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Taro-L6470 ステッピングモータ

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Taro-L6470 ステッピングモータ
個人で使用するために翻訳した物です。翻訳間違いや誤字による、いかなる損害にも責任を負いません。
日本語訳は、STMicroelectronics社の監修を受けておりません。
Rev.0 2016/ 9/10
L6470
DocID16737 Rev 7
動作エンジンとSPIを組み込んだ、マイクロステッピング・モーター・ドライバー
データシート - 生産データ
特
徴
・動作電圧 : 8V ~ 45V
・7.0Aの出力ピーク電流 (3.0A r.m.s.)
・低いRDS(ON)のパワーMOS-FET
・プログラム可能な速度特性と位置決め
・プログラム可能なパワーMOSスルーレート (応答速度)
・最高1/128のマイクロ・ステッピング
・センサー無しで失速(脱調)を検出
・SPIインターフェース
・低い自己消費電流とスタンバイ電流
・ハイサイドとローサイドでの、プログラム化可能な
非浪費的 過電流保護
・2レベルの過熱保護
概
アプリケーション
・バイポーラのステッピング・モーター
要
L6470デバイスは、アナログ混合信号テクノロジーで実現された、マイクロ・ステッピングによる2相
バイポーラ・ステッピング・モータを駆動するのに適した、先進的で最大限に集積された解決策です。
それは、パワースイッチのすべてにデュアル低RDS(on) DMOSフル・ブリッジを装備するとともに、
非散逸電流制御と過電流保護に適したチップ上の高精度な電流検出回路を完備します。
独自の制御システムのおかげで、真の1/128ステップ分解能が達成されます。
デジタル制御の中核は、所定の専用レジスターを介して簡単に加速、減速、速度、目標位置をプログラム
することによって、ユーザーに指定された動作特性を生成することができます。
アナログ値(すなわち、電流制御値、電流保護の動作点、デッドタイム、PWM周波数、など)を設定する
ために使用される、それらを含むすべてのコマンドおよびデータ・レジスターは、標準的な5Mbit/sのSPI
を通して送られます。
最も厳しいモーター制御アプリケーションで必要とされるように、保護(熱、電圧低下、過電流、モーターの
失速(脱調))の非常に豊富な設定は、十分に保護されたアプリケーションの設計を可能にします。
表1.デバイスの一覧
注文コード
L6470H
L6470HTR
L6470PD
L6470PDTR
パッケージ
HTSSOP28
HTSSOP28
POWERSO36
POWERSO36
1 ブロック図
図1.ブロック図
- 1/43 -
梱 包
チューブ
テープとリール
チューブ
テープとリール
2 電気データ
2.1 絶対最大定格
表2.絶対最大定格
記 号
項
目
テスト条件
VDD
ロジック・インターフェースの電源電圧
VS
モータ電源電圧
VGND,
diff
値
単位
5.5
V
48
V
±0.3
V
VSA = VSB = VS
AGND,PGNDとDGND間の差動電圧
Vboot
ブート・ストラップのピーク電圧
55
V
VREG
内蔵電圧レギュレーターの出力ピンとロジック電源電圧
3.6
V
内蔵ADCの入力電圧範囲 (ADCINピン)
-0.3 to +3.6
V
OSCINとSCOUTピンの電圧範囲
-0.3 to +3.6
V
48
V
-0.3 to +5.5
V
3
A
7
A
VADCIN
VOSC
Vout_diff
VSA,OUT1A,OUT2A,PGND と VSB,OUT1B,
OUT2B,PGNDピン間の差動電圧
VLOGIC
ロジック入力電圧範囲
Iout
R.m.s.(実効値)出力電流
(1)
VSA = VSB = VS
Iout_peak (1)
パルス出力電流
TPULSE < 1ms
TOP
動作接合部温度
-40 to 150
℃
Ts
保存温度範囲
-55 to 150
℃
Ptot
全消費電力 (TA = 25℃)
5
W
(2)
(1) 最大の出力電流制限は、金属接続と結合特性に関連しています。
実際の制限は、最大熱放散の制約を満たさなければなりません。
(2) HTSSOP28は、EVAL6470Hに搭載されています。
2.2 推奨動作条件
表3.推奨動作条件
記 号
項
目
テスト条件
VDD
ロジック・インターフェースの電源電圧
3.3Vロジック出力
5Vロジック出力
VS
モータの電源電圧
VSA = VSB = VS
Vout_diff
VSA,OUT1A,OUT2A,PGND と VSB,
OUT1B,OUT2B,PGNDピン間の差動電圧
VSA = VSB = VS
VREG,in
ロジック電源電圧
外部ソースによって
課されたV REG 電圧
VADC
値
単位
3.3
5
V
8
3.2
内蔵ADCの入力電圧 (ADCINピン)
45
V
45
V
3.3
0
V
VREG
V
2.3 熱データ
表4.熱データ
記 号
RthJA
項
目
パッケージ
HTSSOP28
接合部周囲の熱抵抗
POWERSO36
標準
(1)
(2)
22
12
単位
℃/W
(1) HTSSOP28は、EVAL6470H 改版1.0ボードに搭載された:
ICの下の15のビア・ホールと個々のレイヤーの約40平方センチメートルの放熱銅表面を持つ、
4層のFR4 PCB。
(2) POWERSO36は、EVAL6470PD 改版1.0ボードに搭載された:
ICの下の22のビア・ホールと個々のレイヤーの約40平方センチメートルの放熱銅表面を持つ、
4層のFR4 PCB。
- 2/43 -
3 電気的特性
VSA = VSB = 36V ; VDD = 3.3V ; 内蔵3Vレギュレーター ; TJ = 25℃ ; 特に明記しない限り。
表5.電気的特性
記 号
一
項
目
テスト条件
最小
標準
最大
単位
般
VSthOn
VS UVLO(電圧不足検出)がオンになるしきい値
7.5
8.2
8.9
V
VSthOff
VS UVLO(電圧不足検出)がオフになるしきい値
6.6
7.2
7.8
V
VSthHyst
VS UVLOのしきい値ヒステリシス
0.7
1
1.3
V
0.5
0.65
mA
内蔵発振器を選択
VREG=3.3V外部; CPフローティング
Iq
静止状態のモーター供給電流
(WRN)
熱の警告温度
130
℃
熱の動作停止温度
160
℃
チャージポンプ発振器のための電圧振幅
10
V
fpump,min
最小チャージポンプ発振器周波数
(1)
660
kHz
fpump,max
最大チャージポンプ発振器周波数
(1)
800
kHz
Tj
Tj
(SD)
チャージポンプ
Vpump
Iboot
平均起動電流
fsw,A = fsw,B = 15.6kHz
POW_SR=[10]
1.1
Tj=25℃, Iout=3A
0.37
Tj=125℃,(2) Iout=3A
0.51
Tj=25℃, Iout=3A
0.18
Tj=125℃,(2) Iout=3A
0.23
1.4
mA
出力 DMOSトランジスター
RDS(on)
ハイサイド・スイッチのオン抵抗
RDS(on)
ローサイド・スイッチのオン抵抗
IDSS
tr
tf
SRout_r
SRout_f
OUT = VS
漏れ電流
OUT = GND
-0.3
100
POW_SR=[00], Iout=-1A
80
POW_SR=[11], Iout=±1A
100
POW_SR=[10], Iout=±1A
200
POW_SR=[01], Iout=±1A
300
POW_SR=[00], Iout=+1A
90
POW_SR=[00], Iout=-1A
110
POW_SR=[11], Iout=±1A
110
POW_SR=[10], Iout=±1A
260
POW_SR=[01], Iout=±1A
375
POW_SR=[00], Iout=+1A
285
POW_SR=[00], Iout=-1A
360
出力立ち上がりスルーレート
POW_SR=[11], Iout=±1A
285
(応答速度)
POW_SR=[10], Iout=±1A
150
POW_SR=[01], Iout=±1A
95
POW_SR=[00], Iout=+1A
320
POW_SR=[00], Iout=-1A
260
出力立ち下がりスルーレート
POW_SR=[11], Iout=±1A
260
(応答速度)
POW_SR=[10], Iout=±1A
110
POW_SR=[01], Iout=±1A
75
立ち下がり時間
(3)
(3)
- 3/43 -
Ω
3.1
POW_SR=[00], Iout=+1A
立ち上がり時間
Ω
mA
ns
ns
V/μs
V/μs
表5.電気的特性 (続き)
記 号
項
目
テスト条件
最小
標準
最大
単位
デッドタイムとブランキング
tDT
tblank
デッドタイム
(1)
ブランキング時間
(1)
POW_SR=[00]
250
POW_SR=[11], f OSC=16MHz
375
POW_SR=[10], f OSC=16MHz
625
POW_SR=[01], f OSC=16MHz
875
POW_SR=[00]
250
POW_SR=[11], f OSC=16MHz
375
POW_SR=[10], f OSC=16MHz
625
POW_SR=[01], f OSC=16MHz
875
ns
ns
ソース-ドレイン間のダイオード
VSD,HS
ハイサイド ダイオードの順方向ON電圧
Iout = 1A
1
1.1
V
VSD,LS
ローサイド ダイオードの順方向ON電圧
Iout = 1A
1
1.1
V
trrHS
ハイサイド ダイオードの逆回復時間
Iout = 1A
30
ns
trrLS
ローサイド ダイオードの逆回復時間
Iout = 1A
100
ns
ロジック入力と出力
VIL
ローのロジック・レベル入力電圧
VIH
ハイのロジック・レベル入力電圧
IIH
ハイのロジック・レベル入力電流
(4)
VIN = 5V
IIL
ローのロジック・レベル入力電流
(5)
VIN = 0V
VOL
ローのロジック・レベル出力電圧
(6)
VOH
ハイのロジック・レベル出力電圧
RPU
RPD
Ilogic
Ilogic,STBY
fSTCK
0.8
2
V
1
-1
0.3
VDD=5V, IOL=4mA
0.3
2.4
VDD=5V, IOH=4mA
4.7
CSプルアップとSTBYプルダウン抵抗
CS=GNDに接続
STBY/RST=5Vに接続
335
内部ロジック電源電流
スタンバイ・モードの内部ロジック電源電流
μA
μA
VDD=3.3V, IOL=4mA
VDD=3.3V, IOH=4mA
V
V
V
430
565
KΩ
3.3V V REG外部から供給
内部発振器
3.7
4.3
mA
3.3V V REG外部から供給
2
2.5
μA
2
MHz
+3%
MHz
32
MHz
ステップ・クロックの入力周波数
内部発振器と外部発振器ドライバー
fosc,i
内部発振器の周波数
Tj=25℃, VREG=3.3V
-3%
16
fosc,e
プログラム可能な外部発振器の周波数
V OSCOUTH
OSCOUTクロックソースのハイ・レベル電圧
内部発振器3.3V V REG外部
から供給; IOSCOUT =4mA
V OSCOUTL
OSCOUTクロックソースのロー・レベル電圧
内部発振器3.3V V REG外部
から供給; IOSCOUT =4mA
0.3
V
trOSCOUT
tfOSCOUT
OSCOUTクロック・ソースの
立ち上がりと立ち下がり時間
内部発振器
20
ns
textosc
内部から外部発振器へ切り換え遅延
3
ms
tintosc
外部から内部発振器へ切り換え遅延
1.5
μs
8
- 4/43 -
2.4
V
表5.電気的特性 (続き)
記 号
項
目
テスト条件
最小
標準
最大
単位
S P I
fCK,MAX
最大SPIクロック周波数
5
(7)
trCK
tfCK
SPIクロックの立ち上がりと
立ち下がり時間 (7)
thCK
tlCK
SPIクロックのハイとロー時間
MHz
CL = 30pF
(7)
tsetCS
チップセレクトのセットアップ時間
tholCS
チップセレクトのホールド時間
tdisCS
選択解除時間
tsetSDI
データ入力のセットアップ時間
tholSDI
データ入力のホールド時間
tenSDO
データ出力の有効時間
tdisSDO
データ出力無効時間
tvSDO
データ出力の有効時間
tholSDO
データ入力のホールド時間
(7)
(7)
(7)
(7)
(7)
25
75
ns
350
ns
10
ns
800
ns
25
ns
20
ns
(7)
(7)
(7)
38
ns
47
ns
57
ns
37
(7)
ns
ns
スイッチ入力 (SW)
RPUSW
SW入力プルアップ抵抗
SW = GND
60
85
110
fosc = 16MHz
2.8
62.5
fosc = 32MHz
5.6
125
KΩ
PWMモジュレータ
fPWM
NPWM
プログラム可能なPWM周波数
(1)
PWM分解能
kHz
8
bit
失速(脱調)検出
ISTALL,MAX
最大プログラム可能な失速(脱調)しきい値
STALL_TH=[1111111]
4
A
ISTALL,MIN
最小プログラム可能な失速(脱調)しきい値
STALL_TH=[0000000]
31.25
mA
ISTALL,RES
プログラム可能な失速(脱調)しきい値の解像度
31.25
mA
過電流保護
IOCD,MAX
最大プログラム可能な過電流検出しきい値
OCD_TH = [1111]
6
A
IOCD,MIN
最小プログラム可能な過電流検出しきい値
OCD_TH = [0000]
0.375
A
IOCD,RES
プログラム可能な過電流検出しきい値の分解能
0.375
A
tOCD,Flag
OCDからフラグ信号の遅延時間
dIout/dt = 350A/μs
650
tOCD,SD
OCDから動作停止の遅延時間
dIout/dt = 350A/μs
POW_SR = [10]
600
VS = 8V
26
34
VS = 36V
30
36
1000
ns
ns
スタンバイ(待機)
IqSTBY
tSTBY,min
待機状態での自己消費モーター電源電流
最小待機時間
10
tlogicwu
ロジック電源オンからの起動時間
38
tcpwu
