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特例措置番号935の関連資料

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特例措置番号935の関連資料
資料2
特例措置番号935の関連資料
① 評価対象となる規制の特例措置の概要
② 調査計画の概要
・・・・・・・・・・・・・・・1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
③ 調査結果の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
④ 評価・調査委員会の調査結果 (審議事項) ・・・・・・・・・・・・・・4
⑤ 規制所管省庁の調査結果 (審議事項) ・・・・・・・・・・・・・・・・6
⑥ 評価対象となる規制の特例措置の別表
・・・・・・・・・・・・・・・47
⑦ 評価対象となる規制の特例措置のマニュアル ・・・・・・・・・・・・・48
⑧ 平成21年度の調査審議意見 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50
⑨ 平成21年度調査審議事項の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
①評価対象となる規制の特例措置の概要
伝統的建造物を利用した旅館営業事業(935)
<これまで>
旅館営業の施設については、宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する
設備を有しなければならない。
<関係法令>
旅館業法施行令第1条第2項第4号
<取り巻く環境の変化>
伝統的な町家の風情を活かして町家における宿泊等の新たな観光ニーズに対応する
ことで、歴史的な街並みの保全や都市部との交流の促進により地域の活性化に繋げ
ることが求められている。
構造改革特区を活用することにより
玄関帳場等の構造設備基準を緩和し、伝統的建造物の
特性を維持したまま、旅館として営業することを可能にする
<主な要件>
○ 文化財保護法第144条第1項の規定に基づき文部科学大臣に選定された重要伝統的建造物
群保存地区内にあること
○ 文化財保護法第2条第1項第6号に規定する伝統的建造物群を構成している伝統的建造物で
あること
○ 伝統的建造物としての特性を維持するため、旅館業法施行令第1条第2項第4号に規定する
宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場等を設けることが困難であること
○ 玄関帳場等に代替する機能を有する設備を設けることその他善良の風俗の保持を図るため
の措置が講じられていること
○ 事故が発生したときその他の緊急時における迅速な対応のための体制が整備されていること
認定計画数:1件 (平成23年6月29日現在)
◎実際の取組事例
~城下町いずし”うなぎの寝床”町家特区~
実施主体:豊岡市
重要伝統的建造物群保存地区として国から選定を受
けている市内出石地域において、地元主体の取組みに
より空家を活用した宿泊場所を確保し、貴重な景観財産
である町家の維持と滞在観光客の誘導につなげ、地域
の活性化を図る。
出石の街並みから望む辰鼓楼
1
②調査計画の概要
特例措置の番号
935
特例措置の名称
伝統的建造物を利用した旅館営業事業
措置区分
省令
過去の評価時期
なし
※本特例措置を実施している豊岡市以外の重要伝統的建造物群保存地区を有する 76 市町村
に対してニーズ調査を実施した結果、本特例措置を活用したいとの回答が2件あったた
め、更なる実施の可能性がある。
1.過去の評価結果の概要
(本年度が最初の調査)
2.過去の評価結果において全国展開に向けて弊害が発現している点又は現状の課題
(本年度が最初の調査)
3.本年度の評価において全国展開に向けて確認すべき点



本特例措置の活用により、地域活性化につながる効果(経済効果等)が発現しているかを
確認する。
本特例措置は1件のみの活用となっているが、活用例が少ない理由として要件や手続きな
どの問題について考えられるものがあるかを確認する。
本特例措置を活用している営業施設が講じている設備要件等により、利用者の安全性、善
良の風俗の保持が確保されているかを確認する。
4.本年度の調査計画案で新たに追加した質問項目及びその概要
(本年度が最初の調査)
2
③調査結果の概要
特例措置の番号
935
特例措置の名称
伝統的建造物を利用した旅館営業事業
措置区分
省令
過去の評価時期
なし
調査対象の件数(回収数) 1件(回収数
1件)
1.本年度の調査結果の概要




評価・調査委員会による調査では、本特例措置による効果の発現について、一定程度効果
があった。
規制所管省庁による調査では、特区において特例措置による弊害の発生はなかった。
一方、評価・調査委員会による調査では、活用例が少ない理由について、適用対象となる
区域、旅館営業施設と管理事務所等との距離といった要件が厳しいことが指摘された。
規制所管省庁による調査では、全国展開により発生する弊害について、適用対象となる区
域及び旅館営業施設と管理事務所等との距離要件の他、ビデオカメラの設置に要する費用
負担について厳しいとの意見があった。
2.本年度の調査結果において全国展開に向けて弊害が発現している点又は現状の課題


評価・調査委員会による調査では、活用例が少ない理由として、国の重要伝統的建造物群
保存地区の指定を受けた地区内でかつ伝統的建造物である必要があり、対象となる施設が
少ない、旅館営業施設と管理事務所等との距離について、おおむね 100m とする要件が厳し
いという意見があった。
規制所管省庁による調査では、適用対象となる区域及び旅館営業施設と管理事務所等との
距離要件、ビデオカメラの設置に要する費用負担について厳しいとの意見があったほか、
さらなる規制緩和は旅館業法における善良の風俗を保持する点で問題があるとの意見があ
った。
3.本年度の評価において全国展開に向けて確認した点

評価・調査委員会による調査では、
H22.11~H23.8 の間に延べ 226 人の宿泊があり、
1,230,000
円の売上げや、一定程度の地元観光への経済効果があったとする回答や、当該施設を拠点
として近隣観光地へ回遊があったとの回答があり、一定程度の効果が見受けられた。
4.その他、議論に際して留意すべき点

「町屋・古民家に係る規制緩和(案)
」に関する意見募集において示された修正案が、全国
展開において必要な要件であるか、また必要以上に要件が厳しいものでないかの検証を要
する。
3
④評価・調査委員会の調査結果(審議事項)
番号
935
特定事業の名称
伝統的建造物を利用した旅館営業事業
措置区分
省令
特例措置の内容
玄関帳場等の構造設備基準を緩和し、伝統的建造物の特性を維持したまま、旅館と
して営業することを可能にする。
【規制の特例措置に共通の質問項目】
1.特定事業の概要など(発送数:1、回収数:1)
認定地方
都道府県
特区の名称
進捗段階
公共団体
城下町いずし” 1.現在特
兵庫県
豊岡市
うなぎの寝床” 定事業を実
施中
町家特区
効果の発現
効果の内容
進捗と予定
1.発現して
いる
1.計画当初
から期待して
いた効果
2.特区計画認
定時の予定通り
に進んでいる
2.効果の発現状況

特例を受けて 1 施設が宿泊営業を開始し、H22.11~H23.8 の間に延べ 226 人の宿泊があった。
3.具体的な経済効果の内容や金額、社会的効果の内容等

H22.11~H23.8 の売上高 1,230,000 円 宿泊施設と永楽館(芝居小屋)を関連付けた取組みなど、地元観
光への効果も上がっている。
4.特定事業における要件・手続きの問題

特例の適用要件が厳しく、宿泊施設の増が困難な状況にある。空き家を宿泊施設として再生するための
投資経費が大きくなってしまう。
5.特区実施にあたっての地方公共団体の役割

施設の改修に際し、国の伝建制度や県の制度の適用についての協力を行っている。
6.特定事業成功のために最も重要な鍵

宿泊施設の増を実現し、一定規模の事業となれば、経営の安定が見込める。
7.将来展望など

現在、1 施設のみが特例適用を受けている。営業開始から 1 年経過したが、まず、この 1 事例が安定した
経営を達成・維持することが重要と考える。
8.活用例が少ないことの理由

本特例の適用要件は、国の重伝建の指定を受けた地区内でかつ伝統的建造物である必要があり、対象が
多くない。
4
9.普及促進のための工夫

伝統的建造物群保存地区保存事業により該当地域のまち並み保存に取り組んでいる。
10.適用事例が少ないことについて(施設運営会社の回答)

旅館営業施設と管理事務所等との距離について、おおむね 100m とする要件が弊害となっている。
11.事業実施上の将来展望(施設運営会社の回答)

空家を再生し宿泊施設として内装や設備等を整えるために必要な投資費用が大きすぎる。
12.地域活性化への影響(観光関連団体の回答)

