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就学奨励費に関する事務処理手順の作成

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就学奨励費に関する事務処理手順の作成
就学奨励費に関する事務処理手順の作成
―初心者でもこれがあれば大丈夫!?―
佐賀県立学校事務職員協会特別支援学校研究委員会
発表者
はじめに
佐賀県立ろう学校
主査
森
清博
佐賀県立佐賀工業高等学校
主査
本多
佐和
検討した結果、平成9年3月に佐賀県公立学校事務職員
協会内の就学奨励費事務改善委員会が作成した「特殊教
現在、佐賀県には県立学校が45校あり、そのうち特
別支援学校が8校あります。
特別支援学校には高等学校にはない就学奨励費という
育就学奨励費事務処理の手引き」
(以下「佐賀県立学校版
の手引き」という。)が10年以上も改訂することなく現
在に至っていることに不都合があるのではないかと考え、
業務があります。この就学奨励費とは、
「特別支援学校へ
今回が見直しする機会と捉え、現状に沿った事務処理マ
の就学奨励に関する法律」等により、教育の機会均等の
ニュアルの作成を目指しました。
趣旨にのっとり、特別支援学校への就学の特殊事情を考
慮し、就学する幼児、児童または生徒の保護者等の経済
的負担を軽減するため、その負担能力の程度に応じ、就
この研究発表で共通のマニュアルが確立されることに
よって、事務担当者が改善を望んでいる、
学のため必要な経費について、国がその経費の一部を負
①
担当者変更時の引継をスムーズにする
担、補助または交付し、特別支援教育の普及奨励を図る
②
年度初めの繁忙期に担当者の負担軽減を図る
ことを目的にしています。
③
各学校の取扱いを統一されたものにする
④
教員や保護者の理解を深める
そして、各校の事務担当者は、関係法令、交付要綱等
に沿って事務処理を行うことになりますが、過去に実務
といった課題を解決することが可能となるのではないか
経験がなく前任者も転出している場合には、事務処理の
と考えたからです。
手順が分からず困惑することも少なくないのが現状です。
さらに、主管している教育政策課の担当者も数年で異
動するため、年によっては、双方が事務処理に対し不慣
れなままで年度当初の実務をこなすことになります。
「就学奨励費に関する事務処理手順」の作成に向けて
また、検討を要する事例に対して各校の担当者と検討
したり、主管課に協議することもありましたが、それぞ
れ見解が分かれることもありました。
そのため、各校の事案に対する事務処理の内容も異な
ところで、一言に事務処理マニュアルを作るといって
も、「なにを」「どこまで」マニュアル化すればよいので
しょうか。
ってしまい、支出できる経費の額にも差異が生じてしま
例えば、すべての事務作業の処理手順を逐一載せてい
う恐れがあり、結果として、本人や保護者に不信感を持
けば、とても親切なマニュアルとなり、担当者、保護者、
たれ信頼を失うことにもなりかねません。
教員誰がみても就学奨励費を理解できるかもしれません。
よって、私達は現状における様々な課題に対してどの
しかし、それは膨大な量にもなるため、まず目を通す気
ように改善していけばいいのか検討し、本人や保護者か
になれない恐れが出てきます。逆に簡潔すぎても、マニ
ら信頼されうる適正な事務処理の確立を目指して研究委
ュアルとしては活用できません。簡潔で分かりやすく、
員会を立ち上げました。
しかも、詳細な説明や充実したQ&A・・・どこに主眼
さて、佐賀県では特別支援学校枠として行う研究発表
が今回で最後となります。これを受けて、研究委員会で
をおくかが最も重要で難しい点でした。
そこで、最優先に必要なものは何かを考えたところ、
