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BIS 国際資金取引統計および国際与信統計の特徴点 (日本分集計結果
BIS 国際資金取引統計および国際与信統計の特徴点 (日本分集計結果:2016 年 12 月末) 1.BIS 国際資金取引統計 (1)残高 ・ 2016 年 12 月末の本邦所在銀行のネット対外債権残高は、2 兆 361 億ドルとなっ た。うち、グロス対外債権は 3 兆 4,550 億ドル、グロス対外債務は 1 兆 4,189 億ドル となった。 対外債権・債務残高 4,000 (10億米ドル) 3,000 2,000 1,000 0 ▲1,000 ▲2,000 13/12末 14/12末 15/12末 債権 債務 16/12末 ネット (注)債権はプラス表示、債務はマイナス表示。 (地域・部門別) ・ グロス対外債権を地域別にみると、先進国(米国等)向け、オフショア向け、先 進国(欧州)向けが、それぞれ 1 兆 3,336 億ドル、9,221 億ドル、9,186 億ドルであっ た。主な地域の内訳部門をみると、先進国(米国等)および先進国(欧州)では非 銀行・非金融機関向け、オフショアでは非銀行・金融機関向けのウエイトが高くなっ ている。 ・ グロス対外債務では、先進国(欧州)向け、先進国(米国等)向け、オフショア 向けが、それぞれ 5,526 億ドル、4,634 億ドル、2,306 億ドルであった。内訳部門を みると、全ての地域で銀行部門向けのウエイトが高くなっている。うち、先進国(米 国等)およびオフショアでは、自行本支店向けのウエイトが高い。先進国(欧州) では、自行本支店、他行向けともにウエイトが高くなっている。 1 グロス対外債権残高(地域・部門別) 1,500 グロス対外債務残高(地域・部門別) (10億米ドル) 600 (10億米ドル) 500 1,200 400 900 300 600 200 300 100 0 0 先進国 (欧州) 先進国 (米国等) オフショア 発展途上国 非銀行・金融機関 先進国 (欧州) 非銀行・非金融機関 先進国 (米国等) 銀行・自行本支店 オフショア 発展途上国 銀行・他行 ダミー (通貨別) ・ 通貨別では、米ドル建ての残高が最大となった(グロス対外債権残高:1 兆 9,347 億ドル、グロス対外債務残高:9,530 億ドル) 。さらに、米ドル建て債権・債務残高 の内訳を国別にみると、債権では米国、ケイマン諸島向け、債務では米国、英国向 けの順となった。 グロス対外債務残高(通貨別) グロス対外債権残高(通貨別) 2,000 (10億米ドル) 1,000 (10億米ドル) 800 1,500 600 1,000 400 500 200 0 米 ド ル 英 ポ ン ド ユ ー ロ ス イ ス フ ラ ン そ の 他 外 貨 0 円 米 ド ル 米ドル建て債権残高(主要向け先国別) 1,200 英 ポ ン ド ユ ー ロ ス イ ス フ ラ ン そ の 他 外 貨 円 米ドル建て債務残高(主要向け先国別) (10億米ドル) 500 1,000 (10億米ドル) 400 800 300 600 200 400 100 200 0 米 国 ケ イ マ ン 諸 島 英 国 シ ン ガ ポ ー ル 0 ル ク セ ン ブ ル ク 米 国 2 英 国 ル ク セ ン ブ ル ク 香 港 シ ン ガ ポ ー ル (邦銀/外銀別) ・ 邦銀/外銀別にみると、グロス対外債権残高は、邦銀が 3 兆 3,212 億ドル、外銀 が 1,338 億ドルとなった。グロス対外債務残高は、邦銀が 1 兆 1,287 億ドル、外銀 が 2,901 億ドルとなった。 ・ うち邦銀については、対外債権は非銀行向け、対外債務は銀行向けのウエイトが 高くなっている。外銀の対外債務は、銀行向けが大宗となっている。 グロス対外債権残高(邦銀/外銀・部門別) 4,000 グロス対外債務残高(邦銀/外銀・部門別) (10億米ドル) 1,400 3,500 1,200 3,000 1,000 2,500 (10億米ドル) 800 2,000 600 1,500 400 1,000 200 500 0 0 邦銀 邦銀 外銀 非銀行・金融機関 非銀行・非金融機関 銀行・他行 その他 外銀 銀行・自行本支店 ・ ネットベースでみると、邦銀の対外債権残高は 2 兆 1,925 億ドル、外銀の対外債 務残高は 1,563 億ドルとなった。 