連泊される利用の場合、当該施設を拠点に近隣観光地への回遊もあり、広域の経済効果となっている。
5
⑤平成23年度調査報告(規制の特例措置用)
1. 規制所管省庁名
2. 特定事業の番号
3. 特定事業名
厚生労働省
935
伝統的建造物を利用した旅館営業事業
4. 弊害の発生に関する調査
① 調査内容
当該営業施設の営業実態、旅館業法の緩和状況や営業施設が講じている設備要件等により、利用
者の安全性、善良の風俗の保持が確保されているかどうかについて、状況を把握する。
② 調査方法
当該営業施設を視察するとともに、「生活衛生関係営業等衛生問題検討会」において当該営業者、
行政機関、消費者等からのヒアリングを実施。
また、営業施設、営業施設の許可・指導を行っている保健所に対して調査票を配布・回収し、その結
果をとりまとめる。
③ 調査対象
特区認定に係る営業施設、行政機関(営業施設の許可・指導を行っている保健所を含む。)及び消
費者の代表者(営業施設の利用者を含む。)を対象とする。
1.現地視察 平成23年1月23日(健康局長、生活衛生課長他)
④ 実施スケジュール 2.検討会の開催 5回(平成22年12月21日、平成23年2月7日、3月11日、7月8日、9月30日)
3.調査票の配布・回収 平成23年11月
⑤ 調査結果
営業者側から設備要件中、「営業施設が管理事務所等の周囲おおむね100㍍の区域内に設置さ
れていること」について緩和要望があった。また、ビデオカメラの設置について費用負担がかかり、地
区の活性化の妨げとなる可能性があるとの意見があった。
行政側から、さらなる規制緩和は、善良の風俗を保持する観点から問題ではないかとの意見があっ
た。
特区において適用
された規制の特例
⑥
無し
措置による弊害の
発生の有無
営業者側から、重要伝統的建造物群保存地区内で、伝統的建造物であること、営業施設が管理事
務所のおおむね100㍍の区域内では候補地が限定されるとの意見があった。また、ビデオカメラの
全国展開により発
⑦
設置について費用負担がかかり、地区の活性化の妨げとなる可能性があるとの意見があった。
生する弊害の有無
行政側から、玄関帳場は旅館業法における善良の風俗を保持するための根幹部分であり、更に規
制緩和することは問題との意見があった。
6
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46
⑥評価対象となる規制の特例措置の別表
番号
特定事業の名称
措置区分
特例措置を講ずべき
法令等の名称及び
条項
特例措置を講ずべき
法令等の現行規定
特例措置の内容
935
伝統的建造物を利用した旅館営業事業
省令
旅館業法施行令(昭和32年政令第152号)第1条第2項第4号
同意の要件
特例措置に伴い必
要となる手続き
特になし
特になし
旅館営業の施設については、宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他
これに類する設備を有すること。
地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域法(以下「法」という。)第2条
第1項に規定する構造改革特別区域内における旅館営業(旅館業法(昭和23年法律
第138号)第2条第3項に規定する旅館営業をいう。)の施設(以下「旅館営業施
設」という。)が、次の各号に掲げる要件を満たしていることを認めて法第4条第
8項の内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後
は、旅館業法施行令第2条に規定する厚生労働省令で定める施設は、旅館業法施行
規則(昭和23年厚生省令第28号)第5条第1項に規定する施設のほか、当該認定に
係る旅館営業施設とし、旅館業法施行令第2条に規定する厚生労働省令で定める特
例は、旅館業法施行規則第5条第2項及び第3項に規定するもののほか、旅館業法
施行令第1条第2項第4号に定める基準について、当該認定に係る旅館営業施設に
対して適用しないこととすることができる。
1 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第144条第1項の規定に基づき文部科学
大臣に選定された重要伝統的建造物群保存地区内にあること。
2 文化財保護法第2条第1項第6号に規定する伝統的建造物群を構成している建
築物等(次号において「伝統的建造物」という。)であること。
3 伝統的建造物としての特性を維持するため、旅館業法施行令第1条第2項第4
号に規定する宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設
備(次号において「玄関帳場等」という。)を設けることが困難であること。
4 玄関帳場等に代替する機能を有する設備を設けることその他善良の風俗の保持
を図るための措置が講じられていること。
5 事故が発生したときその他の緊急時における迅速な対応のための体制が整備さ
れていること。
47
⑦評価対象となる規制の特例措置のマニュアル
935
伝統的建造物を利用した旅館営業事業
1.特例を設ける趣旨
旅館営業の施設については、宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳
場その他これに類する設備(以下「玄関帳場等」という。)を有することとさ
れていますが、歴史的な街並みの保全や都市部等との交流促進による地域活
性化を図るため、町家などの伝統的建造物の風情を活かし旅館営業を行う場
合には、玄関帳場等を設置しなくてよいという特例を設けるものです。
2.特例の概要
旅館営業を行おうとする町家などの伝統的建造物が重要伝統的建造物群保
存地区内にあり、伝統的建造物としての特性を維持するため、玄関帳場等を
設置することが困難である場合には、玄関帳場等に代替する機能を有する設
備を設けることその他善良の風俗の保持を図るための措置が講じられている
こと及び事故が発生したときその他の緊急時における迅速な対応のための体
制が整備されていることを条件に、旅館営業の施設の構造設備要件としての
玄関帳場等の設置を適用除外とするものです。
3.基本方針の記載内容の解説
① 「玄関帳場等に代替する機能を有する設備を設けることその他善良の風
俗の保持を図るための措置が講じられていること」とは、次のような状態
です。
・ ビデオカメラ等を設置することにより、宿泊者の出入りの状況が確認
できること。
・ 管理事務所等(※)において宿泊者との面接を行い、宿泊者名簿の記
載を行うこと。
・ 管理事務所等から旅館営業施設まで職員が宿泊者に付き添って案内し、
職員が解錠のうえ、宿泊者に鍵を引き渡すこと。
※ 管理事務所等については、下記②の要件を満たしている限り、必ず
しも重要伝統的建造物群保存地区内にあることを求めるものではあり
ません。
48
②
「事故が発生したときその他の緊急時における迅速な対応のための体制
が整備されていること」とは、次のような状態です。
・ 旅館営業施設と管理事務所等との間に通話機器が設置されていること。
・ 旅館営業施設が管理事務所等の周囲おおむね100メートルの区域内
に設置されていること。
・ 宿泊者の安全等を確保するためのマニュアルを整備すること。
・ 地方公共団体、防犯関係者、消防関係者、観光又は地域振興に取り組
む関係者等が、状況の確認と情報交換を行う体制を構築すること。
4.特区計画及び添付書類の記載に当たって特に留意すべき点
当該特例について、特区計画の記載に当たって特に留意すべき事項は次の
とおりです。
・ 特区計画において、基本方針の「特例措置の内容」に記載する要件を満
たしていることを具体的に記載すること。
5.当該特例に関して特に必要な添付書類
・ 旅館営業施設が重要伝統的建造物群保存地区内にあることがわかる資料。
・ 旅館営業施設と管理事務所等との位置関係がわかる資料。
・ 旅館営業施設及び管理事務所等の写真、図面等。
49
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50
⑨平成21年度調査審議事項の概要
参考資料1
平成21年度調査審議事項の概要(医療・福祉・労働部会)
町家の空家を活用した旅館営業に係る玄関帳場等の構造設備基準の
緩和(厚生労働省)
提案者:兵庫県、豊岡市、NPO法人但馬國出石観光協会他(兵庫県)
○制度の現状
旅館営業の施設は、宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その
他これに類する設備を有することとされている。
○提案者の要望
町家の空家を活用した旅館営業の場合、同一区域内の別敷地の事務
所で、事業者が宿泊者全員との面接を行うことを条件に、当該事務所を玄
関帳場に類する設備に当たるものとみなすことを可能にする。
○規制所管省庁のスタンス
玄関帳場は、宿泊者の出入りの際に従業員と面接を行うことで、不健全
な営業形態の排除や宿泊者の安全を確保することを趣旨として設けられ
ているものである。
提案のように、同一区域内の営業施設の玄関帳場として別敷地にある
事務所を使用する場合には、宿泊者が施設を利用しようとするときに必ず
通過する通路に面して玄関帳場が設置されていない施設ができることに
なる。これにより、宿泊者の確認が不十分となり、健全な営業形態の確保、
宿泊者の安全や治安維持の観点から問題があることから、提案のような
玄関帳場による営業形態は認められない。
1
51
厚生労働省 特区14次提案 最終回答
管理コード
要望事項
090440
プロジェクト名
町家の空家を活用して旅館業を営む場合の玄関帳
都道府県
兵庫県
提案事項管理番号
1070010
(事 項 名 )
場要件緩和
提案主体名
兵庫県、豊岡市、NPO 法人但馬國出石観光協会、(株)出石まちづくり公社、出石町商工会、(株)川嶋建設
制度の所管・関係府省庁
厚生労働省
該当法令等
旅館業法第3条
旅館業法施行令第1条
平成12年12月15日付生衛発第1811号生活衛生局長通知の別添3「旅館業における衛生
等管理要領」のⅡの第2の3
制度の現状
宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること。
適当な規模の玄関、玄関帳場又はフロント及びこれに類する設備を設けること。
求める措置の具体的内容
歴史的な町並み保全や都市部との交流促進による地域の活性化を図るため、重要伝統的建造物群保存地区及びその隣
接地区で歴史的な町並みを一体的に形成している区域において、町家の空家を活用して旅館業を営む場合、同一区域内の
別敷地の事務所で、事業者が宿泊者全員との面接を行うことを条件に、当該事務所を玄関帳場に類する設備に当たるものと
みなす。
具体的事業の実施内容・提案理由
(提案内容)
事業を想定している豊岡市出石(いずし)地区は江戸時代の城下町の街路構成がよく継承された城下町で、但馬(たじま)
の小京都とも呼ばれ多くの観光客が訪れる地域である。この歴史的な町並み保全や都市部との交流促進による地域の活性
化を図るため、重要伝統的建造物群保存地区及びその隣接地区で歴史的な町並みを一体的に形成している区域において、
町家の空家を活用して旅館業を営む場合、同一区域内の別敷地の事務所で、事業者が宿泊者全員との面接を行うことを条
件に、当該事務所を玄関帳場に類する設備に当たるものとみなす。
※重要伝統的建造物群保存地区及びその隣接地区で歴史的な町並みを一体的に形成している区域(別紙参考資料参照)
※町家 用途:町中にある家・商家、建築年代:江戸時代から概ね終戦前まで、工法:伝統的工法である木造軸工法
(提案理由)
出石は城跡を中心として町家等が古い町並みを形成しているが、なかには空家となっている町家も点在している。その多く
は利用されることもなく、維持していくことに苦慮されている状況であり、このまま放置すれば、出石の町並み維持に大きな影
響が生じ、ひいては地域の衰退につながる。
このため、空家を旅館業法に基づく旅館ないし簡易宿所として運営し、都市部を中心とした観光客等に提供することで、出
石の町並み保全、都市部との交流促進を図り、地域の活性化につなげる。
○各府省庁からの提案に対する回答
提案に対する回答
C
措置の分類
措置の内容
Ⅱ、Ⅳ
玄関帳場は、宿泊客が従業員と面接せず利用できるなど不健全な営業形態の旅館を排除することを趣旨に設けられている
52
2
ものであり、健全な営業形態を確保する観点を踏まえると、営業施設に付随しない玄関帳場は認められない。
また、1か所の玄関帳場を点在する複数の営業施設の玄関帳場として使用する場合には、結果的に、玄関帳場が営業施
設の入口、又は宿泊者が施設を利用しようとするときに必ず通過する通路に面して設置されていない施設ができることから、
玄関帳場を設ける趣旨を踏まえると、そのような玄関帳場の使用は認められない。
○再検討要請及び再検討要請に対する回答
再検討要請
① 旅館業法施行令第1条第2項第4号によれば、「宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備
を有すること。」とのみ定められている一方、旅館業法に係る事務が自治事務であることにかんがみれば、玄関帳場の設置
の在り方については、一義的には、旅館営業の許可の際の都道府県知事の裁量の範囲内に属する事項と考えるが、如何。
② また、仮に①のとおりでないとしても、旅館業法施行令第2条によれば、「季節的に利用されるもの、交通が著しく不便な
地域にあるものその他特別な事情があるものであつて、厚生労働省令で定めるもの」については、構造設備の基準の特例を
定めうることとされているが、本件提案のような地域活性化に資する事案については、当該「特別な事情」に該当すると認め
てもよいのではないか。
③ さらに、コテージのような形態の旅館(例えば、ログハウス群で構成され、そのうち一棟に鍵を保管するオーナーがおり、
他の数棟は客室となっているもの(一の客室を不特定多数で共用しなければ、ログハウス群全体として簡易宿泊所に該当し
ないものと思料))では、提案内容のような形態の玄関帳場(コテージの例でいえば、オーナーのいる棟が該当)が広く認めら
れているように解するが、如何。その際、貴省回答の第2段落は、出石地区の町屋に係る区域が、区画されていない街中に
あることを問題視したものなのか。
④ あわせて右の提案主体からの意見を踏まえ、再度検討し回答されたい。
提案主体からの意見
当提案の場合、宿泊する施設には常時鍵がかかっており、宿泊者は利用するためには、解錠するため、別敷地ではあるも
のの事務所を必ず訪問する必要があり、従業員はかならず宿泊者と面接を行う。さらに、単に事務所で鍵を渡すのではなく、
事務所に訪れた宿泊者を従業員が宿泊施設まで案内して解錠することを条件として、当該事務所を玄関帳場として認めてい
ただきたい。
複数施設の点については、現在のところ宿泊施設は 1 箇所のみと考えているが、将来的に複数の宿泊施設を運営すること
となっても、上記の通り宿泊者はかならず事務所(帳場)を訪れる形態であり、宿泊者が必ず通過する通路に面して玄関帳場
が存在することとなる。
再検討要請に対する回答
「措置の分類」の見直し
C
「措置の内容」の見直し
Ⅱ、Ⅳ
①について
玄関帳場は、不健全な営業の排除等の観点から構造設備基準として政令に定められたものであり、その制定経緯を踏まえ
れば、施設を利用しようとする者が、当該施設を利用する場合に、必ず通過する場所に設けるものでなければならず、これに
ついては都道府県知事の裁量の範囲を超えるものと考える。
②について
施行令第 2 条による特例規定は、一定の期間のみ宿泊施設として利用され、それ以外の時期や期間は宿泊施設として利
用しないような施設については、簡易宿所のような小規模の施設が想定されることから、玄関帳場について特例を認めたも
のである。
ご指摘のように、地域活性化に資するとの理由で玄関帳場について特例を認めることは困難であると考える。
③について
ご指摘のような形態の施設については、区域内に入る場合、必ず通過しなければならない場所に玄関帳場が設けられてい
ると考えている。
53
3
④について
①で述べたように、玄関帳場は施設を利用しようとする者が、当該施設を利用する場合に、必ず通過する場所に設けるもの
でなければならない。鍵の受け渡しという一場面だけ通る場所では、解錠後は事務所を訪れることなく宿泊施設に入れるた
め、利用者の安全や治安維持の観点からも問題があり、玄関帳場として認めることは困難であると考える。
○再々検討要請及び再々検討要請に対する回答
再々検討要請
不健全な営業の排除等の法の趣旨を踏まえれば、玄関帳場という施設の構造を有していなくても、一定の要件を課する等
により実質的にその役割を果たすことができれば、許容する余地はないのか。また、簡易宿所については現行政令上玄関帳
場が施設要件とはなっておらず、機能に着目して柔軟な運用を行うことが可能ではないのか。本件については基本的に自治
事務と整理されていることも踏まえて回答されたい。
あわせて右の提案主体からの再意見を踏まえ、再度検討し回答されたい。
提案主体からの再意見
1 前提として、本件が自治事務であること及び貴省回答①②から、政令を規制根拠とするホテル・旅館とそうではない簡易
宿所を分けて回答いただきたい。
2 政令については、利用者と面接を行わずに施設を利用させるモーテル等の不健全な営業形態を規制する目的であったと
認識しており、当提案が目指すのは町家という地域財産を活かしたまちの活性化であり、政令の制定経緯・趣旨をふまえても
要件を満たしている。
3 貴省回答②の特例施設には「農林漁業体験民宿」も含まれ、『重伝建地区』において空き家となっている町家を活用する
ことによって貴重な街並みの保存並びに地域の活性化につながる本件提案は、農家民宿に続くモデルとして特例施設の対
象にもなり得るものではないか。
再々検討要請に対する回答
「措置の分類」の再見直し
C
「措置の内容」の再見直し
Ⅱ、Ⅳ
【ホテル・旅館について】
旅館業法施行令の一部を改正する政令等の施行について(昭和45年環衛第101号)の「施設を利用しようとする者が、当
該施設を利用しようとする場合に、必ず通過する場所に面して設けられていること。」とは、利用者が宿泊施設に入る際には
常に通過する場所との意味である。これについては政令に定める玄関帳場についての解釈を示したものであり、都道府県知
事の裁量の範囲ではないと考える。
したがって、面談・鍵の受け渡しという一場面だけ通る場所では、解錠後は事務所を訪れることなく宿泊施設に入れるため
不十分であり、玄関帳場として認めることは困難であると考える。
【簡易宿所について】
簡易宿所についてはご指摘のとおり現行政令上玄関帳場が施設要件となってはいないが、これは、簡易宿所は小規模な
施設であり、玄関帳場という構造を設けなくても利用者の確認が容易であることから、政令上玄関帳場が施設要件となってい
ないものである。
平成 12 年 12 月 15 日生衛発第 1811 号厚生省生活衛生局長通知の別添3「旅館業における衛生等管理要領」のⅡの第2
の3において、「適当な規模の玄関、玄関帳場又はフロント及びこれに類する設備を設けること。」と定めていることからも明ら
かであるが、簡易宿所だからといって利用者の確認をしなくて良いというわけではない。
ご提案のような営業形態では利用者の確認が不十分であり、利用者の安全や治安維持の観点から問題があり、玄関帳場
の果たす役割を踏まえると、簡易宿所としても適当ではないと考える。
【特例施設の対象について】
ご指摘の農林漁業体験民宿業を営む施設については、農林漁業者が簡易宿所として農林漁業体験民宿を営む場合のみ
客室の延床面積の基準を適用しないものであり、玄関帳場の設置について特例を認めたものではない。
したがって、ご提案のような営業形態においても玄関帳場の設置について特例を認めることは困難であると考える。
54
4
<関係条文>
○旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)
(抄)
第一条
この法律は、旅館業の業務の適正な運営を確保すること等により、旅館業の健全な発達を図
るとともに、旅館業の分野における利用者の需要の高度化及び多様化に対応したサービスの提供を促
進し、もつて公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。
第二条
2
この法律で「旅館業」とは、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業をいう。
この法律で「ホテル営業」とは、洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、
人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
3
この法律で「旅館営業」とは、和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人
を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
4
この法律で「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施
設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。
5
この法律で「下宿営業」とは、施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を
宿泊させる営業をいう。
6
この法律で「宿泊」とは、寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。
第三条
旅館業を経営しようとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、
市長又は区長。第九条の二を除き、以下同じ。)の許可を受けなければならない。ただし、ホテル営
業、旅館営業又は簡易宿所営業の許可を受けた者が、当該施設において下宿営業を経営しようとする
場合は、この限りでない。
2
都道府県知事は、前項の許可の申請があつた場合において、その申請に係る施設の構造設備が政令
で定める基準に適合しないと認めるとき、当該施設の設置場所が公衆衛生上不適当であると認めると
き、又は申請者が次の各号の一に該当するときは、同項の許可を与えないことができる。
一
この法律又はこの法律に基く処分に違反して刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受ける
ことがなくなつた日から起算して三年を経過していない者
二
第八条の規定により許可を取り消され、取消の日から起算して三年を経過していない者
三
法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの
3~6
(略)
第六条
営業者は、宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の事項を記載し、当
該職員の要求があつたときは、これを提出しなければならない。
2
宿泊者は、営業者から請求があつたときは、前項に規定する事項を告げなければならない。
○旅館業法施行令(昭和三十二年政令第百五十二号)(抄)
第一条
旅館業法(以下「法」という。)第三条第二項の規定によるホテル営業の施設の構造設備の基
準は、次のとおりとする。
一
客室の数は、十室以上であること。
二
洋式の構造設備による客室は、次の要件を満たすものであること。
5
55
イ
一客室の床面積は、九平方メートル以上であること。
ロ
寝具は、洋式のものであること。
ハ
出入口及び窓は、かぎをかけることができるものであること。
ニ
出入口及び窓を除き、客室と他の客室、廊下等との境は、壁造りであること。
三
和式の構造設備による客室は、第二項第二号に該当するものであること。
四
宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること。
五
適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。
六
宿泊者の需要を満たすことができる適当な数の洋式浴室又はシヤワー室を有すること。
七
宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
八
当該施設の規模に応じた適当な暖房の設備があること。
九
便所は、水洗式であり、かつ、座便式のものがあり、共同用のものにあつては、男子用及び女子
用の区分があること。
十
当該施設の設置場所が法第三条第三項各号に掲げる施設(以下「学校等」という。)の敷地(こ
れらの用に供するものと決定した土地を含む。以下同じ。)の周囲おおむね百メートルの区域内に
あ
る場合には、当該学校等から客室又は客にダンス若しくは射幸心をそそるおそれがある遊技を
させるホールその他の設備の内部を見とおすことをさえぎることができる設備を有すること。
十一
2
その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。
法第三条第二項の規定による旅館営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。
一
客室の数は、五室以上であること。
二
和式の構造設備による客室の床面積は、それぞれ七平方メートル以上であること。
三
洋式の構造設備による客室は、前項第二号に該当するものであること。
四
宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること。
五
適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。
六
当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者
の需要を満たすことができる適当な規模の入浴設備を有すること。
七
宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
八
適当な数の便所を有すること。
九
当該施設の設置場所が学校等の敷地の周囲おおむね百メートルの区域内にある場合には、当該学
校等から客室又は客にダンス若しくは射幸心をそそるおそれがある遊技をさせるホールその他の
設備の内部を見とおすことをさえぎることができる設備を有すること。
十
3
その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。
法第三条第二項の規定による簡易宿所営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。
一
客室の延床面積は、三十三平方メートル以上であること。
二
階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね一メートル以上であること。
三
適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。
四
当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者
の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること。
五
宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
六
適当な数の便所を有すること。
6
56
七
4
その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。
法第三条第二項の規定による下宿営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。
一
適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。
二
当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者
の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること。
三
宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
四
適当な数の便所を有すること。
五
その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。
(構造設備の基準の特例)
第二条
ホテル営業、旅館営業又は簡易宿所営業の施設のうち、季節的に利用されるもの、交通が著し
く不便な地域にあるものその他特別の事情があるものであつて、厚生労働省令で定めるものについて
は、前条第一項から第三項までに定める基準に関して、厚生労働省令で必要な特例を定めることがで
きる。
○旅館業法施行規則(昭和二十三年厚生省令第二十八号)
(抄)
第五条
旅館業法施行令(昭和三十二年政令第百五十二号。以下「令」という。)第二条 に規定する施
設は、次のとおりとする。
一
キヤンプ場、スキー場、海水浴場等において特定の季節に限り営業する施設
二
交通が著しく不便な地域にある施設であつて、利用度の低いもの
三
体育会、博覧会等のために一時的に営業する施設
四
農林漁業者が農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律(平成六年法律第
四十六号)第二条第五項 に規定する農林漁業体験民宿業を営む施設
2
次の表の上欄に掲げる施設については、同表の下欄に掲げる基準は、適用しない。
前項第一号から第 令第一条第一項第一号、第二号イ、第三号及び第四号、第二項第一号、第二
三号までに掲げる 号、第三号(床面積に関する部分に限る。)及び第四号並びに第三項第一号の
施設
基準
前項第四号に掲げ 令第一条第三項第一号の基準
る施設
3
第一項第一号から第三号までに掲げる施設については、季節的状況、地理的状況等によつて令第一
条第一項第六号、第八号及び第九号、第二項第六号並びに第三項第四号の基準による必要がない場合
又はこれらの基準によることができない場合であつて、かつ、公衆衛生の維持に支障がないときは、
これらの基準によらないことができるものとする。
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57
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58
資料2-⑤ー参考資料
平成 22 年度
生活衛生関係営業等衛生問題検討会
第2回議事録
日
時:平成 22 年 12 月 21 日(火)10:30~12:03
場
所:経済産業省別館 1111 会議室(11 階)
出席委員:(50音順、座長◎)
秋山委員、池田委員、大井田委員、長見委員、◎倉田委員、渡辺(茂)委員、
渡辺(晋)委員
オブザーバー
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会
佐藤会長
(財)全国生活衛生営業指導センター
小宮山専務理事
議題:
1.開
会
2.議
事
(1)旅館業における構造設備基準の緩和につい て
(2)クリーニング所における衛生管理要領について(報告)
(3)その他
3.閉
会
○奥田課長補佐
そ れで は、定刻となりましたので、ただいまから「平成 22 年度
第2回生活衛
生関係営業等衛生問 題検 討会」を開催させて いた だきます。
なお、本日、大井 田委 員は遅れていらっし ゃる との連絡が入ってお りま す。
1
1
また、本日はオ ブザー バーとしまして、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の佐藤会長、及
び財団法人全国生活衛生営業指導センターの小宮山専務理事のお二人に御出席をいただいており
ます。
続きまして、資料 の確 認をさせていただきます。
一番上にあります のが 、座席表。
その次が会議次第 。
資料1としまして 「旅 館業における規制緩 和に ついて」。
資料2としまして 「新 成長戦略実現に向け た3 段構えの経済対策」。
資料3としまして 「構 造改革特区(第 18 次)について」。
資料4としまして 「地 域の提案に基づく総 合特 区のイメージ」。
資 料 5 と し ま し て 「『 総合 特 区 制 度 』 に 係 る 自 治体 や 民 間 か ら の 提 案 を 踏ま え 、 優 先 的 に 検 討 に
着手するべき規制・ 制度 改革について」。
資料6としまして「経 済対策に盛り込む規 制・制度改革についての意見書(全国旅館ホテル生活
衛生同業組合連合会 提出 資料)」。
資料7としまして 「今 後の進め方(案)」。
資料8としまして 「ク リーニング所におけ る衛 生管理要領」。
参考資料1としま して 「旅館業法関係法令」。
参考資料2としま して 「クリーニング所に おけ る衛生管理要領
新旧対照表」でございます。
資料は以上でござ いま すが、不足等が ございま したら、事務局 までお申 し付けいただきます お願
いいたします。資料 等は よろしいでしょうか 。
また、カメラ 撮りはこ こで終了させていただきますので、取材の方は御協力のほ どよろしくお願
いいたします。
それでは、倉田座 長、 議事の進行をよろし くお 願いいたします。
○倉田座長
倉 田 で す 。つ い こ の 間 ま で 厚 生 省関係のところにおりまして、今は 富 山 県 に い ま す 。
慌ただしく飛び込ん でき て済みません。
今回は事務局から お話 されたことについて の議 論が必要ということ であ ります。
本日は「(1 ) 旅 館 業 にお け る 構 造 設 備基準の緩和について」 御審議をいただき、その後、事務
局から「(2)クリーニン グ所における衛生管理要領について(報告)」をいただきたいと思います。
そ れ で は 、 最 初 に 「( 1) 旅 館 業 に お ける構造設備基準の緩和について」事務局から説明をお願
いします。
○新津課長補佐
そ れで は、説明をさせていただきます。お手元の資料1~5を使いまして、御説
明させていただきま す。
ま ず 資 料 1 を ご ら ん いた だ き た い と 思 い ま す 。「旅 館 業 に お け る 規 制 緩 和に つ い て 」 と い う こ と
で、一覧表とさせて いた だいております。
2
2
今回の規制緩和に つき ましては、大き く3つの 規制が言われており まし て、1つは最初 の○でご
ざいます新成長戦略 実現 に向けた3段構えの 経済 対策、2つ目と しまして構 造改革特別区域の第 18
次提案等に対する政 府の 対応方針、3つ 目としまして総合特区制度を念頭に置いた規制・制度改革
でございます。
その中身につきま して は大きく3つに分け られ ますが、一番上の 17 と書いてある事項名のとこ
ろが町屋・古民家を活 用し た宿泊施設に対する旅館業法の規制緩和です。この関係につきましては、
一番下にございます 総合 特区の 20 としまして、同じ内容が規制緩和ということで盛り込まれてお
ります。
また上に戻ります と、18 としまして、農林漁家における民宿と民泊の区分の明確化でございまし
て、これ1つで独立 して おります。
中ほどにございます 933 でございますが、田舎暮らし小規模民宿開業に係る規制緩和と下にござ
います総合特区の 19 で ご ざいますが、こちらについても田舎暮らしの交流体験民宿ということで
区分けがされます。
町屋・古民家 について は何を規制緩和するか で すけれども、規制改革の概要のところをごらんい
ただきますと、町屋や古 民家を活用した宿泊施設について、玄関帳場の設置義務など旅館業法に定
める構造設備基準を 緩和 することについて、 平成 22 年度中に検討を開始し、本年特区で措置した
事例の検証を行い、 平成 23 年度 早期に結論を得るということでございます。本年特区で措置 した
といったところは 、今年 1月に特区の関係で 兵庫 県の出石という地区につきまして、伝統的な町屋
を活用する場合につ いて 玄関帳場の設置を免 除す る。ただ、単 に免除では なくて、玄関帳場 にかわ
る機能を十分に有す るこ とを条件として今年 1月 に緩和をしておりま す。そ の緩和に基づきまし て、
今年 10 月に出石地区か ら 申請が上がってきているという状況でございます。
2番目の 18 でござい ま す。農林漁家における民宿と民泊の区分の明確化につきましては、もと
もと旅館業法上、料金を 受 けて人を宿泊させる 場合 には旅館業法の適用 にな るということで ござい
まして、今回こ この要望 につきましては、無償で宿泊させる民泊の場合については旅館業法の規定
上適用除外であるこ とを 地方自治体に対して 周知 するということが言 われ ております。これにつき
ましては 22 年度の措置 と しまして、今年度中に通知を出させていただく予定にしております。
田舎暮らしの関係 でご ざいますけれども 、旅館 業法における客室面 積等 の規制緩和について 、客
室の衛生確保 、 経営 の 安定 等 の 観点 を 含めて検討し結論を得るということで、これについては 23
年度中できるだけ早 期に 結論ということにな って おります。
客室の規制緩和と いう のは何があるかということでございますけれども、参考資料1に旅館業法
の関係を抜粋させて いだ たいております。
まず1ページをご らん いただきますと、用語の定 義としまして、第2条にホ テル営業、旅館営業、
簡易宿所営業という それ ぞれの旅館業法上の 区分 が出てきております。今 回 ここでは旅館営業の関
係と簡易宿所営業そ れぞ れについて言われて おり ますが、具体的には3ペ ー ジ目をごらんいただけ
ればと思います。
田舎暮らしの関係 につ きましては、3 ページ目 の下から9行目ほど に3 項というもので 、簡易宿
3
3
所営業というものが ござ いまして、そこの一 に客 室の延床面積は 33 ㎡以上であることと規定され
ております。これ は旅館業 法の施行令に規定されているわけですけれども、33 ㎡という規定の適用
を旅館業法の許可を与えるときに除外してほしいというのが田舎暮らしの規制緩和の要望でござ
います。
もう一つございま した 町屋・古民家に 対します 旅館業法の規制緩和 につ きましては、同 じく今ご
らんいただいており ます 法令の関係、もう 尐し上 にいきますと、中 ほどに 2としまして、旅 館営業
の施設の構造設備の 基準 は次のとおりという こと で出ております。
一としまして、客 室の 数は5室以上である こと 。
二としまして、和 式の 構造設備による客室 の床 面積はそれぞれ7㎡ 以上 であること。
飛びまして、四としま して、宿泊しよ うとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する
設備を有すること。
ここの点について 緩和 をしていただきたい とい うのが要望でござい ます 。
お手元の資料1に 戻っ ていただきますと、一番 上 の新成長戦略実現に 向け た3段構えの経済対策
につきましては、今 年9 月 10 日 に閣議決定がされております。閣議決定の資料につきましては、
お手元の資料2をご らん いただければと思い ます 。
資料2に9月 10 日 閣議 決定というものがございます。そちらの該当箇所といたしましては、 21
ページをごらんいた だけ ればと思います。21 ページの上から2つ目の○に「○観光振興をはじめと
した地域活性化」と いう 項目がございます。
ここの項目につき まし ては、もともと左の 20 ページをごらんいただきますと「5.日本を元気
にする規制改革 100」の中 の1つの項目でございます。この中で町屋・古民家を活用した宿泊施設、
その他も書いてござ いま すが、規制についての所 要 の見直しまたは明確 化を 行うということが盛り
込まれているわけで ござ います。
これらを一覧にし まし たのが同じ資料の 29 ページ目でございます。29 ページ目の上から2つ飛
んだところに「観光 振興 をはじめとした地域 活性 化」がございまして 、そ の中で 17、 18 としまし
て、町屋・古民家、民宿 、民泊の区分の明確化がございます。これに対します規制改革の概要と実
施時期について明記 され たということでござ いま す。
続きまして、構造改革 特区の関係でございますけれども、お手元資料の資料3をごらんいただき
たいと思います。「構 造改 革特区(第 18 次)について」でございます。
「構造改革特区 の流れ について」若干触れさせていただきたいと思いますが、略して特区と呼ん
でおりますけ れ ども 、 特区 の 要 望は 年 2回、春と秋に行われるということでございまして、第 18
次については今年6 月に 募集がされまして、内閣 官 房地域活性化統合事 務局 から9月に各省庁に検
討要請がされるとい う動 きでございます。
この実施につきま して は、全国実施 、特区とし て実施、対応を検 討とい った項目について各 省庁
において対応方針を 最終 的に決定するわけで すけ れども、その決定につい て は構造改革特別区域推
進本部による本部決 定と いうのが最終の意思 表示 になっております。
全体の流れにつき まし ては、下にございま すフ ローのとおりでござ いま す。
4
4
この流れに沿いま して、次のページを開けていただければと思いますけれども、本年 10 月 14 日
でございますが、構造改 革 特別区域推進本部と して の対応方針が決定を され ているところでござい
ます。
この中でどこに該 当す るかといいますと 、今1 ~4までございます が「 3.規制所管省庁 におい
て今後前向きに検討 を進 める規制改革事項等」と い う中に田舎暮らしの 関係 につきましては盛り込
まれております。
具体的な内容につ きま しては、一番 最後のペー ジをごらんいただければと思います。933 という
ことで一番上にござ いま すが、田舎暮ら し小規模 民宿開業に係る規制 緩和 ということで、客室面積
等の規制緩和につい て検 討し結論を得る。この時期 につきましては、23 年度中できるだけ早期に結
論ということが決定 をさ れている状況でござ いま す。
最後に総合特区の 関係 でございますが 、資料5 をごらんいただけれ ばと 思います。資料5につき
ましては「『総 合 特 区 制 度』 に 係 る 自 治 体や民間らの提案を踏まえ、優先的に検討に着するべき規
制・制度改革について」と いうことで、こちらにつきましては、本年 10 月 27 日付で内閣官房から
各省庁に検討依頼が あっ たものでございます 。
該当箇所につきま して は、27 ページ をお開けいただければと思います。27 ページの隣の 26 ペー
ジに「4.観光立国 ・地 域活性化戦略」「(1 )観 光立国の推進」とい うも のがございます。
その中をずっとき まし て、次の 28 ページをごらんいただきますと、上から2つ目に「④旅館業
に 係 る 客 室 面 積 要 件 の 適用 除 外 ( 田 舎 暮 ら し 交 流体 験 民 宿 )」 が ご ざ い ま す。 内 容 と し ま し て は 、
地域に根差した伝統工芸品の製造業者または集落の活性化や空き家利用に取り組むNPO法人が
自宅の一部または空 き家 を利用し、田舎 暮らし交流体験の機会を提供すべく、小規模な民宿を開業
する場合、簡易宿所の客室 面積の要件( 33 ㎡以上)を適用しない。これが厚生労働省に検討要請さ
れております。
「⑤町屋・古民家に関 する旅館業法の規制緩和(最低客室数及び玄関帳場の設置義務等の緩和)」
でございます。下 から2 行目に旅館業許可に要する構造設備の基準(最低客室数、玄関帳場の設置
義務等)を緩和する とい うことで、厚生労働 省に 検討要請がされた状 況で ございます。
これを受けまして 、資 料4をごらんいただ きた いと思います。資 料4は「地域の提 案に基づく総
合特区のイメージ」でご ざいまして、下のく くり に「4.観光立国・地域 活性化戦略」という 項目
がございます。こ ちらの 一番上の○「○
観光交流人口の拡大・需要創出による地域経済の活性化
と我が国の経済成長 」に 今回の項目が盛り込 まれ ております。
16 ページを ごらんいた だければと思います。右下にページがございますので、 16 ページをごら
んいただければと思 いま す。16 ページ の上のところでございます。中ほどの「訪日外国人観光客の
受入れ拡大に向けた 体制 整備や地域の観光資 源を 生かした魅力ある観 光地 づくりに必要な規制・制
度改革、税財政・金融措 置等を集中的に実施」という中で、左 のくくりですけれども「地域資源を
生かした『着地型 』観光 」の中に町屋・古民家など風情ある建築物の活用といったものが位置づけ
られております。
16 ページの下の項目 で すが、右側の方でございます。「地域の観光資源を生かした個性豊かで魅
5
5
力ある観光地づくり 」に つきましては、2 つ目の くくりの一番上でご ざい ますが、地域の歴 史・風
土に培われ、伝統 ある風 情を伝える町屋・古民家、街並み等の保全・活用といったことで位置づけ
られております。
先ほどの検討要請 に基 づいて、現在どのような結果になっているかというところでございますが、
17 ページで大き く4つ分 かれております。
「○直ちに対応するもの」、下が「○対応する方向ではあ
る が 、 付 す べ き 条 件 等 を検 討 す る の に 一 定 の 期 間を 要 す る も の 」、 3 点 目 とし て 右 の 上 で ご ざ い ま
すが「○今後さら に論点 を詰めて検討するもの」とございますが、この中に町屋・古民家に関する
旅館業法の構造要件 緩和 、田舎暮らし交 流体験民 宿に対する旅館業法 の構 造要件緩和」と いうこと
で2つが盛り込まれ てお ります。その下は「○現 行制度により対応可 能と 考えられるもの」という
ように段階的になっ てお ります。
本 日 の 検 討 会 と し ま して は 、 今 後 更 に 論 点 を 詰め て 検 討 す る も の と い うこ と で 、 町 屋 ・ 古 民 家 、
田舎暮らし、これらにつ い ての条件緩和についての検討をお願いするということで本日お集まりを
いただいたというこ とで ございます。
それから、そ もそも新 成長戦略に向けた3段構えの経済対策につきましては、資料の1ページ目
にお戻りいただけれ ばと 思います。これまで構造 改 革特区といったもの でい ろいろ規制緩和を要望
されていたものの中 から 、実現可能なも のについ ては早急に規制改革 を進 める。それによ って需要
なり雇用創出をする。そ れ によって経済対策を循環させようというねらいで新成長戦略実現に向け
た経済対策といった 中に 盛り込まれてきたと いう ことでございます。
それから、特 区の関係 と総合特区の違いで一番大きいところにつきましては、総合特区について
は財政支援、税 制等につ いて国と地方、提案されたところ が一体となって進められるといったとこ
ろが大きな違いにな って おります。
事務局からは以上 でご ざいます。
○倉田座長
今、説明さ れたことについて何か御質問はございますか。今、特区というのははやり
で、ワクチン特区 、再生 利用特区と出て、大 してお金が出ていないんですが、この特区というのは
内閣からどさっとお 金が 出るんですか。
○新津課長補佐
一 体的 に進めていきましょうということで、予算も確保していると聞いておりま
す。
○倉田座長
どうぞ 。
○渡辺(茂)委員
規制 緩和は非常によろしいと考えております。今回旅館業法の施行令の客室の
数と床面積の規制緩 和と いうことなんですが 、そ もそも論なんですけ れど も、例えば旅館 業法の旅
館の構造基準で7㎡ 以上 という床面積基準が あり ます。これは客室の衛生 確 保という観点から何と
なくわかるんですけ れど も、例えば客室の数 10 室以上あるいは旅館営業の客室の数5室以上とい
6
6
う規定があるんです が、こ れはどういった観点 から こういった規制が設 けら れているのかというの
は前から疑問に思っ てい ました。その辺 がわかれ ば教えてください 。そも そも論で要らないよ うな
気がしないでもない んで すけれども、その辺 はい かがお考えなんでし ょう か。
○倉田座長
この点 はい かがですか。事務局何かお答えありますか。
○新津課長補佐
区 分と しましては、ホテル、旅館といったところを区分するための1つの構造の
目安でございます。 旅館 につきましては5室、ホテルにつきまして は 10 室以上ということで、ま
た客室の面積として はホ テルが9㎡、旅 館につい ては7㎡ということ で、1つの区切りとして の目
安を設けたというこ とで ございます。
○倉田座長
どうぞ 。
○渡辺(茂)委員
床面 積は何となくわかるんです。衛生確保という観点からこういったある程度
広く基準を設けると いう のはわかるんですけ れど も、客室の数につい て 10 室と5室とあるんです
が、例えばホテル営業の 場 合8室だと完全の施行令の基準になっていますからアウトになってしま
うんですけれども、な ぜ 10 室とか5室といった 基準 があるのかというの がち ょっと疑問なんです。
○堀江課長
細かな 経過 は担当補佐から補足があればですけれども、旅館業法は基本的に旅館業の
健全な発達というも のも 1つの目的に入って いて、要は2部屋でもいい とか 3部屋でもいいとかい
っていると、そ こ自体は 適正な広さの規模があっても、経営として成り立たないということもある
のではないか。法律の目 的 は単に最低基準というのは衛生だけを見て衛生が守られるものではなく
て、経営の一定の健全な 運 営も含めて最終的に公衆衛生の確保を図るという考え方に立っているん
だと思います。そう いう 理解でこれを担当さ せて いただいています。
○渡辺(茂)委員
○倉田座長
わか りました。
ほかに 何か 御質問ございますか。
これを見ると、すごく 細かくぎしぎしに規定してありますね。こんなことをしていたら、ジュネ
ーブのホテルはみん な落 第だね。2m×5mです べてが入っているな んて 、日本の基準の方 がはる
かにきついです。
○堀江課長
最低基 準と してこれぐらいは必要なんだろうとしていることで、ある意味理想的な基
準が書いてあるわけ では ないというのが1つ でご ざいます。先ほど課長補 佐 から説明があったんだ
と思いますけれども、新 し い事業の形態で事業 をさせてもらえればありがたいと言っている方々と
いうのがいて、いろいろ な名目がついて、そういうことを促進していくことで経済が活性化される
7
7
んだろうと規制緩和 の流 れというのがいろい ろあ って、そうは言 うものの 、旅館業法からすると一
つひとつは規制のへ りみ たいなところを尐し 削っ ていくような話なん です けれども、それを続けて
いくと全体としての質が下がることが予想されるのかどうなのかというところが難しいところで
ございます。今 日は全旅 連の佐藤会長にもお見えいただいていますし、これからお話いただくんだ
と思いますけれども 、要 は 33 ㎡ だとか、今おっしゃっていただいた何室 というところを一つひと
つじっと見て、科学的根拠 があるのか、ないのかみたいな話をしていても、なかなか難しい。ただ、
