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2012年3月期アニュアルレポートを掲載しました

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2012年3月期アニュアルレポートを掲載しました
Annual Report 2012
会社案内
CONTENTS
08
財務ハイライト
10
ステークホルダーの皆さまへ
14
コーポレート・ガバナンス
18
SPECIAL FEATURE
24
経営陣による財政状態および
経営成績に関する説明・分析
27
事業などのリスク
28
連結財務サマリー
30
セグメント情報/四半期別サマリー
31
沿革/会社概要
32
拠点情報
ウェブサイトのご紹介
ウェブサイトでは、タイムリーな財務情報の発信など株主・投
資家向けの情報はもちろん、詳細な製品情報等ユーザー向
けの情報のほか、アイダに初めて興味を持っていただいた方
に向けた情報も充実させています。
www.aida.co.jp
業績の見通しなど、将来の情報に関する注意事項
このアニュアルレポートに記載されている、アイダエンジニア
リングの業績の見通しなど、将来に関する情報は、現段階に
おける各種情報に基づいて当社の経営陣が判断したものであ
り、実績は、為替レート、市場動向、経済情勢などの変動に
より、かかる情報と大きく異なる可能性があることを、予めご
承知おきください。
財務数値、グラフに関する注意事項
このアニュアルレポートは、記載する金額の億円未満もしくは
百万円未満をそれぞれ切り捨てて表示しています。
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
なぜ世界中の
メーカーがアイダ
を選ぶのか
アイダエンジニアリングの 95 年にわたる歴史を支えてきたのは、国内
のみならず世界中のメーカーのお客さまからの信頼と支持です。なぜ
当社は、数多くのプレス機械メーカーの中から選ばれ、お客さまからの
信頼を勝ち得ることができたのか。それは、単なるプレス機械メーカー
ではない、アイダならではの強みが決定的な理由となっているのです。
技術力
研究開発によって支えられるモノづくりの力、つまり技術力が、当社の競争
優位性の源泉となっています。例えば、いち早く目をつけたサーボ技術を
最大限活用するためにサーボモータを自社開発して世界最速のプレス
ラインを実現するなど、競合他社には容易に真似できない技術開発力を
擁しています。
製品・サービスの品質
モノづくりのプロであるお客さまの信頼を勝ち取る上でとりわけ重要な
点が、製品の品質です。プレス機械は製品寿命が長いゆえ、サービスの品
質もお客さまにとっては看過できない要素です。当社は機械のみならず、
工法・金型の開発や生産の自動化といったプレス加工の全領域を手掛けて
おり、お客さまのあらゆる要望を着実に実現する能力と体制があります。
長期安定性
プレス機の製品寿命は実質的に 20 年以上にわたるため、その間のメンテ
ナンスが不可欠であり、企業としての長期的な安定性が求められます。
アイダは 66.5%という高い自己資本比率(2012 年 3 月末)が証明してい
るように抜群の財務基盤を有しており、海外を含め初めてのお客さまにも
安心してお取引いただける要因の一つとなっています。
また、自社資金の活用によって機動的に研究開発を行えることも、経営
環境の変化が激しい中での事業展開に有利といえます。
自己資本比率
2012 年
3 月末時点
66.5%
01
02
成形システムの
あらゆるニーズに
応える「アイダ」
ブランド
技術力を基盤として、アイダはプレス機械のみ
ならず、自動化・システム化のための周辺装置
などを自社開発することによって金型設計や
自動化手法などのノウハウを蓄積し、ハード・
ソフトの両面から最適な成形システムの構築
を実現してまいりました。
このようにトータルでお客さまの要望をサポー
トし、
「どんな問題でもアイダに任せてみよう」
という厚い信頼を積み重ねてきたことにより、
今日高い評価をいただくに至っております。
お客さまの
ご要望
成形システムの
トータルサポート
お客さまのあらゆるニーズに応える、
成形システム全体の構築支援が
当社の強みです。
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
モノづくりのソリューション提供
これまで蓄積した成形ノウハウをベースに、新素材研究、新工法開発、工程
検討から金型の設計・製作まで、最新・最適なモノづくりを提案しています。
プレス機械
自動化装置
お客さまの様々なニーズに応えられる、幅広
自動化に必要なあらゆる周辺機器を開発、
いラインナップを有しています。特に現在注
製造しています。プレス機械と併せて内製化
力しているサーボプレスはその成形性、生産
していることで、競合他社から一歩抜きんで
性、省エネ性が高い評価を得ており、シリー
たプレスとの高度な同期化を実現し、生産性
ズ化が進んでいます。また、汎用プレスや高
と品質の向上を果たしています。これらに
速自動プレスは他社の追随を許さない高
よって最適な成形システムを構築するコー
シェアを誇っています。
ディネートも当社自ら行います。
クオリティの裏づけ
製缶・溶接・加工など製品精度と耐久性を高めるための熟練した職人技と
最新の設計技術の融合により、高品質を追求し続けています。
03
04
グローバルに
広がる、柔軟な
生産ネットワーク
売上高
106.4億円
従業員数
311名
例えば、フランスで発注された製品をアメリカ
で生産し、メキシコに納品する。あるいは、ド
生産拠点配置都市
イタリア ブレシア
イツで発注された製品を中国で生産・納品す
る。このようなフレキシブルな生産活動により
お客さまのグローバルな事業展開をサポート
するため、当社では世界の主要な市場である
4 極 5 ヶ国に生産拠点を抱えています。
各拠点では現地スタッフによるマネジメント
の下、市場ニーズに即した製品開発を行って
おり、納品場所に近い地域で生産することに
よってリードタイムの短縮化と輸送コストの削
減を進めています。また、日、米、欧、アジア
の各通貨経済圏において調達・生産を行うこと
により、為替リスクを分散し、その影響を最小
欧州
限に留めることに成功しています。
従業員数
2012 年
3 月末時点
1,566名
日本 ....... 48.7%
アジア.... 25.4%
欧州....... 19.8%
米州......... 5.9%
※各生産拠点売上高は外部顧客向けの金額を表示しています
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
日本
売上高
202.4億円
従業員数
764名
生産拠点配置都市
神奈川県 相模原市
石川県 白山市
米州
売上高
日本 ....... 38.7%
2012 年 3 月期
522 億円
アジア.... 24.2%
欧州....... 20.4%
米州....... 16.7%
売上高
87.0億円
従業員数
93名
生産拠点配置都市
米国 オハイオ州
デイトン
アジア
売上高
126.4億円
従業員数
398名
生産拠点配置都市
中国 江蘇省 南通
マレーシア ジョホール
05
06
世界各地に
根差したサービス
ネットワーク
直営サービスによる
「アイダ」の安心感
当社はその製品品質には高い評価をいただ
いていますが、中長期的にロイヤルカスタ
マーとなっていただけるかどうかは、直接お
グローバルに提供されている当社製品をお客
客さまと接する機会を持つサービス・エンジ
さまに最大限活用していただくため、アイダは
ニアがご満足を提供できるかが鍵を握ってい
世界各地の 38 都市に直営の営業・サービス拠
ます。世界に散らばった当社のサービス・
点を展開しています。各拠点では当社の現地
法人のサービス・エンジニアが直接お客さまと
接し、様々なご要望に応えています。具体的
エンジニアは、各地においてアイダのブラン
ドを背負い、より近いところでお客さまとプレ
ス機械のベストマッチングを果たす役割を
担っています。
には、納入後のメンテナンスはもちろん、環境
対応や自動化、レトロフィットのコンサルティン
グなど、お客さまの成形システムのさらなる進
AIDA
化を強力にサポートしています。
サービス部門売上
104.8
億円
2012 年 3 月期
レトロフィット・
モダニゼーション
豊富なシステム化
事例をご提案
予防保全
安心の
海外拠点
緊急用パーツを常備、
主要拠点には
日本人配置で
日系ユーザーも
安心
米州
巡回サービス/
定期点検による
生産性・安全性
チェック
環境への対応
アイダ
サービス体制
修理・
トラブルサポート
充実したネットワーク
による迅速な対応
騒音・振動・
省エネ対策
および
安全・健康対策
中古機販売
買取、整備、販売まで。
主要拠点には
専任営業担当も
配備
10.2億円
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
スキルと真摯な対応に
より構築される信頼関係
成形システムを進化させ
るコンサルティング
「アイダ」ブランドを守り、高めていくということはつ
私たちが有しているお客さまとの強固な信頼関係を
まり、お客さまとのより強固な信頼関係を構築してい
基盤に、近年力を入れているのは、より付加価値の
くということにほかなりません。当社のサービス・
高い「近代化」と呼んでいるサービス分野です。例
エンジニアは、高いスキルを持ってトラブルの予防
えば、メカプレスをサーボプレス化してより高い生
に注力し、ラインの安定稼動を図るのはもちろん、
産性を実現するサービス、最新のサーボダイクッ
例えば機械稼動中の突発的なトラブルの解決など、
