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居ながら建替えの問題解決法は?

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居ながら建替えの問題解決法は?
第2部
賢いリニューアル事業のキーポイント
A. 居ながら建替の問題解決法は?
B. 高騰するコストにどう対応する?
C. 建物をグレードアップするリニューアルとは?
1
12
A. 居ながら建替の問題解決法は?
① 法規制のクリア
(耐震、建築基準法、開発関係の都市計画法、医療法など)
②種地はあるか
(使っていない建物が無い場合、種地が必要)
③既存の設備は使えるか
④工事中の医業継続は可能か
⑤工期が長期に及ぶ
⑥使える補助制度はあるか
2
13
A. 居ながら建替の問題解決法は?
①
法規制のクリア
a. 耐震診断と耐震改修
b. 建築基準法と開発関係都市計画法
c. 医療法改正と居ながら建替
3
14
a. 耐震診断と耐震改修
〇
〇
旧耐震建物の居ながら建替は可能か
耐震診断義務化への対応
旧耐震建築物(昭和56年9月以前竣工の建物)の
居ながら建替については、基準法の考え方を含め説明
します。
次に、昨年度平成25年に制定された耐震診断義務化
の説明を行います。
4
15
〇
旧耐震建物の居ながら建替は可能か
居ながら建替(増改築)を行う場合、
接続される既存建築(既存不適格)に耐震診断・改修工事が要求され
ます。(その他の基準法も適用される)
● 原則
現行法規による建物改修
・構造基準
・その他の法規
● 構造関係
現行法規に合わせる
現行法規に合わせる
上記が不可能な場合
①既存部分が新耐震構造基準による場合
(平成56年10月以降の建物)
・構造計算をやり直す
・または、EXP-Jで構造的に別棟とする
②それ以前の建築の場合
(構造計算のやり直しにより不可の場合)
・EXP-Jで構造的に別棟
・かつ、耐震改修促進法により耐震改修工事を行う
● その他の建築基準法、消防法等の規制
・エレベータの遮煙Sh,シックハウス、内装制限等
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■現行法規に合致する建物とは
現行法規とは、一般的に建築基準法の最新の構造基準を意味します。
最近の構造基準の変更はRC構造では2007年に行われています。
一方、S造では2000年に行われています。従って、それ以降に確認申請を
出し、竣工時に検査済み証を受けている建物は、概ね現行法規に合致して
いると言えます。
鉄骨造(S造)建築物は2000年以降から現行基準に
合致するものが多い
(参考)構造基準の主な変遷
1981年(昭和56年)
新耐震設計法の導入
2000年(平成12年)
鉄骨造 鋼材の種類規定
2007年(平成19年)
RC耐力壁の計算方法
6
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■現行法規に合致する建物とは
現行法規とは、一般的に建築基準法の最新の構造基準を意味します。
最近の構造基準の変更はRC構造では2007年に行われています。
一方、S造では2000年に行われています。従って、それ以降に確認申請を
出し、竣工時に検査済み証を受けている建物は、概ね現行法規に合致して
いると言えます。
鉄骨造(S造)建築物は2000年以降から現行基準に
合致するものが多い
(参考)構造基準の主な変遷
1981年(昭和56年)
新耐震設計法の導入
2000年(平成12年)
鉄骨造 鋼材の種類規定
2007年(平成19年)
RC耐力壁の計算方法
7
18
■別棟とは何か?
建築基準法上の別棟(意匠上・構造上がある)、その他 消防法上別棟もある
◎建築基準法上の別棟解釈は、平成17年に大きく変わった。
◎平成17年以前はエスパンションジョイントで繋がれた建物は、別棟と
解釈されていたが、17年以降は一つの建物とされるようになった。
◎現在別棟とされるのは、下記のような場合のみ。(1F、屋根のみ)
☆
☆
医療法としては、この別棟は患者が風雨にさらされるとして認め
ないところが多かった。
このため、ビニールで廊下を覆うなど、苦労される病院がみられた
8
19
■別棟とは何か?
