Comments
Description
Transcript
風計算国際比較の概要
風計算国際比較の概要 Summary of the International Comparison of SatelliteWinds 浜 田 忠 昭* Tadaaki Hamada* Abstract The Eighth Coordination Meeting on Geostationary VIII) agreed on the need for international comparison the homogeny and accuracy of the products. times by three operating agencies (NESS, The ESA Meteorological comparisons and Satellites(CGMS- of satellitewinds in order to assess JMSC), have been carried out six since the first comparison period, July 1978。 This article presents the forms at CGMS vector height. So JMSC tigations and reproduced GMS of comparisons and the results of them. X, the principal source of differencesamong all wind As reviewed sets is the assignment reassigned the satellitewind level on the basis of some the comparison results. Consequently, satellitewinds and conventional ones have been so much than the differences between GOES of inves- the differences between reduced that they are less satellitewinds and conventional ones. とを考慮して,風計算国際比較が始った。第1節でその 経過,第2節では比較の方法など,第3節ではこれまで はじめに の各国の比較結果の概要を示す。 静止気象衛星の画像から算出される衛星風は1日2∼ 3回各衛星運用国**(OA ; Operating Agency)から国 1.風計算国際比較の経過 際気象通報式により放送されている。FGGE***均間(19 1981年1月/2月期には,6回目の国際比較が行なわれ 78年12月1日−1979年11月30日)のデータは,スェーデ ソのLevel Data n -b Center space-based and Special た。それまでに何回か比較の方法が変更されてきてい Observing る。本節ではその経過および国際比較結果に対する静止 に送られ品質管理が行なわれた後,他の 気象報データと共に2つの世界データセソター, 気象衛星調整会議(CGMS)****での簡単な検討結果に WDC -A(アメリカ合衆国アッシュビル)とWDC-B(ソ連 ついて述べる。 モスクワ)に保存され広く研究者に利用されることにな その大部分は,1980年4月ESAによりまとめられた っている(新田, “Consolidated Report 1977,1979)。 この衛星風は,ラジオ of C.G.M.S. Activities”に ゾンデ風データのほとんど存在しない海洋上,砂ばくな **静止気象衛星は,アメリカが2個, どの地域でも風のデータが得られることから,数値予報 ESA,ソ連およ び日本が各1個,計5個打上げる事になっていた の入力データとしてあるいはその他研究目的のデータと が,ソ連は未だ打上げていない。FGGE期間のみ して期待されている。しかし一方では今までと全く異る は,ソ連の衛星の位置に。米国の予備衛星を移動し 方法で算出される風のデータであるため,既存のラジオ GOES-Indian Ocean として運用した。ESAの衛 ソソデデータと混ぜて使用できるかどうかということ, 星は1979年11月に故障し現在機能は停止している。 また各国の処理システムが異っているために精度等につ 次の衛星は1981年10月打上げの予定である。 ***FGGE : First GARP いて均質であるかどうかなどの問題がある。これらのこ GARP *気象衛星センターシステム管理課, Satellite Center. Meteorological Global Experiment : Global Atmospheric ****CGMS ; the Coordination Meteorological ― 117 − Satellite Research Program on Geostationary METEOROLOGICAL SATELLITE CENTER よるものである。 TECHNICAL NOTE N0.4, NOVEMBER 1981 ble)とされた。風の算出の独特な性質故に,それぞれo まず,国際比較の必要性が,1977年3月フランスのパ OAが異ったデータ処理方法で衛星風を算出していると リで聞かれた第8回静止気象衛星調整会議(CGMS-VⅢ) いうことを考慮して,比較の統計値を解釈しなければな において合意された。衛星風の均質性と精度の評価を行 らない。次の様なものが風ベクトルの差であると結論づ なうのがその目的とされた。そこで提案され採択された けられた。 比較の形式は次の2つである。 1)すべての衛星風データセット間の差の主原因は, 1)隣りどおしの衛星の共通視野領域に。おける衛星風 高さの設定にある。 間の比較。 2)次に重要なものは,一方は低解像度の赤外の画像 2)既存の風のデータ(ラジオゾンデ,航空機による を使い,他方は高解像度の可視の画像を使っており,モ データなど,以下単にラジオゾンデ風という)と衛星風 の両者を比較したということに由来している。中層のベ の比較。 クトルについての比較は,これによる影響を受けてい このうち1)については,各衛星運用国(OA)は風の る。 データをMTに格納してNESS*(米国)に送付し,そこ CGMS-Xでは,次のような修正を行なった上,国際 で共通視野領域でデータ相互間の比較が行なわれる。2) 比較を継続することで合意した。 については各OAはそれぞれ自分で比較を行ない,その 1)いつもエラーを持っているラジオゾンデデータを 結果をNESSに送付する。 区別するためにそれらの解析を行ない,悪い観測点のデ NESS は1)2)の比較結果を すべて編集した報告書を作成し各OAその他の機関に配 ータを国際比較に使用しないようにすること。 布する。 2)比較するベクトル相互間の距離を緯経度値で限定 1979年3月東京で開催されたCGMS-IXでは次の2 する“colocation box” 方式をやめて,新たに楕円の領 つの問題点が提起された。 域内で比較するようにする。楕円の長軸の方向は衛星風 1)まず互に比較する衛星風とラジオゾンデ風間の距 の風向に一致させ,長軸の長さは風速に比例するように 離の問題である。 