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第3次金融オンラインとOKITAC-2300シリーズ/ATMシリーズの開発

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第3次金融オンラインとOKITAC-2300シリーズ/ATMシリーズの開発
OKID06S-03
★沖電気120年 ╱6章 4.5.6.
新33回
2002年 7月26日
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内市場の開拓は思いどおりには進まなかった。
一方,海外市場における競争力は円高によって低下し,ファクシミリ事業は損失を
出していた。海外生産への転換が求められたが,最大の市場であるアメリカでの現地
生産は現実性が乏しく,結局,沖電気のファクシミリ海外現地生産は,199
6年のオキ
(UK)プリンタ工場での生産開始を待たなければならなかった。
5.情報システムの高度化
第3次金融オンラインとOKI
230
0シリーズ
TAC経営体質改善計画は, データ機器で繁栄する という目標を掲げた。ここでいうデ
ータ機器の中核SBUとされたのが,金融端末(金融システム)であった。197
9
(昭和
54
)年度における各SBUの売上高・利益をみると,ともに金融SBUが最大であり,PPM
析では
金のなる木
に位置づけられていた。第2次金融オンラインの営業店シス
テムとして,OKI
130
0およびOKI
00
を開発し,多くの需要を獲得してい
TACTAC-12
た金融端末事業は,情報処理の基盤事業としてシェアを堅持し,収益を維持すること
が期待されたのである。
198
0年代に入って,金融オンラインの環境は大きく変化しつつあった(図6-1
5)。
1つは,金融自由化の進展によって,証券業務の開始,市場金利連動型預金の発売,
バンクカードなど,第2次オンラインの設計段階では予想もしなかった業務が登場し
たことで,第2は,I
C技術の発展やネットワークなどにおける技術革新が,システム
5.情報システムの高度化
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★沖電気120年 ╱6章 4.5.6.
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図6-15 金融機関のオンラインの変遷
年 1
9
6
46
5666
76
869707
17
2737
47
57
6777
87
98
0818
28
38
4858
68
78
88
99
09
1929
39
49
5969
79
89
9
第2次オンライン
世 バッチ 第1次オンライン
(
預金の科目別オンライン
(
預金/
為替・貸付の
処理
代
移行,
為替・
貸付の一部移行) 全オンライン化)
預金端末(
ワイヤードロジック制御)
第3次オンライン
(
一線完結,漢字化,
対外接続,
情報系)
ポスト第3次
オンライン
ポータブル端末
預金為替端末(
ワイヤードロジック制御)
(通帳証書発行機)
PBI
11
0
0
シリーズ
OKI
TAC83
0
シリーズスタンドアロン汎用端末
OKI
TAC1
3
0
0
シリーズ汎用端末
OKI
TAC(
プログラム制御,
磁気ストライプ,
フレームガイダンス)
HD,
1
0
0
0
OKI
TACシリーズ
一線端末OTM(
ハイカウンタ,現金処理機)
一線端末OTM(
ロウカウンタ)
1
2
0
0
シリーズ
OKI
TACI
(
多店舗制御,
ディスプレーガイダンス)
1
2
0
0
Ⅱシリーズ
OKI
TAC(
メモリ,
ファイル強化,
日本初の漢字システム)
2
3
0
0
シリーズ
OKI
TAC(
汎用端末,
通信と処理の
離,
イメージ処理)
GPTVX/
I
FTVX
2
5
0
0
OKI
TACシリーズ
開発の制約を取り除き,新しいオンラインシステムづくりを可能にしたことである。
第3次オンラインシステムでは,沖電気は新営業店システムの開発に富士銀行と共
同で取り組んだ。これまで銀行オンラインのシステムづくりは,基本的に金融機関側
の情報処理スタッフが担当してきたのに対して,第3次オンラインでは,コンピュー
タメーカー,機器メーカー側がそれぞれのシステムづくりを実質的に担当したことが
特徴であった。沖電気にとって,ハードウェアを提供するだけではなく,システム提
案能力が試される時代がやってきたのである。
第3次オンラインにおける新営業店システムの役割は,単に勘定取引データの入出
力をつかさどるだけでなく,営業店でのデータ処理や情報の入出力など,従来より広
範囲な領域に活躍し,OAシステムの中枢として機能することであった。沖電気は新
営業店システムとして,OKI
00金融機関情報システムを提供したが,その特
TAC-23
徴は,ターミナル・コントローラーの機能
第6章
散・強化,ループの採用,ネットワーク・
経営刷新へのチャレンジとグローバリゼーション
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★沖電気120年 ╱6章 4.5.6.