ションを追加装備することにより、成形能力を向上
お客さまのニーズに柔軟かつスピーディーに対応す
させるサービスなどは、その好例といえます。
ることを哲学としています。当社直営の拠点を充実
させているからこそ、こうした「痒いところに手が届
く」取り組みが可能となっているのです。
欧州
28.6億円
日本
50.7億円
アジア
15.2億円
07
08
| 財務ハイライト |
2012 年 3 月期業績サマリー
新規ユーザーを含めた新興国向けの自動車関連が大幅に増加し、受注高は580 億円(前期比 21.1%増)、売上高は522 億
円(同 27.4%増)となりました。また、増収効果などにより、営業利益は22 億円(同 52.0%増)、当期純利益は28 億円(同
131.5%増)となりました。
百万円
増減率(%)
千米ドル
百万円
2012
2012
2012 vs 2011
2011
2010
¥58,021
$706,370
21.1
¥ 47,924
¥ 33,403
受注残高
36,278
441,671
19.0
30,497
23,563
売上高
52,240
635,990
27.4
40,989
34,898
営業利益(損失)
2,221
27,042
52.0
1,461
(5,529)
売上高営業利益率
4.3%
̶
̶
3.6%
(15.8)%
当期純利益(純損失)
2,842
34,610
131.5
1,228
(12,090)
営業活動によるキャッシュ・フロー
8,749
106,515
̶
(2,359)
4,857
投資活動によるキャッシュ・フロー
(1,231)
(14,992)
̶
(1,253)
(294)
7,517
91,523
̶
(3,613)
4,562
35
434
̶
(1,029)
309
設備投資額
2,667
32,471
286.6
689
578
減価償却費
1,378
16,784
(1.8)
1,403
2,684
総資産
71,300
868,032
5.9
67,342
63,867
純資産
47,472
577,940
5.0
45,216
45,706
自己資本比率
66.5%
̶
̶
67.0%
71.5%
自己資本利益率(ROE)
6.1%
̶
̶
2.7%
(23.4)%
総資産利益率(ROA)
4.1%
̶
̶
1.9%
(17.4)%
受注高
フリー・キャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
1 株当たりデータ:
円
米ドル
増減率(%)
円
¥ 46.90
$0.57
141.3
¥ 19.44
¥(189.36)
配当金
14.00
0.17
133.3
6.00
5.00
純資産
781.51
9.51
4.9
745.19
715.08
当期純利益(純損失)
(基本的)
(注)米ドル金額は 2012 年 3 月 31 日現在の為替レート(1 米ドル=82.14 円)で換算した額を表示しております。
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
受注高 / 受注残高
営業利益(損失)/ 営業利益率
売上高
(億円)
(億円 / %)
(億円)
657
580
448
53
645
330
606
326
522
479
408
334
250
304
362
348
168
314
235
409
230
319
8.3
14
9
22
4.3
1.6
3.6
–15.8
280
180
178
202
–55
08/3
09/3
10/3
11/3
12/3
08/3
受注高
受注残高
09/3
10/3
11/3
当期純利益(純損失)/ ROE
5.7
2.7
1.4
35
6.1
47
27
23
5
–120
13
6
11/3
12/3
08/3
09/3
10/3
11/3
12/3
総資産 / ROA
純資産 / 自己資本比率
850
1.9
09/3
10/3
11/3
12/3
1 株当たり配当金 / 連結配当性向
(億円 / %)
673
08/3
設備投資額
減価償却費
(億円 / %)
1.0
–11
–36
当期純利益(純損失)
ROE
638
75
26
26
–23.4
747
12/3
45
14
10/3
11/3
64
32
12
10/3
(億円)
28
8
4.1
09/3
フリー・キャッシュ・フロー
(億円)
09/3
08/3
営業利益(損失)
営業利益率
設備投資額 / 減価償却費
(億円 / %)
08/3
12/3
海外
国内
713
72.1
613
4.1
(円 / %)
77.3
71.5
67.0
66.5
452
474
578
457
15
40.3
14
30.9
29.8
5
5
09/3
10/3
29.9
6
–17.4
08/3
09/3
総資産
ROA
10/3
11/3
12/3
08/3
09/3
10/3
純資産
自己資本比率
11/3
12/3
08/3
1 株当たり配当金
連結配当性向
11/3
12/3
09
10
| ステークホルダーの皆さまへ |
代表取締役社長
会田 仁一
「成形システムビルダ」ならではの付加価値を
生み出してグローバルに顧客を獲得し、
新たな成長を続けていきます。
2012 年 3 月期の振り返り
2012年3月期は、東日本大震災やタイの大洪水など度重なる災害に見舞われましたが、
新興国向けを中心とした自動車関連の設備投資の拡大を背景として、
(社)日本鍛圧機械
工業会のプレス系機械の受注額は、前期比 17.9% 増加となりました。
この傾向は自動車産業向けが製品売上高の 3 分の 2 を占める当社グループにとっても強
力な追い風となり、受注高は業界の伸び率を上回って 21.1% 増加し、580 億円となりまし
た。当社が国内他社プレスメーカーに比較して生産・販売の両面でグローバル展開を先行
させてきた結果、競合他社以上に海外需要を取り込むことができたのは間違いありません。
これを受けて、売上高は対前期 27% 増の 522 億円、営業利益は同 52% 増の 22 億円、
当期純利益は同 131.5% 増の28 億円と2 期連続の増収増益を達成することができました。
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
中期経営基本計画の進捗と今後の方針
当社では、2012 年 3 月期より「1. 顧客の創造」
「2. 付加価値の拡大」を重点施策とする
新中期経営基本計画に基づいた成長戦略を推進しています。
1. 顧客の創造
「顧客の創造」では、
「成長市場への傾注」と「新機軸・商品の拡充」の2 つの目標を掲げ
ています。成長市場とは言うまでもなく、自動車関連を中心に、日系および欧米メーカーによ
る設備投資計画が相次ぐ新興国を指しています。2012年3月期は、中国における景況減退に
よってエアコンなどの家電関連の受注額が減少したものの、東南アジアやメキシコにおいて
自動車関連を主とした受注額が伸長しました。自動車関連は、インドネシア、タイ、インドなど
のアジアや、メキシコ、ブラジルおよびロシアといった地域での設備投資案件が増えており、
最大の中国市場と併せ、これらの国も新たな受注活動のターゲットとして捉えています。
日本国内における設備投資需要は、円高を受けた国内メーカーの生産拠点移転の進行、
また昨今の家電業界の業績低迷などによって今後も低調な推移が続くでしょう。当社として
は、海外に成長の活路を求めていく考えです。今後も海外に生産拠点を移す国内メーカーと
の取引のみならず、設備投資が旺盛な地域に受注活動の資源を集中することによって、欧米
メーカー、また現地メーカーとの取引を拡大していく方針です。
「顧客の創造」の 2 点目の目標は「新機軸商品の拡充」です。新機軸商品とは主にサーボ
プレスとその周辺機器を指しており、そのシリーズ化を現在推進しています。2012 年 3 月期
は高精度な順送多工程加工に適した新シリーズを開発、商品化するなど、サーボプレスのラ
インナップを拡充しています。汎用機におけるサーボプレスの受注ライン数は 20% 増加とな
り、受注金額の半分超を占めるなど、特に欧州自動車関連メーカーではサーボプレスの導入
が進んでいます。サーボプレスは各社がしのぎを削って開発を進めているため、競合先との
差別化の鍵となるのは、周辺機器などを含めた成形システム全体の構築力になると当社では
考えています。まさに、サーボモータを自社開発し、各種自動化システムも揃える当社の「成
形システムビルダ」としての真価が発揮される機会といえるでしょう。
中期経営基本計画の概要
スローガン
「成形システムビルダとしての革新」と「グローバル企業としての持続的成長」をバランスよく実現し、
社会から信頼される企業グループとして発展する
業績目標
売上高:
重点施策
顧客の創造:
2014 年 3 月期までに 650 億円超を目指す
(1)成長市場への傾注(2)新機軸商品の拡充
営業利益率:
2014 年 3 月期に 8%以上を安定的に達成する
付加価値の拡大:
(1)強い商品(高シェア・高利益率)、
高収益事業への傾注
(2)生産性の向上=棚卸資産回転率の向上・
海外生産比率の拡大
株主還元:
連結配当性向30%を目処に実施(DOEも意識)
11
12
2. 付加価値の拡大
2点目の重点施策「付加価値の拡大」でも、
「強い商品(高シェア、高利益率)、高収益
事業への傾注」と「生産性の向上(棚卸資産回転率の向上・海外生産比率の拡大)」の 2
点を目標に掲げています。当社グループにとっての「強い商品と高収益事業」とは、国内
シェア約 5 割を握る汎用機と同約 8 割の高速精密プレス、そしてサービス事業です。汎用
機は、製造業の空洞化に伴って国内市場規模の縮小が進み、受注高は2007年3月期の約
