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ダウンロード - 自治医科大学

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ダウンロード - 自治医科大学
第22号
平成21年10月1日発行
JICHI MEDICAL UNIVERSITY
SAITAMA MEDICAL CENTER
自治医科大学
さいたま医療センターだより
TEL.048­-647-2111 FAX.048­-648-5180 URL:http://www.jichi.ac.jp/center
理 念
1.患者中心の医療
2.安全で質の高い医療
3.地域に根ざした医療
4.心豊かな医療人の育成
基本方針
1.患者の皆様を尊重し、開
かれた安心できる医療を
提供します
2.チーム医療を推進し、安
全で質の高い医療を提供
します
3.地域との連携を深め、基
幹病院としての役割を果
たします
4.地域医療に貢献する医療
人を育成します
さいたま市・見晴公園
センターだより 第22号 ご案内
◇アレルギーの犯人探し―皮膚科からのメッセージ(皮膚科 出光教授)
◇スタッフ紹介(大島皮膚・排泄ケア認定看護師 産科・小児科スタッフ)
◇活動紹介・・・NSTについて
◇新型インフルエンザ対策へのご協力について
◇お知らせ・・・携帯電話ボックスの移設について
看護職員の募集について
さいたま医療センターだより
(2)第22号
平成21年10月1日
アレルギーの犯人探し ― 皮膚科からのメッセージ
皮膚科教授 出光 俊郎
皮膚科は皮膚癌、面疔、かぶれ、じんましん、アトピー性皮膚炎、水虫、糖尿病の足壊疽、脱
毛症、さらには褥瘡(とこずれ)から美容までその守備範囲と扱う疾患は驚くほど多い。この頃
では、皮膚科は「皮膚病を治すところ」から「皮膚を美しく保つところ」にもなりつつある。
さて、最近、センターの皮膚科で力をいれているのは、生命の危険があるじんましん、すなわ
ち、アナフィラキシー(呼吸困難やショックなど全身症状の強いアレルギー反応)の原因検索で
ある。蜂によるショックは地方では珍しくないし、最近の健康食品ブームで大豆アレルギーによ
る豆乳アナフィラキシーも時折来院する。思ったよりもかなりの件数のアナフィラキシー患者が
センターの救急外来に運び込まれる。最も困るのは原因不明のアナフィラキシーショックであ
る。原因がわからなければ、同様の発作を繰り返して、毎回救急車で搬送されることになるので
ある。救急外来で、救命処置を行い、回復した後、皮膚科に原因検索の依頼が来る。苦難の末に
誰にもわからなかった原因物質をつきとめたときは、シャーロックホームズか、金田一耕助か、
はたまた古畑任三郎になった気分である。
アレルギーの問診は警察の聞き込み捜査に近い。患者は本当に有用な情報ははじめから教えて
はくれない。何度も同じことを質問して、検査のメニューを思案する。そうしているうちに再び
同じ事件(アナフィラキシーの再発)がおこる。するとだんだんに容疑者(疑わしい物質)が絞
られてくるのである。
具体的な事例としては、
①食物によるアナフィラキシーショックとして紹介されたが、実は毛染めをしながら食事を
していたための毛染めアレルギー
②魚か?と思いこんでいたが、実は副食として添えられていたブロッコリーによるアレル
ギー
③小麦と疲労と運動が同時に重なると発症する食物依存性運動誘発アナフィラキシー
などである。そのほか、最近の報告では、香辛料によるものやお好み焼きのアレルギーで、家
庭用お好み焼き粉の中で繁殖したダニによるショックというのもある。また、ひとつの食物で
は発生しないが、複数の食べ合わせによって出現する食物アレルギーも知られるようになっ
た。
原因検索として、血液検査は一応行うが、参考程度にしかならない。信頼性の高い検査として
は皮膚の角層(垢になって剥がれる部分)に細い針をさして、試験薬ないしは原因食物をいれる
