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071116 pbl(renal) LI

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071116 pbl(renal) LI
PBL Unit.2 Case.6
on Fri, 16 Nov 2007
05211036
シナリオの病理診断設定
renal cell carcinoma / granular cell carcinoma
G2, pT2, INFa v(+)
,
組織学的分類(WHO 分類 1998 年)
[1]
良性腺腫
Renal cell benign adenoma
腎細胞癌
乳頭状/管状乳頭状腺腫
オンコサイトーマ
後腎性腺腫
淡明細胞癌
顆粒細胞癌
嫌色素細胞癌
紡錘細胞癌
or 肉腫様癌
嚢胞随伴性腎細胞癌
乳頭状腎細胞癌
Renal cell carcinoma
(RCC)
Papillary/tubulopapillary adenoma
Oncocytoma
Metanephric adenoma
Clear cell carcinoma
Granular cell carcinoma
Chromophobe cell carcinoma
Spindle cell[sarcomatoid] carcinoma
Cyst-associated renal cell carcinoma
Papillary renal cell carcinoma
集合管癌(Bellini 管癌)
Collecting-duct carcinoma
組織学的分類(The Heidelberg classification 1997 年)
[5]
carcinoma type
clear cell
chromophil cell
chromophobe cell
growth type
cell of origin
近位尿細管
(腺房)
sarcomatoid(肉腫様)
acinar
papillary
sarcomatoid
近位尿細管
(充実)
tubular(腺管)
皮質集合管間在細胞
(胞巣)
皮質集合管間在細胞
solid
WHO
clear cell
spindle cell
の一部
granular の一部
papillary
cyst の一部
granular の一部
incidence(%)
75-85
cyst
12-14
4-6
chromophobe
sarcomatoid
oncocytoma
collecting-duct
nest
pallirary
sarcomatoid
髄質集合管細胞
benign adenoma
の一部
granular の一部
2-4
granular
1
collecting-duct
の定義が曖昧で,chromophobe cell,papillary cell と混用されていたこと,papillary(乳頭状)が必ずしも
papillary を示さないことも 10%あることから,国際的に現在では The Heidelberg Classification が推奨されており,ここ
5 年以内に出された主要⽂献も上の表に基づいている。実際,UICC(国際対ガン連合)は,Granular cell carcinoma は
oncocytoma, chromophobe, papilallry, collecting-duct のいずれかに他ならないとし,「もはや分類に残す必要はない」
としてこの名称を使わないことを薦めている。また sarcomatoid については,全ての分類において悪性度が⾼くなったものと
され,やはり使用は薦められていない。
granular cell
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PBL Unit.2 Case.6
on Fri, 16 Nov 2007
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組織学的異型度 This case: G2
[1][4]
腫瘍細胞の核の異型度(正常尿細管上⽪細胞核と⽐較してどのくらい異なるか)によって,Grading をする。G1 の 5 年⽣存
率は 86%,G4 の 5 年⽣存率は 24%。
G1
G2
G3/G4
尿細管の核と同程度。核⼩体形成が⾒ 尿細管の核より概して大きい。 核の不
られ,軽度の不整や多形性が⾒られる。
られ,軽度の不整や多形性が⾒られる。 整,多形性は著しく,奇形性・巨形成が
⾒られる。
尿細管の核より⼩さい。
腫瘍細胞核の形態上の異型度。”G”は Grade の G
G2 と G3 が混在している時,G2 が多数の場合 G2>G3,G2 が圧倒的多数の場合 G2>>G3 と書く。
組織学的浸潤増殖様式
[1]
INF This case: INFα, v(+)
注)インターフェロン interferon=IFN 浸潤 infiltration?