CGMS-IXとCGMS-Xの間で,米国 とESAはCGMS一巡で決めた距離(緯経度値で決め ているのでco-location (同様に言うとco-location か)で比較していたのを, にある風どおしの比較を行なう場合の数を少なくするこ box と呼ばれている,詳細は 次節参照)をそのまま維持する。日本は, とる。短軸の長さを短かくすれば,シヤーライソの両偏 210 km 半径 circle ということになろう 310 kmに変更することを要 とができ,時間的・空間的変動である統計的差をとり除 くことができる。 米国がその後新たな楕円領域の大きさの案を作成,そ れを各OAが受入れ1980年7月の比較から実施されてい 求され同意した。 る。 2)第2の問題はラジオゾンデ風の大きな誤差を持っ たものをふるい分けることである。 2.風計算国際比較の実施方法 CGMS-IXに先立ってNESSより提案された30 m/s 以上の差を持つ比較を削除して,たまたま大きな誤差を 持っている比較を統計の対象外とすること(gross 国際比較の行なわれる範囲は,各OAの観測領域と降 りの衛星間の共通領域である(第1図)。前節で述べた error checkと言われる)はCGMS-IXを経てスイスのジュ 様に共通領域における衛星風どおしの比較がType Reportsで,衛星風とラジオゾンデ風との比較がType ネーブで1980年3月開催されたCGMS-Xで採用され 2 Reports である。 た。実際には,1979年1月/2月の比較の時から従来の 方法(大きな差のものについても削除しない)の比較結 2。1. 果(SET A と呼ばれている)と同時に,30 m/s の差 よりも大きいものを削除した後の比較(SET B と呼ば Type l Reports 2.1.1.比較期間 年2回第1表の様に行なわれる。 れている)も各OAから報告されている。 CGMS-IXでは,それまでになされた国際比較結果に 2.1.2.データの交換とそのスケジュール ついてのレビューが行なわれた。3つのOAで算出され 各OAはそれぞれの観測領域内の衛星風を1本の磁気 ている風のデータの大部分は,互換性がある(compati- テープ(MT)に格納する。 * NESS ; National Earth SatelliteS ervice,NOAA (National Oceanic and Atmospheric Administra tion). −118 1)形 式 「FGGE期間におけるレベルIIデータセヅトの国際 − 1 気象衛星センター 技術報告 第4号 1981年11月 90°E 180° VC N 0 ○ 0 ≒ J J 一' ̄ 4 ≪*■ ヤ / ノ ×/ ぶ/ ン 14 /汽 \k N \、 ー ’‘i> 1・・ J ず a Q O r﹄ n/` 1 y y 4 /1 Nこ \ \ / `X / V ヽ、 4 .ミ1 ・・ i 〆・ 罵h い べ へ \/ ● ・ー / N 4〃W ̄7 へ / 涙 べ −・●│ t- 句 心 / / μり ㎞四〃 鳶 泥 / 一 を X「 J ぐ \ / バ / X 芦 \ / ア / 尽\ 4 つ / X t / `へ 塙/ -60 〃 ン `びて J りり。 y (A) 〃 y へ X B) ’``−、 -40 -20 / EQ ノメ ,20 ` `l / へ X ゛’‰。 ノ へ へ k / / \ \ ● F (E) \ y r゛ W 以 / 〃● / S \ ろタ j コ 〃 X \ / X − Q `-へ 一 へ X D) )。 ぶ ゛吸 ノ / 7 1 r゛〃 べ / \ O ` / く ? ?9 / X Z−│ べ (C //` \ ズ し ズ / Tへ /\ / 40 へ / \、 「 ,・・;f 島タ ● 〃 1 `R 汽 ノ/ へ JW X / 'U ` n 、 0 ゜● ●四 〃 F-4 S 20 冷, ノ (; 吼 O° 90°W − 「 , / ぺ ノ / ダ ノy jヱ \ / X Ss y f X 、 X \ア ル 泌 / へ- / ,40 \ ` 、 60° .60 S Z● へ へ .〃∼ へW rぞ /’∼ l l 1 4 1 ‘ 1 工 140°E 135°W 75°W O° 心 `W 701E METEOSAT Fig. I Common fields of view of neighboring geostationary satellites. Each GOMS circle shows a 50° great circlearc (gca) from a spacecraft sub-satellitepoint (ssp), and the areas shown as (A),(B),(C),(D)and(E)are the common fields. Table 1 Comparison periods for Type 1 Reports (Satellite-to-satellite) ofInternational Com parison of Satellite Winds. Period 報告書作成担当OAは,すべての他のOAからMTを 受取って2ヵ月以内にType 1 Reports を作成して, そのコピーを配布する。 Comment 2.1.3.比較データの選定 1st July 10-July 2nd Jan. 15-Feb 3rd May 4th or later 24, 1978 Pre-FGGE ComparisonTest Full Comparison Periods for FGGE during the Intensive Observation Periods 13, 1979 10-June 次の条件を満足する衛星風どおしを比較する。 8, 1979 Jan. 15-Jan. 30 Semi-annual Comparieon Periods, beginning in 1980, July 15-July 30 観測時刻:3時間以内のもの。 衛星風間の距離:異なる衛星から算出された2つの風 ベクトル間の緯度差,経度差がそれぞれ2°,2°(25°N ∼25°S)または2°,3°(25°N, 25°S より極側)以内 のもの。1個の衛星風に対して2個以上の対応する衛星 風があるとき,そのすべてを比較のペアとする。 高度:次の3つの範囲に分けて,同一範囲に含まれる 交換のためのフォーフット*」で決められた形式で格納 ものどおしの比較を行なう。 する。 ①地表面−700 mb 2)データ交換スケジュール ② 699m b―400 mb 上記の形式のMTを比較期間の終了後7日以内に報告 ③ 400 mb 以下 書作成担当のOA(thereportingOA,現在までNE たとえばJMSCの650 mb の風はNESSの450 SSが担当)に航空便で送付する。 の風と比較の対象となるがNESSの750 3)報告書作成スケジュール 比較の対象とならない。 *“Formats n Data for the international exchange WMOの報告のAnnex W.M.O. World of Level Sets during the F.G.G.E.”これは次の l Publication N0. 469,1977 Weather Watch 2。1.4.統計値の計算と統計表の作成 1)差と平均値の計算 次の差について統計をとる。 である。 