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〇特別支援教育 - 福岡市教育センター

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〇特別支援教育 - 福岡市教育センター
は じ め
に
特別支援教育は,障害のある幼児,児童・生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組み
を支援する視点に立ち,幼児,児童・生徒一人一人の教育的ニーズを把握し,そのもてる力を
高め,生活や学習上の困難を改善又は,克服するため,適切な指導及び必要な支援を行うもの
である。また,特別支援教育は,これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく,知的な遅れの
ない発達障害も含めて,特別な支援を必要とする幼児,児童・生徒が在籍する全ての学校にお
いて実施されるものである。
さらに,特別支援教育は,障害のある幼児,児童・生徒への教育にとどまらず,障害の有無
やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基
礎となるものであり,我が国の現在及び将来の社旗にとって重要な意味を持っている。
上の一文は,昨年度のまとめにも載せていただきました。平成19年4月1日付けで,文部科
学省初等中等教育局長から全国の教育委員会教育長に宛てられた通知文で,特別支援教育の理念
について述べられた部分です。
ここでは,障がいのある子ども達の自立や社会参加に向けて「一人一人の教育的ニーズ」に応
じた適切な指導や支援を行う教育への転換を命じすると共に,この教育が我が国の現在及び将来
の社会にとって意義あるものであることを明確に示しています。
学校は,どれくらい対応できたか,これからどんな方向に進んで行くべきなのか,そのための
知恵と勇気と人的,物的力はどうやって手にしていけるのか,考えだすとまだまだ充分な答えを
見いだせない部分が多々あります。
本研究会では,特別支援学級,通常の学級に関わらずすべての学校で,適切な対応ができるよ
うになることを目指しています。
本年度は,
「特別支援を必要とする子どもの学習指導法の研究」について算数科の教材開発を中
心に研修・研究を行ってきました。
特に,通常の学級で学習中や生活の中で支援が必要であると考える児童に対して,
「あっ。わか
った。
」
「もう一度,やってみたい。
」と児童が目を輝かせる瞬間をどの学習の中にも見つけられる
ように,個にあった支援をどのようにしていくか,どんな教材を使用すると児童がより速やかに
学習を理解できるか等,一人一人の教育的ニーズを把握し、児童に対する手立てについても多く
の知見を見出してきました。
このような研修を通して,子ども達の姿をイメージしながら,授業作りに取りくんだ成果の一
端をまとめることができました。
最後になりましたが,本年度ご指導いただきました,福岡市教育委員会 教育相談課 髙井 敏
雄様,発達教育センター 主任指導主事 諏訪原 佳子様, 指導主事 八尋
健史様,研究委
員会に送り出していただきました在籍学校の校長先生方に感謝申し上げます。
平成26年3月
福岡市小学校特別教育研究委員会
委員長
中島 信行
研究のまとめ
1.主題設定にあたって
(1)
これまでの研究の経過を受けて
本研究委員会は,主題に「特別支援を必要とする子どもへの学習指導法の研究」,副主
題に「一人一人のニーズに基づく指導法の工夫」を掲げて研究してきた。成果として,特別
支援学級の算数科と国語科の指導において新しい教材開発ができ,学習内容の系統性や効果
的な学習活動の流れが明確になった。また,算数科の教材は,通常学級における個に応じた
指導の工夫に生かすことができた。
しかし課題として,幅広い児童の実態に応じた学習活動の工夫,通常学級の特別な支援
を必要とする児童の指導につながるような教材開発と指導の具体化,授業を通した実践研
究が残された。
(2)
今年度の取り組みについて
昨年度までの学習指導の工夫の実績は,特別支援学級のみならず,通常学級の学習指導に
も参考にすることができ,現在の特別支援教育に求められているものを考えると価値高いも
のである。
そこで,三年目にあたる本年度は,算数科の教材開発と児童の実態把握と学習指導の工夫
について,究明することとした。特別支援学級の指導を,通常学級における特別な支援を必
要とする子どもの学習指導にも生かせるように,算数科の数と計算領域で,系統性を明らか
にして,教科書の学習内容を細かなステップで指導するようにした。そして,単元構成と教
材・教具と個に応じた支援の工夫をして,検証授業を行った。また,通常学級においても,
特別な支援を必要とする児童の支援の工夫をして,検証授業を行った。
2.研究の内容
(1)
特別支援学級と通常学級の算数科の教材開発をし,単元構成と教材・教具と個に応じた
支援の工夫について研究する。
(2)
検証授業を通して,わかりやすく取り組みやすい指導の内容と方法を検討する。
3.成果と課題
(1)
〇
成果
3校で「数と計算」領域の検証授業を行い,新しい教材開発と指導方法の工夫ができた。
・「『こんちゅうランド』でかぞえっこをしよう」(特別支援学級)
・「さかなやさんをひらこう」(特別支援学級)
・「かけ算の筆算(2)」(通常学級)
〇
授業づくりにあたり,全員で単元構成や教材や支援の検討を行い,教材作りに取り組ん
だことで,子どもの実態に応じた指導内容と方法を共通理解した。検証授業を行い,より
簡潔で取り組みやすい指導の内容と方法を明らかにすることができた。
〇
特別支援学級の幅広い児童の実態に応じた,単元構成や教材や支援を工夫し,指導内容
と方法について検討することができた。
〇
通常学級の特別な支援を必要とする子どもの学習指導について,板書・学習プリント・
ヒントカード・個の支援等を工夫し,検証授業を通して支援内容と方法を検討することが
できた。
☆
講師を招聘して協議会をもてたので,学習内容や方法についての明確な助言を受けるこ
とができ,研究が深まった。
(2)
課題
○
特別支援学級の幅広い児童の実態に応じた,教材開発と活動構成の工夫
○
通常学級の特別な支援を必要とする児童の指導において,いろいろな単元での支援の具
体化 (障がい特性を配慮した指導の工夫)
第1・3学年おひさま学級
算数科学習指導案
指導者
竹尾 華枝
「こんちゅうランド」でかぞえっこしよう
1 単元
2 指導観
○
本学級は,1年生2名,3年生2名,6年生1名(中学から措置変更予定のため全面交流練習期間)の
計5名で構成されている。知的障がいだけではなく、広汎性発達障がい、病弱児、言語障がい、他国籍な
どの児童も在籍している。特性からみると全体的に自分の思いを一方的に話しがちで会話が成立しにくい。
また、周りの人・物・事に興味が移りやすく、課題解決に至るまで集中することが難しい。
子どもたちは、これまでの学習を通して,仲間分けをする,個数を数えて数詞や数字と対応する,たし
算・ひき算・かけ算・わり算などの計算をする,といった数の基礎的な力をスモールステップで身につけ
てきている。また,学校生活において,日付け書き・時間割書き・カレンダー作りに取り組んだり,生活
単元学習でのクッキングで材料を数えたり、買い物でお金を数えたりすることで,数に関わる体験を積ん
できた。
子どもたちの数における学習段階は,10までの数を数え、5までのたし算の計算ができるようになった
