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進路選択能力,進路選択自己効力, 進路選択行動の関連

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進路選択能力,進路選択自己効力, 進路選択行動の関連
3
9
富永美佐子 :進路選択能力,進路選択自己効力,進路選択行動の関連
進路選択能力,進路選択自己効力,
進路選択行動の関連
中学生・高
生・大学生を対象に
富
になっている。また高
問題と目的
永 美佐子
生を対象とした研究では
Gus
hue,Cl
ar
ke
,Pant
ze
r
,& Sc
anl
an(20
0
6)が
近年,職業について考えたり,選択・決定する
進路選択自己効力とキャリア探索活動との間に強
ことを先送りする傾向が強くなり,進学も就職も
い正相関を認める結果を示し,Cr
e
e
d,Pat
t
on,&
しようとしなかったり,進路意識や目的意識が希
)は 2年間の追跡調査により,進
Pr
i
de
aux(2
0
07
薄なまま とりあえず 進学する若者が増加して
路選択自己効力はキャリア計画とキャリア探索行
いる
(文部科学省,20
。この傾向は,無業者の
0
4)
動の予測因であることを実証している。これらの
増加,就職後の早期離職等「学
研究は,Bandur
(1
)の「遂行は個人の自己効
a
99
7
から社会への移
行」
に関わる問題へとつながることが懸念され,
若
力の機能によって不十
者がそれぞれにふさわしい進路を形成していくた
たり,または並はずれたものになったりする」と
めに必要な力を育成すべく,キャリア教育が推進
いう見解を支持している。
このような流れの結果,
され,平成 1
9年度の学
最近では進路選択自己効力を高める介入に関する
が小学
教育法改正ではこのこと
段階からの課題として位置づけられた。
であったり,十
であっ
研究が蓄積されてきている。Bet
(2
)は,進
z
0
01
教育の範囲で捉えれ
路選択自己効力は適切な介入によって増加すると
ば小・中・高・大学の各時期で必要な「主体的な
述べているが,富永(2
0
0
8)では,介入の効果測
進路選択能力の促進」であるとされ,文部科学省
定研究の結果は一致していないことが指摘されて
(2
0
0
4)では,4能力 8領域の提示が試みられてい
いる。そして,その原因としてはいくつかの可能
キャリア教育の目標は,学
る。
性が考えられるが,介入の対象となる学生の進路
一方,従来から進路選択と深い関わりを指摘さ
選択能力が考慮されていないことがひとつの原因
れているのは進路選択自己効力である。進路選択
ではないかと指摘している。例えば,進路選択能
自己効力は「個人が進路を選択するにあたって必
力は身に付いているものの,選択することに対す
要な課題を成功裡に収めることができるという信
る自信がないという学生の場合,選択できるのだ
念」
(Be
t
z
,2
0
0
1)と定義されている。これまでの
という自信を高めること,すなわち進路選択自己
研究は廣瀬(1
)や富永(2
)にレビューさ
9
98
00
8
効力を高める介入により,進路選択行動もよりよ
れている。進路選択行動との関連について,大学
いものになることが推測される。しかし,進路選
生や短大生を対象にした検討では,進路選択自己
択能力が身についていない場合,進路選択自己効
効力が高い者ほど,積極的に行動しようとする意
力に働きかける介入だけでは不十
識が高く(児玉・ 田・戸塚,2
,
00
2;安達,2
0
0
1)
のように進路選択能力と進路選択自己効力の関係
より早くから就職活動を開始し
(冨安,1
)
,活
9
97
によって,効果的な介入は異なることが考えられ
動の持続性が高いこと
(浦上,19
),より活発な
9
7
た。
進路探索行動を行うこと(安達,2
)が明らか
00
1
であろう。こ
しかし,進路選択能力と進路選択自己効力は理
4
0
人間発達文化学類論集
第 10号
200
9年 1
2月
論的背景が異なり,別々の領域で展開されてきた
学生は 2
0
0
8年 1月。
概念であるため(Br
,
own,Le
nt
,& Gor
e
,2
0
0
0)
同時に扱った研究は Luz
z
o(19
9
3)を除いては行
われてこなかった。その後,富永
(印刷中)が,高
生を対象に進路選択能力と進路選択自己効力,
調査手続き
調査は,調査協力者の参加する授業内に,集団
で実施された。より正確な実施が可能となるよう
および進路選択行動の関連を明らかにした。そこ
に,具体的方法や注意事項を記した「調査の手引
では,従来の研究と同様に,進路選択能力から進
き」を作成し各学
路選択行動への直接の影響と進路選択自己効力か
担任)に配布した。本調査が成績には関係しない
ら進路選択行動への直接の影響が認められた。そ
こと,調査に協力するかどうかは調査協力者に選
してさらに,進路選択能力は進路選択自己効力を
択権があることなどを教員から口頭で伝えても
伴った場合に,より進路選択行動に結びつくこと
らった。
の担当教員(中学では各学級
を実証した(富永,印刷中)
。
しかし,この関係は,高
るのか,それとも他の学
生に特有のものであ
段階でも成り立つのか
は明らかではない。ゆえに,本研究では,高
生
調査内容
① 進路選択能力 :富永
(印刷中)が作成した 7項
目を
用した。回答は
「(
)全くそう思わない」
か
1
の前後の段階すなわち中学生と大学生を対象にし
ら「(
)とてもそう思う」までの 5段階評定を求
5
て,進路選択能力と進路選択自己効力から進路選
めた。
択行動への影響について検討する。なお,学
種
② 進路選択自己効力 :富永(2
)尺度 1
0
06
6項目
や性別など異なる母集団であることが想定される
のうち 7項目を
用。7項目は富永(印刷中)で 1
6
本研究では,構造方程式モデリングを用いて多母
項目を因子
集団同時
析(狩野・三浦,2
)を実行するこ
00
2
る項目である。中学生調査は時間的制約と生徒へ
とによって,各母集団において同じモデルを仮定
の負担を考慮し,項目を減らす必要が生じたこと
できるかを吟味してから,相等性と差異性とを検
からこのように対処した。回答は,
「(
1)全く自信
討することとする。
がない」から「(
7)とても自信がある」までの 7段
析した際に影響指標が .