チャージポンプの電源オンからの
起動時間
パワーブリッジは無効
Cp=10nF, Cboot=220nF
μA
μs
45
650
μs
μs
内部電圧レギュレータ
VREG
電圧レギュレータの出力電圧
IREG
電圧レギュレータの出力電流
2.9
- 5/43 -
3
3.2
V
40
mA
表5.電気的特性 (続き)
記 号
VREG,
項
目
drop
電圧レギュレータの出力電圧低下
IREG,STBY
電圧レギュレータの待機出力電流
テスト条件
IREG = 40mA
最小
標準
最大
50
単位
mV
10
mA
内蔵のアナログ-デジタル変換器
NADC
アナログ-デジタル変換器の分解能
5
bit
VADC,ref
アナログ-デジタル変換器の基準電圧
VREG
V
fS
アナログ-デジタル変換器のサンプリング周波数
fPWM
kHz
(1) 精度は、発振器の周波数精度に依存します。
(2) 限られた範囲の25℃でテストされて、特性評価によって保証されます。
(3) 立ち上がりおよび立ち下がりの時間は、モーターの電源電圧値に依存します。
実際の立ち上がりと立ち下がりを評価するために、SRoutの値を参照してください。
(4) 内蔵のプルダウン抵抗器を備えているSTBY/RSTピンには当てはまりません。
(5) 内蔵のプルアップ抵抗器を備えているSWとCSピンには当てはまりません。
(6) FLAG、BUSYとSYNCは、オープン・ドレイン出力です。
(7) 詳細については、21ページの図17-SPIのタイミング図を参照。
4 ピン接続
図2.TSSOP28のピン接続 (上面図)
図3.POWERSO36のピン接続 (上面図)
- 6/43 -
ピン・リスト
表6.ピンの説明
ピン番号
名 称
タ イ プ
24
VDD
電源
ロジック出力用の電源電圧。(プルアップの接続先)
6
9
VREG
電源
内蔵の3V電圧レギュレーター出力と、3.3Vの外部ロジック電源。
7
10
OSCIN
アナログ入力
発振器のピン[1]。外部発振器またはクロック信号源を接続
します。このピンを使用しない場合は、浮かせたままにします。
8
11
OSCOUT
アナログ入力
発振器のピン[2]。外部発振器を接続します。内蔵の発振器を
使用する場合、このピンは2/4/8/16MHzを供給することができ
ます。このピンを使用しない場合は浮かせたままにします。
10
13
CP
出力
11
14
VBOOT
電源電圧
5
8
ADCIN
アナログ入力
2, 26
4, 5,
33, 34
VSA
電源
フルブリッジAの電源ピン。
これはVSBと接続する必要があります。
12, 16
15, 16,
22, 23
VSB
電源
フルブリッジBの電源ピン。
これはVSAと接続する必要があります。
27, 13
1, 19
PGND
グランド
1
2, 3
OUT1A
電源出力
フル・ブリッジAの出力1。
28
35, 36
OUT2A
電源出力
フル・ブリッジAの出力2。
14
17, 18
OUT1B
電源出力
フル・ブリッジBの出力1。
15
20, 21
OUT2B
電源出力
フル・ブリッジBの出力2。
9
12
AGND
グランド
4
7
SW
ロジック入力
21
28
DGND
グランド
22
29
BUSY
/SYNC
オープン・
ドレイン出力
初期値では、デバイスがコマンドを実行しているときに、この
BUSYピンがローにされます。そうでなければ、このピンは
同期信号を生成するように構成することができます。
18
25
SDO
ロジック出力
シリアル・インターフェースのデータ出力ピン。
20
27
SDI
ロジック入力
シリアル・インターフェースのデータ入力ピン。
19
26
CK
ロジック入力
シリアル・インターフェースのクロック。
23
30
CS
ロジック入力
シリアル・インターフェースのチップ・セレクト入力ピン。
(内部プルアップあり)
HTSSOP
POWERSO
17
24
オープン
ドレイン出力
機
能
チャージポンプ発振器出力。
両方のブリッジのハイサイド側パワーDMOSを駆動する
ために必要な、ブート・ストラップ電圧(AとB)。
内蔵のアナログ-デジタル変換器の入力。
電源グランド・ピン。
アナログ・グランド。
外部スイッチの入力ピン。使用しない場合は、ピンを
VDDに接続する必要があります。 (内部プルアップあり)
デジタル・グランド。
ステータス・フラグのピン。 プログラムされたアラーム
状態が発生したときに、内蔵のオープンドレイン・トラン
ジスタは、ピンをGNDに引き下げます。(ステップ損失、
OCD、熱の事前警告またはシャットダウン、UVLO(電圧
不足の検出)、間違ったコマンド、実行不可能なコマンド)
31
FLAG
3
6
STBY
/RST
ロジック入力
待機状態とリセット・ピン。 ロジック・レベルのローでは、
ロジックをリセットし、デバイスを待機状態モードに
します。 使用しない場合は、VDDに接続してください。
(内部プルダウンあり)
25
32
STCK
ロジック入力
ステップ・クロックの入力。
EPAD
EPAD
Exposed pad
グランド
内部でPGND、AGNDとDGNDピンに接続されます。
- 7/43 -
5 代表的なアプリケーション
表7.代表的なアプリケーションの値
名
前
値
CVS
220 nF
CVSPOL
100 μF
CREG
100 nF
CREGPOL
47 μF
CDD
100 nF
CDDPOL
10 μF
D1
チャージポンプ・ダイオード
CBOOT
220 nF
CFLY
10 nF
RPU
39 KΩ
RSW
100 Ω
CSW
10 nF
RA
2.7 KΩ (VS = 36V)
RB
62 KΩ (VS = 36V)
図4.L6470を使用した、バイポーラ・ステッピング・モーターの制御アプリケーション
- 8/43 -
6 機能の説明
6.1 デバイスのパワーアップ
パワーアップの終了時に、デバイスの状態は次のとおりです。
・レジスターは、初期値に設定されます
・内部ロジックは内蔵発振器によって駆動され、2MHzのクロックがOSCOUTピンから出力されます。
・ブリッジは無効(ハイ・インピーダンス)にされています。
・STATUSレジスターのUVLO(電圧不足の検出)ビットは[0]にされます。(停止状態)
・FLAG出力はローにされます。
パワーアップ中は以下の条件が満たされるまで、リセット(すべてのロジックI/Oは無効で、
パワー・ブリッジはハイ・インピーダンス状態)の下にあります:
・VSが、VSthOnより大きい。
・VREGが、標準的なVREGth = 2.8Vより大きい。
・内蔵発振器が動く。
どのような動作コマンドでも、デバイスをハイ・インピーダンス状態から出させます。
(HardStopとSoftStopを含めて)
6.2 ロジック I/O
CS、CK、SDI、STCK、SW、STBY/RST ピンは、TTL/CMOS 3.3V~5Vの互換性を持つロジック入力です。
SDOピンは、TTL/CMOS互換のロジック出力です。
VDDピンの電圧が、ロジック出力ピンの電圧範囲を決めます;
それがVREGまたは3.3Vの外部電源電圧に接続されている場合、出力は3.3Vに適合します。
VDDが5Vの電源電圧に接続された場合は、SDOは5Vに適合します。
VDDは内部でVREGに接続されておらず、常に外部での接続が必要です。
適切な動作を得るために、10μFのコンデンサをVDDピンに接続する必要があります。
FLAGとBUSY/SYNCピンは、オープン・ドレインの出力です。
6.3チャージポンプ
ハイサイドに組み込まれたMOSFETの正しい運転を確保するために、モーターの電源電圧よりも高い
電圧がVBOOTピンに印加される必要があります。
ハイサイドのゲート・ドライバー電源電圧(Vboot)は、チャージ・ポンプを実現する発振器といくつかの
外部部品によって得られます。(図5を参照)
図5.チャージポンプ回路
- 9/43 -
6.4 マイクロ・ステッピング
ドライバーは、1回のステップを最大128のマイクロ・ステップに分割することができます。
ステッピングのモードは、STEP_MODEレジスターのSTEP_SELパラメーターによってプログラムすることが
できます。 (28ページの表18を参照)
ステップ・モードは、ブリッジが無効になっている場合にのみ、変更することができます。
ステップ・モードが変わるたびに、電気的位置(すなわち、生成されたマイクロ・ステッピング正弦波の点)
は0までリセットされて、絶対位置カウンターの値(6.5項を参照)は意味がなくなります。
図6.通常モードとマイクロ・ステッピング(128マイクロステップ)
自動フル-ステップ・モード
モーター速度がプログラム可能なフル・ステップ速度のしきい値よりも大きい場合、L6470デバイスは、
自動的にフル・ステップ・モードに切り替わります。 (図7参照)
モータ速度がフル・ステップ速度のしきい値以下に低下した場合、駆動モードはマイクロ・ステッピングに
戻ります。
フル・ステップ速度のしきい値は、FS_SPDレジスターを介して設定されます。
(25ページのセクション9.1.9を参照)
図7.自動的なフル・ステップの切り替え
6.5 絶対位置カウンター
内蔵の22ビット・レジスター(ABS_POS)は、選択されたステップ・モードに応じて、モーターの動きを
記録します;
保存された値の単位は、選ばれたステップ・モードに等しいです。 (フル、ハーフ、1/4など)
位置の範囲は、-221 ~ +221 - 1 (μ)ステップです。 (23ページの9.1.1項を参照)。
- 10/43 -
6.6 プログラム可能な速度特性
ユーザーは、ACC、DEC、MAX_SPEED、MIN_SPEED、それぞれのレジスターによって、加速、減速、最高と
最低の速度値を独立して定義し、カスタマイズされた速度特性を、簡単にプログラムすることができます。
(24ページの9.1.5項、9.1.6項、9.1.7項と25ページの9.1.8項を参照)
デバイスにコマンドが送られると、組み込まれたロジックは、速度特性の境界域に準拠したモーター動作を
実行する、マイクロステップ周波数の波形を生成します。
すべての加速パラメータは[ステップ/動作クロック2]で表されており、すべての速度パラメータは
[ステップ/動作クロック]で表されます; (動作クロックは250ns)
計測の単位は、選ばれたステップ・モードに依存しません。
加速と減速のパラメータは、2-40 ~ (212 - 2)×2-40 [ステップ/動作クロック2]の範囲です。
(14.55~59590 [ステップ/秒2] に相当)
最小速度のパラメータは、0 ~ (212 - 1)×2-24 [ステップ/動作クロック]の範囲です。
(0~976.3 [ステップ/秒] に相当)
最高速度のパラメータは、2-18 ~ (210 - 1)×2-18 [ステップ/動作クロック]の範囲です。
(15.25~15610 [ステップ/秒] に相当)
6.7 モーターの制御コマンド
L6470デバイスは、色々なタイプのコマンドを受け付けることができます。
・定速コマンド("Run" , "GoUntil" , "ReleaseSW")
・絶対位置決めコマンド("GoTo" , "GoTo_DIR" , "GoHome" , "GoMark")
・始動コマンド("Move")
・停止コマンド("SoftStop" , "HardStop" , "SoftHiz" , "HardHiz")
コマンドの詳細については、34ページの9.2項を参照してください。
6.7.1 定速コマンド
定速コマンドは、プログラムされた加速/減速の値(ACCとDECレジスターで設定)に従って、プログラム
された最低速度(MIN_SPEEDレジスターに設定)から始まり、ユーザーが設定した目標速度に達して、
それを維持するための適切な動作を生成します。
新しい定速コマンドは、いつでも要求することができます。
図8.定速コマンドの例
6.7.2 位置決めコマンド
絶対位置決めコマンドは、コマンドと共にデバイスに送られる、ユーザーが指定した位置に到達する
ための適切な動作を生成します。
位置は、最短の経路(最小限の物理的な距離)または、強制的な方向で実施して、到達することが
できます。 (図9を参照)
実行されたモーターの動作は、プログラムされた速度特性の境界域に準拠しています。
(加速、減速、最低と最高の速度)
最高速度に到達する前に、いくつかの速度特性や位置決めコマンドで、減速期間を開始できることに
注意してください。
- 11/43 -
図9.位置決めコマンドの例
6.7.3 始動コマンド
始動コマンドは、コマンドと共にデバイスに送られるユーザーが指定した方向に、ユーザーが指定した数の
マイクロ・ステップを実行するための適切な動作を生成します。(図10を参照)
実行されたモーターの動作は、プログラムされた速度特性の境界域に準拠しています。
(加速、減速、最低と最高の速度)
最高速度に到達する前に、いくつかの速度特性や始動コマンドで、減速期間を開始できることに注意
してください。
図10.始動コマンドの例
6.7.4 停止コマンド
停止コマンドは、強制的にモーターを停止します。
停止コマンドは、いつでも送信することができます。
"SoftStop"コマンドは、プログラムされた減速値で、MIN_SPEED値に達するまでモーターを減速させます。
そして、モーターが停止した後に、回転子の位置を保持します。(保持トルクが適用されます)
"HardStop"コマンドは、減速の制約条件を無視して、直ちにモーターを停止します。
そして、回転子の位置を保持します。(保持トルクが適用されます)
"SoftHiZ"コマンドは、プログラムされた減速値で、MIN_SPEED値に達するまでモーターを減速させます。
その後、ブリッジを強制的にハイ・インピーダンス状態にします。(保持トルクは与えられません)
"HardHiZ"コマンドは、直ちにブリッジを強制的にハイ・インピーダンス状態にします。
(保持トルクは与えられません)
- 12/43 -
6.7.5 ステップ・クロック・モード
ステップ・クロック・モードでは、[STCK]ピンに印加されたステップ・クロック信号によって、モーターの
動作が決まります。
各ステップ・クロックの立ち上がりエッジで、モーターはプログラムされた方向に1マイクロ・ステップ
動かされます。 そしてその結果、絶対位置が更新されます。
システムがステップ・クロック・モードにある場合には、STATUSレジスターのSCK_MODフラグが立ち、
どの様な[STCK]信号の周波数でもモーターの状態は停止したとみなされて、SPEEDレジスターはゼロに