段階,1桁どうしのたし算の計算ができるようになった段階,あまりのないわり算の計算ができるように
なった段階, あまりのないわり算の計算の文章題ができるようになった段階と個人差がある。
各児童の実態は次の通りである。
児
学年
知識・理解
童
A児 1年 5のまとまりを使って、10までの数を数
えることができる。
数量の大小がわかる。
なんばんめがわかる。
B児 1年 10のまとまりを作って、80までの数を
数えることができる。
100までの数唱ができる。
一・十・百のくらいがわかる。
C児
3年
100までの数を数えることができる。
数字を見て量感をつかむことはできるが,
読むことができない。
D児
3年
200までの数を順に数えることができ
る。
1000までの数を書くことや読むことは
できるが,量感はつかめていない。
○
意欲・態度
学習に対する意欲はあるが,注意が持続せず,
活動が途切れたり離席したりするときがある。
教師の声かけと適度な距離感が必要。
興味があることしか取り組もうとしないが,
課題解決する能力は高い。注意力が持続せず、
刺激に対する衝動性が高いため自分の課題を
やり遂げることが難しい。一対一対応の指導
が必要。
学習に対する意欲はあるが、母国語がスペイ
ン語のため、日本語の理解力が低く集中が途
切れることがある。気分にむらがあり、活動
をやり遂げるまで、教師の声かけが必要。
手順や方法がわかると,自主的に課題に取り
組むことができるが集中力が続かず、声かけ
が必要。
本題材は、子どもたちの大好きな「こんちゅうランド」に関係ある数対象を取り出し、具体物を操作し
て,数の仕組みを考えたりしながらプリントにまとめていくことで, 生活の場面での数を用いる能力を向
上させることをねらいとしている。
本題材には,「こん虫」という,子どもたちの興味のある題材に,数操作を取り入れたことで,子どもた
ち
の主体的な活動展開が期待できること。個に応じた学習内容を設定できる数対象があること。プリント
に
まとめる活動の過程で,具体物操作や半具体物操作から念頭思考へと発展させていく操作活動の仕組み
-1-
が
位置付いていることなどの価値がある。
子どもたちは、「大好きな虫を数えたい」という意欲を持って、いろいろな数対象にかかわって数の操
作活動を進めていくものと考えられる。数を数えて半具体物や、数とつないでいく捜査活動を通して,一
人一人に応じて学習内容を習得させていくことができる。
また,操作したことをプリントにまとめていくことは,具体物操作から半具体物操作と思考をつなげる
ことにより,数概念を理解するとともに,自分の活動を振り返ったり,達成感を味わったりすることがで
きる。
○
指導にあたっては、それぞれが「
『こんちゅうランド』でかぞえっこしよう」と活動意欲を持ち,自分な
りの活動のめあてを持って学習を進めていくことができるように支援をしていく。
出会いの段階では、「こんちゅうランド」の拡大図を見て,興味を持って取り組めるよう活動の意欲を
喚起する。また,こんちゅうランドに必要な具体物を実際に,数えたり,合わせたり,分けたりして,こ
れからの学習の見通しを持てるようにしていく。また,視覚優位の児童が多いことから、視覚的アプロー
チに重点を置く。さらに、既習学習の内容を教室に掲示することで,それぞれの問題解決に向けての見通
しが持てるようにする。
つくる段階では、具体物や半具体物を操作をして、プリントにまとめていく。その過程に、① 操作に
必要な具体物を取り出す。② 計数箱や計数表を使い操作活動を行う。③ 解き方をタイルカードや文字
や数字で表す。④ 自分の言葉で、問題解決の方法を発表する。といった、①~④のような操作を行いな
がら活動を進めていく。
それぞれが,自分の課題に合わせて,①から④までの活動を繰り返し行うことで、具体物操作→半具体
物操作→念頭操作という基本的な操作活動を通して,具体的思考から念頭思考へと発展していけるよう
にする。
まとめの段階では,これまでに積み重ねたプリントを見直し学習を振り返る。また、それぞれの学習内
容を数直線にまとめたり、「こんちゅうランド」で操作活動した内容について発表しあったりすることでひ
とりひとりに活動の満足感や達成感を味わわせたい。
3 単元目標
○ 「こんちゅうランド」での操作活動に楽しく取り組み,最後までやり遂げようとする。(関心・意欲・態
度)
◎ 操作活動を通して,数の数え方・数の仕組みについて考えることができる。(数学的な考え方)
A児
:20までの数を10といくつとみて数え方や読み方、書き方などを考え表現すること
ができる。
B児
:120まで の数について、既習の数の仕組み(十進位取り記数法)から類推して考
え、見方を深めることができる。
C児・Ⅾ児:千の位まで の数について、既習の数の仕組み(十進位取り記数法)から類推して考
え、見方を深めることができる。
○
それぞれの場面を理解し、数を表したり読んだりできる。(技能)
A児
:20までの数について数えることができ、数を読んだり書いたりすることができる。
B児
:120まで の数を表したり、読んだりすることができる。
C児・Ⅾ児:千の位まで の数を表したり、読んだりすることができる。
○
それぞれの単位についての仕組みを理解することができる。(知識・理解)
A児
:20までの数について数の読み方や書き方、数の構成や大小などを理解する。
B児
:百の単位について知り、十進位取り記数法の仕組みについて理解を深める。
C児・Ⅾ児:千の単位について知り、十進位取り記数法の仕組みについて理解を深める。
-2-
4 指導計画(全5時間)
(1)「こんちゅうランド」の場にであう・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間
(2)「こんちゅうランド」でかぞえっこをする。(数の操作活動) ・・・・・3時間
①小さな数で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・①
②大きな数で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・②(本時4/5)
A児
1~ 15
16~ 20
①小さ な数 で
②大き な数 で
B児
1~7 0
7 1~1 20
C児
1 ~1 00
1 01 ~10 00
D児
1 ~1 00
1 01 ~10 00
(3)「こんちゅうランド」の学習のまとめをする・・・・・・・・・・・・1時間
5 本時
平成25年
9月13日(金曜日)
5校持
おひさま学級 にて
6 本時目標
○ 具体物や半具体物の操作活動を通して,数の仕組みを考えることができる。
○ 活動の手順をつかんで,操作活動したことをプリントにまとめることなどに意欲的に取り組むことが
できる。
個別の目標
A 児・・・・操作活動し、10ずつまとまりを作り、数を数え唱え、書き読むことができる。
B 児・・・・操作活動をし、120までの数を数え唱え、書き読むことができる。
C 児・D 児・操作活動をし、千の位までの数を数え唱え、書き読むことができる。
7
本時指導の考え方
本時は、具体物や半具体物の操作活動を通して,十進法による数の仕組みを理解し数え唱え、書き読むこ
とを狙いとしている。そのため、「こんちゅうランド」という児童にとって身近で楽しい問題場面を設定する
ことにより,興味関心をもって学習に取り組むことができるように工夫する。つかむ見通す段階では、活動
の場と手順図を見て視覚的にも本時学習の流れをつかみ、大まかな見通しを持たせる。詳しい見通しについ
