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「人脈交流の推進」と「有益な 情報の共有」 - International Cooperative

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「人脈交流の推進」と「有益な 情報の共有」 - International Cooperative
Q3&4
2015
Overview
ICMIF2015年第3および第4四半期活動報告
今回のICMIF四半期活動報告は、2015年第3四半期と第4四半期の活動状
況を合わせてご報告いたします。2015年下半期は、各種イベントの開催と
影響力行使関連活動の両方で、きわめて実りの多い成果を上げることがで
きました。皆様にはぜひご高覧のうえ、ご意見ご感想をくだされば幸いです。
「人脈交流の推進」と「有益な
情報の共有」
2015年下半期のハイライトは、10月6日から9日にかけて
アメリカ・ミネアポリスで開催されたICMIF総会でした。
スライベント・フィナンシャル社をホスト団体として開催された総会には、世界35カ
国85団体から270名以上が参加しました。講演者数は70名を超え、その3割以上を
女性が占めました。これは保険業界のイベントでは珍しい現象で、まさに協同組合/
相互扶助組織の違いを示したといえるでしょう。総会後のアンケートでは5点満点で
4.1点の高評価を頂戴しました。ICMIFウェブサイトに、講演やプレゼンテーションを
含む総会の動画や写真を掲載しました。管理職研修や人材開発、戦略会議などでの
参考資料としてもぜひお役立てください。
次のページもご覧ください
ICMIF総会の基調セッション「責任ある資本主義が意味するもの」のパネリスト
(2015年
10月、アメリカ・ミネアポリス)
International Cooperative and
Mutual Insurance Federation
ICMIFの組織と 管理体制に関
する報告
ICMIF理事会とエグゼクティブ委員会は、2015年10月のミネアポリス総会を前に会合を開き、ICMIFの目標達成状況の評価を行いまし
た。会合ではユニセフとの募金パートナーシップ、新しく作成した「グローバルマニフェスト」と規制問題対応マニュアル、マイクロインシュ
ランスの取り組み「5-5-5開発戦略」、人材開発支援事業「リーダーシップ+」の各事業に対する支持が表明されました。
今後の目標については、より多くの会員団体をグローバルなレベルでの影響力行使活動に引き込む重要性を確認する一方で、
「グローバ
ル500」に名を連ねる協同組合/相互扶助の保険組織にICMIFへの加入を呼びかける取り組みを強化することで全員が一致しました。
2015年10月のICMIF理事会で、下記7団体の新加入が承認されました。
団体名
国
会員種別
地域
ムツア・マドリレーニャ社
スペイン
正会員
ヨーロッパ
全国大学生協共済生活協 日本
同組合連合会(大学生協
共済連)
正会員
アジア・オセアニア
SPT保険
メキシコ
正会員
ダン相互扶助組合
アルゼンチン
アジア・アフィニティ・ホー
ルディングス社
上記7団体の新加入により、ICMIF
の会員数は226となりました。地域
別内訳は下記のとおりです。
地域
会員数
北米・ラテンアメ
66
ヨーロッパ
84
ラテンアメリカ
中東・アフリカ
28
正会員
ラテンアメリカ
アジア・オセアニア
40
香港
準会員
アジア・オセアニア
国際団体
8
コープライフ社
スリランカ
準会員(マイクロインシュ
アジア・オセアニア
合計
226
ダーン財団
インド
オブザーバー会員(マイク
アジア・オセアニア
ICMIF理事(2015年~2019年)
2015年から2019年までを任期とするICMIF理事を下記表に示します。2015年10月に4名(黄色のハイライト表示)が新理事に任命