そ れ を 一 つ ひ と つ を 外 して い っ た ら ど う な っ て しま う の か と い う の も 旅館業法の目的からすると、
また法目的が達成で きな くなるというところ で、改 革をしようとする側 と法 の趣旨を生かしなが ら、
これを最低基準として実行していこうという側との間のコミュニケーションが難しいというのが
この問題の所在だと 思っ ていまして、正味のところ苦労しております。
先ほど資料4の 17 ペ ー ジ目のところは説明があったんだろうと思います。
○倉田座長
ありま した 。
○堀江課長
これを 何と か対応する方向で、付すべき条件等を検討するのに一定の期間を要するも
のの方に移せないか とい う働きかけがありま して、私どもも勿論できる緩和はしたらいいと思うん
ですけれども、検討もし な いうちからできますということも言えないだろうと申し上げておったと
ころでございまして 、規 制を改革しようとす る側 からすれば、今の ある制 度を前提とせず、ゼロベ
ースで考えてつくったらどうなるんだみたいな考え方でいかないと社会が早く変わっていかない
とおっしゃるところ があ ります。話の趣旨はわかるんですけれども、一方で衛生行政を確実に実施
していこうとすると きに、そういうアプローチ でし ていっていいと納得 する ほどには自信が持てな
いということでござ いま して、この検討会に御議 論 をいただくことをお 願い しているところであり
ます。失礼しました 。
○倉田座長
ありが とう ございました。
何となくわかった よう な、わからないよ うなんで すが、17 ページを見ても訪日外国人の旅行者の
受け入れ体制を整え るた めの云々とあります が、客 がいっぱい来れば自 動的 にそういう人も増えて
くるし、通訳を つくった ら人が来るかというと、世界の旅行の 状況を見てもそういうものでもない
です。要するに お金があ ればみんな来るし、お金がなければ国内もだれも旅行しないという話にな
るわけで、ルールを変 えた ら客が来るということでもないと思うんですが、佐藤さんいかがですか。
こういうルールを変 えた ら客がわんさか来る かと いうことです。
○佐藤会長
来ない です 。
○倉田座長
金があ れば みんな来るんです。日本の国民も旅行するし、今の日本の状態でそういう
状況になるかどうか とい う感じだと思います 。
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さて、ほかに何か 質問 はございますか。どうぞ。
○大井田委員
昔 、新潟 県にスキーの民宿みたいなものがありましたね。あれは古い民家を使って
雑魚寝させていたよ うな 気がします。あ れは旅館 業法には当然違反す ると 思うんですが、あれはど
うしていたんですか 。今 は大分スキーが下火 にな っていますけれども 、あ れは恐らく認めてい たん
ですね。
○新津課長補佐
先 ほど 配付させていただきました、お手元の参考資料1をごらんいただければと
思います。
○堀江課長
条文で す。
○新津課長補佐
参 考資 料1の4ページ目をごらんいただければと思います。中ほどに旅館業法の
施行規則というもの がご ざいまして、基 準の特例としてキャンプ場とかスキー場 、こういった特定
の季節に限り営業す る施 設については構造基準では除外されているという規定がございます。
○大井田委員
なる ほど 。
○倉田座長
どうぞ 。
○池田委員
今回 、検討 した内容については、今、見ている4ページの旅館業法施行規則の第5条
の辺に基準の特例と いう 形で盛り込む方向で 考え ているということな んで しょうか。
○倉田座長
これは いか がですか。
○堀江課長
どうい う方 向性にするかというところまではまだ考えていません。内容を考える方 が
先だと思っていまし て、場合によっては政省 令と いったことになると 思い ますし、先ほど 最初の資
料 で 御 説 明 し ま し た よ うな と こ ろ も 含 め ま す と 、通 知 で で き る よ う な 場 合も あ る か も し れ ま せ ん 。
どういうふうにでき るの か、あるいはどこまでが 限 界なのかということ も議 論してみないとわから
ないということで、 だん だんに研究したいと 思い ます。
○倉田座長
ほかに いか がですか。
○池田委員
あと 、先ほ ど客室の面積とか客室の話がありましたけれども、参考までに 客室の定員
算定について都の状 況を お話させていただき ます。ホテルですと1客室 の面 積が洋式客室だと9㎡
以上というものがあ りま すけれども、更 にその面 積に対してお客様 、定員 を何人ぐらい入れら れる
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かという部分もある かと 思います。それ について東京都の方は条例で規定しておりまして、その中
でホテルですと床面 積3 ㎡につき1名という形で見ております。旅館業につきましても、同じ1名
辺り3㎡確保という 形で 見ています。ま た、1客 室 の床面積と実際に定員を算定する上での床面積
の算出の仕方は若干 変え ています。実際に定員算出するベースとなるものを有効面積という言い方
をしておりまして 、トイ レとか浴室は含まないものとして1客室の有効面積を出して、それに対し
て3㎡で割ると何名 まで は定員として認められますという形で出しております。参考までに 都の現
状でございます。
○倉田座長
ありが とう ございました。
ほかに何かござい ます か。いいですか。
○佐藤会長
済みま せん 。発言してよろしいですか。
○倉田座長
どうぞ 。
○佐藤会長
せっか く旅 館業界を代表してまいりましたので、発言の機会をお許しいただきたいと
思います。
我々ホテル、旅館 業界 なんですけれども、 昭和 55 年は全国に8万 3,000 件近く旅館、ホテル が
ございました。それが現 在は4万 9,000 件ぐらいということで、約4割ぐらい件数が減っておりま
す。
全旅連、我々 の旅館組 合もその中で一番大きい団体ですけれども、最大3万 7,000 件ぐらいござ
いましたが、そ のうち約 2万件ぐらい減っていまして、今1万 7,000 件台に入ってきたということ
でございます。
一番大きく破綻し てい ったり脱会していっ たの は、駅前旅館 、小さな旅 館さんです。そう いった
ところに新しいビジ ネス ホテルができて、古 い旅 館がつぶれていく。
大きい旅館も、御存じ だと思うんですけれども、今、借入金が大きくて非常に苦しい状態 にある
ことは事実でござい ます 。
ただ、旅館業 界という のは昔から設備投資をして、今のような金融機関の支払いが滞っているよ
うな業界かといいま すと、これは全く違いまし て、東 京商工リサーチとい う会 社が 100 年を超える
企業というものを調 べま した。そのうちの 業界の中 でトップクラスにあ るの は旅館業界でした 。300
年、400 年存続 している 旅館というのは 、ほかの企業に比べまして極端に多いという事実がござい
ます。
なぜ借り入れ をこ んな に多く した のか。これは皆さん御存じのように、 1987 年にさかのぼりま
すけれども、リゾ ート法 というものができた わけ です。リゾート法 によっ て、今まで旅館や ホテル
に 関 係 し な い 異 業 種 が どん ど ん 参 入 し て ま い り まし て 、 大 規 模 な 開 発 を 行っ た 。 当 然 地 元 の 旅 館 、
ホテルもそれに対抗 すべ くどんどん設備投資 をせ ざるを得なかった 。そう した結果が、今 、破綻し
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ている。
これは旅館、ホ テルだ けではないんです。御存じのように官公庁でもホテル、旅館をつくりまし
た。我々は先ほど 3万 7,000 件と言いましたけれども、官公庁でどのぐらいあるのか。公営の宿 と
いうところは 3,000 件あ るわけです。我々旅館組合が3万 7,000 件あって、それとは別に 3,000 件
も公営の宿がある。1 つの ところはどのぐらい かと いうと、これは新聞に も出 ていましたけれども、
1兆 4,000 億です。赤 字 関係の施設などもありますけれども、年金施設で約1兆 4,000 億あった。
それを売ったら 2,000 億 にしかならなかったので1兆 2,000 億損したとか、あと地方公務員団体が
赤字ホテルに 193 億円と いうものもありますし、真新しいところでは総務省でこの間 100 億のもの
をある会社に売却し たら 、実際にはかっ たら何千 億ということで 、何十分 の一で売却している とい
う現状がございます 。
そういった失敗を 繰り 返した中で、我 々業界としては今その失敗を抱えて、頭を痛くしているよ
うな設備投資 を して 、 頭を 痛 く して い るような業界、旅館さんがたくさんございます。それが 80
年代です。
95 年になりま すと、グ リーンツーリズムができました。農山漁村滞在型余暇活動促進法というこ
とで、体験民泊 、民宿の 整備に重点が置かれました。これによって旅館も非常に困ってまいりまし
た 。 と い い ま す の は 、 今ま で ラ イ バ ル で な い と ころ が ど ん ど ん 入 っ て く る。 そ う い う 形 に な っ て 、
低料金の価格のとこ ろは 非常に苦労している とこ ろも多くなっており ます 。
今回、玄関の帳 場を廃 止するとどうなるかといいますと、我々のホテル、旅館というのはいろん
な意味で結構警察が 巡回 するんです。何か 問題が あるか、不特定多 数の人 が来たり、犯罪者 が来て
いるかどうかという こと も非常に危惧される わけ ですので、警察が巡回し て 安全を確認するという
ことがあるんですけ れど も、そういった 防犯の防 止に対しましても 、旅館 組合でもいろいろ協 力し
ています。
特に最近では外国 人の 宿泊者につきまして、パ ス ポートのコピーをと れと 警察から言われており
ます。10 年近 く前にSA RSの問題がありました。御存じの ように、台湾のお医者さんが小豆島と
いうところに来て 、その 問題が大きくなったわけですけれども、私の友人も小豆島の旅館を経営し
ておりまして、た またま その旅館に泊まったものですから、テレビに出て驚きまして、どうしたの
かと思いましたら 、そこ に宿泊しただけで 、その ホテルの周りにはだ れも 行く人がいない。郵便配
達も届かない。小 豆島の オリーブを地方 発送 で小豆島から送ったら、郵便を受ける人もいない。そ
う い う 問 題 が 発 生 し た こと か ら 、 旅 館 に 外 国 人 が宿 泊 し た 場 合 に は 追 跡 調査 と い う 意 味 も あ っ て 、
我 々 の と こ ろ で パ ス ポ ー ト の コ ピ ー を と る よ う に要 請 さ れ た と い う こ と だと 思 っ て お り ま す け れ
ども、そういった業 務も あります。
そのほかにもホテ ル、旅館にはたくさんご ざい まして、守らな ければい けない法律というの は物
すごく多いんです 。旅館 業法の中で特に話題になっておりますのは5条です。要するに宿泊を拒ん
ではならないという 問題 もあります。こ ういうと ころはどうするのか 。民 泊の方は宿泊を拒ん でい
いのかどうか。こ ういう 問題から始まって、不特定多数のお客さん、もしくは不特定のお客様が来
た場合どうやって警 察で 調べるのかどうか 。いろ んな問題が出てきま す。食品衛生法とか食品安全
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基本法、そのほか にごみ 処理の問題から始まって、法律がどんどん新しくなって、規制緩和してい
ただけるのでしたら、旅 館 業界も全部規制をな くし ていただければすご く楽 になると思いますけれ
ども、そうはいかな いと 思います。
我々の業界として 非常 に困るのは、駅 前旅館と いう小さい旅館がす ごく 破綻している中で 、今度
は新しく今まで旅館 をや っていないところの 規制 を緩くして、ど んどん増 やしていく。先 ほど座長
がおっしゃいました よう に、宿泊客数が どんどん 伸びていればいいん です けれども、今は どの観光
地 で も ピ ー ク 時 の 半 分 にな っ て い る と い う 現 状 の中 、 こ れ 以 上 増 や し て 、ラ イ バ ル で 競 い 合 っ て 、
観光産業を育成する とい うのはわかりますけ れど も、つぶし合うようなこ と をしてどうするのかと
思っております。特にバ ブルのときには高価な旅館がライバルになりました。と ころが、今は廉価
の 旅 館 が ラ イ バ ル に な りま す の で 、 も っ と 安 い とこ ろ 、 民 泊 の よ う に あるときだけ 安 く 提 供 す る 、
コストがない、固定費が かからないところがどんどんライバルになってきますと、我々業界として
は非常に困ります。
我々のエゴではな くて 、これから 21 世紀で観光産業を推進していく意味からしても、 民泊に対
して規制を緩和して 、全 く業法を取らなくて もい いというのではなく て、最低限の業法は必要 では
ないかと思います。
以上です。
○倉田座長
非常に 重要 な御意見ありがとうございました。
今の佐藤さんのお 話に ついて質問あるいは 御意 見等がありましたら 、ど うぞ。
先ほどのパスポー トの 件ですが、あれ は数十年 前からあります 。私が初 めてヨーロッパに行 った
ときからありまして 、も う 40 年 以上経っています。全部コピーをとるんです。そして、必ずその
夜警察が来ます。全部の コピーを警察が預か り、ホテルも預かるとい うや り方で、これは日本以外
の国はすべてそうで す。今どこの国に行って も、着いたらすぐにパス ポー トのコピーをとる 。です
から、日本がそういう 問題 に対してリスクという考え方がないから、パスポートのことに関しては、
日本人そのものもな ぜと るんだということに なり ますが、これは 今の世界 の常識ですから 、その辺
はしようがないかも しれ ないです。
そのほかのいろい ろな 問題については、観光地 をまわり歩いた経験が余りないのでよくわからな
いですが、何か御意 見が ありましたら、どう ぞ。
新幹線が福島から 仙台 に延びたら、小 さな旅館 が全部なくなってし まいましたね。ひどいところ
では、大きなもの までそ のまま廃屋になっています。これから青森にいくと、また盛岡、八戸の辺
がそういうことにな るん でしょうし、もう一 つは 駅前の話がありまし た。
山ほど観光客が来 るス イスとかイタリアと 違う から、日本に外から来る 人 が要るかどうかは知り
ませんけれども、そんな に大したことはない です 。お向かいの国から観光 客が来るぐらいで、そう
いう意味では観光業 にせ よ、それを担ってい る旅 館さんにせよ大変だ と思 います。
今、非常に重要な点 を指 摘されましたが、質問あるいは参考になるような御意見があり ましたら、
どうぞ。
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それでは、まだ たくさ んありますから、先にいくことにしまして、今、非常に重要な指摘を佐藤
会長からいただきま した 。今後の進め方 について はどんなふうにしよ うと お考えなのか、事務局か
らお話をお願いしま す。
○新津課長補佐
○倉田座長
そ れで は、お手元の資料7をごらんいただきたいと 思います。
紙1枚 のも のですね。
○新津課長補佐
「 今後 の進め方(案)」としまして、記載させていただいております。
第1回は本日でご ざい ますが、本日は問題 の提 起をさせていただい てお ります。
第2回につきまし ては 、年を明けまして 、来年 1月から2月にかけ まし て、関係者からの ヒアリ
ングを予定させてい ただ きたいと思っており ます 。関係者といた しまして は、ホテルまた は旅館等
の営業者の方、先 ほどお 話に出ておりました町屋、農林漁業体験民宿の関係者、関係行政機関、利
用者・消費者 、こういっ た 方々からヒアリングをできればいいということで予定をさせていただい
ております。
第3回につきまし ては 、2月から3月にか けま して、論点の検討を させ ていただきます。
第4回は4月から 5月、検討結果のとりまと めを 行えればいいということで考えさせていただい
ております。
○倉田座長
どうぞ 。
○堀江課長
今、言った よ うなことで進めさせていただけたらどうでしょうかという御提案でござ
います。
今 日 の 最 初 に 資 料 1 で説 明 が あ り ま し た よ う に、 今 、 最 も 問 わ れ て い る部 分 は 資 料 1 全 部 で す 。
新成長戦略、構造改革特区 、総合特区制度への対応ということで、幾つかに具体に下ろしていくと、
先ほどの 33 ㎡の話であ っ たり、帳場の話であったりというように、皆さんから見るとかなり細か
い具体的な話になっ てお ります。
いろいろな会議の 持ち 方というのがあるん だと 思いますが、私といたしましては、本当は規制の
在り方全体について 議論 したらいいのかもし れな いんですけれども、こう い う問われていることに
焦点を当ててしない と時 間もないというとこ ろが ありまして、全体的な話 が あって個別があるとい
うのは当然のことな んで すが、これらについて答 え を出していくという のが 検討の場の意味だと思
っております。皆さんお わかりいただいている話ではあるんですけれども、その辺を重ねるように
お願いをしておきた いと 思っております。
○倉田座長
規制緩 和の ところの下の方の話になったら、個人が勝手にやればいい話なの に、何で
こんなことまで国が お金 を出す、出さない 、規制 を外す、外さない という のか私はよくわから ない
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んだけれども、田舎暮ら ししたい人は廃屋はどこにでもありますから、行って勝手にやればいい話
で、何でこんな ことまで 特区という特別な言葉を使ってわざわざやるのか。田舎は幾らでもありま
すから、中学生 で体験し たければ自分で行けばいいんです。何でこれがこういう法律的な話の中に
入るのか。これは 完全に 思いつきですね。これはだれがしたか知らないけれども、厚生労働省の管
轄かもしれないです が、いわゆる人を動かし て、JRにも乗ってもら いましょう、バスにも乗って
もらいましょう 、廃屋の 山の中の農村の空いている民家を使ってもらいましょう、それは個人が思
いついて行く話で 、国が 率先してやることで すか 。私はこれを見て そうい う感じがします。これは
テレビにもよく出て いま すが、幾らでもや られて います。不便なと ころへ あえて行くとか、あえて
そういうところに旅 行を しようという人もい ます し、外国に行こうと いう 人もいます。
ここのところはど うも よくわからないんで すが、これを特区と称して 内閣 府がやっている特区制
度の中で金を出して わざ わざ推進するという のは、そういうことのためにいろいろな規制を外そう
ということですか 。ちょ っとよくわからない 。そ の辺の説明を聞きた いで す。これだけでは 議論に
ならない。
○堀江課長
座 長 の お っ し ゃ る こ と は 十 分 に 理 解し た 上 で 悩 ま し い と こ ろで は あ る ん で す け れ ど
も、よく特区の 関係の人 と議論しているのは、ここでせき止めているがために多くの事業者さんが
ここに参入できない でい るという状況がある のか。それともどこかでや ろう としている人がぽつぽ
つとして、その人たちが 何 かをしようとするとちょっと不自由だという次元なのかという区別がつ
きにくいところがあ って 、特区を推進し ようとする側の人から見ると、こういうこととをやるのが
日本社会の活性化に 必要 なんだという話があ って みたり、こんなのはやっ た ところで数件しか出な
い ん だ か ら 認 め て も い いの で は な い か と 言 わ れ ると き も あ れ ば 、 厚 労 省 は検 討 会 で 検 討 す る の か 、
たいそうなことです ねみ たいなことを言われ てみ たり、あちらの角度から も こちらの角度からも物
を言われて、そう はいう ものの、私からすると旅館業法というものを所管していて、長い目で見て
規制と振興とのバラ ンス が崩れて、最終的に公衆 衛 生水準が下がりまし たと いうところの責任を取
るのは旅館業法を所 管す る私どもであるわけ でご ざいまして、そ こには一 定の議論、検討 が必要な
んだろうと思います 。
それから、今 日は関係 団体の会長さんに参加いただいていますけれども、やはりコミュニケーシ
ョンもせずにこれに しま した、例えば 33 ㎡をどうしましたとしていくと、事業者さんの方も納得
が得られる話ではないのではないかというアプローチをとろうと思ってこういう会議をしている
んですが、それ は特区の 側から見るとアプローチが古い、遅いと見られがちなところがあるという
ことでございます。
○倉田座長
私らは 子ど もの時代にテントで泊 まりに数人で行ったり、自分の小学校のクラスや中
学校のクラスで山小 屋に 行きました。あの山小屋 の 基準は昔に比べたら トイ レにしても何にしても
今とは随分違って 、山小 屋はよくなったとこ ろも あるけれども、昔 のまま のところもある。どこか
の田舎のうちは 、うちの ところが空いてるから、そこに来て泊ってというのはどこでもやっている
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こ と で す 。 そ れ を あ え て国 が 田 舎 暮 ら し 体 験 な んて よ け い な こ と を な ぜ やる の か よ く わ か ら な い 。
田舎が嫌だからみん な都 会へ出てきてしまっ たん です。違いますか 。だか ら、それをわざわ ざ体験
しようというのはナ ンセ ンスです。
稲刈り体験なんて 自分 で行ったらいいんで す。幾 らでも田植えをやら せて くれるところがありま
す。やった人か らすれば 、あれをちょっとやって農家の苦労がわかったと言ってもらっては困るわ
けです。私は子どもの とき にやっていましたからよくわかります。農家で働く人がいなくなったら、
単発的に小学生、中学生 を連れていって稲刈 りを やらせたら、自分 はそこ の農家に飛び込むか 、そ
の た め に 国 が お 金 を 払 うか 、 そ の た め の 旅 費 を 払う と い う の は ナ ン セ ン スの 極 み だ と 思 い ま す が 、
違いますか。
○佐藤会長
そのと おり です。
○倉田座長
それで 、宿 泊は何でもいいんだということで、単発的なテントで泊まるようなことに
近いことを全部の旅 館や ホテルに規制緩和み たい なことでやるのがい いこ とかというと、私は違う
のではないかと思い ます 。違いますか。
○堀江課長
おっし ゃる ことはわかります。先ほどの 33 ㎡というのは、 33 がいいのか 30 がいい
のか、これだけの委員の 先 生に集まっていただいて議論しているというのも尐し滑稽な感じもしな
いことはないのです が、ただ、大きな流れ からす ると、ある意味そ ういう 既存の制度をゼロベ ース
で見直してつくり直 して いったらいいのでは ない か。今あるものが必ずしも合理的ではないという
向きの発想が、あ る意味 これは1つの事例なんです。旅館業法もそうかもしれませんし、公衆浴場
法もある意味あるか もし れません。
今、座長がおっしゃっ て いただいた気持ちというのは多分共有できるところがあるんだと思いま
すが、どこかで突 然ここ の部分、この規制の部分と突かれたときに、どういうふうにこれをこなし
ていったらいいのか とい うことを検討する意 味で いうと。
○倉田座長
私がわ から ないのは、旅館とホテルはこうであって、キャンプはこうであって、キャ
ンプなんてだれがど うや ろうとだれも規制できない。特区のこの話というのはどうもそれに近いわ
け で す 。 好 き な よ う に おや り く だ さ い で い い ん です 。 自 治 体 の 金 を ば ら まき た か っ た ら 、 ま い て 、
小学生をどこかに連 れて いっておやりなさい とい う話ではないかと思 いま す。今、言ったホテルは
廊下が広くて、部屋 が広 くて、トイレが清潔 で、 食い物がうまければ それ でいいわけです。
そんなことをいっ たら 、今のJRの東 京駅も新 宿駅もあんなものは 全部 、外国の駅から 比べたら
めちゃくちゃです 。避難 路がない。変なも のを金 のためにつくってし まう 。何でもお好きな ように
どうぞとやると、あれに 近くなってくるんです。違いますか。だったら、その前にJRの交通整理
をきちっとするべき で、今の話題は 33 だろうと 20 だろうがどうでもい いわ けです。それは大きい
方がいいし、部 屋も大き くて広くて飯がうまくて安ければいい。温泉が付いていればなおいいとい
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う話です。だから 、今そ ういう努力を旅館業の方々はされていると思うんだけれども、要は安全が
確保できているかと いう ことと、清潔かと いうこ とが基本にあれば 、飯が うまい、まずいは 旅人が
決めることだから大 した 話ではないです。だか ら、何をしたいのかとい うこ とがもう一つ見え ない。
特区のために法律を 変え るというか、ルール を変 えるということなん です か。
○長見委員
済みま せん 。だんだん話が広がっているので確認です。この委員会で決めなければな
らないのは、田 舎暮らし のところだけ、そういう事業が認定されているのかどうか私はよくわから
ないんですが、そこの民宿 に関してと、それから、特区に関してだけに限っての話なんでしょうか。
今、事業者団体 さんが広 く心配されましたけれども、狭い範囲だけの規制緩和ということになって
いるんですか。
○倉田座長
どうぞ 。
○堀江課長
今日の 資料 1と書いてあるペーパーに載っているだけです。ですから、旅館業法そも
そもを変えましょう とい う話を俎上にしてい るわ けではありません。
今、座長とダイ アログ しているんですが、東京駅、新宿駅というお話がありましたけれども、要
はできるだけ特区側 の人 の立場に立って考え て見 ますと、例えば佐藤会長 の ところのホテルや旅館
は結構いいもので 、すば らしいものができて いる んだと思います 。まだお 邪魔したことはあり ませ
んが、そうだとし て、そ ういうところを消費者の人が選べばいいだけの話なので、本当のぎりぎり
した最低基準のとこ ろを どうするかというこ とだ け決めておいたらい いの ではないか。そうすると
33 ㎡という規制 があった り、あるいは帳場が必要ですといってみたり、それが本質的な最低基準の
ところあるんだろう かと いう部分です。言い方は そ れぐらいだったらい いで しょうみたいな話があ
って、それは特区と いう 枠組みの中ですけれ ども 、緩和したらどうな んだ ろうという話です。
一方では、日 本の社会 、それこそ国際経験の多い倉田先生などの御見解もあるかと思いますけれ
ども、何か事故が起きた 場 合にはその制度の仕組みに欠陥があったのではないかとぶれるときもあ
って、そういうと きであっ ても 耐え得る仕組みなければいけないというところで、33 ㎡とか帳場と
いうものがそういう もの に関係するかどうか とい う辺りを検証しなけ れば いけないと思います 。
○倉田座長
どうぞ 。
○佐藤会長
ただい ま聞 いていますと、我々の業界で、今、問題になっているのはウィークリーマ
ンションです。1週間単 位で借りるはずなのに、そこが1泊ずつ泊めているという実例がいろんな
ところであって、何とか それを止めてくれな いか 。ウィークリーだ から旅 館業法も取らない 。例え
ば不特定多数だとい うこ とで、我々の業 界は先ほ どお話があったよう に非 常口、通路はどのぐらい
なければいけないと か、2方向に避難しなければいけないとか消防法があるわけですけれども、ウ
ィークリーマンショ ンの 場合、非常口と か通路とかそういうことは緩和されるわけです。適当に今
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まで旅館業法を取ら なく てやってきている。国の方に訴えれば何かしてくれるという話ですけれど
も、別に訴えても 何かし てくれるわけではないし、そういう緩和がどんどん進むと、どこに泊まっ
てもいいという形に なっ てしまう。それが一 番恐 い。
この問題について 33 ㎡ がどうだこうだということによって、今まで旅館業法を取らなければ で
きなかったところが 、だ れでもよくなるというのが一番困るということです。どんどん緩和されて
いるという意味が誤 解さ れてくるということ が一 番恐いということで す。我 々の旅館 業界で一生懸
命頑張ってきた町の 真ん 中にある旅館がどん どん つぶれていって 、郊外に ある、今まで旅 館もやっ
たことがないし 、消防法 も知らなくて泊めればいいんだ、特区だから何でもいいんだというところ
がどんどん増えてき たり 、または布団部 屋だった りして、客さん を泊める ような施設ではない です
から、1年に何 回しか利 用しないような布団をお客様に提供して、宿泊料金を取った場 合の苦情は
どうするのか。我々の業 界で仕事でやっているものと 、たまに特区で泊める部分の仕事の考え方が
全く違うのではない かと 思っています。ですから、2つといっても、これからいろいろなものが緩
和されることによっ て、追 随するものがたくさ んあ るということを理解 して いただきたいと思いま
す。
○倉田座長
何かほ かに ございますか。まだ時間がありますので、御意見をいただきたいと思いま
す。どうぞ。
○秋山委員
秋山で す。
この検討会は、尐なく とも衛生問題の検討会ですね。特区を設定することによって、衛生問題に
どう影響してくるか とい うことを議論しなければいけないわけです。
○倉田座長
それで よろ しいですか。
○秋山委員
何かぼ けて しまっているような気がします。
○倉田座長
全体の よう な話に見えくるし、農林漁家における民宿と民泊の区分なんてどうでもい
い話だと私は思いま す。
○堀江課長
要は特 区の 方で、特区の要求というか検討事項というのが決まっているわけでござい
ます。指定されているわけ でございまして、それがそのままいいですとなれば、特区なり成長戦略、
経済対策の側からす れば 、それが一番望 ましいわ けです。そのと きに起き 得るよう な衛生問題があ
るので、それに ついては もしやるとしてもこういう条件が必要でしょうとか、こういう内容でない
と緩和ができません とか、そういうことがもし ある ならそれを明確にす る必 要があるだろうという
ことであります。
ですので、先ほ ど来、佐藤会長さんにおっしゃっていただいているのは、帳場をなくすというの
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はいろんな意味での 衛生 問題があるんですと いう ことを、広い意味の衛生 問 題も含めた衛生問題か
もしれませんけれど も、おっしゃっていただ いて いて、そういう 意味では 衛生問題検討会で御 検討
いただくのがよろし いの ではないかと考えて います。
最近は別途生活衛 生関 係の振興に関する検 討会 というものもあるわ けで ございまして、そこでと
いうよりは、や はり衛生 問題というところで、もしも何か問題があるならこういうことですと指摘
をして、例えば 規制緩和 の内容はここまでですということで、なかなか大変な作業だと思いますけ
れども、明確にする こと が必要なのではない かと 考えています。
○秋山委員
わかり まし た。確かにそうだと思います。規制緩和の方向にいっていて、もし規制緩
和をしたときに 、例えば 帳場をつくらなくていいです、あるいは 有効平米数を減らしてもいいです
といったときに 、どうい う衛生上の問題があるのか、その衛生上の問題は大きな法律として旅館業
法という法律のくく りが あるのを特別に除外 して いるならば、その法律を 生 かしながら特区を実施
していく上で、どういう 範囲ならば衛生上の確保ができるかということを提案していく、議論して
いくというのがこの 会の 趣旨で、そういうふ うに 理解してよろしいで すね 。
○堀江課長
はい。
○秋山委員
わかり まし た。
○倉田座長
どうぞ 。
○堀江課長
先ほど の資 料1のところにもありましたことで、課長補佐から紹介させていただきま
した兵庫県の豊岡市 の出 石というところで、玄関帳場を設けなくてもいいとした個別の特区の事例
というものも、単 になし でいいとしたわけではなくて、場外 だけれども管理事務所を設けて、そこ
に言わば帳場的な役 割を していただいて、管理事務所の方がいわゆるチェックインをした 後お部屋
まで御案内するみた いな ことを条件として 、今、特 区として実施してい るん だと理解してございま
すので、そういうよ うな 話かと思います。よ ろし くお願いいたします 。
○倉田座長
これは 冠が 気に入りません。日本を元気にする規制改革 100 ということで、 22 年9
月 10 日閣議決定とあり ま すが、農村に行こう、漁村に行こう、行って泊まろうというのが何で経
済対策なのかよくわ から ない。これは本 当に思い つきですね。テ レビで今 日ここに泊まろうと いう
ものが1時間番組で あり ますね。そこで一 般民家 に泊まります。そ うした ら、あれも法律に 基づけ
ば、全く知らな い人を泊 めたということは違反になるのか。屁理屈を言えばそういうことが出てく
るわけで、どうも よくわ からない。がんじがらめの法律を更に別な格好でやっている。例えばNP
O法人が田舎に行こ うと やり出して、グループを ど んどん送り込めば安 い旅 行会社と同じ になりま
す。
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こういうこともよ くわ からないところがあ るん ですが、衛生上の問題だ け だったらそれはトイレ
がどうなっているか 、下 水がどうなっている か、上水道がどうなって いる かとかそういう話で いく
点も勿論あるでしょ うし 、今、言われ た寝具がど うだこうだという話 もあ ります。衛生関連 の話に
なると、規制所 管省とい うのはここになるわけですね。規制改革事項の検討の内容というのはこれ
もまたね。旅行は 国土交 通省ではないんですか。秋山さんが言ったように、ここは衛生の話だけで
すか。経済対策 という言 葉が気に入らない。こういうことが経済対策と いうこと自体が気に入りま
せん。
お金があればみん など んどん行きます。金がな い から安いところに泊 らせ ようということなの か、
田舎は大事だという こと を都会の子どもに教 えよ うということなのか、議 論 した人たちの方々には
何か裏があるんです か。
○堀江課長
そうい うよ うな新しい経済活動みたいな芽がある。向こうの言い方をすれば、昔なが
らの社会的規制が阻 害要 因になっているので 、そ れを緩和すべきだと いう 発想だと思います 。です
から、旅館業法を含め まし て、法律ができたときの趣旨が今そのまま同じことでいいんですかとか、
その役割はもう終わ った のではないですかということも含めながら話していく。向こう側の発想と
してはあるわけなん です 。
○倉田座長
事例が あり 過ぎます。つま りちゃんとした旅館などは何も関係なくて、ど田舎の人が
いないところ、捨 てられ たうち、漁村で人がいないところにいっての交流とか、事例はどんどん人
がいなくなっている とこ ろに行かせましょう。そ うしたら、50 年前の 1960 年から3~4年あっ た
中国と同じです。北京に いる人や上海にいる 人を みんな田舎に出して 、そ こで生活しなさい 。文学
者も研究者も全部農 業を させる。そういう体験の 小 さなまねごとみたいな感じがするんだけれども、
これは本当によくわ から ない。これは大事 なこと が1つも入っていな いで す。思いつきで 、みんな
田舎に行ってみよう かと いうことのために、その 上 で必要なルールをつ くる ならそれでいいと思い
ます。逆らって悪い けれ ども、それはどうい うこ となんですか。
○堀江課長
私もわ かり にくいところがあるんですが、これは規制改革とか特区の事務局の人がこ
うだと頭の中で考え たの ではなくて、一 般から提 案していただいたも ので 、それをどうす るんだと
いうことなんです 。提案 はだれでも提案して いい んだと思いますけれども、やはり特区を進めよう
とする側は、ど ちらかと いえば言ってきているということは何か問題があるに違いない、恐らく厚
生労働省に限らない んで すけれども、そこで旧 態依 然たる規制をしよう とし ている、あるいは会長、
申し訳ございません 、昔 ながらの団体の意見 だけ を聞いて、尐し 抵抗して いるのではないかと いう
思い込みというか疑 念を 持ちながら、本 当はやっ てみても何ら社会的 影響 がないものか、ある意味
合理的な理由がある もの なのかというのをき ちっ と判断して、できるだけ の 規制緩和をしてほし い。
こういうものを閣議 決定 なりにしてきたということです。
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○倉田座長
そうす ると、クリーニングのあれ があ と1つありますから、説明 をしてもらいますが、
これはまた続けて議 論し ましょうということ です ね。
○堀江課長
そうで す。
○倉田座長
そうし たら 、何が問題があるのか。農村へ行ってやるに当たって、ここに挙がってい
るテーマは本当に人 がい ないところばかりで、何 か やろうというのはそ れは それで結構なんです が、
そこにどういうルー ルが あればいいか。こう いう ことですね。
○堀江課長
はい。
○倉田座長
わかり まし た。そういうこ とを頭に入れて、こういう提案を だれがしているかよ くわ
からないけれども 、大体 見当がつきます 。田舎で 育ったことのない人 が都 会の子どもを田舎に 行か
せましょう、多分 そんな 程度の話だろうと思います。それをどんどんやってもらえばいいので、テ
ントを持って行って やれ ばいいので、う ちの中に 住むなんていう考え 方が 間違っている。そうしな
いと、経験なん かできな いと私は思います。ルールはルールで必要ならばつくればいいということ
で考えていただくこ とに します。
検討事項は先ほど 課長 からありましたよう に、資 料7の関係者ヒアリ ング からこれをずっとやっ
て、最後に論点 の検討を いたしますということです。今日はこれに関しての問題提起ということで
すので、私が気がつ いて いろいろ言いましたが、それを曲げるつもりは全くありません。
それでは、この点 は次 回にまた議論するこ とに いたしまして、ヒア リン グを兼ねてやります 。
資料8「クリー ニング 所における衛生管理要領」について、この前ちょっと議論がちょっとあっ
たものですが、その 説明 をお願いします。
○三川課長補佐
資 料8 と参考資料2の横表 にな っておりますけれど も、こ ちらについて御報告い
たします。
以前、本検討 会におき まして、検討し ていた だきましたクリーニング所における衛生管理要領の
改正についてですけ れど も、本検討会で 検討して いただきました後に パブ リック・コメン トを経ま
して、若干文言 等を修正い たしまして、11 月にクリーニング所における衛生管理要領ということで
通知をいたしました ので 、御報告いたします 。
経緯といたしまし ては 、前回尐しお話い たしま したけれども、昨 年来、引火性溶剤を使うド ライ
クリーニング所の建 築基 準法違反という話がありまして、それを受けまして、私どもの方でもクリ
ーニング所において引火性溶剤を扱う場合にどのような安全対策を講ずればよいかなどの検討を
してきたものになり ます 。
資料8の一番最後 のと ころ、6ページの 下の方 から「第6
引火性溶剤の取扱い」の項を設けま
して、こちらに記 載をい たしております。この形で各都道府県等に通知いたしましたので、この場
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で御報告させていた だき ました。
資料8についての 説明 は以上になります。
○倉田座長
ありが とう ございました。
これは一応報告と いう ことですが、何か御 質問 ございますか。
今、突然出て質 問とい うわけにもいかないと思いますので、もし何かありましたら、事務局へ文
書にしてファックス で送 るなり、メール で送るなりしていただければと思います。それでいいです
ね。
○堀江課長
基本的 には 9月に御審議いただいたものの結果報告です。
○倉田座長
それか ら、 参考資料2は新旧対照表ですね。
○三川課長補佐
○倉田座長
は い。
資料8 と参 考資料2について御検討の上、何かありましたら、先ほど言いましたよう
に御意見をお送りく ださ いということです。
そうしたら、今 日いろ いろ言うのはこれまでですが、事務局から何か今後のこと、連絡事項はあ
りますか。
○奥田課長補佐
次 回の 日程につきましては、本日お配りしている日程 表に記載の上、事務局まで
提出していただきま すよ うお願いいたします 。
詳細につきまして は、決まり次第、御連絡させてい ただきますので、よろしく お願いいたします。
○倉田座長
最後に もう 一つよけいな質問を課長にするけれども、観光政策というのは、要するに
人をもっと動かそう とい う意味ですか。内閣 府の 特区、このポイント はそ ういうことですか。
○堀江課長
そうで す。
○倉田座長
どう見 ても そうしか読めない。しかも、人のいない貧しい農村へ人を行かせましょう。
できれば定着してほ しい という意見です。そ こま で考えていないかね。
○堀江課長
要はい ろい ろな意味で経済規制、社会規制が日本の活力あるいは活性化の芽を摘んで
いるという前提にあ りま す。
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○倉田座長
ますま す伺 いたくなるんだけれども、だったら、この項目は対象外もいいところです。
勝手に行っていれば いい んです。お金と暇 がある 人は、農村へ行っ て魚釣 りをやればいいし 、田ん
ぼに植えればいいし 、大 根をつくっても、芋 をつ くってもいい。
○堀江課長
どれだ けあ るのかわかりませんけれども、しかし、そうすると、33 ㎡はなかなか大変
だ。その制限をなし にし てくれたらいいので はな いかとか、そういうことです。
○倉田座長
いやい や、農業をやろうと思ったらテントを持って行ってやればいいんです。これは
何を言っているか。 どう してもわからない。 この 項目は堀江さんの言 って いる 33 ㎡に対応するよ
うな経済対策の一環 でも なければ、観光 政策の一 環でもない。こ この真意 を次回是非解説して くだ
さい。今日はもう時 間が あれですので、いい です 。
どうぞ。
○渡辺(晋)委 員
日本 を元気にするために、規制緩和をするという考えはよいのですが、人がほ
とんど住んでいない 、あ るいは行かないよう なと ころに、町屋・古民家を 活用した 宿泊施設をつく
る意義がどれだけあ るの でしょうか。
○倉田座長
わかり ます 。
○渡辺(晋)委員
旅館 業における構造設備基準の緩和をすれば、観光客を呼べるという発想が本
当に正しいのかを最 初に 検証すべきではない かと 思われます。
○倉田座長
堀江さ んと は長いからわかっているんです。言っておかないと、それを承知の上でや
らないといけないと いう ことです。それだけ です 。
○堀江課長
正味の とこ ろ、ここの検討会で行って検討するので時間をかしてくださいという言い
方をしているわけで す。これは真面目な話で す。役所だけで考えるんだったら、一晩考えて案を書
いて、例えば佐 藤会長に これにするとぽんと送って、それでいいのではないですかという発想なわ
け で す 。 事 業 者 の 方 あ るい は ユ ー ザ ー の 方 に し てみ れ ば 、 そ れ が い い ん です と い う 前 提 に あ っ て 、
いつまでも帳場がど うし たとか言っているん だと いう話をしている。
○倉田座長
ヨーロ ッパ の田舎の方の民宿、いいホテルまであれすると、どういう施設があります
か。みんな絵で描 いてあ るわけです。立派なホテルですべての項目があるところと、最低のところ
は2つ分ぐらいしか ない です。朝飯のパン とあれ があります。あと トイレと風呂がある。シャワー
しかありません。そ の3 つしかないです。こ ちら は 20 ぐらいの項目が全部ある。それを全部知っ
て、それに基づ いたこと にしておけばいいので、そこをいろいろいじるというのが本当の緩和であ
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って、いじらな いで好き なようにやらせるというのが規制緩和であって、そこにいろいろルールを
はめ込むというのが 規制 なんです。これだけそろ っ ていればお金が高い とい うのがみんなわかるわ
けです。客を泊め るとこ ろは全部オープンにして、観光局なりに行けばみんな手に入る。駅でも手
に入るというシステ ムに すればわかりやすい んで す。
○堀江課長
ですか ら、そういう発想でいけば、佐藤会長のやっておられるような立派なホテルク
ラスのところと 、何でも いいところと、料金も自由という両方を認めるんですかというふうになり
ます。
○倉田座長
勿論そ れで いいのではないですか。
○堀江課長
ですか ら、それでアパートみたいなところがあって、これもホテルですと言ってしま
っていいという仕組 みに しますか、しません かと いうところになりま す。
○倉田座長
今、言 われた ような問題があれば、それはまたそのときにね。20 年ぐらい前からウィ
ークリーマンション は出 てきました。そ れが旅館の方に抵触するなら、またそこでつくればいいん
です。そこのと ころをど ういうふうにするかやればいいのではないですか。今までわからないこと
が出てきたんだから 、そ れだけの話です。そこは きちっとしたルール をつ くればいいんです 。見え
るようにしておけば いい んです。今は見 えないん です。大体農村 に行くの にお金を出して宿泊 する
というのは態度が悪 い。 思想がなっていない 。
○佐藤会長
無料で やれ ばいいんです。問題ないんです。
○倉田座長
自分で 行っ て、食料をみんな持って行ってやればいいんです。
○秋山委員
営業に 関す る法律ですから、何をやっても抵触しないんです。
○倉田座長
発言は 今後 注意しますが、真意ははっきり言います。ただ、秋山さんの言われたこと
から、ポイントは わかっ ていますから、厚労省でやるべきことをきちっと決めればいい。決めるも
のなら決めるという こと でいいですね。
○堀江課長
はい。 お手 数をかけますけれども、よろしくお願いいたします。
○倉田座長
次回か らよ ろしくお願いします。
ヒアリングのとこ ろで、問題点があるという こと でいっぱい出しても らう のがいいのかもしれま
せん。
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○堀江課長
うまく 見つ かるかどうかはわからないんですが、こういうふうにやろうと思っていま
す 。 だ け れ ど も 、 今 の 規制 が 邪 魔 し て い る ん で すと い う 方 が う ま く 見 つ かれ ば 、 来 て い た だ い て 、
本当に何に困ってい るん でしょうかというこ とを お聞きできれば一番 いい と思います。そういうこ
とでございます。
○佐藤会長
それを やり たい人がいるのかどうか。そういう人たちがいるのかどうか、私らはわか
らないんです。具体的に 政治家の先生方はいるというんですが、いる人に来てもらって話してもら
っ た 方 が い い で す 。 漁 村の 人 で や り た い ん だ け れど も 、 ど う い う ふ う に やる ん で す か と い う 話 で 、
具体的な考え方をお 持ち なのかどうか。
○堀江課長
例えば 典型 となるのは、特 区として既に始まったところの豊岡市の方とか、どういう
考えでやって今の旅 館業 法がどう制約になっていて、そこをどう乗り越えようとして、どういう結
果を得て、今こんなこと を やっていますみたいな話も検証をしなければいけないことになっていま
す。
○佐藤会長
是非検 証し ていただきたい。それ が 厚労省の方で認可できることなのかどうかを考え
ていただいて、とても容 認できないという問題があればまた別でしょうし、話を聞いていたらこれ
はとても容認できな い。 特区の方も調べていただいた方がいいです。
○堀江課長
ですか ら、そ ういう方の代表にもできれば次回に来ていただいたらいいと思っていま
す。全国規模の 連合会と いうものがあるわけでないので、見えにくいところの人を探してこなけれ
ばいけないという難 しさ がございます。
○佐藤会長
見えに くい ね。
○秋山委員
ただ 、基本 的に旅館業法というものがあります。それは国民を守らなければいけない
ということがありま す。特区にすることによ って 、その法律の適用 を除外 される。除外され たこと
によって、国民が何らか の 不利を受 けてしまうということが起こり得るのかどうかという議論です
ね。
○堀江課長
そうで す。 おっしゃるとおりです。
○小宮山専務理事
単 純に 経 済 対 策 と 衛生対策はどうするかという話ですね。これは経済対策で、
我々がやっているの は衛 生対策で、そこ でいろい ろ負担もしているし 、ル ールも決めてあると いう
ことです。ただ、今のは 要望は必ずあるんです。あるからこういうことになる。ただ、団体がない
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の で 、 一 方 で は 課 長 が おっ し ゃ る よ う に 探 し に くか っ た り 、 出 て き て ど うい う 言 い 方 を す る か は 、
佐藤さんの方も発言 をし たいだろうし、向こうの 話もよく聞きたいですね。先ほど秋山委員が衛生
対策だとおっしゃっ たよ うに、そこはここで よく 議論をしていただけ たら と思います。
私も 16 業種抱えてい て 、隙間産業というかみんな規制緩和の名の下にこの 30 年ぐらい悪戦苦闘
をし続けていて、それは 衛生がこうだからと いう ことなんです。た だ、最 近は業の振興という もの
も加えていただいた ので、紛らわしくはなるん です けれども、基本的には 国民 の生活をどう守るか。
緩和することによっ て、 そこにどう影響する かと いう御議論を是非お 願い したいと思います。
