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下水汚泥を利用した リサイクル製品事例紹介パンフレット

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下水汚泥を利用した リサイクル製品事例紹介パンフレット
下水汚泥を利用した
リサイクル製品事例紹介パンフレット
青 森
森 県
県
青
もくじ
下水道の持つ多面的な役割
青森県の下水道事業の概要
青森県の下水汚泥の発生状況とリサイクル
青森県リサイクル製品認定制度について
下水汚泥を利用したリサイクル製品事例の紹介
・・・1
・・・2
・・・3
・・・6
・・・9
下水道の持つ多面的な役割
下水道にはいろいろな役割があります
毎日の生活にはたくさんの水が使われています。この水は、自然やわれわれの暮らし
の中で循環し、良好な水環境の形成、さまざまな生態系の保全という役割を受け持ちな
がら、水資源として私たちの生活に恩恵を与え続けてきました。しかし人間活動の拡大
が自然の浄化能力を超えて水を汚したり、地下への浸透を妨げたり、都市内での局地的
大雨時の水害の発生などいろいろな問題を生じさせています。
この中で下水道は、我々の暮らしから出る汚れた水を処理・浄化したり、雨水を都市
内から排除したりして川や海に戻す役割がありますが、このほかにも下水道は、処理の
過程で発生する「下水汚泥(焼却灰やスラグ化したものも含む)」の再資源化、下水廃熱の
回収、そして下水処理水の再利用などを通じて、都市の資源・エネルギー回収システム
としても機能しています。今後、下水道の普及拡大にあわせて、これら下水汚泥等の発
生量がさらに増加することが見込まれることから、貴重な資源としての下水汚泥等の利
用をさらに拡大し、循環型社会の構築を進めることが必要となっています。
1
青森県の下水道事業の概要
昭和27年に青森市が下水道事業に着手して以来、平成18年4月1日現在、40市
町村中34市町村で実施しています。このうち供用開始しているのは、28市町村とな
っています。
県では、岩木川流域下水道・馬淵川流域下水道・十和田湖特定環境保全公共下水道を
実施しています。また、市町村で行う公共下水道は、各流域下水道に接続している流域
関連公共下水道と、自らが処理場を有する単独公共下水道があります。これらの両方の
公共下水道を有している市もあります。
※流域下水道は、以下の市町村の流域関連公共下水道と一体となって整備を進めていま
す。
・ 岩木川流域下水道:弘前市の一部、青森市の一部、黒石市、平川市の一部、藤崎町、
大鰐町、田舎館村、板柳町
・ 馬淵川流域下水道:八戸市の一部、百石町、おいらせ町、五戸町
青森県内の下水道は、毎年普及率が向上
図1 県内の下水道実施状況図(仮)
しており、平成16年度末では県全体で47.1%
となっています。今後も、地域の実情に即
大
峡
間 風間浦村
海
佐町
下 井
しながら、「青森県汚水処理施設整備構想」
軽
北 村
下北郡
津
むつ市
郡
東
に基づき、平成23年度末に55.7%(県全体)
通
村
の普及率となるよう、計画的かつ効率的な
北津軽郡 外
外
今
中ヶ
太
横
別東 ヶ
泊浜
浜
町津 浜
町町
整備を進めることとしています。
町 六
町
陸 奥 湾
軽
五所川原市
北郡
凡 例
日
本
海
流 域 下 水 道
単 独
公 共 下 水 道
流水関連
特 定 環 境 保 全 単 独
公 共 下 水 道 流水関連
供 用 開 始 市 町 村
未 供 用 市 町 村
基 本 計 画 策 定(中)
基 本 計 画 策 定(済)
つ
が
る
市
中 津 蓬田村
泊
町 軽五
川
原
市
鶴田町
西津軽郡
鯵
ヶ
沢
町
深浦町
弘
前
市
平内町 野辺地町 郡
東北町
青森市
板柳町
藤崎町
田舎館村
黒石市
大鰐町
南津軽郡
三
沢
市
七戸町
十和田市
六
戸
町
新郷村
田子町
八戸市
三戸郡
三戸町
岩木川流域下水道(県事業)
おいらせ町
五戸町
平川市
中津軽
西目屋村
上
北
東津軽郡
郡所
平
洋
ヶ
所
村
南
部
町
三戸郡
階上町
馬淵川流域下水道(県事業)
図2 青森県の下水道普及率の推移と今後の目標(%)
普及率(%)
H16実績
47.1%
2
H23目標
55.7%
青森県の下水汚泥の発生状況とリサイクル
下水処理場で発生する汚泥は、脱水処理を行って産業廃棄物として処理を行っていま
す。また、県の岩木川流域下水道における岩木川浄化センターは、下水汚泥の焼却施設
を有しており、脱水汚泥を焼却し、その焼却灰について産業廃棄物処理を行っています。
県内の下水処理場から発生する下水汚泥の量は、平成16年度で約5万トン(岩木川浄化
センターについては焼却前の汚泥量換算)となっています。また、これらは100%がリサ
イクルされています。
今後、下水道の更なる普及拡大に伴い、これらの下水汚泥の発生量はさらに増大する
ことが見込まれ、なお一層、多面的な有効利用を進めることが必要となっています。
図3県内の地区別下水汚泥発生状況
(平成16年度、脱水汚泥ベース)
図4県内の下水汚泥リサイクル状況
(平成16年度、脱水汚泥ベース)
下北地区
約400t
東青地区
約13,800t
上北地区
約3,800t
津軽地区
約20,700t
三八地区
約11,300t
今後、下水汚泥の発生量は確実に増加、リサイクルの拡大が急務!!