ては、一人一人の学習課題が違うため、それぞれの活動(つくる段階)に入ってから持たせるようにする。
つくる段階では、思考過程を明確にするために,発達段階に応じて具体物操作→半具体物操作→念頭操作の
操作活動を設定する。この操作活動の仕組みを繰り返して学習を構成していくことにより、単位について知
り、十進位取り記数法の仕組みについて理解を深めることができると考える。その際使う教具については、
それぞれの課題に応じて,数の仕組みが理解できたり,問題解決につながる思考過程が明確になるような教
材教具を工夫する。
準備
児童:操作箱,百玉そろばん、20玉そろばん、数カード,絵カード,各自のプリント
教師:手順表,具体物、カメラ、がんばり表,がんばりシール
-3-
9
場の設定
板書
日付 単元名 「こんちゅうランド」でかぞえっこしよう
めあて まとまりに きをつけて かぞえっこしよう
A児
B児
D児
もんだい
もんだい
もんだい
めあて
めあて
めあて
10のまとまりをつく 10のまとまりをつく
ってかぞえよう
ってかぞえよう
ノート
A児
100のまとまりをつ
くってかぞえよう
ノート
ノート
B児
(1年)
-4-
めあて
100のまとまりをつ
くってかぞえよう
ノート
D児
(1年)
C児
もんだい
C児
(3年)
(3年)
-5-
A児
③
こんちゅうカードをタイルカードや数シールで置き換える。
○ 10のまとまりの計数箱
○
100と10のまとまり
具体物と半具体物をまとまり
○
100と10のまとまり
○
100と10のまとま
で対応させる。
には10のタイルカード
の計数箱には100と1
の計数箱には100と1
りの計数箱には100
B 児スモールステップでごほ
1ずつのばらは、1ずつの
0のタイルカード。1ず
0のタイルカード。1ず
と10のタイルカード。
うびシールを貼り見通しを持
タイルに対応させ数を表
つのばらは、1ずつのタ
つのばらは、1ずつのタ
1ずつのばらは、1ずつ
ちやすくしておく。
す。
イルに対応させ数を表
イルに対応させ数を表
のタイルに対応させ数
D児
す。
す。
を表す。
空位があるので、空位のとこ
むしをかぞえまし
262ひきつかまえました。
100が2で200
た。
10が6で60
1が2で2 10が1で10
ぜんぶで262です。
1が3で3
むしをかぞえました。
100が1で100
ぜんぶで 13
⑩
1
3
1
3
100
10
1が3で
3
1
を確認する。
・子どもの様子を見ながら、
先に数字を提示した逆試行や
① ①①
ぜんぶで
1
④
⑩
10が1で
ろは位取り表に0を書くこと
113
3
数えた数を数直線にはる活動
を行う。
・10のまとまりを意識した
数字でまとめる。
ワークシートを用意し、早め
に終わった子は数える練習を
数直線にあらわしたり、ワークシートに挑戦したりする。
行う。
・マイクを持つ人が話す人
聞く人はマイクをじっと見
る。など聞く態度に意識を向
けさせる。
頑張ったことを賞賛しご褒美
3 自分の言葉で、問題解決した方法を発表する。
シールを貼る。
8
本時の展開
学習活動と内容
支援
・こんちゅうランドの絵を用
1 前時の「こんちゅうランド」を振り返り、本時のめあてや活動について知る。
○ 「こんちゅうランド」で数を数えることへの興味関心を持つ。
意しておき、興味を持って課
○ 各自の学習内容、数の操作活動手順を確認する。
題に取り組めるようにする。
・視覚的に自分の課題がわか
めあて こんちゅうランドで かぞえっこをしよう
りやすいよう、個人カラーを
決めておく。
2 各自の数範囲で、こんちゅうランドのかぞえっこをする。
A 児「1~20」
B 児「1~120」
C 児「1~1000」
D 児「1~1000」
・自己決定できるよう、何種
類かのこんちゅうカードを用
① 計数箱(計数表)とこんちゅうカードを取り出す。
○「1~20」のこんちゅう
○「1~120」のこんちゅ
カードを取り出す。
うカードを取り出す。
意しておく。
○「1~1000(空位なし)」 ○「1~1000(空位あ
のこんちゅうカードを取り出 り)」のこんちゅうカード
・手順表と教材教具を一人ず
す。
自活動に取り組むよう声かけ
を取り出す。
つの机上に準備しておき、各
をする。
A児
「1.2.3.4・・・」と
②
こんちゅうカードを 10のまとまりや100のまとまりをつくって数える。
○
箱の中のこんちゅうカー
○
10や100のまとまり
ドを10のまとまりで計数箱
をつくって数える。ばらの数
に入れる。ばらの数を1ずつ
を1ずつ区切ったシートに置
10や100のまとまり
をつくって数える。
○
10や100のまとま
りをつくって数える。
する。
B 児・D 児
10ずつのまとまりを意識さ
せる声かけをする。
10と4で く。
区切ったシートに置く。
14
○
声に出して数えるよう声かけ
○○○○○○○○○○
C児
手順表通りに進める声かけ
○○○○○○○○○○
10 ずつまとめ
ていれる
・他の刺激に反応せず、数え
ることに集中するよう声かけ
する。
こんちゅうランド
なまえ
なんびき
う。
いるでしょう。すうじでかきましょ
①
(
ひき)
(
ひき)
②
-1-
こんちゅうランド
なまえ
なんびき
う。
いるでしょう。すうじでかきましょ
①
(
ひき)
(
ひき)
②
-2-
こんちゅうランド
なまえ
なんびき
う。
いるでしょう。すうじでかきましょ
①
(
ひき)
(
ひき)
②
-3-
こんちゅうランド
なまえ
なんびき
う。
いるでしょう。すうじでかきましょ
①
(
ひき)
②
(
-4-
ひき)
こんちゅうランド
なまえ
なんびき
う。
いるでしょう。すうじでかきましょ
①
(
ひき)
(
ひき)
②
-5-
こんちゅうランド
なまえ
なんびき
う。
いるでしょう。すうじでかきましょ
①
(
ひき)
②
(
-6-
ひき)
こんちゅうランド
なまえ
なんびき
う。
いるでしょう。すうじでかきましょ
①
(
-7-
ひき)
こんちゅうランド
なまえ
なんびき
う。
いるでしょう。すうじでかきましょ
①
(
-8-
ひき)
こんちゅうランド
なまえ
なんびき
う。
いるでしょう。すうじでかきましょ
①
(
-9-
ひき)
こんちゅうランド
なまえ
なんびき
う。
いるでしょう。すうじでかきましょ
(
- 10 -
ひき)
なまえ
①
千のくらい
千二百三十一を
百の くらい
千二百三十一は、すうじで
②
1231の
すうじで
かきましょう。
十のくらい
(
千のくらいの
一のくらい
)とかきます。
すうじはなんですか
(
③
100が10こで
(
- 11 -
)
)です。
実践のまとめ
(1) 内容と方法の工夫
① 単元構成について
○「こんちゅうランドでかぞえっこをしよう」の場で,昆虫カードの数を数える操作
活動を行う。
○ 個に応じた内容と手順
A児:昆虫カードの数を1~20までを10のまとまりを作って数える。
B児:昆虫カードの数を1~120までを10のまとまりを作って数える。
C・D 児 :昆虫カードの数を1~1000までを100のまとまりを作って数える。
①具体物を取り出して、10や100や1000の計数箱を使って数える
②半具体物(数タイルや数カード)に置き換えて、位取り表に置いて数える
③全体の数を数字で表す
操作の手順は①~③を繰り返し行う。
② 教材教具の工夫
○ こんちゅうランドの昆虫カードは、子どもたちの興味ある昆虫を選び、子どもた
ちの使いやすい大きさの具体物を用意する。
○ 子どもたちに、具体物、計数箱、タイルカード、位取り表、学習プリントを用
意する。
○