○倉田座長
それで は、 いろいろ言いましたが、よろしくお願いします。
今日は終わりにし ます 。
○堀江課長
ありが とう ございました。
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平 成 22 年 度
生活衛生関係営業等衛生問題検討会
第3回議事録
日
時 : 平 成 2 3 年 2 月 7 日 ( 月 ) 13:00~ 15:11
場
所 : 厚 生 労 働 省 18 階
専 用 第 22 会 議 室
出 席 委 員 :( 5 0 音 順 、 座 長 ◎ )
秋山委員、大井田委員、長見委員、◎倉田委員
オブザーバー
(財)全国生活衛生営業指導センター
小宮山専務理事
意見聴取人(50音順)
夢ひたちファームなか里代表
梶山意見聴取人
(株)出石まちづくり公社営業課店長
酒井意見聴取人
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長
佐藤意見聴取人
(社)全国消費生活相談員協会理事長
菅意見聴取人
議題:
1.開
会
2.議
事
(1)関係者からのヒアリング
○ホテル・旅館営業者
○町家関係者
○農林漁業体験民宿関係者
○利用者・消費者
(○関係行政機関)次回実施
(2)論点の整理
(3)その他
3.閉
会
1
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○三川課長補佐
定 刻 を 過 ぎ ま し た の で 、 た だ い ま か ら 、「 平 成 22 年 度
第3回生活衛生
関係営業等衛生問題検討会」を開催させていただきます。
本日は、東京都の池田構成員及び千葉市の渡辺構成員は、都合によ り欠席されておりま
す。
また、本日は、オブザーバーといたしまして、財団法人全国生活衛生営業指導センター
の小宮山専務理事、及び全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会・佐藤会長も出席する予
定ですけれども、若干遅れて見えられると思います。
意見聴取人といたしまして、株式会社出石まちづくり公社・酒井意見聴取人、夢ひたち
ファームなか里代表・梶山意見聴取人、社団法人全国消費生活相談員協会理事長・菅意見
聴取人にも御出席をいただいております。
また、渡辺構成員におかれましては、若干遅れて見えることと思います。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
まず、座席表がありまして、その裏に、構成員名簿と意見聴取人。
続きまして、会議次第。
資 料 1 「 ヒ ア リ ン グ 関 係 者 資 料 」。
資 料 2 「 論 点 に つ い て ( 案 )」 と い う こ と で 、 1 枚 の も の に な り ま す 。
資 料 3 と い た し ま し て 、参 考 で 、
「 旅 館 業 法 に 係 る 都 道 府 県 条 例 の 規 定 の 例 に つ い て 」で
あります。
参考資料1といたしまして、前回の議事録、参考資料2といたしまして、旅館業法関係
法令の抜粋したものがあります。
資 料 番 号 の つ い て い な い 横 の 表 で 、「 旅 館 業 に お け る 規 制 緩 和 に つ い て 」、 こ れ は 前 回 の
資料と同じものになります。
資料は以上でございます。不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただきます
ようお願いいたします。
本日の検討会は公開で行われておりますので、念のため申し添えます。
それでは、倉田座長、議事の進行をよろしくお願いいたします。
○倉田座長
本日は、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
それでは、早速、議事に入らせていただきます。
本日は旅館営業の関係の方々からお話を伺うこととしております。どうぞよろしくお願
いします。
な お 、説 明 は 1 人 10~ 15 分 程 度 で お 願 い し ま す 。確 認 し た い 点 が あ り ま し た ら 、そ の 都
度確認し、全体の議論はお話しする方が全部終わってからにいたしますので、よろしくお
願いします。
それでは、事務局から説明をお願いします。
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○新津課長補佐
本日は、佐藤会長より先に始めていただくことになっておりましたが、
遅れているということでございますので、町家関係者を代表しまして、株式会社出石まち
づくり公社・酒井営業課店長からお願いしたいと思います。
町 家 に つ き ま し て は 、昨 年 、特 区 と い う こ と で 申 請 が 上 が り ま し て 、10 月 に 開 業 し て い
るという状況でございます。お手元資料にお配りしております、資料番号がない横の一覧
をごらんいただければと思います。
一 番 上 に ご ざ い ま す 、17 番 の「 町 家・古 民 家 を 活 用 し た 宿 泊 施 設 に 対 す る 旅 館 業 法 の 規
制 緩 和 」、 20 番 と し て 同 様 に 出 て お り ま す け れ ど も 、 町 家 に つ き ま し て は 伝 統 的 な 建 物 と
いうことで、玄関帳場をつくると建物の風情が損なわれるということで、それに代わる条
件等をお守りいただくということで特区の方で承認されております。
それでは、酒井様、よろしくお願いいたします。
○酒井意見聴取人
○新津課長補佐
具体的にどのようなことから申し上げたらよろしいでしょうか。
皆様、どのような営業実態かといったところを含めまして、現在、緩和
されている点、それから、進めていくに当たって困難だったこととか、現在の要件につい
てどのように思われているか等についてお話しいただければと思います。
○酒井意見聴取人
特区申請ということで、簡易宿泊を営業しているわけではございます
が、これに当たって、帳場・フロントと、実際にお泊まりになられる簡易宿所、我々の場
合は「旅籠西田屋」という名前で営業させていただいておりますが、現場の営業、帳場・
フ ロ ン ト の 距 離 が 100 メ ー ト ル 以 内 で な い と い け な い と い う 要 項 が ご ざ い ま し た 。 帳 場 ・
フ ロ ン ト と 、 い わ ゆ る 営 業 現 場 、 宿 泊 さ れ る 簡 易 宿 所 の 旅 籠 西 田 屋 は 、 ぎ り ぎ り 100 メ ー
トルではあったのですけれども、
「 但 馬 の 小 京 都 出 石 」と い う 伝 統 建 造 物 保 存 地 区 群 の 中 に
旅 籠 西 田 屋 は ご ざ い ま し て 、 実 際 は 100 メ ー ト ル 以 内 に そ の よ う な 特 定 物 件 を 探 す と い う
のは、2号店、3号店を営業していく上で非常に難しい要件であると。
○倉田座長
ち ょ っ と わ か り に く い の で す が 、 旅 館 と い う か 、 宿 泊 施 設 を こ の 100 メ ー ト
ル以内に置く、そういう意味ですか。
○酒井意見聴取人
○倉田座長
お泊まりになられる場所と帳場・フロントの場所が。
要 す る に 、 受 付 な り 何 な り す る 場 所 と 寝 る 場 所 が 100 メ ー ト ル 以 内 、 そ う い
う意味ですか。
○酒井意見聴取人
そうです。
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○倉田座長
昔 の キ ャ ン プ 場 み た い な も の で す ね 。キ ャ ン プ の と こ ろ は 小 屋 に な っ て い る 、
あるいは簡易宿泊所。受付があって、鍵を持っていくということですね。
○酒井意見聴取人
そうです。受付する場所と実際にお泊まりになられる場所が違うとい
うことになります。今後、2号店舗、3号店舗をつくっていくのが目標になっているので
すが、出石の町には、大型の宿泊施設、同業他社さんが余りない状態にありまして、近く
に城崎温泉だとか、湯村温泉だとか、いわゆる兵庫県の有名な温泉地がございます。その
中で、我々が目標といたしましたのは京都の京町家の中の「町家ステイ」で、和のモダン
スタイル、和のテイストでお客様に宿泊を楽しんでいただくものを提供できないかなとい
う こ と で 、議 論 に 議 論 を 重 ね て 10 月 に オ ー プ ン さ せ て い た だ い た と い う こ と で ご ざ い ま す 。
帳 場 ・ フ ロ ン ト と 実 際 の 宿 泊 場 所 の 100 メ ー ト ル と い う こ と に 関 し て は 、 も う 尐 し 距 離 的
な規制緩和をいただけたらなと思うことが、まず1点、お願いしたいと思っていることで
す。
それに基づいて、現在、防犯ビデオが旅籠西田屋の正面玄関のところにあって、いわゆ
る 帳 場 か ら 常 に モ ニ タ リ ン グ が で き る 状 態 に し て お り ま す 。そ れ は 、365 日 24 時 間 体 制 で
一忚録画しているのですが、お客様が宿泊場所に入られるときに、監視されているという
雰囲気を持たれるお客様もいるのではないかということがございます。防犯ビデオカメラ
の設置義務が条件にありまして、勿論、必要なこととは思っておりますが、やはりお客様
の立場からすると、ずっと出入りを見られているという感覚 をお持ちでないのかなという
ことは、泊まられたお客様がおっしゃられたことの一つではございます。
あと、定員数の規制といいますか、ちょっと私どもの勉強不足で申し訳なかったのです
け れ ど も 、ト イ レ の 数 が 2 つ し か ご ざ い ま せ ん 。ト イ レ が 2 つ し か な か っ た ら 、10 名 程 度
の 定 員 し か 実 際 は だ め だ と い う こ と で 、最 初 は 15 名 、厳 密 に は も う 尐 し お 客 様 が 泊 ま る こ
と が で き た の で す け れ ど も 、10 名 と い う こ と で や っ て お り ま す 。今 年 の 5 月 に 第 2 期 工 事
をする予定ですが、やはりトイレを増やさないといけないのか、また、費用面で負担にな
るのかなということで頭を悩ませている次第でございます。
こういう事例は全国で余りないとお聞きしております。我々は先任者であるということ
を自覚しながら、勿論、規則は規則の中で、営業を一生懸命していきたいと思っているの
ですが、規制緩和をすることによって、また我々の営業面でも可能性が見出せるのではな
いかなということを率直に思う次第でございます。
そういう感じでよろしいでしょうか。
○倉田座長
ありがとうございました。
何か質問ございますか。
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○堀江課長
実は民主党の委員会が開催されたときに、局長が、まだ見ていないのかと質
問されて、
「 一 度 見 て き ま す 」と い う ふ う に お 答 え し た こ と も あ り 、先 日 行 か れ ま し て 、そ
れに私も同行しました。どうもありがとうございました。ですから、今、説明をいただい
たことで、尐しわかりにくいなと思ったことを補足させていただきます。
い わ ゆ る 古 民 家 が ご ざ い ま し て 、ホ テ ル・旅 館 と い う イ メ ー ジ で 言 う と 、例 え ば 15 人 と
か 10 人 と か お っ し ゃ っ て い た だ き ま し た け れ ど も 、こ こ か ら こ こ が 第 1 号 室 、こ こ か ら 第
2号室みたいなイメージを皆さんお持ちになると思いますが、そうではなくて、丸ごと1
棟 を 倉 田 さ ん 御 一 行 に お 貸 し す る 格 好 の 営 業 を さ れ て い る 、そ う い う ビ ジ ネ ス モ デ ル で す 。
ですから、倉田さんは第1号室、秋山さんが第2号室ということではなく、そこでは食事
も何も出しません。炊事場があって、食卓があって、そこでみんなでつくって御飯を食べ
ましょうみたいな、1棟をそのままお貸ししますみたいな格好になっているところが、行
って、ああ、これが町家なのかというふうに思ったまず一つのことでございます。
一緒に行きました外山局長はもともと新潟の出身で、倉田先生も、今、富山の方にお見
えになりますけれども、日本海側にはこういう古民家みたいなものが多い んだよ、私の親
類の家がそうだったとか、外山局長が感想を述べていました。
(佐藤会長入室)
○堀江課長
もう一つ、防犯ビデオというのは、別にどこでだれが何をつくって食べてい
るかというのを見ているわけではなく、普通の家と一緒で、玄関があってガラガラとやる
と 、 ビ デ オ が 四 六 時 中 回 っ て い て 、 そ れ を 100 メ ー ト ル 内 外 の と こ ろ に あ る 事 務 所 で 常 時
放映していて、何時間分かを録画してあると。
○酒井意見聴取人
そうです。常にモニタリングは帳場の方でできるようになっておりま
す。
○堀江課長
玄関というのは1つしかございませんで、そこで常時カメラが見ているとい
う こ と で ご ざ い ま す 。今 、佐 藤 会 長 も お 見 え に な っ た の で 申 し 上 げ ま す と 、1 棟 ま る ま る 、
ここはもともと倉田さんという人が住んでいた家なんだけれども、そこを旅館風簡易宿所
と し て 提 供 し て 、泊 ま る 人 は 1 団 体 の み 。だ か ら 、そ れ に よ っ て は 10 人 で も 、あ る い は 能
力 的 に は 15 人 で も い い で す け れ ど も 、倉 田 先 生 の 教 室 の 人 が ダ ー ッ と「 み ん な で 行 こ う や 」
という感じの使い方をする。お客さんはいるか、いないか、どっちかしかない。こういう
イメージのものです。
○酒井意見聴取人
1日1件、1棟貸しということです。
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○倉田座長
これは町がやっているのですか、村がやっているのですか。
○酒井意見聴取人
我々は株式会社出石まちづくり公社といいまして、第三セクターが営
業しております。
○倉田座長
いろいろお聞きしますが、防犯ビデオというのは今は常識で、ないことによ
っ て ト ラ ブ ル が 発 生 し た と き に は 責 任 は 公 社 に 来 る わ け で す 。ホ テ ル だ と 全 部 出 て い ま す 。
こんな小さい、ペンの先ぐらいのものできれいに映るシステムになっていまして、あるか
ないかというのは普通のところでは見えない。官庁や図書館はバカみたいなカメラをつけ
ていますが、ああいうのはもう古い。安いからつけているだけで、ほかのところはすごい
カメラで、どんな立派なホテルへ行ってもついていますね。
昔、僕らが学生時代、キャビンだ、バンガローとあって、トイレは表だけれども、6人
とか8人泊まれて、簡卖な炊事もできるようになっている。安い方のキャンプ場と、ちょ
っとお金を払うというのとありましたが、そういうのが尐し程度がよくなったというよう
な感じで、要するにだれも住まなくなったおうちを使用する、そういうことですか。廃村
みたいな。
○酒井意見聴取人
そうです。もともと住まれていた方が亡くなって空き家の状態になっ
た。その空き家をどう復活させるかということをテーマに。
○倉田座長
公社さんで中の整備もある程度して、それで客を泊めると。
○酒井意見聴取人
○倉田座長
そうです。
その場合、1棟幾らとなるのか、1人幾らなのか知りませんが、そういう格
好で、あとは食事は勝手になさいというわけですね。
○酒井意見聴取人
はい。食事の提供はしておりません。
○倉田座長
わかりました。
○秋山委員
既にこの営業は始まっているわけですね。
○酒井意見聴取人
○秋山委員
はい。
利用者から、防犯カメラの設置について、常時監視されているという苦情の
6
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ようなものは出たことはありますか。
○酒井意見聴取人
苦情はないです。ただ、ビデオの方が、もっと小さいものだったらよ
かったのですけれども、帳場の高い位置にあって目立たないのですが、大きめのものを設
置してしまったものですから、出入りは見られているんだなと、その程度のことで、苦情
はないです。
○秋山委員
先ほど委員長が言われたように、今、防犯カメラを設置するのは当たり前に
なっているので、利用者からクレームが出てきているとすれば、その利用者の方の教育 を
していかなくてはいけないのではないかという気がします。
○倉田座長
多分そうでしょうね。
ほ か に 何 か 質 問 は あ り ま す か 。事 務 方 で も ど う ぞ 、何 で も い い で す か ら 、あ り ま し た ら 。
立ち入ったことを聞いて申し訳ないのですが、特区とするからには国がある程度サポー
トするのですか。
○新津課長補佐
今回、町家として承認したことについての費用負担とか、そういったも
のは実際はないです。ただ、違いとしては、この横表をごらんいただければと思います。
現 在 、町 家 と し て は 一 番 上 の 17 番 を 特 区 と し て 認 め て お り ま す け れ ど も 、一 番 下 に あ り ま
す総合特区制度については、従来の特区との違いというところでは、税制とか支援を併せ
てしていきますということで、こちらは支援がありますが、既にやっている町家の方につ
いては支援はないということです。ただ、自治体とかそういったところが一緒になって、
計画などについてはチェックしていくという形でございます。
○堀江課長
今、疑問を解きあかす話であって、議論は後でするという今日の仕切りにな
っていますので、私の発言が変にそっちの方に移してしまってもいけないのですが、問題
意識として考えていただきますと、先ほど酒井さんからおっしゃっていただいたように、
周りに旅館がないという地域でして、あれは何ですかと言ったら、あれはビジネスホテル
のようなものと。ビジネスホテルのようなもので、宿泊者は、旅行者というよりは、作業
員みたいな方が主に泊まられるようなところでしたというような形でございました。そう
ではない場合もあるとは思いますけれども、そのままお話をお聞きすれば、城崎温泉に泊
まられる方が、日中寄ったりしながら過ごすところというのが一般的な使い方だったとこ
ろですので、今のところは競争相手はいない。
かつ、1棟丸ごと貸しみたいな格好ですから、言い方はちょっとあれですけれども、別
荘みたいなイメージで借りるということで、全部自炊しなさいということですし、リネン
は用意しておいてもらえるでしょうけれども、それも2泊したらどうするのかとか、ちょ
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っと聞き落としましたけれども、毎日替えるとかそういうのではなかったですね。
○酒井意見聴取人
○堀江課長
いえ、替えています。
失礼しました。そういう格好になっていますと。ただ、宿泊施設として見る
と、旅館業法の間尺といいますか、簡易宿所ということなんですけれども、面積は十分あ
る 。 た ま た ま 十 分 あ る お う ち な ん で す け れ ど も 、 帳 場 と い う 意 味 で は 、 ち ょ っ と 100 メ ー
トル以内と認定するのはきついかなという感じはしますが、それはともかくとして、監視
カメラ1個で見ていますと。だから、何かあってキャーッといえば、たぶん3~4分のう
ちには走っていって、どうしましたかといって助けられる場所ですという形で、帳場が間
近 に あ り ま す 。こ う い う お 約 束 事 に な っ て い る と い う こ と だ と 思 い ま す が 、そ の と き 、今 、
お 話 し い た だ い た よ う に 、 帳 場 は 100 メ ー ト ル の 中 で な け れ ば だ め だ ろ う か と か 、 あ る い
は、防犯ビデオは玄関のところに1個あればいいというのは、例えばそれが調子悪かった
らどうするのかいう話もあるでしょう。
あと、おっしゃっていただいたのは、トイレを人数分考えようとすると、3つなければ
だめということになるのでは困るんですという辺りで、崩していけばいくらでも規制の中
身としては崩していきようはある。正味申し上げると、あの防犯ビデオをつけておけば帳
場はいいというふうに、もし全国津々浦々なってしまうとすれば、帳場なんか別に要らな
いというような印象を持ちながら帰ってくるところであって、別にそこで佐藤さんと酒井
さんとで取っ組み合いをしていただく必要はないのですけれども、そういうものだからそ
うなのかなという気もするし、こういうものはもっと忚援していかなければいけないとい
うふうに社会が思うのか、いや、何かあったときはどうするんだという方向から見ていく
のか。
特区として認められたところまではいいのですけれども、急にお話を聞いて、各委員か
ら御意見をいただくというのはなかなか大変なことですし、せっかく見てきたので、そう
いう追加説明をさせていただきました。
○倉田座長
ありがとうございました。私も学生時代に、キャビンやバンガロー、山小屋
とか、夏だ冬だとお手伝いしていたことがありまして、現在と昔とは随分違いますけれど
も、それなりにいろいろある。
大変申し訳ないですが、出石というのは兵庫県の出石そばの出石ですか。
○酒井意見聴取人
○倉田座長
そうです。
わかりました。そばがうまいですね。
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○酒井意見聴取人
○倉田座長
はい。ありがとうございます。
東京にも何か所かあって、よく行きます。
それでは、次に行きます。佐藤さんがお見えになりましたが、最後にやっていただくこ
とにいたしまして、夢ひたちファームなか里の梶山さんからお願いします。
○新津課長補佐
それでは、梶山さんからお話をいただきたいと思います。
梶山様が代表されております案件につきましては、参考資料2を見ていただければと思
いますが、4ページをお開きいただきたいと思います。中ほどから下ほどに「旅館業法施
行 規 則 」 と い う の が 抜 粋 で ご ざ い ま す が 、「 構 造 設 備 の 基 準 の 特 例 」、 第 五 条 の 四 に 「 農 林
漁 業 者 が 農 山 漁 村 滞 在 型 余 暇 活 動 の た め の 基 盤 整 備 の 促 進 に 関 す る 法 律 」、こ れ に 基 づ く 場
合 に つ い て は 除 外 を す る と い う 規 定 で ご ざ い ま す 。そ の 規 定 が 、四 角 で く く っ て お り ま す 、
一 番 下 で ご ざ い ま す が 、「 前 項 第 四 号 に 掲 げ る 施 設 」 に つ い て は 、「 令 第 一 条 第 三 項 第 一 号
の基準」ということで、これは何を言っているかといいますと、前のページをごらんいた
だければと思います。3ページの下から7行目ほど、3の中に「一
客室の延床面積は、
三 十 三 平 方 メ ー ト ル 以 上 で あ る こ と 」。 こ の 33 平 方 メ ー ト ル と い う の が 既 に 除 外 さ れ て い
るということでございます。
それでは、梶山様には、営業実態を含めまして、緩和されたことによる新たな問題点等
を含めて御発言いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○梶山意見聴取人
日立市から来ました、夢ひたちファームなか里の梶山です 。
私たちは地域の活性化のために活動を始めまして、農業体験を通して、子どもたちに食
育 、ま た 、30 代 、40 代 の お 母 さ ん 、お 父 さ ん 方 に も 食 育 と い う こ と で 携 わ っ て い ま す 。そ
れと同時に、団塊の世代の仕事をやめた人たちにも、農業体験をしながら、また、私たち
と一緒に、地域の再生ではないですけれども、そういうお手伝いをしてもらいながら、み
ん な で 過 疎 化 に な っ て い る と こ ろ を 活 発 に し て い こ う と い う 形 で 、今 、活 動 を し て い ま す 。
その中において、農家の手助けをする人たちが都会から来たときに泊まる場所がないと
いうことと、それと、農業体験に来たときに食事を提供するのに許可が必要です。何も許
可がなく食事を出すことは、何かがあったときには保証できないということで、私たちは
飲 食 店 営 業 を 取 る と き に 農 家 民 宿 ま で 取 っ て し ま お う と 。ち ょ う ど 16 年 に グ リ ー ン ツ ー リ
ズ ム の 全 国 大 会 を 茨 城 県 で や り ま し て 、17 年 に は 農 家 民 宿 の 勉 強 会 が あ り ま し て 、そ ち ら
に参加して農家民宿を取りました。
私たちのところは1軒の古民家です。それを本部として使っていましたけれども、そこ
に飲食店営業と旅館業、消防法も全部クリアーしまして、一忚そこを農家民宿にして、そ
こはお客様1組で、食事は提供します。農業体験とかいろいろ、そういうことは一緒にや
ります。夜は、私たちは自分のうちを持っていますから、自分のうちに帰ります。お客様
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は、食事が終わって、お話が終わって、おやすみになる方はどうぞごゆっくりしていって
ください、この古民家を有意義に使ってください、私たちは帰ります、あしたの朝は何時
に来ます、食事の支度に来ますからどうぞごゆっくり、という形で帰ります。
農家民宿をやるときには、やはりいろいろなことがありました。許可を取るときには県
庁にも行って、緩和された農家民宿のいろいろな事例とかそ ういうのもいただいたり、保
健所にも行って、どうしたら農家民宿の許可が取れるか、そちらの方も勉強させていただ
いております。
でも、それには随分費用がかかりました。というのは、古民家のうちでだれも住んでい
ないところを使いましたから、水回りとか、トイレは昔のボッチャン式のトイレです。そ
れは衛生的によくないし、若いお母さんたちはそういうところは嫌だと。子どもは平気で
ト イ レ を 使 う と き も あ り ま す け れ ど も 、 20 代 、 30 代 、 40 代 ま で の お 母 さ ん た ち は 、 農 業
体験に来ても、違うトイレを貸してくださいといって使いに行きます。そ ういうことまで
教育するのはちょっと大変かなと思いましたし、あとは旅館業のこともありまして、水洗
にして合併槽をつけまして、お風呂も直しました。お勝手も直しました。莫大な費用がか
か り ま し た け れ ど も 、元 を 取 る と い う と こ ろ ま で い か な い の が 農 家 民 宿 の 経 営 な ん で す ね 。
私たち茨城県でも何人かしていまして、集まりがあって話をするのに、どのくらいかかっ
たけれども、これはなかなかお金は回収できないよという段階です。
それと、農業体験に来ても、泊まるところもある程度整備されていなければ、子どもた
ちもお母さんたちもなかなか泊まれないというのが現状です。うちは昔の建物ですから、
虫は飛んでくるわ、蚊は入ってくるわで、昔の面影を残したいために雤戸をそのままにし
ているわけです。引き戸の板がありまして、網戸をつけなくてはいけないというので、自
家製でつくりまして網戸にしましたけれども、蚊が入ってきます。でも、そういう小さい
虫が入ってくるのは泊まれないと。たまにお電話が来ると、虫はどうですか、蚊はどうで
すかと言うお母さんたちもいます。ですから、昔の考え方で農家民宿をやったら今はなか
なか営業できないです。でも、その中において負けないように頑張りな がら、こういうの
もいいんですよと言いながら、お互いに尐し寄り添って農業体験をしながら、農家民宿を
やっているというのが現状です。
うちの方は過疎化になりまして、部落が消滅していくというのが現実で、日立市でも山
の中はそうなってきます。ですから、私たちが今やっている活動は大事だなと思っていま
す。そうしないと、耕作放棄地やら、農業をする人たちが尐なくなってくるんです。もう
60、70 の お 年 寄 り が 多 い で す か ら 、私 た ち の 活 動 を 通 し て 、そ れ に 興 味 を 持 っ て 、田 舎 の
方でもう一度昔やった農業をやってみたいという人たちのお手伝いをしながら、民宿をや
っています。
トイレですけれども、本当は2つなければいけないと言われたのですけれども、お金が
ないということで1つで我慢してもらいました。民宿には1つでもいいのですけれども、
農 業 体 験 で 100 人 ぐ ら い 来 る と き は 大 変 で す 。 私 が 農 協 の 加 工 所 の 代 表 を し て い ま し て 、
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ピザハウスもつくったりしていますから、そういうところのトイレに行ってもらっていま
す。ですから、トイレのことを言われると、またお金がかかるなとか思います。何しろい
ろいろなことをやるには先にお金です。だからといって、お金が国とかそういうとこ ろか
ら出てくるわけではないです。自己負担です。
以上が経過です。
○倉田座長
質問は後でもいいですが、事実確認とか、いかがでしょうか。
基本的には、トイレがそこにあるのはだめだという人は、僕に言わせれば、来ないでい
いという話でいかないと、子どもというのは最初から教育が大事なので、畑の向こう側の
木陰でおしっこしておいで、うんちしておいでと。それを子どもはやるんですよ。その子
どもが育っていって、だんだん都会という中にいるとおかしくなってくるのかな。僕たち
は 水 洗 ト イ レ の な い と こ ろ で 育 っ た か ら 。そ う い う 方 に は 山 を 一 度 歩 か せ る と い い で す ね 。
○梶山意見聴取人
○倉田座長
やっています。山歩きもします。
トイレのないところね。
○梶山意見聴取人
そういうときには、トイレは外でしてもいいですよと言いますけれど
も、公には、その辺でトイレしていいですというのは法律的に罰せられますから、なるべ
く言わないようにしています。
○倉田座長
トイレはついているわけでしょう。僕たち子ども時代のトイレはさっきおっ
し ゃ っ た と お り の こ と で す か ら 、別 に 何 と も な い け れ ど も 、そ う し た ら 外 国 は 歩 け な い ね 、
水洗でないところは山ほどありますから。
どうぞ。
○長見委員
夢ひたちファームというのはNPO法人か何かになっているのですか。どう
いう仕組みになっているのですか。
○梶山意見聴取人
任 意 団 体 で す 。私 は そ の 他 活 動 し て い る い ろ い ろ な こ と が あ り ま し て 、
そ れ を ひ っ く る め て 、今 年 、法 人 化 に 持 っ て こ よ う と 思 っ て 、今 、勉 強 し て い る 最 中 で す 。
でも、法人化に持っていくのもお金がかかるんです。今までも体験施設とか、民宿とか、
農業体験のいろいろでお金を使い果たしてしまったから、どのくらいあれば法人化に持っ
ていけるかというのを勉強している最中です。私のところ は日立市ですけれども、課題と
しては、行政やその他の団体や仲間にアドバイスをしてもらいながらやっていきたいと思
います。
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農家民宿というのは結構やりたい人が多いんです。でも、自分たちでできるという人は
尐ないです。いろいろな規制とかそういうのがありますので、それをクリアーしていくに
は、行政、保健所、県とか市の人たちに教わりながらやっていく。あとは、農家民宿をや
った人たちにアドバイスをしてもらいながらやっていく。ですから、こういう活動もでき
ますけれども、一人で勝手にやるというのはなかなか難しいです。多分、だれも 出来ない
と思います。
○倉田座長
どうぞ。
○堀江課長
先ほどの酒井さんのところと対比で申し上げますと、酒井さんのところは去
年 の 11 月 か そ の 辺 の ス タ ー ト で 、テ ス ト 中 み た い な と こ ろ で あ り ま す か ら 、ま だ お 客 さ ん
も余り来ていないという状況にあります。先ほどお話し申し上げましたように、大きな古
民家を1棟貸しするというビジネスモデルで、何人までだったら1泊幾らという格好でお
貸しされていることでございます。
そういう観点で言いますと、梶山さんのところは、古民家は1軒だけでしょうかという
話と、どれくらいの方が、頻繁に来られているという話なのかどうか。あるいは、酒井さ
んのところは1棟貸しですので、いくら人気があっても、同じ日にぶつかったら一番に来
られたお客さんしか使えない格好になっていますけれども、梶山様のところはどんなふう
に な っ て い る の か 。イ メ ー ジ を ち ょ っ と つ か み た い の で 、御 説 明 い た だ け た ら と 思 い ま す 。
○梶山意見聴取人
私 た ち の と こ ろ は 、1 棟 貸 し 、貸 す の は 1 家 族 だ け で す 。33 平 米 は ク
リアーしていますけれども、玄関がありまして、4畳半ぐらいの囲炉裏があります。玄関
から入りますと、左側に座敷が2つあります。4畳半と6畳 です。その後に増築した洋間
が7畳ぐらいのところがあります。保健所に許可を取るときに行きましたら、茨城県の場
合 は 、 畳 1 畳 ・ 1 人 で い い で す と 言 わ れ た の で 、 16 人 ぐ ら い 泊 ま れ ま す 。 一 忚 16 人 は 許
可 を 得 て い ま す け れ ど も 、10 人 ぐ ら い し か 泊 ま ら せ ま せ ん 。と い う の は 、ち ょ っ と き つ く
なったりしますから。
○大重課長補佐
これは、ただ泊まらせるだけとかそういうことではなく、農業体験が義
務になっていると思います。ここに活動記録がありますけれども、必ずそれとセットにな
っている。ただお客さんが集団で来て泊まるだけというと、農業 体験にならないと思いま
すけれども、そこは、来たときには必ず、余暇活動に必要な何かの体験がセットになると
いうふうに理解してよろしいのでしょうか。
○梶山意見聴取人
うちのパンフレットの一つは年間会員さんのための農業体験です。も
ともとこちらの方から入りまして、1か月に 2 回農業体験をやって、1年間。毎年同じ農
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業体験をやっていますと、子どもも大人も飽きてしまいますから、今度は会員さんになっ
た方を先生にして、山歩きとか、カヌー遊びとか、遊びを入れていく。今年はツリーハウ
スをつくるということで、会員さんに一生懸命動いてもらっています。その人たちは宿泊
ではないです。毎月2回決めてありまして、体験に来ます。来る方は、東京の三鷹、埼玉
県の川口、千葉県。そして、日立市は市報を出していますから、多いのは日立市です。あ
とはホームページを見て申し込みがあります。
民宿で来るお客様は夏はすごいです。だから、夏は、済みません、ごめんなさい、いっ
ぱいですとお断りしていることが多いです。私たちのこの活動は、主婦が7人で中心にな
ってやっています。男の方はお手伝いという形で、農業後継者で、今、仕事をしながら家
の農業を手伝っているという人たちが何人かいます。その人たちがお手伝いしてくれて、
あとは周りにいる農家のお母さんとか、おじいちゃんとか、そういう人たちが先生になっ
てくれたりして私たちの会を盛り上げてくれています。
そういう方と一緒になって主婦がやっていまして、主婦はお盆は大変なんです。ですか
ら、そこは休み。5月の連休は田植えの準備で忙しいから、民宿は取らないです。お盆も
食事提供の民宿は取りませんが、お客さんによってどうしても泊めてくださいというとき
には、素泊まりでということでお泊めしているときもあります。寒いときは、横に川が 流
れていまして、囲炉裏で火を焚いて暖房にしても結構寒いですから、1月、2月は、寒く
て も い い で す か と い う 話 を し て い ま す け れ ど も 、12 月 か ら 3 月 ご ろ ま で は な る べ く 人 は 取
らないようにしています。どうしてもというときにはお泊まりさせています。
野 菜 は 収 穫 し て そ れ を 料 理 に 使 う こ と も あ り ま す し 、子 ど も さ ん は 、昆 虫 、カ ブ ト ム シ 、
そういうものをとったり、あと、シイタケの原木の中にカブトムシの幼虫があるのよとい
うことで、全然何にもしないでということはないし、里山を満喫してもら ったり、楽しん
でもらう。その地域に来たら、農業体験ではなくても、里山の生活を楽しんでもらうのも
体験だと思っていますから、何にもしないで、はい、次の日はどこへ行きます、という方
はいらっしゃいません。
○倉田座長
ほかにどうですか。
○新津課長補佐
先ほど梶山様から、茨城県での面積のお話が出ましたが、お手元に資料
3というのをお配りしておりますが、上から3つ目に、茨城県の客室面積等、条例の関係
を用意させていただきました。それを見ていただければ参考になると思います。
それから、もう1点、宿泊される方の宿泊者名簿とか、玄関帳場というのはどういう状
況でされているか、お伺いしたいと思いました。
○梶山意見聴取人
玄関帳場をつくるように言われました。でも、一忚机は用意してあり
ま す が 、玄 関 帳 場 の 代 わ り に 、玄 関 を 入 っ て 土 間 が あ り ま し て 、す ぐ に 囲 炉 裏 が あ り ま す 。
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ですから、囲炉裏のところで受付をしながら宿泊名簿を書いてもらっています。
○倉田座長
ほかにいかがですか。よろしいですか。
それでは、次に、社団法人全国消費生活相談員協会、菅さんからお願いいたします。
○新津課長補佐
菅理事長からは、いろいろなところに行ったことがあると思いますけれ
ども、利用者の立場から見ていただいて、玄関帳場がなくなった場合とか、客室の広さの
制限とか、そういったことについて、期待感とか、経験を含めて御発言いただければと思
っております。よろしくお願いいたします。
○菅意見聴取人
初めまして。社団法人全国消費生活相談員協会の菅と申します。
全国消費生活相談員協会というのは、皆さん御承知のとおり、 消費生活センターなどで
消費生活相談を受けている相談員を組織したものです。全国の消費生活相談は国民生活セ
ン タ ー の 方 に 集 約 し 、 年 間 100 万 件 近 い 相 談 が 寄 せ ら れ て お り ま す 。
その中でも旅館・ホテル、ペンション、いわゆるお 客さんをお泊まりさせるところ、そ
の辺の相談というのは全体から見るとそう多くはないです。私ども消費生活相談員協会の
事務局と大阪の事務所と北海道事務所、3か所で、行政が休日の日を補完するという意味
で、土曜日・日曜日も相談を受けております。
そ の う ち 本 日 の 課 題 の 宿 泊 に 関 し て の 相 談 と い う の は 、 去 年 は 3,000 件 の 中 で 3 件 、 前
年 は 4 件 。ま た 、本 年 度 は 2010 年 度 で 途 中 で す が 、3 件 と い う こ と で 、非 常 に 尐 な い の で
すが、相談は入っております。相談の内容は予約をキャンセルしたときのキャンセル料に
関して非常に多いです。これは、お客さんの方の契約意識と宿泊施設がお客様の方にきち
んと説明できないことから派生しているものかと思います。
最近あったのは、ペンションを予約したけれども、都合が悪くなってキャンセルした。
解 約 料 と し て 10 日 以 降 30% の キ ャ ン セ ル 料 を 求 め ら れ た 。 近 時 、 イ ン タ ー ネ ッ ト で 申 し
込みをするというのが非常に多いですが、申し込みをしたけれども、日付が1週間ずれて
いて、
「 今 日 お 泊 ま り に 来 ら れ な い の で す か 」と 。来 週 の こ と だ と 思 っ て い た の が 、キ ャ ン
セル料を請求されたと。あるいは、一方的に今後の利用を断られてしまった。その理由を
ひ も と い て い く と 、以 前 に も 、部 屋 が 汚 か っ た り 、常 備 品 が な い な ど の ト ラ ブ ル が あ っ て 、
前回はおわびとして宿泊費を返金されて、今回もそのような状態でトラブルがあった。そ
れでチェックアウト後に、今後の利用は断ると一方的な電話をされ、こちらには落ち度が
ないのにどうしてそういう態度をとられるのかと。今回の検討会の論点と尐し異なります
が、接客態度と言いますか、マナーというものがお互いずれている、このような相談が入
っております。
先ほど梶山さんがおっしゃったように、グリーンツーリズムというのは、早い段階で、
田舎で同級生が突然グリーンツーリズムをやって、脚光を浴びました。彼女は今、あちこ
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ち講演に出かけていますが、目のつけどころが、ちょっと時代を見据えてみると、すごく
活発に利用されていて、都会から修学旅行生が行っているという状況で、ヒットしている
ようです。
ただ、そういうときに、宿泊施設という人を泊めるところの安全面がどうなのか。衛生
面は、保健所の食品衛生の立入りとかあるからいいのですけれども、 宿泊施設の安全面で
すね。ことに古い民家を改造したときは、耐震性とか、避難性とか、そういうものが確保
されなければ安心して利用できないのではないかということも感じております。帳場・フ
ロ ン ト と 客 室 が 離 れ た と こ ろ と い う の は 、 防 犯 シ ス テ ム で 100 メ ー ト ル と い う の が 駆 け つ
けていく距離から発想されたものなのか、常時見回っていて距離が最大だと発想されたも
のか。そこのところは、文化の進展とともに尐し考えてもいいのではないかとは思います
が、利用者からみて安全面を考えた場合にはよく検討していただきたいと思います。
いざ火事などのときに、きちんと逃げ場とかそういうものを確保できるのか。古民家の
旅籠とかそういうところは、いざ災難のときに戸惑ってしまう。そういう のはやはり設備
として欠かすことはできないし、そういうところの規制は、より一層 確実にしていかなけ
れば安心して利用できないのではないかというふうに感じております。 そういうことから
考えると、帳場設置の必要性があるのではないかと思います。ただし、どのように設置す
るのかは尐し考える必要があるかもしれません。
○倉田座長
ありがとうございました。
今の菅さんの説明に関して、質問、あるいは御意見等、事実確認がありましたら、どう
ぞ。
それでは、佐藤さんのお話を伺った後でまた質問をお受けしたいと思います。
佐藤さん、最後になりましたが、よろしくお願いいたします。
○新津課長補佐
それでは、最後になりましたが、佐藤会長から、旅館業法の規制を受け
ているホテル・旅館等の営業者を代表して御発言をいただくということで、簡易宿所によ
る問題点とか検討を含めて御発言いただければと思いますので、よろしくお願いいたしま
す。
○佐藤意見聴取人
御紹介のありました、全旅連会長の佐藤でございます。
全 旅 連 は 会 員 数 が 約 1 万 7,000 軒 ほ ど ご ざ い ま し て 、支 部 は 47 都 道 府 県 、1,500 支 部 ほ
どございます。全国に網羅している団体でございますけれど も、私もいろいろなところで
会合がありまして、地元だけではなく、あちこちに行きますけれども、最近、特に目につ
くのは貸家が多くなった。田舎に行けば行くほど空いているところが多くなりました。当
然 で し ょ う け れ ど も 、2005 年 か ら 人 口 が 減 っ て き た こ と が 大 き い 要 因 だ と 思 い ま す が 、皆
さ ん 御 存 じ の よ う に 、 2005 年 を ピ ー ク に こ の 5 年 間 で 約 50 万 人 の 人 口 が 減 っ た と 言 わ れ
15
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て い ま す 。 2011 年 か ら 10 年 後 、 国 勢 調 査 に よ る と 恐 ら く 500 万 人 ぐ ら い 減 る だ ろ う と 。
空 き 家 も 、田 舎 に 行 け ば 、端 的 に 言 え ば 10 倍 で し ょ う け れ ど も 、地 方 ほ ど 人 口 激 減 が 激 し
く な り ま す の で 、10 倍 以 上 の 空 き 家 が 出 る だ ろ う 。今 の 空 き 家 の 数 か ら 見 れ ば 、相 当 尐 な
い数だろうということが予想されると思います。
最初のうちは、こういった民家を使ってやることについて、ここだけということで特区
になっていますけれども、一たんこれが許可になれば、どんどん空き家を宿泊施設にしよ
うと。我々業界の人間も空き家を使ってやろうということになりますと、宿泊が自由にで
き る わ け で す か ら 、連 休 と か 、そ う い う 使 い や す い 日 だ け 使 え ば い い と い う こ と に な っ て 、
いろいろな問題が出てまいります。我々業界としては、消 防法とか、警察とか、保健所の
問題とか、いろいろな許可に縛られているものがございますけれども、そういったものが
全くないとなりますと、例えば、そういう問題がいろいろ発生した場合の処理はどうする
のか。この間も言いましたように、外国人が泊まった場合とか、犯罪者が泊まった場合と
か、今は警察が巡回してくるわけですが、例えばけがをした場合、車がぶつかった場合、
旅 館 業 界 で は ほ と ん ど 保 険 の 加 入 を 勧 め て お り ま す の で 、そ う い っ た 保 険 制 度 の 問 題 や ら 、
いろいろな問題が出てくると思います。
私 ど も は 前 に 、公 共 の 宿 に つ い て も 反 対 し て お り ま し た 。公 共 の 宿 も 、1986 年 に 大 型 リ
ゾート法ができまして、最初はそんなに増えると思いませんでしたけれども、あっという
間 に 3,000 軒 ほ ど に な っ て し ま っ た 。 3,000 軒 と い う と 、 地 方 を 網 羅 し て 1 万 7,000 軒 し
かないわけですから、相当な数が増えた。空き家が多い今の時代から見ますと、数千軒、
数万軒になってもおかしくない時代になるだろう。要するに使いやすいだけ使うとなって
く る と 、5 月 の 連 休 、正 月 と か 、布 団 さ え 持 っ て い け ば 何 で も で き る と い う こ と で あ れ ば 、
非常にいろいろな問題が出てくるのではないかと思います。
そ れ か ら 、 33 平 米 の 規 制 の 緩 和 だ け で は な く 、 学 校 の 近 く は 今 、 100 メ ー ト ル 以 内 に 風
俗営業は取れないと思いますけれども、これも、例えば貸家であれば風俗営業の許可なん
か要らないわけです。例えばコンパニオンを呼んできて、学校の周りでドンチャン騒ぎを
してもいい、問題はないということです。これはどうなのでしょうか。これは警察の問題
だから関係ないのでしょうか。
例えば前にも、旅館業法で何か問題になっているところが、学校の前の運動場の中で裸
になって、テレビで問題になって、我々の業界でも非常に厳しく対忚を図られましたけれ
ど も 、例 え ば 、学 校 の 前 で コ ン パ ニ オ ン が い ち ゃ つ い て い る と こ ろ が 運 動 場 か ら 見 え た ら 、
こういうものはどうなのか。我々旅館業の規制の問題になるのか、ということなのです。
それは空き家の問題になるのか、私たちはわかりませんけれども、そういったいろいろな
問題が、規制緩和という美名の下に我々のところに規制をかけられても困るということ。
もし、このぐらい規制緩和していただけるのでしたら、我々の業界も全部規制を撤廃して
い た だ き た い 。そ う す る こ と に よ っ て 公 平 な 勝 負 が で き る の で は な い か と 思 っ て お り ま す 。
リーマンショック以来、業界のことを言うのは大変恐縮ですけれども、大きい旅館さん
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を 中 心 に 売 上 が 19% ほ ど 減 っ て い ま す 。( 新 聞 を 提 示 し て ) こ れ は 『 観 光 経 済 新 聞 』 と い
う新聞ですけれども、売上が極端に減っているというデータが出てきています。減ること
に よ っ て ど う な る の か と い う と 、倒 産 も 増 え る と 思 い ま す け れ ど も 、国 が 奨 励 し て い ま す 、
外 国 人 を 2,500 万 人 持 っ て く る と い う と き に 、 当 然 、 あ る 程 度 の 宿 泊 施 設 で な い と 対 忚 で
きません。いくら貸家、民泊があったとしても、そういう施設に何百万人、何千万人の外
国人、それから国内のお客様が泊まれるわけはないので、今のうちに規制を緩和してそう
いったところをなくしていけば、これから将来、どうなるのだろうと。将来、日本の人口
が減ってきて、外貨収入を上げるということで国策として外国人を入れていく政策がある
わけですから、そういった面からもよくお考えいただきたいと私は思います。
以上です。
○倉田座長
何 か 御 質 問 、あ る い は 、事 務 局 で 足 す こ と が あ っ た ら お っ し ゃ っ て く だ さ い 。
○堀江課長
佐藤さん、来られるのが遅かったので、最初の酒井さんのところで御説明が
あった話で、今日の前提は、あそこはいいとか悪いとかいう話をするのではなく、佐藤さ
んも酒井さんも梶山さんもそれぞれ頑張っておみえになるというのが前提で、酒井さんの
と こ ろ で 申 し 上 げ れ ば 、 帳 場 が 泊 ま る と こ ろ に は な い 。 100 メ ー ト ル ほ ど 離 れ た 管 理 事 務
所 で 24 時 間 ビ デ オ で モ ニ タ ー し 、ま た 、そ の 内 容 も 録 画 し な が ら 対 忚 し て い ま す と 、こ う
いうふうになっています。
よしあしを私は評価するものではないですけれども、帳場があるかないかといえば、な
い わ け で す 。 100 メ ー ト ル 離 れ た と こ ろ に あ り ま す と 。 ビ デ オ で 家 の 中 は 監 視 で き て い な
いのですけれども、訪問者とか、あるいは、悪い人が来るのは管理できるではないかとい
う考え方。また、酒井さんのところの場合は1棟貸ししますから、私たちの家でも、鍵を