「年度当初に優先して行うべきことを就学奨励費初心者
ることになります。
にも分かりやすく示してくれるもの」という意見で一致
他にも、給食費(寄宿舎がある学校は舎食費)の事務
し、年度当初における事務処理に重点を置いたマニュア
については、事前に栄養職員や教員から欠食届が提出さ
ルの作成を目指すことになりました。
れるとその分を差し引いて当月の実績とします。このよ
さて、年度当初に行う就学奨励費事務の概要は次のと
おりです。
うに、当月実績分を翌月に支給するための一連の処理が
必要となります。
就学奨励費は保護者等の負担能力の程度によってⅠ~
また、就学奨励費の支給要件や認定の基準は、文部科
Ⅲ段階に区分され、段階に応じて支給対象となる経費や
学省が定めている交付要綱を原則としていますが、児童
支給割合が変わります。段階は本人と同一生計を営む世
生徒の障害の程度や状態に応じて校長が判断を行うこと
帯員の所得状況を基に決定しますが、当年度の正式な段
ができる裁量権が学校に与えられています。これは、学
階決定は、前年分の所得額等証明書が必要なため、市町
校の規模や障害種によっても異なりますが、校長裁量で
村役場が発行する所得額等証明書の取得が可能になる6
処理しているため判断基準の統一が図れない要因となっ
月以降に事務処理を行い、例年9月初旬になります。し
ています。このことで、ある学校では認定されて支給さ
かし、9月まで支給を控えるのは、決定までの間は保護
れているのに、ある学校では認定されなかったという事
者の経費負担軽減にはならないため、経費を速やかに支
例もありました。
給できるように年度当初に仮の段階を決定します。これ
このように、就学奨励費事務は煩雑であり、事務処理
を就学奨励費事務では仮支弁区分の決定といい、まず最
における判断が学校間で異なっている現状の打開策も模
初に行う事務処理となります。
索していかなくてはいけません。これらを踏まえできあ
しかし、就学奨励費は、すべての児童生徒が対象者で
がったものが、以下の初稿です。
はありません。例えば、児童福祉施設に入所している児
童生徒については、措置入所なのか利用契約なのかを確
認する必要があります。措置入所であれば措置費を受給
【初稿目次】
するため、就学奨励費の対象外となります。また、生活
1
就学奨励費に関する年間事務処理予定表
保護世帯の場合は、通常提出を求める所得額等証明書に
2
就学奨励費作業図表
代えて生活保護世帯である証明により支弁区分を決定す
3
4月及び5月の作業予定表
ることになります。さらに、就学奨励費の受給は必須で
4
4月に行う認定事務等
はないため、辞退を申し出ることもできます。よって、
(1)就学奨励費事務の大まかな流れ(フローチャー
仮支弁区分の決定では、非対象者や別の提出書類が必要
ト)
な者、受給を辞退する者に対しても適切に対応しなけれ
ア
仮支弁段階の決定
ばなりません。
イ
通学費・帰省費等の認定
続いて、仮支弁区分の決定をした後は、各経費の支給
のための準備があります。就学奨励費の経費のなかで、
5
5月に行う支給事務等
(1)費目ごとの注意点(抜粋)
実績分を翌月支給予定にしている通学に要する交通費
ア
通学費
(通学費)支給のための事務処理が優先して必要となり
イ
帰省費
ます。あわせて、寄宿舎に居住する児童生徒対象の帰省
ウ
教科用図書購入費の確認
に要する交通費(帰省費)支給のための事務処理も行い
(2)支給の流れ
ます。
6
通学費や帰省費の支給のための事務処理は、まず、通
費目ごとの事務処理及び注意点等
(1)教科用図書購入費(実費)
学生は通学届、寄宿舎生は帰省届が適当かどうかを判断
(2)学校給食費(実費)
します。通学や帰省のために利用する交通手段が、自家
(3)通学に要する交通費(本人経費)(実費)
用車であれば距離を、公共交通機関であれば最寄りの駅
