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第 8 回 アウトラインを作る / 食事・運動・睡眠 / 宿題レポート②
2011 FS 講義メモ 第8回 アウトラインを作る / 食事・運動・睡眠 / 宿題レポート② 8.0 テキスト該当章:第 10 章(10-3, 10-4),第3章(3-3, 3-4, 3-5) 8.1 今回の予定 ○ レポートの構造について説明したあと,議論の骨格およびアウトラインの作り方について説明す る。 ○ 健康管理の基本の一部として,食事・運動・睡眠の重要性を説明する。 8.2 ○ アウトラインとは 第3回で学んだとおり,レポートを作成する際の大まかな流れは次の通りである。 問題設定→アウトライン作成→調査→執筆→推敲 問題設定については第5回で学んだので,今回はその続きのアウトライン作成について学ぶ。 ○ アウトラインとは,レポートの骨格であり,何をどのような順序で書くかを示す目次のようなも のである。これをきちんと作ってから調査・執筆すると,構成のしっかりした良いレポートができる。 逆に,アウトラインを作らず,思いついたことを順に書いていったレポートは単なる感想文か調べた ことを切り貼りしただけの文章(これらが「レポート」ではないことは説明済み)になりがちだ。 8.3 ○ レポートの構造【10-3, 10-4】 第3回で学んだとおり,レポートとは, 「ある問いに対する自分の答えを,他人が納得できるよう に根拠に基づいて主張する文章」の一種であり,一定の形式で書かれることが要求される。アウトラ インを作る際にも,レポートの形式を踏まえて作らなければならない。 ○ レポート本体の構造は,序論・本論・結論の三つの部分からなる。レポートにはこれらの部分が 必ず必要である。さらに,その本体に加えて,タイトル,執筆者名,引用・参考文献表が必ず必要で ある。学術論文(卒業論文を含む)になると,さらに加えるべき要素がある。以上については,テキ スト 77 頁を参照。 ○ さて,レポートの定義から,レポートに不可欠の要素は「問い」と「答え」と「根拠」だが, 「問 い」は序論に,また「答え」と「根拠」は本論で書くことになる。結論では,序論と本論で書いた「問 い」と「答え」と「根拠」を短くまとめる。もちろん,レポートには,その他のことも書くのだが, その骨格は「問い」と「答え」と「根拠」だ。 8.4 学生生活ワンポイントレッスン(その 7):食事・運動・睡眠【3-3,3-4,3-5】 ○ 前回に引き続き,健康管理の基本を学ぶ。今回は食事と運動と睡眠について。 ○ 食生活は大学生になって,より自由になることの一つ。偏った食事は健康を害する原因となるの で気をつけよう。最低限,毎日朝食をとる,一日にできるだけ多くの品目の食材をとる,といったこ とを心がけよう。その他詳しいことはテキスト 18-19 頁参照。 22 2011/5/29 2011 FS 講義メモ ○ 高校までと違って,大学では体育の授業が必修ではない。したがって,自分で意識しないと健康 維持に必要な運動を行うことができない。大学には体育実技の授業(トリムスポーツ I,II やアウトド アスポーツ A,B,C)があるので,積極的に受講することが必要だ。また,それ以外にも,自分で意識 して運動をする機会をもつようにした方がよい。運動は,体力の維持向上や生活習慣病の予防に有効 とされている。 ○ 必要な運動量は,テキストによると,週に2∼5回,毎回 20∼60 分,疲労があまり残らない程 度の運動をするとよいという。もう少し厳密な運動量のガイドとしては,厚生労働省が発表した指針 「エクササイズガイド 2006」がある(テキスト 20-21 頁)。週に 23 エクササイズという量が目安と なっている。それをすべて徒歩で満たすには,週に7時間 40 分歩く必要がある。階段昇降なら,週に 3時間 50 分だ。詳しくは,テキストやそこに紹介されている文書を参照のこと。 ○ 健康を保つためには,運動と並んで休養も必要だ。特に睡眠が重要である。睡眠が不足したり, 睡眠時間が不規則になると,昼間眠くなったり,体調が悪くなったりして,勉学に影響が出る。