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建機メーカとしての取り組みと提案

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建機メーカとしての取り組みと提案
平成25年度建設施工と建設機械シンポジウム
パネルディスカッション資料
建設機械メーカとしての
情報化施工への取り組みと提案
平成25年11月14日
コマツ 開発本部
業務部長 迎野 雅行
資料の概要
1.情報化施工のねらい
2.情報化施工ツールの方式比較
3.建機メーカとしての情報化施工取り組み状況
4.建機メーカとしての情報化施工普及へのご提案
1.情報化施工のねらい
施
工
手
順
設計図からの座標計算
測量の実施
人間が図面情報を
丁張りに移す
2D図面情報
従
来
施
工
丁張り設置
設計図
から
座標計算
丁張りに合わせて施工
人間(オペ)が
丁張りを見ながら
機械を操作
丁張り
設置
測量
検測を繰り返して整形
機械の作った地形を
人間が計測
施工
検測
(粗掘削)
→整地)
人間が
位置情報を作る
《繰り返し作業》
品質・出来型管理
出来形情報
品質・
出来型
管理
人の介在で情報が分断し
効率向上に限界あり。
3次元情報を活用して機械が自動成形
基準点など最小限
の測量実施
情
報
化
施
工
設計図
から
座標計算
3D-CAD情報
測量
電子丁張り
粗掘削
《最低限の
繰り返し作業》
施工進捗
見える化
仕上げ
整地
品質・
出来型
管理
出来形情報
情報を分断なく活用し
自動化との相乗効果に
より効率向上が可能。
1.情報化施工のねらい
ユーザのコストメリット:
<情報化施工でメリットを感じる項目>
アンケート結果より
<投資回収期間>
予算内で早期に工程が完了する
丁張りが最小限で済む
やり直しが少ない
オペ席のモニタで設計データが見れる
従来工法により高精度
競合に対して有利(納期、コスト)
施工したデータを早期に確認できる
日々の管理が可能
回答率(複数回答可)
効率の向上
精度の向上
施工効率の向上
施工精度の向上
ICT導入
ICT導入自体にメリットがある
施工管理
施工管理
3.建機メーカとしての情報化施工取り組み状況
・ブルドーザでの取り組み ---> ICT機器のレイアウト変更
新型 iMCブルドーザ
従来型 MCブルドーザ
■GNSSアンテナ
■GNSSアンテナ
(ルーフトップマウント)
■GNSS受信機
■GNSSアンテナポール
■GNSSアンテナケーブル
■コントロールボックス
■ストローク検出シリンダ
■IMUセンサ
(シャシーマウント)
■IMUセンサケーブル
■IMUセンサ
(ブレード背面マウント)
iMCの特長 1.GNSSアンテナ、IMUセンサ、接続ケーブル類の信頼性向上・脱着不要化とランニングコスト低減
2.シームレス自動掘削整地制御の実用化
3.マッピング表示機能による施工進捗の見える化
3.建機メーカとしての情報化施工取り組み状況
・ブルドーザでの取り組み ---> シームレス自動掘削整地制御
デコボコ表面(洗濯板)
安定した滑らかな表面
特長:1.掘削・運土操作及び整地作業の自動化により作業効率を向上
2.シュースリップ制御により「設計面へのダメージ軽減」と「足回り摩耗を低減」
⇒運転操作の容易化により、作業効率を向上し、オペレータの多能工化を容易化
3.建機メーカとしての情報化施工取り組み状況
・ブルドーザでの取り組み
マッピング表示による進捗の見える化
特長: 1.土砂移動方向の認識容易化
2.出来形面及び施工進捗の把握が可能
日米欧市場への導入開始
 人工池工事:
[ミネアポリス州]
 鉄道工事(法面)
[ジョ-ジア州]
 宅地造成工事
[バ-ジニア州]
 ごみ埋立地
[ノ-スカロライナ州]
3.建機メーカとしての情報化施工取り組み状況
・油圧ショベルでの取り組み ---> MG(マシンガイダンス)機能の充実
新型 iMC油圧ショベル
特長:1.大型モニタ搭載により視認性、使い易さを向上
2.ストローク検出シリンダ搭載によりガイダンスの動特性を向上
3.3D鳥瞰図、サウンドガイダンス、正対コンパス機能搭載
により作業性を大幅向上
3.建機メーカとしての情報化施工取り組み状況
従来型 マシンガイダンス
新型 マシンガイダンス
大型スクリーン:大画面(12,1インチ)と陰影処理により地形認識を容易化
6.5インチモニタ
ワイヤフレーム表示
正対コンパス:
目標掘削面と車体
位置調整の容易化
3D view
3D view
目標掘削面指示:
輝度変更により目標
掘削面認識を容易化
