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美術専攻web案内

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美術専攻web案内
好きな事ができるよ
●将来、美術・デザインの世界で活躍したい
●芸術大学・美術大学受験に対応する確かな実力の養成
●現役合格にこだわった少人数制カリキュラム
1
●対外的コンクールや公募展への積極的参加
●ローマ・ミラノ・フィレンツェを巡るイタリア美術研修旅行の実施
●18年の歴史が生み出す 社会で活躍する多くの卒業生
2
●授業風景・様々な行事
(仲間達と、思う存分描いたり作ったり!)
素描
美術の基礎、デッサン力
をじっくりと養います。
絵画
油彩・水彩など、
表現力を高めます。
基本造形
様々な素材に触れ、造形
感覚を身につけます。
デザイン
グラフィック・クラフト
など様々な実践演習。
卒業制作展
3年間の集大成。公共の
ギャラリーで行います。
美術演習
版画やワークショップ
などの演習を行います。
美術史・概論
様々な美術に関する知識
を、制作に役立てます。
全学年合同石膏デッサンコンクール
年に1度の全学年コンクール。表彰式は盛り上がります!
3
夏季合宿
涼しい高原で風景画
制作を楽しみます。
学園祭(正門アーチ・作品展示)
日頃の生徒作品を一挙に展示します!!
美大見学会
本校の生徒のみが
対象の見学会です。
イタリア美術研修旅行
ルネサンス発祥の地、イタリア3都市をまわ
る旅です。一生の思い出に!!
4
●教員紹介
(個性豊かで、何でも相談できる先生達!)
中野 浩明 教諭
宮原 俊之 教諭
植田 淑友 講師
杉田 文哉 講師
東京造形大学 造形学部
美術学科美術Ⅰ類 卒
東京芸術大学 美術学部
絵画科油画専攻 卒
東京造形大学 造形学部
美術学科絵画専攻 卒
東京造形大学 造形学部
デザイン学科Ⅰ類 卒
川田 知子 講師
松崎 江美 講師
大石 文 講師
川上 史也 講師
武蔵野美術大学 造形学部
工芸工業デザイン学科 卒
東京造形大学 造形学部
デザイン学科環境計画専攻 卒
多摩美術大学 美術学部
彫刻学科 卒
東京芸術大学 美術学部
先端芸術表現学科 卒
●芸術コースのカリキュラム
(美術以外にもバランスのとれた学習ができるよ)
1年生 34単位
2年生 35単位
国語総合
4
現代文B
3
世界史A
2
古典B
3
数学Ⅰ
3
日本史A/地理A
2
数学A
2
現代社会
3
生物基礎
2
科学と人間生活
2
コミュニケーション英語Ⅰ
3
コミュニケーション英語Ⅱ
4
英語表現Ⅰ
2
英語表現Ⅱ
2
体育
3
素描
4
保健
1
基本造形
2
素描
2
美術史・概論
2
美術Ⅰ(基本造形)
2
絵画・デザイン
3
選択美術演習(必修)
2
体育
2
家庭基礎
2
保健
1
情報A
2
総合的な学習の時間
1
総合的な学習の時間
1
選択美術演習(選択)
(2)
HR
1
HR
1
※3年次に絵画/デザインの履修選択を行います。
5
3年生 23単位
現代文B
コミュニケーション英語Ⅲ
英語表現Ⅱ
素描
※絵画/デザイン
卒業制作
体育
総合的な学習の時間
HR
選択美術演習(選択)
美術実技演習(選択)
その他3年選択科目
3
4
2
5
4
1
2
1
1
(2)
(4)
●進路実績
(どんな美大もおまかせあれ!)
東京芸大4年連続合格!