(4)帰省に要する交通費(帰省費(本人経費))(実
やバス停までの運賃を確認したうえで認定します。あわ
せて、通学や帰省に付添人が必要か否かも判断し認定す
費・回数に限度有)
(5)付添人の付添に要する交通費(通学費(付添人
経費)及び帰省費(付添人経費))
(6)職場実習に要する交通費(職場実習交通費)
(実
費)
である。
・実例を記入した様式や具体例を用いることで、より理
解が深められる。
(7)交流及び共同学習に要する交通費(実費)
(8)寄宿舎居住に伴う経費
全体として、初稿への意見としては「もの足りない」
ア
寝具購入費(実費・限度額あり)
点が多く残ってしまったようでした。確かに4、5月の
イ
日用品等購入費(定額)
動きは詳しく追っていますが、表現も4月の認定事務、
ウ
食費(実費)
5月の支給事務といったように限定的で、逆に6月以降
(9)修学旅行費(実費・限度額あり)
は手引きとしては使用しづらくなってしまった感じがし
(10)校外活動費(実費・限度額あり)
ます。
(11)宿泊生活訓練経費(実費・限度額あり)
現在、事務処理の上で参考にしている「佐賀県立学校
(12)職場実習宿泊費(実費・限度額あり)
版の手引き」で不足する部分や法令の改定等も踏まえて、
(13)学用品購入費(定額)
新たなマニュアル作成を目指したはずでしたが、初稿の
(14)新入学児童・生徒学用品等(実費・限度額あ
時点では少々内容に偏りがあったようです。
り)
そのため、再度マニュアルの方向性を検討した結果、
(15)通学用品購入費(実費・限度額あり)
すでにある「特別支援教育就学奨励費負担金等に係る事
7
務処理資料(文科省)」、
「佐賀県立学校版の手引き」の内
参考
(1)特別支援就学奨励費負担割合一覧
容をまとめて、「この1冊で就学奨励費のすべてがわか
る」マニュアルを目指した方がよいのではないだろうか
しかし、初稿に対する研究委員の感想(一部抜粋)は
以下のとおりでした。
という意見で一致しました。なぜなら、中途半端な内容
では、
「結局、あの冊子もこの手引きも必要」ということ
になり、煩雑さは軽減されないからです。しかし、先に
述べたように詰め込んでは意味がないため、まずは、す
【初稿に対する感想】
べてを網羅したマニュアルを作成し、そこから内容を吟
・全体的にもう少し内容を掘り下げて、肉付けをしてい
味するという手法をとることにしました。
く必要がある。
そこで、九州各県の就学奨励費マニュアルや市町村の
・
「特殊教育就学奨励費事務処理の手引き」にあるような
就学援助事務マニュアルをデータ化したものを提供いた
具体例を盛り込むことや、様式の引用についてももっ
だき、あわせて「佐賀県立学校版の手引き」との比較検
と必要だと思う。
討を行いました。そして、全体の構成や表示の方法等を
・今回のマニュアルが完成したら、
「特殊教育就学奨励費
参考にした結果、認定事務と支給事務に分けて処理手順
事務処理の手引き」は不要になると思っていたので、
を追い、その後各費目の詳細な説明を述べる形が一番分
「特殊教育就学奨励費事務処理の手引き」の内容で踏
かりやすいのではないか、ということになりました。し
襲できるところは、踏襲して欲しい。
かし、見やすさを重視し実務に直結した内容に絞った結
・思ったよりあっさりしていたので、皆さんとの意見の
調整が必要と感じた。
・拝見したところ、たしかに「さっぱり」している印象
果、転入生に伴う事務や返納・追給処理、公共交通機関
における身障者割引制度の詳細については、やむなく削
除することになりました。
である。
・構成や全体をみると、書類(図)対説明文という形式
になっていない。そういった形式のほうがわかりやす
いのでは?
・収入額・需要額調書などは書類図に吹き出しなどで説
明を入れてもよいのでは?
