...

熱帯雨林で絶滅の危機に瀕した動物

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

熱帯雨林で絶滅の危機に瀕した動物
人間生活と生物多様性保全
人間文化研究機構
総合地球環境学研究所
湯本貴和
総合地球環境学研究所
(地球研)とは?
2001年4月 文部科学省・大学共同利用機関として創設
15番目の直轄研究所
「地球環境問題の解決に向けた学問的基盤形成のための
総合研究に特化した中核機関」
地球研の理念:
日高敏隆初代所長のことば
日高敏隆初代所長のことば
いわゆる地球環境問題の根源は、自然に挑み支配し
ようとしてきた人間の生き方、いいかえれば、ことばの
最も広い意味における人間の「文化」の問題であるとい
う基本認識。
そしてこの複雑な人間という存在と自然との多様な関係
の解明を目指すことを示すResearch Institute for
Humanity and Nature (RIHN)という英語名。
総合地球環境学研究所
沿革
大学共同利用機関法人(2004年4月から)
人間文化研究機構
自然科学研究機構
高エネルギー加速器研究機構
情報・システム研究機構
総合地球環境学研究所
沿革
人間文化研究機構
国立歴史民俗博物館
国文学研究資料館
国際日本文化研究センター
総合地球環境学研究所
国立民族学博物館
国立国語研究所
総合地球環境学研究所
沿革
地球環境問題とは?
地球温暖化
生態系サービスの劣化 産業基盤の変化
世界規模の水問題
感染症の拡大
人間の福利
(気候変動パネルの枠組み)
地球環境問題とは?
人口構造の変化
地球温暖化
グローバル化した経済
生態系サービスの劣化
産業基盤の変化
感染症の拡大
世界規模の水問題
人間の福利
(国連ミレニアム生態系アセスメントの枠組み)
多様性の喪失は地球環境の危機

多様性とはなにか

危機に瀕している多様性

多様性はなぜ必要なのか
みかけの生物多様性問題1
希少生物の保全というテーマに矮小化
トキのように多額の国税を投入して絶滅した動物を復
活させるのに何の意味があるのか?
クマタカやイヌワシがいるというだけでダム建設などの
「有益な」開発計画をなぜストップしなければならないの
か?
みかけの生物多様性問題2
農業と医療では生物多様性は敵
農業は「雑草」と「害虫」、そして「害獣」との闘いであり、作物
(しかも、ほとんどすべてが外来生物)という選ばれた生物種
のみを残して生物多様性を最小限に抑圧。
医療、とくに公衆衛生の世界では、「病原体」となる生物を根
絶させ、病原体を媒介する生物を撲滅することが課題。
人間に「有害な」生物まで守らなければならないのか?
知床世界遺産科学委員会より改変
知床の海域生態系(部分図)
四角は未利用資源種
6
ウミワシ類
ヒグマ
漁業
鰭脚類
トド
海鳥類
サメ類
イルカ類
5
エイ類
タコ類 アイナメ類
TL
4
カレイ類
メヌケ キチジ
3
ブリ マグロ類
サケ類
スケト
ウダラ
イカ類
サバ
髭クジラ類
ホッ
ケ
ヒトデ類
コマイ
カニ類
2
ソイ類
マダ
ラ
ハタハタ
イカナゴ類
エビ類
ニシン
サンマ
カタクチイワシ
マイワシ
その他魚類
動物P
ウニ類
1
ナマコ
二枚貝類
巻貝
デトライタス
ホヤ
多毛類
植物P
海藻
0
複雑な食物網のなかで、なにを有用、なにを有害というのは容易でない。
生物多様性(Biodiversity)とは
生物学的多様性(biological diversity)
の略 1992年のリオ・サミット
 「種」の多様性(species diversity)の
ことだけではない