◎ところが、平成24年9月14日の施行令改正により大いに変わった
増改築の構造関係施行令が改正され、増改築に懸かる部分が、
それ以外の部分とEXP-J等の応力を伝えない構造方法のみで
接する場合についての規定が付加された。
つまり、EXP-J等で接続する建物については、既存部分につい
ては、耐震改修にとどめ、現行法の適用は求めないことと
なった。つまり、構造的には別棟となった。
各階 内廊下
1F吹きさらし廊下
24年9月以降
既存
新築
既存
20
新築
■結局、既存不適格建築物を増築できるのか?
◎条件はつくものの、EXP-Jで繋げば、できるようになった。
条件: 構造的には別棟解釈をすることになり、既存部分を別個に
耐震診断し改修すればよい。
ただし、構造的以外には別棟ではなく繋がった建物なので
内装制限、シックハウス、避難関係、消防法関係は遡及適用
される。(つまり、既存部分を現在の法規に合わせ改修必要)
以前(17年以降は面積規制)
現在(25年9月以降)
各階 内廊下
1F吹きさらし廊下
24年9月以降
既存
新築
既存
新築
条件はつくものの可能
以前の姿
(½ならOKだった)
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耐震診断義務化への対応
〇
増改築をしなくても、耐震診断が義務化された!
耐震診断義務化への対応
《耐震診断・改修に懸かる法制度の改正》
法令改正
1995年(平成7)に策定された耐震改修促進法が2013年
(平成25)に改正された。(2005年 (平成17)改正も重要)
改正内容
(1)不特定かつ多数の者が利用する大規模な建築物等に対する耐震診断の義務付け
(2)耐震診断及び耐震改修の努力義務の対象となる建築物の範囲の拡大
現行の建築基準法の耐震関係規定に適合しない全ての建築物を対象とする
(3)耐震改修計画の認定基準の緩和による増築及び改築の範囲の拡大
並びに認定に係る建築物の容積率及び建ぺい率の特例措置の創設
(4)建築物の地震に対する安全性に係る認定制度の創設
(5)区分所有建築物の耐震改修の必要性に係る認定制度の創設
11
(6)耐震対策緊急促進事業による助成(国)、及び自治体による助成制度
22
耐震診断及び耐震改修の努力義務の対象となる建築物の範囲の拡大
耐震関係規定に適合しない全ての建築物
⇒
努力義務の対象
耐震診断の義務付けの対象となる建築物
昭和56年5月31日以前に 新築した建築物で
多数の不特定者が利用する大規模な建物など
⇒耐震診断の義務化
①
「要緊急安全確認大規模建築物(国による規定)」
《平成27年末までに耐震診断の実施及び報告》
・病院、店舗、旅館などの不特定利用者建築物
・小学校、老人ホームなどの避難弱者が利用する建築物
・火薬などの危険物を取り扱う建築物
②
「要安全確認計画記載建築物(自治体による指定)」
《自治体が定める期間までに耐震診断の実施と報告》
・地方自治体などが指定する避難路沿道建築物
・都道府県が指定する庁舎、避難所などの防災拠点建築物
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京都市特定既存耐震不適格建築物耐震診断助成事業
病院や避難所のように災害時に防災活動拠点となる特定既存耐震不適格建築物や, 倒壊した場合に緊急輸送道路等を塞
ぐおそれがある特定既存耐震不適格建築物は, 早急に耐震化を進める必要性があるため,京都市では,これらの建築物の
耐震化を 支援する事業を行っています。
本事業では,昭和56年5月31日以前に着工された特定既存耐震不適格建築物に対し, 耐震診断に要する費用の一部を補
助します。 《耐震診断費用の3分の2。かつ最大200万円 12月26日まで受付》
対象建築物
・昭和56年5月31日以前に着工されたもの
・建築基準法の確認済証及び検査済証の交付を受けたことが確認できるもの
・速やかに耐震化のための措置を講じる予定の建築物であるもの
・以下のいずれかに該当するもの
1.病院(3階かつ1,000㎡以上のもの)
2.地域防災計画に記載されている避難所(3階かつ1,000㎡以上のもの)
3.倒壊した場合に,緊急輸送道路や避難路を塞ぐおそれがある建築物