されました。
氏名
所属団体
所属団体での役職
国
アンデルス・スンドストロム氏(会長) フォルクサム社
前最高経営責任者
スウェーデン
ブラッド・ヒューイット氏(副会長)
スライベント・フィナンシャル社
最高経営責任者兼社長
アメリカ
マイク・ジャクソン氏(副会長)
PPS社
最高経営責任者
南アフリカ
ケン・ング氏(副会長)
NTUCインカム社
最高経営責任者
シンガポール
ヒルデ・フェルナイレン氏(副会長)
P&V社
最高経営責任者
ベルギー
アリス・アリップ氏
CARD MRIグループ
代表
フィリピン
キャシー・バーズウィック氏
コーポレーターズ社
社長兼最高経営責任者
カナダ
ドゥニ・ベルティオーム氏
デジャルダン・セキュリテ・フィナン
シエール社
社長兼最高経営責任者
カナダ
クリス・ブラック氏
FMG社
最高経営責任者
ニュージーランド
フリードリッヒ・カスペルス氏
R+V保険グループ
最高経営責任者
ドイツ
ロベルト・カストロ・イラルド氏
ムルチプレス保険
社長
プエルトリコ
アルノー・シュネバイス氏
GEMA
事務局長
フランス
ジャン=ルイ・ダヴェ氏
MGEN社
最高経営責任者
フランス
トム・ギトゴ氏
CIC社
最高経営責任者
ケニア
アルフレド・ゴンザレス・モレド氏
AACMS
理事長
アルゼンチン
キム・ヨン・ボク氏
農協生命
最高経営責任者
韓国
サラー・エル・ディン・ムサ氏
シェイカン保険
最高経営責任者
スーダン
リンゼー・シンクレア氏
MFUミューチュアル社
最高経営責任者
イギリス
ピエルルイジ・ステファニーニ氏
ウニポールグループ
社長
イタリア
中世古 廣司氏
全労済
理事長(代表理事)
日本
勝瑞 保氏
JA共済連
代表理事理事長
日本
マーク・サマーフィールド氏
コーペラティブ保険(CIS)
最高経営責任者
イギリス
ウォルフガング・ワイラー氏
HUK-コーブルグ社
最高経営責任者
ドイツ
新興市場関連ニュース
2015年7月にエチオピアのアジスアベバで
第3回国連金融開発会議が開催されました。15日にマルガレータ・
ワルストロム氏(国連国際防災戦略事務局長)
を座長として開かれ
た「災害強靭化投資と持続可能な開発」をテーマにしたセッション
には、ICMIF新興市場担当上級責任者のサビエ・パテル氏がパネリ
ストとして参加しました。
ICMIFは今後5年間に新興5カ国で500万世帯の貧困層に保険を
普及させることを目的とした「5-5-5マイクロインシュランス開発戦
略(5-5-5戦略)」を発足させましたが、その会合が8月24日と25日
の2日間、インドのムンバイで開かれました。会合では、戦略の第1
弾としてインドとフィリピンを対象に実施した現状評価の結果を検
討しました。また、資金や支援の提供をどの程度得られるか把握す
るために、関心を持っていると思われる団体組織との話し合いの場
を設けました。
10月のICMIF総会では、世界に何百万人といる保険未加入者あ
るいは保障内容が不十分な保険加入者のためになるような保険
の開発をテーマにしたセッションで、5-5-5戦略への支持を呼びか
けました。相互扶助の理念に基づいた包摂的保険の可能性を考察
し、ICMIF会員の支援と能力を活用してインドとフィリピンの2カ国
での解決策を探る方法を議論しました。インド側からはアップリフト・
ミューチュアルズ社のクマー・シャイラブ氏が、フィリピン側からは
CARD社のフリオ・ホセ・バンゾン氏が、それぞれプロジェクトマネー
ジャーとして現状評価作業について報告し、どのような支援を必要
としているか説明しました。また、支援参加への関心を高めるため
に、セッションと並行してICMIF会員団体との個別会合を開きまし
た。これら結果をもとに支援参加の方法をまとめ、近日中に発表す
る予定です。
ほか、12月2日には、COP21公式イベント「リマ・パリ行動計画」
の気候変動に対する強靭性をテーマにしたセッションでも取り上
