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JOA 活動の歩みと今後の課題

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JOA 活動の歩みと今後の課題
第 22 回全国大会(北海道札幌)ワークショップ・オリエンテーション基調講演
JOA 活動の歩みと今後の課題
副会長
笹岡
勁
1.はじめに
ストーマを造設した横浜の 8 名の患者が、医療者の献身的な支援を受けて社団法人
日本オストミー協会(JOA)の前身である互療会を 1969 年(昭和 44 年)7 月に設立し
てから今年は 41 年になる。オストメイトである当時の諸先輩は、想像を絶する困難
や環境に直面し、わが身を省みず必死になって福祉と QOL(生活の質)の向上を獲得す
るために邁進して来られたことは感謝の念に耐えない。
公益法人制度の抜本的改革に伴い新公益社団法人移行を目前にしているが、ここで
は、互療会そして JOA のこれまでの歩みをふり返り、今後の二、三の課題について
考えてみたい。
2.互療会誕生の背景
人工肛門の手術の始まりは、約 300 年前、富士山の宝永噴火の頃にさかのぼり、西
洋で小児の鎖肛治療を対象に考案されたらしい。その後いろいろな術式が考案され、
1887 年(明治 20 年)にその基礎が確立された。
人工膀胱術は比較的新しく、1927 年(昭和 2 年)に尿管皮膚ロウ、1952 年(昭和
27 年)に回腸導管によるストーマが造設されるようになり、近年になって禁制型代用
膀胱や自排尿型代用膀胱などの術式が開発されてきた。
1952 年にターンブル博士(米)が、歯科材料であったカラヤガムが皮膚保護材とし
て有用であることを見出すまでは、ストーマ用装具はハンドメイドや石田式装具に代
表される非粘着式のものが使用されていた。日本においては、ラパックに代表される
バッグを腹部に接着する装具も使用されていた。
互療会が設立されたのは、このような時期で、当時のオストメイトは、「臭う」「漏
れる」「肌荒れする」という状態を甘受せざるを得ない状態であった。米国では、互療会
設立の 20 年前にフィラデルフィアの人工肛門保有者が患者会を誕生させ、1962 年に
各地の患者会が集合してアメリカオストミー協会(UOA)が設立された。また、スト
ーマ外来は 1953 年に設立され、カラヤガムを用いた皮膚保護剤が用いた装具が 1960
年代から実用化され、日本では 1974 年から製品化された。さらに合成系樹脂を配合
した耐久性のある装具が開発され、日本では 10 年近く遅れて 1978 年に製品化された。
欧米のオストメイトは、術後のケアや装具の点で日本より約 20 年早く比較的良好
な環境を享受していたが、彼らもまた我々と同じ悩みを共有していたもの考えられ、
その後の国際的に団結し連携した活動の原動力になった。
1
3.互療会設立とその活動
互療会が設立されるまでの経緯は、当時横浜市立大学の若き外科医であった笠川顧
問医が詳細に回想(横浜だより 100 号記念誌)している。互療会の設立準備会や設立後
の会合には、賛同者が回を増すごとにすご
表 1 主なオストメイト福祉の改善
い勢いで増え、新聞や TV などのマスコミ
1977 年 厚生障害年金の支給
にも大きく取り上げられたことが述べられ
1984 年 身体障害者福祉法適用
ている。
身体障害者手帳交付
『お互いに再起を励ましあって生きた
1986 年 ストーマ用装具交付 社会適応
い』という思いで、全国から同憂者が集ま
訓練事業受託
所得税控除
り、オストメイトを取り巻くあまりにも苛
1989 年 ストーマ用装具の医療控除
酷な環境の改善を目指して立ち上がり、設
1991 年 ストーマ用装具消費税の非課税
立 2 年後には、オストメイトのための福祉
2001 年 オストメイト対応トイレ整備開始
制度を獲得するために日夜陳情を開始し、
2003 年 オストメイト全員の即時障害者認定
長期間の運動を経て表1に示すような福祉
