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第45回演題概要 - 静岡リハビリテーション病院

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第45回演題概要 - 静岡リハビリテーション病院
プログラム・抄録概要
第45回 静岡リハビリテーション懇話会
会期: 平成23年2月19日(土)
会場: 静岡県静岡市 静岡県総合研修所もくせい会館
静岡市葵区鷹匠3-6-1
電話:054-245-1595
特別講演:大野友久 聖隷三方原病院 リハビリテーション科歯科
「摂食・嚥下障害とそのリハビリテーション
~特に歯科的アプローチについて~ 」
第45回静岡リハビリテーション懇話会概要
主
催:静岡リハビリテーション懇話会
共
催:静岡県作業療法士会
静岡県理学療法士会
静岡県看護協会
会
長:望月 達夫(静岡医療福祉センター)
世 話 人:井川 利幸(静岡県歯科医師会)
責 任 者:小嶋 康則 中部副会長(静岡富沢病院)
事務局長:熊谷 範夫(静岡リハビリテーション病院)
後
援:静岡県 静岡県社会福祉協議会 静岡県医師会
静岡リハビリテーション医学会 静岡県歯科医師会
第45回静岡リハビリテーション懇話会 スケジュール
12:00~受付開始
A会場(1階 富士ホール)
12:50~
※A会場にご集合ください
開会式 井川 利幸世話人
挨拶
望月 達夫会長
13:00~14:00
セッションAー1 座長:中沢 稔 先生
< 運動器・装具>
14:00~14:10
B会場(2階 第一会議室)
セッションB-1 座長: 石垣 泰則 先生
<生活・環境支援>
休憩・移動
14:10~15:10
セッションAー2 座長:熊谷 範夫 先生
セッションB-2
<看護・介護>
<チームアプローチ・連携・その他>
15:10~15:20
座長:松田百合子 先生
休憩・移動
15:20~16:40
セッションAー3
座長: 松田 俊平 先生
セッションB-3 座長:大城 一 先生
(B会場は16:30迄)
<言語障害・高次脳機能障害・食支援>
<症例報告・治療効果>
休憩・移動
16:40~17:40
特別講演 大野 友久 先生
座長
井川 利幸 先生
17:40~
閉会式
17:50~19:00
交流会 (研修食堂)
小嶋 康則 先生
静岡リハビリテーション懇話会役員
顧 問
会 長
副会長
幹 事
監 事
評議員
:
:
:
:
:
:
鈴木
望月
黒沢
熊谷
内田
相川
市川
片桐
清水
花井
宮川
勝彦(医師)
□名誉会員: 石原 義恕(医師)
達夫(医師)
崇四(医師) 小嶋 康則(医師) 藤島 一郎(医師)
範夫(作業療法士) 山田 洋一(理学療法士) 松田百合子(看護師)
成男(理学療法士) 福田 加世子(看護師)
崇史(医師) 井川 利幸(歯科医師) 石垣 泰則(医師) 石光 和雅(医療ソーシャルワーカー)
みさ江(看護師)石井 俊夫(理学療法士)上杉 智祥(作業療法士) 大城 一(医師)
伯真(医師) 北野 市子(言語聴覚士) 木村 彰男(医師) 坂元 隆一(医師) 重野 幸次(医師)
言行(医師) 竹下 力(医師) 築地 治久(医師) 中沢 稔(理学療法士) 萩原 秀男(医師)
節子(看護師) 丸山 光夫(作業療法士) 美津島 隆(医師) 三田 忠男(社会福祉士)
朗(医師)森山 明夫(医師)山内 一之(理学療法士)山口 加代子(看護師)山口 澄子(看護師)
ごあいさつ
静岡リハビリテーション懇話会について
静岡リハビリテーション懇話会は、リハビリテーションに関わりをもつ多職種間の交流と相互理解そし
て研鑽を目的に、平成元年に発足した会ですが、本年で 23 年目を迎えることができ、感慨深いものがあり
ます。今では会員総数も800名を超え、年2回の懇話会には延べ400名以上の参加者によって活発な
発表および意見交換が実施されるようになりました。近年、若い方々の発表も増え、その熱心さが伺われ
ます。参加職種も年々多岐にわたるようになり、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、
薬剤師などメディカルな分野から、社会福祉士、介護福祉士、施設職員などソーシャルな分野にいたる方々
まで、幅広い分野に携わる方々の相互理解と研鑚の場となり、有意義な会合をもつことができるようにな
りました。
リハビリテーションは、医学的、教育的、職業的、社会的その他各分野において、他職種間の交流や情
報交換があれば非常に効果を発揮するものです。 私たちが 23 年前にそう考えてこの会を立ち上げた事は、
間違いではありませんでした。今、まさにリハビリテーションのネットワークの必要性が全国的に見直さ
れています。しかしながら、まだまだ、こうした横軸を基調にした学会や会合は他に類を見ないようです。
この会が将来さらに拡充し、理想的なリハビリテーションを一貫して行えるよう、職種間施設間の連携に
活用いただけるようでしたら、この会をいつくしんでまいりました私ども関係者にとりまして、喜びに耐
えません。
今後ともこの会の発展にご協力くださいますよう、お願い申し上げます。
静岡リハビリテーション懇話会
会長
望月 達夫
第 45 回静岡リハビリテーション懇話会開催にあたって
今回、初めて歯科医師会の代表として歴史と伝統のある「静岡リハビリテーション懇話会」の世話人
を仰せつかり身の引き締まる思いです。さて、歯科医師会では「在宅歯科診療」や「摂食・嚥下障害」
「口腔ケア」などに積極的に取り組んでおります。「食べる」ことは人が生きる源であると同時に、「口
から食べる楽しみ」は人として、QOL の向上に直結した行為であります。歯科治療といいますと「むし
歯」や「歯周病」を連想しますが、リハビリテーションの観点すらすると、歯科関係者の培った知識や
技術が「食支援」に貢献できる分野でもあります。
さて平成 24 年に医療保険と介護保険の同時改定があります。最大のテーマとなるのが「医療・福祉・
介護の連携」にあると予想されます。
「連携」が重要だということは理解できても、具体的な方法論が見
えてこないのが現状ではないかと思います。病院での急性期から回復期・維持期までの入院医療と退院
後の在宅での医療・介護といった縦系列の連携(いわゆるパス)と各ステージでの横系列の連携(いわゆる
チームアプローチ)が有機的に機能して始めて一人の患者様や利用者の皆様を支援する体制が整うので
はないかと思います。
先般、静岡県の主催する「静岡県リハビリテーション協議会」に参加しました。県行政レベルでリハ
ビリテーションに於ける関連職種の代表が一同に会して議論を深める場となっています。参加者の多く
は「静岡リハビリテーション懇話会」で既に顔なじみの方が多く、実際に議論の中で「静岡リハビリテ
ーション懇話会」の位置づけについて活発な意見が出されました。20 年余りの歴史と実績は県行政から
も高く評価されており、その活動は今後も注目されています。
最後になりましたが、会場の関係でかなり窮屈な時間運営となりましたことをお詫び致します。アド
バイスを頂きました多くの方々や、多大なご支援を頂きました事務局にお礼申し上げます。また広告協
賛いただきました各企業にはこの場をお借りして感謝致します。
第 45 回静岡リハビリテーション懇話会
世話人 井川 利幸
3
第45回静岡リハビリテーション懇話会 一般演題一覧
セッションA-1 (運動器・装具) 座長:中沢 稔 理学療法士 静岡市立病院
受付No.
