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英語のチャンク事始め:「コロケーション+」
英語のチャンク事始め: 「コロケーション+」 中邑 コロケーションとは「各言語に特有な単語同士 の 結 び つ き」を 指 す。例 え ば「野 球 す る」は 光男 うことが可能になる。さらに, 「数学の成績」な ども自信を持って英語で表現できるだろう。 play baseball だが,「柔道する」は play judo で 第2に,学習者はコロケーションに触れること はなく do judo という。この play baseball や do により,日本語と切り離された「英語の世界」を judo が正しいコロケーションである。 味わうことができるだろう。例えば「面接を受け G4まではコロケーションを用例中の太字で示 る」が get an interview であり, 「面接をする」 してきたが,G5では「コロケーション+」欄も が give O an interview だと知れば,get や give 設け,英語表現において重要な語のコロケーショ の目的語が, 「手渡しできるような物」だけでは ンを積極的に取り上げた。重要な語とは,①学 ないとわかるだろう。 「面接を give[get]する」 ,②社会生活,③情報技術,④身体関連のこと という表現は,日本語だけを見ていては口から出 ばである。例えば「社会生活」に関連しては,見 てくるものではない。コロケーションに多く触れ 出し語 job で, 「a permanent[temporary]job ることで,学習者は英語の感覚をさらにみがくこ 常勤[臨時]の職」などの用例を示すだけでな とができるだろう。 く,コロケーション欄において,「動詞+job」 第3に,隣り合う語をまとめて見ることによっ (例:have a job 職に就いている,仕事をしてい て,語のイメージを膨らませることができるだろ る/create jobs 雇用を 出する)や「名詞/形 う。多くの学習者は environment という語を見 容詞+job」(例:a decent job まともな仕事)を ると「自然環境」を思い出すに違いない。しかし 挙げた。コロケーションを示した語には,job 以 environment のコロケーションには,an office 外 に も,appointment,class,company,com- ,a living environenvironment「オフィス環境」 puter, e-mail, family, Internet, memory, ment「居住環境」などがあり,environment が mistake,money,plan,price などがある。 では学習者はG5のコロケーション情報を見 「自然環境」より広いイメージの語であることが かるはすだ。 て,何を学ぶことができるのだろうか。第1に, G5では,このような英語学習上役に立つ「コ 身近なものごとについての表現を,ことばのかた ロケーション+」欄を,ジーニアスファミリーと まり(チャンク)として頭に入れることができる して初めて採用した。なお,自然な英語のコロケ だろう。例えば,学習者は「私の英語の成績」の ーションには,自然な日本語のコロケーションを 意味で, my grades of English という間違った った訳語がふさわしい。G5では,日本語コー 英語を いがちだ。しかし,「コロケーション+」 パスを 欄を参 にすることにより,my English grades ったことを付け加えておく。 や my grades in English という正しい英語を 16 い,この点についても最大限の注意を払 (なかむら みつお・関西大学教授)