...

国立がん研究センター 平成22年度の取り組み

by user

on
Category: Documents
13

views

Report

Comments

Transcript

国立がん研究センター 平成22年度の取り組み
国立がん研究センターの
平成22年度の新たな取り組み
独立行政法人国立がん研究センター
理事長・総長・中央病院長
嘉山 孝正
目
評価
番号
次
内容・評価項目
頁
-
国立がん研究センターの概要
2
-
職員の意識改革に向けた取り組み
3
-
国立がん研究センター事業体系図
8
(1)臨床を志向した研究・開発の推進
12
(2)病院における研究・開発の推進
30
3
(3)担当領域の特性を踏まえた戦略的かつ重点的な研究・開発の推進
39
4
(1)高度先駆的な医療、標準化に資する医療の提供
53
(2)患者の視点に立った良質かつ安心な医療の提供
71
(3)その他医療政策の一環として、センターで実施すべき医療の提供
79
1
2
5
研究・開発に関する事項
医療の提供に関する事項
6
7
人材育成に関する事項
90
8
医療の均てん化と情報の収集・発信に関する事項
97
9
10
11
国への政策提言に関する事項
(1)公衆衛生上の重大な危害への対応(2)国際貢献
その他我が国の医療政策の推進等に関する事項
効率的な業務運営に関する事項
(1)効率的な業務運営体制
効率的な業務運営に関する事項
(2)効率化による収支改善
電子化の推進
107
117
127
12
法令遵守等内部統制の適切な構築
133
13
予算、収支計画及び資金計画 等
136
14
その他主務省令で定める業務運営に関する事項
139
1
国立がん研究センターの概要
4.使命
1.設立
○平成22年4月1日
○高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に
関する法律(平成20年法律第93号)を根拠法と
して設立された独立行政法人
2.業務
○がんその他の悪性新生物に係る医療の調査、研究及び
技術の開発
○上記の業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修、
医療政策の提言
○上記に附帯する業務の実施
3.理念
○世界最高の医療と研究を行う
○患者目線で政策立案を行う
All Activities for Cancer Patients
職員の全ての活動はがん患者のために!
・臨床
・研究
・教育
・外側の大きな輪は患者・国民の協力
○がん難民をつくらない
○調査
○研究
○技術開拓
○先進医療の提供
○教育
○政策立案
○国際がんネットワークへの参加・リーダーシップ
5.組織
○研究所
○中央病院
○東病院
○がん予防・検診研究センター
○がん対策情報センター
6.その他
○病床数 1,025床(中央病院600床・東病院425床)
○入院患者数(1日平均)
851人(中央病院509人・東病院342 人)
○外来患者数(1日平均)
1,732人(中央病院1,014人・東病院718 人)
○役員数(平成23年4月現在)
8人(常勤1人・非常勤7人)
○職員数(平成23年1月現在)
2,070人(常勤1,514人・非常勤556人)
※医師459人・看護師862人・研究員125人・その他624人
2
職員の意識改革に向けた取り組み①
組織改革で権限と責任の明確な組織に
(組織改革前)
(組織改革後)
上司と部下の専門領域が異なるため、
情報の伝達も十分行われない風通しの
悪いもので、責任の所在が丌明確。
病院長
病棟部長
(呼吸器内科)
A病棟医長
(小児科)
B病棟医長
(婦人科)
臓器別の診療科長制への移行により、
入院と外来を統合的に管理できる体制
を構築し、責任と権限を明確化。
病院長
小児腫瘍科長
小児科医長
婦人腫瘍科長
婦人科医長
責任の所在が不明確
外来部長
(麻酔科)
脳神経科医長
責任と権限を明確化
泌尿器科医長
3
職員の意識改革に向けた取り組み②
全職員一丸で取り組む透明性の高い組織に
従前のごく尐数の幹部職員で構成されていた運営会議を、診療科長等を参加させた
全体運営会議に拡大し、理事会での決定事項やセンターの方針等の周知を図り、全職
員が幹部と同じ情報を共有できる体制を整備した。
法人全体への伝達・
情報共有が不十分
全職員が幹部と同じ
情報を共有
4
職員の意識改革に向けた取り組み③
現場意見を汲み上げる風通しの良い組織に
目安箱の設置、職員アンケートの実施、HPでの意見の募集等を通じて、現場から
意見を汲み上げ、理事長の下で毎週開催される企画戦略会議において、トップダウン
で迅速に問題解決する仕組みを整備し、全職員が自由に意見を理事長に伝えることが
できる体制を構築した。
5
職員の意識改革に向けた取り組み④
ミッションを自覚し行動できる組織に
職員が一致団結して業務が行えるよう、いわゆる「錦の御旗」となるような
キャッチフレーズやシンボルマークの意義を職員から募集するなど、新生国立
がん研究センターのミッションの共有化を図った。
All Activities for Cancer Patients
職員の全ての活動はがん患者のために!
・臨床
・研究
・教育
・外側の大きな輪は患者・国民の協力
6
職員の意識改革に向けた取り組み⑤
合理的な意思決定を尊重する信頼できる組織に
全ての決裁書類に理事長が直接目を
通し、職員の業務内容を把握した上
で、丌適切な点は一つずつ具体的で
納得できる理由を示して是正
合理的な意思決定が行われることが
職員の間に浸透
職員との信頼関係を構築
△ 嘉山 孝正 理事長
(改革の出発点)職員が、がん研究センターを「自分の家」のように
考えて日々行動するようになること
7
国立がん研究センター事業体系図
研究事業
○臨床を志向した研究・開発の推進
○がんの特性を踏まえた戦略的・重点的な研究・開発の推進
臨床研究事業
○病院における研究・開発の推進
○倫理性・透明性の確保
診療事業
○高度先駆的な医療、標準化に資する医療の提供
○患者の視点に立った良質かつ安全な医療の提供
高度先駆的医療の開発・普及
による公衆衛生の向上・増進
教育研修事業
○リーダーとして活躍できる人材の育成
○モデル的研修・講習の実施
情報発信事業
○ネットワーク構築の推進、情報の収集・発信
○国への政策提言
効率的な運営体制の確立
○権限と責任の明確化を目的とした機動的で弾力的な組織再編
○職員の業績評価の適切な実施、内部監査の充実等
効率化による収支改善
○経営意識の向上による業務運営コストの節減、収入の確保等
(5年間累計の損益計算で経常収支率100%以上)
効率的な業務運営の実施による
安定的な経営基盤の確立
8
平成22年度実績
研究事業
病院における研究・開発の推進 【S】
担当領域の特性を踏まえた戦略的かつ重要的な研究・開発の推進 【S】
○病院の組織を入院・外来を通じた診療科ごとの診療科制に再編し、臨床研
究を推進しやすい診療体制を整備。
○センターの各部門と大学・国立高度医療研究センター等からなる多施設共同
研究体を組織し、ゲノム・エピゲノム・プロテオーム解析拠点及びデータベース拠
点を立ち上げた。
○臨床試験に関わる組織を再編して効率の良い運営体制とするとともに、非常
勤職員であったCRCを常勤職員に登用することにより、CRCの定着と質の向上
を図るなど治験関連の体制を強化。
○薬事・規制要件に関する専門家育成を図るため、PMDAとの人事交流を推進。
○遺伝子解析研究倫理審査委員会と倫理審査委員会の統合、共同研究審査
委員会と受託研究審査委員会の統合などにより、効率的な審査体制を構築。
○治験申請から症例登録(First patient in)までの期間の短縮(平均139.7日)。
○膵がんや肺腺がんリスクと関連する複数の要因を同定。
○バイオバンクのための新たな包括同意書を作成し、初診患者の血液検体を採
取・保存するためのシステム構築を開始し、病理検体7,350バイアルの新規受入。
○高度先駆的な技術開発に関しては、CT-colonographyを新たな検診コースとし
て導入したほか、肺がんにおけるALK転座の分子診断法を確立。
診療事業
高度先駆的な医療、標準化に資する医療の提供 【S】
○小児・若年成人発症の肉腫(サルコーマ)に対する集学的治療など国立がん研究センターのみで受けられる高度先駆的な治療を実施。
○東病院において、先進医療として、頭頸部腫瘍、 骨軟部腫瘍、前立腺がんなどを適応対象に陽子線治療を実施。
○治験実施のための診療体制として、治験病棟および通院治療センターの体制を整備。
○開発的な医療を幅広い病態に対応できるよう、総合内科を創設して、合併症のある患者に対する診療体制を強化。
○肺癌のEGFR遺伝子変異の有無とその他の遺伝子変異と発癌及び抗がん剤感受性相関を明らかにする目的で、癌及び非癌組織から遺伝子を抽出して全エクソ
ン・全RNA解析に供する100例を決定し、解析を開始。
患者の視点に立った良質かつ安心な医療の提供 【S】
○説明・同意文書の標準化を図り、電子カルテシステムの中に疾患・診療科別の説明・同意文書を出力できる仕組を構築。
○各診療科の診療実績をホームページに記載し、患者に対する分かりやすい情報提供に努めた。
○外来患者を対象に膵がん・胆道がん教室、コスメティックインフォメーション、造血幹細胞移植後フォローアップ、脳腫瘍家族サロン、栄養教室を実施。
○患者・家族へのサポートプログラム「がんを知って歩む会」 を実施するとともに、国立がん研究センターに関わる患者会の相談窓口としてサポートを実施。
○新たに「がん相談対話外来」を開設し、医師、看護師、がん専門相談員、精神腫瘍医が相談に応じて、がんの治療について患者・家族が納得した選択ができるよ
うな支援を開始。
その他医療政策の一環として、センターで実施すべき医療の提供 【S】
○緩和ケアチームの関わった診療件数のうちがん治療実施中から緩和ケアが開始された割合が約6割を占めるなど早期から緩和ケアを意識した取り組みを実施。
○開発的な医療を幅広い病態に対応して行えるよう、総合内科を創設して診療体制を強化するとともに、リハビリ科を創設し、「がんのリハビリテーション」を開始。
9
臨床研究事業
臨床を志向した研究・開発の推進 【S】
○研究所の組織再編、先端医療開発推進会議の設置、理事長直属の組織として学際的研究支援室の設置、リサーチ・カンファレンスの開始などトランスレーショナ
ルリサーチを推進するための体制整備等により、革新的な研究・開発が推進される体制を整備。
○手術検体等の試料を一元的に管理するバイオバンクの整備を進めるとともに、新たな包括同意書に基づき初診患者の血液献体を採取・保存するシステムの構築
を進め、臨床試料及び情報を研究に活用するための体制を構築。
○都道府県がん診療拠点病院連絡協議会に臨床試験部会を設置し、他施設共同による臨床試験の効率的な実施と質の担保を図るがん臨床開発ネットワークの構
築に着手。
○研究成果に関するデータベースの整備、新たな文献検索システムの導入、内部研究者向けホームページの改良等により、効率的な研究環境を整備。
○知的財産戦略室の設置、東京大学TLOとの連携などにより、新規性や市場性を的確に踏まえた発明の評価とライセンスが行える体制を確保。
○センターが支援した臨床試験が大腸癌診療ガイドラインに採用
教育研修事業
情報発信事業
人材育成に関する事項 【S】
医療の均てん化と情報発信に関する事項 【S】
○他職種が参加して診療方針について多角的に検討する「Tumor board」、臨
床側が臨床面での問題点を提示し基礎研究者を含めてディスカッションしてブ
レークスルーにつなげる「リサーチ・カンファレンス」、最新の医療知識と技術の
習得と再確認を目的とした「NCCユニバーシティ」など、新たな取り組みを開始。
○都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会を開催し、国立がん研究セン
ターとがん診療連携拠点病院との連携強化、院内がん登録全国集計の公表、
臨床試験部会の設置などについて意見交換。
○レジデントの処遇改善を図るとともに、レジデント採用に当たって客観的評価
法を採用。
○患者必携(完成版)を、ホームページ「がん情報サービス(一般の方へ)」お
よび携帯電話向けホームページ「がん情報サービス携帯版」において公開す
るとともに、患者必携サポートセンター電話窓口を設置。
○専門家教育に関わる教育担当の副院長、副看護部長を設置。
国への政策提言に関する事項、その他我が国の医療政策の推進等に関する事項 【S】
○企画戦略室を設置し、理事長の下に開催される企画戦略会議において、現場からの意見を汲み上げるとともに、理事長の指示により迅速に問題解決や政策提案
を行う仕組みを構築。
○「国家戦略としてのがん研究シンポジウム」を開催し、関係省庁、報道関係者、患者団体の代表者、製薬企業等、多方面に渡る参加を得て、大規模ゲノム医学研
究や、がんワクチンに関する研究のあり方についての提言や、全国レベルでの臨床試験のネットワークの構築の必要性についての提言の実施。
○福島第一原子力発電所の被災に伴う放射性物質の漏洩に関連して、がんの専門機関として、世界でのこれまでの蓄積や、国立がん研究センターでの取り組みな
