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勧誘事例 (1) 平成26年4月の午後1時頃、ミナト建設の営業員ZがAの

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勧誘事例 (1) 平成26年4月の午後1時頃、ミナト建設の営業員ZがAの
勧誘事例
(1) 平成26年4月の午後1時頃、ミナト建設の営業員ZがAの自宅に突然来て、会社
名を告げずに、
「そこの工事現場で働いている。屋根が気になった。昼の休憩時間でや
ってあげる。
」などと声を掛けた。AはZのことを自宅近くの工事現場で働いている人
だと思った。ZはA宅の屋根瓦を指差して、屋根の棟瓦がずれて隙間が開いている、
屋根に登って直してあげると言った。AがZにどこで工事をしているかを聞くと、Z
は「そこの新築現場で仕事をしている。
」と言った。AはZの言うことを信用して、補
修代金を尋ねるとZは「3千円でいいです。
」と言った。Aは安いと思い、Zに修繕を
依頼した。修繕が終わるとZはAに屋根の写真を見せて「あまりにもひどい。ここま
でひどいのはそんなにない。直さないと、そのうちに雨漏りがする。
」と言ったため、
Aは不安になった。AはZに補修代金を支払った。
その後、ミナト建設の営業員Yが来てZと交代した。Yは「この家も全部直せば絶
対に良くなる。
」と修繕工事を勧めた。Yは工事の内容を紙に書いて説明し、合計70
万円くらいになると説明した。Aが契約しないと告げると、Yは急に態度を変え、怒
ったような怖い顔になった。Aが屋根補修の領収書を請求すると、Yはしぶしぶポケ
ットから領収書を取り出して、ふてぶてしい態度で領収書を書いてAに渡し、気分を
悪くしたという態度で帰って行った。Yが渡した書類には役務の種類と契約解除に関
する法定記載事項が書かれていなかった。
Aは近くの新築現場に行き、
「作業服を着た2人の男性がここで仕事をしていると言
って訪れたが本当ですか。
」と聞いた。現場の男性は「今日作業をしているのは、男性
1人と女性1人だけです。あなたは騙されているから警察に行った方がいい。
」と言っ
た。
(2) 平成26年6月の午後、ミナト建設の営業員XがB宅に来て、
「すぐ近くで工事をす
るから、
車が通れなくなっちゃうんで、
付近の人に挨拶して回っています。
」
と言った。
挨拶を終わって帰る時、XはB宅の屋根瓦を見て「瓦がずれていますよ。直しておい
た方がいいですよ。すぐ近くで工事をやっている。工事が終わってから直してあげま
しょうか。2千円でいいですよ。
」と言った。Bは2千円ならいいかと思い、依頼した。
Xは契約書や名刺を置いていかなかった。
翌日、ミナト建設の営業員WがB宅を訪れ、屋根に上って修理した。Bが代金の2
千円を支払うとWは補修工事請負契約書兼領収書を渡したが、この書面には契約解除
に関する法定記載事項が書かれていなかった。Wは、いったん道路の方に行き、また
戻って来て「せっかく2千円を払ってもらったので、東側の瓦のずれを見させてもら
ったところ、瓦のずれではなく屋根裏の木が熱膨張でずれているんです。屋根裏から
ハンマーで木をトントンと叩けば直るはずだ。Bさん、簡単だから直しなさいよ。
」と
言った。Bはどの部分の木を叩けばいいのか分からないので、知人に見てもらうと言
うと、Wは「私がやってあげますよ。
」と言い、Bに屋根裏口まで案内させた。Wは屋
根裏を見ると、少しびっくりした口調で「これはひどい。屋根裏の通気が悪く高温の
空気が溜まり、屋根裏の木がシミだらけだ。このままでは近いうちに大規模な工事が
必要になってしまう。換気扇や換気口、空気攪拌機を設置すると何とかなります。リ
フォーム業者じゃ駄目だ。屋根専門の業者でないとできない。
」と言った。Wは屋根裏
の写真を撮り、Bに見せて説明した。Wは「会社の営業を通じて作業すると高くなる
から、私の知り合いということにして、現場監督に了解をもらって安くできる。
」とB
