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第2回中間試験解答 以下の問いではすべて、需要曲線は右下がりで

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第2回中間試験解答 以下の問いではすべて、需要曲線は右下がりで
第2回中間試験解答
以下の問いではすべて、需要曲線は右下がりで、供給曲線は右上がりの形をしているものと
する。
問題1.(配点④× 8)
問題文の示す経済事情の変化によって、比較的短い期間で、コーヒーの均衡価格、均衡数
量はどのように変化するか答えよ。下の①から⑧の、それぞれについて答えよ。
<答え方>
[例1]均衡価格が上昇して、均衡数量が下落する場合
価格↑
数量↓
と書く。
[例2]均衡価格は上昇するが、均衡数量が上昇するか下落するかは何とも言えない場合
価格↑
↑↓?
数量?
と書く。
以外の記号は使わない。
①紅茶(コーヒーとは代替財の関係にある)の価格が上昇した。
②コーヒーの生産技術が変化し、生産性が低下した。
③コーヒーを1単位出荷するのに、政府が1単位あたりいくらかの補助金を生産業者に与え
るようになった。
④国の人口が減少し、コーヒー購入者が今までより減ることとなった。
⑤コ-ヒ-の原料の価格が上がると同時に、人々の所得水準が上昇した。
⑥砂糖(コーヒーとは補完財の関係にある)の価格が上昇した。
⑦コーヒーを生産する業者が減った。
⑧人々のコーヒーに対する嗜好が変化しコーヒー嫌いの人が増えるとともに、干ばつによる
被害によりコーヒー生産が大きなダメージを受けた。
[解答]
①紅茶(コーヒーとは代替財の関係にある)の価格が上昇した。
価格↑
数量↑
②コーヒーの生産技術が変化し、生産性が低下した。
価格↑
数量↓
③コーヒーを1単位出荷するのに、政府が1単位あたりいくらかの補助金を生産業者に与え
るようになった。
価格↓
数量↑
④国の人口が減少し、コーヒー購入者が今までより減ることとなった。
価格↓
数量↓
⑤コ-ヒ-の原料の価格が上がると同時に、人々の所得水準が上昇した。価格↑
数量?
⑥砂糖(コーヒーとは補完財の関係にある)の価格が上昇した。
価格↓
数量↓
⑦コーヒーを生産する業者が減った。
価格↑
数量↓
⑧人々のコーヒーに対する嗜好が変化しコーヒー嫌いの人が増えるとともに、干ばつによる
被害によりコーヒー生産が大きなダメージを受けた。
価格?
数量↓
問題2.(配点(問1)⑩、(問2)⑤)
(問1)ある商品の価格が100円の時、需要量は200個である。価格が101円に
な
ると、需要量は199個になる。この商品の価格変化前の時点でみた、需要の価格弾力性を
求めよ。なお、計算過程を解答用紙に明示すること。
(問2)(問1)で求めた需要の価格弾力性をもとに、この商品の販売計画を考えること に
する。この商品を値下げした時、販売収入額はどのように変化すると予想されるか(上昇す
るのか、下落するのか、変化しないのか)。理由を付けて答えよ。
解答
(問1)
価格は(101-100)/100×100=1で、1パーセントの増加である。価格の低
下によってこの商品は、(199-200)/200×100=-0.5で、0.5パーセ
ントの需要の減少となる。価格1パーセント増加あたりの需要量の減少が0.5パーセント
であるから、この商品の需要の価格弾力性は、0.5である。
(問2)
需要の価格弾力性が1より小さいので、消費者はこの財の価格の変化に敏感に反応しない。
よって、値下げをしても需要量の増加は見込まれず、販売収入額が減少すると考えられる。
問題3.(配点⑬)
政府が生産者に、1単位の財の生産あたり一定額の税金を課す状況を考える。需要の価格
弾力性が大きい場合と小さい場合では、以下の点についてどのような違いが出るか、図を描
き(解答用紙に図も書いておくこと)、分析して答えよ。
①均衡価格の上昇幅
解答
②均衡数量の減少幅
価格
需要の価格弾力性が小さい需要曲線
供給曲線
需要の価格弾力性が大きい需要曲線
O
供給曲線は左上方にシフトする。この結果、均衡価格は上昇し、均衡取引量は下落する。
上図からわかるように、この時、 需要の価格弾力性が大きいほど、消費者価格の上昇幅は
小さく、均衡数量の減少幅は大きい。
生産に今まで以上費用がかかるようになった企業は、同じ量売るにしても価格を引き上げ、
利益を確保しようとする。その結果、供給曲線は左上方にシフトする。この影響は、均衡価
格の上昇と均衡取引量の減少であらわれる。
需要の価格弾力性の小さい消費者は、価格が上昇しようが低下しようが、この財が欲しい。
よって、企業は高い価格をつけても販売量が落ちないので、高い価格をつけ、均衡価格は大
きく上昇する。そして、それでも販売量がそれほど落ちないため、均衡数量の低下幅は小さ
くなる。大きな均衡価格の上昇と小さな均衡取引量の減少という形で影響があらわれるので
ある。
一方、需要の価格弾力性の大きい消費者は、生産者の価格引き上げに対して、消費量を大
きく減らす。よって、企業は高い価格をつけることができない。企業があまり高い価格をつ
けていないにもかかわらず、消費量の減少は大きくなるため、取引量が大幅に減少するので
ある。すなわち、小さな均衡価格の上昇と大きな取引量の減少という形で影響があらわれる
のである。
問題4.