プリックテストがある。そして、実際に食物や薬剤を摂取していただく負荷試験を行うこともあ
る。運動の関係しているものでは、原因食物を食べた後に運動を行って誘発を試みる。
簡単なようで原因追及はかなり難しいことも少なくない。体調やそのときに内服している薬剤
平成21年10月1日
さいたま医療センターだより
第22号(3)
(鎮痛剤など)、性周期なども微妙に関係しており、それらの条件がすべて一致しないと発症しな
いケースも少なくないからである。
そういえば昔、東北地方の病院に小麦による食物依存性運動誘発性アナフィラキシーの警察官
の方がいらっしゃった。「すわっ!事件だ!」と弁当をかきこんで、犯人逮捕に走っていったら、
おそらく、犯人逮捕前にショックで救急外来に運ばれるのではないかと心配になったものであ
る。
最近ではこういうタイプのアレルギー患者には
①一人ではなるべく食事をしない。
②食べてすぐ運動しない。
③ショック対策の薬剤(緊急用自己注射薬もある)を携行しておく。
④カードを携帯しておく。
などの指導をしている。
現在、救急部長の藤原先生をはじめとするスタッフと連携して原因検索の仕事をしているが、
重症アレルギーの原因を確定するのがわれわれの責務だと思っている。検索をしたケースの7割
以上が原因を特定できている。多くは食物、ついで薬剤である。皮膚科はルーペ片手にお宝鑑定
に近い仕事もするが、ときにはこうした重症アレルギー患者の話を聞き、大胆な推理を行い、仮
説を立て、そして、科学的に証明して真犯人(原因物質)をつきとめるという、一般の人からみ
てもワクワクするようなサスペンスドラマ顔まけの仕事もやっているのである。
(4)第22号
さいたま医療センターだより
す!
がんばってま
平成21年10月1日
皮膚・排泄ケア認定看護師
大島 美津子
スタッフ紹介
私は、皮膚の問題と便や尿などの排泄機能の障害から
起こる様々な問題に取り組む専門の看護師です。主に入
院中の患者様が「床ずれ」にならないように院内の設備
を整えたり、スタッフ教育や褥瘡を保有している方々の
直接的なケアを実施しています。また、人工肛門・人工
膀胱の方々(オストメイト)の退院後のお手伝いをして
います。皮膚や排泄の問題は人に相談しにくいデリケー
トな分野であるため、プライバシーを守るために外来で
は「看護相談室」を設け予約制で個別に相談を受けてい
ます。
「看護相談室」は外来の患者様を対象とした相談室です。現在2か所に設置されており、オス
トメイトの方々以外にも、外来看護師が自己注射指導や様々な疾患の生活指導を予約制で行って
います。何かお困りの事がありましたら正面玄関の「総合案内」や「外来処置室」で承っており
ます。気軽にお声掛け下さい。
オストメイト外来担当看護師
生活指導担当看護師
さて、これから寒い冬がやってきますね。秋冬は空気が乾燥し、皮膚がかゆくなる季節でもあ
ります。適切なスキンケアを行うことで、かゆみを最小限に抑えることができます。この機会
に、日頃のスキンケアを見直してみましょう。
【こんな症状で困っていませんか?】
▶体がかゆい(特に足や腕)
▶皮膚が粉がふいたようにカサカサしている
▶指やかかとがザラザラしている
さいたま医療センターだより
平成21年10月1日
第22号(5)
▶服を脱ぐと、パラパラと皮が落ちる
▶風呂上がりにつっぱり感がある
▶絆創膏などにかぶれやすい
以上のような症状がある方は、皮膚の油分が不足し、とても乾燥している状態です。皮膚はあ
らゆる刺激から体を守る大切なバリアです。乾燥でバリア機能が低下し問題となるのがアレルゲ
ンやウイルスや菌、微生物の侵入を防ぎきれない事、温度の変化、紫外線や服の刺激を受けやす
く、かゆみや湿疹、ただれを起こしやすくなる事です。また、皮膚の水分を保持できず更に乾燥
してしまう…といった悪循環を招きます。
【このようなお風呂の入り方はしていませんか?】
▶熱いお風呂が好き
▶風呂につかっている時間が長い
▶ごしごしこすらないと洗った気がしない