セットされます。 (STATUSレジスターのMOT_STATUSパラメータは[00]になります)
6.7.6 "GoUntil"と"ReleaseSW"コマンド
ほとんどのアプリケーションにおいて、ステッピング・モーターの電源投入時の位置は不確定です。
従って、モーターを既知の位置に動かす初期化アルゴリズムが必要です。
"GoUntil"と"ReleaseSW"コマンドは、簡単にモーター位置を初期化するために、外部スイッチ入力
(15ページの6.13項を参照)と組み合わせて使用することができます。
"GoUntil"コマンドは、[SW]入力がローにされる(立ち下がりエッジ)まで、一定の目標速度でモーターを
動かします。
スイッチがロー(オン)にされるとACTビットの設定によって、次のいずれかの動作を実行できます:
・ABS_POSレジスターが[0] (HOME位置)にセットされ、モーターは(0)速度まで減速します。
("SoftStop"コマンドとして)
・ABS_POSレジスターの値がMARKレジスターに保存され、モーターは(0)速度まで減速します。
("SoftStop"コマンドとして)
CONFIGレジスターのSW_MODEビットが[0]に設定されている場合、モーターは減速しませんが、それは
すぐに停止します。 ("HardStop"コマンドとして)
"ReleaseSW"コマンドは、[SW]入力がハイにされる(立ち上がりエッジ)まで、プログラムされた最低限の
速度でモーターを動かします。
スイッチがハイ(オフ)になるとACTビットの設定によって、次のいずれかの動作を実行できます:
・ABS_POSレジスターが[0] (HOME位置)にセットされ、モーターはすぐに停止します。
("HardStop"コマンドとして)
・ABS_POSレジスターの値がMARKレジスターに保存され、モーターはすぐに停止します。
("HardStop"コマンドとして)。
プログラムされた最低限の速度が5 (ステップ/秒)未満の場合、モーターは5 (ステップ/秒)で動かされ
ます。
6.8 内蔵発振器と発振器ドライバー
制御ロジックのクロックは、内蔵の16MHz発振器、外部の発振子(水晶またはセラミック発振子)または
直接のクロック信号によって供給することができます。
これらの動作モードは、CONFIGレジスターのEXT_CLKとOSC_SELパラメータによって選択することが
できます。 (30ページの表23を参照)
電源投入時にデバイスは内蔵発振器を使用して始動し、OSCOUTピンから2MHzのクロック信号を
出力します。
注意:いずれの場合でも、クロック源の設定を変更する前には、ハードウェアのリセットが必須です。
動作中に異なるクロック設定に切り替えると、予期しない動作を引き起こす可能性があります。
6.8.1 内蔵の発振器
このモードでは内蔵の発振器が作動し、OSCINは使われません。
OSCOUTのクロック源が有効になっている場合、SCOUTピンは2,4,8,16MHzのクロック信号を出力します。
(OSC_SELの値によって); それ以外の場合は未使用です。 (図11を参照)。
6.8.2 外部のクロック源
外部のクロック源は、二つのタイプを選択することができます:
水晶/セラミック発振子または直接のクロック信号。
4つのプログラム可能なクロック周波数が、それぞれの外部クロック源で利用可能です: 8,16,24,32MHz
外部の水晶/発振子が選択されると、OSCINとOSCOUTピンは水晶/発振子を駆動するために使用
されます。 (図11を参照)
水晶/発振子と負荷コンデンサー(CL)は、ピンのできるだけ近くに配置する必要があります。
外部発振器の周波数に応じた負荷コンデンサー値の選択については、表8を参照してください。
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表8.外部発振器の周波数に応じたCLの値
水晶/発振子 周波数
CL
(1)
(2)
8 MHz
25 pF (ESRmax = 80 Ω)
16 MHz
18 pF (ESRmax = 50 Ω)
24 MHz
15 pF (ESRmax = 40 Ω)
32 MHz
10 pF (ESRmax = 40 Ω)
(1) 最初の高調波共振周波数。
(2) 低いESR値は、より大きな負荷コンデンサーの駆動を可能にします。
直接のクロック源が使用される場合はOSCINピンに接続される必要があり、OSCOUTピンは反転した
OSCIN信号を出力します。 (図11を参照)
図11.OSCINとSCOUTピンの構成
注: OSCINを使用しない場合は、フローティングのままにする必要があります。
OSCOUTを使用しない場合は、フローティングのままにする必要があります。
6.9
過電流検出
パワーMOSFETのいずれかの電流がプログラムされた過電流のしきい値を超えると、過電流の事象が
なくなるか、GetStatusコマンドがデバイスに送信されるまで、STATUSレジスターのOCDフラグは[0]に
されます。 (33ページの9.1.22項および28ページの9.1.17項を参照)
すべてのパワーMOSFETの電流が、プログラムされた過電流しきい値を下回ったときに、過電流の事象は
なくなります。
過電流のしきい値は、375mAから6Aまでの範囲を375mAの間隔で、16の使用可能な値の1つをOCD_TH
レジスターを介してプログラムすることができます。 (28ページの表15を参照)
過電流が発生した場合、CONFIGレジスターのOC_SDビットにより、MOSFETをオフ(ブリッジをハイ・
インピーダンス状態)にするかどうかの設定をすることができます。 (30ページの9.1.21項を参照)
いずれにしても、STATUSレジスターのOCDフラグは立ちます。 (33ページの9.1.22項の表34を参照)
デバイスの出力がOCDの発生でオフになっている場合は、"GetStatus"コマンドによってOCDフラグが
解放されるまで、それらをオンにすることはできません。
注意: 過電流の運転停止は、重要な保護機能です。
- 14/43 -
これを無効にすることは推奨されません。
6.10 電圧不足の検出 (UVLO)
L6470デバイスは、モーター電源のUVLO(電圧不足の検出)保護を提供します。
モーターの供給電圧が、VSthOffのしきい値電圧を下回ると、STATUSレジスターのUVLO(電圧不足の
検出)フラグが[0]にされます。
"GetStatus"コマンドがデバイスに送られる時に電圧不足の状態が回避されていると、UVLO(電圧不足の
検出)フラグは解除されます。(33ページの9.1.22と42ページの9.2.20項を参照)
モーターの供給電圧がVSthOnのしきい値電圧以上となった時に、電圧不足の状態は回避されています。
デバイスが電圧不足の状態にある時は、始動コマンドを実行することができません。
たとえ電圧不足の状態が無い場合でも、ロジックのリセット(パワーアップを含めて)によって、UVLO(電圧
不足の検出)フラグは強制的に[0]になります。
6.11 温度の警告と温度の運転停止
L6470に内蔵のセンサーは、デバイス内部の温度が温度の警告または温度過上昇のしきい値を超えて
いるかを検出することができます。
温度警告のしきい値(Tj(WRN))に達すると、温度がTj(WRN)未満に下がり、"GetStatus"コマンドがデバイスに
送られるまで、STATUSレジスターのTH_WRNビットは[0]にされます。 (9.1.22項と9.2.20項を参照)
温度の運転停止しきい値(Tj(OFF))に達すると、デバイスは温度の運転停止状態に入ります:
STATUSレジスターのTH_SDビットが[0]にされ、パワーブリッジはブリッジを無効にするハイ・インピー
ダンス状態になり、STATUSレジスターのHiZビットが[1]にされます。 (9.1.22項を参照)
温度が温度警告のしきい値(Tj(WRN))を下回る場合、温度の運転停止状態だけが無くなります。
温度の運転停止状態を出ても、ブリッジはまだ使用不可にされています(HiZフラグが[1]);
いずれの動作コマンドでも、デバイスをハイ・インピーダンス状態から出させます。
("HardStop"と"SoftStop"を含めて)
6.12 リセットと待機
専用のピンを使用して、デバイスをリセットと待機モードにすることができます。
STBY/RSTピンをローにすると、ブリッジはオープン(ハイ・インピーダンス)のままにされ、内部のチャージ
ポンプは止められて、SPIインターフェースと制御ロジックは使用不可となり、内部の3V電圧レギュレータの
最大出力電流はIREG(STBY)に減少します;
その結果として、L6470は消費電力を大きく減らします。
同時に、レジスターの値は初期値にリセットされ、すべての保護機能は無効になります。
STBY/RST入力は、待機モードへの切り替え完了を確実にするために、少なくともtSTBYの間、ローにする
必要があります。
待機モードを出ると同様にデバイスの電源投入のためには、新しいコマンドを送る前に適切な発振器を
許可してロジックを起動しtlogicwuまで遅延を与える必要があり、チャージポンプの起動を許可してtcpwuまで
の遅延を与える必要があります。
待機モードを出る場合、無効にされた(HiZフラグが[1])ブリッジを、どのような動作コマンド("HardStop"
と"SoftStop"を含む)でも、デバイスをハイ・インピーダンス状態から出させます。
注意: 出力が動作している時に、デバイスをリセットすることは推奨されません。
デバイスがリセットされる前に、ハイ・インピーダンス状態に切り替えられなければなりません。
6.13 外部スイッチ(SWピン)
SW入力は内部でVDDにプルアップされ、ピンがオープンまたはグランドに接続されているかどうかを検出
します。(図12を参照)
STATUSレジスターのSW_Fビットは、スイッチがオープン[0]またはグランドに接続されている[1]かを
示します; (33ページの9.1.22項を参照)
ビット値は、すべてのシステム・クロック・サイクル(125ns)で更新されます。
スイッチをオンにする操作(SW入力の立ち下がりエッジ)が検出されたときに、STATUSレジスターの
SW_EVNフラグが立ちます。 (33ページの9.1.22項を参照)
"GetStatus"コマンドは、SW_EVNフラグを解除します。 (42ページの9.2.20項を参照)
初期値では、スイッチをオンにする操作により、HardStop割込みを発生させます。
(CONFIGレジスターのSW_MODEビットを[0]に設定)
そうでない(CONFIGレジスターのSW_MODEビットを[1]に設定)場合は、スイッチ入力操作による割り込み
は発生せず、スイッチ状態の情報は、ユーザーの意のままにあります。
(閉じられた(オン)場合[1] 、 オープン(オフ)の場合[0])
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スイッチ入力は、39ページの9.2.10項と40ページの9.2.11項で説明されるように、"GoUntil"と"ReleaseSW"
コマンドにより使用することができます。
もし、SW入力を使用しない場合は、それをVDDに接続しておかなければなりません。
図12.外部スイッチの接続
6.14 プログラム可能なDMOSスルー・レート、デッドタイム、ブランキング時間
CONFIGレジスターのPOW_SRパラメータを使用して、パワー・ブリッジ出力の転換速度(応答速度)を
設定することが可能です。 (31ページの表26、30ページの9.1.21項を参照)
6.15 内蔵のアナログ-デジタル変換器
L6470デバイスは、VREGに等しい基準電圧と共に、NADCビットの傾斜比較アナログ‐デジタル変換器を
搭載します
アナログ-デジタル変換器の入力は、ADCINピンを通して利用可能で、変換結果はADC_OUTレジスターで
得られます。 (27ページの9.1.16項を参照)
サンプリング周波数は、プログラムされたPWM周波数に等しいです。
ADC_OUTの値は、モーターの電源電圧を補償するために使用するか、またはユーザの自由にすることが
できます。
6.16 内蔵の電圧レギュレーター
L6470は、モーター電源(VSAとVSB)から3Vの電圧を発生させる電圧レギュレーターを内蔵しています。
電圧レギュレーターを安定させるために、VREGピンとグランド間に少なくとも22μF(推奨値は47μF)を
接続する必要があります。
内蔵の電圧レギュレーターは、デバイスのデジタル出力範囲を3.3Vと互換性を持たせるために、VDDピン
の供給に使用することができます。(図13)
VDDピンを外部の5V電源に接続して、デジタル出力範囲を5Vと互換性を持たせることができます。
どちらの場合も、正しい動作を得るために、10μFのコンデンサーをVDDピンに接続する必要があります。
内蔵の電圧レギュレーターは、内部ロジックの消費(Ilogic)を含めて、IREGの最大値まで電流を供給する
ことができま
デバイスが待機モードにある場合、供給できる最大電流IREG,STBYは、内部の消費(Ilogic,STBY)が含まれ
ます。
もし、外部の3.3Vレギュレーター電圧が利用できるならば、それをすべての内部ロジックに供給して、内蔵
の3V電圧レギュレーターの電力消費を回避するするために、VREGピンに加えることができます。(図13)
外部の電圧レギュレーターが、VREGピンから電流を引き込むことはありません。
図13.内蔵3V リニア・レギュレーター
- 16/43 -
6.17 BUSY/SYNCピン
このピンは、SYNC_ENビット値(STEP_MODEレジスター)に従って、BUSYフラグまたは同期信号として
使用することができる、オープン・ドレイン出力です。
6.17.1 BUSY動作モード
SYNC_ENビットが[0](初期状態)に設定されている場合、ピンはBUSY信号として機能します。
このモードでは、定速、絶対位置または始動コマンドを実行中の間、出力がローにされます。
コマンドが遂行された(目標速度または目標位置に到達した)時、BUSYピンは解放されます。
STATUSレジスターは、現在のBUSYピンを反映するBUSYフラグを持っています。
(33ページの9.1.22項を参照)
デイジー・チェーン構成の場合、異なるデバイスのBUSYピンを、ホスト・コントローラのGPIOを節約する
ために、ハード的に結線することができます。
