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印刷用pdf - 構造生物学ビームライン - SPring-8
2011/1/14 SPACE を利用した結晶自動交換測定マニュアル SPACE PIN (D-Cha) 1 目次 目次 1. 1. BL 測定までに事前で行なう作業 ......................................................................................................2 BL 測定までに事前で行なう作業 ..............................................................................................................3 1.1 D-Cha の事前登録................................................................................................................................3 1.1.1 Group Account と User Account の登録申請 ................................................................................3 1.1.2 クライアント証明書の Mozilla Firefox へのインポート .............................................................4 1.2 サンプルピンの準備 .............................................................................................................................6 1.3 トレイの準備........................................................................................................................................7 1.4 トレイにサンプルを詰める ..................................................................................................................8 1.4.1 マウンターロボットの使用方法.....................................................................................................8 1.4.3 SPACE ツールキットを用いて各研究所で詰める .......................................................................12 1.5 D-Cha の使用方法..............................................................................................................................14 1.5.1 D-Cha の使用方法 .......................................................................................................................14 1.5.2 Tray ID の登録(SPACE 52Wells Tray) .......................................................................................15 1.5.3 サンプル情報の登録 ....................................................................................................................15 1.5.4 サンプルの詳細な情報を登録 i-Field..........................................................................................16 1.6 2. Snap 測定、XAFS 測定(多波長異常分散の測定波長決定)の測定条件の入力 ....................................18 BL 測定当日の準備..................................................................................................................................21 2.1 液体窒素供給装置の確認....................................................................................................................21 2.2 SPACE 用ゴニオアダプターの確認 ...................................................................................................22 2.3 実験ハッチ内 SPACE へトレイをセット ...........................................................................................23 2.4 制御ソフトの起動...............................................................................................................................26 2.5 トレイ情報の読み込み方法 ................................................................................................................27 3. BSS 測定モードについて.........................................................................................................................29 4. Crystal Evaluation mode で測定............................................................................................................30 4.1 BSS への測定条件のダウンロードと測定開始...................................................................................30 4.2 結晶のセンタリングと画像の保存......................................................................................................30 4.3 回折画像の確認(Imgview と Result Browser の使用方法) ...............................................................31 5. Data Collection mode