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保育における水遊び、の効果に関するー研究
保育における水遊び、の効果に関するー研究 一投影樹木画法における成長指標 ( G C L ) とトラウマ指標 ( T C L ) からの検討- 大辻隆夫 塩川真理 (児童学科助教授) (本学非常勤講師,臨床心理士) 田中野枝 ( 平 成1 6 年度研修者,臨床心理士) して表出することが極めて有効である場合を示 すものである。さらに彼は,水遊びが子どもの 問題 心を解放させ活気づける効果を示した 4歳男児 保育における水遊び、については,子どもにお の観察例をあげている。そこでは親から極端に ける成長的意義と治療的意義の 2つの視点から 禁止されている 4歳男児が,水遊び、をすること その有用性が指摘できる。 によって刺激され,勇気づけられ,ますます自 たとえば平井ら(19 9 6 ) が保育における水遊 由になり,社会的接触を積極的におこなうよう びの成長的意義として,水を介して得られる になるプロセスが示されている。そして,水遊 様々な刺激が心や身体の健全さを維持すると述 びが孤独 ( s o l i t a r y ) で見捨てられ感(lo s t )を べている。また Kamiら(19 5 8 ) は水自体に心 持つ子ども, を和ませる性質があり,水の持つ特別な性質が いて浄化的効果があることも明らかにしている。 子どもの快適感や精神的,感覚的な面に影響を これについては,高野 ( 1 9 8 8 ) も同様に,水遊 及ぼすとしている。さらに水は可変的で、すぐれ び、は臆病で、非社会的な子どもに対しては自信を た遊具であり,子どもたちの心を裸にし,解放 強め,活発になることを誘発させ,落ち着きの 9 9 4 ),水の中で全身を使って遊ぶこ し(安江, 1 ない子どもに対しては一種の鎮痛剤的効果を発 とは皮膚への刺激にもなり,身体各部を調和的 揮すると述べている。 に発達させ,また感覚的快感を与える(岡田, 3歳半女児 Marionの観察例にお このように水遊び、の治療的意義は,子どもの 2 0 0 1 ) というように,水遊ぴが子どもの心身の 攻撃衝動の表出と解消,心の鎮静化と活性化, 健全な成長にとって極めて有用で、あることを示 さらに見捨てられ感の解消等多岐にわたってい 唆している。 る 。 一方,水遊び、の治療的意義については, H a r t - 本研究では保育における水遊び、の意義につい l e y( 1 9 5 2 ) が,水遊び、が子どもの攻撃衝動を解 て上記の問題意識にたって,つまり水遊び、に関 消するのに有用であると指摘している。この例 する成長的・治療的意義という視点から投影樹 として彼は,攻撃衝動が強い 3歳女児が玩具遊 p r o j e c t i v et r e edrawingt e c h n i q u e ) 木画法 ( びから水遊び、に転じたときに劇的に彼女の攻撃 を導入して実証的に検討することを目的とする。 衝動を鎮静化させ落ち着きを取り戻した観察例 投影樹木画法は描画者の伝記的状況,つまり をあげている。彼女の水遊び、は①ボトルの水を 人生における過去の重大な経験にまつわる葛藤 ミニパスタブに注ぐ→②自分の顔にかける→③ やトラウマを反映するとされており,現在は児 床に滝のように流す→④床一面にまき散らすと 童虐待の早期発見の道具の 1つとして危機査定 いう局面を見せて展開した。これは子どもが怒 のためのツールとして用いられている(大辻, りや反抗,敵意といった攻撃衝動を直接表出で 2 0 0 2 )。本研究では投影樹木画法に関する臨床的 査 定 ツ ー ル と し て の 成 長 指 標 で あ る GCL きないときに通常の玩具遊ぴよりも水遊び、を通 ← 51- 保育における水遊び、の効果に関するー研究 (GrowthCheckL i s t,表 1)とトラウマ指標 である TCL(大辻, 2 0 0 2 ) を用いて投影樹木画 ある。 実験 I (以下,樹木画と呼ぶ)の査定をおこなう。 