どのエビデンスに基づき、発がんについての正しい知識の提供と取り組むべき課題について政策提案を実施。
○東北地方太平洋沖地震に関して、宮城県への医療支援チームの派遣、福島県へのスクリーニング支援チームの派遣、被災地のがん患者の診療の参考となる情
報の収集とホームページを通じた情報提供、被災地において必要な治療を受けられないがん患者の方々の受け入れ、被災者に対する義援金の募集と寄付など、広
範囲の取り組みを迅速に実施。
10
業務運営の効率化に関する目標を達成するために取るべき措置
効率的な業務運営体制 【S】
効率的な収支改善、電子化の推進 【S】
法令遵守等内部統制の適切な構築 【S】
○企画戦略室を設置し、理事長の指示により迅速
に問題解決や政策提案を行う仕組みを構築
○全ての購入伺いを理事長決裁にし、理事長によ
る個別決裁の確認を通じて、職員にコスト意識を徹
底するとともに、原則全ての業者見積もりを複数者
から徴するなど、徹底的に無駄遣いを排除。
○病院、研究所等の幹部職員が一堂に会する全
体運営会議を毎月開催し、従来、一部の幹部のみ
に限定されていた経営情報を理事長自ら説明する
ことにより、情報の共有化が推進し、職員が一丸と
なって取り組む意識を醸成。
○病院と研究所の組織を再編し、病院については
外来診療と入院診療を柔軟に調整できる診療科ご
との体制にするとともに、研究所については効率的
な研究業務を推進する体制を整備
○病院の副院長と研究所の副所長をそれぞれ複数
設置できるようにし、特命事項を定め、病院長及び
研究所長を補佐する体制を整備
○施設設備部門に専門知識の高い人員体制を整
え、見積査定作業の精度向上を図り、徹底的に無
駄遣いを排除。
○平成22年度の当期利益は25.8億円、経常収支率
は107.2%。
○一般管理費は平成21年度比19.1%の節減。
○医業未収金比率は0.08%と平成21年度に比して
0.04%の縮減
○理事長が全ての決裁書類に直接目を通してサ
インし、法人の業務内容の全体を把握した上で、
不適切な点は一つずつ具体的に納得できる理由
を示して是正させていく中で、合理的・科学的・透
明性のある意思決定が行われることを職員に浸透。
予算、収支計画及び資金計画、短期借入金の限度額、重要な財産を処分し又は担保に供しようとする時はその計画、剰余金の使途
【S】
○長期借入金は平成23年度に約17億7千万円を繰り越し、平成22年度の借入金はなかったため、平成22年度計画目標(28億円以内)を達成。
○短期借入金はなかったため、平成22年度計画目標(3,400万円以内)を達成。
○寄付受入規程を整備するとともに、ホームページへの掲載、ポスター等の掲示、振り込み用紙の設置、広報等を開始し、民間等からの寄付受入を開始し、総額1
億4,480万円の寄附を受け入れ。
○民間企業治験及び共同研究に係る外部資金として、総額18億6,700万円を受け入れ。
○国等の競争的研究費に対する積極的な申請を促し、総額53億9,125万円の研究費を受け入れ。
その他主務省令で定まる業務運営に関する事項 【A】
○センターの理念・使命を示すアクションプランを作成し、あらゆる機会を通じて職員に周知するとともに、センターの理念や使命を示す標語を職員から募集し、「All
Activities for Cancer Patients(職員の全ての活動はがん患者の為に)」を決定。
○常勤職員の採用及び昇任については、候補者を全て理事長が面接の上決定し、研究所長、人事部長、人事課長等の幹部職員の採用については公募を実施。
○適度の緊張感を持って業務に従事してもらえるよう、常勤職員として採用する職員(看護師を除く)には任期を付すことにした。
○障害者雇用率が法定雇用率を大幅に下回る状況を改善するため、外部の就労支援機関の協力を得て、知的障害者を中心とする雇用推進に着手。
○ホームページや記者発表等を通して、病院の治療成績、先進医療の提供状況、治験の実施状況など、患者目線から考えた情報公開を推進。
○独立行政法人化後、国時代に予定されていた施設・設備整備については、改めてその必要性等を検証し、必要性の乏しい一部の設備整備は取りやめることとし、
真に必要な整備を実施。
○ホームページで理事会の議事録を公開するとともに、不祥事案も隠さず公表することで、隠蔽のない業務方針を浸透。
11
1.研究・開発に関する事項
(1)臨床を志向した研究・開発の推進
○NCC内の連携強化
「学際的研究支援室(MDR室)の設置」「研究所の組織再編」「リサーチカンファレンスの開催」等
○研究基盤の整備
「バイオバンク調整委員会の設置」「臨床試料等の提供に係る同意方式の見直し」「リサーチコンシェルジェの配置」等
○臨床研究推進のための中核機能の強化
「都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会への臨床試験部会の設置」「JCOGデータセンターの運営」
「臨床試験結果の大腸癌診療ガイドラインへの採用」
「臨床研究実施機関の訪問監査の実施(科学性・倫理性の確認調査)」等
○産官学との連携強化
「産官学連携拠点の整備(臨床開発センター・プロジェクト棟)」
「早期臨床開発試験を実施するデータセンターの整備(臨床開発センター・臨床試験支援室)」
「東京大学大学院工学系研究科との医工連携協力協定の締結」「6NC理事長会議の定期的な開催」
「企業とのBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)に関する共同研究契約の締結」等
○研究・開発の企画及び評価体制の整備
「先端医療開発推進会議の設置」「がん研究開発費外部評価委員会の設置」等
○知的財産管理機能の強化
「知的財産戦略室の設置(製薬企業での知財業務経験者を室長として登用)」
「知財・産学連携を担当する副所長の配置(研究所)」「東京大学TLOとの包拢的連携契約の締結」等
12
13
全初診患者を対象にした新包括同意の立ち上げ(ゲノムの利用)
従来(2002年2月~)
新包括同意(2011年5月~)
①バンクへの受入件数の倍増を目指す
 診療後の余剰検体
 診療後の余剰検体
 がん組織
(がんの個性:遺伝しない遺伝情報)
 がん組織
(がんの個性:遺伝しない遺伝情報)
 血清・血漿
 血清・血漿
②今回新規に開始
 研究のための追加採血(14mL*)
がんやその他の疾患の易罹患性
治療への反応性(pharmacogenomics)
(*16歳未満は減量)
 ゲノムDNA
(個人の個性:遺伝する遺伝情報)
 疫学研究に関する倫理指針
 疫学研究に関する倫理指針
 見なし同意(2ヶ月間、同意書提出が
なければ同意と見なす、opt-out)
 ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する
倫理指針
 面談による個別同意(見なし同意廃止)
平成23年5月及び6月で91.5%の包括同意を取得
14
15
バイオバンク整備と、包拢同意の刷新による全初診患者への研究採血依頼
1)がんの個性を捉える、がん組織のバイオリソースバンクのさらなる拡充
日常の病理診断業務
バイオバンク
Immediately frozen in LN2
研究組織
約11,000症例
44,000バイア
ル
臨床医・病理医
診療に支障を来さず、かつバンク試料として
質が確保できる部分を病理専門医が採取
11,336 症例
43,885 バイアル
Filing by the organs
保管試料検索・カタログデータ
ベース
研究所職員、
共同研究者等
保安・安全システム
2)個人の個性を捉える、研究採血のバイオリソースバンクの新たな立ち上げ
倫理審査委員会
16
初診患者に対する包拢同意文書を用いた研究協力依頼
(リサーチ・コンシェルジェの関わり)
包拢同意窓口
初
診
受
付
(リサーチ・コンシェルジェ:RC)
全初診患者を対象
・共通予診カードの
説明・記載補助
中
央
採
血
室
新包拢同意対象者のみ
「包拢同意説明文書」を用いて、
初診手続きをサポート
<サポート内容>
各
科
外
来
・バイオバンク研究への
+
協力依頼
<依頼内容>
・感染症検査の説明
-バイオバンク用採血
・各種質問への対応
-余剰試料の利用
・文書による意思表示確認
平成23年5月~6月の同意割合
91.5%
17
がん研究開発費の企画・評価体制
①
研究方針等の立案
②~⑧研究課題、研究者、配分額の決定
⑨~⑪中間・事後評価
先端医療開発推進会議
外部評価委員会
がん研究開発費研究企画・事前評価部会
①研究方針等の策定
⑪中間・事後評価
の報告
⑤事業申請書に基づく原案に
ついて意見聴取(事前評価)
⑥研究課題、研究者、配分額等
の決定
NCC
⑩中間・事後評価
理事長
(理事会)
⑧委託契約
②事業申請書(研究計画書)
作成の指示※
※応募させることもある
④事業申請
書の提出
⑦決定事項の通知
⑨成果の報告
業務命令
(執行はNC)
分胆研究者
(NC内部)
主任研究者
(NC内部)
③研究班の組織
分担研究者
(NC外部)
18
研究者番号登録数と文科省科学研究費
採択件数(新規+継続)の推移
研究者番号登録数(リサーチ・レジデント含む)
(2011.05.23現在)
研究所
採択件数(新規+継続)
(2011.05.23現在)
104
臨床開発センター(柏)
27
がん予防・検診研究センター
27
中央病院*
150
東病院(柏)*
63
がん対策情報センター*
22
総計
393
独立行政法人化以降、NCC全体が指定
研究機関として認められ、上記赤枠部分
が追加。
研究者番号の登録者数が2.5倍に
•スタートアップ・スタート支援は2011年5月応募のため採択結果は8月末に内定予定
19
リサーチ・カンファレンス(ファイヤリングディスカッション)
~病院と研究所の連携強化~
臨床側が臨床面での問題点を提示し、基礎研究者を含
めて全員でディスカッションし、ブレークスルーにつなげ
る
電子カルテやスライドを用いた
発表・議論
基礎研究者と臨床研究者がそれぞれ発表(15分発表)
社会的意義、科学性、新規性、倫理性、実施可能性等
について、intensiveに討論(15分)
終了後に参加者にアンケートを実施し、研究に対する提
案や共同研究の希望を提出
第1回 2月21日(月)19:00~20:05
参加者167人
基礎分野
「がんナノテクノロジー研究」
松村保広(東病院臨床開発センターがん治療開発部長)
臨床分野
「ナノDDSの国内・国際治験の取り組み」
濱口哲也(中央病院消化管腫瘍科病棟医長)
20
東病院長
産官学連携での開発研究
臨床開発センター長
アカデミア研究施設
臨床腫瘍病理部
共同研究(基礎/TR)
がん治療開発部 など
・次世代シークエンサー
/ 組織マイクロアレイ
・動物用 高磁場MRI / 高分解能SPECT
・多施設共同バイオバンク
・企業連携ラボ など
製薬企業/医療機器
メーカー など
進行中のプロジェクト(一部例)
・DDS製剤の開発
・内視鏡診断機器の開発
・超早期がん診断法の開発
・未承認薬での医師主導治験 など
臨床試験支援室
・早期臨床試験データセンター
・プロジェクトマネージメント
・薬事コンサルティング など
・共同研究契約の支援
・知財(特許出願など)の支援
産官学連携オフィス
知的財産戦略室と連携
国立がん研究センター東病院
企業連携ラボ
プロジェクト棟2F見取り図
プロジェクト棟
臨床開発センター
外来棟
病棟
21
6ナショナルセンターの有機的連携
1.趣旨
国立高度専門医療研究センター(国立がん研究センター、国立国際医療研
究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター、国立循
環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター)は、6つの分野で我
が国の医療研究を各分野で先導する役割を期待されている。
これら6ナショナルセンターがバラバラに機能するのではなく、米国NIH
のように各機関が有機的に連携することにより、我が国の医療イノベーション
の推進に寄与することが期待される。
2.共通的な課題
・バイオバンク
・知的財産戦略
・事務部門の共通課題(監査、労務管理、給与制度、事務職員のキャリアアップ等)
・医療イノベーションに関する提言 等
3.活動状況
(1)6ナショナルセンター連絡協議会の開催
各センターの理事長が定期的に集まり、共通課題について意見交換。
(平成22年7月1日、8月26日、10月14日、平成23年2月15日)
厚労大臣に「平成23年度予算に関する緊急要望」を提出(平成22年11月30日)
(2)医療イノベーションとの連携
政府の「医療イノベーション会議」の取り組みをナショナルセンターが側面からサポート
(がん研究センター、循環器病研究センターから人材提供)
22
評価シート7頁参照
東京大学TLOとの包括的連携
研究室 A
診療科 B
研究室 C
提携の目的
製薬企業 A
ナショナル
イノベーション室
知的財産戦略室
Lab.
Lab.DD D
診療科
国立がん研究センター
東大
TLO
診断薬企業 B
医療機器 C
Lab.
D
Lab.
