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星のふらつきをとらえる
岡山188cm望遠鏡や
すばる望遠鏡による太陽系外惑星探索
佐藤文衛
東京工業大学
系外惑星、直接見える?
恒星は惑星より10億倍明るい
明るい恒星のすぐそばにある
暗い惑星を見つけるのは難しい
速度のふらつきをしらべる
速度
遠ざかる
遠ざかる
止まって
見える
近づく
近づく
時間
木星による太陽のふらつきは毎秒13メートル
地球による
〃
毎秒10センチメートル
速度のふらつき→波長(色)のずれ
ドップラー効果
近づくときは
波長が青い方にずれる
遠ざかるときは
波長が赤い方にずれる
速度が大きいほど
波長のずれ方は大きい
系外惑星探しに使う観測装置:
高分散分光器
写真:国立天文台
HIDES@岡山
HDS@すばる
最高で数メートル毎秒のふらつきを検出できる
スペクトル
岡山&すばるでの
系外惑星探し
写真:国立天文台
“巨星”のまわりの惑星を探す
太陽と異なるタイプの恒星には惑星があるのか?
あるとしたらどんな惑星なのか?
G型巨星:
太陽の2∼3倍の質量
太陽の10∼20倍の半径
岡山とすばるで約500個の
巨星で惑星探し中
太陽より重い恒星は惑星探しが難しく、
あまり観測が行われてこなかった
太陽似の恒星
穏やか(活動度低い)
惑星を見つけやすい
巨星
太陽より重い恒星(太陽の約2倍以上の質量)
活動度が高い
惑星を見つけにくい
膨張
(太陽の約10倍の大きさ)
比較的穏やか
惑星を見つけやすい
進化
(中心で水素を
燃焼し尽くす)
太陽の10倍程度の大きさの「巨星」なら比較的
穏やかで重い恒星の惑星探しが可能なことに着目
日本初!!
2003年、岡山で系外惑星発見!
‹距離 約330光年
HD104985
◆きりん座(北極星の近く)
‹明るさ 5.8等
‹親星の大きさ
太陽の約10倍
●
‹親星の重さ 太陽の約2倍
‹惑星の1年の長さ 198日
‹親星からの距離 0.9天文単位
(金星と地球の間くらい)
‹惑星の重さ 木星の約8倍
図:岡山天体物理観測所
世界初!!
2007年、散開星団に巨大惑星発見!
おうし座
イプシロン星
ステラナビゲータ/アストロアーツ
写真:岡山天体物理観測所
散開星団:生まれたての若い星の集まり
ヒアデス星団の巨星に巨大惑星発見
◆親星 おうし座イプシロン星(見かけの明るさ3.5等)
‹親星の年齢 約6億年
‹親星の重さ
太陽の約3倍
‹親星の直径
太陽の約14倍
‹惑星の公転周期
約595日
‹惑星―親星の距離
約2天文単位
‹惑星の重さ
木星の約8倍
おうし座
おうし座イプシロン星で観測された速度変化
ε
イプシロン星
96m/s
δ
(α)
595日
θ
γ
写真:岡山天体物理観測所
一般の恒星
z
z
例えば、太陽のような恒
星は約100億年間ほぼ
同じ姿で輝き続ける
現在の姿からは正確な
年齢が分からない
100億年後
恒星の性質がよく分かる「散開星団」
z
z
z
z
z
z
生まれたての若い恒星の集団
星団内の恒星は同時期に生ま
れたため年齢が同じ
重い恒星ほど進化が速い
どのくらいの重さの恒星がどの
くらい進化しているかで星団の
年齢が分かる
太陽の2倍の
重さの星
恒星の性質が非常によく決ま
るため、恒星と惑星の関係を調
べるのに適している
10数億年後
しかし、一般に遠くて暗いため 10億年後
惑星探しが難しい。これまでに
太陽のような星
系外惑星の発見なし。
プレアデス星団(すばる)
z
ヒアデス星団では、約100個の太陽のような
星では巨大惑星が見つかっていない
z
でも、太陽の約3倍の重さの巨星では、4つの
うちの1つで見つかった
重い惑星は、重い星のまわりにできやすい?
これまでに
計10個の
惑星を発見
MJは木星質量
を表す
赤字は昨年
発見した惑星系
質量は木星の数倍から
10倍Î巨大ガス惑星
公転周期は約140∼
990日
(軌道半径約0.7∼2.6
天文単位)
中心星(巨星)の質量は
太陽の約2∼3倍、
大きさは約10倍
巨星を回る惑星の
発見数で世界トップ
中心星からの距離(天文単位)
巨星の周りの惑星系の特徴
∼中心星の近傍は惑星欠乏∼
太陽型星(∼1太陽半径=0.005天文単位)
巨星(∼10太陽半径=0.05天文単位)
過去の
巨星の
大きさ
潮汐力によって
中心星に飲み
込まれる領域
中心星からの距離(天文単位)
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