自分の課題が視覚的に明確になるよう板書では、子ども別に色分けしておく。
③ 個への働きかけ
○ 活動の手順がつかめるように、手順表を掲示し、学習の始めに一人ずつ確認する。
○ 自分で操作活動を進められるように、数える場(教材の配置)を机上に工夫して
配置する。
○
書字の苦手さがある B 児には、昆虫の名前を書いたシールや数字シールを用意
しておく。
○ 必要に応じて数え方の助言や活動を進める声かけを行う。
-1-
(2)指導の実際
個人の本時のめあて)と手順
① 見通しのもたせ方(板書の工夫)
手元に置ける個人の手順表
② 個別の教材と活動内容
も準備。
A児:数(1~20まで)を数える
ノート
学習プリント
① 計数箱に入れて数える
② 数タイルを貼ってプリントに数字を書く
③ 数シールを貼る
④ 数字を書く
-2-
B 児:数(1~120まで)を数える
ノート
① 計数箱に入れて数える
② 数タイルを貼ってプリントに数字を書く
③ 数シールを貼る
④ 数字を書く
課題を早めに終えたときは、数直線に数字を
記入させ、学習の定着を図った。
(黒板下に常時掲示)
学習プリント
-3-
C・D 児:数(1~1000まで)を数える
ノート
① 計数箱に入れて数える
② 数タイルを貼ってプリントに数字を書く
③ 数シールを貼る
④ 数字を書く
学習プリント
-4-
小学校特別支援教育研究委員会 研究授業
わかすぎ学級
算数科学習指導案
指導者 三重野睦美
1単元名 「さかなやさんをひらこう」
2指導観
本グループは,1年生1名,2年生1名,4年生2名,6年生2名の計6名で構成されている知
的障がい特別支援学級である。特性については,知的障がい,ADHD,感音性難聴など様々であるが,
知的には境界域であり,日常会話はスムーズにでき,学習の理解度も比較的高い。
これまで,子供たちは教科書を中心に自分の到達度にあった学習内容をすすめている。また,
毎日のカレンダーや時間割確認,調理での材料の計量や数量の計算,すごろくゲームでの身体感
覚で数に親しむ活動も経験している。
それぞれの学習の実態としては,20までの数唱と1位数の加減を学習中の児童から,億・兆の
単位の理解や少数の四則計算を習得した児童まで,様々である。
各児童の実態は以下の通りである。
児童
学年
A児
1
知識・理解
個数を比べることができる
個数や順序を数えることができる
意欲・態度
学 習に対 す る意欲は高く ,集中 して
学習に取り組むことができる。
数の大小がわかる
2位数の表し方が概ねわかる
10を単位とした足し算ができる
10を単位として50まで数えること
ができる
B児
C児
2
4
2位数の表し方が概ねわかる
学習に対する意欲はあるが,指示の内
10を単位とした足し算と引き算がで
容の理解が遅く,とりかかれないこと
きる(繰り上がり・繰り下がりなし)
がある。丁寧に動作を取り入れながら
10を単位として20まで数えること
説明し,内容が理解できると学習に集
ができる
中して取り組むことができる。
3・4位数の表し方が概ねわかる
学習に対する意欲は高いが,定着が難
3位数の加減が概ねできる
しい。問題に対して熟慮したり,字を丁
九九を習得している
寧に書いたりと,努力を要する活動が
2位数のかけ算がひっ算でできる
苦手な面がある。
1/8までの分数の意味が理解できる
D児
4
3・4位数の表し方がわかる
集中が持続せず,できないと感じたら
3位数の加減ができる
活動をやめることが多い。反復練習が
2位数のかけ算がひっ算で概ねできる
必要な課題(九九を覚えることなど)
1/8までの分数の意味が理解できる
は苦手である。1対1で丁寧に支援す
除数と商が 1 位数 のわり算が理解できる
ることで集中を持続することができれ
ば理解は早く,学習も確実に定着する。
E児
6
億・兆の単位が理解できる
ほ ぼ4学 年 の学習は習得してい て ,
概数・四捨五入の計算ができる
計算に対して自信があり ,意欲を持っ
少数の加減・乗除ができる
て学習している。
分数の加減が概ねできる
F児
6
4位数の四則計算ができる
学習にたいして意欲が高い。基本的な
少数の加減・乗除ができる
語彙の習得がなく ,文章題に大きな課
分数の加減ができる
題がある。
○本題材は,「さかなやさんをひらこう」の場で,いろいろな魚の数を数える A グループ(A 児・
B 児)と,いろいろな魚の問題(加法・減法・除法・乗法)を解いていく B グループ(C 児・D
児・E 児・F 児)に分かれて学習に取り組むものである。
具体的には,A グループの A 児は100までの数を,B 児は30までの数を10のまとまりを作
って数えていく。B グループの C 児・D 児は除法(等分除・包含除)の問題を,E 児は小数・整数
の加法・減法の問題を解く学習に取り組む。F 児は,文章題を読みとって自分で立式することを
課題とする問題を解いていくようにする。
児童が好きな魚を題材とすることで,楽しみながら学習を進めることができると思われる。ま
た魚を数えたり,魚の問題を解いたりすることで,児童が日常的に数に興味をもち,さらに計算
の有用性を感じることができると思われ,価値が高い。
○本単元の指導にあたっては,それぞれが自分なりの目標をもって,意欲的に課題に取り組み,
数と計算の基礎的な理解を深め,定着することができるようにしたい。
(導入段階)
・「さかなやさんをひらこう」の活動の場に出会わせ,A グループ(A 児・B 児)には計数箱をつ
かって魚の数を数えていくこと,B グループには,図を描いたり操作をしたりして文章題を解い
ていくことを理解し,手順がつかめるようにしたい。
(展開段階)
・各自の学習課題を理解し,自分なりに解決できるように教具・教材を工夫する。
A グループ(A・B 児)では,A 児には,100マスの計数箱を用意する。B 児には2つの10の
計数箱を用意する。そして,タイルから数へと,より抽象的に表記するようなシートを用意し,記
入することによって理解を深めるようにする。
B グループ(C・D・E・F 児)には,C・D 児にはわり算,E・F 児には既習の整数,小数の四則計算
の算数プリントを用意する。C 児については,魚カードをトレイに分別させたあと,具体的操作を
した後にシートに式や答えを記入することで,理解を深めるようにする。D・E・F 児については,
文章題のなかの重要な言葉にアンダーラインをひいたり,内容を図で示したりすることで,文章
題への理解を高めるようにする。F 児については,文章題に出て来る重要な表現を書いたシート
を目の前に置くことで,理解の助けにするようにする。
(まとめ段階)
・発表について,苦手意識の高い児童も多い。そこで,発表時に言う言葉を統一し,それを反復練
習することによって,発表に自信を持たせる。そして,成功体験を積むことによって苦手意識を
克服できるようにする。
・発表時に賞賛されることによって,達成感を味わわせるようにする。
・発表では,自分が正解した問題について説明しやすいように,プレゼンソフトを使って視覚的
に説明できるようにする。
3単元目標
○「さかなやさんをひらこう」について,手順表などで活動の内容がわかり,見通しを持って主体的
に活動に取り組むことができる。
(関心・意欲・態度)
○文章題から立式して,問題を解くことができる。
(数学的な考え方・技能)
児童
知識・理解
意欲・態度
A児
1から100までの数を,10のまとま
・集中して問題を解くことができる
りを作って数えることができる
・自分のした計算を,はっきりした声で皆に説明
することができる
B児