遺伝的多様性
種の多様性
生態系の多様性
生物間の相互作用を含む
多様性とはなにか
多様性のユニット(数えられる単位)
生物多様性 簡単に数えられる単位が合意されている
種
観念的には交配可能性に裏打ちされている
既知の生物種の半分は昆虫
E. O. Wilson, 1992
The Diversity of Life
全既知種150万種
うち昆虫75万種
その他の動物28万種
維管束植物25万種
熱帯アジアの林冠では
70~80%の昆虫が未記載種
未記載種数推定
T. L. Erwin (1982) 3000万種
N. E. Stork (1988) 700万~ 1000万種
I. D. Hodkinson and D. Casson (1991) 187万~249万種
熱帯林面積の減少が種の絶滅を引き起こす
Ehrich and Wilson, 1991
2050年には5~10%の原生的な熱帯林しか残らないので、
おそらく50~75%の熱帯林の生物種が絶滅、もしくは
絶滅に瀕することになるだろう。Dirzo and Raven, 2003
ホッキョクグマの場合?
地球温暖化の影響は?
2050年には18% (minimal change: 0.8-1.7℃)から35% (maximum change: >2.0℃)
の生物種が絶滅に瀕する。
Thomas et al. (2004) Extinction risk from climate change. Nature 427: 145-148.
1ヶ月に1品種が
絶滅
国連食糧農業機関
(FAO)
多様性とはなにか
文化とはなにか
ヒトという種は、
赤道直下の熱帯から寒冷な北極圏まで
年間降水量100mm以下の乾燥地域にまで
単独の種として生存している。
さまざまな環境下で身体的にはそれほど大きな変化を遂げてい
ないが、それぞれの地域に適応した「くらし」、すなわち衣食
住、生業技術体系、環境認識などが著しく分化している。
多様性とはなにか
文化とはなにか
人間社会あるいは社会集団の精神的・物質的、あるいは知的・
感情的特性の組み合わせであり、芸術・文学に加えて生活様式
や環境への適応様式、価値体系、伝統、信念が含まれる。
文化の多様性を示す普遍的な尺度を設定するのは困難であるが
、個々の文化を定義づける必須要素である言語の多様性、すな
わち言語の数はひとつの尺度と考えられる。
(宮岡 2002)
多様性とはなにか
多様性のユニット(数えられる単位)
生物多様性 簡単に数えられる単位が合意されている
種
観念的には交配可能性に裏打ちされている
文化多様性 簡単に数えられる単位が合意されていないが、
言語 観念的には相互理解度に裏打ちされている
多様性はなぜ必要なのか
遺産的側面
人類が共有すべき普遍的な価値があるもの
機能的側面
生態系の安定性・復元力
指標的側面
安心安全な社会の指標
多様性はなぜ必要なのか
遺産的側面
ユネスコ世界遺産条約
遺産とは・・・
「人類が共有すべき普遍的な価値があるもの」
「生物多様性はそのひとつ」
いったん完全に失われると二度と回復させること
が不可能あるいはひじょうに高いコスト
長い生命の歴史から生まれた多様性は、アイデアの宝庫
国際的な 生薬市場
国際的な市場のシェア
国際的な生薬取引
PhytoPharm Consultingのレポートによると、国際的な生薬の取引は
1998年から毎年15%の増加を示し、2005年には2.60兆米ドルに達し
た。
1981年1月から2006年6月までに登録された
すべての新化学物質1184品
B: 生物製剤
N: 天然物
ND: 天然物の加工
NM:天然物の模造
S: 完全化学合成
S*: 化学合成だか、
元は天然物
V: ワクチン
1940年代から2006年6月までに登録された
すべての抗がん物質175品
B: 生物製剤
N: 天然物
ND: 天然物の加工
NM:天然物の模造
S: 完全化学合成
S*: 化学合成だか、
元は天然物
V: ワクチン
医薬品の可能性を求めて、天然物の探索は海洋生物にも及
んでいる
バイオミメティックス
生物模倣学
バイオミメティックス
生物模倣学
Biomim
バイオミメティックス
icry生物模倣学
Sticky
bot
エコーロケーション
超音波による杖
バイオ建築
アリの世界:真社会性=女王アリと働きアリ
脱中枢型制御
自己組織化
多様性はなぜ必要なのか
機能的側面
ミレニアムアセスメント(国連)
人間の福祉向上well-beingのための
生態系セービス
生態系サービス:人間が生態系から得る利益
供給サービス
調整サービス
文化サービス
生態系が生産
するモノ(財)
生態系のプロセス
の制御により
得られる利益
生態系から
得られる
非物質的利益
•
食糧
気候の制御
精神性
水
病気の制御
リクリエーション
燃料
洪水の制御
•
美的な利益
•
繊維
•化学物質
遺伝資源
発想
無毒化
持続性の維持
教育
資源としての利
用:場合によっ
ては生物多様
性と矛盾
資源の上手な
使いかた:多様
性を考慮したほ
うがうまくゆく
•
共同体としての利益
象徴性
基盤サービス
他の生態系サービスを支えるサービス
土壌形成
栄養塩循環
一次生産
ローカルな価
値:固有性をま
もる、将来の資
源としての価値
生態系機能間の矛盾
炭素吸収能の高い森林と生物多様性
の高い森林はイコールでない
大切なのは種の数なのか?
機能群(functional group)と
機能重複(redundancy)



