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p - 計測エンジニアリングシステム

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p - 計測エンジニアリングシステム
マルチフィジックスCAEと
実機計測で
ものづくりイノベーション!
2014.11.7
計測エンジニアリングシステム株式会社
豊則 有擴
目次

会社および事業内容の紹介

マフラーの音響特性解析

物理モデル


計測モデル


物理モデルに基づく測定方法と制約・課題
シミュレーションモデル


計測およびシミュレーションモデルの基本となる物理モデルの記述
計測モデルの制約・課題を克服するためのソリューション
まとめ

シミュレーションモデルへの期待
2
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会社紹介
社名
 所在地
 事業内容






計測エンジニアリングシステム株式会社(KESCO)
東京都千代田区
電子計測、制御装置、検査装置の開発、製造、販売
各種標準バス対応CPU、I/Oボードの製造、販売
シミュレーション、モデリングソフトの販売および研究開発委託の請負
PC応用システムの特殊およびカスタム・ハードウェア、ソフトウェア設
計開発
セキュリティ用デジタル録画システムの販売

パートナーシップ(本発表関連)
MathWorks社パートナー
 Spectris株式会社HBM事業部

3
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COMSOL MULTIの概

の概要
製品の概要と特徴
有限要素法(FEM)に基づくシミュレーションソフトウェア
 ソルバは一般的な偏微分方程式系をカバー
 異なる物理現象の連成解析ができる

4
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システム開発事例・実績
脳磁計測システム
 リアルタイム制御計測・解析システム
 充放電装置制御・計測システム
 システム監視WEBサーバ
 モータ油圧動力伝達試験制御・計測システム


自動車用マフラーの音響特性評価
物理モデル
 計測モデル
 シミュレーションモデル

5
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1.物理モデル
平面波音場の物理モデル
平面波音場における音波の伝播
音の反射と透過
四端子回路モデル
音(音波)とは

音の定義(JIS Z 8106)
【可聴音】 聴覚を引き起こされる音響振動
 【音響振動】 弾性媒質中(空気、水など)の粒子がその平衡位置
を中心として行う運動


音圧レベルの定義

基準音圧


健康な人間の最小可聴音圧(実効値): p0 = 20Pa [Pa=N/m2]
定義

音圧 p に対する音圧レベル Lp
Lp  10  log( p 2 / p02 )  20  log( p / p0 )
20mPa
60dB
20Pa
120dB
20kPa
180dB
101.325kPa
194dB
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大気圧相当
7
平面波音場の物理モデル(1)

微小体積における空気の粒子の振舞い
座標x
粒子速度と音圧の時間変化
微小部分x
x軸
体積V
断面積S
V
V
K : 体積弾性率
p  K
変位


x
x
p
音圧p
V  V
p
x
x

t
体積速度U  uS
粒子速度u 
上図: 音波の作用なし(平衡状態)
下図: 音波の作用あり
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u  2
 2
t x
1


p 

Sp  S  p  x 
F
x 

 
m
Sx
p
x

x

 K
p   K x
x
Sx
p
 
u
 K
 K
t
t x
x
S
8
平面波音場の物理モデル(2)

波動方程式の導出

気体の体積弾性率と伝播速度は
K  p
RT
c
M



p
K



R
比熱比
CP CV
気体定数 [J  K -1mol-1 ]
T
M
温度
分子量
[K]
[kg  mol-1 ]
また、前ページの関係から波動方程式が導出される
  u 
1 2 p
 
x  t 
 x 2
 p
  u 


K
 
t 2
t  x 
2
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
2 p K 2 p

t 2
 x 2
1 2 p 2 p
 2
2
2
c t
x
9
平面波音場の物理モデル(3)

定常状態における音圧を考える
時間発展の項を分離し
p( x, t )  p( x )e j t
とすると
2
2
p
(
x
)

k
p( x )  0
2
x
k   c  2f c  2 

k:波長定数(波数)
一般解
p( x, t )  p0 e  jkx e j t  p0 e jkx e j t
 p0 e j  t k x   p0 e j  t k x 
p0
進行波の振幅
p0- 後退波の振幅
x, t   , 
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10
平面波音場の物理モデル(4)

