点
入院期間の短縮
患者権利の尊重
感染・褥瘡防止
患者満足度の向上
患者権利の尊 患者プライバシーの保護
重
収支の改善
財務の
視点
入院患者の増加
収支の改善
在庫管理の適正化
チーム医療の
他職種との連携
充実
安全な医療の確保
内部プロセス
の視点
チーム医療の充実
安全な医療の
医療事故の未然防止
確保
職員の専門性
専門知識の習得
向上
学習と
成長の
視点
職員の専門性向上
職員のモチベーション
向上
職員のモチベー
職員満足度の向上
ション向上
*1 カンファレンス:事例検討会
*2 クリニカルパス:特定の疾患や手術・検査ごとに治療のルーチンワークをチャート様式にし、必要なケアを適時に提供するためのツール
55
業績評価指標
在宅療養(一人暮らし、在宅
ケアの必要な人)のための関
係機関連携
公民館等で出前講座の実施
医師・看護師同席の説明実施率
(長期入院患者、がん患者等を
対象)
クリニカルパスの適用件数 *2
H16
実績値
H21
目標値
H22
目標値
70%
90%
90%
2回/年
12回/年
12回/年
20%
60%
70%
H23
目標値
アクションプラン
90% ・退院予定患者の在宅準備のため、保健師、ケアマネージャー、民
生委員等とカンファレンスを行う。*1
医療連携室を充実強化し、退院調整を行なう。
12回/年
80% ・医師と看護師の連携をシステム化し強化する。
606件/年 1360件/年 1380件/年 1400件/年 ・クリニカルパス委員会で、クリニカルパスの使用状況を把握し、
また、治療が目標どおり進まなかった事例について検討する。
院内巡視回数
2回/年
4回/年
4回/年
4回/年
褥瘡発生件数
8件/年
0件/年
0件/年
0件/年 ・褥瘡研修とチームカンファレンスを充実する。
患者プライバシーに関する
5件/年
0件/年
0件/年
0件/年 ・個人情報保護条例の遵守や看護者の倫理要綱に基づいた行動を行
い、個人情報の保護に努める。
65.7%
76%
80%
1回/2ヶ月
5回/週
5回/週
5回/週 ・各部署単位に日常点検を実施する。
中央材料室棚卸し回数
1回/年
2回/年
2回/年
2回/年
他職種とのカンファレンス回数
2回/年
60回/年
60回/年
60回/年 ・NST、リハビリ等を対象に積極的に実施する。
事故防止改善事例件数(病
院全体)
6件/年
10件/年
10件/年
10件/年
・毎月、医療安全対策委員会を開催して、情報を共有し改善に取り
組む。
-
2人
2人
3人
・認定看護師教育専門課程に看護師を派遣して、認定看護師を育成
する。
7件/年
15件/年
15件/年
-
55%
70%
苦情件数
一般病床利用率(入院ベース)
診療材料の部署ごとの点検
回数
認定看護師数
看護研究の院内外での発表
件数
職員満足度
82% ・ベッドコントロールを徹底する。
15件/年 ・研究発表の奨励推進を図る。
80% ・アンケート調査を定期的に実施して、問題点を把握して改善に努
める。
・病院の方針を示し、組織活性化のための研修の実施。目標管理の
実践。他部門とのコミュニケーションの改善を図る。
56
ウ.マネジメントシート(その他の部門)
部門名
広島市立舟入病院 その他の部門
役割
・舟入病院が市民により信頼される病院となるため、患者さま中心の医療の提供に努めます。また、病院経営の健全化を
図り、職員が働きがいを持てるような組織運営、経営管理に努めます。
運営
方針
・患者さまに対するサービスの向上を図り、安全で最善の医療サービスを提供し、収入の確保、業務の効率化等による経
営改善の推進及び人材の養成を行います。
戦略マップ
区分
戦略目標
病院の信頼度の向上
目的達成のための方策
患者満足度の
接遇の向上
向上
検査の迅速・効率化
安心と納得の検査実施、技師の
接遇の向上及びトラブル防止
患者ニーズを踏まえた対応
顧客の
視点
年末年始の小児救急の待ち時間
短縮
災害時への対応
栄養指導の充実
患者満足度の向上
災害時への
対応
職員の対応能力の向上
収支の改善
収入の増加、確保
収支の改善
財務の
視点
費用の削減
収入の増加、費用の削減対策
内部プ
ロセス
の視点
安全で快適な
環境の実現
検査の質の
向上
検査の質の
向上
検査精度の向上・維持
安全で快適な
環境への配慮
環境の実現
職員のモチベーショ 職員の満足度向上
ン向上
職員のモチ
ベーション向上
学習と
成長の
視点
職員の専門性向上
職員の専門性
臨床検査技師の専門性向上
向上
*1 RI検査:放射性同意元素を体内に投与し、対外から専用の機器でガンマ線の分布を測定することで、病気や臓器の状態を診断する検査
57
業績評価指標
患者満足度
平均待ち時間
栄養指導件数
災害訓練の実施
H16
実績値
H21
目標値
H22
目標値
-
80%
80%
(H15)64分
45分
45分
H23
目標値
80%
アクションプラン
・アンケート調査を定期的に実施して、問題点を把握し改善に努め
る。
45分 ・年末年始に開院する協力病院を増やすよう関係機関へ要望すると
ともに、待ち時間の説明や表示を行い患者の不安を少しでも和らげ
るように努める。
45件/年 144件/年 162件/年 180件/年 ・入院時に病棟訪問を行い、退院時の栄養指導を勧め、退院時に栄養
指導を実施する。また、高血圧専門外来の開設に合わせて週2枠の指
導日を追加し、さらにNSTの充実により栄養指導を強化する。
-
1回/年
1回/年
1回/年
服薬指導件数
31件/年 600件/年 600件/年 600件/年 ・院外処方の実施率向上を図る。
紹介RI検査件数 *1
38件/年 20件/年 24件/年 29件/年 ・医療機関への広報活動を強化する。
紹介骨密度検査件
数
89件/年 44件/年 53件/年 64件/年 ・医療機関への広報活動を強化する。
医療費個人負担分
の収納率
93.5%
94%
時間外勤務手当の削
減率(対16年度削減率)
-
10%
経営改善委員会・診
療体制検討会議の
開催
精度管理点数
ごみ排出量の削減
(対17年度削減率)
H22に設定する
10%
・督促、催告の早期実施、法的措置等収納強化策のさらなる充実を
図る。また、クレジットカードでの支払いの導入を図る。
10% ・計画的な業務執行や、業務分担の見直し等を行う。
6回/年 12回/年 12回/年 12回/年
95点 95点以上 95点以上 95点以上 ・広島県医師会に毎年、精度管理を依頼し、現状の精度を最低限維
持していく。
-
10%削減
10%削減
-
55%
70%
10%削減 ・ペーパーレス化、両面・裏面コピーの推進を行う。
職員満足度
(医療技術職)
80%
・各種委員会の情報を職員に周知徹底する。職員間の業務連絡とコ
ミュニケーションを図る。【薬剤科】
・各種委員会の情報を職員に周知徹底する。技師間の業務連絡とコ
ミュニケーションを図る。【放射線科】
(事務職)
超音波検査、細菌
検査が兼務できる
技師数
-
65%
70%
-
4名
5名
80% ・幹部職員の人事管理に対する意識向上を図る。既存委員会を活性
化し、委員外職員に対する情報提供を定例化する。【事務室】
・院内研修及び院外への派遣研修を行って、超音波検査が兼務でき
5名 る検査技師を養成する。
58
3
総合リハビリテーションセンター
(1) 運営の基本方針
ア.基本理念
中途障害者の皆様が住み慣れた地域でいきいきと心豊かな生活を送ることが
できるよう、良質で信頼される総合的なリハビリテーションサービスを提供し
ます。
イ.基本方針
(ア) 中途障害者の社会復帰や社会参加を促進するため、相談・評価から医療・
訓練、就労援助までの総合的なリハビリテーションサービスを一貫した計画
のもとに提供します。また、保健・医療・福祉の関係機関と連携を図り、地
域におけるリハビリテーションを支援します。
(イ) 利用者がリハビリテーションに意欲的に取り組むことができるよう、専門
スタッフが利用者の立場に立って悩みや希望を理解し、サービスの提供等を
行います。
(ウ) リハビリテーション病院では、回復期を中心としたリハビリテーションに
専門スタッフがチームで取り組み、最適のリハビリテーション医療を提供し
ます。また、インフォームド・コンセントを徹底し、安全で信頼される医療
を提供します。
(エ) 自立訓練施設では、家庭、職場、地域での生活を再構築するため、最適の
訓練等を実施します。
(2) 相談・医療・訓練機能の充実
総合リハビリテーションセンターは、生活習慣病に起因する脳血管障害など
の疾病や交通事故等に伴う脊髄損傷などにより人生の中途に障害を負われ、急
性期の医療を終えた方等に対し、相談・評価から医療・訓練、就労援助までの
総合的なサービスを一貫した計画のもとに提供します。
このため、地域の医療機関との連携や適切な役割分担のもと、医療の質とサ
ービスの向上に努めるとともに、地域のリハビリテーション機能の向上にも寄
与します。
【取組】
ア.総合相談機能の充実
地域の医療機関その他の関係機関と密接に連携し、リハビリテーション病院
及び自立訓練施設への受入調整や退院・退所後の生活支援等を行います。また、
地域で生活する身体障害者の心のケアを含む様々な相談に応じます。
さらに、身体障害者に対する専門的な相談や医学的・心理学的・職能的判定、
身体障害者手帳の交付や福祉用具・自立支援医療の給付認定などを行います。
59
(ア) 総合評価会議の運営
リハビリテーション病院及び自立訓練施設では、それぞれ関係する医師、
看護師、療法士、ソーシャルワーカーなどが参加する総合評価会議を定期的
に開催し、入退院・入退所の審査や個々の状況に応じたリハビリテーション
計画の作成、評価等を行います。
(イ) 地域リハビリテーション活動の推進
総合リハビリテーションセンター利用者だけでなく、全ての身体障害者が
住み慣れた地域でいきいきとした生活を送ることができるよう、福祉・医療
機関の職員を対象にした研修会の開催や関係機関と連携を強化し、地域のリ
ハビリテーション体制の整備に努めます。
イ.医学的リハビリテーションサービス機能の充実
リハビリテーション病院では、障害の改善や機能向上のため、理学療法、作業
療法、言語聴覚療法、心理療法等各種リハビリテーションを患者一人ひとりの
状態に応じて実施し、身体機能の再構築を図ります。
(ア) 高度で専門的なリハビリテーションサービスの提供
回復期のリハビリテーション医療を担う病院にふさわしい、高度で専門的
なリハビリテーションサービスを提供します。
(イ)
チーム医療の推進
医師や看護師、療法士等関係職種によるカンファレンスを積極的に実施し
て、患者一人ひとりの病状、問題点を多面的・効率的に把握することにより、
より質の高い医療を提供します。
(ウ)
NST活動(Nutrition Support Team)の充実
栄養士だけでなく医師や看護師、薬剤師など各専門のスタッフがチームを
編成し、それぞれの知識や技術を出し合い、患者の病状や疾患に応じた適切
な栄養管理を共同して実践するNST活動を積極的に進めます。
(エ) 服薬指導の充実
入院医療の充実を図るため、薬剤師による入院患者に対する薬剤情報の提
供など服薬指導を積極的に行います。
(オ) フォローアップ外来の実施