2 分の 1 にまで落ち込んでいますが、一方でアジア地域では需要が堅調に推移しており、
当社のマレーシアの生産工場はフル稼働の状態が続いています。高速精密プレスについ
ては、中国市場でのエアコン等家電向けコンプレッサー向けの需要が一巡したため 2012
年 3 月期の受注は減少しましたが、電気自動車・ハイブリッドカーのモータ向け需要は引き
続き堅調であり、今後はその対応に注力する方針です。
サービス事業では、新たにモロッコとロシアに販売・サービス拠点を設立したことに加
え、世界各地のプレスユーザーに対する顧客満足度の向上を目的に、GCS(グローバル・
カスタマー・サティスファクション)推進室を立ち上げ、全世界での課題の共有化や問題発
生の未然防止策の推進を行っております。今後もお客さまから信頼される企業であり続け
るために、グローバルベースでのサービス体制の強化・拡充に取り組んでいきます。
生産性の向上・海外生産比率の拡大については、汎用機生産が主体であったアジアの
生産拠点の増強を行いました。まず中国の生産拠点は、工場面積を既存拠点の 2.5 倍に
拡張し、中・大型機の生産にも取り組むことで中国市場の開拓を本格化しました。また、マ
レーシアの生産拠点についても設備増強などを行い、現地ユーザーの生産性向上ニーズ
に対応する高速精密プレスの生産を推進していきます。これにより、今後自動車需要の高
まりが期待される東南アジアやインドを含め全世界への低コストでスピーディーな納品が
可能となります。一方で、海外メーカーとの激しい競争によって厳しい収益状況が続く欧
州では、生産拠点を統合し、効率化を進めています。
現在当社グループの海外生産比率は約 3 割ですが、これまで以上の外需の伸びも期待
されることから、5 割超までの拡大を目標にグローバル規模での最適調達・最適生産が可
能なネットワーク構築を推し進めていきます。
環境保全への貢献による持続的成長
中期経営基本計画のスローガンでは「グローバル企業としての持続的成長」を1つのポ
イントとして掲げていますが、そのためには地球環境保全への貢献も不可欠な要素だと考
えています。その点では、まずプレス成形そのものが廃棄物や消費エネルギーが相対的
に少ない環境志向の加工方法です。加えて、現在当社が拡充を進めているサーボプレス
は自在な調整能力と生産性を擁するためにその特性に磨きがかかる上、自社開発した
サーボモータは回生エネルギーの活用など、より進化した省資源・省エネルギー化を実現
しています。
また、当社の先端技術は近年急速に発展している環境対応型自動車の生産に欠かせな
い存在となっています。世界の自動車産業は、ハイテン材などの軽くて高強度の素材を採
用することで車体の軽量化を進め、燃費と衝突安全性の向上を図る傾向にありますが、こ
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
うした素材を高い品質で成形するには従来型の機械式プレスでは容易ではなく、サーボ
化が必要です。また、電気自動車・ハイブリッドカーで使用されるモータコアの生産では、
当社が圧倒的なシェアを握る高速精密プレスが利用されています。
当社が技術開発を進めることで環境にやさしい塑性加工の適用範囲が広がり、さらに
環境負荷の少ない最終製品の大量生産化にも繋がることで、日本のモノづくりの下支え役
として社会や環境とともに持続的に成長していくというのが当社の考え方です。
2013 年 3 月期業績の見込み
2013年3月期は、欧州の債務危機や円高の長期化など事業環境の不透明感は依然とし
て残るものの、北米市場の回復や、各自動車メーカーをはじめとした新興国中心の堅調な
設備投資が続くと予想されることから、当社にとっては事業拡大機会が続くものと考えて
います。売上高は11% 増の 580 億円、営業利益は35% 増の 30 億円、当期純利益は営業
外収益が大きく寄与した 2012 年 3 月期とほぼ同水準の 28 億円を見込んでいます。
中期経営基本計画における、2014 年 3 月期までに 650 億円超の売上高、8% 以上の営
業利益率という目標は、十分に達成可能なペースで進捗していると感じています。
ステークホルダーの皆さまへのメッセージ
当社は、株主の皆さまの利益向上を経営上の重要課題と捉え、成長戦略の推進による
企業価値の向上と 1 株当たり利益の継続的な増加を図っています。株主の皆さまへの利
益配分は、連結純資産配当率(DOE)も考慮して安定的な配当の継続を重視するととも
に、業績に連動して連結配当性向 30% を目処としています。2012 年 3 月期は、前述した
業績回復を踏まえ、前期から8円増配の1株当たり14円とさせていただきました。来期も、
同額の 14 円を計画しています。
自動車産業を中心に、当社を取り巻く事業環境の変化は激しさを増しています。しかし
ながら当社はこれまで技術開発面や生産・販売・サービスのグローバル化において常に他
社をリードし、成長戦略を着実に実行してきました。決して巨大な企業ではありませんが、
変化を先取りするフットワークや柔軟性に大きな強みがあり、それが研究開発力や事業
展開に活かされているのだと思います。ステークホルダーの皆さまにおかれましては、
当社の経営方針にご理解をいただき、引き続き、当社の事業運営にご支援を賜りますよう
お願い申しあげます。
2012 年 7 月
代表取締役社長
会田 仁一
13
14
| コーポレート・ガバナンス |
当社は、コーポレート・ガバナンスの充実・強化を経営の最重要課題の一つとして捉え、公正かつ健全な経営システムの
機能強化および経営意思決定の迅速化ならびに透明性を確保するための経営監視機能の強化に注力しています。
ガバナンス体制
監査役、監査役会
当社は独立性の高い社外役員(取締役2名、監査役3名)
当社は監査役 3 名全員が社外監査役、かつ独立役員で
を選任し、執行役員制度や内部統制システムの充実等を通
す。監査役は、取締役会等の重要会議に出席するほか、会
じ、公正かつ健全な経営システムの機能強化、意思決定の
計監査人からの報告を受け、営業報告の聴取・重要書類の
迅速化ならびに透明性確保に努めています。
閲覧等を行い、現地に赴いて各部門の業務執行および財
産の状況を調査し、取締役の職務執行の適法性や妥当性を
監査しています。
取締役、取締役会、執行役員、経営会議
当社の経営体制は、取締役兼務者6名を含む執行役員17
名と、社外取締役2名(両名とも独立役員)の19名で構成し
役員報酬等
ています。取締役会は、法令に定める重要事項の決定機能
2012年3月期における、当社の取締役および監査役に対
および業務執行の監督機能を果たしています。また、執行
する役員報酬は以下のとおりです。
(百万円)
役員制度を導入し、経営意思決定の迅速化と権限・責任体
区分
制の明確化を図っております。役員および執行役員で構成
対象人数
基本報酬
8名
¥90
2名
3名
取締役
する経営会議は経営方針・課題に関する討議を行い、意思
(社外取締役を除く)
統一と迅速な業務執行に取り組んでいます。また、社外取
締役および社外監査役は取締役会等において専門的見地
社外取締役
監査役
(全員社外監査役)
ストック・
オプション
賞与
総額
¥19
¥43
¥153
¥16
̶
̶
¥16
¥23
̶
̶
¥23
からの発言を積極的に行っています。
コーポレート・ガバナンス体制(2012 年 6 月 28日現在)
株主総会
選任 / 解任
監査
選任 / 解任
監査報告
取締役会
監査報告
選任 / 解任
(社内6・社外2)
監査役会
監査
(社外3)
会計監査
代表取締役社長(CEO)
会計監査人
(取締役会議長)
監督
選任 / 解任
報告
報告
報告
報告
COO
執行役員
(経営会議議長)
コンプライアンス
委員会
報告
経営会議
内部統制監査室
(役員および執行役員で構成)
指導・
推薦
各部門・子会社
報告
報告・職務補助 / 監視・検証
内部監査
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
内部統制システムの整備の状況
コーポレート・ガバナンスの充実に向けた
当社は、法令遵守と高い倫理観に基づいた事業活動を行
2012 年 3 月期の取り組み
うため、
「アイダグループ行動指針」を制定しています。ま
内部統制の基本的枠組みを維持しつつ簡素化・見直しを
た、内部統制の充実を図るためにコンプライアンス委員会
行い、財務報告の信頼性を確保するべく、文書化された業
を設置するとともに、内部統制監査室が当指針等の研修や
務プロセスの着実な実行と検証を行いました。
実施状況等の監査を行っています。
また、
「内部統制システムの整備に関する基本方針」を
さらに、グループ全体の統制環境、統制活動の現状調査
一部変更し、
「財務報告の信頼性を確保するための体制」
を実施するなど、金融商品取引法に基づく財務報告の信頼
および「反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方」の項
性の確保に努めています。
目を追加しました。
さらに、
「グローバル経営管理規程」を一部改定しました。
リスク管理体制
グローバルベースでの事業拡大の進展に伴い、連結経営の
経営戦略に関わるリスクについては、関連部門において
効率化の観点から同規程を運用していましたが、導入から4
リスクの分析と対応策の検討を行い、必要に応じて取締役
年が経過し、事業環境や事業を取り巻くリスクの性質が大き
会、経営会議で審議を行っています。日常的な業務運営に
く変化していることを踏まえ、より機動的で強固な経営管理
関わるリスクについては、その内容に応じて各部門で対応
体制の実現を目指し、改定を行いました。
するもののほか、安全衛生委員会、PL 委員会、輸出管理委