GCLは樹木画に表現されたトラウマからの 回復を示唆する描画特徴のことであり, RTCL is t,大辻・ (RecoveryfromTraumaCheckL 対象:短期水遊び、保育群;保育園年長児男女 2 3 上川, 2 0 0 2 ) とも呼ばれるが,本研究では保育 方法:被験児全員に保育に入る前に集団実施法 における幼児の成長に主眼をおくため成長指標 によって投影樹木画法(教示「木を 1本 としての GCLをイ史用する。また TCLは C a n t - 描いてください。 J ) を実施した。 1回日 s t e r l a y( 1 9 9 6 ) のトラウマ十旨標を中心として O 19 8 7 ),O s t e r& Montgomery( 1 9 9 6 ) & Gould( の 指 標 , さ ら に Hammer ( 19 9 7 ), J o l l e s ( 1 9 7 1 ),Ogdon( 19 7 7 )及び Wohl& Kaufman 0分間の水遊び、あるいは の各群それぞれ 3 名。短期自由遊び保育群;保育園年長児 男女 2 4名 。 自由遊びをおこなし、その後 2回目の投 影樹木画法を実施した。なお,水遊び、の 内容は,穴を開けたペットボトルを利用 した水のシャワーや水の掛け合いやホー ( 19 8 5 ) らが指摘する指標をすべて折り込み再 0 0 2 )。 構成したものである(大辻, 2 0分間の保 スを使った水のトンネル等, 3 したがってまず第 1に , GCLを子どもたちの 育である。一方,自由遊びの内容は,室 水遊び、前後に実施した樹木画の査定に適用し, 内で、の絵本やブロック,ままごと等,特 水遊び、の成長的意義について検討する。次に水 に設定のない 3 0分間の保育である。 遊び、の治療的意義について, TCLを適用し検討 I 実験 I をおこなう。 本研究では上記の GCLと TCLを用い, GCL 対象:長期水遊び、群;年中児および年長児 4 5名 。 の出現と TCLの減少から保育における水遊び、 9日間(土 方法: 7月 4日から 8月末日まで,計3 の効果を検討することを目的とし,以下の 2点 日と盆休みを除く毎日)の水遊び、保育の の仮説をたてた。 前・中・後に投影樹木画法を実施した。 ① 本研究ではそのうちの前・後の描画のみ 水遊び、により子どもにトラウマからの回 をマテリアルとして使用する。この長期 復,つまり心理的成長が見られる。 ② の水遊び、保育では,プール用滑り台や 水遊び、により子どものトラウマが減少す ビーチボール,水鉄砲等の遊具を用いた る 。 また,ここでいうトラウマは,狭義の心理的 水遊び、を保育園の屋外プールと近隣の市 トラウマはもちろん,子どもが日常生活上経験 民プールを利用して実施した。水遊び、時 する心理的ストレスや葛藤ないしは緊張なども 間は,毎回 1 5分 x2セッション(休憩 1 0 含む広義の概念として用いる。 分)と設定した。 分析方法 対象と方法 本研究では投影樹木画法の 4つの分析方法で 保育における水遊び、の効果を検討するために, ある印象分析法,項目分析法,象徴解釈法及び 本研究では,以下に述べる 2つの実験をおこ 0 0 4 ) のうち,項目分 関係年齢分析法(大辻, 2 なった。実験 Iでは短期の水遊び、と自由遊ぴと 析法を用いて被験児の樹木画をすべて GCLお の比較における水遊び、効果を,また実験 I Iでは, よび TCLに照らして分析査定をおこなった。 7月初旬から 8月末まで約 2ヶ月間の継続プロ グラムとして実施された長期の水遊び、の検討に より,その効果を明らかにしようとするもので 52- 発達教育学部紀要 表 1 樹木画における成長指標 (GCL) 全 1 2 3 4 5 6 成長指標 大きすぎる木のサイズの縮小 小さすぎる木のサイズの拡大 弱い線から線の強化・木の枠組みの強化 2本線の幹と円冠で構成された木の解消 細かい破線の解消 8歳以降に見られる果実:多すぎる果実の減少 指標の解釈 攻撃的傾向,行動の誇示の緩和想念。もしくは神経質さの減少。 e l fe s t e e mの向上。 劣等感,無価値感の緩和。 S 不適応感,優柔不断感の緩和。新たな役割への意欲,自我同一性。 衝動性,回帰性の緩和。 顕在的不安の緩和。 自己を消耗させる依存欲求の緩和。 