▶ボディソープや石鹸を泡立てずに直接皮膚につけて洗う
▶風呂上がりにローションやクリームなどつけない
日本人は特にお風呂好きな方が多く、体を洗いすぎる傾向にあるといえます。必要な油分まで
洗い流してしまううえに、こする刺激はかゆみを助長させてしまいます。
【おすすめの入浴方法】
▶お風呂の温度は40度までとし、つかる時間は軽く温まる程度にする
▶石鹸はよく泡立てて、皮膚を滑らすように洗い、その後よく洗い流す
(石鹸は、「弱酸性」と表記されているものを選ぶと更に効果的)
▶水分は、こすらず軽く押さえるようにして拭く
▶乾燥している部分や、かゆみがある場所には保湿ローションやクリームをぬる
お風呂の入り方だけでなく、病気や治療により乾燥肌や肌のトラブルを招きやすくなることが
あります。気になる症状がありましたら、主治医や看護師へご相談ください。
産科・小児科スタッフ紹介
▶手に 持 っ て い る キ ュ ー ピ ー 人
形 は、 そ れ ぞ れ 週 か ら 週
までの胎児の大きさです。
10
36
産科外来助産師・看護師
小児科外来スタッフ
さいたま医療センターだより
(6)第22号
活 動 紹 介
〜 NST について
平成21年10月1日
栄養部 茂木栄養室長
NST をご存じですか?
NST「エヌ、エス・ティー」とは?
Nutrition Support Team の略称で日本語では「栄養サポートチーム」と呼ば
れます。複数の職種が連携をとり、栄養管理をチームとして提供していくシス
テムで、当センターの NST は医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士で構成されて
います。
NST の目的は?
栄養障害、もしくは栄養の摂取障害がある患者様の栄養
評価を行い、主治医の治療の一助となるよう、効率的な栄
養プランを提案いたします。その後も改善状況を確認し、
必要に応じてプランを再検討し、常に最善の方法を検討い
たします。
NST の活動は?
病院全体の入院患者様を対象として、毎週1回 NST カンファレンスを実施しております。主
治医から依頼をいただき、栄養状態の評価、問題点の抽出を行い、その患者様に最もふさわしい
プランを立案します。患者様の声をお聞きするため、直接お話をお聞かせいただく場合もござい
ます。
また、センター内では職員への最新情報の提供と栄養管理知識の普及のため、定期的に勉強会
を開催しております。
当センターは、「日本静脈経腸栄養学会」「日本病態栄養学会」「日本栄養療法推進協議会」か
ら NST 稼動施設としての認定を受けており、「日本静脈経腸栄養学会実地修練認定教育施設」と
して研修の受け入れもしております。
当センターの NST は患者様お一人おひとりが、よ
りよい医療を受けられるよう、複数の職種ができる限
りの知識と技術を集結し、皆様の栄養管理をサポート
させていただきます。
平成21年10月1日
さいたま医療センターだより
第22号(7)
新型インフルエンザ対策にご協力願います
新型インフルエンザが全国的に流行しはじめ、さいたま市でも流行しております。これから、
更に流行の拡大が予想されています。当センターには、ハイリスクグループとされる慢性呼吸器
疾患・ 慢性心疾患・ 糖尿病などの代謝性疾患・ 腎機能障害・ステロイド内服などによる免疫機
能不全・妊婦・高齢者・小児の患者さんが大勢来院され、入院されております。
そこで、このようなハイリスクの患者さんを感染から守るため、当センターにお越しになる皆
様は、以下の点に、ご協力をお願いします。
センターを訪れる皆様へ
▶正面玄関にインフルエンザ掲示版があります。センターの方針や最新の新型インフルエンザ
情報を掲示しておりますので、ご覧ください。
▶平日7:30 ~ 18:00は、熱のある方をチェックするため正面玄関からお入りください。本
館南口は、職員専用といたします。
▶帰宅しましたら、うがい、手洗いを必ずして下さい。