演題
発表者
13:00∼14:00 職種
発表機関
A-1-1
右変形性股関節症のある左片麻痺の歩行獲得と歩
容改善
長谷川洋平 理学療法士
静清リハビリテーション病院
エスコートタウン静清
訪問リハビリテーション テラ
A-1-2
チームアプローチにより、オムツからトイレ誘導
へADLが改善した一例
森 さやか 作業療法士
遠江病院
清水 順子 理学療法士
藤野整形外科医院
A-1-3 訪問リハビリテーションの役割
A-1-4
活動・環境へのアプローチにより、自宅での活動
的な生活が獲得できた症例
平井まゆみ
作業療法士
聖稜リハビリテーション病院
A-1-5
当院回復期リハビリテーション病棟における装具
処方 第2報 ~当院補装具検討会における効果~
大村 綾
理学療法士
聖稜リハビリテーション病院
A-1-6 介護予防における運動器機能の維持向上について
山村
博喜 介護職
元気広場 大岩
セッションA-2 (看護・介護) 座長:熊谷範夫 作業療法士 静岡リハビリテ
受付No.演題
A-2-1
在宅復帰に向け家族へのアプローチが重要となっ
た一症例
発表者
職種
14:10∼15:10 発表機関
鍋谷 仁志 作業療法士
湖山病院
三浦 知行 作業療法士
静岡ホームメディカルケアセンター・訪問リハビリ
テラ・静清リハビリテーション病院・静岡リウマチ
整形外科リハビリ病院
早期より家事動作・趣味活動の練習を行い在宅生
活再開に至った症例
高橋 真理
作業療法士
聖稜リハビリテーション病院
両下肢運動失調を呈し、在宅生活に不安を抱えな
A-2-4 がら退院した1症例 ~退院後の追跡調査により
得られた知見~
原澤 洋平
理学療法士
静岡リハビリテーション病院
リハビリテーション専門病院に勤務する看護師の
専門性に対する意識
鈴木恵美子
看護師
JA静岡厚生連リハビリテーション中伊豆温泉病院
A-2-2 シームレスリハビリサポート
A-2-3
A-2-5
A-2-6 既存型施設でのユニットケアの取り組み
芳澤ひろ子 看護師
特別養護老人ホーム晃の園
セッションA-3 (言語障害・高次脳機能障害・食支援) 座長:松田俊平 言語聴覚士 浜松医大附属病院 15:20∼16:40
受付No.演題
発表者
職種
発表機関
A-3-1
独居生活における他者とのコミュニケーション活
動の向上に向けて
武蔵島ゆい 言語聴覚士
聖稜リハビリテーション病院
A-3-2
重度失語症例に対し意欲及びコミュニケーション
能力向上を目指した一例
池谷 健一 言語聴覚士
聖稜リハビリテーション病院
小長谷拓郎 言語聴覚士
静岡富沢病院
小沢有貴子 看護師
慶應義塾大学月ヶ瀬リハビリテーションセンター
長期療養型病院における摂食・嚥下障害に対する取り組
A-3-3 み ~院内研修(摂食・嚥下障害)後に行った活動報告
~
A-3-4
高次脳機能障害を持つ患者に対し介護職員が抱く
感情の変化
A-3-5 長期間におよんでいる摂食機能療法の経過について 羽切恵美子 歯科医師
A-3-6
歯科による定期的専門的口腔ケアが有効であった
PEG患者の一例
羽切歯科医院
龍口 幹雄 歯科医師
龍口歯科医院
維持期における食事支援の効果
A-3-7 ~老人保健施設における常勤歯科衛生士の取り組み~
小粥江利子 歯科衛生士
静岡県歯科衛生士会
(白梅豊岡ケアホーム)
A-3-8 急性期総合病院に求められる口腔ケアについて
岡本 瑞乃 歯科衛生士
聖隷浜松病院リハビリテーション部
聖隷浜松病院リハビリテーション科歯科
4
第45回静岡リハビリテーション懇話会 一般演題一覧
セッションB-1 (生活・環境支援) 座長:石垣泰則 医師 城西神経内科クリ
受付No.演題
B-1-1 要支援高齢者3人での生活に不安を感じた症例
発表者
13:00∼14:00 職種
発表機関
大石 恵理
医療ソー
シャルワー
カー
静清リハビリテーション病院
訪問リハビリテーション テラ
B-1-2
在宅においての環境整備へのアプローチ
~在宅リハビリテーションにおけるOTの視点~
金子 智治
作業療法士
訪問看護ステーションなかいず
訪問看護ステーション花時計
B-1-3
入浴介護用品の工夫
~安全・安楽な浴槽引き上げ~
江村 知恵
看護助手
慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
B-1-4
独居で生活するために
~FIMと転帰先の関係~
渡部 貴義 理学療法士
静岡リハビリテーション病院
B-1-5
職場復帰後のリハについて
~パーキンソン病患者さんを通して~
廣野 正孝
城西神経内科クリニック
B-3-1 自閉症児への愛着形成の促し
理学療法士
善波 宏光 作業療法士
静岡医療福祉センター 児童部
セッションB-2 (チームアプローチ・連携・その他) 座長:松田百合子 看護師 静岡県看護協会 14:10∼15:10
受付No.演題
発表者
職種
発表機関
B-2-1
退院調整に難渋した脳卒中片麻痺患者に対する一
考察
大城 豊浩
理学療法士
浜松市リハビリテーション病院
B-2-2
当院回復期リハ病棟におけるチームアプローチ強
化への試み
良知三菜美
理学療法士
聖稜リハビリテーション病院
B-2-3
包括的アプローチによりADLが拡大した急性大動脈
解離術後の一症例
中野 淳子 理学療法士
B-2-4 寝たきり者等への地域包括ケア 1事例を通して
聖隷浜松病院
村田 雄二 介護支援専門員 ラポーレ駿河居宅介護支援事業所
B-2-5
接遇に対する意識調査
~看護職、介護職とリハビリスタッフの認識の違い~
伊藤 順子 看護師
中伊豆リハビリテーションセンター 看護研究グループ
B-2-6
施設で死とどう向き合うか
~療護施設で看取りを経験して~
井田千代美 看護師
中伊豆リハビリテーションセンター 伊東の丘
セッションB-3 (症例報告・治療効果) 座長:大城 一 医師 遠江病院
受付No.演題
B-3-1 Mind Setを利用した試み
発表者
橋本 恵
15:20∼16:30 職種
発表機関
作業療法士
静清リハビリテーション病院
B-3-2
14年来の右片麻痺に大腿骨骨折を合併した症例
-歩行訓練方法の工夫-
岩本 正明 理学療法士
静清リハビリテーション病院
B-3-3
作業療法の介入が主体性を高め、ADLが改善した症
例
片井友希恵 作業療法士
静岡リハビリテーション病院
B-3-4 認知症病棟における作業療法の妥当性
大庭 英章 作業療法士
遠江病院
B-3-5 当院精神科病棟入院患者に対する理学療法の現状
菊地麻友美 理学療法士
NTT東日本伊豆病院
B-3-6
自宅へ退院した患者・家族への退院指導のアプ
ローチ ~標準退院指導書を作成して~
増田 諭紀
看護師
聖稜リハビリテーション病院
B-3-7
転倒危険度の高い認知症患者の自宅退院支援から
施設入所になった患者の一症例
黒田 尚美
看護師
聖稜リハビリテーション病院
5
第 44 回静岡リハビリテーション懇話会
一般演題概要 13:00∼14:00
セッションA-1(運動器・装具)
座長 中沢
稔 理学療法士
1階 富士ホール
静岡市立病院
■A-1-1
右変形性股関節症のある左片麻痺の歩行獲得と歩容改善
発表機関 :静清リハビリテーション病院1) エスコートタウン静清2) 訪問リハビリステーションテラ3)
発 表 者 :○長谷川 洋平(理学療法士)1) 鈴木 智美(作業療法士)1)川口 恭平(理学療法士)2)
大木 将弘( 理学療法士)3)
演題概要 :症例は 75 歳、男性。自宅にて右中大脳動脈領域の心原性脳塞栓を発症、同日 t-PA 施行。発症後
47 日で、当院に転院。当院入院時、左下肢 BRS はⅣだったが、右変形性股関節症のため、右股関
節の著しい可動域制限と股関節周囲筋の筋力低下、骨盤の右挙上と代償としての腰椎右側彎を認