Lab.DD
製薬企業 D
産業界
•
•
•
研究成果の社会への還元
知的財産からの製品化
知的財産教育の実施
提携の理由
•
•
•
大学の技術移転で高い実績
知的財産の目利き人財
産業界との太いパイプライン
東京大学TLOとの連携スキーム
研究成果を医薬品や診断薬、医療機器等の製品として提供できるよう、知的財産戦略室を創設
し、産学連携を積極的に推進する。
研究成果の活用には、企業との共同研究の成果を製品化に導く道筋と、研究施設での研究成果
から特許として権利を確保し、企業に技術移転をして実用化に結び付ける2つの道筋があるが、
今回の提携では技術移転に関する連携を中心に進める。
研究成果を社会に還元していく上で、大学の研究成果の技術移転に高い実績を誇る東京大学
TLOとの間で、発明の発掘から特許ライセンスまでの包括的連携を進め、研究成果を積極的に技
術移転していく。
23
知的財産戦略室の設置
ビジョン
• 研究成果の産業界への橋渡しにより実用化を推進し、がん疾患の診断・治
療・予防等の開発を促進する
ポリシー
• 研究成果の実用化、製品化を促進し、社会に還元する
• 企業とのWin-Winの関係を構築し、橋渡し研究を推進する
知的財産戦略室の業務
産学連携
・企業・研究機関ニーズとのマッチング
・共同研究契約の交渉と締結
(共同研究審査委員会の事務局)
特許出願・ライセンス
・出願前調査(特許性、市場性、完成度)
・特許出願から権利化まで
・ライセンス先の選択・交渉・契約
(職務発明審査委員会の事務局)
24
共同研究、特許出願件数の推移
共同研究の増加
特許出願の増加
151
90
単独出願
共同出願
80
70
78
9
60
50
40
30
13
20
8
10
16
12
2006
2007
11
23
12
69
28
0
年度
2008
2009
2010
年度
2010年度の特徴
2010年度の特徴
・共同研究件数が増加し、151件となった。
・2010年度独法化に伴い、従来受け取れなかった
共同研究費 6,725万円を受領した。
・市場性の乏しい特許の出願を控えるため、出願を精
査したことから、単独出願は減尐した。
・出願数には国際出願、外国への移行件数を含む。
25
【数値目標の達成状況①】
臨床試験の診療ガイドラインへの採用件数
5件
5 件
○臨床試験の診療ガイドラインへの採用件数
4 件
中期計画
年度計画
22年度実績
3 件
2 件
5件以上
1件以上
1件
1件
1件
年度計画
22年度
1 件
0 件
中期計画
【数値目標の達成状況②】
臨床研究実施機関の訪問監査
50 機関
○臨床研究機関への訪問監査
42 機関
40 機関
中期計画
年度計画
22年度実績
30 機関
20 機関
42機関以上
都道府県がん拠点病院
の20%及び地域がん
拠点病院の10%以上
10機関以上
12機関
10 機関
10 機関
12 機関
0 機関
中期計画
年度計画
22年度
26
【数値目標の達成状況③】
共同研究件数
15.0 %
○共同研究件数(対21年度)
12.0 %
10.0 %
中期計画
年度計画
22年度実績
5.0 %
5.0 %
5%以上増加
(142件)
1%以上増加
(137件)
12%増加
(151件)
1.0 %
0.0 %
中期計画
【数値目標の達成状況④】
年度計画
2 2年度
治験実施件数
5.0 %
5.0 %
○治験実施件数(対21年度)
中期計画
年度計画
4.0 %
4.0 %
22年度実績
3.0 %
2.0 %
5%以上増加
(269件)
1%以上増加
(259件)
4%増加
(265件)
1.0 %
1.0 %
27
0.0 %
中期計画
年度計画
22年度
27
【数値目標の達成状況⑤】
国際共同治験実施件数
15.0 %
14.0 %
○国際共同治験実施件数(対21年度)
10.0 %
中期計画
年度計画
22年度実績
5.0 %
5.0 %
5%以上増加
(103件)
1%以上増加
(99件)
14%増加
(112件)
1.0 %
0.0 %
中期計画
【数値目標の達成状況⑥】
年度計画
22年度
基礎研究部門と臨床研究部門の共同研究件数
50 件
45 件
○基礎研究部門と臨床研究部門の共同研究件数
40 件
中期計画
年度計画
22年度実績
30 件
20 件
20 件
-
20件以上
45件
10 件
0 件
中期計画
年度計画
22年度
28
【数値目標の達成状況⑦】
手術検体の新規保存件数
2,000 件
○手術検体の新規保存件数
1,586 件
1,300 件
中期計画
年度計画
22年度実績
1,000 件
-
1,300件以上
1,586件
0 件
中期計画
年度計画
22年度
29
2.研究・開発に関する事項
(2)病院における研究・開発の推進
○臨床研究機能の強化
「学際的研究支援室(MDR室)の設置」「リサーチカンファレンスの開催」
「早期臨床開発試験を実施するデータセンターの整備(臨床開発センター・臨床試験支援室)」
「臨床試験支援部門の組織再編(臨床試験管理室と臨床試験支援室の統合)」
「CRCの増員・非常勤CRCの常勤職員への登用」
「医薬品医療機器総合機構及び厚生労働省との人事交流の実施による薬事・規制要件の専門家の育成」
「治験申請から症例登録(First patient in)までの期間の短縮(140.6日→139.7日)」等
○倫理性・透明性の確保
「倫理審査委員会等の機能強化(審査委員会の組織再編・倫理審査関係規程の改正・審査委員の増員等)」
「研究活動に係る利益相反管理の強化(産官学連携活動に関する利益相反申告基準の見直し等)」
「倫理指針等に係る職員研修の実施(倫理指針の改正・研究計画書の書き方・説明同意文書の作成方法等)」
「倫理指針等に関する情報のHPへの掲載」
「情報公開に向けた研究管理データベースの整備」「HPでの治験情報等の公開」
「公開情報に対する問い合わせ対応体制の整備(HPに関する問い合わせの広報室への一元化等)」等
30
31
治験・臨床研究に係る体制整備
センター全体の機能
理事長
中央病院
病院長
東病院
病院長
臨床開発センター
学際的研究支援室
臨床試験支援室
臨床試験支援室
CRC
知的財産戦略室
倫理審査委員会
(治験・臨床研究)
医師主導治験調
整部門
臨床研究支援(CRC)
データセンター
治験事務局(支局)
事務局
データマネージメント
治験事務局
治験管理室
中央病院では「臨床試験支援室」の改組を行い、治験・臨床研究に係る院内基盤の整備を進めた、東病院
では臨床研究を対象としたCRC部門・データセンター(臨床試験支援室)を構築した。また、センターで
は、「学際的研究支援室」・「知的財産戦略室」を発足させ、臨床研究に係る基盤の整備を進めた。
32
企画・立案/プロジェクトマネージメント
臨床試験支援室で、早期開発試験の
企画/立案~実施(中央+施設)まで
ほぼすべてのプロセスを支援可能
データセンター/モニタリング部門
支援中の試験
・新規内視鏡診断機器(FIH 2試験)
・新規内視鏡治療機器(FIH 1試験 高度医療)
・アカデミア発の新規抗がん剤(FIH 1試験)
・未承認薬での医師主導治験(準備中)
など
・薬事コンサルテーション
・臨床試験プロジェクトマネージメント
・メディカルライティング(プロトコール)
・治験調整事務局
・データマネージメント
・モニタリング(中央・施設訪問)
・生物統計
実施施設(東病院)
臨床試験支援室での臨床試験の品質管理
データ
マネージメント
・患者登録
・データ収集
・データクリーニング
・データセット作成
など
モニタリング
CRCによる品質管理
・セントラルモニタリング ・適格性の確認
・CRF作成
・施設訪問による直接
・文書管理
閲覧(サンプリング)
など
・安全性情報
など
ICH-GCPレベルでの臨床試験の実施・支援体制を構築中
・臨床研究CRC部門
33
厚生労働省・PMDA・国立がん研究センターとの人事交流
薬事行政のための
業務
情報共有
行政
研究
情報交換
研究
教育
連携
教育
PMDA
厚生労働省
臨床試験・治験の推進
医療現場の情報・経験
医療現場の情報・経験
臨床研究の情報・経験
臨床研究の情報・経験
平成22年度 医師1名、薬剤師1名
平成22年度 看護師1名
診療
研究
国立がん研究センター
教育
臨床研究
治 験
(各種倫理指針)
(薬事法)
34
35
36
全治験データ・臨床研究情報の公開
センターホームページにて実施中の治験
及び臨床研究についての情報を公開して
いる。また、公開情報についての問い合わ
せ対応を行っている。
37
【数値目標の達成状況】
治験申請から症例登録数までの期間
150.0 日
150.0 日
○治験申請から症例登録数までの期間(平均)
139.7 日
140.0 日
中期計画
年度計画
130.0 日
22年度実績
130.0 日
120.0 日
130日以内 150日以内
139.7日
110.0 日
100.0 日
中期計画
年度計画
22年度
38
3.研究・開発に関する事項
(3)担当領域の特性を踏まえた戦略的かつ重点的な研究・開発の推進
○がんの原因、発生・進展のメカニズムの解明
「肺がんの発生と関連する遺伝子多型の同定」「膵がん発生母地としての脂肪膵の意義の明確化」
「肝発がんにおけるDNAメチル化異常の誘因の明確化」
「小分子RNA及びチロシンリン酸化蛋白質CDCP1・ARAP3の転移・浸潤への関不の明確化」等
○がんの実態把握
「院内がん登録42万件の全国データの収集、解析用データの整備」「次世代大規模コホート研究への取り組み」等
○がんの本態解明に基づく高度先駆的医療の開発等
「新規バイオマーカーの同定と核酸医薬の実現に向けた取り組み」「幹細胞除去による白血病発症の抑制」
「肺がんにおけるALK転座分子診断法の確立」「バイオリソースバンクの整備」等
○有効ながん予防・検診法の開発
「10部位がんについての食事要因との因果関係の評価」等
○医薬品及び医療機器の開発の推進
「オミックス技術を応用した高精度診断マーカー・肝細胞がん発生リスク評価指標の開発」
「産官学連携による新たなイメージング技術を用いた診断機器の共同開発に係る臨床試験の実施」
「医師主導治験に係る調整事務局の整備による企業では採算の取れない分野での臨床開発の推進」
「早期開発に重点を置いた企業治験の推進」等
○がん医療の質的向上・均てん化のための研究開発の推進
「5大がんに対するQuality Indicator測定」「Virtal Slideを利用した画像レファレンスデータベースの構築」等
○情報発信手法の開発
「エビデンスデータベース、パスデータベースの機能強化」「再発患者向けコンテンツの作成」等
39
ALK阻害剤の治療対象となる肺がんにおけるALK融合遺伝子の分子診断法確立
2000例強の肺腺がん手術症例を組織マイクロアレイ化し、
54例のALK融合遺伝子陽性症例(単施設では国内最大のコホート)を同定。
病理組織像の検討
整備された臨床情報を付加した肺がん組織アレイ
分子解析・分子診断への応
用
2)独自の高感度ALK免疫
染色法を開発。RT-PCRお
よびFISHとの相関は
100%
1)ALK融合陽性肺がんの特徴的な病理組織像を
同定
3)EML4-ALK陽性肺が
んのFISH診断基準を確
立。
4)CISH法(蛍光顕微鏡による観察
が不要)がFISHと同等の精度で
ALK肺がんを診断しうることを明ら
かにした。
研究所と中央病院との連携により
個別化医療 (ALK阻害剤)のための分子診断基盤を確立
40
41
42
43
44
45
研究開発のための企業・大学・学会との連携(従来型)
○企業との連携
・共同研究 88社・123件
・外来研究員の受入実績 27社・55人(新規受入数29人)
○大学等との連携
・共同研究 24機関・28件
・連携大学院 9大学(受入学生数44人)
(東京大学・東京理科大学・東京医科歯科大学・名古屋市立大学・
東京工業大学・筑波大学・北里大学・首都大学東京・立教大学)
○学会との連携
・学会事務局件数 24件 ・学会大会長件数 10件
46
研究開発のための「企業」との新たな連携(新方式)
○包拢的な共同研究契約
・従来からある、個別課題ごとの共同研究の枠を超えて、他機関との間
で包拢的かつ継続的に共同研究を進めるための契約の締結を進めた。
(例)島津製作所との包拢共同研究契約の締結(平成23年4月1日)
○国際共同治験対応のパートナーシップ契約
・国際共同治験に対応するためグローバル企業と協力体制を構築し、早
い段階からの治験情報の収集、国際的な共同治験に必要なコメディカ
ルのトレーニングを進め、抗がん剤の臨床開発を促進するための契約
の締結を進めた。
(例)ファイザー社との臨床試験に関するパートナーシップ契約の締
結(平成23年1月11日)
47
研究開発のための「大学」との新たな連携(新方式)
○レジデントが学位を取るための連携協定
・従来のような、大学院の学生を当センターに受け入れて教育する連携
大学院とは別に、当センターで働くレジデントが、臨床の業務に携わ
りながら、大学院で学位を取得できる道を開くため、大学との間で協
定締結に向けた交渉を進めた。
(例)慶應義塾大学との間の協定(平成24年度入学から実施予定)
順天堂大学との間の協定(平成24 年度入学から実施予定)
○共同研究や人材育成を幅広く推進するための基本協定
・従来の連携大学院とは別に、大学との間で共同研究、人材交流、人材
育成、研究施設や設備の相互利用等を幅広く推進するための基本的な
協定の締結を進めた。
(例)東京大学工学系大学院との連携協力の推進に関する協定の締結
(平成23年2月10日)
