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千葉地区コンビナート RING事業について
「エネルギーフロントランナーちば推進戦略」策定委員会 第1回会合 2006年11月30日 資料3 千葉地区コンビナート RING事業について 経済産業省 資源エネルギー庁資源・燃料部石油精製備蓄課 石油コンビナート高度統合運営技術研究組合 ◇石油・石化コンビナート ●石油・石化コンビナートは、1960年代から全国各地に建設され発展、 わが国経済の高度成長に大きく貢献 東燃ゼネラル石油 156 新日本石油精製 115 コスモ石油 80 水島 新日本石油精製 250 ジャパンエナジー 200 三菱化学 山陽石油化学 450 443 石油 450 石化 893 周南 出光興産 120 出光興産 623 石油 120 石化 623 大阪石化 455 堺・泉北 石油 351 石化 455 鹿島 石油 155 昭和電工 581 石化 581 石油:TOP能力(千BPSD)2005年4月 石化:エチレン能力(千T/D)2005年末 190 石化 828 千葉 大分 九州石油 155 石油 四日市 4,764 7,232 石油 365 石化 493 昭和四日市石油 210 コスモ石油 155 東ソー 493 川崎 石油 827 石化 2477 東燃ゼネラル石油 335 東亜石油 185 石油 520 石化 882 新日本石化 東燃化学 鹿島石油 190 三菱化学 828 出光興産 コスモ石油 極東石油 富士石油 220 240 175 192 出光興産 丸善石化 京葉エチレン 三井化学 住友化学 374 480 690 553 380 478 404 1 ◇アジアの新たなコンビナート台頭 ●アジアの新たなコンビナートの台頭(台湾、インド、サウジ等) 高い経済成長、大きな潜在市場や有利な原料基盤を背景に 急速に生産力を拡大 代表コンビナート アジア圏の大規模石油・石化コンビナート 麗水 上海 ジャムナガール ジュベール 千葉 麦寮 原油処理 (万BD) エチレン分解 (万トン/年) 千葉 (日本) 83(4) 247(5) 麗水 (韓国) 65(1) 280(3) 麦寮 (台湾) 45(1) 190(1) 上海 (中国) 130(4) 93(1) 129(4) 188(2) (サウジ) 30(1) 230(1) ジャムナガール (インド) 60(1) ハジラ 75(1) シンガポール シンガポール ジュベール (括弧内:企業数) 2 アジア諸国とのコンビナート比較 ●台湾、韓国等のアジア諸国と比べて、小規模で分散しており、 石油精製間及び石油化学とのインテグレーションの必要性 日本(千葉) 石油化学間の一部共通配管 R R R R C C C C 製油所、企業単位 での合理化に限界 台湾(麦寮:マイリャオ) RC 石油精製・石油化学が一体 (1グループ) エチレン等一部 中国(上海) 韓国(麗水:ヨース) R RC C C C C RC 石油精製1社と石油化学3社が一体 (注)R:石油精製 C:石油化学 3 ◇わが国のコンビナートの貢献と課題 ●コンビナートの工業出荷額は、わが国全体の約8%を占める。 