規則 正しい生活をして,十分な睡眠時間を確保することが必要だ。大学生になると,自分の受講する授業 の開始時間が毎日異なることなどにより,生活のリズムを保つことが難しくなるので,意識して生活 のリズムを整えるようにしよう。特に,起床時間をコントロールすることが重要である。目を覚ます には日光(比較的強い光)を浴びることが重要(これで体内時計にスイッチが入る)。その他の注意事 項はテキスト 22-23 頁参照。 8.5 ○ 議論の骨格 アウトラインはレポートの骨格であると言ったが,レポートは文章の形で表現された議論でもあ るから,アウトラインは議論の骨格を示すものだ。したがって,アウトラインを作るためには,まず 議論の骨格を定めなければならない。 ○ 議論の骨格とは, ・問い ・主張(答え) ・根拠 ・想定される反論 ・それに対する再反論 を示したものである。 ○ 例:テーマ「動物の権利」の議論の骨格 ・問い「動物に権利を認めるべきか」 ・主張「動物にも権利を認めるべきである」 ・根拠「動物も苦痛や快楽を感じる能力がある」 「苦痛や快楽を感じる能力があることが,権利を認めることの本質的な条件である」 ・反論「動物に苦痛や快楽を感じる能力があるとどうして分かるのか? 単に人間の側が,あると思っているだけではないのか?」 23 2011/5/29 2011 FS 講義メモ ・再反論「人間同士でも,他人の苦痛や快楽を直接感じることはできない。しかし,他人も 苦痛や快楽を感じていると考えている。動物も同様に考えることができるのではないか」 8.6 ○ アウトラインを作る 議論の骨格ができたら,アウトラインを作ってみよう。アウトラインは,レポートの構造を念頭 において,議論の骨格を当てはめていく。 ○ 例1:テーマ「動物の権利」のアウトライン タイトル「動物に権利を認めるべきか」 1.はじめに ・問い「動物に権利を認めるべきか」 ・主張「認めるべき」 ・各節の内容 2.問題の背景と論点 ・動物の権利が問題になってきた背景 ・動物の権利をめぐる既存の議論 3.動物にも権利を認めるべきである ・主張「動物にも権利を認めるべきである」 ・根拠: ・ 「動物も苦痛や快楽を感じる能力がある」 ・ 「苦痛や快楽を感じる能力があることが,権利を認めることの本質的な条件である」 4.動物権利論への批判をめぐって ・反論「動物に苦痛や快楽を感じる能力があるとどうして分かるのか?」 ・再反論「それを言うなら人間も同じではないか?」 5.まとめ ○ 例2:テーマ「動物の権利」のアウトライン(反論を立論に組み込む場合) タイトル「動物に権利を認めるべきか」 1.はじめに ・問い「動物に権利を認めるべきか」 ・主張「認めるべき」 ・各節の内容 2.問題の背景と論点 ・動物の権利が問題になってきた背景 ・動物の権利をめぐる既存の議論 3.動物にも権利を認めるべきである ・主張「動物にも権利を認めるべきである」 ・根拠: ・ 「動物も苦痛や快楽を感じる能力がある」 ・反論「動物に苦痛や快楽を感じる能力があるとどうして分かるのか?」 ・再反論「それを言うなら人間も同じではないか?」 ・ 「苦痛や快楽を感じる能力があることが,権利を認めることの本質的な条件である」 4.まとめ 24 2011/5/29 2011 FS 講義メモ 8.7 ○ 宿題レポート②:アウトラインを作る 手順: ① 宿題レポート①で得た情報や考えたアイデアを元にして,「議論の骨格」を作る。 ② 議論の骨格を基にして,「アウトライン」を作る。 ③ レポートでは,議論の骨格とアウトラインの両方を書く。 ○ 用紙は A4 判。枚数自由。ワープロで作成すること。表紙は不要。 ○ レポートは,1つの文書としてワープロ(Microsoft Word)で書き,そのファイルを C-Learning のレポート機能を用いて提出(アップロード)する。 ○ 締切: 6月14日(火)午後5時。 8.8 今回のまとめ ○ レポートの構造,議論の骨格,アウトラインの作り方について学んだ。 ○ 健康管理の基本の一部として食事と運動と睡眠の重要性を学んだ。 今回のキーワード: レポートの構造,議論の骨格,アウトライン,食事,運動,睡眠 25 2011/5/29