1から30までの数を,10のまとまり
・操作の手順が分かり,主体的に取り組むことが
を作って数えることができる
できる。
・わからないときは,助けを求めることができる
・自分のした計算を,はっきりとした大きな声で
皆に説明することができる。
C児
D児
E児
わり算の計算の仕方がわかり,文章題を
・整った字で,丁寧に計算をする。
自分の力で解くことができる
・自分のした計算を皆に説明することができる。
文章題からわり算であることに気づき,
・集中して最後まで活動することができる
問題を解くことができる。また,自分で問
・自分のした計算を,皆に分かりやすく説明する
題を作ることができる
ことができる。
既習の計算について,数量関係を数直線
・自分のした計算を,皆に分かりやすく説明する
上に表して立式し,文章題でたくさんの
ことができる。
問題を解くことができる(整数,小数の四
則計算)
F児
数量関係を数直線上に表して立式し,文
・自分のした計算を,皆に分かりやすく説明する
章題の言葉に留意しながら問題を解くこ
ことができる。
とができる。(四則計算)
○自分の学習した内容を振り返り,その内容を発表することができる。(数学的な考え方・技能)
4指導計画(全10時間)
(1)「さかなやさんをひらこう」の活動に出会う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間
(2)「さかなやさんをひらこう」で数と計算の学習に取り組む・・・・・・・・・・・・・8時間
A児
B児
C児
D児
E児
F児
20まで数え
10まで数える
わり算の計算
わり算の計算
重さに関する文章題
文章題(加減)
(文章題)
(3桁の小数)
る
100まで数
20まで数える
える
わり算の計算
文章題(四則)
(文章題)
1から100
30まで数える
まで数える
配時
3
文章題(四則)
3
※本時
自分で問題を
値段に関する文章題
作る
2
(3)「さかなやさんをひらこう」のまとめをする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間
5本時
平成25年11月25日 (月曜日)
5校時
わかすぎ学級にて
6本時の目標
「さかなやさんをひらこう」の活動の内容がわかり,主体的に課題に取り組んだり,自分のした
ことをみんなの前で発表したりすることができる。
個別の目標
児童
知識・理解
A児
1から100までの数を,10のまとまりを作って計数箱で数えたり,タイル
カードや数字と合わせて数えることができる
B児
1から20までの数を,10のまとまりを作って計数箱で数えたり,タイルカ
ードや数字と合わせて数えることができる
C児
わり算の問題を読んで立式したり(等分除・包含除),魚カードを操作したり
して答えを出すことができる
D児
わり算の問題を読んで立式し,数直線や図で考えて答えを出すことができる
E児
既習(整数・小数の四則計算)の問題を読んで,数直線に数量関係を表して立
式をすることができる
F児
数量関係を数直線上に表して立式し,文章題の言葉に留意しながら問題を解
くことができる。(四則計算)
7本時指導の考え方
これまで児童は,「さかなやさんをひらこう」の場で,自分に合った課題に取り組んできた。
まず,つかむ段階では,「さかなやさん」について自分の経験などを話し合い想起し,意欲づけ
をする。
次に,ふかめる段階では各自の学習を以下の手順で進める。
① 注文票や問題文を受け取る。
② 問題に取り組む。
③ 発表する
まず各自に問題文である「注文票」を手渡す。問題のテーマを「魚」に統一することにより,日
常生活で買い物をする時に本時の学習を想起することで自立への手がかりになることも期待し
ている。次にそれぞれの問題、方法で課題に取り組む。
そして,③の発表はふりかえる段階になる。自分が解いた問題を,みんなの前で発表する。この
とき,プレゼンソフトで問題を用意しておき,児童がプリントでやったものと同じ画像を使うこ
とによって,スムーズに発表ができるようにしている。できたことを称賛されることにより自信
を持ち,次時への学習意欲を高めることができると思われる。
8準備
手順表,注文票(問題文),魚カード,はかり2つ,タイル,シール,学習プリント, パソコン,
プロジェクター,スクリーン(ホワイトボードとして使えるもの),ホワイトボードペン,
9板書計画
単元名
さかなやさんをひらこう
めあて
さかなやさんになって,さかなをよういしたり,もんだいをといたりしよう
てじゅん
1
もくひょう※
ちゅうもんひょうをもらう
スクリーン
2
もんだいをとく
3
はっぴょうをする
*目標は,字と写真やプリントで示す
10座席表
学習道具
F児
A児
D児
E児
B児
C児
11本時の展開
学習活動と内容
教師の支援
1,前時までの学習を想起する。本時の活動を知り,めあてをつかむ。
2,本時の活動を知り,めあてをつかむ。
つ
か
む
めあて
・前時の学習を想起し,「魚」をテーマと
する学習であることを確認する。
・視覚的に手順を示し,各自の学習内容を
つかませる。
さかなやさんになって、魚をよういしたり、もんだいをといたりしよう
3,「さかなやさんをひらこう」の各自の学習目標,課題と手順を確認する。
A児
B児
C児
D児
E児
F児
1、注文票/問題文を受け取る
2、学習の準備をする
・自分の学習セットを取りに行く。
・手渡された問題文を,のりで学習シートにはりつける。
さかなの数を数える
ふ
か
め
る
わり算の問題を解く
・魚カードを取りだす
・100マスの計数箱
で数える
・さかなカードを10
のまとまりで箱に入
る。
・魚カードを取りだす ・問題を読む。
・問題を読む。
・20マスの計数箱で
はこに、サバが8ひ
イカが4はいあります。
数える
きはいっています。
1パック2はいずつ
・さかなカードを10
1パックに4ひきず
いれると、なんパック
つわけると、何パッ
のまとまりで箱に入
る。
・シートに大事なこと ・大事なことばに線を
ばを書きこむ
引く
・数直線や図で数量関
係を表す
・10のまとまりを輪
ゴムで止め,さらに並べ
る。
・タイルカード,数字と
あわせてノートにまと
める
・10のまとまりを輪
ゴムで止め,さらに並べ
る。
・タイルカード,数字と ・魚カードを操作して
あわせてノートにまと わり算の意味を具体的
める
につかむ。
ふ
り
か
え
る
・立式して,答えを出
す。
1,学習したことを発表して,学習の振り返りをする。
・プレゼンソフトを使って,できた問題について,みんなに発表をする。
2,次時の予告をする。
・注文票や問題文はあらかじめ切っておき,
のりではるだけにしておく。
・B児については,わからないときははる場所
を指で指示する。
・C児については,必要に応じて補助する。
・AB児に関しては,必要に応じて操作
(シールをはがすなど)の支援をする。
大事な言葉に着目し
て問題を解く
・問題を読む。
・B児に関しては,わからないときには
「わかりません」と助けを呼ぶことがで
きるよう,様子をみながら必要に応じて自
分から発信できるよう支援する。
・問題を読む。
・既習の内容の問題
(1けたのたし算から, ・文章題を理解し,大事
3けたの小数の計算ま な言葉から判断して立
で)を多数解くように 式する。
する
・C児に関しては,等分除,包含除,2種類
・大事なことばに線を の学習シートを用意し,答えやすいように
・大事なことばに線を 引く
する。
引く
・数直線に数量関係を
・数直線に数量関係を 表す
たし算
表す
・DEF児に関しては,「たしかめ」の欄に,