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図616 OKI
30
0金融機関情報システム
TAC-2
自動化コーナー
為替,
金
集中金庫
普通・定期
定 期
相談コーナー
(
替為送信)
(
替為受信)
高速受信
プリンタ
汎用窓口端末
情報端末
OCR端末
通信制御装置
文書検索/作成
イメージリーダー/
プリンタ
OA機器
営業店プロセッサー
渉外活動端末
アーキテクチャーの導入など,先端技術を大幅に取り入れたことにあった。同システ
ムのレイアウト例は図6-1
6のとおりで,システムを構成する機器の機能は,それぞれ
以下のようであった。
①通信制御装置(CCL)……端末とホストコンピュータ間の通信機能を担当し,他
システムとの接続が必要な機器のコントロールなど,複雑な通信制御すべてを担
当する。
②汎用窓口端末(GT)……9インチまたは14インチディスプレー,キーボード,通
帳記帳機からなり,窓口一線処理のための装置である。
③情報端末(I
インチディスプレー,キーボード,汎用通伝プリンタから
T)……14
構成され,顧客情報の照会に利用される。また,パソコン,ワードプロセッサー
としても利用できる。
④営業店プロセッサー(DDP)……営業店に配置されるミニコンピュータで,渉外
5.情報システムの高度化
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0金融機関情報システム
OKI
TAC-2
行員の成果管理など,営業店限りの運用が適した業務,ホストシステムがダウン
したときのバックアップ機能をもつ。当初,ミニコンピュータとしてはOKI
TAC
-50
が
用された。OKI
は,3
2ビットプロセッサーで,データベース機
TAC-50
能,ネットワーク機能,通信処理能力が強化されていた。
⑤その他……新営業店システムは,旧システムで
用中のCDなども接続可能で,通
帳・証書発行機など新しい機器も加わって構成される。
230
0金融機関情報システムは,当初は第2次オンラインのもとで,19
83年
OKI
TAC9月に富士銀行本店ほか2支店で試用が開始された。その後,OKI
300
TAC-2
EX金融
機関情報システムとして,機能
散型多重処理システムが追加され,営業店システム
の機能強化が図られた。また,富士銀行の第3次オンラインシステムFTOPSに対し
ては,8
8年5月から同システムの提供を開始した。
第3次オンラインの時代を迎えるにあたって,OKI
230
0金融機関情報システ
TACムは好評をもって迎えられた。沖電気は,富士銀行の第3次オンラインシステムにお
いて,先端的なシステムづくりの経験を得ることができ,これは金融端末ビジネスを
進めるうえで,大きな武器になったのである。
安定した顧客を確保してきた金融システム事業であったが,バブル経済の時期にな
ると競争が激しくなってきた。沖電気の1
98
8年度中期経営計画は,9
1年度売上高100
0
億円の実現に向けて, 金融システム事業のシェアアップと安定成長 , ホストメーカ
ー攻勢に対する収益悪化の回避 , ユーザーの課題を解決する対応力 , 金融業務ノ
ウハウによるシステム
合力
という4つの課題を掲げた。コンピュータシステムが
オープン化の方向に進むとともに,コンピュータ企業が金融端末への参入を始めてお
第6章
経営刷新へのチャレンジとグローバリゼーション
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図617 ATM開発の変遷
年
1
98
2 8
3
8
4
85
8
6
87
8
8
8
9
9
0
9
1
92
9
3
9
4
9
5
9
6
97
9
8
9
9
機
種
0
0
AT-1
シリーズ
特
・紙幣ターン
アラウンド
2
00
ATシリーズ
3
00
ATシリーズ
3
00
ATV
シリーズ
4
0
0
ATシリーズ
・タッチパネル ・ノンストップ
・取引の高速化 ・さらなる高速
・多機能化
・GT Sys
t
e
mに
徴
運用
・省スペース設置
ATM21
シリーズ
取引
よる資金管理 ・汎用OSの搭載
り,沖電気の金融システム事業は,その影響を受けて収益が低下し,およそ25
%であ
ったシェアを確保することが課題とされたのである。さらに,従来からの顧客との関
係も変化してきたため,システムを開発し顧客に提示する提案型ビジネスへの転換が
必要であった。
ただし,198
8年度中期経営計画における
91年度に100
0億円の売上高
は,8
9∼90
年度に1
10
0億円と前倒しで達成していた。これは,NTTや官
という目標
庁のほか,
地方銀行,信用金庫等の金融機関が第3次オンラインのピークを迎えたことによるも
ので,金融システム事業をめぐる環境は,91
年度中期経営計画においても,ソリュー
ション提供戦略の再構築やコストダウンの徹底が課題として強調されるなど,依然と