6.17.2 SYNC動作モード
SYNC_ENビットが[1]に設定されている場合、ピンは同期信号として機能します。
このモードでは、SYNC_SELとSTEP_SELパラメータの組み合わせ(28ページの9.1.19項を参照)に従って、
ステップ・クロック信号が出力に提供されます。
6.18 FLAGピン
初期状態で、以下の条件のうちの少なくとも1つが発生した場合に、内蔵のオープン・ドレイン・トランジス
ターは、FLAGピンをグランドに落とします。
・パワーアップまたは待機/リセットの終了。
・ブリッジAの、失速(脱調)を検出。
・ブリッジBの、失速(脱調)を検出。
・過電流の検出。
・温度の警告。
・温度の運転停止。
・電圧不足の検出。
・スイッチをオンにする操作。
・間違ったコマンド。
・実行不可能なコマンド。
ALARM_ENレジスター(29ページの9.1.20項の表21を参照)にプログラムすることによって、
1つ以上のアラーム条件をマスクすることが可能です。
もし、ALARM_ENレジスターに対応するビットが[0]ならば、アラーム条件はマスクされ、それはFLAGピン
の変化を起こしません;
アラーム条件によって課される他のすべての動作は、何れも実行されます。
デイジー・チェーン構成の場合、異なるデバイスのFLAGピンを、ホスト・コントローラのGPIOを節約する
ために、並列接続することができます。
- 17/43 -
7 相電流制御
L6470は、モータ巻線に正弦波電圧を印加し、相電流を制御します。
相電流の振幅は直接制御されませんが、相電圧の振幅、負荷トルク、モーターの電気的特性と回転速度
に依存します。
正弦波の振幅は、係数(KVAL)を掛けたモーターの供給電圧に比例します。
KVALは0~100%の範囲であり、正弦波の振幅は以下の式により得ることができます:
式 1
VOUT = VS × KVAL
異なるKVAL値を、KVAL_ACC、KVAL_DEC、KVAL_RUNおよびKVAL_HOLDレジスターを通して、加速、
減速、および定速段階とモーターを停止する時のためにプログラムすることができます。
(25ページの9.1.10項を参照)
KVAL値は、以下の式によって計算されます:
式 2
KVAL = [(KVAL_X + BEMF_COMP) × VSCOMP × K_THERM] × microstep
ここでKVAL_Xは、動作段階(KVAL_ACC、KVAL_DEC、KVAL_RUN、またはKVAL_HOLD)を示すのために
プログラムされる開始KVAL値であり、BEMF_COMPはBEMF(逆起電力)補償曲線値であり、VSCOMPと
K_THERMはモーターの電源電圧と巻線の抵抗の補償係数で、microstepはマイクロステップ電流値
(目標ピーク電流の一部)です。
L6470デバイスは、安定した電流値を保証するために様々な方法を提供し、以下の補償を可能にします:
・低速の最適化 (7.3項)
・逆起電力値 (7.4項)
・モーター電源の電圧変動 (7.5項)
・巻線の抵抗変化 (7.6項)。
7.1 PWM正弦波発生器
ステッパー・モータの相に印加される2つの電圧の正弦波は、2つのPWM変調器によって生成されます。
PWM周波数(fPWM)は、発振器の周波数(fOSC)に比例しており、以下の式により得ることができます。
式 3
f PWM =
f OSC
512 × N
× m
'N'は整数除算因子で、'm'は乗算係数です。
'N'と'm'の値は、CONFIGレジスターのF_PWM_INTとF_PWM_DECパラメーターによりプログラムすることが
できます。(31ページの表28、表29、および30ページの9.1.21項を参照)
利用できるPWM周波数は、32ページの9.1.21項の、表30から表33に記載されています。
7.2 センサーの無い失速(脱調)の検出
L6470は、モーター速度と負荷角特性に応じて、プログラム可能な電流コンパレータを用いて、モーターの
失速(脱調)状態を検出し提供します。
失速(脱調)事象が発生すると、"GetStaus"コマンドまたはシステムリセットが起こるまで、それぞれの
フラグ(STEP_LOSS_AまたはSTEP_LOSS_B)が[0]にされます。(42ページの9.2.20項を参照)
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7.3 低速の最適化
モータは、小さな駆動電圧を使用して非常に低い速度で動かされたとき、結果として相電流の歪を生じる
事があります。
その結果、モーターの位置は理想的なものとは異なります。(図14を参照)
L6470デバイスは、この影響を除去するために、低速の最適化を実施します。
最適化は、MIN_SPEEDレジスターのLSPD_OPTビット(25ページの9.1.8項を参照)を[1]に設定して
有効にし、0からMIN_SPEEDまでの速度範囲で稼働します。
低速の最適化を有効にすると、速度特性の最低速度は(0)にされます。
図14.電流の歪と補償
7.4 BEMF(逆起電力)補償
速度情報を用いて、加速と減速時のBEMF(逆起電力)の変化を補償するために、モーター巻線に印加
される電圧波形の振幅に補償曲線が加えられます。(図15を参照)
補償曲線は、速度がプログラム可能なしきい値速度(INT_SPEED)より低い開始傾斜の場合と、速度が
しきい値速度より大きい細かな傾斜(FN_SLP_ACCとFN_SLP_DEC)の場合に、重ねられた線に沿って
近似されます。(26ページの9.1.11項、9.1.12項、9.1.13項と27ページの9.1.14項を参照)
図15.BEMF(逆起電力)補償曲線
加速および減速段階の間、異なる電流値を得るために、二つの異なる最終的な傾斜値と二つの異なる
補償曲線に従って、プログラムすることができます。
モーターが動く時に、加速補償曲線が適用されます。
モーターが停止している時は、BEMF(逆起電力)補償は適用されません。
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7.5 モーターの電源電圧補償
PWM変調器によって発生された正弦波の振幅は、モーターの電源電圧(VS)に正比例しています。
モーターの電源電圧が公称値と異なる場合には、モーターの相は誤った電圧によって動かされます。
L6470デバイスは、この影響を避けるために、モーターの電源電圧の変動を補償することができます。
V Sが公称値である場合、ADCINピンにVREG / 2の電圧を得るために、モーターの電源電圧を抵抗分割器を
通して内蔵のADC入力に接続する必要があります。(図16を参照)
ADC入力は、PWM周波数と等しいfSの周波数でサンプリングされます。
図16.モーターの電源電圧の補償回路
モーターの電源電圧の補償は、CONFIGレジスターのEN_VSCOMPビットを[1]に設定して、有効にする
ことができます。 (30ページの9.1.21項を参照)
EN_VSCOMPビットが[0]ならば補償は無効になり、内蔵のアナログ‐デジタル変換器はユーザーの
自由になります;
サンプリング・レートは、常にPWM周波数と等しいです。
7.6 巻線抵抗の温度ドリフト補償
巻線抵抗がより高いほど、同じ相電流を得るために印加される電圧は大きくなります。
L6470は、温度上昇による相の抵抗増加を補償するために使用できる、レジスター(K_THERM)を内蔵
しています。
K_THERMレジスター(27ページの9.1.15項を参照)の値は、より高い相抵抗値に直面することを可能に
する、デューティ・サイクル値を増やします。
補償アルゴリズムおよび最終的なモーターの温度測定は、マイクロ・コントローラのファームウェアに
よって実施されるべきです。
8 シリアル・インターフェース
内蔵された8ビットのシリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)は、ホストのマイクロ・プロセッサ
(常にマスター)およびL6470(常にスレーブ)間の、同期式シリアル通信に使用されます。
SPIは、チップ・セレクト(CS)、シリアル・クロック(CK)、シリアル・データ入力(SDI)とシリアル・データ出力
(SDO)ピンを使用します。
CSがローにされた場合に、通信が開始されます。
CKラインは、データ通信の同期のために使用されます。
すべてのコマンドおよびデータ・バイトは、最上位ビットが最初にSDI入力を通してデバイスの中にシフト
されます。
SDIは、CKの立ち上がりエッジでサンプリングされます。
すべてのデータ・バイトは、最上位ビットが最初にSDO出力を通してデバイスの外にシフトされます。
SDOは、CKの立ち下がりエッジでラッチされます。
デバイスからの戻り値が使用できない場合は、すべて[00]のバイトが送信されます。
各バイトの送信後に、CS入力をハイに上げる必要があり、デバイスが受信したコマンドを解読してシフト・
レジスターに戻り値を入れることができるようになるまで、少なくともtdisCSの間CSをハイに維持しておかな
ければなりません。
- 20/43 -
すべてのタイミングの必要条件は、図17(値については、3ページの3項の電気的特性を参照)に示されて
います。
図17.SPIのタイミング図
デイジー・チェーン接続
図18に示すように、複数のデバイスを、デイジー・チェーン構成で接続することができます。
デイジー・チェーン接続の場合は、ホストがCSをローにしてデバイス1のSDIへバイト・データを送り始めて
から、CSをハイにしない限り、続けて送られたバイト・データがデバイス1に入ると共に、先のバイト・データ
がSDOピンから出力されて次のデバイスにシフトされていきます。
CSをハイにした時点で、それぞれのデバイスへシフトにより送られた個別のバイト・データが、各デバイス
に一斉に取り込まれます。
これにより、シリアル送信によるデバイス毎のコマンド発動の遅延を無くすことができます。
図18.デイジーチェーンの構成
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9 プログラミング・マニュアル
9.1 レジスターおよびフラグの説明
表9は、使用可能なユーザー・レジスターの一覧です: (それぞれの項で詳細を説明します)
表9.レジスター・マップ
アドレス
[Hex]
レジスター名
レジスターの機能
ビット
長
初期値
22
00_0000
初
[Hex]
期
値
形式
(1)
01 h
ABS_POS
現在位置
02 h
EL_POS
電気的位置
03 h
MARK
マーク(絶対)位置
22
00_0000
04 h
SPEED
現在の速度
20
0_0000
05 h
ACC
加速度
12
08A
06 h
DEC
減速度
12
08A
07 h
MAX_SPEED
最高速度
10
041
248e-6 ステップ/動作クロック
(991.8 ステップ/秒)
R, WR
08 h
MIN_SPEED
最低速度
13
000
0 ステップ/動作クロック
(0 ステップ/秒)
R, WS
15 h
FS_SPD
フルステップ速度の
しきい値
10
027
150.7e-6 ステップ/動作クロック
(602.7 ステップ/秒)
R, WR
09 h
KVAL_HOLD
待機中のKVAL値
8
29
0.16 × VS
R, WR
0A h
KVAL_RUN
定速のKVAL値
8
29
0.16 × VS
R, WR
0B h
KVAL_ACC
加速開始のKVAL値
8
29
0.16 × VS
R, WR
0C h
KVAL_DEC
減速開始のKVAL値
8
29
0.16 × VS
R, WR
0D h
INT_SPEED
傾斜の交差速度
14
0408
15.4e-6 ステップ/動作クロック
(61.5 ステップ/秒)
R, WH
0E h
ST_SLP
始動の傾斜
8
19
0.038% 秒/ステップ
R, WH
0F h
FN_SLP_ACC
加速の最終傾斜
8
29
0.063% 秒/ステップ
R, WH
10 h
FN_SLP_DEC
減速の最終傾斜
8
29
0.063% 秒/ステップ
R, WH
11 h
K_THERM
熱の補償係数
4
0
1.0
R, WR
12 h
ADC_OUT
ADCの出力
5
13 h
OCD_TH
過電流のしきい値
4
8
3.38 A
R, WR
14 h
STALL_TH
失速(脱調)のしきい値
7
40
2.03 A
R, WR
16 h
STEP_MODE
ステップのモード
8
7
128 マイクロステップ
R, WH
17 h
ALARM_EN
アラームの設定
8
FF
すべてのアラームが有効
R, WS
9
000
XX
0
R, WS
0
R, WS
0
R, WR
0 ステップ/動作クロック
(0 ステップ/秒)
125.5e-12 ステップ/動作クロック2
(2008 ステップ/秒2)
125.5e-12 ステップ/動作クロック2
(2008 ステップ/秒2)
CONFIG
デバイスの設定
16
2E88
19 h
STATUS
ステータス
16
XXXX (2)
1A h
RESERVED
予約済みのアドレス
1B h
RESERVED
予約済みのアドレス
内部発振器
2MHzのOSCOUTクロック
電源電圧補償 = 無効
過電流シャットダウン=有効
スルーレート = 290 V/μs
PWM周波数 = 15.6kHz
ハイ・インピーダンス状態
UVLO = [0] , HiZ = [1]
(1) R:読み取り可能、 WH:出力がハイ・インピーダンスの時にのみ書き込み可能、
WS:モーターが停止している時にのみ書き込み可能、 WR:常に書き込み可能。
(2) 起動条件により。
- 22/43 -
R, WS
R, WS
R
(2)
18 h
R
R, WH
R
9.1.1 ABS_POS レジスター
ABS_POSレジスターは、選択されたステップ・モードによる、現在のモーターの絶対位置が入っています;
格納された値の単位は、選ばれたステップ・モード(フル、ハーフ、4分の1など)に相当します。
値は2の補数形式であり、それは-221~+221-1の範囲です。(100000h~1FFFFFh)
01 h
21
20
19
18
17
R, WS
16
15
14
13
12
11
現在のモーターの絶対位置
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
(初期値 = 0 h)
電源オンで、レジスターは[0] (HOME位置)に初期化されます。