げられました。12月4日は、リマ・パリ行動計画の民間金融をテー
マにしたセッションで、ICMIF事務局長のショーン・ターバック氏が
5-5-5戦略について発表し、メディア向けの説明会も開催しました。
メディア向け発表の内容は、ICMIFウェブサイト
(www.icmif.org)
に掲載されています。ICMIFはさらに、5-5-5戦略が2015年の
ドイツサミットで採択された「気候リスク保険拡充イニシアティブ
(InsuResilience=保険と強靭性を組み合わせた造語)」の一部
となる可能性を指摘しました。このイニシアティブは、2020年まで
に途上国の気候変動に脆弱な人々に対する保険を4億人拡充する
ことを目標としており、そのうち3億人は行政の、残りの1億人は民
間の責務とされています。500万世帯(2,500万人)
を目標とする
5-5-5戦略は民間責任分の4分の1に相当するため、イニシアティ
ブに対する大規模な貢献を表明した初めてのケースとして、メディ
アおよびCOP21参加者の両方から大きな関心を集めました。
第3回国連金融開発会議でのサビエ・パテル氏(2015年7月、エチオピア・
アジスアベバ)
2015年12月のICMIF開発ネットワークセミナーは、5-5-5戦略の
発足年を記念し、同戦略をテーマとして開催され、インド、フィリピン
両国における現状評価作業の最新情報など、戦略の実施状況が報
告されました。12月7日から9日にかけてスリランカのコロンボで開
かれた第1回ICMIF/AOA相互扶助の理念に基づく包摂的保険シ
ンポジウムでは、インドとフィリピンの各戦略案が報告されました。
また、残りの3カ国(スリランカとケニアは決定、ラテンアメリカの1
国については選考中)に関する話し合いもスタートしました。
11月末から12月にかけてパリで開催された国連のCOP21で
も、5-5-5戦略が大きな関心を集めました。藩基文国連事務総長が
中心となって立ち上げた「気候変動に対する強靭性イニシアティ
ブ」を発表するセッション(11月30日)で同戦略が取り上げられた
第1回ICMIF/AOA相互扶助の理念に基づく包摂的保険シンポジウムの参加者(2015年12月、スリランカ・コロンボ)
ICMIFアメリカ協会
1. ICMIFアメリカ協会第23回年次総会が2015年8月12日から14日の2日半にわたり、メキシコシティーで開催されました。
「変化と革
新を受け入れ、将来を確保する」をスローガンに、PRYBE社をホスト団体として開かれた総会には、北米・ラテンアメリカと域外の15か国
から120名以上が参加し、総会後のアンケートでは5点満点で4.7点というきわめて高い評価を得ました。基調講演では、世界的に著名な
未来学者ジャック・ウルドリッチ氏が、技術革新の動向と保険への影響を論じました。メキシコにおけるソルベンシーIIの実施状況を話し合
うパネルディスカッションや、革新技術の採用、新興リスク、優れた人材の獲得などをテーマにしたセッションなどを含め、合わせて21名
が講演・発表し、19名がパネリストとして登壇しました。総会の全講演とセッションならびに総会の様子を撮影した写真はICMIFウェブサイト
(www.icmifamericas.org/conference)に掲載されています。
2. 2015年8月に、ウニメド保険(ブラジル)最高経営責任者のラファエル・モリテルノ氏ががんのため亡くなりました。ICMIFでは10月の
会員総会で、ICMIFアメリカ会長も務めていたモリテルノ氏の業績をたたえる追悼行事を執り行いました。行事では動画や写真で故人を偲
び、世界各国のICMIF会員団体から寄せられた追悼の辞をポルトガル語に翻訳した追悼帳を、ご遺族およびウニメド保険の代表として行事
に参列した同保険役員のマウリ・アパレシド・ラファエリ氏に手渡しました。追悼行事の様子と追悼帳の一部抜粋はICMIFのウェブサイトで
ご覧になれます。