あわせて
自分で電卓で答えをたしかめ,正解したら
ぜんぶで
丸をつけるようにする。
ひき算
のこりは
かえると
4÷2=2
・立式をして,答えを書く。
たくさん問題を解く
10
・自分の道具が分かるよう,各自の色でそ
の場所を示しておく。
2、自分の問題を解く
3、自分の問題を解く
配時
・立式して,答えを出
・立式して,答えを出 す。
す。
・必要に応じて,電卓で
・必要に応じて,電卓で 確かめをする。
確かめをする。
25
・F児に関しては,文章題でよく使われる
言葉(たし算なら「あわせて」「ぜんぶ
で」など)に注目できるよう,一覧表を机
上に提示しておく。
・発表の仕方をはじめに模範として示す
・本時で取り組み,正解した問題をスク
リーンに投影し,自信をもって発表できる
ようにする。
・賞賛されることで,達成感を味わうよう
にする。
10
実践のまとめ
(1) 内容と方法の工夫
① 単元構成について
○「さかなやさんをひらこう」の場で,さかなカードを数えたり、四則計算をしたりする活動
○ 個に応じた内容と手順
A児:さかなカードの数を100までを10のまとまりを作って数える。
B児:さかなカードの数を30までを10のまとまりを作って数える。
C 児:わり算の文章題を解いて、計算の仕方を説明する。
D 児:文章題からわり算であることに気づき、問題を解く。
E 児:文章題を読んで、数量関係を数直線上に表して、整数や小数の四則計算で解く。
F 児:文章題を読んで、数量関係を数直線上に表して、整数の四則計算で解く。
② 教材教具の工夫
○ A児・B児には、さかなカード、計数箱、タイルカード、位取り表、学習プリントを用意する。
○ C児・D児には、わり算の学習プリント(①文章題・②図で表す・③式で表す・④答えを書く)
を用意する。
○ E児・F児には、四則計算をする学習プリント(①文章題・②図で表す・③式で表す・④筆算
をする・⑤計算の仕方を説明する・⑥答えを書く)を用意する。
○発表の時には、視覚的に皆に分かる発表ができるようにデジタル機器を使う。
③ 個への働きかけ
○ 活動の手順がつかめるように、手順表を掲示し、学習の始めに一人ずつ確認する。
○ 自分で操作活動を進められるように、A児・B児には数える場(教材の配置)を机上に工夫し
て配置する。
○ C児~ F児には、学習プリントを机上に用意する。
○ 必要に応じて数え方や計算の仕方等の助言や活動を進める声かけを行う。
(2)指導の実際
A児
100までの計算箱
B児
10単位の計算箱
C児
(等分除)
D児
(包含除)
E児
F児
文章題内のキーワードのカード
プレゼン資料
ゆうもんひょう
Aち
oち
たいを2
辣
鐵
1ま こに、
サ:
ると、何 パック
眩501ミ
釉洟
脩
藝
ゅうもんひょう
で□
こたえ
でEIヨ
.Ilミ
ヽ
一
4.
じ 渕
あ
鳳¨釧鑢鐵 ⑬
Bち ゅう
もんひょう
ヽ
を13
ら ゅうもんひょう
はこに、魚が6
で□
で□
パック
小学校特別支援教育研究委員会
第3学年6組 算数科学習指導案
姪浜小学校
指導者
1
単元名
2
指導観
○
末﨑 葉子
「かけ算の筆算(2)」
本単元は,2位数や3位数に2位数をかける乗法の筆算について理解し,その計算が確実にで
きるようにするとともに,それを適切に用いるようにすることを主なねらいとしている。
具体的には, 本単元は,次の4つのことを小単元に分けて進めるものである。
①1位数・2位数×何十の仕方について理解し,その計算ができる。
②2位数×2位数の筆算の仕方について理解し,その計算ができる。
③3位数×2位数の筆算の仕方について理解し,その計算ができる。
④簡単な場合の2位数×1位数の暗算の仕方を理解し,その暗算ができる。
特別な支援を要するA児については,これらの中から3位数×2位数の筆算の仕方について理
解することを中心的なねらいとする。そして,乗法の筆算の計算をスムーズにできるようにした
い。
乗法については,第2学年で乗法九九について学習してきている。
第3学年第1単元「かけ算」では,九九を見直すとともに,乗法について成り立つきまりを用
いて,乗数や被乗数が10のときの積を求めたり,被乗数が12や13のときの積を求めたりし
て,数の拡張を図ってきた。また,第3学年第9単元「かけ算の筆算(1)」で,2,3位数に1
位数をかける場合の筆算形式を学習している。
本単元は,2・3位数に1位数をかける筆算の乗法を2位数に2位数をかける乗法へと発展さ
せるとともに,2位数と1位数の乗法の暗算もできるようにするものである。そして,2位数を
かける筆算の計算は,3位数以上の多位数をかける乗法計算の基本となるものであり価値ある単
元である。
また,乗法の意味についての理解を深めることは,日常生活の計算を必要とする場において,
的確で簡潔に計算する際に基本となるもので,その考え方や身につけた知識・技能は今後の児童
の生活において大切なものである。
○
本学級の児童は,乗法の意味,乗法九九,乗法について成り立つ性質(交換法則や分配法則),
2・3位数に1位数をかける場合の筆算形式について学習してきている。学び方の面では,算数
の学習に意欲的に取り組み課題を解決しようとする前向きな姿勢が見られる。しかし,個々の児
童に目を向けると,かけ算九九がすらすらと出てこなかったり,繰り上がりの計算を間違えたり
と個人差が見られる。また,自分の考えをもち,伝え合う力を育むために,3人グループでの交
流活動を大切にして,全体交流につなぐ活動を取り入れてきた。12月に実施した「学習に関す
るアンケート」では,
「自分の考えをもつことができる」が89%,
「自分の考えをグループの友
だちに話すことができる」が78%,
「自分の考えをみんなの前で話すことができる」が75%,
「自分の考えを進んでみんなの前で話したい」が75%という結果である。自分の考えを伝えた
いという意欲はもっているものの,全体の場での発表には苦手意識を持っている児童が多いこと
が伺える。
特別な支援を要するA児は,解決の道筋を絵や図で示したヒントカードや筆算の手順が分かる
学習プリントを使用することで,2~3位数×1位数の筆算の仕方を理解した。さらに,家庭と
連携し繰り返し学習することで,計算の手順を理解して計算できるようになっている。しかし,
計算の仕方を自分で考え出したり,筆算がどのような仕組みでできあがっていっているかを理解
したりするまでには至っていない。
○
本単元の指導にあたっては,既習内容をもとに,2・3位数に1位数をかける筆算の乗法を2
位数に2位数をかける乗法へと発展させていくために,かけ算の筆算の形式のみを覚え込ませる
のではなく,交換法則・結合法則・分配法則などの乗法のきまりを活用して計算の仕方を作り出
し,それらを生かして筆算形式につないでいくようにする。絵や図,数の構成などと関連づけて,
イメージ化を図りたい。2・3位数×2位数の筆算については,部分積をずらすことなどなかな
か理解できない児童がいることが予想されるが,筆算形式の意味をしっかり理解させ,一人ひと
りていねいに筆算の計算練習を行うようにしたい。
話し合い活動では,全体の前に,3人グループでの交流をもつことによって発表への抵抗を少
しでも少なくするとともに,友だちと考えを練ることにより,自分の考えをもつことができるよ
うにしたい。また,
「話し方の掲示物」や「発表カード」の活用により発表の意欲を高め,支援と
したい。
特別な支援を要する児童 A 児には,解決の道筋を図で示したヒントカードや筆算の手順が分か
る学習プリントを使用していくことで,筆算の仕方を理解し定着していくように支援していく。