体 7 描 次 画 元 の ス 枝 タ か イ ル ら の 2次 相 元 違 の の 幹 解 消 と 枝 : へ 2の 次 変 元 化 の幹と 1 後年のトラウマによって阻害された発達の解消。 8 過度に濃い陰影もしくは強化された陰影の緩和 敵対的防衛もしくは攻撃的行動の緩和。 9 細部への過剰な描画の緩和 危 わ 険 る 葛 な 世 藤 界 の 緩 に 対 和 , す 強 る 知 迫 覚 性 , の 緩 自 我 和 統 。制の保持にまつ I I 1 0 1 1歳以降に見られる底辺縁への配置の解消 未成熟の徴候の改善。 置 配 1 1 用紙の偏りの緩和:均等な空間配置 切男性な的関係お性よ,び精女性神的的支発達配性の統の影合響。 を受容できる適 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 1 9 2 0 2 1 葉のない枝, 1次冗の枝,及ぴ扇形の枝の解消 1次冗 2次冗の枝への変化 枝の上部への自然な広がり,枝の成長 ヌじが開放している上向きの枝 枝の分岐 関係性が良好な枝の形態 折れ枝の解消 新しい枝 切り株から出た小枝 地面からはえた苗木,若い木 衝動性,倣慢,不安定傾向の緩和。 阻害された発達の改善。対人関係から満足を得る能力の増加。 成長の可能性や意欲,活動性。 努力や考え方が全体と有機的に関連している。自己一致。 個人の成長や感知力の成長。 はっきりとした指向性。対人関係から満足を得る能力。 トフウマによる損傷感の減少。 環境に対する信頼感の増加,新しい期待や活動。 情緒的成長。 未成熟感,退行傾向,再出発の意欲。 2 2 項 主上の切断,崩平な項上部の枝構造の改 社 な 会 い 的 し 孤 は 否 立 感 定 の の 減 改 少 善 。 。 苦痛を伴う想念生活の拒否 冠 2 3 2 4 2 5 2 6 円環状の樹冠の解消 幹に覆い被さる樹冠の解消 閉じられた樹冠の解消 聞いた樹過と小枝を持つ樹話 衝動性,回帰性の改善。 自己内部の空虚感の減少。 包囲, 自己表出の禁止に関する改善。 内的エネルギーの良好な流れ。 / 2 7 はっきりとした数枚の葉を持つ茂み 対 を 生 人 関 か 係 そ に う お と す け る る 欲 交 流 求 の の増 j 慮 過 加 作 。用 。 好奇心や感覚 葉 2 8 2 9 3 0 3 1 3 2 3 3 枝の先端に描かれたつぽみ 枝の先端の花 セラピ一過程で描かれる満聞の花をもっ樹冠 濃い陰影の減少 強調しすぎの幹の解消 幹の輪郭線の統合 将来開花するだろうという期待の態度。自己統制や想像力の統制。 喜ぴの表現。 適応、感,達成感,および将来や成長に対する楽観。 不安の減少。 情動の未熟性の緩和。 不安,不安定,衝動性の緩和。 V 3 4 幹の輪郭線のはっきりとした線 迫 人 格 っ た の 基 自 我 本 破 的 滅 な 感 強 の さ 解 。 消 弱 。 い線からの変化:差し 3 5 平行で、歪曲のない幹,適度な幅 基 な 本 認 識 的 自 と 調 我 和 の 強 し た さ 昇 の 保 華 持 。。本能エネルギーの健全 3 6 3 7 3 8 3 9 4 0 4 1 4 2 4 3 4 4 4 5 幹の成長(長さ) 傷,穴,節穴の消失 細い根,透視される根の解消 強調しすぎの根の解消 地平線の出現 地平線がある根の出現 , 鳥 巣箱の近くにいる鳥 節穴における動物の出現 太陽 個性の成長。 トフウマによる損傷感の減少。 理解力および現実感の増加。 不全感の減少,過度な情動反応。 ストレスに対する傷つきやすさや不安の解消。 抑圧された情動の解消。良好な環境関係。 内的自由,自由を求める欲求。明るい気分や希望,安定性。 他者を情緒的に支持しようとする善意。 肯定的な意味の付加。 暖かさ,力の源:権威像,両親像。 4 6 太陽の位置 木 威 の 的 暖 な 環 か 境 さ 像 や 力 と の の 源 聞 の と の 関 係 関 係 を 。 象 徴 し す ば る し 。ばエスと権 4 7 太陽からの光線,スポットライト 権威像からの被支配的感情,あるいは支配されたい欲求。 N o . I I I I 枝 W 樹 幹 V I 艮 キ v n 付 要 的 加 素 -5 3 保育における水遊び、の効果に関する一研究 2. TCLによる水遊び群と自由遊び群の比較 TCL該当項目においては両群に有意な差は 。 ) 認められなかった(表 5 結果 各群の園児における特徴的な樹木画例を図 1 表 4 保育後の短期自由遊び群における成長指 ~3 に示す。 標 (GCL) の出現項目 1 . GCLによる水遊び群と自由遊び群の比較 水遊び、群の園児の樹木画は,自由遊ぴ群の園 児と比較して, GCLにおける成長指標が有意に 多く出現した(表 2)。また,成長的変化項目と i 陰影の緩和 Ji 平行で歪曲のない幹,適 度な幅 Ji 幹の成長(長さ ) J等が該当項目とし して, て検出された(表 3 。 ) 表 2 保育後の短期水遊び群及び短期自由遊び 群の成長指標 (GCL) の出現度 出現度 水遊び群 ( n = 2 3 ) 成長指標 自由遊び群 ( n2 4 ) 成長指標 有 無 有 盤 2 2 1 1 2 1 2 二 ヱz 7.69* 人 成長指標 頻 出 願 N o . 3 6 ) 1 幹の成長(長さ) ( 6 2 5 N o . 3 ) 2 弱い線から線の強化・木の枠組みの強化 ( 2 8 N o . 3 5 ) 2 平行で歪曲のない幹,適度な幅 ( 2 8 N o . 3 7 ) 2 傷,穴,節穴の消失 ( 2 8 N o . 2 ) 5 小きすぎる木の拡大 ( l 4 N . o8 ) 5 過度に濃い陰影もしくは強化された陰影の緩和 ( 1 4 N o . 1 7 ) 5 関係性が良好な枝の状態 ( I 4 N o . 1 9 ) 5 新しい枝 ( I 4 N o . 2 2 ) 5 頂上の切断,肩平な項上部の枝構造の改善 ( 1 4 N o . 2 7 ) 5 はっきりとした数枚の葉を持つ茂み ( 1 4 N o .3 1 ) 5 濃い陰影の減少 ( 1 4 N o . 3 4 ) 5 幹の輪郭線のはっきりとした線 ( 1 4 N o . 4 3 ) 5 巣箱の近くにいる鳥 ( 1 4 表 5 保育前後の水遊び群と自由遊び群トラウ マ指標 (TCし)の変化比較 * p<. 0 1 増加変化なし減少 表 3 保育後の短期水遊び群における成長指標 (GCL) の出現項目 額 出 願 % 成長指標 人 % 水遊び、群 (n=23) 4 9 自由遊び、群 (n=24) 4 1 3 1 0 が n .s . 7 n .s . 3.長期水遊び群の GCLによる検討結果 実験 I Iでは約 2ヶ月にわたる継続的な水遊び、 N o . 3 ) 1 弱い線から線の強化・木の枠組みの強化 ( 8I35 N o . 3 5 ) 2 平行で、歪曲のない幹,適度な幅 ( 5I2 2 N o .3 6 ) 2 幹の成長(長さ) ( 5I2 2 N . o8 ) 4 過度に濃い陰影もしくは強化された陰影の緩和 ( 4I1 7 N o . 3 4 ) 5 幹の輪郭線のはっきりとした線 ( 3I1 3 N o . 4 5 ) 5 太陽 ( 3I1 3 N o .3 1 ) 7 濃い陰影の減少 ( 2 9 N o . 4 0 ) 7 地平線の出現 ( 2 9 紙の偏りの緩和 Ji 小さすぎる木の拡大」など成 N o . 4 2 ) 7 鳥 ( 2 9 長指標が検出された。 N o . 1 1 ) 1 0 用紙の偏りの緩和 ( 1 4 N o . 1 5 ) 1 0 枝の上部への自然な広がり,枝の成長 ( 1 4 N o .1 6 ) 1 0 枝の分岐 ( 1 4 N o .1 9 ) 1 0 新しい枝 ( 1 4 N . o2 2 ) 1 0 項上の切断,肩平な項上部の枝構造の改善 ( 1 N o . 3 3 ) 1 0 幹の輪郭線の統合 ( 1 4 出現度(人) N o3 7 ) 1 0 傷,穴,節穴の消失 ( 1 4 ** p<. 0 0 1 目 保育の効果について調査した。このプログラム に参加した園児 4 5名の水遊び保育開始前と終了 後の樹木画を GCLに照らして項目分析をおこ なった結果, 4 5名中 3 9名に GCL該 当 項 目 が 出 現した(表 6)。また,該当項目「幹の成長 Ji 用 表 6 保育後の長期水遊び群における成長指標 (GCL) の出現度 成長指標 有 無 4 -54- 3 9 6 x2 10.42** (n=45) 発達教育学部紀要 表 7 保育後の長期水遊び群における成長指標 遊びについて実証的にその効果を検討すること a r t l e y を試みた。