で測定..................................................................................................................34 5.1 連続測定モードへの切り替え(PLC 操作) ...........................................................................................34 5.2 単波長回折データ測定 .......................................................................................................................34 5.3 多波長回折データ測定 .......................................................................................................................36 5.4 6. BSS への連続測定条件のダウンロードと測定開始............................................................................38 測定終了の作業........................................................................................................................................38 6.1 実験ハッチ内の SPACE トレイを回収...............................................................................................38 6.2 BSS の終了 ........................................................................................................................................40 付録 1. 蓋の外し方(BL32B2 / BL38B1 と BL41XU では一部手順が異なります) .......................................41 付録 2. エラー対処方法................................................................................................................................44 2 1. BL 測定までに事前で行なう作業 サンプル自動交換 SPACE を用いた測定を行なう場合、BSS(Beamline control software)、 SPACE(Sample changer robot)、 D-Cha(Relation database and Web interface)を使用します。D-Cha に関しては、事前に 登録が必要になります。 1.1 D-Cha の事前登録 1.1.1 Group Account と User Account の登録申請 D-Cha を使用するには、Group Account と User Account の登録申請が必要になります。下記の図にその関 係を示します。新規 Group Account には、申請受付後に固有の Group ID(5 桁の数字)が発行されます。D-Cha に記録された試料情報や実験データは、同じグループに属する User Account 内のユーザーであれば誰でも 操作閲覧可能です。各 Group で必ず一人、Group 内の User Account の統括管理を行う利用責任者(Group Administrator)を申請して下さい。Group に別途 User Account を追加する場合、必ず Group Administrator の方が申請して下さい。D-Cha 管理者からの連絡事項は Group Administrator Account の方にのみ送付しま す。 担当者 馬場(SPring-8 内線番号 3510) 申請書提出先 baba(以降に@spring8.or.jp を付けて下さい) • D-Cha アカウント申請書 (Web からダウンロードして下さい。) • D-Cha アカウント申請書 記入例 (Web でご確認下さい。) 各 Group において、User Account は最低 1 つ必要になります。特に指定が無い場合、最初に申請された User Account が Group administrator として登録されます。その他のユーザーは standard user として登録され ます。standard user は、Tray 情報、結晶情報、測定条件の入力や結果の閲覧等、測定に必要な操作を行う ことができます。 Group administrator は、standard user と同等の権限をもつことに加え、Group で利用 するデフォルトの測定条件や、Tray の情報項目を編集できます。 3 1.1.2 クライアント証明書の Mozilla Firefox へのインポート D-Cha は、Firefox ver2 に表示をカスタマイズしています。所内で利用される場合は、Firefox を起動し、 http://dcha.spring8.or.jp にアクセスします。 <注意>SPring-8 所外からの場合、https となり、証明書が必要となります。 Mozilla Firefox、Mozilla、Netscape 系のブラウザではバージョンにより、少々異なる箇所もありますが、 基本的には同様の手順となります。 1. Firefox 2.0 系では [ ツール ] - [ オプション ] をクリックします。Mozilla 、Netscape などのブ ラウザは [ 編集 ] - [ 設定 ] をクリックします。 オプション画面が表示されますので [ 詳細 ] - [ 暗号化 ] をクリックします。下図のように証明書 欄の“サーバーが個人証明書を要求したとき:自動的に選択する”にチェックを入れ、[ 証明書を表 示 ] をクリックします。 2. [あなたの証明書]タブで [ インポート ] をクリックします。 4 3. 対象の PKCS#12 ファイルを選択すると以下のように「パスワード」を聞かれますので、 入力し [ OK ] をクリックします。 正常にインポートされた旨のメッセージが表示されます。 4. 次に [ 認証局証明書 ] をクリックして表示し、一覧から D-Cha Private CA を選択して、[ 設定 ] を クリックします。 5. すべてにチェックします。 これで設定は終了です。https://dcha.spring8.or.jp にアクセスし、D-Cha にログインできるか確認して下さ い。 5 1.2 サンプルピンの準備 ○ SPACE 用サンプルピンが SPINE 規格対応し、以前に比べサンプルピンの長さが短くなりました。 ○ サンプルピンと Micro Tube の接着方法がかわり、マウントすぐにセンタリングが可能です。(以前の タイプは、マウント後 2 分程度待ってからセンタリングを行なっていました。) ○ ピンの変更により、サンプルピンの手順が変わっています。下記の手順に従って、サンプルピンの準 備を行なって下さい。 1. サンプルピンにサンプルループを取り付ける準備 <準備する物> o サンプルピン(600 μm 以下の大きさのループを推奨しています。) o 接着剤「セメダイン PPX+プライマーセット」 o ピペット(プライマー液塗布用) o ピンセット <サンプルピンに関する注意> 2. サンプルピンにサンプルループを接着 ①サンプルピンを固定する背面の差込穴にピペットなどでプライマ ーを塗り、プライマー液を十分に乾かして下さい。ドライヤーの送 風などで乾かすと早く乾燥します。 <注意>熱風の場合引火の恐れがあります。 ②次に長さ 18 mm に切断した Micro Tube を差し込み、背面側から 3 mm ほど出しておきます。 ③3 mm ほど出しておいたピン部分にセメダインを適量付け、ピンの 差込穴に速やかに Micro Tube を押し込みます。