め、脚長差は7cm(麻痺側が長い)あった。そこで、非麻痺側の 5.5cmの補高とともに、麻痺
側下肢には APS 装具を装着した。補高靴は屋内外用を作製。当初補高靴に対して患者の受け入れ
は良くなかったが、痛みの軽減・歩行しやすさを実感して、積極的に使用するようになった。発
症4ヶ月で、ADL自立、T 字杖歩行見守りとなり、歩容も改善して自宅退院した。その後、当
法人訪問リハビリ、週2回の通所リハビリを利用して、能力維持を図っている。自宅では、AP
Sは装着せずに、屋内外共に補高靴を履いて歩行している。
■A-1-2
チームアプローチにより、オムツからトイレ誘導へ ADL が改善した一例。
発表機関 :遠江病院
発 表 者 :○森 さやか(作業療法士)大城 一(医師)小木 さえ子(看護士)
演題概要 :今回、アルツハイマー型認知症により重度の認知機能障害を呈し、オムツ対応で夜間不潔行為な
どの問題行動が多く、不眠となり昼夜逆転傾向であった。そのため、トイレ誘導を行い問題行動の
軽減を目標と設定した。その中で作業療法士として、実際のトイレ場面での動作確認を行い、機能
訓練でトランスファー、立位訓練を行なった。また、不潔行為を減らすため、看護士やケアワーカ
ーとも情報を共有し病棟スタッフ全員で対応した。
その結果、オムツからトイレ誘導レベルに ADL が向上した。そして、夜間良眠となり精神的な安
定を図れたことにより、コミュニケーションが改善された。また、作業活動や集団レクリエーショ
ンに表情良く参加可能となり、発語量も増加し、意欲・活動性にも変化が見られるようになった。
病棟スタッフでの対応とその変化について、若干の考察を加え報告する。
■A-1-3
訪問リハビリテーションの役割
発表機関 :藤野整形外科医院
発 表 者 :○清水 順子(理学療法士)嶋田 圭吾(理学療法士)藤野 圭司(医師)
演題概要 :訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)では、中枢疾患や難病患者、寝たきりや閉じこもりなど
の介護度の高い患者が対象というイメージをもたれていることが多い。
当院では、運動器疾患患者においても訪問リハの介入を積極的に行っている。特に、急性期や回復
期病院でリハを受け、歩行レベルで自宅退院となったケースに介入することで、ADL 改善や介護
負担の軽減がみられている。
しかし、実際は退院後のリハの介入が不十分で、住環境整備や家族指導、Self exercise 指導などが
十分に行われず、能力低下や再転倒を引き起こすケースも少なくない。このようなケースを少しで
も減らすために、退院後早期に訪問リハが介入となった症例を通し、訪問リハの役割について考察
を加え報告する。
6
第 44 回静岡リハビリテーション懇話会
一般演題概要
セッションA-1(運動器・装具)
13:00∼14:00
座長 中沢
1階
稔 理学療法士
富士ホール
静岡市立病院
■A-1-4
活動・環境へのアプローチにより、自宅での活動的な生活が獲得できた症例
発表機関 :聖稜リハビリテーション病院
発 表 者 :○平井 まゆみ(作業療法士)秋本 さちみ(作業療法士)
池田 裕(理学療法士)
演題概要 :大腿骨頚部骨折後の偽関節による痛みから臥床傾向となり、ADL は車椅子レベルで中等度から全
介助を要する 80 歳代の女性を担当した。骨折部の状態が悪く、疼痛の訴えが強いため実用的な歩
行の獲得は困難であり、重度の廃用症候群がみられていた。また、自宅環境は車椅子の使用が制限
されていた。そのため、生活スペースの環境調整を行いセルフケアは自立、役割としての活動(簡
単な家事活動)を行いながら、自信や自立心を引き出し、活動的な生活を送ることを目標とした。
そこで、廃用症候群に配慮しながら、離床時間を明確にした 1 日の生活パターンを作り、生活場面
へ少量頻回に介入すると共に、離床時の活動を提供した。結果、自宅でのセルフケアはベッド周囲
で自立し、活動的な生活が獲得できた。
■A-1-5
当院回復期リハビリテーション病棟における装具処方 第 2 報
∼当院補装具検討会における効果∼
発表機関 :聖稜リハビリテーション病院
発 表 者 :○大村 綾(理学療法士)小原 智永(理学療法士)池田 裕(理学療法士)
演題概要 :当院では、実用歩行の獲得に向け、早期から積極的に患者個々に合った適切な装具を作製し、実生
活上の活用を常に念頭に入れて訓練を行っている。装具作製においては実用歩行獲得に向けた患者
への最良のサービス提供及びスタッフ教育のために平成 19 年から補装具検討会(以下検討会)を開
始した。検討会は、スタッフ教育や知識・技術の共有、主目標を考慮した処方を行うことを目的と
して実施してきた。それにより、将来の参加・活動場面や実用歩行を考慮した装具作製やアプロー
チが行えるようになってきている。
今回、これまで行ってきた検討会の実施状況と実用歩行獲得に向けた取り組みについて結果と考察
をふまえて報告する。
■A-1-6
介護予防における運動器機能の維持向上について
発表機関 :元気広場 大岩
発 表 者 :山村 博喜(介護職)
演題概要 :私達元気広場は、介護予防通所介護施設として、要支援 1・2 の方々を対象に、マシン5種・スリ
ング体操・リカンベントバイク等の運動機器を使用して、利用者の運動器機能の維持・向上に取り
組んでいます。今回は、この取り組み方の説明と毎月行っている体力測定(10M歩行・片脚立ち・
握力)のデータを基に、利用者様 110 名の2年間の実績・効果を発表します。また、利用者様の
介護認定の更新結果もデータ化して説明していきます。
memo
7
第 44 回静岡リハビリテーション懇話会
セッションA-2 (看護・介護)
一般演題概要 14:10∼15:10
1階 富士ホール
座長 熊谷範夫 作業療法士 静岡リハビリテーション病院
■A-2-1
在宅復帰に向け家族へのアプローチが重要となった一症例
発表機関 :湖山病院
発 表 者 :○鍋谷 仁志(作業療法士)
演題概要 :患者が回復期病棟から退院する際、家族の多くは、新たな生活を構築していくという厳しい課題
を突きつけられる。しかも、医療技術の進歩により救命率は著しく上昇しており、重度の障害を有
しながら、在宅への復帰を考えなければならない人が増えている。一方、家族のケア機能の低下が
指摘されており、家族へのサポートは重要性が増していると思われる。これまで看護の領域では、
家族看護という分野で家族へのサポートが考えられてきたが、リハビリでは、患者自身への身体的、
心理的なサポートが中心となってきた。今回、回復期病棟に入院し、重度の障害を持ちながらも自
宅復帰し、退院に至るまで、患者自身だけでなく、家族へのアプローチも重要となった症例を担当
させていただいた。作業療法士として、どのように家族へのアプローチを行ったのか、ここに報告
する。
■A-2-2
シームレスリハビリサポート
発表機関:静岡ホームメディカルケアセンター1) 訪問リハビリテーション テラ 2)
静清リハビリテーション病院 3) 静岡リウマチ整形外科リハビリ病院 4)
医療法人アール・アンド・オー5)
発 表 者 :○三浦 知行(作業療法士)1)2) 鈴木 美保(医師)3) 内野 智之(作業療法士)3)
山本 真奈美(医療ソーシャルワーカー)3) 片野 智章(医療ソーシャルワーカー)3)
大石 恵理(医療ソーシャルワーカー)3) 長谷川 徹(理学療法士)4)
牛田 貴子(医療ソーシャルワーカー)4) 玉木 祐次郎(医療ソーシャルワーカー)5)
演題概要:昨今、回復期リハビリテーション病棟等から自宅へ退院された後に、機能低下や転倒などをきたす
症例が報告されている。そのため、退院後集中的にリハビリテーション(以下、リハビリ)を実施
する必要があるとされている。しかし、自宅へ退院された後のリハビリの供給は十分とは言えない