に言った。Bはミナト建設に百数十万円の工事を依頼することにした。
その後Bはクーリング・オフすることを決断し、クーリング・オフのハガキを送付
すると、翌日WがB宅を訪れ、他で使うことができない材料があり、その分の50万
円は払ってもらわないといけないというようなことを言った。
(3) 平成26年3月の午後2時頃、ミナト建設の営業員VがC宅に来て、
「1本向こうの
現場で工事をしている。車両が通るので迷惑をかけますが、よろしくお願いします。
」
と挨拶した。Vはいったん出たと思うとすぐに戻って来て「お宅の屋根瓦、ずれてい
ますよ。ついでなので直してあげましょうか。
」と言った。Cが断るとVは出て行き、
再び戻って来て、
「このままほっとくと雨漏りしますよ。
もう既に雨漏りしているかも。
」
と言ったので、Cは不安になった。Cは「下から見ただけで分かるんですか。
」とVに
尋ねた。VはCを家の外に連れ出し、道路に面した棟瓦を指差して「ほらあそこ見え
ますか。もし良かったら、近所の工事が終わり次第、夕方になりますが直しますよ。
」
と言った。CはVに3千円で修繕を依頼することにした。
夕方にミナト建設の営業員UがC宅を訪れ、屋根に梯子を掛けて作業をした。屋根
から降りると、Uは「棟瓦のずれは直しました。しかし、相当屋根がボロボロになっ
ている。漆喰も剥がれているし、釘も浮いている。このままほっとくと、瓦も滑り落
ちる。もしかして、もう雨漏りしてもおかしくない状態ですね。屋根の状態をデジカ
メで写して説明しますから、SDカードを貸して下さい。
」と言った。Uは屋根の写真
を撮ってCに見せ、
「この状態では雨漏りしますよ。
」と言った。Uは工事内容をメモ
書きして説明し、
「一度知り合いの屋根屋さんか、この家を建てた大工さんに相談して
みては。私の会社でも修理できますよ。何なら見積もりだけでもしましょうか。
」と言
った。Cが工事費用を尋ねると、Uは「70~80万ですね。営業を通さずにやれば、
3割程安くなり、50万円くらいでやれますよ。
」と言い、車に乗り込んで打ち合わせ
シートを作成してC宅に戻って来た。Cが補修代金の3千円を支払うと、Uはいった
ん帰っていった。このときUは補修工事の契約書や領収書を全く渡さなかった。
その日の夕方に再びUがC宅に来た。Uは「さきほど書いた工事打ち合わせシート
は、
僕の独断で書いたもの。
本当に工事をする気があれば、
監督にお願いしてみます。
」
と言い、定額より3割程安く工事ができるとも言った。Uはその場で監督に電話をか
けて値引き交渉し、
「監督から許可が下りました。
」と言ったので、Cはミナト建設と
契約することにした。
数日後、UがCにミナト建設の営業員Tを紹介した。Tは「屋根瓦の修理をしたの
に雨漏りがしたと言われても困るので、
雨漏りがしていないか屋根裏を見せてほしい。
」
と言い、数日後に屋根裏を見に来ることを約束した。
約束の日の昼頃にTがC宅に来て屋根裏に登ると、叫ぶような大声で「あっ。これ
はひどい。
」と言った。さらにTは「天井裏が凄い熱気だ。乾燥でカラカラだ。通気口
が無いので、木がパリパリになって柱が浮いている。割れている。横木の間の縦木が
かませてあるだけ、縦揺れ地震が来たら、スポッと抜ける。柱と柱を繋ぐ金物がやっ
てない。
」と言い、
「屋根裏に入った途端、凄い熱気だ。このままだと木が乾燥してえ
らいことになりますよ。通気口の工事と柱と柱を繋ぐ工事が必要ですね。
」と修理が必
要な個所を指摘した。Tが見せた写真は、C宅を写したものではないとCは思った。
(4) 平成26年7月の昼近くにミナト建設の営業員SはD宅の玄関チャイムを鳴らした。
Sは
「ご近所で外壁工事をしますので騒音で迷惑をかけますがよろしくお願いします。
挨拶に来てお宅の屋根を見たら、お宅の屋根がずれているのが見えた。屋根の一部が
浮いていて、そこから雨が進入して屋根裏が腐ったりして危険ですよ。ご自分で屋根
に上がって直してもいいです。しかし、屋根なんか上がって、滑って落ちたら危ない
から、今の仕事の合間に来て直してあげましょう。仕事の合間だから、僕らが工務店