2006 年 洗腸用具をストーマ用装具に
施策を獲得した。
明記
互療会設立の 20 年後の 1989 年には 64
福祉避難所に災害用ストーマ用
支部、会員数 8,600 名が結集し大きな組織
装具の備蓄を通達(内閣府)
へと成長し、設立以来の夢であった公益法
災害時ストーマ用装具を緊急支
人としての法人格を取得し、社団法人日本
給(内閣府)
オストミー協会と名称を変更した。
障害者自立支援法成立
ストーマ装具は日常生活用具
会員数
AOA東京大会主催
ストーマ連絡協議会
日身連に加盟
築基準に対応トイレ設置
究極のトイレ騒動
ストーマ装具 入手難
所得税医療控除適用
3000
ストーマ装具消費税非課税
ストーマ
装具給付
互療会設立
6000
I
O
A
加
盟
障害厚生年金受給を獲得
9000
「
社会適応訓練 」
開始
12000
「
身体障害者福祉法 」適用
15000
阪神淡路大震災
会員数の推移と福祉の向上
JOA会員数の 推移
社団法人 日本
オストミー協会に改名
図1
0
196 5
1970
1975
1980
1985
2
1990
1995
2000
2005
2010
2015
4.世界のオストメイトとの連携
互療会が設立された年代は、北米やヨーロッパにおいて既に患者会が組織され、ス
トーマ用装具の交付など実施されつつあったが、オストメイトの共通の悩みは解決で
きないでいた。米国オストミー協会(UOA)の第 10 回大会において、北欧 4 カ国、
英国、日本からの個人的に参加していたオストメイトを加えた会合で世界的な集まり
を作ろうということになった。早速準備会(WWC)を立ち上げ、2 年後の 1974 年に
はオランダにおいて国際オストミー協会(IOA)の設立総会が開かれた。1976 年にロ
ンドンにおいて第 1 回 IOA 世界大会が開催され、日本から前田会長(当時)と高橋幹事
(当時)が参加した。
このように速いテンポで国際的な連携が強固に形成できたことは、品質の良いスト
ーマ用装具を手にすることができなかった世界のオストメイト達が自分たちの置かれ
ている立場を憂慮し、また相互に理解し合い、国境を越えて団結して苦境を乗り越え
ようという機運に満ちていた時代であった。またこのような活動が品質の良いストー
マ用装具の開発を促進したといえる。
IOA は恵まれない国々の協会の設立を支援し、その国のオストメイト達を支えてき
た。現在、構成国は 71 各国、加盟協会は80協会となり、世界大会には日本からも
多くの会員が参加している。また 2008 年のAOA東京大会には 15 ヶ国から 72 名と
日本各地からの参加者が集まりアジアのオストメイトのQOL向上について議論がな
された。
5.JOA の発展とストーマ用装具の品質
皮膚保護剤:1952 Turnbull カラヤガム応用
図2
会員数の推移と環境の変化
会員数の推移と環境の変化
1900~45 オムツやあて布の時代
1945~60 廃物利用容器の時代
15,000
ベルト固定式
器具の時代
C
M
C
会員数
皮膚保護剤改良
ストーマ外来普及
ストーマリハビリの関心が高まる
WO CN
千百三十二 名
ETN 百 十 名
ET スク ー ル開 校
SR 研 究 会 開 催
カ ラヤ ガ ム国 産
3,000
皮膚保護剤の普及
合成系皮膚 保護剤
複 合 ポ リ マー
カ ラヤ ガ ム輸 入
6,000
国 産 初 粘 着 式 装 具 ラ パック
カ ラ ヤ ガ ム 装 具 に実 用 化
9,000
ペク チン・
ポ リ イソブ チレン
12,000
粘着性装具の時代
0
1960
1970
1980
1990
3
2000
2010
JOA の会員数は改名後も増加し、1995 年には 12,071 名に達した。この間、互療会・
JOA の必死の活動によってオストメイトが必要とする福祉の基礎が確立され、一方で
はストーマ用装具の高品質化が進んだ。
互療会設立時のストーマ用装具は、石田式などのベルト固定式器具、ラパックなど
の粘着性装具であり、オストメイト達の悩みは多く、低い水準の QOL に甘んじてい