過去5年間の芸術コース美術専攻 四年制大学進路実績( )内は過年度生
大学名・学部
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
(1)
(2)
(2)
1
(1)
2(1)
4(2)
1(1)
2
3(1)
1
(1)
2
1
(1)
国公立大学
東京芸術大学
東京学芸大学
美術学部 絵画学科 油画専攻
美術学部 工芸科
教育学部 初等教育教員養成課程 美術
1
1
6
6(1)
1
(1)
2
1(2)
1
私立大学
造形学部 美術学科 絵画専攻
造形学部 美術学科 彫刻専攻
造形学部 デザイン学科 グラフィックデザイン専攻
造形学部 デザイン学科 インダストリアルデザイン専攻
東京造形大学
造形学部
造形学部
造形学部
造形学部
デザイン学科 メディアデザイン専攻
デザイン学科 テキスタイルデザイン専攻
デザイン学科 アニメーション専攻
デザイン学科 室内建築専攻
1
1
2
3
造形学部 デザイン学科 写真専攻
造形学部 デザイン学科 映画専攻
造形学部 デザイン学科 サステナブルプロジェクト専攻
多摩美術大学
武蔵野美術大学
女子美術大学
東京工芸大学
日本大学
横浜美術大学
東京工科大学
実践女子大学
東北芸術工科大学
奈良芸術短期大学
京都造形大学
宝塚造形芸術大学
美術学部 絵画学科 油画専攻
美術学部 絵画学科 版画専攻
美術学部 工芸学科
美術学部 彫刻学科
美術学部 グラフィックデザイン学科
美術学部 情報デザイン学科情報デザイン
美術学部 デザイン学科環境デザイン専攻
美術学部 生産デザイン学科テキスタイル
造形学部 油絵学科
造形学部 油絵学科 版画専攻
造形学部 視覚伝達デザイン学科
造形学部 工芸工業デザイン学科
造形学部 空間演出デザイン学科
造形学部 デザイン情報学科
造形学部 建築学科
造形学部 映像学科
芸術学部 絵画学科 洋画専攻
芸術学部 ヴィジュアルデザイン専攻
芸術学部 立体アート学科
芸術学部 環境デザイン専攻
芸術学部 ファッション・テキスタイル表現領域
芸術学部 工芸学科
芸術学部 メディアアート学科
短期大学部 造形学科美術コース
短期大学部 造形学科デザインコース
芸術学部 デザイン学科
芸術学部 ゲーム学科
芸術学部 美術学科
芸術学部美術学科
芸術学部グラフィックデザイン学科
デザイン学部 デザイン学科
文化部 美学美術史学科
芸術学部 美術科 洋画コース
日本画コース
芸術学部美術工芸学科 日本画コース
東京メディアコンテンツ学部
6
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1
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2
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2
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(1)
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5
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1
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(1)
3
1
1
1
(1)
1
(1)
(2)
1(1)
1
5
4
(1)
3
4
2
(1)
(2)
2(2)
1(1)
2
2
4(1)
3
2
2
1
1
2
1
1
1
4
4
2
(1)
2
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1
1
1
1
(1)
1
1
1
1
1
1
●入試について (いろいろな入試形態があるよ)
推薦A
募集定員
入試相談
入試相談基準
入試科目
20名
あり
9科33 or 5科19
適性検査
(英語・国
語・実技)
推薦B
(都外生及び
都内国私立生
のみ対象)
5名
なし
―
募集定員:35名(音楽+美術)
出願日(※)
1/18
(土)
試験日
1/22
(水)
合格発表日
1/23
(木)
+面接
一般1回
5名
あり/なし
9科35 or 5科20
一般2回
5名
あり/なし
9科35 or 5科20
英語・国
語・実技
2/3(月)
~2/6(水)
+面接
※出願時間は9:00~15:00
2/10
(月)
2/11
(火・祝)
2/12
(水)
手続締切日
1/24
(金)
公立一般
一次(後期)
発表翌日
更に詳細な入試情報は本校学校案内をご覧ください。
【ポイント加算制度 】
●対外的な美術展にて入選、入賞などの受賞歴を持つ者
●3年次の美術評定「5」の者
●八王子高等学校主催「東京都近県中学校絵画コンクー
ル展」にて金賞・銀賞・銅賞・佳作の受賞歴を持つ者
※上記から最大3ポイント9教科内申に加算
+
英検・漢検・数検3級以上の資格は「1」ポイントとし、
9科に最大「1」ポイント加算できるものとする。
= 最大4ポイントの加算が可能。
昨年度実技試験モチーフ(一般第一回)
●実技試験について
(デッサンは思い切りよく描こう!)