・チェックシートでミスの未然防止を図ることは効果的
【完成稿目次】
はじめに
第1
概要
1
就学奨励費の目的
2
支給割合の目安
3
他の制度との関連
16
その他
参考
第2
就学奨励費に関する年間事務処理予定表
第8
第3
就学奨励費作業図表
1
第4
4月及び5月の作業予定表
第5
認定事務等
1
特別支援就学奨励費負担割合一覧
初稿と比較すると、章が 1 章増えています。そもそも
就学奨励費事務の大まかな流れ
(1)
仮支弁区分の決定
就学奨励費についての基本的な説明がなかったので、
「第
(2)
本支弁区分の決定
1
(3)
通学費・帰省費等の認定
(4)
経費の支給
また、初稿では「4月に行う認定事務等」
「5月に行う
支給事務等」のように限定的だった表現を大きく「認定
支給事務
事務」
「支給事務」としてそれぞれの章を設けました。た
支給の流れ
だし、当初マニュアル作成を考えたときの主眼であった
第6
1
概要」という章を追加しました。
第7
費目ごとの事務処理及び注意点等
「年度当初に優先して行うべきことを就学奨励費初心者
1
教科用図書購入費(実費)
にも分かりやすく示してくれるもの」も必要と考え、
「4
2
学校給食費(実費)
月及び5月の作業予定表」
(資料1)は掲載しました。こ
3
通学に要する交通費(本人経費)(実費)
のことで、初めて担当になった就学奨励費初心者はもち
4
帰省に要する交通費[帰省費(本人経費)]
(実費:
ろん、経験者にとっても年度当初の処理に遺漏がないか
回数に限度あり)
5
付添人の付添に要する交通費
5-1付添人の付添に要する交通費[通学費(付添人経
費)](実費)
5-2付添人の付添に要する交通費[帰省費(付添人
経費)](実費:回数に限度あり)
確認できる表として役立つものとなったのではないでし
ょうか。
内容としても、初稿では文章だけで説明していた箇所
にも様式を挿入し、手順も図式化され見やすさが向上し
ました。さらに、4、5月の作業予定表はそのままに、
費目ごとの作業手順を個別に次章以降に載せることで、
6
職場実習に要する交通費(職場実習交通費)
(実費)
「何を」
「どうすればいいのか」に加え、事務作業の「年
7
交流学習に要する交通費(交流学習交通費)
(実費)
間を通しての位置づけ」も分かりやすくなりました。ま
8
寄宿舎居住に伴う経費
た、実際に事務処理を行う上でのチェック表(資料2)
8-1
寝具購入費(定額)
は好評だったため残すことにしました。このチェック表
8-2
日用品等購入費(定額)
を使うことで、就学奨励費が全くの初心者であっても効
8-3
食費(定額)
率よく要点を押さえることができ、どういった点で間違
9
修学旅行費(定額:限度あり)
9-1
修学旅行・本人経費
9-2
修学旅行・付添人経費(実費:限度あり)
10
校外活動費(実費:限度あり)
いが多いのか等知ることができると思われます。
その他、経費の支給時の積算資料として参考となる様
式の記入例を追加しました。様式については、平成9年
当時と比べて現在はエクセルを利用した事務処理を行っ
10-1
本人経費
ているため、現在の事務処理に適した様式に変更しまし
10-2
付添人経費
た。
11
宿泊生活訓練費(実費:限度あり)
その結果、ページ数は、初稿41ページから第2稿6
11-1本人経費
5ページとなり、これで概ねマニュアルの形は完成とな
11-2付添人経費
りました。最後に、語句の修正、表現の統一等を行って
12
職場実習宿泊費(実費:限度あり)
69ページの完成稿となりました。
13
学用品購入費(定額)
(拡大教材費は実費:限度
あり)
14
新入学児童・生徒学用品等(実費:限度あり)
15
通学用品購入費(実費:限度あり)
まとめ
佐賀県立学校事務職員協会特別支援学校研究委員会
※所属名・職名は平成22年度末現在
今回、特別支援学校特有の業務である就学奨励費につ
佐賀県立盲学校
主査
八坂
いて、事務担当者の疑問や不安を解消したい、との目的
佐賀県立ろう学校
主査
森
で各校が共有できるマニュアルづくりを目指しました。
佐賀県立金立養護学校
主査
本多佐和
結果、従前のマニュアルを改定し、現状に合わせた「就
佐賀県立大和養護学校