ネット対外債権(部門・通貨別) 外銀 邦銀 2,500 (10億米ドル) 50 2,000 0 1,500 ▲50 1,000 ▲100 500 ▲150 0 ▲200 (10億米ドル) ▲250 ▲500 11/12末 12/12末 13/12末 14/12末 15/12末 16/12末 11/12末 12/12末 13/12末 14/12末 15/12末 16/12末 非銀行(外貨建) 非銀行(円建) 銀行(外貨建) (注)ネットベースで債権はプラス、債務はマイナス表示。 3 銀行(円建) その他 ネット (2)前期からの増減 ・ グロス対外債権は、前期から増加した(為替調整済前期差1+325 億ドル)。オフショ ア向け(同+457 億ドル)、先進国(欧州)向け(同+320 億ドル)が増加した一方、 先進国(米国等)向け(同▲436 億ドル)が減少した。 ・ グロス対外債務は、前期から増加した(同+349 億ドル)。先進国(欧州)向け(同 +297 億ドル)、オフショア向け(同+255 億ドル)が増加した一方、先進国(米国 等)向け(同▲210 億ドル)、発展途上国向け(同▲20 億ドル)が減少した。 グロス対外債権 (為替調整済前期差・地域別) 200 グロス対外債務 (為替調整済前期差・地域別) (10億米ドル) 150 150 (10億米ドル) 100 100 50 50 0 0 ▲50 ▲50 ▲100 ▲100 ▲150 15/6末 15/12末 16/6末 先進国(欧州)向け 発展途上国向け 15/6末 16/12末 先進国(米国等)向け その他向け 15/12末 16/6末 16/12末 オフショア向け 計 ・ 主な向け先国別にみると、グロス対外債権では、ケイマン諸島向け(為替調整済 前期差+226 億ドル)、ルクセンブルク向け(同+193 億ドル)が増加した。グロス 対外債務では、ルクセンブルク向け(同+468 億ドル)、ケイマン諸島向け(同+161 億ドル)が増加した。 グロス対外債権・債務の増減がみられた主な向け先国 グ ロ ス 債 権 グ ロ ス 債 務 1 向け先国名 ケイマン諸島 ルクセンブルク シンガポール フランス ドイツ ルクセンブルク ケイマン諸島 シンガポール ドイツ カナダ 増加 +226 +193 +176 +112 +57 +468 +161 +69 +57 +20 (為替調整済前期差、億米ドル) 向け先国名 減少 米国 ▲462 英国 ▲50 台湾 ▲15 ベルギー ▲13 インドネシア ▲10 米国 ▲232 フランス ▲173 ベルギー ▲20 オランダ ▲17 ラオス ▲12 為替調整済前期差は、原通貨建の残高の前期差を期中平均レートで米ドル建てに換算することにより、主要通 貨(円、ユーロ、英ポンド、スイスフラン)の為替レートの期中変動を調整した参考計数。 4 2.BIS 国際与信統計 ・ 2016 年 12 月末の邦銀の国際与信残高(最終リスクベース)は、3 兆 7,787 億ドル となった(前期差▲759 億ドル)。うち、先進国(米国等)向けが 1 兆 8,100 億ドル、 先進国(欧州)向けが 8,230 億ドルであった。 国際与信残高(地域別) 4,000 (10億米ドル) 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 13/12末 14/12末 15/12末 先進国(欧州)向け オフショア向け 国際機関向け 16/12末 先進国(米国等)向け 発展途上国向け ダミー ・ 主な向け先国別にみると、先進国向けでは米国向け(前期差▲105 億ドル)、フラ ンス向け(同▲101 億ドル)、オフショア・発展途上国向けでは、ケイマン諸島向け (同▲360 億ドル)が減少した。 