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帝国戦争博物館北館 ダニエル・リベスキンド 英国、マンチェスター

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帝国戦争博物館北館 ダニエル・リベスキンド 英国、マンチェスター
帝国戦争博物館北館
ダニエル・リベスキンド
英国、マンチェスター
帝国戦争博物館の北館は、20世紀の特徴を決定
づけ、さらに、未来をも決定し続けるであろう
数々の紛争を題材として扱いつつ、広範な視点
によって支えられている。この建築は、伝統的
なものと新しいものを瞬時に理解させる強烈な
象徴を一般の人々に与えるために、文化と復興、
手工芸とデザインの融合を図る必要があった。
この帝国戦争博物館北館は基本的にこの現実社
会−断片に砕かれ、紛争という根源の象徴とし
て再び集められた現代社会に立脚している。こ
れらの断片や破片、あるいは歴史の痕跡は次々
に敷地に集められ、外に突き出している。まっ
たく新しいランドスケープは、来訪者が実際の
入り口から入場するずっと以前に、すでに参加
した経験が始まっているという環境を作り出す。
この建物は想像の地平の中に存在し、都市の重
要な地点やその周辺地域を越えて望むことがで
きる。建物は3つの断片が組み合うかたちで配
置される。「大地の断片」は広々としたフレキ
シブルな博物館の空間である。ここは地上で繰
り広げられる紛争や戦争を表している。「空の
断片」では、そこに映し出される映像、展望室
と教育のための空間などが博物館へのドラマテ
ィックな導入部となっている。「水の断片」は
水路を背後にレストラン、カフェ、デッキ、催
事空間を望むプラットフォームを形成する。こ
れら3つの断片はともに、抽象的な紙上で起き
たものではなく、劇的な地域では兵士が、空中
では空軍が、海上では戦艦が実際に戦った20
世紀の紛争を、地、空、水として具現化したも
のである。
帝国戦争博物館北館を特異となすものは、建築
と展示計画の技術、歴史の視点、そして未来と
いうものの統一感である。建物は簡明な構造と、
低いメンテナンス・コスト、使用効率のよさ、
環境を配慮する義務、そして鋭いセキュリティ
への意識を考慮している。ここで提案されたも
のはそれが与えるインパクトがこの新興地区に
新たな生命と可能性をもたらす、まったく新し
い博物館の方向性を明確に表現している。
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