International Global Data Processing Plan to support the First JV=\Vi-V、ダ1;ベクトル差の大きさ(m/s) Global GARP Js=Si一り:風速差(m/s) Experiment. ― 119 − mb mb の風とは METEOROLOGICAL SATELLITE CENTER TECHNICAL NOTE N0.4, NOVEMBER 1981 ② 符号も含めた差の平均値(ALG.MEAN)。 お=ゐ一両:風向差(度) iu=Ui−あり:s4成分差(m/s)西風が正 1一ぶ 面=狗−Vi y Σム1 1−1 l ゛ひ成分差(m/s)南風が正 ただし添字らjは各衛星を表わす。なお風向差は度 単位で計算し,その他の計算は0.1 出した後1 m/s m/s ただしjz,はf番目のペアの差。 単位で差を算 単位にまるめる。jy以外は符号も含 ③ 差の絶対値の平均値(ABS.MEAN)。 めて計算する。 よy 2) 50°の大円内にあるすべての比較のペアについ 2y Σ\Jxi\ l−1 て,その高度によって次の3つに分類する。 ,P1:地表面−700 n!b ?2:699 mb mb―400 ?3 : 400 mb ④ 差のRMS (Root Mean Square)。 未満 統計表は,これらの高度別に3種類を作成する。30ペ 撒京 ア未満の比較数のときは,最終レポートとしては採用し ない。 いずれの場合も0.1 3)統計表の作成 Appendix m/s または1度単位にまるめる。 1 に例として示す様な度数100分比分布表 を作成する。表は数字と英文字で分類される。第1図の 2.2. Type 中のA, Type 2 Reports は,衛星風と近くのいわゆる B, C, DおよびEの英文字がこの共通視野域 “ground の分類である。 2 Reports truth” と比較するもので,各OAが行ない報 告書作成担当OAに送付する。 それぞれの度数100分比は1%単位にまるめる。した がって,各クラスの数値を合計したとき100%とならな いことがある。 2.2.1.比較期間 Table 年2回,第2表に示す様に行なわれる。 1 は差に正の値しかないので,積算度数(CU M)とクラス別度数(DIV)はひとつの表であるが,そ 比較期間は各OAの都合で多少変更しても良いが,充 の他は別の表となる。テーブルの番号と統計パラメータ 分な比較データ散を集めることと,報告書送付期限に。間 は, に合うようにしなければならない。 1 ;ベクトル差の大きさ 2.2.2.スケジュール 2,3;風速の差 4,5;風向の差 各OAは,夏期間の比較については9月1日,冬期間 6,7;≪一成分の差 の比較については3月15日までにType 2 Reports を 8,9 ;t・一成分の差 である。それぞれの表番号のあとにどの共通視野域を表 Table わすかの英文字が付く。 (Satellite-to-rawin) of International Comparison テーブル作成時のクラス分けは,表1, てはAppendix l に示したTable 6,8については同じくTable 2D 3, 7, 9につい 2. Comparison Period m/s 毎 に区切る。表4については−10°∼10°のクラスを中心 として20°毎に区切り90°以上(−90°以下)のものを ひとつのクラスとする。表5については0°∼10°を第1 のクラスとし,あとは20°毎,90°以上はひとつのクラ スとする。 それぞれの表には次の情報を記載する。 Jnly. 1-July 31, 1978 Pre-FGGE Test Comparison 2nd Jan. 15-Feb. 13, 1979 3rd May Full Comparison for FGGE Periods durin the IntenSbservation sive Periods 10-June 8,1979 Jan. 15-Feb. 13 る。 −120− Comment 1st 4th or later July 1-July 31 ① 表作成のために使用された比較データ数。Nとす 2 Reports of Satellite Winds. 1D の例,表2, の例の様に2 periods for Type Com・ Semi・annual Periods, parison beginning in 1980 気象衛星センター 技術報告 第4号 1981年11月 作成して報告書作成担当OA(現在までNESSが担当 ラジオゾンデ風の鉛直方向の補間を行なうが,衛星風は している)に航空便で発送しなければならない。Type しばしば顕著な鉛直シャーのある領域で算出されるの 2 Reports で,補間は特異点間においてのみ行なう。指定面間の補 が遅れるとき,あるいは作成されないとき にも期限までにその旨を通知する。報告書作成担当OA 間は行なわない。これらのことを考慮して現実には高度 は,同時期のType について次の様な制限下で比較する。 1 Reports と共にそのコピーを各 ① 指定面のラジオゾンデ風は,衛星風が地表面か OAおよび関係機関に配布する。 ら700 2.2.3. Ground mb の間にあるときは,両者間の高度差が±50 mb以内に。あれば比較のために使用する。衛星風が700 truth データの選定 各OAが正確であると考えるすべての衛星以外の観測 mbより高い場合は,両者間の高度差が±35 データはground にあれば比較のために使用する。 truth となり得る。現実にはground mb truthデータのほとんど大部分がラジオゾンデ風である ② 特異点データがある時にはラジオゾンデ風の補間 ので,以下“ラジオゾンデ風”という言葉で代用する。 を行ない比較に使用する。 ラジオゾンデ風と衛星風が次の条件を満たす時,それら Type のデータが比較のために使用される。 次のような理由である。Type 観測時刻:両者の観測時刻が3時間以内で一致してい る両方の風が衛星風であり同じ雲システムの雲を追跡し ること。 ている場合が多い。しかし高度の設定はそれぞれのOA 1 Reportsに比べて高さの基準値が厳しいのは 1 Reportsでは,比較す 両ベクトル間の距離:本稿の第1節でも述べた様に, が異なる方法を採用している。したがって,衛星風どお 何回かこの距離の限界値の変更があった。第3表にこの しの比較の場合は高さの違いが大きくても合理的な比較 限界値を示す。 結果が得られる。 高度:一般的に言って,衛星風の高さとラジオゾンデ 一方,ラジオゾンデ風は衛星風とは全く異なるトレー 風の高さがおよそ500 サーにより測定されている。それぞれのOAは正しい高 m 以内にあるとき比較を行なう。 