定常状態における粒子速度を考える
音圧の場合と同様に時間発展の項を分離し
u( x, t )  u( x )e j t
とすると
1 
u( x )  j
p( x )
 x
1   jk x


p0 e
 p0 e jk x 
c
 u0 e  jk x  u0 e jk x
 cを特性インピーダンスという
単位は kg・m-2・s-1 = Pa・s・m-1
 単位長当たりの粘度(粘性係数)と考えることができる

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平面波音場の物理モデル(まとめ)

音圧と粒子速度の一般解
p( x )  p0 e  jkx  p0 e jkx
1   jkx

u( x ) 
p0 e  p0 e jkx 
c
 u0 e  jkx  u0 e jkx
p0
u0 
u   u0 e  jkx 
1 
p0
c
0
1 
p
c
u  u  u
p0
u0 
p0 進行波音圧
p0 後退波音圧
1 
p0
c
u   u0 e jkx 
1 
p
c
p   p0 e  jkx
p  p  p
p   p0 e jkx
x
減衰のない(損失のない)音響伝搬モデル
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平面波音場における音波の伝播(1)

進行波のみの位相
• 音速: 340m/s
• 区間: 10m
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平面波音場における音波の伝播(2)

進行波と後退波の重ね合わせ

定在波が発生する
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音の反射と透過(1)

反射と透過のモデル
無限遠
媒質1
1,c1
境界面
p i ( x, t )
t
p ( x, t )
r
媒質2
2,c2
無限遠
p ( x, t )
x=0
p i ( x, t )  p0i e j ( t k1x )
p0i j ( t k1x )
i
u ( x, t ) 
e
1c1
 u0i e j ( t k1x )
p r ( x, t )  p0r e j ( t  k1x )
p0r j ( t  k1x )
r
u ( x, t ) 
e
1c1
 u0r e j ( t  k1x )
pr
反射率 R 
pi
p
透過率 T p  t
pi
p
p t ( x, t )  p0t e j ( t k2 x )
p0t j ( t k2 x )
t
u ( x, t ) 
e
 2c2
 u0t e j ( t k2 x )
ur
R 
ui
u
Tu  t
ui
u
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音の反射と透過(2)

まとめ
現象
z1≫z2
z1=z2
z1≪z2
反射@開管
透過
反射@閉管
Rp 
pr z2  z1

pi z1  z2
≒-1
(固定端)
0
≒1
(自由端)
Tp 
pt
2 z2

pi z1  z2
≒0
1
≒2
Ru 
ur z1  z2

ui z1  z2
≒1
(自由端)
0
≒-1
(固定端)
≒2
1
≒0
音圧
粒子
速度 T u  ut  2 z1
ui
境界条件
z1  z2
p(0)≒0
(短絡回路)
u(0)≒0
(開放回路)
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音の反射と透過(3)

媒質の異なる界面で起こる
水
 鉄

1452m/s
5950m/s
1.00*103kg/m3 1.45*106kg/m2s
7.86*103kg/m3 46.4*106kg/m2s
1kHzの入射波(赤) 反射波(青) 合成波(黒) 透過波(緑)
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音の反射と透過(4)

同一の媒質だがインピーダンスの異なる界面で起こる

断面積の異なる界面
250Hzの入射波(赤) 反射波(青) 合成波(黒) 透過波(緑)
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音響系と機械系・電気系のアナロジー
機械系
音響系
電気系
剛体系
回転系
p: 音圧
F: 力(起振力)
: トルク
E: 電圧(起電力)
U: 体積速度
u: 速度
: 角速度
I: 電流
X: 体積変位
x: 変位
: 回転角
Q: 電荷
I
l
F
p
S

u
U
m

l
: イナータンス
S
m : 質量
I :慣性モーメント
物理量(赤)*物理量(青)=仕事率 [W=J/s]
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E
~
L
L : インダクタンス
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四端子回路モデル(1)