▶咳エチケットの実施をお願いします。マスクはご自身でご用意下さい。
外来患者の皆様へ
▶急な発熱や咳、咽頭痛、倦怠感に加えて、鼻汁・鼻閉、頭痛等がある場合は、インフルエン
ザが疑われます。受診前に電話でご相談ください。
▶症状の安定されている外来患者の皆様には長期処方をさせていただきます。
入院患者の皆様へ
▶入院時や外泊後の体温チェックにご協力ください。
▶ご自身の感染防止のために、売店や外来に行く場合は可能な限り、マスクをお付けくださ
い。マスクは、ご自身でご用意ください。
▶面会については下記の「面会の皆様へ」のようにさせていただいております。入院患者の皆
様からも、ご家族、ご友人等にご説明をお願いします。
面会の皆様へ
▶面会は成人のご家族のみとさせていただきます。新型インフルエンザ患者の半数以上を20
歳以下が占めております。入院患者の皆様を守るためにお子様を病棟にお連れにならないよ
うにご協力お願いします。
▶病棟へは原則マスク着用のうえお越し下さい。発熱や風邪症状のある方のご面会
は固くお断りします。
▶インフルエンザと診断された方は、発熱後7日間の面会をお断りします。
▶周囲にインフルエンザ患者さんがいる場合は、面会をお控え下さい。
すでに感染を受け、潜伏期にある可能性があります。
▶面会の前は病室の前にある擦式アルコール製剤で手指消毒を
お願いします。
さいたま医療センターだより
(8)第22号
平成21年10月1日
このたび、本館1階の携帯電話ボックスを以下の場所に移設しましたので、本館での携帯電話
ご使用の際は、こちらをご利用ください。
本館1階設置場所
外来駐車場
…携帯電話ボックスの設置場所
血 液
尿検査
受 付
外 来
受付2
外 来
受付1
問診室
再診受付機
自動会計機
ELV
放射線受付
中 庭
出入口
正面玄関
中央ホール
地下
放射線治療
総合案内
内視鏡
受 付
医事課
理容室
栄
養
相談室
WC
売 店
書店
医療福祉
相 談 室
ATM
レストラン
小児科
受付
脳ドック
自
動
ELV
販売機
階段
ELV
バス停
薀
生理機能
受 付
入院受付
核医学
受 付
薬局 会計 計算 再診 初診
WC
ELV WC
中 庭
タクシー
乗り場
外 来
受付3
WC
外 来
受付4
休憩待合室
警 備
本 部
【南館携帯電話コーナー】
◇各階エレベータホール
時間外出入口
看護職員を募集しています
当センター看護部では、他県から移転してきた看護師
や、育児のために退職していた看護師が数多く再就職し
ています。そして、自身の持つ大学病院や急性期病院で
の経験を活かしてがんばっています。
当センターは、もちろん忙しい職場ではありますが、
それを超える充実感や自己の成長を実感できる職場で
す。また、なんといっても職員間の人間関係の良さが、一人ひとりを支える大きな力となっ
ています。
皆様のお近くに再就職を考えている方がいらっしゃいましたら、当センターをご紹介くだ
さい。募集パンフレットもすぐにご用意できますので、総合案内にお声をおかけください。
よろしくお願いします。
表紙写真
表紙写真
(さいたま市・見晴公園)
澄みきった秋の大空に
ゆっくりと回る風車
撮影:金沢外来師長
編集後記
記事にもありましたとおり、インフルエンザ流行に備え、当セン
ターでも対策を進めています。何といっても、皆様お一人おひとりが
罹らない、うつさないことが大切です。日常の予防にぜひお心がけ願
います。また、入館の際にはいろいろとご不便をおかけいたしますが、
ご理解・ご協力のほど、よろしくお願いします。(Y)
◆発行/自治医科大学さいたま医療センター医事課 住所/〒330-8503 さいたま市大宮区天沼町1-847 TEL.048­-647-2111 FAX.048­-648-5180 URL:http://www.jichi.ac.jp/center
携帯電話ボックスを移設しました!
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