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LR1 エネルギーと水を大切に使う

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LR1 エネルギーと水を大切に使う
LR1 エネルギーと水を大切に使う
1. 建物の工夫で省エネ
1.1 建物の熱負荷抑制
評価内容
暖冷房エネルギーの削減度合いを評価するため、外界との熱の出入りを抑制する性能を評価対象とす
る。評価基準は「Q1.1.1.1 断熱性能の確保」と同じである。
評価レベル
レベル
レベル1
レベル2
レベル3
レベル4
レベル5
基準
日本住宅性能表示基準「5-1 省エネルギー対策等級」における等級1を満たす。
日本住宅性能表示基準「5-1 省エネルギー対策等級」における等級2を満たす。
日本住宅性能表示基準「5-1 省エネルギー対策等級」における等級3を満たす。
日本住宅性能表示基準「5-1 省エネルギー対策等級」における等級4を満たす。
レベル4を超える水準の断熱性能を満たす。
【加 点 条 件 の有 無 】
※無 し
【条 件 によるレベル変 更 】
※無 し
【評 価 対 象 外 】
※無 し
解 説
暖 冷 房 負 荷 を削 減 するための建 物 の基 本 性 能 として、断熱性能 を評価する。
レベル1から4まで
レベル1から4までの基 準 は「住 宅 の品 質 確 保 の促 進 等 に関 する法 律 」に規 定 する日 本 住 宅 性 能 表 示 基 準 の評
価 方 法 基 準 における「5-1省 エネルギー対 策 等 級 」に準 ずることとし、断 熱 地 域 区 分 ごとに定 められた以 下 のいずれ
かの基 準 で評 価 する。
① 年間暖冷房負荷
② 熱損失係数等
③ 熱貫流率等
具 体 的 な基 準値 及 び算 出 方 法 については、日 本 住 宅 性 能 表 示 基 準 の評 価 方 法 基 準 を参 照 のこと。さらに詳 しい
算 出 方 法 は、「住 宅 の省 エネルギー基 準の解 説 」(IBEC)で詳 細 に解 説 されている。また、「PartⅢ 2.2評 価 のための
参 考 資 料 」に断 熱 地 域 区 分 を示 す。
日 本 住 宅 性 能 表 示 基 準 「5-1省 エネルギー対 策等級」
省エネルギー
対策等級
暖冷房に使用するエネルギーの削減のための断熱化等による対策の程度
等級3
等級2
エネルギーの大きな削減のための対策(エネルギーの使用の合理化に関する法律の規
定による建築主の判断の基準に相当する程度)が講じられている
エネルギーの一定程度の削減のための対策が講じられている
エネルギーの小さな削減のための対策が講じられている
等級1
その他
等級4
レベル5
レベル5の基 準 は、「住 宅 事 業 建 築 主 の判 断 の基 準 」の断 熱 性 能 区 分 に準 じ、次 の表 に示 す熱 損 失 係 数 以 下 で
あることする。
105
レベル5の基 準「エネルギーの使 用 の合理 化に関 する法 律 」における「住 宅 事 業 建 築 主 の判 断 の基 準 」に示 された
「断 熱 性 能 の区分 」の内 、地 域 を区 分 毎 に以 下 の区分 を満 たすこと。
地域区分
Ⅰa、Ⅰb
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳa、Ⅳb
Ⅴ
Ⅵ
断熱性能の区分
(オ)
(エ)
(エ)
(エ)
(エ)
(オ)
備考(熱損失係数(W/㎡K)の目安)
1.4以下
1.6以下
2.1以下
2.1以下
2.1以下
3.7以下
(所定の日射遮蔽措置を施すこと)
ここで、Ⅵ地 域 の基 準 における「所 定 の日 射 遮 蔽 措 置 」とは、窓 の日 射 遮 蔽 措 置 が、下 記 ①②のいずれかに該 当
することとする。
① 窓 の夏 期日 射 侵 入 率 を面 積 加 重 平 均 した値 が、住宅全体 で0.30以下 であること。
夏期日射侵入率(面積加重平均値)
0.30以下
② 各 窓 のガラスの仕 様 、カーテン等 の付 属 部 材 の仕 様 及 びひさし、軒 等 の日 除 けの組 合 せが、下 記 のいずれか
であること。
ガラスの仕様
普通単板ガラス
熱線反射ガラス(2種)
熱線反射ガラス(3種)
熱線反射ガラス(3種)
熱線反射ガラス(2種)
熱線反射ガラス(3種)
熱線反射ガラス(3種)
付属部材の仕様
外付けブラインド
レースカーテン ※1
―
レースカーテン ※1
外付けブラインド
内付けブラインド ※2
外付けブラインド
ひさし、軒等
無し ※3
有り
有り
有り
無し ※3
無し ※3
無し ※3
※1:内付けブラインド、外付けブラインド、障子を含む。
※2:外付けブラインド、障子を含む。
※3:ひさし、軒等有りの場合を含む。
なお、上 記 の熱 損 失係 数のほか、「住宅 事業 建 築 主 の判 断 基 準 ガイドブック」(IBEC)の「断 熱 性 能 等 判 断 資 料 」
に記 載 の他 の判 断 方 法 (熱 貫 流 率 など)により判断 することもできる。
(http://ees.ibec.or.jp/index.phpを参 照 。)
106
LR1 エネルギーと水を大切に使う
1. 建物の工夫で省エネ
1.2 自然エネルギー利用
評価内容
日射熱や自然風などの自然エネルギーを利用し、暖冷房エネルギーを削減することができる手法につい
て評価する。
なお、太陽熱給湯は「LR1.2.2.1 給湯機器」、太陽光発電は「LR1.2.5.2 太陽光発電システム」でそれ
ぞれ評価するため本項目では評価しない。
評価レベル
レベル
レベル1
レベル2
レベル3
レベル4
レベル5
基準
レベル3を満たさない。
(該当するレベルなし)
日射熱の利用により暖房エネルギーを 10%程度削減できる。
あるいは、自然風の利用により冷房エネルギーを 10%程度削減できる。
日射熱の利用により暖房エネルギーを 20%程度削減できる。
あるいは、自然風の利用により冷房エネルギーを 20%程度削減できる。