た。
しかし、国や世論に対する活動が進み、オストメイトに必須の福祉制度を獲得して
いく中で、カラヤガムを皮膚保護剤として配合したストーマ用装具製品の普及が進み、
さらに合成系高分子化合物を配合し耐水性を改善した皮膚保護剤を用いた装具へと品
質が改良され、肌荒れや漏れの少ない製品が供給されるようになった。
ストーマ用装具の改良・開発を早いスピードで促進させたのは、互療会・JOA も深
く関わってきた IOA の国際的な活動も大きく寄与して成し遂げられたものと考えら
れる。
6.ストーマリハビリテーションの普及
ストーマは障害であり、オストメイトは障害者であるとの認識に立って、ストーマ
ケアを手術後の療法としての領域に広げ、
「ストーマリハビリテーション」として普及
を提唱したのは、JOA 顧問医会代表の進藤勝久博士(当時大阪大学外科医、現近畿大
学教授、)で 1974 年のことであった。日本独自の手法として発展したが、現在では国
際的にも活用され、オストメイトの QOL 向上に大きく寄与している。
各地で開催されるストーマリハビリテーション講習会・研究会やストーマリハビリ
テーション学会も立ち上がり、また ET/WOCスクールも開校されストーマケアを
専門とする認定看護師(ET/WOC 看護師)が誕生するようになり、医療面でもオス
トメイトのおかれている環境が整備されてきた。
7.転換期の JOA
ストーマ用装具の交付、装具の品質向上、ストーマリハビリテーションの普及など
福祉、装具、医療の向上とともに JOA の会員の増加数は足踏み状態になってきた。
1995 年から 2001 年の会員数は 12,000 名前後で推移したが、2002 年以降は漸減に転
じ、2009 年には 10,338 名になった。全国のオストメイト人口に対する JOA 会員数
の割合(組織率)は 1996 年の 17.8%をピークに 2006 年には 6.6%に低下している。
組織率の低下の原因のひとつに 2003 年のオストメイトの新規障害者手帳取得者の異
常な増加による相対的組織率の減少がある。
組織率の比較的大きい横浜市支部の場合も 19.0%(1996 年)から 14.2%(2006 年)に減
少している。横浜市の新規手帳取得者数は、2003 年は前年比で 3.0 倍に、2005 年に
かけて減少しているが、2006 年以降は 2002 年比 2.2 倍程度で推移している。
これは 2003 年に人工肛門造設手術を受けた日より障害認定を受け手帳を取得でき
るようになり、入院治療中やそれまで手帳を取得していなかったオストメイトが手帳
を取得したためと考えられる。2006 年以降は、その年にオストミー手術を受けた人数
を示していると考えられる。
4
国内オストメイト人口とJOA会員組織
国内オストメイト数とJOA会員組織率
165,00020.0
18.0
16.0
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
オ ス ト メ イ ト 人 口 (人 )
180,000
160,000
140,000
120,000
91,000
100,000
80,000
60,000
66,000
59,000
40,000
20,000
19
9
19 1
9
19 2
9
19 3
9
19 4
9
19 5
9
19 6
9
19 7
9
19 8
9
20 9
0
20 0
0
20 1
0
20 2
0
20 3
0
20 4
0
20 5
06
0
JOA会 員 組 織 率 (% )
図3
患者数
図4
組織率
多項式 (組織率)
新規膀胱・直腸機能障害者(横浜市)
新規膀胱・直腸機能障害者数と年齢構成の推移(横浜市)
1000
900
800
700
人数
600
500
400
300
200
100
0
1998
1999
0-20
2000
20-29
2001
30-39
2002
40-49
5
2003
50-59
2004
2005
2006
60-69
70-79