あふれた接着剤はし っかりとふき取り、ネジ山に接着剤がつかないように注意して下さ い。付着した場合、再度サンプルピンを交換して作り直して下さい。 6 <注意>右写真のように白濁した場合は再度サンプルピンを作りなおし て下さい。プライマー液の乾燥が不十分な場合、白濁し接着力が低下しま す。 3. サンプルピンの確認作業 セメダインが十分に乾燥した後で、ピンセットで Micro Tube が外れないこ とを確認して下さい。 <注意>ピンセットでループを潰さないように気をつけて下さい。 注意事項 ピンは消耗品です。繰り返し使用によってピンのネジ山が磨耗します。5 回以上使用し た場合、必ず新品と交換して下さい。 5 回以下の使用であっても、ピンを観察して次に示すような症状が見られた場合、必ず 新品と交換して下さい。 ・ハンプトン用アダプタのネジ穴へスムーズに入らない。 ・ネジ山の間に削れカス(黒色)が詰まっている。 ・ネジ山がつぶれている。 1.3 トレイの準備 バーコードステッカーはトレイの穴番号 47 から 52 番の列に沿った側面(正対した際に目印の角の切り欠きが 右に来る向き)に、上下部品の継ぎ目に下辺を沿わせて,継ぎ目から 1 mm ないし 2 mm 上方に貼付して下さ い。 <注意>他の側面に貼付するとバーコード読み取りができなくなるので注意して下さい。 <注意>サンプル保管トレイ 23 番目の穴は使用しないで下さい(SPACE の動作で 23 番目の穴を使用します)。 7 1.4 トレイにサンプルを詰める 1.4.1 マウンターロボットの使用方法 ここでは、サンプルトレイへのマウントについて記載します(マウンターロボット使用方法の詳細なマニュア ルは、使用ソフトの Help メニュー →User Manual を参照して下さい)。 1. マウンターロボット使用前確認と準備 a. モータードライバー、ヒーター、液面計の電源が ON であることを確認して下さい。 b. 吹付低温装置温度(100K)と、クライオノズル位置を確認して下さい。 c. 液体窒素をデュワーに入れて下さい(液体窒素は SPring-8 共用のタンクから利用できます)。 2. SPACE ソフト起動 a. デスクトップ上のアイコン“SCGUI.exe”をダブルクリックすると、データベース設定画面が起動します。 b. [Database selection]で、“D-Cha”を選択し、各項目を入力し、【OK】をクリックすると、D-Cha へロ グイン、結晶情報入力項目等の初期化が行われます。その後、GUIおよびサーバーが起動します。 c.【Initialize①】を押して、装置の初期化を行なって下さい。 8 <注意> ○ ログイン時、D-Cha から Session ID が発行されます。それを、クッキーとして送信することによりセッ ションを維持します。 D-Cha と1時間以上通信が無い場合、Session ID が無効となり、通信出来なくな ります。 通信を再開する場合は、“Database”メニュー → “Settings”から、再度ログインしなおし て下さい。Session ID が再発行されます。 ○ D-Cha との通信エラーが起こった場合、プログラムフォルダ内の以下のファイルを確認して下さい。エ ラー原因の参考になります。 送信内容→Send.txt 受信内容→Recv.txt このファイルは、送受信時毎に上書きされていきます。エラー直後に確認して下さい。プログラム正常終了 時、これらのファイルは削除されます。 3. トレイセット a. 【Tray Set②】を押すと、トレイセット位置へ移動し、トレイ ID 入力画面が現れます。 b. バーコードリーダーで、トレイに貼り付けたバーコードを読み込み、トレイをセットして下さい。 c. 固定部の小さいポッチに、トレイ裏の溝が入る方向でセットして下さい。デュワー固定部右側が” Tray1”、 左側が”Tray2”です。 トレイ ID が D-Cha に登録されていた場合は、トレイ情報がダウンロードされます。 デュワーフタを固定して下さい。 d. その後、上記 GUI の【OK】を押すと、デェフォルト位置へ移動します。 9 4. 結晶マウント a. サンプルペンにサンプルピンを取り付けます。サンプルピンの取り付けがゆるい場合ロボットに支障を きたす場合があります。 b. 結晶を掬って下さい。 c. クライオシャッターを【Close】にして気流を遮り、サンプルペンをステージへセットして、赤丸のネジ でサンプルペンを固定して下さい。 次に、クライオシャッターを【Open】にしフラッシュクーリングで凍 結して下さい。 d. デスクトップ上のアイコン“CBS キャプチャ”をクリックし、結晶観察用ソフトを立ち上げて下さい。 画像のピント、位置は、カメラステージで調整して下さい。 サンプルペンを固定しているステージは動かさ ないで下さい。動かすと、ロボットとの位置がズレ、正常な動作を行えません。 10 e. 【Click to Edit③】をチェックし、【Gonio④】を押すと、結晶情報入力画面が開きます。結晶情報を入 力し、【OK】を押して下さい。サンプルの存在が認識され、ボタン色が黄色になります。 5. 結晶をトレイに詰める a. 【Set up⑤】をクリック後、【Gonio④】、詰めたいトレイ穴番号のボタンをクリックすると、”From” 、” To”が指定されます。 変更する時はもう一度【Set up⑤】をクリックし、”From”、”To”を指定します。 実行開始の場合は【Start⑥】をクリックします。サンプルが詰められたトレイ穴位置は、黄色になります。 その後、D-Cha へその結晶情報が登録されます。 【Cleaning⑦】がチェックされていると、トレイへ詰めた 後、ロボット先端部を自動で乾燥します。 6. D-Cha へ結晶情報をまとめて登録する Database → Register を押すと Tray Select menu 画面が開きます。登録したいトレイ番号を選び、【OK】 を押して下さい。トレイに詰めた結晶情報をまとめて登録することができます。 7. 保管容器へトレイを保存 保存用容器を準備します。 【Tray Out⑧】を押すと、デュワーが作業位置まで移動します。 1) デュワーのフタを開け、トレイフタ用トングを用いてトレイに蓋をします。 2) トレイ脱着トングでトレイを持ち上げてトレイ収納金具に乗せます。 トレイ収納金具を持ち上げて、トレイをトレイ保管ケースに装填します。 3) トレイ保管ケースを保存容器に保管します。 11 1.4.3 SPACE ツールキットを用いて各研究所で詰める 1.4.3.1 低温吹付装置を用いてサンプルをフラッシュクーリングする (Web 内の pdf 参照) 1.4.3.2 液体窒素で直接サンプルを凍結する 低温吹付装置を利用したフラッシュクーリング法の他に、新たに開発した2種類の下記ツールのいずれかを 利用して、液体窒素で直接結晶の凍結を行いトレイへ充填することが可能です。 ①直接凍結トング ②直接凍結ワンド 液体窒素用の容器は、マウント用器具が液体窒素に浸けることができる深さの物を用意して下さい。(下記、 容器写真参照) <注意>以下の操作は、事前に室温、および結晶をマウントせずに何度か行い、一連の操作方法を確認して 下さい(操作手順を参考)。手順等を必ず確認してから本番の操作を行って下さい。 サンプルをサンプル保管トレイに詰める注意事項 サンプル保管トレイ 23 番目の穴は使用しないで下さい(SPACE の動作で 23 番目の穴を使用します)。 サンプルピンのアダプタへのセット サンプルピンをアダプタにねじ込み、しっかりと締めて下さい。この締め込みが甘いと ドライバーの動作に支障をきたす場合があります。 Crystal Wand (もしくは Crystal Wand Magnetic)等に取り付け、ループで結晶をすく います。必要であれば抗凍結剤溶液やオイルなどにつけて下さい。 12 1. 直接凍結トング 上下貫通型で、液体窒素中でアダプタ付きサンプルピンを掴むことが出 来るトングです。アダプタの切り欠きを利用した回り止め機構を備え、 液体窒素中で貫通穴の上方から充電ドライバーによりサンプルピンを取 り出すことが出来ます。 ① 直接凍結トング先端部を液体窒素で冷やします。 ② 充電ドライバーの先にビット型マウントソケットを取り付け、冷却用デュワーの液 体窒素中でビット型マウントソケット部分を冷却しておきます。 ③ 結晶を直接液体窒素へ浸して凍結します。 ④ 液体窒素中でアダプタ付きサンプルピンを Crystal Wand からトングに持ち替えま す。 ⑤ 液体窒素中で Crystal Wand を取り外します。 ⑥ 充電ドライバーを回転(左回転)させながら、トングの上方より挿入し、ピンを巻き 取ります。 (ハンプトン用アダプタが回転しても、切り欠きおよび回転止めで止まります) ⑦ 保管位置を確認しながら、ピンをサンプル保管トレイに入れ、充電ドライバーを回 転(右回転)させてピンをトレイに移します。 2. 直接凍結ワンド 回り止めのついたマグネットヘッドを備えたツールです。本ツールにアダプ タ付きサンプルピンを載せ、液体窒素に漬けて結晶を凍結することが出来ま す。凍結後マグネットヘッド上方の充電ドライバー用ガイドを利用してサン プルピンを取り外すことが出来ます。 ① デュワーに液体窒素を満たし、直接凍結ワンドを液体窒素中で冷却しておきます。 (ハンドルは冷却しない) ② 充電ドライバーの先にビット型マウントソケットを取り付け、冷却用デュワーの 液体窒素中でビット型マウントソケット部分を冷却しておきます。 ③ ワンドを大気中へ出し、すばやくサンプルピンをマグネットへ載せます。(アダプ タの切り欠きを回転止めに合わせて下さい。) ④ ワンドをすばやく液体窒素に浸して結晶を凍結します。液体窒素の沸騰によるバ ブリングの影響を抑えるために、なるべくサンプルピンの先端を下向きにします。 ⑤ 充電ドライバーを回転(左回転)させながら、ガイドからマウントソケットを挿入し、 ピンを巻き取ります。 (ハンプトン用アダプタは、回転止めで止まります) ⑥ 保管位置を確認しながら、ピンをサンプル保管トレイに入れ、充電ドライバーを 回転(右回転)させてピンをトレイに移します。 13 1.5 D-Cha の使用方法 1.5.1 D-Cha の使用方法 結晶情報の入力は D-Cha(Relation database and Web interface)を使用します。 1. D-Cha へのログイン D-Cha は 、“ Firefox ver2 or above ” に 表 示 を カ ス タ マ イ ズ し て い ま す 。 Firefox を 起 動 し 、 http://dcha.spring8.or.jp にアクセスします。 (SPring-8 所外からの場合、https となり、証明書が必要とな ります。証明書に関しては 1.1 D-Cha の事前登録参照。) ログイン画面が表示されますので、Login Name と Password を入力し、D-Cha にログインして下さい。 <注意>1 時間以上 D-Cha にアクセスしないと自動でログアウトします。 2. ユーザーホームとメッセージボード 上部にユーザー名と SPring-8 運転情報、ならびにグローバルメニューバーが、左側に使用できるメニュー (User Home)が表示され、 中央のメイン領域にメッセージボードが表示されます。 タイミングによっては 左下のチャットウィンドウが開きます。メッセージボードは管理者からのお知らせやグループ内での共有情 報、またログインユーザーのメモの三項目から成っており、 Message board と書かれたタイトルの下のタブ にそれぞれ Announce、Group、Personal Memo として表示されます。 ログイン直後はメッセージが最後 に更新されたタブが選択された状態で表示されます。 システム管理者からの重要な情報が書かれている場合もありますので必ず確認するようにして下さい。 何も メッセージが登録されていない場合は Group -- no message というように表示されます。 14 1.5.2 Tray ID の登録(SPACE 52Wells Tray) 1. D-Cha にログインする。 2. User Home→Tray Manager をクリックして、Tray Manager 画面を起動する。 3. File→Create a new tray→HTP-52Holes をクリックし新しい Tray ID を追加する。 4. 使用する Tray ID の Beamline 項目を(not select)から使用する BL 番号に変更する。 変更を忘れる と、スケジュール作成時に以下のエラーが表示されます。 ※DCha4::Exception::Tray Not Related With BL: Tray is no related with beamline. File Tray ID を追加・削除する Edit 通常使用しません Tray ID Tray ID は 11 桁(先頭の 5 桁は Group ID、後ろ 6 桁は自由) Beamline 使用するビームラインの選択 Comment コメントが記入できます 1.5.3 サンプル情報の登録 以下の手順は、各研究所で試料を詰めた場合の D-Cha への登録方法になります。 <注意>BL のマウンターロボットで試料を詰められる際は“1.4.1 マウンターロボットの使用方法”を参考 にして下さい。 1. Group trays から使用するトレイ ID をクリックし、Tray Manager -トレイ ID が右欄に表示させる。 2. File → Mount a new crystal をクリックし、HTP- 52Holes を表示させる。 ※新規トレイの場合は全て白の表示。登録後は赤の表示に切り替わる。 3. HTP-52Holes 上でサンプルを保存している well をクリックし登録する。 ※Continuous mount にチェックを入れると同時に複数の登録が可能。 4. 登録後に、Tray Manager - トレイ ID の右欄に選択した well が表示されます。Crystal ID 等、必要 15 な情報を入力して下さい。 1.5.4 サンプルの詳細な情報を登録 i-Field D-Cha には、i-Field と名づけたユーザーグループが自由に設定、カスタマイズできるデータベース機能があ ります。 i-Field を利用することによって、ユーザーは Tray Manager や Result Browser 上で各々の結晶や 測定結果に対して複数の情報を表示、作成することができます。 i-Field の設定 i-Field を設定できるのはグループの中で Group Administrator 権限を持つユーザーだけです。権限を持った ユーザーがログインすると、User Home メニュー中に i-Field Manager が表示されます。 16 i-Field Manager をクリックすると i-Field 画面が現れます。画面左側の i-Field setting → i-Field をクリッ クすると、メイン画面で i-Field の設定ができます。メイン画面の File → Add new i-Field for crystal information をクリックすることによって、Tray Manager や Result Browser に表示される i-Field カラム が作成されます。 File → Add new i-Field for measurement result Click で Result Browser のみに表示さ れる i-Field カラムが作成されます。 新しい i-Field を追加したら、i-Field 定義用の Name, Variable type, List name, Comment, Width カラムを 編集する必要があります。各カラムはダブルクリックすることで編集できます。Name カラムは i-Field のタ イトル名、Variable type は i-Field の入力形式で「Text」か「List」のいずれかを入力します。「List」を選 択した場合、List name にリスト名を選択します。リストは画面左側の List definition ディレクトリでリス トを編集することで定義できます。Comment は本 i-Field 編集画面でのコメント欄です。Width は Tray Manager、Result Browser に表示されるカラム幅を定義します。 17 1.6 Snap 測定、XAFS 測定(多波長異常分散の測定波長決定)の測定条件の入力 Snap 測定の測定条件入力を行ないます。まとめて複数個の測定条件の入力が可能です。 