平成25年度 実技試験問題
「与えられたモチーフを描きなさい」
モチーフ: ●推薦AB:玉ねぎ・黒画用紙
●一般第1回:伊予柑・布(ストライプ) ●一般第2回:柿・布(水玉)
注意
※モチーフは机上に置くこと。
※画用紙の使用は、縦横自由とする。
※黒画用紙は切る・折る・破るなどの加工をしてもよい(推薦ABのみ)
過去年入試問題・配布モチーフ
推薦A・B
平成25年
玉ねぎ・黒画用紙
平成24年
パプリカ・紙袋
平成23年
りんご・厚紙
平成22年
トマト・原稿用紙
平成21年
赤玉葱・封筒
一般第1回
伊予柑・布(ストライプ)
デコポン・紙袋
トマト・厚紙(アルファベット印字)
アボカド・和紙
薩摩芋・封筒
7
一般第2回
柿・布(水玉)
伊予柑・紙袋
デコポン・厚紙(アルファベット印字)
トマト・紙袋
―
●昨年度合格者作品
(先輩達の作品を参考にしてみよう!)
「丸みのある玉ねぎと折った黒画用紙、それぞれのモチーフの特徴をよく捉えています」
「玉ねぎと黒画用紙の色の対比と、左上をちぎったアイデアが秀逸です」
「モチーフの布と伊予漢の質感が、丁寧な観察によって美しく表現されています」 「布の表と裏の表情の違いをうまく活かしています。柿もよく観察されています」
●芸術コース美術専攻説明会(全て13:00~14:00・本校HPより予約制・定員50組)
8月24日(土)・10月19日(土)・11月16日(土)・12月7日(土)
●中学生対象事前実技試験講習会
(初心者でも大丈夫!)
本校芸術コース美術専攻の受験を考えている生徒のために、実技の対策を行う2日間の講座です。実際の入
試に近いモチーフ配布によるデッサンを大人数で行い、本校美術教員が講評することにより、入試に向けた
実技のレベルアップに役立てていただきたいと思います。
実施日は12月26日(木)・27日(金)の9:00~12:00の予定です。詳しくは別紙の「芸術コ
ース実技試験要項」をご覧下さい。
8
●生徒作品
(数えきれないほど様々な作品があるよ!)
9
●共同制作作品
(学園祭で正門前に展示されるアーチ)
芸術コース美術専攻では毎年、2 年生が学園祭で正門前に「過去の名画」をモチーフにした看板(アーチ)
を設置し、来場者の好評を博しています。2005年~昨年までの作品をご紹介します。
●2005年 ミュシャ「四季」他・マグリット
●2006年 横山大観「紅葉」
●2007年 ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」
●2008年 クリムト「接吻」他・葛飾北斎
10
●2009年 葛飾北斎「名所江戸百景」ゴッホ「花咲く梅の木・タンギー爺さん」
●2010年 アルチンボルド「四季」・エッシャー
●2011年 ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」他
●2012年 ラファエロ「アテネの学堂」
※これらの作品はすべて、芸術コース2年生が1
学期から構想を練り、夏休みなどを利用して全員
が協力して完成させる大がかりなものです。今年
も学園祭【9月28日(土)29日(日)】で新作が展示
されます。ぜひお越し下さい!!
11
●芸術コースQ&A
(よく寄せられる質問に答えてみました)
Q.芸術コース美術専攻は美大進学を目的としたコースですか?