員会、リスクヘッジ委員会等の全社横断的な委員会もしくは
プロジェクトチームを編成するなど、機動的な管理体制を敷
いて対応しています。
社外監査役からのメッセージ
常勤監査役 松本 誠郎
(株)みずほコーポレート銀行常勤監査役、みずほ情報総研(株)監査役などを経て、
2010 年 6 月より現職。銀行業界における業務監査のパイオニア。
当社は、日本企業としては早い段階より社外役員制を
し、経営判断に反映していこうという姿勢が見られます。
導入しており、現在でも監査役 3 名全員、および取締役
自らが常勤の監査役として心がけていることは、とに
8 名中 2 名が社外となっております。社外役員としては、
かく現場を見て実態を把握することです。実際にあらゆ
まず「実態を正しく知る」ことが必要であり、その上で、
る部門・階層の社員と日常的に会い、意見を聞く中で当
①会社の喫緊の重要課題へ意見・提言すること、および
社の抱える課題や伸ばすべき点を見出し、社長や副社長
②中長期的な経営環境に対して各々の専門分野の知見
などに対して日常的に意見を申しあげておりますが、当
や経験に照らし、採るべき対応策を具申することが重要
社はかかる意見を率直に聞き入れ、経営に活かしていく
な役割であると思います。
風土を有しております。
当社内では、監査役を含む社外役員に対し極めてオー
これらより、当社のガバナンスは極めて正常に運営さ
プンに情報開示がなされており、ガバナンスが有効に機
れていると判断できますが、さらに持続可能かつ健全な
能する上で高く評価できます。さらに取締役会の運営にお
成長の一助となるべく、今後も社外役員としての職務を全
いても、社外役員は遠慮することなくそれぞれ活発に発言
うする所存です。
しておりますが、議長の社長以下はそれらに真摯に対応
15
16
| コーポレート・ガバナンス |
社外取締役の状況
氏名
2012 年 3 月期の主な活動状況
選任理由
都市銀行の元役員としての幅広い見識を当社の経営に活かしていた
当事業年度に開催された取締役会
だくため、社外取締役に選任しています。
山崎 猛
11 回全てに出席し、都市銀行の元
また、同氏は東京証券取引所の独立役員に関する判断基準に照ら
役員としての見地より発言を適宜
しても一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、独立役員
行いました。
として指定しています。
2012 年 3 月期は監査役として、
生命保険会社の元役員としての幅広い見識を当社の経営に活かして
大磯 公男
いただくため、社外取締役に選任しています。
当事業年度に開催された取締役会
また、同氏は東京証券取引所の独立役員に関する判断基準に照ら
11回全てと監査役会 9 回全てに出
しても一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、独立役員
席し、生命保険会社の元役員として
として指定しています。
の見地より発言を適宜行いました。
取締役(2012 年 6 月 28日現在)
代表取締役社長
会田 仁一 쐃
取締役
中西 直義 쐇
片岡 博道 �
武井 栄二 �
山崎 猛
八木 隆
�
金村 貞行 �
�※
大磯 公男 � ※
※ 社外取締役
�
�
�
�
�
�
�
�
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
社外監査役の状況
氏名
2012 年 3 月期の主な活動状況
選任理由
都市銀行の元役員としての幅広い見識を当社の監査体制に活かして
いただくため、社外監査役に選任しています。
松本 誠郎
また、同氏は東京証券取引所の独立役員に関する判断基準に照ら
しても一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、独立役員
として指定しています。
弁護士、大学の経営者としての幅広い見識を当社の監査体制に活か
していただくため、社外監査役に選任しています。
増岡 由弘
また、同氏は東京証券取引所の独立役員に関する判断基準に照ら
しても一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、独立役員
として指定しています。
当事業年度に開催された取締役会
11 回全てに、監査役会 9 回全てに
出席し、都市銀行の元役員としての
見地より発言を適宜行いました。
当事業年度に開催された取締役会
11 回中 9 回、監査役会 9 回中 8 回に
出席し、弁護士、大学の経営者とし
ての見地より発言を適宜行いました。
生命保険会社の役員としての幅広い見識を当社の監査体制に活かし
ていただくため、社外監査役に選任しています。
金井 洋
また、同氏は東京証券取引所の独立役員に関する判断基準に照ら
しても一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、独立役員
2012 年 6 月の株主総会において
新たに選任されました。
として指定しています。
監査役(2012 年 6 月 28日現在)
常勤監査役
松本 誠郎 �
監査役
増岡 由弘 �
金井 洋
※ 3 名とも社外監査役
�
�
�
�
17
18
SPECIAL FEATURE
なぜ自動車関連産業は
アイダのサーボを選ぶのか
サーボ技術を活かして生み出す3つの付加価値
成形性
生産性
省エネ性
新興国の急速な成長、環境志向の高まりなど、様々な要因
によって自動車業界では事業環境の変化が断続的に起きて
います。激しさを増す競争の中で、自動車関連産業にとっ
ては、消費者を魅了するボディデザインの創造や、燃費向
上のための車体軽量化と衝突安全性強化の両立が、優劣を
決する要素となりつつあります。
この潮流はプレス機械業界に新たな課題を突き付けま
した。ボディデザインに対しては外板パネルのプレス加工
の技術が、車体軽量化と衝突安全性に対してはより軽くて
丈夫な骨格パネルのプレス加工の技術が、それぞれこれま
で以上に高い水準で必要とされるようになったのです。
アイダは、既存技術では解決がままならなかったこうした
課題に対して、周辺機器を含めた成形システム全体を内製
ブランキングライン
化している強みと、サーボプレスを中心とした独自技術に
よって解決方法を提供しています。そこから生み出される
付加価値は、
「成形性」
「生産性」
「省エネ性」という3つの
キーワードで表現することができます。
外板パネル
骨格パネル
ロボットライン
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
成形システムビルダならではのフルライン
ブランキングプレスによって素材の鋼鈑を金型で打ち抜いて製品形状に合わせる、成形の第一
ブランキングライン
工程です。サーボプレス化により最大で 27%の生産性向上を実現します。
高度な技術を必要とする周辺装置も自社で設計・製作しております。
トランスファ(送り)装置を内蔵した1台のプレス機の中で連続自動加工を行う生産ラインです。
トランスファライン
最も生産性が高く、自動車の骨格パネル生産において世界で主流となっている手法で、サーボ
プレス化により生産性が更に向上します。
独立したプレス機械をタンデム ( 直列 ) に並べた生産ラインです。
タンデムライン
当社のサーボ技術により、それぞれの金型に合った自由な成形モーションの設定と、高速搬送
装置との高精度同期制御技術により世界最速の生産性を実現しています。
複数台の汎用プレス間に搬送ロボットを組み込むフレキシブルな生産ラインです。
ロボットライン
従来の問題点は、生産性がトランスファプレスの 5 割程度でしたが、当社のサーボ同期制御技
術を適用することで生産性を8 割程度まで向上することが可能になっています。
タンデムライン
トランスファライン
19
20
SPECIAL FEATURE
なぜ自動車関連産業はアイダのサーボを選ぶのか
1
創りたい形状を安定的に生産するアイダのサーボプレス
成形性
生産性
省エネ性
ブランキング
ライン
ロボット
ライン
トランスファ
ライン
タンデム
ライン
自動車ボディ部品などのプレスでは、平板の鋼材を上下の金型で挟み込み、
器状に成形する「絞り成形」が用いられます。自動車メーカーが要望する立体
的で迫力のあるボディデザインの外板パネルを創り出す上では、前例のないほ
ど技術水準の高い絞り成形が求められ、そのためには成形速度を緻密にコント
ロールするサーボプレスの開発が不可欠でした。そこで当社は低速でも高トル
クを出力できるサーボモータを独自で開発し、このモータを搭載したサーボプ
レスによって、これまで不可能だった高いデザイン性の深絞り成形が具現化さ
独自開発したサーボモータ
れました。
また、事前に最適な成形条件をシミュレーションすることで、金型を調整して
何度も成形を試行する工数を大幅に削減し、難易度が高い形状であっても効
率的・安定的に生産することが可能になりました。
さらにシミュレーションのプログラムを利用すれば、同様のサーボプレスがあ
る世界中の生産現場で同等の品質の成形を再現することもできます。
絞り成形の工程
쐃
쐇
쐋
쐏
쐄
쐂
絞り成形で生産された外板パネル
2
プレス機と搬送機の同期制御による高速生産
成形性
生産性
省エネ性
ブランキング
ライン
ロボット
ライン
トランスファ
ライン
タンデム
ライン
サーボプレスは、従来機では不可能だったプレスの位置制御を行うことがで
きるため、プレス機と搬送機の緻密な同期制御が可能となりました。それに加
えて当社ではサーボライン生産性最適化システムを独自開発したことにより、
加工品一つひとつの搬送モーションを最適化し、ロスタイムを極小化した生産
ラインを構築しました。
タンデムライン同期制御操作画面