状況でもあるとの報告もある。その原因として、介護保険下のリハビリ従事人員不足、介護優先の
ケアプラン、回復期リハビリ病棟との情報共有不足が挙げられる。これに対して、当法人では、在
宅部門のリハビリスタッフの人員を確保し、回復期リハビリ病院のリハビリスタッフとの申し送り
と退院後のフィードバックを行っている。また、家族の方へ継続したリハビリの必要性についての
説明会を毎月開催している。今回、これら当法人内のシームレスリハビリサポートの取り組み内容
について、経過と現状を報告する。
■A-2-3
早期より家事動作・趣味活動の練習を行い在宅生活再開に至った症例
発表機関 :聖稜リハビリテーション病院
発 表 者 :○高橋 真理(作業療法士)池田 裕(理学療法士)秋本 さちみ(作業療法士)
大石 拓身(理学療法士)
演題概要 :今回、脳出血を発症し左片麻痺を呈した 60 歳代女性に主婦業復帰及び趣味活動再開に向けて目標
指向的に介入したので報告する。
入院時、ADL は車椅子を使用し軽度介助∼監視、セルフケアは軽度介助。在宅生活に向けて、一
人で ADL・家事動作を自立し、趣味活動の再開する事を主目標とした。問題点として、移動に車
椅子を使用、ADL は軽度介助∼監視。心身機能面は随意性の低下や感覚障害、バランス低下、高
次脳機能障害等が挙げられた。
OT では、家事動作や趣味活動の再開に向けて外出訓練の実施を入院時より計画し、早期よりセル
フケアの練習と共に家事動作練習や趣味活動に向けての練習を行い、外出訓練にて自宅や退院後の
外出先での練習を実施していった。退院時、屋外は T-cane、自宅内では独歩にて自立し、ADL は
家事動作を含め自立、趣味活動も再開し在宅生活を継続することが出来た。
8
第 44 回静岡リハビリテーション懇話会
一般演題概要
セッションB−3 (症例報告・治療効果)
14:10∼15:10
1階
座長 大城 一 医師
富士ホール
遠江病院
■A-2-4
両下肢運動失調を呈し、在宅生活に不安を抱えながら退院した1症例
∼退院後の追跡調査により得られた知見∼
発表機関 :静岡リハビリテーション病院
発 表 者 :○原澤 洋平(理学療法士)
演題概要 :今回、腰部脊柱管狭窄症により、両下肢に運動失調を呈した症例を担当する機会を得た。入院時に
挙がった機能面での問題とは別に、退院前に障害受容の問題や社会的背景(住宅環境や家族関係)
に起因する新たな問題が生じた。本人の訴えから問題の原因を分析し、他職種と連携して退院前訪
問指導を行うなどして対策を講じた。退院後に追跡調査を行った結果、退院前に本人が感じていた
不安は解消され、工夫を加えながら上手に生活できていることがわかった。様々な訴えの裏側にあ
る根本的な不安をくみ取ってアプローチすることの難しさや大切さを確認したので報告する。
■A-2-5
リハビリテーション専門病院に勤務する看護師の専門性に対する意識
発表機関 :JA静岡厚生連リハビリテーション中伊豆温泉病院
発 表 者 :○鈴木 恵美子(看護師)塩谷 巳恵(看護師)
演題概要 :看護師の離職に対し日本看護協会の調査では、
「仕事の質的負担」
「仕事の量的負担」におけるスト
レスや「看護職者としての役割」「働きがいの欠如」から仕事への意欲が低下するなどが看護師の
離職要因であると報告している。そこで今回、
「看護職者としての役割」
「働きがいの欠如」という
点に着目し、リハビリテーション(以下リハと略す)専門病院である当院で勤務している看護師が
リハビリテーション看護の専門性についてどのような意識をもっているのか意識調査した。その結
果、専門性について学びたいという看護師の意識の強いことが明らかになった。
■A-2-6
既存型施設でのユニットケアの取り組み
発表機関 :特別養護老人ホーム晃の園
発 表 者 :○芳澤 ひろ子(看護師)杉山 結子(看護師)佐野 雄基(生活相談員)佐塚 翔(介護職員)
演題概要 :特別養護老人ホームは、入居者一人一人の意思決定及び人格を尊重し、入居者へのサービスの提供
に関する計画に基づき、その居宅における生活への復帰を念頭において、入居前の居宅における生
活と入居後の生活が連続したものになるよう配慮しながら、入居者が相互に社会関係を築き、自立
的な日常生活を営むことを支援しなければならない、と介護保険法の基本方針では定められていま
す。このような基本方針を具体的に展開していくためにはユニットケアの取り組みや既存施設のハ
ードの改善はとても重要な課題です。完成された個室ユニット型の建物とは異なり、従来型は職員
の利便性や、入居者を「管理」するための環境が重視されており、個室ユニット型に比べて入居者
様本位のケアが実施しにくいというのが現状です。そういった状況の中でも従来型の建物を上手く
活用し、ユニットケアを導入しています。従来型施設におけるユニットケアの取り組みをご紹介し
ます。
memo
9
第 45 回静岡リハビリテーション懇話会
一般演題概要 13:00∼14:00
2階 第 1 会議室
セッションA−3 (言語障害・高次脳機能障害・食支援) 座長 松田俊平 言語聴覚士 浜松医大附属病院
■A-3-1
独居生活における他者とのコミュニケーション活動の向上に向けて
発表機関 :医療法人社団聖稜会 聖稜リハビリテーション病院
発 表 者 :○武蔵島 ゆい(言語聴覚士)池田 裕(理学療法士)山田 享史(言語聴覚士)
演題概要 :今回、右片麻痺、高次脳機能障害を呈した 50 歳代男性に独居生活における他者とのコミュニケー
ション活動の向上を目指し、早期より携帯電話での訓練を導入した。
初期評価時、ADL は介助、理解面は複雑な文で聞き落としがあり、表出面は音韻性錯語やジャー
ゴンを認め、管理能力には介助が必要であった。携帯電話を円滑なコミュニケーション手段のひ
とつとして使用するために、複雑な文の理解や発話能力の低下、聴覚的把持力・書字能力・注意
力の低下の問題がみられた。
そこで、携帯電話を使用した聞き取り、読解、語想起の訓練などを段階的にアプローチし、退院
時には携帯電話操作が実用レベルになった。
今回、実際の場面状況で、段階付けした誤りに気づきやすいフィードバックを行い、動作学習の
効果を引き出した。また、注意力向上を考慮したことで管理能力の向上に繋がり、独居生活を継
続することができた。
■A-3-2
重度失語症例に対し意欲及びコミュニケーション能力向上を目指した一例
発表機関 :聖稜リハビリテーション病院
発 表 者 :○池谷 健一(言語聴覚士)新井 裕可子(言語聴覚士)
演題概要 :【はじめに】重度失語症を発症し、コミュニケーション能力低下、意欲低下を呈した症例に対し、
意欲面への配慮を工夫しつつ、コミュニケーション能力向上を目指しアプローチを行なった結果、
改善が認められたので報告する。【入院時評価】理解、発話ともに単語レベルより低下。状況判断
能力も低下しており、やりとりが成立しない状況。また意欲の低下が著名にみられた。【経過】非
言語的手段を用いた Yes/No 反応の確立、挨拶語を中心とした発話能力向上、言語的・非言語的な
理解力向上のための訓練を行なった。【退院時評価】挨拶語を中心に発話可能な語が増え、簡単な
やりとりが可能となった。またそれに伴って本人の意欲面に改善がみられた。【考察】機能面のみ
にこだわらず、心理的配慮をしながら訓練を進めたことが、コミュニケーション能力の向上のみで
なく心理・意欲面に好影響を与え、やりとり成立の一助になったと考えられた。
■A-3-3
長期療養型病院における摂食・嚥下障害に対する取り組み
∼院内研修(摂食・嚥下障害)後に行った活動報告∼
発表機関 :静岡富沢病院
発 表 者 :○小長谷 拓郎(言語聴覚士)中沢 忍(理学療法士)中川 一美(理学療法士)
堀池 裕文(理学療法士)伊藤 美栄子(作業療法士)望月 恵(作業療法士)