3. ICMIF総会直前の2015年10月6日、ICMIFアメリカ協会理事会のメンバーがICMIF理事の北米・ラテンアメリカ代表とミネアポリスで
会合を持ちました。会合では、アメリカとカナダの協同組合/相互扶助の保険組織に特有の課題とニーズに対応するサービスやプログラム
の充実を目的とした北米戦略の開発について意見を交換しました。新戦略は、北米における会員基盤の拡大を目指しています。
4. ICMIFの「5-5-5戦略」の対象国としてラテンアメリカ・カリブ海地域から1国を選出する件で、ICMIFアメリカ協会とラテンアメリカ再保
険グループ(LARG)がICMIF開発委員会の作業に協力しています。作業では、対象国のほか、対象国を支援する会員団体の選考も進めて
います。
ICMIFアメリカ協会
第23回年次総会の参
加者(2015年8月、
メキシコシティー)
ICMIF会員総会で
故ラファエル・モリ
テルノ氏への弔辞を
述べるエド・ポッタ
ー氏とヘオルヒナ・
ディアス氏(2015
年10月、アメリカ・
ミネアポリス)
ICMIFアメリカ協
会事務局長 エ
ド・ポッター氏
「影響力の行使」活動ニュース
B20/G20
2015年11月14日と15日の両日、
トルコのアンタルヤでG20首脳会議とG20ビジネス
サミット
(B20)が開催されました。B20にはショーン・ターバック氏、デジャルダン・グループ
(カナダ)の会長兼社長兼最高経営責任者で国際協同組合同盟新会長に選出されたモニ
ク・F・ルルー氏を含む6名が、協同組合/相互扶助組織の代表として参加しました。14日の
会議セッションでは、3回の発言機会を得て意見を述べることができ(発言機会は全体で9
回のみ)、B20における協同組合/相互扶助組織のプレゼンスを高めただけでなく、2016
年のG20議長国である中国に対して存在をアピールすることができました。
B20作業部会がまとめた勧告案は9月に公表されましたが、G20首脳会議には19の最終
勧告案が提出されました。そのうち、ICMIFが強く訴えてきた金融成長作業部会に保険専
門の下部部会を設立する勧告案を含む13案が採択されました。勧告案の実施は2016年
議長国である中国に引き継がれるので、ICMIFは中国のB20委員会に書簡を送り、保険下
部部会の設立において中心的役割を担う用意があることを伝えました。ICMIFの発言力増
大にむけての第一歩となることが期待されます。
G20ビジネスサミット
(B20)でのICAとICMIFの
代表(2015年11月)
国連
ICMIF はCOP21で、ここ数か月間の国連関連活動の中でもトップに位置付けられる成果
を上げました。COP21では世界195カ国が、世界の気温上昇を産業革命以前の水準から
2度未満に抑えることを目標とした温暖化対策を取ることで合意しました。気温上昇がそれ
を上回ると、危険レベルの気候変動が発生して地球上の生命体を脅かすと考えられてい
るため、COP21の歴史的合意は地球の将来を守るうえで重要な前進となりました。ICMIF
は、保険が果たしうる役割に関する議論や話し合いに大きく貢献しました。
COP21が開幕した11月30日には、世界150の国と地域の首脳がフランスのオランド大
統領と藩基文国連事務総長の歓迎を受け、首脳級会合に参加しました。この会合では、保
険会社XLグループ最高経営責任者でジュネーブ協会(世界の主要保険会社の経営者で
構成される)会長のマイケル・マクガビック氏が3分間のスピーチを行い、その中でICMIFと
5-5-5戦略に言及しました。
開幕日には、前出「気候変動に対する強靭性イニシアティブ」を発表するセッションがありま
した。災害を予測し、ショックを吸収し、開発の見直しを行い、気候変動リスクを軽減しよう
とするこのイニシアティブは、予測、吸収、見直しの英単語の頭文字を取って「A2R」とも呼
ばれます。国際保険学会 (IIS)とICMIFを代表してセッションに出席したマイケル・マクガビッ