A.芸術コースにはもともと絵を描いたり物を作ったりすることが好きな生徒が集まっています。それらを単に趣味レベルの
もので留めておくのではなく、将来的にプロとして社会に通用するような技術と感性を養うことが本コースの目的です。その
ための次のステップとして、美術大学及び美術系学校への進学を目指す生徒は大部分を占めます。しかし全員が必ずしも美術
系の進路をとらなければいけない、という決まりはありません。あくまでも本人が将来を真剣に考えた結果を尊重したいと思
います。
ただし文系型のカリキュラムが主となっているので、
理数科目が重視される理数系への進学は困難であると考えます。
Q.入試のポイント制度について教えて下さい。
A.芸術コース実技試験要項、また本冊子7ページもご覧いただきたいのですが、
・対外的な美術展にて入選、入賞などの受賞歴を持つ者
・3年次の美術評定「5」の者
・八王子高等学校主催「東京都近県中学校絵画コンクール展」において金賞・銀賞・銅賞・佳作の受賞歴を持つ者。
上記を満たしているものの中から最大3ポイント、9教科の内申点に加算できるものとします。コンクール賞歴などは賞状・
出品票・目録などのコピーが証明になりますので、出願時に中学校で発行される調査書に添付して下さい(担任の先生にお願
いして下さい)尚、英検・漢検・数検は上記とは別枠で3級以上が最大1ポイントの加算となります。
Q.入試のデッサンについて教えて下さい。
A.『与えられた2つのモチーフ(対象物)を机上に置き、描きなさい』という静物デッサンです。モチーフは、量感のある
ものと平面的なもの、色の濃いものと薄いもの、などといった傾向があります。
Q.これまでほとんどデッサンの経験がなく心配なのですが、注意点は?
A.試験は100分という短時間なので、まずは実際に身の回りのものを B3サイズの画用紙に描いてみる練習が必要かと思
われます。その上での具体的なポイントは、
1・構図が適切か 画面の上で適切な大きさになっているか。初心者は小さくなってしまうことが多いようです。余白が大き
くなりすぎると離れて見たときに弱く感じてしまいます。
2・モチーフの色味は 慣れないうちは積極的に鉛筆の色をのせることが出来ず、薄いデッサンになってしまったりそれぞれ
の色味の違いが乏しくなってしまいがちです。まずは濃いものは濃く、薄いものは薄く描く練習をしてみましょう。
3・光の方向性と質感は モチーフにあたる光と影を捉えることによって画面に空間が生まれます。影をよく見て描いてみま
しょう。またモチーフの質が感じられるように時間をかけて描写したり、鉛筆の使い方を工夫してみましょう。・・・これら
に気をつけるだけでもかなり出来が違ってくると思います。
あとは12月末に行われる実技講習会に是非参加して下さい。
(芸
術コース実技試験要項巻末の申込書を郵送いただくか、FAX にてお申し込み下さい)
Q.クラス替えはありますか?またコース変更は可能ですか?
A.クラス替えはありません。途中でのコース変更も原則として認めていません。
Q.授業や課題は忙しいですか?また学校は何時までいられますか?
A.忙しいと感じるかどうかは個人差がありますが、特に実技が増える2年次以降は、授業時間内だけの制作で完成させられ
る課題は少ないかもしれません。放課後も残って制作する生徒は多く見られます。ただし好きなことならば苦労と感じない生
徒も多くいるのではないでしょうか。学校は原則として平日は午後7時までの下校となっています。
Q.実技でついていけるかどうか心配なのですが?
A.自分にも出来るだろうか・・・と多くの人が不安を感じると思いますが、実技は熱意があればどんな人でも、必ず上達し
ます。最初につまづいたとしてもあせらずじっくりと取り組む姿勢が何より大切です。
Q.勉強でついていけるかどうか心配なのですが?
A.芸術コースというとどうしても実技授業ばかりを中心に考えてしまいがちですが、様々な科目に興味を持ち、幅広く学習
していく姿勢が厚みのある人間育成につながると考えています。また、美大入試においても多くの学校が大学センター入試レ
12
ベルの学科試験を課しています。実技と学科、バランスのとれた学習が大切です。芸術コースでは2年次から美大学科想定模
試なども行っています。
Q.美大受験予備校などに行っている生徒はいますか?また行く必要はありますか?
A.上級生は予備校に通いながら学習するという者も若干います。当然芸術コースのカリキュラムと予備校での修練が合わさ
ると実技力が向上するスピードはかなり早いと思います。しかし、もともと芸術コースは予備校に頼らず美術大学現役合格を
目標としているため、3年次に行う入試対策用の選択授業などで合格レベルの力をつけることは可能です。
Q.クラスの人数は?また男女比は?
A.各学年とも音楽専攻生徒との合同クラスで、1クラスの人数は30~35名程度です。美術専攻生徒は1年11名・2年
19名・3年22名です。男子は1年3名・2年2名・3年5名です。
Q.画材はどうしたらよいですか?