内藤 洋子(作業療法士)中村 未央(理学療法士)
演題概要 :当院は長期療養型病院であり、高齢化・重度化に伴い摂食・嚥下障害を有する患者様が増加してい
ます。当院では新採用者(看護師・看護助手・PT・OT)を対象とし、摂食・嚥下障害に対する知
識・技術向上を目的に 1 回/年、院内研修を行っています。
平成ま 22 年 10 月、希望者を加え院内研修を開催し、研修会終了後アンケートを実施しました。
研修会及びアンケートでは、他職種の仕事内容や考え方について互いに理解が不十分であると改め
て気づくことができ、連携には相互理解が必要不可欠であると感じました。研修会終了後、研修会
やアンケート結果を参考に行った活動について、若干の考察を含め報告します。
■A-3-4
高次脳機能障害を持つ患者に対し介護職員が抱く感情の変化
発表機関 :慶應月ヶ瀬リハビリテーションセンター
発 表 者 :○小沢 有貴子(看護師)
演題概要 :高次脳機能障害を持つ患者の様々な言動に対し、介護者が「障害によるもの」と理解していない場
合に、患者に対して消極的な気持ちを抱きやすいという報告が出ている。消極的な感情により対応
や接遇が低下する可能性があり、その状態が患者の障害を助長させるという悪循環に陥る事が危惧
される。障害を理解する一つの方法として、消極的感情を抱いたという介護職員に対し、高次脳機
能障害についての講義を行い、理解が得られた職員の感情の変化が見られたか調査を行った。
10
第 44 回静岡リハビリテーション懇話会
一般演題概要 15:20∼16:40
1階 富士ホール
セッションA−3 (言語障害・高次脳機能障害・食支援) 座長 松田俊平 言語聴覚士 浜松医大附属病院
■A-3-5
長期間におよんでいる摂食機能療法の経過について
発表機関 :羽切歯科医院
発 表 者 :○羽切 恵美子(歯科医師)
演題概要 :脳性麻痺等の障害児者は食べることに問題が生じることが多い。その対応の仕方によっては、早期
から発達段階の途中でとまったままになり、その動きが異常パターン化し、丸飲み、むせる、成人
嚥下ができない、などの諸問題が生じることがある。また、異常パターン化すると、その治療には
困難を要する。 今回、
「よだれをどうにかしたい」ということから、21歳より9年間、摂食機能
療法に関わり、その経過とその子を取り巻く環境の変化について報告する。
■A-3-6
歯科による定期的専門的口腔ケアが有効であった PEG 患者の一例
発表機関 :龍口歯科医院
発 表 者 :○龍口幹雄(歯科医師)
演題概要 :近年、胃瘻を造設するにあたり、経皮内視鏡的胃瘻造設術(以下 PEG と略す)による胃瘻造設が
爆発的に増えている。その術式により術前の口腔ケアの重要性については周知されているが術後
PEG 患者についても口腔機能の廃用委縮、唾液量の低下により口腔ケアを行うことは健常者に比
べより重要となる。歯科専門職の介入による専門的口腔ケアを行うことは術後 PEG 患者に対し誤
嚥性肺炎を予防することができることはあまりに有名であるが、定期的に歯科専門職がかかわるこ
とにより適切な時期に口腔機能の評価を行うことができる。その結果、口腔周囲筋のリハビリテー
ションを行うことができ口腔機能を回復し、QOL を高めることができ、いずれは経管栄養から経
口摂取へ移行できることが期待される。今回、その取り組みについて一つの症例を通して報告する。
■A-3-7
維持期における食事支援の効果
∼老人保健施設における常勤歯科衛生士の取り組み∼
発表機関 :静岡県歯科衛生士会(白梅豊岡ケアホーム)
発 表 者 :○小粥 江利子(歯科衛生士)
演題概要 :【はじめに】現在ほとんどの慢性期施設には摂食・嚥下専門職は不在であり、嚥下専門医の訪問に
よる内視鏡検査は実施されていない現状がある。そこで常勤歯科衛生士として口腔ケアに加えて食
事支援の重要性を現場職員に伝え、ともに取り組んだ結果を報告する。
【研究方法】期間:2008 年 5 月∼2010 年 11 月
対象:本施設に調査期間中入所していた要介護高齢者 22 名
方法:研修をうけた歯科衛生士が、介護現場の職員に食事支援の研修を実施した。
その後食事支援を実施し、介入前後の体重・BMI・要介護度・摂食嚥下障害の有無・発熱回数・発
熱人数を調査した。
■A-3-8
急性期総合病院に求められる口腔ケアについて
発表機関 :聖隷浜松病院リハビリテーション部1)、リハビリテーション科歯科2)
発 表 者 :○岡本 瑞乃(歯科衛生士)1)岡崎 奈緒美(歯科衛生士)1)田代 梢(歯科衛生士)1)
廣岡 迪子(歯科衛生士)1)門田 千晶(歯科医師)2)福永 暁子(歯科医師)2)
演題概要 :当院歯科は、入院患者の口腔管理を目的とし、病棟を持たない一般歯科として設立された。これま
で、院内の口腔ケアの統一化をはじめとし、急性期医療をサポートするための診療を行ってきた。
このたび、歯科の活動を振り返り、病棟の現状・ニーズに合った口腔ケア方法を提供するため、病
棟における口腔ケアの実態調査を行なった。
病棟ナースにアンケート用紙を配布し、口腔ケアに関するアンケート調査を行なった。また、歯科
介入患者における口腔ケアの実状について、歯科衛生士による調査を行なった。調査結果から、口
腔ケアは病棟ナースの日常業務の一つと位置づけられており、実施率も比較的高い状態が維持され
ていた。しかしながら、十分な時間を費やすことが難しく、確実な口腔ケアを行なうことは困難で
あると推測された。これらのことから、短時間で効果的に口腔ケアを行える方法を病棟に提案する
必要があると思われた。
11
第 45 回静岡リハビリテーション懇話会
セッションB−1 (生活・環境支援)
一般演題概要 13:00∼14:00
座長 石垣泰則
医師
2階 第 1 会議室
城西神経内科クリニック
■B-1-1
要支援高齢者3人での生活に不安を感じた症例
発表機関 :静清リハビリテーション病院1) 訪問リハビリテーション テラ2)
発 表 者 :○大石 恵理(医療ソーシャルワーカー)1)鈴木 美保(医師)1)門名 弥寿子(医師)1)
大橋 義宣(看護師)1)後藤 彩花(理学療法士)1)今川 大彰(理学療法士)1)
三浦 知行(作業療法士)2)
演題概要 :本症例は右大腿骨頚部骨折を受傷した 87 歳の女性である。1 人暮らしをしていたが、80 代の妹 2
人と共同生活を始めようと引越しをしたその日に転倒し受傷。人工骨頭置換術後、当院へ転院とな
った。同居する妹は 2 人とも要支援の認定を受けており、1 人はシルバーカー歩行レベル、もう 1
人は独歩可能ではあるが、姉の入院により精神的に不安定な状態にあった。症例は、入院時歩行器
歩行見守りレベル、退院時には杖歩行自立レベルまで回復し、妹 2 人の強い希望により早期退院
となった。退院にあたり MSW は、退院前訪問を行い、住宅改修案を提示し転倒リスク等を考慮し
て、改修後に退院するよう辛抱強く妹 2 人を説得したが、聞き入れられなかった。
今回本症例を通し、患者及び家族へのアプローチについて考えたので報告する。
■B-1-2
在宅においての環境整備へのアプローチ
∼在宅リハビリテーションにおけるOTの視点∼
発表機関 :訪問看護ステーションなかいず1) 訪問看護ステーション花時計2)
発 表 者 :○金子 智治(作業療法士)1)手老 美智子(看護師)2) 小川 田美子(看護師)2)
高沢 美智子(看護師)2)
演題概要 :当訪問看護ステーションでは、OT1 名・PT4名・看護師3名で自宅に訪問し生活に対しての援
助またはリハビリテーションを行っている。今回、当訪問看護ステーション系列の病院から退院し、
自宅生活を送る脳梗塞後遺症で右片麻痺と失語症を呈した症例を受け持った。家族は在宅生活での