退院後に、歩行、日常生活動作などの機能が低下しないよう、退院後の患
者に対するフォローアップ外来を計画的に行います。
60
(カ) 医療技術者の資質向上
医師をはじめ看護師や各種療法士、放射線技師、薬剤師等医療に携わる職
員のモラールや能力の向上を図るため、職員の学会や各種研修会等への参加
や資格取得を支援します。
ウ.社会的・職業的リハビリテーションサービスの充実
自立訓練施設を中心に、日常生活動作訓練、ICT訓練、歩行訓練、就労適
応訓練、コミュニケーション手段や余暇活動技術の指導を行い、肢体不自由や
視覚障害など身体障害者の自立と社会復帰や社会参加を促進します。
また、視覚障害者については、施設での訓練に加えて、利用者の自宅を訪問
しての訓練も実施します。
(3) 医療安全対策
医療安全のための運営マニュアル等の作成・見直し、問題事例の研究、改善策
の検討など、医療防止に組織的に取り組みます。
また、医療情報システムを有効に活用し、医療安全対策を進めます。
【取組】
ア.リスクマネジメント委員会の開催
各部署の職員で構成するリスクマネジメント委員会を定期的に開催し、問題
事例に関する情報収集や調査分析、業務手順の見直しなど事故防止改善策を講
じて、患者の安全確保に努めます。
イ.医療情報システムを活用した医療安全対策
(ア) 医師、看護師、療法士等関係職種が情報を共有することにより、思い違い
や記憶の間違いによる医療ミスを防ぎます。
(イ) 薬の相互作用や用法・用量、病名との適合性など明らかな間違いを自動的
にチェックし、医療ミスを防ぎます。
ウ.院内感染防止策の強化
感染対策委員会を中心として、職員に手洗や手指消毒などの周知による予防
意識の徹底を図り、院内感染を防止します。
61
(4)
利用者サービスの向上
利用者に満足した入院・入所生活を送っていただき、自立して社会復帰してい
ただけるよう、真心を込めた暖かいサービスを心がけるとともに、急性期医療を
行う病院や地域の医療機関、障害者団体などとの連携のもと快適な療養環境の提
供に努めます。
【取組】
ア.地域医療機関との連携強化
急性期の医療機関からの患者受入れや、センターでは対応できない病状悪化
など緊急時や退院後の受入れを円滑に行うため、地域連携パスの作成をはじめ
地域の医療機関との密接な連携を図り、急性期から回復期、維持期までの一貫
したサービスを提供できる体制の整備に努めます。
イ.職員研修等の実施
利用者に快いさわやかな印象を持っていただけるよう、接遇研修やあいさつ
運動を継続して定期的に行います。
ウ.利用者サービス向上委員会の開催
利用者サービス向上委員会を定期的に開催し、センター利用者の意見・要望
や職員からの提案を参考にしながら、接遇の改善、利便性の向上及びプライバ
シーの確保などについて検討し、利用者サービスの向上を図ります。
エ.利用者満足度の向上
利用者アンケートを実施して、職員の対応・態度、施設環境等について利用
者の満足度を調査します。
調査結果を踏まえ、問題点を把握し改善策を講じて、患者満足度の向上を図
ります。
オ.外部評価の推進
リハビリテーション病院について、運営が安定した時点で、速やかに病院機
能評価の受審準備に入り、平成22年度(2010年度)に認定が受けられる
よう取り組みます。
62
(5)
経営改善の取組
市立病院として果たすべき役割を担いつつ、自立した経営基盤を確立していく必
要がありますが、当初から厳しい経営状況が続くことが予想されることから、職員
一人ひとりがコスト意識を持ち、効率的なセンター運営を目指します。
【取組】
ア.病床利用率の向上
急性期の医療機関や地域の医療機関との連携のもと、入院患者の受入れや、
退院患者の退院先の選定などを迅速かつ適切に行い、病床の有効利用に取り組
むとともに、適正な在院日数の維持に努めます。
イ.医療費個人負担分の滞納予防
医療費個人負担分を確実に収納する必要があるため、未収金の発生予防と回
収に努めます。
ウ.経費の削減
計画的な業務の執行や、業務分担の見直し等による時間外勤務手当の削減並
びに不要電灯の消灯及び冷暖房の適切な温度管理による光熱水費の節減に努め
ます。
エ.経営管理体制の充実と職員の意識改革の推進
経営分析を行うことにより、数値目標に対する現状把握や目標の修正を行い、
また、この情報を職員が共有することにより経営改善への意識改革を推進しま
す。
オ.職員満足度の向上
職員アンケートを実施して、職場環境等について職員の満足度を調査します。
調査結果をもとに、問題点を把握し改善策を講じて、職員の満足度やモチベ
ーションの向上に努めます。
63
(6)
環境への配慮
地球温暖化への対応など、全地球規模で環境に配慮する取組が始まっています。
今までより更にエネルギー消費を抑え、エネルギー利用効率を向上させることが
重要です。
【取組】
ア.エネルギーの効率的利用
建物の建設にあたり、外断熱工法、太陽光発電、屋上緑化等を採用しました。
引き続き、不要電灯の消灯、冷暖房の適切な温度管理などによるエネルギー
の効率的利用に取り組みます。
イ.水資源の有効利用
雨水を散水やトイレで中水として利用するなど、水資源の有効利用を図りま
す。
ウ.資源のリサイクルの推進
リサイクル可能な再生ゴミの分別の徹底を図ります。
エ.ごみの排出量の削減
ペーパーレス化、両面・裏紙コピーの推進等により、ごみの排出量の削減を
図ります。
64
(7) 中期経営計画の目標(センター全体のマネジメントシート)
病院名 広島市総合リハビリテーションセンター
ビジョン
私たちは、利用者の皆様が住み慣れた地域でいきいきと心豊かな生活ができるよう、良質で信頼される総合的なリハビ
リテーションサービスを真心をこめて提供します。
経営
方針
1 相談・評価から医療・訓練、就労援助までのリハビリテーションサービスを一貫した計画のもとに提供します。
また、地域におけるリハビリテーションを支援します。
2 個人の権利を尊重したサービスを提供します。
3 病院は、最適のリハビリテーション医療を提供します。また、安全で信頼される医療を提供します。
4 自立訓練施設は、地域での生活を再構築するための通過型施設として、最適な相談・訓練等のサービスを提供します。
戦略マップ
区分
戦略目標
目標達成のための方策
医学的リハビリテーショ 効果的なリハビリテー
ンサービス機能の充実
ションの実施
医学的リハビリ
テーションサー
ビス機能の充実
総合相談機能の充実
相談・判定業務の充実
社会的・職業的リハ
ビリテーションサー
ビス機能の充実
社会的・職業的リハビリ 自立訓練施設との連携
総合相談機能
の充実
テーションサービス機能
の充実
顧客の
視点
地域医療機関等との連携
地 域 社 会 へ の 貢 献
地域医療機関等との連携 地域連携診療計画の充実
利用者(患者)
満足度の向上
地域社会への貢献
情報の提供
利用者満足度の向上
利用者のニーズを踏まえ
た医療の提供
経営の健全化
財務の
視点
収入の確保、費用の削減
経営の健全化
医療安全対策の強化
医療の質の向上
内部プ
ロセス
の視点
医療安全対
策の強化
資質の向上
*2
入院医療の方向性の明確 回復期リハビリテーショ
化
ンに特化した機能分担
チーム医療
の推進
チーム医療の推進
チームカンファレンスの
充実
資質の向上
職員研修等の実施
モチベーションの向上
職員の意識改革
職員満足度の
向上
学習と
成長の
視点
*1
医療事故の未然防止
モチベーション
の向上
経常収支比率等の算出方法は、国(地方公営企業決算状況調査)に合わせている。(身体障害者更生相談所及び自立訓練施設に係る給与費等を除いたもので算出)
カンファレンス:事例検討会
65
H21
目標値
業績評価指標
在宅復帰率
H22
目標値
H23
目標値
アクションプラン
75%
75%
75% ・職種間の連携を密にするとともに、退院に向けて地域の医療機関、施
設等の情報収集に努める。
2回/年
3回/年
5回/年 ・身体障害者への助言、情報提供などをより適切に行えるように、福祉
事務所等関係機関を対象とした研修会、講習会の開催する。
10人/年
15人/年
15人/年 ・継続して効果的なリハビリテーションを提供するため、総合相談室を
中心にセンター内での情報の共有に努める。
4回/年
5回/年
20%
30%
6回/年 ・地域の医療機関との情報交換に努め、具体的な連携方法についての検
討を行う。
60%
1回/年
2回/年
利用者満足度
80%
80%
80% ・アンケート調査を実施し、問題点の把握と改善に努める。
経常収支比率
84%
84%
85%
医業収支比率
66%
66%
66%
75%
78%
80%
材料費の医業収益比率
8%
8%
8%
薬品費の医業収益比率
6%
6%
6%
研修会、講習会の開催回数
リハビリテーション病院退院
後の施設利用者数
合同会議の開催回数
回復期対象脳卒中における地
域連携パス利用率
介護教室等の開催回数
職員給与費比率
*1
3回/年 ・障害者に関わる市民等のニーズの把握に努め、定期的に市民向けの講
座を開講する。
医療費個人負担分の収納率
94%
病床利用率(入院ベース)
92%
94%
96% ・急性期病院等との連携を強化するとともに、適切なベッドコントロー
ルを行う。
外来患者数
20人/日
20人/日
20人/日 ・退院患者の機能低下を防止するため、フォローアップ外来の充実を図
る。
時間外勤務手当の削減
(対20年度)
5%削減
8%削減
事故防止改善事例
12例/年
12例/年
12例/年 ・リスクマネジメント委員会を定期的に開催し、事例の分析と改善策の
検討を行い、結果を職員に周知する。
回復期リハビリテーション患
者の割合
85%
85%
85% ・地域の医療機関、患者のかかりつけ医等との連携を強化し、各病院の
役割分担を明確にしていく。
チームカンファレンスの開催
回数
13回/週
14回/週
15回/週 ・医師をはじめとして、看護師、理学療法士等関連スタッフによる効果
的なカンファレンスを実施する。
*2
学会、研修会への参加回数
(センター長を除く医師)
18回/年
18回/年
18回/年 ・個々のスキルアップのため、学会や研修会に積極的に参加する。
700人/年
700人/年
0人
1人
60%
70%
院内研修会への参加者数
認定看護師数
職員満足度
H22に設定する。
・未収金の発生防止策の検討と未収発生時の早期対応を実施する。
10%削減 ・計画的な業務執行に努める。
700人/年 ・教育研修委員会を中心にして、職員に研修の場を提供する。
2人 ・認定看護師の養成に努める。
80% ・アンケート調査を実施し、問題点の把握と改善に努める。
66
ア.マネジメントシート(診療部門)
部門名 広島市総合リハビリテーションセンター リハビリテーション病院 診療部門
役割
運営
方針
脳血管障害、神経難病などの神経疾患や脊髄損傷、大腿骨頚部骨折等による重度障害に対し、質の高いリハビリテーショ
ン医療を提供し、地域医療をリードしていきます。
病院理念に基づき患者様と御家族の立場を尊重した十分な説明など真摯な対応を行い、医学的根拠に基づいた安全なチー
ム医療の励行と実践を行うとともに、地域医療連携を積極的に推進し、健全な病院経営に努めます。
戦略マップ
区分
急
性
期
戦略目標
目標達成のための方策