48
49
コレスポンディングオーサーである論文の引用総数
コレスポンディングオーサーである論文数
1,000 件
平成22年中に発行された
588 件
コレスポンディングオーサーである
論文(588件)の被引用総数は、
515 件
500 件
平成23年6月時点で864件
(引用率1.469)
0件
21年
22年
50
【数値目標の達成状況①】
がん対策推進に貢献する顕著な成果
10 件
10 件
○がん対策推進に貢献する顕著な成果
6 件
中期計画
年度計画
22年度実績
5 件
10件以上
-
6件
0 件
中期計画
【数値目標の達成状況②】
年度計画
2 2年度
病理検体の新規受入数
1 0 ,0 0 0 バイアル
○病理検体の新規受入数
中期計画
年度計画
7,350
バイアル
5,200
バイアル
22年度実績
5 ,0 0 0 バイアル
-
5,200バイアル
7,350バイアル
0 バイアル
中期計画
年度計画
22年度
51
【数値目標の達成状況③】
臨床研究実施件数
15.0 %
15.0 %
○臨床研究実施件数
10.0 %
中期計画
年度計画
22年度実績
対21年度
5%以上増加
(226件)
対前年度
1%以上増加
(218件)
対前年度
15%増加
(248件)
5.0 %
5.0 %
1.0 %
0.0 %
中期計画
【数値目標の達成状況④】
年度計画
22年度
治験実施件数
5.0 %
5.0 %
○治験実施件数(対21年度)
中期計画
年度計画
4.0 %
4.0 %
22年度実績
3.0 %
2.0 %
5%以上増加
(269件)
1%以上増加
(259件)
4%増加
(265件)
1.0 %
1.0 %
0.0 %
中期計画
年度計画
22年度
52
4.医療の提供に関する事項
(1)高度先駆的な医療、標準化に資する医療の提供
○高度先駆的医療の提供
「国立がん研究センターのみで受けられる高度先駆的な医療の提供」
(眼腫瘍科)眼内腫瘍に対するルテニウム小線源治療
(肝胆膵外科)尾状葉肝癌に対する尾状葉完全切除
(消化管内科)Weekly NK105(ミセル化_paclitaxel) 、Phase I study
(肝胆膵内科)肝細胞癌における「グリピカン3ペプチドワクチン」
(精神腫瘍科)がん患者のうつ病スクリーニング、がん患者の薬物療法が困難なうつ病に対する経頭蓋磁気刺激法(rTMS)による治療
(放射線診断科)腹部実質臓器腫瘍及び骨軟部腫瘍に対するElectric poration(ナノナイフ)治療
(造血幹細胞移植科)同種造血幹移植後のWT1ワクチン療法
(小児腫瘍科)外見関連思春期/小児患者支援プログラム「コスメティックインフォメーション」
(消化管腫瘍科)麻酔科管理下による治療困難早期がんに対する粘膜下層剥離術(ESD)
(食道外科)完全胸腔鏡下食道切除術 + 腹腔鏡補助下胃管再建術 等
「総合内科の創設による診療体制の強化」「化学療法の選択に関するバイオマーカーの応用の開始」
「HER2陽性胃癌に対する高度医療評価制度を用いた術後補助化学療法の臨床試験の実施」
「肺癌のEGFR遺伝子変異に係る全エクソン・全RNA解析に供する抽出遺伝子の決定及び解析の開始」
「国内主要研究施設と連携した医師主導治験及び高度医療評価制度での臨床試験の実施」等
○医療の標準化を推進するための、最新の科学的根拠に基づいた医療の提供
「標準的な診療方針の成文化による標準的治療の実践(代表疾患・治療の説明・同意文書の整備等)」
「診療科毎の治療実績と診療方針のHPへの掲載」等
53
世界初の病院設置型加速器による
ホウ素中性子捕捉療法に関する共同研究開始
がん細胞の大きさ
ホウ素化フェニルアラニン(BPA)を投与すると、がん細胞に選的に吸収
され、がん細胞のみがホウ素中性子捕捉療法により集中的にα線照射
され死滅する。BPAの体内分布はPETで定量的に確認可能である。
•
世界初の病院設置型加速器によ
るホウ素中性子捕捉療法
•
当センターの陽子線治療、PET診
断などの豊富な臨床経験
•
当センターの抗がん剤、DDS製剤
の豊富な研究・開発経験
•
がん研究センターの強みとCICS
社の装置開発力の融合
•
対象は、悪性脳腫瘍、膵がん、
頭頸部がん等の難治性腫瘍
CICS社の技術
中性子
シャッター
核燃料
加速器
陽
子
コリメータ
陽
子
モデレータ
速中性子
熱中
性子
0
照射口
中性子源として原子炉施設が必要
核物質を保有するため、巨大施設が必要
普及していない
コリメータ
軽水
モデレータ
ターゲット
原子炉
速
核
2.0~3 MeV 反 中
性
応 子 減速材
照
射
口
熱
外
中
性
子
加速器を用いた中性子源の開発
核物質が必要なく、電源供給時のみ中性子生成
小型化 ⇒ 病院内への設置可能 ⇒ 普及性大・維持費低
54
55
国立がん研究センターでのみ受けられる治療
診療科
治療内容
眼腫瘍科
眼内腫瘍に対するルテニウム小線源治療
乳腺科・腫瘍内科
成人の肉腫・原発丌明癌・縦隐原発胚細胞腫・希尐悪性腫瘍に対する新薬の第I相臨床試験
乳腺外科
化学療法後局所進行乳癌に対するセンチネルリンパ節生検
呼吸器内科
単独施設で実施する「肺癌に対する新薬を含む早期臨床試験」(主に治験)
単独施設で実施する「固形癌に対する第I相試験」(治験)
局所高度進行癌に対する集学的治療(放射線治療と化学療法を併用したneoadjuvant治療)
大腸外科
骨盤悪性腫瘍(原発・再発)に対する根治性とQOLの向上を目指した機能温存再建手術・治療
特に骨盤内臓全摘(TPE)を回避し得る手術
術前化学療法を併用した究極的肛門温存手術
消化管内科
Weekly NK105(ミセル化_paclitaxel) Phase I study
新薬治験を中心に当診療科のみで行える開発臨床試験
消化管腫瘍科
麻酔科管理下による治療困難早期がんに対する粘膜下層剥離術(ESD)
消化管内視鏡科
はさみ型内視鏡治療デバイス(Gカッター)を用いた内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
完全胸腔鏡下食道切除術 + 腹腔鏡補助下胃管再建術
食道外科
超高齢者又はハイリクス症例に対する可及的縦隐郭清を伴った非開胸食道切除及び
腹腔鏡補助下非開胸食道切除術
頭頚部内科
鼻腔癌に対する導入化学療法→化学療法同時併用する陽子線療法
泌尿器科
進行性下部直腸癌に対する、ダブルストーマ回避の手術療法
骨軟部腫瘍科
骨軟部腫瘍に対するMR/CT画像装置を利用した画像支援手術
56
診療科
肝胆膵外科
治療内容
尾状葉肝癌に対する尾状葉完全切除
Child Bの肝がんに対するE7080 (企業治験、第Ⅰ相)
肝がんに対するCDDP-TAI+S-1併用療法
肝胆膵内科
(自主研究、第Ⅰ相)
膵がんに対するOFF療法 (自主研究、第Ⅱ相)
胆道がんに対するGEM+CDDP+S-1
(自主研究、第Ⅰ相)
肝細胞癌における「グリピカン3ペプチドワクチン」
血液腫瘍科
縦隐原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する強力化学療法(R-CODOX-M/R-IVAC療法)
同種造血幹移植後のWT1ワクチン療法
造血幹細胞移植科
T細胞除去移植後のHSV-TK遺伝子導入ドナーリンパ球輸注
小児・若年成人発症の肉腫(サルコーマ)に対する集学的治療
小児腫瘍科
外見関連思春期/小児患者支援プログラム「コスメティックインフォメーション」
がん患者のうつ病スクリーニング
精神腫瘍科
がん患者の薬物療法が困難なうつ病に対する経頭蓋磁気刺激法(rTMS)による治療
放射線診断科
腹部実質臓器腫瘍に対するElectric poration(ナノナイフ)治療(実施予定)
骨軟部腫瘍に対するElectric poration(ナノナイフ)治療
放射線治療科
ルテニウムによる網膜芽細胞腫の治療
臨床検査科
HRMA(high resolution melting analysis)法を用いた分子標的薬適応決定のための変異解析。
57
眼内腫瘍に対する小線源治療

対象疾患



小線源治療の特徴




網膜芽細胞腫(小児)
脈絡膜悪性黒色腫(成人)
術
ルテニウム小線源(106Ru):β線源
中
写
局所に線量集中
真
眼球運動による位置ずれなし(強膜縫着)
治療手技



結膜切開、外眼筋一時切離
強膜上に小線源を一定期間縫着
腫瘍頂点線量



小
線
源
網膜芽細胞腫:40Gy(1~3日間)
脈絡膜悪性黒色腫:85Gy(3~7日間)
小線源
外眼筋付着部
角膜
線
量
分
布
治療成績:眼球温存率約80%
58
肝尾状葉完全切除術 大血管に囲まれており、非がん部の犠牲なしには切
除できないとされていた尾状葉を単独で完全に切除
するために開発した術式。肝障害があっても適用で
きる。
Paracaval portion
Spigelian lobe
Caudate proc.
RHV
Caudate proc.
IVC
59
Weekly NK105 (ミセル化 paclitaxel)の臨床第Ⅰ相試験 (治験)
60
肝細胞がんにおけるグリピカン3ペプチドワクチン
・進行がんに対する臨床試験
・再発予防目的の臨床試験
多発がんが壊死した症例
ワクチン投与
15例
無
再
発
生
存
率
初回切除80例
(東病院 2001-2002)
再発予防効果に期待
途中経過は有望
40例登録予定
ワクチン2回投与
年
61
Electric poration(ナノナイフ)
Electroporation
刺入電極からの高電圧パルスにより細胞膜に穴を開け、細胞死を誘
発。
熱による組織破壊でなく、既存構築を破壊しない細胞死が特徴。
ただし、全身麻酔が必要。
欧米に約30台が導入。アジアでは国立がん研究センターが初。
腹部・骨盤部腫瘍に対するElectric Poration治療の第I/II相試験験 (JIVROSG-1103)
骨・軟部腫瘍に対するElectric Poration治療の第I/II相試験 (JIVROSG-1104)
(主な症例選択規準)
①切除適応なし ②測定可能病変 ③最大径3cm以下 ④全身麻酔可
⑤P.S. 0,1,2 ⑥主要臓器機能保持 ⑦文書による同意
(試験デザイン概要)
主要評価項目:安全性
副次的評価項目:標的腫瘍の腫瘍壊死効果・腫瘍縮小効果、有害事象の種類と程度
(必要症例数と予定期間)
目標症例数:22例、試験期間:3年 (高度医療評価制度として実施予定)
62
同種造血幹細胞移植+WT1ペプチドワクチン療法臨床第Ⅰ相試験
最終目的:同種造血幹細胞移植後のWT1陽性造血器腫瘍に対する再発予防
対象:同種造血幹細胞移植を受けた、再発の危険性が高いWT1陽性造血器腫瘍患者
HLA-A2402及びA-0201(0206)群、各最低9例
WT1に対する細胞障害性
Tリンパ球(CTL)テトラマー解析
症例2: 40代、女性、骨髄増殖性疾患(非寛解)
2010年4月23日 非血縁骨髄移植
HLA-A2402型ワクチン
15
(0.01%)
WT1 mRNA (copies/μgRNA)
50000
WT1特異的細胞の検出
40000
50433
骨髄移植
30000
免疫抑制剤中止
20000
WT1 vaccine
10000
0
補正WT1値
pre
day27
day61
day89
day117
day147
day165
day180
day208
day236
day278
day306
day334
29028
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
* 2010/05/2 2010/06/2 2010/07/2 2010/8/18 2010/9/17 2010/10/5 2010/10/2 2010/11/1 2010/12/1 2011/01/2 2011/02/2 2011/03/2
検体採取日 2010/04/0
報告日
2010/05/1 2010/05/2 2010/07/0 2010/08/1 2010/9/9 2010/9/22 2010/10/8 2010/11/0 2010/12/2 2010/12/2 2011/02/0 2011/03/1 2011/04/0
移植後再発の可能性が高い患者であるが、ワクチン投与3ヶ月頃からWT1に対する
細胞障害性Tリンパ球が出現し、寛解を維持している
63
外見関連 思春期/小児患者 支援プログラム
「コスメティックインフォメーション」
当院で治療を受けた10才以上20才以下の患児42名に行ったアンケート調査の結果
治療に起因する症状(苦痛度の高い順)
副作用項目
副作用項目
1
術後の顔面麻痺
6
治療部分の痛み
2
嘔気
7
嗄声
3
口内炎
8
味覚変化
4
脱毛
9
術創
5
全身の痛み
10
浮腫
苦痛の高い副作用
10項目のうち5項目が外見関連の症状
治療による脱毛などの外的変化は、病気になって
治療を受けるという事と同等もしくはそれ以上の
かんじにとてt
ストレスである、ということがわかっています。
当院では思春期/小児患者のための「コスメティックインフォメーション」を実施しています。
治療早期から小児用パンフレットを使用して専門家(臨床心理士)が、
これから起こりうる外的変化に対する説明を行います
・なぜ起こるか
・いつまで続くか
・具体的な対処法(実際にウィッグや帽子を使った指導)
患児は将来起こる外的変化とそれに対する対処法を知り、安心することで
ストレスが尐なく、QOLの高い治療が受けられます。
64
麻酔科管理下による治療困難早期がんに
対する粘膜下層剥離術(ESD)
2010年5月~
