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感水紙を用いた農薬ドリフト量の簡易測定法
感水紙を用いた農薬ドリフト量の 簡 易 推 定 法 残留農薬のポジティブリスト制度が導入され、それまで残留基準のなか った農薬には、暫定基準あるいは一律基準が設定されています。一律基準 (0.01ppm)は極めて厳しい基準であり、これまで以上に農薬の飛散に対 する注意が必要です。 そこでドリフト調査に用いた感水紙の液滴数からドリフト量を推定する 方法を検討しました。 表1 供試農薬 農薬の種類 剤型 含有率(%) 濃度 MEP 乳 50 1000倍 ダイアジノン 水和 34 1000倍 アゾキシストロビン フロアブル 20 1000倍 蒸気圧(mPa) 1.6 12.0 -10 1.1×10 ドリフト量を調査するため、感水紙とシャーレを並べて設置し、動力噴 霧機で農薬を噴霧しました(図1)。 図2 感 水 紙 (青い点がドリフトした農薬) 図1 *液滴数は画像解析によりカウント (画像解析ソフト:Image J) 試験の実施状況 1 シャーレ付着量(μg/cm2) MEP(スミチオン) ダイアジノン アゾキシストロビン 0.1 0.9713 y = 4 E-0 6 x R 2 = 0 .9 9 17 0.01 y = 5 E- 06 x 1 .0 3 9 1 2 R = 0.96 2 0 .9 2 6 7 y = 4 E- 0 6x R 2 = 0 .9 2 3 4 0.001 0.0001 1 10 100 1000 感 水 紙 の 液 滴 数 10000 100000 ・感水紙の液滴数と農薬のド リフト量には高い相関が認 められました。 ・蒸気圧の高いダイアジノン は、飛散中に一部が揮発し ていると推察されました(図 3)。 今後、農薬のドリフト量を 推定することで、農作物の残 留濃度をチェックする方法を 検討します。 図3 感水紙の液滴数とドリフト量の関係 (資源環境研究部 土壌環境G、技術普及部 普及調整G TEL 0853-22-6788、6941)