地域医療機関等との連 急性期病院との連携強化
携
安心して紹介・転
院できるシステム
の構築
かかりつけ医との連携強
化
急性期病院との連携強化
研修会・講習会の開催
機能・日常生活・QOL
(生活の質)を
考慮したチーム医療
顧客の
視点
回
復
期
回復期リハ医療の提供
回復期リハ医療の提供 機能・日常生活・QOLを考
慮したチーム医療の提供
次の環境へ適応する
ための情報の提供
地域リハ医療の充実
ケアマネージャーの治療
参加
患者満足度の向上
患者満足度調査の実施
収支の改善
収入の確保
チーム医療の推進
チームカンファレンスの
充実
医療安全対策
安全性の向上
人材育成
研修制度の充実
かかりつけ医との連携強化
維
持
期
地域リハ医療の充実
患者満足度の向上
収支の改善
財務の
視点
急性期病院の収支の改善
内部プ
ロセス
の視点
医療の質の向上
医療安全対策
チーム医療の推進
学習と
成長の
視点
職員満足度の向上
人 材 育 成
モチベーション
の向上
モチベーションの向上 職員満足度向上
*1
FIM:機能的自立度評価表のことで、リハビリテーションの分野で幅広く活用されているADL(日常生活動作)評価法
*2
カンファレンス:事例検討会
67
業績評価指標
H21
目標値
H22
目標値
H23
目標値
アクションプラン
回復期対象脳卒中における地
域連携パス利用率
20%
30%
60% ・地域連携パスの標準化、活用、浸透を図る。
在宅復帰率
75%
75%
75% ・高度で専門的なリハビリテーションサービスを提供する。
・次はどこに行くのが本人・家族にとって本当に重要なのかをチー
ムで検討する。
4回/年
5回/年
90%
90%
70件/年
70件/年
研修会・講習会の開催回数
(オープンカンファレンス)
FIM改善患者数の割合
6回/年 ・地域医療機関等のニーズを把握する。
90% ・多職種が一体となり実際の生活の日常生活能力を向上させる。
*1
ケアマネージャーのチームカ
ンファレンスへの参加件数
70件/年 ・退院後の治療計画をよりスムーズに作るため、ケアマネージャー
にチームカンファレンスへの参加を依頼する。
*2
患者満足度
80%
80%
80% ・アンケート調査を実施し問題点の把握と改善に努める。
病床利用率(入院ベース)
92%
94%
96% ・急性期病院等との連携を強化するとともに、適切なベッドコント
ロールを行う。
外来患者数
20人/日
20人/日
20人/日 ・退院患者の機能低下を防止するため、フォローアップ外来の充実
を図る。
チームカンファレンスの開催
回数
13回/週
14回/週
15回/週 ・入院時、退院前だけでなく、定期的なカンファレンスを多職種の
担当者参加のもとで行う。
事故防止改善事例
12例/年
12例/年
12例/年 ・リスクマネジメント委員会を中心に事例を分析しと改善策を検討
する。
学会等参加回数
(センター長を除く医師)
18回/年
18回/年
18回/年 ・個々の能力向上のため、学会・研修会に参加する。
9人
9人
60%
70%
指導医・専門医・認定医数
職員満足度
9人 ・指導医は積極的な指導を行い、認定医数の維持、更新に努める。
80%
・アンケート調査を実施し問題点の把握と改善に努める。
68
イ.マネジメントシート(看護部門)
部門名 広島市総合リハビリテーションセンター リハビリテーション病院 看護部門
役割
運営
方針
区分
「その人らしい生活の再構築」を一緒に考え、自立と社会復帰をサポートします。
看護科基本方針に則り、誠意を持った細やかな対応・安全な看護・専門性の高いEBN(Evidenced Based Nursing)・地域連
携を基本にした満足度の高い看護を実践します。
戦略マップ
戦略目標
在宅生活のための情報 患者・家族との関係作り
提供、在宅生活への不 在宅生活への情報収集
MSWとの連絡調整
安の軽減
福祉・訪問看護等との連携
在宅生活のための情報提供
顧客の
視点
目標達成のための方策
看護ケアに対する患者・家族満足の向上
看護ケアに対する患
看護ケアに関するI.C.の実
者・家族への説明の充 施
実
在宅介護に対する知識 介護方法等の家族指導
の向上
家族への介護指導
病床利用率の向上
効率的な病床利用
財務の
視点
急性期・維持期病院、施設
との連携
医療経済の仕組みの学 医療経済に関する学習会の
習
実施
看護職員のコスト意識の向上
FIMの改善
FIMの変化率の測定
*1
在宅を目指したリハビリテーション看護の提
供
ADLの改善
内部プ
ロセス
の視点
看護必要度の変化率の測定
*2
チーム医療の充実
他職種との情報交換の 軒下カンファレンスの実施
推進
転倒予防対策・医療安 転倒事例に対するケースカ
全に関する意識の向上 ンファレンスの実施
医療安全に関する知識・技術の向上(転倒を中心に)
研修会への参加
院内研修会への参加
目標管理実施による今年度の自己の課題の明確化
学習と
成長の
視点
職員のモチベーション 目標面接の実施
の向上
職員満足度の向上
キャリアアップの推進→職務に対する充実感→
職員満足の向上
人材育成の推進
リハビリテーション看護の
専門性とリーダーシップを
発揮できる人材の育成
*1
FIM:機能的自立度評価表のことで、リハビリテーションの分野で幅広く活用されているADL(日常生活動作)評価法
*2
ADL:日常生活動作(食事、排泄、着脱衣、入浴、移動、寝起きなど、日常の生活を送るために必要な基本動作のこと)
69
業績評価指標
在宅復帰率
患者満足度
H21
目標値
H22
目標値
75%
75%
80%
80%
H23
目標値
アクションプラン
75% ・利用できる福祉サービスについて学習する。
・介護保険についての勉強会に参加する。
・地域連携の回復期後の連携先(特に訪問看護ステーション)に関す
る情報を得る。
80% ・家族への情報伝達ツールを作成し、情報伝達方法を検討する。
・排泄・入浴・移乗等に関する具体的な介助方法を写真・DVDで資料
を作り、視覚的な情報伝達方法に重点を置き情報提供を行う。
病床利用率(入院ベース)
92%
94%
96% ・空床期間を短縮する。急性期病院からの転院依頼には、10日以内の
対応ができるようにする。
2回/年
2回/年
学習会参加率
75%
75%
2回/年 ・SPD、診療報酬制度等病院職員としての基本的な知識の習得に努
める。
80%
FIM改善患者数の割合
90%
90%
90% ・週に1回の測定を確実に行うため、毎週水曜日にチームメンバーで
チェックする。
・自助具や環境の調整を図り、機能回復とともに自立に向けたサポー
トをする。
重症患者のうち看護必要度が
3以上改善した患者の割合
40%
40%
40% ・入浴、排泄、食事等のADLに係ることを中心に患者、家族に指導
を行っていく。
・担当セラピストとの情報交換を2回/週以上行い、ADL変化に沿っ
た適切な指導を心掛ける。
軒下カンファレンス実施率
70%
80%
ケースカンファレンス実施率
90%
90%
90% ・各病棟のリスク担当者を中心に提出されたレポートごとにカンファ
レンスを実施する。
*3
1人/年
1人/年
1人/年 ・リスクマネジメント研修(シリーズ)を通して、医療安全の推進役
になる人材を確保する。
55%
60%
3回/年
3回/年
60%
70%
80% ・職員満足度調査を実施して内容を評価し、来年度に向けて問題点を
改善する。
0人
1人
2人 ・認定看護師教育課程に派遣する。(摂食、嚥下等)
・学会への参加を呼びかけ学究的な視点を養う。
・事例検討会・臨床課題に関するプレゼンテーションを実施する。
学習会実施回数
研修会への参加者数
院内研修会への参加率
目標面接実施回数
職員満足度
認定看護師数
*3
100% ・チーム内で情報の共有を図る。
70% ・リスクマネジメント担当者を中心に2回/年実施する。
3回/年 ・できている部分と課題が残っている部分を適切に評価する。
カンファレンス:事例検討会
70
ウ.マネジメントシート(リハビリテーション部門)
部門名 広島市総合リハビリテーションセンター リハビリテーション病院 リハビリテーション部門
広島市のリハビリテーション病院として、利用者様が新たな生きがいを持って「自分らしく」人生を歩んでいただけるよ
役割 う、安全で質の高いリハビリテーションを提供します。
運営
方針
1.一人ひとりに最適なリハビリテーションを実践します。 2.自主的・積極的にリハビリテーションに取り組んでいた
だけるよう支援します。 3.チームアプローチを実践します。 4.ご本人やご家族から信頼されるリハビリテーション
を実践します。 5.常に専門性を高め、最良のリハビリテーションを提供できるよう自己研鑽に努めます。
戦略マップ
区分
戦略目標
患者満足度の向上
目標達成のための方策
良質なリハビリテーション
の提供
患 者 満 足 度
向 上
顧客の
視点
必要かつ十分な個別リハビ
リテーションの実施
良質なリハビリテー
ションの提供
必要かつ十分な個
別リハビリテーショ
ンの実施
(量)
(質)
収支の向上
財務の
視点
収 支 の 向 上
コスト意識の向上
信頼されるリハビリ
テーションの提供
信頼されるリハビリテーション
内部プ
ロセス
の視点
効率的なリハビリテーショ
ンの実施
安全なリハビリテー
ションの提供
安全なリハビリテーション
の提供
チーム医療の充実
チーム医療の充実
専門性の向上
人材育成の推進
専門性の向上
学習と
成長の
視点
スキルアップ
人 材 育 成
スキルアップ
*1
FIM:機能的自立度評価表のことで、リハビリテーションの分野で幅広く活用されているADL(日常生活動作)評価法
*2
IA報告:インシデント(患者に被害はなかったが、医療現場でヒヤリとしたりハットした事例)とアクシデント(医療現場で発生した人身事故)の報告
71
業績評価指標
在宅復帰率
H21
目標値
H22
目標値
H23
目標値
アクションプラン
75%
140件/年
145件/年
90%
90%
リハビリテーション実施の平均
単位数
7単位/人/日
7単位/人/日
療法士1日1人あたりのリハビリ
平均実施単位数
15単位/人/日
16単位/人/日
1回/年
2回/年
14件/年
13件/年
12件/年 ・リスクマネジメント委員会で情報を共有し改善に取り組む。
13回/週
14回/週
15回/週 ・入院から退院までの間の適切な時期に、各職種の職員が連携し
て、カンファレンスを実施する。
退院前訪問回数
FIMが改善した患者の割合
75%
・患者のみならず家族の方に対しても支援し、スムーズに家庭復
帰へ導く。
75%
150件/年 ・自宅復帰を望む患者について、退院に必要な情報を収集する。
90% ・患者の状態に応じた柔軟な訓練メニューを作成する。
*1
診療報酬勉強会
リハビリ実施中に発生するIA
報告件数(レベル4以上)*2
チームカンファレンスの開催回
数
7単位/人/日 ・理学療法・作業療法・言語聴覚療法を総合的に実施する。
16単位/人/日 ・綿密なスケジュール管理を実施する。
2回/年 ・医事課専門職による勉強会を実施する。
*3
学会・研修会等への参加人数
13名/年
13名/年
13名/年 ・学会・研修会への参加を積極的に行う。
