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大学生による富士市特定バス路線 の利用促進策とその効果分析
大学生による富士市特定バス路線 の利用促進策とその効果分析 南山大学総合政策学部 石川研究室 富士市 都市整備部都市計画課 目次 1.富士市概要 2.ひまわりバス概要 3.本事業の特徴 4.実施体制 5.MM事業の決定プロセス 6.実施内容 7.効果分析 8.課題とまとめ 本事業の特徴 ・大学生がプロジェクトの企画から効果分析まで実施し たこと。 ・富士市役所との連携により、円滑な事業運営ができ たこと。 ・各事業間ごとの連携を図ることにより、イベントへの 来場者を増やすなど、事業全体の成功を導くことが できたこと。 ・モビリティマネジメント手法における事実情報提供法 、アドヴァイス法などを組み合わせたパッケージ施策 として実施したこと。 富士市概要 • 面積 214.10km2 • 総人口 261,438人 (平成21年4月現在) • 高齢化率 18.7% (平成19年度) • バス分担率 0.6% (平成16年度) ひまわりバス概要 ・中心市街地を循環 ・沿線施設 →商業施設、病院等 ・1便当たりの乗車人数 →7.8人(平成19年度) ひまわりバス概要 運賃 コース 100円/回 青コース(右回り) 30分/周 赤コース(左回り) 45分/周 運行日 月曜~土曜 (祝日を除く) 運営主体 富士急静岡バス 主な利用者 高齢者 就学前後の子をもつ 女性 主な利用目的 買い物、通院 ひまわりバス赤コース ひまわりバス青コース 実施体制 南山大学総合政策学部 石川研究室 石川准教授 時刻表ポスター 絵画コンテスト 利用促進 イベント班 無料情報誌班 班 協力者各位 ・保育園 ・幼稚園 ・小学校 ・商店街 ・店舗 ・病院 ・富士市民 富士急静岡バス 学生(リーダーグループ) 富士市役所 都市整備部 都市計画課 MM事業の決定プロセス 目的:自動車利用から富士市循環路線の ひまわりバスへの利用を促進すること。 決定プロセスの4STEP 富士市民へのアンケート調査 (平成19年度 実施) 全国のMM事業の事例収集と整理 代替案の選定 MM事業の決定 <PLAN> MM事業の実施 <DO> MM事業の評価 <SEE> 事業の説明 1. 無料情報誌の発刊 2. 絵画コンテストの実施 3. 利用促進イベントの実施 4. 時刻表ポスターの掲示 無料情報誌 概要 •目的 ひまわりバスやその沿線の 情報を提供することにより利 用促進を図る。 対象者 サイズ ひまわりバス沿線住民 A4 ページ数 16ページ 色 全ページカラー刷り 発行部数 15,000部 付録 ひまわりバス沿線図(A3) 無料情報誌 構成 ・学識者寄稿「バス利用のススメ」 ・導入(富士市民の皆様のエコ活動) ・ひまわりバスに関する情報提供 ・ひまわりバスの必要性 ・路線図 ・沿線施設・店舗紹介 ・利用モデル紹介 ・クロスワード ・時刻表 無料情報誌 内容 <ひまわりバス沿線の店舗紹介> 無料情報誌 <ひまわりバスを使った1日を紹介> 無料情報誌 路線図 無料情報誌 配布方法 ①バス利用促進イベント来場者への配布 ②自治会を通じた、沿線全世帯への配布 ③公共施設及び、無料情報誌掲載施設での設置 無料情報誌 特徴 ①学生が企画から取材、版下作成までの全て の工程を行っていること。 ②無料情報誌という新たなツールによって沿線 世帯へ広く情報提供ができたこと。 ③バスの利用促進だけでなく、店舗などの沿 線施設を紹介することで、中心市街地の活 性化にも寄与していること。 絵画コンテスト 概要 • 目的 ひまわりバスの絵を描くことにより、子供やその家 族がひまわりバスを身近に感じてもらう。 また、イベントにて応募作品の展示することでイベ ントの参加を促進する。 応募期間 2008年9月8日(月)~2008年10月1日(水) 対象 ・小学校1・2年生 ・保育園・幼稚園年中・年長園児 ・小学生610名 ・保育園・幼稚園250名 対象人数 応募人数 ・小学生458名 ・保育園・幼稚園174名 応募率 73.5% 絵画コンテスト ・利用促進イベントと連 携し、イベント内で全 作品の展示、表彰者 の表彰式を行った。 ・イベント後は表彰作品 の複写をひまわりバ ス赤コース車内にて 展示した。 概要 絵画コンテスト 特徴 ①募集要項や用紙の配布、絵画の回収等にお いて、学校との連絡を富士市役所を介して 行ったこと。 →学校の積極的な協力を得ることができた。 教育機関 富士市役所 石川研究室 利用促進イベント 概要 ・目的 お祭りのようなイベントを開催し、バスを身近なもの として感じていただくことで利用を促進する。 ・概要 名称 対象 参加人数 開催場所 開催日 ひまわりまつり 就学前後の子とその家族を 中心とした沿線住民 約600名 富士市交流プラザ 11月1日 利用促進イベント 実施企画 • 利用促進イベントで行った企画 企画 対象 内容と目的 ①ひまわり 子供と レンジャーショーを行い、バスが温 レンジャーショー その親 暖化対策になることを認知させる。 ②巨大すごろく 子供 自動車よりバスが先にゴールする すごろくによりバスが地球にやさし いと認知させる。 利用促進イベント 実施企画 • 利用促進イベントで行った企画 企画 ③ひまわり バス講座 ④○×クイズ 対象 沿線住 民全体 沿線住 民全体 内容と目的 ひまわりバスの情報伝達によりバスの 利用促進を図る。 クイズ形式の情報提供によりバスの 利用促進を図る。 利用促進イベント 実施企画 • 利用促進イベントで行った企画 企画 ⑤健康講座 (無料情報誌紹介) ⑥ひまわりバス展示 対象 高齢者、 女性 子供とそ の親 内容と目的 口頭による情報提供によりバ スの利用促進を図る。 バスに実際に触れることでバ スの認知度UPを図る。 利用促進イベント 実施企画 • 利用促進イベントで行った企画 企画 ⑦ひまわりバス絵画 コンテスト表彰式・ 展示会 対象 絵画 コンテスト 参加者 内容と目的 絵画コンテストの作品を展示 することでイベント自体への来 場促進を図る。 ⑧個別説明会 来場者 オーダーメイドの時刻表を作 成することによりバスの利用 促進を図る。 利用促進イベント MMツール • 利用促進イベントで使用したMMツール ツール 内容 ①お面 キット 子供向けにレンジャーの お面キッドを無料配布した。 ②個別時 携帯できる名刺サイズの 刻表 オーダーメイド時刻表を配 布した。 ③無料乗 先着順に300枚をイベント 車券 の受付にて名刺サイズの 無料乗車券を配布した。 ① ② 利用促進イベント MMツール • 利用促進イベントで使用したMMツール ツール 内容 ④ボックス 記念品としてひまわりバス ティッシュ をデザインしたBOXティッ シュを配布した。 ⑤巨大 すごろく ③ 自動車よりバスが先にゴー ルするすごろくを行った。 ④ ⑤ 利用促進イベント 特徴 ①学生が全ての企画・運営・出 演を行っていること。 ②ツールの作成も全て学生が手 作業で行っていること。 ③絵画コンテストとの連携により 多くの来場者を獲得できたと。 時刻表ポスター •目的 バス沿線の施設別にポ スターを掲示することに よって、施設利用者の利用 促進を図る。 対象 当該施設利用者 掲示場所 公共施設、 スーパー、病院等 計30施設 掲示枚数 計84枚 概要 時刻表ポスター 特徴 ①学生がデザインから、版下作成までを行っている こと。 ②施設ごとのオーダーメイドであるため、施設から 最寄のバス停までの地図が掲載されていること。 ③施設の希望に応じたサイズ枚数のポスターを配 布したこと。 本事業とMM手法の関連 MM個別プロジェクト MM技術分野 ターゲット ①時刻表ポスター ②無料情報誌 ③絵画コンテスト イベント展示、表彰 アドヴァイス法 高齢者、女性 事実情報提供法 沿線住民全体 ー 子供とその親 ④利用促進 イベント 企画 ・レンジャー ショー ― ・バス講座+ ○×クイズ ・健康講座 ・巨大すごろく ・個別説明会 事実情報提供法 沿線住民全体 子供とその親 事実情報提供法 高齢者、女性 事実情報提供法 子供 アドヴァイス供法 沿線住民全体 効果分析① 事後対推定without比較法 <事後対推定without比較法による効果分析> • MMを実施しなかった場合の推 定値と実際の値を比較し、その 差をMM事業の効果とみなした。 • 推定値と実績値を比較した場 合1418人(8%)の増加で あった。 • 昨年度値と実績値を比較した 場合差2,277人増加であった。 (※ 2008年8月19日~2009年1月31日までの累計) 効果分析② アンケート調査 <アンケートによる効果分析> 利用促進イベント 利用促進イベン ひまわりバス 当日アンケート ト事後アンケート 乗客アンケート 調査期間 2008年11月1日 2008年11月25日 2008年12月12 ~12月1日 日~12月20日 調査対象 イベント参加者 絵画コンテストに 参加した園児・ 児童の保護者 ひまわりバス 利用者 配布枚数 有効回収数 約500 16 860 498 245 159 有効回収率 3.2% 57.9% 64.9% 効果分析② アンケート <アンケートによる効果分析> ・利用促進イベント事後アンケート -イベントによるひまわりバスへの利用変化について、87.9% の人が今後バスを使おうと思うと回答した。 ー無料情報誌によるひまわりバスへの利用変化については、 89.3%の人が今後バスを使おうと思うと回答した。 課題 ・今回のMM事業は、一時的なものであった。 より継続的な効果を期待するためには、本事 業のような取り組みを継続して行う必要があ る。 ・今回のMM事業は、石川研究室と富士市役所 が主体となり取り組んだ。これからより利用促 進を図っていくためには、運営主体である富 士急静岡バスとの連携が必要となる。