介護不安があり、症例もさらなるADLの向上を希望しており訪問でのOT訓練開始となった。
日々の訪問リハビリでは、環境へのアプローチとしてOTの視点で身体面・心理面の両面に合わせ
た福祉用具の選定・評価を行ない、同時に生活訓練も行った。環境へのアプローチとしては、ピン
セットタイプの箸、シャワーイスの導入や玄関内の手すり設置、歩行補助具の選定を行った。そし
て、生活訓練では、装具の脱着、室内・屋外の移動やトイレ動作訓練及び妻への介護指導を行った。
これらのアプローチの結果、ADLの質の向上が認められたので、その経過を報告する。
■B-1-3
入浴介護用品の工夫
∼安全・安楽な浴槽引き上げ∼
発表機関 :慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
発 表 者 :○江村 知恵(看護助手)田畑 理恵(看護助手)伊澤 貴美代(看護助手)三田 しず子(看護師)
山口 澄子(看護部長)
演題概要 :当センターの看護助手(以下助手とする)は、看護師指導のもと ADL 介護状況に合った入浴方法
で週 2 回実施している。夏季はシャワー浴中心であったが冬季に向けて浴槽入浴も多くなり、一
人の入浴時間にも制限がある現状の中で、重量患者の浴槽からの引き上げが困難であるとの声があ
がった。また、助手の腰痛予防の必要性を感じた。そのため、安全・安楽な介護用品を試作した。
その結果、患者の機能状況に合わせた介護用品が必要であると確認できたので報告する。
memo
12
第 45 回静岡リハビリテーション懇話会
セッションB−1 (生活・環境支援)
一般演題概要
座長
石垣泰則
13:00∼14:00
医師
2階
第 1 会議室
城西神経内科クリニック
■B-1-4
独居で生活するために∼FIM と転帰先の関係∼
発表機関 :静岡リハビリテーション病院
発 表 者 :渡部 貴義(理学療法士)松永 竜治(理学療法士)
演題概要 :回復期リハビリテーション病棟に入院する患者には受傷前独居で生活していた患者は少なくない。
独居で生活していくためには、高い身体機能はもちろんのこと、認知症・高次脳機能障害などの合
併症の有無、家屋環境、社会的サービスの利用など様々な条件が必要になるため、それらを踏まえ
てアプローチしていく必要がある。理学療法士の立場としては在宅生活に繋げていくために身体機
能へのアプローチを中心に訓練を進めていく。その中で実際に独居生活をするためには、どれ程の
能力が必要なのか明らかではない。今回、2009 年 1 月 1 日∼12 月 31 日までの入院患者の中で受
傷前独居にて生活していた患者を対象に、主に FIM と転帰先にどのような傾向があるのか調査し
た。その結果、若干の知見を得たので今後の課題も踏まえて報告する。
■B-1-5
職場復帰後のリハについて
∼パーキンソン病患者さんを通して∼
発表機関 :城西神経内科クリニック
発 表 者 :○廣野 正孝(理学療法士)平野 陽介(理学療法士)松村 はるか(作業療法士)
演題概要 :今回、職場復帰を果たした50代パーキンソン病患者さんを担当させて頂いた。リハ導入時は、退
院後の緩やかな職場復帰を目指し週2∼3回の外来リハを実施した。職場復帰後も身体機能面上は
自主運動による自己メンテナンスを行うことで安定した生活が送れると考えたが、こちらが考える
以上に仕事に対する意識が強く、身体機能に比べ仕事への不安の訴えが強かった。単に職場へ復帰
するということを目指すのではなく、仕事の質にこだわることのできる身体機能だからこそリハへ
の依存が強まってしまうのかもしれないと考えた。今回対応の難しさについて感じたため報告する。
■B-1-6
自閉症児への愛着形成の促し
発表機関 :静岡医療福祉センター 児童部
発 表 者 :○善波 宏光(作業療法士)八木 香里(作業療法士)
演題概要 :日頃から自閉症児を含む発達障害児とその母親との間で、互いの要求が通じ合えていないと思われ
る場面が多く見受けられ、母子間での愛着形成につまずきが生じていると感じている。それにより、
その後の社会性などの発達全般にも影響を与えているのではないかと考えた。
今回、生活年齢が 2 歳 8 ヶ月で、快・不快の情動表出が乏しく、人への発信が無い自閉症男児に対
して、自閉症児の問題に配慮し、愛着形成に着目した作業療法を行ったので報告する。
memo
13
第 45 回静岡リハビリテーション懇話会
一般演題概要
セッションB−2 (チームアプローチ・連携・その他)
座長
14:10∼15:10
松田百合子
2階
第 1 会議室
看護師 静岡県看護協会
■B-2-1
退院調整に難渋した脳卒中片麻痺患者に対する一考察
発表機関 :浜松市リハビリテーション病院
発 表 者 :○大城 豊浩(理学療法士)森下 一幸(理学療法士)豊田 貴信(理学療法士)
演題概要 :今回、右被殻出血により重度左片麻痺を呈した症例を担当する機会を得た。入院当初よりスタッフ
家族間とで意思統一が円滑に進まず退院調整に難渋した。各職種の役割を明確化し、専門性を活か
したアプローチ、連携を図っていくことで自宅退院には至ったが、家族背景を把握しきれないまま
病院スタッフ主導の対応となり、本人、家族との連携は希薄となった。本症例を通し、早期より各
種スタッフだけでなく家族もチームの一員としてリハビリテーションを展開していくことの重要
性を改めて感じた。今回の関わりについての振り返りと課題について考察を加え報告する。
■B-2-2
当院回復期リハ病棟におけるチームアプローチ強化への試み
発表機関 :聖稜リハビリテーション病院
発 表 者 :○良知 三菜美(理学療法士)松井 博紀(学療法士)池田 裕(理学療法士)
演題概要 :近年、回復期リハ病棟の課題は質の評価へとシフトしており、その中でもチームアプローチの成熟
化は重要な課題である。当病棟でもチームでの情報共有の為ケアカンファや ADL デモンストレー
ションを実施しているが、現状は個別性のある介入プラン作成まで話が進まない、内容がまとまら
ず時間がかかる等の問題があがっていた。そのため ADL デモンストレーションも具体性のないも
のとなっていた。そこで平成 22 年 7 月よりケアカンファを充実させる為、事前に目標や役割分
担等を話し合う事前カンファを開始した。さらに、カンファシートを導入し、検討内容の漏れを減
らす工夫をした。これらの取り組みにより、情報共有や目標への意思統一が図られケアカンファ内
容も充実してきている。これらの取り組みついて、現在までの経過、今後の課題について報告する。
■B-2-3
包括的アプローチにより ADL が拡大した急性大動脈解離術後の一症例
発表機関 :聖隷浜松病院
発 表 者 :○中野 淳子(理学療法士)向井 庸(理学療法士)
演題概要 :手術侵襲による炎症や栄養状態はリハビリの内容に影響を与え、今後の ADL を左右する重要な問
題である。本発表では、発熱・頻脈、炎症反応・低栄養などがみられ、訓練意欲が乏しく ADL 拡
大に難渋した症例について報告する。
症例は急性大動脈解離(Stanford-A 型)により、人工呼吸器管理となった 80 歳代の女性。術後 2
日目から離床を開始し、術後 11 日目に歩行訓練を開始したが倦怠感が強く臥床傾向で廃用が進ん
だ。リハビリテーションとしては訓練頻度や負荷量の調整を実施し、心理的なサポートも同時に行
なった。また本症例は全身状態管理や日中の過ごし方など他職種が包括的に関わることで ADL の
拡大につながった。
故に、他職種と連携した包括的アプローチは術後早期からのリハビリテーションにおいて重要であ
ると考えられた。
memo
14
第 45 回静岡リハビリテーション懇話会
一般演題概要
セッションB−2 (チームアプローチ・連携・その他)
座長
15:20∼16:30
松田百合子
2階
第 1 会議室
看護師 静岡県看護協会