静脈麻酔(プロポフォール):
麻酔科医
安定した麻酔
良好な覚醒
胃 約350例/年
食道 約150例/年
大腸 約100例/年
計 約600例/年
治療困難例ESD 約100例/年
65
新しい支持療法の開発
抗がん治療中のうつ病への経頭蓋磁気刺激 (rTMS)
患者の30%にうつ病・適応障害
患者家族のQOL(療養生活の質)低下
治療の中断・自殺
rTMSの特徴
・ 病態に即した治療
・ 身体症状に影響されずに実施可能
・ 有害事象がより尐ない
・ 即効性
前頭前野
うつ病の改善・苦痛の軽減
治療成績の向上
患者家族のQOL向上
66
食道がん手術
完全胸腔鏡下食道切除+腹腔鏡補助下胃管再建術
食道癌切除:胸腔鏡アプローチ法
胸腔鏡アプローチ
腹腔鏡アプローチ
再建術:腹腔鏡アプローチ法
67
精神症状スクリーニングによる心のケア促進
背景: がん患者の約2割に抑うつ状態が合併
抑うつ状態は自殺やQOLの低下の原因となり、苦痛をもたらす
専門的ケアによって改善可能だが、多くは見過ごされる
介入: つらさの寒暖計が高値の外来患者に対して専門的ケアを推奨
つらさの寒暖計
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
精神腫瘍科を受診し、専門的ケアを受ける抑うつ患者が増加
68
分子標的治療の個別化の推進
分子診断学分野:HRMA (High-Resolution Melting Analysis)法による遺伝子変異解析
・EGFR: L858R, Exon19, T790M:肺がん
・KRAS:exon2(codon12 and codon13), exon3(codon61):肺がん、大腸がん
・EML4-ALK:肺がん
細胞遺伝学分野:FISH法による染色体転座、遺伝子増幅、遺伝子・染色体特定領域欠
失、逆位の検出
HER-2:乳がん、胃がん
CHOP, FUS, EWSR, SYT, FKHR:軟部腫瘍
EML4-ALK:肺がん
平成22年度の検査件数は、
HRMA法による検査が237件、
FISH法による検査が133件で
ある。
69
当センターにおける医師主導治験実施状況
病
院
名
治験課題名
調整医師
自ら治験を
実施する者
治験届
提出
終了
再発あるいは治療抵抗性のc-kitあるいはPDGFR陽性肉腫に対するイマチニブの
第Ⅱ相試験
藤原康弘
藤原康弘
2004/11
2007/3
牧本 敦
牧本 敦
2005/11
藤原康弘
安藤正志
2007/3
2009/3
大津 敦
東病院
加藤 健
2007/4
2010年
以降
造血器疾患患者を対象としたアレムツズマブを用いたHLA不一致血縁ドナーから
の同種造血幹細胞移植療法の安全性及び有効性の検討
谷口修一
虎ノ門病院
福田隆浩
2004/11
2010年
以降
GOG-0218 未治療進行上皮性卵巣がん、腹膜がんに対するカルボプラチン/パ
クリタキセル/プラシーボと、カルボプラチン/パクリタキセル+同時併用ベバシズ
マブに続くプラシーボと、カルボプラチン/パクリタキセル+同時併用ベバシズマ
ブに続くベバシズマブ単独投与のランダム化第Ⅲ相試験
勝俣範之
勝俣範之
2007/11
2010年以
降
HER2過剰発現のない乳がんに対する術前化学療法における
Carboplatin/Weekly Paclitaxel →CEF と Weekly Paclitaxel →CEF
のランダム化第Ⅱ相比較試験
藤原康弘
安藤正志
2010/2
2012/3
(予定)
大津 敦
大津 敦
2007/4
2010年
以降
難治性小児悪性固形腫瘍に対する塩酸イリノテカン
(CPT-11)の第Ⅰ-Ⅱ相臨床試験
中
央
病
院
東
病
院
当センターが治験調整医師
HER2過剰発現を有する乳がんに対する術前 Trastuzumab(Herceptin®)/化
学療法のランダム化第Ⅱ相試験
JCOG0604 臨床病期Ⅱ/Ⅲ(T4を除く)食道がんに対する
S-1+CDDPを同時併用する化学放射線療法の第Ⅰ/Ⅱ相試験
JCOG0604 臨床病期Ⅱ/Ⅲ(T4を除く)食道がんに対する
S-1+CDDPを同時併用する化学放射線療法の第Ⅰ/Ⅱ相試験
2009/3
今までに7課題の医師主導治験を実施してきており、そのうち5課題において当センター医師が治験調整医師
を担っている。当センターはアカデミックCROのノウハウを有している。
70
5.医療の提供に関する事項
(2)患者の視点に立った良質かつ安全な医療の提供
○適切な治療選択の支援
「正確でわかりやすい診療情報の提供(代表疾患・治療の説明・同意文書の標準化)」
「がん相談対話外来の開設」 「診療科毎の治療実績と診療方針のHPへの掲載」
「外来患者を対象とした患者教室等の開催(膵がん・胆道がん教室、脳腫瘍家族サロン等)」等
○患者参加型医療の推進
「患者・家族からの意見収集の実施」「患者満足度調査の実施及びその結果の公表」
「患者・家族からの意見に関する患者サービス向上委員会での検討の実施」等
○チーム医療の推進
「医師・歯科医師・看護師・栄養士で構成される周術期管理チームの設置」
「放射線治療医・看護師・薬剤師・ソーシャルワーカー等が参加する診療方針の検討会を開始(Tumor board)」等
○入院時から緩和ケアを見通した医療の提供
「入院診療と外来診療を統合的に管理できる診療体制の構築(診療科長制の導入)」
「がん医療を行う医療機関等との連携促進(在宅緩和ケア連携カンファレンス等の開催・メーリングリストの整備)」
「がん患者・家族総合支援センターの位置づけの検討(東病院)」「患者・家族へのサポートプログラムの実施」等
○安全管理体制の充実
「インシデント発生事例の検討・調査結果に基づく業務改善の実施」「医療安全講習会の開催」等
○客観的指標等を用いた医療の質の評価
「外部評価委員会の設置による医療の質の評価の実施(東病院)」等
71
「がん相談対話外来」の開設
・医師・看護師が、がん患者の目線で、患者や家族の方々と対話をしながら、
その状況の中で受けることができる最良の医療について考えていく外来
・必要に応じて、がん専門相談員が同席したり、精神腫瘍医に紹介を行う
・平成22年7月12日から平成23年3月31日までの
・平成22年7月12日開設
看護師
利用者数は1,196人
・毎月120-160人が利用
医師
・利用者の感想
ほぼ全ての方が「目的を果たすことができた」
全ての方が「医師の説明が理解できた」
ほぼ全ての方が満足していた
利用者の感想(%)
がん専門相談員
家族
患者
目的達成度
十分達成62
患者・家族の理解度
ほぼ達成38
十分理解76
患者・家族の満足度
ほぼ理解24
とても満足55
0%
25%
不十分1
ほぼ満足43
50%
75%
やや不満2
100%
(四捨五入により、合計が必ずしも100%にならない場合が有り得る)72
「膵がん・胆道がん教室(外来・入院)」
「膵がん・胆道がん家族向け教室」
“患者や家族の方に、安心して充実した生活を
送っていただくこと”
1.膵がん・胆道がんの原因や
症状、治療法についての情
報提供
2.困りごとに対する対処法や
サービスについての情報提供
3.多職種の活動を知って、上手
に活用してもらう
運営スタッフ:
医師・看護師・心理士・栄養士・薬剤師・MSW
73
脳腫瘍家族サロン立ち上げに向けて
ご家族の「他の家族の体験や思いを聞きたい」という要望を受け
て、サロンの立ち上げを検討した。
2011年5月25日(水) 第1回脳腫瘍家族サロン開催決定
対象
脳脊髄腫瘍科で治療している
患者のご家族(転移性脳腫瘍を除く)
目的
体験の分かち合い
主催・運営
相談支援室
代表家族・脳脊髄腫瘍科・相談支援室合同検討会
74
75
医療安全管理体制の充実
病
院
長
医療安全に関する
最高決定会議
最終決定
イ
ン
シ
デ
ン
ト
・
ア
ク
シ
デ
ン
ト
報
告
インシデント・
アクシデントの選別
医療安全管理者(GRM)
リスク
マネジャー
サブリスク
マネージャー
現場(担当者)
会サ リ
議ブ ス
リク
スマ
クネ
マー
ネジ
ーャ
ジー
ャ・
ー
説
明
(
医・
療指
安示
全・
伝
管達
理
部
会
委
員
長
)
医療事故等防止対策委員会
委員長:病院長
事故調査委員会
委員長・委員:病院長が指名
患者相談室
インシデント対策提案
医療安全管理部会
委員長: 医療安全担当副院長
医療安全管理者(GRM)
医療安全管理担当委員
●インシデントの
防止対策の検討
●会議は定例及び
臨時で開催する
医師(内科系、外科系)、看護師、薬剤
師、検査技師、放射線技師
相談支援
センター
76
未解決の医療問題への対応(医療安全制度の創設)
平成22年4月より、客観性と医学的公正性を明確にするため、以下の
とおり医療事故調査の手順を変更した。
1.経過報告書の様式を統一化して、報告の質を均一化した。
2.事故調査委員会の発足について、従前は責任者が個人で判断し基準
が曖昧であったが、公的に事故防止対策委員会で判断することとした。
3.事故調査委員会で行われる全ての検討には、複数の外部専門家の
意見を入れた。
(平成22年4月以降の状況)
経過報告書の提出・・・19件
→・家族面談等の患者対応として解決したもの・・・3件
・事故防止対策委員会開催・・・16件(事故調査委員会5件発足)
→そのうち、11件解決。3件は調査報告書作成中。
(従前)
平成19年から22年3月までで、外部委員を招聘した事故調査委員会は3件のみ。
この3件は、いずれも外部機関との関連の中で外部委員の意見が必要となったもの
であり、病院として自発的に事故調査委員会を立ち上げて外部専門家の意見を聴取
して客観性と医学的公正性を求めたものではない。
77
【数値目標の達成状況】
外来化学療法実施数
40,000 件
38,000 件
37,916 件
37,000 件
○外来化学療法実施数(年間)
30,000 件
中期計画
年度計画
22年度実績
2 0 ,0 0 0 件
38,000件以上
37,000件以上
37,916件
10,000 件
0 件
中期計画
年度計画
2 2年度
78
6.医療の提供に関する事項
(3)その他医療政策の一環として、センターで実施すべき医療の提供
○がん患者に対する緩和医療の提供と療養生活の質の向上
「がん治療の初期段階からの緩和ケアの提供」
「チームカンファレンスへの他職種の参加による緩和ケアチームの機能強化」
「緩和ケアチームの症例数の増加」
「総合内科の創設による診療体制の強化」
「がんのリハビリテーションの強化(リハビリ科の創設)」
「日本歯科医師会との医科歯科連携の締結」
「療養生活の質の改善に資する情報提供(コスメティックインフォメーション・膵がん・胆道がん教室等)」
「外部医療機関のがん診療体制に関する情報のデータベース化」
「電話相談窓口である患者必携サポートセンターの開設」
「相談マニュアルの随時更新」
「がん専門相談員の増員・非常勤SWの常勤職員への登用」 等
79
80
総合内科の創設 2010年10月~
糖尿病や心臓病があっても「がん難民」にしない
内科慢性疾患の増加
がん以外の内科疾患を
(糖尿病、心臓病、腎臓病など)
合併したがん患者の増加
例:5人に1人が糖尿病の時代
最適ながん治療への障害
がんセンター
ゆえの弱点
内科疾患
がん治療
がん治療による悪化・誘発
総合内科
•糖尿病内科
•循環器内科
•腎臓内科
•神経内科…
内科疾患の包括的ケアにより
より安全で最適ながん治療を
81
がんリハビリテーションの強化
リハビリテーションが有効と考えられるがん・がん治療上の問題
がん一般
疼痛、移動・セルフケアの問題、易疲労性、筋力低下 等
がんの種類による問題
嚥下障害、リンパ浮腫、認知障害、末梢神経炎、筋骨格系の障害 等
2010年度診療報酬改定
2010年 4月以前
2010年10月
2010年11月
2010年12月
2011年 2月
2011年 4月
がん患者リハビリテーション料 200点(1単位)
理学療法士(PT)1名*
* 中央・東病院兼任
PT1名増員
作業療法士(OT)1名増員
専任常勤医師1名 診療報酬算定開始(運動器 II 165点, 脳血管 III 100点)
がん患者リハビリテーション料算定開始(200点)
言語聴覚士(ST)1名増員
2011年6月現在 リハ科スタッフ
専任常勤医師1名、PT2名、OT1名*、ST1名
リハ科新患数 30~40名/月
外科系
13%
内科系
24%
依頼科の内訳
中央病院5階リハ室
(2010年12月~2011年3月)
骨軟部
37%
脳脊髄
26%
82
日本歯科医師会との医科歯科連携事業
当院と日本歯科医師会が協働し、がん患者の口腔を守る地域医療連携ネットワークを構築し
円滑な医科歯科連携活動を事業化する
本事業の目的
①がん治療に伴う口腔合併症の予防・軽減
→がん治療の安全性、品質の向上
・口腔粘膜炎
・口腔の感染症
・顎骨壊死
・誤嚥性肺炎
②がん患者が安心して歯科治療を受ける
ことができる医療社会基盤の構築
・がん治療を妨げない
安全な歯科治療を提供
がん研究センター
地元の連携歯科医院
口腔内スクリーニング
定期的な口腔内チェックやケア
がん治療に伴う口腔合併症を
口腔ケアで可及的に予防
継続するがん治療に沿った
歯科支持療法、処置を行う
がん治療が円滑に
進むように、適宜
口腔ケア・チェック
口腔内に問題がでたら
迅速に連携歯科医院を紹介
連携
・周術期口腔ケア
・化学療法中の口腔ケア
・ビスフォスフォネート
骨壊死予防のケア
・終末期がん患者のケア
必要に応じて、がんセンターから
歯科処置に必要な患者情報を得る
「口からちゃんと食事ができる」ことを支援