3
さまざまな使いみちがある下水汚泥
建
設
資
材
利
用
お でいしょ り
緑
地
・
農
地
利
用
し せつ
汚泥処理施設
濃縮
脱水
消化
汚泥処理施設で処理を
行います。
4
エ
ネ
ル
ギ
ー
利
用
乾
乾
な
さまざまな製品に活用可能です。
焼却
レンガ
舗装用ブロック
タイル
フラワーポット
コンクリート
2次製品
焼却灰
乾燥
溶融
セメント原料
スラグ
街の緑化に活躍します
汚泥肥料により
育ったチューリップ
堆肥
乾燥・発酵
など
汚泥肥料入りマット
による緑化
消化ガス発電
炭化燃料
青森県では、バイオマス資源としての下
水汚泥に着目し、平成18年度から、県内
で発生する下水汚泥を新エネルギー等と
して利活用するための具体的方策につい
て、検討していきます。
5
青
森
県
リ
サ
イ
ク
ル
製
品
認
定
制
度
へ
の
登
録
を
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次詳
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か
ら
・
・
・
青森県リサイクル製品認定制度について
青森県では、資源の循環的な利用と廃棄物の減量を促進するとともに、リサイクル産
業の育成を図るため、県内から発生する下水汚泥などの循環資源を原材料とするリサイ
クル製品を知事が認定する制度を創設しました。
県民や事業者の皆さんと一体となって、環境と共生する循環型社会の形成を目指して
いきます。
青森県リサイクル製品認定制度・認定基準
青森県リサイクル製品認定マーク
次に揚げる要件のいずれにも適合であること。
(1)青森県内の事業場で製造・加工されるか、又は青森県内に主たる事務所を有する者
により製造・加工された製品であること。
(2)原材料となる循環資源が主に県内で発生したものであること。
(3)生活環境の保全のために必要な措置が講じられている事業場において製造・加工さ
れること。
(4)次の認定基準に適合していること。
区 分
安 全 性
設定基準
環境基本法第16条第1項の規定による
土壌汚染に係る環境基準に適合していること。
(1)JIS・JAS規格
のあるもの
①日本工業規格(JIS)に適合していること。
②日本農林規格(JAS)に適合していること。
県が定める土木工事等に係る共通仕様書又は国が定
規 格
(2)JIS・JAS規格
のないもの
める建築工事等に係る共通仕様書に定める規格に適
合していること。
(3)
(1)
(2)以外のもの
循環資源
の
配合率
リサイクル製品に関する学識経験者の意見を聴いて
知事が定める規格に適合していること。
エコマーク基準
のあるもの
エコマーク認定基準に定める配合率基準に適合して
エコマーク基準
のないもの
リサイクル製品に関する学識経験者の意見を聴いて
いること。
知事が定める配合率基準に適合していること。
6
青森県リサイクル製品認定を受けると・・・
認定を受けた製品の使用を推進するため、青森県は次の取組みを
行っていきます。
認定証の
交 付
青森県知事から認定証が交付されま
す。
認定
マーク
製品本体、包装紙への印刷などの際
に、青森県リサイクル製品認定マー
クを使用することができます。
パンフ
レット
認定製品及び製品の製造企業を紹介
するパンフレットを作成・配布しま
す。
ホーム
ページ
青森県のホームページで認定製品及
び製品の製造企業を紹介します。
県が実施する事務・
事業における取組み
情報提供
性能・品質・数量・価格等を考慮した上で、県が実施する事務・事業での優
先的使用に努めます。
県土整備部設計単価表への掲載を県に申請できます。
青森県のイベント等様々な機会において、
県民の皆さんや県内市町村等へのリサイクル製品に関しての情報提供を行います。
申請から認定を受けるまで・・・
募集
募集期間
平成18年度の募集期間は、後日公表されます。
申請に関する相談は県環境政策課にて随時承ります。
申請
申請書類
上記募集期間中に所定の申請書及び添付資料を提出してください。※青森県のホームページからダウンロ
ードできます。
申請窓口