※緊急輸送道路,避難路は,下記添付ファイルを参照ください。
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30
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〇
耐震診断・改修工事の費用
耐震改修計画と施工計画
《事例
N病院》
目的
老朽化した病院建築のリニューアルを計画中。
病棟の耐震性能改善が気がかりであった。
京都府からの補助金が下りることになった折に、
ゼネコンの営業もあり決断された。
経過
リニューアル計画に含んでの耐震診断及び改修工事を実施
第一次、二次診断により改修工事の見積もり後着手
診断費用
改修費用
補助金
300万円余
8000万円余
2000万円程度
21
32
延べ面積
6,211 ㎡
対象病棟(東棟) 3,883 ㎡
RC4F
昭和53年竣工
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33
耐震診断及び耐震改修の流れ
①予備調査
現地目視・図面による予備検討
耐
震
診
断
②耐震調査
現地調査・コア採取
試験場試験期間
データ整理
報告書作成
③耐震強度指標値の検討
補強の必要性検討
1次診断(壁の多い建物)
2次診断(柱・壁の検討)
3次診断(柱・梁の精密検討)
不要⇒継続使用
必要⇒建替え
⇒耐震補強
工期1月 350万円
診断時の補強案再検討
補強の実施設計
補強案の作成
耐
震
改
修
耐震性に問題があるかの検討
耐震診断実行するかの判断
④耐震補強(改修)設計
⑤耐震改修工事
工期3.5月 8000万円
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34
改修後の写真
24
35
■耐震診断の方法、費用の目安
新耐震構造基準(昭和56年7月以降)以外の既存不適格建築物に接続して増改築を行う
には、耐震診断が必要です。その結果により適切な耐震改修工事が必要になります。
(1)耐震診断の方法
・材料確認;コア抜き(一軸圧縮試験、中性化試験)
・図面確認;構造図、構造計算書
(2)診断費用の目安(右グラフ参照)
・建築確認申請に必要な精度は2次診断まで。
・病院で多い規模として、
①RC造3階建 2,000㎡ → 250万程度
②RC造3階建 3,500㎡ → 300万程度
・耐震診断の結果、補強が必要との判断になれば
引き続き耐震改修設計を行うことになります。
耐震改修設計費用は、工法や程度により変わり
ますので、いわゆる坪単価的には決まりません。
今回のモデルでは、2億から3億程度です。
耐震改修工事の費用については柱の補強鉄板巻き、
耐震壁、ブレースの増設、レトロフィット(免震)など方
法により大きく変わりますのでその都度見積りを取り、
費用対効果を考慮して判断していきます。
25
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■耐震診断・改修工事費用の目安
耐震診断とりわけ改修工事の費用は、ケースバイケースです。
ここでは、国交省の想定費用をまとめます。
耐震診断費用
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○ 耐震改修はどこまでする?
①
耐震診断義務化
3階5000㎡
②
特定既存耐震
不適格建築物
3階1000㎡
③
医療施設耐震化臨時
特例交付金
まとめ
対象建築物であれば耐震診断は努力義務
しなければ、公表される
結果、改修が必要であればこれも努力義務
診断費用は補助あり
行政により異なるが病院等、災害時に避難
上重要な不適格建築物は耐震診断努力義務
補助制度あり
災害拠点病院、二次救急医療機関の耐震化補助
○ 平成25,26年度は国が決め都道府県が実施した。
○ 平成27年度は国において 計画無し
● 平成26年度の分で残があり、27年3月中着工できる場合
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b. 建築基準法と開発関係都市計画法
都市計画法
■都市計画法の改正により、 増築する場合、何が一番問題となるのか?