これは,水遊び、については H (GCL) 出現項目 人 % の観察例を見るまでもなく遊戯療法における治 N o . 3 6 ) 1 幹の成長(長さ) ( 2 8 6 2 療効果が実証されているにもかかわらず,いわ N o . 1 1 ) 2 用紙の偏りの緩和 ( 4 2 0 4 ゆる保育における水遊び、についてはあまり実証 N o . 2 ) 3 小さすぎる木の拡大 ( 1 8 4 0 的研究がすすんでないことに端を発する。 成長指標 頻 出 願 N o . 4 0 ) 4 地平線の出現 ( 9I2 0 本研究の目的は,保育における水遊び、の意義 N o . 3 5 ) 5 平行で、歪曲のない幹,適度な幅 ( 8I1 7 について実証的に検討することにあり,保育園 N I l8 ) 6 過度に濃い陰影もしくは強化された陰影の緩和 ( 6I1 3 の年中児・年長児を対象として投影樹木画法を N o . 3 1 ) 7 濃い陰影の減少 ( 5111 実施し, 自由遊びとの比較において,また水遊 N o . 3 4 ) 7 幹の輪郭線のはっきりとした線 ( 5111 び期間の長短の比較において,その効果を調査 N o . 1 9 ) 9 新しい枝 ( 4 9 した。そこで,水遊び、の効果については,①子 N o . 3 7 ) 9 傷,穴,節穴の消失 ( 4 9 N o . 3 ) 1 1 弱い線から線の強化・木の枠組みの強化 ( 2 4 N o .4 2 ) 1 1 鳥 ( 2 4 N o . 1 4 ) 1 3 枝の上部への自然な広がり,枝の成長 ( 1 2 N o .1 6 ) 1 3 枝の分岐 ( 1 2 N o . 2 2 ) 1 3 項上の切断,扇平な項上部の枝構造の改善 ( 1 2 N o . 2 7 ) 1 3 はっきりとした数枚の葉を持つ茂み ( 1 2 N o . 2 9 ) 1 3 枝の先端の花 ( 1 2 N o . 4 4 ) 1 3 節穴における動物の出現 ( 1 2 0分間の自由遊びをした園児(自由遊ぴ 同じく 3 N o . 4 5 ) 1 3 太陽 ( I 2 群)の樹木画について比較したところ, GCLの どもの心理的成長を予想するものとしての成長 効果と②子どもの心理的ストレスや緊張,葛藤 など広義の意味でのトラウマ体験の減少を予想 する治療効果の 2点を検討の主眼とした。 1.水遊びの心理的成長効果について 3 0分間の水遊び、をした園児(水遊び、群)と, 2 3名中 2 2名に,自由遊ぴ 成長指標が水遊び、群で" 4.長期水遊びの TCLによる検討結果 同じく, TCLに照らして項目分析をおこなっ 5名のうち 1 7名に TCL該当項目の減 た結果, 4 少が見られた(表 8)が,有意な差は認められ 4名中 1 2名に出現し,水遊び、群で、有意に 群では 2 なかった。 なった。さらに, GCL出現項目を見てみると, 多く出現した(表 2)。このことから本調査結果 を見る限り水遊び、が自由遊ぴと比較して有意に 園児の心理的成長に寄与することが明らかと 水遊び、群で、は,不適応、感,優柔不断感の緩和, 表 8 保育前後の長期水遊び群におけるトラウ い線から線の強化・枠組みの強化J(35%),基 マ指標 (TCL) の出現度 1 6 1 7 ワ- 1 1 Z 増加変化なし減少 出現度(人) への意欲,自我同一性を示唆する「弱 新たな役割l n .s . (n=45) 本的自我の強さの保持及び本能エネルギーの健 全な認識と調和した昇華を示唆する「平行で、歪 曲のない幹,適度な幅 J(22%),個性の成長を 示唆する「幹の成長(長さ ) J (22%),敵対的防 衛もしくは攻撃的行動の緩和を示唆する「過度 に濃い陰影もしくは強化された陰影の緩和 J 考察 ( 17%)などの指標が多く出現した(表 3)。一 方 , 自由遊び群においてもほぼ半分の園児に成 遊びが子どもにとってかけがえのない経験で 長指標が見られたが,その最も示唆するところ あり,それ自体が子どもの心身の成長を促し, としては「幹の成長 J(25%)があげられる。両 子どもを活性化させることについては論を待た 群いずれにおいても水遊び、効果として個性の成 ないであろう。