入口と出口の2つの面における音圧と体積速度の関係

空間の音響特性を分布定数系として表現する
l
p1
S
U1
p2
p1  Ap2  BU 2
U2
U1  Cp2  DU 2
U2
U1
p1
p2
 p1   A B   p2 
U   C D  U 
 2 
 1 
A: 開放伝達係数
B: 短絡伝達インピーダンス
C: 開放伝達アドミッタンス
D: 短絡伝達係数

損失のない音響管の場合
 p1 
 cos kl
A   
p
 2 U 2 0
 U1 
S
C   
 j sin kl
c
 p2 U 0
2
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 p1 
c


 j sin kl
B 
U
S
 2  p2  0
 U1 
D   
 cos kl
 U 2  p 0
2
20
四端子回路モデル(2)

入力インピーダンス
Z11 

p1 Ap2  BU 2 A p2 / U 2   B AZ 2  B





U1 Cp2  DU 2 C p2 / U 2  D CZ 2  D
無損失音響管の場合
p cos kl  U 2  j c S sin kl
Z11  2
p2  j S c sin kl  U 2 cos kl
c
1
S tan kl
c
 j
tan kl
S
j
n
共振周波数 f close

閉管 U 2  0
開管 p2  0
1/tankl、tanklの絶対値
赤: 閉管
青: 開管
c: 340m/s
l: 30cm
2n  1 c
4 l
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n
共振周波数 f open

nc
2l
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2.計測モデル
マフラーの音響特性の定義
透過損失測定の基本
2つの測定方法と試作システムの測定結果
測定結果の考察から仮説設定
計測モデルの課題
マフラーの音響特性の定義(1)

挿入損失(Insertion Loss)

評価方法

マフラーがない場合とある場合の音圧レベルの差を測る
音源

マフラー
長所


音源
人間の聴覚とよくマッチする
短所
測定のバラツキが大きい
 マフラーそのものの特性を測定できない

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マフラーの音響特性の定義(2)

透過損失(Transmission Loss)

評価方法


長所


マフラーへの入射音と透過音の音響エネルギーの比を測定
 音響インテンシティ法
 2音源法
 2負荷法
マフラーのそのものの音響特性を評価できる
短所

測定系がやや複雑になる
24
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透過損失測定の基本となる計測原理

計測原理
2点間の音圧の伝達関数を測定
 JIS A 1405-2

信号発生器

周波数分析
サブシステム
主なシステム構成
① 音響管
 ② スピーカ
 ③ マイクロフォン


試験対象
解析できる音響特性(代表例)
反射率
 吸音率
 比音響インピーダンス

・ 建築用材料
・ 車の内装材料
などの音響特性評価
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伝達関数法とは

s
x2
仮定
pi  pˆ i e
 jkx
e
j t
pr  pˆ r e jkx e j t

p1
pi
pr
測定
 p1   e  jkx1 e jkx1  pˆ i 
 
     jkx
jkx2 
2
e  pˆ r 
 p2   e
 e jkx2
 pˆ i 
1
  jkx
    jk ( x1  x2 )
jk ( x1  x2 ) 
2
e
 pˆ r  e
 e

p2
pˆ i : 入射波の複素振幅
pˆ r : 反射波の複素振幅
x1
0
 e jkx1  p1 
j  e jkx2
  
  jkx
 jkx1 
2
e
 p2  2 sin ks   e
x
 e jkx1  p1 
 
 jkx1 
e
 p2 
(複素)反射率の算出
pˆ r  p1e  jkx2  p2e  jkx1
r

pˆ i
p1e jkx2  p2e jkx1
p
 2
p1 e  jkx1  e  jkx2 H12  e  jks  j 2 kx1
e
 jks
jkx2
jkx1
e   p2 p1 e
e  H12
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H12 
p2
p1
(伝達関数)
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伝達関数法の展開(1)