■市街化区域に建設する社会福祉施設にかかる規制の内容
■平成19年11月30日の都市計画法の改正により、病院や社会福祉施設は、開発許可
の除外対象から外れた。(同法29条)
※開発行為とは「区画形質の変更」を意味し、地盤面の切り土・盛り土だけで
はなく、隣地を購入して敷地の区画を変更する場合も該当する。
改正後
・病院について、市街化調整区域では、
原則建設が不可となった。
・法改正以前の建物であれば、既存宅地
の範囲では建てられるが、開発申請が
必要となる。
法改正前
・病院は審議会対象であったが、
一般的に許可されてきた。
39
都市計画法
既存宅地である場合についても、開発許可の条件は厳しくなっている。
改正後
・開発許可の除外対象外のため、敷地境
界の明示、新たな道路建設、公園・緑地
の提供など技術基準がある。クリアしけ
ればならないハードルは高い。
法改正前
・開発許可の除外対象のため、
接道条件の規制や治水協議等
が必要なかった。
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c. 医療法《建築に関わるもの》
平成15年以降の医療法改正により、建築計画に大きく関係するもの。
《医療法及び医療国保による建築基準》
・廊下幅
・病室
療養・精神病床
一般病床
内法面積
2.7m(1.8m)
2.1m(1.8m)
6.4㎡/床
以上の基準(療養病床や加算は除く)があるが、増築、改築時において、
廊下幅、内法面積については一定条件を付して 緩和されている。
新たな病室造る、病室の壁を改築することをしなければ、既存状態を
存続することを緩和されている。
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A. 居ながら建替の問題解決法は?
1.法規制をクリアする
2.種地はあるか?
3.切れ目無い医業継続
4.建替工事の工期
5.建替工事の設備設計と工事
6.補助制度
1
42
2.種地はあるか?《種地は居ながら建替に不可欠な要因》
〇
十分な面積の種地場合の手法
・敷地内 移転新築が可能
・少ない工期分けで建替が可能
〇
十分でない場合の手法
・工期分け回数が増える
・種地の容積率、あるいは建築制限を外す
・隣接地を加え種地面積を確保する
・既存建物の病床などを一時期減らす
43
3
リニューアル事例−1
隣地を加えて1回で建て替え、既存は解体
•
駐車場に新築。十分な種地により1回で建て替え完了
•
既存解体後駐車場整備
既存解体後 駐車場へ
将来建て替え使用地にも
既存
新
館
種地はあるが、設備の盛り替え(下水・ガスなど)、浄化槽の撤去などが発生
44
4
リニューアル事例−2
空地を利用し現地にて数回に分けて建替
第1部
敷地内空地(種地)を利用し、居ながら既存建物の解体・増築を繰り
•
返す。
現
小刻みな解体により、工事中も病床数維持
本館解体
況
本館
本館
本館
厨房
南館
種地
その①
解体
厨房
本館
南館
南館
1期棟
その②
本館
解体
本館解体
2期棟
厨房
南館
1期棟
その③
解体
本館
2期棟
1期棟
2期棟増築
1期棟増築
本館解体
厨房
厨房
南館
3期棟
3期棟
2期棟
厨房
2期棟
厨房
南館 1期棟
南館
3期棟増築
1期棟
厨房
南館
南館
45
1期棟
将来建替予定
リニューアル事例−3
既存とは渡り廊下でつなぐ「別棟」増築
• 昭和31年から平成20年までの建物が並存
• 増築棟を計画した際に既存棟の建築基準法の問題を整理して計画
病棟
増築
2008年9月竣工
55
耐震改修
病棟改修
46
渡り廊下
6
リニューアル事例−4
既存を解体して種地を捻出、ベッド仮移転
-180床
解体
仮設外来
解体
高度地区特例
8階
南
館
北
館
1
期
棟
180
床
450
床
414
床
-216床
北
館
厨房
1期棟を最大限に新築
南館解体、種地の捻出
•
建て替えのための種地が無いため、厨房
の無い建物半分を解体して空地を確保
•
病床は関連病院へ仮移転(最大216床)
•
病床以外は仮設棟で対応
•
将来建替用地を確保
1
期
棟
414
床
2期棟
216床
建替え
用地
建て替え用地を確保し2期棟新築
47
7
リニューアル事例−5
隣地を加えて日影規制をクリア、既存に接続
•
