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報告書
小学校外国語活動パイロット
スクール実践研究指定事業
先進校視察研修
報告書
視察先
期
日
参加者
徳島県鳴門市鳴門東小学校
徳島県鳴門市撫養小学校
平成24年11月20日(火)
~11月21日(水)
四万十市立東山小学校
太宰 三和・今井 亜弥
■11月20日(火): 鳴門東小学校
【参観授業】
第5学年 外国語活動の授業
◆単元名
What’s this? クイズ大会をしよう
◆本時の目標
身の回りの物を表す語や、ある物が何かを尋
ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。
【授業のポイント】
☆”What’s this?クイズをする。
☆いろいろなゲームを通じて、表現に慣れ親し
む。
1.授業の流れ
【Greetings】
挨拶をする。
【Warm-up】
”What’s this?” 歌を歌う。
【Review】
”What’s this?” クイズをする。
チャンツを言う。
【Activities】
いろいろなクイズをする。
①シルエットクイズ
②スリーヒントクイズ
③漢字クイズ
④パズルクイズ
【Reflection】
活動を振り返る。
次時の活動を知る。
【Greetings】
挨拶をする。
2.工夫されていた点
○”What’s this?”クイズでは、児童が英語で表すことができる物を提示したり、鳴門
の名産を取り上げたりしていた。提示方法は一部分を見せたり、形状を変化させ予想
しにくい画像で示したりと児童に興味をもたせる方法であった。児童が英語での表現
を知らない物もあったが、鳴門の名産は身近にある物なので興味深く聞いていた。そ
の後、確認の意味で、”What’s this?”の歌に合わせて学習した単語を使って歌って
いた。歌い慣れた歌でも使用する単語を変えるだけで、児童の緊張感やわくわく感は
大きくなっていたように感じた。
○Activities のいろいろなクイズでは、4つのクイズにチャレンジした。一貫して
”What’s this?””It’s ~.”を使って慣れ親しんでいくクイズであった。
①シルエットクイズ:動物のシルエットを3種類提示していた。中には予想外の答え
のシルエットがあり、児童の想像をかき立てていた。
1
②スリーヒントクイズ:食べ物を3種類出題していた。出題は教師からであったが、
児童にさせても意欲的にするのではないかと感じた。
③漢字クイズ:ここからは班での活動となった。まず漢字の読み方を考えさせて、そ
の後英語で何と言うかを考えさせていた。児童にとって身近な物でも出題方法を 工
夫することによって興味深く新たな発見のある活動となっていた。
④パズルクイズ:学習したアルファベットをパズルにし、班で協力をして解いていた。
5つのアルファベットを見つけることができたが、並び替えると児童が学校行事で
何度も繰り返し言っていた「夢」と言う意味の「DREAM」が完成した。行事等と関連
付けた学習内容であった。
○授業の最後には児童が授業の感想を言ったり、教師から評価を返したりする場面を設
定するとともに、振り返りカードを記入している。振り返りカードは本時のワークシ
ートと一体となっており、何枚もプリントを配付しないように配慮されていた。
【協議より】
○鳴門東小学校の概要
・全校児童54名、7学級の小規模校。
・平成21年度より少人数を生かした外国語活動の研究に取り組んでいる。
・今年度の研究主題は、
「仲間とともに学び合い、自分の思いを豊かに表現し伝え合お
うとする児童の育成~表現・伝え合いを支援する ICT の活用~」と設定している。
○外国語活動の授業づくり
・“Hi friends!”の使用を中心とした年間計画に基づき外国語活動の授業を実施して
いる。
・学級担任が主体となって授業を行っているが、鳴門市の ALT が TT として入る時間を
年間15時間程度位置付けている。
・児童の実態に合わせて、地域の特性を生かす等、授業展開を工夫している。
ex) ALT との名刺交換、漢字の画数を数える、近隣のコンビニなどからアルファベ
ットを探す、新しく赴任した先生を知るクイズ etc。
○学校の研究体制
・1~4年生は年間4時間程度 ALT が授業に入っている。児童が外国語活動に取り組