1. 測定する well の【Add】をクリックし、Condition editor に測定条件を入力する。 2. 入力後、【Show List】をクリックし測定条件が正しく入力されていることを確認する。 3. 問題がなければ【Register】をクリックし測定条件を登録する。 ※まとめて入力する場合は、Well の番号を Shift キーでクリックしながら選択し、File → Add new condition を選択すると Condition editor が開きますので、測定条件を入力することで、複数の同一 測定条件が一度に入力可能です。 <Snap 測定 測定条件入力例> 測定条件として、0-1, 45-46, 90-91°の 3 枚をカメラ距離 150 mm、Detector Jupiter210、波長 1Å、露光 時間 10 sec で測定する場合の設定方法を示します。 18 Mode tab File prefix データファイル名のテンプレート Job mode 【Crystal Check】を選択 Centering 【Manual Picking】を選択 Attenuator none/Al(0.2 mm、0.4 mm、0.6 mm、0.8 mm、1.0 mm)/auto から選択 Collection tab Spindle Scan Range From【0】,To 【90】,Step【1】,Interval 【45】を入力する。 Camera Position Distance【150】を入力する。 Max res. (Å):Distance 入力時に自動計算し分解を表示します。 Wavelength No. of Wavelength 【1】を選択する。 Set 1 Length 【1】を入力する。 Ex Time 【10】を入力する。 Edit Schedule ウィンドウの編集が終了したら【Register】を押して変更を反映させます。 19 <XAFS 測定 測定条件入力例> 異常散乱子として Zn を測定する場合の設定方法を示します。 Mode tab File prefix データファイル名のテンプレート Job mode 【XAFS】を選択 Centering 【Manual picking】を選択 (Diffraction check してマウント位置情報がある場合は【Database】を選択) Attenuator 【Auto】を選択 XAFS tab Measurement Mode 【Final】を選択 Anomalous Nuclei 【Zn】を選択 Count Time 【1】を選択 Edit Schedule ウィンドウの編集が終了したら【Register】を押して変更を反映させます。 20 2. BL 測定当日の準備 2.1 液体窒素供給装置の確認 SPACE を用いた測定には、実験ハッチ内に設置した液体窒素供給装置が不可欠です。液体窒素供給装置は、 「液体窒素製造装置」、 「コントローラー」、「供給用リザーバタンク」 、「サンプル保存容器」の 4 つから構成 されています。 作業は以下の手順で行なって下さい。 1. コントローラー下段の【システム起動ボタン】点灯を確認する。 2. 供給用リザーバタンクの【自動供給電源ボタン】を ON にする。 3. SPACE のサンプル保存容器の蓋を外します。 付録 1. 蓋の外し方参照 4. サンプル保存容器に、ビームライン付属のデュワータンクを用いて 8 分目まで補充する。 5. サンプル保管容器の【自動供給電源ボタン】を ON にする。 6. サンプル保存容器に蓋をする(外した時の逆の手順で行う)。※すぐにトレイをセットする場合は、 蓋をせずにすぐにセットする。 SPACE のサンプル保存容器に最初から自動供給を実施すると、容器内に大量の霜が混入致します。従って、 まずはデュワータンクから手動供給します。前のユーザーから引き続き SPACE を利用する場合は、既に液 体窒素が供給されていますので、そのままご利用ください。 液面計の Low ランプが消灯するまで各容器の液面が低下すると、自動で High のランプが点灯するまで液体 窒素を供給します。供給中は動作ランプが点灯します。 <自動供給装置エラー>至急担当者に連絡して下さい。 液面計が点灯中にエラーランプが点灯及び、警報ブザー音がしていたら異常です。警報ブザー音はボタンを 押すことで一時的に解除が可能ですが、エラーランプはエラーが解除されるまで点灯したままになります。 21 <酸素濃度低下によるアラーム>至急担当者に連絡して下さい。 BL32B2、BL38B1、BL41XU では、SPACE に液体窒素を自動供給するシステ ムが実験ハッチ内に設置されています。 このシステムは SPACE 使用中に関わらず稼働しており、稼働中はハッチの自動 扉に左図の掲示がされております。 万一、酸欠警報器が発報した場合は、ハッチ内は立ち入り禁止とし、平日昼間で あれば BL 担当者に、夜間・休日であれば緊急電話及び BL 当番に速やかに連絡 して下さい。 2.2 SPACE 用ゴニオアダプターの確認 ※SPACE を利用した Automatic data collection に切り替えて利用する場合は、手動マウント用ゴニオアダ プターを外す必要があります。BT 途中で切り替えの予定がある場合は、BT 朝に BL 担当者に連絡をして、 作業方法を確認して下さい。始めから SPACE を利用する場合は、スタッフが手動マウント用ゴニオアダプ ターを取り外した状態で引継ぎいたします。 <切り替え手順> 1. BSS から装置のイニシャライズを行う。 Setting → Initialize 2. BSS Centering tab 内の【Evacuate Device】を押し、コリメーター・ビームストッパー・検出器・ バックライトを退避し、試料周辺の作業スペースを確保する。 3. 六角レンチを用いて、手動マウント用ゴニオアダプターを外す。 <注意>退避した機器に手や六角レンチをぶつけないように気をつけて下さい。 4. BSS を再起動し、SPACE 利用"Yes"を選択して装置のイニシャライズを行なう。 <注意>SPACE 利用の際は必ず装置のイニシャライズを行なわないと測定できません。 22 2.3 実験ハッチ内 SPACE へトレイをセット 1. 実験ハッチ内にある SPACE 制御用 PC で、制御用ソフト"SPACE GUI"が起動していることを確認する。 ソフトウェアの起動と初期設定は担当者が行います。もし起動していなければ、すぐに担当者に連絡して下 さい。 2. SPACE GUI 右上部に「Mode:BL 、Tray Type:HTP-52Holes」と表示されていることを確認する。 PIN の種類 対応するトレイのタイプ SPACE PIN "HTP-52Holes" 金属キャップピン(Hampton, SPINE, ALS) "UniPuck-16Holes"、"ACTOR-12Holes" 表示が異なる場合は、"SPACE GUI" 左上部のメニューで「Config → Settings」を選択して下さい。 Configuration Menu が表示されます。 1. "Hardware Information" が「BL Sample Changer for users GUI」 ("for users GUI"にチェックあり) になっていることを確認する。 2. "Tray Information" で使用するトレイを選択する。SPACE PIN では”HTP-52 Holes”を選択する。 3. 設定が完了したら【OK】を押す。 23 3. 右側中央の 「Tray exchange」 ボタンを押す。 SPACE のロボットアームが鉛直方向になるように回転し、 サンプル保存容器が端の方へ大きく移動します。 BL32B2/BL38B1 では、SPACE 全体が先に退避位置に移動します。 ロボットの動きが停止すると画面上に Tray ID を入力するダイアログが表示されますが、そのままにしてお きます。 4. サンプル保存容器の蓋を取る。 ロボットアーム貫通用穴のバネ蓋に注意しながら蓋を外します。※付録 1 参照 24 5. サンプル保管トレイをトレイ保存容器内に設置する。 ※トレイ保存容器内は、リング側が tray1、ホール側が tray2 6. "Enter Primary Tray ID"とトレイ ID 入力画面が表示されるのでバーコードリーダーを用いて読み取る。 