また,毎時間の学習過程を「めあて→見通し→自分の考えを作る→3人での交流→全体での交流→
まとめ」とし,板書と学習プリント・前時までの学習の足跡が同じ形式となるようにすることで,
学習の流れがわかり,見通しを持って安心して学習に参加できるように支援していく。
3
単元目標
○ 2~3位数×2位数の筆算の仕方について,2~3位数×1位数の計算を基にできることのよ
さに気づき,学習に生かそうとする。
○ 2~3位数×2位数の筆算について,数の構成や既習の乗法計算を基に考え,表現したりまと
めたりすることができる。
○ 2~3位数×2位数の乗法の筆算の手順を基にして,計算が確実にできる。
○ 簡単な2位数と1位数の乗法を暗算で計算することができる。
○
2~3位数×2位数の乗法の筆算の仕方について理解する。
特別な支援を要する児童 A 児の単元目標
○ 2~3位数×2位数の乗法の筆算の仕方について理解し,計算が確実にできる。
4.指導計画(全11時間)
時
目 標
プロローグ
1
学 習 活 動 ※A 児の支援
おもな評価規準
・今までに学習したかけ算とまだ学習していないかけ算が,かけ算表のどの部分
にあたるかを考える活動を通して,乗数の数範囲を拡張した乗法への興味・関心を高めるよう
にする。
○1位数×何十の計算
・
の仕方について理解
場面をとらえ,立式について考
える。
し , そ の 計 算 が で き ・ 5×30の計算の仕方を考える。
る。
関1位数×何十の計算につい
て乗法の結合法則を用いて
考えようとしている。
・ その式を立てたわけを説明する。 知1位数×何十の計算の仕方
・ 1位数×何十の計算をする。
※
を理解している。
解決の道筋を図で示したヒント
カード
○2位数×何十の計算
2
・
の仕方を理解し,その
12×30の計算の仕方を考え
計算ができる。
る。
考2位数×何十の計算の仕方
を,2位数×1位数の計算を
・ 2位数×何十の計算をする。
基にして,式や図を用いて考
※
え,説明している。
解決の道筋を図で示したヒント
カード
知2位数×何十の計算の仕方
を理解している。
○2位数×2位数(部分
3
積がみな2桁で繰り
本
上がりがなし,繰り上
時
がりあり)の筆算の仕
方について理解し,そ
・
場面をとらえ,立式について考
える。
・ 12×23の計算の仕方を考え
る。
※
の計算ができる。
解決の道筋を図で示したヒント
4
カード
考既習の計算を基に,2位数
×2位数の計算の仕方を式
や図を用いて考え,説明して
いる。
技 2位数×2位数(部分積が
みな2桁で繰り上がりなし,
・ 筆算の仕方をまとめる。
繰り上がりあり)の筆算がで
・ 適用問題に取り組む。
きる。
※
筆算の手順が分かる学習プリン
ト
○2位数×2位数(部分
5
・
積が2,3桁で繰り上
58×46の筆算の仕方を考え
がりなし,あり)の筆
る。
・
算の仕方について理
36×47,23×26,24
解し,その計算ができ
×83などの計算を筆算でする。
※
る。
筆算の手順が分かる学習プリン
ト
考 位の数字や桁数に着目し
て,計算のきまりを用いて簡
単に計算する方法を考え,工
夫している。
知1位数×2位数の計算を工
夫して,2位数×1位数で計
算できることを理解してい
る。
○2位数×2位数(乗数
6
・
の末尾に0がある)の
86×30の簡便な筆算の方法
を考える。
簡便な計算の仕方や, ・
3×46の筆算と46×3の筆
1位数×2位数の計
算を比べてどちらが計算しやすい
算は乗法の交換法則
か考える。
を用いても計算でき
ることを理解する。
※
筆算の手順が分かる学習プリン
ト
技2位数×1位数(十の位の
数との部分積が2桁,及び部
分積がみな2桁)の筆算がで
きる。
○3位数×2位数の筆
7
・
算の仕方を理解し,そ
587×34の筆算の仕方を既
の計算ができる。
習の筆算を基に考える。
・
考3位数×2位数の筆算の仕
方を2位数×2位数や3位
数×1位数などの筆算の仕
同じようにできることをまとめ
方を基に類推して考え,説明
る。
している。
8
桁数が増えても,既習の筆算と
※
筆算の手順が分かる学習プリン
ト
技3位数×2位数の筆算がで
きる
・ 703×25など空位のある場
合の筆算の仕方を考える。
・ 乗法の筆算を練習する。
※
筆算の手順が分かる学習プリン
ト
○簡単な場合の2位数
9
・
×1位数の暗算の仕
25×3,3×25の暗算の仕
方を理解し,その暗算
方を考える。
・ 250×3,25×30の暗算
ができる。
知簡単な場合の2位数×1位
数の暗算の仕方を理解して
いる。
の仕方を考える。
※
暗算の手順が分かる学習プリン
ト
○学習内容を適用して
10
「力をつけるもんだい」に取り
問題を解決する。
○学習内容の定着を確
11
・
認し,理解を確実にす
る。
組む。
・
「しあげのもんだい」に取り組
む。
技学習内容を適用して,問題
を解決することができる。
知基本的な学習内容を身につ
けている。
5
本時
(3/12)
平成26年1月23日(木)
第5校時
3年6組教室
6
本時の目標
○ 2位数×2位数の計算の仕方を図をかいたり,数操作をしたりしながら考え,説明すること
ができる。
(特別な支援を要する A 児の本時の目標)
○ 2位数×2位数の計算の仕方を解決の道筋を図で示したヒントカードを使いながら考えるこ
とができる。
7
本時指導の考え方
前時までに子どもたちは,1・2位数×何十の計算が,結合法則を活用することで,1・2位数×
1位数に帰着できることことを学習してきている。
そこで本時は,既習内容をもとに,くり上がりのない2位数×2位数の計算の仕方を分配法則をも
とに図をかいたり,数操作をしたりしながら,既習のかけ算を使って考え,説明できるようになるこ
とを主なねらいとしている。
そのために,「めあて 見通し」の過程では,日常生活場面からの導入を図る。問題への関心を持た
せるためにシールを使った問題文を提示し,分かっていること・たずねられていることを確認すると
共に,テープ図と数直線を用いた関係図から12×23と立式する。その後,前時で学習した12×
30との違いに気づかせ,乗数の一の位が0でない場合でも,既習学習を使って解決できるかを問い
かけていく。そして,答えの見通しと解決の見通しを持たせ,本時の学習のめあてをつくる。
「つくる」過程では,解決の見通しをもとに前時までの掲示物を参考にしながら,自分の考えをつく
っていく。子ども達の考えとしては,
① 図をかいて12×20,12×3の計算をし,その結果をたし合わせる。
② かける数23を20と3に分けて,12×20,12×3の計算をし,その結果をたし合わせる。
③ かける数23を10と10と3に分けて,12×10,12×10,12×3の計算をし,その
結果をたし合わせる。
などが考えられる。
特別な支援を要する A 児には,解決の道筋を図で示したヒントカードを準備し,考えを作ることが
できるように支援していく。また,自分の考えをつくることができない児童には,解決の道筋を図で示
したヒントカードや,数や式が途中まで書かれているヒントカードを準備し,それらを自分で選択して
使い,考えを作ることができるように支援していく。
「話し合い活動」の過程では,自分の考えを作った後,3人グループで交流を行う。ここでは,発表
カードを活用し,筋道立てて話すことができるように支援する。聞くときは,同じところや似ている
ところ,違うところを考えながら聞き,自分の考えに付加・修正をさせていく。その後,全体交流を