日射熱の利用により暖房エネルギーを 20%程度削減でき、
かつ、自然風の利用により冷房エネルギーを 20%程度削減できる。
【加 点 条 件 の有 無 】
※無 し
【条 件 によるレベル変 更 】
※無 し
【評 価 対 象 外 】
※無 し
解 説
自 然 エネルギーを利 用 して暖 冷 房 エネルギーを削 減 するためには、地 域 の気 候 特 性 や立 地 などの条 件 を勘 案 し
た上 で、適 切 に手 法 を計 画 する必 要 がある。
この計 画 手 順 と、見 込 まれる暖 冷 房 エネルギー削 減 効 果 が「自 立 循 環 型 住 宅 への設 計 ガイドライン」(IBEC)に示
されている。本 項 目 では、これに基 づき評 価 を行うこととする。
なお、本 評 価 方 法 とは別 に、地 域 の気 候 特 性 や立 地 などの条 件 に基 づき、自 然 エネルギーにより削 減 できる暖 冷
房 エネルギーを定 量 的 に試 算 できる場 合 には、その削減率 によって評価 してもよい。
以 下 に、「自 立 循 環 型 住 宅 への設 計 ガイドライン」に基 づく評 価 手 法 を、「日 射 熱 の利 用 」と「自 然 風 の利 用 」の順
に示 す。暖 房 エネルギーの削 減 効 果 は【日 射 熱 の利 用 】のSTEP6の表 における「暖 房 エネルギー削 減 効 果 」で、冷房
エネルギーの削 減 効 果 は【自 然 風 の利 用 】のSTEP3の表における「冷房エネルギー削減効果」で判断 する。
【日 射 熱 の利 用】
STEP1 日 射 熱 利 用 の条 件 確 認
日 射 熱 を有 効 に利 用 するためには、建 物 の断 熱 性 能 と集 熱 面 となる開 口 部 (以 下 「集 熱 開 口 部 」という。)面 積 が
一 定 以 上 であることが求 められる。具 体 的 には、次 の2つの条 件 を確 認 し、これらのいずれか一 つでも満 たされない場
合 は、「日 射 熱 の利 用 」による評 価 はできないこととする。
条 件 1: 「LR1.1.1 建 物 の熱 負 荷 抑 制 」でレベル4を満 たすこと。
107
条 件 2:延 べ面 積 に対 する集 熱 開 口 部 の面 積 の割 合 が10%以 上 であること。このときの集 熱 開 口 部 の方 位 ※ は、
真 南 から東 又 は西 に30°以 内 であること。
※「開 口 部 の方 位 」とは、開口 部 から屋 外 に向 かう法 線 の向 き(開 口 部 の両 端 を結 ぶ直 線 に垂 直 な方 向
で室 内 から屋 外 に向 かう向 き)をいう。
STEP2 パッシブ地 域 区 分 の選 択
建 設 地 を、次 の3区 分 から選 択 する。これは、冬 期 の日 射 量 と気 温 から地 域 の日 射 特 性 を区 分 したパッシブ地 域
(PSP)区 分 であり、当 該 建 設 地 の区 分 は、本 マニュアルの「PartⅢ3.2 評 価 のための参 考 資 料 (参 考 資 料 2)」に示
す都 道 府 県 ・市町 村 区 リストに基 づき選 択 することができる。
パッシブ地 域 (PSP)区 分
い地域 : 日射量が少なく寒い地域
ろ地域 : 日射量が多く寒い地域
は地域 : 日射量が多い地域
※愛知県内の各市町村のパッシブ地域は、豊田市(旧稲武町に限る)が(い)地域に、春日井市・豊田市(旧豊田市、
旧稲武町を除く)・犬山市・小牧市・大口町・扶桑町・設楽町・東栄町・豊根村は(ろ)地域に、それ以外は(は)地域に
該当する。
STEP3 日 照 障 害 の影 響 による立 地 区 分 の選 択
日 射 熱 を取 得・利 用 する効果 は、建 物 が受 ける日 照 障 害 の影 響 、すなわち建 物 の日 照 時 間 が大 きく関 係 する。こ
こでは、日 照 障害 の影 響 の程 度 により、立 地 を次の3つに区分 する。
日照障害の影響による立地区分
区分
立地1
立地2
立地3
日照障害の程度
日照時間の目安(冬至時)
日照障害の影響が大きく(50%程度)日
射熱利用が困難な立地
日照障害の影響が少なく(25%程度)日
射熱利用が可能な立地
日照障害の影響がなく(0%)
日射熱利用が容易な立地
3時間以上(例えば 10:30 から 13:30 の3
時間しか日照を得られない)
5時間以上(例えば 9:30 から 14:30 の5
時間日照を得られる)
終日日照を得られる
※日照障害の程度(%)は、冬期の日中(8時から17時程度まで)において、周囲に日射を遮る建物等がない場合に利用できる日
射量(総日射量)に対し、建物等に遮られ利用できない日射量の割合を示す。
なお、日 照 時 間 は、原 則 として日 影 図 などを用 いて建 物 ごとに確 認 する。ただし、南 側 が道 路 や公 園 に接 するなど、
明 らかに終 日 日 照 を得 られる場 合 は、確 認 することなく「立地3」と判断できる。
STEP4 建 物 の方 位 区 分 の選 択
日 射 熱 を取 得 ・利 用 する効 果 は、集 熱 開 口 部 が面 する方 位 が大 きく関 係 する。開 口 部 の方 位 は、地 域 区 分 に係
わらず真 南 から東 又 は西 に30°以 内 であることが集 熱 上 効 果 があり、この範 囲 を超 えると集 熱 量 は急 減 する。した
がって、集 熱 の対 象 となる開 口 部 の方 位 は、真 南 から30°以 内 であることを条 件 とし、その範 囲 内 において真 南 を基
準 として次 の2つに区分 する。
方位1 : 真南±15°
方位2 : 真南±30°(ただし方位1の範囲を除く)
STEP5 日 射 熱 利 用 手 法 の分 類
採 用 した日 射 熱 利 用 手 法 を、次 の3手 法 に分類 する。
手法1 : 開口部の断熱手法(開口部断熱性の向上)
手法2 : 開口部からの集熱手法(集熱開口部面積の増加)
手法3 : 蓄熱手法(蓄熱材の使用)
108
なお、日 射 熱 利 用 手 法 として評 価 するための要件 を以下 に示 す。
手法
要件
日照時間の目安(冬至時)