音響インテンシティ法

マフラーの入口管と出口管の反射率を測定する
x1
p1
x3
x2
p2
p3
pA
pC
pB
pD

x4
p4

pC
j p3e jkx4  p4e  jkx3 2 sin k ( x3  x4 )
T

pA
j  p1e jkx2  p2e  jkx1  2 sin k ( x1  x2 )
e jks2  H 34 jk  x3  x1 
sin ks1
H13 jks1
e

e  H12
sin ks2


TL  10 log 1 / T   T を透過率という
2
2
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伝達関数法の展開(2)

2つの不連続面における音圧と体積速度を算出
異なる条件(2負荷、2音源)から連立方程式を作成
 方程式の解である四端子定数から透過損失を算出する

x1
S1
x2
pA
p̂1
p̂2
x4
pB
A B
C D
x3
x1  x2  0
pC
pD
p̂3
p̂4
x4  x3  0
S2
 pC  pD 
 p A  pB 
 p2  
 p1  



c


    c

U    pC  pD 


 2  S
 U 1   S  p A  p B 
 1

 2

  p1a   p1b    A B   p2a   p2b  
      
  a   b  

a
b
 U U   C D  U U 
  2  2  
  1  1  
1

B
TL  20 log A 
 cC  D 
c
2

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28
試作した計測システム
膨張型マフラー
胴管
20cm L30cm
入口管
5cm
パソコン用コンデンサマイク
実演デモ: ブース番号: 1Ce-13
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29
音響インテンシティ法による計測結果
2kHz前後までは理論値と比較的よく一致している
 出口管の音響インピーダンスの影響が見られる

30
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2負荷法による計測結果

音響インテンシティ法に比べて遮音域でのノイズが大きい


今回使用したマイクロフォンの位相分解能の問題と思われる
2kHz以上で同様に理論値との乖離が大きい
31
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2マイクロフォン法の測定周波数帯域

実験による経験則(鳥取大学、西村先生談)
c
c
0.03
 span  0.5
f min
f max
span
c
f max
f min
マイクロフォン間の距離
音速
周波数上限
周波数下限
[m]
[m/s]
[Hz]
[Hz]
span
fmax
fmin
5cm
3400
204
10cm
1700
102
15cm
1133
68
20cm
850
51
c=340m/sと仮定
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32
平面波の成立条件(1)
カットオフ周波数 fcut
 伝搬する音の周波数が fcut 以下のとき
 平面波として伝搬する
 線形領域で振る舞う
10000
c
D
c : 音速
f cut  0.586
D : 音響管の直径
[Hz]
[m/s]
[ m]
限界周波数
[Hz]

1000
100

今回試作したマフラー
 5cm
⇒ 3984Hz
 20cm
⇒ 996Hz
 実測結果はおよそ2kHz
10
0.01
0.1
1
10
直径 [m]
音速340m/sの場合
出典: 笹尾博行(2006)
33
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平面波の成立条件(2)

円形膜の変位の固有振動モード(2次元波動方程式の解)
半径方向: 第1種ベッセル関数
 境界条件: 外周上で変位がゼロ

n=0 n=1 n=2
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34
平面波の成立条件(3)

音響管内音圧の固有振動モード(管壁で粒子速度がゼロ)
mn
f cut

 mn c
 D
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01
f cut
c  340  2074
D 0.2
出典: L.J.Eriksson(1980)
35
計測モデルにおけるいくつかの課題

実動作環境に近い測定をするためには
粘性などによる損失
 高温
数100度
 流速
M=0.3程度


⇒ 測定が難しい
⇒ 高温対応マイクロフォン
⇒ 安定なブロア、2次発生音
これらの課題への対応
実証・検証された物理モデルに基づくシミュレーション
 マフラーの音響特性の例では

音響モジュール
 CFDモジュール
 伝熱モジュール


などの連成による解析 (たとえばLighthill方程式)
 1 2
2
2 2
 2 2    c0    0  
Tij
xi x j
 c t



Tij  vi v j   p  p0   c02    0 i j   ij
粘性応力
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36
3.シミュレーションモデル
COMOLによる解析事例のご紹介
計測モデルの現象と仮説設定
COMSOLによる仮説の検証
COMSOL