A.入学時に3年間使用するデッサン用具やアクリル絵の具、油絵道具や作業用ツナギなどを一括して購入します。(250
00~35000円程度)ただし既に持っているものは省略して自分のものを使うことが可能です。
Q.マンガやイラストが好きなのですがそのようなものは芸術コースで認められますか?
A.マンガ絵やイラストが好きで芸術コースに来る生徒も多く、日本が誇る文化として、あるいは絵を描くモチベーションと
して十分認められるものです。しかし、マンガで描かれる人体などは実際の人体の構造を無視したり省略しているものもある
ため、
一旦は正確なデッサン力を身につけることを目標にしてほしいと思います。
確かな基礎力を踏まえた上での自己表現は、
さらに説得力のあるものになると考えています。
Q.パソコンで絵を描くのが好きなのですが、パソコンを使う授業はありますか?
A.近年、CGイラストレーションやWEBデザインなど、パソコン上での美術表現は大変身近なものになっており、芸術コ
ース卒業生でもそういった分野で活躍している者は多くいます。授業の中でパソコンを補助的に使用することはありますが、
芸術コースでは基本的には素描をはじめとする手作業、いわゆるアナログ技術の習得に力を注いでいます。将来どんな表現手
段を用いるにせよ、根底にあるのは自らの目であり手だと考えるからです。
Q.先生は何人いますか?どんな人達ですか?
A.8名です。絵画・デザイン・彫刻・先端芸術表現など専門分野の異なる教員が幅広い観点のもとに美術教育を行っていま
す。それぞれが教員業の傍ら、個展やグループ展などの作品発表を積極的に行っています。
Q.クラブとの両立はできますか?
A.多くの生徒がクラブ活動と芸術コースの授業との両立をこなしています。ただし毎日練習があるような、全国大会レベル
の運動系クラブや吹奏楽部などとの両立は体力的には厳しいと言えます。
Q.生活指導は厳しいですか?
A.厳しいと感じるかは個々の感じ方にもよると思いますが、高校生として最低限の身だしなみや生活態度には留意してほし
いと考えています。毎朝の校門指導に加えて頭髪服装検査は毎月行っています。
Q.イタリア美術研修旅行について教えて下さい。
A.芸術コースでは美術実技の直接指導を行う中で、西洋の美術文化に触れる機会が多くあります。その中でもルネッサンス
発祥の地であるイタリアの文化、遺産は学習面において様々な側面で影響を与えています。現地でしか見ることの出来ないオ
リジナルの芸術作品を見る機会を、
との考えから希望者を対象に7泊8日程度のイタリア美術研修旅行を3年に一度実施して
います。ローマ、ミラノ、フィレンツェを中心に美術館や博物館、教会や遺跡・石切り場の見学に加えて修復学校での研修を
行程に盛り込んでいます。平成24年3月に第3回目を実施しており、第4回目は平成27年春を予定しています。
13
●大学に進学したOB・OGからのメッセージ
14
(今年度学校案内より抜粋)
●社会で活躍するOB・OGインタビュー
(いろいろな世界で活躍しています!)
スズキ株式会社 四輪技術本部四輪デザイン部エクステリア課 所属
●石川 猛(芸術コース美術専攻
2001年卒
筑波大学芸術専門学群プロダクトデザイン領域 2005年卒)
花王クリエーティブハウス株式会社 コミュニケーションデザイン部グラフィックデザイングループ第1チーム 所属
●春日 沙央里(芸術コース美術専攻
2006年卒
武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科 2010年卒)
Interview
TAKESHI ISHIKAWA
SAORI KASUGA
・まずは石川君から、現在はどのようなお仕事をしていますか?
石川「スズキという会社で、自動車のエクステリア(外装・外観)のデザインを担当しています。昨年から先行デザインという部署に在籍していて、
デザイナーに仕事を受注する前に、商品の方向性を経営者に示すためのデザインモデルを作る仕事ですね」
・車のデザインというと、とても多くの人が関わったり、長い時間がかかるイメージがあるのですが?