勉強会等の開催回数
50回/年
50回/年
50回/年 ・専門技術の向上のため、勉強会・症例報告会等を開催する。
*3
カンファレンス:事例検討会
72
エ.マネジメントシート(その他の部門)
部門名 広島市総合リハビリテーションセンター リハビリテーション病院 その他の部門
役割
各部門が一体となって、良質で信頼される医療を提供します。
運営
方針
専門的知識や技術の向上に努めるとともに、収入の確保、業務の効率化等による経営の健全化に努めます。
区分
戦略マップ
戦略目標
患者満足度の向上
目標達成のための方策
服薬指導の充実
信 頼 度 の 向 上
栄養指導の充実
顧客の
視点
患 者 満 足 度 の 向 上
給食内容の充実
患者ニーズを踏まえた対応
経営の健全化
財務の
視点
収入の確保
収 入 の 確 保
経営の健全化
費用の削減
チーム医療の推進
チーム医療の推進
NST活動等の充実
*1
内部プ
ロセス
の視点
検査の質の向上
検査精度の向上
専門性の向上
臨床検査技師の専門性向上
モチベーションの向上
職員満足度の向上
検 査 の 質 の 向 上
学習と
成長の
視点
専門性の向上
モチベーション
の向上
*1 NST活動:医師、看護師、薬剤師、栄養士などがチームを編成し、患者の病状や疾患に応じた適切な栄養管理を実践すること
73
業績評価指標
服薬指導件数
栄養相談・指導実施率
嗜好調査実施回数
患者満足度
紹介MRI検査件数
医療費個人負担分の収納率
H21
目標値
H22
目標値
H23
目標値
アクションプラン
1,900回/年
2,000回/年
36%
39%
42% ・入院患者への栄養相談・指導日の拡充を図る。(栄養部門)
2回/年
2回/年
2回/年 ・献立等に患者の嗜好を反映させるよう努める。(栄養部門)
80%
80%
50件/年
75件/年
94%
2,100回/年 ・効率的に業務を行い、病棟での指導時間を確保する。
(薬剤部門)
80% ・アンケート調査を実施し、問題点の把握と改善に努める。
(薬剤、検査、放射線、栄養、事務の各部門)
100件/年 ・他の医療機関との連携を図る。(放射線部門)
H22に設定する。
・未収金の発生防止策の検討と未収発生時の早期対応を実施する。
(事務室)
時間外勤務手当の削減(対20年度)
5%削減
8%削減
NST、褥瘡等ラウンド回数
4回/月
4回/月
90点
95点
2人
2人
2人 ・個々のスキルアップのため、資格の取得・更新に努める。
(検査部門)
60%
70%
80% ・アンケート調査を実施し、問題点の把握と改善に努める。
(事務室)
精度管理点数
認定技師などの資格者数
職員満足度
10%削減 ・計画的な業務執行に勤める。(事務室)
4回/月 ・複数の職種による定期的な検討会等を実施し、情報共有に努める。
(薬剤、検査、放射線、栄養等関連する各部門)
95点 ・検査技術及び分析器の精度の向上を図る。(検査部門)
74
4
安佐市民病院
(1) 運営の基本方針
ア. 基本理念
愛と誠の精神をもって医療を提供します。
地域の基幹病院として高度の医療・ケアを行います。
イ. 基本方針
(ア) 患者さまの立場を尊重し、理解と納得にもとづいた医療を行います。
(イ) 安全な医療と快適な療養環境の提供に努めます。
(ウ) 地域と連携し、地域医療、救急医療、トータルケアの水準の向上に努めます。
(エ) 最新の医療に取り組み、医療・医学の進歩に貢献します。
(オ) より良い医療サービス提供のため、健全な病院運営に努めます。
(2) 医療機能
安佐市民病院は、広島市北部及び県北部の中核病院として、適切な医療を提供
してきました。
今後とも、地域医療機関と連携し、紹介患者や救急患者を中心とした急性期医
療及び重篤な救急患者の医療や災害時医療の充実を図ります。また、がん医療な
ど地域に必要とされる高度・特殊医療の水準の向上を図るとともに地域医療全体
の質的向上に努めます。
【取組】
ア.地域医療支援機能の充実
地域医療機関からの紹介患者、重症救急患者の受入れなど入院を中心とした
急性期医療機能の充実を図ります。
また、地域医療機関との連携と機能分担を推進するため、地域医療機関への
診療成績の開示や地域医療研修センター及び医療連携機能の充実を図ります。
イ.救急医療機能の充実
現在でも実質的に広島市北部及び県北部の三次救急医療を担っていますが、
地域医療機関相互の適切な役割分担のもとに、より積極的に重篤救急患者へ対
応するため、受入れ可能な空床の確保や診療科別医師数の見直しなど診療体制
の充実を図るとともに、平成21年度(2009年度)にICU(集中治療室)
の増床(4床)等を行います。
また、平成15年(2003年)8月に、市北部の小児医療拠点としての機
能強化と舟入病院への患者集中を緩和するため、日曜日準夜帯(午後6時から
午後11時)の小児救急診療を開始しました。引き続き、土曜日及び祝日にお
ける小児救急診療の円滑な実施に取り組みます。
75
ウ.がん医療機能の充実
これまでの実績や経験を生かし、化学療法、緩和ケア医療などの充実、相談
室の整備、緩和ケア外来の開設等の院内体制整備等を行うとともに、患者や地
域の医師等を対象とした講座を開催する等の取組を行い、地域のがん医療水準
の向上に貢献し「地域がん診療連携拠点病院」の指定を目指します。
76
(3) 医療安全対策
平成17年度(2005年度)には専任のリスクマネージャーを配置するなど、
安全な医療の確保に取り組んでおり、平成18年度(2006年度)に医療安全
対策室を設置するなど、引き続き医療の安全管理に万全を期すよう医療安全対策
の一層の充実を図ります。
【取組】
ア.危機管理体制の強化
平成18年度(2006年度)には担当副院長直属の医療安全対策室を設置
して、より迅速に適切な対応ができるよう体制を強化するとともに、医療安全
についての研修を充実するなど職員の危機管理に対する意識の向上を図ります。
イ.事故発生防止策の強化
事故にはならなかったが、医療現場でヒヤリとしたとかハッとしたなどのヒ
ヤリ・ハット事例を集めたインシデントレポートからリスク情報を確実に収集
し、事例の評価や分析を通して事故発生防止策の検討を行い、職員に対し注意
事項を周知徹底するなど事故発生防止対策の強化を図ります。
ウ.院内感染防止策の強化
感染管理認定看護師や各部署の感染対策委員を中心として、職員に手洗や手
指消毒などの周知により予防意識の徹底を図り、尿路感染、血流感染等の院内
感染を防止します。
エ.クリニカルパスの充実
効率の良いクリニカルパスの適用症例を増やすことにより、医療の標準化・
安全性の向上を図ります。
オ.施設老朽化への対応
病院の建物・設備は、昭和55年(1980年)開院以来30年近く経過し
老朽化が進んでいるため、平成15年度(2003年度)以降、停電、漏水対
策として緊急対応の必要な設備の取替、改修を行ってきましたが、平成20年
度(2008年度)からは、老朽化した冷暖房設備や給水給湯衛生設備等の取
替、改修工事を計画的に行うとともに、引き続き平成21年度(2009年度)
から建て替えを含めた安佐市民病院のあり方について検討を進めます。
77
(4) 患者サービスの向上
地域における患者ニーズを十分把握し、EBM(根拠に基づいた医療)に基づ
く安全で安心な医療の提供に努めるとともに、地域の医療機関との連携のもと快
適な療養環境の提供に努めます。
【取組】
ア.7対1看護の実施
重篤な入院患者に対する看護を充実するため、7対1看護を実施します。
イ.患者意見の反映
これまで入院患者のみ行っていた患者アンケートを平成19年度(2007年
度)からは、外来患者にも行うとともに、内容についても、質問項目を増やす
など充実に努めます。
また、この患者アンケートの意見や調査結果を病院運営に反映させ、患者満
足度の向上に努めます。
ウ.医療の質の向上
治療成績の開示、認定看護師や専門医の配置、職種や診療科を超えたチーム
医療の推進や、開腹手術をせずに治療する鏡視下手術のように手術時の患者負
担の軽減につながる最新医療の推進など医療の質の向上に努めます。
エ.医療クラーク(医師事務作業補助者)の配置
医師の事務作業を補助する職員(医療クラーク)を平成21年度(2009年
度)から配置します。
78
(5) 経営改善の取組
平成17年(2005年)5月に病院機能評価の認定を受けるなど、これまで
も医療機能やサービスの向上による適切な収益の確保等健全な病院経営の推進に
取り組んできました。
今後も、引き続き患者サービスの向上に配慮し、地域医療機関との連携を一層
強め、市立病院としての役割を果たしつつ収支の改善に努めます。
【取組】
ア.病床利用率の向上
平均在院日数の短縮に伴い低下した病床利用率の向上を図るため、診療科の
割り当てベッド数の見直しを定期的に行い、入院待ち患者の早期入院が可能と
なるよう、病棟運営の効率化に努めます。
また、手術待ちのため生じている入院待ち患者の早期手術、入院が可能とな
るよう、手術室の効率的運用や診療科別医師数の見直しに取り組みます。
さらに、地域医療機関との役割分担・機能分担を推進し、積極的に地域医療
機関からの紹介患者・救急患者の受入れが行える体制の整備に努めており、平
成20年度(2008年度)に広島県知事から「地域医療支援病院」の承認を
受けるとともに、引き続き地域の医療機関の紹介患者を積極的に受け入れるな
どの取組を行います。
イ.適正な平均在院日数の維持
適正な平均在院日数を維持するため、クリニカルパスの見直し、修正及び開
発を行います。
ウ.医療費個人負担分の収納率向上
負担の公平性、病院経営の観点から、医療費個人負担分を確実に収納する必
要があるため、引き続き未収金の発生予防と回収に努めます。
エ.経営管理体制の充実と意識改革の推進
診療科別収支等経営分析を行うことにより経営管理体制を充実し、数値目標
に対する現状把握や目標の修正を行い、この情報を職員が共有することにより
経営改善への意識改革を推進します。
オ.病院機能評価の更新
平成17年度(2005年度)に受けた「病院機能評価」の認定期間(5年)
が、平成21年度(2009年度)末で満了するため、平成22年度(201
0年度)以降も認定されるよう取り組みます。
79
(6) 環境への配慮
地球温暖化への対応など、全地球規模で環境に配慮する取組が始まっています。
今までより更にエネルギー消費を抑え、エネルギー利用効率を向上させることが
重要です。
【取組】
ア.電気使用量の削減
不要時の消灯やパソコンの電源オフなどを積み重ねることにより、電気使用量
の削減を図ります。
イ.資源のリサイクルの推進
リサイクル可能な再生ゴミの分別の徹底を図ります。
ウ.環境負荷の低減に役立つ物品等の購入
物品等の購入に当たっては、環境負荷の低減を考慮した物品等の購入に努め
ます。
エ.省エネルギー化の推進
施設の改修を行う際に、省エネルギー化を推進し、二酸化炭素の排出量を削減
します。
80
(7)中期経営計画の目標(病院全体のマネジメントシート)
病院名 広島市立安佐市民病院
ビジョン 愛と誠の精神をもって医療を提供します。
地域の基幹病院として高度の医療・ケアを行います。
1 患者さまの立場を尊重し、理解と納得にもとづいた医療を行います。2 安全な医療と快適な療養環境の提供に努めます。3 地域と連携