青森県環境生活部環境政策課循環・環境産業グループにて受付けています。
申請手数料
無料(ただし、申請のために実施する品質試験等に要する経費は申請者負担となります。)
審査
リサイクル製品に関する学識経験者の意見を聴いて、申請内容の審査を行います。
認定
認定証
審査結果に基づき、青森県知事が認定の可否を決定し、認定した製品については、認定証を交付します。
認定期間
認定の有効期間は3年間です。
有効期間満了後引き続き認定を受けようとする場合、再度申請することができます。
7
青森県リサイクル製品認定制度で認定された
製品の県土整備部設計単価表への掲載について
平成18年4月から、「青森県リサイクル製品認定制度で認定された製品」についても、
次に掲げる要件に適合すれば、青森県県土整備部の設計単価表への掲載を申請すること
ができます。
申請要件
○ 日本工業規格(JIS)に規格の定めがある場合、それに適合する製品
○ 国及び県が定める共通仕様書に規格の定めがある場合、それに適合する製品
○ その他、これら以外の規格によることに合理的な理由があると認められる場合、
その規格に適合する製品
申請頂いた製品については、その性能や品質について審査を行い、設計単価表への掲
載の可否を決定することとなります。
なお、青森県県土整備部の設計単価表へ掲載することが、必ずしも県土整備部発注工事
で使用されることとはなりません。
設計単価表に掲載された製品は、性能や特徴、価格等を総合的に判断し、必要に応じ
て、県土整備部発注工事において使用されることとなります。
申請期間や申請様式等については、青森県県土整備部整備企画課のホームページ
(http://www.pref.aomori.lg.jp/skikaku)で公表していますので、詳しくはそちらをご覧
下さい。
8
下水汚泥を利用した
製品事例の紹介
9
下水汚泥を利用したリサイクル製品事例の紹介
■セメント原料
下水汚泥の焼却灰を原料の一部として使用・焼成することにより、普
通セメントや高炉セメント等、各種セメント原料が製造されています。
セメント原料
第1回青森県リサイクル認定製品
第1回青森県リサイクル認定製品
青森県リサイクル製品認定制度の第1回認定製品として、県内か
ら発生する下水汚泥の焼却灰を原料の一部に利用した以下のセメン
ト原料が認定されました。
会社名:八戸セメント株式会社(八戸市新井田)
品目:セメント(高炉セメントB種)
認定期限:H21.3.31まで
八戸セメント工場
10
■コンクリート2次製品
コンクリート材料の一部に下水汚泥焼却灰を用いています。通常の規
格品と形状・寸法、強度等は、既存製品と全く同一に利用可能で、各種
製品に利用されています。
人孔ブロック
ボックスカルバート
ヒューム管
組立式マンホール
11
■透水性セラミックブロック
下水汚泥の焼却灰の焼成や、下水汚泥の溶融スラグを混合・加圧する
ことなどでつくられます。透水タイプ、保水タイプ他、さまざまな用途
への製品に利用されています。
特 徴
1.優れた透水機能(平成0.03cm/sec)で、水
たまりができず、安全歩行できます。また雨水
を地中に戻し、下水道負担軽減、地下水涵養の
効果が期待できます。
2.高い空隙率のため目詰まりしにくく、また
高圧洗浄により容易に初期の透水性能を回復し
ます。
3.約10ë/㎡の雨水をブロック内側に保水し、
打ち水効果でヒートアイランド現象を緩和しま
す。
4.高温で焼成したセラミック製のため、白華
や色褪せがなく、防汚性に優れています。
5.曲げ強度が6MPa以上で、通常の透水性
インターロッキングブロックの規格(2.9MPa)
を十分にクリアしています。
モデル施工例
カラーバリエーション
WS(白御影)
LB(ライトバフ)
DB(ダークバフ)
LG(ライトグレー) DG(ダークグレー)
形状寸法例
〈標準サイズ〉
200×100×60mm
200×200×60mm
〈特注サイズ〉
300×150×60mm
200×300×60mm
200×100×80mm
234×115×50mm
12
施工方法
通常のインターロッキングブロ
ックとほぼ同様の施工方法が適用
できます。
■透水性レンガ