バーコードを使用していない場合は、トレイ ID を手入力する。 ※手入力の場合半角モードになっていることを確認する。 Tray ID 入力後、SPACE CUI 上で、Tray ID が正しく入力されていることを確認してください。手入力で Tray ID の入力を間違えていた場合は、再び、Tray exchange を押して Tray ID を再入力してください。 ※Tray ID は 11 桁 (先頭の 5 桁は Group ID、後ろ 6 桁は自由) 7. "Is Tray ready? Please put tray in the bath, and then push OK button."と表示されるので、【OK】を押 し保存トレイ容器を測定位置に移動する。 8. "Tray set finished. Do you want to execute cleaning sequence?"と表示されるので、【Yes】を押す。 ロボットアームをドライヤーで乾燥させる為に、アームが回転してドライヤーノズルに突っ込みます。 乾燥 の為、一定時間ドライヤーが作動して終了後にアームは元の位置に戻ります。 BL41XU では交換時に必ずアームに霜が付いています。BL32B2 と BL38B1 でもトレイ交換時に冷気がアー 25 ムに掛かって結露する場合がありますので、必ずクリーニングを行って下さい。 9. サンプル保存容器に蓋をします。 外す時と違って、バネ蓋は閉じたままで蓋の取り付けが可能です。 奥 にある 2 本の位置決め用支柱に蓋の穴をしっかりとはめ込みます。 ※必須:BL41XU の場合、蓋から出ている白いケーブルを先ほど外した灰色のケーブルと接続して下さい。 10. 実験ハッチから退出します。 蓋をしたら、ドライヤー稼働中でも 実験ハッチから退出可能です。通常通り退出シーケンスを行って下さい。 クリーニングにはおよそ 2 分かかります。クリーニング開始後、蓋をし たり退出している間にクリーニングはほぼ終了するはずです。クリーニ ング完了後、ロボットアームは自動的に元の位置に戻ります。 これで、 トレイセット完了です。引き続き、BSS 上で作業を行います 2.4 制御ソフトの起動 BL 内に設置している PC は研究用で設置しています。不必要な所外のサイトへのアクセスはしないで下さい。 <注意> BL 内に設置している PC からインターネットで所外のサイトにアクセスし動画サイトや画像など 閲覧すると負荷がかかり、自動でネットワークを切断されます。約 30 分後に自動復帰します。 BSS 制御 PC でネットワークが切断されてしまうと測定が約 30 分中断しますので注意して下さい。 制御ソフトは BSS(:Beamline Scheduling Software)を使用します。 BSS は、デスクトップ上のアイコン(下図参照)をクリックすることで起動できます。 <注意>2 つ以上の BSS を同時に起動することはできません。 起動直後、SPACE を使用するか、SPACE を使用しないかを選択する Question ダイアログが起動しますの で、SPACE 利用の方は必ず"Yes"を選んで下さい。 26 次に出てくる Question dialog の【OK】を押して initialize して下さい。 (BL41XU では表示されません) Initialize 終了後に Massage Console 内の System Message に”End station initialization finished.”が表 示され、測定が可能な状態になります。 2.5 トレイ情報の読み込み方法 1. BSS の STATUS が Crystal Evaluation であることを確認する。 Data Collection である場合は、BSS の Main Menu より Setting → Experiment status → Crystal Evaluation を選択し、BSS の STATUS が Crystal Evaluation に切り替わったことを確認する。 27 2. D-Cha の設定 BSS の Main Menu より Setting → D-Cha → active を選択し、Question dialog "Activate D-Cha. Are you sure?"と表示されるので、【OK】を押し D-Cha と接続する。 3. Sample changer Tab に切替える。 【Update】を押す。ハッチ内でセットしたトレイ情報が Tray information 内の Tray#1、Tray#2 のトレイ情報に反映されたことを確認する。 トレイの種類(HTP-52 Holes)、トレイ ID(11 ケタ)を必ず確認して下さい。 28 3. BSS 測定モードについて D-Cha と SPACE を用いた測定は、測定条件を D-Cha で入力、BSS にダウンロードして実行、SPACE がサ ンプルを交換することで測定を行います。このとき、BSS は 2 つのモードを使用します。下記の 2 つのモー ドを使用することで各サンプルのマウント位置を記録し、データセットの連続測定を可能にしています。 • Crystal Evaluation mode このモードでは、保存したサンプルの反射チェック、サンプルの位置情報の保存を行います。作業を 何度か行い、データセット測定条件を決定します。 • Data Collection mode このモードは、保存した位置情報を元にサンプルを自動でマウントし、データセットを連続で自動測 定します。 MBS、DSS の動作をリモートに設定することができ、測定中の Beam dump 時には、リ ングステータスが測定モードに変更後、自動的に復帰し、測定の続きを行います。また、入力したス ケジュール終了後に MBS、DSS を閉じます。 Crystal Evaluation mode(CE)と Data Collection mode(DC)の違いを以下に示します。 連続測定時の SPACE の動作 CE:サンプルの回収→アームを冷却したまま→次のサンプルをマウント。 DC:サンプルの回収→アームを乾燥→アームを冷却→次のサンプルをマウント。 測定終了時の SPACE の動作 CE:サンプルの回収後、BSS 画面にアームを乾燥するかの確認ダイアログ表示します。 DC:サンプルの回収後、アームを乾燥し、終了します。 測定の動作 CE:次の測定条件の波長が同じであれば、光軸調整は行いません。 DC:測定前に、必ず光軸調整を行います。 測定終了時の MBS、DSS の動作 CE:MBS、DSS 共に開いた状態のまま。 DC:【LOCAL+REMOTE】に設定した場合リモートでコントロールし、測定中の Beam dump 時には、リ ングステータスが測定モードに変更後、自動的に復帰し、測定の続きを行います。 また、入力したスケ ジュール終了後に MBS、DSS を閉じます。 29 4. Crystal Evaluation mode で測定 4.1 BSS への測定条件のダウンロードと測定開始 1. Database → D-Cha → Get Check Schedule を選択すると、Question dialog ”Get crystal check schedule from D-Cha. Are you sure?”が表示されるので、【OK】を押して、 BSS へ測定条件をダ ウンロードして下さい。 2. Schedule Tab にダウンロードした測定スケジュールを確認することができます。 <注意>一度 BSS へダウンロードしたスケジュールは D-Cha 上では変更することはできません。ス ケジュールの変更は BSS から行なって下さい。変更後のスケジュールは D-Cha 上に反映されます。 測定順番を変更する際は、Edit Menu の【up】、【down】で変更可能です。 3. 測定は【Start】を押すと開始し、自動でロボットが試料をマウントします。 4.2 結晶のセンタリングと画像の保存 1. 結晶がマウントされると左下図のダイアログが表示されるので、 【OK】を押して結晶のセンタリングを行 います。なお、ダイアログの【OK】を押した時点で自動的に「Click-on Centering」モードになっています。 バックライトも自動挿入されているので、すぐにセンタリングを実行可能です。 ※BSS は PAUSE 状態になっていますので、センタリング時に結晶に霜が付着していた場合、ハッチ内に入 って結晶に液体窒素を掛けることが出来ます。液体窒素を掛け終わったら、通常通り正常閉手順でハッチを 閉じてセンタリングを続けて下さい。 30 2. センタリングが終了したら、Operator tool の【Save Sample Image】を押し、センタリング終了時の画 像を保存します。 ※【Save Sample Image】で保存したゴニオ位置を自動で記録し、連続自動測定の際に位置情報を使用しま す。 画像の保存先 現在の videosrv により表示されるセンタリング用のカメラ画像を以下に保存します。 Trays/Tray ID/Wll No/001/sample_image_000.ppm(Crystal Cheak 時センタリング画像) 3. センタリングが終了したことを【Finish Centering】を押し、BSS へ知らせます。その後、自動で測定が 始まります。 4.3 回折画像の確認(Imgview と Result Browser の使用方法) <測定イメージ表示ソフト Imgview を利用した X 線照射条件の決定法> BL41XU では、放射線損傷の観点から特にこの方法を推奨しています。初めて測定するサンプルの場合も参 考にして下さい。 1. Iimgview は、デスクトップ上のアイコンをクリックして起動します。 各ボタンの機能は下図 1 を参照下さい。 2. 【auto read】にチェックすると、測定後であれば最新イメージが自動で表示されます。 3. イメージが表示されたら、【gray scale】のバーを左右に動かして見やすい感じに調整します。 4. 拡大したい箇所にマウスカーソルを合わせて【左ダブルクリック】するとその領域が拡大します。続 けてダブルクリックするとさらに拡大していきます。元に戻る場合は、【右クリック】して下さい。 5. 【Analysis】ボタンを押すと表示しているイメージを解析し、最大分解能を示す赤リングがイメージ 上に、解析結果が下部のログウィンドウに表示されます(下図 2)。 6. 「suggested exposure time」は図 2 では 4.1 秒となっていますが、現在の露光時間は 1 秒です。従 って、 「露光時間を 4 秒に変更する」もしくは 「露光時間は 1 秒のまま Attenuator の厚みを薄くし て X 線強度を 4 倍にする」と良いはずです。 7. Attenuator を全く使用していない場合は露光時間を延ばすしかありません。Attenuator を既に使用 している場合は、現在の強度を 4 倍に強くする為の厚みを計算します。 計算には、構造生物学ビー ムライン Web ページ内の「検出器距離・分解能計算ページ」を使用します。 「検出器距離・分解能計算ページ」のページ中央 2 番に、「アッテネータの厚みと減衰率を計算する 31 ツール」があります。ここでは波長 1.0 Å で既に 1000 μm のアッテネータが使用しているとして計 算してみます(下図 3)。 まず、【2.2.厚さ > 減衰率】の所で、厚みを 1000 μm と入力して矢印を押 すと、「X 線強度が 0.0242 倍まで減衰している」ことが分かります。 従って、現在の X 線強度を 4 倍にするには「0.0242×4=0.0968」倍になるアッテネータの厚みを求めれば良いことになります。 そこで、 【2.1.減衰率 > 厚さ】の所で、 0.0968 と入力して矢印を押すと、必要なアッテネータの厚 みは 628 μm と計算されました。残念ながら、628 μm のアッテネータは有りませんので、実際には 600 µm か 650 μm を選択します。 8. また、 「suggested camera distance」は、このイメージの「maximum resolution」を検出器の Edge で測定する時のカメラ長です。回折スポットが中心に集まりすぎている場合は、この推奨カメラ長に 変更してみて下さい。 9. 【auto analysis】にチェックしておくと、イメージが表示される度に自動で解析します。 10. 最新イメージより前に測定したイメージを表示したい場合は、 【auto read】のチェックを外してから 【Prev】を押して前のイメージへ移動します。 【Next】で後のイメージに移動できます。 <注意>BL41XU では、入力した X 線強度が強すぎると「suggested exposure time」を正確に計算できな い場合があります。そのような場合は、 「current exposure time」と「suggested exposure time」が一致 するまで、アッテネータの厚くしながら何回か Snap 測定を実行して下さい。 <注意>このような方法で決めた X 線照射条件は、50 μm 角以上のサイズであれば多くのタンパク質結晶に 対して結晶の吸収線量を抑制した 測定条件となっています。しかしながら、20 μm クラスの結晶になると、 放射線損傷の効果で 1 セット取り切れない場合も考えられます。そのような場合は、針状や棒状結晶 であれ ば、ビーム照射点を複数設定したり(Advanced mode)する工夫が必要です。 32 <Result Browser(D-Cha)> Result Browse はトレイごとに設定されており、D-Cha のメイン画面とは別ウィンドウ開きます。 D-Cha のメイン画面左側カラムの Group trays の項の各トレイ番号の右側の>>Results、もしくは右側の項の各 well 番号をクリックすることで開きます。 • センタリング写真の比較(Manual Picking と Database)、回折イメージ画像、XAFS の結果などを確 認することができます。 • 写真・回折イメージ画像をクリックすることで大きく表示することが可能です。 33 5. Data Collection mode で測定 5.1 連続測定モードへの切り替え(PLC 操作) Dataset Collection モード(単波長回折データ測定、多波長回折データ測定)は連続して測定を行なうモードで、 MBS と DSS をリモートで動作させ、以下の作業を自動で行ないます。 1. 測定終了時に自動で DSS、MBS を閉じる。 2. 測定中に Beam Dump が発生した場合、入射後に自動復帰する。 MBS と DSS のリモートへの変更方法 【LOCAL ONLY】から【LOCAL+REMOTE】への切り替 えは、実験ハッチ内への入退出に使用する制御パネルで行い ます。 操作盤の左下に緑色で【LOCALONLY】があります ので、タッチして赤色の【LOCAL+REMOTE】に切り替え て下さい。 5.2 単波長回折データ測定 Snap 測定で測定条件を決定した後、単波長回折データの測定を行います。 1. 測定する well の【Add】をクリックし、Condition editor に測定条件を入力する。 2. 入力後、【Show List】をクリックし測定条件が正しく入力されていることを確認する。 3. 問題がなければ【Register】をクリックし測定条件を登録する。 <単波長回折データ測定 測定条件入力例> 単波長回折データの測定条件として、-90~90°の 1°振り、カメラ距離 150 mm、Detector Jupiter210 波 長 1Å、露光時間 10 sec で測定する場合の設定方法を示します。 34 Mode tab File prefix データファイル名のテンプレート Job mode 【Single data Collection】を選択 測定前に、必ず光軸調整を行います。 Detector 【Jupiter210】を選択 Centering 【Database】を選択 Attenuator 【none】を選択 Collection tab Spindle Scan Range Start【-90】,End 【90】,Step【1】,Interval 【1】を入力する。 Distance 【150】を入力する。 Set Length length 【1】を入力する。 Set Ex time Set Ex time 【10】を入力する。 Edit Schedule ウィンドウの編集が終了したら【Register】を押して変更を反映させます。 