ク氏(前出)は、国連事務総長と各国首脳に対して、民間の役割が期待される「A2R」に保
険業界として取り組む決意を表明し、強靭性に関する今後の活動に必要な知識やスキルを
有している保険業界だからこそ、気候変動の影響への備えを世界中の人々に提供すること
ができ、緊急の課題としてこれに取り組んでいると述べました。また、カリブ海諸国巨大災
害リスク保険機構やアフリカリスクキャパシティのような活動を通じて保険業界が経験を積
み重ねていること、前出「気候リスク保険拡充イニシアティブ(InsuResilience)」と協力
していることも伝え、ICMIFの5-5-5戦略を取り組みの一例として紹介しました。
COP21の気候変動金融セッションで発言するシ
ョーン・ターバック氏
C0P21パリ会議での藩基文事務総長とヤノシ
ュ・パストール事務総長補佐をはじめとする国連
チーム
ショーン・ターバック氏は、国連の気候変動枠組条約担当事務総長補佐、ヤノシュ・パストー
ル氏が主催し、フランスのサパン蔵相とファビウス外相が出席したセッションで、保険業界
とICMIFの取り組みについて詳しく述べる機会を持ちました。
(詳細はICMIFブログページ
内の同氏ブログ「気候変動の議論に大きく関わった保険業界」をご覧ください。)
気候変動金融セッションでのメディア向け説明会では、スマート・リスク投資プロジェクトと
5-5-5戦略に関する説明が大きな関心を集めました。ICMIFは、国際保険学会やウィリス再
保険など著名組織・企業との協力体制を構築したおかげで、強靭性やグリーンボンドをテー
マにしたセッションで発言の機会を得ることができました。
COP21でパリ協定の採択を祝うファビウス議長ら
今や世界各地の政治家や市民社会、関係者は、保険業界こそがリスクや強靭性、気候変動
への対応という分野で協力するべき相手であると認めるようになっています。これは保険に
とって歓迎するべきことであり、協同組合/相互扶助の保険組織としてもこの分野における
専門知識を示すことで、世界各国における保険普及率を高める取り組みに貢献することが
できます。COP21では、保険業界が総力を結集して必要な活動を行い国連や国連機関に
提言を行う組織「保険開発フォーラム」の創設が発表されました。ICMIFもこのフォーラムを
通じて発言していきます。
COP21の気候変動金融セッションでは、国連気候変動サポートチームが2015年10月に
発表したレポート「気候変動金融における民間の動向」をもとに議論が進められました。こ
のレポートは、低炭素社会・気候変動に対する強靭性のある社会への移行を推進するうえで
民間金融サービスが果たせる役割をテーマにしたもので、ICMIFもレポート作成に協力しま
した。そのため、スマート・リスク投資プロジェクトも取り上げられています。
国連関連ニュースでは、国連環境計画が2015年10月に「持続可能な金融システムの設
計に関する調査」報告書を発表し、世界的に大きな関心を呼んでいることをお知らせしま
す。関係する諮問委員会の委員を務めたキャシー・バーズウィック氏(カナダ・コーポレータ
ーズ社社長兼最高経営責任者)も報告書の一部を執筆しました。報告書の内容は10月の
ICMIF総会でも発表されました。
最後に、アナ・ゴンザレス=ペライス氏(ケンブリッジ大学持続可能性リーダーシップ研究所
フェロー)
とセバスチャン・フォン・ダーレン氏(保険監督者国際機構グローバルなシステム
上重要な保険会社アナリスト作業部会座長)が共同執筆したレポート「持続可能な開発・発
展のための保険監督:気候変動リスクや自然災害からいのちとくらしを守る」
(ケンブリッジ
大学出版)
をご紹介します。このレポートは、国連金融開発会議(前出)で発表されたもの
で、ともにICMIF会員のCARD MBA社(フィリピン)
とアップリフト・ミューチュアル社(イン
ド)がケーススタディーとして取り上げられています。著者は2015年1月にICMIFがブリュ
ッセルで開催した開発セミナーで両社首脳から話を聞き感銘を受けたため、
レポートで取り
上げることを決めました。同セミナーでは、ICMIFのサビエ・パテル氏も著者のお二人と知己
を得たため、7月の国連金融開発会議への出席が決まりました。
レポートは国際的に高い評
価を得ており、続編の執筆も計画されています。
国連気候変動サポートチームが発表したレポート「
気候変動金融における民間の動向」
国際協同組合同盟(ICA)
国際協同組合同盟の総会が2015年11月、G20首脳会議/ビジネスサミットの開催に合
わせてトルコのアンタルヤで開かれました。ICMIFからはショーン・ターバック氏が出席した
ほか、ICAに加盟するICMIF会員団体も顔を揃えました。ターバック氏はICMIFの体制や影
響力行使活動に関するスピーチを行い、ICMIFの事業内容をICA理事に説明しました。ま
た、ICMIF会員のICA加盟を促すために、ICMIFとICAの両方に加盟する場合に特別な会
費算出方法を採用することで合意しました。
「持続可能な開発・発展のための保険監督」レポート
総会では6年間にわたり陣頭指揮を執ってきたポーリン・グリーン会長が任期を2年残して
退任し、後任にモニク・F・ルルー氏が選出されました。ルルー氏はICMIF会員であるカナ
ダ・デジャルダングループの会長兼社長兼最高経営責任者で、会長の任期は2年です。ル
ルー氏とターバック氏はB20作業部会などでも密接な協力関係を構築しているため、今
後、ICMIFとICAとの関係強化が期待されます。
中国のフォーラムで相互扶助の理念に基づいた保険を説明
世界でも有数の保険大国である中国に近い将来、国内初の協同組合/相互扶助の保険組
織が誕生する可能性が高まってきました。2015年11月18日、中国保険監督管理委員会・
開発改革局主催国際フォーラムが上海大学で開催され、監督機関や研究者、保険業界から
120名が参加しました。ICMIF会員であるフランスの医療保険事業MGEN社の最高経営
責任者、ジャン=ルイ・ダヴェ氏とICMIF対外関係担当責任者のリズ・グリーン氏も登壇し、
協同組合/相互扶助の保険組織を発展させるために海外の事例に学ぶことをテーマにした
講演を行いました。協同組合/相互扶助の保険組織を発展させるうえで欠かせない国内環
境の整備を支援するために、MGEN社とICMIFは保険監督管理委員会に対する継続的助
言を行っています。
上海大学でのフォーラムで講演するジャン=ルイ・
ダヴェ氏
ラテンアメリカ
ICMIFと会員団体の代表は、2015年上半期に開かれたラテンアメリカ保険監督者協会の
会議で各国の監督者と意見を交換し、相互扶助の理念に基づく保険の重要性と世界の保
険市場で協同組合/相互扶助の保険組織が大きな割合を占めている現状を説明しました。
その後、ペルーの監督当局は、協同組合/相互扶助の保険組織の開発を妨げている市場参
入障壁の調査を開始しました。当局は、法的その他の参入障壁が特定されればそれを撤廃
したいとしており、ICMIFは当局に対する支援と助言を継続して行う予定です。
規制問題対応マニュアルが完成
ICMIFは、協同組合/相互扶助の保険組織が自国保険監督当局に対して相互扶助の理念に
基づいた事業モデルを説明する際に利用できる「相互扶助の理念に基づいた保険を理解
するための実践ガイドブック」と題するマニュアルを作成しました。ICMIFの経験によると、
世界各国の保険監督者や規制当局は相互扶助の理念に基づいた事業モデルについて十
分な知識を有していないことが多く、とくに協同組合/相互扶助の保険組織の市場占有率が
低い国でこのようなケースが顕著に見られます。マニュアルはICMIF国際関係担当責任者
のキャサリン・ホック氏が執筆したもので、欧州委員会域内市場・サービス総局保険年金局
の前局長、カレル・ファン・ヒューレ氏が序文を寄せています。その中でヒューレ氏は保険監