石川「デザインのコンペなどもあって、関わる人の数は相当なものですね。外部の会社に委託するこ
ともありますし。デザインのバリエーションも、最初は四角いクルマなのか丸いクルマなのか、とい
うような大きな違いから、完成形に近づくにつれて、A案とB案でドアの高さが数ミリ違うだけのレ
ベルになっていくんです。単に見栄えや機能だけの問題でなく、ドアの高さが少し違うだけで製造コ
ストが変わってきたりもするので、技術の人にチェックしてもらったり。今手掛けている仕事も3年
後とか5年後とか、本当に世に出るかわからないような、商品化できるかどうかもわからない段階の
ものもあります。たとえば若い人向けのクルマを提案するときも、そこにどんなニーズがあるのか、
まずは多方面から情報収集するところから始めます。 デザイン以前に、有識者から今のクルマはこ
ういうところがダメだとか意見をもらったり。それらを企画に落とし込んでこちらから会社に提案す
るんです。デザイナーとして関わることは外観デザインから内装、シートの生地の素材や色調などですね。また別にモデラーという彫刻の人がいる
んですが。今行っている業務はそれらを大きく俯瞰してみるような仕事ですね」
・実際にデザインを始めるときはどのようにしているのですか?
石川「イメージ段階ではデスクに向かってたくさん絵を描きます。そのうち
紙やディスプレイの大きさではイメージに限界が出てくるので、テープドロ
ーといって曲がるマスキングテープのようなもので実物大のイメージを作っ
てみたりします。あとはそこから彫刻の人に実物大のクレイ(粘土)モデル
を作ってもらったり、空力関係は専門の人にチェックしてもらったり、とに
かくたくさんの人が動いていますね。美大出身の人が半分以上でしょうか」
・長い時間をかけて完成させるまでには苦労も多いとは思いますが、やりがいを感じるのはどういう時ですか?
石川「例えばこのスイフトはモーターショー用ですが、ホイール部分は自分がデザインしています。そういう自分が手掛けたものが多くの人の目に
触れたり、世に出るのは嬉しいですね」
15
・それでは次に、春日さんの現在のお仕事を教えて下さい。
春日「花王という会社で、グラフィックデザイナーとして働いています。具体的には、
お店とかで商品のまわりにあるPOPやポスターとか、ボードのデザイン。それから
雑誌や新聞などの紙媒体の販促物を作っています。商品自体のパッケージデザイナー
という人も他にいるのですが、私は主にそれらをどう商品として展開するか、ですね。
今までに化粧品とかヘアカラーや紙おむつや、猫のトイレなんかも手掛けました。様々
な世代に向けての商品があるので、仕事の中でグループインタビューというものがあ
ってターゲットとなる世代の人た
ちにいろいろな話を聞いて商品つ
くりに生かすというようなことも
しています」
・もともと企業でデザイナーとして働くことを志望していたのですか?
春日「広告代理店はどちらかというと単発のキャンペーンとかが多かったりするんですが、もっ
とひとつのものに長く関わりたいというか、長期的に携わるためには企業でじっくりと働きたい
と思っていました。たまたま大学に花王の人が説明会に来てて、化粧品のデザインにも興味があ
ったので受けてみようと思ったのがきっかけですね。グラフィックデザイナーは私以降は入社し
ていないのでとても光栄だなと思っています」
・グラフィックデザイナーというとパソコンの技術がかなり問われるイメージがありますが?また、美大出身の人が多いのですか?
春日「そんなに使いこなせるという程ではなかったですね。パソコンの技術よりもこういうことを考えてこれを作ったというような、発想が重視さ
れていると思います。手描きで丁寧に作ったものを持っていったら喜ばれたこともありますし、どちらにせよ丁寧な仕事ということが大切だと思い
ます。花王も美大出身者が多いですね。同期の人は多摩美と芸大の出身でした。」
・仕事をしていてやりがいを感じるのはどういう時ですか?
春日「うれしい瞬間が2つあって、1つは自分がかかわった商品とかキャンペーンが世に出たところ。デ
ビューだ!みたいな感じで(笑)もう1つはそういったキャンペーンで売り上げがあがったとき。自分が
手掛けた広告の効果で、振り向いてくれた人がいるのかなって思えると嬉しいですね」
・お二人に伺いますが、仕事する上で大事にしていること、デザインする上で心掛けていることは?