3D view
Section view
3D view3D view
SectionSection
view view
簡単操作:
画面タッチ頻度を低減し
必要機能抽出を容易化
大型ライトバー:
刃先と設計面との
距離認識を容易化
サウンドガイダンスシステム:
バケット刃先、掘削作業への集中力を向上
3.建機メーカとしての情報化施工取り組み状況
・油圧ショベルでの取り組み ---> MC(マシンコントロール)機能の追加
★刃先位置自動制御機能
設計面
iMCモニタ表示画面
地下埋設物
設計面
特長:1.「領域制限掘削制御」により深堀りを防止、安心した掘削作業が可能
2.「設計面トレース制御」により高精度な成形作業が可能
⇒運転操作の容易化により作業効率を大幅改善し、オペレータの多能工化を容易化
3.建機メーカとしての情報化施工取り組み状況
iMC(intelligent Machine Control) ブルドーザ/油圧ショベル
オペレータ
サポートオフィス
現場監督
「建設機械」の見える化だけでなく、「施工現場」を見える化し、「施工全体を効率化」
4.建機メーカとしての情報化施工普及へのご提案
提案事項
提案の具体的内容
国土交通省殿からの回答要旨
土木施工方
法裁量範囲
拡大
これまでの国交省方針は、TSによるモー
ターグレーダ・転圧機のMC技術と出来形管
理技術の一般化に注力していますが、
その前工程の作業量の大きい一般土
木機械への展開も不可欠。その際は施
工方法に裁量を与えGNSS使用の施行
範囲を拡大させることをご提案する。こ
れにより工事全体の効率向上(短納期
化・低コスト化)に寄与でき、建機メーカとし
ても普及の進む欧米式に技術統合でき
るため商品開発・導入が進め易くなり、
国際競争力も高まる。
H25年3月29日新たに「情報化施工推進戦
略」を策定しGNSSを用いたブルドーザ・油圧ショ
ベルのMC・MGについても一般化する技術と
位置付け普及推進することとしている。実施
方針はH25年5月14日付けで通達し総合評価
落札方式や工事成績評定での評価、機器・シ
ステム調達時に活用できる税制優遇措置や支
援制度の周知を積極的に実施し普及を推進
していくこととしている。出来形管理技術につ
いては、重点的取組みとして「情報化施工の
特性を活かした施工管理、監督、検査方法の
検討・実現」を掲げ、必要な検討を進めること
としている。
電子基準点
のカバー率
向上と整備
情報化施工拡大に伴い固定局の設置
が不要な「VRS」活用が進むと予測する。
現在、国土地理院により1240ヵ所に「電
子基準点」が配置されているが、配置密
度の低い地域や老朽化した設備のある
事も聞いており情報化施工普及の上で
は、この電子基準点の増設・整備を含め
た拡充策及び施行事業者への技術紹
介を含めた活用奨励をご提案する。
国内の電子基準点の平均間隔は約25kmで
欧米に比べ密度は高く「VRS利用」に十分な
密度を有していると考えている。電子基準点
の整備は昨年度末までに観測機器の更新及
びGNSS対応を完了、H25年5月10日から
GNSS配信を開始、VRSでグロナスも利用できる
ようになっている。民間配信事業者では全国
300点程度の基準点を利用してサービスを行っ
ており、今後利用できる基準点数を増やす検
討をしていると聞いている。
4.建機メーカとしての情報化施工普及への提案
提案事項
提案の具体的内容
現況地形及
び施工図の
3D化と配信
情報化施工実施には3Dデータが不可欠だ
が、現在の施工図は2Dの紙図面のみで
配布されており、3D化するための付帯作
業が必須となる。情報化施工の普及拡大
を促進する上では全ての元となる施工図
と現況地形情報を3D化し、それを配信す
る仕組み作りの推進をご提案する。
国土交通省殿からの回答要旨
H24年度より公共事業の計画から調査・設
計、施工、維持管理、更新に至る一連の過
程において3次元データを利用し、一連の建
設生産システムの効率化・高度化を図るCIM
の導入に向けた制度設計に取り組んでい
るところです。
(参考) 丁張りレス工事現場でのiMCブルドーザデモ見学会
・工事名:北海道横断自動車道 陸別町 利上改良工事
・発注者:北海道開発局 帯広開発建設部 足寄道路事務所
情報化施工の普及活動が結実しつつあり、国内においても上記のような丁張りレス工事
が見られるようになりました。
建機メーカとして更に「施工全体の効率化」に貢献できるよう技術向上を進めて参ります。
ご清聴ありがとうございました。
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