プレス機のみならず、搬送機など全てを内製化している当社だからこそ、
より高い水準での同期制御を実現し、生産性を大幅に向上させています。
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
3
消費電力を極小化するエネルギーマネジメント
成形性
生産性
省エネ性
ブランキング
ライン
ロボット
ライン
トランスファ
ライン
タンデム
ライン
サーボプレスは、プレス能力が高くなればなるほど、より大きな容量のサーボ
モータと電源を必要とします。当社では、大容量のキャパシタ(蓄電装置の一
種、別名コンデンサ)を搭載することでエネルギーを蓄積する方法を採用。使用
エネルギーがピークに達するプレス成形加工時にキャパシタから必要な電力を
供給する仕組みによって、一次電源設備に必要な電源容量を極小化しました。
さらに、プレス機の減速時に発生する回生電力※をキャパシタに蓄えて有効
利用することで、消費電力の削減に寄与しています。こうした当社ならではの
※減速時にモーターが逆回転し、発電機と同じ動作を
することによって発生する電力
エネルギーマネジメントによって、高い省エネ性を生み出しています。
他社製品との電源容量比較
コンデンサがない場合
ピーク電流が大きいため、電源設備を大きく
する必要がある。回生電力は抵抗で熱に
変換(廃棄)される。
電流
AIDA サーボプレス
キャパシタの搭載によりピーク電流を抑え、
電源設備を軽減。また、回生電力を有効利用し、
消費電力を削減。
4 かつてない深絞りと省エネを実現した、
サーボダイクッション構造図
独自のサーボダイクッション
成形性
生産性
省エネ性
ブランキング
ライン
ロボット
ライン
トランスファ
ライン
タンデム
ライン
前述した絞り加工の際に、鋼材に余計なシワを発生させないように圧力を調
쐃
쐋
整するクッションの役割を果たすのが、プレスに内蔵されるダイクッションです。
쐏
従来は周辺装置として補助的な位置づけでしたが、当社は滑らかで自在な変圧
쐄
쐇
쐂
制御が可能な油圧媒体式電動駆動のサーボダイクッションを開発しました。独
自の油圧回路をサーボモータで微細に制御することによりクッション力を最適化
し、プレスだけでは限界があった複雑な絞り成形を可能にしました。難易度の高
い加工でも成形性をより向上させ、安定生産により製品不良率が低減し、材料
쐆
쐃 上型
쐇 油圧シリンダ
쐋しわ押さえ
쐏 下型
쐄 クッションパッド
쐂 サーボモータ
쐆 油圧ポンプ/モータ
歩留まりも高くなるなど、お客さまのコストダウンにも大きく貢献しています。
また、当社のサーボダイクッションは、プレス機からの圧力を回生電力に変換
し有効利用する電力回生機構を擁しています。ダイクッションに使用した仕事量
の約70%がプレス電源へと回生されるため、大幅な省エネ化に寄与しています。
21
22
SPECIAL FEATURE
なぜ自動車関連産業はアイダのサーボを選ぶのか
5
サーボ技術で合理化されたブランキングライン
成形性
生産性
省エネ性
ブランキング
ライン
ロボット
ライン
トランスファ
ライン
タンデム
ライン
従来のメカプレスのブランキングでは鋼板をプレス機に送り届ける動作と鋼
鈑を打ち抜く動作を一定のリズムで行う必要があるため、短縮が困難な送り動
作時間に打ち抜き動作時間を合わせなければなりませんでした。しかし、当社
が独自開発したサーボプレスでは、モーションを自在に設定できるようになっ
ただけでなく、加速・減速時間を極小化することによって、打ち抜き動作時間
ブランキングライン
を短縮することに成功しました。その結果、ブランキング工程全体で生産性が
27%向上されています。
従来式
切断器の高さ
400
アイダのサーボプレス
400
2.54 秒
2.00 秒
300
300
200
200
打ち抜き動作
0.85 秒
100
100
1.69 秒
送り動作
0
100
200
23.6 SPM ※
※ Stroke Per Minute の略で、1 分間に何個のプレス加
工ができるかという生産スピードを表す単位
6
0.31 秒
1.69 秒
300
0
100
27% 生産性 UP
200
300
29.9 SPM
軽度と強度が両立した骨格パネルの各種加工技術への対応
成形性
生産性
省エネ性
ブランキング
ライン
ロボット
ライン
トランスファ
ライン
タンデム
ライン
車体の軽量化と衝突安全性強化に対する自動車業界の飽くなき追求にプレ
ス加工で応えるためには、より軽くて強度の高い材料を使って骨格パネルを加
工する、非常に難易度の高い技術が必要とされます。当社はサーボ技術の利
用によって、こうしたプレス加工に解を見出しています。
自動車業界で普及しつつある高張力鋼板(ハイテン材)は、通常の工法では
割れが発生しやすい上に加工前の形状に戻りやすく、安定的な成形が難しい
という問題を抱えています。当社では、下図のとおり従来のトランスファプレス
トランスファプレス
における工程間の荷重偏りを解消したハイテン材専用プレスを開発・実用化
し、不良率を低減させ安定的な生産を実現しています。また、金型とプレス機
にかかる負担を大幅に軽減し、耐久性向上にも繋がっています。
従来機
トランスファプレス
荷重大
荷重小
荷重中
荷重小
高張力鋼板専用プレス
荷重大
従来機
トランスファプレス
荷重小
荷重中
荷重小
最も大きな加圧力が必要となる1 工程目を既存トランスファプレスから独立させ、
「高張力鋼板専用プレス」を追設。
スライドにかかる荷重の偏りを解消し、製品精度および金型とプレス機の耐久性を向上。
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
一方で欧米では、常温加工できるハイテン材の開発が遅れ、
「ホットプレス」
と呼ばれる、焼入れを利用した熱間加工が多く採用されています。これは鋼板
を約 1,000℃の高温下で成形した後に急冷する工法で、その最大強度はハイ
テン材を上回ります。生産性の低さゆえ、日系自動車メーカーにはあまり採用
されませんでしたが、当社のサーボ技術は、ホットプレスの生産効率も従来の
約 2 倍に向上させました。骨格パネルの強度規格は米国を中心に今後ますます
厳しい水準が求められると予測され、国内自動車メーカーにとってもホットプレ
スへの取り組みは不可避になりつつあり、当社技術の貢献が期待されています。
このようにハイテン材をベースに製品精度の向上を目指されるお客さまに
も、あるいはホットプレスの導入を検討されるお客さまにも、アイダのサーボプ
※ 1 板厚や材質が異なる複数の鋼板を 1 枚の鋼板に溶
接したプレス素材。車の衝突時の人体ダメージ低
減や部品点数削減といったメリットがある。
※ 2 シート状の加工素材をプレス機へ搬送・投入する
システム
レスは技術面のフリーハンドを提供しています。また、従来から多く使用され
ているテーラードブランク材※1 に対しても、専用ディスタックフィーダ※ 2 を開発
するなど、あらゆる要望に対して万全な供給体制を構築しています。
プレス加工のリーディングカンパニーとして
外板パネル用世界最速サーボプレスライン
現在、自動車業界は第二の技術革新期を迎えたといわれます。燃料
電池車・ハイブリッドカー・電気自動車…しかし、たとえエンジン・
駆動系がどのような変貌を遂げようとも、ボディの金属加工は自動車
メーカーにとって重要であり続け、それを手掛けるプレス加工業界の
存在意義は失われることはありません。
その中でもアイダは、あらゆるプレス加工に対応することが可能な
成形システムビルダとして、今後とも技術革新によって国内外のお客
さまのために一層の付加価値を提供するとともに、さらなる成長の機
会を追求していきます。
23
24
| 経営陣による財政状態および経営成績に関する説明・分析 |
受注高および売上高の状況
受注高
2012 年 3 月期における世界経済は、欧州債務危機の影響等による景気減速
(百万円)
の懸念を抱えつつも、全般的には緩やかな回復基調を維持した状態で推移しま
65,785
58,021
した。国内経済については、震災および急激な円高により大きな打撃を受けま
したが、サプライチェーンの復旧も進み、景気は回復基調を辿ってまいりました。
47,924
鍛圧機械製造業界におきましては、円高が長期化する状況ではありました
40,883
33,403
が、国内向け受注では自動車関連向けが増加し、また海外向け受注では米州
および東南アジア地域向けの自動車関連向けが大幅に増加した結果、当期の
受注は前期比17.9%増加の1,805億円((社)日本鍛圧機械工業会 プレス系
機械受注額)となりました。
08/3
09/3
10/3
11/3
12/3
このような状況の下、当社グループは 2012 年 3 月期を第 1 年次とする中期
経営基本計画(3 ヶ年計画)を策定し、
『「成形システムビルダとしての革新」と
「グローバル企業としての持続的成長」をバランスよく実現し、社会から信頼さ
れる企業グループとして発展する』をスローガンとして掲げ、重点施策である
「顧客の創造」および「付加価値の拡大」に取り組んでまいりました。当期は
売上高
まず、需要拡大が続くアジア地域で設備投資を実施し、中国での新工場立ち
(百万円)
64,513
上げおよびマレーシアでの工場増築等により生産能力を増強させました。
60,675
また、商品開発においては , アイダ独自の機構で高生産性と成形性の高さを
52,240
誇るサーボプレスをさらに進化させ、
「DSF−Pシリーズ」の商品化等サーボプ
レスのラインナップの拡大、強化に努めてまいりました。
40,989
34,898
これらの取り組みの結果、当期の受注高は、新規ユーザーを含め日系および
欧州の自動車産業向けが増加し前期比 21.1% 増加の 580 億円となりました。