機能群:生態系の中で同じ機能をもつ種の
グループ
機能重複:生態系の中で同じ機能をもつ種
が複数いること
生物多様性:機能群の数が豊富なのか?
機能重複種が豊富なのか?
菌根菌の種数が
多いと
植
物
の
多
様
性
植物の多様性や
生産量が増える
植
物
の
茎
の
量
菌根の種数
Van der Heihiden, M.G.A. & Cornelissen, J.H.C. 2002. The critical role of plant-microbe
interactions on biodiversity and ecosystem functioning: arbuscular mychorrhizal associations
as an example. In Loreau, M. et al. eds., “Biodiversity and Ecosystem Functioning. Synthesis
and Perspectives,” pp. 181-192. Oxford University Press, Oxford.
重複した役割も必要なのか?



ひとつの種が絶滅しても機能が失われない
環境条件の変動に異なった対応
→環境による変動を減らす
重複種間で競争→常に選択圧→効率化
↓
生態系の頑強さ・回復力・効率に関係?
レジリエンス resilience
Low, B. et al. 2003.Redundancy and diversity: do they influence optimal management? In Berkes, F. et
al eds., “Navigating Social-Ecological Systems”. pp, 83-114, Cambridge University Press, Cambridge.
体サイズの大きい果実食動物ほど
多くの植物種の種子を散布する
果実種
果
実
種
・
果
実
食
動
物
の
サ
イ
ズ
大
小
果実食動物種
A
1
B
2
C
3
D
4
E
5
大型の種子をもつ果実は、大型の果実食動物によって利用される
大型の果実食動物は幅広いサイズの果実を利用することができる
大型動物のいなくなった森では種子散布が抑制される
空洞化した森では
結実した果実が林冠で利用されることなく、
落下し、林床で腐っている
大型の種子をもつ果実種で、顕著に見ら
れる傾向(Ng, 1983; Corlett, 2002)
動物のいた森では?
さまざまな果実食動物に利用され、種
子散布されていたのではないか?
種子散布?
種が絶滅すると?

「それぞれの種は、ジェット機の部品」
大きい部品、小さな部品はあるけれども、どれ
も欠くことができないので、いずれは飛行機が墜
落=生態系崩壊

「それぞれの種は、掘建て小屋の柱」
少しぐらいなくなってもすぐには倒壊しない。しか
し、地震や台風に耐える力はだんだん低下する
=
生態系不安定化
在来の家畜は・・・
肉や乳が多く、おいしい
品種に置き換わっているが、
暑さや寒さに強い
栄養価に低い餌で育つ
病気が寄生虫に強い
などの性質をもっていて
気候変動や病気の蔓延時にきわめて重要
多様性はなぜ必要なのか
指標的側面
生物多様性は安心安全な社会の指標である
文化多様性は協調的社会の指標である
多様性はなぜ必要なのか
指標的側面
生物多様性は安心安全社会の指標である
さまざまな生物が住める環境が、人間にとっても住みや
すい環境なのではないか?
多様性はなぜ必要なのか
文化多様性は協調的社会の指標である
文化的ジェノサイド
ある集団が使用し、あるいは使用した言語の一部あるいは全部の使用の禁
止(その言語による書物・記録などの破壊も含む)
知識的階級(学者、賢者、僧侶、祭祀、無形文化財保持者)の強制収容・移住・
隔離
あらゆる重要文化財の組織的破壊(文化的・宗教的・歴史的な書物、偶像・碑
柱その他)
「バーミアン渓谷の
文化的景観と古代遺跡群」
バーミアン遺跡
(アフガニスタン)
2003年世界遺産登録
バーミアン遺跡
(アフガニスタン)
2003年世界遺産登録
日本でも...
廃仏毀釈運動
神仏分離令
慶応4年 (1868)3月13日から明治元年10月18日までに
出された太政官布令