開けておいて空き巣に入られれば、あなた何やっていたの?と言われるだけの話です。だ
から、この方が泊まっていて鍵を締め忘れて、うちが被害を受けていましたというパター
ンはないという前提であり、通常のホテル、旅館とは事情が異なるわけです。
尐し管理の仕方が違うのだとは思いますけれども、いずれにしましても、旅館あるいは
ホテルという宿泊施設を運営されている佐藤さんのお立場から、今のような見方をしてい
け ば 、 100 メ ー ト ル 以 内 の と こ ろ で 集 中 的 に 幾 つ も の 民 泊 み た い な も の を 管 理 し て お け ば
事足りるのではないかと、頭の構造としては整理されるわけですけれども、そんなもので
はないんだという思いは、それはそれで佐藤さんの方にあると思います。旅館業法を所管
しているのはうちの方なので、こちらからお聞きするのも失礼ですけれども、帳場という
のはこういう意味合いもあるんだという説明をしていただいた方が、すべてに適用させる
という議論になったときには必要なのではないかと思います。
○佐藤意見聴取人
帳場よりも、もしそういう商売があるとしたら、我々の旅館組合でや
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っ て し ま う で し ょ う ね 。と い い ま す の は 、旅 館 と い う の は あ る 程 度 満 館 日 が あ る わ け で す 。
お客様がいっぱい入る日が全くないわけではない。土曜日がいっぱいになったりして、あ
ふ れ る お 客 様 が 何 割 か い ら っ し ゃ る わ け で す 。そ の お 客 様 を 近 く の 民 泊 と い う 形 に な る と 、
全部そこに届けてしまう。空いているところに全部押し込んでしまう。
要するに、ピークのとき、例えば5連休とか3連休のときに、今、お客様があふれてい
る。国土交通省や観光庁も、それを移してピークを緩めようと、段階的にしようという話
になっていると思います。休日の分散化ということでやっていますけれども、分散しなく
ても、空き家が多くなってくると、そこに泊めてしまえということになってきて、旅館業
法だけではなく、商売になるわけです。空いているところにボンボン全部泊めればいいと
いうことです。何でもありということになります。皆さんのところよりも、民泊なさって
いるところ、旅館であふれるお客様というのは結構あるわけです。土曜日は確実にあふれ
ます。それを全部紹介していったら、それは商売になりますからみんなやり始めます。そ
うすると、めちゃめちゃになってしまう。だから、一たんこれにした場合には、いろいろ
なことができるようになるということなのです。
例えばフロントの問題も、フロントがなくても、うちから1キロ以内であれば大丈夫だ
とか、車で5分だとか、こちらで管理しますから大丈夫ですといえば、空き家であれば周
りにあるのが全部使える。空き家だけではなく、今度はいろいろなものが、土曜日だけ布
団を持っていけば商売になるという考えになってくるのがどういうことなのか、というこ
とをお考えいただきたい。
それから、ほかの問題をどうするのか。事故が発生した場合に、普通、旅館では、火災
保険とか保険があります。だれでもあると思っていますね。しかし、掛けなくても商売が
できるのであれば、火災なんてめったにないことですから、それであれば空き家を全部や
ってしまう。今は、やっていらっしゃる方はまじめに一生懸命やっていらっしゃるかもし
れませんけれども、これから緩和した場合、自由にできる、何でもありということでは困
るということなのです。
○倉田座長
質 問 い い で す か 。佐 藤 さ ん の 御 意 見 は わ か り ま し た が 、酒 井 さ ん 、梶 山 さ ん 、
菅さん、日本全国に、このような組織というか、そういうやり方をしているところはどの
くらいあるのですか。
○酒井意見聴取人
私どもと同じようなパターンの事例というのは、ほぼ存じておりませ
ん。
○梶山意見聴取人
農家民宿は随分あります。茨城県は尐ない方ですけれども、それでも
今 は 10 何 軒 。あ と 、県 の 方 に 登 録 し て い な い 農 家 民 宿 が あ り ま す 。と い う の は 、お 客 さ ん
がついていて、それ以上お客さんは要らない、リピーターだけでいいからという人 もいら
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っしゃいます。
そ れ で 、 去 年 と 一 昨 年 、「 お か あ さ ん 百 選 」 と い う の を 私 も い た だ い た の で す け れ ど も 、
農 家 民 宿 の お 母 さ ん た ち が 全 国 で 100 人 選 ば れ て い る ん で す 。で も 、そ れ は 一 部 だ け で す 。
だから、農家民宿というのは結構いますけれども、大量に泊めるところはないです。先ほ
ど言ったように、消防法とか、食品衛生法とか、そういう法律はある程度は農家民宿が守
っています。ただ、私のところは防犯カメラはないんですね。そういうちょっとしたもの
がないです。
○倉田座長
菅さんのところは、そういう対象は何かありますか。
○菅意見聴取人
いえ、私の方は相談を受ける行政ですので。先ほど座長がおっしゃった
ように、今、防犯カメラというのはあって当たり前の時代です。私もずっと前に、清里の
ペンションを借りて友達と行ったのですが、逆にそういうものがないとすれば、夜は非常
に怖くなりますね。ですから、やはり安心ということでは、同じ建物の中ならいいですけ
れども、離れている場合はあったほうがよろしいのでしょうね。 利用者が利用しやすいと
いうことは安全面と非日常生活を送れることではないかと思います。今後はグリーンツー
リズムや田舎体験等がますます増えていくことでしょうね。衛生面、防犯面、観光等含め
て、宿泊施設の十分な管理の必要性と古民家利用等については多尐の緩和があってもいい
のではないかと。
○倉田座長
今日は、発表なさった4人の方に、事実関係でいろいろ聞きたいことがあれ
ば聞くということで、いい悪いとかそういう話では全くないので、フリーにお話をしてい
ただければと思いますが、何かございますか。
○堀江課長
私ばかり発言して済みません。特に菅さん、あるいは長見さんのところで、
社会のルールというのはいろいろな格好でつくれると思うわけで、お二人は特にユーザー
を代表すると。先ほどお話をお聞きしたのは、苦情になった部分で、もっとこんなところ
を 使 い た い と い う 苦 情 は 余 り な い と 思 い ま す け れ ど も 、た だ 、こ ん な も の も 認 め て ほ し い 、
も っ と こ ん な も の も 認 め て ほ し い と い う こ と か ら す る と 、も っ と い ろ い ろ 出 て き て 、い や 、
あそこでこんなところに泊まれないのは不自由だと。そういうようないろいろ気持ちを受
けて、酒井さんとか梶山さんのところは取り組んでいただいていると思っていますけれど
も、そういう意味では要望というのは数限りない。
一方で、先ほどからたくさん出てきていますけれども、何かあった ときの責任というの
は、私はここで大丈夫なんだ、リスクは私が取りますからといって泊まって、事故が起き
たら、私のリスクでしたというふうにはなかなか人は反忚しないわけでございまして、こ
んなことがひどかった、あんなことがひどかったと、ワーッと苦情を言って回る。そこの
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ルールの適正な組み方というのはすごく難しいというのは、言い切れない部分がある。で
も、どちらかというとこの日本の社会では、何かあった後になって苦情になる場合が多い
のではないか。本当は帳場なんかどうでもいいではないかと言いたい人がいたとしても、
なかなかそうも言い切れないという感じなのかなというところで、特にお二人には頑張っ
てしゃべってくださいということです。
33 平 米 を 減 ら す と か 、帳 場 は も う い い で す と い う よ う な 極 端 な 言 い 方 も あ る で し ょ う し 、
もっとこういうところに留意して、これをもし緩和するならこういうのが代わりになけれ
ばだめなんだとか、いろいろなルールの仕方があると思います。別に誘導しているわけで
はないですけれども、今日はこういうヒアリングの場でいろいろとお話をお聞かせいただ
けると、後からまとめていくときに非常に役に立つだろうと思いますので、よろしくお願
いします。
○菅意見聴取人
個別の業法というのは従来から歴史があって、改正を重ねてきていると
思いますけれども、近時、ADR機能を備えるというのが、金融業界でもそうですし、個
別の方でもそうです。どこか苦情処理をするところが、例えば旅館であれば、私が今まで
経験してきたというか、相談員の立場のときには、全国生活営業指導センターさん、小宮
山さんのところでしょうか、そこのところにしょっちゅう御相談申し上げておりました。
解約料についても、規則でもないですけれども、申し合わせ事項のような形で、今、こ
ういうふうに業者を指導していますということはお聞きしました。3日も前に連絡してい
る の に 100% 払 え と い う の は 、 そ の 旅 館 で 出 す お 料 理 の 分 も 払 わ な け れ ば い け な い の か と
か、ADR機関まで立ち上げなくても、そういう苦情相談も今後の業法の中には取り入れ
て 、消 費 者 の 支 援 な り そ う い う と こ ろ ま で 持 っ て い き た い な と い う ふ う に 感 じ て お り ま す 。
帳場については先ほど言いましたように安全面や接客対忚面から考えると必要性があるの
ではないかと感じております。
○倉田座長
日本の国はそういうところが非常に親切ですね。外国は全部ぶったくりです
よ。登録した人は、何の理由があっても3泊5万円なら5万円取られる。登録したら、オ
ンとやったらそれで終わりです。何があっても一切返しません。ヨーロッパもアメリカも
外国はほとんどそのやり方です。3泊の予定が1泊しかできなくても、一切返さないです
ね。そういうところは非常にはっきりしています。
ちょっとお聞きしたいのですが、日本は、例えば民泊の方もそうですが、どこかへ泊ま
るというときに、こういう条件です、あとはあなたの責任ですよと。そういう個人の責任
といいますか、契約関係が成立したらあとの問題は全部あなたの責任ですと、そういうこ
とはあるのですか、ないのですか。
○梶山意見聴取人
うちの場合は農業体験で、気をつけてやらなければ、もしかしたら何
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か起きるなという場合は、前もって連絡いただいて、保険入れますといって保険を入れる
ときもあります。保険は、宿泊料の中に入れるのではなく、別途いただいた方が本当はい
いのですけれども、夕方来て次の日の朝帰ると。早く帰ってしまう人たちもあるし、親子
4人ですと、名前は来てから登録だと、保険に入れないんです。だから、農業体験で2泊
3日とか1泊2日、フル回転をするというときには、申し訳ないですけれども保険は 入り
ますから、住所氏名、フルネームを教えてくださいという感じで入れます。
だから、そういうことに関しては尐しはいいんですけれども、お金は、民泊に申し込ん
でちょっと都合が悪くてといったときには、取れないですね。私たちは取らないです。食
材はある程度自分たちのもので、あと、前の日に仕入れるものは、私のところは日立で、
漁港がいっぱいありますから、海のものと山のものがあります。尐しのお魚とかそういう
ものは、前の日に市場に仕入れに行きますものですから、もしかしたら仕入れてしまって
も自分のところで使えばいいやという感じで、お金はいただいていません。キャンセル料
も。
○倉田座長
ほかに、事実関係の確認だけで結構ですが。
○菅意見聴取人
追 加 さ せ て い た だ き ま す 。近 時 は 、ホ テ ル に 直 接 申 し 込 む と い う ケ ー ス 、
旅館に申し込むというケースもありますけれども、旅行会社を通じていると、旅行会社か
らあらかじめ契約約款を渡されるので、何日以内なら何%、前日までは0%と。そういう
約款は、従来の旅館に私たちが電話で申し込んだときは、泊まる先からやめる話なんか出
てこないし、そういうものがあらかじめ示されていないところもやはりトラブルの一因に
なるのではないかと思います。
○倉田座長
どうぞ。
○長見委員
課長さんの御指名によりまして。やはり通常の旅館やホテルと同じように期
待すると、違うというところが、不満が出たり、トラブルのもとになると思いますので、
違いは違いであるということをはっきり出していく必要があると思います。
た だ 、 例 え ば ト イ レ 、 3 ペ ー ジ の 上 か ら 6 行 ぐ ら い の 、「 便 所 は 、 水 洗 式 で あ り 、 か つ 、
座 便 式 」、 座 便 式 と い う の は ど う い う も の で す か 。 い わ ゆ る 洋 式 ト イ レ で す か 。
○大重課長補佐
○長見委員
そうです、洋式です。
洋式ということですね。洋式でないと、子どもなんか全然できないで大騒ぎ
をするので、やはりそういう配慮はどうしても必要になってくるのかなと思いますけれど
も、違いも一つの文化というか、そういう生活があるんだということを知らせていく必要
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があると思います。いろんな国へ旅をする人たちも多いわけですから、日本と同じような
条件で必ずしもないわけで、そういうことをわかっていればそれはそれで済むようになる
と思います。
私は山登りもしますけれども、山小屋なんかひどくて、いまだにギュウギュウ詰めにな
ったり、トイレなんてひどいトイレだったりします。そういうのに平気な人たちもいます
ので、わかっていれば問題はないのではないかなと思います。
○梶山意見聴取人
先 ほ ど 、先 に 示 さ な け れ ば と い う 話 も あ り ま し た が 、去 年 の 夏 休 み に 、
初めての方の申し込があったんです。お父さんから申し込がありましてお迎えしたのです
けれども、来たときからお母さんがちょっとおかしいんですね。こわばっていたり。とい
うのは、農家民宿というのはどういうものなのか、お母さんは理解していなかったわけで
す。虫が入るとか、私のところは開けっ広げで、ちょっと普通のところから隔離されて、
周りが竹林。そういうところで、子どもさんが遊んだり何かするところはいいですけれど
も、お母さんが初めて来たときに、これが農家民宿かなと思ったみたいなのです。
話をしていまして、この方はもしかしたら、今夜帰りますと言うのではないかなと思っ
ていたのですが、私たちはいつもと同じようにおもてなししながら、一緒にいろいろなこ
とを体験したり、こうやればできますよとか、こういう料理の方法がありますよとか、そ
う い う 話 を し た ら 、次 の 日 に「 楽 し か っ た で す 」と い う お 話 が 出 ま し た 。そ の と き に 私 は 、
キャンセルして帰るのではないかと心配していましたと言っ たら、本人も、やはり最初来
たときはびっくりした、農家民宿がこういうものだとは思わなかったと。古民家ですから
ね。
たまたまその方はお父さんだから言わなかったのですが、うちは農家民宿でもいいとこ
ろではないですよ、昔の古民家を使ってやっていますから、網戸もサッシではないという
話はするんですね。作り付けの網戸ですから、尐しは虫も入ったりします。でも、蚊帳を
使 う と 楽 し い で す よ と い っ て 、蚊 帳 を 使 っ て 体 験 し た ら 、初 め て の 子 ど も た ち も 喜 ん だ し 、
お 母 さ ん も 、最 初 は ど う か な と 思 っ た け れ ど も 、
「 蚊 の 心 配 も な く 過 ご せ て 、楽 し か っ た わ 」
と言って帰っていただいた。よかったんですけれども、本当は来た日は、これはもしかし
たら夜帰るなと思っていました。そういうこともあります。
○倉田座長
ほかにいかがですか。
○佐藤意見聴取人
茅葺きの家は、何年に一回ぐらい葺きかえをするのですか。
○梶山意見聴取人
私のところはトタンを張っています。大家さんが茅葺きをするのは大
変だから、トタンを張って、あとは吹き付け。茅葺きだと大変ですね。
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○佐藤意見聴取人
私 も 別 の 仕 事 で 持 っ て い ま す け れ ど も 、 屋 根 葺 き か え る だ け で 300 万
ぐらいかかります。あれをやっていたら、とても商売なんかならないです。
○倉田座長
農家の体験だったら、写真に昔のままのトイレを出して、全部写真で、こう
いうところですよ、それでもいらっしゃいとやったら、来ると思うのです。最近は、大学
生がバカみたいに米のつくり方を知らないと。あれは、はっきり言うと教育の間違いだと
思うのです。つくり方もわからないで、お米がおいしいの、まずいのと言うこと自体、日
本は変な国ですが、修学旅行なんて都会に行くことないですから、ベトナムとかタイの農
村へ行って体験させたらいいんですよ。場所によってはトイレなんてない のですから。
最近、公衆便所で若い男性がみんなバンドをずっとおろすんですよ。その話を男の子を
持っているお母さんにしたら、うちの子どもたちもそうだと言うのです。座らないとおし
っこができないというんです。あなた教育悪いよと、同僚のそのお母さんに言ったのです
が、わかりますか。駅のトイレで、さすがに我々大人世代はそんなことはしませんけれど
も、学生はみんなおしり丸見えぐらいまでおろすんです。あれは基本的に教育の間違いで
すよ。どういうことですかね。ああいうことだから、今おっしゃったように、水洗でなけ
ればだめだとか、男性が後ろ向きにトイレに座るなんてちょっと考えられない。
○大重課長補佐
○倉田座長
洋式の癖だと思いますね。
そうですね。それでいくと、さっき言ったように、お母さん方は水洗で、き
れいになって、場合によっては水も出てお尻を洗えるようにしないと座らないとか、こう
いう話になってしまうんですね。全然別の会議のところでそういう話が出まして、何で男
性が座っておしっこするのかという話が外国の人から出たのです。これはやはりえらいこ
とだなということで、これではまともに男の子は育ちませんよ。だから、酒井さんや梶山
さんの話は非常に大事だし、おもしろいと思うけれども、そのままでいらっしゃいとやっ
たら、それでまた来る人は変わるのではないですか。
○梶山意見聴取人
そ の 話 が 出 ま し た か ら 、ち ょ っ と 違 う こ と も 言 い た い の で す け れ ど も 、
今、野菜のものがどうなっているかというのはお母さんたちもわからないわけです。どう
いう木にどういうふうに育っているか。お魚も切り身で泳いでいるとか、子どももそうい
うものだと思っている。切った魚しか見ていない。農業体験をするのは簡卖ですよ。行き
たければ行けばいいというのは簡卖ですけれども、私たちの世代は親に教わっているから
わ か っ て い る 。育 て て い る か ら わ か っ て い る 。で も 、30 代 、40 代 の 子 ど も た ち 、田 舎 が 嫌
いで都会へ出た人たちの子どもたちは、そういうものと接していないからわからない。だ
から、そういう人たちを田舎に呼んで教育するというのが、私たちの農業体験なのです。
そういうことで、農業体験、民宿、旅館。このごろは体験をツアーを組んでやっている
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旅館もあります。だから、もう一度、子どもたち、大人を教育するというのが今の時代な
んですね。ただその辺で宿泊すればいい、キャンプすればいいというのは、好きな人は今
でもやります。でも、できない人たちをそういう方向に持っていくことが、私たちがもう
一度日本を再生する。そんな大したことではありませんけれども、そういうお手伝いをし
ているのかなと思いながら私たちはやっています。
○倉田座長
ほかに、どうぞ。
○長見委員
肝心の玄関帳場の話ですけれども、私は、受け付けすることだけなら囲炉裏
の周りでもいいと思うのです。きちんとした帳場が玄関の脇になければならないというこ
とでは必ずしもないと思います。規模が大きくなって宿泊者が大勢になれば、そんなこと
は言っていられなくて、整理する都合は当然出てきます。宿泊した人たちが何か聞きたい
とかいうところがあるので、やはりそういう施設、フロント的なものが必要になってくる
と 思 い ま す け れ ど も 、 民 宿 レ ベ ル の 多 く て も 20 人 、 30 人 ぐ ら い の 規 模 な ら 、 あ る 程 度 の
そ う い う ス ペ ー ス が あ れ ば 、わ ざ わ ざ 設 置 す る の を 義 務 づ け る 必 要 は な い よ う に 思 い ま す 。
○倉田座長
この前も尐し出たかと思います。ホテルは多分そうすると思いますが、外国
はすべて、どんな民宿だろうとどんなところでもやりますが、身分証明書の提示、あるい
はコピーを取るというのはやっていますか。
○梶山意見聴取人
○倉田座長
それはやりません。
そ う で す か 。日 本 は そ う い う と こ ろ は 非 常 に 甘 い で す 。ど ん な 国 に 行 っ て も 、
どんな田舎へ行っても必ずコピーを取られますね。ヨーロッパの小さい民宿でも、夜、警
察が来て全部回収していきますから、どこにだれがいるか全部わかるわけです。入国記録
を調べたり、いろいろなことをやって、怪しいのは全部トレースされます。日本のホテル
はそういうことはやりませんね。
○佐藤意見聴取人
やっています。これはちゃんと言われていますから。警察からも指示
が来まして、外国人の場合はパスポートをコピーして預かるようになっています。
○倉田座長
一晩、必ず預けられますね。
○佐藤意見聴取人
○長見委員
パスポートのコピーですが。
日本人はやらないですね。
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○佐藤意見聴取人
日本人は持っていませんから、外国人限りです。宿泊者はちゃんと登
録しますから。
○新津課長補佐
同じ外国の方でも日本に住所を有しない方ということですので、例えば
日本人の奥さんであったり、外国人登録された方は除かれるということです。
○倉田座長
どうぞ。
○菅意見聴取人
先ほど長見さんがおっしゃられていました帳場というのは、もともと業
法ができたときは、ここを通る人は全部書いてもらうという、殿様商売なのかなと。梶山
さんのところのようになると、そこに行って、よく来てくださいましたということで、こ
こで名前なども全部書いていただく。ここのサービスの違いかなということを私は感じて
い ま す 。多 分 、酒 井 さ ん の と こ ろ も 、帳 場 と い う の は 集 合 的 に な く て も 、一 軒 一 軒 回 っ て 、
ここにはだれだれが泊まるとか、宿帳みたいなものを御用聞きしながら書いて、それでも
し か り で は な い か と い う 感 じ は し ま す が 、帳 場 の 在 り 方 を 考 え る 必 要 が あ る か と 考 え ま す 。
○倉田座長
更に意見の交換というのは、次回、行政の池田さんにお話しいただいて、そ
こでもまたやるわけですか。
○堀江課長
やりますけれども、今日、来ていただいているスピーカーの方は来られませ
んので。
○倉田座長
そうですね。この方たちに質問なり、いろいろお聞きしたいことがあれば、
まだ時間が尐しありますから、どうぞ。
○佐藤意見聴取人
私も古い屋敷の村で茅葺きの家を何軒か持っていました。やはり何年
かに一回の葺きかえが大変で、とてもとても商売にならなかったです。
それから、トイレの話ですけれども、トイレも毎日利用すればいい。そうすると、 バク
テリアを入れて分解してできますけれども、お客様がその村に来るのは週に何回かしかな
い。そうすると、バクテリアはエサがなくて死んでしまうわけです。だから、トイレの問
題 は 一 番 苦 労 し ま し た し 、金 は か か る し 、商 売 と し て 毎 日 や っ て い た ら い い で す け れ ど も 、
たまにしか来ないと、商売にならない。そこは宿泊施設ではなかったですけれども、それ
でも大変でしたね。お客様からトイレの苦情が一番多かったです。相当金はかけたのです
けれども、きれいにならない。いくら掃除してもきれいにならない。やはり洋式のトイレ
とかホテルの場合だと、きれいにするのは簡卖ですけれども、ああいう施設は難しいです
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ね。
○倉田座長
ほかに何かありましたら、どうぞ。
○堀江課長
今、菅さんがおっしゃっていただいたのがヒントになるか、ならないか、佐
藤さんにお聞きしたいのですけれども、酒井さんのところも梶山さんのところも1棟貸し
になっていて、帳場はそこにはない。あるいは簡易なものしかない。ただ、濃密にお客様
に接しているという意味では、素通りになっているわけではないというのは皆さんわかっ
ている。細かく言うと、ルールが合っているのか、合っていないのかという部分はありま
す け れ ど も 、そ こ は 置 い て 、1 棟 貸 し し て 24 時 間 寝 ず に 見 て い る か ど う か は よ く わ か ら な
いのですが、しかし、大丈夫かなと気にかけながら、今日は出石の方はお客さんが入って
いるからなあと、見ていただけるみたいなことになっている。
そういう宿泊施設のマネージャーの立場から見て、実質的な管理は結構できているとい
うふうに見えるのかどうか。勿論、そのまま全部に適用していいということを結論にした
いわけではなく、たまたまこの2つは、何か足りないなと。旅館業法を放っておいていた
だいて、あるいは、こういうものを野放図に認めるとこうな ってしまいますと。さっき佐
藤 さ ん の 話 は よ く わ か っ て 、オ ー バ ー フ ロ ー し た と き は み ん な 紹 介 し た ら い い で は な い か 、
お仲間をつくったらいいんだみたいなことは、それはそれで別としまして、よくわからな
いといえばよくわからないのですけれども、結構しつこく宿泊者のことをチェックされて
いるのかなという気はしました。どんな感じでお考えでしょうか。
○佐藤意見聴取人
最初のうちはまじめな方が一生懸命やっているでしょうけれども、こ
れ か ら 人 口 が 500 万 人 も 減 る と な っ て く る と 、 地 方 は 空 き 家 ば か り に な っ て し ま う 。 500
万 人 減 る わ け で す よ 。 東 北 は 900 万 人 ぐ ら い し か い ま せ ん か ら ね 。 も う わ か っ て い る わ け
で 、 人 口 統 計 な ど も 御 専 門 で し ょ う か ら 、 こ れ か ら 10 年 間 で 500 万 人 、 そ の 先 10 年 間 が
700 万 人 、そ の 先 は 1,000 万 人 ぐ ら い 減 る わ け で し ょ う 。10 年 後 、20 年 後 、日 本 の 人 口 が
減 っ た 場 合 、 空 き 家 し か な く な っ て し ま う 。 地 方 へ 行 き ま す と 高 齢 者 し か い ま せ ん し 、 50
歳 、60 歳 以 上 の と こ ろ が 山 ほ ど あ る わ け で す 。そ れ を 全 部 や ら れ て し ま っ た ら 、旅 館 業 法
なんてないと同じです。とにかく土曜日ばかり来るわけですから、土曜日だけ勝負すれば
いい。先ほど言ったように、布団を持っていけばいいわけです。我々のところは旅館組合
で 、そ れ は 最 も 得 意 分 野 で す か ら 、布 団 な ん か 持 っ て い け ば い く ら で も で き て し ま い ま す 。
だから、民間よりも早く旅館でやるでしょうね、そんなことをやるのであれば。
だから、酒井さんのところなんかが何軒かできる場合、全部の市町村でやってしまう。
それをやられたらどうなるんですか、ということです。そっちの方が早いです。もう自由
ですから、何でもありといったら、業法は山ほどあるわけです、保険の問題から何から。
それが全部なくてもいいよといったら、みんな好きなことをやりますね 。土曜日だけでも
26
51
商売をする。人件費が毎日では大変ですけれども、パートさんでいいわけですから、学生
アルバイトを頼む。皆さんノウハウは持っていますし、簡卖なノウハウですから、食事が
要らなければ布団を敷くだけです。基本的なノウハウは、今からやる方よりも我々業界は
持っています。ただ、それをやってしまったらどうなるのかということです。それは簡卖
にできますよ。恐ろしいぐらい空き家が多いということです。
○倉田座長
どうぞ。
○長見委員
ただ、そういうところに好んで行く人がそんなに多いかというのも一つあり
ます。お客さんは必ずしもそういう人ばかりではなく、そういうところを好む人がすごく
多かったらある意味苦労はないと思いますけれども、そうはなかなかいかないと思います
ので、御安心くださいと思いますけれども。
○佐藤意見聴取人
いえ、今、結構話題のところがあるんですよ。そういうぐあいに1部
屋 借 り て 10 人 で 泊 ま る と か 、5 人 で 泊 ま る と か 、家 族 で 泊 ま る と い う 要 望 は こ れ か ら 増 え
てくると思います。今は旅館でも土曜日なんかいっぱいですから、オーバーフローしてい
る部分については、そういうところを紹介するということがもし商売になれば、可能性 は
否定できない。意外と簡卖ですから。
○秋山委員
論理的には簡卖だと思いますけれども、旅館の本体が定員オーバーして、オ
ーバーフローした人数をそちらに振り分けるとなると、旅館からそう距離が離れたところ
には紹介できないわけですね。
○佐藤意見聴取人
○秋山委員
その辺は商売のやり方を変えると思います。
そうすると、旅館業法の範疇の中でオーバーフローした人をそちらに持って
いくという話と、話が違うわけです。旅館業をやっている人が民宿の扱いの宿泊もやりま
すというわけですから、旅館業法の適用の中でやるという話では ないわけですね。
○佐藤意見聴取人
そういうことではなくて、言っている意味が説明不足だったと思いま
すが、要するに、その温泉地に土曜日に予約が来るわけです。オーバーするわけです。そ
うすると、観光協会にそういうものをつくるか、何か別の方法でやるかわかりませんけれ
ども、そういう宿泊施設がございますということで紹介できるところが出てくると、そこ
に行くということです。当然、旅館と違います。
○秋山委員
その場合は、旅館をやっている人が手を出すということではなくて、その旅
27
52
館のある観光協会なり何なりの団体が、別途、人を宿泊させる施設を持っています、そこ
に紹介しますという話ですね。
○佐藤意見聴取人
同じ人がやるかどうかはわかりません。経営者は同じでも、やり方が
違うかもしれません。要するにやり方は違いますけれども、経営者が同じでもできるとい
うことです、ノウハウを持っていますから。だから、意外にこれは広く大きくなりますよ
ということです。意外に多くなると思います。
○秋山委員
そうはならないように思いますが。
○倉田座長
梶山さん、どうですか。
○梶山意見聴取人
先ほどから緩和されるというけれども、みんなが緩和されるわけでは
ないんですね。私たちは民宿指定の許可は取りましても、保健所の許可で、お風呂はどう
しなさいとか、今、ここではそういう問題が出ていませんけれども、フロントの問題です
ね。私たちも受付は一忚設けたのです。でも、1組しか泊まらない。小さい家で、はい、
来ましたから、受付のところで受付しましたら、こちらへ来てお茶を飲んでくださいとい
うと、そこの流れがうまくならないですね。ましてや田舎に来て体験したいという人に、
かしこまって、はい、受付をしました、はい、今度はこちらに来てお茶どうですかという
のでは、そこは体験の道具とかそういうのを置いておく必要はありますけれども、それを
使っていなくて、囲炉裏の方で受付をしているということです。
あと一つ、先ほどから聞いていると、ほかのもので結構規制されているものがあるわけ
です。消防法とか、保健所の方も、水槽は二層にします、どんなに小さいあれでも二層に
しなさいと。そうすると、今まで使っているところは全部取り払わなければならないわけ
です。換気扇も家庭用ではだめです、ちゃんと囲って 大きいのにしなさいと、またそこで
10 万 と か 20 万 か か る わ け で す 。 そ う や っ て 結 構 規 制 さ れ る と こ ろ が あ り ま す か ら 、 民 宿
をつくろうという人もそんなにいないのではないのですか。民宿をつくるのにもお金はか
かりますし、元はなかなか取れないので余り増えないと思います。
○佐藤意見聴取人
お っ し ゃ る と お り 、農 家 民 宿 は 結 構 金 が か か り ま す 。民 泊 に つ い て も 、
改装したものについては改装した費用が相当かかってします。要するに、改装しないでで
きるものが出てくると大変だということなのです。改装費用というのは相当かかります、
もし旅館と同じように部屋にある程度設備を設ければ、これは大変です。だから、毎日や
る の で は な く 、曜 日 を 限 っ て 忙 し い と き だ け や る と な る と 、ま た 別 に な っ て く る わ け で す 。
本格的に一生懸命やる人と、腰掛け的に土曜日だけやるという方と、違ってくるというこ
とです。全部一緒くたでやるという考え方は、ちょっと違うのではないかなと思います。
28
53
最初に公営の話もしましたけれども、公営の宿についても、普通はコンパニオンを入れ
ては悪かったのですけれども、結果的にオープンしてしまうと、ああいうところでもコン
パニオンを呼んでしまう。全部何でもあり。信じられないような、行政がやっている部分
でもああいうことをやってしまう。そういう問題をどうするのかわかりませんけれども、
いろいろな問題が規制緩和の名の下に全部できるようになってしまう、それが危険だと私
は思います。
○倉田座長
私的なことから言いますが、私は、もともとは農家ではないですが、中学時
代は伯父さんのところに預けられまして農家に住んでいましたし、それから、大学時代は
山小屋のお手伝いをしたり、先ほど長見さんおっしゃったように、それこそひどいトイレ
のところも、北アルプスは何十回といろいろな山小屋を経験しました。そういうところか
ら始まって、農家がだんだんなくなっていって、最近の若い人は気まぐれですから、体験
したいと。
それはいいのですが、規制緩和されたらどうなるのか。イメージとしてはよくわかりま
すが、今ある規制を壊すと、佐藤さんがおっしゃったようなことが多分いろいろな格好で
出 て く る 。ち ゃ ん と や っ て い る と こ ろ と 、そ う で な い と こ ろ も み ん な 許 可 に な る と す れ ば 、
何が想定されるかというと、現実的な生活を踏まえた上でどこにでも行けばいいと。一言
で言えばそういうようなことをねらっているのか、そこがちょっと見えないのですが、厚
労省の本音は何ですか。
○堀江課長
そんなに腹据わっていませんので。要は、これはもともとは厚労省からの提
案 で は な い わ け で す 。で す か ら 、よ く も 悪 く も 今 あ る 規 制 の 見 直 し を し て い く と い う の は 、
それはそれでしんどいわけですから、特に要望がない部分で、日々これを近代化しますと
いうふうにはなかなかならない。今、特にここの部分はなっているから、お話すると。先
ほどから、長見さんと佐藤さんの間で議論が出ているようにも見えますし、そうでないと
い う 面 も あ る 。と い う の は 、帳 場 と か 33 平 米 の 話 だ け で も な い わ け で す 。そ の と き の 議 連
の話を聞いていると、そういう見直しが適時適切にできていかないこの日本のシステムが
日本を遅らせているというのは、規制緩和すべきだという考え方にあるわけです。ですか
ら 、帳 場 の 話 の 検 討 会 を や り ま す と 言 う と 、
「 え っ 、こ ん な こ と で 丁 寧 に 議 論 す る の ?
そ
んなの厚労省で独断で決めてしまったらいいじゃない」というふうに言われるわけです。
ただ、あえて佐藤さんの懸念のようなものを増幅して申し上げますと、大井田委員にも
お話をお聞きしたいのですが、これもいい、これもいい、これもいいみたいなことをどん
ど ん 外 し た 格 好 の 特 区 の よ う な も の も 、認 め て も い い で は な い か と い う 話 に な っ て い っ て 、
そんなに増えませんよという話があったわけですが、そこから先は自己責任宿泊施設のよ
うなものまで認めると、それは広がるかもしれませんねという話。
今 は 、 例 え ば 帳 場 は 100 メ ー ト ル 以 内 で あ れ ば 一 切 い い で す み た い な ル ー ル に し た と し
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54
ても、それは、梶山さんがおっしゃったようにそんなに簡卖にできるものではありません
と い う 話 で す け れ ど も 、こ れ は 、象 徴 的 に 33 平 米 と か 帳 場 と い う も の が あ る も の で 、先 ほ
ど言われたこともどこまであれなのかわかりませんが、トイレの話とか、防災の話とか、
その辺りも、これでいいならいつでもどうぞという格好のものまでいいようになっていく
と、社会の人の流れというのは随分変わるでしょうし、また、事故が起きたときの対忚も
どこで責任を取るのでしょうかみたいな話になる。役所側は、今、こういう議論をお聞き
しながらアセスメントをしている部分がございまして、危ないけれども、まあ、いいやと
いうのはなかなか言いにくいという意味では、そんなに緩和、緩和とする方向にはならな
いと思います。
○倉田座長
○大井田委員
大井田委員、どうぞ。
いわゆる旅館業法の公衆衛生及び国民の生活の向上に寄与するかどうかで
規制緩和をどう考えるか、ということが目的ではないかと思いますけれども、正直 言って
よくわからないんです。ただ、私は、何でもかんでも規制緩和にワッと行ってしまう、規
制をするのはけしからんという風潮は、やはりよくないなと思っております。厚労省と政
府との間、国会との間もありますけれども、私はそうそう規制緩和しなくてもいいのでは
ないかと思います。
なぜかというと、ここに「農家民宿『なか里』
旅館業営業許可取得済み・食品営業許
可取得済み」と書いてあります。やったからこう書いているわけで、規制緩和をしてビジ
ネスとして繁栄すればいいではないかと、多分そういうお考えで規制緩和を考えていらっ
しゃるのではないかと思いますけれども、でも、トイレの改築をしたり、業者はそれでビ
ジネスとして潤うわけだから、そう目くじら立てるほどのことではないような気がしまし
たね、規制緩和をしろという国会側の言い分は。何でもかんでも規制緩和をするのはよく
ない、ということを言いたかっただけです。
○倉田座長
私は、外国のやり方で非常にいい点が一つあると思います。それは、こうい
うリスクがありますということを全部書いておくわけです。それで文句が来ても、結局、
山はこのリスクというのはすごく高いですね、丘でなければ。でも、それは全部自 分の責
任なのです、落っこちる、落っこちないは。前の人はスッと行ったけれども、自分は落ち
たとしたら、それは自分の責任なのです。私はいつも自分でそう思いながら、歩いている
し、非常にリスクが高いところは絶対一人でしか行きません。たとえ家族でも人は連れて
いかない。それは自己責任なんですよ。こういう大きな川があります、そこに落ちたら流
されます、流されたら生死はわかりませんよということをビシッと書いてあります。それ
を書いていなかったら政府の責任とされるのです。
例 え ば 、私 は C D C に 31 年 間 出 入 り し て い ま す が 、あ そ こ が お も し ろ い の は 、ア メ リ カ
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55
人が外国に行きますと、その国の健康情報、さっき蚊の話 や虫の話がありましたが、そこ
に行くとこういう虫とこういうものがいます、こういうものとこういうものに刺されると
こういう病気になります、そのためにはこういうワクチンがありますが、これに関しては
ありませんとか、そういうことがきちっと書いてあるわけです。抗生物質はこういうもの
があります、こういうものにはこういうものがありますということが書いてあるわけです
が、それを用意するのはあなたですよということなのです。そこに行って刺される、刺さ
れないもあなたの責任。ところが、そこにある病気のことや虫のことが情報としてなかっ
たら、米国厚生省、アトランタのCDCを訴える権利が国民にあるわけです。実際に訴え
た 人 が 大 き な 新 聞 ダ ネ に な っ た り 、「 ニ ュ ー ズ ウ ィ ー ク 」 の タ ネ に な っ た こ と が あ り ま す 。
要するに、個人の責任というのがものすごくあるわけです。いろいろなことに関して楽し
むのは自分の勝手だけれども、こういうことはあなたの責任と。交通事故だって全部本人
の責任ですね。
ところが、インフルエンザで1人死んだら、厚労省の責任だとメディアは書くわけです
が 、 6,000 人 が 交 通 事 故 で 死 ん で い る こ と は 1 行 も 書 か な い で す ね 。 車 の 許 可 を 与 え て い
る経済産業省、道路交通法の国土交通省、警察の交通の取締官、だれも責任を言わないで
す。厚労省になると国民は目くじら立てて、政治家も目くじら立てるわけです。インフル
エ ン ザ が な ぜ 厚 労 省 の 責 任 で す か 。本 人 の 責 任 で す よ 。と い う の は 、今 は 薬 も 全 部 あ っ て 、
早く言えば本人が行かないのが悪いのです。
情報があるのにそれに対忚しないというのは日本の一番悪いところで、起こってしまっ
たらだれかの責任にする。医療の責任というのが一番ふりかかってきますね。今の衛生の
問題は全部そうだと思います。日本で簡易水道から出てくる水というのは、どこの水を飲
んでも安全です。しかし、日本を離れたら、すべての水は全部リスクが高い。そういうこ
とを日本人は理解しないですね。情報はあるけれども、理解しない。そうしておいて、外
国へ行ってなったら日本の政府の責任かというと、そういうことは言わない。日本におい
ては何でも政府の責任にする。そういうときに、厚労省、厚労省というけれども、尐し違
うのではないか。
大井田さんが言ったように、リスクをきちっと書いておいて、あとはあなたの責任です
と、そろそろ個人の責任というのをやっていかないと、日本はいつまでたってもだれかの
責 任 な の で す 。日 本 の 国 の 責 任 は だ れ の 責 任 か と い う と 、結 局 、あ な た の 責 任 な ん で す ね 。
我々の責任なのです。もし規制緩和したらどうなるかというと、みんな政府の責任になり
ますね。ということではないですか。ため池のある農家へ行って子どもは落っこちる。そ
れ も 親 の 責 任 で す 。そ こ に 手 す り を 置 い た ら 落 ち な い か と い う と 、や は り 落 ち る わ け で す 。
こうやって飛び上がってボーンと落ちる。そういうことはいくらでもあります。だから、
起こりそうなことは全部書いておいて、それを消費者 の責任とすればいいわけです。そう
でないと、あらゆるものを規制しようと規制しなくても、責任は全部来るから、わかりき
っていることはちゃんとやればいいだけの話だと思います。そこのところは日本人という
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56
のはまだまだ国際人になれない。
今、いろいろ聞いていて、そこまでケアしているのかと。農家に行くんですよ。土で泥
んこになります。水でこうやってやるだけなのに、きれいなお湯のシャワーがなければと
いうのでは、ちょっと生きていけないですね。是非提案書に書いてほしいのは、アジアの
非常に状況の悪い国に修学旅行に行かせろとやったら いいんですよ、中学、高校生は。ち
ょっと例えは悪いですが、そうでもしないとこの問題は結論はないですね。次回、行政の
人のお話も聞いた上でまた議論になると思いますが、佐藤さん、お話はいいですか。
○佐藤意見聴取人
尐ないといいますけれども、国体などの場合ですと、どんどん民泊が
増 え て き て い ま す 。尐 な い と 先 生 方 は お っ し ゃ る け れ ど も 、結 構 数 が 増 え て き て い る か ら 、
びっくりしているわけです。これから増えるでしょうけれども。
○倉田座長
それでは、今日はいろいろお話をお聞きしました。こちらに来てヒアリング
に参加された方の御意見は、また、もし何か気がつくことがありましたら、文章にして是
非事務局にお出しください。その上で、ほかの人もお呼びしていろいろ御意見を聞いて、
どんなふうにしたらいいかということになるかと思いますが、今日はそれでいいですか。
○堀江課長
今日は、私どもの会議の運び方が必ずしも皆さんとうまくコミュニケーショ
ンできていなかった部分もあって、特に酒井さん、梶山さんのところは、本当はもっと広
が っ て も よ か っ た の か な と 思 っ て い る の は 、今 、話 を し て い る の は 帳 場 と 面 積 だ け で す が 、
もしお戻りになって先に進めていくときに、こんなことも不便です、これが厄介だ、ネッ
クになっていますと。勿論、それに対忚しますということを言うわけではないですけれど
も、ただ、皆さんで情報をシェアしていくことは大事だと思いますので、もしあれば、特
に佐藤さんも含めて。
○倉田座長
これは行政が直せという部分と、こういう点は問題があるけれども、どこが
対忚するかわからないというのがありますね。私は便所を直すというのはとんでもないと
思っていて、昔のままで小便や大便をさせればいいので、それが本当の体験で、いろいろ
なことを知ることで外に出ていって困らないということだと思うのです。昔は、棒2本だ
けでダーッとしきりが何もない、そういうところがいくらもありました。 大きなお向かい
の国にもありますが、ついこの間までみんなそうです。日本は水洗の水がどこでも出ると
思ったら大間違いで、是非、体験というのは昔の民家でしたらいいと思いますが、そうし
たら人は来ないんですかね。
○梶山意見聴取人
許可が出ないです。
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57
○倉田座長
許可が出ない?
○梶山意見聴取人
○倉田座長
出ないですよ。
それがおかしいんだな。
○梶山意見聴取人
合併槽とかいろいろな問題があります。トイレは流しっ放しもいけな
いし、今、くみ取りのトイレもありますけれども、田舎でボッチャン式のトイレなんてあ
りますかね。余りないですよ。
○倉田座長
そうですか。
○長見委員
そういうトイレをつくるというと、近辺が嫌がったりしますね。農家のはい
いかもしれないけれども。
○倉田座長
わかりました。それでは、行政が規制しているところでこういうのは直した
らどうだとか、こういう点はもっと強化しろとか、こういう点はどうしたらいいかという
ようなことで、問題があれば、厚労省として責任あるところは何かを出さなければいけま
せんね。そのままでもいいけれども、御意見をいただくということでいいですか。今日、
ヒアリングをやった方々からいろいろ御意見があれば、更に足して出してもらう。
○堀江課長
勿論です。送っていただければ、次回のときに意見として各委員の机上に置
かせていただきます。
○倉田座長
わかりました。
それでは、尐し時間を超えましたが、今日はこれで終わりにします。
○新津課長補佐
あと、資料の2と3をごらんいただければと思います。
資 料 2 は「 論 点 に つ い て( 案 )」と い う こ と で 、案 と し て お 示 し さ せ て い た だ い て お り ま
す。今日のヒアリング等を踏まえまして、一定の方向性を出していくに当たって、一つは
「 玄 関 帳 場 設 置 の 必 要 性 」、 も う 1 点 は 「 客 室 面 積 の 緩 和 の 是 非 」、「 特 区 事 例 の 状 況 」、 そ
れ か ら「 法 令 」。こ れ は「 旅 館 業 法 と 条 例・規 制 の 関 係 」、
「 そ の 他 」と い う 項 目 を 用 意 さ せ
ていただいております。
特に条例と規制の関係につきましては、法律上は決まった部分があるのですが、資料3
としまして、これは一部、各都道府県の中からホームページを利用して、玄関帳場と客室
について、北から单までブロック的に引出しをしているものでございます。中には法令に
33
58
定められた以上に規制がかけられているところもあるということで、これは未定稿でござ
いますが、用意させていただいております。
この論点を出しておりますが、こういった方向性でよろしいかどうか、御確認させてい
ただきたいと思います。
○倉田座長
資料2の部分の論点については、触れなかった部分もあるけれども、これに
関して御意見があれば出してもらうということでいいですね。特に規制緩和と、こういう
規 制 は お か し い の で は な い か 、あ る い は 、も っ と 規 制 し ろ と い う こ と も あ る か も し れ な い 。
そういうことも含めて書いてもらえばいいと思います。あるいは その分野で、更にそうい
うことをお話して意見を出してもらえる組合とか組織があれば、そこから御意見をいただ
けばいいと、そういうことですね。
○新津課長補佐
はい。本日のヒアリングを踏まえまして、御意見等あれば、併せて事務
局まで御連絡いただければと思います。
○倉田座長
では、委員の先生方も何かこれに関してありましたら、是非お出しいただき
たい、それでいいですか。
○新津課長補佐
はい。
○三川課長補佐
次回の日程につきましては、これから日程の調査票をお配りいたします
ので、記載の上、事務局まで提出していただきますようお願いいたします。次回の日程の
詳細につきましては、決まり次第御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたし
ます。
○倉田座長
では、これで終わりにいたします。どうも御苦労さまでした。
34
59
平成 22 年度
生活衛生関係営業等衛生問題検討会
第4回議事録
日
時:平成 23 年3月 11 日(金)10:00~12:07
場
所:全国生衛会館
大研修室(4階)
出席構成員:(50音順、座長◎)
池田構成員、大井田構成員、長見構成員、◎倉田構成員、渡辺(晋)構成員
代理出席