また、売上高はこうした好調な受注を背景として、日本、米州、欧州で自動車
関連向けが伸張し前期比 27.4% 増加の 522 億円となりました。
08/3
09/3
10/3
11/3
12/3
セグメント別の状況
事業部門別
プレス機械
事業部門別売上高
新興国向けを主体に自動車関連が好調に推移し、受注高は470億円(前期比
(%)
19.7% 増)、売上高は 415 億円(同 27.6% 増)となりました。
0.3
20.1
0.9
19.6
サービス
大型移設工事案件およびタイでの水害復旧工事等により、受注高は106億円
(前期比 29.2% 増)、売上高は 104 億円(同 30.4% 増)となりました。
79.5
79.6
2011 年 3 月期
受注高は 2.8 億円(前期比 19.7% 減)、売上高は 1.8 億円(同 50.8% 減)と
なりました。
2012 年 3 月期
プレス機械
その他
その他
サービス
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
所在地別売上高(外部顧客向け)
(%)
所在地別
日本
自動車関連向けの需要が好調に推移し、売上高は 345 億円(前期比 11.5%
20.4
14.5
11.9
増)
となり、増収効果、操業度向上による売上総利益率改善等によりセグメント
利益は 12.9 億円(同 61.9% 増)となりました。
43.6 38.7
16.7
アジア
30.0
東南アジア地域でのプレス機械販売、サービス売上が好調に推移し、売上
24.2
高は 134 億円(前期比 6.8% 増)、増収効果、売上総利益率改善等によりセグ
2011 年 3 月期
メント利益は 8.8 億円(同 31.0% 増)となりました。
2012 年 3 月期
日本
米州
アジア
欧州
米州
自動車関連向けのプレス機械販売が大幅に増加し、売上高は 94 億円(前期
比 84.7% 増)となりました。損益面では、増収効果によりセグメント利益は 3.5
営業利益(損失)/ 売上高営業利益率
億円 ( 同 77.5% 増 ) となりました。
(百万円 / %)
5,365
欧州
大型案件を含む自動車関連業界向けの販売、サービス売上の増加等によ
8.3
1,461
955
2,221
4.3
3.6
1.6
り、売上高は129億円(前期比100.6% 増)となりましたが、原価率悪化および
経費の増加によりセグメント損失は4.0億円(前期はセグメント利益0.3億円)と
なりました。
–15.8
利益の状況
新興国を主体とした自動車関連向けの需要拡大が続く中、グローバル企業
–5,529
08/3
09/3
10/3
11/3
12/3
営業利益(損失)
営業利益率
として受注、設計、調達、生産およびサービスに至るあらゆるプロセスでグ
ループの連携性を一層高め、中期経営基本計画の諸施策達成に取り組んでま
いりました。円高の長期化や受注・販売の機種構成において採算性の劣る中・
大型機のウエイトが高まる等厳しい側面もありましたが、グループ一丸となっ
1株当たり当期純利益(純損失)
(円)
ての収益性改善への取り組みが奏功し、営業利益、経常利益および当期純利
益の各利益において増益を達成することができました。
50.27
46.90
19.44
12.41
売上総利益については、生産性の改善も含めて増収効果が寄与し、前期比
26.2% 増加の 96 億円となりました。販売費及び一般管理費については、増収
に伴う販売費用や業績改善に付随した人件費の増加等により前期比20.1% 増
加の74億円となりましたが、営業利益においては前期比52.0% 増加の22億円
となりました。営業外損益においては、養老保険満期償還益8億円および為替
差損の減少等により前期比11億円改善し、経常利益は前期比177.5% 増加の
30 億円となりました。特別損益では欧州子会社の事業所統合に伴う閉鎖事業
08/3
09/3
–189.36
10/3
所の固定資産減損損失計上等により1億円の悪化となりましたが、税金等調整
11/3
12/3
前当期純利益は前期比167.2% 増加の29億円、当期純利益は131.5% 増加の
28 億円となりました。
25
26
| 経営陣による財政状態および経営成績に関する説明・分析 |
このように、当期は中期経営基本計画をスタートした第 1 年次として、増収
総資産 / 純資産
増益の達成等目標達成に向けて着実な一歩を踏み出すことができました。1 株
(百万円)
当たり配当金については、こうした決算内容を踏まえ、かつ中期経営基本計画
85,036
57,869
74,796
に掲げる利益配分に関する基本方針に基づき、前期に比べて 8 円増額し 14 円
63,867
61,326
67,342
71,300
45,706 45,216 47,472
といたしました。
財政状態
総資産は前期末に比べて 39 億円増加し 713 億円となりました。主な増加要
因は、現金及び預金の増加 36 億円、有価証券の増加 40 億円で、主な減少要
因は、受取手形及び売掛金の減少 24 億円、たな卸資産の減少 12 億円です。
負債合計は前期末に比べて 17 億円増加し、238 億円となりました。主な増加
08/3
09/3
総資産
10/3
11/3
12/3
純資産
要因は未払金(流動、固定)の増加12億円、買掛金の増加7億円、その他の負
債(流動、固定)の増加7億円で、主な減少要因は、前受金の減少14億円です。
純資産合計は、前期末に比べて22億円増加し、474億円となりました。主な
要因は利益剰余金の増加 24 億円です。この結果、当期末の自己資本比率は
現金及び現金同等物残高
66.5% となりました。
(百万円)
17,129
14,580
キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末と比べ 75 億円増加し、171
億円となりました。
9,859
9,569
営業活動によるキャッシュ・フローは 87 億円の収入(前期は 23 億円の支出)
7,420
となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益 29 億円、減価償
却費 13 億円、売上債権の減少 16 億円、仕入債務の増加 9 億円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは 12 億円の支出(前期は 12 億円の支出)
08/3
09/3
10/3
11/3
12/3
となりました。収入の主なものは有形固定資産の売却 8 億円、支出の主なもの
は有形固定資産の取得による支出 21 億円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは 0.3 億円の収入(前期は 10 億円の支出)
となりました。収入の主なものは短期借入による収入 5 億円、支出の主なもの
は配当金の支払額 3 億円です。
対売上高設備投資額比率
(%)
7.3
設備投資の状況
7.9
当期中に実施しました設備投資の総額は 26 億円で、主なものは中国子会社の
新工場立ち上げ、およびマレーシア子会社の工場増築および加工機追設です。
4.6
研究開発の状況
当社グループでは、当社の開発本部を中心に基幹商品の強化と基盤技術の確
08/3
09/3
立および次世代主力製品開発を基本方針に研究開発に取り組んでおります。
1.7
1.4
10/3
11/3
当期の研究開発費の総額は9 億円であり、日本セグメントで計上しております。
12/3
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
| 事業などのリスク |
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項
特定業種(自動車産業)への依存度が高いことについて
には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関
当社グループにおける自動車産業向けの製品売上高は
する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グ
全体の 3 分の 2 を占めており、自動車業界の好不況の動向
ループが判断したものであります。
およびその設備投資動向は、当社グループの事業、業績お
よび財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
国際的活動および海外進出について
当社グループの生産および販売活動は、日本のほか米
競合等の影響について
州、欧州およびアジア等の各国地域で行われています。こ
当社グループの主要製品である鍛圧機械においては、
れらの海外市場への事業進出には、①予期しない政策、法
グローバル市場で同業他社との間に品質、価格、納期、
律または規制の変更、②外国為替相場の大幅かつ急激な
サービス等において競合が生じています。当業界において
変動、③テロ、疫病、戦争、その他の原因による社会的混
供給過剰や需要の大幅な低下が生じて販売競争がさらに
乱等のリスクが内在しており、現地の状況によっては当社
激化した場合、当社グループの業績に重要な影響が及ぶ
グループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性が
可能性があります。
あります。
退職給付債務および費用について
製品の品質保証について
当社グループの従業員退職給付債務および費用は、
当社グループは日本を含めた世界各国の工場で各国法
割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて
令・基準等に準拠した当社の品質管理基準に従って各種製