神社にあった仏像仏具、
あるいは寺院や仏像を破壊
熊野古道でも発心門王寺などが破壊された
その時々の国策や国益によらず、
人類史的な観点から考える必要
多様性はなぜ必要なのか
文化多様性は協調的社会の指標である
言語や宗教、思想信条などの多様性が尊重されている社
会が、少数派だけではなく、多数派の人々にとっても、住み
やすい、ストレスの少ない社会なのではないか?
生物多様性条約の目的

地球上の多様な生物をその生息環境とと
もに保全すること

生物資源を持続可能であるように利用す
ること

遺伝資源の利用から生ずる利益を公平か
つ衡平に配分すること
[略してABS]
(CBD
第1条)
持続可能な開発のための取り決め
生物多様性条約における先住民の権利
名古屋議定書で確認
人間の福祉向上のための、1)多様性の保全、2)生物資源
の持続的利用、3)利用による収益の公平な配分、に関す
る国際的な枠組みについての取り決め
・遺伝資源としての生物多様性
知的所有権が先進国の「発明」に限られる
「発見」そのものは知的所有権にならない
たとえば伝統医薬(TM: Traditional Medicine)
・発展途上国側から異議申し立て
「先住民は長い間、生物資源に生活の大部分を依存し、持続
可能なかたちで利用してきた実績がある」
「その賢明な利用を学ぶべき」
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0
Living Planet Index
Number of Planet Earths
Index (1970=1.0)
人間は地球資源を使いすぎ
Humanity’s
Ecological Footprint
自然環境の限界点を超えるのがはやいか,
人間社会で転換点を迎えるのがはやいのか.
現在の日本人は地球2.4個分使っている.
限界点を越えながらも転換点を迎えていない.
レスターブラウン(2008)「プランB3.0」
WWF生きている地球報告2008年版(http://www.wwf.or.jp/activity/lib/lpr/wwf_lpr_2008.pdf),
NPO法人エコロジカル・フットプリント・ジャパンHP(http://www.ecofoot.jp/what/index.html)より引用
列島プロの取り組み



列島プロ:「日本列島における人間−自然の相互関
係の歴史的・文化的検討」
New cultural and historical exploration into
human-nature relationships in the Japanese
Archipelago
http://www.chikyu.ac.jp/retto/index.htm
約100人におよぶメンバー
地球研 7名
国立大学 35名
自然系 38名
人社系 54名
複合系 13名
私立大学 14名
公的機関 13名
公立大学 22名
人間文化研究機構 4名
民間機関 4名
国立大学法人 1名
その他 5名
生物多様性ホットスポット:地球規模でみて,生物多様性が
高いにもかかわらず,破壊の危機に瀕している地域

ホットスポットを保全できないなら,絶滅の危機に瀕して消
滅しつつある生物の大半を失ってしまう
Conservation International 2007
(http://www.biodiversityhotspots.org/xp/hotspots/resources/Pages/maps.aspx)より引用
~日本の生物多様性が高いのはなぜか~

仮説1「多様で豊かな自然環境」
比較的温暖で湿潤な環境
水平・垂直分布,多様な地質.


仮説2「逃避地仮説」
地質学的時間スケール
大陸と接続・分断で、独自の進化を遂げた.
氷期になっても、生物は逃避地で生き延びた.


仮説3「「賢明な利用」仮説」
「人と自然の調和的な関係が長く維持されてきた」
日本という人口稠密地帯でも生物多様性が損なわれない
ような、持続的な資源利用または「賢明な利用」を行っ
てきた.

70
生物資源の枯渇と克服
生物資源利用
持続可能な資源利用の成立
新たな生物資源利用
別の生業/経済と整合的に成立
生物資源の枯渇
生業/経済と乖離
気候変動・人口増大
別の資源利用形態
別の資源へのシフト
効率的な資源利用
To use the resources without
exhausting, and to obtain ecosystem
service in sustainable ways.
ある資源利用の破綻
地域社会の破綻
71
沿岸漁業:持続か 破綻か
自然プロセスが強い
天然個体群
漁獲制限強化
ハタハタ・サケ類
スケソウダラ
弱い管理
ハタハタ・サケ類
スケソウダラ
マグロ類
資源枯渇へ
根付きの磯魚
ジュゴン
養殖
アワビ類・カキ類
人間関与が強い
強い管理
必ずしも「賢明」でも成功的でもなかった
江戸時代の巣鷹山制度によっ
て濫伐を免れた(持続的)
古代の巨大建築ブームに
よってヒノキの巨木が切り
つくされた(枯渇).
漁業に利用するための森林
伐採(非持続的),と魚付林と
しての植林(持続的)
毛皮や肉を利用するための哺
乳類乱獲(地域絶滅)
里山での萌芽更新施業
(持続的)
阿蘇地方での草原利用
(持続的)
コウヤマキの過剰利用(枯渇)
と植林(持続的)
琉球王朝によってジュゴンの狩猟が規制されていたが(持続的),明
治時代になると制限がなくなり乱獲されて激減した.