による解析事例(1)
流速がある場合のマフラーのモデリング
38
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COMSOL

による解析事例(2)
穴開きマフラー
39
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COMSOL

による解析事例(3)
2つの穴開きモデルの比較
40
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COMSOL

による解析事例(4)
穴の有無の比較
41
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COMSOL

による解析事例(5)
温度場の考慮
42
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COMSOL

による解析事例(6)
温度の影響
43
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COMSOL

による解析事例(7)
流速の影響
44
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COMSOL

による解析事例(8)
メッシュの密度の影響
45
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平面波の成立条件についての仮説検証

計測モデルで発生している現象


(m,n)=(1,0)より低い周波数で発生する(0,1)や(0,2)の固
有振動モードが発生していない
仮説設定
音源の位置によるのではないか?
 入口管と出口管の配置によるのでは?

2音源法では最適な配置
ANCシステムで一般的な配置
ケース
音源
入/出口管
1
管口
中心/中心
2
管壁
中心/中心
3
管口
非中心/非中心
4
管口
中心/非中心
46
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による仮説検証(1)

Viewアングルの設定
胴管内部の
出口壁における
音圧分布
胴管内部の
中心仮想面における
音圧分布
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による仮説検証(2)

アニメーションによる結果の比較

ケース1とケース2の比較(300~2500Hz)

ケース1とケース3の比較(300~2500Hz)

ケース1とケース4の比較(300~4500Hz)
解析: 齋藤圭一郎
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48
仮説の検証結果

計測結果の考察により設定した仮説を検証することができた
最も単純な構造である膨張型マフラーについて、音圧の固有振
動モードを確認することができた
 境界条件によっては発生しないモードもある

音源配置の影響は少ない (ケース2)
 入口管への注入エネルギーの差と見做せる
 ANCのアプリケーションには朗報
 入出管の配置の影響は極めて大きい
 ケース3は遮音周波数帯域が狭い
 ケース4は遮音周波数帯域が広い


より複雑な構造を持つ現用のマフラーの音響特性解析に必要な
基礎的知見を得ることができたと考える
49
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一般的な問題解決のアプローチ
問題が定義できるか?
 記述できるモデルがあるか?
 モデルを解くツールやプラットフォームが存在するか?

物理モデル ⇒ 手計算、数値計算ソフト、数式処理ソフト
 計測モデル ⇒ 計測・制御システム
 シミュレーションモデル ⇒ CAEソフト、ライブラリ(材料、構造)


問題が解けた
より一般的、より複雑な問題へのアプローチ
 新たなモデルの構築
 計測モデルから得られるライブラリの更なる拡充
 新たなモデルを解くツールやプラットフォームの開発



様々な制約事項の壁をブレークスルー
新しい「知」の発見
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まとめ
まとめ

マフラーの音響特性解析を事例として、3つのモデルに基
づくソリューションプラットフォームを紹介した
物理モデル
 計測モデル
 シミュレーションモデル


物理モデルに基づく計測モデルは
現実空間での対象の振舞を解析することができる
 対象のパラメータを自由に変化させるのは難しい
 線形性を前提とし、諸々の物理的な制約がある


シミュレーションモデルは
無数のセンサを仮想空間に実装した試行実験ができる
 計測モデルの難点をカバーする可能性をもっている
 CAEツールの更なる発展により新たな「知」の発見を期待したい

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参考文献・資料

音響基礎理論


福田基一ほか: 機械の騒音とその対策
音響特性解析

笹尾博行: Excelによる音響特性解析入門


Z.Tao and F.Seybert: A Review of Current Technique for
Measuring Muffler Transmission loss


http://www.shasej.org/gakkaishi/0609/0609_kouza.pdf
http://spectronics.net/resources/Technical%20Papers/Muffler%20TL.pdf
音響特性測定

JIS A 1405-2: 音響管による吸音率及びインピーダンスの測定


第2部: 伝達関数法
Sathish Kumar: Linear Acoustic Modelling and Testing of Exhaust
Mufflers
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ご清聴ありがとうございました
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