がん治療後の「歯科治療難民」の根絶
現在までの事業進捗状況
2010年
・8月 日本歯科医師会 大久保会長との間に「がん歯科連携合意調印式」施行
・9月〜「がん患者のための歯科医師講習会」を東京を中心に一都四県にて開催、のべ1000名以上が受講
がん連携歯科医院の名簿作成 現在約900件の歯科医院が登録
2011年 ・1月〜 がん患者の術前歯科連携を開始
5月までに約150名の患者が連携歯科窓口を受診
今後の展望
・がん患者のための歯科医師講習会の継続(本年9月より化学療法中の歯科治療についての講習会を開催予定)
・がん患者の歯科連携の対応範囲を拡大(手術前の患者に加え、化学療法、放射線療法、緩和医療の患者など)
・全国のがん拠点病院への医科歯科連携事業の拡大、連携歯科名簿の拡充や必要とする地域への資料提供
・がん支持療法としての口腔ケア介入のガイドライン作成、口腔ケアに対する保健診療点数の獲得
83
84
85
86
87
東病院における患者・家族支援の新たな取り組み
院外型相談支援センターとしての取り組み
・がんに関する情報サロン
・よろず相談
・地域のがん患者・家族サポーターの
支援(サポートプログラム)
・地域医療・福祉従事者の支援
平成22年実施サポートプログラム
・乳がんサポート(柏の葉茶話会)
・柏の葉料理教室(東病院栄養管理室)
・がん患者サポートプログラム
(NPOジャパンウェルネス)
・遺族のためのグリーフケア
(東葛生と死を考える会)
のべ約千名の参加
88
【数値目標の達成状況】
緩和ケアチームの関わる症例数
2,000 件
○緩和ケアチームの関わる症例数(年間)
1,535 件
1,500 件
1,500 件
中期計画
年度計画
22年度実績
1,000 件
1,000 件
1,500件以上
1,000件以上
1,535件
500 件
0 件
中期計画
年度計画
22年度
89
7.人材育成に関する事項
○リーダーとして活躍できる人材の育成
「放射線治療医・看護師・薬剤師・ソーシャルワーカー等が参加する診療方針の検討会を開始(Tumor board)」
「最新の医療知識・技術の習得・再確認を目的としたNCCユニバーシティ-の開催」
「専門教育制度の充実(レジデントの給不改善・年収約350万円→約550万円)」
「がん薬物療法認定薬剤師や認定看護師育成のための研修生の受け入れを実施」
「教育担当部門の機能強化(教育担当の副院長・副看護部長の配置、教育研修協議会の定期的開催)」
「リサーチカンファレンスの開催」等
○モデル的研修・講習の実施
「センター外の医療従事者等を対象にした専門研修の実施」等
※研修プログラムの提供数…18種類(緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会等)
※研修受講者数…2,426人(平成18年度からの累計)・668人(平成22年度)
90
Tumor Board
よりよい治療を実現するために
• 全診療科医師による日替わり
電子カルテやスライドを用い
た発表・議論
プレゼンテーション
• 術前症例・治療困難症例・教育上
重要な症例の提示
• 病院内の様々な職種による
放射線技師
ディスカッション
看護師
レジデント
薬剤師
放射線
治療医
放射線
診断医
小児科医
• 手術の方針が放射線治療や
化学療法にかわることもある
眼科医
腫瘍内科医
外科医
腫瘍内科医
外科医
ソーシャルワーカー
• 治療の透明化・他科医師による
治療評価
91
Tumor Board
開催テーマ(例)
(平成22年7月~毎週(火)・(水)の16:00~17:00に2テーマずつ検討)
診療科等
症 例 タ イ ト ル
脳・頭頸部
再発頭蓋内胚細胞腫の治療方針
上部消化管
化学療法中に上部消化管穿孔が生じ緊急手術を行った症例
上部消化器
幽門前庭部に発症した進行胃癌の1例
下部消化管
大腸重複癌に対して内視鏡治療を行った症例
下部消化器
直腸早期癌術後11年目の骨盤内局所再発症例
肝胆膵(外科)
下部胆管がんの1例(切除予定例)
肝胆膵(内科)
切除不能膵がんの1例
血液・幹細胞
多発髄外病変で発症したmyeloid sarcomaの1例
呼吸器
右中葉の肺癌疑い症例(術前)
呼吸器・肝胆膵 肝細胞癌治療中に膵癌を発症した1例
乳腺
両側乳がん術前化学療法の1例
乳腺・泌尿器
乳がん術後、卵巣腫瘍の一例
皮膚・泌尿器
腎細胞癌の一例
皮膚・婦人科
Krukenberg tumorの1例
婦人科
腹膜癌の1例
骨軟部・小児・眼 卵巣原発central PNETの1例
92
NCC University 正しい知識と技術の習得と再確認
Volume
講義名
講師
1
胸腔ドレーンの安全な挿入方法
淺村(呼吸器外科)
2
最新の心肺蘇生法: 基本原理,手技の再確認
山口(ICU)
3
中心静脈の安全な確保
竹内(放射線診断科)
4
手術室外での気道確保と気管内挿管
佐藤(麻酔科)
5
安全で確実な気管切開法
(Cricothyroidotomyを含む)
浅井(頭頚科)
6
IVRの活用法 - 対処できる病態、できない病態
荒井(放射線診断科)
7
意識障害と脳循環をめぐる問題と対処法
血糖コントロールのピットホール
嘉山(脳神経外科)
93
当センターが開発した、日本独自の
がん告知コミュニケーション技術研修
がん告知の意向調査:日米比較
気持ち
情報
米国
日本
N=351
N=529
がん患者の意向調査(N=529)
①気持ちのサポート
●感情を出しても配慮して欲しい
●家族の気持ちにも配慮して欲しい
②情報の伝え方
●医師から質問を促して欲しい
③情報の内容
●今後の見通しを教えて欲しい
④話しやすい場の設定
介入群
(N=13)
統制群
(N=14)
p
◎沈黙して気持ちに配慮する
1.7
-0.6
<0.05
◎感情を話題にする
1.2
-0.4
<0.05
◎気持ちを支える言葉をかける
1.1
-0.4
<0.05
気持ちのサポート(第三者評定)
介入群
(n=309)
統制群
(n=292)
p
◎抑うつ
4.6 (3.7)
5.3 (4.0)
<0.05
不安
4.8 (3.7)
5.2 (3.4)
n.s.
患者ストレス重症度
研
究
結
果
に
基
づ
き
プ
ロ
グ
ラ
ム
開
発
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
技
術
研
修
会
内容: 模擬患者を相手にロールプレイを
行い、問題点についてディスカッ
ションする2日間のプログラム
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
に
関
す
る
講
義
内容: 講義、診察時のコミュニケーショ
ンへのフィードバックを含む1時
間のプログラム
模擬患者
医師役
(参加者)
ファシリ
テーター
対象: 外来担当開始予定レジデント
レジデント
1回目
2回目
7名
4名
対象: 対話外来スタッフ
医師
レジデント
看護師
1回目
2回目
59名
41名
6名
2名
19名
14名
* 対話外来スタッフの内、当日聴講できな
かったものは、後日ビデオを視聴 94
地域のがん医療の指導者を育成するための研修を実施
がん医療の均てん化を推進することを目的に、地域における
「がん医療の指導者」を育成するための専門的な研修を実施
医師、看護師、がん化学療法チーム、
診療放射線技師、臨床検査技師、
院内がん登録実務者について、
指導者育成のための研修として、
18種類のプログラム実施
合計668人が参加
相談支援センター相談員、緩和ケアチーム、院内がん登
録実務者、
地域がん登録行政担当者・実務者等の
基礎・中級者研修も実施
合計4,712人が参加
95
【数値目標の達成状況①】
研修プログラムの提供数
20 種類
18 種類
○研修プログラムの提供数(年間)
中期計画
年度計画
16 種類
17 種類
22年度実績
10 種類
16種類以上
17種類以上
18種類
0 種類
中期計画
【数値目標の達成状況②】
年度計画
22年度
研修プログラムの延べ受講者数
5,000 人
4,500 人
○研修プログラムの延べ受講者数(18年度からの累計)
4,000 人
中期計画
年度計画
22年度実績
3,000 人
2,426 人
2,200 人
2,000 人
4,500人以上
2,200人以上
2,426人
1,000 人
0 人
中期計画
年度計画
22年度
96
8.医療の均てん化と情報の収集・発信に関する事項
○ネットワーク構築の推進
「都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会の開催」
「都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会への臨床試験部会の設置」
「がん診療連携拠点病院等に対する技術指導等の実施(画像診断コンサルテーション・病理診断コンサルテーション等)」等
○情報の収集・発信
「がん患者に必要な情報をとりまとめた患者必携のHP(携帯電話向けHPを含む)への掲載」
「患者必携(印刷物)の配布(47都道府県・がん診療連携拠点病院377施設等)」
「電話相談窓口である患者必携サポートセンターの開設」
「がん関連情報を掲載した冊子のがん診療連携拠点病院への配布」
「平成21年度現況報告書に基づくがん診療連携拠点病院の診療実績情報等のHPへの掲載」
「患者・市民パネルメンバーからの意見を踏まえた患者必携の概要版の作成」
「医療者に対する公開情報の充実(HPに掲載している診療ガイドライン・臨床試験情報等の情報の更新)」
「がん情報サービス利用者の背景・満足度・利用状況の確認(がん情報サービスに係るアンケート調査の実施)」
「地域がん登録等の実施状況の把握・登録項目の標準化」
「地域がん登録未実施県での導入に向けた技術的支援」
「院内がん登録実地調査・地域がん登録訪問調査の実施」等
97
350
がん診療連携拠点病院等に対する技術指導等の実施
300
300
290
問合せ
40
目標
250
250
NCC
専門家パネル
意見/報告
がん拠点病院
200
200
結果・評価
Internet公開
1500
病理診断コンサル
テーション件数
評価(有用であった):
97.2%
画像診断部門:
コンサルテーション 76件
全国説明会
2回
がん診療画像データベース
新規公開
23件(計204)
放射線治療品質管理:
郵送
40件
訪問指導
4件
臨床試験QA評価:
放射線治療 204件
98
患者必携(がん患者が必要な情報を取りまとめた冊子)の作成・配布
紙媒体
がんになったら
手にとるガイド
見本版
47ヵ所
書店で販売
都道府県庁
8.4万部
患者さんのしおり
(「がんになったら手に
とるガイド」概要版)
者
660ヵ所
・
家
連携病院
保健所
82.6万部
ちらし
118万部
患
族
がん診療連携
拠点病院等
診療所
736ヵ所
相談支援
センター
99
患者必携(がん患者が必要な情報を取りまとめた冊子)の作成・配布
電子媒体
337万PV
(ページビュー)
患
ホームページから
PDFファイルダウンロード
者
14.5万ファイル
・
家
6万PV
(ページビュー)
携帯電話用
ホームページ
族
電子出版
無償提供
平成23年3月開始
平成22年6月がん情報サービス掲載
100
101
がんに関する冊子
患者・家族
相談支援
センター
がん診療連携
拠点病院等
平成22年3月までに
39種類の冊子配布済
平成22年度7種類の新規冊子21万冊を
がん診療拠点病院に配布
平成22年度、45施設に
印刷用ファイルを提供
各施設で27万冊印刷
102
がん対策情報センター患者・市民パネル
全国から公募した100名のがん患者、ご家族、市民の方に、それぞれの立場からが
ん対策に関する提案、作成された情報のチェック、周りの方への広報などを通して、
がん情報普及のための活動をご支援いただいています。
患者さん、ご家族、一般国民の方
広報
情報提供
患者・市民パネル
国立がん研究センター
主な活動:
•患者・市民が望むがん情報検討
会での討論に参加
•新たに公開する情報のレビュー
•患者必携に対する評価
•患者必携への体験談の提供
•市民向けがん情報講演会などの
情報普及協力活動など
がん対策情報センター
情報編集・情報評価
提案、意見
103
がん登録についての取り組み
地域がん登録
38県で実施(うち3県は平成22年度開始、平成23年度6県開始予
定、平成24年度は東京都が開始)→全県実施が近々実現
26県で標準登録システムを使用→平成23年より当センターで無償サポート
(開始しやすい環境整備)
33県より34万件(平成18年診断例)のデータ収集し、一定精度を満た
す15県(平成21年より3県増加、全人口の33%)のデータを用いて全国
罹患率を推計→拠点病院からの登録増加により30県(全人口の60%)
へ拡大
院内がん登録
全国8ブロックで初級者研修(修了者配置が拠点病院の指定要件)を実施
→最近3年間で1916人が修了
357拠点病院より42万件(平成20年診断例)のデータを収集→施設別
集計公表の方針決定
104
【数値目標の達成状況①】
病理診断コンサルテーションの件数
290 件
300 件
○病理診断コンサルテーションの件数(年間)
250 件
250 件
200 件
中期計画
年度計画
22年度実績
100 件
250件以上
250件以上
290件
0 件
中期計画
【数値目標の達成状況②】
年度計画
22年度
院内がん登録実地調査件数
150 施設
130 施設
○院内がん登録実地調査件数(5年間合計)
100 施設
中期計画