手法1
全 ての開 口 部 の熱 貫 流
率 が2.91(W/㎡K)以 下
であること。
仕様の例
・木製またはプラスチック製サッシ+複層(A6)ガラ
ス
・金属製熱遮断構造サッシ+低放射複層(A12)
ガラス
手法2
手法3
集 熱 開 口 部 面 積 が延 べ
面 積 の20%以 上 確 保 で
きること。
120(kJ/ ㎡ K) 程 度 以 上
の熱 容 量 の増 加 が見 込
まれる材 料 を蓄 熱 部 位
に用 いること。
真南±30°の方位に面する集熱面となり得る開
口部が対象
熱容量は下式により算出
熱容量(kJ/㎡K)=蓄熱部位の容積(m3 )×蓄熱
材の容積比熱(kJ/m3K)÷蓄熱部位の面積(㎡K)
※実 質 的 なエネルギー削 減 効 果 を得 るためには上 記 以 外 にも様 々な点 に注 意 を払 う必 要 がある。具 体 的 な
設 計 方 法 については「自 立 循 環 型 住 宅 への設 計 ガイドライン」などが参 考 となる。
STEP6 日 射 熱 利 用 による暖 房 エネルギーの削 減効果
以 上 により分 類 した「パッシブ地 域 区 分 」「立 地 」「方 位 」「手 法 」を基 に、下 記 表 から暖 房 エネルギーの削 減 効 果 を
求 める。手 法 は枠 内 のいずれかの組 み合 わせであれば良いこととする。
パッシブ
地域区
分
い地域
ろ地域
暖房エネ
ルギー削
減効果
手法の適用
立地3
方位1
立地2
方位2
方位1
方位2
立地
1
手法1
手法1+2
手法1+3
手法1+2+3
10%程度
手法1
手法1+2
手法1+3
20%程度
手法1+2+3
10%程度
手法1
手法1
20%程度
以上
手法1+2
手法1+3
手法1+2+3
手法1+2
手法1+3
手法1+2+3
10%程度
手法1
手法1
手法1+2+3
手法1+2+3
手法1+2
手法1+2+3
手法1+2
手法1+2
は地域
20%程度
手法1+3
手法1+3
手法1+2+3
以上
手法1+2+3
手法1+2+3
※立地1に該当する敷地では、日射熱利用の手法を適用しても暖房効果はほとんど見込むことができないため、ここでは評
価されない。
【自 然 風 の利 用】
STEP1 立 地 区 分 の選 択
建 設 する住 宅 の風 上 側 に卓 越 風 を遮 蔽 する建 物 があるかどうかなど、敷 地 周 辺 の状 況 により、自 然 風 の利 用 可
能 性 が変 わり、また、省 エネルギーに有 効 な手 法 が異 なる。ここでは、自 然 風 利 用 を評 価 するための立 地 条 件 を次 の
3つに区分 する。
立地1 : 自然風の利用が困難な過密・高層型の立地
立地2 : 自然風の利用に工夫が必要な過密型の立地
立地3 : 自然風の利用が容易な郊外型の立地
109
STEP2 自 然 風利 用 手 法 の分 類
採 用 した自 然 風 利 用 手 法 を、次 の5手 法 に分類 する。
手法1
手法2
手法3
手法4
手法5
:
:
:
:
:
直接的な自然風取り込み手法
間接的な自然風取り込み手法
屋根面を利用した自然風取り込み手法
温度差換気の利用手法
室内通風性能向上手法
自 然 風 利 用 手 法 の設 計 例 を以 下 に示 す。これらは、日 射 熱 利 用 と異 なり評 価 のための要 件 ではないが、上 記 の
手 法 に該 当 するかの判 断 の目 安 とする。
手法
自然風利用の設計例
・卓越風の方向を確認し、壁面、屋根面の風圧力差を検討し、風圧力差の大きい
2ヶ所以上に通風に有効な開口部を配置する。
・通風を確保したい部屋を風上側に計画する。
・適切な開口面積を確保する。
・卓越風の方向を確認し、卓越風が流れていく壁面にサンルームや出窓等を設置
し、風上側に開口部を設ける。
・卓越風の方向を確認し、卓越風が流れていく壁面に開口部を設け、フェンス、植
栽、袖壁等を設置してその部分の風圧力を高める。
・屋根面で風圧係数が負になる部分を確認し、天窓や頂側窓等を設ける。
手法1
手法2
手法3
・温度差換気をとるために十分な高低差のある高所と低所に窓を設ける。
・高所に大きな窓を設ける。
・高所の窓として、天窓、頂側窓、排気塔などを設置する。
・できるだけ開放的な間取りとし、通風に配慮した内部建具(引戸、欄間、格子戸、
開口付き扉など)とする。
手法4
手法5
※実 質 的 なエネルギー削 減 効 果 を得 るためには上 記 以 外 にも様 々な点 に注 意 を払 う必 要 がある。具 体 的 な
設 計 方 法 については「自 立 循 環 型 住 宅 への設 計 ガイドライン」などが参 考 となる。
STEP3 自 然 風 利 用 による冷 房 エネルギーの削 減効果
以 上 により分類 した「立 地 」「手 法 」を基 に、下記表から冷房エネルギーの削減効果 を求める。
冷房エネルギー
削減効果
10%程度
20%程度以上
手法の適用
立地1
手法4+5
立地2
立地3
手法2+3+5
手法1+5
手法2+3+4+5
手法1+2+5
(参 考 )上 記 基 準 を「自 立 循 環 型 住 宅 への設 計 ガイドライン」の目標レベルに置き換 えると下表となる。
レベル
基準
レベル3
「3.4 日射熱の利用」における目標レベル2、あるいは「3.1 自然風の利用」における目標
レベル1を達成する。
「3.4 日射熱の利用」における目標レベル3、あるいは「3.1 自然風の利用」における目標
レベル2を達成する。
「3.4 日射熱の利用」における目標レベル3、および「3.1 自然風の利用」における目標レ
ベル2を達成する。
レベル4
レベル5
※表 中 の数 字 は上 記 ガイドラインの節 を示 す。
110
LR1 エネルギーと水を大切に使う
2. 設備の性能で省エネ
2.1 暖冷房設備
2.1.1 暖房設備
独自基準
評価内容
暖房設備による暖房エネルギー消費量の削減対策を評価する。
評価レベル
レベル
レベル1
レベル2
レベル3
レベル4
レベル5
基準
レベル2を満たさない。
居間を含む一体的空間において、機器効率がレベル3を満たさない暖房設備を採用して