ある財が自由な市場のもとで提供される時と二重価格制度のもとで提供される時とで経
済厚生がどのように違ってくるか考えたい。この財の需要曲線と供給曲線の形状が以下のよ
うに与えられているものとする。
需要曲線
D = 12 - P
供給曲線
S = 2P
D:需要量
S:供給量
P:価格
以下の(問1)(問2)(問3)のすべてに答えよ。
(問1)自由な市場のもとで提供される時を考える。この時の均衡価格と均衡数量を求めよ。
そして、この時の経済厚生を求めよ。経済厚生は消費者余剰と生産者余剰の和で求められる。
(問2)下図のように政府が生産者から財を買い取り、生産された財をすべて売りつくして
しまうように消費者に売るという二重価格制度のもとで財が提供される時を考える。以下の
①~⑧に入る数字を答えよ。
政府が生産者価格 PS = 5
を設定すると、生産者の生産量は(①)となる。この時の生
産者余剰を求めると(②)となる。生産された財をすべて売りつくしてしまうために政府が
つける消費者価格 PD は(③)となる。この時の消費者余剰を求めると(④)である。
この二重価格制度のもとでの経済厚生を求めるにあたっては、政府の存在も考慮する必要
がある。政府がこの財を買う際の政府支出額は(⑤)である。政府がこの財を消費者に売っ
た際の政府収入額は(⑥)である。よって、政府支出額が政府収入額を(⑦)だけ上回って
いる。すなわち、(⑦)で表される額だけ財政赤字が生じている。この財政赤字の分は、国
民が税金で支払うことになる。
よって、この二重価格制度のもとでの経済厚生は、生産者余剰(②)と消費者余剰(④)
を加えたものに、国民の税負担である(⑦)を引くことによって求められる。計算結果は
(⑧)となる。
(問3)(問1)と(問2)の結果から、どのようなことが言えるか答えよ。
価格 P
需要曲線
供給曲線
PS = 5
PD
数量 D,
0
S
解答
(問1)(配点⑫)
均衡価格を求めると D = S
均衡数量は
消費者余剰は
⇔ 12 - P = 2P
⇔ 3P = 12 ⇔ P = 4
D = S = 12 - P = 12 - 4 = 8
(12 - 4)× 8
×(1/2)= 32
生産者余剰は
4×8
経済厚生は
経済厚生=消費者余剰+生産者余剰= 32 + 16 = 48
(問2)(配点:③× 8)
×(1/2)= 16
政府が生産者価格 PS = 5 を設定すると、生産者の生産量は(①:10)となる。この時
の生産者余剰を求めると(②:25)となる。生産された財をすべて売りつくしてしまうた
めに政府がつける消費者価格 PD は(③:2)となる。この時の消費者余剰を求めると
(④:50)である。
この二重価格制度のもとでの経済厚生を求めるにあたっては、政府の存在も考慮する必要
がある。政府がこの財を買う際の政府支出額は(⑤:50)である。政府がこの財を消費者
に売った際の政府収入額は(⑥:20)である。よって、政府支出額が政府収入額を(⑦:
30)だけ上回っている。すなわち、
(⑦:30)で表される額だけ財政赤字が生じている。こ
の財政赤字の分は、国民が税金で支払うことになる。
よって、この二重価格制度のもとでの経済厚生は、生産者余剰(②:25)と消費者余剰
(④:50)を加えたものに、国民の税負担である(⑦:30)を引くことによって求められ
る。計算結果は(⑧:45)となる。
S = 2P に P = 5 を代入すると
この時の生産者余剰 は
S = 2P = 2 × 5 = 10
10 × 5 ×(1/2)= 25
D = 12 - P 、D = S = 10 を満たす P を求めると P = 12 - 10 = 2
よって、PD = 2 である。この時の消費者余剰は (12 - 2)× 10
×(1/2)= 50
政府支出額= 5 × 10 = 50
政府収入額= 2 × 10 = 20
財政赤字=政府支出額-政府収入額= 50 - 20 = 30
経済厚生=消費者余剰+生産者余剰-税負担= 25 + 50 - 30 = 45
(問3)(配点④)
自由な市場にまかせた場合の経済厚生は 48、政府が財を高く買い安く売るという二重価
格制度の場合の経済厚生は 45 であった。したがって、二重価格制度のもとでの経済厚生が
自由な市場にまかせた場合の経済厚生より 3 だけ小さくなっている。二重価格制度のもと
で、3 だけの厚生の損失(あるいは死荷重とも呼ぶ)が生じているのである。
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