35 5.3 多波長回折データ測定 XAFS チェック行い測定条件を決定した後、多波長回折データの測定(MAD)を行います。 1. 測定する well の【Add】をクリックし、Condition editor に測定条件を入力する。 2. 入力後、【Show List】をクリックし測定条件が正しく入力されていることを確認する。 3. 問題がなければ【Register】をクリックし測定条件を登録する。 <多波長データ測定 測定条件入力例> 単波長回折データの測定条件として、-90~90°の 1°振り、カメラ距離 150 mm、Detector Jupiter210、 XAFS 測定で決定した波長(Peak:1.281654、Edge:1.282369、Remote:1.256380)Å、露光時間 10 sec で測定 する場合の設定方法を示します。 36 Edit Schedule ウィンドウ File name template データファイル名のテンプレート Data Directory データファイルを格納するディレクトリ(フォルダ) Mode tab Job mode 【MAD data collection】を選択 測定前および、波長変更時に必ず光軸調整を行います。 Detector 【Jupiter210】を選択します。 Centering 【Database】を選択します。 Attenuator 【None】を選択します。 Collection tab Spindle Scan Range Start【-90】,End 【90】,Step【1】,Interval 【1】を入力する。 Camera Position Distance 【150】を入力する。 Max res.(Å):Distance 入力時に自動計算し分解能を表示します。 Wavelength No. of Wavelength 【3】を選択する。 Set1 Length 【1.281654】を入力する。 Ex Time 【10】を入力する。 Set2 Length 【1.282369】を入力する。 Ex Time 【10】を入力する。 Set3 Length 【1.256380】を入力する。 Ex Time 【10】を入力する。 Option on MAD data collection Apply wedge for MAD にチェックを入れる。 Edit Schedule ウィンドウの編集が終了したら【Register】を押して変更を反映させます。 37 5.4 BSS への連続測定条件のダウンロードと測定開始 1. Database → D-Cha → Get Dataset Schedule を 選 択 す る と 、 Question dialog” Get data Collection schedule from D-Cha. Are you sure?”が表示されるので、【OK】を押して、BSS へ連続 測定条件をダウンロードしてください。 2. Schedule Tab でダウンロードした測定スケジュールを確認することができます。 ダウンロード時に、BSS の STATUS が Data Collection(:自動測定モード)に自動で変更します。 <注意>一度 BSS へダウンロードしたスケジュールは D-Cha 上では変更することはできません。 スケジュールの変更は BSS から行なって下さい。変更後のスケジュールは D-Cha 上に反映されます。 測定順番を変更する際は、Edit Menu の【up】、【down】で変更可能です。 3. 測定は【Start】を押すと開始し、自動でロボットがサンプルをマウントします。 6. 測定終了の作業 6.1 実験ハッチ内の SPACE トレイを回収 1. "SPACE GUI"で、右側中央の 「Finish」を押す。 SPACE のロボットアームが鉛直方向になるように回転し、 サンプル保存容器が端の方へ大きく移動します。 BL32B2/BL38B1 では、SPACE 全体が先に退避位置に移動します。 38 ロボットの動きが停止すると画面上に以下のダイアログが表示されるため、【OK】を押します。 さらに、画面には次のダイアログが表示されますが、まずトレイを取り外します。 2. サンプル保存容器の蓋を取る。 ロボットアーム貫通用穴のバネ蓋に注意しながら蓋を外します。 ⇒ サンプル保存容器の蓋の外し方(詳細) 3. 画面上に表示されたダイアログで【OK】を押す。 ロボットアームとサンプル保存容器が、ビームライン毎に設定された待機位置に移動します。 4. サンプル保存容器に蓋をします。 外す時と違って、バネ蓋は閉じたままで蓋の取り付けが可能です。 奥にある 2 本の位置決め用支柱に蓋の穴をしっかりとはめ込みま す。 ※必須:BL41XU の場合、蓋から出ている白いケーブルを先ほど 外した灰色のケーブルと接続して下さい。 ※ アームクリーニング中はドライヤーノズル周辺が大変高温に なっています。蓋取り付けの際は火傷しないように充分に気をつ けて下さい。 SPACE 周辺の片付けはこれで完了です。 • 測定プログラムは起動したままにしておいて下さい。 • 使用したツールなどは、ハッチ外の所定の場所に片付けて下さい。 39 6.2 BSS の終了 BSS を終了させるためには 3 つの方法があります。 1. ウィンドウ最上部にある Main Menu より File→Exit を選択する。 2. ウィンドウ右下部にある【Exit】を押す。 3. ウィンドウ右上部にある【×】を押す。 <注意>絶対に”kill”コマンドで BSS を強制終了させないで下さい。データ処理中の強制終了は、 BSS と通信を行なっているサーバー等に不具合が生じ、復旧に多くの時間を要します。データ測定を中断すると きは、【Stop】を押して下さい。 実験廃棄物に関して ビームライン実験で出た実験廃棄物は必ず、ユーザーが持ち帰り処分してください。実験廃棄物は、実験で 使用・未使用の器具(プレート、ガラスカバー、チップ等)すべてを含みます。 *毒物・劇物(重原子等)の付着した紙類などは、ゴミ箱には絶対に捨てないで下さい。 40 付録 1. 蓋の外し方(BL32B2 / BL38B1 と BL41XU では一部手順が異なります) <BL32B2 / BL38B1> a. サンプル保存容器の蓋中央部に、 「ロボットアーム貫通用の穴」と「その穴をふさぐ為のバネ式の蓋」 があることを確認する。 b. さらに、蓋の奥側には蓋固定用に 1cm 程度の 2 つの穴が空いており、指示棒が貫通していることを 確認する。 c. 左手の指で「バネ式の蓋」を押さえつつ、蓋全体を軽く上方に持ち上げる。 d. 蓋を持ち上げると固定用の 2 つの穴が指示棒から抜けるので、蓋が外れる。 e. 蓋が取れたら、SPACE 制御 PC の架台上などに置いておく。その際、ケーブルが引っかからないよ うに注意する。 41 <BL41XU> a. サンプル保存容器の蓋から出ている白いケーブルは白色のプラスチックコネクタで灰色のケーブル と接続されている。 b. このプラスチックコネクタの所でケーブルの接続を外す。後は蓋を取れば、蓋は自由に動かすことが 出来る。 コネクタのジョイント部で、留め具を指で押さ 引っかけて固定していた部分が浮くので、コネク える。 タを引き抜けます。 c. サンプル保存容器の蓋中央部に、 「ロボットアーム貫通用の穴」と「その穴をふさぐ為のバネ式の蓋」 があることを確認する。 d. さらに、蓋の奥側には蓋固定用に 1cm 程度の 2 つの穴が空いており、指示棒が貫通していることを 確認する。 42 e. 左手の指で「バネ式の蓋」を押さえつつ、蓋全体を軽く上方に持ち上げる。 f. 蓋を持ち上げると固定用の 2 つの穴が指示棒から抜けるので、蓋が外れる。 g. 蓋が取れたら、SPACE 制御 PC の架台上などに置いておく。 43 付録 2. エラー対処方法 BL 担当者へエラー内容(対処参照)を連絡して下さい。復旧作業は BL スタッフが行ないます。 測定中に別ウィンドウで“ACCIDENT”と起動した場合 例:サンプル Well ID 2 の回収に失敗し、Job ID5 が Failure で測定が中断。 原因:SPACE が Dismount 時に失敗。 対処:BSS の Error Message にエラー内容が表示されます。この内容を BL 担当者に伝えてください。 dismount(サンプルピン回収)を失敗した サンプル Well ID2 の回収を失敗した 44