経営
し、地域医療、救急医療、トータルケアの水準の向上に努めます。4 最新の医療に取り組み、医療・医学の進歩に貢献します。5 より良い医
方針
療サービス提供のため、健全な病院運営に努めます。
区分
戦略マップ
戦略目標
目標達成のための方策
地域医療への支援充実
地域医療機関との連携強
化
専門的医療の提供
情報提供の推進
災害医療の提供
職員の対応能力の向上
患者満足度の向上
患者ニーズを踏まえた医
療の提供
収支の改善
収入の確保、費用の削減
医療の質の向上
チーム医療の推進
医療の標準化・効率化
クリニカルパスの活用
職員のスキルアップ
人材育成の推進
専門的医療
救急医療
地域医療支援
顧客の
視 点
患者満足度
向上
災害医療
患者アンケート
財務の
視 点
収支の改善
専門的医療
内部プ
ロセス
の視点
医療の質の
向上
医療の標準
化・効率化
職員満足度
向上
職員アンケート
専門知識の習得
学習と成
長の視点
前 向 き な 組 織 風土 の醸 職員の意識改革
成
職員のスキルアップ
前向きな組織
風土の醸成
*1 登録医制度 地域の医師会会員が登録医となり、共同診療病床の利用等を行うことで地域の診療所と連携を図るための制度
*2 QI(クオリティ インプローブメント)の推進:医療の質向上の推進
81
業績評価指標
H16実績値
H21目標値
H22目標値
H23目標値
アクションプラン
紹介率
40.3%
52%
52%
52%
・医療連携室のスタッフと病院幹部により、地域医療
機関を定期訪問する。
逆紹介率
32.2%
66%
66%
66%
・医療連携室の充実により紹介・逆紹介の連携システ
ムを構築する。
10,314人/年
10,900人/年
10,900人/年
2,030人/年
2,491人/年
2,496人/年
災害訓練の実施
−
1回/年
1回/年
患者満足度
−
80%
80%
新入院患者数
がん患者数(入院)
10,900人/年 ・登録医制度を充実し、共同利用を促進する。 *1
2,500人/年 ・疾病別患者数及び治療成績等を積極的に把握し公表
する。
1回/年 ・地震等の災害時を想定した訓練を実施する。
80% ・アンケート調査を実施し、その結果をふまえた改善を行
う。
・QI(クオリティ インプローブメント)の推進を図る。 *2
経常収支比率
−
99%
100%
100%
医業収支比率
−
94%
95%
95%
−
45%
47%
47%
材料費の医業収益比率
−
28%
29%
29%
薬品費の医業収益比率
−
17%
17%
17%
96.3%
91%
92%
92% ・病床の効率的、効果的な利用を促進するため病棟再
編を行う。
職員給与費比率
病床利用率(入院ベー
ス)
*3
・医療連携による新入院患者数の増加を図る。
16.9日/人
薬剤管理指導件数
852件/月
1,340件/月
医療費個人負担分の収
納率
93.1%
94%
医療チーム数
6チーム
7チーム
8チーム
8チーム ・循環器チーム、脳卒中チームを創設し、既存チーム(化
学療法、緩和ケア、栄養、感染対策、褥瘡、糖尿病)の
充実を図る。
クリニカルパス作成数
115件
158件
161件
165件 ・クリニカルパス委員会で、見直し、修正及び開発を行
う。
1人
8人
9人
142回/年
168回/年
168回/年
-
56%
68%
80% ・アンケート調査を実施し、その結果を踏まえた改善を行
う。
5,484人/年
6,700人/年
6,700人/年
6,700人/年 ・各部署に研修担当者を育成し、連携を図って効果的な
研修を行う。
認定看護師数
学会参加回数(医師)
職員満足度
院内研修参加者数
15日未満/人 14.5日未満/人
14日未満/人 ・クリニカルパスを活用し、医療の標準化を図る。
*4
平均在院日数
1,350件/月
1,350件/月 ・業務の効率化を推進する。
H22に設定する。
・未収金の発生防止対策を継続実施し、督促を強化す
る。
10人 ・認定看護師養成研修会への参加を拡大する。
168回/年 ・学会等への参加を拡大する。
*3 経常収支比率等の算出方法は、国(地方公営企業決算状況調査)に合わせている。
*4 クリニカルパス:特定の疾患や手術・検査ごとに治療のルーチンワークをチャート様式にし、必要なケアを適時に提供するためのツール
82
ア.マネジメントシート(診療部)
部門名 広島市立安佐市民病院 診療部
役割
運営
方針
地域の基幹病院として、循環器・脳疾患等の救急医療やがん治療など良質で最新の医療を提供し地域医療をリードしていきます。
*
病院理念に基づき患者様の立場を尊重した十分な説明など真摯な対応を行い、EBMに基づく安全で確実なチーム医療の励行と実
践を行うとともに、地域医療支援のための病診連携を積極的に推進し、健全な病院運営に努めます。
区分
戦略マップ
戦略目標
目標達成のための方策
急性期医療の提供
地域医療支援充実 患者満足度向上
高度医療の提供
QOL(生活の質)を考慮
した最新医療の提供
地域で完結する
県北部の中核病院
顧客の
視 点
地域医療機関
との連携強化
救急医療の提供
●診療情報の提供
とセカンドオピニオ
ンの実践
紹介患者数の
増
加
・病院冊子、イン
ターネットによる
広報
・信頼性の向上
・急性期医療
・高度医療
・QOLを考慮
した最新医療
・救急医療
・専門的医療
・災害医療の
提供
治療実施件数等
の増加
専門的医療の提供
災害医療の提供
診療情報の提供
セカンドオピニオンの実
践
財務の
視 点
内部プ
ロセス
の視点
収入の増加、確保
医療の質の向上
チーム医療の推進
医療の標準化・効率化
クリニカルパスの活用
医療事故防止
安全性の向上
人材育成
研修制度の充実
スキルアップ
専門知識の習得
モチベーションの向上
職員満足度の向上
収支の改善
・医療の標準化、
効率化
・医療事故防止
医療の質の向上
(チーム医療の推進)
専門性の向上
学習と成
長の視点
収支の改善
人材育成
職員満足度向上
スキルアップ
モチベーション
の向上
*1 EBM:あいまいな経験や直感に頼らず、科学的な根拠に基づいた医療
*2 手術実施時の術式による件数
83
業績評価指標
外来化学療法患者数
がん手術件数
*2
H16実績値
H21目標値
H22目標値
H23目標値
273人/月
280人/月
280人/月
280人/月
494件/年
930件/年
930件/年
930件/年
アクションプラン
・認定看護師の養成などにより化学療法チームの充実
を図る。
鏡視下手術件数(腹腔
鏡、胸腔鏡)
235件/年
400件/年
400件/年
・診療科別医師の効率的な配置及び病床配分
の見直 しや手術室の効率的な運用などにより医
400件/年 療体制の充実を図る。
内視鏡的治療件数(腫瘍
切除)
495件/年
700件/年
700件/年
700件/年
紹介患者数
9,743人/年
11,600人/年
11,600人/年
手術件数(手術室)の増
4,188件/年
4,700件/年
4,700件/年
6チーム
7チーム
8チーム
14回/年
57回/年
57回/年
115件
158件
161件
12件/年
74件/年
74件/年
後期研修制度の創設
-
6人/年
6人/年
学会参加回数(医師)
142回/年
168回/年
168回/年
168回/年 ・学会等への参加を拡大する。
53人
60人
65人
65人 ・学会等への参加を拡大する。
-
56%
68%
医療チーム数
緩 和 ケア チー ム活 動回
数
クリニカルパス作成数
*3
IA報告(医師、レベル3
以下) *4
指導医,専門医、認定医
数(定数65人)
職員満足度
11,600人/年 ・医師会各種会合へ積極的に参加し、地域医療機関へ
の広報を行う。
・登録医制度を充実し、共同利用を促進する。
4,700件/年 ・手術室の効率的な運用を図る。
8チーム ・循環器チーム、脳卒中チームを創設し、既存チーム
(化学療法、緩和ケア、栄養、感染対策、褥瘡、糖尿
病)の充実を図る。
57回/年 ・病棟でのカンファレンスを毎月行う。
165件 ・クリニカルパス委員会で、見直し、修正及び開発を行
う。
74件/年 ・医療安全委員会で、報告の周知徹底を図る。
6人/年 ・他病院を調査し、検討チームを設置する。
80% ・アンケート調査を実施し、その結果を踏まえた改善を
行う。
*3 クリニカルパス:特定の疾患や手術・検査ごとに治療のルーチンワークをチャート様式にし、必要なケアを適時に提供するためのツール
*4 IA報告:インシデント(患者に被害はなかったが、医療現場でヒヤリとしたりハットした事例)とアクシデント(医療現場で発生した人身事故)の報告
レベル:インシデント及びアクシデントを患者に及ぼした影響の度合いに応じて7段階に分類したもので当院で独自に作成している。
レベル3は、患者に一時的な状態の変化が生じたレベル
84
イ.マネジメントシート(看護部)
部門名 広島市立安佐市民病院 看護部
役割
運営
方針
患者・家族の安全と安心を支えるために、リスクを最小限にし看護の質の改善を継続します。
1 患者さまの自己決定権を尊重します 2 患者さまとの信頼関係を築くよう努めます 3 患者さまの安全を第一に考え、行動します
4「その人らしさ」を大切にした看護を行います 5 「皆様の声」が活かされる病院づくりをめざします
区分
顧客の
視 点
戦略マップ
病診連携の強化
戦略目標
目標達成のための方策
病診連携の強化
地域とのネットワーク
看護の質の向上
看護ケアの充実
患者満足度の向上
職員接遇の向上
効率的な病床管理
空床の有効活用
患者満足度の向上
看護の質の向上
財務の
視 点
看護の生産性向上
○効率的な病床管理
○コスト意識の向上
適正な在院日数の維持
コスト意識の向上
診療報酬改定への的確な
対応
医療安全の向上
(リスク意識の向上)
安全なケアの提供
質の高い看護ケアの提供
内部プ
ロセス
の視点
医療安全の向上
看護の充実
看護の充実
看護体制の見直し
直接看護の時間増
専 門 性 の 向 上
看護職員のモチベーションの
向上
学習と成
長の視点
専 門 性 の 向 上 ( ス キ ル 人材育成の推進
アップ)
目標管理
目標管理
やり
がい
エキスパートナース
クリニカルラダー
専門知識の習得(スキル
アップ)
看護職員のモチベーショ 職員満足度の向上
ンの向上
*1 クリニカルパス:特定の疾患や手術・検査ごとに治療のルーチンワークをチャート様式にし、必要なケアを適時に提供するためのツール
* 2 IA報告:インシデント(患者に被害はなかったが、医療現場でヒヤリとしたりハットした事例)とアクシデント(医療現場で発生した人身事故)の報告
レベル:インシデント及びアクシデントを患者に及ぼした影響の度合いに応じて7段階に分類したもので当院で独自に作成している。
レベル4は、患者に治療検査が必要となったレベル
85
3
業績評価指標
再入院率
褥瘡発生率
H16実績値
H21目標値
2
H22目標値
28%
5%
4%
0.58%
0.5%
0.5%
H23目標値
アクションプラン
4% ・医療連携室と地域施設との連携を図る。
0.5% ・褥瘡対策委員会や研修会で情報を共有し、現場に活
かす。