モーターが動作している時にレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
9.1.2 EL_POS レジスター
EL_POSレジスターは、モーターの現在の電気的な位置が入っています。
上位2つのビットは現在のステップを示し、他のビットはステップ内の現在のマイクロ・ステップ
(ステップ/128で表される)を示します。
02 h
8
R, WS
7
6
5
ステップ
4
3
マイクロ・ステップ
2
1
0
(初期値 = 0 h)
EL_POSレジスターがユーザーによって書き込まれると、直ちに新たな電気的位置が課せられます。
EL_POSレジスターに書き込む時には、誤ったマイクロ・ステップ値の生成を避けるために、STEP_MODE
レジスターで選択されたステップ・モードと一致するように、その値はマスキングされなければなりません。
(28ページの9.1.19項を参照)
そうでなければ、得られたマイクロ・ステップの手順は正しくありません。
モーターが動作している時にレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
9.1.3 MARK レジスター
MARKレジスターは、選択したステップ・モードに応じて、マークと呼ばれる絶対位置が入っています。
格納された値の単位は、選ばれたステップ・モード(フル、ハーフ、4分の1など)に相当します。
値は2の補数形式であり、それは-221~+221-1の範囲です。(100000h~1FFFFFh)
03 h
21
20
19
18
17
16
R, WR
15
14
13
12
マーク(絶対)位置
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
(初期値 = 0 h)
9.1.4 SPEED レジスター
SPEEDレジスターは、現在のモータ速度が入り、ステップ/動作クロック(形式は符号なし固定小数点
0.28)で表されます。
04 h
19
18
17
16
15
R
14
13
12
11
現在のモータ速度
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
(初期値 = 0 h)
ステップ/秒の速度値に変換するために、以下の式を使用することができます。
式 4
[ ステップ/秒 ] =
SPEED × 2-28
動作クロック
ここで、SPEEDはレジスターに格納された整数で、動作クロックは250nsです。
使用できる範囲は、0.015ステップ/秒の解像度で、0~15625ステップ/秒です。
注: ユーザーが実際に使用できる範囲は、MAX_SPEEDパラメータによって制限されます。
このレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、NOTPERF_CMDフラグが立つ原因に
なります。 (33ページの9.1.22項を参照)
- 23/43 -
9.1.5 ACC レジスター
ACCレジスターは、ステップ/動作クロック2で表される速度特性の加速度(形式は符号なし固定小数点
0.40)が入っています。
05 h
11
10
9
8
R, WS
7
6
速度特性の加速度
5
4
3
2
1
0
(初期値 = 08A h)
ステップ/秒2のACC値に変換するために、以下の式を使用することができます:
式 5
ACC × 2-40
動作クロック2
[ ステップ/秒2 ] =
ここで、ACCはレジスターに格納された整数で、動作クロックは250nsです。
使用できる範囲は、14.55 ステップ/秒2の解像度で、14.55~59590 ステップ/秒 2です。
レジスターは[FFFh]の値が予約されており、それは決して使用しないでください。
モーターが動作している時にレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
9.1.6 DEC レジスター
DECレジスターは、ステップ/動作クロック2で表される速度特性の減速度(形式は符号なし固定小数点
0.40)が入っています。
06 h
11
10
9
8
R, WS
7
6
速度特性の減速度
5
4
3
2
1
0
(初期値 = 08A h)
ステップ/秒2のDEC値に変換するために、以下の式を使用することができます:
式 6
DEC × 2-40
動作クロック2
[ ステップ/秒2 ] =
ここで、DECはレジスターに格納された整数で、動作クロックは250nsです。
使用できる範囲は、14.55 ステップ/秒2の解像度で、14.55~59590 ステップ/秒 2です。
モーターが動作している時にレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。(33ページの9.1.22項を参照)
9.1.7 MAX_SPEED レジスター
MAX_SPEEDレジスターは、ステップ/動作クロックで表される速度特性の最高速度(形式は符号なし
固定小数点0.18)が入っています。
07 h
R, WR
9
8
7
6
5
速度特性の最高速度
4
3
2
(初期値 = 041 h)
ステップ/秒にそれを変換するために、以下の式を使用することができます。
式 7
[ ステップ/秒 ] =
MAX_SPEED × 2-18
動作クロック
ここで、MAX_SPEEDはレジスターに格納された整数で、動作クロックは250nsです。
使用できる範囲は、15.25ステップ/秒の解像度で、15.25~15610ステップ/秒です。
- 24/43 -
1
0
9.1.8 MIN_SPEED レジスター
MIN_SPEEDレジスターは、速度特性の最低速度が入っています。
08 h
12
11
R, WS
LSPD_OPT
10
9
8
7
6
5
速度特性の最低速度
4
3
2
1
0
(初期値 = 0 h)
その値はステップ/動作クロックで表されており、ステップ/秒にそれを変換するために、以下の式を
使用することができます。
式 8
[ ステップ/秒 ] =
MIN_SPEED × 2-24
動作クロック
ここで、MIN_SPEEDはレジスターに格納された整数で、動作クロックは傾斜250nsです。
使用できる範囲は、0.238ステップ/秒の解像度で、0~976.3ステップ/秒です。
LSPD_OPTビットが[1]に設定されている場合は、低速の最適化機能が有効になり、"最低速度"の値は
補償が働くしきい値以下の速度を示します。 (初期値 = 0)
この場合、速度特性の最低速度は0に設定されます。
モーターが動作している時にレジスターに書き込みをしようとすると、NOTPERF_CMDフラグが立つ
原因になります。
9.1.9 FS_SPD レジスター
FS_SPDレジスターは、フルステップ速度のしきい値が入っています。
15 h
R, WR
9
8
7
6
5
フルステップ速度のしきい値
4
3
2
1
0
(初期値 = 027 h)
実際の速度がこの値を超えると、ステップ・モードは自動的に2相のフル・ステップに切り替えられます。
その値はステップ/動作クロック(形式は符号なし固定小数点 0.18)で表され、ステップ/秒にそれを
変換するために、以下の式を使用することができます。
式 9
[ ステップ/秒 ] =
(FS_SPD + 0.5) × 2-18
動作クロック
ここで、FS_SPDはレジスターに格納された整数で、動作クロックは傾斜250nsです。
FS_SPD値が3FFh(最大)に設定されている場合、システムは常にマイクロ・ステップ・モードで動作します。
(SPEEDをフル・ステップ・モードに切り替えるためには、しきい値を超える必要があります)
FS_SPDを0に設定すると、ステップ・モードを2相のフル・ステップに設定するのと同じ効果はありません。
0のFS_SPD値は、約7.63ステップ/秒の速度しきい値に相当します。
使用できる範囲は、15.25ステップ/秒の解像度で、7.63~15625ステップ/秒です。
9.1.10 KVAL_HOLD, KVAL_RUN, KVAL_ACC and KVAL_DEC レジスター
KVAL_HOLDレジスターは、モーターが停止している時にPWM変調器に割り当てられるKVAL値が
入っています。 (補償は除外)。
KVAL_RUNレジスターは、モーターが一定速度で動いている時にPWM変調器に割り当てられるKVAL値が
入っています。 (補償は除外)
KVAL_ACCレジスターは、加速時にPWM変調器に割り当てられる開始KVAL値が入っています。
(補償は除外)
KVAL_DECレジスターは、減速時にPWM変調器に割り当てられる開始KVAL値が入っています。
(補償は除外)
使用できる範囲は、0.004×VSの解像度で、0~0.996の×VSです。
- 25/43 -
電圧振幅調整レジスター
09 h
0A h
0B h
0C h
R, WR
7
6
5
4
3
2
1
0
出 力 電 圧
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
VS × (1/256)
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
1
1
1
1
1
1
1
0
VS × (254/256)
1
1
1
1
1
1
1
1
VS × (255/256)
(初期値 = 29 h)
9.1.11 INT_SPEED レジスター
INT_SPEEDレジスタ-は、BEMF補償曲線が傾斜を変える速度値が入ります。(19ページの7.4項を参照)
0D h
13
12
11
10
R, WH
9
8
7
傾斜の交差速度
6
5
4
3
2
1
0
(初期値 = 0408 h)
その値はステップ/動作クロックで表され、ステップ/秒にそれを変換するために、以下の式を使用する
ことができます。
式 10
[ ステップ/秒 ] =
INT_SPEED × 2-26
動作クロック
ここで、INT_SPEEDはレジスターに格納された整数で、動作クロックは250nsです。
使用できる範囲は、0.0596ステップ/秒の解像度で、0~976.5ステップ/秒です。
モーターが動作している時にレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。(33ページの9.1.22項を参照)
9.1.12 ST_SLP レジスター
ST_SLPレジスターは、速度が傾斜と交差する速度よりも低い場合に使用される、BEMF補償曲線の
傾きが入ります。 (19ページの7.4項を参照)
0E h
7
6
R, WH
5
4
始動の傾斜
3
2
1
0
(初期値 = 19 h)
その値は秒/ステップで表され、使用できる範囲は、0.000015の解像度で、0~0.004です。
ST_SLP、FN_SLP_ACCとFN_SLP_DECパラメータが0に設定されている場合は、BEMF補償は
行われません。
モーターが動作している時にレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
9.1.13 FN_SLP_ACC レジスター
FN_SLP_ACCレジスターは、速度が加速中の傾斜と交差する速度よりも大きい場合に使用される、
BEMF補償曲線の傾きが入ります。 (19ページの7.4項を参照)
0F h
R, WH
7
6
5
4
加速の最終傾斜
3
2
1
(初期値 = 29 h)
その値は秒/ステップで表され、使用できる範囲は、0.000015の解像度で、0~0.004です。
ST_SLP、FN_SLP_ACCとFN_SLP_DECパラメータが0に設定されている場合は、BEMF補償は
行われません。
モーターが動作している時にレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
- 26/43 -
0
9.1.14 FN_SLP_DEC レジスター
FN_SLP_DECレジスターは、速度が減速中の傾斜と交差する速度よりも大きい場合に使用される、
BEMF補償曲線の傾きが入ります。 (19ページの7.4項を参照)
10 h
7
6
R, WH
5
4
減速の最終傾斜
3
2
1
0
(初期値 = 29 h)
その値は秒/ステップで表され、使用できる範囲は、0.000015の解像度で、0~0.004です。
ST_SLP、FN_SLP_ACCとFN_SLP_DECパラメータがゼロに設定されている場合、何のBEMF補償は
行われません。
モーターが動作している時にレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
9.1.15 K_THERM レジスター
K_THERMレジスターは、巻線抵抗の温度ドリフト補償システムによって使用される値が入ります。
(20ページの7.6項を参照)
使用できる範囲は、0.03125の解像度で、1~1.46875です。
表13.巻線抵抗の温度ドリフト補償係数
11 h
3
2
1
0
補 償 係 数
R, WR
0
0
0
0
1.0
0
0
0
1
1.03125
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
1
1
1
0
1.4375
1
1
1
1
1.46875
(初期値 = 0 h)
9.1.16 ADC_OUT レジスター
ADC_OUTレジスターは、ADCINピン電圧のアナログ‐デジタル変換の結果が入ります;
たとえ電源電圧補償が無効になっている場合でも、結果は利用可能です。
このレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、NOTPERF_CMDフラグが立つ原因に
なります。 (33ページの9.1.22項を参照)
表14.ADC_OUT値とモーター電源電圧補償機能
12 h
VS
VADCIN/VREG
4
3
2
1
0
補償係数
R
VS,nom + 50% より大きい
> 24/32
1
1
X
X
X
0.65625
VS,nom + 50%
24/32
1
1
0
0
0
0.65625
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
VS,nom
16/32
1
0
0
0
0
1
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
VS,nom - 50%
8/32
0
1
0
0
0
1.968875
VS,nom - 50% より小さい
< 8/32
0
0
X
X
X
1.968875
- 27/43 -