千葉市生活衛生課澤口主幹(渡辺(茂)構成員の代理)
オブザーバー
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会
佐藤会長
(財)全国生活衛生営業指導センター
小宮山専務理事
警察庁生活安全局保安課
滝川企画係長
意見聴取人
東洋大学社会学部社会学科
青木教授
議題:
1
開
会
2
議
事
(1)関係者からのヒアリング
○関係行政機関
○農林漁業体験民宿に関する有識者
(2)論点の検討
(3)その他
3
閉
会
○三川課長補佐
そ れで は、定刻を過ぎましたので、ただいまから平成 22 年度第4回「生活衛生
関係営業等衛生問題 検討 会」を開催させてい ただ きます。
本日は千葉市の渡 辺構 成員の代理といたし まし て、千葉市健康部生活衛 生 課の澤口主幹に出席し
60
ていただいておりま す。また、本日はオブ ザーバ ーといたしまして 、全国 旅館ホテル生活衛生 同業
組合連合会の佐藤会 長、財団法人全国衛生営 業指 導センターの小宮山 専務 理事、警察庁生 活安全局
保安課の滝川企画係 長、意見聴取人といたし まし て、東洋大学社 会学部社 会学科教授の青木意 見聴
取人に御出席をいた だい ております。
続きまして、資 料の確 認をさせていただきます。クリップでとめてあるものといたしまして、座
席表、裏に構成員の 名簿 と意見聴取人の名簿 、会 議次第。
資料1「ヒアリング 関係 者資料」。
資料2「経済対策に 盛り 込む規制・制度改革 につ いての意見書」。
資料3「営業種別の 主な 基準一覧」。
資料4「旅館業法に おけ る構造設備基準の特 例等 について」。
資料5「旅館業法の 各種 規制の意義」。未定稿 のも のでございます。
資料6「規制緩和要 望が 出ている宿泊形態の 特性」。未定稿のものでございます。
資料7「これまでの 検討 会における主な発言 内容」。
資料8「旅館業法に おけ る規制緩和について」。
参考資料1「旅館業 にお ける規制緩和につい て」。
参考資料2は、前回第3 回の議事録で未定稿になっております。こちらは構成員限りのものにな
りますので、よろし くお 願いいたします。
クリップどめとは別 にお 配りしているものといたしまして、3種類ございます。
1つが、上に健衛発 0224 第1号と書いてあり ます 生活衛生課長の通知 。
縦の1枚紙で、青木 先生 の写真の載っている もの 。
ホチキスでとまって おり ます「進化するグリ ーン ・ツーリズム」。
資料につきましては 、以 上でございます。不足等 がございましたら 、事務 局までお申し付けい た
だきますようお願い いた します。よろしいで しょ うか。
本日の検討会は、公 開で 行われております。
それでは、倉田座長 、議 事の進行をよろしく お願 いいたします。
○倉田座長
おはよ うご ざいます。泣きたくな いのに涙が出て、別に相手に不愉快でもないのに仏
頂面をして、最後 には葬 式でもないのに泣き濡れて、大変申し訳ないのですが、花粉で昨日そうい
う会議をやってしま った ものですから、今日も多 分なります。堀 江課長も そんな感じがしてい ます
が、そういうわ けで皆さ んに何もあるわけではないですが、泣き濡れることもあるかもしれません
けれども、よろしく お願 いします。
資料もたくさんあ りま すので、要領よ く進めた いと思います。前回都合 によりできなかった 関係
行政機関の関係者か らい ろいろと御意見をお聞きして、農林漁業体験民宿に関する有識者 からもお
話を伺うという予定 でお ります。どうぞよ ろしく お願いします。な お、関 係者の説明が終わっ た後
に確認したい点があ りま したら、その点 について だけの質問を受ける こと にしまして、後 の 議論に
つきましては全体の 説明 が終了してからにし たい と思いますので、よ ろし くお願いします。
61
それでは、関 係行政機 関の関係者としまして、本検討会の構成員である池田構成員からお話をい
ただきまして、行政を指 導する立場から、最初に緩和についての御意見等をお願いしたいと思いま
す。よろしくお願い しま す。
○池田構成員
東京 都環 境衛生課長の池田と申します。遅れてしまいまして、申し訳ございません
でした。
それでは、私 の方から 今回の規制緩和となる部分についての現状と課題について、尐し御説明を
させていただきたい と思 いますが、その前にまず 旅 館業の種類と東京都 の構 造設備基準の概略を簡
単に説明させていた だき たいと思います 。皆様の お手元の方に、資料1と いう形で付けさせて いた
だいております。
1ページ。「 法 の 目 的 」 と 「 旅 館 業 の 種 類 」 を 書い て ご ざ い ま す 。 こ れ は旅 館 業 と 旅 館 営 業 を 混
同してしまう方もい るか もしれませんけれど も、あくまでも法律では 旅館 業ということで 、この4
つの種類がございま す。
ホテル営業。これは 簡単 に言いますと、 10 室以上の洋客室を主体とする宿泊施設ということで、
食事等の提供をでき る設 備というものでござ いま す。
旅館営業。これは5 室以 上の和客室を主体と する 宿泊施設が旅館営業 とい う形になります。
簡易宿所営業。これは客 室を多人数で供用する宿泊施設ということで、カプセルホテルや多くの
民宿、キャンプ場 のバン ガローなどが該当いたします。カプセルホテルにつきましては、一つひと
つのカプセルがあり ます が、あれはベッ ドという 見方になります 。広い部 屋にベッドがたくさ ん 置
いてあるということ で、 多数人が共用する宿 泊施 設という形になりま す。
下宿営業。これ は一月以 上の期間を単位とする宿泊施設ということで、都内にはほとんどないと
いう状況でございま す。
2ページにそれぞれ の「 営業種別基準等の主 な相 違点」と書いてあ ります 。ホテルと旅館と 簡易
宿所営業の3つの業 種に ついて書いてありま すが 、客室につきま しては、先 ほどお話をしましたホ
テルだと 10 室以上、旅 館 だと5室以上という形になります。
申し遅れましたが 、令と 書いてあるのは旅館 の施 行令ということで 、法は 法律、条と書いて ある
のが東京都の旅館の 施行 条例という形で見ていただければと思います。
1客室の床面積でご ざい ます。ホテル営業であれ ば 、洋式客室だと9㎡以上 な いとだめですよと。
ホテル営業で和式客 室を 持っているところは 7㎡ 以上ないとだめです よと いうものです。これは全
国一律の基準です。 施行 令で定められていま す。
旅館営業につきまし ては 、和式の構造と いう形に なりますが、そ の中でも 洋式の客室を設けて い
れば9㎡以上が必要 とな ります。
簡易宿所営業につき まし ては、客室の延床面 積が 33 ㎡以上。今回はその辺の基準がどうかと議
論されているところ でご ざいますが、この簡易宿所につきましても1客室当たり、これは東京都の
方では条例で1客室 3㎡ 以上という形で定め てお ります。
定員というものがあ りま すけれども、これは条例 で 各県それぞれに定員 算定 の仕方を定めている
62
かと思いますが、東京都 では条例で、ホテ ル営業 と旅館営業について は、1名当たり3㎡の有 効面
積を必要とするとい う形 にしております。簡易宿 所営業については、1名 当たり 1.5 ㎡を超える有
効面積としておりま す。
3ページ。玄関帳場(フ ロント)ですけれども、これは施行令ということで全国一律です。ホテ
ルと旅館については 玄関 帳場を設けなさいと。簡易宿所営業については、玄関帳場の設置義務は法
令等ではございませ ん。ホテルと旅館では記 載の とおり、宿泊し ようとす る者との面接に適す る玄
関帳場その他これに 類す る設備を有するもの を設 けなさいと書いてお りま す。
ほかに浴室ですとホ テル 営業が洋式浴室また はシ ャワー室を有すると か、旅 館と簡易宿所は基本
的に入浴設備を有す ると なっておりますけれ ども、近接して公衆浴場な どの 入浴施設がある場合は
除くという基準がそ れぞ れ出ているというこ とで ございます。
参考までに、今回 、関連 のあります旅館と簡易宿所営業の東京都の条 例の基準を、私どもは開設
したいという方に、 資料 としてお渡ししているところでございます。
参考までにそれ以外 の部 分でどんなものがあ るか と言いますと、旅館業で 見ていただくと 、5ペ
ー ジ に な り ま す 。 先 ほ ど話 を し ま し た 客 室 面 積 や定 員 が あ り ま す が 、 あ とは 中 ほ ど に 「 表 示 」。 条
例で客室の入口には 部屋 番号や部屋名を表示するとか、客室には定員を表示した案内書、表示板等
を備え付ける。そ んなも のを記載しております。寝具類についても、寝具類の数量に応じた十分な
広さを有するもの。
6ページ。その他の基準 ですと、換気、採光、照明等も書い ています。照明もそれぞれ何ル ク ス
以上というものが条 例で 規定しております。
7~8ページ。洗 面設備 、便所も定員に対して幾つ以上設けなさいという形で、細則等で規定し
ております。こ の辺は自 治体によって若干つくりは違うかと思いますが、このような形の構造設備
基準を設けて、それ ぞれ 許可をしているとい う状 況でございます。
それでは、ざっと 今お話 をした上で、資料等は特に付けていませんけれども、規制緩和の考え方
としまして、旅館業法第 1 条で公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することを目的とするという規
定がございます。旅館業 法第 3 条の4では、営業 者は安全及び衛生水 準の 維持向上に努めると いう
旨が規定されており ます 。このような規定 から、程度問題はあるにせ よ、安全面とか衛生面の 水準
の維持向上にマイナ スの 影響を与えるような 規制 緩和は好ましくない かな と考えております。
続いて、現状と基 準を緩 和した場合の問題点ということで、まず玄関帳場でございます。玄関帳
場の定義につきまし ては 、国の方の通知が出ておりまして、旅館の玄関に 附設された会計帳簿 、宿
泊者名簿等を記載す るた めの帳場というよう なこ とで通知が出されて おり ます。ホテルの場合はフ
ロントと称します 。設置 の必要性から出入りのチェック機能もあるかと思いますが、そのために簡
易宿所につきまして は設 置要件にはなってい ない ですけれども、必要性か ら 設けているところが多
いというのが現状で す。
都内においては島が あり ますけれども、島しょの 方 でも旅館等々の経営 許可 を出しておりますが、
特 に 海 水 浴 シ ー ズ ン の 宿 泊 客 の た め に 自 宅 を 利 用 し て 旅 館 業 の 許 可 を 取 って い る も の が ご ざ い ま
す。旅館営業で取 れない ようなところが簡易宿所営業、通称は民宿と言っていますが、そういう形
63
で許可を取っている とこ ろが多い。この 簡易宿所 営業の玄関帳場の場合は 法条例上、玄関帳場は不
要になりますけれど も、玄関入口付近に小さ な記 帳台を設けていると ころ とか、あとは出 入りのチ
ェックのために玄関 入口 付近は常時居住者が いる ような茶の間、そんなふ う になっているところが
多いです。そこで 宿泊者 名簿を書かせたり、または部屋に案内した際に記載してもらう。そんな形
で対応しております 。こ れが玄関帳場の現状 です 。
では、廃止した場 合の問 題点ということで、これはどんなものがあるのかと考えますと、テロ対
策など日常的な対応 に加 えて、要人が集ま る国際 会議、そういうも のが開 催されるときには 、警察
庁や厚生労働省から外国人宿泊者のパスポート確認の徹底の依頼文書が繰り返し発出されている
ところでございます 。
そういう中で、出入りの チェック機能を果たす玄関帳場。こういうものを廃止することがテロ対
策強化に逆行する部 分が ないのかなと考えま す。経済対策の一つとし て規 制を緩めると、この辺の
矛盾も出てくるので はな いかと考えます。フロントを廃止するに代わって、録画機能付きのビデオ
監視カメラという話 も出 てくるかもしれませ んけ れども、不審者の侵入と か 犯罪防止等についての
抑止力という部分で は、 ビデオ監視、カメラという部分では弱ま るのかなと考えております。
客室の延床面積 33 ㎡と 客 室数の緩和の部分です。東京には島がございますけれども、島しょの
簡易宿所営業ですと 季節 営業で許可を取って いる ところが多い。季節営業 と いうと毎年営業期間が
9か月以内というこ とで 、東京都の方では 、最初 に許可を取った後、毎年、再開届けを出してもら
っていますが、こ の季節 営業でやるような 場合、これは施行規則第5 条に 基づいて、構造設備基準
の緩和規定というも のが ございます。
客室の床面積の 33 ㎡の 緩 和規定というのがございます。延床面積や客室数の規制緩和を行った
場合には、問題と しまし て、延床面積が減っても、客室内の一人当たりの有効面積。この辺が確 保
されれば、衛生 上の問題 というのは考えにくいのかなとは思いますけれども、客室が減ることの衛
生上の問題は、直接的に は考えにくい部分はあるのですが、旅館業のそういう部分が緩和されてい
くと、経営に容 易に参入 しやすくなる反面、参入 コストも通常よりか から ないために撤退も考えや
すくなるのかなと思 いま す。そうすると 衛生管理 意識も弱くならない か。そういう部分の懸念 もあ
ります。
また、営業時期 も客が来 そうな時期だけスポット的にやるとなると、継続して通年 やっていると
ころとの衛生意識に 大き な差が出てくるので はな いかという部分の懸 念も あります。その 結果、利
用者の安全・安 心の確保 に影響しないかという部分は、懸念材料としてあるのかなと考えておりま
す。
町や古民家の定義範 疇を どこまで見るのか。今回の議論の中でそこの部分は余り触れられていな
いのかなと思います けれ ども、町中まで範囲が広 が るといろいろと影響 が出 てくるのかなと思って
おります。また、今回は特 区でやったところの経営者側、利用者側のニーズがどの程度あったのか。
余りないのに、この辺は 議 論をする意味があるのかというの を個人的には感じているところでござ
います。
仮にニーズがたくさ んあ る場合に、厚生労働省の 方 で所管しております 生活 衛生関係営業の運営
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の適正化及び振興に 関す る法律がありますが、そ こ で営業の振興と規制 の両 輪で業界の健全な発展
につなげるという部 分の 趣旨の法律ですが、こう い う部分で支障はない のか ということも懸念され
ます。過当競争になって 表 面的には 見えにくい衛生面の取り組みが軽視されてもいけないなという
部分も感じるところ では ございます。
今回の行政側の発言 の中 で、明確な答え になって いないかもしれませ んけ れども、以上で ご ざい
ます
○倉田座長
ありが とう ございました。説明された事項についての質問がありましたら出していた
だいて、次の説 明に行こ うと思いますが 、今の池田さんのお話に何か御質問あるいは確認したいと
いうことがありまし たら 、どうぞ。
それでは、次 に行かせ てもらいます。本日はオブザーバーとして出席いただいている警視庁生活
安全局保安課の滝川 さん にお願いいたします 。
○新津課長補佐
そ の前 に事務局の方から、本日、警察庁の滝川さんにお越しいただいて御発言い
ただくに当たりまし て、今月に入りまして 、民主 党の総合特区規制改 革小 委員会のヒアリング がご
ざいました。そ こに私ど もの方も出席したわけですけれども、その席で警察庁からの意見も聞くべ
きだという御発言が ござ いまして、本日 は風紀上 の問題とかテロ対策 とい った観点から、現状や問
題点について御発言 をい ただくということで お願 いをしておりますの で、よ ろしくお願いいたしま
す。
○滝川企画係長
警 察庁 保安課の滝川と申します。よろしくお願いします。こちらからは、風紀上
の問題に関して、主 にお 話ししたいと思って おり ます。
まず風紀上で一番 問題 が考えられますのが 、ラ ブホテルの問題です 。ラブホテルとは風営法で要
件が規定されており まし て、それに合致しま すと 、例えば 18 歳未満の年尐者が利用することが禁
じられますとか、あるい は営業できる地域が 制限 されたり、といった規制がかけられます。風営法
上のラブホテルと類 似す る特徴を持っていな がら 、風営法上の規 制が及ん でいなかった、いわゆる
類似ラブホテルとい う問 題がございまして 、これ がかつて大きな問題 とな りました。こう いったも
のは風営法の規制を 受け ておりませんので、学校の直近で営業をしたり、けばけばしい広告や宣伝
をしたり、あるいは 児童 が入って児童買春の 温床 となっていた現状が ございました。
そのため、平成 22 年7 月 に風営法施行令を改正し、要件を広げたりしまして、例えば客が従業
者と面接しないで個 室に 入ることができるよ うな ものについても、風営法 上 の要件といたしまし て、
客の匿名性が高まる もの もラブホテルに入る よう になっております。
ただ、今回この改 正を行 うに当たりまして、サンプル調査を行っていますが、その類似ラブホテ
ルの中で新たに風営 法上 の規制が及ぶものは 、全 体の6~7割となっ てお りまして、残り のものに
ついては風営法上の 規制 が及んでおりません 。そ のため、現在は 旅館業法 や各自治体の条例 等 によ
って規制を行い、対 応し ているところでござ いま す。
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今回の玄関帳場の要 件を 緩和した場合につい て申 し上げますと、新たに風 営 法上のラブホテルに
当たるものもあるか と思 います。こういった ものに ついては、18 歳未満の立ち入りの禁止、広告宣
伝あるいは営業地域 等の 制限がかかってきま す。また、類似ラブ ホテルと してみなされるもの につ
いては風営法上の規 制は 及ばないので、18 歳未満が入ったり、そういった懸念がございます。今回
の玄関帳場の要件を 緩和 した場合、営業 者は一旦 かぎを貸し出してし まえ ば、施設を利用 する客を
把握することが困難 にな ると考えられます。そのために年尐者が自由に利用してしまって、最終的
に児童買春等の温床 とな るおそれがあるかと 思い ます。
そこでラブホテルに つい ては年尐者の利用禁止、類似ラブホテルに関しては利用防止の実効性を
高めるためには 、かぎの 交付の際に従業員と客が必ず面接をするような も の、あるいは今回は町屋
ということなので 、一つ の施設ではありませ んの で、いろいろな道 を通っ て、その施設に入 ること
ができますので 、必ず客 が通るような道にはすべて防犯カメラを設置 することが考えられます。た
だ設置するだけでは 事後 的に確認しても遅いので、常時確認できるようなシステムを構築すること
が考えられます。
他方、ラブホテ ルについ ては、もっぱら異性を同伴する客の宿泊 の用 に供 するものというのが 法
律上の要件でござい まし て、今回、特 区要望で挙 がっている町屋につ いて は、今のところは こうい
ったものには当たら ない とは思います。
ただ、今後 、ここの町屋 の 地域はそういったチェックが甘いから 児童買春等で利用しようと考え
る者もいないとも限 りま せん。そういった 用に利用されたり、あるいは広告が非常にけばけばしく
な っ て い っ て 、 地 域 の 環境 を 害 す る 。 そ う い っ た懸 念 が 今 は な く ても後々はあるかもしれません。
そういったことにな らな いように所要の手当 てを 検討していただきた いの ですが、例としましては
防犯カメラもあると 思い ます。ただ、そういった 監視機能だけではな くて 、例えば町屋の地 域が自
主的にガイドライン を設 定して、こうい ったもの はやらないようにし まし ょうとか、そう いったこ
とを決めて自主的な 防止 策を取っていただくことも考えられます。
テロ関係につきまし ては 、確かに簡易宿 泊施設は 玄関帳場の設置が法 律上 、求められてい ないと
いうのは先ほど御案 内の とおりですが、それとの 違 いがどうなのかも検 討し ていかなければいけな
いと思います。た だ、こ れに関しては 宿泊者全員と面接を行うということがまず第 一。それによっ
て宿泊者名簿を必ず 記載 していただく。そういっ た ことがテロ対策とし ても 必要ではないかと思っ
ております。
警察庁からは以上で す。
○倉田座長
ありが とう ございました。何かお聞きしておきたいことはありますか。
○堀江生活衛生課長
帳 場を置かない時に緊急時の対応として、 100m 程度のところに事務所があ
って、そこからす ぐに駆 け付けられるようにするという、防犯カメラで見ていて、何か起きている
というだけでは、そ の後 に措置ができないとまずいわけで、 100m 程度は町屋の特区のところに当
たっているのですけ れど も、その辺りの 警察庁の 言わば防犯的な観点 から の必要性というか 、もし
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警察庁の方で特に何 か思 いがあれば、教えて いた だけますか。
○滝川企画係長
特 にそ ういった防犯、 100m ということに関しては、特段、警察庁としての意見
は、まだ固まってお りま せん。
○堀江生活衛生課長
○倉田座長
わ かりました。
ほかに いか がですか。それでは、先へ行きましょう。
次に、農林漁業 体験民宿 に関する有識者として、東洋大学の青木先生にお出でい ただきましたの
で、社会的問題点か ら説 明をお願いします。
○青木教授
ただい ま御 紹介いただきました、東洋大学社会学部長をやっております青木と申しま
す。私の専門は 環境社会 学ということですが、大学という教育機関は基本的には 性善説で学生に向
かうということが体 に染 み付いている関係上 、今 回、他の大学で起こった問題については非常に複
雑な心境でありまし て、今の警察庁の方から のお 話もあって、こ こまで考 えなければいけない のか
と。性悪説で皆さ んが仕 事をしているとは思いませんけれども、私はグリーン・ツーリズムは性善
説でやってきている つも りです。簡単に 言えば、農林 漁家民宿をやっている方々は本当にすばらし
い方々でありまして 、旅 館業と闘 っ て 、 客を 奪い 合おうなどと思って いる 人は 誰 一人おりませ ん。
実 は あ る 民 宿 で も ラ ブホ テ ル と 間 違 っ て 電 話 が来 た と い う よ う な こ と もあ っ た の で す け れ ど も 、
顧客に対してもしっ かり 向き合って、基本的に予 約 の段階でしっかりと そこ でセレクションされて
いるということから 、帳 場の必要性も含めて 、匿名性を超えるフェース・ツー・フェースの人間的
な 交 流 が 原 則 で あ る 限 り、 農 林 漁 家 民 宿の安全等々に関する危険性はほとんどないのではない か 、
と実は思い込んでい ると ころでございます。
今 回 は 急 な お 話 で 、 私も 実 は 大 事 な 会 議 が あ って 、 恩 着 せ が ま し い 言 い方 で 恐 縮 で す け れ ど も 、
出席を見合わせるか を考 えました。しかし、実はこの規制緩和によって日本のグリーン・ツーリズ
ムは非常に進みまし た。それを私は「転換するグリーン・ツーリズム 」という本で書いておりまし
て、農家民宿につ いては 、正確な数字でありませんけれども、簡易宿所の許可を取っている民宿が
最低でも全国で 4,000 戸 。農村民泊という形での規制緩和によって、条例等々に基づいて 営業とい
う活動をやっている とこ ろは、恐らく 6,000 戸くらい。合計で約1万の農家民宿・農村民泊の受け
入れとなっておりま す。この背景には、基本的には規制緩和が非常に大きな追い風になったという
ことであります。
ただ、ある意味 でマス として、それなりのキャパが整備された一方で、やはりクオリティーが問
われ出してきており ます。実際に私の耳にも大 分県 で有名な安心院とい うと ころが農村民泊の規制
緩和の先兵になって 、私 もそこを強力に応援 した のですが、そこで 今、怪 文書が報道機関に投 げか
けられ、許可を取ってい な い農家がお金を取って客を泊めているということが安 心院の名を汚して
いるのではないかと いう ことが言われて、い ろい ろと騒動が起こって いま す。
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また、熊本県に おいて もそういう類似の摘発というか、怪文書があって、そもそもこういったグ
リーン・ツーリ ズムの実 践の初発の段階で は 、既得権を持っている旅館業の方々から羨望の眼で見
られたり、誤解を されて 、そういう投書があることは事実としてありました。そのときに私が常 に
申し上げてきたこと は、グリーン・ツーリ ズムは 旅館業の範疇ではな いの ではないか。旅館 業とい
う範疇でやること自 体の 無理がかなり来ている。法律は昭和 23 年の施行。私は 27 年生まれでござ
いまして、間もな く還暦 で、大分歳を取ってきたなという実感を持っていますけれども、それ以上
の歴史を担って 、いまだ に旅館業 法というものが言わば一部改正でずるずると来ている。もうそろ
そろ規制緩和の時代 を終 えて、新制度の 創出を抜本的に考えるべきではないかというのは、私の今
日主張したいことで あり ます。
ですから、細かい 話もあ りますけれども、結論から申し上げますと、できることならば、旅館ホ
テル業法と「交流 型宿泊 法」という仮称でありますが、交流を目的とした農林 漁家民宿なり町屋活
用なり、あるいは公共施設 、例えば廃校活用の施設等を、宿泊をある意味ではさ さやかであっても、
業として営むものを対象とする法律も仕分けしてやるべきではないかというのが今日一番申し上
げたい考え方です。
「交流型宿泊法」という 仮称で私が考えている内実は4つあります。1つは、大規模交流施設で
す。例えば新潟 県の胎内 市には市が保有している大規模ホテルは3つもあります。あれは完全に旅
館業法の範疇ではあ りま すが、例えばそ れを公共的に活用するという場 合、旅館業法の範疇ではな
く、大規模交流施設 とい う範疇で、個々にはめ込んでいくということも1つあり得るだろ う。
2番目は小規模交流 施設 でございます。これは公 民 館活用の民宿は岩手 県の 遠野にもございます
し、いわゆる空き 家を活 用した地域のお母さん方が経営している民宿。これは言わば地域民宿、農
村民宿と言われるよ うな もの。それから 、農林漁 家の梶山さんが先日お話をされたようですが、梶
山さんの場合はどち らか というと農村民宿の 類型 かもしれませんね 。農家 のお母さん、漁 家のお母
さ ん が 農 林 漁 業 を 生 か して 営 む 農 林 漁 家 民 宿 。 それ か ら 、 業 と し て は そ れほ ど で は な い け れ ど も 、
自分の社会的自己実 現な り生きがいとして、お金 を 取って泊めるという よう なことをやる農村民 泊。
こういったものを小 規模 交流施設の範疇でくくれないか。
3番目は、農家レストラン 、あるいは直売所、産直施設。こうした施設で営業をやっている方々。
最後に、実は3月 27 日 に 東洋大学のキャンパスを開放してキャンパスマルシェを今度やること
になったのですけれ ども 、こうやって年に 1回と か月に1回、臨時 的に交 流事業をやって、そこで
収益を確保するとい うよ うな場合。こうしたもの を やはり交流型宿泊法 とい う仮称の法律でくくっ
て、秀でた旅館 とは種別 したプロの観光業を先端で担っている方々と、観光業ではアマチュア であ
る農家の奥さんたちの営業を明確に線引きした方が実態に合っているということが今日一番申し
上げたいことです。
グリーン・ツーリ ズムは 、言葉としては大分普及してまいりましたけれども、まだまだ誤解と曲
解があって、な るべく皆 さんに今日は御理解をいただきたいということで、資料を用意してきまし
た。
今日の議論の中のポ イン トとしては、グリーン・ツーリズムは、今日は農水省の方がおられるか
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ら言うわけではあり ませ んけれども、これだ け定 着したのは 1992 年のグリーン・ツーリズム研究
会の中間報告という もの で、極めてまともな 定義 をなさったというこ とで す。
一番下の右側に書い てあ りますように、目的は都 市農村の相互補完 、共生 によって国土のバラ ン
スの取れた発展を目 指す。都市と農村が相補い あっ て、お互いに Win- Win になっていくという も
のである。ここで は観光 という字句は一切入ってお りませんので、基本的にはグリーン・ツーリズ
ムは観光業の範疇と は種 別して定義されてきているということをまず御理解いただきたい。観光庁
はグリーン・ツ ーリズム をニューツーリズムの中に入れ込んでいます。私はこれは決して悪いこと
だとは思っていませ んが 、観光とグリー ン・ツー リズムを混同してしまうと恐らく大変なことにな
っていくということ で、基本的には棲み分けをすべきだと思います。滞在型の交流とか対等かつ継
続的な交流という定 義で 20 年間どうやって浸透 させ るかに汗をかいてま いり ました。
イギリスの事例を踏 まえ て見てきたときに 、日本 で非常に大きな 、いわゆ る三重苦と言われる 壁
がありました。それがこ こに書いてある文化的、制度的、意識・規範的制約条件であります。簡単
に言いますと、余暇文化 が非常に脆弱で、信じられないくらい余暇という認識が日本の知的階級に
おいてすら、貧困 である という現実。制度 は規制問題。何よりも大きなのは村意識とか縄張り意識
とか、そうした 日本の文 化にずっと根強く残っている規範的な制約条件。例えば農家の奥さんが始
めようとすると、足引っ 張りの構造が必ず出 てく る。旅館業も必ず あるか と思いますけれども 、そ
ういう3つの制約条 件を 超えていくというこ とを 一つの課題としてや った 結果、次に書いてありま
すような大きく分け て大 体6つのグリーン・ ツー リズムのバリエーシ ョン ができました。
その中の1つが、この農 村民泊というもので あり ます。農家にとっ て、初 期投資というものが ほ
とんどできない。そうい う中で、どうして無理なくやるかというときに、農家民宿ではなく、規制
緩和あるいはその規 制の 解釈を柔軟にするこ とに よって、条例改 正等によ って、普通の民 家でもお
客を泊めることがで きる 形になった。このこ とは 非常に大きなことで あり ます。
そのほか、ここにい ろい ろと書いてあります が、 これは省略させてい ただ きます。
裏を見ていただいて 、現 状を見ますと、日本型グリーン・ツーリズム の課題ということで、全国
にこういう輪が広が った 一方で、課題が浮き 上が ってきました。懸念 され ることがあります。
1つは、体験主 義という ものが浸透して、全国ど こでもそば打ち合戦 みた いなことが始まって い
るということです 。農家 に行ったら農業体験 をさ せられる、しなけ ればい けない、させてあ げなけ
ればいけないという 強迫 的観念でグリーン・ツー リズムを考えている とい うことで、これ は極めて
日 本 的 な も の で あ り ま す。 こ れ が ア ジ ア 的 に 韓 国に も 波 及 し て い ま す 。 これ は ど う か な と 。 勿 論 、
体験が悪いわけでは ない のですが、極め て表層的 な体験で終わってい て、画一的なものになっ てい
るという現実があり ます 。
2番目、これが 今日一番 申し上げたい規制緩和の成果と同時に、問題が浮き上がってまいりまし
た。いわゆる敷 居を低く したおかげで参入農家が増えた一方で、どうかなと思うような品質の差が
出てきております 。先ほ ども申し上げたよう な問 題ですね。これ をどう考 えるかということが 非常
に重要な課題になっ てき ております。
私はこの規制緩和問 題に 対して、今日申し 上げた い一つの視点は、まず1 点目 として、旅館業の
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意義と限界を明確に する 段階に来たのではな いか と。2番目は 、旅館をい わ ゆる営業業務と考えて
い る 方 と 、 自 分 の 施 設 を交 流 事 業 と 考 え て い る 。こ の 業 務 と 交 流 事 業 の 種別 を す べ き で は な い か 。
旅館業の目的性を明 確に する。何のため に旅館業 法があるのかという こと をもう一度、再 規定すべ
きではないか。そ の上で 規制緩和を進めるべきではないか。つまり規制が即悪ではない。私は規制
は必要条件と考えて おり ます。ですから 、それを 緩和することも必要 条件 でありまして、規 制を緩
和する以上、や はり安全 、安心の確保も含めたクオリティーをしっかりと確保できるという担保が
なければならない 。この 規制緩和を必要条件 とす る一方で、品質評 価、保 証を十分条件とする とい
うことを制度的にし っか り支援いただかない と、旅館業界からの方ら も誤 解、曲解がなさ れるとい
うことを強く申し上 げた い。
やはり古窯さんのよ うな すばらしい旅館と異なって、壁が落ちるような農家であっても、感動を
与える民宿は次元が 全く 違うわけでありまし て、両 者が棲み分けられる宿泊産業の構築が今後考え
ていただきたいこと だと 思います。
こ れ ま で 国 が 規 制 緩 和 をや ら れ て き た政策的な意義は、いろいろあります。まずもって1つは、
こうした規制緩和の おか げで、今、申 し上げた多 様な施設が創出され 、そ れが単なる宿泊業と いう
業態の担い手だけで はな く、地域活性化 という極 めて重要な日本の課 題を 解決すべく、農 山漁村の
中で多くの人々を呼 び込 む担い手が創出され つつあるということです。それは別に言えば、個性的
な新規人材の参入に よっ て、今村奈良臣先生が言 う 六次産業の多様な担 い手 がそこに創出されてき
ている。
したがって、そ ういった 方々を中心に既得権を有しておられる旅館の方も含めて、地域にある資
源の潜在価値を顕在 化す るという効果が出始 めて きているということ であ ります。そして 、規制緩
和によって経営の自立化のフォローがなされているということが非常に評価されることではない
かと思います。
実はグリーン・ツーリズ ムは、こういう曲がり角に来ている中で、強調した いことは、観光事業
とツーリズムの違い とい うことです。こ の線引きをすべきだろうと。観光事業は不特定多数の方々
を相手にする仕事で あり ますが、ツーリズムビジ ネ スとか特定尐数の方 をタ ーゲットとすべきもの
であると。観光 事業は一 過性、短期滞在 というものでやはり売りを持っていくことがポイントにな
ると思いますが 、ツーリ ズムは持続的、長期滞在に持っていくというようなものでないとだめだろ
うと。今、新幹 線があち こちに延伸して、東京からのアクセスが非常に便利になりました。こうし
て利便性が観光にと って は不可欠の重要条件 なの に対して、不便であって も 山の中まで 行くような
ツーリストがいると いう 。つまり利便性が二 次的 要件になっているの がツ ーリズムである。
収益性は一義的に追 及す る。まずは収益を上げな け ればいけないという のが 観光業の一つの宿命
ですが、ツーリズ ムは収 益だけではなく、多元的な地域活性化。みんなが元気になると。みんなが
連携できるというよ うな 効果がそこにある 。です から、ある施設 、ある部 門に集中的にその効 果が
表れるように頑張る のが 観光事業だとすれば 、そ れが分散効果として 、み んなが分け持つとい うこ
とがツーリズムとい うこ とではないだろうか 。し たがって、今後 こうした 既存の観光業者の方 々と
対抗するのではなく て、棲み分けして連携し てい くということが重要 なこ とであって、私 はグリー
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ン・ツーリズムの今 後の 課題は、自立と連携 とい うようなキーワード で言 っているわけです。
自立とは規制緩和の 恩恵 を自らの中でちゃん と恩 返しできると。それだけ 規 制緩和をしていただ
いているわけですが 、絶 対に裏切らない、絶対に 事故を起こさない 、絶対 に感動を与えるとい うよ
うな責任性が規制緩 和の 先のところに担保さ れて いかないとだめなの では ないか。その責任の確保
をどのようにしてい くか 。これは例えば市 町村、県行政、国も一つの範疇 でしょうけれども 、どち
らかというと、それはも う国がやることではなくて、県あるいは市町村のレベルで規制緩和された
経営者方の経常的な 研修 なり、自己研鑽 、自己点検、こういったものを促す仕組みをつくっていく
ということが一方で 検討 すべきであり、厚生労働 省 の方でどんどん規制 緩和 を進めていただくので
あれば、今日おい での農 林水産省こそ、そういうところをしっかりフォローして、連携でやってい
ただく必要があるの では ないか。
今、農家民宿の品 質評価 をいろいろとトライアルしております。新潟でも提案いたしました。こ
れのポイントは格付 けと いう形での差別化ではない。底上げになる連携である。あくまでも評価は
手段である。そこでまず は それぞれの農家民宿は自己点検をされるような点検項目を英国のツーリ
ズム観光局の指針を 参考 にしてつくりまして、六 角 形の亀の甲で自己点 検す るような仕組みをつく
りました。まずもっ てそ うした自己点検をさ せな がら、客観的な評価 をし ていく。
そ の と き に 議 論 に な り まし た の は 、 ミ シ ュ ラ ン 方式 を 取 る べ き か ど う か とい う こ と で あ り ま す 。
私はまだその段階で はな いということで、格付け という形でファイブ スタ ー、フォースター 、スリ
ースターの英国のよ うな 星のマークの格付け、あるいはミシュランのような格付けをするのではな
く、亀の甲でそれ ぞれの 施設の特徴を情報開示していく。うちは施設は古くても、ここが売りです
よというようなもの が、行く前にちゃんとお 客に 情報開示されて、客は納得して、そこでその施設
を選択する。立派 な旅館 に泊まりたいのだったら、どうぞ別のところ へ。うちは旅館と同じように
はとてもできません から ということを謙虚に、誠 実 に情報開示するよう な品 質評価を行うべきでは
ないかを今あちこち でや り始め、農林水 産省の方 でも品質評価の基準を定めるべく、委員 会で今や
っているところでご ざい ます。
時間があまりありま せん ので、もう一度 申します と、ポイントは 棲み分け理念による類似業種の
方々が、共生連携 できる 規制緩和にすべきである。ですから、既得権を有している方々 や旅館関係
の方と規制緩和の対 象に なる方が対立関係に なる のではなく、連携できる 仕 組みをある程度担保し
てこそ、規制緩和を 進め るべきではないか。
一方でその棲み分け をし ながら、いずれにも共通の基本的な欠かすべきではないポイントは、言
うまでもなく、安 心・安 全の徹底化。これは規制緩和を安易にしてしまうと大変なことになっ てし
まうわけですので 、この 安心・安全の確保 を徹底 することを共通の基 軸と しながら、多様な 棲み分
けをやる。
身を粉にしてでもお 客様 のためにサービスを する サービス業と、自然体でお客に向き合っていく
ホスピタリティー業 は、仕分けされなければ いけ ないのではないか 。農家 の奥さんたちが古窯 の女
将さんのようにやる こと はまず不可能なこと であ りまして、それぞれのサ ー ビスとホスピタリティ
ーの仕分けも必要で ある 。しかし、やは り今、多 くの顧客がこの宿泊 業に 求めているのは、来てよ
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か っ た 、 本 当 に 生 き て いて よ か っ た と い う 感 動 を創 造 す る 産 業 だ ということではないでしょうか。
皆さんはどこでもお いし いものを食べ飽きて いる し、どこでも立 派な施設 には行っている 。なぜそ
の施設を選ぶのか 、なぜ そこに行くのか 。やはり そこに何かの感動が 得ら れるということが必 要な
のではないか。
東京ディズニーラン ドは リピーター率 96%を誇っています。グリーン・ツーリズムはその対極に
あるものだと、私 はよく 言います。なぜ若い人たちは、あれほどまでに東京ディズニーランドのポ
リシーに飛び付くの か。そこに夢を与える 、感動 創造の施設としての 創意 工夫があるというこ とで
はないかと思います 。
一方で、いつまで もディ ズニーなのか 、いつまでもマックなのか。この若者のハートと胃袋をア
メリカ資本に絡め取 られ ているのは、日 本国民と して非常に悲しいこ とで ありまして、も っともっ
と 顧 客 が 自 立 す る 戦 略 が必 要 に な っ て く る 。 マ ック も い い け れ ど も 、 日 本の 食 文 化 も す ご い よ と 。
そういったことを顧 客が 自立できる確かな顧 客戦 略も重要ではないか。先 ほ ど犯罪の話がありまし
たけれども、そうした犯 罪 防止ということを考えなければいけない現実を我々はどういうふうに乗
り越えていくかも重 要な ことではないかと思 いま す。
具体的に規制緩和問 題、特 に生活衛生課の皆さんの範疇で私が疑問に思っていることを最後に提
示いたしまして、御 意見 もいただきたいと思 いま す。
1番目、長年慣れ親 しん だ農家の方々の井戸水は、なぜお客に提供できないのでしょうか。
2番目、水洗トイレ は不 可欠でしょうか。
3番目、防火カ ーテンそ の他、あらゆる施設に防火設備を一律に規制する必要があるのでしょう
か。
4番目、定員規制は 必要 でしょうか。
5番目、農家農村民 泊は 旅館業の範疇でしょうか。
6番目、こちら にはなじ まないと思いますが、都会の方々のIターンの方々が農業に参入すると
きのいわゆる面積要 件が あります。農家の農業参入に所有権、農地を取得することが必要で しょう
か。
7番目、空き家活用 に規 制緩和は必要でしょ うか 。
8番目、国の規制 緩和に 必要な行政指導とはどうあるべきでしょうか。今、皆様方が議論されて
いる玄関帳場とか 、そう いう細かい課題とは なじ まないことかと思い ます が、私は是非こ ういう場
で 、 そ う し た 総 論 的 な バッ ク グ ラ ウ ン ド の 議 論 も一 度 し っ か り な さ っ て いた だ い て 、 個 別 の 事 例 、
東京都あるいは各都 道府 県の指導の多様性も 検討 いただくようにして いた だければ、大変ありがた
いと思います。
時間が余ったかもし れま せんが、一応ここで終わらせていただいて、御質問等をいただければと
思います。ありがと うご ざいました。
○倉田座長
あ り が と うご ざ い ま し た 。それでは、事実確認という意味での質問がありましたら、
お願いします。
72
○渡辺(晋)構成員
グ リーン・ツーリズムというものも 20 年経って青年期になっているという
ことですけれども 、認知 度がそんなにないと いう ことと、あとは ビジネス としてどの程度成り 立っ
ているのか。あ るいは将 来的にもっとビジネスとして、更に発展する可能性があるのかということ
ですけれども、いか がで しょうか。
○青木教授
まずビ ジネ スとして成長していない、グリーン・ツーリズムが定着していない背景は、
いわゆる経営者側の 自己 努力が足りないとい うこ ともあろうかと思い ます が、やはり需要そのもの
の構造があると思い ます 。皆さんも含め て、常に 1 年間で2週間以上の 長期 休暇を堂々と取れる人
はだれ一人いないで しょ う。ILOの国際条約の 長 期休暇の取得という 2週 間以上の連続休暇を取
るという 132 号 条約に日 本も加盟しているわけですが、まだ国会で批准をされていないという現実。
つまり長期に休暇を 取れ ないという余暇の脆 弱の 構造が背景にあると 思い ます。マスコミあるいは
その他の観光業の戦 略が 極めてワンパターン で安 近短ですね。いまだに安 く て近くて短いという観
光が目玉となってい て、新幹線でぱっと行っ て、ぱっと帰ってくると いう ような余暇構造の問 題が
あります。ですか ら、そ こを抜本的に変えていかないと、ビジネスとして成長しないという現実は
あろうかと思います 。
しかし、実 際上、今 は年 収 1,000 万円以上の農家民宿も出ております。最近の特に大きな特徴は、
20~30 代の 若年 層に こう いうグ リー ン・ツーリズムに対する関心が急速に高まっているというこ
とです。今から 10 年ほ ど 前の農水省等々の調 べに よりますと、このグ リー ン・ツーリズムの顧客
のターゲットは、20 代と 60 代でありました。若い独身女性といわゆる退職後の夫婦でゆっくり生
活をするという方々 がグ リーン・ツーリズム の一 つのターゲットにな って いました。そこに 30 代
の層が参入し始めて きて います。そういう 意味で 、尐しずつ需要は 拡大し ておりますが、残 念なが
ら、まだそのような 大も うけにはなっていか ない というのが現実。
したがって、私は農家の 方々に申し上げているのは、ビジネスとは何ぞや。収益を 700 万まで持
っていかなければビ ジネ スとは成り立たないとか、所得目標 1,000 万以上を増やすことがビジネス
戦略と考えるべきな のか。たった 200 万の農家民宿収入であっても、農業と兼業で全体的な副業と
して、それが成り 立って いるということだって、立派なビジネスなわけです。つまり小規模複合ビ
ジネスとしてのグリ ーン・ツーリズムと 大規模専 業旅館業の住み分け も十 分やれるはずだし 、やは
り金もうけよりも人 もう け。こういう人 と会って いくというやり方が 一つ のベースにあって 、収益
を身の丈で上げてい くと いう戦略が必要では ない だろうか。
よくそういう御質問 をさ れるのですけれども 、国 としても、そういう産業の担い手育成というこ
とで収益性を上げな けれ ばいけないという思 いは わかりますが、余り過度にその収益性の追求、ビ
ジネス性の追求をし てし まうと、グリー ン・ツー リ ズムの魅力が半減し てし まうという現実も御理
解いただきたいと思 いま す。
○倉田座長
ありが とう ございました。ほかに何かありますか。
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○渡辺(晋)構成員
○青木教授
確 かにビジネスとは関係ないと言えば、それまでです。
ビジネ スは ビジーから来ています。ですから、古窯 の女将さんもそうでしょうけ れど
も、やはりビジ ネスを成 功させるのは忙し く身を粉にして働かなければ、ビジネスは簡単ではない
です。農林漁業を 担って いる方々が民宿業でビジネスをやるということは、非常に苦しい、大変な
ことです。
○渡辺(晋)構成員
先 ほ ど日本人全員が休暇を1~2週間取れる時代になればと言っていました
が、今の先生のお 話だと 、ツーリズムを成功させるには、その措置化の方、まずは労働法などをや
らないとうまくいか ない とも聞こえなくはな いの ですけれども、かなり先 の 話になってしまうよう
な気がします。
○青木教授
国の仕 事は 先を見通すことですから、今の政権のように目先だけやっては だめですか
ら、是非お願いしま す。 菅さんにも言ってお いて ください。
1つのグリーン・ツー リズムの追い風は、御承知のように子ども交流プロジェクト。蓮舫さんに
仕分けさせられてし まい まして、農水省も 大変で すけれども、蓮舫 さんの 娘にも、あなたは やった
ことがあるかと聞い てみ たい。絶対にや ってほし いです。かなり ビジネス 的に担保さるように なっ
てきました。安心院 では 約1万人の子どもた ちが 年間で来るようにな りま した。
ただ、それがある 意味で 品質の問題と重なってきたんです。つまり急場をしのぐ余り、規制緩和
をして民泊の数を増 やさ ないと、1戸当たり5人しかいない農家民宿では、小学校、中学校の修学
旅行は受け切れない 。マ スになるために数を 増や す。そのときに 規制緩和 をするというような 形で
やってきたことが 、いろ いろと問題が起き始 めて きています。です から、収益を追求するとい うの
であれば、簡単 なのは教 育体験旅行を投入すれば、かなりの収益は確保できるようになってきまし
た。ただ、子どもた ちを スキー場民宿のよう に詰 め込んで、1戸の民 宿が 20~ 30 人の子どもから
金を取っていくのが 本当 の交流事業なのかと いう と、そこは考えけ ればい けない。ですから 、収益
性の確保という点で は、 光は見えてきております。
○倉田座長
ありが とう ございました。それでは、質問はそこまでにしまして、次に全国旅館ホテ
ル生活衛生同業組合 連合 会の佐藤さんから、 資料 2ですね。
○佐藤会長
私 ど も が お願 い し た の は 、先ほど池田さんや滝川さんの方からお話があったように、
ペーパーにも書いて あり ますように、や はり玄関 帳場の問題ですね 。要す るに今まで我々は玄 関帳
場をきちんと管理し なく てはいけないという こと を思っておりまして、こ の ような形でやってきた
わけです。これが もし規 制緩和になった場合に、いろいろな問題が起こるということで、同じよう
な話です。安全性 の問題 、テロ対策の問題から始まって、いろいろな諸問題が発生する可能性があ
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る。それはどうする んだ ということですね。
ここに書いてある こと はほとんど同じですから、お話はしませんけれども、先ほど青木先生から
お話があった、我々旅館 業 界でも今は団体のお客様を取るという時代から個人の旅行にどんどん変
わっていきまして 、旅行 形態が変わって、農村と の協力とか逆に宿泊 産業 でありながら、自 分で畑
を耕しているような とこ ろも結構いらっしゃ いま す。経営者自身が許可を 持 って農業自体を実際に
自分でやって、畑から農 作物を お客さんに提供に提供するところも出てきていますし、いろいろな
意味で農業と旅館業 界、観光業界というもの を複 合的にしていかなけ れば 、観光産業の発 展はない
ということで今やっ てい ますけれども、なかなか農家の方々との話し合いがうまくいかない。
それは何かという と、経営の考え方が全く 違う 。1つは、我々 は設備投 資をしていって、お客様
に喜んでもらわなく ては いけないという考え 方。農 家の方々に野菜とか 果物 をつくってくれないか