して厳しいものが予想された。
ATMシリーズの開発
金融機関の営業店業務の合理化に大きな役割を果たしたATMは,図6-1
7のような
発展を遂げてきた。
198
2
(昭和5
7)年に提供されたAT-10
0シリーズは,世界で初めて,入金した紙幣を
そのまま支払いに回せる紙幣還流機能をもった現金自動預払機,および自動振込機で
ある。装置内に格納・滞留する現金が大幅に削減できるので,効率的な資金運用がで
きるようになり,またカラーディスプレーを
ども加えられた。自動振込機は,
った振込・振替機能,封筒受付機能な
貨の入金,つり銭の支払い機能をもち,キャッシ
ュカードだけでなく,現金による振込が可能になった。さらに,8
6年にはAT-2
00
を開
発,振込取引,I
Cカード, 貨の取り扱い,通帳発行などの機能を追加し,多機能化
5.情報システムの高度化
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00
AT-1
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0Wタイプ
AT-30
が実現した。
0シリーズは,198
9年に提供された。金融機関の完全週休2日制の実施と自動
AT-30
取引装置の運用時間
長にともない,ノンストップ運用,セキュリティ強化が課題に
なり,このようなニーズに応えて処理能力を増強したのが,AT-30
0シリーズであっ
た。
顧客の待ち時間を短縮するため,ATMの処理速度を向上するという課題に対して,
19
92
年に開発されたAT-30
0Vは,カード支払いはもちろんのこと,通帳を利用した入
出金取引,振替,振込,記帳取引のすべてにわたって大幅なスピードアップを実現し
た。たとえば,カード支払いの場合,14秒という速さでで5万円の現金を引き出すこ
とができた。なお,既存のAT-30
0も改造によって,処理速度のスピードアップが可能
であった。
金融システムのほか,1
970
年代から80年代にかけては,一般民需市場から大小さま
ざまな各種ターミナルシステムの受注が相ついだ。そのなかで比較的規模が大きく,
まとまった受注となったのは予約発券システムで,近畿日本ツーリスト,日本
通
社,日本旅行社,全日本空輸,日本エアシステムなどをはじめ,国鉄(J
万人
R)の200
定期券発行システムにいたるまで数多くの顧客に導入され,好評を博した。
ミニコンピュータOKI
0
TACs
ys
t
e
m5
ミニコンの沖
といわれるように,沖電気のOKI
TACs
ys
t
e
m50シリーズは,ミニ
コンピュータ市場において好評であったばかりでなく,金融機関情報システムの中核
プロセッサーとしても利用された。これまでのOKI
0の2モデルに加え,
TACs
ys
t
em5
第6章
経営刷新へのチャレンジとグローバリゼーション
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OKI
TACs
y
s
t
em50
V
19
78(昭和53)年にはモデル60,モデル1
0を追加した。モデル60は,従来のミニコン
では不可能であった大型システムの構築を可能にし,データ通信,計測制御,事務処
理,技術設計などに利用された。また,モデル1
0は,パーソナルコンピュータとして
利用できるほか,データ通信の端末機としての利用も可能であった。システム50
シリ
ーズの各モデルは,完全な互換性をもっていた。
198
2年にはOKI
TACs
ys
t
em50
Vシリーズが発売された。これは,小規模システム用
のモデル1
5
と,大規模システム用のモデル6
5
の2機種からなっていた。OKI
TACs
ys
t
em
50
2ビットMPU, 散処理システムの需要に応えることができる,本格的な日
Vは,3
本語処理機能をもっていた。OKI
300
金融機関情報システムのプロセッサーに
TAC-2
は,このOKI
0Vが用いられた。ミニコン事業は,社内のシステムに不可
TACs
ys
t
em5
欠なプロセッサーを開発・提供するという重要な役割を担っていたのである。
沖電気は,19
88年にスーパーミニコンOKI
30
0
シリーズを発表した。OKI
TAC-8
TAC83
00シリーズは,単一プロセッサーで3
.5
(1MI
0万命令を実行する
MI
PS
PSは毎秒10
速度)の能力をもち,I
BM社やDEC社のスーパーミニコンに対抗するシリーズであっ
た。ネットワーク時代に対応するために,従来のミニコンよりも高性能なクラスへの
参入がめざされたのである。
オフコン事業とsyst
em9
オフコン事業は,民需向け商品として有望視された
野である。沖電気のオフコン
事業の中心は,19
76
(昭和51
)年に発売されたOKI
9年には操
TACs
ys
t
e
m9であり,7
作が簡単なペンタッチシリーズが追加された。また,同年にはs
ys
t
em9のニューモデ
5.情報システムの高度化
Fly UP