7
0以上であ
階評定を求めた。
方
法
③ 進路選択行動 :富永(印刷中)の 8項目を
用した。「(
)まったくしない」から「(
1
5)いつも
調査対象
東北地方および関東地方の国立 I大学,I県立
大学,私立大学からなる計 5大学の 1
,2年生,計
と N 県の
立 N 中学,C県の
中学生調査に関しては,項目内容を中学生にも
生
理解できる表現にするため,
予備調査を行った。
そ
立 H 中学
の結果,「職業」「ビジョン」などの言葉が理解で
45
0名,東北および関東・甲信越地方の県立高
1,
6
0
0名が参加した。中学生は I県の
そうする」の 5段階評定を求めた。
立 K 中学
の
きない,漢字が読めないといったケースがあった。
1∼2年生,計 48
5名が参加した。記入漏れ,記入
予備調査の結果を踏まえ,質問項目は中学生にも
ミスを除いた大学生 38
/
女 子 26
1名(男 子 1
16
4
理解できる表現に修正し,すべての漢字には読み
名)
,高
仮名をつけた。
生1
女子 55
/
不明 1
,
1
10名(男子 5
4
0/
9
1
(3
)名)
,中学生 4
/
女子 2
7
5名(男子 2
53
2
2名)を
析の対象とした。
結
果
1
. 各構成概念の因子構造の確認
調査時期
大学・高 生は 2
00
6年 1
2月∼2
00
7年 3月。中
高
生を対象にした富永(印刷中)では,各構
成概念で一因子構造のモデルが採用されている。
4
1
富永美佐子 :進路選択能力,進路選択自己効力,進路選択行動の関連
本研究の対象である中学生と大学生においても,
学 生 で は GFI
=.
,AGFI
=.
,CFI
=.
9
70
9
37
98
0,
各構成概念で一因子構造のモデルが適合するか否
RMSEA=.
0
6
5となった。高 生と比べるとモデ
かについて構造方程式モデリング(SEM)を用い
ルの適合がきわめて良好とはいえないが,許容で
て確認した。
き る 範 囲 と 判 断 し た。項 目 内 容 と 影 響 指 標 を
「①進路選択能力」に 関 し て は,中 学 生 で は
TABLE3に示す。
=.
=.
,CFI
=.
,RMSEA=
GFI
9
8
9,AGFI
9
7
9
9
79
次 に,富 永(印 刷 中)で 用 い た 仮 説 モ デ ル
,大学生では GFI
=.
,AGFI
=.
,CFI
=
.
04
6
98
6
97
2
(FI
)を検討する。モデルの検討に際し,富
GURE1
,RMSEA=.
.
99
0
02
9となった。両集団でモデルと
永(印刷中)と同様に,いくつかの項目をまとめ
データのあてはまりは悪くないと判断した。項目
て下位尺度とする小包化(par
c
el
i
ng)という方法
内容と影響指標を TABLE1に示す。
「②進路選択
(狩野,2
0
02
a;清水・山本,20
0
7に詳細あり)を
自己効力」では,中学生では GFI
=9
=
8
8,AGFI
採用した。全項目を観測変数として組み込むと十
,CFI
=.
,RMSEA=0
大学生では GFI
=
96
9
9
9
4
4
3,
な適合度が得られないためであり,多くの観測
,AGFI
=.
=.
.
97
5
9
4
6,CFI
9
8
3,RMSEA=.
0
6
2と
変数がモデルに組み込まれている場合,GFI値は
なった。相対的に大学生においてモデルの適合が
大きくならないことは田部井(2
)でも指摘さ
00
6
よくないことが示されたが,受容できない範囲で
れている。この方法をめぐっては,さまざまな議
はない。
項目内容と影響指標を TABLE2に示す。
論がなされているが(南風原,20
0
2;狩野,20
02a;
「③進路選択行動」
に関しては,中学生では GFI
=
,AGFI
=.