石川「仕事をする上ではお客の要望に応えること、お客目線に立つこと。それともうひとつは、カウンタ
ー的なものを出そうとする意志ですね。業務が来たらそれに関係なく映画を見たり本を読んだりして情報
を収集して、違う切り口で勝負したいと思っています。月に50本位は映画を見ていますし、ラジオを聴いたり、音楽を聴いたり、ファッションの
情報を仕入れたり。とにかく情報を仕入れる努力を怠らないことですね。デザインは自分と違う価値観を持つ人を相手にすることでもあるので、い
かに自分の中に引出しを多く持つかが大切だと思います」
春日「やっぱりお客さんのことを一番に考えることですね。せっかく良い商品があってもそれを欲している人に届かないと意味がないので。例えば、
私が手掛けている商品が置いてあるお店の中というのは、ごちゃごちゃしていることが多いと思うんですが、そんな中でもぱっと目に飛び込んでく
るような工夫を考えたり、高齢者向けの商品のときは文字を読みやすい大きさにするとか、見る人の立場に立って考えることですね」
・八王子高校芸術コースを受験しようと思ったきっかけは?
石川「中学校の時にスポーツ系の部活をやっていたんですが、怪我で入院したときにもうやめようと。それで何か一番になれるものをやりたくて、
絵を描くことは得意だったのでそれを活かせればなぁと。それで美術系の高校を調べて、学力的についていけそうだったことと通学に便利だったこ
とで(笑)受験しました」
春日「昔から絵が好きで、中学の頃から美術大学というものに憧れていたんです。美術のコースがある高校がいいなと思ってパンフレットを見て、
先輩達の作品や進学実績を見てすごいなって。あとは制服も可愛かったので(笑)」
・八王子高校芸術コースの思い出や、現在の仕事に役立っていることはありますか?
石川「今はデザイナーとして働いていますが、八学でいちばん頑張っていた印象があるのは油絵ですね。全日本学生美術展っていうコンクールに出
品するF30号の油彩を、同級生と遅くまで制作していたことや、友達と真剣に絵について語ったことですね。大人になってからもそういうことは
できるけど、社会人になると競争になってしまったりするので、本当に対等な立場で友達と語り合えたのは良い思い出ですね。あとは学園祭の準備
で壁画を作ったり。課題では他にも立体や店舗デザインなど、とにかく色々やらせてもらったなという印象がありますね。普通の高校ではここまで
の事はできなかったと思います。高校時代に色々経験させてもらえたおかげで、見せ方のノウハウとか、デザインするときにこういうことをやりた
いのにこれが必要ですよ、と相手に言える下地ができたと思います」
春日「クラスだけじゃなく、同じ芸術コースの先輩後輩の縦のつながりが強かったのが楽しかったし勉強に
なりました。課題とか授業も、私はデッサンの授業が好きだったんですが、自分がコツコツと頑張れば力が
ついてくるのがわかるというか、必ず結果が返ってくるもので、それはすごく自信になりました。今ではあ
まり職場では絵を描く場面はないんですが、高校時代に地道に頑張った基礎力がないと何もできないだろう
なとは感じますね。印象に残っているのは毎年の石膏デッサンコンクール。順位が出るので緊張もしました
が、客観的に見て自分が今どれぐらいできているのかが判断できて、わかりやすい目標になりました」
・これから美術を志す人たちにメッセージをお願いします。
石川「若いうちは選択肢は無限なので、いろいろな事に興味を持って冒険してもらいたいと思います。それ
はとてもエネルギーのいることですが、興味を興味のままで終わらせないでほしいですね。美術の世界は狭いけど深いと思います」
春日「美術って自分が経験したことが活かせる分野だと思います。遊んでいる時間からも、旅行でこんな景色を見た、というような経験からも、自
分が生きている中で反応したものをかたちにできる。それってとても楽しいことだと思います。どんな些細なことでも、自分が「いいな」と思った
ことを大事にしてもらいたいですね」
16
Fly UP