Table 3. Type 以内 2 Reports of International Comparison of Satellite Winds (a)The size of co-location area and the threthold value for editing・ Co-location area Rejection threshold* for Editing Period NESS/USA, 1st 一 2nd 3rd July 1-July Jan. 15-Feb Box with 2° latitude and 2° longitude 13,1979 (25°N-25°S) None Circle with 220km radius or Box with 2°latitude May 10-June 一 4th Jan. 15-Feb. 5th July 一 6th 31,1978 JMSC/JAPAN ESA 8,1979 13, 198〔〕 1-July 31,1980 Jan. 15-Feb. 13,1981 and 3° longitude (pole- Circle with 310km ward radius 25°) 30m/s E111ptical Area shown with the lengths of axes in Table 3(b) later Semi-annual *Fordeletion of the deviations exceeding the threshold value of the magnitude (b)The size of elliptical co-location Satellite Wind Speed High-leveland of vector difference. area. Major axis Minoraxis Less than lOm/s 225km 175km 10-25m/s 250 140 Largerthan 25m/s 300 100 Any speed 225 175 mid-levelwinds Low-level winds ゜The major axis must be oriented along the satellitewind ― 121 − direction. METEOROLOGICAL SATELLITE CENTER TECHNICAL NOTE N0. 4, NOVEMBER 1981 さを設定していると仮定し,比較する衛星風とラジオゾ 3)統計表の作成 ンデ風の高さの差の限界を小さな値として,偏差の統計 Appendix を行なうこととした。 を作成する。表の種類,クラス分け,情報の種類などは 2 に例として示す様な度数100分比分布表 2.1.4節で述べたType l Reports と同様である。 2.2.4.統計値の計算と統計表の作成 3.各国の国際比較の結果 1)差と平均値の計算 2.1.4節で述ぺだType 今までに6回の国際比較が行なわれてきた。それらの l Reports の場合と同様に 期間は,第1表,第2表に従っており, 次の差について統計値を計算する。 Type 2 Reports の場合は第3表に6回目までの実際の期日が示されてい AV=\VにVt\ : ペクトル差の大きさ(m/s) る。 As―Si ―St:風速差(m/s) Ad=di―dt:風向差(度) 3.1. Ju=Ui Ut:g成分差(m/s)西風が正 間の比較)の結果 Type 1 Reports (共通視野城における衛星風 面=Vi ―t々:り成分差(m/s)南風が正 GDPS形式のMTデータからNESSが行なった衛 星間の共通視野域での比較数の一覧表を第4表に示す。 第4回の1980年1月分からは,METEOSATが故障し ただし添宇ら zはそれぞれ衛星風,ラジオゾンデ風 を表わす。なお風向差は度単位で計算し,その他の計算 は0.1 m/s 単位で差を算出した後l m/s ているので, 単位にまる の比較データのみが得られている。GOES-IOとGMS める。 2) ESAとの比較は得られていない。GOES- IOはFGGE期間のみ運用されたので,1979年の2回 50°の大円内にあるすべでの比較のペアについ 間のType 1 Reports はこの年の2回ともNESSから て,その高度によって次の3つに分類する。 送られて来ていないがその理由は不明である。*を付し P1:地表面−700 た比較は例数が30例未満であったため,テーブルが削除 mb ?2 : 699 mb―400 P3 : 400 mb mb されたものである。 未満 すべての表について, 各比較の統計値を第5表に示す。今回は,まだ充分な PI, P2, P3の3種類作成す 比較検討を行なっていないので,単に表を示すにとどめ る。 30ペア未満の比較数のときは,最終レポートとして る。 は採用しない。 Table 4. Availability of Type 1 Reports for International Comparison of Satelke Winds sATELLITE→MET政)sAT GOES-IO GMS GOES-W GOES!E WIND METEOSA・I! LEVEL H L M JULY 1978 × × JAN/FEB 1979 MAY/JUNE 1979 JAN 1980 JULY 1980 JAN 1981 157 552 7848 PERIOD 1)Thenumber X ‘L' Low-level M H L × × × 71 − − − M H L 750 M * H L 200 * * 259 * 172 37 * 124 11(] 2711 68 1235 * 35 * 752 394 1981 − − − 356 * 172 892 * × × × × × * * * 1015 * 64 × × × X × X × × × 1n * 47 966 * 87 × × × × × × × × × 258 * 37 947 * 78 × × × for the Type l Reports 1 Reports have for the International Comparison ‘一゜Tables were not a▽ailablei n the reports provided by NESS. ‘*' Tables were rejected because of less number METEOSAT (yr GOES-IO of pairs of compared were not available。 ― 122 − * are tabulated. been carried out by NESS. winds (SFC-700mb) data from H 718 ‘M' Mid-level winds (700-400mb) ‘H’High-level winds (Less than 400mb) ‘X' The M × of data used for Type The comparisons 2) Symbols ; L vectors than 30. 705 気象衛星セこ/ター 技術報告第4号 1981年11月 Table5 Comparison resultsof Type l Reports forInternationalComparison of Satellite Winds provided by NESS. (a) METEOSAT MINUS GOES-IO LOW-LEVEL WIND DIFFERENCE PERIOD Vector N Abs. mean Jan. 15-Feb. May RMS Alg. mean Abs. mean RMS Alg. mean Abs. mean v-comp・ RMS Alg. mean Abs. mean RMS 13, 1979 157 5.6 7.8 -21.2 41.5 64.7 1.0 4,0 6.2 0.9 3.0 4.7 5,1979 718 4.0 4.9 -5.3 20.0 30.0 2.6 3.5 -0.6 2.4 3.5 10-June (b) u-comp・ Direction GMS MINUS -0.7 GOES-W LOW-LEVEL WIND DIFFERENCE PERIOD Vector N Abs. mean July 10-18, 1978 Direction RMS Alg. mean Abs. mean RMS u-comp。 