■B-2-4
寝たきり者等への地域包括ケア
1 事例を通して
発表機関 :ラポーレ駿河居宅介護支援事業所
発 表 者 :○村田 雄二(介護支援専門員)
演題概要 :最近、寝たきりや医療依存度の高い重度者も自宅療養されているケースが増えてきている。今後も
自宅で医療・介護をうけて生活されるケースが増えると予想される。このような自宅療養者にいか
に関わっていけばよいか一つのケースを通しながら考えていきたい。 今回のケースは、腰椎圧迫
骨折、脳梗塞等で一般病院の入退院を繰り返し自宅で見守り・介助歩行していた方が転倒を繰り返
し寝ていることが多くなった。起き上がり・立ち上がりも大変になってきて、臀部も赤くなり床づ
れもできた。リハビリ目的のため、リハビリ病院へ入院し訓練をおこなった結果、車椅子生活レベ
ルまでに回復し退院してきた。退院後2年間を経過し、現在は寝たきりとなっているが、在宅での
生活が継続できている。今回、このケースのいままでのかかわりを振り返り自宅で暮らし続けるた
めの地域包括ケアをさぐっていきたい。
■B-2-5
接遇に対する意識調査
-看護職、介護職とリハビリスタッフの認識の違い-
発表機関 :中伊豆リハビリテーションセンター
発 表 者 :○伊藤 順子(看護師)肥田 広美(看護師)高井 美恵子(看護師)
演題概要 :近年、患者さんが病院に求めているものは、質の高い看護・介護であり、中でも接遇が重要視され
るようになってきた。当センターにおいても、職員の接遇マナーの向上を目的に、「和顔、患者様
の立場に立って」を掲げている。
看護における接遇では不快感を与えず、入院生活を快適に過ごせるよう援助し、安心して看護・リ
ハビリを受けられる環境を提供することが重要である。しかし、職員に対してのクレームは増加傾
向にある。そこで、今回、接遇に対する職院の意識調査を行なった結果、看護・介護職スタッフと
リハビリスタッフ間で接遇に対する認識の違いが明らかになったので報告する。
■B-2-6
施設で死とどう向き合うか
∼療護施設で看取りを経験して∼
発表機関 :中伊豆リハビリテーションセンター 伊東の丘
発 表 者 :○井田 千代美(看護師)古澤 裕子(介護福祉士)塩谷 愛美 (介護福祉士)
鈴木 大輔(理学療法士)
演題概要:当施設は身体障害者施設で、平成 18 年に開設し、5 名の方を看取りました。夜間医師、看護師は
不在となり、オンコール体制となります。夜勤は介護士が、利用者様 20 名 1 フロアーに対して 1
名、
2 フロアーの体制となります。
看取るという体制を具体的にしないまま看取りに臨んだことで、
沢山の混乱がありました。ご本人の希望に答えるために試行錯誤しほんろうした日々、施設として
どう向き合うか悩み話し合いを重ねた日々、単純に介護量が増大する事によるマンパワー不足に対
する疲労など。5 名の方を看取った経験を通して学ばせて頂いた結果、当施設を終の棲家として希
望される方はいますが、現在の体制では対応できる条件を明確化して、ご本人、ご家族にも理解し
ていただき、出来る範囲での対応に全力を尽くすことが最重要であると考えました。今後本格的に
看取りに取り組むのであれば体制自体を変えることも含め検討する事が必要だと考えます。
memo
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第 45 回静岡リハビリテーション懇話会
一般演題概要
セッションB−3 (症例報告・治療効果)
15:20∼16:30
2階
座長 大城 一 医師
第 1 会議室
遠江病院
■B-3-1
Mind Set を利用した試み
発表機関 :静清リハビリテーション病院
発 表 者 :○橋本 恵(作業療法士)鈴木 美保(医師)曲田 友昭(理学療法士)
金原 賢児(理学療法士)三須 輝(作業療法士)
演題概要:MindSet(NeuroSky 社)を当院入院中の患者様に試用した結果を報告する。Mind Set とは、利用
者の脳波をデジタル信号に処理し、集中度/リラックス度メーターの形式で見る事が出来る簡易脳
波計である。対象者には付属のアプリケーション内の集中度を高めるゲーム(画面内の火薬樽を爆
発させる)を 5 分間実施し、前後で 10m歩行・STEF 検査 4・かなひろいテスト(意味なし)を行い
比較した。対象者は当院入院中の患者様 34 名。そのうち MindSet との身体的不適合の為に実施不
可例は 7 名であった。ゲーム実行可能者の内、集中度を高めたという結果が得られた症例は 21 名
であった。結果が得られた 21 名のうち、10m 歩行・STEF 検査 4 に関しては差が認められなかっ
たが、かなひろいテストに関しては 14 名が正答数の増加(平均 4.5 増)という結果が得られた。
■B-3-2
14 年来の右片麻痺に大腿骨骨折を合併した症例
∼歩行訓練方法の工夫-∼
発表機関 :静清リハビリテーション病院
発 表 者 :○岩本 正明(理学療法士)横山 美桜(理学療法士)西郷 和史(理学療法士)
熊谷 祐美(理学療法士)原木 聖太(作業療法士)
演題概要 :症例は 66 歳、女性。自宅内で転倒し、右大腿骨転子部骨折を受傷した。受傷後 4 日目に骨接合術
施行、21 日目に当院に入院した。14 年前の脳梗塞により右片麻痺を呈しており、右下肢 BRS は
Ⅳ、SIAS は 3‐2‐2 であった。入院後すぐに歩行訓練を開始したが、右膝関節外側への動揺が著
明にみられ、膝折れも認められていた。また、重度感覚障害の合併で恐怖心が強く、非麻痺側の過
剰努力が助長されていることが、歩行をより困難なものとさせていると考えられた。そこで膝関節
の動揺に対して、基底面の拡大、重心を内側に戻すことを目的として、SHB に外側ウェッジ・フ
レアを装着した。また、立位での体重移動練習や歩行練習において恐怖心の軽減のための工夫を行
った。これらにより膝関節の動揺が減少し、恐怖心の減少、荷重量の増加につながり T 字杖歩行
を獲得するに至った。退院後は、当法人の訪問リハによりフォロー予定である。
■B-3-3
作業療法の介入が主体性を高め、ADL が改善した症例
発表機関 :静岡リハビリテーション病院
発 表 者 :○片井 友希恵(作業療法士)
演題概要 :今回、左大腿骨骨幹部骨折を受傷した症例を担当する機会を得た。症例は受傷前より認知症を呈し
ており、さらに胆管炎後廃用症候群を合併していた。入院時、体力・筋力低下に加え、発動性の低
下を著明に認め、ADL は全て重度∼全介助レベルであった。機能訓練を実施すると同時に、発動
性低下に対するアプローチを行った。作業療法の特徴である活動を通して、対象者の主体性を引き
出し、ADL の介助量を大幅に軽減させることができた。その経緯と結果に若干の考察を加え報告
する。
memo
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第 45 回静岡リハビリテーション懇話会
一般演題概要 15:20∼16:30
セッションB−3 (症例報告・治療効果)
2階 第 1 会議室
座長 大城 一 医師
遠江病院
■B-3-4
認知症病棟における作業療法の妥当性
発表機関 :遠江病院
発 表 者 :○大庭 英章(作業療法士)岩館 綾美(作業療法士)大城 一(医師)高橋 ももゑ(看護士)
演題概要 :杉村によると『薬物療法は認知症の進行抑制や興奮状態にある程度の効果が認められるが、中核症
状や日常生活行動の障がい自体を改善する効果は低い。』とある。当院では、認知症を主とした患
者さんが長期入院されており、非薬物療法として作業療法が積極的に行われている。その中で、各
種レクリエーションや身体機能訓練・ADL 訓練・精神的なケアなどを、集団と個別の効果を考慮
しながら提供している。