算出されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、
品を製造しております。しかし、全ての製品に欠陥がなく、
また前提条件が変更された場合、その影響は将来の会計
将来的にリコールが発生しないという保証はありません。
期間にわたって償却するため、将来の会計期間において認
また製造物賠償責任については保険に加入しております
識される費用および計上される債務に影響を及ぼし、当社
が、この保険が最終的に負担する賠償額を担保できるとい
グループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性が
う保証はありません。さらに当社グループが引き続き製造
あります。
物賠償責任保険に許容できる条件で加入できるとは限りま
せん。大規模なリコールや製造物賠償責任に繋がる製品
地震等による影響について
の欠陥が生じた場合、それらが多額のコストや当社グルー
当社の主力工場は、今後大地震の発生が予想される関
プの評価に影響を与え、その結果、売上が低下し、当社グ
東平野南部の神奈川県西北部に位置しており、これらの地
ループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性があ
域において大地震などの自然災害が発生した場合、当社グ
ります。
ループの生産および業績に重大な影響が及ぶ可能性があ
ります。
原材料仕入価格の変動について
当社グループの製品群の主要原材料は鋼材を始めとす
る鉄鋼製品であり、それらに大幅な価格変動があった場合
には、当社グループの業績と財務状況に重要な影響が及
ぶ可能性があります。
27
28
| 連結財務サマリー |
アイダエンジニアリング株式会社と連結子会社
3 月 31 日に終了した事業年度
増減率(%)
百万円
百万円
2012
2012 vs 2011
2011
2010
受注高
¥58,021
21.1
¥47,924
¥ 33,403
売上高
52,240
27.4
40,989
34,898
売上原価
受注高、売上高、利益(損失)の推移
42,593
27.7
33,346
32,313
販売費及び一般管理費
7,425
20.1
6,181
8,114
営業利益(損失)
2,221
52.0
1,461
(5,529)
税金等調整前当期純利益(純損失)
2,922
167.2
1,093
(8,945)
79
—
(134)
3,144
2,842
131.5
1,228
(12,090)
4.3%
—
3.6%
(15.8)%
¥71,300
5.9
¥67,342
¥ 63,867
47,472
5.0
45,216
45,706
法人税等
当期純利益(純損失)
収益性の指標
売上高営業利益率
総資産、純資産および有利子負債の推移
総資産
純資産 2,048
36.6
1,500
1,000
66.5%
—
67.0%
71.5%
設備投資額
¥ 2,667
286.6
減価償却費
1,378
(1.8)
1,403
2,684
研究開発費
909
(15.7)
1,079
1,203
有利子負債
自己資本比率
設備投資額、減価償却費、研究開発費
¥
689
¥
578
リターンの指標
自己資本利益率(ROE)
6.1%
—
2.7%
(23.4)%
総資産利益率(ROA)
4.1%
—
1.9%
(17.4)%
¥ 8,749
—
¥ (2,359)
¥ 4,857
(1,231)
—
(1,253)
(294)
7,517
—
(3,613)
4,562
35
—
(1,029)
309
17,129
79.0
9,569
14,580
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物期末残高
増減率(%)
円
円
2012
2012 vs 2011
2011
2010
1 株当たりデータ
¥ 46.90
141.3
¥ 19.44
¥(189.36)
配当金
14.00
133.3
6.00
5.00
純資産
781.51
4.9
745.19
715.08
当期純利益(純損失)
(基本的)
株式情報(3 月 31 日)
株価
株式時価総額(百万円)
発行済株式総数(株)
¥
476
27.3
¥
374
¥
390
37,674
27.3
29,601
30,867
79,147,321
—
79,147,321
79,147,321
1,566
6.0
1,478
1,507
その他の情報
従業員数(人)
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
¥40,883
¥65,785
¥67,434
¥62,838
¥53,341
¥37,910
¥38,612
60,675
64,513
62,120
54,303
43,679
39,017
35,646
50,148
49,023
47,180
42,208
34,175
31,894
29,408
9,571
10,124
9,776
8,682
7,476
6,466
6,707
955
5,365
5,164
3,412
2,027
657
(469)
145
5,411
4,809
3,168
2,566
565
(1,825)
(664)
1,825
1,755
1,375
1,285
276
(79)
810
3,585
3,053
1,792
1,281
289
(1,745)
1.6%
8.3%
8.3%
6.3%
4.6%
1.7%
(1.3)%
¥74,796
¥85,036
¥90,076
¥83,510
¥75,687
¥65,418
¥68,118
57,869
61,326
64,138
60,780
59,413
56,186
57,566
500
1,500
—
1,000
—
—
82
77.3%
72.1%
71.2%
72.8%
78.5%
85.9%
84.5%
¥ 3,248
¥ 4,771
¥ 3,087
¥ 1,800
¥ 2,240
¥ 4,620
¥ 4,055
2,728
2,333
1,894
1,814
1,883
1,990
1,823
1,567
1,658
1,433
1,448
1,450
1,727
1,953
1.4%
5.7%
4.9%
3.0%
2.2%
0.5%
(2.9)%
1.0%
4.1%
3.5%
2.3%
1.8%
0.4%
(2.5)%
¥ 2,475
¥ (1,103)
¥ 4,054
407
¥ 3,297
¥ 2,501
¥ 1,054
3,985
(0)
(1,275)
(1,300)
424
(98)
820
6,460
(1,103)
2,779
(892)
3,721
2,402
1,875
(3,599)
(2,162)
(1,609)
(2,078)
1,502
(1,545)
(3,181)
9,859
7,420
11,475
9,983
12,420
6,980
6,404
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
¥ 12.41
¥ 50.27
¥ 42.67
¥ 23.79
¥ 17.40
4.06
¥ (22.90)
5.00
15.00
13.00
10.00
10.00
8.00
8.00
905.90
911.28
893.19
849.94
801.36
805.88
801.11
¥
278
¥
626
¥
828
¥
¥
939
¥
627
¥
¥
460
¥
297
22,002
49,546
65,533
74,319
49,625
36,407
23,506
79,147,321
79,147,321
79,147,321
79,147,321
79,147,321
79,147,321
79,147,321
1,629
1,610
1,539
1,472
1,375
1,050
1,094
29
30
| セグメント情報 |
アイダエンジニアリング株式会社と連結子会社
3 月 31 日に終了した事業年度
増減率(%)
百万円
百万円
2012
2012 vs 2011
2011
2010
2009
2008
¥ 41,574
27.6
¥ 32,581
¥ 27,093
¥ 50,416
¥ 54,036
30.4
8,040
7,392
9,995
10,394
368
412
264
82
事業部門別
売上高
プレス機械
10,483
サービス
181
その他
計
(50.7)
¥ 52,240
27.4
¥ 40,989
¥34,898
¥ 60,675
¥ 64,513
¥ 34,577
11.5
¥ 30,998
¥24,889
¥ 43,171
¥ 46,856
13,490
6.8
12,628
7,034
12,734
12,853
所在地別
売上高
日本
アジア
米州
9,434
84.7
5,107
3,630
8,618
10,847
欧州
12,959
100.6
6,461
7,914
11,591
12,361
(18,222)
—
(14,206)
(8,570)
(15,440)
(18,405)
¥ 52,240
27.4
¥ 40,989
¥34,898
¥ 60,675
¥ 64,513
¥ 1,294
61.9
¥
¥ (2,462)
¥
595
¥ 3,683
アジア
880
31.0
671
59
1,317
1,462
米州
352
77.5
198
(800)
(68)
104
欧州
(405)
—
32
(2,418)
(807)
(164)
消去
計
営業利益(損失)
日本
799
消去
99
—
(240)
93
計
¥ 2,221
52.0
¥ 1,461
¥ (5,529)
¥
(81)
278
955