Alg. mean Abs. mean v-comp. RMS Alg. mean RMS Abs. mean 71 4.6 5.1 -22.4 24.4 29.8 -1.4 2.8 3.6 -2.8 3.2 3.7 Jan. 15-Feb. 13,1979 259 4.3 4.8 -7.4 18.6 25.4 - 2.8 3.5 -1.7 2.7 3.4 May 356 4.5 5.6 -11.7 23.4 36.8 0.4 3.1 4.3 -1.5 2.5 3.5 10-June 8,1979 1.1 Jan./Feb. 1980 一 July 1-15, 1980 111 t1 4.9 −6.0 23.1 34.9 -0.3 2.8 3.9 -0.6 2.4 3.0 Jan. 15-31, 1981 258 4.0 4.5 -9.0 18.6 26. (〕 0.6 2.8 3.5 -1.3 2.2 2.9 (c)GOES-EMINUS LESS THAN 30COMPARISONS AVAILABLE GOES-W LOW-LEVEL WIND DIFFERENCE N PERIOD Vector Abs. mean July 3-28. 1978 Jan. 15-Feb. 13,1979 May 10-June Jan. 15-31, 1980 My 15-30. 1980 Jan 15-31, (d) 8,1979 1980 Direction RMS Alg.・ mean Abs. mean RMS u-comp・ Alg. mean Abs. mean v-comp・ RMS Alg. mean RMS Abs. mean 75( 〕 3.7 4、4 3.6 16.7 25.7 -0.6 2.5 3.2 0.8 2.1 3.0 37 4.1 4.6 4.2 21.5 25. a -1.8 3.1 3.8 0.6 2.0 2.6 892 3.5 4.1 18.3 26.1 −0.8 2.4 3.(〕-0.5 2.1 2.7 1015 3.8 4.4 2.7 17,8 24.7 - 2.6 3.4 1.1 2.2 2.8 966 3.8 4.4 17.8 25.2 -0.8 2.5 3.2 - 2.2 3.0 947 3.4 3.9 18.5 26.5 −0.6 2.4 3.0 −0.1 2.0 2.6 METEOSAT MINUS -6.4 O -2.5 Q 1.1 GOES-E 0.1 LOW-LEVEL WIND DIFFERENCE PERIOD N Vector Ab≫. mean Direction RMS Alg。 mean Ab≪. mean u-comp・ RMS Alg. mean Abs. mean v-comp・ RMS AJg. mean Abs. mean RMS July 11-23, 1978 20( 〕 4.4 5.1 -7.8 27.4 35.7 -0.6 2.8 3.9 −0.5 2.8 3.4 Jan. 15-Feb. 15,1979 1235 4.1 5.(〕-5.8 18.9 28.9 -0.8 2.8 3.6 −O。5 2.5 3.4 May 2711 3.8 4.5 -4.5 20.5 29.3 -0.9 2.8 3.7 -0.6 2.1 2.7 lO-June 8. 1979 ― 123 − METEOROLOGICAL SATELLITE CENTER TECHNICAL NOTE N0. 4, NOVEMBER 1981 Table 5 (Continued) (e)METEOSATMINUS MID-LEVEL GOES-IO WIND DIFFERENCE PERIOD Vector N Direction RMS Abs. mean Alg. mean Abs. mean u-comp・ RMS Abs. mean Alg. mean V−comp・ RMS Abs. mean Alg. mean RMS Jan. 15-Feb.13,1979 552 4.7 7.3 0.5 23.7 36.1 −0.1 3.1 5.7 0.2 2.9 4.6 May 394 5.1 7.2 0.0 23.1 35.1 3.4 5.0 0.3 3.3 5.1 10-June 5, 1979 (f)METEOSATMINUS -1.4 GOES-IO HIGH-LEVEL WIND DIFFERENCE PERIOD Vector N Abs. mean 10-June RMS Alg. mean Abs. mean RMS Alg. mean Abs. mean V−comp・ RMS Alg. mean RMS Abs. mean 7848 5.7 8.0 -5.7 23.0 35.8 −0.6 3.7 6.1 0.5 3.5 5.2 5, 1979 1981 6.6 8.3 −3.0 21.8 34.9 4.6 6.4 -0.3 3.8 5.3 Jan. 15-Feb.13,1979 May u-comp・ Direction (g)GMS MINUS -1.9 HIGH-LEVEL GOES-W WIND DIFFERENCE Vector N PERIOD Abs. mean Direction RMS Alg. mean Abs. mean u-comp. RMS Alg. mean Jan. 15-Feb.13,1979 172 7.5 9.0 4.1 13.7 20.5 - May 10-June 8 1979 172 7.9 9.4 -0.7 11.9 20.0 -2.9 Jan. 1980 - LESS July 1-15, 1980 47 Jan, 15-31, 37 8.6 1981 (h)GOES-EMINUS 10.1 THAN 1.1 30COMPARISONS -1.5 11.1 5.3 27.9 34.5 10.5 1.8 23.4 32.8 0.0 Abs. mean v-comp・ RMS Alg. mean RMS Abs. mean 5.6 7.5 -1.5 3.9 5.1 5.5 7.5 -1.9 4.3 5.6 AVAILABLE 7.7 8.8 2.3 5.3 6.8 6.2 8.4 L1 4.8 6.5 HIGH-LEVEL GOES-W WIND DIFFERENCE PERIOD N Vector Abs. mean July 3-28, 1978 Jan. 15-Feb. 13 1979 May、、10-June 8, 1979 RMS Direction Alg. mean 5.1 5.9 -3.0 124 6.3 7.5 -2.3 11(〕 6.8 68 Abs. mean u-comp・ RMS Alg. mean RMS Alg. mean Abs. mean RMS 3.6 4.3 −1.7 2.8 3.8 1.4 4.3 5.5 1.1 3.9 5.0 8.0 −0.8 9.3 12.6 1.5 4.5 5.8 0.2 4.2 5.4 10.0 