9.1.17 OCD_TH レジスター
OCD_THレジスターは、過電流のしきい値が入ります。 (14ページの6.9項を参照)
使用できる範囲は、375mAのステップで、375mA~6Aです。
表15.過電流検出のしきい値
13 h
3
2
1
0
過電流検出のしきい値
R, WR
0
0
0
0
375 mA
0
0
0
1
750 mA
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
1
1
1
0
5.625 A
1
1
1
1
6 A
(初期値 = 8 h)
(初期値 = 3.38 A)
9.1.18 STALL_TH レジスター
STALL_THレジスターは、失速(脱調)検出のしきい値が入ります。 (18ページの7.2項を参照)
使用できる範囲は、31.25mAの解像度で、31.25mA~4Aです。
表16.失速(脱調)検出のしきい値
14 h
6
5
4
3
2
1
0
失速(脱調)検出のしきい値
R, WR
0
0
0
0
0
0
0
31.25 mA
0
0
0
0
0
0
1
62.5 mA
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
1
1
1
1
1
1
0
3.969 A
1
1
1
1
1
1
1
4 A
(初期値 = 40 h)
(初期値 = 2.03 A)
9.1.19 STEP_MODE レジスター
STEP_MODEレジスターの構造は、次のとおりです:
表17.STEP_MODEレジスター
16 h
7
6
R, WH
SYNC_EN
5
4
SYNC_SEL
3
0
(1)
2
1
0
STEP_SEL
(初期値 = 07 h)
(1).このレジスターに書き込む場合には、このビットを0に設定しなければなりません。
STEP_SELは、8つの可能なステッピング・モードのうちの1つを選びます:
表18.STEP_SEL ステッピング・モードの選択
bit 2
STEP_SEL
bit 1 bit 0
ステッピング・モード
0
0
0
フル・ステップ
0
0
1
ハーフ・ステップ
0
1
0
1/4 マイクロステップ
0
1
1
1/8 マイクロステップ
1
0
0
1/16 マイクロステップ
1
0
1
1/32 マイクロステップ
1
1
0
1/64 マイクロステップ
1
1
1
1/128 マイクロステップ
- 28/43 -
ステッピング・モードが変更されるたびに、電気的位置(すなわち、生成されるマイクロ・ステッピング
正弦波の点)は、最初のマイクロ・ステップにリセットされます。
警告: STEP_SELが変更されるたびに、ABS_POSレジスターの値は意味を失い、リセットされ
なければなりません。
モーターが動作している時にレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
SYNC_ENビットが[0]に設定されている場合は、BUSY/SYNC出力はコマンド実行中にローにされます。
SYNC_ENビットが[1]に設定される場合は、BUSY/SYNC出力はSYNC_SELパラメーターによってクロック
(同期)信号を出力します。
表19.STEP_SEL SYNC(同期信号)出力周波数
STEP_SEL
SYNC_SEL
(fFSは、フルステップ周波数です)
000
001
010
011
100
101
110
111
000
fFS / 2
fFS / 2
fFS / 2
fFS / 2
fFS / 2
fFS / 2
fFS / 2
fFS / 2
001
不適用
fFS
fFS
fFS
fFS
fFS
fFS
fFS
010
不適用
不適用
2 x fFS
2 x fFS
2 x fFS
2 x fFS
2 x fFS
2 x fFS
011
不適用
不適用
不適用
4 x fFS
4 x fFS
4 x fFS
4 x fFS
4 x fFS
100
不適用
不適用
不適用
不適用
8 x fFS
8 x fFS
8 x fFS
8 x fFS
101
不適用
不適用
不適用
不適用
不適用
16 x fFS
16 x fFS
16 x fFS
110
不適用
不適用
不適用
不適用
不適用
不適用
32 x fFS
32 x fFS
111
不適用
不適用
不適用
不適用
不適用
不適用
不適用
64 x fFS
同期信号は、下表に従って電気的位置情報(EL_POSレジスター)からスタートして得られます:
表20.同期信号源
bit
0
0
0
0
1
1
1
1
SYNC_SEL
6 bit 5 bit 4
0
0
0
1
1
0
1
1
0
0
0
1
1
0
1
1
同期信号源
EL_POS[7]
EL_POS[6]
EL_POS[5]
EL_POS[4]
EL_POS[3]
EL_POS[2]
EL_POS[1]
EL_POS[0]
9.1.20 ALARM_EN レジスター
ALARM_ENレジスターは、アラーム信号がFLAG出力を生成するために使用される選択を可能にします。
ALARM_ENレジスターの各ビットが[1]に設定されている場合は、アラーム状態がFLAGピンの出力を
強制的にローにします。 ([1] = 有効)
表21.ALARM_EN レジスター
17 h
R, WS
ALARM_EN (ビット)
アラーム条件
0 (下位)
過電流
1
温度の運転停止
2
温度の警告
3
電圧不足
4
失速(脱調)検出(ブリッジA)
5
失速(脱調)検出(ブリッジB)
6
スイッチ操作の事象
7 (上位)
間違った、または非実行なコマンド
- 29/43 -
(初期値 = FF h)
9.1.21 CONFIG レジスター
CONFIGレジスターの構造は、次のとおりです:
18 h
15
14
R, WH
13
12
F_PWM_INT
11
10
9
F_PWM_DEC
7
6
5
4
3
OC_SD
予約済
EN_VSCOMP
SW_MODE
EXT_CLK
8
POW_SR
2
1
0
OSC_SEL
(初期値 = 2E88 h)
OSC_SELとEXT_CLKビットは、システム・クロックの源を設定します:
表23.発振器の管理
EXT_CLK
*
0
0
0
0
1
1
1
1
0
0
0
0
OSC_SEL
b2 b1 b0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
1
1
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
1
1
1
0
0
1
0
1
1
1
0
1
1
1
1
1
0
0
1
1
0
1
1
1
1
0
1
1
1
1
クロック源
OSCIN
ピン
OSCOUT
ピン
内蔵発振器: 16MHz
未使用
未使用
内蔵発振器: 16MHz
内蔵発振器: 16MHz
内蔵発振器: 16MHz
内蔵発振器: 16MHz
外部の水晶または発振子: 8MHz
外部の水晶または発振子: 16MHz
外部の水晶または発振子: 24MHz
外部の水晶または発振子: 32MHz
外部クロック源: 8MHz
(水晶/発振子ドライバーは無効)
外部クロック源: 16MHz
(水晶/発振子ドライバーは無効)
外部クロック源: 24MHz
(水晶/発振子ドライバーは無効)
外部クロック源: 32MHz
(水晶/発振子ドライバーは無効)
未使用
未使用
未使用
未使用
水晶/発振子を駆動
水晶/発振子を駆動
水晶/発振子を駆動
水晶/発振子を駆動
2MHzのクロックを出力
4MHzのクロックを出力
8MHzのクロックを出力
16MHzのクロックを出力
水晶/発振子を駆動
水晶/発振子を駆動
水晶/発振子を駆動
水晶/発振子を駆動
OSCINの
反転信号を出力
OSCINの
反転信号を出力
OSCINの
反転信号を出力
OSCINの
反転信号を出力
クロック入力
クロック入力
クロック入力
クロック入力
(* 初期値)
SW_MODEビットは、「HardStop割り込みあり」、または、「なし」として機能するように、外部のスイッチを
設定します:
表24.外部スイッチのHardStop割り込みモード
SW_MODE
スイッチのモード
0
HardStop割り込み あり
1
ユーザーが自由に使用
(0: 初期値)
OC_SDビットは、過電流の発生によりブリッジをオフにするかどうかを設定します;
STATUSレジスターのOCDフラグは、いずれの場合も強制的に[0]にされます:
表25.過電流の事象
OC_SD
過電流の発生時
0
ブリッジを運転停止しない
1
ブリッジを運転停止する
- 30/43 -
(1: 初期値)
POW_SRビットは、パワー・ブリッジ出力のスルーレート(応答速度)値を設定します:
表26.プログラム可能なパワー・ブリッジ出力のスルーレート値
POW_SR
bit 9 bit 8
出力スルーレート
[V/μs]
0
0
320
0
1
75
1
0
110
1
1
260
(1)
(10: 初期値)
(1) 詳細については、3ページの表5上で、SRout_rとSRout_fパラメーターを参照してください。
EN_VSCOMPビットは、モーターの電源電圧補償を有効にするかどうかを設定します。
表27.モーター供給電圧補償の設定
EN_VSCOMP
モーター供給電圧の補償
0
無
効
1
有
効
(0: 初期値)
F_PWM_INTビットは、PWM周波数生成の整数分周比を設定します。
表28.PWM周波数 : 整数分周比
F_PWM_INT
bit 15 bit 14 bit 13
整数分周比
0
0
0
1
0
0
1
2
0
1
0
3
0
1
1
4
1
0
0
5
1
0
1
6
1
1
0
7
1
1
1
不適用
(001: 初期値)
F_PWM_DECビットは、PWM周波数生成の逓倍率を設定します。
表29.PWM周波数 : 逓倍率
F_PWM_DEC
bit 12 bit 11 bit 10
逓 倍 率
0
0
0
0.625
0
0
1
0.75
0
1
0
0.875
0
1
1
1
1
0
0
1.25
1
0
1
1.5
1
1
0
1.75
1
1
1
2
(011: 初期値)
モーターが動作している時にCONFIGレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
- 31/43 -
次の表では、すべての利用可能なPWM周波数において、発振周波数に応じたF_PWM_INTとF_PWM_DEC
値が一覧表示されます。
(CONFIGレジスターのOSC_SELパラメーターが正しくプログラムされなければなりません)。
表30.使用可能なPWM周波数[kHz] : 8MHzの発振周波数
F_PWM_DEC
F_PWM_INT
000
001
010
011
100
101
110
111
000
9.8
11.7
13.7
15.6
19.5
23.4
27.3
31.3
001
4.9
5.9
6.8
7.8
9.8
11.7
13.7
15.6
010
3.3
3.9
4.6
5.2
6.5
7.8
9.1
10.4
011
2.4
2.9
3.4
3.9
4.9
5.9
6.8
7.8
100
2.0
2.3
2.7
3.1
3.9
4.7
5.5
6.3
101
1.6
2.0
2.3
2.6
3.3
3.9
4.6
5.2
110
1.4
1.7
2.0
2.2
2.8
3.3
3.9
4.5
表31.使用可能なPWM周波数[kHz] : 16MHzの発振周波数
F_PWM_DEC
F_PWM_INT
000
001
010
011
100
101
110
111
000
19.5
23.4
27.3
31.3
39.1
46.9
54.7
62.5
001
9.8
11.7
13.7
15.6
19.5
23.4
27.3
31.3
010
6.5
7.8
9.1
10.4
13.0
15.6
18.2
20.8
011
4.9
5.9
6.8
7.8
9.8
11.7
13.7
15.6
100
3.9
4.7
5.5
6.3
7.8
9.4
10.9
12.5
101
3.3
3.9
4.6
5.2
6.5
7.8
9.1
10.4
110
2.8
3.3
3.9
4.5
5.6
6.7
7.8
8.9
表32.使用可能なPWM周波数[kHz] : 24MHzの発振周波数
F_PWM_DEC
F_PWM_INT
000
001
010
011
100
101
110
111
000
29.3
35.2
41.0
46.9
58.6
70.3
82.0
93.8
001
14.6
17.6
20.5
23.4
29.3
35.2
41.0
46.9
010
9.8
11.7
13.7
15.6
19.5
23.4
27.3
31.3
011
7.3
8.8
10.3
11.7
14.6
17.6
20.5
23.4
100
5.9
7.0
8.2
9.4
11.7
14.1
16.4
18.8
101
4.9
5.9
6.8
7.8
9.8
11.7
13.7
15.6
110
4.2
5.0
5.9
6.7
8.4
10.0
11.7
13.4
表33.使用可能なPWM周波数[kHz] : 32MHzの発振周波数
F_PWM_DEC
F_PWM_INT
000
001
010
011
100
101
110
111
000
39.1
46.9
54.7
62.5
78.1
93.8
109.4
125.0
001
19.5
23.4
27.3
31.3
39.1
46.9
54.7
62.5
010
13.0
15.6
18.2
20.8
26.0
31.3
36.5
41.7
011
9.8
11.7
13.7
15.6
19.5
23.4
27.3
31.3
100
7.8
9.4
10.9
12.5
15.6
18.8
21.9
25.0
101
6.5
7.8
9.1
10.4
13.0
15.6
18.2
20.8
110
5.6
6.7
7.8
8.9
11.2
13.4
15.6
17.9
- 32/43 -
9.1.22 STATUS レジスター
表34.STATUS レジスター
19 h
15
14
13
12
11
10
9
8
R
SCK_MOD
STEP_LOSS_B
STEP_LOSS_A
OCD
TH_SD
TH_WRN
UVLO
WRONG_CMD
7
6
5
4
3
2
1
0
DIR
SW_EVN
SW_F
BUSY
HiZ
NOTPERF_CMD
MOT_STATUS
HiZフラグが[1]の場合には、ブリッジがハイ・インピーダンス状態であることを示しています。