というお願いをして も、全部保障するのかと よく 言われるのですけれ ども 、そういう考え 方が我々
にはないので、保 障と言 われると非常に困って、なかなか協調ができていない。けれども、これか
ら人口が減っていく 中で 別々にというのは 、先ほ ど先生の方では 、全部が 別々ではないでしょ うけ
れども、協調し 合うとこ ろは協調し合うところが必要でしょうけれどもという話ですが、いろいろ
な意味で町の総合力 とし て、観光産業も そうです し、農業関係を やってい る方々との協調が必 要な
のではないかと思っ てい ます。
全体的に我々業界 とし ましては、実数 は正確に 出ておりませんけれ ども 、どの観光地も 大体ピー
ク時の4~5割くら いお 客様が減っていまし て、これから人口が減っ てい く中で、観光に 来るお客
様の数がますます減 る可 能性がある。外 国人のお 客様をどんどん増や して いったとしても 、減は避
けられないだろうと 思っ ています。そうい った中で、今度は農家が規制緩和をどんどんされて、宿
泊 施 設 等 の 設 備 が で き 上が る と い う こ と は 、 過 当競 争 に な る 可 能 性 は な いと い う こ と で は な く て 、
過当競争がますます 激し くなるということだ と思 っております。
意見書については皆 さん と同じことですので、別にその意見については、これ以上話すことはな
いと思います。以上 です 。
○倉田座長
ありが とう ございました。それでは、お聞きすることは以上で、資料のほかの説明は
いいですか。
それでは、先ほどから説 明をいただきましたが、それにつきまして、池田構成員 、滝川係長、青
木教授、佐藤会長 の4人 の方にお話をいただきましたが、どなたに対してでも、こんなのおかしい
ではないという意見 も含 めて、どうぞ活 発に何を 言っても構いません から 、今日はそのた めの会議
ですから、意見交換 とい うことでお願いした いと 思います。
○池田構成員
意見 交換 ではないのですが、先ほど青木先生から幾つか質問が出た部分で、私の方
で答えていいのかど うか あれですけれども、 答え させていただきます 。
長年慣れ親しんだ水 はど うして出せないのか という話ですが、これは出せないということはない
です。飲料「適 」の水を 提供することは全然問題ありません ので、定期的に水道法に定められる水
75
質基準項目を検査し て問 題がなければ、提供することは支障ありません。ただ、ずっと飲んでいる
か ら と い う こ と で 、 何 の水 質 検 査 も し な い で お 客様 に 飲 ま せ て は い ろ い ろ問 題 が 出 て き ま す の で 、
定期的に検査をやっ てい ただければ問題ない とい うことです。
水洗トイレのお話 です けれども、水洗トイレでなければだめというものは、ホテル営業 の場合で
す。ホテル営業 は政令で 水洗式かつ座便式のものという形で書いてあります。ホテル営業以外の旅
館営業や簡易宿所営 業に ついては、水洗でな くて も可能という形にな りま す。
農村漁業の関係のお 話の 中で、旅館業法の適用を な ぜ受けるのかという 部分 がありますけれども、
厚生労働省の方でも 補足 をいただければと思 いま すが、法の中でまず旅館 業 の許可をどういう場合
に取らなければいけ ない のかという根本的な 部分 があるかと思います。こ れ は宿泊料を受けて人を
泊まらせるという行 為が 旅館業となります 。ただ 、ごく低廉な食事代の 実費 のみというものであれ
ば、別に宿泊とい う形に はならないです。ただ、食事 代といいながら、通常考えると 1,000 円くら
いの食事が 8,000 円とか いって取っていると、それは実質的に宿泊 料の対価として取っているので
はないかとも見られ ます し、そういう意味で実態 的 に宿泊料としてみな され る料金を取ってやって
いれば、旅館業法の 適用 を受けるという形に なり ます。
また、旅館業かど うかと 考えていく上では、施設の管理形態を総合的に見て、宿泊者のいる部屋
を含めて、施設 の衛生の 維持管理責任が営業者にあるのかどうかということです。例えば何かと言
いますと、アパー トがあ りますね。アパートは月々お金を払っていますけれども、あれについては
施設の衛生の責任は 借り ている方がやってい ます ので、いわゆる 貸し部屋 業ですね。そういうもの
は宿泊には当たらな いと いうことになります。また、アパートは生活の本拠としてずっとそこに住
んでいますので、そうい う生活の本拠となっ てい るのかどうか。そ の辺も 総合的に含めて、これは
旅館業法に該当する とか しないと か 、 判 断 し て い る と い う こ と で ご ざ い ま す 。 以 上 で ご ざ い ま す 。
○倉田座長
ありが とう ございました。何かございます か。
○青木教授
飲料水 の話 はいいのですけれども、宿泊業の話でお聞きになっていて、今回は民泊に
関しては宿泊業を取 らな いという前提での規 制緩 和となっていますね。こ れ をやると非常に現実的
には、民泊をやっ ている 方々の経済的な負担が出てくるということで、今の御説明のように、宿泊
業あるいは旅館業の 範疇 は、その宿泊料を取ることだというようなところで一律化することが非現
実的な実態になって いる ということを御理解 いた だきたいと思います 。
私の提案は、宿 泊料を 取ってもいい。その代わり年間何泊までというような総量規制をして、例
えば既得権を持って いる 業界の方々とのパイの奪い合いにないように、その地域で話し合いをする
というようなことく らい だったら、でき ないこと はないのではないか と。それを宿泊料は取っ てい
けない、取るのは 旅館だ という線引きは、現実的には非常に実態に合わない。今トラブルになって
いるのは、実際上 、民泊 がお金を取って投書されているわけです。その辺は佐藤さん、いかがです
か。
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○佐藤会長
こ れ は う ちの 方 で も び っ くりしたのは、堀江課長の方で通達を出しているんですね。
2月 24 日です。これは 無 償で宿泊される場合の旅館業法の適用についてということで、有償で不
特定多数の他人を宿 泊さ れる場合には、民宿開業 に伴う旅館業の許可 が必 要であるが、教 育旅行な
ど生活体験等を行い 、無 償で宿泊させる民泊 の場 合は、同法律の基 準上、適用除外 であることを地
方自治体に対して周 知す るということですけ れど も、これが全国の旅館組 合 員に通知で回っていま
す。民泊の話をし ている 中で、急に各県から問い合わせが来て、問題ないねということで話が終わ
っていたんですけれ ども 、この話の中で タイミン グ的に非常にいい時 期に 来たものですから 、驚い
ています。
○倉田座長
では、 これ について説明してください。
○堀江生活衛生課長
補 足があれば課長補佐からさせますけれども、参考資料1を見ていただきた
いと思います。一覧性があ るので必ず使っているものです。今、旅館業に関わる規制緩和 について、
どんなようなものが どこ の場で議論をされて、ど う いう宿題を政府とし て負 っているかというもの
でございまして 、言わば 3つ、新成長戦 略実現に向けた三段構えの経済対策。平成 22 年9月 10 日
の閣議決定。構 造改革特別 区域の 18 次提案等に対する政府の対応方針。これが平成 22 年 10 月 14
日の推進本部決定 。閣僚 会議でございます 。総合 特区制度を念頭に置 いた 規制・制度改革。これは
今、進んでいるもの とし てあるわけでござい ます 。
その中で農村漁家 にお ける民宿と民泊の区 別を 明確にしてください とい うことで、無料のものは
法律の適用除外とい うこ とを地方自治体に対して周知するのが、去年9月の 10 日の閣議決定で決
まっていて、そ れを通知 したまでのことでございまして、旅館業の団体の関係者の皆さんを驚かせ
たのであれば、申し 訳な かったのですけれど も、 既に措置されている もの です。
今、青木教授で言 われた ように、これはこの区別を明確にしてくださいという話であって、その
ほかのものについて 。例 えば帳場を、これ は旅館 業法の適用除外です と言 った上で、そのほ かにこ
ういった形態のもの は帳 場はなくてもいいで すか とか、面積規制はもう尐 し 緩和してくれることは
可能でしょうかとい う、その他のことについては平成 22 年度中に検討する と か、あるいは 23 年度
早期に結論を出すと かい うことで、まだ宿題とし て ペンディングになっ てい るということでござい
ますので、この話で 申しま すと、通知ということでごらんいただいているものは、18 番に対応する
ものでございます。
○倉田座長
ほかに 何か ございますか。
○佐藤会長
こうい う文 書が今までなかったものですから、組合員のところに急に回ってきたので、
問題ないと全部に通 知し ていますから、課長の方 か らこういう文書で無 償と 有償は明確にしたのか
なということで理解 して いると思いますけれども。
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○堀江生活衛生課長
○佐藤会長
お っしゃるとおりです。
ですか ら、民泊の問題はこれで解決したのかなと思っている人が多いです。わざわざ
通知をしたというこ とは 、何かの意味が あって、こ ういう問題が発生し てい るから明確にしたのか
なということの認識 しか ないという。
○堀江生活課長補佐
そ こ に は 疑 義 が あ っ た の で明 確 に し ま す と い う の が閣 議 で 決 ま っ て い ま す
ので、明確にし たまでで ございまして、今の佐藤会長のおっしゃっていただいたのを思いっきり引
っ張りますと、これでこ の 会議の目的は終わ りましたという趣旨でやっているわけではありません。
○倉田座長
○池田構成員
どうぞ 。
先ほ どの 厚労省の2月 24 日の文書ですが、一番最後の3行については従来から書
かれているとおり 、まさ に言われているもの です ね。名称のいかん を問わ ず、客観的に見て 宿泊料
に当たるものを徴収 しな い場合は、旅館 業法の適 用対象とはならない 。民 泊という言葉と民宿 とい
う言葉ですが、あえて定 義づけたような感じなのかなと私は思いました。無償で宿泊させる場合は
民泊と言っているの かな と。有償でやって いるも の、宿泊料を取っ ている ものは当然、旅館 業法の
適用を受けますので 、そ れは民宿という言い 方を 今回はしているのか なと 感じたのですが 、そのよ
うな理解でよろしい でし ょうか。有償で泊め る民 泊というものは、ないということですか。
○堀江生活衛生課長
分 類学で議論をしていても解決していかないものですから、便宜上はそうい
うふうにも見られる とい うくらいで、無償か無償でないかという話が決定的な話だと思います。
○池田構成員
そこ を再 度周知したということですか。
○堀江生活衛生課長
そ うです。これは もともとで申し上げますと、この話は新成長戦略実現に向
けた三段構えのとき に要 望があったわけで、これ自体は元から言っていますよという話は、るる申
し上げたわけです 。それ にもかかわらず 、それで もいいので周知して ほし いという要望があり まし
たので、周知いたし まし た。新たな法律解釈 をし たものではありませ ん。
○倉田座長
どうぞ 。
○青木教授
先ほど 渡辺 さんからも出たんですけれども、こういう議論は極めて着地側といったら
い い の で し ょ う か 。 旅 館側 と か 業 者 側 の 議 論 で す。 子 ど も を こ う い う 体 験交 流 で 泊 め て も ら っ て 、
子 ど も は 感 動 を し て 涙 を流 し て 、 お 母 さ ん よ か った よ 、 山 形 に 行 っ た ら こん な こ と が あ っ た よ と 。
そして、ただだっ たと。農家の奥さんたちは無料奉仕をしていたので、申し訳ないと。私の子ども
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はこんなにお世話に なっ たので、お金を 送らなければいけないといって、志を送った場合は無償と
いう範疇の話になり ます ね。
要するに、民宿 と民泊 の概念規定を宿泊料を取る、取らないだけで線引きするのは、極めて非現
実的な形式論です。旅館 業の方も納得し、民宿業 でもしっかりと農家 のお 母さん 100 選で、100 人
を選んだ民宿のよう に、堂々たる営業許可を 取っ て、お客を取っ ている旅 館も顔負けくらいの 民宿
もあります。しか し、そ れは残念 ながら、農林水産省も増やしたいと思っているけれども、そう簡
単には増やせない 。子ど も交流プロジェクトのように教育体験が増えているのに、それを応えるた
めに民泊というものをもっとやらなければいけないという受け皿側の事情と需要側の実態がある
ところで、知恵とし て民 泊が出てきたんです 。
何でもかんでも許可 をし ろとは申さないつも りで 来ましたし、先 ほど申し 上げたように、この旅
館業法の適用除外と いう 極めて消極的な実態 では ない。ある程度 、新規参 入 は旅館業とは違う形で
もう創出されている 現実 を踏まえた法制度の 整備 を急がなければいけ ないということを今日、私は
申し上げたいです 。適用 除外では極めて不十 分な ことになり、一番 心配し ているのは、わか りまし
たと言って金を取っ てい く民泊が増えていく とい うことです。不 法行為と いうことで、ど んどん摘
発されますね。せ っかく 一生懸命やったのに、今度は 農家が摘発されて、今度は感動を与えてもら
った奥さんたちはこ れに 抗議をする。何であんなにいいお母さん を取り締まらなければいけないん
だという構造になっ てい ったら、これは グリーン・ツーリズムに対する 評価 もどんどん変わってし
まうので、百歩譲 って、その規制緩和でやるのだっ たら、総量規制的なところともう一つの条件は
地域あるいは都道府 県で もいいですよ。やはりし っ かりと合意を得るような運用条件をそこにつく
る。それは旅館 業の方と も話し合いをして、このくらいだったら皆さんのところのお客を奪うよう
なことではありませ ん。
逆に例えば子ども体 験交 流プロジェクトが今 、仕 分けでとん挫してい る一 つの背景は、国 の補助
金がもらえるからと いう 不純な動機でやった とこ ろが尐なくないとい うこ とにあります。他方。国
から金がもらえなく ても やるというところが 進ん でいます。ただ 、農家に 1 週間も子どもたちが泊
ま る と い うこ と は 、 非 常に 大 き な 負 担 です。だったら1泊くらいは旅館に泊まっていただいたり、
1泊くらいは交流施設に泊まっていただくという棲み分けを子どものそういうプロジェクトにも
やって、そのとき は、子 ども用の料金で対応いただくと。そういう形での連携につながる規制緩和
を是非やっていただ きた いということでござ いま す。
○倉田座長
○長見構成員
ほかに どう ですか。
グリ ーン・ツーリズムと か体験交流のようなところから発想しますと、ここで議論
をしているテーマと は、また別だと思います 。こ れは1つの施設に対 する 考え方に過ぎなくて 、グ
リーン・ツーリズ ムで町 屋や地域の文化を経験するというのでも、それは地域で形をつくって、い
ろいろな分野を取り こん で提案をしていくの が本 来の姿だと思います。一 軒 の家だけでやる問題で
はない。ですから 、ここ の議論とは合わないところで、それは文科省がやるのか観光庁がやるのか
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総務省がやるのか等 あり ますけれども、コミュニ ティーで本来は議論 をし て提案型で、こ ういうこ
とをやりたいと。それが 出てきているから 、こう いう問題も起こって くる のですけれども、地域で
こういうことをみん なと やりたいので、この施設 の この辺はクリアーす るの が難しいから考えてく
れみたいな、そうい う話 になっていくのだろ うと 思います。
○倉田座長
どうぞ 。
○青木教授
そのと おり だと思います。ただ、私が是非ここで議論をしていただきたいことは、私
から言わせると、帳場な どはどうでもいいん です 。なぜ規制緩和を 皆さん 方はなさるんですか 。こ
ういう既得権を持っ てい る方々を説得して 、それ だけ国の産業政策の 中で やらないと、産 業自体の
底上げができないか らと いうことなのか。規制緩 和 の社会的あるいは政 策的 な意義という議論が吹
っ飛んで、有償 か無償か 、どこまで緩和するかというような適用 除外機論ばかり細かいところでや
っておられては困る んで す。規制緩和の 恩恵を受 けた方々の意識を高 めて いかないと、せ っかく先
生方が一生懸命、厚生労 働 省あるいは佐藤会長 も理 解を示してくださっ て規 制緩和をしたのに問題
を起こすという不届 き者 だって出てこないと も限 らないです。
で す か ら 、 一 つ の 制 度 の流 れ で 規 制 緩 和 が 不 可 欠だ と い う 前 提 の 議 論 で はな く て 、 原 点 回 帰 で 、
なぜ規制緩和をする のか 。何を一つの目 的にする のかというところは 、私 の勉強不足かもしれ ませ
んけれども、グリ ーン・ツーリズムに関しては底上げをしなければいけない。だか ら、初期投資を
しなくてもできる農 家も 中間に入れて、既得権を 持っている業者の方 々と 連携をするのだと。その
た め の 条 件 と し て は 、 年間 こ の く ら い と い う こ とで 、 さ さ や か な ビ ジ ネ スと し て 君 ら は や る 以 上 、
これでいいのだろう こと を説得していく。あそこ は ちゃんとお客をどん どん 入れている旅館だか ら、
規制が厳しいのは当 たり 前だね。我々は こういう ふうに適用除外が認 めら れているのは、これだけ
の身の丈を守るとい うこ とだから、やら なければ いけないということ の方 が、農家の説得 力はある
んです。有償、無償 の議 論をもうちょっと進 めて いただきたい。
○倉田座長
どうぞ 。
○堀江生活衛生課長
有 償、無償の通知をごらんになって、そこが今、議論になってしまっていま
すので、それが私たちの思 いですと取られるとすると、言葉を選ばずに言えば 、心外でございます。
むしろ、ここの検 討会の 場での議論は、規制緩和で得られる効果はあるのかと。否定しているわけ
ではないですよ。こうい うものがあると。それと 規制によって守られ る価 値は何なのか。衛 生の問
題、生衛法もござ います ので、旅館業の振興安定といったものもあります。そこの両方を見ながら
話をするということ で、無 償か有償かというのは昔からあるクラシックな議論の中の一つの解釈を
もう一回出してとい う話 ですから、それ はそれで 出したわけでござい まし て、これから実 はその後
に資料3以降に厚生 労働 省の方で、議論が拡散し な いようにするために 尐し 資料を準備させていた
だいておりますので 、御 説明をさせていただ けれ ばと思います。
80
正直に申し上げま して 、先ほど長見構 成員からお話がありましたように、ツーリズムの体系をつ
くっていきましょう とい う議論は準備もでき てい ませんし、農水省の方の 教 えもいただかなければ
いけないのかもしれ ませ んが、私の方と して考え ていますものは、今ある規制は何でこれが必要な
のか。典型的に言うと、ホテル、旅館、簡易宿 所 が何でそれぞれの規 制、その帳場なり面積な りと
いうことで代表され る規 制は何で 大 事 な の か と い う 、 こ の 既 存 の ホ テ ル 旅 館 の 体 系 の 説 明 が 1 つ 。
それから、今 、議論に なっています町屋、古民家あるいは農業体験と いったようなものとどう違
うのか。ホテルや 旅館と 同じような規制をかけた場合 には、何ができないのかというような、いわ
ゆる典型的ホテル 、旅館 、簡易宿所と違わ なけれ ばならない事情は何 だろ うかを整理して、その場
合に今、先生がおっし ゃっ たこととは 反しますが、帳場と面積が具体的に上がってきていますので、
それを議論しないわ けに はいかないわけです 。帳 場と面積を仮に緩和 する としたときに、それで安
全が確保できるのか 。あ るいは確保しようと した ときの代替措置は 、どん なことが考えられる のだ
ろうか。そうい うアプロ ーチの議論をしようとしているところでございます。タイムリーなのでお
渡ししたのは一面の 真実 でございますけれど も、こ れは1つ宿題を終え まし たというだけの話でご
ざいまして、ここに とら われないようにお願 いし たいと思います。
○佐藤会長
全部の 旅館 等にFAXで行った から、それを話題にしただけです。
○倉田座長
それで は、時 間のこともありますから、あとの資料を事務局から説明していただいて、
つまり世界で当たり 前の ことが日本では当た り前 になっていないとい うこ とと、そんなのは放って
おけばいいというこ とに 関しても、もし 放ってお いて起きたら国のせ いだ 、厚労省のせい だという
のは山ほどあります ね。あとで実例を言いま すけ れども、そういう 意味で は、日本国民は全 く自立
できていないです。
一方で自立すればい いと いう青木先生の意見 は強 いのですが、一方でそこで何かあったら国のせ
いだと必ず言い出す。所 管はどこだ、厚生労働省だ。命に関わることは、すべて厚生労働省。最後
に担当課長が頭を下 げる、局長が頭を下げる。最後は 大臣。こんなのは世界には どこにもないです。
つまり自分の責任が どこ にも問われていない 。私 はもう放っておけ 、起こ ったら個人の責任 、交通
事故も個人の責任 。例え ばニュージーランド 。私 は富山ですから、余りニュージーランドのことを
言いたくないですが 、運 命はそこにあったと いう ことであって、日本の責 任だと言う人もテレ ビで
おられましたが、それは 全然違う。飛行機 が落ち たって翌日から営業 する し、スイスの去年 あっ た
電車事故でも日本人 6人 が死にましたね。翌日に 営業するのは、そ の国の 考え方です。嫌な ら旅行
しないことです。嫌 なら 昔式のトイレに行か ない ことです。
それだけの話で、そこに 厚生労働省が配慮し てい なかったと言って 、みん な騒ぐ。日本はメ ディ
アが特に悪いのです が、後ろにいたらごめん なさ いね。そういう話 です。私はどこでも同じこ とを
言っているのですが 、自 己責任の部分はここ です よとはっきり言って しま えばいいんです 。ホテル
や旅館でしたら、これだ けのものは一応確保 して います。それだけ です。グリーン・ツーリズムは
全部自己責任の範囲 です ね。そこにいろいろなことをやらないと、今度は青木先生が日本中から責
81
められるわけです。だ から 、ここはこういうふう にや っていますよという 話で ないかと思いますが、
また別の機会にいっ ぱい 言いたいことがあり ます 。
では、事務局からお 願い します。
○新津課長補佐
そ れで は、今の旅館営業関係について、資料で整理したものを御説明させていた
だきたいと思います ので 、資料3~資料8ま で続 けて御説明させてい ただ きたいと思います。
資料3「営業所別の 主な 基準一覧」。これは先ほど池田構成員の方から お話をいただいたもので、
また提出していただ いた 資料と非常に似ておりますが、これを一表にしたものと見ていただければ
と思います。
上 段 の 方 に 、 ホ テ ル 、 旅館 、 簡 易 宿 所 、 下 宿 と ござ い ま す 。 項 目 と し ま して は 、 面 積 、 客 室 数 。
それがホテル、旅 館につ きましては、政令で定められている。簡易宿所につきましても面積につい
ては政令で 33 ㎡という こ とで、下宿営業になりますと局長通知になりますが、7㎡という位置づ
けになっております 。
もう一点、玄関帳場につ きましては、一番下にございます。ホテル、旅館につきましては、それ
ぞれ政令で定められ てお りまして、簡易 宿所、下 宿については通知という中で位置づけられている
というものでござい ます 。ちなみに施設数と しま して、平成 22 年3月現在ですけれども、衛生行
政報告例という厚生 労働 省で出しています調 べの 中では、旅館営業につきま しては、48,966 件、簡
易宿所は 23,429 件という 施設数でございます。
こういう全体の体系 の中 にありまして、今回は一 部 特例として緩和され てい るものはどういう位
置づけになっている のか というのが資料4「旅館 業法における構造設 備基 準の特例等について 」で
ございます。ま ず旅館業 法の中でアンダーラインを引いておりますが 、政令で定める基準に適合す
るということになっ てお ります。政令で定める 基準 は旅館業法施行令、構 造設 備の基準という中に、
ホテル営業につきま して は客室が 10 室、床面積が9㎡。
「四
宿泊しようとする者との面接に適す
る玄関帳場その他こ れに 類推設備を有するこ と」。 これがホテルでござ いま す。
旅館つきましても2 ペー ジに5室、7㎡、玄 関帳 場ということで定め られ ております。
中ほどに参考としま して 、簡易宿所営業。延 べ床 面積が 33 ㎡。
その下になりますけ れど も、下宿営業としまして、ここについて面積は 定め られておりませんが、
先ほどのミシュラン の一 覧の根拠はここに出ております。
2ページの下ですが 、構 造設備の基準の特例 とし まして、アンダ ーライン 部分だけ読ませてい た
だきますが「季 節的に利 用されるもの、交通が著しく不便な 地域にあるものその他特別な事情があ
るのであって、厚生労働 省令で定めるものについては、前条第一項から第三項までに定める基準に
関して、厚生労働省 令で 必要な特例を定める こと ができる」というこ とに なっております。
3 ペ ー ジ 「 農 林 漁 業 体 験民 宿 業 に お け る 構 造 設 備基 準 の 特 例 」。 農 林 漁 業 体験 民 宿 に つ き ま し て
は、特例の内容とし ては 、簡易宿所営業の客室延べ面積の基準。これは 33 ㎡ですが、これを適用
しないということに なっ ております。こ の適用し ないというのが旅館 業法 の施行規則、構 造設備の
基準の特例というこ とで 、そこにござい ます一の キャンプ場とか交通 が著 しく不便、一時 的な利用
82
といったのは2ペー ジ目 の下の構造設備基準 の特 例のところが具体的 に出 ているわけですが、農林
漁業につきましては、四 に ございます農林漁業 者が 農山漁村滞在型余暇 活動 のための基盤整備の促
進に関する法律に基 づい てやる場合には 、基準は 適用しないというこ とで 、その四角で囲 ってあり
ます該当するところ はア ンダーライン部分の第四号に掲げる施設。これについては令第一条第三項
第一号の基準を適用 しな いということで、こ れが 33 ㎡を適用しないということが定められており
ます。
3ページの下の方に つき ましては、農山漁村の関 係 についての営業とは どう いったものかが規定
されております。
4ページをごらんい ただ きますと、滞在型の内容としましては、大きく3つございます。1つ目
として、農村・滞 在型余 暇活動、2つ目として、山村滞在型余暇活動、3つ目として、漁村滞在型
余暇活動ということ で、 こういっ た 体 験 を す る も の が 法 律 の 中 で 定 め ら れ ているということで す。
5 ペ ー ジ に 行 き ま す と 「町 家 ・ 古 民 家 に お け る 構造 設 備 基 準 の 特 例 」。 町 家、 古 民 家 に つ い て 、
特例の内容としまし ては 、町家などの伝統的建造物の風情を生かし、旅館営業を行う場合には、玄
関帳場等に代替する 機能 を有する設備等を備 える ことにより、玄関帳場等 の 基準を適用しないとい
うことでございます。代 替 えをする場合には玄 関帳 場を置かなくてもい いと いうものが定められて
いますのが、厚 生労働省 の特区域におけます省令がございまして、そこの第6条の中に基準が定め
られております。
一~五までございま すが 、上から2行ほどに「当該認定に係る旅館営業施設に対して適用しない
こととすることがで きる 」でアンダーライ ンは引 いておりませんが 、その 1つとしましては 、重要
伝統的建造物保存地 区内 にあるというのが一 。
二として、伝統的建 造物 であること。
三からアンダーライ ンを 引いておりますけれ ども、伝統的建造物として の特 性を維持するために、
宿泊しようとするも のと の面接に適する玄関 帳場 。その他 、これに類する 設 備を設けることが困難
である。
四としまして、玄 関帳場 等に代替する機能を有する設備を設けること。その他、善良の風俗の保
持を図るための措置 が講 じられていること。
五としまして、緊急 時に おける迅速な対応の ため の体制が整備されて いる こと。
こ の ア ン ダ ー ラ イ ン 部 分の 更 に 細 か い 部 分 に つ きま し て は 、 局 長 通 知 で 定め ら れ て お り ま し て 、
6ページをごらんい ただ ければと思います 。4で すけれども、玄 関帳場等 に代替する機能を有 する
設備を設けること。その 他、善良の風俗の保持を 図るための措置とし まし て、具体的には(1)~
(3)の状態を指す とい うこと。
(1)としまして、 ビデ オカ メ ラ 等 を 設 置 し ま し て 、 宿 泊 者 の 出 入 り の 状 況 が 確 認 で き る こ と 。
(2)としまして、 宿泊 者との面接を行い、宿泊者名簿の記載を行う。
(3)としまして 、管理 事務所から旅館営業施設まで職員が宿泊者に付き添って案内し、職員が
解錠の上、宿泊者に かぎ を引き渡すというこ とで ございます。
5に緊急時における 迅速 な対応の整備としま して 、具体的な内容は(1)として、通話機器 が設
83
置されている。
(2)旅館営業施設 とそ の管理事務所の周囲 おお むね 100m の区域内に設置するということ。
(3)マニュアルを 整備 するということ。
(4)関係者等が状況の 確 認と情報公開を行う体制を構築することを具体的に定めてくださいと
いうことをお願いし てお ります。
7ページ「玄関帳 場につ いて」の関係でございます。ホテル営業と旅館営業につきましては、先
ほど一覧でもござい まし たけれども、旅 館業法の 施行令において 、玄関帳 場を有することが定 めら
れております。ま た、玄 関帳場につきましては「旅館業における衛生等管理要領」という局長通知
が 出 て お り ま す 。 そ の 中で 2 つ 目 の ● で す け れ ども 、 簡 易 宿所営業につきましては、要領の中で、
設けることとされて いる こと。3点目の● ですが 、下宿営業につい ては、ホテル、旅館営業 の施設
に準じて設けること が望 ましいということが 要領 の中で言われております。
中ほどからございま すの は、衛生管理要 領の該当 部分を抜粋しており ます 。それぞれ該当 する部
分は、(5)にアンダ ーラ インを引いている部分が該当部分でございます。
8ページの中ほど、通知 等におけます運用上、留 意すべき事項で、特に( 4)をごらんいただき
ますと、従業員が 常時待 機し、来客の都度、玄関に出て客に応接する構造の部屋が玄関に付設され
ている場合には、これを 玄 関帳場に類する設備 に当 たるものと解して差 し支 えないことということ
で、先ほど冒頭 の方で池 田構成員からもお話がございましたが、玄関近くで付設されている 施設か
ら客に対応できる体 制で あればいいといった こと も、運用上のことで示さ せ ていただいておりま す。
資料5と資料6でご ざい ます。旅館業法の各種規 制 の意義は一体どうい うこ とだろうかというこ
とで、資料5は未 定稿と してまとめておりますが、今回、議論として挙げております玄関帳場の設
置につきましては「( 1)健全な営業形態の確 保」、
「(2)宿泊者の安全確 保」、
「(3)感染症対策」、
「(4)テロ対策」ご ざい ます。
面積要件につきまし ては、「(1)衛生確保」、「(2 )経営の安定化」。
客室数要件につきま して は、「(1)施設 の水準の向上」、「経営の安定化」といったところから規
制を考えているとい うこ とでございます。
資料6でございます 。こ れにつきましては 、規制 緩和要望が出ていま す宿 泊形態の特性として 分
けております。この内容 としましては、要望内容の説明とか関係書類といったところをいただいた
ものから整理をさせ てい ただいております。
「町家、古民家 」につき ましては、例えば 歴史的町並みの保全、伝統的建造物の 保存といったと
ころについて、改築、改修 が景観を損ねるといったこと。空き家の活用といったところは小規模で、
帳場人員の配置が困 難と いったようなことが挙げられると思います。
「田舎暮らし民宿 」につ きましては、も ともと田 舎暮らし民宿といっ たと ころが農業体験とか 田
舎暮らし体験の機会 の提 供といったところで、宿 泊 は二次的な目的とい った とこ ろのお話であると
か体験型民宿につき まし ては、都市とは 立地条件 やニーズが違うとい った ところでは、全 国一律の
基準である必要はな いの ではないかといった よう な御意見でございま す。
「農林漁業体験民宿 」に つきましては、一 番下に なりますけれども 、宿泊 は二次的な目的、農林
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漁業が副業として実 施す るための宿泊による 需要 性が低いものだとい ったことでございます。
資料7につきまして は、これまでの検討会に おけ ます主な発言内容に つき まして、第2回 、第3
回についての主な問 題に ついて、挙げさせて いた だいております。
資料8「旅館業法 におけ る規制緩和について(未定稿)」。左側に規制改革要望の内容を掲げてご
ざいますが、これ につい ての現状を入れて 、これまでの主な意見。右側の対応案は抜けております
けれども、ここ に今後い ろいろな意見等を付け加えて、整理していった方が全体が見えるだろうと
いうことで、用意を させ ていただいておりま す。
非常に急ぎ足になり まし たが、以上でございます。
○堀江生活衛生課長
補 足させていただきます。ごく簡単にですけれども、資料3で池田構成員が
つくっていただいた もの よりも、もっと 一覧性を もって示すとこんな 感じ になります 。旅館業法は
昭和 23 年にできました の で、いつの話をしているんだということですけれども、それぞれの構造
基準は都道府県にお 任せ したもので、そ れを尐し 整理しようという改 正を して、このよう なものが
体系としてできてき てい るということでござ いま して、古窯のような立派な旅館であっても、要す
るにそれとは関係な い、 最低基準のところの 話を しているわけであります。
その上で言いますと 、ホ テルは旅館より規制 は厳 しく、旅館は簡 易宿所よ り規制が厳しいとい う
ことであって、そういう 意味では客室数5室以上ということがあるわけですが、5室を4室にした
らどうだとかいう話 は、今の時点で言えば 、4室は簡易宿所になるわけでございま す。言わばステ
ータスとして旅館に なり たいと言えば、そ れまで のことですけれども 、1 つ上の方に上がれば 、そ
れだけきつい規制が かか ります。4室と 書くことによって、規制が緩和されると言えば緩和される
のですけれども 、むしろ 4室のところで旅館を名乗ろうとする と、より厳しい規制がかかるという
ような仕掛けになっ てご ざいまして、余り 5室、4室は実益が低いか なと は思います が、そんな構
造になっています。
資料4で法律の説 明を させていただきまし たけ れども、この法律あるい は 政令の中に書いてある
こととして、その 他、都 道府県が条例で定める構造設備の基準に適合することということで、池田
課長から御説明があ った ように、都道府県の方で よ り厳しい規制が決め られ るようになっています
というのがある一方 で、季節的に利用される もの 、交通が著しく 不便なと ころにあるものにつ いて
は、今度は厚生 労働省が 省令で緩和することができるというこ と。一律というものを都道府県が上
載せしてみたり、厚生労 働 省の省令で緩くしてみたりというようなことになっているという構造だ
け、御理解をいただ けた らと思います。
私の思いとしまし て、資料5と資料6で、未定稿という検討会の先生方には失礼な形ですけれど
も、書かせていた だきま した。ここの部分は議論をしていて、いかに今の典型的なホテル、旅館を
対象にしてみると、今 の規 制はこういう観点で 必要 なものですよという 話を きちんとさせつつ、今、
議論になっている町 家、古民家でこういう事情があって、そこのところをもし認めるとすると、今
の規制のここは緩和 する ことが可能だろうか 。あ るいは緩和した場合 には 、それはどうい ったお約
束の下に緩和するこ とが 可能なのだろうか。そ うい う議論をするのかな とい う想定で、この資料5、
85
資料6を考えてござ いま す。
資料7、資料 8はだん だんに議論が積み重ねられれば、まだ充実されていく内容のものだと考え
ております。
以上でございます。
○倉田座長
ありが とう ございました。どうぞ。
○大井田構成員
規 制を どうするかという会議だと思いますので、大きな規制があるわけではない
から改正はいいので はな いかと。佐藤さんと言っていることは同じです。理由は、日本国民はすぐ
に 政 府 の せ い に す る 。 しら さ ぎ 幼 稚 園 事 件 の と きは 、 園 児 が 井 戸 水 を 飲 んで 死 ん だ と い う こ と で 、
埼玉県が大変でした 。青 木先生に失礼なこと を言 うかもしれませんけ れど も、もしこれで クリプト
スポリジウムとかO 15 7が農村で出たら、すぐにパンクするのではないかと心配しているわけで
す。それいけどん どんで は済まないのではないかと思うので、ある程度の規制は仕方がない。国民
が自己責任で解決す れば いいですね。し らさぎ幼 稚園事件ではないけ れど も、幼稚園に入 れ たのが
悪いんだと。そうは 絶対 にならないので、今 のま までいいと思います 。
○青木教授
誤解が ない ように言いたいんですけれども、私は規制を撤廃しろなどと一言も言って
いません。規制緩 和は非 常によかったけれども、規制緩和の問題がある。大事なのは適用除外とい
う議論から新制度 、今お っしゃったように、農家民宿 にも適用して、O157対応ができるような
制度設計をやれるん です 。その議論を せめて 次に進めていただきたい。その要望です。
○大井田構成員
地 域を 活性化させるのは、すばらしいことだと思います。ただ、感染症という立
場から、やや危ない なと いう意識を持ちましたということです。
○青木教授
だから 、そ うならないようにしっかりやっていくと。
○倉田座長
環境省 の悪 口を言うわけではないですが、イノシシやクマが増えて人が殺される、け
がをさせられる 。そのク マやイノシシを撃ってはいけないんですね。撃つためには許可をもらわな
いと撃てない。クマ様、イ ノシシ様になっていて、それを撃ったら刑事罰ですよという話を聞いて、
びっくり仰天したん です が、これは世界 中にこう いうことを言ってい る国 はどこにもなくて 、日本
だけです。
ただし、今、大井田さん が言ったように、この動物どもの排泄するもので水があちこちの簡易水
道に入ってしまった んで す。実際に病人ま で出て います。たまたま 見た先 生が、おかしいな と言っ
て、水を衛生研究 所が調 べたのですが、大変な量のクリプトが入っていた。それは全国をやったら
相当出てくるのでは ない かと思います。一般的に 臨床の先生方は 、クリプ トなどは慣れていな くて
わからないから、それで 済んでいるだけだと 思い ますが、そういう ことで 調べたら、やはり 出てく
86
るんです。
そういうことを含め て、簡易水道に関するチ ェッ クは、人を守ると いうの だったら、それな りの
チェックをしないと おか しいし、大腸菌など は学 生時代の 50 年前にどこに行っても何もなかった
けれども、今は河 川にす ごい量が流れています。そういうものが勝手だと。それもあなたの責任で
すというのが世界の ルー ル。
滝川さんの言われた テロ の問題でしたら、ロンドン で 300m 歩くと最低6回は自分の顔がどこか
に出てくる。世界 はテロ に対して、そこまで神経質なわけです。農村に行ったら大したことはない
けれども、人が集 中して いるところは全部そうなっています。アメリカも同じ。ですから、そうい
うことに関してプラ イバ シーの侵害と言って いる のは日本だけで、ほかに そ んなことを言う国はど
こにもないです。
そういうことも含め て、昔は確かにヨーロッ パの ペンションに行って もホ テルに行っても 、今は
どこに行ったって 、見え ないようにカメラが 付い ています。パスポートとIDカードがあれば、全
部コピーを取られて 当た り前の話です。日本はそ れをプライバシーの 侵害 と言う。そんな 国は世界
にどこにもありませ ん。そういう中でこうい うも のをどこまでやって いく かということは 、メディ
アでも、やり過ぎ だとい うのと、もっとやれというのと、両方の意見が出てくる。そこを同調する
かは、そのとき のルール を決めていくところで、そのときはこうだったということで決めるしかな
いと思うので。この 後の 予定はどうなっていますか。
○堀江生活衛生課長
今 後4月、5月にもう2回議論を進めてさせていただいて、一定の結論を得
られるようにしたい と思 います。これはいつまで 議 論をしていても話は 尽き ませんのでというとこ
ろでございます。
御紹介でございます けれ ども、先ほど補 佐の方か らお話がありました が、民主党の総合特区規 制
改革小委員会に呼ば れて 、ヒアリングを 受けまし た。当然に大き な方向性 は規制緩和すべきと いう
ことでございました 。一 方で規制緩和を1回やってみたらいいではないかと。やってみて問題があ
ったら、やめさせ るくら いのやり方でもいいではないかというお話もある一方で、今日、滝川さん
に来ていただいてい ます ように、ラブホ の問題と か衛生問題、あ るいは治 安問題は大きな問題 なの
で、1回緩めて みればい いというものではないのではないかという慎重な議論もございまして、今
日はこういうような 形に させていただいたわ けで ございます。
もう一点。12 時を過ぎて しまったので、これは今度でもよろしいのですが 、治安的な意味での広
い意味での衛生問題 はあ るけれども、狭 い意味での公衆衛生という部分 。帳場をつくることの明確
な議論を出してくれ ない といけないという議論もそこのところで出ておりました 。今回も資料の中
で、感染症、結核の問題 とかを念頭に置きながら準備させていただきましたけれども、こういうこ
とで議論を充実させ てい ただいて、私の 感じで申 し上げますと、資料5な り6なりといったも のを
整理しながら、ど こまで のところであれば、先ほど の日本の国民性みたいなことを考えても、お許
しいただけるような内容になるのかどうかを5月までの間にまとめていただければと考えてござ
います。
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ついでに言ってしま いま すけれども、次回の日程は改めて確認させていただいて、御連絡させて
いただきたいと思い ます し、決まり次第 、御連絡 させていただきたい と思 います。本日は特 に青木
先生、警察庁の滝川 係長 、貴重な御意見をい ただ いて、ありがたかっ たと 存じます。
○倉田座長
そうす ると 、今後まとめる 骨子みたいのが出ていたけれども、そういうものに沿って
まとめてみるよとい うこ とですか。それで皆 さん にお諮りをするとい う意 味ですか。
○堀江生活衛生課長
も う尐し具体的にして、御相談を申し上げようと思っています。そろそろヒ
アリングの次のステ ージ に行くことを考えています。
○倉田座長
最後に 私的 な意見を一言言います 。水の安全性についても、ここまでは確保しますよ
と。ここから後の 周辺部 分は個人の責任でしょうと書き込んだらどうですか。日本には、そういう
ところがどこにもな いで す。そうすると、こうい う文書は全部、厚生労働 省、農林水産省、どこの
責任になるのか。
○堀江生活衛生課長
実 は 青 木 先 生 の お っ し ゃ って い た 法 律 は 二 体 系 あ るの で は な い か と い う 話
と、実は通じるの かなと 思っていますし、佐藤会長とも御相談しなければいけません 。仮に帳場な
りの機能を緩めると いう ことがもしあるとしますと、前回来ていただいた兵庫県の方で 一棟貸しし
ているわけですから 、後 の管理の責任、そこで起 きた問題については 御自 分できちんと責任を 取っ
てくださいと一筆い ただ くくらいの感じでや る。それは青木先生もお っし ゃるように、ひ ょっとす
ると壁がはがれてき て、擦り傷をつくったり する こともあるのかもし れま せん。そういったところ
は、よほどの過 失があれ ば賠償しますけれども、後は自己責任でやってくださいみたいな話を文章
にしないと、多 分納得で きないところもあるのかなというところを、頭の中では考えてござ います
けれども、その辺も 御提 案したいと思います 。
○倉田座長
よろし くお 願いします。では、最後に一言あおりの方はどうぞ。
○青木教授
これで 私は 皆様とさようならなので一言言いたいのは、特区 の 意義と限界ということ
です。その特区 の中で今 のような、言わ ば 自己責任というものを担保させるようなやり方をどこか
モデル事例をつくっ てい ただきたいです。言わば 顧 客側が自己責任を取 るよ うな仕組みづくりをす
る。一緒になって 、先生 がおっしゃるような ヨー ロッパ並みとは言わないまでも、やはりここまで
は私たちはちゃんと やり ますから、よろしくという形のものをつくり上げていく。それをまず一つ
お願いしたい。
2つ目は、今 、国で皆 様方がやっておられる議論は 、非常に大事な議論だと思います。規制緩和
は一つの流れである べき です。しかし 、何回も申し上げるように、規制緩和だけが先行してしまう
と、いろいろな問 題が起 こってくる。したがって、国はできるだけ緩やかな 規制緩和の流れを 方向
88
づけしていただいて 、そ れを受けて、都道府県行政なり市町村行政がしっかりと 、その規制緩和の
意義を浸透させると いう ことの仕組みをつく って いただきたい。それもあ る意味では、山形県とか
どこかの県をモデル にし てやってみるというのもあると思います。つまり国の行政がやるべき一つ
のテリトリーと、市町村 行 政なり都道府県行政がやるべき テリトリーというものが複合的にあって、
こういった衛生管理 とか 安全管理というもの もあ るし、経営者側 の自立化も図れるんです。それを
ただ一律に緩和すれ ばい いとか、ただ規制で取り 締 まればいいというこ とで はないということは申
すまでもないとは思 いま すが、是非そういう方向でまとめていただけ れば 、お願いします。
○倉田座長
それで は、今 日はこれで終わりにしたいと思います。どうもありがと うございました。
89
平 成 23 年 度
生活衛生関係営業等衛生問題検討会
第1回議事録
厚生労働省健康局生活衛生課
-190
平成 23 年度
第1回生活衛生関係営業等衛生問題検討会
議事次第
1.開
会
2.議
事
日
時:平成 23 年7月8日(金)14:00~15:28
場
所:全国生衛会館
特別会議室(3階)
(1)旅館業における規制緩和について(論点の検討)
(2)ビル管理技術者、理容師、美容師試験・指定制度の検討について
(3)その他
3.閉
会
-291
○三川課長補佐
それでは、定刻となりましたので、ただいまから平成 23 年度第1回生
活衛生関係営業等衛生問題検討会を開催させていただきます。
本日は、日本大学の大井田構成員、日本消費者協会の長見構成員、帝京大学の渡辺構成
員は都合により欠席でございます。また、千葉市の渡辺構成員が人事異動により本橋構成
員に交代いたしましたが、本日は本橋構成員の代理といたしまして千葉市健康部生活衛生
課の春名主幹に、また池田構成員の代理といたしまして東京都健康安全部環境衛生課の簑
島課長補佐に代理出席いただいております。また、本日はオ ブザーバーといたしまして全
国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の佐藤会長の代理といたしまして清 澤理事に、財団
法人全国生活衛生営業指導センター小宮山専務理事に御出席をいただいております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
会議次第、座席表、構成員名簿がございまして、その次から資料になりま す。1枚目の
会議次第の資料に沿って順番にいきますと、資料1、資料2が1枚のものです。資料3、
資料4、資料5も1枚のもので、資料6-1、6-2、資料7、資料8、資料9、10 とあ
ります。参考資料1は前回の議事録になりますけれども、こちらは構成員限りのものとなっ
ておりまして、何か修正等ございましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。
最後に参考資料2でございます。
資料は以上でございます。不足等ございましたら、事務局までお申し付けいただきます
ようお願いいたします。
本日の検討会は公開で行われております。
それでは、倉田座長、議事の進行をよろしくお願いいたします。
○倉田座長
暑いところ、またお忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございま
す。
事務局から十分な議論を積み重ねて早く終わる分には幾ら早く終わってもいいというこ
とですので、暑いところ有効な議論をして、速やかにと思っておりますので、どうぞ御協
力をよろしくお願いします。
本日は、今まで議論してきました旅館業における規制緩和と、新たにビル管理技術者あ
るいは理容師美容師試験指定制度の検討について議題としております。それぞれいろいろ
ありますが、まず今まで議論してきた旅館業における規制緩和につきまして、議論を踏ま
えて現時点での方向性をまとめたいと思っております。前回 はちょうど地震のあった日、
3月 11 日で大分時間が経ってしまいましたが、どこでもそうなってしまっているわけで、
やむを得ないと思います。
それでは、事務局から開催の経緯等、説明を資料1~6についてお願いします。
○新津課長補佐
それでは、資料に沿って説明をさせていただきたいと思います。
しばらく時間が経ちましたので、これまでの開催をしてきました経緯等も含めて御説明
をさせていただければと思います。