¥ 5,365
| 四半期別サマリー |
アイダエンジニアリング株式会社と連結子会社
3 月 31 日に終了した事業年度
百万円
増減率(%)
百万円
2012
2012 vs 2011
2011
2010
2009
2008
第 1 四半期
¥12,961
33.8
¥ 9,689
¥ 9,378
¥12,208
¥12,236
第 2 四半期
13,924
49.7
9,304
8,360
15,791
16,740
第 3 四半期
11,844
16.0
10,208
7,089
16,752
13,194
売上高
13,510
14.6
11,786
10,070
15,922
22,341
¥52,240
27.4
¥40,989
¥34,898
¥60,675
¥64,513
¥
603
10.8
¥
¥
¥
408
¥ 1,191
第 2 四半期
511
777.5
58
(703)
390
1,396
第 3 四半期
712
57.1
453
(1,065)
583
851
第 4 四半期
393
(2.7)
404
(2,955)
(426)
1,926
¥ 1,461
¥ (5,529)
955
¥ 5,365
第 4 四半期
計
営業利益(損失)
第 1 四半期
計
¥ 2,221
52.0
545
(805)
¥
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
| 沿革 |
| 会社概要 |
2012 年 3 月 31 日現在
1917 年
会田陽啓により「会田鉄工所」
(東京本所)を創業
会社名
アイダエンジニアリング株式会社
1923 年
関東大震災により工場全焼するも、直ちに再建復興
創業
1917 年(大正 6 年)3 月
1933 年
国産第 1 号機のナックルジョイントプレス完成
創立
1937 年(昭和 12 年)3 月 25 日
1937 年
株式会社会田鉄工所に改組(資本金 20 万円)
1945 年
資本金
戦災により工場焼失するも2 ヶ月後には復旧、操業再開
78 億 31 百万円
1955 年
国産第 1 号機の 200トン高速自動プレス完成
決算期
3 月 31 日
1959 年
相模原市に工場新設(現・本社工場)
従業員数
699 名(連結 1,566 名)
1960 年
国産第 1 号機のトランスファプレス完成
本店所在地
〒252-5181 神奈川県相模原市緑区大山町2-10
1962 年
東京証券取引所市場第 2 部に上場
TEL
042-772-5231
1964 年
本社および亀戸工場を相模原に移転・統合
FAX
1967 年
042-772-5263
世界最大級(当時)の 2,500トントランスファプレス完成
1968 年
ホームページ
国産初の工業用ロボット“オートハンド”を完成
http://www.aida.co.jp
1970 年
社名をアイダエンジニアリング株式会社に変更
1971 年
東京証券取引所市場第 1 部に昇格
1972 年
米国に現地法人設立
1974 年
津久井工場新設(現・相模原市)
1985 年
東京証券取引所信用銘柄に選定
カナダに現地法人設立
1989 年
シンガポールに現地法人設立
1992 年
株式会社アクセス(石川県)設立
1993 年
香港に現地法人設立
1995 年
米国・マレーシアに生産拠点設立
1997 年
タイに現地法人設立
1999 年
ISO 9001 取得
2001 年
ISO 14001 取得
2002 年
中国・フランスに現地法人設立
白山市(石川県)に工場新設
世界初のダイレクト駆動サーボプレス
(現・ダイレクトサーボフォーマ)完成
2003 年
中国に生産拠点を設立
2004 年
ドイツに現地法人設立
2005 年
ブラジル・インドネシアに現地法人設立
イタリアの現地法人を吸収合併し、生産拠点を設立
2007 年
本社隣接地に新工場建設
インドに現地法人設立
2008 年
2,300トンの大型サーボプレス機(世界最大級)を発表
2009 年
メキシコに現地法人設立
2010 年
自社開発・製造のサーボプレス機用大容量サーボモータ
外販開始
2011 年
ベトナムに現地法人設立
2012 年
ロシア・モロッコに現地法人設立
中国の生産拠点を南通市へ移転・拡張
グループ会社
株式会社アクセス
〒924-0821 石川県白山市木津町 1080
TEL:076-274-8200
FAX:076-274-8210
株式会社エービーシー
〒252-0146 神奈川県相模原市緑区大山町 2-10
TEL:042-779-4810
FAX:042-772-5263
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| 拠点情報 |
2012 年 6 月 30 日現在
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生産拠点
グローバルセールス・サービスネットワーク
海外拠点
米州地区
� AIDA AMERICA CORP.(アメリカ)
� AIDA CANADA, INC.(カナダ)
� AIDA ENGINEERING DE MEXICO, S. DE R. L. DE C.V.
(メキシコ)
� AIDA do BRASIL(ブラジル)
欧州地区
� AIDA S.r.l.(イタリア)
� AIDA PRESSEN GmbH(ドイツ)
� AIDA S.r.l. FRANCE(フランス)
� AIDA S.r.l. UK BRANCH(イギリス)
� AIDA S.r.l. CZECH BRANCH(チェコ)
쐅 OOO AIDA(ロシア)
씊 AIDA ENGINEERING CHINA CO., LTD. TIANJIN
OFFICE(天津)
씋 AIDA ENGINEERING CHINA CO., LTD. WUHAN OFFICE
(武漢)
씌 AIDA ENGINEERING CHINA CO., LTD. NANJING OFFICE
(南京)
씍 AIDA ENGINEERING CHINA CO., LTD. SHENZHEN
BRANCH(深圳)
씎 AIDA ENGINEERING CHINA CO., LTD. GUANGZHOU
BRANCH(広州)
アジア地区
씏 AIDA GREATER ASIA PTE. LTD.(シンガポール)
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AIDA ENGINEERING (M) SDN. BHD.(マレーシア)
22
AIDA MALAYSIA SDN. BHD.(マレーシア)
23
AIDA(THAILAND)CO., LTD.(タイ)
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中国地区
쐉 AIDA HONG KONG, LTD.(香港)
PT. AIDA INDONESIA(インドネシア)
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AIDA INDIA PVT. LTD.(インド)
씈 AIDA ENGINEERING CHINA CO., LTD.(上海)
씉 AIDA PRESS MACHINERY SYSTEMS CO., LTD.(南通)
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AIDA VIETNAM CO., LTD.(ベトナム)
27
AIDA GREATER ASIA PTE. LTD. PHILIPPINES
アフリカ地区
쐈 AIDA Maroc Sarl(モロッコ)
REPRESENTATIVE OFFICE(フィリピン)
AIDA ENGINEERING
Annual Report 2012
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国内拠点
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本社
浜松営業所
〒252-5181 神奈川県相模原市緑区大山町 2-10
〒435-0054 静岡県浜松市中区早出町 1643-2
TEL:042-772-5231
TEL:053-463-5171
小山営業所
中部営業所
〒323-0014 栃木県小山市喜沢 1200-2
〒446-0072 愛知県安城市住吉町 7-24-8
TEL:0285-22-4766
TEL:0566-98-6471
高崎営業所
名古屋サービス
〒370-0073 群馬県高崎市緑町 1-22-6
〒485-0082 愛知県小牧市大字村中字池田 1151
TEL:027-363-1661
TEL:0568-73-6271
神奈川営業所
大阪営業所
〒252-5191 神奈川県相模原市緑区根小屋 1752-7
〒571-0017 大阪府門真市四宮 5-7-10
TEL:042-784-5517
TEL:072-882-6181
長野営業所
中・四国営業所
〒393-0047 長野県諏訪郡下諏訪町 4384-1
〒721-0973 広島県福山市南蔵王町 2-25-3
みなとやビル 2F203
TEL:084-922-5350
TEL:0266-28-3951
福岡営業所
〒812-0042 福岡県福岡市博多区豊 1-8-20 F・K ビル
TEL:092-411-8148
33
〒252-5181 神奈川県相模原市緑区大山町 2-10
TEL 042-772-5231 FAX 042-772-5263
Printed in Japan
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