ハイ・インピーダンス状態を強制しているエラー・フラグが動作中でない限り、どのような動作コマンドでも、
デバイスをハイ・インピーダンス状態から出させます。(HardStopとSoftStopを含めて)
UVLOフラグは、発動が[0]で、電圧低下の検出やリセットの事象によって[0]にされます。
(パワーアップも含む)
TH_WRN、TH_SD、OCDフラグは、発動が[0]で、それぞれ温度の警告、温度の運転停止、
過電流検出の発生を示します。
STEP_LOSS_AとSTEP_LOSS_Bフラグは、失速(脱調)が、それぞれ、ブリッジAまたはブリッジB上で検出
された場合に、強制的に[0]にされます。
NOTPERF_CMDとWRONG_CMDフラグは、発動が[1]で、SPIにより受信したコマンドが、それぞれ、実行
できないか、または全く存在しないことを示します。
SW_Fフラグは、SW入力の状態を報告します。 (閉じられた場合は[1]、オープンの場合は[0])
SW_EVNフラグは、発動が[1]で、スイッチ・オンの操作を示しています。 (SW入力の立ち下がりエッジ)
UVLO、TH_WRN、TH_SD、OCD、STEP_LOSS_A、STEP_LOSS_B、NOTPERF_CMD、WRONG_CMDと
SW_EVNフラグは、ラッチ(状態を保持)されています:
個々の条件がそれらを発動([0]または[1])する時、それらはGetStatusコマンドがデバイスに送られる
まで、その状態を保持します。
BUSYビットは、BUSYピンの状態を反映します。
BUSYフラグは、定速、位置決め、または動作コマンドを実行中の際に[0]にされ、 コマンドが完了した後に
解放[1]にされます。
SCK_MODビットは、デバイスがステップ・クロック・モードで動作していることを示す、発動が[1]のフラグ
です。
この場合、ステップ・クロック信号は、STCK入力ピンを介して供給されなければなりません。
DIRビットは、現在のモーターの回転方向を示します: [1] = 正方向 , [0] = 逆方向
MOT_STATUSは、モーター電流の状態を示します:
表36.ステータス・レジスターのMOT_STATUSビット
MOT_STATUS
bit 6
bit 5
モーターの状態
0
0
停止
0
1
加速
1
0
減速
1
1
定速
STATUSレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、NOTPERF_CMDフラグが立つ
原因になります。
- 33/43 -
9.2 運用コマンド
コマンドの概要は、表37に示されます。
表37.運用コマンド
コマンドの記述
コマンドのバイナリー・コード
動
作
765
4
3
21
0
NOP
000
0
0
00
0
SetParam (ADR, Value)
000
[ADR]
アドレス(ADR)のレジスターに、Valueの値を
書き込みます。
GetParam (ADR)
001
[ADR]
アドレス(ADR)のレジスターに格納された値を
返します。 (読み出し)
Run (DIR, Spd)
010
1
0
00 D
目標速度(Spd)とモーターの方向(DIR)を
指定して、定速回転をさせます。
StepClock (DIR)
010
1
1
00 D
デバイスをステップ・クロック・モードにして、
方向(DIR)を指定します。 (外部クロックで駆動)
Move (DIR, N_Step)
010
0
0
00 D
DIR方向にN_Stepのマイクロ・ステップを行います。
(モーターが動いているときには実行されません)
GoTo (ABS_POS)
011
0
0
00
最短経路で、ABS_POSの位置へモーターを
動かします。
GoTo_DIR (DIR, ABS_POS)
011
0
1
00 D
DIR方向を指定して、ABS_POSの位置へモーター
を動かします。
GoUntil (ACT, DIR, Spd)
100
0 A 01 D
SWがオンになるまで、Spdの速度でDIR方向に動
作を実行し、SWがオンになると、その時のACTビ
ットの動作が実行されてSoftStopが起きます。
ReleseSW (ACT, DIR)
100
1 A 01 D
SWがオフになるまで、最低速度でDIR方向に動
作を実行し、SWがオフになると、その時のACTビ
ットの動作が実行されてHardStopが起きます。
GoHome
011
1
0
00
0
HOME位置にモーターを持ってきます。
GoMark
011
1
1
00
0
MARK位置にモーターを持ってきます。
ResetPos
110
1
1
00
0
ABS_POSレジスタをリセットします。
(HOME位置を決めます)
ResetDevice
110
0
0
00
0
デバイスを、電源投入時の状態にリセットします。
SoftStop
101
1
0
00
0
減速期間の後に、モーターを停止します。
(保持トルクあり)
HardStop
101
1
1
00
0
直ちにモーターを停止します。
(保持トルクあり)
SoftHiZ
101
0
0
00
0
減速期間の後に、ブリッジをハイ・インピーダンス
状態にします。 (保持トルクなし)
HardHiZ
101
0
1
00
0
直ちにブリッジをハイ・インピーダンス状態に
します。 (保持トルクなし)
GetStatus
110
1
0
00
0
STATUSレジスターの値を返します。
予 約 済
111
0
1
01
1
予約済のコマンド
予 約 済
111
1
1
00
0
予約済のコマンド
0
何も実行されません。
- 34/43 -
9.2.1 コマンドの使い方
ホストのマイクロ・コントローラは、充実したコマンドのセットによってL6470デバイスを設定し、モーターの
動きを制御することができます。
すべてのコマンドは、1バイトで構成されています。
コマンドバイトの後に、いくつかの引数バイトが必要とされます。 (下記の図19を参照)
引数の長さは、1から3バイトまで変化することがあります。
図19.3バイトの引数を持つコマンド
初期段階で、デバイスはすべての受信したバイトに対して[00h]の応答を返します。
唯一の例外は、GetParamとGetStatusコマンドです。
これらのいずれかのコマンドを受信すると、次の応答バイトは関連するレジスターの値を表します。
応答の長さは、1から3バイトまで変化することがあります。
(デイジー・チェーン接続の場合は、21ページの図18を参照)
図20.3バイトの応答を持つコマンド
応答の送信中に、新たなコマンドを送ることができます。
前の応答が完了する前に応答を要求するコマンドが送られると、応答の送信は中止されて、新たな応答が
出力通信バッファにロードされます。 (下記の図21を参照)
図21.コマンド応答の中止
コマンドと一致しないバイトがデバイスに送られると、それは無視されて、STATUSレジスターの
WRONG_CMDフラグが立ちます。 (33ページの9.1.22項を参照)
9.2.2 Nop コマンド
Nopコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
0
0
0
0
0
0
0
0
ホストより
何も実行されません。
- 35/43 -
9.2.3 SetParam (ADR, Value) コマンド
表39.SetParamのコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
0
0
0
bit 4
bit 3
ADR
bit 2
bit 1
bit 0
(レジスターのアドレス)
シリアル・データの方向
ホスト → L6470
Value
引数バイト 2
(必要な場合)
ホスト → L6470
Value
引数バイト 1
(必要な場合)
ホスト → L6470
Value
引数バイト 0
ホスト → L6470
SetParamコマンドは、アドレス[ADR]で指定したレジスターに、Valueの値を書き込みます;
[ADR]は、22ページの表9に一覧されている、それぞれのレジスターのアドレスです。
コマンドの後に、新しいレジスター値[Value]が続かなければなりません。 (最上位バイトが最初)
Valueの引数を構成するバイト数は、対象とするレジスターの長さによって変わります。 (表9を参照)
一部のレジスターには、書き込むことができません。 (表9を参照)
これら一部のレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、未知のコマンド・コードが
送られたかのように、コマンドバイトの終わりにWRONG_CMDフラグが立つ原因になります。
(33ページの9.1.22項を参照)
一部のレジスターは、特定の条件の場合にのみ書き込むことができます; (表9を参照)
条件が満たされない時に、これら一部のレジスターに書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、
最後の引数バイトの終わりにNOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
存在しないレジスター(間違ったアドレス値)に書き込みをしようとすると、コマンドは無視されて、未知の
コマンド・コードが送られたかのように、コマンドバイトの終わりにWRONG_CMDフラグが立つ原因になり
ます。
9.2.4 GetParam (ADR) コマンド
表40.GetParamコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
0
0
1
bit 4
bit 3
ADR
bit 2
bit 1
bit 0
(レジスターのアドレス)
シリアル・データの方向
ホスト → L6470
Value
応答バイト 2
(必要な場合)
L6470 → ホスト
Value
応答バイト 1
(必要な場合)
L6470 → ホスト
Value
応答バイト 0
L6470 → ホスト
GetParamコマンドは、アドレス[ADR]で指定したレジスターから、現在の値を読み取ります;
[ADR]は、表9に記載されているそれぞれのレジスターのアドレスです。
コマンドの応答は、現在のレジスターの値です。 (最上位バイトが最初)
コマンドの応答を構成するバイト数は、対象とするレジスターの長さによって変わります。 (表9を参照)
返された値は、デバイスがGetParamコマンドを解読した瞬間のレジスター値です。
もし、この瞬間の後にレジスターの値が変わった場合は、応答はそれに応じて更新されていません。
すべてのレジスターは、いつでも読むことができます。
存在しないレジスター(間違ったアドレス値)を読み込もうとすると、コマンドは無視されて、未知のコマンド・
コードが送られたかのように、コマンドバイトの終わりにWRONG_CMDフラグが立つ原因になります。
- 36/43 -
9.2.5 Run (DIR, Spd) コマンド
表41.Runコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
0
1
0
1
0
0
0
DIR
ホスト → L6470
X
X
X
X
Spd
速度バイト 2
ホスト → L6470
Spd
速度バイト 1
ホスト → L6470
Spd
速度バイト 0
ホスト → L6470
Runコマンドは、Spdの速度値でモーターを動かします;
回転方向は、DIRビットによって選択されます: [1] = 正方向 , [0] = 逆方向
Spd値は、SPEEDレジスターと同じ形式の、ステップ/動作クロック(形式は符号なし固定小数点 0.28)
で表されます。 (23ページの9.1.4項を参照)
注: Spd値はMAX_SPEEDより低く、そしてMIN_SPEEDより大きくなければなりません。
そうでない場合、RunコマンドはそれぞれMAX_SPEEDまたはMIN_SPEEDで実行されます。
このコマンドは、目標速度に達するまで、BUSYフラグを[0]に保持します。
このコマンドは、いつでも与えることができて、直ちに実行されます。
9.2.6 StepClock (DIR) コマンド
表42.StepClockのコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
0
1
0
1
1
0
0
DIR
ホスト → L6470
StepClockコマンドは、デバイスをステップ・クロック・モード(13ページの6.7.5項を参照)に切り換えて、
正方向(DIR=[1])または逆方向(DIR=[0])の回転方向を指定します。
デバイスがステップ・クロック・モードにある時、STATUSレジスターのSCK_MODフラグが立ち、モーターは
常に停止しているとみなされます。 (13ページの6.7.5項と、33ページの9.1.22項を参照)
定速、絶対位置などの作動コマンドがSPIを介して送られた時、デバイスはステップ・クロック・モード
から抜け出します。
回転方向は、それぞれのStepClockコマンドの[DIR]ビットよって設定され、ステップ・クロック・モードを
終了しなくても、新しいStepClockコマンドによって変更することができます。
ブリッジを強制的にハイ・インピーダンス状態にする原因の事象(過熱、過電流など)は、デバイスが
ステップ・クロック・モードから出る要因にはなりません。
StepClockコマンドは、BUSYフラグを[0]に強制しません。
モーターが停止している場合にのみ、このコマンドを与えることができます。
もし動作中ならば、モーターは止められるべきであり、それからStepClockコマンドを送ることができます。
モーターが動作している時にStepClockコマンドを実行しようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
- 37/43 -
9.2.7 Move (DIR, N_Step) コマンド
表43.Moveコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
0
1
0
0
0
0
0
DIR
ホスト → L6470
X
X
N_Step
ステップ数バイト 2
ホスト → L6470
N_Step
ステップ数バイト 1
ホスト → L6470
N_Step
ステップ数バイト 0
ホスト → L6470
Moveコマンドは、マイクロ・ステップでN_Step値の分、モーターを動かします;
方向は、DIRビット(正方向[1]または逆方向[0])によって選ばれます。