いる。
居間を含む一体的空間において、機器効率が一般的な暖房設備を採用している。
(該当するレベルなし)
居間を含む一体的空間において、機器効率が高い暖房設備を採用している。又は、木
質バイオマスを利用した暖房設備を採用している。
【加 点 条 件 の有 無 】
※無 し
【条 件 によるレベル変 更 】
※「Q1.1.3.1 適 切 な暖 房 計 画 」で主 要 な居 室 において、暖 房 設 備 を設 置 しなくても快 適 な温 熱 環 境 を確 保 する
ことができると判 断 され、暖 房 設 備 が不 要 と判断され全く計画されていない住宅の場合、レベル5と評価 する。
【評 価 対 象 外 】
※無 し
解 説
評 価 対 象 設 備 は、居 間 を含 む一 体 的 空 間 における暖 房 設 備 の内 、「Q1.1.3.1 適 切 な暖 房 計 画 」で評 価 した快
適 な温 熱 環 境 を確 保 するための「主 たる暖 房 設備」として使用 する機器 とする。
レベル1:機 器 効 率 が不 明 な場 合 。
レベル2:レベル3、レベル5相 当 の機 器 効 率 と判断できない場合。
レベル2の判 定 の目 安 は、以 下 のとおり。
【暖 房 設 備 が「LR1.2.1.2 冷 房 設 備 」で評 価 したものと同一(冷暖兼用機器)の場合】
・「LR1.2.1.2 冷 房 設 備 」でレベル1のもの
【暖 房 設 備 が「LR1.2.1.2 冷 房 設 備 」で評 価 したものと異なる場合】
・「LR1.2.2.1 給 湯 機 器 」でレベル2となる熱源機 による温水暖房
温 水 暖 房専 用 熱 源 機 の場 合 は、その機 器効率 が「LR1.2.2.1 給湯機器」のレベル2相当のもの
・電 気 ヒーター式 床 暖 房
・蓄 熱 式 電 気 暖 房 器
レベル3:暖 房 設 備 の機 器 効 率 が一 般 的 なものを採用 する場合、レベル3と評価 する。
レベル3の判 定 の目 安 は、以 下 のとおり。
【暖 房 設 備 が「LR1.2.1.2 冷 房 設 備 」で評 価 したものと同一(冷暖兼用機器)の場合】
・「LR1.2.1.2 冷 房 設 備 」でレベル3のもの
111
【暖 房 設 備 が「LR1.2.1.2 冷 房 設 備 」で評 価 したものと異なる場合】
・「LR1.2.2.1 給 湯 機 器 」でレベル3となる熱源機 による温水暖房
温 水 暖 房 専 用 熱 源 機 の場 合 は、その機 器効率 が「LR1.2.2.1 給湯機器」のレベル3相当のもの
・燃 焼 式 FFストーブ
・燃 焼 式 半 密 閉 型 ストーブ
レベル5:暖 房 設 備 の機 器 効 率 が高 いものを採用 する場合、レベル5と評価 する。
レベル5の判 定 の目 安 は、以 下 のとおり。
【暖 房 設 備 が「LR1.2.1.2 冷 房 設 備 」で評 価 したものと同一(冷暖兼用機器)の場合】
・「LR1.2.1.2 冷 房 設 備 」でレベル5のもの
【暖 房 設 備 が「LR1.2.1.2 冷 房 設 備 」で評 価 したものと異なる場合】
・「LR1.2.2.1 給 湯 機 器 」でレベル5となる熱源機 による温水暖房
温 水 暖 房 専 用 熱 源 機 の場 合 は、その機 器効率 が「LR1.2.2.1 給湯機器」のレベル5相当のもの
・再 生 可 能 な植 物 由 来 の材 料 を燃 料 として使用 している暖房
また、「Q1.1.3.1 適 切 な暖 房 計 画 」で主 要 な居室 において、暖房設備を設置 しなくても快適な温熱環境 を確保 す
ることができると判 断 される住 宅 の場 合 、レベル5と評価 する。
木 質 ペレットなどの木 質 バイオマスを燃 やすと、化 石 燃 料 と同 様 にCO 2 が発 生 するが、これは木 材 が大 気 中 から吸
収 したものであり、地 下 から掘 り出 された石 油 とは大 きく違 う。山 に再 び木 を植 えることで、伐 採 前 に相 当 する量 のCO 2
の吸 収 を続 けることができ、CO 2 の発 生 量 はプラスマイナスゼロとすることができる。このため、CO 2 削 減 の観 点 から、木
質 バ イオマスをエネルギーとして燃 焼 させる暖 房器具 についてもレベル5と評価 する。
暖 房 機 器 は、暖 房 専 用 機 ・冷 暖 房 兼 用 機 ・給 湯 暖 房 兼 用 機 など熱 源 機 の種 類 が多 様 な上 、放 熱 器 のバリエー
ションも数 多 く存 在 する。また、居 間 を含 む一 体 的 空 間 においても複 数 種 類 の暖 房 機 器 が併 用 されるケースも多 い。
上 記 以 外 の暖 房 設 備 を評 価 する場 合 には、機 器効率 をカタログ等 で確 認し、上記 の暖房 設備 と比較して評価 された
い。
112
LR1 エネルギーと水を大切に使う
2. 設備の性能で省エネ
2.1 暖冷房設備
2.1.2 冷房設備
評価内容
冷房設備による冷房エネルギー消費量の削減対策を評価する。
評価レベル
レベル
レベル1
レベル2
レベル3
レベル4
レベル5
基準
居間を含む一体的空間において、特に取組なし。
(該当するレベルなし)
居間を含む一体的空間において、機器効率が一般的な冷房設備を採用している。
(該当するレベルなし)
居間を含む一体的空間において、機器効率が高い冷房設備を採用している。
【加 点 条 件 の有 無 】
※無 し
【条 件 によるレベル変 更 】
※「Q1.1.2.2適 切 な冷 房 計 画 」で主 要 な居 室 において、冷 房 設 備 を設 置 しなくても快 適 な温 熱 環 境 を確 保 するこ
とができると判 断 され、冷 房 設 備 が不 要 と判断され全 く計画されていない住宅の場合、レベル5と評価する。
【評 価 対 象 外 】
※無 し
解 説
評 価 対 象 設 備 は、居 間 を含 む一 体 的 空 間 における冷 房 設 備 の内 、「Q1.1.2.2適 切 な冷 房 計 画 」で評 価 した快 適