そこで、日々の作業療法が進行する認知機能低下の遅延に関われたのかどうか、また、どのような
効果が得られているのだろうか。
当院で使用している評価項目を用い、半年毎に 4 回、過去 2 年間の検査結果を比較していく。ま
た、その結果から当院で行っている作業療法アプローチの妥当性について検討する。
■B-3-5
当院精神科病棟入院患者に対する理学療法の現状
発表機関 :NTT 東日本伊豆病院
発 表 者 :○菊地 麻友美(理学療法士)荻野 禎子(理学療法士)岡本 曜祐(作業療法士)
演題概要 :当院理学療法室では、精神科病棟 46 床に対し 6 名の理学療法士(一般病棟と兼任)を配置してい
る。精神科疾患を主病名とする患者のうち、約 3 割が身体障害を合併しており、それらの患者に
対し理学療法が処方されている。
従来は精神科疾患による廃用症候群を対象とすることが多かったが、最近では回復期リハビリテー
ション病棟入院適応のある患者が増えており、ここ数年こうした患者層の変化を感じている。
今回、2008 年 4 月から 2010 年 11 月までの精神科病棟での理学療法処方数の推移、理学療法対象
疾患名、精神科主病名、在宅復帰率、回復期リハビリテーション病棟入院適応のある患者の割合な
どを調査し、現状について報告する。
■B-3-6
自宅へ退院した患者・家族への退院指導のアプローチ
∼標準退院指導書を作成して∼
発表機関:聖稜リハビリテーション病院
発 表 者 :○増田 諭紀(看護師)若林 恵美(看護師)
演題概要 :リハビリテーション病院に入院する患者とその家族は、自宅退院に向け訓練や指導が必要である。
A 病院でも ADL の再獲得に向けての訓練と介護指導を行い、自宅退院患者に他職種がそれぞれ作
成した退院指導書を、一冊にファイルしたものを使用している。
B 病棟においてそれまで使用していた指導書は担当看護師が個々に作成しており統一したもので
はない状態であった。そのため、その指導内容が実際の介護負担の軽減に繋がっているのか不明
であった。そこで、在宅における介護負担の現状を明らかにし、有効に活用できる退院指導書を
作成する必要があると考えた。
今回、自宅退院した患者家族へのアンケート調査をもとに B 病棟での標準退院指導書を作成した
のでその結果と課題を報告する。
■B-3-7
転倒危険度の高い認知症患者の自宅退院支援から施設入所になった患者の一症例
発表機関 :聖稜リハビリテーション病院
発 表 者 :○黒田 尚美(看護師)
演題概要 :今回、骨折後のリハビリ目的にて入所され、高度の認知症のため転倒危険度は高く、手術後から膀
胱留置カテーテルの管理が困難な方を受け持つことになった。そこで、安全が保たれるよう、現
状評価、対策の検討を幾度も繰り返し行った。また、患者自身が膀胱留置カテーテルを注意でき、
なるべく自己管理できるようバッグを作成した。自宅退院に向け、家族への留置物の管理方法を説
明したり、日常生活上の注意点を説明していった。自宅退院の方向で経過していたが、患者の認知
レベルと家族のマンパワー不足を考慮し施設入所となった。そこで、患者・家族の QOL について
考える機会となったため当事例について報告する。
17
第 45 回静岡リハビリテーション懇話会
特別講演概要
16:40~17:40 富士ホール
摂食・嚥下障害とそのリハビリテーション
~特に歯科的アプローチについて~
講師:大野 友久 聖隷三方原病院 リハビリテーション科歯科
座長:井川 利幸 静岡県歯科医師会
講師略歴
【学歴】
1998.3
東京医科歯科歯科大学歯学部
1998.4
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科口腔老化制御学講座 入学
2002.3
卒業
同
【職歴】
1998.5
東京医科歯科大学歯学部附属病院
2001.8
聖隷三方原病院リハビリテーション科歯科
2008.4
聖隷三方原病院リハビリテーション科歯科 医長
2004.4
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科口腔老化制御学講座
非常勤講師
2007.4
静岡県歯科衛生士専門学校 非常勤講師
2009.4
聖隷クリストファー大学リハビリテーション学部 臨床講師
2009.4
岩手医科大学歯学部 非常勤講師
18
卒業
19
20
21
22
リハビリーションに関連するすべての職種の皆様へ
<静岡リハビリテーション懇話会会員を募集中です>
1.参加資格
リハビリテーション・医療・歯科医療・薬剤・栄養・福祉・介護などの分野に従事している方なら
どなたでもご入会いただけます。
2.申込方法 ①ホームページの申込フォームに必要事項(氏名・住所・施設名・所属・職種)を入力して送信。
②必要事項をE-mailで送信。 E-mailアドレス: [email protected]
③事務局にFAX。
【参加者の皆様へ】
参加受付:1階 ロビー 12:00~
① 「参加受付表」に必要事項をお書き添えの上、「会員受付窓口」または「一般受付窓口」においでください。
「団体別納」の皆様は、所属施設にご確認の上、必ず「団体受付」にお越しください。
③ いずれの場合にも参加費のお支払いと引き換えにネームカードとネームホルダーをお渡しいたしますので、
ご着用ください。※参加費は一般3000円、会員2000円、学生1000円です。
④ 交流会にご参加の方はお申し出ください。※参加費は1000円です
年会費受付:
① 参加受付と同時に平成22年度および23年度の「年会費受付」を行っています。
② 「一般」でおいでになられた方も、年会費1000円をお支払いただくと、その場で「会員」になることができ、
参加費3000円が2000円になりますので、ご利用ください。(年2回開催されますのでお得です)
会員の皆様へ 会費納入のお願い
本年度の会費につきまして、今回ご参加の皆様は懇話会会場でお支払いいただければ幸いです。
不参加の皆様は恐れ入りますが下記あてにお振込くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
また、過去の年会費につきまして未納の場合には合わせてお支払くださいますよう、お願いいたします。不参加の年も年
会費は納入いただくことになっていますので、ご理解とご協力をいただければ幸いです。不明な場合には事務局までお問
合せください。
郵便振込先 ゆうちょ銀行 ○八九店 当座 0109234
加入者名:シズ オカ リハビ リコンワカイ
銀行振込先 静岡信用金庫 新富支店 普通預金 0549429
口座名 静岡リハビリテーション懇話会 事務局長 熊谷範夫(クマガイ ノリオ)
お問い合せ 静岡市葵区富沢1405 静岡リハビリテーション病院内 静岡リハビリテーション懇話会
TEL:054-237-9625 FAX:054-237-5069 E-mail : [email protected]
【お知らせ】静岡リハビリテーション懇話会は、「日本作業療法士協会」「日本理学療法士協会」生涯教育制度単位付与対象学
会・研修会に認定されています。「日本医師会」(申請中)および「日本リハビリテーション医学会」(今回はありません)専門医・認
定臨床医生涯教育基準細則に基づく単位につきましては、当該回の内容により取得できます。各機関にお問合せください。
静岡リハビリテーション懇話会
事務局:〒421-1311静岡市葵区富沢1405
ホームページもご覧ください
連絡先:TEL 054-237-9625 FAX 054-237-5069
http://rehabili.godream.ne.jp/konwakai.html
E-mail: [email protected]
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