今回は中でも,保育における水 長を促す効果があることが裏付けられる結果を 55- 保育における水遊び、の効果に関するー研究 得た。このことから,短期水遊び、保育は,個性 いては,自由遊びとの比較においても,また短 の成長を促進し,とくに攻撃性を緩和する機能 期水遊び,長期水遊び、のいずれの形態において を持ち,本能エネルギーを適切な形で園児に自 も有意差は認められず,本調査結果に見る限り 覚させ,それを遊ぴによって昇華するプロセス 水遊び、保育が治療機能としては有用といえない の展開が予想できると考えられる。これは Har- ことが示唆された。しかし, Hartleyの観察例に 19 5 2 )の攻撃衝動の強い 3歳女児の水遊び、 t l e y( おいて指摘された攻撃衝動の緩和はすでに考察 による浄化的効果の見解とも一致するものであ 1で述べたように,長期水遊び、において観察さ り,集団保育によってもこうした効果がもたら れており,本稿で使用した TCL水準における されることが確認できたことは意義深いことと 指標の減少変化を示し得るにはさらに長期の期 いえよう。 間を必要とするのか,あるいは遊戯療法 ( p l a y 短期の水遊び、に心理的成長効果が認められた therapy) における心理療法としての水遊び、に ことを受けて,長期の水遊び、による効果につい 求められるような特質を所有する必要があるの ても検討したが,これについては両者に GCL か,さらに綿密な計画のもとに実施した調査や を用いての項目分析結果において有意な差は認 詳細な事例研究による検討の余地があるものと められなかった。したがって本調査結果に見る いえよう。 限り,水遊び、効果は期間の長短に依存しないと 言える。しかしながら,長期水遊び、群の GCL項 3.今後の課題 目を見てみると,個性の成長を示唆する「幹の 今回の研究で各群に見られた成長指標の特徴 成長 J(62%),男性的および女性的支配性の影 は,勿論今回の研究の方法論から導き出された 響を受容できる適切な関係性,精神的発達の統 結果であるが,それはいわば描画上の指標に基 合を示唆する「用紙の偏りの緩和 J(44%),劣 づく判断であり,実際の園児一人一人の行動と 等感,無価値感の緩和, s e l f-esteemの向上を示 照合して検討したものではなし E。今後の筆者ら 唆する「小さすぎる木の拡大 J(40%),ストレ の研究課題と関心は,今回得られた結果をあら スに対する傷つきやすさや不安の解消を示唆す たな仮説として,園児の実際の行動上の成長的 る「地平線の出現 J(20%),また,基本的自我 変化について保護者や保育士など日ごろ園児を の強さの保持,本能エネルギーの健全な認識と 身近に観察する機会のある c a r e g i v e rからの詳 調和した昇華を示唆する「平行で歪曲のない幹, 細な観察報告と照合し再検討することにある。 適度な幅 J(17%)などが頻出し,短期の水遊び、 また,さらに長期の水遊び、を行った園児の行動 効果と比較して,個性の成長はもとより,関係 の変化と遊戯療法における水遊び、に見られる変 性の改善,自我の統合性や寛容性, s e l f-esteem 化との質的検討である。 の向上といった,社会化 ( s o c i a l i z a t i o n )を促進 し,適応水準 ( a d a p t a b i l i t y )を向上させること を示唆する項目が検出されたものと指摘できる。 この意味で,長期水遊び、で、は短期水遊び、効果と 異なる次元において,いわば長期水遊び、ならで はの保育効果があることが予想される。 2.水遊びの治療効果について TCLから見たトラウマからの回復,つまり TCLにおける項目分析で検出されたトラウマ 指標の数が減じることで表現される変化を本稿 で、は水遊ぴによる治療効果と呼ぶが,これにつ 文献 Bolander, K .( 1 9 7 7 )A s s e s s i n gP e r s o n a l i t y Through Tree Drawing. 