=.
,RMSEA=.
,大
.
96
8
9
4
3,CFI
96
0
0
67
,尺度化によって,多くの共通因子
2
0
0
2b)
散が
できること,尺度の等間隔性が上がること,
布
TABLE1 進路選択能力の観測変数・影響指標・適合度
項
目
内
容
影響指標
中学生
高
生
大学生
A2:何か困った事態に直面したとき,どこに問題があるかすぐに見つけることができる
A4:重要な決定の結果,起こってくる色々な可能性について推察できる
.
6
3
.
65
.
65
.
6
4
.
64
.
75
A1:よりよい解決を見つけるために,できるだけ多くの情報を集められる
A3:予想外の悪い状況になったとき,自 が現実的にできることを探すことができる
.
6
1
.
57
.
63
.
5
8
.
53
.
45
A6:問題を解決するとき,一つにすぐ答えを決めないで,他の選択肢を考えることができる
A7:なにか重要なことを決めるとき,いろいろな選択肢を,丁寧に比較することができる
.
5
2
.
53
.
22
.
5
4
.
52
.
50
A5:何が自
.
5
4
.
51
.
52
にとって大事なのか優先順位をつけることができる
=.
/.
=.
/.
/.
GFI
98
9/.
9
90
98
6,AGFI
9
79
97
8/
.
972
,RMSEA=.
04
6/.
042
0
29(各適合度の数値は中学生/高
生/大学生の順)
TABLE2 進路選択自己効力の観測変数・影響指標・適合度
項
目
内
容
影響指標
中学生
高
生
大学生
CS2:自 の理想の職業を思い浮かべること
CS1:自 が興味を持つ職業をいくつか言うこと
.
7
7
.
75
.
72
.
7
5
.
75
.
71
CS9:自 がつきたい職業の仕事内容を知っていること
CS15:自 の才能を活かせると思う職業 野をいくつか挙げること
.
8
0
.
74
.
74
.
7
1
.
67
.
73
CS4:将来の計画に役立つと思われる免許・資格の計画を立てること
CS10:自 が将来どのような生活をしたいか かること
.
7
1
.
60
.
64
.
7
3
.
70
.
64
CS13:5年先の目標を持ち,それにしたがって計画を立てること
.
6
4
.
70
.
64
=.
/.
=.
/.
/.
GFI
98
8/.
9
92
97
5,AGFI
9
69
97
7/
.
946
,RMSEA=.
04
3/.
044
0
62(各適合度の数値は中学生/高
生/大学生の順)
4
2
人間発達文化学類論集
第 10号
200
9年 1
2月
TABLE3 進路選択行動の観測変数・影響指標・適合度
項
目
内
影響指標
容
中学生
高
生
大学生
B2:将来どんな仕事につくのか,見通しを立てている
B1:希望する仕事にむかって,準備や実行していることがある
.
7
1
.
76
.
78
.
6
9
.
63
.
71
B5:自 にあった生き方をある程度みつけている
B6:大人の(親や先生の)意見だけでなく,自 が何をしたいか考えている
.
6
0
.
60
.
46
.
6
0
.
60
.
60
B7:職業に就くための目標を立て,それに向かって努力していることがある
B8:将来の職業については,自 の意思で決めている
.
7
0
.
59
.
70
.
6
2
.
54
.
69
B3:職業を選ぶことについて,人に尋ねたり,自 で調べたりしている
B4:コンピュータ(やインターネット)を って興味のある職業を調べることがある
.
5
5
.
52
.
72
.
4
5
.
44
.
45
=.
/.
=.
/.
/.
GFI
96
8/.
9
87
97
0,AGFI
9
43
97
2/
.
937
,RMSEA=.
06
7/.
