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精度と効率性を極めた卸売業トップ企業のPALTACの次なる戦略
INTERSYSTEMS SUCCESS STORY InterSystems Caché 株式会社 PALTAC RDC 中部 精度と効率性を極めた卸売業トップ企業のPALTACの次なる戦略 −EC時代の流通全体の最適化を支えるCaché− 化粧品・日用品、一般用医薬品の卸売業トップのPALTACは、これまでロジスティクスで競合企業を圧倒してきた。 独創性に溢れる物流センターと、先進的なIT活用によって、高品質かつ低コストの流通プラットフォームを実現。 サプライチェーンの効率化に寄与してきた。流通業が本格的なEC革命の波にさらされるなか、さらなる効率性の 追求と店頭起点の流通全体の最適化を目指して、PALTACは進化しつづける。 10数年前に達成した99.999%の 精度はもはや当たり前の 物流品質になった PALTACが手掛けているオペレーションは、と を15年余り前から実現している。多数の特許に お客様ご紹介 象徴される独創的な物流技術と、斬新なIT活用 に裏打ちされたロジスティクソリューションがこ れを可能にしている。 もっとも、近年はファイブナインとも称される出 にかく細かい。国内外1,100社余りのメーカー 荷 精 度を声 高にアピ ー ルすることはなくなっ から仕入れる商品は65,000アイテムを超える。 た。 「当社はこの分野で先頭を走り、しっかりと これを各地の物流センターで仕分けてから届け した仕組みを構築してきた。しかし、競合企業も る小売企業は全国で3,000社以上。店舗や物 ほぼ同等のレベルまで追いついてきている」 と 流拠点など実際に納入する先は約5,400カ所 PALTAC常務執行役員の新谷尚志情報システ にも及ぶ。流通量は1日約500万個を数える。 ム本部長は指摘する。 小売業から寄せられる注文は多品種少量でバリ たしかに、物流機器メーカーなどによって同様 株式会社 PALTAC 常務執行役員 情報システム本部 本部長 新谷 尚志 氏 エーションに富む。このためPALTACの物流セ の管理手法が流通業界全体に普及した。基幹シ ンターでは、メーカーの工場からまとめて納入 ステムの 作 業 指 示を、無 線LANでハンディー 株式会社PALTAC される商品の多くをバラや小箱単位でピッキン ターミナルや重量検品機能付きのピッキング台 http://www.paltac.co.jp/ グし、かつ小売業の店頭で品出し作業をやりや 車に飛ばし、作業工程の要所でスキャン検品を 本社所在地 すいように、カテゴリー別に分類して納品する。 繰 り 返 し て 物 流 品 質 を 高 め る、と い っ た 大阪市中央区本町橋2番46号 この膨大な作業を処理するため、全国15カ所 PALTACと同様のこうした取り組みが珍しいも 設立 に RDC(Regional Distribution Center)と のではなくなっている。 呼ぶ大規模な物流センターを設置している。各 このためPALTACとしても、ファイブナインの 拠 点 へ の 投 資 額 は50億 円 を 超 え、な か で も 納品精度はもはや基本サービスの一部と位置 2011年に稼 働した「RDC横 浜」には 総 額126 づけ、もっと別の観点から顧客に価値を提供し 億円を投じた。延床面積6万平方メートルの施 ていこうとしている。 グス (現メディパルホールディングス) との経営 ング」 と 「ロジ スティクス」 に基 づく質 の 高 い レーションの効率化を徹底的に追求している。 CachéとCurlの組み合わせが実現した システム開発と処理の 異次元のスピード さ ら に、商 品 を 顧 客 に 納 品 す る 精 度 は 物流オペレーションの精度やスピードは、情報 時代の流通創造をめざしている。 99.999%。10万件に1回しかミスしない。効率 システムの 能 力と密 接に関 係している。現に と精度の両方を極めるというこの高い物流品質 PALTACは、業界随一のロジスティクス機能を 設内には、独自開発したマテハン機器や自動倉 庫装置が整然と並んでいる。 PALTACの 提 供するロジスティクスサ ービス は、流 通 過 程 のすべてからムダをなくすオペ 1928年12月 概要 創 業 以 来115年 の 歴 史をもつ、化 粧 品・日用 品、一 般 用 医 薬 品 卸 売 業 界 のトップ 企 業。 2005年に医薬品卸のメディセオホールディン 統合により、卸業界で初めて異なる専門卸が統 合する 「業態卸」へと進化。 「マーチャンダイジ サービスは、小売業、メーカーから高く評価さ れている。中間流通業としてサプライチェーン 全体を見据え、新しい流通価値を提供する、新 ■ PALTAC のシステム構成 発注勧告処理 勝尾 文哉 氏 株式会社 PALTAC 情報システム本部 IT 戦略部 マネジャー 高橋 秀行 発注処理 小売業 メーカー 株式会社 PALTAC 情報システム本部 IT 戦略部 部長 受注処理 出荷処理 データ ベース 仕入処理 受発注ファイル 在庫マスター 入出荷ファイル 入荷処理 ピッキング処理 配送処理 etc. EDI 対応卸売総合システム「SAMS」 氏 支えるため1年間に5億件の売上データを処 の開発の選択が柔軟に行え、時代に即して進 そのものが消滅しかねない。ネット通販のモ 理している。