80-
2007
2002 年と 2003 年の新規手帳取得者を年齢別に比較すると、50 歳代で 1.5 倍、60
歳代で 2.2 倍、70 歳代で 2.4 倍、80 歳以上で 3.6 倍と手術年齢の高齢化が進み、高年
齢者数が激増している。
この傾向は全国的なものと考えられ、JOA の会員の年齢構成にも影響を及ぼし高齢
化を進め、65 歳以上の会員比率が 80%に、また 80 歳以上は 20%に達している。
8.高年齢オストメイトの不安解消に向けて
JOA では、オストメイトの抱える不安や悩みを次の三つのカテゴリーに分類して対
策を練っている。
1.外出時の不安
2.災害時の不安
3.老後の不安
外出時の不安解消については、JOAは 1999 年頃より公共的施設にオストメイト
対応トイレを設置することを国に要望し、オストメイトの外出時の移動に際してのバ
リアフリー化を進めるよう運動を行ってきた。輸送機関のターミナル等への設置が進
む中、バリアフリー新法が制定され、大規模施設へのオストメイト対応トイレの整備
が義務化されるようになり、現在ではかなり広範囲に設置され、ストーマの予期せぬ
トラブルがあってもオストメイトが安心して外出できる環境が世界で始めて整備され
つつある。
災害時の不安については、1995 年の阪神淡路大震災を教訓に被災時のストーマ用装
具の入手について、公助・互助・自助の観点から国、地方自治体、装具製造、販売者
と折衝を重ねてきた。2005 年に広域大災害時のオストメイトの避難支援に関し、国の
「災害時要援護者の避難ガイドライン」に「オストメイト支援」が明記された。また
JOAは用品協会(JAOAI)と協議し、「災害時におけるオストメイト救援対策」を策
定した。しかし、救援対策の中核となる地方自治体の取り組みがほとんど進んでいな
いのが現状である。
被災直後から 2 週間までの期間、被災地は大変な混乱状態が続き、組織的な公的支
援を得難い。オストメイトにとって最も重要なことは、この時期にストーマ用装具を
如何にして手に入れるかにある。各自の日頃の備えが必須であるが、自宅などが被災
し準備していたストーマ用装具が手に入らない場合も充分ありうることである。
このような事態に対処するため、居住地に近い公的施設に各自がストーマ用装具を
持ち寄り備蓄して置くというアイデアがある。これを実現するために地方自治体と協
働し取組みを始めている。この考えは、自助・共助・公助の三位一体の取り組みとし
て、オストメイトは各自が自費で 1 ケ月分の装具を準備し、それを自治体が提供する
保管場所に、支部が保管や管理をコーディネイトするというもので、神奈川支部では
かなりの成果をあげている。ストーマ用装具を準備するオストメイトは、会員・非会
員を問わず、その地域のすべてのオストメイトを対象とし、中学校区あたり一ヶ所の
保管場所が提供されれば、1 保管場所の広さは衣装ケース 1~2 個分程度と小さく、公
的施設の負担も少ないものと考えられる。また幸運にも自宅が壊滅的な被害を免れた
場合は、備蓄しておいた装具を他のオストメイトに譲ることが可能であり、災害時の
6
相互支援に有用な方策と位置づけることができる。全国的な展開が期待される。
老後の不安解消については、オストメイトの年齢構成が老齢化するとともに最近で
は 80 歳以上でオストミー手術を受ける人も多くなってきた。必然的に介護を受ける
人数も増加している。ここで問題となってくるのは、ストーマ用装具の交換が医師法
で医療行為と定められ、医師や看護師及び家族以外の人にストーマ用装具の交換を委
ねることができない。在宅においても施設入居においても、ストーマ用装具の面板の
交換は、介護福祉士やヘルパーは実施できない。JOA では 2000 年及び 2007 年に厚
生労働省へ「ストーマ用装具の交換を身体介護の範疇とすることについての要望書」
提出し善処を求めているが、一向に進まない。
施設などの現場においては看護師数が不足しており、介護福祉士が面板交換などを
行っているケースも多く、その実態を全国の施設を対象に調査をし、その結果をもっ