047
0
65(各適合度の数値は中学生/高
生/大学生の順)
「行動 B(項目 B1
)」
「行動 C(項目 B5,
,B7
,B4
)」
の 3つの下位尺度を作成した。なお,小包と
B8
した下位尺度の得点は,合成した項目の数で割る
ことにより,統計量の範囲を揃えることにした。
さて,最後に性差に関して,従来の研究では,性
差が見 ら れ な かった も の(安 達,2
00
1;Eat
on,
)がある一方
Wat
s
on,Foxc
r
of
t
,& Pat
t
on,2
00
4
で,男子のほうが有意に高いことを示した児玉他
FI
GURE1 進路選択能力,進路選択自己効力,進路選
択行動の関連仮説モデル
(2
)
の研究と,女子のほうが有意に高いことを
0
02
示した
井・奈良井(2
)の研
0
0
1)や富永(2
0
04
究があり,進路発達の性差について一貫した結果
が正規
布に近づくこと,困難度因子が構成され
が得られていない。現状では,学
種間・性別間
にくいこと,推定が安定すること,項目間の誤差
で違いが現れる可能性がないとはいい切れないた
の共
め,この後の
散に仮定をおくことを回避する可能性が高
析では,中学
・高
まることなどの利点が挙げられている(辻川,
女毎の 6グループで多母集団同時
)。項目の下位尺度化は,TABLE1
∼3に示し
20
0
8
にした。
た確認的因子
析からグループ間で各項目の影響
指標の値は大きく異なる訳ではないことが確認さ
れたので,高
・大学の男
析を行うこと
生の因子パターンの影響指標の高
2
. モデルの構成
まず,前述の仮説モデル
(FI
に基づき,
GURE1)
いものから順位をつけて割り振る方法で行った。
①∼③ のパスを設定し,6つのグループ(中学男
まず「進路選択能力(7項目)」に対して,「能力 A
子・中学男子・高
男子・高
女子・大学男子・
(項目 A2
)」
「能力 B(項目 A4
」
「能
,A3
,
A5
,
A6)
大学女子)の間でどの程度のレベルで比較できる
力 C(項目 A1
)」の 3つの下位尺度を作成し
,A7
かを検討した上で,構成概念間の関連構造を検討
た。
「進路選択自己効力
(7項目)」
に対しては,
「自
するため,下記の 6つのモデルに対する多母集団
己効力 A(項目 CS2,CS15
)
」「自己効力 B
,CS1
3
の同時
(項目 CS1,CS10
)
」
「自己効力 C
(項目 CS4,
」
CS9)
析を行うことにした。
モデル 0:すべてのパラメータが 6グループで
の 3つの下位尺度を作成した。
「進路選択行動(7
異なる
項目)」については「行動 A(項目 B2,B6,B3)
」
モデル 1:潜在変数(構成概念)から観測変数へ
4
3
富永美佐子 :進路選択能力,進路選択自己効力,進路選択行動の関連
のパス係数が 6グループで等値。
を TABLE4に示す。RMRは,モデル 0が最も小
モデル 2:モデル 1の条件に加えて潜在変数間
さい値となり,GFIと CFIについてもモデル 0が
のパス係数が等値。
最も大きい値になった。しかし,GFIを自由度で
モデル 3:モデル 2の条件に加えて潜在変数の
調整した AGFIでは,モデル 2が最も大きい値と
散共
なった。また,RMSEA はどのモデルも.
∼.
02
5
0
2
8
散が等値。
モデル 4:モデル 2の条件に加えて誤差変数の
散共
とほぼ同様の数値を示し,モデルとデータの適合
はいずれのモデルも十
散が等価。
であることが示された。
モデル 5:すべての変数値が,6グループで等
また,情報量基準の一つである,AI
C,BCCはと
価。
もに,モデル 2がもっとも小さい値を示した。
モデル 0は制約がないモデルで,推定すべきす
等値条件の検定によるモデルの比較
べての値が 6グループで異なることを仮定するモ
各モデルに対する等値条件の検定結果を
デルである。モデル 5にむかうほど,制約が厳し
TABLE5に示す。X 値は,いずれも有意ではな
くなる。モデル 5は最も制約が厳しく,共
散構
く,帰無仮説(「構成したパス図は正しい」
)は棄
造がまったく等しい,つまり,データの発生メカ
却された。これは上記の適合度・情報量基準の指
ニズムが母集団間で同一であるという強い条件を
標から得られる結果と矛盾する。しかし,SEM で
仮定している(狩野・三浦,2
)
。モデル 1は構
0
02
は X 検定は,データ件数が多いと帰無仮説が棄
成概念を測定する観測変数に対する影響指標が 6
却されやすくなってしまうという性質を持ってい
グループで同一であることを表すモデルで,この
る
(豊田,20
)。この点を確認するために,モデ
0
7
モデルが受容された場合には,各母集団で同一の
ル 2の CN 値を見ると,
「HOELTER.
0
1」が 1
09
3
構成概念を測定していること(因子不変性)が保
であり,本研究でのデータ件数はこれを大きく上
証される。
モデル 2はモデル 1の制約に加えて,
構
回っている。これより,データ数が多かったため
成概念間の関連構造も 6グループで等しいことを
に帰無仮説が棄却されたと考えられることから,
仮定するモデルである。
モデル 3とモデル 4は,
ど
他の適合度指標においてあてはまりがよいような
ちらも
らば,X 検定の結果だけを持ってモデル適合が
散共
散行列が等しいかどうかという意
悪いと考える必要はない(豊田,2
0
0
7)と考えら
味で同列である。
れる。
以上の適合度および情報量基準と等値条件の検
3. モデルの検証
Amos
5
.
0を
用して,上記の 6つのモデルに対
して,多母集団の同時
定による結果を
合的に判断して,最終的にモデ
ル 2を採用した。モデル 2が受容された場合,
「測
析を行った。
適合度および情報量基準によるモデルの比較
定不変」であることから,各項目は観測変数とし
各モデルに対する主な適合度指標と情報量基準
て妥当であり,また 6グループで測定されている
TABLE4 各モデルに対する主な適合度指標と情報量基準
RMR
GFI
AGFI
CFI
RMSEA
AI
C
BCC
モデル 0
.
03
7
.
9
62
.
92
9
.
979
.
0
27
5
98.
3
6
6
09.
5
9
モデル 1
.