日影規制で種地に建てられる規模に制限
⇒北側隣地を取り入れ、新館を最大限に新築(目標:解体1号館同等以上)
•
敷地の追加のため、都市計画法29条(開発)規制がかかる
⇒道路の拡幅、公共緑地の確保等が必要
3号館
2号館
隣地追加
3号館
1号館
種
地
2号館
現況
1号館
7階
4600㎡
開発が掛かり、道路拡幅
48
新
館
4階
4500㎡
日影クリア
3.切れ目無い医業継続
継続の条件
〇
〇
物理的に医業継続条件が整う建替
対象患者さんの地域内での建替
移転新築が最善であるが、敷地や事業予算に制限
がある場合は、現地居ながら建替を選択すること
になる。
建設関係予算
移転新築
《新たな敷地の土地代+新病院建設費用+既存解体費用》
現地居ながら《既存解体費用+新病院建設費用+工期わけ処置費用》
建替
49
4.建替工事の工期
移転新築の場合は、新病院の建設工期が建替工事工期となるが、
現地居ながら建替工事では、種地に第1期工事を終えたのち、
既存解体、次期工事、さらに設備等の盛かえ後、次の既存解体
となり、予想以上に工期が掛かる。
和歌山F病院の事例で詳細を見ていきます。
50
藤民病院(療養病床)
51
準備
盛替・解体
盛替・解体
本館解体
①
現
況
本館
南館
本館
本館
厨房
種
地
厨房
南館
南館
その
解
体
本館
厨房
1期棟
1期棟増築
本館解体
②
解
体
本館解体
③
解
体
本館
2期棟
2期棟
厨房
南館 1期棟
南館
1期棟
厨房
2期棟増
築
その
本館
盛替・解体
3期棟
南館 1期棟
3期棟増
築
3期棟
2期棟
厨房
南館 1期棟
その
厨房
南館
南館
52
2期棟
1期棟
厨房
将来建替予定
免震構造
建物構造
地上4階建
廊下
食堂兼多目的室
男子更衣室
免震構造
病室 4人室
透析室
廊下
リハビリ室
廊下
エントランス
ホール
高減衰積層ゴム系免震装置
手術ホール
供給
廊下
手術室
受付会計
53
薬局
免震構造
性能
寿命
工期
費用
地震の加速度が1/2∼1/3程度まで減衰
免震ゴムの寿命は60年程度と言われている
地下の免震層及び免震装置として2∼3ヶ月
低層と高層で異なる。
1∼3階で 15∼20%
4、5階で
10%
7.9階では3∼5%
廊下
食堂兼多目的室
男子更衣室
病室 4人室
透析室
廊下
リハビリ室
廊下
エントランス
ホール
手術ホール
受付会計
供給
廊下
手術室
薬局
54
5.建替工事の設備設計と工事
建替工事は、既存の設備更新も含んでいる。
現地居ながら建替の場合は、工事中は既存の設備インフラを残しつつ、
順次更新していくことになる。
また、工期わけ工事に際して、これらの設備インフラの盛かえ工事が発
生する。
事例では、着工第一に厨房の建替を行い、工事中に厨房機能を中断させ
ない工夫や、手術室の切り替え時期に注力
するケースがあった。
電気、水道や排水のインフラ、及び、災害対策設備も建替のどの時点で
も機能する工夫も必要である。
55
6.補助制度
医療施設の耐震化による交付金については、臨時特例交付金《災害拠点
病院等の耐震化補助》が26年度で終了となった。
運営補助や少額の施設整備補助はあるが、額が少なく27年度中の事業
完成が条件となっている。
大阪府の例
1 「医療提供体制施設整備交付金」
(1) 共同利用施設施設整備事業
(2) 医療施設近代化施設整備事業
(3) がん診療施設施設整備事業
(4) 医学的リハビリテーション施設施設整備事業
(5) 医療施設耐震整備事業(※構造耐震指標Is値0.3
未満の一般病院(救急告示病院以外)が対象です。)
(6) アスベスト除去等整備事業
(7) 院内感染対策施設整備事業
(8) 医療機器管理室施設整備事業
(9) 地球温暖化対策施設整備事業
(10) 内視鏡訓練施設施設整備事業
2 「医療提供体制推進事業費補助金」
(1) がん診療施設設備整備事業
施設設備整備事業
(3) 院内感染対策設備整備事業
(4) 内視鏡訓練施設設備整備事業
3 「医療施設等施設整備費補助金」
(1) 研修医のための研修施設整備事業
(2) 臨床研修病院施設整備事業
(3) 有床診療所等スプリンクラー等施
設整備事業
15
56
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