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NewYo r k:Brunner /Mazel 事例 1 後 目J I GCL: TCL: N o . 3 弱い線から線の強化・木の枠組みの強化 N o . 3 4 幹の輪郭のはっきりとした線 N o . 3 5 並行で歪曲のない幹,適度な幅 N. o3 ~~い線 N o . 4 0 細い幹 N o . 4 7 根も地平線もない TCL: N o . 4 7 根も地平線もない 後 目J I 取f 。 。 c)l tf 〈 J セ GCL: TCL: N. o2 N o . 3 4 N o . 3 5 N 0 . 3 6 N o . 3 8 傷 N o . 4 6 地平線はあるが根がない 小さすぎる木の拡大 幹の輪郭のはっきりしとした線 平行で歪曲のない幹,適度な幅 幹の成長(長さ) TCL: N o . 3 8 傷 N o . 4 7 根も地平線もない ヨ 凶 事例 3 後 GCL: TCL: N o . 3 1 濃い陰影の減少 N o . 3 6 幹の成長(長さ) N o . 2 2 下向きの枝 N o . 3 8 傷 N o . 4 7 根も地平線もない TCL: N o . 2 2 下向きの枝 N o . 3 8 傷 N o . 4 7 根も地平線もない 図 1 短期水遊び群樹木画例 荊 喝 行 討3 NV先陣内、3注湘訂EJ﹁かl 事例 2 事例 4 植し・Ai ﹁J1 ﹁ ﹁与一- L 一 、 ・ ; 1 i ・ ; ー 日日 TCL: 後 GCL: N o .3 ~~い線から線の強化・木の枠組みの強化 N o . 3 4 幹の輪郭のはっきりとした線 N o . 3 6 幹の成長(長さ) N O . 4 7 根も地平線もない TCL: N O . 4 7 根も地平線もない t 後 目J I 7 TCL: N O . 4 5 地平線がない 仁二 GCL: N o . 1 7 関係性が良好な枝の形態 N O . 1 9 新しい枝 N o . 3 6 幹の成長(長さ) TCL: N O . 4 7 根も地平線もない 事例 6 後 目J I ﹁ N O . 4 7 根も地平線もない L I l i J TCL: 図 2 短期自由遊び群樹木画例 GCL: TCL: N o . 1 0 木と認識できない木 N o . 4 7 根も地平線もない 掛同勢覗山村時一山首湘 跡 hz ﹁ 。 巳 刀 事例 5 事例 7 後 日J I GCL: TCL: j N o .2 N o .1 1 N o . 3 4 N o . 3 5 N o . 3 8 傷 N o . 4 7 根も地平線もない 小さすぎる木の拡大 用紙の偏りの緩和:均等な空間配置 幹の輪郭のはっきりした線 平行で‘歪曲のない幹,適度な幅 TCL: N o . 3 8 傷 N o . 4 7 根も地平線もない 後 目 リ 。 。 GCL: TCL: お N o . 2 小さすぎる木の拡大 N o .1 1 用紙の偏りの緩和:均等な空間配置 N o . 3 5 平行で、歪曲のない幹,適度な幅 N o . 2 小さな木 N o . 1 6 用紙右側への偏り 世 帯 N. o1 8 用紙上方への偏り N o . 3 1 項上の切断,肩平な項上部の枝構造 N o . 4 5 地平線がない TCL: N o .2 N o . 1 8 N o . 3 1 N O . 4 7 、 「 事例 9 目J I . . . 畠畠副a ぃ TCL: N o . 1 0 木と認識できない木 hII白色ι / N o . 1 7 用紙左側への偏り や¥ N o . 4 6 地平線はあるが根がない t M F よ 図 3 長期水遊び群樹木画例 小さな木 用紙上方への偏り 項上の切断,扇平な項上部の枝構造 根も地平線もない 後 GCL: N o .2 N o .1 1 N o . 3 4 N o . 3 5 小さすぎる木の拡大 用紙の偏りの緩和:均等な空間配置 幹の輪郭のはっきりした線 平行で、歪曲のない幹,適度な幅 TCL: N o . 1 大きな木 N o . 3 5 強調しすぎの幹 N o . 