2.3 4.8 6.6 0.4 3.2 4.0 14.2 −0.5 3.7 5.3 -0.9 3.3 5.1 10.7 2.4 4.9 6.1 - 3.8 4.9 Jan. 15-31, 1980 64 6.5 7.8 2.3 July 15-30, 1980 87 5.9 7.3 -1.4 Jan. 15-31, 1981 78 6.7 7.8 3.7 10.4 7.2 8.0 11.5 8.3 −124− 13.2 −0.1 Abs. mean v-comp・ 9.4 0.1 気象衛星センター 技術報告 第4号 1981年11月 Table (i)METEOSAT MINUS 5 (Continued) GOES-E HIGH-LEVEL WIND DIFFERENCE PERIOD Vector N Abs. mean July 11-23, 1978 Jan. 15-Feb. May 35 6.1 15,1979 10-June 8, 1979 Table 705 12.0 10.0 L 13 1978 8.8 1979 1980 JAN/FEB 552 10.2 14.5 × × × × 1981 1) Upper 237 382 × × line in each row ; Number Lower line in each row ;Mean 2) Symbols 3.2. Type are the same が作成するType RMS 4.6 5.9 3.9 4.5 5.5 7.0 -1.5 6.3 8.0 10.2 14.2 -6.6 8.0 -1.4 4.9 6.5 M H × × × × × 一 一 一 一 × × × × × × × of pairs of compared satellitewind 2.7 10.1 of Satellite Winds. GMS L GOES-E/W M L 60 76 H L H M 281 844 8.0 9.4 18.6 9.5 310 105 493 8.5 11.1 32.5 9.3 441 192 1379 644 31 6.8 8.9 27.3 7.7 433 189 520 542 9.1 12.7 26.5 8.3 113 105 607 373 6.6 8.6 20.4 8.7 202 130 186 7.6 9.5 26.5 * 15.6 757 59 16.2 13.0 338 27.8 461 23.9 276 曇 26.2 223 * 16.9 768 39 8.6 371 24.8 311 29.2 vectors. speed. as those in Table 4. 2 Reports (ラジオソンデ風との比較) 較結果をグラフで表わすと,第2図の様になる。この比 の結果 較結果を見ると, 各OAから報告されたType Abs. mean -2.5 - × Alg. mean 21.6 - × RMS 10.4 2.7 16.0 19.8 V-comp・ 14.3 104 13.9 1448 × 1980 H 12.0 8.5 Abs. mean GOES-IO M 38 Alg. mean 2 Reports for International Comparison 105 505 8.5 1979 JAN/FEB -1.2 u‘comp・ RMS 7.1 METEOSAT PERIOD二 MAY/JUNE Abs. mean 0.5 7.3 6 Availability of Type JAN/FEB Alg. mean 10.5 1.0 犬、Jや7j¶ツDLEVEL JULY RMS 752 9.3 SATELLITE JULY Direction 2 Reports は, NESS 1 Reports と共に編集され,各OA や関係機関に配布される。今までの Type NESS, ESAの場合は比較的変動が 少なく安定した結果が得られているのに反し,日本の場 合は変動が大きく,特に冬期間の比較結果が良くない。 2 Reports 筆者の別の調査結果(未発表)などから見て,下層衛星 の比較数一覧表を第6表に示す。第4回以後Meteosat 風は冬期間には850 が故障のためデータがない。GOES-IOについては,風 ていること,夏期間にも同じ高度の風と見なすことがで mb のラジオゾンデ風とよく一致し の算出を行なっているSSECがラジオゾンデ風との比 きることから,仮に日本の下層衛星風が850 較の報告を行なっていないものと思われる。 表わしていると仮定して比較した結果を図の中に太い実 NESSで mb の風を は,中層の風は算出しない方針であるので,ほとんど比 線で記入しておいた。その場合,下層衛星風として雲頂 較データがないが,いくつかの比較結果があるのは何故 高度が夏期650 か不明である。 した。冬期の差が2 下層衛星風(高度が700 mb より低い)についての比 mb, 冬期600 m/s mb より低いものを採用 程度も改善されていることか ら,現在の日本の衛星風に付加されている高度に問題が ― 125 − METEOROLOGICAL SATELLITE CENTER TECHNICAL NOTE N0.4, NOVEMBER 1981 一 6 Or^ 一 7 vo Ln ≪d- n CM 1- o ︵ミE︶ ・jdia "dwoo-n 00 4 (二) /゛/ - 一 ︵ミE︶ djia yoiOBA。 5 0 、]AN 1978 1979 1980 1981 一 JAN OUL 1 <N1 r 一 JUL OAN MAY 一 n ≪* ・ ︲ Alg.mean Lf) 一 0 0 0 0 0 0 0 6 5 4 3 2 ﹃・︲ - "rf3 I CM CO 一 一 ESA S−−一一一一一∽ 0 .︵一Σo0-A -10 ︷/︸ 1−︲ ︵ミE︶"dJia ︵o︶.i`︵︶ヱ︵︶ロ2瓢︵︶ - NESS/USA Alg.mean MSC/JAPAN MSC/JAPAN-improved COMPARISON OF SATELLITE - WINDS WITH LOW-LEVEL WINDS CONVENTIONAL WINDS - Fig. 2 The results of Type 2 Reports provided by each operating agency for low-level (surface-700mb) winds. Both the root-mean-square and the mean of the magnitude of vector difference are shown in the upper left figure. The arithmetic means and abso lute means are shown in other figures. The thick lines are the result of the Type 2 Reports reproduced by MSC/JAPAN, after a fixed height (850mb) has been reassigned to each satellite wind derived from the target cloud height lower than 650mb (in July) or 600mb (inJanuary). It is shown that the reassignm。