を通さず直接直してやりますよ。
」などと言った。Sは「簡単ですから、3千円いただ
ければ結構です。
」と言ったので、Dは依頼することにした。
数日後、SとともにD宅に来たミナト建設の営業員Rは「屋根に上ったら内側の柱
がずれていた。
屋根裏に上がってハンマーでたたいて簡単に直る。
3千円でやります。
屋根裏を見せてください。
」と言い、屋根裏に上った。するとRは「あー、これは材木
が汗をかいている。
」などと言った。Rはデジカメで撮った屋根裏の写真を見せながら
「大変だ。屋根裏の木が光っているのは柱の汗で腐らせる元です。いま直さないと大
変なことになる。危険です。このままだと屋根から雨漏りがして、直すには屋根の葺
き替えで300万円くらいは必要となります。今なら換気扇を設置して換気を良くし
防腐剤を塗っておけば60万円くらいで対策がとれます。
」と言った。Rが「屋根裏の
工事屋を知っていますか。
」と聞いたので、Dは聞いたことがないと言った。するとR
は「普通の大工は屋根裏のことが分からないから工事ができない。
」というようなこと
を言った。Dが知り合いに見てもらうと言うと、Rは「そんな悠長なことを言ってい
ると、雨が漏れて修復にものすごくお金がかかるようになりますよ。気づいたときは
手遅れです。
」と言った。Dは小屋裏修繕工事を依頼することにした。
Dはミナト建設に修繕代金の3千円を支払い、補修工事請負契約書兼領収書を受け
取ったが、その書面には契約解除に関する法定記載事項が書かれていなかった。
(5) 平成26年9月の午前9時30分頃にミナト建設の営業員QがE宅を訪れ、
「ご近所
で工事をしています。3日か4日かかり、車を道に置くので迷惑を掛けますがよろし
くお願いします。
」と挨拶した。Qは約10分後に再びE宅を訪れ、
「お宅の屋根を見
ると鬼瓦の先がずれています。今の仕事の休憩がある午後3時頃なら人を回してあげ
られます。2千円から4千円くらいで直してくれると思うけれどどうですか。
」と言っ
た。Eが修繕を依頼すると、Qは「やってもらえるか一度聞いてみるね。
」と言ってど
こかに行った。15分くらいしてQがもう一度訪れ「やってもいいと言っている。そ
のかわり休憩時間になるから、午後3時頃に来ますので、よろしくお願いします。
」と
言った。
約束をした午後3時頃にミナト建設の営業員PがE宅に来た。EはPが近所で工事
をしていて、わざわざ駆けつけて作業してくれたのだと思った。Pは梯子とコーキン
グ剤を持って屋根に上がった。作業終了後、Eが修繕費用を尋ねると、Pは「3千円
頂ければ結構です。
」と言った。Eが受け取った補修工事請負契約書兼領収書には契約
解除に関する法定記載事項が書かれていなかった。
Pは再び屋根に上って撮影し、テレビにその写真を映した。Pは「これを見てくだ
さい。こんなになっている。瓦との隙間から雨水が入り2階は水浸しになるよ。僕ら
が会社を通さずに安くやってあげるよ。この会社を通さずにやることは、とにかく、
会社にも近所にも誰にも言わないで、どこでやってもらったかも言わないで欲しい。
」
と言った。Eが悩んでいるとPは「雨が漏れて2階が水浸しになる。そうなると手遅
れですよ。
」と言った。
Eは、QやPは親切な人達で、会社を通さずにうちだけ特別にやってくれる、その
親切な人の仕事を断るのは申し訳ない、真剣になって親切に一生懸命頑張っていると
思い、勧められたとおりに工事をしてもいいという気持ちになった。Eは工事を依頼
することにして契約書にサインした。
契約日の翌日に、Eの親族が2階から屋根に上がって状態を確認すると、
「すぐに修
繕が必要とは思わない。
」と言った。Eの親族がミナト建設に電話すると折り返しPか
ら電話がかかってきて、
「既に会社の契約は成立しており、材料も発注してしまったの
で、キャンセルはできない。
」と言ったため、会社を通さずにやるという話は事実でな
いことがわかった。
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