主査
進藤安恵
学奨励費に関する事務処理手順 1.0 版」を完成させるこ
佐賀県立北部養護学校
主査
八ヶ代智子
とができました。
佐賀県立伊万里養護学校
主事
吉武佳世
佐賀県立うれしの特別支援学校
主事
岩永厚子
副主査
吉丸祐太
この新しいマニュアルによって、新たに就学奨励費担
当になったときに「どう判断すれば?」
「誰に尋ねれば?」
「どの資料を見れば?」といった状況に陥らずにすむこ
とになりました。
ただし、これですべてが解決したわけではありません。
今後の課題として、今回の改定ではやむなく省略した部
分をどうするか、という問題があります。例えば、就学
奨励費では所得の変動によって、必ずといってよいほど
追給・返納が起こりますが、その処理についてはこの 1.0
版では触れていません。また、転入生の手続きや各経費
の認定での特殊なケース等、注意を要するものでも、あ
えてマニュアル化しなかったものもあります。
これは容量の問題もありますが、マニュアル改訂が定
期的に行われないだろうという予想によります。
「佐賀県
立学校版の手引き」は平成9年3月に作成されましたが、
以降現在まで改訂がありませんでした。
今回は長期にわたって改訂がなくても使えるように、
基礎的な部分を中心として、マニュアル化しました。し
かし、養護学校が特別支援学校に変わったように、特別
支援教育を取り巻く環境が大きく変わり、就学奨励費に
ついても大幅な制度改正がないとも限りません。それで
なくとも、細かな訂正や修正はどうしても必要になるで
しょう。
また、今回は改訂するにいたらなかった、個別の事例
をまとめたQ&Aの「特殊教育就学奨励費事務の質疑応
答集」の更新も今後の課題です。これらの問題に対応す
るため、議論、決定をする定期的な話し合いの機会を持
つことが必要です。更新、変更が必要と考えられる時、
誰が、どのように、どのくらいの頻度でこれらを行って
いくのか。今後の積極的な取り組みが、使い続けられる
マニュアルになるのかどうかに係わっています。
佐賀県立中原養護学校
要
清博
資料1 4月及び5月の作業予定表
第4 4月及び5月の作業予定表
時期
4月
作業内容
新年度の生徒データ整理
第1週
保護者からの提出書類整理(随時)
今月分の個人別実績確認用様式※を校内担当者へ配布
4月
保護者宛の就学奨励費(1~3月分)送金通知起案
第2週
通学届、帰省届の距離等の確認作業
一般公共交通機関利用通学生徒の定期券等の確認(随時)
4月
仮支弁区分決定のための収入額・需要額調書作成(原則、新転入学生)
第3週
4月
付添人判定のための資料収集・依頼等
仮支弁段階決定起案(就学奨励費対象者全員)
第4週
通学届、帰省届承認起案
付添人判定起案
保護者あてに仮支弁段階決定通知(原則、新転入学生)
翌月分の個人別実績確認用様式※を校内担当者へ配布
5月
通学・帰省の確認
第1週
給食・舎食の確認
教科用図書購入費の確認
その他支給すべき費用の確認
5月
請求書作成・起案
第2週
5月
支出負担行為兼支出命令書の作成及び口座振込依頼
一般公共交通機関利用通学生徒の定期券等の確認(随時)
第3週
5月
翌月分の個人別実績確認用様式※を校内担当者へ配布
第4週
【用語説明】
※ 個人別実績確認用様式とは
通学状況、帰省状況などの実績確認用の書類。各学校の実情に応じて通学状況調(参考様式4)、帰省及
び付添確認簿(参考様式6)等がある。
資料2 実際に事務処理を行う上でのチェック表の例
チェックポイント
○共通事項
・教科用図書購入費個人別内訳表作成したか
作成した
OK
作成していない
作成の必要有(様式は文部科学省の事務処理資料参照)
・副読本が含まれていないか
含まれていない
OK
含まれている
対象ではないため支給できない(学用品購入費の対象)
※特定の題材等を取り扱っている図書、図鑑、辞書、問題集等についても不適切であるため支
給対象外
・留年者はいないか
留年者はいない
OK
留年者がいる
原則として支給できない。
ただし、新しく必要となる分のみ支給できる
・休学者はいないか
休学者はいない
OK
休学者がいる
学年を通じて休学した場合は支給できない。
資料3 仮支弁区分の決定の手順
第5 認定事務等