05
7
.
9
55
.
93
1
.
975
.
0
26
5
99.
9
2
608.
4
7
モデル 2
.
07
1
.
9
54
.
93
4
.
975
.
0
25
5
86.
7
1
5
93.
9
3
モデル 3
.
09
2
.
9
52
.
93
3
.
973
.
0
26
5
97.
3
8
604.
1
6
モデル 4
.
11
9
.
9
49
.
93
3
.
972
.
0
26
6
01.
5
4
6
07.
4
3
モデル 5
.
12
5
.
9
37
.
93
2
.
961
.
0
28
6
60.
1
2
6
61.
9
9
4
4
人間発達文化学類論集
第 10号
200
9年 1
2月
TABLE5 各モデルに対する X 検定の結果
df
p値
T =34
6.
3
64
T =40
7.
9
16
1
4
4
.
00
0
17
4
.
00
0
T =42
4.
7
13
T =42
4.
7
13
1
8
9
.
00
0
19
4
.
00
0
T =42
4.
7
13
T =42
4.
7
13
2
0
4
.
00
0
24
9
.
00
0
X
モデル 0
モデル 1
モデル 2
モデル 3
モデル 4
モデル 5
また進路選択行動の説明率 R は .
67∼.
86と十
高い値を示した。
4
. 平均構造モデルによる因子平均および切片の
比較
多母集団同時
析によって,平均構造モデル
析の前提となる「測定不変性」が確認できた。そ
こで,平均構造モデルの
析を行い,モデルに含
まれる構成概念の平均に中学生男子・女子,高
各構成概念は同質であると考えられる。また構成
生男子・女子,大学生男子・女子の 6グループで
概念間の関連も 6グループで同質であることが示
違いがあるか,また違いがあるならばどのような
された。そこで,以下ではモデル 2に基づき,6グ
差異があるかについて検討する。
ループについて最尤法を用いてパラメータの推定
を行った。その結果を FI
GURE2に性別・学 種
まず,因子平均の構造に関して以下の 2つのモ
デルを仮定した。
ごとに示す。パスはすべて有意であり,数値はい
モデル A:因子平均が異なるモデル
ずれも標準化したパス係数を表した。進路選択能
モデル B:因子平均が等しいモデル
力から進路選択行動への直接の影響は .
∼.
2
4
2
9で
具体的には,モデル A は,中学生男子の各因子
あったのに対し,進路選択能力から進路選択自己
平均を 0に固定してその他の 5グループの因子平
効力を媒介して進路選択行動へと結びつく間接効
均を推定するモデルを,モデル Bは全グループの
果は .
∼.
3
8
4
6であり,いずれのグループでも進路
因子平均が 0であるモデルを仮定する。この 2つ
選択自己効力を媒介する影響の方が大きかった。
のモデルを同時
析した。適合度の結果は,CFI
注 1) パス係数の標準化推定値,および決定係数については,中学生男子(n =2
/中学生女子
53)
(n = 2
/高 生男子(n =5
)/高 生女子(n =594
)/大学生男子(n =116
)/大学生女子
22)
40
(n = 2
として示す。
64)
注 2) 上記のパス係数については,その有意性を p <.
01と示す。
注 3) R は重相関係数の平方を表す。
注 4) □ は直接観測される変数を,○ は直接観測されない変数を示す。
FI
GURE2 進路選択能力,進路選択自己効力,進路選択行動の関連モデル
4
5
富永美佐子 :進路選択能力,進路選択自己効力,進路選択行動の関連
はモデル A が .
,モデル Bが .
93
2
9
1
3でありモデ
力」については高
女子>大学女子>高
男子>
ル A が大きい。また,RMSEA は両モデルで .
04
4
中学女子>中学男子>大学男子の順にそれぞれ
と.
0
47であり,データとモデルの適合はどちらも
「進
0
.
1
%∼5
% 水準の有意差が見られた。さらに,
問題がないことが確認された。情報量基準は,
路選択行動」については大学女子>高
AI
C,BCCともに,モデル A がモデル Bよりも小
学 女 子>大 学 男 子>中 学 男 子 の 順 に そ れ ぞ れ
さい値を示した。これら適合度と情報量基準の結
0
.
1
%∼5
% 水準の有意差が見られた(高
果からモデル A が支持された。以上の結果から,
中学女子および大学男子と有意差なしであった
6グループでは因子平均が異なるといえる。
が,中学男子よりは有意に大きく,高
女子>中
男子は
女子・大
それでは,6グループで因子平均にどのような
学女子よりは有意に小さい)
。
検定結果と推定値の
違いが見られるのだろうか。このことを検定する
符号をあわせて考えると,
「進路選択能力」
はどの
ために,因子平均の推定および検 定 を 行った。
学
TABLE6に各グループの因子平均の推定値と検
きく,男子では大学>中学>高
定結果を示した。その結果,
「進路選択能力」
につ
は大学>高
いて大学男子>中学男子・大学女子>高
ている。反対に,
「進路選択自己効力」および「進
高
男子・
段階でも女子より男子のほうが因子平均は大
>中学の順で因子平均が大きくなっ
路選択行動」はどの学
女子>中学女子の順にそれぞれ 0
.