生物資源が持続したこともあれば破綻してしまったこともあった.
73
ニホンジカ(Cervus nippon)の分布変遷
jomon
1730s
1730年代
N
縄文時代
遺跡データ
ベースの
データによる
古文書の
データによる
ca. 1978
ca. 2000
2000年頃E
N
1978年頃E
環境省のセ
ンサスデータ
による
■は存在,■は不在
Tsujino et al. (in press) Mammal Study
1923年(大正12年)
1953年(昭和28年)
1960年(昭和35年)
1978年(昭和53年)
東北地方のニホンザルの分布変遷(東北班 三戸幸久による)
近代に入ってから大きな変化
Hu-timeのスクリーンショット(東北の狩猟)
日本列島における人と自然のかかわり
WWII終戦
明治政府
戦乱の時代
殖産興業・富国強兵 高度経済成長
土木技術の
発展
開墾の拡大
巨大建築と
遷都ブーム
パックス・トクガワーナ
輸入に頼
る生活
石油に頼
る生活
国際戦争
燃料革命
記念碑的
外国材輸入自由化
産業興隆 北方出兵用毛皮
建築物
都市開発
狩猟規制
人口増加と開墾,
都市建設
村田銃の普及と狩猟
規制の緩和
古代の略奪 近世初期の略奪 育成林業
人との接触・獣害の記録
狩猟集落と雇われ猟師
里山林と人工林の放棄
近現代の枯渇
哺乳類乱獲
獣害対策と市場目的の狩
猟
第1の危機 過剰利用
第2の危機 過少利用
第3の危機 侵略的外来種
拡大造
林
低い
狩猟
圧
社会の状況
持続的利用
枯渇的利用
哺乳類増加
獣害増加
77
生物資源の持続と破綻を分かつもの
だれがだれの?
生物の再生速度
技術革新
積極的・消極的管理
生物資源利用
自家消費・市場消費
持続と枯渇
1.
2.
3.
4.

再生しやすい生物の場合ほど持続しやすく,
技術は持続にも枯渇にも導き,
市場経済で多くの人に消費されると枯渇しやすく,
資源管理は持続的利用に効果的だった.
生物資源利用の持続性を決める最も重要な要因は,
それを望む人間の意志にある.
78
高速船、魚群探知機などの最新技術によって
取り尽くしを招いている
科学的知識との相補的な関係が必要
多くの森林・水産資源管理は、在来知と科学知との協働で成功
これらの生態知識だけでは持続性を保証しない
持続的利用あるいは管理という強い政策決定と実行が必須
消費者:管理された持続的な漁業資源かどうかを判断する必要
海のエコラベル
MSC (Marine Stewardship Council)
海洋管理協議会の認証ラベル
経済的メカニズム

生物多様性に配慮された製品の認証制度
木材や水産物などを認証し、グリーン調達を促進する

生物多様性オフセット
開発段階で環境への影響を最小限にとどめ、それでも残っ
てしまう影響については別の場所で担保する

生態系サービスへの支払い
生態系サービスについて支払うメカニズムをつくる
PSE(生態系サービス支払い)の考え方
森林から他の
土地利用の転
換
森林の維持
森林の維持
+生態系サービ
ス支払い
生態系の管
理から得ら
れる便益
下流域の
人々が負担
すべきコスト
水資源の劣化
生態系サービス支払い
生物多様性の劣化
CO2の放出
Pagoila and Platais (2007) より
経済的メカニズム

生物多様性に配慮された製品の認証制度
木材や水産物などを認証し、グリーン調達を促進する

生物多様性オフセット
開発段階で環境への影響を最小限にとどめ、それでも残っ
てしまう影響については別の場所で担保する

生態系サービスへの支払い
生態系サービスについて支払うメカニズムをつくる
そのままでは企業の負担増になるので、企業の努力に応じた
減税措置をセットとする
Fly UP