130施設以上
(全都道府県
で実施)
年度計画
22年度実績
50 施設
25施設以上
(9県で実施)
31施設
(9県で実施)
25 施設
31 施設
0 施設
中期計画
年度計画
22年度
105
【数値目標の達成状況③】
地域がん登録訪問調査
47
都道府県
○地域がん登録訪問調査(5年間)
40 県
33 県
中期計画
年度計画
22年度実績
30 県
20 県
15 県
全都道府県で
実施
15県で実施
33県で実施
10 県
0 県
中期計画
年度計画
2 2年度
106
9.国への政策提言に関する事項
その他我が国の医療政策の推進等に関する事項
○科学的根拠に基づいた専門的な政策提言
「国家戦略としてのがん研究シンポジウムの開催」
「都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会への臨床試験部会の設置」
「福島第一原子力発電所の被災に伴う放射性物質の健康影響について政策提案を実施」等
○政策提案を恒常的に実施する組織の構築
「企画戦略室の設置・企画戦略会議の開催による政策シーズの発掘」「ナショナル・イノベーション推進室の設置」
「6NC理事長会議の定期的な開催」等
○公衆衛生上の重大な危害への対応
「宮城県の被災地への医療支援チームの派遣」「福島県へのスクリーニング支援チームの派遣」
「被災地のがん患者の診療の参考となる情報の収集・HPでの情報提供の実施」
「被災地のがん患者の積極的な受け入れ(57人)」「被災者に対する義援金の募集・被災地への寄附」等
○国際貢献
「国際交流室の設置」「国際がん登録協議会学術総会への参画(組織委員会担当)」
「肝がん全ゲノム解読に関する成果のNature Genetics誌への受理(世界初の報告)」
「WHO指定研究協力センターとしての活動」「WHO世界禁煙デーグローバルローンチの実施支援」
「たばこ規制枠組条約第4回締約国会議への政府代表としての参加」
「がん研究機関との国際連携(复旦大学・台北医科大学・カロリンスカ研究所等との共同研究契約の締結)」等
107
108
国際がんゲノムコンソーシャムに参加し、世界で初めて肝がんの全ゲノム解読を報告
1)国際がんゲノムコンソーシャム(ICGC)に設
立メンバーとして参加(ICGC, et al. Nature,
2010)
2)最新鋭の第2世代シークエンサーを揃えた
コア・ファシリティと、データ解析パイプライ
ンを構築
がんの全ゲノム・エクソー
ム・トランスクリプトーム解
析
がんにおける新規変
異や融合遺伝子の同
定
新規肝がん関連遺伝
子としてTSC1 を同定
(さらに追加症例のゲノム
解析が進行中)
HCV陽性肝がんの、最初の全ゲノム解析(Nature Genetics, 2011)
109
国際水準のたばこ政策の実現と国際貢献
「喫煙と健康」WHO指定研究協力センター
Photo ©WHO
WHOたばこ規制枠組条約および
MPOWER政策パッケージの実践
「タバコフリー築地フォーラム」
国際水準の政策討議の場
(5月、6月、9月)
WHO本部/条約事務局
との連携
WHO地域事務局
との連携
WHOたばこ規制枠組条約
第4回締約国会議(ウルグアイ)
政府代表として出席(11月)
“Gender and Tobacco”に関す
るモノグラフと世界禁煙デー
啓発資材の開発
©2011 Google
Photo ©FCA
110
111
国立がん研究センターにおける東日本大震災への支援と情報発信
3.11 (0)
東日本大震災発生
3.12 (1)
福島第一原発1号機爆発
3.13 (2)
福島第一原発3号機爆発
災害対策本部設置 (院内の安全確認・帰宅困難者への対応)
中央病院屋上で放射線量測定を開始
3.14 (3)
東日本大震災対応委員会設置し情報収集
3.15 (4)
非常時への院内体制の確立・宮城医療支援隊募集
3.17 (6)
第1回記者会見
宮城医療支援隊・福島放射線検診隊派遣
中央病院屋上の放射線量測定結果をHPに掲載
東北地方の放射線治療の施行状況をHPに掲載
「がん診療連携拠点病院の被災およびがん患者対応
状況調査」 をがん対策情報センタ-HPに掲載
被災地からの患者受入(福島医大から骨髄移植患者)
3.20 (9)
第2回記者会見
3.21(10)
宮城医療支援隊・福島放射線検診隊帰院
中央病院における水道水・雤水の放射線量測定開始
3.22 (11)
ホウレンソウから放射線検出 国立がん研究センター被災がん患者ホットライン開設
3.23 (12)
都内浄水場から放射線検出
3.24 (13)
3.28 (17)
3.30 (19)
築地市場の葉野菜の放射性物質の測定をHPに掲載
第3回記者会見
被曝と発がんのリスクについて見解を発表
首相官邸HP「災害情報」に、当センターのHPリンク
112
NCC全体
福島県
いわき市
双葉郡
南相馬市
相馬市
福島市
喜多方市
白川郡
白河市
須賀川市
二本松市
耶麻郡
計
1名
10名
被災地からの受診患者数
患者数 宮城県
20 仙台市
4 石巻市
2 気仙沼市
2 岩沼市
1 黒川郡
1
その他
1
計
1
1
1
1
35
患者数 茨城県
4 日立市
2 水戸市
1 北茨城市
1
計
1
1
10
患者数
6
3
1
10
岩手県
県内
計
地域別
患者数
1
1
山形県
県内
計
患者数
1
1
合計
57
57人
石巻市 3
仙台市 4
1名
南相馬市 4
35名
双葉郡 4
福島原子力発電所
いわき市 20
10名
日立市 6
水戸市 3
3月14日~3月31日 時点
113
宮城県医療支援団の派遣
3/17(木)~3/20(日)
国立宮城病院を拠点に活動。 (仙台から車で約40分の宮城県山元町)
地平線(4キロ先)のかなたまで、津波により被害をうけた
※仙台空港のすぐ南にあり、地震と津波後、県内で最も通信状態の復旧が遅れた場所
支援内容:
①支援物質の搬送
②緊急疾患診療支援、
慢性疾患の増悪防止、
インフルエンザ等の蔓延防止
③被災者・医療従事者のニーズを分析
(当直を行い現地の医師を支援)
④情報収集
(被災者の状況・がん患者の状況)
⑤「定期服用薬剤を確保するための
システム」を、構築するための調査
国立宮城病院の支援、
約3,000人が避難している
16か所の避難所を巡回して診察も行
い、入院患者や避難されている方々を
安心させることができたと報告された。
114
福島県へのスクリーニング支援団の派遣 3/17(木)~3/20(日)
福島県内の避難所等、福島市を中心に、原発から45~60km圏内で活動
福島県災害対策本部 にて、現地スタッフとミーティング
スクリーニング作業の分担施設がそれぞれ割り振られる
支援内容:
① スクリーニング
② 除染
③ 医療機関への
振り分け
住民の多くが
不安をかかえて
生活・避難しており、
放射線科医として
現地に赴いたことで、
住民達からの質問に対し
放射線知識をもって
正しく答えることができ、
住民や避難民達を
安心させることができたと
報告された。
115
義援金の寄付について
○ 国立がん研究センターは、当センター職員から寄せられた義援金総額
1501万円を、東日本大震災被災地域である東北3県(岩手県、宮城県、
福島県)に寄付した。
○ この義援金については、3県の被災状況に按分する形で配分し、理事長
が各県に赴き、岩手県に400万円、宮城県に700万、福島県に401万円
を、それぞれ直接手渡した。
宮舘岩手県副知事への義援金寄付
村井宮城県知事への義援金寄付
福島県保健福祉部長への義援金寄付
116
10.効率的な業務運営に関する事項
(1)効率的な業務運営体制
○診療部門の改革
「入院診療と外来診療を統合的に管理できる診療体制の構築(責任と権限を明確化した診療科長制の導入)」
「副院長複数制度の導入による病院長補佐体制の整備」
「副院長の役割と院内での位置付けの明確化」
「副看護部長の増員・二交替制勤務の拡大による看護体制の強化」等
○研究部門の改革
「研究業務を普遍的・効率的に遂行できる研究体制の構築(世間の流行に左右されない研究体制の構築)」
「副所長複数制度の導入による研究所長補佐体制の整備」等
○臨床研究部門の改革
「臨床試験管理室と臨床試験支援室の統合(CRC部門、DM部門、医師主導治験支援部門の統合)」
「ナショナル・イノベーション推進室の設置」等
○教育研修部門の改革
「教育担当の副院長・副看護部長の配置」「教育研修協議会の定期的開催」等
○管理部門の改革
「理事会の設置」「総務部・人事部・企画経営部・財務経理部の4部体制への移行」
「監査室・広報室・知的財産戦略室・国際交流室の設置」
「事務職員を対象としたSD(スタッフデベロップメント)研修の開催」等
117
総人件費改革への対応について
○
国立がん研究センターの総人件費は平成22年度107億円であり、平成21年度比で10.4%
(約10億円)増となっている。
○
今般の人件費の増加は、がんその他の悪性新生物に関する高度先駆的医療の開発・普及な
ど、国立がん研究センターの役割を着実に果たすために、①医師・看護師等の医療職の増員
及び②特に手薄な人員配置となっている事務職の増員を行ったものである。
○
なお、法人のアクティビティーを高めるための人員体制を強化する一方で、年度計画比で
約12億円に上るコストの削減を実施した結果、法人全体で22年度計画を大幅に上回る黒字
(※1)となっている。(※1:総収支
○
22年度計画3.1億円→22年度実績25.8億円(22.7億円、+732%)
また、人件費の増加に対して運営費交付金は充当しておらず、国から承継した債務も着実
に解消(※2)しているところである。
(※2:財政融資資金借入残高
○
22年度承継時170.7億円→22年度末154.8億円(▲15.9億円、▲9.3%))
今後は、技能職の退職後丌補充、給不カーブ・調整額の適正化などの効率化努力を継続す
る中で、病院収支の向上に努め、外部研究費や寄附金の獲得について努力する等、今以上に
効率的な運営が達成されるための検討を進める。
118
入院患者100人当たり職員数(病院部門・平成21年度)
(単位:人)
国立大学法人
済生会
日赤
厚生連
市町村
都道府県
労災病院
国立病院機構
29.5
病院部門における事務職員の数は国立大学法人の半分以下
25.9
29.5
医
療
職
種
平均
※がんセンターにおける事務職員
の数については、研究所等の
病院部門以外の事務職員数を
含む
24.7
31.5
104.3
がんセンター
26.6
24.6
25.4
23
16
90.6
110.7
101
91.6
95.9
99.3
95.2
86.8
75.6
75
43.5
事
務
職
等
23
25.2
21.7
19.6
8.7
16.6
医師
看護師
18.2
20.6
22.5
18
15.4
14.8
11.1
15.8
19.1
医療技術職員
事務職員
16.5
その他
14.5
23.4
10.3
7.5
25.1
14.7
9
11.9
8.7
5.9
14.4
14.7
(厚生労働省「21年度医療施設調査・病院報告」参照)
119
事務職員の人員配置について(がん研究センター中央病院と山形大学医学部附属病院との比較)
平成22年7月1日現在(がん研究センターの非常勤職員及び派遣職員は4月1日現在)
(単位:人)
事務職員の配置数
部門
常勤職員
非常勤職員
がん研究センター
中央病院600床
山形大学医学部
附属病院604床
総務部門
6
7
人事部門
12
財務経理部門
派遣職員・業務委託
がん研究センター
中央病院600床
山形大学医学部
附属病院604床
△1
2
4
△2
3
9
3
1
3
△2
2
11
30
△ 19
1
6
△5
21
医事部門
7
24
△ 17
1
6
△5
71
企画経営部門
5
5
5
5
監査部門
1
1
1
1
がん対策情報センター
9
9
2
2
31
31
42
42
その他
1
1
1
1
3
3
5
5
教育部門
総 合 計
52
差引
18
△ 18
88
△ 36
8
がん研究センター
中央病院600床
差引
7
△7
26
△ 18
131
山形大学医学部
附属病院604床
合 計
がん研究センター
中央病院600床
山形大学医学部
附属病院604床
3
11
11
2
15
12
3
1
20
33
37
△4
55
16
79
85
△6
差引
1
△1
57
74
191
差引
26
△ 26
171
20
(注)◇契約係、研究所事務係、研究事務専門職については、組織上は総務部門に配置されているが、実質的な業務から財務経理部門に計上(常勤6人・派遣16人)
◇施設管理業務(委託75人)、システム運用業務(委託40人)の人員配置については、山形大学が医学部では当該契約を行っていないこととの均衡を図る
ため、事務職員の配置数に計上していない
◇欠員ポストは人員配置があるものとして計上(医事室長、がん対策企画課長)
◇山形大学の事務局本部が行っている業務に係る人員配置は計上していない
120
職員の増員について
◇22年4月の独法化以降、88名の増員を実施
医 師
看護師
2名(麻酔科医の確保に伴う診療体制の強化)
42名(7対1対応や3人夜勤体制の拡大等に伴う看護体制の強化)
治験コーディネーター
薬剤師
※全て常勤職員の増員
13名(治験体制の強化)
11名(外来化学療法の体制強化等)
理学療法士・作業療法士
がん相談専門員
2名(がんリハビリテーション機能の強化)
3名(がん相談支援体制の強化)
事務職員 15名(知的財産戦略室、広報室等の設置に伴う事務部門の体制強化)
◇役員自ら面接試験