N_Step値は、常に選択されたステップ・モードと一致しています;
N_Step値の単位は、選択されたステップ・モード(フル、ハーフ、1/4など)と等しいです。
ステップの目標数が実行されるまで、このコマンドはBUSYフラグを[0]に保持します。
モーターが停止している場合にのみ、このコマンドを実行することができます。
もし動作中ならば、モーターを停止する必要があり、それからMoveコマンドを実行することが可能です。
モーターが動作している時にMoveコマンドを実行しようとすると、コマンドは無視されて、
NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
9.2.8 GoTo (ABS_POS) コマンド
表44.GoToコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
0
1
1
0
0
0
0
0
ホスト → L6470
X
X
ABS_POS
絶対位置バイト 2
ホスト → L6470
ABS_POS
絶対位置バイト 1
ホスト → L6470
ABS_POS
絶対位置バイト 0
ホスト → L6470
GoToコマンドは、最短経路でABS_POSの絶対位置へモーターを動かします。
ABS_POSの値は、常に選択されたステップ・モードと一致しています;
ABS_POS値の単位は、選択されたステップ・モード(フル、ハーフ、1/4など)と等しいです。
GoToコマンドは、目標位置に到着するまで、BUSYフラグを[0]に保持します。
このコマンドは、前のコマンド動作が完了した時(BUSYフラグが解除)にのみ与えることができます。
前のコマンドが実行中(BUSYが[0])の時にGoToコマンドを実行するどのような試みでも、コマンドは
無視されて、NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
- 38/43 -
9.2.9 GoTo_DIR (DIR, ABS_POS) コマンド
表45.GoTo_DIRのコマンドの構造。
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
0
1
1
0
1
0
0
DIR
ホスト → L6470
X
X
ABS_POS
絶対位置バイト 2
ホスト → L6470
ABS_POS
絶対位置バイト 1
ホスト → L6470
ABS_POS
絶対位置バイト 0
ホスト → L6470
GoTo_DIRコマンドは、正方向(DIR=1)または逆方向(DIR=0)の向きを指定して、ABS_POSの絶対位置へ
モーターを動かします。
ABS_POSの値は、常に選択されたステップ・モードと一致しています;
ABS_POS値の単位は、選択されたステップ・モード(フル、ハーフ、1/4など)と等しいです。
GoTo_DIRコマンドは、目標位置に到着するまで、BUSYフラグを[0]に保持します。
このコマンドは、前のコマンド動作が完了した時(BUSYフラグが解除)にのみ与えることができます。
前のコマンドが実行中(BUSYが[0])の時にGoTo_DIRコマンドを実行するどのような試みでも、
コマンドは無視されて、NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
9.2.10 GoUntil (ACT, DIR, Spd) コマンド
表46.GoUntilのコマンドの構造。
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
1
0
0
0
ACT
0
1
DIR
ホスト → L6470
X
X
X
X
Spd
速度バイト 2
ホスト → L6470
Spd
速度バイト 1
ホスト → L6470
Spd
速度バイト 0
ホスト → L6470
GoUntilコマンドは、正方向(DIR=1)または逆方向(DIR=0)の向きを指定して、Spdの速度でモーターを
動かします。
外部スイッチがオンになる事象が発生すると、ABS_POSレジスターがリセットされる(ACT=[0]の場合)、
またはABS_POSレジスター値がMARKレジスターにコピーされます(ACT=[1]の場合)。
その後、システムはSoftStopコマンドを実行します。
Spd値は、SPEEDレジスターと同じ形式のステップ/動作クロック(形式は符号なし固定小数点 0.28)で
表されます。 (23ページの9.1.4項を参照)
注: Spd値はMAX_SPEEDより低く、そしてMIN_SPEEDより大きくなければなりません。
そうでない場合、目標速度はそれぞれMAX_SPEEDまたはMIN_SPEEDに強制されます。
もし、CONFIGレジスターのSW_MODEビットが[0]に設定されるならば、外部スイッチがオンになる事象は、
SoftStopの代わりにHardStop割込みを発生します。 (15ページの6.13項と、30ページの9.1.21項を参照)
このコマンドは、スイッチがオンになる事象が起こり、モーターが停止されるまで、BUSYフラグを[0]に
保持します。
このコマンドは、いつでも与えることができて、直ちに実行されます。
- 39/43 -
9.2.11 ReleaseSW (ACT, DIR) コマンド
表47.ReleaseSWのコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
1
0
0
1
ACT
0
1
DIR
ホスト → L6470
ReleaseSWコマンドは、正方向(DIR=1)または逆方向(DIR=0)の向きを指定して、最低速度でモーターを
動かします。
SWがオフ(開放)されると、ABS_POSレジスターがリセットされる(ACT=[0]の場合)、またはABS_POS
レジスター値がMARKレジスターにコピーされます(ACT=[1]の場合)。
その後、システムはHardStopコマンドを実行します。
ABS_POSレジスターをリセットすることは、HOME位置を設定することと同じであることに注意してください。
最小速度値が5ステップ/秒以下、または低速の最適化が有効になっている場合、
動作は5ステップ/秒で実行されます。
ReleaseSWコマンドは、スイッチ入力がオフにされてモーターが停止するまで、BUSYフラグを[0]に
保持します。
9.2.12 GoHome コマンド
表48.GoHomeのコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
0
1
1
1
0
0
0
0
ホスト → L6470
GoHomeコマンドは、最短経路でHOME位置(0位置)にモーターを動かします。
このコマンドは、"GoTo(0...0)"コマンドと等しいことに注意してください。
モーターの回転方向が必須であるならば、GoTo_DIRコマンドを使用する必要があります。(9.2.9項を参照)
GoHomeコマンドは、HOME位置に到着するまで、BUSYフラグを[0]に保持します。
このコマンドは、前のコマンド動作が完了した時(BUSYフラグが解除)にのみ与えることができます。
前のコマンドが実行中(BUSYが[0])の時にGoHomeコマンドを実行するどのような試みでも、コマンドは
無視されて、NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
9.2.13 GoMark コマンド
表49.GoMarkのコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
0
1
1
1
1
0
0
0
ホスト → L6470
GoMarkコマンドは、最短経路でMARK位置にモーターを動かします。
このコマンドは、"GoTo(MARK)"コマンドと等しいことに注意してください。
モーターの回転方向が必須であるならば、GoTo_DIRコマンドを使用する必要があります。
GoMarkコマンドは、MARK位置に到着するまで、BUSYフラグを[0]に保持します。
このコマンドは、前のコマンド動作が完了した時(BUSYフラグが解除)にのみ与えることができます。
前のコマンドが実行中(BUSYが[0])の時にGoMarkコマンドを実行するどのような試みでも、コマンドは
無視されて、NOTPERF_CMDフラグが立つ原因になります。 (33ページの9.1.22項を参照)
- 40/43 -
9.2.14 ResetPos コマンド
表50.ResetPosコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
1
1
0
1
1
0
0
0
ホスト → L6470
ResetPosコマンドは、ABS_POSレジスターを0にリセットします。
0の位置はまた、HOME位置として定義されます。 (10ページの6.5項を参照)
9.2.15 ResetDevice コマンド
表51.ResetDeviceコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
1
1
0
0
0
0
0
0
ホスト → L6470
ResetDeviceコマンドは、電源投入時の状態にデバイスをリセットします。 (9ページの6.1項を参照)
注: 電源投入時は、パワー・ブリッジが使用不可になっています。
9.2.16 SoftStop コマンド
表52.SoftStopコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
1
0
1
1
0
0
0
0
ホスト → L6470
.
SoftStopコマンドは、速度が0でその結果モーターが停止に至るまで、至急の減速動作を起こします;
使われる減速値は、DECレジスターに保存されたものです。 (24ページの9.1.6項を参照)
モーターがハイ・インピーダンス状態にあるとき、SoftStopコマンドはハイ・インピーダンス状態から出る
ことをブリッジに強制します; 回転動作は行われません。 (保持トルクあり)
このコマンドは、いつでも与えることができて、直ちに実行されます。
このコマンドは、モーターが停止されるまで、BUSYフラグを[0]に保持します。
9.2.17 HardStop コマンド
表53.HardStopコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
1
0
1
1
1
0
0
0
ホスト → L6470
HardStopコマンドは、限りない減速で即座にモーターの停止を起こします;
モーターがハイ・インピーダンス状態にあるとき、HardStopコマンドはハイ・インピーダンス状態から出る
ことをブリッジに強制します; 回転動作は行われません。 (保持トルクあり)
このコマンドは、いつでも与えることができて、直ちに実行されます。
このコマンドは、モーターが停止されるまでBUSYフラグを[0]に保持します。
- 41/43 -
9.2.18 SoftHiZ コマンド
表54.SoftHiZコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
1
0
1
0
0
0
0
0
ホスト → L6470
SoftHiZコマンドは、速度を0に減速した後に、パワー・ブリッジを無効(ハイ・インピーダンス状態)にします;
使われる減速値は、DECレジスターに保存されたものです。 (24ページの9.1.6項を参照)
ブリッジが無効になっている場は合、HiZフラグが立ちます。
SoftHiZコマンドは、モーターが停止すると、ブリッジを強制的にハイ・インピーダンス状態にします。
(保持トルクなし)
このコマンドは、いつでも与えることができて、直ちに実行されます。
このコマンドは、モーターが停止されるまでBUSYフラグを[0]に保持します。
9.2.19 HardHiZ コマンド
表55.HardHiZコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
1
0
1
0
1
0
0
0
ホスト → L6470
HardHiZコマンドは、直ちにパワー・ブリッジを無効(ハイ・インピーダンス状態)にし、HiZフラグを立てます。
HardHiZコマンドは、モーターが停止すると、ブリッジを強制的にハイ・インピーダンス状態にします。
(保持トルクなし)
このコマンドは、いつでも与えることができて、直ちに実行されます。
このコマンドは、モーターが停止されるまで、BUSYフラグを[0]に保持します。
9.2.20 GetStatus コマンド
表56.GetStatusコマンドの構造
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
シリアル・データの方向
1
1
0
1
0
0
0
0
ホスト → L6470
STATUS
(上位バイト)
L6470 → ホスト
STATUS
(下位バイト)
L6470 → ホスト
GetStatusコマンドは、STATUSレジスターの値を返します。 (33ページの9.1.22項を参照)
GetStatusコマンドは、STATUSレジスターの警告フラグをリセットします。
このコマンドは、システムをすべてのエラー状態から強制的に復帰させます。
GetStatusコマンドは、Hizフラグをリセットしません。
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10 パッケージ情報
環境要件を満たすために、STは環境適合性のレベルに応じて、ECOPACK(R)パッケージの異なるグレード
でこれらのデバイスを提供します。
ECOPACK仕様、グレード定義ファイルと製品のステータスがご利用いただけます:www.st.com
ECOPACKは、STの商標です。
10.1 TSSOP28のパッケージ情報
10.2 POWER SO36パッケージ情報
※英文マニュアルを参照
11 改訂履歴
※英文マニュアルを参照
日本語訳の改訂
Rev.0
2016/ 9/10
初
版
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ここに記述された情報と異なる供給を持つST製品の再販売により、そのような製品のためにSTから与え
られたどのような保証でも無効にします。
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置き換えられます。
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