1 就学奨励費事務の大まかな流れ
(1) 仮支弁区分の決定
※前年度在籍児童生徒については前年度の支弁段階になるため、仮支弁区分決定作業は原則、新転入学
生のみ行う。なお、前年度在籍児童生徒で収入状況等の急激な変化があり、本人からの申し出があれ
ば仮支弁区分決定の手続きを行なう。
就学奨励費対象者全員へ「就学奨励費のしおり」を配布
学校
保護者
学校に「収入額・需要額調書」及び「所得額等証明書(前々年分)
」を提出
※同一世帯全員分必要。
(子供も含む)
※兄弟姉妹が複数在籍している場合は、
「収入額・需要額調書」はその人数分提出が必要。
所得額等証明書(前々年分)は1部でよい。
収入額の算定及び需要額の測定による仮支弁区分の決定
学校
○収入額・需要額調書の内容確認
※単身赴任や進学等で家族が県外にいる場合もあるので、その場合は別に所得額等証明書
を提出してもらう
○システム入力
※基礎データ設定の処理基準日に誤りがないか確認する。
※所得額等証明書及び保護者が記入した収入額・需要額調書をもとに世帯の氏名、生年月
日、所得額等を入力する。
○仮支弁区分の決定通知起案
※システムより出力した収入額・需要額調書及び所得額等証明書を基に起案する。決定通
知はシステムから出力する。
※仮段階は学校長で決定できる
保護者
【用語説明】
システムとは
エクセルのマクロ機能を利用して作成した「就学奨励費支弁段階算定シス
テム」(平成 14 年 3 月作成)のこと。
入力時の注意事項については、
「就学奨励費支弁段階算定システム説明
書」を参照のこと
資料4 収入額・需要額調書作成時の主なチェックポイント
②
①保護者氏名・住所・生徒氏名・校名・学年
世帯人数×単価
③金額
④金額
⑦金額
になっているか
⑤氏名・
生年月日・
続柄・
在学学校名
この人数×単価
になっているか
⑥金額
⑧支弁区分確認
各項目のチェックポイント
①現住所が正しく記入されているか。前年 12 月 31 日現在の住所と異なる場合は、その住所が記入してあるか。
②都道府県の地区区分及び地域の級地区分について
※佐賀県の地区区分は VI 区になる。
※地域の級地区分
2-1:佐賀市
3-1:唐津市・鳥栖市
3-2:上記以外の佐賀県内市町
③④世帯の収入状況は所得額等証明書を転記する
⑤世帯の状況について
・世帯員全員の氏名が記入してあるか。所得額等証明書の家族全員の氏名と一致するか。
・生年月日は正しく記載されているか。また、初めて調書を提出する場合は、生年月日を住民票写により確
認する。2 年目からは前年の調書との照合でよい。
・在学学校名・学年については、前年 12 月 31 日の状況で記入してあるか。特に学年については、現在の状
況より 1 学年下の学年で記入してあるか注意する。
⑥障害加算控除は(特別支援学校等に就学している者の数-1)×障害者加算額
※その他の項目については就学奨励費の需要額測定に用いる保護基準額等早見表(以下「早見表」
)を参照のこ
と(なお、
「早見表」は前年度末に教育政策課から通知されている)
資料5-1
「就学奨励費に関する事務処理手順」初稿と完成稿(1.0 版)の比較
【初稿】
【1.0 版】
第6
1
(2)支給の流れ
支給事務
支給の流れ
県教育委 員会
各費目の支給内訳書を基に当月の請求書を作成する
経費 の交付
校長(収支等命令者)
県教育委員会
支出
経費の交付
校長(受任者)
保護者
経費の支給、通知
振込依頼及びフロッピーディスクの送付(振込指定日の4営業日前まで)
経費の支給、通知
委任状、口座振込申出書
校長
委任 状、口座振込申出書
保
護
者
振込依頼(各校 の実情に応じて、振込依頼書 またはフロッピー デ ィスク
を佐 賀銀行(取りまとめ店)との取り決めに従って依頼 すること)
佐賀銀 行
(取りまと め店)
送金
佐賀銀行
保
※
チェックポイント
・認定、取消、転入、転出の児童生徒はいないか
はい
いいえ
OK
護
者
経費の支給時に作 成する書類等
ア
支出負担行為 伺兼支出命令書
イ
請求書
(参 考様式 1)
ウ
個人別支給明 細書
(参 考様式 2)
エ
その他各種明 細作成
・学校給食費 、寄宿舎居住に伴 う経費(食費)、交通費、帰省費etc
月日等の確認を!