な温 熱 環 境 を確 保 するための「主 たる冷 房 設 備」として使用 する機器 とする。
レベル1:レベル3、レベル5相 当 の機 器 効 率 と判断できない、あるいは、不明な場合。
レベル3及 びレベル5:統 一 省 エネラベルの多 段階評価 で評価 する。
レベル
レベル5
レベル3
エアコン
多段階評価3つ星以上
多段階評価2つ星以上
(参 考 )統 一 省 エネラベルの多 段 階 評 価 とトップランナー基準値(2010年 7月現在)
【注 意 】多 段階 評 価 及 び基 準 値 は、適 宜 見 直される場合があるため、最新の基準値 を参照のこと
統一省エネラベル
多段階評価
★★★★★
★★★★
★★★
★★
★
省エネ基準達成率
109%以上
100%以上109%未満
90%以上100%未満
80%以上90%未満
80%未満
113
トップランナー基 準 値
目標
年度
目標
基準値
2010 会計年度:冷暖房/壁掛け形 4.0KW 以下(APF 基準)
2012 会計年度:冷暖房/壁掛け形 4.0KW 超、壁掛形以外のもの、マルチエアコン(APF 基準)
冷暖房兼用形
冷房能力
~3.2kW
~4.0kW
~5.0kW
~6.3kW
~7.1kW
7.1kW 超
寸法規定
5.8
4.9
壁掛形
5.5
5.0
4.5
寸法フリー
6.6
6.0
壁掛形以外のもの
5.2
4.8
4.3
マルチエアコン
5.4
5.4
5.4
※寸 法 規 定 :室 内 機 の横 幅 寸 法 800mm 以 下 かつ高 さ 295mm 以 下 の機 種
※寸 法 フリー:上 記 以 外 の機 種
ルームエアコンのAPF・COPは、メーカーカタログの他経 済産業省資源エネルギー庁 webサイト「省エネルギー政 策
について(3)トップランナー制 度 」で機 種 毎 に確 認 できる。
http://www.enecho.meti.go.jp/policy/saveenergy/save03.htm
旧 式 の機 器 で最 新 の達 成 率 で判 断 できないものについては、原 則 レベル1評 価 となる。ただし、トップランナー基 準
に定 める方 法 に基 づき、独 自 に算 出 した達 成 率 を用 いて評価 してもよい。
トップランナー基 準 の対 象 ではない冷 房 設 備 (電気以外のエネルギーを暖房 の熱源 とするもの、高気密 ・高断熱住
宅 用 ダクト空 調 システム、多 機能 ヒートポンプシステムエアコン等 )については、冷 房 機 能 の機 器 効 率 をカタログ等 で確
認 し、冷 房 機 能 がほぼ同 等 であるトップランナー基準対象機器の目標基準値 を目安 として評価 する。なお、高断熱住
宅 用 ダクト空 調 システムについては、「住 宅 事 業 建 築 主 の判 断 の基 準 におけるエネルギー消 費 量 計 算 方 法 の解 説 」
(IBEC)に平 均 的な性 能 値 が示 されており、ここから求 められるCOPに基づいてレベルを判断 してもよい。
(参 考 )ヒートポンプ式 セントラル空 調 システムの2008年 7月時点 カタログデータ平均値
「住宅事業建築主の判断の基準におけるエネルギー消費量計算方法の解説」(IBEC)より
定格能力
定格消費電力
COP換算値
左記COPより求
(レベル3相当)
めたレベル5相
(W)
(W)
冷房
7100
2360
3.01
3.39
暖房
8000
2540
3.15
3.55
当のCOP
語句の説明
【COP】
消 費 電 力 1kW当 たりの冷 房 ・暖 房 能 力 (kW)を表 したもの。この値 が大 きいほど、エネルギー消 費 効 率 が良 く、省
エネ性 の高い機 器 といえる(COP=Coefficient of Performance)。
【APF】
通 年 エネルギー消 費 効 率 。JIS C 9612に基 づき、ある一 定 の条 件 のもとにエアコンを運 転 した時 の消 費 電 力
1kW当 たりの冷 房 ・暖 房 能 力を表 したもの。省 エネルギー法 で新 たに設 定 された2010年 度 目 標 製 品 の評 価 基 準 とし
て採用 された。
【トップランナー基 準 】
トップランナー基 準 は、省 エネ法 の中 で定 められているもので、エネルギー消 費 機 器 の製 造 又 は輸 入 の事 業 を行 う
者 に対 し、機 器 の目 標 とするエネルギー消 費 効 率 の向 上 を義 務 付 けた法 律 。対 象 となる品 目 ごとに、区 分 ごとのエネ
ルギー消 費 効 率 の目 標 値 と、目 標 を達 成 する年度が定められている。
114
LR1 エネルギーと水を大切に使う
2. 設備の性能で省エネ
2.2 給湯設備
2.2.1 給湯機器
評価内容
給湯機器によるエネルギー消費量の削減対策を評価する。
評価レベル
レベル
レベル1
レベル2
レベル3
レベル4
レベル5
基準
下記以外
電気温水器(通電制御型)
燃料系瞬間式給湯器
(該当するレベルなし)
燃料系潜熱回収瞬間式給湯器、電気ヒートポンプ式給湯機、太陽熱温水器、
太陽熱給湯システム(自然循環式/直接集熱、強制循環式/直接集熱、強制循環式/
間接集熱)
【加 点 条 件 の有 無 】
※無 し
【条 件 によるレベル変 更 】
※家 庭 用 コージェネレーションシステムを採 用 する場合は、LR1.2.5.1に従 い評価 する。
【評 価 対 象 外 】
※無 し
解 説
電 気 温 水 器 (通 電 制 御 型 以 外 )を採 用 する場 合、レベル1と評価 する。
なお、通 電 制 御 機 能 とは、給 水 温 度 等 の諸 条 件 から必 要 な湯 温 及 び湯 量 に沸 き上 げるための熱 量 を算 出 し、所
要 通 電 時 間 数 を算 出 して通 電 開 始 時 間 を制 御 する機能。メーカーカタログ等 で機能の有無 を確認 することができる。
なお、太 陽 熱 温 水 器 及 び太 陽 熱 給 湯 システムを利 用している場 合、評価 ソフトにおいては、まず、太陽 熱利用 と組