ts improve the comparison results very much in winter season. The level. 850mb, is determined on the basis of the comprison results performed by Hamada (1981).The improved comparison for Japanese satellitewinds is carried out in July instead of May in 1979. The improved Type 2 Reports have not been distributed to NESS and other agencies。 ― 126 − 気象衛星センター 技術報告 第4号 1981年11月 15 11 14 10 13 9 00 12 11 1 0 9 8 6 5 dΣ︵︶い︶︲﹁一 ・djia yoiO3A !*>. ︵ミE︶ ・jdia 7 ? W 4 こニコ 3 7 2 0 1 JUL JAN MAY JAN JUL JAN 1978 1979 1980 1981 0 0 0 7 <£> ゛`t、 -1 I 0T ) 0 ・0 = * ■0 CO ︵o︶"ddia舌IiOByiQ -2 一 -3 一 8 7 c\l 6 CO 10 ^ 0 Ln ︵ミE︶ ・JJia dW03-A 10 CM ESA NESS/USA 1 MSC/JAPAN 0 COMPARISON OF SATELLITE CONVENTIONAL - MID-LEVEL WINDS Fig. 3 Same WINDS WITH -1 WINDS - -2 as Fig。 2 , but for mid-level winds.T\The satellite winds are between 700 and 400mb. ― 127 − reported levels assigned to the 1 0 1 ﹁︲・ ir> 1 1 1・ 1 こ二知 LO ≪^ 9 t^ 8 へ、 ゝ 1 10 9 1 7 ″り r`.︾ 4 ︵ミE︶ .hE︹一.︵一Σ︵︶い︶︲﹁一 2 1 `‘x ︵s/ui︶-jjia yoi33A - ’XX・ X. - 3 8 2 - 0 JUL JAN MAY JAN JUL OAN 1978 1979 1980 1981 1 0 0 0 4 CO 1 r二二 0 0 ︵/︶ 1 ︵o︶.i`︻︼Ξ︶にハ︶山氏︻︼ -2 3 7 0 0 0 Ln ︵ミE︶ yE︻︼. ﹃・−︲ り/﹄ 6 ^d- CO ESA ﹂Σ︵︶一︺よ ﹁ NESS/USA c\j MSC/JAPAN MSC/JAPAN-improved 1 0 COMPARISON OF SATELLITE WITH CONVENTIONAL WINDS WINDS −HIGH一LEVEL WINDS -1 − Fig. 4 Same as Fig. 2, but for high-level winds. The reported levels assigned to the satellite winds are less than 400mb. In this case, the height reassignments are carried out as follows. July comparison : A 200mb level is assigned to the satellitewinds in ・the middle and low latitudes (EQ-35°N). A 250mb level is assigned to the satellitewinds in poleward area (35°− 50°N). Jan./Feb. comparison : A 200mb level is assigned to the satellitewinds in the low latitudes (EQ-25°N). A 400mb level is assigned to the satellitewinds in poleward area (25°-50°N). Those levels are determined on the basis of the comparison results carried out by Obana。 (1981) and Hamada (1981)。 気象衛星センター 技術報告第4号 1981年11月 あるということがわかる。 らかの改善の方向が示されるであろう。 次に,同様に中層の衛星風(高度が700 mb から400 mb)についてのラジオゾンデ風との比較結果を示す(第 おわりに 3図)。中層の衛星風は, ESAを除いては,少数算出さ 米国で, れているのみである。日本の場合,先に下層風で吟味し FGGEに向けて日本, たように,一部下層風と見なせるものを含んでいる。モ たことにより地球をとりまく低・中緯度地域でルーチソ れらは,雲頂高度を風の高度としてラジオゾンデ風と比 的にデータを送り出すことができるようになった。利用 ATS時代に始った衛星風計算は,1978年 ESAが相ついで現業体制に入っ 較したことによるものであって,中層の比較結果とみな 側は,まだ補助的資料としてしか見ていないという傾向 すことはできない。 はあるが,各国の衛星風間の品質の相違,ラジオソソデ 最後に上層の衛星風(高度が400 mb より高い)につ 風との差などが明らかになれば,その重要性は増してく いての比較結果を示す(第4図)。この結果も,下層の るであろう。CGMS-Xでは,国際比較の継続の必要性 場合と同様,日本の比較結果の変動が大きく,特に冬期 を確認した。各国の算出システムの標準化は,提案され 間におけるラジオゾンデ風との差が大きい。上層の場合 ているが,それぞれの事情もからんで当面まとまりそう は, NESSも冬期間の差はかなり大きくなっている。日 な情勢ではない。限際比較の結果が,各国のシステムに 本の場合はト1=zポポーズ高度の気候値が高度として設定 対して算出されるベクトルが均質に。なる様な方向に力を されており,その高度は実際の風の高度と比較して高す 与えることが期待される。我々日本のシステムの高度設 ぎると一般に言われている。また筆者の別の調査(未発 定方法の見直しは,そのひとつということができよう。 表)でも,統計的に見て,衛星風の高度は夏期間には北 緯35°以北では250 mb,以南では200 は北緯25°以北では400 mb, References mb,冬期間に 以南では200 mb 新田 尚,1977 : FGGE のラジ 観測体系と研究計画の現状, オゾンデ風と最も良く一致している。そこで日本の上層 天気, 24, 751-768. 新田 尚,1979 : 最近の気象資料, の衛星風に上に述べた様な一定の高度をそれぞれの領域 国際協力事業の資料,天気, で与えて,国際比較を行なった結果を参考のため図中に Hamada, 太線で示しておく。著しい改善が見られる。 Obana, R.,1981 wind vector obtained by Type 2 Report の結果,利用者からの様々のコメン T.,1981 n.