書類選考者数 約750名、理事長の面接者数321名
121
122
職員数と雇用形態(研究所)
研究者個人が契約していた職員を、
研究員
法人雇用へ切り替えることにより、
ガバナンスの向上を図ることが可能となった
(財源は個人研究費であるため法人負担はなし)
常
勤
・
非
常
勤
研究者個人が
研究補助者等
H23
H23
3.31
4.1
派
遣
常勤
非常勤
H23
H23
3.31
4.1
非常勤(研究者個人契約からの切替職員)
直接契約した職員
H23
H23
3.31
派遣
4.1
123
124
医 療 イ ノ ベ ー シ ョ ン 体 制 図 230615現在
医療イノベーション会議
議 長:
官房長官
構成員:
関係政務3役
オブザーバー: 長谷川 製薬協会長、荻野 医機連会長、嘉山 がん研究センター理事長、
橋本 循環器研究センター理事長、矢崎 国立病院機構理事長、
松本 東大副学長、濱口 名大総長、塩田 京大副学長、末松 慶大医学部長、
山田 筑波大学長、近藤 PMDA理事長、
西川 理研発生・再生科学総合研究センター副センター長
事務局長: 官房副長官
医療イノベーション推進室 ※1月7日発足
運 営 委 員 会
室長、室長代行、次長、4府省審議官 等
室長(内閣参与):中村 東大
室長代行:岡野 東京女子医大
田中 島津製作所
次長: (官 ) 立岡 内閣審議官
(学 ) 門脇 東大、 小川 京大、 澤 阪大
(NC) 藤原 がん研究センター、 妙中 循環器研究センター
(産 ) 土屋 製薬協(エーザイ)、髙橋 医機連(富士フィルム)
(官)
(学)
山本 がんセン
岸本 循セン
★赤字は週2~3日以上勤務
★黒字は非常駐
八山
渡邉
中山
広瀬
立石
佐藤
松尾
経産省企画官
文科省企画官
厚労省企画官
経産省補佐
PMDA
厚労省室長
内閣参事官
(産)
佐藤
島居
釜井
斉藤
橋本
宮田
岡
林
高江
蛭田
大江
経産省補佐
文科省補佐
文科省補佐
文科省補佐
厚労省補佐
厚労省補佐
厚労省事務官
厚労省補佐
厚労省補佐
厚労省補佐
内閣官房補佐
岡本
浅野
村越
百瀬
武田薬品
オリンパス
テルモ
アステラス
125
126
11.効率的な業務運営に関する事項 (2)効率化による収支改善
電子化の推進
○経営改善への取り組み
「費用の節減や収入の確保等により、経常収支率100%以上を達成(107%)」等
(費用の節減)
「全ての購入伺いを理事長決裁とすることにより職員のコスト意識を徹底」
「人事院勧告を踏まえた給不改定の実施により約1億円の人件費を節減」
「6NCによる共同調達により医薬品等の契約単価の見直しを実施」
「施設整備部門への専門家の配置により建築関連コストの見直しを実施」等
(収入の確保)
「診療報酬の上位基準の取得 (7対1入院基本料・急性期看護補助体制加算等)」
「病床稼働率の改善・手術件数の増加」「外部アドバイザーの登用により診療報酬請求事務の適正化を推進」
「督促マニュアルの整備やクレジットカードの導入により、医業未収金の回収・新規発生の防止を実施」等
○電子化の推進による業務の効率化
「職員への通報や委員会資料の掲載を電子化」「病院情報システムの仕様の見直しにより経費節減を徹底」
「国内外の文献を効率的に検索できる新たな文献検索システム(web of science)の導入により研究環境を改善」等
○財務会計システム導入による月次決算の実施
「財務会計システムの導入により会計業務を効率化」「診療科別データの把握・評価により経営管理を徹底」
「月次決算の実施により財務状況の把握・経営改善を実現」等
127
国立がん研究センターの財務状況(平成22年度)
区 分
益
費
用
22’実績(億円)
差額(億円)
経常収益
416.6
442.8
26.2
経常費用
413.5
413.2
△0.3
経常収支
3.1
29.6
26.5
臨時利益
0.6
3.3
2.7
臨時損失
0.6
7.1
6.5
総収支
3.1
25.8
22.7
○患者数増に伴う増
収
22’計画(億円)
9.9億円
○診療報酬改定に伴う増
14.7億円
○競争的研究費の増
11.0億円
○運営費交付金収益の減
△4.9億円
○治験収入の減
△3.0億円
○その他
△1.5億円
○増員等に伴う人件費の増
8.6億円
○材料費の増
3.1億円
○経費の減
△8.9億円
○減価償却費の減
△3.1億円
3.1億円
平成22年度計画
経常利益
+26.2億円
法人のアクティ
ビティーを高め
たことに伴う
人件費等の増
△11.7億円
経費節減により
人件費等の増に
係る財源を確保
+12億円
経常利益
26.5億円
の改善
平成22年度 経常利益 29.6億円
平成22年度 当期利益 25.8億円
臨時損益△3.8億円
128
法人のアクティビティーの向上①
全身麻酔手術件数(中央病院)
病床稼働率(中央病院)
100.0 %
5,000 件
89.0 %
4,000 件
3,830 件
90.8 %
3,904 件
75.0 %
3,000 件
50.0 %
2,000 件
25.0 %
1,000 件
0件
0.0 %
21年度
22年度
21年度
22年度
129
法人のアクティビティーの向上②
看護師の離職率(中央病院)
20.0 %
レジデントの応募数(中央病院)
50 人
38 人
40 人
12.9 %
11.9 %
30 人
25 人
10.0 %
20 人
10 人
0.0 %
0人
21年度
22年度
21年度
22年度
130
【数値目標の達成状況①】
経常収支率
107 %
○経常収支率
中期計画
100 %
100 %
中期計画
年度計画
100 %
年度計画
22年度実績
50 %
5年間累計
100%以上
100%以上
107%
0 %
【数値目標の達成状況②】
22年度
一般管理費の削減率
25 %
○一般管理費の削減(対21年度)
20 %
中期計画
年度計画
22年度実績
15 %
19 %
15 %
10 %
15%以上
-
19%
5 %
0 %
中期計画
年度計画
22年度
131
【数値目標の達成状況③】
医業未収金比率
0.15 %
○医業未収金比率の縮減(対21年度)
0.12 %
0.10 %
中期計画
年度計画
22年度実績
0.08 %
0.05 %
0.12%
-
0.08%
0.00 %
中期計画
年度計画
2 2年度
132
12.法令遵守等内部統制の適切な構築
○内部統制のための組織構築
「理事会の設置」
「理事会の議事概要の公表」
「ガバナンス・コンプライアンスに通じた弁護士の理事長特任補佐への登用」
「監査室の設置」
「6NCの監事・監査室による連絡会議の開催」
「責任と権限を明確化した診療科長制の導入」
「全体運営会議の開催により情報の共有化を推進」
「目安箱の設置による職員等の意見の吸い上げ」
「法人運営の透明化(理事会の議事概要や丌祥事の公表等)」
「各種委員会資料の公開(法人内部)」等
○契約業務の適正な遂行
「契約審査委員会の審査により契約業務の競争性・透明性等を確保」
「監事及び外部有識者で構成される契約監視委員会の設置により契約業務の適正性の検証を実施」
「契約監視委員会の指摘事項を踏まえた契約業務の改善」等
133
各種委員会資料の公開(法人内部)
134
法人運営の透明化(理事会の議事概要や丌祥事の公表等)
135
13.予算、収支計画及び資金計画等
○外部資金の獲得
「HPへの掲載・ポスターの掲示等により民間企業や患者等からの寄附金約1.5億円を受領」
※民間企業1.4億円・患者0.1億円
「民間企業等から治験等の外部資金約18.7億円を獲得」
※治験(18億円)・共同研究(0.7億円)
「厚生労働省等から積極的に競争的研究費約53.9億円を獲得」等
※厚生労働科学研究費補助金(37.8億円)・文部科学研究費補助金(2.5億円)・
医薬基盤研究所(8.7億円)・科学技術振興機構(1.7億円)・NEDO(0.8億円)等
○資産管理
「定期預金及び譲渡性預金による資金運用による財務収入の獲得」等
○長期借入金の管理
「仕様の見直しや補助金の受入等により借入金を約10億円縮減(28億円→17.7億円(23年度へ繰越))」
○剰余金の使途
「収支差25.8億円は、将来の投資(建物の整備・修繕等)と借入金の償還に充当する予定」
136
寄附金等の外部資金の獲得について
137
【数値目標の達成状況①】
長期借入金
30.0 億円
28.0億円
○長期借入金
20.0 億円
中期計画
年度計画
22年度実績
10.0 億円
-
28億円以内
借入実績なし
(繰越17.7億円)
0.0億円
0.0 億円
中期計画
【数値目標の達成状況②】
年度計画
22年度
短期借入金
4,000百万円
3,400百万円
○短期借入金
中期計画
年度計画
22年度実績
2,000百万円
-
3,400百万
円以内
借入実績なし
0百万円
0百万円
中期計画
年度計画
22年度
138
14.その他主務省令で定める業務運営に関する事項
○人事システムの最適化
「全職員を対象とした業績評価制度を導入」
「幹部職員及び新規採用職員への任期付き任用制度の導入」
「国立大学法人や医薬品医療機器総合機構等との人事交流の推進」
「女性の働きやすい環境の整備(院内保育所における24時間保育の開始等)」
「医師とその他医療従事者との役割分担の見直し(医療クラークの導入)」等
○人事に関する方針
「能力のある非常勤職員や派遣職員の常勤職員への登用」
「公募を基本とした優秀な人材の確保(研究所長・診療科長・人事部長等)」
「医師・看護師の確保(手当創設等による処遇改善・増員による勤務環境の改善・退職理由の把握等)」
「技能職の外部委託の推進(ボイラー業務・洗濯業務の全面委託等)」等
○その他の事項
「アクションプランの作成・周知・公開」
「患者目線から考えた情報公開の推進(先進医療の提供状況、治験の実施状況等)」
「目安箱の設置による職員等の意見の吸い上げ」
「優秀な職員の表彰制度の創設(国立がん研究センター医学会賞・医療賞・教育賞・社会賞等)」等
139
人事制度の改革について
①任期付任用制度の導入
幹部職員及び新規採用職員には、公募の上、任期付任用制度を導入
し、適度の緊張感を持って業務に従事させている。
②能力のある職員の登用
能力のある派遣職員や非常勤職員は、理事長自ら面接の上で、積極的
に常勤職員へ登用する道を開くとともに、常勤職員の昇任については、
候補者を全て理事長が面接の上で最終判断した。
③業績評価制度の導入
全職員を対象とした業績評価制度を導入し、積極的に業務改善に取り
組むやる気のある職員を人事上評価するようにした。
140
職員の処遇改善
※厚生労働省関連の病院で初めてのドクターフィー等を創設
1.レジデントの処遇の改善について
○時間給単価を改善(平成21年度の年収350万円程度→550万円以上)
2.がん相談対話外来手当の創設
○ 従来の専門医師のみによるセカンドオピニオン外来ではなく、医師・看護師が患者とその家族
とともに対話しながら、がんの悩みについて答える「がん相談対話外来」を開設することに伴い、
「がん相談対話外来手当」創設
○支給額:5,000円/回
3.観血的処置でリスクの高い業務に対する危険手当の創設
○医師の医療技術を評価する観点から観血的処置手当を創設
○手術などのリスクの高い観血的処置を実施した医師に対して手当を支給
○支給額:診療報酬の一定割合を医師に還元
4.ガバナンス手当の創設
○科長・副科長に対して、組織目的をより確実に実現するためガバナンス手当を導入
○支給額: 30,000円/月
5.夜間看護等手当の改定
○看護師の確保及び他施設の状況を勘案し、深夜における勤務時間について、夜間看護等手当を改定
○支給額 (現行)7,600円 → (改定)10,000円 ※都内の大学病院や大規模病院並み
6.専門薬剤師手当の創設
○がん専門薬剤師の専門性を評価する観点から専門薬剤師手当を創設
○支給額:5,000円/月
141
第1回国立がん研究センター医学会総会開催
平成23年12月10日 国際交流会館
• 国立がん研究センターにおいて
当該年度に診療、教育、社会活
動において著しい成果をあげた
ものを表彰する。
• 対象は全職員
• 医学会賞は若手、中堅医療・研
究職のやる気を励起するため優
秀な研究者を表彰
• 社会賞は社会貢献など外部との
活動で貢献したもの
• 医療賞は医療業務の質の向上
に貢献したもの
• 特別賞はセンター内の種々の問
題解決に貢献したもの
医学会賞金賞は
研究所
増富健吉先生
142
第1回国立がん研究センター医学会総会受賞者一覧
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
医学会賞金賞
医学会賞銀賞
医学会賞銀賞
医学会賞銅賞
医学会賞銅賞
医療賞
同
同
教育賞
同
社会賞
同
同
特別賞
同
同
増富 健吉 (研究所 がん幹細胞研究分野 分野長)
大木理恵子 (研究所 腫瘍生物学分野 研究員)
関根 郁夫 (中央病院 呼吸器腫瘍科)
橋本 堅治 (中央病院 がん専門修練医)
中尾 将之 (東病院 がん専門修練医)
高島 淳生 (がん対策情報センター)
和田 千恵子 (中央病院 がん看護専門看護師)
市川 智里 (東病院 がん看護専門看護師)
関根 郁夫 (中央病院 呼吸器腫瘍科)
後藤田 直人 (東病院 肝胆膵外科医長)
樋口 由起子 (中央病院 相談支援室)
坂本 はとえ (東病院 相談支援室)
依田 明久 (中央病院 医事専門職)
境田 正樹 (国立がん研究センター理事長特任補佐)
丸口 ミサエ (中央病院 看護部長)
国立がん研究センター 全職員
143
Fly UP