1
%∼5%
の順で,女子で
段階でも男子より女子の
ほうが因子平均は大きい。
「進路選択自己効力」
は
水準の有意差が見られた。また,
「進路選択自己効
TABLE6 6グループの因子平均と切片の推定値および検定結果
進路選択能力
推定値
中学男子
標準
誤差
Z 値
進路選択自己効力
推定値
標準
誤差
Z 値
.
00
進路選択行動
推定値
標準
誤差
Z 値
中学女子
.
00
−.
09
.
06
−1
.
62n.s.
.
27
.
09
2
.
87
.
0
0
.
1
7
.
04
4.
67
高
男子
−.
13
.
04
−3
.
14
.
39
.
09
4
.
52
.
1
0
.
03
3.
24
高
女子
−.
19
.
04
−4
.
26
.
59
.
09
.
2
0
.
03
6.
13
大学男子
.
18
.
07
2
.
43
−.
24
.
13
6
.
95
−1
.
82
.
0
1
.
05
0.
25
大学女子
.
01
.
05
0
.
16n.s.
.
41
.
08
4
.
84
.
2
6
.
03
7.
74
中学女子
.
00
高
男子
.
31
.
05
5
.
71
.
48
.
10
5
.
05
.
0
0
.
04
0.
08n.s.
高
女子
.
27
.
06
4
.
78
.
69
.
09
.
63
.
08
7
.
62
−.
05
.
17
.
1
1
−.
1
1
.
04
大学男子
7
.
86
−0
.
31n.s.
.
06
3.
02
−1.
96
大学女子
.
45
.
06
7
.
52
.
40
.
11
3
.
59
.
2
1
.
04
5.
42
.
07
.
1
4
−.
0
6
.
03
.
14
4
.
83
−3
.
11
.
05
5.
23
−1.
23n.s.
.
00
.
0
0
高
男子
高
女子
.
00
−.
03
.
04
−0
.
86n.s.
大学男子
.
34
.
07
4
.
74
.
33
−.
43
大学女子
.
16
.
04
3
.
67
.
17
.
07
2
.
37
.
2
3
.
03
7.
87
高
女子
.
00
大学男子
.
32
.
07
4
.
39
.
00
−.
84
.
14
−5
.
92
.
0
0
−.
1
7
.
06
−2.
69
−.
24
.
08
−3
.
05
.
1
1
.
03
3.
14
.
14
5
.
53
.
06
2.
28
.
00
大学女子
.
14
.
04
3
.
18
大学男子
.
00
−.
22
.
08
−2
.
90
大学女子
p <.
05
p <.
01
.
0
0
.
00
p <.
00
1
.
75
.
0
0
.
1
4
4
6
人間発達文化学類論集
女子では高
第 10号
200
9年 1
2月
>大学>中学,男子では高
>中
学>大学であり,「進路選択行動」は女子では大
学>高
>中学,男子では大学・高
>中学と年
から,今後も発達的な視点からの
ると思われる。
つぎに,平均構造モデル
析の結果,進路選択
能力,進路選択自己効力,進路選択行動の 3要因
齢とともに大きくなっていくことが示された。
の学
考
析が必要であ
察
段階ごとの変化が男女で異なることが明ら
かになった。すなわち,女子は学
本研究の目的は,進路選択能力から進路選択自
段階が上がる
ごとに進路選択能力,進路選択行動ともに増加し
己効力を媒介して進路選択行動に至るという高
ており,進路選択自己効力だけが大学で若干減少
生で確認されている構造の,学
している。一方,男子は進路選択能力が U 字型に
種間による違い
を検討することであった。そのため,高
の前後
変化し,進路選択自己効力と進路選択行動は逆 V
の段階である中学・大学を対象として高
生との
字の変化を示した。すなわち進路選択能力は中学
比較を行った。なお,進路発達に関する既存研究
から高
では,性差に関する知見は一貫しておらず,性差
増加しているが,進路選択自己効力と進路選択行
がないとは言い切れないため,学
動は中学から高
種と性別を掛
にかけて減少し,高
から大学にかけて
にかけて増加するものの,高
け合わせた 6グループを設定し,多母集団同時
から大学で進路選択自己効力は減少し,進路選択
析を行った。
行動は有意ではないが減少傾向を示している。
析の結果,6グループで測定さ
また,大学生段階での進路選択行動は,男子と
れている各構成概念は同質であり,また構成概念
女子で大きな差が認められ,女子の方が活発であ
間の関連も同じであった。このことから,進路選
る。中学・高
択能力から進路選択自己効力を媒介して進路選択
れず,進路選択自己効力は男子よりも女子が有意
行動に至るという構造は中学・高
に高いことから,大学での進路選択行動に性差が
多母集団同時
・大学で一定
と進路選択能力には性差が認めら
生じるのは解釈可能であるが,大学生で進路選択
していると考えられる。
このことは,進路選択自己効力を伴う進路選択
自己効力と進路探索行動には性差がないとする安
か
達(2
)や進路選択自己効力は男子のほうが有
0
01
ら大学にかけて一貫して必要であることを示して
意に高いことを報告している児玉他(2
)の知
0
02
いるのであり,学
能力を育成することを目指した教育が,中学
間差がないという結果は,教
見とは異なる結果となった。この原因のひとつと
育心理学において発達的な視点が不要だというこ
して,本研究の調査協力者のうち大学男子は,国
とを示しているわけではない。とくに生徒・学生
立大学の理系学生が 7割を占めた。理系学生の場
の進路指導やキャリア教育は,生徒・学生がそれ
合,就職活動の形態が文系のそれとは異なること
ぞれにふさわしい進路を形成するために必要な力
から,
その影響が結果に反映した可能性もあろう。
を育成するという理念が掲げられ,小学
から高
また他グループに比べ,数が少ないことは否めな
までの長期的な目標が示されている。
しかし,実
い。ただし基礎データとして収集した進路明確度
際の教育現場では「いついつまでに」決めなくて
(5段階)
を検討した結果も,
「仕事のことはあまり
の経済的な事
考えていない」と回答した割合(%)は,女子大
情などさまざまな制約の中で発達的な視点は忘れ
学生 3.