作業スピードが競争力に直結す 化 さ せ ることが で きる」今 後 も「Caché」を ノの流れにどう対応していくかは、PALTAC る卸売業にとって、この膨大なデータ処理を ベースに自社開発の「SAMS」は進化を続け、 にとって大きな経営課題だが、見方を変えれ 迅速にこなせるITが不可欠だ。 PALTACの競争力の根幹を支える。 ば、ネット通販の台頭が中間流通業にまったく 新たなビジネスチャンスを拓く可 能 性もあ PALTACの ロ ジ ス ティクス を 支 える の は、 「SAMS」 (EDI対応卸売総合システム) と呼ば る。PALTACは、EC向けの物流サービスもこ 庫管理システムや、商流系の受発注機能など 卸として川上と川下の両方を見据えて EC店舗まで含む 流通全体の最適化に寄与 を含む仕組みで、同社はこれを一貫して自社 このようにPALTACのロジスティクスの基盤 次のように述べている。 「卸というのは情報の 開発してきた。そしてこの「SAMS」 に全面的 は10数年前から変わっていない。物流ネット 宝庫。ところが今までは、この情報を十分に に採用されているのがインターシステムズの ワークの整備という意味でも、効率性の追求 活用できていなかった。ストアソリューション データベース管理システム 「Caché」である。 れる業務系の基幹システムである。物流セン ターにおける入出庫や在庫管理を制御する倉 うした機会であると捉え、この分野にも積極 的に踏み込む考えだ。 さらに、新谷本部長は、今後の展開について という意味でも、ほぼ完成型に近づいている。 である 『PARS』をもつことは、デ ータ活 用 の 「Caché」を導入したきっかけは、PALTACの それだけに今後、ロジスティクスで競合他社 点でも強みである。データ活用が今後の鍵で 前身企業の1社である新和が92年にMUMPS とさらに差を広げていくのは難しくなってい あり、ロジスティクス内にある膨大な情報を、 言語を採用したことまで遡る。その後、新和 る。PALTACは、これまでの強みを生かした 小売業の視点も加え分析し有益な情報を提 は、世の中でオープン化が叫ばれるより以前 今後の戦略について、既に舵を切っている。 供することで、小売業とメーカーをつなぐ役 に、いち早く汎用コンピュータをパソコン中 効率化という点では、オペレーションの効率 割を果たしたい。お客様へ情報提供をする上 心のネットワークに移管。すでに定評のあった 化は、既に極限まで追求してきている。現在 でもCachéのスピードは武器になる 」 と、流 物流システムなどをMUMPSで開発したプロ は、コスト管理、管理手法の分析を行い、この 通全体の最適化を目指した情報提供と新たな グラムで動かすようになった。 分野でのさらなる効率化を図ることに注力し サービスの提供に取り組む意欲を示した。 汎用コンピュータのメーカー SEとしてSAMS ている。 PALTACは、今後も、流通業界でのロジスティ の導入にも関わり、後にPALTACに転じた情 また、PALTACのリアル店舗向けの業務支援 クスサービスの先端を走り続ける。 報システム本部IT戦略部の勝尾文哉部長は、 には定評がある。自社開発した小売業システ 当時をこう振り返る。 「まだまだ、基幹系業務 ムの「PARS」 には、店舗を丸ごと運営できる機 にオープン系製品の適用を不安視する時代、 能とノウハウが盛り込まれており、すでに数社 まず情報系の仕組みでMUMPSの性能評価 の小売業に提供している。ここでも「Caché」 を実施。それに手応えを得て、基幹系の物流 の技術が全面的に使われている。 業務への転用を決めると、あとは一気に進め IT戦略部の高橋秀行マネジャーは、 「『PARS』 ていった。オープン系での開発基盤が不足し は流通全体の最適化を目的としている。小売 ていた時代に、MUMPSをベースとして開発 業の業務だけを効率化するのではなく、当社 基盤を整備し効率的な開発を進めているのに の物流センターを含めて流通全体のコストを は驚いた。」 最適化する。それが当社の目指すところであ MUMPSはCachéとなり、PALTACは、そ の り、当社のサービスとワンセットで使ってもら 後も新和時代に構築したものを基盤に自社開 うからこそ効果がある」 と、サプライチェーン 発を重ねながら、物流と情報システムを精度 全体として効率化できる強みを強調する。 と効率性を極限まで追求した「SAMS」へと進 最近ではインターネットを駆使して商品を通 インターシステムズジャパン株式会社 〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-10-1 化させてきた。近年、UI開発で「Curl」を採用 信販売するEC(eコマース)の台頭も無視で し、開発と性能面でさらなるスピードアップを きなくなっている。一部のネット通販大手は、 TEL:03-5321-6200(代) 実現した。勝尾部長は、Caché採用のメリット 自ら大 規 模 な 物 流センターを構えて、ユ ー InterSystems.com/jp/ について、以下のように話す。 「Cachéは、変 ザーからの注文を出荷まで一貫して手掛ける 化に強いデータベースで、メンテナンス性が フルフィルメント事業者としても急成長して よい。ビジネスロジックは全てCachéで動か いる。 すことで、スマートフォンなどのフロント部分 こうした販売チャネルでは卸売業の存在価値 日土地西新宿ビル15F InterSystems Caché は、米国インターシステムズ社およびその子会社の登録商標です。 Copyright©2016 InterSystems Corporation. All rights reserved. 16-01