スラグ及びセラミック廃材(タイル等)をリサイクル活用した景観レ
ンガです。
スラグの重量混合率は約5∼10%です。
特 徴
1.大きな吸水力、保水力をも
っています。
2.高耐久性です。
形状寸法例
198×98×60mm
(目地スペーサー付き)
230×114×60mm
カラーバリエーション
緑
濃茶
グレー
薄茶
白
■レンガ舗道材
珪石・長石・粘土の陶磁器原料と焼却灰3∼10%(重量比)を特殊混
練し、成型・焼成してつくられた舗道材です。
特 徴
1.焼却灰の固有成分と性状によ
り、混入率と表情の異なったもの
が得られます。
2.適度の吸水性があり、植物と
共存できます。
3.凍結・融解に強く、寒冷地で
の使用にも適しています。
4.ノンストップ仕様も可能です。
カラーバリエーション
濃茶
薄茶
形状寸法例
白
230×114×45mm
13
■舗道ブロック
骨材の一部に汚泥溶融スラグを利用しています。日本下水道事業団(JS)下水道
施設標準図に掲載されている製品もあります。
特 徴
1.スラグは主に基礎部に混入さ
せています。
2.JS下水道施設標準図(詳細)
土木・建築・建設設備編にも掲載
されています。
形状寸法例
200×100×60mm
200×100×80mm
■平板ブロック
平板の基礎部に使用される骨材の一部を置換して、汚泥溶融スラグを
再利用しています。
特 徴
1.透水性です。
2.表層部は磁器質タイルを接着した
複合平板も可能です。
3.JS下水道施設標準図(詳細)土
木・建築・建築設備編にも掲載されて
います。
形状寸法例
300×300×60m
290×290×60m
14
■外装モザイクタイル
土の質感を大切にした無釉練り込みの外装用モザイクタイルです。
約3%のスラグを混入しています。
特 徴
1.下水汚泥溶融スラグを
再生利用して製造された炉
器質タイルです。
2.アースカラーを基調と
して豊富なバリエーション
が選べます。
3.練り物独特の質感のあ
る風合いが特徴です。
カラーバリエーション
形状寸法例
95×45×7.2mm
15
■植木鉢
粉砕したスラグを粘土と混寝し、成型、焼成してつくられます。
スラグの重量混合率は約50%です。
特 徴
形状寸法例
フリーサイズです。
(代表値)
丸型φ310×210mmH
角型480×200×135mmH
1.粉砕したスラグを原料として使用しています。
2.落ちついた色合いで、修景に適しています。
■フラワーポット
陶磁器で有名な産地における活用例で
スラグなどを5∼10%と陶磁器原料土を特殊混練し、その土地におけ
る伝統的な成形と焼成をしています。
特 徴
色調・光沢の有無、施釉などによ
って調整することが出来ます。エ
クステリア・インテリアのどちら
で使用可能です。
形状寸法例
(φ310×210)×300mmH
16
■汚泥コンポスト入り花マット
下水汚泥をおがくずやパーク等と混合し発酵させるなどして、堆肥と
してリサイクルされています。
ハウス野菜等の畑作用、造成地の土壌改良、公園や街路樹等の緑化関
係の他、道路の法面緑化材他、多方面で利用されています。
このコンポストを利用した花マットの製品例です。
花マットの構造
特 徴
1.天然繊維のケナフ・ジュート製
マットを使っています。
2.数種の花の種が混入されており、
冬を除いて長期にわたって花を観賞
できます。
3.マット製品であるため、施工が
簡単で斜面に吸出し及び初期のエロ
ージョン防止効果があり、さらに客
土及び種子の流出を防ぎます。
ケナフ・ジュート製マット
コンポスト・JSマップ入り客土
ケナフ・ジュート製ネット
17
形状寸法例
2.0×1.0m プラピン付
このパンフレットに関するお問合せ先
青森県県土整備部都市計画課下水道グループ
TEL:017―722―1111(内線4334)
TEL:017―734―9688(直通) ○
青森県の下水道ホームページ URL:http://www.pref.aomori.lg.jp/gesui
この印刷物は4,000部作成し、印刷経費は1部当たり68円です。
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