)に対して大学生男子 1
8
%(N =1
0
1.
2
%
はという時間的制約や,学力・家
)と約 3倍であり,職業選択・決定への取
られがちである。
またこれまでの研究においても, (N =1
3
妥当な進路決定には進路成熟に向けての長い期間
り組みは女子に比べ男子は遅い傾向が明らかであ
と 適 切 な 進 路 指 導 が 必 要 で あ る こ と は,下 山
る。本研究では,性別に拘わらず,能力があって
(1
によって指摘されているが,発達的な視点
9
9
8)
も自己効力が伴わなければよい行動に結びつかな
からそのメカニズムを検討した研究は少ないこと
いという Bandur
(1
)の主張を支持する結果
a
99
7
4
7
富永美佐子 :進路選択能力,進路選択自己効力,進路選択行動の関連
が示されたが,中学から大学にかけての進路発達
て,本研究ではより正確な比較を行うことができ
プロセスの性差については,今後ジェンダーの視
たといえるだろう。瀬尾(2
)でも同様の指摘
0
07
点から詳細に検討していく必要があると思われ
がなされ,多母集団同時
る。
だし,本研究で得られた知見は,変数間の相関関
さて,本研究の限界と今後の課題として,次の
三点が挙げられる。まず,本研究では,進路選択
析が行われている。た
係に基づくものであることには留意が必要であろ
う。
に関わる「能力」
「自己効力」
「行動」の関連をみ
最後に,本研究では「進路選択能力」と「進路
ることが目的であった。そこで,これらを測定す
選択自己効力」を取り上げ,これらが進路選択行
る尺度を新たに作成せず,
既存の尺度を用いた。
し
動に与える影響を調べた。だが,進路選択行動を
かし結果として,その内容が問題解決に関わる能
促進する要因は,進路選択能力と進路選択自己効
力と職業選択に関わる行動を測定するような項目
力だけではない。今後は,他の変数も吟味し,面
に偏ってしまったことは否めない。問題解決能力
接調査や実験研究を行いながら,包括的な進路選
も職業選択行動も進路という包括的な概念に含ま
択プロセスモデルを構築していく必要があるだろ
れるものではあるが,本研究の結果は,進路選択
う。
(2
0
09年 1
0月 6日受理)
全般に関して能力,自己効力,行動の関連が認め
られたのではなく,進路選択
(問題解決)
能力,進
路選択(職業選択)自己効力,進路選択(職業選
択)行動の間にのみ認められたことについて留意
する必要があると思われる。今後こうした点を踏
まえ,進路選択能力と進路選択行動の測度を整備
した上で,要因間の関連の検討を行うことが課題
である。第二に,第一の測度整備と重なるが,進
路選択能力の測定法が挙げられる。本来能力を測
定する場合には,
何らかのスキルや課題を実施し,
それを評定するといった方法が取られるべきであ
引用文献
安達智子
20
01 大学生の進路発達過程―社会・認知的進
路理論からの検討―
東
清和・安達智子
教育心理学研究,49,326
-33
6.
200
4 大学生の職業意識の発達 :最
近の調査データの
析から
早稲田教育叢書
Bandur
a,A. 19
89 Regul
at
i
on ofcogni
t
i
vepr
oces
s
es
-ef
t
hr
ough per
ce
i
ve
ds
e
l
f
f
i
cacy. Developmental
-73
Psychology ,25,729
5.
Bandur
a,A. 1997 Self Efficacy : the exer
cise of contr
ol .W.
H.Fr
eemanandCompany,Ne
w Yor
k.
-r
Bandur
a,A.
,& J
our
den,F.