行う。特別な支援を要する A 児は,自分のプリントを友達に見せることで発表としてよいことにし,発
表をうながしていく。
「まとめる」過程では,子どもたちから出された考えをもとに計算の仕方を整理していく。十の位と
一の位の部分積を求めてたすと,答えが求められることをおさえ,まとめとしていく。
8
準備
○ 教師
○ 児童
学習プリント
ヒントカード
教科書
学習プリントつづり
既習掲示物
話し方の掲示物
発表カード
9 本時の展開
段階
学習活動と内容
指導上の留意点(※特別な支援を要するA 児への支援)
1 本時の学習問題から,めあてをつかむ。 ※ 既習から想起できるように学習の足跡を
め (1)問題を把握し,立式する。
掲示する。
学習問題
○ 分かっていること
あ
1まい12円のシールを23まい買い
尋ねていることに
を引き,
ます。代金はいくらですか。
問題を把握させる。
て
式 12×23
○ テープ図を示し立式ができるように支援する。
(2) 見通しを持つ。
○答えの見通し
○ 既習の計算の仕方を振り返りながら,見
見
・200円ぐらい ・240円より高い
通しを持つことができるようにする。
通
○解決の見通し
・絵や図をかいて考える。
し
・23を20と3に分けて計算する。
・23を10と10と3に分けて計算する。
(3) めあてをつかむ。
めあて
12×23の計算のしかたを考えよう。
2 自分の考えを作る。
つ
○23を20と3に分ける
○23を10と10と3に分ける
12×23
く
12×23
20
3
12×20=240
12×3=36
240+36=276
る
答え
10 10 3
12×10=120
12×10=120
12×3=36
120+120+36=276
答え 276円
276円
※ 解決の道筋を図で示したヒントカードを準備し支援する。
※
話
し
合
い
活
動
3 考えを出し合い,交流する。
(1)グループで考えを交流する。
(2)全体で考えを交流する。
机間指導をしながら,一緒に図を使って
考えたり,立式したりすることを支援する。
○ 同じところや似ているところ,違うとこ
ろを考えながら聞き,自分の考えに付加・
修正をさせていく。
○ 自分の考えを話すときは,考えの理由を
述べることを伝える。
○ 発表カードを活用し,筋道立てて話すこ
とができるようにする。
※ プリントを友達に見せることで発表としてよいこととする。
○
机間指導をし,全体で発表できる子ども
に大きな紙に書かせ,交流の準備をさせる。
○ 子どもたちから出された計算の仕方を整理し
かける数を分けて計算することをおさえる。
ま
と
め
4
5
本時学習をまとめ,振り返る。
まとめ
12×23のような計算は,かける数を20と3に分けて計算する。
次時の予告を聞く。
実践のまとめ
(1)内容と方法の工夫
¡ 板書の工夫
・
・
・
・
1時間の活動が見通せるように,学習の流れを板書しておいた。
学習問題に分かっていること・たずねていることに線を引き,問題の意味をつかませた。
具体物やテープ図を提示し,立式ができるようにした。
全体交流の時は,発表する子どもたちが自分の考えを大きな紙に書いて黒板に貼り交流した。
¡ ヒントカードの工夫
図を使って問題解決するカードや数字を使って問題解決するカードなど 5 種類のヒントカード
を用意した。
・ ヒントカードは,学習プリントに貼り,交流の時には,そのまま読むことで自分の考えを伝え
ることができるようにした。
・
¡ 学習プリントの工夫
・
板書の流れと同じ形式にした。
¡ 話し合い活動の工夫
・ 全体交流の前に3人で話し合う活動を取り入れることで,全員が考えを伝える経験ができた。
また,全体交流では,安心して自分の考えを発表することができた。
¡ A児への働きかけ
・
・
座席を教師の前にし,両隣の二人は,A 児を理解している子どもたちにした。
全体指導の後には,個別に声かけを行い,学習内容の理解ができているかどうかを把握したり,
助言したり,励ましたりした。
・ 問題を把握する場面では,毎時間,本人に発表させることで自信を持たせた。
・ ヒントカードは,本人に分かるようなカードを 5 種類用意し,本人に選ばせた。
・ 3 人での交流は,学習プリントを見せることで発表としていいことにした。
・ 活動が単純にならないように,書く・貼る・ヒントカードを取りに行く・発表するなどの多様
な活動を取り入れた。
(2)指導の実際
①板書
②学習プリント
A 児が数字で考えるカード②を使って解いたプリント
③ヒントカード
数字で考えるカード①
図を使って考えるカード①
図を使って考えるカード③
数字で考えるカード②
図を使って考えるカード②
《
おわりに
》
福岡市小学校特別支援教育研究委員会では、平成23年度から『特別支援を必要とす
る子どもへの学習指導法の研究』という主題と副主題「一人ひとりのニーズに基づく指
導法の工夫」のもとに、特別支援学級での学習指導の工夫を通常学級における特別な支
援を必要とする子どもの学習指導にも生かせるように・・・。 という思いで、研究を
積み重ねてきました。
これまでの研究で、特別支援学級での算数科と国語科の指導において、一人ひとりの
ニーズに合った新しい教材を開発することができたこと。 そして算数科の[数と計算]
領域での学習内容の系統性を明確にし、学習内容を細かなスモールステップにして指導
することの有効性を確認できたこと。 また子どもたちの理解を高めるための効果的な
学習活動の流れというものが明確になってきたことなどの成果がありました。 特に算
数科の教材は、通常学級における個に応じた指導の工夫に生かすことができるものとな
りました。
今年度は、上記の研究を深めるために、年間 3 回の検証授業および協議会を実施しま
しました。 1 回目と 2 回目の検証授業は、単元構成の工夫と一人ひとりのニーズに合
った教材・教具の開発、および個に応じた支援の在り方を考えた授業でした。 2 回の
授業とも、主題につながる意義深い検証授業となりました。
また、3 回目の授業は、
通常学級において特別な支援を必要とする児童への支援の在り方を考える授業でした。
これからの特別支援教育に求められているものを考えるとたいへん価値のある検証授
業でした。
今後、本研究委員会では本年度の研究の成果を踏まえ、さらに特別な支援を必要とす
る子どもたちが、のびのびと学習し、力を付けることができる学習指導方法の構築を目
指して行きたいと考えています。
最後になりましたが、本年度ご指導ご助言をいただきました、福岡市教育委員会をは
じめ、高井 敏雄先生、発達教育センター主任指導主事、八尋 健史先生、諏訪原 佳
子先生、および、研究委員会に送り出していただきました在籍校の校長先生方に感謝申
し上げます。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
平成26年3月
福岡市小学校特別支援教育研究委員会
副委員長
豊田 健一
平成 25 年度
特別支援教育研究委員会
会員名簿
氏名
所属校
委員長
中島信行 校長
長住小学校
副委員長
豊田健一 教頭
百道小学校
研究委員
竹尾 華枝
香陵小学校
〃
石井 アキ
松島小学校
〃
小林 順子
東吉塚小学校
〃
谷瀬 裕子
長住小学校
〃
大垣 琢磨
田島小学校
〃
川崎 祐司
入部小学校
〃
末﨑 葉子
姪浜小学校
〃
三重野 睦美
八田小学校
〃
山本
愛
舞鶴小学校
〃
加藤 和美
姪北小学校
〃
大村 玲子
照葉小学校
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