み合 わせて使 用 する給 湯 機 器 のレベルを選 択 する。さらに、太 陽 熱 温 水 器 又 は太 陽 熱 給 湯 システムのどちらか該 当
する方 を選 択 する。この入 力 は、評 価 レベルへの加 点 は行 われないが、ライフサイクルCO 2 排 出 量 の算 出 時 に、太 陽
熱 利 用 における効 果 が反 映 される仕 組 みとなっている。
(参考 )
電 気 ヒートポンプ式 給 湯機 は、過 去の湯 の使 用 量 を学 習 して翌 日 に必 要 な湯 を沸 かすが、リモコン(運 転 モード)の
設 定 により余 裕 分 を多 めに沸 かすことも少 なめに沸 かすこともできる。運 転 モードを各 メーカーが勧 める最 も効 率 的 な
モード(「省 エネモード」と呼 ばれるもの。メーカー・機 種 により呼 称 は異 なる。)に設 定 することで、さらに省 エネ効 果 を高
めることができる。
115
LR1 エネルギーと水を大切に使う
2. 設備の性能で省エネ
2.2 給湯設備
2.2.2 浴槽の断熱
評価内容
浴槽断熱による給湯エネルギー消費量の削減対策を評価する。
評価レベル
レベル
レベル1
レベル2
レベル3
レベル4
レベル5
基準
非断熱タイプの浴槽部分を断熱外皮の外側に露出して設置する場合。
(該当するレベルなし)
非断熱タイプの浴槽部分を断熱外皮の内側に設置する場合、あるいは断熱タイプの浴槽
部分を断熱外皮の外側に露出して設置する場合。
(該当するレベルなし)
断熱タイプの浴槽部分を、断熱外皮の内側に設置する場合。
【加 点 条 件 の有 無 】
※無 し
【条 件 によるレベル変 更 】
※無 し
【評 価 対 象 外 】
※浴 槽 が無 い場合
解 説
浴 槽 に貯 めたお湯 の保 温 性 が悪 いと、追 い焚 きが必 要 となることから、給 湯 エネルギー消 費 量 の増 加 に繋 がる。こ
の対 策 を評 価 するために、「浴 槽 の断 熱 性 能 の有 無 」と「住 宅 の断 熱 外 皮 と浴 槽 の位 置 関 係 」の組 み合 わせによりレ
ベル分 けを行 う。ここで評 価 される「浴 槽 の断 熱 性能の有無」は、次の条件を満 たすことを目安 として判断 する。
「浴 槽 の断 熱性 能 の有 無 の判 断 の目 安 」
浴 槽 内 のお湯 (42℃程 度 )の温 度 が2℃低 下 するのに4時間以上 であること。
(目 安 として、想 定 する外 気 温 度 が5℃の場合)
以 下 、浴 室 のタイプにより整理 する。2以 上 の浴室 を有 する場合は、利用率 が最も高い浴室で評価する。
在 来 工 法 浴 室 の場 合
原 則 として、非 断 熱 タイプ浴 槽 として評 価 する。在 来 工 法 浴 室 (湿 式 工 法 )は、現 在 でも広 く普 及 しているが、浴 槽
が接 しているブロックやモルタル、コンクリートへの放 熱 ロスが多 く見 込 まれる。これは、外断熱 工法の住宅や、置 き型の
浴 槽 を設 置 する場 合 も同様である。また、一 部 の部 材 にパネルを用 いる乾 式 タイプの在 来 工 法 浴 室 についても、非 断
熱 タイプ浴 槽 と判 断 する。ただし、上 記 の「浴 槽 の断 熱 性 能 の有 無 の判 断 の目 安 」を満 たすことが確 認 できれば、断
熱 タイプ浴 槽 として評価 することができる。
ユニットバスの場合 (断 熱 /非断 熱 両 タイプの区 別 は後 述)
① 非 断 熱 タイプユニットバス
浴 槽 が非 断 熱 であれば、非 断 熱 タイプ浴 槽 として評 価 する。浴 室 が1階 に設 置 され、浴 槽 が住 宅 の床 下 断 熱 外
皮 の外 側 に露 出 する場 合 は、レベル1と評 価 する。
一 方 、浴 槽 が断 熱 外 皮 の内 側 に設 置 されている場合は、レベル3と評価する。
② 断 熱 タイプユニットバス
浴 槽 が断 熱 タイプであれば、断 熱 タイプ浴 槽 として評 価 する。保 温 性 能 を高 めた浴 槽 が1階 に設 置 され、住 宅 の
床 下 断 熱 外 皮の外 側 に露 出 する場 合 は、レベル3と評価 する。
116
浴 槽 を住 宅 の断 熱外皮 内側に設 置 した場合 は、浴 槽 内 部 から見 て断 熱 層 が2重 になることから、レベル5と評価
する。
・なお、浴 槽 の断 熱 だけでなく、浴 室 の断 熱 まで含 めて「浴 槽 の断 熱 性 能 の有 無 の判 断 の目 安 」が確 保 されている
場 合 は、基 準 の「断 熱 タイプの浴 槽 部 分 」を「断熱 タイプの浴室部分」と読み替えて評価してもよい。
(参 考 1)浴 槽 と住 宅 断 熱 外 皮 の関 係 による評 価レベル
117
(参 考 2)断熱 タイプユニットバスの主 な仕 様 (2007年 9月時点)
浴 槽 の断 熱
・ 浴 槽 に断 熱 材 (発 泡 フォーム系 または真 空 断 熱 材 等 )を装 着 している等 、浴 槽 の保 温 性
能 に配 慮 しているもの。
浴 槽 蓋 の断 熱
・ 芯 材 に断 熱 材 (発 泡 フォーム系 または真 空 断 熱 材 等 )を用 いている等 、浴 槽 蓋 の保 温 性
能 に配 慮 しているもの。
防 水 パンの断 熱
・ 断 熱 シートを防 水 パン下 部 に敷 設 している、あるいは、防 水 パン裏 面 に断 熱 材 (発 泡
フォーム系 等 )を装 着 している等 、浴 室の保温性能 に配慮しているもの。
壁 パネル・天 井 パネル等 の断 熱
・ パネル裏 面 に断 熱 材 (発 泡 フォーム系 等 )、断 熱 シートを装 着 している等 、浴 室 の保 温 性
能 に配 慮 しているもの。
(参 考 3) 各 浴室 タイプのイメージ
在 来 工 法 浴 室 のイメージ
非断熱 タイプユニットバスの構造イメージ
118
断熱 タイプユニットバスの構 造 イメージ1
断熱 タイプユニットバスの構造 イメージ2
断熱浴槽蓋 模式図
防水パン断熱シート 模式図
119
LR1 エネルギーと水を大切に使う
2. 設備の性能で省エネ
2.2 給湯設備
2.2.3 節湯型機器及び給湯配管
評価内容