むのは主として5・6年生になってからであり、それまでの系統だった取組は さほど
意識していない。
・外国語活動の実践が高学年担任のものだけにならないように、1~4年生の担任が
年間1回ではあるが、5・6年生の外国語活動の授業にゲストとして参加したり TT
として参加したりすることを校内で設定している。
・外国語活動の教材作りや校内環境整備については、全教員で取り組んでいる。
・ALT が来校した時には校内研修に参加してもらい、教員向けのアクティビティ研修
として、簡単なゲームやチャンツの紹介、発音練習等の研修を行っている。
○学習評価
・授業中の児童を見取ることと、振り返りカードの点検から評価を行っている。振り
返りカードについては、ALT が来た時・時間にゆとりがある時に児童に記入させて
いる。
○小小・小中連携
・鳴門中学校との連携はこれからである。中学校区で外国語活動(英語)授業参観を
予定している。
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○鳴門市の体制
・鳴門市として小中高連携外国語教育研究委員会を立ち上げている。各校で担当を決
め、年間6回の研究委員会を開催している。
・小学校で実施する外国語活動の流れも市全体で統一したスタイルで進めている。
【学んだこと・自校で生かしたいこと】
○外国語活動を教えている学級担任の意識が高い。児童の実態に応じた題材を取り入れ、
中間確認を踏まえた授業づくりに努めている。また、担任自らが授業の中で積極的に
英語で評価をしたりジェスチャーで表現したりして、外国語を意識した授業を行って
いる。
○Activity の中で、他教科で学習した内容や、児童に身近なお店や名産の写真を取り入
れる活動は、児童の興味付けを図るとともに、学習内容の定着にもつながる効果的な
ものだと感じた。学級担任だからこそ仕組むことができる学習内容である。
○新しく赴任した教職員をゲストティーチャーとして招いて授業に参加してもらう方法
は、好きなものを聞いたり、インタビューしたり、クイズに取り入れたり、ランチメ
ニューを考えたり、誕生日を尋ねたりとその教職員をより知るための工夫があるとと
もに、外国語活動の授業展開等を知らせることができる等、効果が幾倍にも増すもの
であり、本校でも計画的に進めたい方法だと考える。
○ALT との関係作りができれば、校内研修へ参加してもらって児童が楽しめるチャンツ
やゲームの紹介や、発音練習をしていただくなど、教職員への研修の一手段として効
果的である。四万十市の ALT はこの9月に新しく赴任した方々だが、非常に熱心に授
業に携わってくださるので、経験を重ねることで実現したい。
■11月21日(水):撫養 小学校
【参観授業】
第6学年 外国語活動の授業
◆単元名 Travel Agency
ようこそ世界発見ツアーへ
◆本時の目標
相手を意識しながら、おすすめの国について
積極的に紹介したり、聞いたりしようとする。
【授業のポイント】
☆ジャパディゲームをする。
☆インタビューをする。
1.授業の流れ
【Greetings】
【Warm-up】
【Review】
【Activities】
挨拶をする。
”Open Your Heart.” 歌を歌う。
行きたい国を尋ねたり、答えたりする表現を練習する。
チャンツを言う。
ジャパディゲームをする。
・グループで話し合い、答えを発表する。
インタビューをする。
・話し方や聞き方について気をつけることを確認し合う。
・ゲストや友だちにインタビューをする。
・前半の活動の振り返りをする。(中間評価)
・振り返りを生かして後半の活動をする。
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【Reflection】
【Greetings】
活動を振り返る。
次時の活動を知る。
挨拶をする。
2.工夫されていた点
○教師ができる限り英語で指示をしたり、評価を返したりしていた。
○リズムに合わせたチャンツを独自に作成しており、難しい表現文でも児童が言いやす
く、覚えやすかった。また、応用として学習した内容をチャンツに合わせて言わせる
ことでさらに慣れ親しむことができていた。
○ジャパディゲームではクイズ形式に掲示し、児童に選ぶ楽しみ、わくわく感をもたせ
るのに効果的であった。
○インタビュー活動
・活動に入る前には、人とコミュニケーションをする時のポイントを全体で確認し、