督について、協同組合/相互扶助の保険組織の規模に比例し、その特徴を配慮するような
形で行われるべきだと述べています。ICMIFは、協同組合/相互扶助の保険組織を対象とし
た法的枠組みが存在しない国、例えば中国で、相互扶助の理念に基づいた保険の概念を説
明するための資料としてもこのマニュアルを利用する予定です。
規制問題フォーラム・ラテンアメリカ部会でのキャサリ
ン・ホック氏(2015年)
International Cooperative and
Mutual Insurance Federation
‘A Global Reach for Local Strength’
A practical guide to
understanding mutual insurance
保険監督者国際機構(IAIS)
ガバナンス作業部会は保険コアプリンシプルのレビューの中で、協同組合/相互扶助の保
険組織に関する部分の書き直しを決定しました。ICMIFは、ICMIFとAMICE(ヨーロッパ
の協同組合/相互扶助の保険組織の連合体)が提案したガイドラインに沿ったものとなる
ことを期待しています。IAISはコアプリンシプルの見直しに関して意見募集を行いました
が、ICMIF会員団体がこれに参加したことが書き直しを後押ししたものと思われます。書き
直しの進捗状況については、今後、随時お知らせしていきます。
Edition 1
ICMIF発行のマニュアル「相互扶助の理念に基づい
た保険を理解するための実践ガイドブック」
経済協力開発機構(OECD)
OECD保険私的年金委員会の夏会合(2015年6月)で、スライベント・フィナンシャル社(ア
メリカ)法務部長のポール・ジョンストン氏がガバナンスに関する特別セッションに出席し、
同社の組織構造と組合員との関係構築方針について発表しました。その後、アメリカの保
険監督官やIAISその他関係者とも会談し、スライベント社の事業モデルについてより突っ
込んだ説明をする機会を持ちました。保険私的年金委員会に民間保険会社とともに出席す
ることは、協同組合/相互扶助の保険組織全体の利益になると考えます。同委員会の冬会
合は12月にパリで開かれましたが、同時期にパリでCOP21が開催中だったこともあり、気
候変動と保険の役割に焦点を当てた内容となりました。保険監督のセッションでは、ICMIF
のショーン・ターバック氏とキャサリン・ホック氏のほか、協同組合/相互扶助の保険組織
を代表してコヴェア社(フランス)のステファヌ・コセ氏も出席しました。ICMIFはこのよう
に、OECD保険私的年金委員会の重要な一員としての発言力を確保しています。
スライベント・フィナンシャル社(アメリカ)法務部長 ポール・ジョンストン氏
欧州連合
2015年10月に欧州議会でAIM(国際共済組合協会)主催の会議が開かれました。ベネン
デン・ヘルス社(イギリス)
コミュニケーション担当責任者のポール・キーナン氏とICMIFのキ
ャサリン・ホック氏が登壇し、相互扶助の理念に基づく保険が先進国、新興国を問わず消費
者に違いをもたらしていると論じました。
ホック氏は10月にアメリカのミネソタ大学応用経済学部に招かれ講義をしました。また、欧
州議会の欧州進歩研究財団が資金提供するプロジェクトで、社会が直面するエネルギー、
医療、住宅問題、金融サービス、農業などの課題に対する協同組合/相互扶助組織としての
解決策を考えるワークショップにも参加しています。このプロジェクトは、協同組合/相互扶
助組織の促進を目指すイギリスのシンクタンクミューチュオが監督しています。ワークショッ
プの結果をまとめた報告書は2016年に発表の予定です。
ベネンデン・ヘルス社(イギリス)
コミュニケーション担
当責任者 ポール・キーナン氏
人材開発支援事業「リーダーシップ+」
ICMIFの新事業ポテンシャルコースは、2015年3月にベ
ルギーのP&V社で開催され高い評価を受けた第1回に続