INFα
INFβ
INFγ
病巣が膨張性の発育を示し,非癌周囲 病巣の発育進展状態が α 型と次の γ 型の 病巣がその発育先進部において,細胞単
組織との間が明確に境されるもの。 中間にあたるもので,病巣は中小の胞巣 位で,あるいは微小胞巣状に浸潤増殖し
状の細胞集団として周囲組織に進展して ているもの。
いるもの。
さらに静脈浸潤がある場合 v(+),ない場合 v(-)とする。
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組織学的構築型
[1]
胞巣型 alveolar
腺管型 tubular
血管性間質に囲まれた大小胞巣から成り,腺腔形成乏しい。 胞巣構造を呈し,腺腔形成が⾒られる。
嚢胞型 cystic
乳頭型 papillary
血管を軸として乳頭状発育する。
大小の嚢胞を形成する。
充実型 solid
胞巣構造が不明瞭で,細胞が密に充実性に増⽣。
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病理組織学的 pTNM 分類 This case: pT2 pN0
[1]
pT1
原発腫瘍を認めない
最大径が 7.0cm 以下で,腎に限局する腫瘍。
4.0cm 以下で pT1a,4.0〜7.0cm で pT1b。
pT2
最大径が 7.0cm を超え,腎に限局する腫瘍。
pT3
腫瘍は主静脈内に進展,または副腎に浸潤,または腎周囲脂肪組織に浸潤するが,Gerota 筋膜を超えない。
pT0
pT3a
pT3b
pT3c
腫瘍は副腎または腎周囲脂肪組織 腫瘍は腎静脈または横隔膜下まで 腫瘍は横隔膜を超える下大静脈内
または腎洞脂肪組織に浸潤するが, の下大静脈内に進展。
に進展。
Gerota 筋膜を超えない。
pT4
腫瘍は Gerota 筋膜を超えて浸潤する
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Pathological Catalog of Renal cell carcinoma (based on The Heiderbelg classification)[2][3][4]
Clear cell Renal cell carcinoma
Granular cell carcinoma
■ 最もよく⾒られる型で,70-80%
■ 好酸性顆粒を有する
■ 近位尿細管由来
UICC(国際対ガン連合)は「もはや分類に残す必要がない」
として用いないよう薦めている。
■ 核の異常は少なく,核⼩体を持たない小さい核(G1)
■ 脂質,グリコゲンを豊富に含んでいるため細胞質が淡明
■ tubular, cystic が多い。
■ 血管中隔を中心に胞状に増殖しているのが診断の目安。
■ von Hippel-Lindau 病患者の 1/3 が⽐較的若年で発症。
■ 染色体 3p の欠損がしばし認められる。
Chromophil(Papillary) Renal cell carcinoma
■ 2番目に多く⾒られる型(10-15%)
■ 近位尿細管由来
■ 好酸性ないし好塩基性顆粒を持つ。
■ papillary, tubular
■ 各乳頭中央には血管がしばし認められる。
■ 細胞は⼩さく,核の割合が大きく⾒える。
■ 原因は,染色体 7q31 の MET 癌遺伝子
■ 3,7,12,17 染色体などの trisomy が⾒られる
Chromophobe cell Renal cell carcinoma
■ 最近(1985)分類に加わった新しい型。5%。
■ 皮質集合管間在細胞由来
■ 小さな eosinophilic cell と大きく明るい pale cell。
■ この型は男⼥⽐に性差なし。
■ 予後は他の型と⽐較して良好。
■ solid, tubular
■ 核は通常。核⼩体が⾒える。(G2)
■ 1,2,6,10,13,17,21 染色体などに monosomy
■ Hale のコロイド鉄染色陽性
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Collecting-duct carcinoma
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Renal cell oncocytoma
■ Bellini adenocarcinoma とも
■ 髄質集合管上皮細胞由来
■ 好酸性の基質
■ リンパ浸潤がしばしば認められる。
■ papillary,集合管様管形成
■ 多形性の核(G3/G4)
■ 1, 6, 14, 15, 22 染色体の欠損
※図はいずれも[1]より。
■ 皮質集合管間在細胞由来
■ 胞巣性
■ 多くの場合,良性。
■ 好酸性の 豊かな細胞質
■ Hale のコロイド鉄染色陰性
■ 奇形,多核などが⾒られることあり
腫瘍に関する用語の再確認
carcinoma
kα:sэno'umэ
sarcorma
sα:ko'umэ
benign
bэna'in
malignancy mэli'gnэns
malignant
mэli'gnэnt
癌。上皮細胞由来の悪性腫瘍。
肉腫。非上皮性の悪性腫瘍。
良性
悪性腫瘍
悪性
Reference.
[1]: General Rule for Clinical and Pathological Studies on Renal Cell Carcinoma (The 3rd Edition)
[2]: Robbins and Contran Pathologic basis of disease (The 7th Edition)
[3]: Oxford Textbook of Clinical Nephrology (The 3rd Edition) Volume 3
[4]: UROLOGIC SURGICAL PATHOLOGY
[5]: The Heidelberg classification of renal cell tumours. Kovacs G, Akhtar M, Beckwith BJ, et al. J Pathol 1997;
183: 131-133. Medline 9390023
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