台所・浴室の節湯型機器、給湯配管及び追い焚き配管によるエネルギー消費量の削減対策を評価す
る。
評価レベル
レベル
レベル1
レベル2
レベル3
レベル4
レベル5
基準
(該当するレベルなし)
先分岐方式給湯配管を採用した場合。
ヘッダー方式給湯配管を採用した場合。
(加点条件を満たせば選択可能)
(加点条件を満たせば選択可能)
【加 点 条 件 の有 無 】
※あり
【条 件 によるレベル変 更 】
※無 し
【評 価 対 象 外 】
※無 し
解 説
ヘッダー方 式 給 湯 配 管 を採 用 した場 合 、通 常 、ヘッダーから先 の住 宅 設 備 機 器 に至 る配 管 径 を細 くすることがで
き、先 分 岐 方 式 に比 べて捨 て湯 の量 が少 なくなる。このため、ここでは先 分 岐 方 式 給 湯 配 管 の採 用 をレベル2、ヘッ
ダー方 式 給 湯 配 管 の採 用 をレベル3とした。さらに、下 記 の取 組 により加 点 することで、いずれも最 大 レベル5と評 価 す
ることができる。
【加 点 条 件 】
その1からその5、それぞれの条 件 を満 たすことで、レベルを最大3段階上 げることができる。
その1 台 所 用 水 栓 に節 湯型機 器 (「節湯 A」「節 湯 B」「節 湯 AB」)を採 用 している場 合 は、レベルを1上 げることができ
る。
その2 浴 室 用 水 栓 に節 湯型機 器 (「節湯 A」「節 湯 B」「節 湯 AB」)を採 用 している場 合 は、レベルを1上 げることができ
る。
その3 住 宅 の断 熱 外 皮 貫 通 部 から給 湯 機 器 までの給 湯 配 管 延 長 が5m以 下 である場 合 、又 は、断 熱 外 皮 の室 内
側 に給 湯 機 器 が設 置 されている場 合 は、レベルを1上 げることができる。
その4 住 宅 の断 熱 外 皮 貫 通 部 から給 湯 機 器 までの給 湯 配 管 に断 熱 がなされている場 合 、レベルを1上 げることがで
きる。
その5 浴 槽 の追 い焚 き配 管 全 般 に断 熱 がなされている場合、レベルを1上 げることができる。
加 点 条 件 における配 管 の断 熱 とは、給 湯 及 び追 い焚 き配 管 に発 泡 フォーム系 等 の断 熱 材 が施 されていることとす
る。以 下 に断 熱 材 、断 熱 材 一 体 型 配 管 の事 例 を示 す。
120
架 橋 ポリエチレンフォーム系 断 熱 材 の例
断熱材一体型配管の例(追 い焚 き用)
(通 称 :ペフ)
(通称:高断熱ペアチューブ)
語句の説明
【節 湯 型 機 器 】
住 宅 事 業 建 築 主 の判 断 の基 準 では、シングルレバー湯 水 混 合 水 栓 、ミキシング湯 水 混 合 水 栓 、サーモスタット湯
水 混 合 水 栓 のいずれかであり、かつ、下 表 に示 す節 湯 A、節 湯 B、節 湯 ABのいずれかの種 類 にあてはまるものを節 湯
型 機 器 としている。
節 湯 種 類 の定 義 ((社 )日 本 バルブ工 業 会 による)
121
LR1 エネルギーと水を大切に使う
2. 設備の性能で省エネ
2.3 照明・家電・厨房機器
評価内容
照明・家電・厨房機器によるエネルギー消費量の削減対策を評価する。
評価レベル
レベル
レベル1
レベル2
レベル3
レベル4
レベル5
基準
下記採点表による採点が、2点未満
(該当するレベルなし)
下記採点表による採点が、2点以上4点未満
下記採点表による採点が、4点以上7点未満
下記採点表による採点が、7点
[採 点 表 1]及び[採 点 表 2]に示 す5機 種の省 エネ基 準 達 成 率 、あるいは統 一 省 エネラベルの多 段 階 評 価 で評価
する(電 気 クッキングヒーターの場 合 は、ガスこんろではなく[採 点 表 3]で評 価 する)。5機 種 の合 計 点 数 を「採 点 」とし、
上 表 に照 らし合 せて評 価 する。なお、複 数 台 保 有 する場 合 は、当 該 住 居 において最 も使 用 率 が高 いと見 込 まれる1
台 のみを対 象 に評 価 する。
[採 点 表 1]
照明
器具
電気
冷蔵庫
多段階評価3つ星以
上、または LED 照明
多段階評価2つ星以
下
多段階評価3つ星以
上
多段階評価2つ星以
下
点数
2点
0点
[採 点 表 2]
電気
便座
液 晶・プラズマ
ブラウン管
ガス
こんろ
多 段 階 評 価 3つ星
以上
多 段 階 評 価 2つ星
以下
多 段 階 評 価 3つ 星
以上
多 段 階 評 価 2つ 星
以下
多段階評価3つ星
以上
多段階評価2つ星
以下
省 エネ基 準 達 成 率
100%以 上
省 エネ基 準 達 成 率
100%未 満
点数
1点
0点
テレビ
[採 点 表 3]
電 気 クッキング
ヒーター
点数
1点
0点
IHクッキングヒーター(こんろ口 数 の1/2
以上がIH加熱方式のもの)
上記以外
【加 点 条 件 の有 無 】
※無 し
【条 件 によるレベル変 更 】
※無 し
【評 価 対 象 外 】
※無 し
122
解 説
ここで対 象 とする5機 種 は、2010年 7月 時 点 でトップランナー基 準 の特 定 機 器 に指 定 されている設 備 機 器 から、特
にエネルギー消 費 量 が大 きく、生 活 必 需品 であるものを選 んだ(ただし、電 気 クッキングヒーターは指 定 されていないた
め別 基 準 とした)。
機 種 ごとに定 める省 エネ基 準 達 成 率 、あるいは多段階評価の結果 が採点表 に示 す基準を満 たせば2点か1点 と採
点 されるが、当 該機 器 を“保 有 していない”ことも同等として2点か1点と採点 することができる。
なお、「照 明 器 具 」については、居 間 を含 む一 体 的 空 間 の主 照 明 (ここでは、通 常 、同 時 に使 っている照 明 全 てを
指 す。)として用 いられる蛍 光 灯 又 はLED照 明 を評 価 することとする。対 象 となる照 明 器 具 が複 数 種 ある場 合 は、最 も