先進国向け 向け先国名 ベルギー デンマーク カナダ ドイツ ニュージーランド 増加 +23 +16 +9 +8 +1 (前期差、億米ドル) 向け先国名 減少 米国 ▲105 フランス ▲101 ルクセンブルク ▲51 英国 ▲35 アイルランド ▲31 オフショア・発展途上国向け 向け先国名 中国 インド シンガポール 台湾 サウジアラビア 増加 +26 +25 +20 +15 +10 (前期差、億米ドル) 向け先国名 減少 ケイマン諸島 ▲360 マレーシア ▲18 韓国 ▲17 メキシコ ▲14 バミューダ諸島 ▲14 5 ・ クロスボーダー/現地向け別にみると、クロスボーダー与信(前期差▲1,141 億ド ル)が減少した一方、現地向け与信(同+383 億ドル)が増加した。 現地向け与信残高(地域別) クロスボーダー与信残高(地域別) 3,500 (10億米ドル) (10億米ドル) 1,000 3,000 800 2,500 2,000 600 1,500 400 1,000 200 500 0 0 13/12末 14/12末 15/12末 16/12末 13/12末 14/12末 15/12末 先進国(欧州)向け 先進国(米国等)向け オフショア向け 発展途上国向け 国際機関向け ダミー 16/12末 ・ 主な向け先国別にみると、クロスボーダー与信では、米国向け(前期差▲397 億ド ル)、ケイマン諸島向け(同▲360 億ドル)が減少した一方、現地向け与信では、米 国向け(同+291 億ドル)が増加した。 クロスボーダー与信 向け先国名 インド 中国 デンマーク サウジアラビア ジャージィー 増加 +21 +20 +16 +10 +10 (前期差、億米ドル) 向け先国名 減少 米国 ▲397 ケイマン諸島 ▲360 フランス ▲94 ルクセンブルク ▲50 英国 ▲40 現地向け与信 向け先国名 増加 +291 +23 +20 +18 +13 米国 シンガポール ベルギー 台湾 ブラジル (前期差、億米ドル) 向け先国名 減少 香港 ▲17 マレーシア ▲14 フランス ▲7 イタリア ▲5 韓国 ▲4 以 照会先 金融市場局総務課市場統計グループ Tel:03-3279-1111(内線 2841) 電子メール:[email protected] 6 上 (参考1)BIS 国際資金取引統計(日本集計分) 本統計は、BIS が四半期毎に公表するグローバル・ベース(46 か国・地域)の統計(Locational Banking Statistics)の日本分の集計結果。 ・対象金融機関・・・ 日本に所在する銀行のうち、特別国際金融取引勘定(JOM 勘定)承 認銀行等(外国銀行の在日拠点<支店・現法>を含み、邦銀の海外拠 点<支店・現法>は含まない)。 ・対象時点・・・・・ 毎四半期末(3、6、9、12 月末)時点。 ・対象計数・・・・・ 対象金融機関のオンバランス債権債務残高のうち、非居住者向け(円 建て・外貨建て)を対象としている。債権債務残高には、信託勘定や、 自行海外本支店および海外現地法人との取引残高を含む。 ・部門分類・・・・・ 公表データは、取引相手先の部門に応じて、銀行(うち本支店) 、お よび非銀行(うち非銀行金融機関)に区分されている。 (参考2)BIS 国際与信統計(最終リスクベース:日本集計分) 本統計は、BIS が四半期毎に公表するグローバル・ベース(31 か国・地域)の統計(Consolidated Banking Statistics)の日本分の集計結果。 ・対象金融機関・・・ 日本に本店を有する銀行のうち、特別国際金融取引勘定(JOM 勘定) 承認銀行等。 ・対象時点・・・・・ 毎四半期末(3、6、9、12 月末)時点。 ・対象計数・・・・・ 対象金融機関(連結ベース)の国内本支店および海外拠点(支店・現 法)のクロスボーダー与信残高、海外拠点(支店・現法)の現地向け 与信残高を対象としている。ただし、信託勘定を含み、国内外の自行 拠点向けの債権を含まない。 ・与信の分類・・・・ 与信(非居住者向け債権)は、保証や担保を勘案した最終的なリスク が所在する地域・国別に区分され、例えば、英国現法向け与信に対し て米国の親会社が保証を行っている場合、当該与信の最終リスクは米 国に区分されている。 なお、現地向け与信には、海外支店・現法が実行する与信のうち、 当該拠点が所在する国の債務者向け、かつ最終リスクも同国内向けで あるものを計上している。 ・部門分類・・・・ 公表データは、取引相手先の部門に応じて、公的機関、民間銀行、お よび民間その他(うち非銀行金融機関)に区分されている。 7