4 6 地平線はあるが 荊謝打討ヰ内 vuT 融 円 、3 注 湘 打 週 J﹁かl 事 詩 事例 8 発達教育学部紀要 A StudyonB e n e f i t so fWaterP l a yi nC h i l d c a r e -As Viewed by Growth Check L i s t& Trauma Check L i s ti nP r o j e c t i v e Tree Drawing Technique- TakaoOTSUJI MariSHIOKA WA NoeTANAKA SUMMARY Thep u r p o s eo ft h i ss t u d yi st oe l u c i d a t et h eb e n e f i t so fwaterp l a yi nc h i l d c a r ea sviewedby Growth Check L i s t (GCL) and Trauma Check L i s t (TCL) i nP r o j e c t i v e Tree Drawing T e c h n i q u e . Ther e s u l t sa r et h ef o l l o w i n g; ① Thed r a w i n g sbyc h i l d r e nwhod i dw a t e rp l a yhavemoregrowthi n d i c a t o r st h a nt h o s eby c h i l d r e nwhod i df r e ep l a y,s owaterp l a yi smoreu s e f u lf o rt h ep s y c h o l o g i c a lgrowtho f youngc h i l d r e n . ② T herei snos i g n i f i c a n td i f f e r e n c ei nt h er e d u c t i v echangeo fTCL i n d i c a t o r si nt h e owec a n ' ts a yt h a twaterp l a yi n d r a w i n g sb o t hbyc h i l d r e no fwaterp l a yandf r e ep l a y,s c h i l d c a r eh a st h e r a p e u t i cb e n e f i t s . ③ The d r a w i n g sby c h i l d r e no fl o n g p e r i o dwater p l a y have manys i g n i f i c a n t growth i n d i c a t o r s,s oi ti su s e f u lf o rt h ep s y c h o l o g i c a lgrowtho fyoungc h i l d r e n,b u twec a n ' ts a y t h a ti th a st h e r a p e u t i cb e n e f i t s . ④ Whetherw aterp l a yi si nas h o r tp e r i o do ri nal o n gp e r i o d,t h e r ei snos i g n i f i c a n t d i f f e r e n c eo ft h eb e n e f i t sonyoungc h i l d r e n ' sp s y c h o l o g i c a lgrowthbetweent h e s etwo, b u t s h o r t p e r i o dwaterp l a ycanr e d u c et h ea g g r e s s i v ei m p u l s e sandl o n g p e r i o dw a t e rp l a y f a c i l i t a t e st h edevelopmento fi n d i v i d u a l i t yande g oi n t e g r a t i o no fyoungc h i l d r e n . Keywords:waterp l a y,c h i l d c a r e,GCL,TCL,t r e edrawing 61-