・栄養サポートチームによる院内ラウンドを強化し、栄養
状態の改善につなげる。
患者満足度
−
80%
80%
接遇自己評価、他者評価
回数
1回/年
3回/年
3回/年
病床利用率(入院ベー
ス)
96.3%
91%
92%
80% ・緩和ケアチームの活動を推進などQOL(生活の質)の
高い入院生活への支援を行う。
3回/年
92% ・退院調整を計画的に実施する。(入院時から退院を見
据えた調整を行う。)
・入退院支援委員会で病棟再編の検討を行う。
*1
クリニカルパスの作成数
115件
158件
161件
1回/年
2回/年
2回/年
42件/年
95件/年
90件/年
転倒転落件数
−
4件
4件
感染率
・尿路感染
-/1000人
3.1/1000人
3.1/1000人
・血流感染
-/1000人
3.1/1000人
3.1/1000人
10/1000人
5/1000人
5/1000人
14.7時間/月
13.0時間/月
11.0時間/月
-
60%
60%
60% ・年1回業務量調査を実施し、改善に取り組む。
認定看護師数
1人
8人
9人
10人 ・認定看護師養成研修会への参加を拡大する。
目標面接実施率
50%
100%
100%
学会、研修会参加回数
-
80回/年
90回/年
職員満足度
-
56%
68%
診療報酬勉強会
IA報告件数(レベル4以
上)
*2
・人工呼吸器
時間外勤務
看護直接ケア時間率
*3 クリニカルラダー:臨床看護実践能力習熟段階と呼ばれる人材育成のツール
86
165件 ・患者状態適応型のクリニカルパスの推進(パスの見直
し・作成)を図る。
2回/年 ・各部署で、勉強会を行う。
85件/年 ・毎月、看護安全対策委員会で情報を共有し改善に取り
組む。
4件
3.1/1000人 ・感染対策委員を中心とした感染対策を継続実施する。
3.1/1000人
5/1000人
11.0時間/月 ・各部署の業務改善を継続する。
100% ・師長による面接を年1回から2回行う。
・クリニカルラダーを導入する。
*3
100回/年 ・学会等への参加を拡大する。
80% ・アンケート調査を実施し、問題の改善を図る。
ウ.マネジメントシート(その他の部門)
部門名 広島市安佐市民病院 その他の部門
役割
「愛と誠の精神をもって医療を提供します。地域の基幹病院として高度の医療・ケアを行います。」これらの安佐市民病院のビジョンを遂行します。
運営
方針
「患者様の立場を尊重し、理解と納得にもとづいた医療、安全な医療と快適な療養環境の提供」等の経営方針の実践に努めます。
戦略マップ
区分
戦略目標
患者満足度の向上
目標達成のための方策
待ち時間の短縮
服薬支援・指導の充実
患者満足度の向上
信頼度の向上
安全で満足の得られる食事の
提供
顧客の
視点
給食の充実
財務の
視点
収支の改善
信頼度の向上
災害時の円滑な対応能力の
向上
収支の改善
収入の増加・確保
検査の質の維持
検査精度の維持
医療の質の向上
チーム医療への参画と充実
*
全
員
医療の質の向上
内部プ
ロセス
の視点
検査の質の維持
地域医療への支援
充実
地域医療への支援充実 地域医療連携の推進
職員のスキルアップ
人材の育成
専門技術の向上
専門知識の向上
地域の薬剤師との連携
モチベーションの向上
職員満足度の向上
学習と
成長の
視点
人材の育成
専門知識の向上
モチベーションの向上
*1 精度管理:社団法人日本臨床衛生検査技師会が実施する臨床検査精度管理調査のことで、臨床検査のあらゆる項目を網羅し、
検査精度の指標として用いられる。
87
業績評価指標
H16実績値
受付から採血・結果報告まで
の時間
平均60分
服薬支援率
H21目標値
H22目標値
H23目標値
アクションプラン
平均40分以下 平均40分以下 平均40分以下 ・採血管準備システム稼動により迅速なラベル貼付を行う。【臨床検
査部】
42%
62%
62%
62%
・調剤業務の機械化の推進により、効率的に業務を行う。
【薬剤部】
退院時服薬指導件数
栄養サポートチームの活動
件数
選択メニュー提供人数
集団医療救護訓練参加者数
11%
3,370件
3,370件
3,370件
69件/年
50件/年
50件/年
50件/年 ・各病棟から積極的に対象症例を抽出する。【栄養室】
9,269人/年
16,800人/年 16,800人/年
16,800人/年 ・現在、週3回実施している選択メニューを週3回以上実施する。
【栄養室】
6人/年
14人/年
14人/年
14人/年 【事務室】
-
1回/年
1回/年
1回/年 【事務室】
医療費個人負担分の収納率
93.1%
94%
査定率
0.28%
0.2%
0.2%
90点以上
90点以上
90点以上
10名
17名
17名
151件/年
215人/年
215人/年
診療所の地域連携システム
に登録した医療機関等の件
数
-
30件/年
30件/年
認定技師などの資格取得人
数
延40名
延50人
延50人
延50人 ・複数取得者が多いが自己研修のため更なる取得を勧める。【臨
床検査部】
資格認定技師数
4人
8人
8人
8人 ・撮影、放射線治療その他の認定資格講習の積極的受講を促す。
【放射線科】
生涯研修認定薬剤師数
7人
15人
15人
1回/年
2回/年
2回/年
-
56%
68%
災害訓練の実施
精度管理の取得点数
H22に設定する。
*1
チーム医療参加薬剤師数
退院調整件数
地域医療機関及び地域保険
調剤薬剤師との連携・情報交
換
職員満足度
88
・未収金の発生防止対策を継続実施し、督促を強化する。 【医
事係】
0.2% ・診療報酬確保のための職員への指導を強化する。【医事係】
90点以上 ・検査技術の向上を図りながら分析器の精度を維持する。【臨床検
査部】
17名 ・全ての薬剤師がいずれかのチームに所属し、チーム内での薬物
療法の専門家としての位置づけを確立する。【薬剤部】
215人/年 ・転院先病院を確保する。【総合相談室】
30件/年 ・地域連携システムを導入し、地域連携の推進を図る。【地域連携
室】
15人 【薬剤部】
2回/年 ・地域医療機関及び保険調剤薬局薬剤師への薬剤情報提供・交
換を積極的に行う。
【薬剤部】
80% ・アンケート調査を実施し、その結果を踏まえた改善を行う。
Ⅴ
中期収支計画
1
概 要
市立病院は、市民の医療ニーズに的確に対応し、良質で安全な医療を提供してい
く必要があります。しかし、高齢化を背景に膨らむ医療給付費を抑制するため、診
療報酬が平成14年度(2002年度)に2.7%、平成16年度(2004年度)
に1.0%、平成18年度(2006年度)には過去最大の3.16%、また、平
成20年度(2008年度)は0.82%引き下げられており、病院経営は一層厳し
さを増しています。
こうした状況に対応するため、市立病院では、病床利用の向上、医療連携の推進、
医業収益の増、経費の削減など、経営改善に積極的に取り組んでいます。
4病院の平成23年度(2011年度)までの収支計画は、以下のとおりで、収
支均衡は難しい状況ですが、中期経営計画に掲げた様々な取組を着実に実行し、引
き続き収支の改善に努めていきます。
なお、4病院とも赤字要因は、現金の支出を伴わない減価償却費等の影響が大き
く、各病院の資金繰りは、内部留保資金の状況で示すとおり、今後も支障なく推移
する予定です。
(1) 広島市民病院
平成18年度(2006年度)は、診療報酬改定の影響等で赤字となります。
平成19年度(2007年度)には、18年度(2006年度)に供用開始す
る東棟の減価償却費・企業債利息と南病棟の撤去による資産減耗費が多額となるた
め、赤字額が大きく膨らみます。
また、平成20年度(2008年度)以降は、東棟整備に伴う減価償却費が大
きく影響し、多額の赤字が生じますが、収入増の取組により赤字額は減少してい
く見込みです。
(2) 舟入病院
平成18年度(2006年度)は、診療報酬改定の影響等で、平成16年度
(2004年度)に比べ、赤字額が拡大します。
平成19年度(2007年度)以降は、内科夜間救急の廃止の影響を受けます
が、専門外来の開設や他の市立病院からの患者受入れ等により収益が増加し、赤
字額は減少していく見込みです。
89
(3) リハビリテーション病院
一般会計からの繰出金により、資金の不足は生じませんが、現金支出を伴わな
い減価償却費等分の赤字額が生じる見込みです。
(4) 安佐市民病院
平成18年度(2006年度)は、診療報酬改定の影響等で、平成16年度
(2004年度)に比べ赤字額が拡大します。
平成19年度(2007年度)以降は、入院収益の増加等により、赤字額は減
少していく見込みです。
90
2 各病院の収支計画
(1) 広島市民病院
ア.収益的収支
区 分
病院事業収益
入院収益
外来収益
一般会計繰入金
その他
病院事業費
給与費
材料費
減価償却費・資産減耗費
支払利息
その他
平成18年度
平成19年度
計 画
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
実 績
平成16年度
(2006年度)
億 万円
(2007年度)
億 万円
(2008年度)
億 万円
(2009年度)
億 万円
(2010年度)
億 万円
(2011年度)
億 万円
(2004年度)
億 万円
215 2525
223 1264
230 1431
255 0469
261 3046
264 4962
207 1362
131 4980
136 2752
140 3244
163 6758
169 2145
171 8840
129 2691
55 3682
57 8990
60 5498
63 1131
64 0265
64 6748
51 8885
20 0570
20 8407
21 1661
18 8879
18 6935
18 5673
16 9467
8 3293
8 1115
8 1028
9 3701
9 3701
9 3701
9 0319
220 4371
241 4829
244 0895
258 9496
265 5482
268 1636
204 2163
104 9478
108 3023
111 1261
120 7645
125 0277
127 2406
104 0102
65 7452
67 1065
69 3082
77 7975
80 5956
81 7578
61 5788
11 5179
27 4594
24 6845
22 4530
21 9791
21 5118
8 8510
7 8582
9 1263
9 5914
6 4239
6 3111
6 1145
3 9569
30 3680
29 4884
29 3793
31 5107
31 6347
31 5389
25 8194
△ 5 1846
△ 18 3565
△ 13 9464
△ 3 9027
△ 4 2436
△ 3 6674
2 9199
103 7808
108 9654
127 3219
141 2683
145 1710
149 4146
109 2174
108 9654
127 3219
141 2683
145 1710
149 4146
153 0820
106 2975
当年度純利益
(△当年度純損失)
前年度繰越欠損金
当年度未処理欠損金
(注)