相手があってこその活動となることを大切に考えている教師の意図が表れていた。
・中間評価をすることで、後半の児童の活動に深まりが出ていた。
・相手から話を聞いた場合は、お勧めポイントをメモに残したり、地図にシールを貼
ったりするなど、聞きっぱなしで終わるのではなく、相手意識をもたせる活動内容
であった。
○振り返りカードが、単元通しての学習内容をふまえて1枚にまとめたものであった。
児童も教師も学習内容を見通すことができるとともに、既習の足跡として振り返りや
すいカードであった。学習内容の工夫にもつながっている。
○教材・教具が充実している。自作教材が多い。
○校内環境が万全であった。昨年度の発表の財産として、廊下や階段など至る所に英語
での案内表示があったり、図書室に英語の絵本コーナーがあったりと外国語の雰囲気
が校内にあふれていた。また、大教室は外国語活動専用の部屋として使用しており、
空間としてもゆとりがあり多様な授業が展開できるということであった。
【協議より】
○撫養小学校の概要
・全校児童315名、14学級の中規模校。研究主題を「子どもが主体的に取り組む
わかる授業の想像~あらゆる教育活動の中で聞く・話す活動の充実を目指して~」
と設定して取り組んでいる。
○外国語活動の授業づくり
・外国語活動の計画・実施等は、学年ごとに推進している。5・6年生の学級担任は
前向きに取り組んでいる。活用できる教材は共有している。
○学校の体制
・5・6年生は年間30回 ALT に来てもらっている。1~3年生は年間4・5回、4
年生は年間5・6回程度で、学年の教科に入ってもらっている。また、プレイルー
ムで読み聞かせやゲームをして児童と交流を図っている。
・教師は外国語活動をやってみようという前向きな気持ちがある。 ALT とともにティ
ーチャーズ・レッスンと題して学年ごとに役立つゲームを紹介している。また、近
くに鳴門教育大学があるので、留学生との交流もある。ゲストティーチャーとして
授業に参加してもらい、様々な国の文化を知ることに役立てている。
○学習評価
・振り返りカードを単元で1枚の様式にしていると、児童の評価を踏まえて次時の授業
内容を工夫することができる。教師のチェックもしやすい。また、振り返りカー
4
ドを作成する時点で学習内容の流れを確認することや授業のポイントを考えること
ができるので、見通しをもって授業に臨むことができる。
○小中連携
・これから進めていく。卒業生のビデオレターを見たり、中学校の教師と授業を実施
したりする予定である。(1・2月)
○鳴門市の体制
・教育委員会には、外国語活動担当の指導主事がおり、指導助言は元より教材の作成
についても相談ができる体制が整っている。困った時の心強い存在となっていて、
連携ができている。
【学んだこと・自校で生かしたいこと】
○外国語活動で学習した内容の足跡や、校内で確認している基本的な挨拶や声がけ等に
ついては、拡大して掲示することで児童だけでなく教師の意識付けを図ることにも役
立っている。
○授業の中で、教師が英語を使うことを心がけて挨拶したり、評価したりすることや、
既習した言葉については外国語活動に限らず授業の中で積極的に使っていくようにす
れば、他教科との関連も図ることができる。
○コミュニケーションをする時のポイントはいつでもどこでも活用することができるよ
うに、掲示をしておいたり、ことあるごとに確認したり、教師が率先して使用したり
して、外国語活動だけではなく学校生活の様々な場面で活用できることだと意識を広
げることができる。
○振り返りカードを1単元1枚にして作成する方法は、児童・教師・環境にとって効果
的なものと感じた。振り返り項目を精選することがポイントとなるが、短時間で記入
できるメリットがある。
○ALT が来校した日はかまわない範囲で学校にいてもらい、児童・教員と交 流を図る。
【本県教育へ生かせること】
○学校の教育活動を充実させるために、市町村教育委員会が特色を出して、組織体制を
整備する。
○ALT を授業のみではなく、外国語に長けた有力な人材として校内研修へも活用する。
また、来校した日はかまわない範囲で学校にいていただき、児童・教職員との交流を図
る。
○単元通した振り返りカードを活用する。(外国語活動では効果的ではないか)
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