特別観測資料・ 26, 463-466. : Unpublished. : The accuracy of the cloud motion the filmloop method ―Sequel― (in Japanese), Journal of Meteorologi- ト,種々の調査結果などから判断して,日本の衛星風の cal Research, 33, 63-67. 精度を劣化させている最大の原因は高度の設定方法にあ るという認識に立って,早急に改善することを前提とし Appendix て,現在気象衛星センターでは,「衛星風の高嵐の推定 Type と出力に関するワーキンググループ」を発足させ,技術 はNESSにより作成された1981年1月,2月のレポー 的側面・現業的側面から検討を加えている。近い内に何 トによる現実のデータである。 TABLE l.D. VECTOR MAGN. W.JAN 699-400 MB IND CUM の表の例 15-31/1981. LESS 400 MB IND CUM 560983957777りー・0 1346789999990 1 51499565300003 1111 1 00 00000000000000 00) . IT) . 0 1 − to 78 3 O −129 1 Reports 1 Reportsの表の例を3つ以下に示す。これら GMS-GOES 00000000000000 NUMBER ABS. MEAN RMS 96383100000000 CDCO^ 13579135791355 11111222n乙 0246802468024 1111122n乙 GTR MB 四一9 .T4. 457896990000000000 584 C 1 2 SFC-700 IND l. Type METEOROLOGICAL SATELLITE TABLE 2.D. SPEED CENTER TECHNICAL DIFF. GMS-GOES NOTE W. JAN N0. 4, NOVEMBER 1981 15-31/1981。 SFC-700MB 699-400MB LESS IND IND IND 400MB 21 20 0 0 0 19 18 0 0 0 17 16 0 0 0 15 14 0 0 0 13 12 0 0 0 11 10 0 0 0 9 8 0 0 5 7 6 3 0 5 5 4 7 0 5 3 2 20 0 16 1 −1 33 0 19 −2 −3 21 0 11 −4 −5 11 0 16 −6 −7 5 0 5 −8 −9 0 0 5 −10 −11 0 0 8 −12 −13 0 0 3 −14 −15 0 0 0 −16 −17 0 0 0 −18 −19 0 0 0 −20 −21 0 0 0 LESS −21 0 0 0 NUMBER 258 0 37 ALG. MEAN − 0.3 0.0 -1.6 ABS. MEAN 2.6 0.0 4.5 RMS 3.2 0.0 5.6 TABLE 3.D. SPEED DIFF. GMS-GOES W. JAN 15-31/1981。 SFC-700 MB 699-400 MB LESS CUM CUM CUM 400 MB 0 1 33 0 19 2 3 74 0 46 4 5 92 0 68 6 7 99 0 78 8 9 100 0 89 10 11 0 0 97 12 13 0 0 100 14 15 0 0 0 16 17 0 0 0 18 19 0 0 0 20 21 0 0 0 22 23 0 0 0 24 25 0 0 0 GTR 25 0 0 0 NUMBER 258 0 37 ABS. MEAN 2.6 0.0 4.5 RMS 3.2 0.0 5.6 Appendix Type 2. Type 2 Reports 2 Reports の表の例 の表の例を以下に3つ示す。これ る現実のデータである。なお,紙面の割付け;の:都I合7上 Table らは気象衛星センター作成の1981年7月のレポートによ ― 130 − 2と3の順序が遂になっています。 気象衛星セソター 技術報告 第4号 1981年11月 VECTOR MAGN. TABLE 1 SF( − 700 MB (M/S) (S) 7 29 36 80 24 60 88 11 71 3826/`︶80 8899990 21 9999990 19 1 93 2 11 25 40 54 63 74 81 87 92 94 23 96 25 98 25 100 NUMBER AL6, MEAN ABS。MEAN RMS MEAN SPEED TABLE 3 137 90 598 4.1 6. 0 10.1 4.1 6. 0 10.1 5.8 7. 5 11.8 6.6 7. 6 17.8 SPEED GMS JULY 1 − 31 /1981 ● SET B SF( [⊃ 700 MB 699 − 400 MB CUM. (M/S) CUM. (%) (%) 1 135791 Orvj -d- \O CO 52 82 91 95 96 10 12 14 16 18 20 GTR LESS 400 MB INDIV。CUM. (%) 294549175532r^ ︵\J 11≪一一一 1 7 61 90 17 CUM. 22 22 39 5799990 15 (S) 1 14 16 18 20 22 24 6TR INDIV. 072322101010 り& 13 699 − 400 MB INDIV。CUM, 2443022000 1 135791 1 024680 1 12 JULY 1 − 31 /1981 曇 SET B (30M/S EDIT) 6MS 99 13 15 17 19 21 21 NUMBER ALG. MEAN ABS。MEAN RMS MEAN SPEED 99 99 (30M/S EDIT) LESS 400 MB CUM. (%) 31 69 87 94 16 97 98 99 100 81 99 40 58 70 88 92 95 97 100 98 99 100 90 598 0.8 0.7 0.6 2.4 3.1 5.8 3.7 4.0 7.6 6.6 7.6 117.8 137 ― 131 ― METEOROLOGICAL SATELLITE SFC − 700 MB INDIV。 (%) (M/S) 699 − 400 M8 INDIV. (?i) −13 −14 −15 −16 −17 8 −2 0 しE ss −19 698663111101 1 −11 −12 1 −9 −10 1一〇11234570 −7 −8 LESS 400 MB INDIV。 (%) 14 31 191001一〇〇〇〇〇 OJ −5 −6 0000101一2797 1 −3 −4 N0. 4, NOVEMBER JULY ユ.− 31 /1981 薔 SET B (30M/S EDIT) I −2 −1 NOTE 00101021455254101000000 1m t-t 21 21 19 17 15 13 11 Ch r- in <o rhttp://www.. 0 / OCO \O -^f <M 1 1 TECHNICAL GMS SPEED TABLE 2 GTR 20 ユ,8 16 14 12 CENTER −21 −21 NUMBER ALG. MEAN ABS, MEAN RMS MEAN SPEED 0 598 0.8 0.7 0.6 2.4 3.1 5.8 3.7 4.0 7.6 6.6 7.6 ユ.7.8 9 137 −132− 1981