J. 19
91 Se
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ろう。しかし進路選択能力を測定するのは現実的
me
chani
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msgove
r
ni
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hei
mpactofs
oc
i
alc
om-
に難しいことから,本研究では,進路選択のスキ
par
i
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ompl
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ci
s
i
on maki
ng. Jour
nal
ルについて「○○ができる」という質問を用意し,
「能
5件法で回答する形式を用いた。したがって,
-95
of Per
sonality and Social Psychology ,60
,941
1.
Bet
z,N.
E. 20
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T.
L.
,& Leong,A.
B.(
Eds
.
ar
y models
力がある」と回答した者が,実際にそのスキルを
in vocational psychology : a volume in honor of
獲得しているかということを客観的には確認でき
Samuel
ていない。この点については,今後教師の客観的
As
s
oc
i
at
e
s
. pp.
5577.
な評価を同時に
用する,あるいは適切な課題を
用意しスキルの有無を評価するなどの方法を別途
検討していく必要があるだろう。第三に,本研究
では多母集団同時
析を用いて異なる母集団間で
測定された各構成概念同士が同質であることを確
認した上で,仮説モデルの検討を行った。先行研
H. Osipow . NJ:Lawr
ence Er
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baum
Cr
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A.
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nal of Adolescence,30
,3
77392
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-69
Psychological Repor
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4,6
94
6.
究の多くが,このような構成概念の同質性の保証
Gus
hue
,G.
V.
,Cl
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,C.
P.
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,K.
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がないまま集団間での比較を行っているのに対し
K.
R.
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4
8
人間発達文化学類論集
第 10号
200
9年 1
2月
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Car
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ly ,54
,30
7317
.
南風原朝和 20
02 コメント :モデル適合度の目標適合度
―観測変数の数を減らすことの是非を中心に― 行
動計量学,29,160
-16
6.
廣瀬英子 199
8 進路に関する自己効力研究の発展と課題
教育心理学研究,46,34
3-3
55.
狩野 裕
2
002
a 再討論 :誤差共 散の利用と特殊因子
の役割 行動計量学,2
9,1
82197
.
狩野
裕
散
2
002
b 構造方程式モデリングは,因子 析,
析,パス解析のすべてにとって代わるのか
行動計量学,2
9,1
3815
9.
狩野
20
02 グラフィカル多変量解析―目
散構造 析― 現代数学社
で見る共
による中学・高
田敏志・戸塚唯氏
・不安(STAI
)
・気 (POMS)―
Fi
ve
学部紀要,3
8,6
1-9
6.
19
98 青年期の発達 下山晴彦(編) 教育心理
学I
―発達と臨床援助の心理学 東京大学出版会
I
-20
pp.
183
5.
田部井明美 2
006 共 散構造
ケート処理 東京図書
析(Amos
)によるアン
200
6 高 生のための進路選択自己効力尺度
の作成―内容的妥当性・併存的妥当性の検討から―
東北大学大学院教育学研究科研究年報,54,355
-37
6.
200
8 進路選択自己効力に関する研究の現状
ティの影響
富永美佐子
広島大学大学院教育学研究科心理学研
究,2
-7
,63
2.
と課題
キャリア教育研究,25
-1
,97
11.
印刷中
高
生の進路選択の構造―進路選択
能力,進路選択自己効力,進路選択行動の関連―
-de
Luzzo,D.
A. 199
3 Val
ue ofc
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fe
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t
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t
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ki
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l
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. Jour
nal of Counseling
Psychology ,40
,19
4-9
9.
井賢二・奈良井啓子
2
00
1 中学生の学 適応と進路
(キャリア)成熟,進路選択に対する自己効力との関
新潟大学教育人間科学部紀要人文・社会科学編,
合的調
査研究協力者会議報告書
瀬尾美紀子
関西大学社会
下山晴彦
富永美佐子
-37
3,363
3.
文部科学省 20
04 キャリア教育の推進に関する
析
教育心理学研
究,55
,17
0183
.
清水和秋・山本理恵 200
7 小包化した変数によるパーソ
ナ リ ティ構 成 概 念 間 の 関 係 性 の モ デ ル 化―Bi
g
2
002 大学生の進路選
択行動に及ぼす自己効力及び職業的アイデンティ
連
生の発達差の検討
富永美佐子
裕・三浦麻子
児玉真樹子・
観とつまずき明確化方略の役割―多母集団同時
20
07 自律的・依存的援助要請における学習
キャリア教育研究,28
.
冨安浩樹
19
97 大学生における進路決定自己効力と進路
決定行動との関連 発達心理学研究,8,1525.
豊田秀樹
200
7 付録 A 適合度指標 共 散構造
〔Amos編〕 豊田秀樹編著 東京図書
析
辻川典文
20
08 進路選択過程に対する自己効力の因子構
造と代理体験の効果の検討 キャリア教育研究,2
5,
7788.
浦上昌則 19
97 就職活動の過程把握方法に関する一試案
(2) 日本教育心理学会第 39回
315
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会発表論文集,p.
富永美佐子 :進路選択能力,進路選択自己効力,進路選択行動の関連
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キーワード :
進路選択能力,進路選択自己効力,進路選択能力,中学・高
・大学生
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