表中の金額は消費税等の額を含まない。
計画額の基本的な考え方
(ア) 入院収益、外来収益
1人1日あたり収入は、これまでの診療報酬改定や計画に掲げた取組を考慮して見込む。
(イ) 一般会計繰入金
現行の繰入ルールに基づき算出(企業債利息に係る繰入金は既借入金に新規借入金を加算して算出) (ウ) 給与費
平成18年度(2006年度)予算額に計画に掲げた取組や各年度の普通昇給等を加味して推計
(人事委員会勧告に基づく給与改定等は推計が困難なため、考慮していない。)
(エ) 材料費・薬品費
平成18年度(2006年度)の入院、外来収益に対する材料費、薬品費の割合に基づき推計
(オ) 減価償却費・資産減耗費 既存分に設備投資計画に基づく医療機器等の新規取得分を加算して推計
(カ) 支払利息
既借入分に設備投資計画に基づく新規借入金を加算して推計
91
イ.将来需要予測
計 画
区 分
平成23年度
実 績
平成16年度
(2006年度) (2007年度) (2008年度) (2009年度) (2010年度) (2011年度)
(2004年度)
平成18年度
入院患者延数(人)
1日平均患者数(人)
平成20年度
平成21年度
平成22年度
251,850
253,272
253,310
262,344
262,435
263,154
253,020
690
692
694
719
719
719
693
392,735
391,132
389,529
417,653
421,119
422,852
391,143
1,603
1,603
1,603
1,733
1,733
1,733
1,616
1日平均患者数(人)
外来患者延数(人)
平成19年度
* 病床数は、平成16年度(2004年度) 775床、平成18年度(2006年度) 758床、平成19年度(2007年度)以降 743床
ウ.資本的収支
実 績
計 画
区 分
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成16年度
(2006年度)
(2007年度)
(2008年度)
(2009年度)
(2010年度)
(2011年度)
(2004年度)
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
資本的収入
63 8038
40 7264
14 4841
13 8217
14 9050
14 3185
29 3180
企業債
57 3600
32 0200
5 0000
5 4350
4 6900
4 2000
23 4100
6 4438
8 7064
9 4841
8 3867
10 2150
10 1185
5 8322
74 0651
49 0406
25 6189
23 6177
24 1925
22 8393
36 7920
一般会計繰入金
その他
資本的支出
建設改良費
758
58 4032
32 5366
5 1000
5 4350
4 6900
4 2000
23 4614
企業債償還金
9 0519
14 5640
16 9789
14 8427
17 1625
15 8093
8 3306
長期借入金償還金
6 6100
1 9400
3 5400
3 3400
2 3400
2 8300
5 0000
(注) 表中の金額は消費税等の額を含む。
エ.一般会計からの繰入金の見通し
計 画
区 分
収益的収入
資本的収入
合 計
実 績
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成16年度
(2006年度)
(2007年度)
(2008年度)
(2009年度)
(2010年度)
(2011年度)
(2004年度)
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
20 0570
20 8407
21 1661
18 8879
18 6935
18 5673
16 9467
6 4438
8 7064
9 4841
8 3867
10 2150
10 1185
5 8322
26 5008
29 5471
30 6502
27 2746
28 9085
28 6858
22 7789
オ.内部留保資金の状況
計 画
区 分
平成18年度
平成19年度
(2006年度)
(2007年度)
億 万円
億 万円
21 2056
22 0126
実 績
平成20年度
平成21年度
平成22年度
(2008年度)
(2009年度)
(2010年度)
億
万円 億
万円 億
万円
平成23年度
(2011年度)
億
万円
平成16年度
(2004年度)
億
万円
総 額
21 6339
58 8028
67 2584
76 5827
(注) 内部留保資金とは、費用のうち減価償却費など現金の支出を必要としない費用により、企業内に留保されている資金
92
22 3043
(2) 舟入病院
ア.収益的収支
区 分
病院事業収益
入院収益
外来収益
一般会計繰入金
その他
病院事業費
給与費
材料費
減価償却費・資産減耗費
支払利息
その他
平成18年度
平成19年度
計 画
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
実 績
平成16年度
(2006年度)
億 万円
(2007年度)
億 万円
(2008年度)
億 万円
(2009年度)
億 万円
(2010年度)
億 万円
(2011年度)
億 万円
(2004年度)
億 万円
37 3680
38 3997
38 7854
36 8383
37 4525
39 0774
34 3412
12 4570
13 4094
14 2992
14 0004
14 8259
15 6909
11 7823
11 7610
12 0831
12 4103
12 3643
12 6310
12 8948
12 9412
11 4907
11 2479
10 4166
8 7183
8 2358
8 7319
7 8879
1 6593
1 6593
1 6593
1 7553
1 7598
1 7598
1 7298
40 3364
40 4921
40 7237
39 5860
39 5956
40 8567
36 6980
19 6321
19 7873
19 5131
20 3170
20 0667
21 0030
17 1849
6 4207
6 7242
7 0442
5 4253
5 6376
5 8648
5 5103
3 9675
3 7752
4 0386
4 1671
4 2594
4 4063
4 3812
1 7401
1 6736
1 6658
1 5499
1 5050
1 4558
1 9034
8 5760
8 5318
8 4620
8 1267
8 1269
8 1268
7 7182
△ 2 9684
△ 2 0924
△ 1 9383
△ 2 7477
△ 2 1431
△ 1 7793
△ 2 3568
26 2574
29 2258
31 3182
33 2565
36 0042
38 1473
20 6627
29 2258
31 3182
33 2565
36 0042
38 1473
39 9266
23 0195
当年度純利益
(△当年度純損失)
前年度繰越欠損金
当年度未処理欠損金
(注) 表中の金額は消費税等の額を含まない。
計画額の基本的な考え方
(ア) 入院収益、外来収益
1人1日あたり収入は、これまでの診療報酬改定や計画に掲げた取組を考慮して見込む。
(イ) 一般会計繰入金
(ウ) 給与費
現行の繰入ルールに基づき算出(企業債利息に係る繰入金は既借入金に新規借入金を加算して算出) 平成18年度(2006年度)予算額に計画に掲げた取組や各年度の普通昇給等を加味して推計
(人事委員会勧告に基づく給与改定等は推計が困難なため、考慮していない。)
(エ) 材料費・薬品費
平成18年度(2006年度)の入院、外来収益に対する材料費、薬品費の割合に基づき推計
(オ) 減価償却費・資産減耗費 既存分に設備投資計画に基づく医療機器等の新規取得分を加算して推計
(カ) 支払利息
既借入分に設備投資計画に基づく新規借入金を加算して推計
93
イ.将来需要予測
計 画
区 分
平成23年度
実 績
平成16年度
(2006年度) (2007年度) (2008年度) (2009年度) (2010年度) (2011年度)
(2004年度)
平成18年度
入院患者延数(人)
平成20年度
平成21年度
平成22年度
38,850
41,571
44,065
37,917
39,073
40,265
36,457
106
114
121
104
107
110
100
141,418
144,606
147,766
110,572
111,198
111,921
140,653
462
476
490
385
387
390
462
1日平均患者数(人)
外来患者延数(人)
平成19年度
1日平均患者数(人)
* 病床数は、平成21年(2009年)5月まで 210床、平成21年(2009年)6月以降 190床
ウ.資本的収支
実 績
計 画
区 分
資本的収入
企業債
一般会計繰入金
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
建設改良費
企業債償還金
平成23年度
平成16年度
(2006年度)
(2007年度)
(2008年度)
(2009年度)
(2010年度)
(2011年度)
(2004年度)
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
2 8205
3 4404
5 4034
3 9809
4 4206
4 6569
5 0089
6600
2 6300
1 2600
1 2680
1 3200
1 3500
2 7804
2 7734
2 7209
3 1434
3 3369
3 6589
2 8205
92
その他
資本的支出
平成22年度
3 7789
5 7357
4 3168
4 8643
5 1346
5 5479
3 1792
6720
2 6300
1 2600
1 2783
1 3200
1 3500
2356
3 1069
3 1057
3 0568
3 5860
3 8146
4 1979
2 9436
(注) 表中の金額は消費税等の額を含む。
エ.一般会計からの繰入金の見通し
計 画
区 分
収益的収入
資本的収入
合 計
実 績
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成16年度
(2006年度)
(2007年度)
(2008年度)
(2009年度)
(2010年度)
(2011年度)
(2004年度)
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
11 4907
11 2479
10 4166
8 7183
8 2358
8 7319
7 8879
2 7804
2 7734
2 7209
3 1434
3 3369
3 6589
2 8205
14 2711
14 0213
13 1375
11 8617
11 5727
12 3908