製造産業力への大きな貢献のみならず、地域の豊かさにも寄与 省エネ、C02排出量削減 省エネ、C02排出量削減 のインパクト大 のインパクト大 地球環境問題 コンビナート地区工業出荷額 兆円 への対応 6 5.7 出荷額合計22.2兆円 5 日本の総出荷額284兆円 の約8% (2004年) 食料品 9.9 4 他の3業種 4.4 3 2 分 大 南 周 市 日 四 島 鹿 北 ・泉 堺 崎 川 水 葉 千 大分 周南 四日市 鹿島 堺・ 泉北 川崎 水島 千葉 島 1 0 限りある石油 資源の有効活用 他の6業種 3.8 飲料他 3.6 化学 19.1 生活関連 他17.3 情報通信機械 加工 千葉県 5.1 組立 11.3兆円 20.6 電子・デバイス 基礎素材型 5.3 一般 62.2 機械 鉄鋼 他の 5.9 11.7 6業種 金属 8.8 製品 5.4 石油・石炭 17.2 ●石油・石炭、化学、鉄鋼で 5.4兆円 (千葉県総出荷額の48%) 4 ◇コンビナートの競争力強化に向けて ①コンビナートの連携強化・拡大 ・電力、蒸気、水素、廃棄物のエネルギー活用等 (省エネルギー) 地球環境問題 への対応 限りある石油 資源の有効活用 ②世界トップレベルの技術開発 ③重油分解能力向上、石化原料の供給(プロピレンの 更なる生産)、原料の多様化 ④規制緩和 強靭な輸出競争力、海外展開にむけた基盤強化 5 千葉地区コンビナートにおける競争力強化 石油精製 規模 強 高付加 価値 み インフラ 技術 アジア圏競争 での強化点 石油化学 日本最大のエネルギー、素材産業集積地(4製油所、5エチレンセンター、2鉄鋼) アジア圏で最大規模クラス → 連携効果大 クリーン燃料生産比率が高い → 副生水素も高付加価値化の可能性大 プロピレン・アロマ誘導品が強い →フェノール、ポリプロピレン、エラストマー(アジアトップ) プロピレンオキサイド、スチレンモノマー(国内最大) 電子情報材料、自動車材用高付加価値品が多い 原油共同パイプライン、隣接製油所からナフ サパイプライン送液、大型タンク桟橋 エチレンセンター間の基礎的製品、半製品パイ プライン網が地区横断的に充実 石炭研、石油燃料研、潤滑油研等あり 特殊化成品、機能性樹脂、機能性無機材料、ファ インケミカル 各社の研究、開発拠点(中央研究所)が集中 重油分解能力:中位(日本平均並) シンガポール以上、韓国同等で、アジアの 重油高分解型製油所に比較すると弱い 原油共同揚荷以外の共同事業がない エチレン、プロピレンのコスト競争力強化必要 (エネルギー、労務費が高い) プロピレン/エチレン生産比は、アジアトップの 台プラ(麦寮)と比較すると弱い 自消ナフサ比率が小さい 用役、エネルギーの企業間連携が弱い(水素、電力、蒸気等のパイプライン連携は限定的) 石精石化インテグも部分的。原料多様化・廃棄物活用による全体最適化が必要 コンビナート 全体 企業グループ内の基本的な留分用役インテグインフラは整備 コンビナート全体の連携強化必要→ RINGⅡを起点に企業間規模で、連携高度化中 アジアトップレベルの総合的・大規模コンビナートへのポテンシャル大 6 ◇千葉地区RING事業の展開 RINGⅠ 平成12~14年度:5地区 石油精製高度統合運営技術開発 コンビナート・ルネッサンス RINGⅡ 平成15~17年度:5地区 石油精製環境低負荷高度統合技術開発 ●コンビナート先端的複合生産技術開発 出光興産、三井化学、住友化学 ●副生成物高度異性化統合製造技術開発 事業費 67億円 (補助金41億円) コスモ石油、丸善石化 RINGⅢ 平成18~21年度:3地区 石油精製高度機能融合技術開発 ●コンビナート副生成物・水素統合精製技術開発 出光興産、コスモ石油、極東石油、 事業費 各年度数十億円 三井化学、住友化学、丸善石化、大陽日酸 (補助金2/3相当予定) 7 RINGⅡ コンビナート先端的複合生産技術開発 ●ナフサ留分から高オクタン価のガソリン(サルファーゼロ)、石化原料用ナフサ、重質ナフサ を1塔式精密蒸留で効率的に精製、安定運転制御する技術開発(省エネ20%以上) ●石精・石化複合最適生産システムの研究 石油精製 高度統合生産 石油化学 3成分に分離する 1塔式蒸留塔は世界初 従来方式 (2塔 式 ) i-C5 C8 ナフサ 精密蒸留 C5 C6 C7 C8 ガソリン (サルファーゼロ) n-C5 C6 C7 環 境 低 ノルマルパラフィン 負 荷 型 燃 料 重質ナフサ C4オレフィン 重質油等 出光興産、三井化学、住友化学 プロピレン (高オクタン価ガソリン基材) 接触分解 精製装置 イソパラフィン ラフィネート 芳香族 エチレン装置 BTX装置 先端的最適生産 省エネ 10千kl/年、 CO2排出量削減 2.7万トン/年 8 RINGⅡ 副生成物高度異性化統合製造技術開発 ●石油化学で未利用の副生成物C6~C8留分を原料とした、オクタン価向上による 低硫黄ガソリン製造技術の開発 石油化学 石油精製 エチレン装置 高度異性化製造装置 エチレン分解副生成物の C7分解抑制型異性化は 世界初の試み 高効率 環境調和型ガソリン 製造 分解油 副生成物 (ラフィネート) 精密 蒸留 オクタン価向上 芳香族抽出装置 (高性能抽出) BTX類 異性化 低硫黄分 低蒸気圧 <異性化反応> 例) c c c c c c ノルマルパラフィン (オクタン価 : 20~60) コスモ石油、丸善石油化学 c c c c c c イソパラフィン (オクタン価 : 70~90) 省エネ 3.4千kl/年、 CO2排出量削減 0.9万トン/年 9 RINGⅢ コンビナート副生物・水素統合精製技術開発 ●石油、石化装置から副生する未利用の分解C4留分を原料として、高付加価値化学原料 のプロピレンを高効率で生産できる技術の開発 ●コンビナート全域で副生する水素を集積し、大規模に高度活用するための、高純度回収 技術、安定供給システムの開発 水素統合精製高度化技術開発 分解C4成分高度活用技術開発 石油精製 エチレンセンター エチレンセンター 省エネ型 プロピレン転換 高純度水素 副生水素 クリーン燃料 低純度水素 高効率回収 (注):C4:イソブテン、ノルマルブテン、イソブタン等 エチレンセンター 水素製造 装置停止 分解C4 分解C4成分 高度活用 石油化学 プロピレン 分解C4 プロピレン 転換 石油精製 エチレン 石油精製 石化ナフサ 水素統合精製 高度化 石油精製 石油精製 分解 装置 エチレンセンター 精製 装置 エチ セン ンタ ター エチ レレ ンン セ ー 常圧蒸留 原油 石油化学 コンビナート全域で 副生する水素を集積 コンビナート水素マルチ安定供給システム 高純度高圧 水素供給 複数事業所から複数事業所への水素安定供給 省エネ 40千kl/年、 CO2排出量削減 18万トン/年 出光興産、コスモ石油、極東石油工業、三井化学、住友化学、丸善石油化学、大陽日酸 10 ◇更なるコンビナートの発展に向けて ●電力、蒸気、水素、廃棄物のエネルギー活用、原料多様化等、コンビナート全体 の連携強化と拡大による更なる発展を期待 石油・化学・電力・ガス・鉄鋼等産業、地域共生 将来イメージ例(コンビナート大規模水素供給) 千住 成田 エネルギー大消費地 環境低負荷 水素SSへの供給 (ローリー) 移動式 有明 JFE 鉄鋼COG・廃プラ コスモ石油、丸善石化 コンビナート大規模水素 京葉シーバース 三井化学、極東石油 供給センター 出光興産 各社既存の水素パイプライン活用 東電、住友化学 富士石油 改質オフガス 横浜・旭 袖ヶ浦 横浜・大黒 エチレンオフガス 電解水素 新日鐵 東電 富津 鉄鋼COG・廃プラ パイプライン RING 実施 検討 将来 11