個 数 の多 い照 明 器 具 で判 断 する。最 も個 数 の多 い照 明 器 具 が蛍 光 灯 で、かつ、複 数 種 ある場 合 は、省 エネ基 準 達
成 率 が一 番 高 い種 類 で評 価 する。ただし、主 照 明 に白熱灯 が含まれる場合は、0点として評価 する。
本 評 価 は、評 価 する時 点 で公 開 されている最 新 のトップランナー基 準 の目 標 値 で判 断 することとする。原 則 、目 標
値 に対 し達 成 率 100%以 上 である場 合 を得 点 対 象 とするが、2006年 に始 まった「統 一 省 エネラベル」の表 示 対 象 製
品 の場 合 は、多 段 階 評 価 の3つ星 以 上 で得 点 できることとする。2010年 7月 時 点 では、エアコン、テレビ、電 気 冷 蔵
庫 、電 気 便 座 、蛍 光 灯 器 具 の5種 類 がこの対 象 製 品 となっており、それぞれの機 器 の目 標 達 成 率 に応 じて星 の数 が
決 まる仕 組 みとなっている。目 標 達 成 率 と星 の数 の関 係 は、毎 年 見 直 される。最 新 情 報 は、次 のホームページで確
認 できる(http://www.eccj.or.jp/labeling_program/otoku/otoku.pdf)。別 の製 品 についても、今 後 新 たに統 一 省
エネラベルの表示 対 象 製 品 として追 加 された場 合は、この考え方に従って判断 することとなる。
なお、各 家 電 機 器 の省 エネ基 準 達 成 率 は、メーカーカタログの他 、経 済 産 業 省 資 源 エネルギー庁 のトップランナー
制 度 の「省 エネ機 器 カタログ」の最 新 版 で機 種 毎 に確認できる。
(http://www.enecho.meti.go.jp/policy/saveenergy/save03.htm)
旧 式 の機 器 で最 新 の達 成 率 で判 断 できないものについては、原 則 0点 評 価 となる。ただし、トップランナー基 準 に定
める方 法 に基 づき、独 自 に算 出 した達 成 率 を用 いて評価してもよい。
また、類 似 製 品 であるがトップランナー基 準 の対 象 範 囲 外 である等 の理 由 により、達 成 率 が公 開 されていない機 器
についても、原 則 0点 評 価 とする。ただし、本 評 価 で得点される基準相当 の省エネ性能 があると判断できる場合は、得
点 することができることとする。
語句の説明
【トップランナー基 準 】
「LR1.2.1.2 冷 房 設 備 」の「語 句 の説 明 」参 照。
【省 エネラベリング制 度 】
トップランナー基 準 で定 められた目 標 値 に対 する各製品の達成度 を一般消費者 に伝えるための表示制度。
【統 一 省 エネラベル】
小 売 事 業 者 が製 品 の省 エネルギー情 報 を表示 するための制度。省 エネラベリング
制 度 がエネルギー消 費 効 率 の目 標 基 準 値 に対 する達 成 度 の表 示 であるのに対 し、
統 一 省 エネラベルは、現 時点 の同 種 製 品 全 体 の中 における省 エネ性 能 のレベルを5
段 階 で評 価 する。現 時 点 では、エアコン、テレビ、電気冷蔵庫 、電気便 座、蛍光灯器
具 が対 象 。星 の数 が多 いほど省 エネ性 能 が高 い。
統一省エネラベルの例
123
LR1 エネルギーと水を大切に使う
2. 設備の性能で省エネ
2.4 換気設備
評価内容
換気設備によるエネルギー消費量の削減対策を評価する。
評価レベル
レベル
基準
レベル1
(該当するレベルなし)
レベル2
(該当するレベルなし)
レベル3
一般の換気システムを採用している。
レベル4
一般の換気システムに比べ、消費電力が 70%以下の換気システムを採用している。
レベル5
一般の換気システムに比べ、消費電力が 40%以下の換気システムを採用している。
注)ここで評価対象とする換気システムは全般換気であり、局所換気は含めない。
【加 点 条 件 の有無 】
※無 し
【条 件 によるレベル変 更 】
※無 し
【評 価 対 象 外 】
※無 し
解 説
採 用 する換 気 システムの年 間 消 費 電 力 量 (単 位 換 気 量 当 たり)を計 算 し、下 表 の基 準 値 と比 較 することにより評
価 を行 う。
レベル
レベル3
レベル4
レベル5
年間消費電力量(単位換気量あたり)
5(kWh/年・(m 3 /h))より大きい
5(kWh/年・(m 3 /h))以下
2(kWh/年・(m 3 /h))以下
年 間 消 費 電 力 量 は、例 えば、次 の式 で計 算 する。複数のシステムが設置されている場合は、全てを積算する。
年 間 消 費 電 力 量 (kWh/年 ・(m 3 /h)) = Σ{システム消費電力 (W) × 年間システム稼働率 (-)}
× 24(h/日 ) × 365(日/年 )
÷ {気積(m 3 ) × 換気回数 (回 /h)}÷1000
システム消 費 電 力 :換 気 システムの定 格 消 費 電 力 。通 常 、カタログなどに掲 載 されている。不 明 な場 合 はメーカー
に問 い合 わせる。
年 間 システム稼 働 率 :ハイブリッド換 気 のように自 然 換 気 を併 用 する場 合 、あるいは消 費 電 力 が変 動 する場 合 など
は、年 間 当 たりのシステム稼働率 を別途求めて定格消費電力 に乗じる。
気 積 :建 物 全 体 の気 積 。建 築 基 準 法 の換 気 規定対象のみならず、全気積 を対象 とする。
(参考 )
基 準 と し た 年 間 消 費 電 力 量 は 、 現 在 の 標 準 的 な 換 気 シ ス テ ム の 消 費 電 力 量 を 延 べ 床 面 積 130 ㎡ の 住 宅 で
120W程 度 と考 え、この値 の、70%、40%以 下 の消費エネルギーの場合 を、それぞれレベル4、5とした。
124
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