10 7084
オ.内部留保資金の状況
計 画
区 分
平成18年度
平成19年度
(2006年度)
(2007年度)
億 万円
億 万円
12 6794
14 0299
実 績
平成20年度
平成21年度
平成22年度
(2008年度)
(2009年度)
(2010年度)
億
万円 億
万円 億
万円
平成23年度
(2011年度)
億
万円
平成16年度
(2004年度)
億
万円
総 額
15 7943
20 1508
21 7957
23 8898
(注) 内部留保資金とは、費用のうち減価償却費など現金の支出を必要としない費用により、企業内に留保されている資金
94
11 5696
(3) リハビリテーション病院
ア.収益的収支
区 分
病院事業収益
入院収益
外来収益
一般会計繰入金
その他
病院事業費
給与費
材料費
減価償却費・資産減耗費
支払利息
その他
平成21年度
計 画
平成22年度
平成23年度
(2009年度)
億 万円
(2010年度)
億 万円
(2011年度)
億 万円
18 3672
18 5402
19 0456
10 9195
11 1569
11 4255
3404
3418
3432
4 6936
4 6080
4 8200
2 4137
2 4335
2 4569
21 4192
21 6258
22 1399
11 5804
11 7811
12 2879
9614
9817
1 0048
3 0757
3 0856
3 0943
1 5417
1 5174
1 4929
4 2600
4 2600
4 2600
△ 3 0520
△ 3 0856
△ 3 0943
3 0748
6 1268
9 2124
6 1268
9 2124
12 3067
当年度純利益
(△当年度純損失)
前年度繰越欠損金
当年度未処理欠損金
(注)
表中の金額は消費税等の額を含まない。
計画額の基本的な考え方
(ア) 入院収益、外来収益
1人1日あたり収入は、これまでの診療報酬改定や計画に掲げた取組を考慮して見込む。
(イ) 一般会計繰入金
(ウ) 給与費
現行の繰入ルールに基づき算出(企業債利息に係る繰入金は既借入金で算出) 平成21年度(2009年度)予算額に計画に掲げた取組や各年度の普通昇給等を加味して推計
(人事委員会勧告に基づく給与改定等は推計が困難なため、考慮していない。)
*身体障害者更生相談所及び自立訓練施設に係る給与費を含む(同額を病院事業収益
へ計上)。
平成21年度(2009年度) 1億9770万円 平成22年度(2010年度) 1億9995万円 平成23年度(2011年度) 2億223万円
平成21年度(2009年度)の入院、外来収益に対する材料費、薬品費の割合に基づき推計
(エ) 材料費・薬品費
(オ) 減価償却費・資産減耗費 既存分
(カ) 支払利息
既借入分
95
イ.将来需要予測
計 画
区 分
平成21年度
平成22年度
平成23年度
(2009年度) (2010年度) (2011年度)
入院患者延数(人)
33,580
34,310
35,136
92
94
96
4,820
4,840
4,860
20
20
20
1日平均患者数(人)
外来患者延数(人)
1日平均患者数(人)
ウ.資本的収支
計 画
区 分
資本的収入
一般会計繰入金
資本的支出
平成21年度
平成22年度
平成23年度
(2009年度)
(2010年度)
(2011年度)
億 万円
億 万円
億 万円
2 1943
2 1943
2 8287
2 1943
2 1943
2 8287
2 1943
2 1943
2 8287
550
550
550
2 1393
2 1393
2 7737
建設改良費
企業債償還金
(注) 表中の金額は消費税等の額を含む。
エ.一般会計からの繰入金の見通し
計 画
区 分
収益的収入
資本的収入
合 計
平成21年度
平成22年度
平成23年度
(2009年度)
(2010年度)
(2011年度)
億 万円
億 万円
億 万円
4 6936
4 6080
4 8200
2 1943
2 1943
2 8287
6 8879
6 8023
7 6487
96
(4) 安佐市民病院
ア.収益的収支
区 分
病院事業収益
入院収益
外来収益
一般会計繰入金
その他
病院事業費
給与費
材料費
減価償却費・資産減耗費
支払利息
その他
平成18年度
平成19年度
計 画
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
実 績
平成16年度
(2006年度)
億 万円
(2007年度)
億 万円
(2008年度)
億 万円
(2009年度)
億 万円
(2010年度)
億 万円
(2011年度)
億 万円
(2004年度)
億 万円
117 3744
121 0926
124 5621
132 9417
137 1512
139 0890
118 5458
76 7549
79 7860
82 4362
89 2400
92 3295
93 1424
78 3223
28 2019
29 1098
30 0621
31 0234
31 9930
33 1284
27 7015
8 6172
8 5002
8 3402
9 1300
9 2566
9 2218
8 8242
3 8004
3 6966
3 7236
3 5483
3 5721
3 5964
3 6978
123 4698
126 5569
126 3925
134 4392
137 9209
139 9862
120 1587
63 4437
65 6648
66 3211
71 0132
73 1542
74 7544
62 3522
32 0598
33 2506
34 2901
35 3417
36 8842
37 4848
30 6749
8 8552
8 7292
7 1484
7 6912
8 3408
8 2490
7 4652
3 0203
2 8750
2 6479
1 7225
1 8028
1 7657
3 2510
16 0908
16 0373
15 9850
18 6706
17 7389
17 7323
16 4154
△ 6 0954
△ 5 4643
△ 1 8304
△ 1 4975
86 8932
92 9886
98 4529
100 2833
92 9886
98 4529
100 2833
101 7808
当年度純利益
(△当年度純損失)
前年度繰越欠損金
当年度未処理欠損金
△
7697
△
8972
△ 1 6129
101 7808
102 5505
80 8331
102 5505
103 4477
82 4460
(注) 表中の金額は消費税等の額を含まない。
計画額の基本的な考え方
(ア) 入院収益、外来収益
1人1日あたり収入は、これまでの診療報酬改定や計画に掲げた取組を考慮して見込む。
(イ) 一般会計繰入金
(ウ) 給与費
現行の繰入ルールに基づき算出(企業債利息に係る繰入金は既借入金に新規借入金を加算して算出) 平成18年度(2006年度)予算額に計画に掲げた取組や各年度の普通昇給等を加味して推計
(人事委員会勧告に基づく給与改定等は推計が困難なため、考慮していない。)
(エ) 材料費・薬品費
平成18年度(2006年度)の入院、外来収益に対する材料費、薬品費の割合に基づき推計
(オ) 減価償却費・資産減耗費 既存分に設備投資計画に基づく医療機器等の新規取得分を加算して推計
(カ) 支払利息
既借入分に設備投資計画に基づく新規借入金を加算して推計
97
イ.将来需要予測
計 画
区 分
平成23年度
実 績
平成16年度
(2006年度) (2007年度) (2008年度) (2009年度) (2010年度) (2011年度)
(2004年度)
平成18年度
入院患者延数(人)
1日平均患者数(人)
平成20年度
平成21年度
平成22年度
175,043
177,510
178,850
175,244
175,725
176,205
174,972
480
485
490
480
481
481
479
261,170
260,104
259,038
220,033
220,946
222,772
275,417
1,066
1,066
1,066
913
913
913
1,138
1日平均患者数(人)
外来患者延数(人)
平成19年度
ウ.資本的収支
実 績
計 画
区 分
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成16年度
(2006年度)
(2007年度)
(2008年度)
(2009年度)
(2010年度)
(2011年度)
(2004年度)
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
資本的収入
12 8499
11 9375
10 9841
17 8327
11 0851
11 0102
11 8983
企業債
5 6400
5 1800
4 5000
10 2300
5 5290
5 6590
6 5300
一般会計繰入金
6 6138
1437
6 4841
7 6027
5 5561
5 3512
5 3683
その他
6 1108
1 0991
資本的支出
14 7939
15 4577
14 9811
22 1876
14 4362
14 0626
14 1425
建設改良費
5 9936
5 3287
4 5000
10 2300
5 5290
5 6590
6 5477
企業債償還金
8 8003
10 1290
10 4811
11 9576
8 9072
8 4036
7 5948
(注) 表中の金額は消費税等の額を含む。
エ.一般会計からの繰入金の見通し
計 画
区 分
収益的収入
資本的収入
合 計
実 績
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成16年度
(2006年度)
(2007年度)
(2008年度)
(2009年度)
(2010年度)
(2011年度)
(2004年度)
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
億 万円
8 6172
8 5002
8 3402
9 1300
9 2566
9 2218
8 8242
6 1108
6 6138
6 4841
7 6027
5 5561
5 3512
5 3683
14 7280
15 1140
14 8243
16 7327
14 8127
14 5730
14 1925
オ.内部留保資金の状況
計 画
区 分
平成18年度
平成19年度
(2006年度)
(2007年度)
億 万円
億 万円
21 1974
20 9772
実 績
平成20年度
平成21年度
平成22年度
(2008年度)
(2009年度)
(2010年度)
億
万円 億
万円 億
万円
平成23年度
(2011年度)
億
万円
平成16年度
(2004年度)
億
万円
総 額
22 3333
31 2874
35 5145
39 8211
(注) 内部留保資金とは、費用のうち減価償却費など現金の支出を必要としない費用により、企業内に留保されている資金
98
19 7449
Fly UP