最初に、資料1になりますけれども、旅館業におけます規制緩和ということで、これま
-392
で3つの事柄から事項について検討を重ねてまいりました。1つは 新成長戦略実現に向け
た3段構えの経済対策、2点目としまして構造改革特区域の第 18 次提案に対します対応
方針、それから、総合特区域を念頭に置いた規制改革についての御意見に対する対応とい
うことでございます。
同じ中身としましては、町家・古民家を活用しました宿泊施設に対します旅館業法の規
制緩和の点と、田舎暮らし小規模民宿開業に係ります規制緩和というところでございます。
一方、既に措置として終わってございますのが、農林 漁家におけます「民泊」と「民宿」
の区分の明確化ということで、資料1の 18 という番号が振ってあります事項については
通知を出して終わっているという状況でございます。
資料2に移っていただきますと、これがこれまでの検討会の経緯等につきましてまとめ
たといいますか、経緯を追ったものでございます。
旅館業におけます規制緩和につきましては、昨年 12 月以降検討を開始しまして、規制
緩和について議論を行ってきたということでございます。
これまでの開催につきましては、平成 22 年 12 月 21 日に旅館業におけます構造設備基
準の緩和について検討を始めまして、第2回目が2月7日、この日は関係者からのヒアリ
ングということで、ホテル・旅館関係者、町家関係者、農林漁業体験民宿関係者、利用者 ・
消費者の代表の方からヒアリングを行いまして、論点の整理をしてきたということでござ
います。前回につきましては3月 11 日になりますけれども、関係者からのヒアリングと
いたしまして、関係行政機関として東京都の環境衛生課長さんの方からのヒアリングと、
警察庁さんの方からテロだとかそういったことにつきましての関係についてヒアリングを
させていただいた。それから、農林漁業体験民宿に関します有識者としまして東洋大学の
教授の方からヒアリングをさせていただいたということでございます。そうしまして本日
が第4回目の検討ということになっております。開催としましては年度で区切っておりま
すので 23 年度第1回というタイトルにはなっておりますが、通算しますと今回で4回目
ということでございます。
続きまして、資料3をごらんいただければと思います。
資料3につきましては旅館業法におけます構造設備基準の特例ということで、法的にど
ういう位置づけになって構造基準が示されているかということでございまして、旅館業法
の第3条になりますけれども、関係部分にアンダーラインを引いております。第2項の方
につきまして、これは申請があった場合に構造設備の基準が政令で定める基準に適合し て
いるかどうかということで、政令に基準が定められているということでございます。
その政令の基準というのはその次に旅館業法施行令としてお示しさせていただいており
ますが、第1条につきましては、ホテル営業としまして客室の数は 10 室以上、1室の床
面積については9㎡以上、宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類
する設備を有することということでございます。
2項につきましては旅館営業ということで規定がございまして、ページは2ページ目に
-493
移りますけれども、こちらにも同じく客室、床面積、玄関帳場についての規定 がございま
す。
3項としましては、中ほどでございます簡易宿所営業、客室の延べ床面積は 33 ㎡以上。
4項につきましては、下宿営業の規定がございます。
2ページの下になりますが、こういった基準の中でございますが、
「構造設備の基準の特
例」が第2条に定められておりまして、
「ホテル営業、旅館営業又は簡易宿所営業の施設の
うち、季節的に利用されるもの、交通が著しく不便な地域にあるものその他特別の事情が
あるものであって、厚生労働省令で定めるものについては、前条第一項から第三項までに
定める基準に関して、厚生労働省令で必要な特例を定めることができる」という規定がご
ざいます。
これを定めておりますのは、3ページ目に移ります。旅館業法施行規則としまして、第
5条に構造設備の基準の特例が定められております。1~4までございますが、キャンプ
場、スキー場等の季節に限り営業する施設、交通が著しく不便な地域にあって利用度の低
いもの、体育会、博覧会のために一時的に営業する施設、農林漁業者が農林漁村滞在型余
暇活動のための基盤整備の促進に関する法律第2条第5項に規定する農林漁業体験民宿営
業を営む施設、これらの施設につきましては、その下にございます表でございますが、設
けなくてもいいということで、例えば客室ですとか面積、玄関帳場についての特例がそれ
ぞれ設けられているという構造になっています。
3ページの下側につきましては農山漁村の関係している法律を参考に列挙させていただ
いております。
5ページ目をごらんいただきますと、5ページ目につきましては町家・古民家におけま
す構造設備基準の特例としまして、これは構造改革特別区域法の関係で厚生労働省令とし
て規定したものでございます。これにつきましては伝統的建造物としての特性を維持する
ために玄関帳場その他これに類する設備を設けることが困難であるといったことが生じた
場合には、玄関帳場等を設けなくてもいいという規定がされております。
中身につきましては6ページをごらんいただければと思いますが、この規定を受けまし
て局長通知で通知させていただいております。玄関帳場に 代わるものとしまして4の(1)
番、ビデオカメラを設置することにより、宿泊の出入りの状況が確認できること、宿泊者
との面接を行い、宿泊者名簿の記載を行う、職員が解錠の上、宿泊者にかぎを引き渡すこ
と。5番としましては、事故が発生したときの緊急時の対応の体制がとれているか どうか
といったことが規定されております。
第3としましては、今まで申し上げたのは旅館としてやった場合にこういったものを設
けてくださいということでございますけれども、簡易宿所につきましても旅館、これらと
同等の条件なり設備を設けた場合については柔軟に対応していただくということが書かれ
ているということでございます。
7ページ目につきましては玄関帳場について抜き出させていただいておりますが、ホテ
-594
ル・旅館につきましては先ほど厚生労働省令の方で書かせていただいておりますけれども、
ホテル・旅館につきましても旅館業におけます衛生管理要領で再度玄関帳場といったもの
を置くということが書かれております。それから、簡易宿所につきましては政令の中で特
に書かれておりませんけれども、衛生管理要領の中でホテル営業、旅館営業の施設に準じ
て設けることといったことが示されております。8ページをごらんいただきますと、下宿
営業につきましてはホテル営業、旅館営業の施設基準に準じて設けることが望ましいと書
かれております。
旅館業法の施行令が一部改正をされたときに局長通知が出されておりますけれども、こ
の中で8ページの下の方になりますが、
(4)番といたしまして「従業員が常時待機し、来
客の都度、玄関に出て客に応接する構造の部屋が玄関に 附設されている場合には、これを
『玄関帳場に類する設備』に当たるものと解して差し支えないこと」ということで通知が
されております。
資料4をごらんいただきたいと思います。
資料4につきましては、業種別の主な基準につきまして一覧にさせていただいておりま
す。先ほどの資料3に出てきました文章の中からそれぞれ 「ホテル」「旅館」「簡易宿所」
「下宿営業」の「玄関帳場」「面積」「客室」等について政令で定められているもの、通知
で定められているものをこの中でお示しさせていただいております。中ほどから真ん中ぐ
らいにございますが、「季節営業」「一時営業」「農林漁業体験民宿」、この中でバッテンが
されているものにつきましては、ここについては免除されているというものでございます。
右から3番目の欄でございますが、
「農林漁業体験民宿」につきましては面積としまして簡
易宿所として 33 ㎡以上必要といったものが適用されないということでございます。
その右側の2つでございます が、「町家・古民家」につきましては今回要望としまして
玄関帳場を緩和してほしいという要望、それから、面積につ きましては三角となっており
ますが、今回の要望で明らかに出ていますのが玄関帳場と客室数を緩和してほしいという
要望なんですが、
「玄関帳場、客室数等」となっておりますので、面積についても三角とい
うことにさせていただいております。それから、「田舎暮らし体験民宿」につきましては、
現在農林漁業体験民宿として 33 ㎡以上が適用なしとされているものについて、同じく適
用除外を要望されているという状況でございます。
続きまして、資料5になります。
資料5は「町家・古民家、農家漁家宿泊体験の特性」につきまして、目的等々について
尐し比較をさせていただいております。
まず、目的につきましてはホテル・旅館、簡易宿所の方でございますが、不特定多数の
利用者に対する宿泊サービスの提供ということで、 町家・古民家、農家漁家宿泊体験の方
につきましては、町家・古民家というもともと個人の家に宿泊する体験を提供する、農家
漁家宿泊につきましては、農家漁家に宿泊して、農業漁業体験を提供するということが目
的になっております。
-695
本人確認とプライバシーについてはどうかということで見てみますと、ホテル ・旅館等
につきましては、防犯、感染症予防等の必要から、宿帳への氏名 、住所記載など、必要不
可欠な情報を求める一方、必要事項以上に宿泊者のプライバシーに立ち入らない 。それか
ら、他の宿泊者についての個人情報につきましては厳格に管理しまして、プライバシーを
尊重しているということでございます。各宿泊室につきましては施錠ができる体制が完備
している。それに対しまして、町家・古民家の場合につきましては1棟を丸ごと貸与して、
調理などについては宿泊者に行わせる形が一般的であるということ、農家漁家宿泊体験の
場合につきましては、宿泊者相互間で面識を持って農業漁業体験での共同作業を実施する
ということでございます。
サービス体制について見てみますと、ホテル・旅館の関係につきましては、ベッドメイ
ク、布団の上げ下げ、飲食物のルームサービスなどに対応している。一方、 町家・古民家
につきましては、シーツの提供等はあるものの、ベッドメイクなどは宿泊者自身が行うの
が一般的、飲食物のルームサービスなどの付帯サービスはないということでございます。
資料6をごらんいただきますと、今回の規制緩和要望等の中ではこれまで特区として 見
てきました町家・古民家の検証も含めてということが書かれていますので、町家・古民家
の評価として現時点でのものを案としてここに示させていただいております。
1点目としましては、今年の1月 23 日でございますが、私ども健康局長と数名で兵庫
県豊岡市出石町の旅館でございます西田屋さんを訪問してきております。
それから、2月7日でございますが、この検討会におきましてヒアリングを行った際に
出石の方からお越しいただいて、町家の現状について御説明をいただいた。
3点目の特区の評価案といたしましては、町家・古民家につきましては簡易宿所として
の許可であったということでございます。当初特区申請としましては出石の方からは旅館
としての申請がされるということでありましたが、簡易宿所としての許可ということでご
ざいました。玄関帳場につきましては、旅館、簡易宿所を管理する上で公正衛生上、防犯
上重要と認識をしているところでございますけれども、豊岡の町家につきましては 、厚生
労働省の作成しました要件を満たしている、それから、1棟貸しを前提としまして、調理、
布団の上げ下げ等も利用者に実施させているという状況でございました。かぎの受け渡し
と同時に、利用者に建造物の管理についての自己責任を明確にする仕組みを前提とします
と、特区でなくとも玄関帳場の規制を緩和することが可能ではないかということでの評価
でございます。
続きまして、資料6-2でございます。
資料6-2につきましては、これまでのヒアリングや議論等を踏まえまして町家・古民
家に係ります規制緩和についての案ということでお示しさせていただいておりますが、左
側につきましてはこの要件を満たした場合に特区として承認をしていくという状況といい
ますか、要件に対して右側は具体的な緩和の案ということでございます。
「Ⅰ.構造改革特区域内であること」というのが現在の特区でありますけれども、それ
-796
に対しまして、構造改革特区域内であることを要しない、ただし、旅館、簡易宿所として
の許可に際しましては、下にございます要件1、2に該当する建造物であることの市町村
の確認書を添付することということで考えられないかということでございます。
具体的要件につきましては、1つは文化財保護法に基づきます重要伝統的建造物群保存
地区内にあること。これは案としては同じ考えでございます。
2点目としまして、文化財保護法に規定しております伝統的建造物群を構成している建
築物であるといったところも同じでございます。
3点目としまして、伝統的建造物としての特性を維持するために玄関帳場を設けること
が困難であること。これも同じでございます。
4番目としまして、玄関帳場に代替する機能を有する設備を設けること、その他善良の
風俗の保持を図るための措置を講じられていることということでございます。1点目とし
ましてはビデオカメラ等を設置することにより、宿泊者の出入りの状況が確認できること。
これも同じでございます。2点目としましては管理事務所棟において宿泊者との面接を行
い、宿泊者名簿の記載を行うこと。これも同じでございますけれども、右側にございます
「建物の管理取扱責任について署名を取ること」を加えるということです。3点目としま
しては管理事務所から旅館営業施設まで職員が宿泊者に付き添って 案内し、職員が解錠の
上宿泊者にかぎを引き渡すこと。これも一緒でございまして、右側にございます4点目と
してちょっと違うところにつきましては、
「一棟丸ごと貸与する場合には、建物の鍵の管理
を宿泊者の責任により実施すること。又は宿泊者が複数組に及ぶ場合には、宿泊者相互間
の面識を持たせること」を要件として考えているところでございます。
5番目につきましては、考え方は同じになりますが、これは事故が発生したときの迅速
な対応、体制整備がとられているということで、1点目につきましては,通話機の設置、
2点目としましては、営業施設が管理事務所等の周囲おおむね 100m以内の区域に設置さ
れているもの、宿泊者の安全を確保するためのマニュアルの整備、地方におけます状況の
確認と情報交換を行うというものでございます。
欄外にございます旅館の場合でございますが、客室数が5室以上、これは和室の場合は
7㎡以上、簡易宿所の場合につきましては客室数の規制はございませんけれども、延べ床
面積としては 33 ㎡と定められているということでございます。
資料6までの説明は以上になります。
○倉田座長
ありがとうございました。
1~6まで説明がありましたが、何か質問あるいは御意見がありましたらどうぞ。
どうぞ。
○堀江課長
資料4だけ簡単にもう一回見ていただきたいのでございますが、この規制緩
和の関係で要望があったものの中で、農林漁業体験民宿から町家・古民家、田舎暮らし体
験民宿、こうしたものが俎上に上がり、あるいはものによっては解決したりしているわけ
でございます。農林漁業体験民宿のところについて言えば、これは法律もできているもの
-897
ですから構わないわけですけれども、この場でも議論がありましたが、実際に農林漁業の
体験がなされないで粗略になっている場合があって、何か目的外になっているのではない
かというような話があったことは記憶にはとどめておこうと考えてございます。
○倉田座長
伝統工芸について関係者からのヒアリングはできませんか。
○堀江課長
町家・古民家はもう一回後で申し上げますが、田舎暮らし体験民宿というこ
とで伝統工芸製造業者、NPO 法人が例えば農林漁業の体験民宿ができるんだから伝統工芸
の製造についての体験民宿もやれるようにしてほしいという趣旨の要望だと理解している
んですけれども、農林漁業体験民宿についてはそのための法律がもう既にあるのと比べれ
ば、こちらには法律がないという違いがございますのと、実質的な話として農林漁業体験
民宿ですと、泊まって、早朝の4時5時ぐらいから活動をしてというのがイメージしやす
いんですけれども、伝統工芸製造の工場みたいなものが朝4時5時から動かなければいけ
ないのか、もうそんなことを言っていないで近所の旅館に泊まっていただいたらいいでは
ないかというものにならないのかどうかという辺りはヒアリングもできていません。実は
まだやっていない人たちなものですから、どなたにここで話してもらったらいいのかと探
すのに尐し苦労していまして、どれだけのニーズがあるんだろうかというところがよくわ
からないんですけれども、もし適当な方が来られることがありましたら、今日後から別の
テーマも始まりますので、そんなものに併せてヒアリングに来ていただけるような方がい
たらお話をお聞きしたらいいのではないかと思っております。
そして資料6の方でいろいろとこんなふうにしていったらいいのではないかというよう
な案もまとめさせていただいておりますけれども、資料5にございますように、農家漁家
宿泊体験もそうですが、特に町家・古民家に今回焦点を合わせて現時点での一定のまとめ
などをしていただけたらと思っておりまして、何度もやっていてもと思いますので、一旦
決着をつけようかとお願いできたらと思います。通常のホテル・旅館であれば、管理者が
責任を持って個々の宿泊者さんのプライバシーを守るところまで含めて管理をしていると
いうのと、この町家・古民家に泊まってみたいというのと尐し性 格が違うのではないのか
なということからすると、むしろ管理の責任を負っ ていただく、あるいは管理の責任を共
同で追っていただくというようなことを前提に、その辺を尐し強く要件にして認めさせて
いただくのも1つの考えかなと整理させていただいていますということでございます。失
礼いたしました。
○倉田座長
ありがとうございました。
何か質問あるいは御意見はありますか。
しかし、古民家体験なんていうものは好きなようにやればいいので、随分細かなところ
まで規制するね。規制というか、規制を外すとますます難しくなっていくという。
○堀江課長
むしろ自己責任のところできちんとやってもらったらいいではないかという
のが再三ここの場でも出ていましたので、本当に認 めるんだったらその範囲でやってくだ
さいよという整理を行ってみてはどうかなと。そんなに大きなところではないわけでござ
-998
いまして。
○倉田座長
何か御意見はありますか。
○秋山委員
2月の集まりのときに古民家の場合の管理事務所の範囲が 100mという話を
していたんだけれども、それはこだわらなくていいのではないかというような結論だった
と記憶しているんです。
○堀江課長
そこも 100mがよくなくて 200mとか言っていてもしようがないので、おお
むね 100mなのでそれでもいいかなとも思いますし、もっとこだわらなくてもいいという
のも実際にはそう思っています。ただ、何かあったとき、要するに今日案としてお出しし
ていますのは、管理はそこの中できちんとやってくださいよ 、ただ、それこそ外から不審
者が来るみたいな、勿論テレビカメラも付けているわけで、何か異常があったときにすぐ
に駆けつけられるぐらいの範囲を「100m」と書かずに、もし秋山先生がそういうふうに
おっしゃっていただいているようなことであるならば、管理事務所 等は「速やかに行ける
ような範囲」というような。
○秋山委員
「速やかに」という表現の方がいいのかなという気が。
○堀江課長
ただ、例えば、10 分で速やかかどうかとか、いろいろ新しい疑義照会を生む
かなという気もしないことはないので、案文に 100m を残していましたが。
○倉田座長
「速やか」いう言葉を 10 分とするか1時間とするか、言い出したら切りが
ないことだし、こういうところまで規定しなければならないならもう御自由にどうぞとい
う話であって、先ほど課長が言ったように自己責任。もう世界はみんなそういうことで、
どうして日本はルールがないというとまた騒ぐし、ルールがうるさくなってくると規制し
過ぎると言うし、こういうものは本当は個人の責任でものを考えることではないかなと私
は思っていますけれども、何か意見はございますか。
○清澤理事
オブザーバーで申し訳ないです。
常に生活衛生行政ありがとうございます。ただ、その中で旅館業は今、私どもの会長の
佐藤も常に言っているように、規制をいろいろ受けています。実際に今、ほとんどの旅館
は玄関を通るとすぐフロントがあるようなシステムがございまして、やはり 100m200m
となりますと、例えばの話で、これは規制緩和は別としてもほかの見方として 、100m範
囲内にあるような旅館が1つにまとまってそこでという議論にもなりかねないかもしれま
せん。
また、これは農家さんでやるので、大変ご無礼な言い方ですが、もし事件が起きてもほ
とんど責任がないと思うんです。ですから1点、これは話がそれますが、佐賀県の方でや
はり農家民宿さんで、6月 18 日に食中毒を出したんです。これは神奈川の学生さんが行っ
ておられまして、発生の概要ということで全部本当は名前が出てくるんですが、原因の施
設としては「佐賀県東松浦郡玄海町家庭」としか出てこないわけです。そこまで規制緩和
をしてしまってこういう事故が起きて、では果たしてだれが責任をとるのかという部分の
問題がまず1点あるかと思います。これについては普通旅館業ですと、もうここの学校に
- 10 99
行ってごあいさつをしたり、生徒さんを全部回らなければいけないようなところが、この
民家さんは農家民宿でやっていて、
「 家庭」という表現です。そこで結局指導を受けたのは、
営業停止にも何もならなくて、いわゆる衛生講習会を実施した、そこまでしかないわけで
す。これは食中毒ですから今回の議論と外れているかもわかりませんが、例えばここで事
故が起きた場合、施錠で、宿泊所から玄関帳場は離れています。そういったときにはどう
するのか。今、座長は個人の責任だと思うとおっしゃられました。そのとおりだとは思わ
れますけれども、もしそうなった場合にはもっともっと既存の営業に規制がかかってきま
すし、もっとただせば、この規制緩和は経済の見直しですとかもっと構造特区して農家と
か漁村に対してやりやすいようにということだと思うんです が、既存の旅館業がこれだと
経済的にも首を絞められるところもございますし、目的が違うよとはおっしゃられますけ
れども、実際一般家庭の方も行っていますし、佐賀県の今の例は修学旅行の学生も行って
いるようなところなのです。
○倉田座長
ここに調理も布団の上げ下げも個人の責任よと書いてあるわけですが、今の
佐賀の場合は地元の人が食事を提供したわけですか。
○清澤理事
料理提供をしておりまして、1泊目の6月8日のメニューが豚のスペアリブ、
鶏の足つき等々、全部メニューも出ております。
○堀江課長
そこは民宿ではあるわけですね。
○清澤理事
民宿で、旅館営業許可は取っていないです。有料でありながらです。修学旅
行だから有料だと思います。
○堀江課長
そうではなくて、旅館なり民宿もその許可が要るんですけれど。
○清澤理事
ですからそれは取っていないと思われます。
○堀江課長
今回やっているのは、農林漁業体験民宿であっても許可を取らなくていいと
いう話ではないんです。
○清澤理事
わかります。ただ、こういったところも出てきているということは事実です。
こういったところは取らなければならないんですけれども、取っていないところも既にこ
うやって営業しているわけです。
○堀江課長
そこを言い出すと旅館業法をそもそも違反する 部分が出てきてしまう話なの
で、ですから、例えば私がどなたかの家に泊めていただいて、3,000 円だけ実費を置いて
いきますなんて、それは言ってみれば旅館業だとは言わないという話なんですが、今みた
いな話でしたら多分もう業として行ったんでしょうという話ですね。閣議決定もして議論
しているものについて、これは旅館業法を前提としていて違法なものと一緒にして議論す
るのもちょっとどうかなと。今、お話しいただいたものがどういうものかがわからないん
ですけれども、違法なものと比べて、まさに何とかさんの家ですよというようなことが起
きてきますと言われると、今、行っている議論とうまくかみ合うのかが私にはわからない
んですけれども。
○清澤理事
これはとっているかどうか、もう一度再度確認を取ってみます。言わんとす
- 11 100
るところはわかります。
○堀江課長
今の町家・古民家のところに限定して議論をして、先ほど秋山先生から言わ
れた 100m の話とか、また尐しどうしたらいいかを決めたらいいんだとは思いますけれど
も、倉田座長の方からも一定の範囲の自己責任の形をまだいろいろと厳しく言うんですか
という話はありつつ、むしろ自己責任なのか、あるいはサービス提供者にある意味その方々
の管理の責任を持っていただくような形にするのかの線引きを尐しすれば、先ほど清澤さ
んにおっしゃっていただいたように、どこかにまとめて事務所をつくって、周りの家を集
めて、それが旅館ですというパターンも余りできてこなくなるのではないかというように、
なるべく既存の旅館だとかホテルへの影響が出ないような案で考えてみておりますという
ことなので、話をもう尐しかみ合わせていただけたらと思います。
○倉田座長
ほかにいかがでしょうか。何か御意見はありますか。
それでは、今、出た御意見は、いろいろまたうまく調整していただいて、結論をまとめ
るところに。
どうぞ。
○堀江課長
先ほど秋山先生がおっしゃられた 100mのところなんですけれども、とりあ
えずのとりまとめ、これから先パブリックコメントみたいなものもかけて、ある意味慎重
に手続は進めたいと思うんですけれども、100mのところは「速やかに駆けつけられるよ
うな範囲にあること」としておきましょうか。
○秋山委員
私はその程度の表現でいいかなという気がします。100mという数字が出て
きてしまうと、それが独り歩きするような気がするので。
○堀江課長
実際、豊岡のところも、100m というにはちょっと遠い、でも 200mという
感じまではいかないくらいのところでした。
○倉田座長
それでは、これのまとめとその後のことに関して、新津さん。
○新津課長補佐
本日いただきました御意見、それから、今、課長の方からも申し上げま
し た が 、 尐 し 広 く 御 意 見 を い た だ く た め に も パ ブ リ ッ ク コ メ ン ト を 実 施 し て い き た いと
思っております。また、そのパブリックコメントの御意見等々も踏まえまして、皆様の方
にまたお諮りしながら結論をとりまとめていきたいと考えておりますので、よろしくお願
いします。
○倉田座長
それでは、パブコメはここでやってもらうということで、今後の対応はそれ
でよろしいでしょうか。
異論がなければ次に行かせてもらいますが、「ビル管理技術者、理容師、美容師 試験・
指定制度の検討について」を事務局から説明をお願いします。
○新津課長補佐
それでは、議題2の関係でございますが、資料の方は7~10 までござい
ます。
まず資料7の6ページを開けていただきたいと思います。こちらの資料7でございます
が、これは厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会が昨年 12 月に出しま
- 12 101
した報告書の内容でございます。
そもそも厚生労働省の独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会はどういう趣旨で開
かれたかということでございますけれども、行政刷新会議、厚生労働省におきまして実施
してきました事業仕分け、こういったものを踏まえまして厚生労働省所管の独立行政法人、
特別民間法人、公益法人についての業務内容や実施体制を再点検する。それで法人の統合、
民営化、地方移管、それから廃止を含めた整理・合理化の内容、方策を決定するというこ
とでこの委員会が設けられております。
この委員会の運営は、厚生労働大臣が関係者を集めて開催するということで設置された
ものでございます。
検討会のメンバーとしましては 11 ページでございます。座長のジャーナリストの北沢
さんを初め、8名ほどの構成になっております。
6ページにお戻りいただきますと、その中で公益法人としまして 今回この報告の中に出
ておりますのが①でございます。
「全指定法人は、指定根拠法令の検討を通して、その在り
方を全面的に見直す。その検討は、関係する審議会等で行うこととする。指定根拠法令を
存置する場合には、その指定先選定理由の情報公開、プロポーザル方式を含む参入要件、
新たな指定基準など『新ルール』を制定する」。ここでいきなり全指定法人ということを 今、
申し上げましたけれども、何が関係してくるかというのはこの後資料に出てまいりますが、
国家試験を受け持っている指定法人ということで、本日ビル管理に関します試験、理容師・
美容師の試験、これを受け持っている2つの法人について検証が必要だということが言わ
れております。
もう一点でございますが、②番になりますけれども、国家試験、国家資格等の試験料、
登録料につきましても、法人が効率的に事業を行うのに必要な費用を賄うに足りる適正な
料金となるよう見直す、ということが報告書で出ております。
これを受けましてどう対応していくかということが資料8でございます。
資料8の6ページをごらんいただきたいと思います。6ページの上から2つ目と3つ目
でございますが、財団法人ビル管理教育センター、その下に財団法人理容師美容師試験研
修センターがございます。この中ほどにつきまして対応方針が書かれておりますが、
「生活
衛生関係営業等衛生問題検討会において建築物環境衛生管理技術者試験指定制度の在り方
について検討を行う」。その下につきましては、同じくこの検討会におきまして、理容師・
美容師試験指定制度の在り方について検討を行う。右から2つ目の欄をごらんいただきま
すと、ここは「平成 23 年7月(予定)」となっておりますが、この欄につきましては検討
開始の時期でございます。それから、一番右の欄につきましては検討の結論を得る時期と
いたしまして、
「平成 23 年度内」ということで今年度内に検討結果の結論を得るというこ
とで対応方針が出ているところでございます。
そのほかにつきましてはいろいろな資格、医療等の資格制度等もほかのページに出てま
いりますので、後ほどごらんいただければと思います。
- 13 102
関連としましては、次に8ページをごらんいただければと思います。一番下の欄になり
ますけれども、ここにつきましてもビル管理教育センターとしまして、
「受験者数の動向を
踏まえつつ、徹底的な組織改革と事業の合理化策の実行により、受験料が適切な水準とな
るよう見直しを行う」。
続きまして、9ページをごらんいただければと思います。9ページの最初になりますけ
れども、こちらは理容師美容師試験研修センターでございます。
「尐子化等の影響による受
験者数の減尐傾向が見込まれる中で、徹底的な組織改革と合理化策の実行により、受験料
が適切な水準となるよう見直しを行う」。こちらにつきましても年度内の結論でございます
が、検討の開始の時期としましては年内ということで対応方針が示されているところでご
ざいます。
こういう対応方針が示されている中で資料9をごらんい ただきますと、資料9にビル管
理教育センターの概要を用意させていただいております。
ビル管理教育センターにつきましては、昭和 45 年8月 20 日に公益法人として設立され
ているわけでございますけれども、建築物における衛生的環境の確保に関する法律の制定
に伴いまして、建築物の管理に関する教育、知識・技能の普及活動、これらを通しまして
建築物の衛生的環境の確保を図り、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的として
設立されているものでございます。
設立の経緯等につきましては後ほどごらんいただければと思います 。
「3
事業の概要」でございます。
「(1)国家試験事業 」として厚生労働大臣の指定を受けて建築物環境衛生管理技術者
試験の実施がされております。この建築物環境衛生管理技術者試験につきましては 、特定
建築物の所有者等が特定建築物の維持管理が環境衛生上適正に行われるように監督をさせ
るために、建築物環境衛生管理技術者免状を有する者の中から選任をしなければならない
ということがうたわれております。このために試験を実施しているわけですけれども、こ
の建築物環境衛生管理技術者につきましては、環境衛生の維持管理に関します実務を2年
以上経験した者、この方が国家試験を受けるということでございまして、データは古いで
すが、20 年度末に約3万 5,600 人の方が合格としているということでございます。
次の2ページ目以降につきましては講習会、検査事業、調査研究等につきましてビル管
理教育センターで行っています事業がございますので、後ほどごらんいただければと思い
ます。
3ページ目の方につきましては関係します法律を抜粋させていただいております。「建
築物環境衛生管理技術者の選任」ということで、これは第6条の方に規定がされておりま
す。建築物環境衛生管理技術者の選任につきましては建築物環境衛生管理技術者の免状を
有する者から選ぶということが6条の方に規定をされておりまして、第8条につきまして
は「建築物環境衛生管理技術者試験」についての規定でございます。今回ビル管理教育セ
ンターが指定されておりますのが第9条の2「指定試験機関の指定」ということで、この
- 14 103
試験事務を行おうとする者について指定することができるといったものが規定されており
ます。「指定の要件」は次の4ページ目になりますけれども、19 条の2に指定する要件が
定められておりまして、中ほどから下にございます建築物における衛生的環 境の確保に関
する法律第8条第3項に規定する指定試験機関等を指定する省令としまして財団法人ビル
管理教育センターが指定されているということでございます。
資料 10 をごらんいただければと思います。
資料 10 につきましては財団法人理容師美容師試験研修センターの概要を付けさせてい
ただいております。
理容師美容師試験研修センターにつきましては平成2年4月に設立されておりま す。
目的のところでございますが、理容師・美容師の試験事務、登録事務、管理理容師・管
理美容師の養成、理容師・美容師の資質の向上を図るための調査研究を行 いまして、公衆
衛生の向上に寄与することを目的とするということでございます。
3ページ目をごらんいただければと思いますが、理容師美容師試験研修センターにつき
ましても中ほどに「指定試験機関の指定」ということで、これは理容師法の抜粋でござい
ます。第4条の2としまして「厚生労働大臣は、その指定する者に、理容師試験の実施に
関する事務を行わせることができる」という規定がございます。指定試験機関の指定につ
きましては試験事務を行おうとする者の申請により行うということで、
「指定の基準」につ
きましては第4条の3に示されているところでございます。
次の4ページ目でございますが、理容師法の指定基準に基づきまして平成 12 年に財団
法人理容師美容師試験研修センターが理容師法に定めます指定試験機関として指定を受け
ているということでございます。
5ページ目でございますが、これは美容師法の抜粋になっております。美容師法につき
ましても理容師法と同じく指定試験機関の指定ができるという定めが中ほどの第4条の2
に規定されておりまして、
「指定の基準」につきましても第4条の3に規準が示されており
ます。
6ページ目をごらんいただきますと、こちらにつきま しては理容師美容師試験研修セン
ターが同じく平成 12 年4月に指定されているということでございます。
指定制度の関係につきましては大ざっぱでございますけれども、以上でございます。
○倉田座長
どうぞ。
○堀江課長
資料7のところで先ほど新津補佐の方から説明も申し上げましたが、 尐し1
ページでどんな思想にあるかということをちょっと御紹介しておこうと思って おります。
要はこうした独立行政法人、公益法人などの整理、合理化を進めていこうという厚生労働
省の中での委員会の結論ですので、別の委員会、検討会であるところのこちらの 方にまた
御負担をかけるような形になって甚だ申し訳ないと思っております 。
真ん中から下の辺りに「委員会は国民の目線に立ちつつ、敢えて巨視的な視点から問題
を大きく把握して、改革案のブレークスルーを探すように努めた。国民の目線とは 、税金
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や保険料の負担減、官から民への事業・予算の転移(民営化、民間委託など)および民間
事業の活性化(仕事や契約の増大)等の視点である」ということでございまして、ほかに
も書いてあるんですけれども、横ぐしにとらえて改革を促そうということでございます。
まとめに当たった際に、各項目をどこの検討会でどういうふうに見直しをしていくんだと
いう約束つきで出てまいりまして、この検討会は衛生問題検討会なわけで、勿論資格制度
をきちんと的確に実施されていくことは衛生上大切なんですけれども、大変恐れ入ります
けれども、検討の御協力をいただきたいと思っております。
また、今日はそういうことで、内容としては御紹介、勿論これから意見交換あるいは質
疑をしていただこうと思うんですけれども、また尐しここしばら くの間は旅館の規制緩和
の部分に重点を置いて、先ほど申し上げましたように、旅館の方もとりあえず今日まとめ
たという話と、あとほかの伝統工芸の関係なども続けましたので、 それはそれでまた続け
させていただきます。
要は何を言いたいかというと、この委員の方も尐し追加など、オブザーバーになるのか
お願いしながら、あるいはヒアリングも尐ししながら実施させていただくような形になろ
うかと思います。適切に段取り、日程も組みまして御相談させていただきたいと思ってお
ります。
○倉田座長
ありがとうございました。
ここに書いてある「国民の目線」なる語はよく使われる言葉ですが、はっきり言って何
を言っているかわからないですね。私はあらゆるシチュエーションで、テレビでも新聞で
も何を言っているかわからないんです。御自分の意見をあたかも国民全部が同じであるか
の如く、あるいは個人で発言の責任をとったりしないから使っている。国民目線というの
はだれがだれをみてのことなんだということで、この言葉をお使いになるのは 、書いた方
は政治が、背景があってやったことだからそれはいいんですけれども、やはり結論は廃止
なのか継続なのか、それしかないと思うんです。廃止するにせよ、継続するということに
せよ、求めているものはきちんと理屈を整理する、そういうことですね。
○堀江課長
おっしゃるとおりです。
○倉田座長
今日は細かなことを討論するのではなく、尐しフリーに何か質問があったり
意見があったら言ってもらって、具体的には課長が言ったように今後人を加えるなりして
対応しましょう、そういうことね。
○堀江課長
それぞれ締め切りの時期に間に合うように適切にお願いいたします。
○倉田座長
一言で言えば、いろいろなことを考えるときに、理美容とかの資格の話と英
語の1級2級とか漢字の1級2級の話はまるで違う次元の話だし、民間に行けば何かうま
くいくと皆さんはよくおっしゃるけれども、民間は大体が利益追求なので、ちょ っと次元
が違うと思うんです。そういうことも背景にあるだろうし、どこの国もそうだけれども 、
民に行ったらうまくいったという話は、もうかる話はうまくいくけれど、もうからない場
合はみんなつぶれるんです。ですからそういうことも考えつつ議論をした方がいいかなと
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思います。
何かこれだけは今日言っておこうと、 いずれ議論はこれから始まるということですが、
これを 12 月ごろまでに何かこうしたらいいのではないかと 委員会の意見を出すわけです
ね。
この間の地震で物事は変わったと思うし、そういう考え方をしていかないと 、ビル管理
も全然違った次元になって重要になってきたと私は思うんです。今度関東大震災が来れば
東北なんて問題ではなくて、ものすごいことが起きる。 いろいろ地球学者はそう言ってい
るんだけれども、起きなくても東京以外の周りがみんな起きてしまったから、そろそろ東
京に来る。ですからこういう問題のときにビルの問題とそこの衛生の問題、いろいろ大変
なことになるということはわかっているわけで、これを検討しろと言ったときはもう古い
話ですから、多分 12 月ですから、お考えにもなっていないときですから次元が違うと思
うんです。ですから今、この問題を議論した方々にもう一回どうしますかとやったら、多
分違ってくるのではないかと思います。それは私が今、勝手に感じたことですが、何かこ
ういう点を考えて議論したらどうだということを上げていただくと今後の対応にいいかと
思うんですが、いかがでしょうか。
この内容からすると、この委員会に方向性を出せというのは非常に荷が重いんだけれど
も。
○秋山委員
検討会でビル管と試験センターと理美容と、この2つのことを検討しなけれ
ばならないというような結論に至った細かい事例が議論の中で出てきているとすれば、そ
れを提示していただけるとありがたいなという気がします。
○堀江課長
やはり指定法人というところには慣れも含めて問題があるんだろうという前
提、そういう見方でものを切ってみて、実際そうかどうかを検討したいという話ですので、
これのリストアップされたものもものによって幾つもの法人がヒアリングを受けてここに
上がってきている。たまたまビル管理はなかったとはいうものの、幾つもの法人をヒアリ
ングなどしながら、委員会の意識形成をしていって指定法人制度を横ぐしで切ってみよう 、
それで代表的なものと思われるものを挙げてみましたということです。
仕分けのときの方はいわゆる事業仕分けが去年あったわけでございますけれども、それ
などですとここにはこういう問題があるというもう尐し具体的な話があって、この制度は
実際うまく動いていないのではないか、あるいはこの補助金は、生活衛生の補助金なども
そうですけれども、効果測定が十分できないのではないか、できていないのではないかと
いうことを実際ヒアリングしてみたら、効果測定が弱いということで廃止と結論を出され、
最終的には大きな見直しをした上で、予算としては確保できたんですけれども、いずれに
しても具体的な検討過程、こんなことにも答えが出てこなかったみたいなことのような経
過を踏んでいます。
こちらの方はむしろ先ほどの全体、巨視的な視点から多分横ぐしといいますか、この観
点で幾つかの法人をざざっと突き刺して、その法人もあの法人も見てみましょう というこ
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とで、理美容ですとかビル管理の具体的な問題を前提に 、こうこうなのでこれを検討しな
さいという議論できているわけではないです。勿論ビル管理なり理美容なりで、この話の
論点でここの委員会で具体的に出ていなかったというだけで、それはいろいろもう民営化
したらいいのではないかとか、民間にやってもらったらいいのではないか という議論はあ
り得るといえばあり得るんですけれども、ただ、日々理容師さんの試験、美容師さんの試
験は全体としてのシステムでやっていただいていますから、受けられる方は改革というか、
今の制度がある中での前提で行っていますので、問題意識、それはいろいろ時々に問題だ
と思われることはあるのかもしれませんけれども、具体的には何もないと。
○倉田座長
ほかにいかがですか。
こういうことにいろいろ関係されている方がいるかどうか私はわかりませんが、何か御
意見はありますか。一般論的な話でも、あるいは今、ビル管と理美容の試験セン ターの話
と、試験研修ですか、個別の話でも結構ですけれども。
課長、この2つについて中身も全部がもっとここへ、経理内容から何をやっているとい
う内容から全部オープンにして、そこで議論をするという意味ですか。あるいはどこまで
検討は必要なんですか。
○堀江課長
当然、今、どういう事業をやって、その指定制度がどのような事業になって
いるかを詳細に御説明しないことには始まらないと思います 。検討の前提となる資料は誠
実にお出しして、かつ尐しきちんと整理、精査して、要領よくごらんいただけるように準
備したいと思います。
○倉田座長
そうすると、この委員会の役割は別のページに医薬基盤研だとか国立病院機
構とか健康・栄養研究所、国の研究所あるいは国立病院までを含めたそういう検討事項、
そういう委員会と並びですか。
○堀江課長
おっしゃるとおりです。
○倉田座長
そうすると最後は政治家が出てきて、そんなものは何をやっているんだ、要
らないだろうと言われるんですか。
○堀江課長
といいますのは、これはこういうふうに結論になりましたと持っていって、
対応としては、わかった、それできちんと改革を進めてくださいというやり方、そこまで
検討した上でこういうことであればそれでいいです、それから、検討の経過すらはっきり
していないのでもう一回やり直してくださいと言われる場合 といろいろなパターンがある
と思います。
○倉田座長
もう一つ、これは民主党政権下になって決められたことですか、自民党政権
下におけることですか、あるいは厚生労働省が自発的に見直しましょうという話なんです
か、どちらですか。あるいはそれ全部イコール。
○堀江課長
ちょっと間違っていたら足していただきたいと思いますが、1ページ目の冒
頭のところにあるわけでございますけれども、本委員会は 2010 年9月に諮問されており、
そうしてみますと今の政権の中で始まったものです。
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○倉田座長
もう一つ、既に時間が経っているんですが、この中で廃止とか何かそういう
結論になったものは。
○堀江課長
それはそのとおり書いてあると思います。もう措置済みというものが幾つか。
○倉田座長
措置済みとはどこですか。
○堀江課長
例えば3ページ目です。全国社会保険労務士会連合会のことで。
○新津課長補佐
例えば当課の関係でいきますと、4ページ目をまず見ていただきますと、
全国指導センターの関係につきましては改革をするということが決まっており ますから、
改革をするという方向に沿ってやるんだといったところでは措置済みというものがあった
り、あとは5ページ目の方にございますけれども、上から3つほどが既に措置済みとなっ
ております。こういったところにつきましては既に廃止が決まっているものについては措
置済みだとか、一定の方向性が出たものについてはその方向に沿って改革を進めるという
ことで特に検討がされないという書き方になっております。
どこかこの検討会以外に先に始めたところがあるかなと思いますと、うちが7月からと
いうことで公益法人では一番早いものですから、ほかにつきましては 10 月辺りから検討
開始予定ということになっております。
○倉田座長
ちょっと言い過ぎたところもありますが、合理化とは何を意味するかという
ことをきちんとした方針を出していただかないといけないと思ったものです。なぜこれが
必要なのかきちんと出せばいい、あるいは本当に要らないなら要らなくてもいいし。程度
問題、ものの考え方で要らないという人もいるだろうし、絶対必要だろうという人もいる
し、その人が大体今までお勉強してきたり何かしてきた、そういういろいろな背景は相当
意見に影響すると思うんです。
○堀江課長
むしろこちらの検討会に尐し御検討をいただくことをお認めいただくことで
今日のところは。
○倉田座長
わかりました。
何かありますか。今日は問題点を提起することが中心 ですので、時間を取るのはそろそ
ろいいかと思うんですが、尐し皆さん勉強していただいてと思います。それでよろしいで
すか。今日は暑いですから、うだる前にお帰りください。
事務局、何かいいですか。
○三川課長補佐
済みません、簡単に。
先ほど差し替えで資料をお配りしました参考資料2について簡単に御説明いたします。
これは昨日付で国民生活センターから私どもの方に情報提供がありましたものです。ブ
ライダルエステによる危害が発生していますということです。
ブライダルエステがどういうものかというはっきりした定義自体がございませんで、国
民生活センターの方でも、1ページ目の注1にブライダルエステとはというところがある
んですけれども、美顔サービス、痩身、脱毛サービスという いろいろなものを組み合わせ
てあらかじめ決められた日までに提供されるものを国民生活センターの方でブライダルエ
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ステというふうにくくりまして、それで危害が発生していますという情報提供でございま
した。
このようにいろいろなサービスが入っておりますので 、危害といってもそのサービスの
何によってどういう被害を受けたかはいろいろなものが混ざっております。事例について
は後ほど4ページ以降でそれぞれの事例を書いています。
生活衛生関係業、特に理容美容のところで若干関係が深いということで、6ページに尐
しあるんですが、このサービスの中で違法性があると考えられるサービスが提供されてい
るということで私どもの方にもお話がありますけれども、まつげのエクステンション、こ
れは美容師法にいいます美容業に当たると判断しておりますので 美容師がやるべきものな
んですけれども、そのような届けのない施設で施術を受けたものがあるのではないかとい
うのが1つ。それと3つ目のシェービングです。シェービングといいましても美容師法で
は顔そりというのが業の中に入っておりますので、顔そりにつきましては理容師の資格を
持つ方がやっていただくということで関係してまいります。
このようにいろいろな被害が出ていると情報提供がありましたということで、本日のこ
の会議での報告とさせていただきます。
参考資料2につきましては以上でございます。
○倉田座長
ありがとうございました。
何か先ほどのあれをつぶしてしまったらえらいことになるよということを実証したよう
なもので、こんなことが起きているんですか。
○秋山委員
これは医師法違反にならないんですか。
○三川課長補佐
レーザー脱毛などについては生活衛生課ではなくて医事課の方から後ろ
の資料の 11 ページのところ、
「 医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて 」
という通知が出ておりますので、こういう見解でいろいろ対応しているということですの
で、場合によっては医師法違反ということも考えられるかと思います。
○倉田座長
エステサロンというのは、僕は全然知らないんだけれども、あれは何かの法
律の下に入るわけですか。勝手にやっていいのか。
○三川課長補佐
美顔施術と呼んでおります首から上に施術を行うということに関しまし
ては美容師法による美容の業に当たりますので、美容所で行っていただく。
○倉田座長
これはみんな女性が美を追求する余り起きることですから、尐しきちんとし
たものが必要だという見本みたいなものです。わかりました。
ほかに何か今のことについて質問はありますか。
お忙しいところをどうもありがとうございました。
○三川課長補佐
次回の日程につきましては改めて確認させていただきますので、よろし
くお願いいたします。決まり次第また御連絡いたします。よろしくお願いします。
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