※詳細につい ては「第7
・各費目の支給内訳書を確認したか
はい
(県 様式 1)
オ
費目 ごとの事務処理及び注意点等を参照」
個人別支給台 帳
いいえ
参考法令(略)
OK
確認を!
①
特別支援学校への 就学奨励に関する 法律第 3 条
(略)経費は、児童又は生徒の就学す る学校の校長に対して交付するものとする。
・振込データの入力ミスはないか
はい
OK
2(略)校長は、これを、政令の定め るところにより 、金銭をもって当該児童若しくは
いいえ
生徒又はその保護 者等に対して支給 しなければならない。ただし、政令に定める特別
な事情があるとき は、現物をもって 支給することができる。
修正を!
②
特別支援学校への 就学奨励に関する 法律施行令第 3 条
(略)ただし、保護者等に支給するた め特別の経費を 必要とすること、保護者等につい
て次条に定める特別の事情があるこ と等により、児童又は生徒に支給することが適当で
資料5-2
「就学奨励費に関する事務処理手順」初稿と完成稿(1.0 版)の比較
【初稿】
6 費目ごとの事務処理及び注意点等
【1.0 版】
第7
(1)教科用図書購入費(実費)
費 目ご との 事務 処理 及び 注意 点等
【 用 語 説明 】
( 実 費 :限 度 あ り )(定 額 ) に つい て
各 費 目の 右 側 記 載 の(
高等部のみ対象(小・中学部は無償配布)
)は 事 務 処 理 資料 の 表 記 に準 じ て い る。
( 定 額) の表 記 で も 事務 処 理 は( 実費 :限 度 あ り)の 費 目 が あ るの で 留 意 する こ と 。
例 :修 学 旅 行 費
高等部の生徒が授業で使用する教科書について実費を支給します。
な お 、 各費 目の 定 額 や 限 度 額は 、 毎 年 、 交 付 申 請計 画 書 の 作 成 時 期 に文 部 科 学 省 か
ら 教 育 政策 課 を 通 じて 通 知 さ れ るの で 必 ず 額を 確 認 す るこ と 。
教科書係が教育長に承認を受けたものについて、各生徒が購入した教科書が
確認できる資料をもらう。
1
教科 用 図 書 購 入費 ( 実 費 )
( 1 )支 給 対 象 者
表を作成後、辞退者及び措置費該当者以外実費支給。
高等 部 本 科 ・ 別科 ・ 専 攻 科の 生 徒 ( 小・ 中 学 部 は無 償 配 布 )
( 2 )支 給 範 囲
時期・・・4月中
ア
教 科 用 図書 と し て 教育 長 か ら 承 認を 受 け た もの
イ
保護者には送金せず、学校で直接業者に支払います。
同 一 人 が一 冊 の 教 科用 図 書 を 二 ヶ年 度 以 上 にわ た っ て 使用 す る 場 合 は、原 則 と し て、
当 初 年 度 購入 分 に つ いて の み 支 給 する 。
ウ
特 定 の 題材 等 を 取 り扱 っ て い る 図書 、 図 鑑 、 辞 書 、 問 題集 等 は 不 適 切で あ る の で、
学 用 品 購 入費 で 購 入 する 。
エ
学年 を 通 じ て休 学 し た 場 合は 、 支 給し な い 。
( 3 )支 給 方 法
担 当 教諭 等 か ら 各生 徒 が 購 入 した 教 科 用図 書 が 確 認 でき る 資 料 をも ら う 。
教 科 用 図 書 購 入 費 個 人 別内 訳 表 ( 様 式 1 ) を 作 成 後 、 辞 退 者 及 び 措 置 費 該当 者 以 外実 費
支給。
保 護 者に は 支 給 せず 、 学 校 で 教科 用 図 書納 入 業 者 に 直接 支 払 う 。
( 4 )支 給 割 合 の 留意 点
Ⅰ 、 Ⅱ、 Ⅲ 段 階 とも 全 額 支 給
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