き、第2回コースがスウェーデンのフォルクサム社で開か
れ15名が参加しました。アンケートでは5点満点で4.9点
というきわめて高い評価を得ました。
11月16日から20日にかけて、ラセグンダ社(アルゼンチ
ン)の研修団29名がイギリスを訪れ、ICMIFが組み立てた
研修プログラムに参加しました。研修は、優秀な成績を上
げた営業職員への報奨旅行として企画されました。
ポテンシャルコースの様子
研修プログラムは、ビジネスに関するレクチャーやチームビルディング教育のほか、ロッチデ
ール協同組合博物館見学など盛りだくさんの内容で、報酬旅行としての楽しみだけでなく、
協同組合/相互扶助組織の事業に対する理解を深める機会ともなりました。
ICMIFウェブサイトでICMIF会員団体のみを対象とした人材開発支援事業「リーダーシップ
+」の詳細をぜひご覧ください。www.icmif.org/networking/leadership-plus
イベントスケジュール
次回ICMIFマネージメントコースは2016年5月8日~13日にマンチェスターで開催されま
す。参加希望者は担当者のマイク・アシャースト氏([email protected])
までご連絡くださ
い。ウェブサイト
(http://www.icmif.org/AMC2016)からも申し込み可能です。
2016年は、マネージメントコースをイギリス国外でも開催することが決定しました。ICMIF
とNTUCインカム社の共催で2016年11月7日~11日の期間、シンガポールで開催されま
す。マネージメントコースに合わせてポテンシャルコースも開催の予定です。詳しくは担当
者のマイク・アシャースト氏までお問い合わせください。
2016年5月25日と26日の2日間、イギリスのヨーク市でコミュニケーション・フォーラムと
規制問題フォーラムが開催されます。ホスト団体はベネンデン・ヘルス社です。内容等詳細
は担当者のリズ・グリーン氏([email protected])
までお問い合わせください。
第23回MORO(再保険会議)が2016年6月6日~8日の期間、ロンドンで開催されます。会
場は金融街シティーにあるダブルツリーヒルトンです。詳細は担当者のマイク・アシャースト
氏までお問い合わせください。
2016年10月11日から13日にかけて、第3回協同組合国際サミットがカナダ・ケベックシテ
ィーで開かれます。ICMIFはサイドイベントとして10月12日(午後2時~5時)に保険フォー
ラム「行動力を証明する:協同組合としてのチャレンジ」を開催します。近いうちに、フォーラ
ム講演者の選定などフォーラム開催に必要な作業を開始する予定です。フォーラム講演者
は国際協同組合サミットにも無料で参加できます。
ICMIFアメリカ協会の年次総会が2016年11月30日から12月2日の日程でペルーの首都
リマで開催されることが決定しました。詳細はウェブサイトをご覧ください。
www.icmif.org/events/icmifamericas2016
国際協同組合保険連合(ICMIF)
本部: イギリス チェシャー州 ボウドン
Denzell House
Dunham Road
Bowdon, Cheshire WA14 4QE
United Kingdom
ホームページ:www.icmif.org
電話: +44 (0) 161 929 5090
ファックス: +44 (0) 161 929 5163
International Cooperative and
Mutual Insurance Federation
‘A Global Reach for Local Strength’
事務局長 ショーン・ターバック
E-mail:[email protected]
イギリス・マンチェスターのICMIF事務
局を訪れたラセグンダ社研修団
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