て医行為の緩和に向けて国に折衝を重ねているところである。
9.新公益社団法人へ移行に向けて
JOA は、2008 年 12 月 1 日の法改正により民法に基づく社団法人から法人法に基づ
く公益社団法人へ移行すべく準備を進めている。公益事業として次の五つの柱を立て
ている。これまでの行ってきた事業を体系化し、組織を整備し委員会や部会活動によ
り機能的に事業が遂行できるように計画が進められている。
1. 講演会等・相談助言事業(全国大会、講演会、展示会等の開催及び相談事業)
2. 広報啓発事業(協会誌、ホームページ、図書の刊行)
3. 公益受託事業(オストメイト社会適応訓練事業)
4. 国際交流事業(IOAなど海外のオストミー協会との連携・協力)
5. 調査研究事業(福祉施策、ストーマリハビリテーションの調査研究)
オストメイトの年齢構成は年々老齢化が進み、介護に関する相談事業やストーマ造
設手術時の入院期間(クリティカルパス)の短縮化による相談・助言事業の重要性が増
している。
一般に同じ障害を持つ人による相談には、ピアカウンセラーとピアサポーターがあ
る。前者は、通常のカウンセラーと同等の高度の専門知識と資格を持ち、且つ同じ障
害を持った人であり、後者は専門的な知識は要しないが、同じ障害者の仲間同士で話
し合い、相手の話の聞き役になり前向きに助け合う関係になる人のことである。
JOAが目指す相談支援事業はピアサポーターの範疇であるが、次のような種別によ
り担当する業務に必要とする知識の習熟度が要求している。
1.オストミーヘルパー
協会活動、体験交流経験、オストメイト福祉制度及びオストミーに関する基礎知識
を持ちセルフヘルプ活動を行う。
2.オストミー・ピアサポーター
オストミーヘルパーの経験者で、ピアサポーター養成基礎研修を終了し、自己習得
の範囲で有効な経験を伝授して後輩の立ち直りを促すことによりセルフヘルプ活
動を行う。
3.オストミービジター
7
オストミー・ピアサポーターで、顧問医によるOV研修を終了し、ストーマ造設
前後の患者を訪問して、精神的支援をする。
4.病院内オストミー・ピアサポーター
オストミー・ピアサポーターで、病院内の研修を受け、病院の方針に従ってストー
マ造設前後の患者の相談を病院内サロンなどで受ける。
5.オストメイト相談室員
オストミー・ピアサポーターであって、更にピアサポーター養成上級研修やOV研
修を終了し、また相談事例研究やグループ研修を行うことにより能力を高めてJO
A内に設置する相談室業務に従事する。
図5
オストミー・
ピアヘルパー
自己研鑽
オストミー基礎知識
オストメイトの福祉制度
体験交流経験
当協会の活動周知
JOA相談支援事業のスキーム
JOA相談支援体制
オストミー・
ピアサポーター
ピア・サポーター
基礎研修
二次研修
相談支援
顧問医
OV 研修
OV活動
病院内研修
院内活動
病院・施設
患者サロン
ピア・サポーター
スキルアップ研修
オストメイト
相談室
会 員
このような相談員を養成することにより、オストメイトやその家族に対する相談支
援活動を幅広く行うことを予定している。相談員は経済面、職業、医療等の多岐に亘
る相談に対しては、行政や医療機関等の地域の専門相談員とのコーディネイトに心が
け、一人で問題解決を図ろうとしないことが重要である。
10.終わりに
互療会が設立されて以来 40 年を経過するが、オストメイトを取り巻く環境は著しく
改善された。ストーマ用装具の品質向上と公的給付制度の確立、オストメイト福祉の
充実、ET/WOC看護師の増加とストーマ外来の普及等と多く関係者の努力で達成
され、オストメイトのQOLは著しく向上した。
8
しかしオストメイトの年齢構成は老齢化しており、介護に係わるオストメイト特有
の問題が喫緊の課題として浮上し、その対応策として相談支援事業の確立が望まれ、
JOAは20万人のオストメイトの先頭に立って活動をしていきたい。
9
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